JPWO2013164955A1 - 圧電素子 - Google Patents

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Abstract

圧電素子は、基板上に、Ptからなる下部電極と、PLTからなるバッファ層と、ペロブスカイト型の強誘電体薄膜としての圧電薄膜とがこの順で形成されている。下部電極を構成するPtの平均結晶粒径が、50nm以上150nm以下である。

Description

本発明は、基板上に、下部電極、バッファ層および強誘電体薄膜をこの順で形成した圧電素子に関するものである。
近年、駆動素子やセンサーなどに応用するための機械電気変換素子として、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O)などの鉛系の圧電体や、鉛を含まない非鉛系の圧電体が用いられている。このような圧電体は、シリコン(Si)等の基板上に薄膜として形成することで、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子へ応用が期待されている。
MEMS素子の製造においては、フォトリソグラフィーなど半導体プロセス技術を用いた高精度な加工を適用できるため、素子の小型化や高密度化が可能となる。特に、直径6インチや直径8インチといった比較的大きなSiウェハ上に素子を高密度に一括で作製することにより、素子を個別に製造する枚葉製造に比べて、コストを大幅に低減することができる。
また、圧電体の薄膜化やデバイスのMEMS化により、機械電気の変換効率が向上することで、デバイスの感度や特性が向上するといった新たな付加価値も生み出されている。例えば、熱センサーでは、MEMS化による熱コンダクタンス低減により、測定感度を上げることが可能となり、プリンター用のインクジェットヘッドでは、ノズルの高密度化による高精細パターニングが可能となる。また、このようなデバイスで必要とされる圧電体薄膜には、高い圧電定数d31が求められている。
圧電体薄膜をMEMS駆動素子として用いる際には、設計するデバイスにもよるが、必要な変位発生力を満たすために、例えば3〜5μmの厚みで圧電体薄膜を成膜しなければならない。圧電体薄膜をSiなどの基板上に成膜するには、CVD(Chemical Vapor Deposition )法など化学的成膜法、スパッタ法やイオンプレーティング法といった物理的な方法、ゾルゲル法など液相での成長法が知られており、これらの成膜方法に応じて、必要な性能の膜を得るための成膜条件を見い出すことが重要である。
圧電体薄膜の材料としては、PZT、すなわち、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、酸素(O)からなる結晶を用いることが多い。PZTは、図8に示すABO型のペロブスカイト構造となるときに良好な圧電効果を発現するため、ペロブスカイト単相にする必要がある。逆に、圧電体薄膜の結晶性が悪く、パイロクロア構造の結晶や非晶質な領域が増えてしまうと、圧電特性は低くなる。PZTの成膜時は、Pb蒸発が起きやすいため、注意深く成膜条件を設定してペロブスカイト結晶を得ることが求められる。
ABO型のペロブスカイト構造を採るPZTの結晶の単位格子の形は、Bサイトに入る原子であるTiとZrとの比率によって変化する。つまり、Tiが多い場合には、PZTの結晶格子は正方晶となり、Zrが多い場合には、PZTの結晶格子は菱面体晶となる。ZrとTiとのモル比が52:48付近では、これらの結晶構造が両方とも存在し、このような組成比を採る相境界のことを、MPB(Morphotropic Phase Boundary )と呼ぶ。このMPB組成では、圧電定数、分極値、誘電率といった圧電特性の極大が得られることから、MPB組成の圧電体薄膜が積極的に利用されている。
また、ペロブスカイト結晶性やMPB組成を利用する以外に、圧電体薄膜の結晶配向を適切に制御することも、圧電定数の増大を図る上では重要である。例えば、Pb系ペロブスカイト型結晶の配向方向には、(100)、(110)、(111)等が存在するが、圧電定数d31を高くするためには、図9に示すように、電界印加方向に揃った分極を利用する(001)配向や、ドメイン回転の効果を利用する(100)配向が有効である。なお、同図において、黒塗りの太い矢印は、分極方向を示している。このとき、正方晶の(001)方向の分極を持つドメインに対して、(001)方向に電界を印加した場合の通常の圧電歪みΔX1と、正方晶の(100)方向の分極を持つドメインに対して、(001)方向に同じ電界を印加した場合の圧電歪みΔX2とを比べると、(100)方向から(001)方向への90°ドメイン回転による圧電歪みΔX2は、通常の圧電歪みΔX1に比べて大きい。
