JP3884274B2 - 回転センサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
絶縁磁性材層と導体とを有する回転体(ロータ)と、励磁コイルを有する固定体とを備えた回転センサとして、例えば、トーションジョイントを介して相対回転する二本の回転軸が連結された自動車のハンドルシャフトにおける回転トルクを検出する回転センサが知られている。
【0003】
このような回転センサとしては、例えば、前記ハンドルシャフトの車輪側の回転軸と連動し、磁性体と非磁性金属体とを周方向に等間隔に交互に配置した第1ロータと、前記ハンドルシャフトのハンドル側の回転軸と連動し、非磁性金属体を周方向に等間隔で切り欠いて形成される第2ロータとを備え、両ロータの相対回転位置によって変化する磁界を横切る導電性金属体の面積に応じて生ずる渦電流により、前記励磁コイルに発生する実効インダクタンスを変化させ、前記両回転軸間の相対回転ずれの角度を回転トルクとして検出するものがある。
【0004】
この回転センサは、前記ハンドルシャフトの車輪側の回転軸とハンドル側の回転軸とが、相対回転ずれを起こすことなく1回転した場合、前記励磁コイルから両回転軸の中心に向かう面上における透磁率が周方向で異なる。このため、上記回転センサは、前記励磁コイルの磁界が周方向に沿って不均一となり、センサの出力変化が一定範囲のレベルを超えてしまう。従って、上記回転センサは、パワーステアリング装置のトルクセンサとして使用した場合、相対回転角度を適正に検出できなくなる。
【0005】
このため、回転センサにおいては、励磁コイルのコアに多数の孔を形成することによって周方向の不均一磁界を均一化することが提案されている(実公平5−22836号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記公報に開示された手段は、径方向の磁界の不均一度を低減するうえでは有効であるが、周方向に沿って均一な磁界とするには不十分である。これは、回転センサでは、外部への磁界の漏れ防止を目的として前記励磁コイルのコアを金属ケースで覆っているが、コアを金属ケースで覆う場合、金属ケースとコアとの隙間が小さい部分では、他の箇所に比べて金属ケースの表面で発生する渦電流が大きく、コイルの実効インダクタンスが小さくなる。これに対し、金属ケースとコアとの隙間が大きい部分では効インダクタンスが大きくなるからである。即ち、回転センサでは、外部への磁界の漏れ防止を目的とする金属ケースとコアとの間には隙間が設けられており、その密着度が周方向に沿ってばらつき、不均一となっているからである。
【0007】
この場合、金属ケースとコアとの密着度を周方向に沿って一定に保持するためには、金属ケースとコアとの同心度を揃え、両部材の真円からのずれを小さくすればよい。但し、コアを金属ケースで覆う場合、両部材の真円からのずれを小さくするため、金属ケースやコアの加工精度や製造精度で対応しようとすると、回転センサの製造コストが大幅に増加して好ましくない。また、金属ケース内にコアを挿入し難くなることも考えられる。
【0008】
更に、回転センサは、温度補償を目的として同一形状の2つのコイルを対にして用いることがある。この場合、対となる2つのコイルは、可能な限り同一の特性を有する必要がある。
しかし、金属ケースとコアとの周方向に沿った密着度が上記のように異なっていると、回転センサは、温度変化に伴う各構成部材の膨張量や収縮量の相違に起因して、各構成部材相互間の相対距離が部分的に変化する。このため、温度補償を目的として2つのコイルを用いた回転センサにおいては、対となるコイルの実効インダクタンスに差が生じ、温度補償機能を適正に発揮することができなくなる。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、環境温度の変動に拘わらず励磁コイルの実効インダクタンスが周方向に沿って均一な回転センサを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明においては上記目的を達成するため、絶縁磁性材層を有し、回転する第1のシャフトの軸線方向所定位置に取り付けられる第1のロータ、固定部材に固定され、励磁コイルを有する固定コア、前記第1のロータに隣接し、前記第1のシャフトに対して相対回転する第2のシャフトに取り付けられ、前記第1のロータと前記固定コアとの間に配置される第2のロータ及び前記励磁コイルと接続され、特定周波数の発振信号を発振する発振手段を備えた回転センサにおいて、前記固定コアは、コア本体を外周が導電性部材からなるケースで覆って構成し、前記コア本体に複数の突起を設けるかまたは前記ケース内面に複数の突起もしくは凹部を設けることにより、前記コア本体と前記ケースとの間に非磁性の絶縁層となる空気層を形成したことを特徴としている。
