JPWO2013147118A1 - N−フェニル−n’−フェニルスルホニルピペラジン誘導体およびその中間体の製造方法 - Google Patents

N−フェニル−n’−フェニルスルホニルピペラジン誘導体およびその中間体の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、N−フェニル−N’−フェニルスルホニルピペラジン誘導体の製造工程において使用する中間体である、2−(オキサゾール−2−イル)フェノール誘導体の塩およびその結晶、ならびに該塩の製造方法および該塩を経由するN−フェニル−N’−フェニルスルホニルピペラジン誘導体の製造方法を提供する。式(I):(式中、Xはハロゲン)で示される化合物の塩およびその結晶、ならびに該塩の製造方法および該塩を経由するN−フェニル−N’−フェニルスルホニルピペラジン誘導体の製造方法。

Description

本発明は、N−フェニル−N’−フェニルスルホニルピペラジン誘導体の製造工程において有用な化合物の塩、およびその結晶に関する。さらに、本発明は、該塩の製造方法、および該塩を経由するN−フェニル−N’−フェニルスルホニルピペラジン誘導体の製造方法に関する。
N−フェニル−N’−フェニルスルホニルピペラジン誘導体(以下、ピペラジン誘導体)は、種々の医薬活性を示すことが知られている。例えば、特許文献1には、ピペラジン誘導体がTXA2受容体アンタゴニスト作用および血小板凝縮作用を有することが開示されている。特許文献2には、ピペラジン誘導体がTXA2受容体アンタゴニスト作用を有し、その適用疾患が血栓症、心筋梗塞、動脈降下症、高血圧症であることが開示されている。特許文献3には、ピペラジン誘導体がヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害活性を有し、その適用疾患が2型糖尿病、骨粗しょう症であることが開示されている。特許文献4には、ピペラジン誘導体がCRTH2受容体アンタゴニスト作用を有し、その適用疾患がアレルギー性鼻炎、喘息であることが開示されている。特許文献5には、ピペラジン誘導体がDP受容体アンタゴニスト作用を有し、その適用疾患がアレルギー性鼻炎、喘息であることが開示されている。特許文献6には、ピペラジン誘導体の製造方法が開示されている。
これらの引用文献1〜6において、その合成中間体として5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル)フェノールが開示されているのは特許文献6のみである。しかしながら、特許文献6には、5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル)フェノールが昇華性を有するために取り扱いが困難であることは記載されていない。
欧州特許出願公開第76996号明細書 特開平5−262751号公報 国際公開第2006/105127号パンフレット 国際公開第2006/056752号パンフレット 国際公開第2007/037187号パンフレット 国際公開第2008/123349号パンフレット
本発明者らは、N−フェニル−N’−フェニルスルホニルピペラジン誘導体(以下、ピペラジン誘導体)を工業的に製造するための効率的な製造方法について、鋭意検討した結果、特許文献6において中間体として使用されていた5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル)フェノールが昇華性を有することに気付き、昇華性を有さない中間体を探索した。
本発明者らは、ピペラジン誘導体の製造工程において有用な、昇華性および吸湿性を有さない中間体である、2−(1,3−オキサゾール−2−イル)フェノール誘導体の塩およびその結晶、ならびに該中間体の製造方法および該中間体を経由するピペラジン誘導体の製造方法を見出した。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(10)、(1A)、(5A)、(5B)、(6A)〜(6J)および(8A)に関する。
(1)
式(I):
Figure 2013147118

(式中、Xはハロゲン)で示される化合物の塩。
(1A)2価の塩である、上記(1)記載の塩。
(2)
マグネシウム塩またはアルカリ土類金属塩である、上記(1)記載の塩。
(3)
マグネシウム塩またはカルシウム塩である、上記(1)または(2)に記載の塩。
(4)
Xが塩素である、上記(1)〜(3)または(1A)のいずれかに記載の塩。
(5)
式(I):
Figure 2013147118