圧電体薄膜の結晶配向は、その下地層の結晶配向の影響を強く受けるため、圧電体薄膜の成膜条件だけでなく、下地層の結晶配向を制御することが非常に重要となる。そこで、Ptの高温成膜を酸素雰囲気で行って、Pt下部電極を(100)配向で形成することにより、その上にPb系ペロブスカイト型圧電体薄膜を(100)配向で形成したり、(001)MgOなどの単結晶基板上にPt下部電極を(001)配向で成膜することにより、その上にPb系ペロブスカイト型圧電体薄膜を(001)配向で形成する手法が提案されている。しかし、これらの手法は、いずれも、信頼性や生産性の観点から実用化が難しい。
そこで、例えば特許文献1では、Ptで構成されるとともに断面径が20nm以上30nm以下の柱状粒子の集合体からなる電極と、Pb系ペロブスカイト型の強誘電体薄膜であるPZTとの間に、PZTの結晶配向性を制御するためのバッファ層を形成するようにしている。このバッファ層は、(001)結晶配向率が50%のペロブスカイト型のチタン酸ランタン鉛(PLT)で構成されている。このように、電極上に(001)配向のペロブスカイト型のPLTを成膜することにより、そのPLT上にPZTを(001)配向で成膜するようにしている。
特許第4058018号公報(請求項10、11、段落〔0020〕、〔0027〕、〔0028〕、〔0215〕〜〔0217〕等参照)
ところが、特許文献1の構成では、下部電極を構成するPtの結晶粒径は、上記したように、20nm以上30nm以下である。このような結晶粒径では、Ptの結晶性が高いとは言えないので、Pt上に、ペロブスカイト結晶性の高いPLTを安定して成膜することができない。その結果、PLT上に、ペロブスカイト型の強誘電体薄膜を安定して成膜することができない。
また、Ptは自己配向性が強く、(111)配向で形成されやすいが、Ptの結晶粒径が大きすぎると、Ptの結晶性が高すぎて、Ptとは異なる配向方向(例えば(100)配向)でPLTを形成することが困難となる。その結果、PLT上に、強誘電体薄膜を所望の配向方向(例えば(100)配向)で成膜して、圧電特性を向上させることが困難となる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、下部電極を構成するPtの結晶粒径を適切に規定することにより、ペロブスカイト結晶性の高いPLTからなるバッファ層を介して、ペロブスカイト型の強誘電体薄膜を所望の配向方向で安定して成膜し、これによって高い圧電特性を実現することができる圧電素子を提供することにある。
本発明の一側面の圧電素子は、基板上に、白金からなる下部電極と、チタン酸ランタン鉛からなるバッファ層と、ペロブスカイト型の強誘電体薄膜とをこの順で形成した圧電素子であって、前記下部電極を構成する白金の平均結晶粒径が、50nm以上150nm以下である。
本発明の実施の一形態に係る圧電素子の概略の構成を示す断面図である。 上記圧電素子の下部電極を構成するPtの平均結晶粒径と、上記下部電極上に形成されるバッファ層を構成するPLTの(100)配向性との関係を示すグラフである。 上記バッファ層上に圧電薄膜としてのPZTを成膜した場合において、上記PZTに対してX線回折の2θ/θ測定を行った結果を示すグラフである。 上記下部電極上に上記バッファ層を成膜せずに上記PZTを成膜した場合において、上記PZTに対してX線回折の2θ/θ測定を行った結果を示すグラフである。 圧電変位測定計の概略の構成を示す斜視図である。 上記圧電素子の製造工程を示す断面図である。 上記圧電素子の製造工程を示す断面図である。 上記圧電素子の製造工程を示す断面図である。 上記圧電素子の製造工程を示す断面図である。 上記バッファ層上に圧電薄膜としてのPLZTを成膜した場合において、上記PLZTに対してX線回折の2θ/θ測定を行った結果を示すグラフである。 PZTの結晶構造を模式的に示す説明図である。 圧電体の結晶配向の違いによる圧電歪みの違いを模式的に示す説明図である。
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
〔1.圧電素子の構成〕
図1は、本実施形態に係る圧電素子10の概略の構成を示す断面図である。本実施形態の圧電素子10は、基板1上に、熱酸化膜2、密着層3、下部電極4、バッファ層5、圧電薄膜6および上部電極7をこの順で積層して構成されている。