【0011】
好ましくは、前記非磁性の絶縁層は、前記第1のシャフトの軸線と直交する半径方向における大きさが、前記コア本体と導電性部材からなる前記ケースの製造精度に基づいて形成される前記コア本体と前記ケースとの半径方向の隙間の寸法におけるばらつきの最大値の3倍以上とする。
【0012】
【作用】
コア本体との間に非磁性の絶縁層を介して外周を導電性部材からなるケースで覆うと、固定コアは、励磁コイルの相対実効インダクタンスの変動幅が小さくなり、環境温度の変動による励磁コイルの実効インダクタンスの不均一度が周方向に沿って小さくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の回転センサに係る一実施形態として、例えば、自動車において変換ジョイント(トーションバー)を介して主動シャフトから従動シャフトへ伝達されるステアリングシャフトの回転トルクを検出する2重コイル方式の回転センサを図1乃至図11に基づいて説明する。
【0014】
回転センサ10は、図1及び図2に示すように、第1ロータ11、固定コア12、第2ロータ13及び相対回転角度測定装置14を備えている。ここで、前記主動シャフトは、前記従動シャフトに対して±8°の範囲内で相対回転する。
第1ロータ11は、ナイロン,ポリプロピレン(PP),ポリフェニレンスルフィド(PPS),ABS樹脂等の電気絶縁性を有する熱可塑性合成樹脂に、Ni−ZnやMn−Zn系のフェライトからなる軟磁性材粉を、軟磁性材の含有量が10〜70体積%で混合した絶縁磁性材によって円筒状に成形され、回転する前記主動シャフトの軸線方向所定位置に取り付けられる。第1ロータ11は、図1に示すように、外周に回転軸Art方向に2段に配置されると共に、周方向に所定間隔、例えば、上下で交互に位置をずらして中心角30°間隔で複数の銅箔11aが設けられている。
【0015】
ここで、銅箔11aは、回転軸Art方向に上下2段に分けた少なくともいずれか一方の外周に配置されると共に、周方向に所定間隔をおいて設ければよい。従って、銅箔11aは、上側あるいは下側のみに所定間隔で設けたり、上側あるいは下側に所定間隔で設けると共に、下側あるいは上側に全周に亘って設けてもよい。また、導体層であれば、例えば、アルミニウム,銀等の素材を使用することができ、銅箔11aを含むこれら導体層は絶縁磁性材の内部に埋め込んでもよい。
【0016】
固定コア12は、第1ロータ11と半径方向に数mm程度の僅かなギャップをおいて配置され、ステアリングシャフト近傍に位置する固定部材(図示せず)に固定される。固定コア12は、図2に示すように、第1ロータ11と同一の絶縁磁性材からなる2つのコア本体12aと、各コア本体12a内に収容される励磁コイル12bと、両コア本体12aを収容する導電性部材からなる遮蔽ケース(以下、単に「ケース」という)12cとを有している。各励磁コイル12bは、ケース12cから外部へ延出させた電線12d(図1参照)によって図示しない信号処理回路と接続され、この信号処理回路から交流電流が流されている。ケース12cは、交流磁界の遮蔽性を有するアルミニウム,銅、或いはPPS(ポリフェニレンスルフィド)等の合成樹脂にカーボンを混入した体積抵抗率10-1〜10-2Ω・cm程度のカーボン混入プラスチック等の導電性部材によって、各コア本体12aを収容する2つの凹部12eを有するリング状に形成されている。
【0017】
このとき、固定コア12は、図3に示すように、ケース12cの内面に所定の曲率半径を有する半球からなる突起12fが複数設けられている。これにより、固定コア12は、各コア本体12aとの間に非磁性の絶縁層である空気層12gを介して外周が導電性のケース12cで覆われている。このため、回転センサ10は、後述するように、各励磁コイル12bの実効インダクタンスの変動幅が小さくなり、環境温度の変動に拘わらず励磁コイルの実効インダクタンスが周方向に沿って均一となる。
【0018】
ここで、固定コア12は、コア本体12aとケース12cの製造精度の関係で、コア本体12aとケース12cとの間に隙間(空気層12g)が生ずる。この隙間の半径方向における寸法のばらつきの平均値をG0とし、最大値と最小値の差をΔGとする。このとき、固定コア12は、理論上、最大値と最小値の差ΔGが同じならばΔG/G0の値が小さい程、周方向に沿った磁界の不均一度が小さい。即ち、固定コア12は、平均値G0が大きい程、周方向に沿った磁界の均一度が良くなる。従って、空気層12gは、半径方向における大きさ(寸法)を、コア本体12aとケース12cの製造精度に基づいて形成される隙間の寸法におけるばらつきの最大値、即ち、前記した最大値と最小値の差ΔGの3倍以上とする。