(式中、Xはハロゲン)で示される化合物の塩の結晶。
(5A)
式(I):
Figure 2013147118

(式中、Xはハロゲン)で示される化合物の2価の塩の結晶。
(5B)
式(I):
Figure 2013147118

(式中、Xはハロゲン)で示される化合物のマグネシウム塩またはアルカリ土類金属塩の結晶。
(6)
Xが塩素である式(I)で示される化合物のマグネシウム塩の結晶である、上記(5)記載の結晶。
(6A)
粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角度(2θ):7.8°±0.2°、8.1°±0.2°、8.4°±0.2°、8.9°±0.2°および15.6°±0.2°にピークを有する、上記(6)記載の結晶。
(6B)
粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角度(2θ):7.8°±0.2°、8.1°±0.2°、8.4°±0.2°、8.9°±0.2°、15.6°±0.2°、21.0°±0.2°、23.5°±0.2°、24.7°±0.2°、25.6°±0.2°および26.1°±0.2°にピークを有する、上記(6)記載の結晶。
(6C)
粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角度(2θ):8.0°±0.2°、15.5°±0.2°、24.6°±0.2°、25.5°±0.2°および26.0°±0.2°にピークを有する、上記(6)記載の結晶。
(6D)
粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角度(2θ):8.0°±0.2°、9.9°±0.2°、12.8°±0.2°、15.5°±0.2°、16.3°±0.2°、17.2°±0.2°、20.0°±0.2°、24.6°±0.2°、25.5°±0.2°および26.0°±0.2°にピークを有する、上記(6)記載の結晶。
(6E)
粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角度(2θ):7.8°±0.2°、8.4°±0.2°、8.8°±0.2°、21.0°±0.2°および23.4°±0.2°にピークを有する、上記(6)記載の結晶。
(6F)
粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角度(2θ):7.8°±0.2°、8.4°±0.2°、8.8°±0.2°、19.7°±0.2°、20.2°±0.2°、21.0°±0.2°、23.4°±0.2°、23.8°±0.2°、24.8°±0.2°および26.2°±0.2°、にピークを有する、上記(6)記載の結晶。
(6G)
図1に実質的に一致する粉末X線回折スペクトルにより特徴付けられる、上記(6)記載の結晶。
(6H)
図2に実質的に一致する粉末X線回折スペクトルにより特徴付けられる、上記(6)記載の結晶。
(6I)
図3に実質的に一致する粉末X線回折スペクトルにより特徴付けられる、上記(6)記載の結晶。
(6J)
上記(5)、(6)、(5A)、(5B)または(6A)〜(6J)のいずれかに記載の結晶の製造方法。
(7)
式(I):
Figure 2013147118

(式中、Xは前記と同意義)で示される化合物を、マグネシウムのハロゲン化物、マグネシウムの水素化物、マグネシウムの水酸化物、マグネシウムのオキソ酸塩、マグネシウムの有機酸塩、アルカリ土類金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属の水素化物、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ土類金属のオキソ酸塩、またはアルカリ土類金属の有機酸塩で処理することを特徴とする、式(I)で示される化合物のマグネシウム塩またはアルカリ土類金属塩の製造方法。
(7A)
式(II):
Figure 2013147118

(式中、Xはハロゲン)で示される化合物またはその塩を環化させることにより、式(I):
Figure 2013147118

(式中、Xは前記と同意義)で示される化合物を得る工程を含む、上記(7)記載の製造方法。
(8)
式(II)で示される化合物またはその塩を、トリフェニルホスフィン、ハロゲン化剤および塩基の存在下で環化させる、上記(7A)記載の製造方法。
(8A)
ハロゲン化剤がトリフェニルホスフィンのハロゲン化剤である、上記(8)記載の製造方法。
(9)
式(I):
Figure 2013147118

(式中、Xは、ハロゲン)で示される化合物の塩を経由することを特徴とする、式(VIII):
Figure 2013147118

で示される化合物またはその塩の製造方法。
(9A)
式(I):
Figure 2013147118

(式中、Xは、ハロゲン)で示される化合物の塩がマグネシウム塩またはアルカリ土類金属塩である、上記(9)記載の製造方法。
(10)
式(I):
Figure 2013147118

(式中、Xはハロゲン)で示される化合物のマグネシウム塩またはアルカリ土類金属塩を酸で処理することにより、式(I)で示される化合物を得、
得られた式(I)で示される化合物を、パラジウム触媒、ホスフィンリガンド、および塩基の存在下、式(IV):
Figure 2013147118