基板1は、厚さが例えば300〜500μm程度の単結晶Si(シリコン)単体からなる半導体基板またはSOI(Silicon on Insulator)基板で構成されている。基板1は、他の材料で構成されていてもよいが、MEMSプロセスとの親和性を考慮すると、Si基板またはSOI基板で構成されることが望ましい。
熱酸化膜2は、例えば厚さが0.1μm程度のSiO(酸化シリコン)からなる絶縁膜である。熱酸化膜2を設けずに圧電素子10を構成することも可能であるが、熱酸化膜2を設けることにより、圧電素子10をインクジェットヘッドなどのデバイスに適用したときに、下部電極4から基板1への電流のリークを熱酸化膜2によって防止することができ、信頼性の高いデバイスを実現することができる。基板1がSi基板またはSOI基板である場合、基板1の熱酸化により、SiOからなる良質の熱酸化膜2を簡単に得ることができるが、熱酸化膜2は、シリコン窒化膜などの他の絶縁膜で構成されてもよい。
密着層3は、下層(熱酸化膜2または基板1)と下部電極4との密着性を向上させるために設けられており、例えば膜厚10nm程度のチタン(Ti)で構成されている。なお、密着層3は、酸化チタン(TiOx)で構成されていてもよい。
下部電極4は、例えば膜厚0.1μm程度の白金(Pt)で構成されている。Ptは、自己配向性を有しており、基板1に対して(111)方向に配向している。下部電極4は、Ptの平均結晶粒径(平均グレインサイズ)が所望の範囲となるように形成されているが、この点については後述する。
バッファ層5は、圧電薄膜6の結晶配向性を制御するための層であり、本実施形態では、ペロブスカイト型のチタン酸ランタン鉛(PLT)で構成されている。PLTは、基板1の面(積層面)に平行な(100)方向に配向している。
圧電薄膜6は、ペロブスカイト型の強誘電体薄膜で構成されている。本実施形態では、上記の強誘電体薄膜は、Pb(ZrTi1−x)Oで表されるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)で構成されている。圧電薄膜6の厚みは、用途によって異なるが、メモリやセンサの用途では例えば1μm以下であり、アクチュエータでは例えば3〜5μmである。
上部電極7は、Ti層とPt層とを積層して構成されている。Ti層は、圧電薄膜6とPt層との密着性を向上させるために形成されている。Ti層の厚さは例えば0.02μm程度であり、Pt層の厚さは例えば0.2μm程度である。
〔2.下部電極の結晶粒径について〕
次に、下部電極4を構成するPtの結晶粒径について説明する。図2は、Ptの平均結晶粒径とPLTの(100)配向性との関係を示すグラフである。同図に示すように、Ptの成膜条件を変化させてPtの結晶粒径を変化させ、その上に形成されるバッファ層5としてのPLTの(100)配向性を調べた。
Ptの平均結晶粒径は、積層面と平行な面(基板1の面と平行な面)におけるPtの結晶粒界から算出した各結晶の面積Aの平方根である√Aを結晶粒径d(nm)とし、その平均値をとって平均結晶粒径としている。上記の結晶粒界は、例えばSEM(Scanning Electron Microscope;走査型電子顕微鏡)での観察によって確認することができる。
PLTの(100)配向性は、PLTに対してX線回折(X‐ray diffraction;XRD)の2θ/θ測定を行ったときに得られる、PLTのペロブスカイト(100)配向を示すピーク強度で判断し、上記ピーク強度が高いほど、PLTの(100)配向性は高いとする。
なお、X線回折の2θ/θ測定とは、X線をサンプルに対して水平方向からθの角度で(結晶面に対してθの角度で)入射させ、サンプルから反射して出てくるX線のうち、入射X線に対して2θの角度のX線を検出することで、θに対する強度変化を調べる手法である。X線による回折では、ブラッグの条件(2dsinθ=nλ(λ:X線の波長、d:結晶の原子面間隔、n:整数))を満足するときに回折強度が高くなるが、そのときの結晶の面間隔(格子定数)と上記の2θとは対応関係にある。したがって、回折強度が高くなる2θの値に基づいて、X線が入射したサンプルの結晶構造や配向性を把握することができる。
X線回折の2θ/θ測定で得られるピーク強度は、X線照射時の回折強度であり、通常、1秒間あたりのX線の計数率(cps;count per second)で示されるが、図2では、Ptの平均結晶粒径ごとにPLTの(100)配向性を相対比較するため、絶対値(計数率)ではなく任意単位(a.u.;arbitrary unit)で示している。