【0019】
また、固定コア12は、上側のコア本体12a及び励磁コイル12bと下側のコア本体12a及び励磁コイル12bとの間の回転軸Artに直交する面に関し、図2に示すようにケース12cを面対称に形成し、上側のコア本体12a及び励磁コイル12bと下側のコア本体12a及び励磁コイル12bとが前記面に関して面対称に配置されるようにする。更に、2つの励磁コイル12bは、それぞれ巻き方向を逆に設定したり、交流電流を流す向きを逆にすることで、第1ロータ11との間に形成される磁気回路の向きを逆にする。
【0020】
第2ロータ13は、電気絶縁性を有し、成型性に優れた合成樹脂によって、図1に示すように、フランジ13aの外周に回転軸Artと並行する複数の羽板13bを均等に配置して形成されている。各羽板13bは、それぞれ各銅箔11aに対応する間隔で形成され、外表面には銅箔13cが設けられている。従って、第1ロータ11に上下2段で、周方向に所定間隔をおいて設けられる銅箔11aと銅箔13cは、第1ロータ11を展開した状態として示すと図4のようになる。そして、図4に示す銅箔11aと銅箔13cの位置が、第1ロータ11と第2ロータ13との相対回転における基準位置、言い替えると相対回転がゼロの位置である。
【0021】
このとき、第2ロータ13は、各羽板13bの内表面あるいは絶縁材で製作された筒体の内表面や内部に一定の厚さの導体層(例えば0.2mmの銅箔,或いはアルミニウム,銀等の素材のもの)を銅箔11aに対応させて均等に配置してもよく、これは後述する回転センサにおいても同じである。第2ロータ13は、第1ロータ11と固定コア12との間に配置され、前記主動シャフトに対して相対回転する前記従動シャフトに取り付けられる。
【0022】
以上のように構成される回転センサ10は、第1ロータ11を前記主動シャフトに、第2ロータ13を前記従動シャフトに、それぞれ取り付けるとともに、固定コア12を前記固定部材に固定してステアリング装置に組み付けられる。
次に、図5及び図6を用いて第1実施形態に係る回転センサによる相対回転角度測定を説明する。図5は、回転センサの相対回転角度測定装置14の一例を示す回路図である。図において、測定装置14は、発振信号を発振する発振回路14aと、発振信号を分周して特定周波数のパルス信号を出力する分周回路14bと、2つの励磁コイル12bにそれぞれ生じる前記パルス信号の位相をシフトする位相シフト部14cと、前記検出された各位相シフト量を検出する第1及び第2のシフト量検出部14d,14eと、前記検出されたシフト量を対応する電圧値に変換する第1及び第2のコンバータ14f,14gと、前記電圧値のシフトレベルを調整する第1及び第2のシフトレベル調整部14h,14iと、第1のコンバータ14fからのシフト量に対応する電圧と第2のシフトレベル調整部14iからの調整された電圧との差分を求める第1の差動アンプ14jと、第1のシフトレベル調整部14hからの調整された電圧と第2のコンバータ14gからのシフト量に対応する電圧との差分を求める第2の差動アンプ14kと、求められた各差分の電圧から相対回転角度を測定する相対回転角度測定部14mとを有して構成される。
【0023】
発振回路14aは、分周回路14bを介して特定周波数のパルス信号を位相シフト部14cに出力している。
位相シフト部14cは、励磁コイル12b,12bが直列接続され、かつ直列接続されたコンデンサC1、抵抗R1及びコンデンサC2が励磁コイル12b,12bと並列に接続されて構成される。励磁コイル12b,12bは、固定コアに巻回されて交流電流が流され、第1のロータと協働して磁気回路を形成している。位相シフト部14cは、第2のロータに発生する渦電流の大きさに応じて、励磁コイル12b,12b間に接続された分周回路14bから入力されるパルス信号の位相をシフトする。
【0024】
第1及び第2のシフト量検出部14d,14eは、各励磁コイル12bの一端にそれぞれ接続され、第1のシフト量検出部14dはA点とB点とのパルス信号の位相ずれ量を検出し、第2のシフト量検出部14dはA点とC点とのパルス信号の位相ずれ量を検出することによって、位相シフト量を検出する。
第1及び第2のコンバータ14f,14gは、図6に示すように、前記検出されたシフト量を対応する電圧値S1,S2に変換し、シフトレベル調整部14h,14iは、コンバータ14f,14gから入力するパルス信号の電圧値S1,S2のシフトレベルを調整し、第1及び第2の差動アンプ14j,14kに出力している。第1の差動アンプ14jは、コンバータ14fからのパルス信号の電圧値S1とシフトレベル調整部14iからのパルス信号の電圧値S2の差分を求め、元の信号の2倍の出力レベルからなる信号T1(電圧値)を相対回転角度測定部14mに出力する。また、差動アンプ14kは、コンバータ14gから入力するパルス信号の電圧値S2とシフトレベル調整部14hからのパルス信号の電圧値S1の差分を求め、元の信号の2倍の出力レベルからなる信号T2(電圧値)を相対回転角度測定部14mに出力する。