で示される化合物またはその塩と反応させ、式(V):
Figure 2013147118

で示される化合物またはその塩を得、
得られた式(V)で示される化合物またはその塩を、塩基存在下、式(VI):
Figure 2013147118

(式中、Yはハロゲン、Rはアルキル)で示される化合物と反応させ、式(VII):
Figure 2013147118

(式中、Rは前記と同意義)で示される化合物またはその塩を得、
得られた式(VII)で示される化合物またはその塩を加水分解に付すことを特徴とする、式(VIII):
Figure 2013147118

で示される化合物またはその塩の上記(9)記載の製造方法。
以下に本明細書において用いられる各用語の意味を説明する。各用語は特に断りのない限り、単独で用いられる場合も、または他の用語と組み合わせて用いられる場合も、同一の意味で用いられる。
「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を包含する。例えば、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられる。例えば、塩素および臭素が挙げられる。例えば、塩素が挙げられる。
「アルキル」とは、炭素原子数1〜8、一つの態様として炭素原子数1〜6、その他の態様として炭素原子数1〜4の直鎖または分枝鎖の1価の炭化水素基を包含する。例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、neo−ペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル等が挙げられる。
式(I)で示される化合物の塩としては、式(I)等で示される化合物と、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、ストロンチウム、バリウムおよびラジウム)、ベリリウム、マグネシウム、遷移金属(例えば、亜鉛、鉄等)が挙げられる。
「2価の塩」としては、ベリリウム塩、マグネシウム塩、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩およびラジウム塩)、遷移金属の塩(亜鉛塩、鉄塩など)が挙げられる。好ましくは、マグネシウム塩、アルカリ土類金属塩である。
「アルカリ土類金属塩」としては、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩およびラジウム塩が挙げられる。好ましくは、カルシウム塩が挙げられる。
「マグネシウムのハロゲン化物、マグネシウムの水素化物、マグネシウムの水酸化物、マグネシウムのオキソ酸塩、マグネシウムの有機酸塩、アルカリ土類金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属の水素化物、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ土類金属のオキソ酸塩、またはアルカリ土類金属の有機酸塩」とは、マグネシウムもしくはアルカリ土類金属(例えば、カルシウム、ストロンチウム、バリウムおよびラジウム)と、上記「ハロゲン」、水素、ヒドロキシ、オキソ酸(例えば、炭酸、硝酸、硫酸、リン酸等)もしくは有機酸(例えば、酢酸、クエン酸、グルタミン酸、安息香酸、ステアリン酸など)からなる化合物を包含する。例えば、フッ化マグネシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、フッ化カルシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム等のマグネシウムもしくはアルカリ土類金属のハロゲン化物;
水素化マグネシウム、水素化カルシウム等のマグネシウムもしくはアルカリ土類金属の水素化物;
水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のマグネシウムもしくはアルカリ土類金属の水酸化物;
炭酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硝酸カルシウム、硫酸カルシウム等のマグネシウムもしくはアルカリ土類金属のオキソ酸塩;
酢酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、グルタミン酸マグネシウム、安息香酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、酢酸カルシウム、クエン酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム等のマグネシウムもしくはアルカリ土類金属の有機酸塩等が挙げられる。例えば、マグネシウムもしくはアルカリ土類金属のハロゲン化物が挙げられる。例えば、塩化マグネシウムおよび塩化カルシウムが挙げられる。例えば、塩化マグネシウムが挙げられる。
「ハロゲン化剤」とは、ハロゲン原子を導入する反応に用いる試薬を包含する。例えば、塩素、ヘキサクロロエタン等の塩素化剤、臭素、ヘキサブロモエタン等の臭素化剤およびヨウ素等のヨウ素化剤が挙げられる。例えば、塩素、ヘキサクロロエタン等の塩素化剤が挙げられる。例えば、塩素が挙げられる。
上記(8)における「塩基」としては、有機塩基(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メグルミン、エチレンジアミン、ピリジン、ピコリン、キノリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等)等を用いることができる。例えば、トリメチルアミンが挙げられる。
上記(10)の式(V)で示される化合物またはその塩を得る反応において、「塩基」としては、ナトリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ペントキシド、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等、およびそれらの水溶液を用いることができる。例えば、ナトリウムtert−ペントキシドが挙げられる。
上記(10)の式(VII)で示される化合物またはその塩を得る反応において、「塩基」としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等を用いることができる。例えば、炭酸カリウムが挙げられる。
上記(10)において、「酸」としては、無機酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸、臭化水素酸、リン酸、ヨウ化水素酸等)、および有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、マンデル酸、グルタル酸、リンゴ酸、安息香酸、フタル酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等)を用いることができる。例えば、酢酸が挙げられる。
上記(10)において、「パラジウム触媒」としては、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム、ビス(トリ−オルト−トリルホスフィン)パラジウムジクロリド、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド、パラジウムアセチルアセトナト、パラジウム炭素、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、ビス(ベンゾニトリル)パラジウムクロリド、(1,3−ジイソプロピルイミダゾール−2−イリデン)(3−クロロピリジル)パラジウムジクロリドを用いることができる。例えば、酢酸パラジウムが挙げられる。
「ホスフィンリガンド」としては、トリフェニルホスフィン、トリ(オルト−トリル)ホスフィン、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンチン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、ジ(tert−ブチル)メチルホスフィン、ジアダマンチルブチルホスフィン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、トリシクロヘキシルホスフィン、ジフェニルシクロヘキシルホスフィン,ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィノフェロセン、2-(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、トリ(tert−ブチル)ホスホニウムテトラフェニルボレート、ジ(tert−ブチル)メチルホスホニウムテトラフェニルボレート等を用いることができる。例えば、トリ(tert−ブチル)ホスホニウムテトラフェニルボレートが挙げられる。
また、上記(10)において、上記「パラジウム触媒」と上記「ホスフィンリガンド」の複合体であるビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリ−オルト−トリルホスフィン)パラジウム等を用いることもできる。
上記(10)において、「加水分解」に用いる試薬としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等、およびそれらの水溶液を用いることができる。例えば、水酸化ナトリウム水溶液が挙げられる。
上記(7A)および(8)において、「環化」させるとは、以下のスキームに従って、鎖状の側鎖を反応させ、環を形成させることを意味する。すなわち、a工程において、式(II)で示される化合物またはその塩と、トリフェニルホスフィンとハロゲン化剤(上記、「ハロゲン化剤」と同意義)の反応によって生じる、ジハロゲン化トリフェニルホスホランとを反応させて、式(I−a)で示される化合物またはその塩を得、a工程で得られた化合物またはその塩を、b工程において、塩基(上記(8)における「塩基」と同意義)で処理することによって、式(I)で示される化合物を得る反応を包含する。
Figure 2013147118