図2より、Ptの平均結晶粒径が150nmを上回ると、PLTの(100)配向性が低下している。これは、Ptの結晶性が高すぎて、PLTがPtの(111)配向を踏襲して結晶成長する結果、PLTは(100)配向ではなく(111)配向となるためと考えられる。また、Ptの平均結晶粒径が100nm付近で、PLTの(100)配向性は最も良好となるが、Ptの平均結晶粒径が50nmを下回ると、Ptの結晶性が低いため、Pt上に形成されるPLTにおいて、高いペロブスカイト結晶自体を安定して得ることが困難となる。
したがって、熱酸化膜2(SiO)のような配向性のないアモルファス膜の上においても、Ptの平均結晶粒径が50nm以上150nm以下となるように、Ptの結晶粒径を制御することにより、ペロブスカイト結晶性の高いPLTを所望の配向方向(ここでは(100)配向)で安定して成膜できると言える。特にPtの平均結晶粒径が100nm以上150nm以下であれば、その効果を確実に得ることができる。
次に、PZTの結晶配向性について説明する。図3は、(100)配向のPLT上にスパッタ法で成膜した膜厚1μmのPZTに対して、X線回折の2θ/θ測定を行った結果を示すグラフである。なお、PZTのスパッタに用いるターゲットとしては、Zr/Ti比がatm%比で52/48のもの、すなわちMPB組成のものを用いた。このグラフより、PZTは、ペロブスカイト結晶で(100)主配向であることがわかる。これは、PZT薄膜をPtなどの貴金属上に直接成膜した場合、Zrの複合酸化物が結晶化しにくく、容易にペロブスカイト結晶を得ることができないが、予めPLTのペロブスカイト結晶があると、それを結晶核としてPZTがその上に成長し、PZTが容易にペロブスカイト結晶になるからと考えられる。また、下地のPLTが(100)配向であるため、その上に成膜されるPZTも容易に(100)配向で成長するものと考えられる。
また、図4は、Pt上にPLTを成膜せずに直接PZTを膜厚1μmで成膜した場合の上記PZTに対して、X線回折の2θ/θ測定を行った結果を示すグラフである。なお、PZTのスパッタに用いるターゲットとしては、Zr/Ti比がatm%比で52/48のもの、すなわちMPB組成のものを用いた。Pt上にPZTを直接成膜した場合、PZTの強度のピークが、(100)配向を示すピーク(面間隔0.404nm、2θ=22°)と、(001)配向を示すピーク(面間隔0.414nm、2θ=21.5°)とに分離している。これは、Pt上でPZTが膜成長する際に、成膜初期にTiリッチな膜が形成され、正方晶(100)配向のPZTと、正方晶(001)配向のPZTとができやすくなっているためと考えられる。
これに対して、(100)配向のPLT上にPZTを成膜した場合、図3で示したように、PZTの強度のピークは、図4のように2つに分離しておらず、図4の正方晶(100)ピークよりもやや低角側にピークが出現しているのみである。つまり、図3では、PZTの強度のピークが、結晶格子の面間隔0.404〜0.414nmに対応する2θの範囲(21.5°〜22°)内で唯一現れている。この場合、図4のようにピークが分離していないことから、Zr/Ti比がMPBとなる組成比を成膜初期から保ちつつ、PZTが結晶成長しているものと考えられる。なお、2θ=22°〜23°に現れているピークは、PLTのペロブスカイト由来のピークであり、PZT由来のピークではない。
次に、Pt上にPLTを介してPZTを厚さ4μmで成膜した圧電素子10と、Pt上にPZTを厚さ4μmで直接成膜した圧電素子とにおいて、図5に示す圧電変位測定計を用いたカンチレバー法により圧電変位を測定し、圧電定数d31を求めた。その結果、Pt上にPLTを介してPZTを成膜した圧電素子10の圧電定数d31は、−180pm/Vと高い値であったが、Pt上にPZTを直接成膜した圧電素子の圧電定数d31は、−140pm/V程度と低い値であった。
なお、上記の圧電変位測定計では、カンチレバーの可動長さが10mmになるように、圧電素子10の端部を固定部11でクランプして片持ち梁構造とし、関数発生器12により、上部電極7に最大0V、下部電極3に最小−20Vの電圧を500Hzの周波数にて印加し、圧電素子10の端部の変位をレーザードップラー振動計13によって観察し、得られた圧電変位から、公知の手法で圧電定数d31を求めた。