【0025】
相対回転角度測定部14mは、図5に示すように、これら信号T1,T2の電圧値に基づき、2つのロータの相対回転角度を−8°〜+8°の範囲で高精度に測定できる。
従って、回転センサ10は、この相対回転角度に基づき、予め求めてある前記主動シャフトと前記従動シャフトとの間に作用する回転トルクと、両シャフト間の相対回転角度との関係に基づき、作用している回転トルクを求めることができる。
【0026】
このとき、突起12fの曲率半径を0.1,0.2,0.3mmとし、空気層12gの厚さTを0.1,0.2,0.3mmの3通りに設定した3種類の回転センサ10と、突起12fを設けず、各コア本体12aとの間に空気層12gが存在しない(T=0)ことを除いて回転センサ10と構造が同一な回転センサを用意した。そして、これら4種類の回転センサに関し、第1及び第2ロータ11,13を固定コア12に対して1回転させ、回転センサ10の上側の励磁コイル12bにおける回転角度(°)と相対実効インダクタンス(ΔL/L)との関係をLCRメータ(ヒューレットパッカード社製,HP4284A)を用いて測定した。その結果を図7(a)〜(d)に示す。
【0027】
図7(a)〜(d)に示す結果から明らかなように、回転センサ10は、空気層12gが存在した方が各励磁コイル12bの実効インダクタンスの周方向に沿った変動幅が小さくなること、また、実効インダクタンスの変動幅は、空気層12gの厚さの増加に伴って小さく均一になる傾向があることが分かった。
また、回転センサ10は、図2に示すように、回転軸Artに直交する面に関して、励磁コイル12bを収容した2つのコア本体12a及びケース12cを面対称に配置し、2つの励磁コイル12bは、それぞれ巻き方向を逆に設定したり、交流電流を流す向きを逆にすることで、第1ロータ11との間に形成される磁気回路の向きを逆にしている。このため、回転センサ10は、相対回転角度測定装置14による相対回転角度の測定に際し、2つの励磁コイル12bに生ずる環境温度の変動,電磁ノイズ,前記発振回路における発振周波数の変動,電源電圧あるいは組付け誤差等の外乱が相殺される。このため、回転センサ10は、信号T1,T2には前記外乱の影響が入っていないので、種々の外乱があっても検出精度の変動が少なく、相対回転角度や回転トルクを正確に検出することができる。
【0028】
ここで、前記実施形態の固定コア12は、コア本体12aとケース12cとの間に非磁性の絶縁層として空気層12gを介在させるためにケース12cに突起12fを設けた。しかし、本発明の回転センサは、固定コアが、コア本体との間に非磁性の絶縁層を介して外周を導電性のケースで覆われていれば良い。
従って、例えば、図8に示す固定ケース16のように、導電性金属からなるケース16cに厚さTの空気層16gを形成する凹部16fを設けてもよい。
【0029】
尚、固定コア16並びに以下に説明する固定コア17,18においては、固定コア12と同一の構成部分には対応する符号を使用することで重複した説明を省略する。
このとき、空気層16gの厚さT=0.3mmの固定コア16を用いた回転センサ10と、凹部16fがなく、空気層12gの厚さT=0mmの固定コア16を用いたことを除き、回転センサ10と同一構造の回転センサとを用意した。そして、これら2種類の回転センサに関し、第1ロータ11と第2ロータ13とを±10°の範囲で相対回転させ、図1の回転センサ10の上側の励磁コイル12bにおける実効インダクタンス(H)を相対回転角度(°)に関して測定した。その結果を、空気層12gの厚さT=0mmの固定コア16を用い、両ロータ11,13が相対回転角度が0°のときの実効インダクタンスをL0、相対回転角度が±10°の範囲で変化したときにおける実効インダクタンスの変化量をΔL(H)として図9に示す。図9においては、時計方向への回転を+、反時計方向への回転を−で、それぞれ示した。
【0030】
図9に示す結果から明らかなように、回転センサは、コア本体16aとケース16cとの間に空気層16gが存在すると、励磁コイル16b(図示せず)における実効インダクタンスの絶対値は減少するが、第1ロータ11と第2ロータ13との間の相対回転に伴う相対回転角度の変化幅は周方向に沿って略同一となることが分かった。
【0031】