以上のように、下部電極4を構成するPtの平均結晶粒径が50nm以上150nm以下であることにより、下部電極4上に、ペロブスカイト結晶性の高いバッファ層5(PLT)を所望の配向方向(例えば(100)配向)で安定して成膜することができる。これにより、そのバッファ層5上に、圧電薄膜6として、ペロブスカイト型のPZTを所望の配向方向(例えば(100)配向)で安定して成膜して、高い圧電特性を実現することができる。つまり、ペロブスカイト単層からなるPZTの成膜安定性に優れ、高い圧電特性の圧電素子10を実現することができる。特に、Ptの平均結晶粒径が、100nm以上150nm以下であることにより、Ptの結晶性が低くなるのを確実に回避できるので、バッファ層5および圧電薄膜6をペロブスカイト型の結晶構造で確実に成膜して、高い圧電特性を確実に実現することができる。また、酸化マグネシウム(MgO)等の高価な単結晶基板を使用することなく、ペロブスカイト型のPZTを所望の配向方向で成膜できるので、圧電素子10の生産性を向上させることができる。つまり、圧電素子10を低コストで生産することができる。
また、バッファ層5としてのPLTが(100)配向であることにより、圧電薄膜6としてのPZTも(100)配向で容易に形成することができる。また、PZTが(100)配向であることにより、PZTのドメインの回転を利用して圧電特性を向上させることができる。つまり、基板1に垂直な方向に電圧を印加したときに、PZTの分極方向を基板1に平行な方向から基板1に垂直な方向に変化させて、大きな圧電特性を得ることができる。
また、図3で示したように、PZTに対してX線回折の2θ/θ測定を行ったときに、結晶格子の面間隔0.404〜0.414nmに対応する2θの範囲内でPZTの強度のピークが分離せずに現れており、成膜初期からPZTをMPB組成で成長させることができるので、このMPB組成によって圧電特性をさらに向上させることができる。このような効果は、PZTにおけるZr/Ti比がMPB組成となる比であれば、つまり、PZTをPb(ZrTi1−x)Oで表したときにx=0.50〜0.55であれば、得ることができる。
なお、図3に記載された例では、結晶格子の面間隔0.404nmに対応する2θの値である22°の位置から横軸左方に向かってシフトした21.8°の位置に強度のピークが現れているが、成膜時の条件によっては強度のピークが結晶格子の面間隔0.404nmに対応する2θの値である22°の位置に分離することなく現れることもあり、本発明の範囲内である。また、強度のピークが結晶格子の面間隔0.414nmに対応する2θの値である21.5°の位置に分離することなく現れることもあり、本発明の範囲内である。
〔3.圧電素子の製造方法〕
次に、本実施形態の圧電素子10の製造方法の実施例について説明する。図6A〜図6Dは、圧電素子10の製造工程を示す断面図である。
(実施例1)
まず、図6Aに示すように、厚さ400μm程度の単結晶Siウェハからなる基板1に、例えば厚さ100nm程度のSiOからなる熱酸化膜2を形成する。なお、基板1としては、厚さが300μm〜725μm、直径が3インチ〜8インチなどの標準的なものでよい。また、熱酸化膜2は、ウェット酸化用熱炉を用い、基板1を酸素雰囲気中で1000〜1200℃程度の高温にさらすことで形成可能である。
次に、図6Bに示すように、熱酸化膜2上に、厚さ10nm程度のTiからなる密着層3と、厚さ150nm程度のPtからなる下部電極4とを、スパッタ法によってこの順で形成する。このときのTiのスパッタ条件は、Ar流量;20sccm、圧力;0.8Pa、ターゲットに印加するRFパワー;80Wであり、Ptのスパッタ条件は、Ar流量;20sccm、圧力;0.5Pa、ターゲットに印加するRFパワー;100W、基板温度;500℃である。Ptは、その自己配向性により(111)配向を有する膜となる。Ptの平均結晶粒径をSEMによって測定したところ、およそ100nmであった。
なお、密着層3は必須ではなく、Tiが無くても(100)配向のPLT膜は得られるが、下部電極4と熱酸化膜2との密着性を確保するためには、下部電極4と熱酸化膜2との間に密着層3を形成することが望ましい。
続いて、図6Cに示すように、下部電極4上に、スパッタ法によって、PLTを90nm程度形成し、バッファ層5を形成する。このときのPLTのスパッタ条件は、Ar流量:19sccm、O流量:1sccm、圧力:0.5Pa、ターゲットに印加するRFパワー:145W、基板温度:645℃である。得られたPLT膜をXRD測定したところ、(100)方向に強く配向した膜が得られていることがわかった。PLTは高温で成膜すると、Pbの蒸発によりPb不足となるため、予めターゲットのPb量をストイキオメトリー(化学量論比)よりも20〜40atm%だけ過剰に添加している。Pbを過剰に添加する量については、成膜温度やその他の成膜条件との関係により、ペロブスカイト膜が得られる範囲で変えてもよい。
次に、図6Dに示すように、バッファ層5、つまり、(100)配向のPLT上に、圧電薄膜6としてのPZTをスパッタにより約4μm成膜する。PZTのスパッタ条件は、Ar流量:20sccm、O流量:0.4sccm、圧力:0.4Pa、基板温度:650℃、ターゲットに印加するRFパワー:450Wである。PZTについても、高温で成膜するとPbの蒸発によりPb不足が生じる。Pb抜けを補償するために、PZTターゲット中のPb過剰量を増やせば良く、ターゲット中のPb量は、PZTのストイキオメトリー組成におけるPb量を1とした場合、少なくとも1.2mol%以上、望ましくは1.3〜1.5mol%がよい。
最後に、圧電薄膜6上にTiおよびPtをこの順でスパッタして上部電極7を形成することにより、圧電素子10(図1参照)が完成する。この圧電素子10の圧電定数d31を測定した結果、−180pm/Vであった。
(実施例2)
実施例2では、圧電薄膜6として、PZTの代わりに、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)を用いた。それ以外については実施例1と同様である。つまり、PLTからなるバッファ層5上に、圧電薄膜6としてPLZTをスパッタ法で成膜した。このときのPLZTのスパッタ条件は、Ar流量:25sccm、O流量:0.8sccm、圧力:0.4Pa、基板温度:500℃、ターゲットに印加するRFパワー:400Wである。これにより、(Pb1−xLa)(ZrTi1−y1−x/4(x=7.5、y=0.6)のPLZTを厚さ4μmで成膜した。
図7は、(100)配向のPLT上にスパッタ法で成膜したPLZTに対して、X線回折の2θ/θ測定を行った結果を示すグラフである。なお、図7の縦軸の強度(相対値)において、E+nは、×10+nを示す。同図より、圧電薄膜6としてPLZTを成膜した場合でも、PLZTは、ペロブスカイト結晶で(100)主配向であることがわかる。また、PLZTの強度のピークが、結晶格子の面間隔0.404〜0.414nmに対応する2θの範囲内(21.5°〜22°)で分離せず現れているため、Zr/Ti比がMPBとなる組成比を成膜初期から保ちつつ、PLZTが結晶成長しているものと考えられる。
なお、図7に記載された例では、結晶格子の面間隔0.404nmに対応する2θの値である22°の位置から横軸左方に向かってシフトした21.8°の位置に強度のピークが現れているが、成膜時の条件によっては強度のピークが結晶格子の面間隔0.404nmに対応する2θの値である22°の位置に分離することなく現れることもあり、本発明の範囲内である。また、強度のピークが結晶格子の面間隔0.414nmに対応する2θの値である21.5°の位置に分離することなく現れることもあり、本発明の範囲内である。
Pb系の強誘電体薄膜であるPLZTは、La非添加のPZTと比べて、ペロブスカイト膜の成膜ウィンドウ(所望の膜を成膜するための成膜条件の適正な範囲)が狭い。しかし、下部電極4を構成するPtの平均結晶粒径を適切に制御して、ペロブスカイト結晶性の高いPLTを(100)配向で成膜することにより、PLTの上に、PLZTのペロブスカイト膜を安定して成膜することができ、しかも、(100)配向で成膜することができる。
〔4.補足〕
以上では、圧電薄膜6として、PZTおよびPLZTを例に挙げて説明したが、圧電薄膜6を構成する強誘電体薄膜は、ペロブスカイト型の結晶構造を有するものであればよく、上記のPZTおよびPLZTに限定されるわけではない。
例えば、ペロブスカイト型の強誘電体薄膜の結晶を一般式ABOで表したときに、上記の強誘電体薄膜は、Aサイトに、鉛イオンを含んでいるとともに、さらに、バリウム(Ba)、ランタン(La)、ストロンチウム(Sr)、ビスマス(Bi)、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カルシウム(Ca)、カドミウム(Cd)、マグネシウム(Mg)、カリウム(K)のうちの少なくとも1つ以上のイオンを含み、Bサイトに、ジルコニウムイオンおよびチタンイオンを含んでいるとともに、さらに、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、スカンジウム(Sc)、コバルト(Co)、銅(Cu)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ガリウム(Ga)、カドミウム(Cd)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)のうちの少なくとも1つ以上のイオンを含んでいてもよい。