一方、固定コアは、図10に示す固定コア17のように、コア本体17aの外面に突起12fと同様に構成される所定の曲率半径を有する半球からなる突起17fを複数設けることで、コア本体17aと導電性部材からなるケース17cとの間に、非磁性の絶縁層となる厚さTの空気層17gを形成してもよい。また、図11に示す固定コア18のように、コア本体18aと導電性のケース18cとの間に、非磁性の絶縁層となる合成樹脂、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)の薄膜からなる厚さTの樹脂層18gを形成してもよい。
【0032】
尚、上記実施形態は、外乱の影響を相殺して相対回転角度や回転トルクを正確に検出することを目的として励磁コイルを2つ有する2重コイル方式の回転センサに基づいて説明した。しかし、本発明の回転センサは、励磁コイルが1つの回転センサであってもよいことは言うまでもない。
【0033】
【発明の効果】
請求項1乃至の発明によれば、環境温度の変動に拘わらず励磁コイルの実効インダクタンスが周方向に沿って均一な回転センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る回転センサを示す分解斜視図である。
【図2】図1の回転センサを直径方向に沿って切断した断面図である。
【図3】図1の回転センサで用いる固定コアを直径方向に沿って切断した一部を示す断面図である。
【図4】図1の回転センサに関し、第1のロータに設ける第1の導体層と、第2のロータに設ける第2の導体層との位置関係を、第1のロータを展開した状態として示す展開図である。
【図5】図1の回転センサで使用する相対回転角度測定装置の一例を示す回路図である。
【図6】図5に回路図を示した相対回転角度測定装置で得られる電圧値S1,S2並びに電圧値に関する信号T1,T2と第1及び第2のロータの相対回転角度との関係を示す電圧特性図である。
【図7】第1及び第2のロータが固定コアに対して1回転したとき、図1の回転センサの上側の励磁コイルにおける回転角度と相対実効インダクタンスとの関係を突起の曲率半径を4通りに変化させて測定した特性変化図である。
【図8】図1の回転センサで用いる固定コアの他の実施形態を、固定コアを直径方向に沿って切断した一部を示す断面図である。
【図9】図8の固定コアと、空気層がない固定コアとにおいて、第1のロータと第2のロータとを±10°の範囲で相対回転させたとき、図1の回転センサの上側の励磁コイルにおける相対回転角度と実効インダクタンスとの関係を示す特性変化図である。
【図10】図1の回転センサで用いる固定コアの更に他の実施形態を、固定コアを直径方向に沿って切断した一部を示す断面図である。
【図11】図1の回転センサで用いる固定コアの他の実施形態を、固定コアを直径方向に沿って切断した一部を示す断面図である。
【符号の説明】
10 回転センサ
11 第1ロータ
12 固定コア
12a コア本体
12b 励磁コイル
12c ケース(導電性部材からなる)
12f 突起
12g 空気層(非磁性の絶縁層)
13 第2ロータ
14 相対回転角度測定装置
16 固定ケース
16a コア本体
16c ケース(導電性部材からなる)
16g 空気層(非磁性の絶縁層)
16f 凹部
17 固定コア
17a コア本体
17c ケース(導電性部材からなる)
17f 突起
17g 空気層(非磁性の絶縁層)
18 固定コア
18a コア本体
18c ケース(導電性部材からなる)
18g 樹脂層(非磁性の絶縁層)

Claims (2)

  1. 絶縁磁性材層を有し、回転する第1のシャフトの軸線方向所定位置に取り付けられる第1のロータ、固定部材に固定され、励磁コイルを有する固定コア、前記第1のロータに隣接し、前記第1のシャフトに対して相対回転する第2のシャフトに取り付けられ、前記第1のロータと前記固定コアとの間に配置される第2のロータ及び前記励磁コイルと接続され、特定周波数の発振信号を発振する発振手段を備えた回転センサにおいて、前記固定コアは、コア本体を外周が導電性部材からなるケースで覆って構成し、前記コア本体に複数の突起を設けるかまたは前記ケース内面に複数の突起もしくは凹部を設けることにより、前記コア本体と前記ケースとの間に非磁性の絶縁層となる空気層を形成したことを特徴とする回転センサ。
  2. 前記非磁性の絶縁層は、前記第1のシャフトの軸線と直交する半径方向における大きさが、前記コア本体と導電性部材からなる前記ケースの製造精度に基づいて形成される前記コア本体と前記ケースとの半径方向の隙間の寸法におけるばらつきの最大値の3倍以上である、請求項1の回転センサ。
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