上述したように、下部電極4としてのPtの平均結晶粒径を適切に制御することにより、ペロブスカイト結晶性の高いPLTを所望の配向方向で安定して成膜できるので、そのPLT上に、上記した鉛系の強誘電体薄膜を所望の配向方向で安定して成膜することができる。また、PZTに添加物が含まれていることにより、圧電特性をさらに向上させることができる。
なお、上記の強誘電体薄膜は、鉛を含まない非鉛系のペロブスカイト材料で構成されていてもよい。例えば、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)やタンタル酸ストロンチウムビスマス(SBT)などの非鉛系の金属酸化物は、ペロブスカイト構造を採ることで良好な圧電特性を発揮するので、このような非鉛系の強誘電体薄膜を用いる場合でも、Ptの平均結晶粒径を所望の範囲に制御する本実施形態の構成を適用して、圧電特性を向上させることができる。
以上説明した圧電素子は、基板上に、白金からなる下部電極と、チタン酸ランタン鉛からなるバッファ層と、ペロブスカイト型の強誘電体薄膜とをこの順で形成した圧電素子であって、前記下部電極を構成する白金の平均結晶粒径が、50nm以上150nm以下である。
下部電極を構成する白金(Pt)の平均結晶粒径が下限を下回ると、Ptの結晶性が低すぎるため、その上にペロブスカイト結晶性の高いチタン酸ランタン鉛(PLT)からなるバッファ層を安定して成膜することが困難となり、そのバッファ層上に、ペロブスカイト型の強誘電体薄膜を安定して成膜することが困難となる。逆に、Ptの平均結晶粒径が上限を上回ると、Ptの結晶性が高すぎるため、下部電極上にPtの自己配向方向((111)方向)とは異なる所望の配向方向(例えば(100)配向)でバッファ層を形成して、そのバッファ層上に、強誘電体薄膜を圧電特性の高い所望の配向方向(例えば(100)配向)で成膜することが困難となる。
したがって、Ptの平均結晶粒径が上記範囲内であることにより、Ptからなる下部電極上に、バッファ層として、ペロブスカイト結晶性の高いPLTを所望の配向方向で安定して成膜して、そのバッファ層上に、ペロブスカイト型の強誘電体薄膜を所望の配向方向で安定して成膜することができる。これにより、高い圧電特性を実現することができる。
上記の圧電素子において、前記白金の平均結晶粒径が、100nm以上150nm以下であることが望ましい。この場合、Ptの結晶性が低くなるのを確実に回避できるので、バッファ層および強誘電体薄膜をペロブスカイト型の結晶構造で確実に成膜することができる。
上記の圧電素子において、前記バッファ層は、(100)方向に配向していることが望ましい。この場合、バッファ層の上に、強誘電体薄膜を(100)配向で形成することが容易となる。また、強誘電体薄膜が、(100)方向に配向していることにより、ドメインの回転を利用して圧電特性を向上させることができる。
上記の圧電素子において、前記強誘電体薄膜は、Pb(ZrTi1−x)Oで表されてx=0.50〜0.55のチタン酸ジルコン酸鉛で構成されており、X線回折の2θ/θ測定における、結晶格子の面間隔0.404〜0.414nmに対応する2θの範囲内に、前記強誘電体薄膜の強度のピークを有していることが望ましい。
Pb(ZrTi1−x)Oで表されるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)において、x=0.50〜0.55である場合、PZTはいわゆるMPB組成となっている。このようなPZTに対してX線回折の2θ/θ測定を行ったときに、PZTの強度のピークが、結晶格子の面間隔0.404〜0.414nmに対応する2θの範囲内で現れると、PZTは、成膜初期からMPB組成を保ちつつ、結晶成長しているものと考えられる。したがって、MPB組成のPZTによって圧電特性をさらに向上させることができる。
上記の圧電素子において、前記基板と前記下部電極との間に絶縁膜が形成されていてもよい。
圧電素子をインクジェットヘッドなどのデバイスに適用する場合には、電極から基板への電流のリークを上記の絶縁膜によって防止することができ、信頼性の高いデバイスを実現することができる。
上記の圧電素子において、前記絶縁膜は酸化シリコンで構成されていてもよい。
酸化シリコン(SiO)は非晶質であり、配向性を持たないが、このようなSiO上に、下部電極およびバッファ層を介して強誘電体薄膜を成膜する場合でも、Ptの平均結晶粒径を上記のように制御することで、ペロブスカイト型の強誘電体薄膜を所望の配向方向で成膜することができる。
上記の圧電素子において、前記基板と前記下部電極との間に密着層が形成されていることが望ましい。密着層を設けることにより、下部電極と基板(または絶縁膜)との密着性が向上するので、下部電極が下層から剥離するのを低減することができる。特に、密着層がチタンで構成されていれば、その効果を確実に得ることができる。
上記の圧電素子において、前記ペロブスカイト型の強誘電体薄膜の結晶を一般式ABOで表したときに、前記強誘電体薄膜は、Aサイトに、鉛イオンを含んでいるとともに、さらに、バリウム、ランタン、ストロンチウム、ビスマス、リチウム、ナトリウム、カルシウム、カドミウム、マグネシウム、カリウムのうちの少なくとも1つ以上のイオンを含み、Bサイトに、ジルコニウムイオンおよびチタンイオンを含んでいるとともに、さらに、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、スカンジウム、コバルト、銅、インジウム、スズ、ガリウム、カドミウム、鉄、ニッケルのうちの少なくとも1つ以上のイオンを含んでいてもよい。
このように強誘電体薄膜がPZTに添加物を加えたもので構成される場合でも、バッファ層としてのPLTの上に、ペロブスカイト型の強誘電体薄膜を所望の配向方向で安定して成膜することができる。また、PZTに添加物が含まれていることにより、強誘電体薄膜の圧電特性をさらに向上させることができる。
上記の構成によれば、下部電極上に、バッファ層として、ペロブスカイト結晶性の高いPLTを所望の配向方向で安定して成膜して、そのバッファ層上に、ペロブスカイト型の強誘電体薄膜を所望の配向方向で安定して成膜することができ、これによって高い圧電特性を実現することができる。
本発明の圧電素子は、例えばMEMS用アクチュエータ(インクジェットプリンタやプロジェクタのアクチュエータ)や、MEMSセンサー(焦電センサー、超音波センサー)に利用可能である。
1 基板
2 熱酸化膜(絶縁膜)
3 密着層
4 下部電極
5 バッファ層
6 圧電薄膜(強誘電体薄膜)
10 圧電素子

Claims (10)

  1. 基板上に、白金からなる下部電極と、チタン酸ランタン鉛からなるバッファ層と、ペロブスカイト型の強誘電体薄膜とをこの順で形成した圧電素子であって、
    前記下部電極を構成する白金の平均結晶粒径が、50nm以上150nm以下であることを特徴とする圧電素子。
  2. 前記白金の平均結晶粒径が、100nm以上150nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の圧電素子。
  3. 前記バッファ層は、(100)方向に配向していることを特徴とする請求項1または2に記載の圧電素子。
  4. 前記強誘電体薄膜は、(100)方向に配向していることを特徴とする請求項3に記載の圧電素子。
  5. 前記強誘電体薄膜は、Pb(ZrTi1−x)Oで表されてx=0.50〜0.55のチタン酸ジルコン酸鉛で構成されており、
    X線回折の2θ/θ測定における、結晶格子の面間隔0.404〜0.414nmに対応する2θの範囲内に、前記強誘電体薄膜の強度のピークを有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の圧電素子。
  6. 前記基板と前記下部電極との間に絶縁膜が形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の圧電素子。
  7. 前記絶縁膜は、酸化シリコンで構成されていることを特徴とする請求項6に記載の圧電素子。
  8. 前記基板と前記下部電極との間に密着層が形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の圧電素子。
  9. 前記密着層は、チタンで構成されていることを特徴とする請求項8に記載の圧電素子。
  10. 前記ペロブスカイト型の強誘電体薄膜の結晶を一般式ABOで表したときに、
    前記強誘電体薄膜は、
    Aサイトに、
    鉛イオンを含んでいるとともに、さらに、バリウム、ランタン、ストロンチウム、ビスマス、リチウム、ナトリウム、カルシウム、カドミウム、マグネシウム、カリウムのうちの少なくとも1つ以上のイオンを含み、
    Bサイトに、
    ジルコニウムイオンおよびチタンイオンを含んでいるとともに、さらに、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、スカンジウム、コバルト、銅、インジウム、スズ、ガリウム、カドミウム、鉄、ニッケルのうちの少なくとも1つ以上のイオンを含んでいることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の圧電素子。
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