(式中、Xは、ハロゲン、Yは、ジハロゲン化トリフェニルホスホラン由来のハロゲン)
式(I)等で示される化合物は、特定の異性体に限定するものではなく、全ての可能な異性体(例えば、ケト−エノール異性体、イミン−エナミン異性体、ジアステレオ異性体、光学異性体、回転異性体等)、ラセミ体またはそれらの混合物を含む。
式(I)等で示される化合物の一つ以上の水素、炭素および/または他の原子は、それぞれ水素、炭素および/または他の原子の同位体で置換され得る。そのような同位体の例としては、それぞれH、H、11C、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、123Iおよび36Clのように、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、ヨウ素および塩素が包含される。式(I)等で示される化合物は、そのような同位体で置換された化合物も包含する。該同位体で置換された化合物は、医薬品としても有用であり、式(I)等で示される化合物のすべての放射性標識体を包含する。また該「放射性標識体」を製造するための「放射性標識化方法」も本発明に包含され、代謝薬物動態研究、結合アッセイにおける研究および/または診断のツールとして有用である。
式(I)等で示される化合物の放射性標識体は、当該技術分野で周知の方法で調製できる。例えば、式(I)等で示されるトリチウム標識化合物は、例えば、トリチウムを用いた触媒的脱ハロゲン化反応によって、式(I)等で示される特定の化合物にトリチウムを導入することで調製できる。この方法は、適切な触媒、例えばPd/Cの存在下、塩基の存在下または非存在下で、式(I)等で示される化合物が適切にハロゲン置換された前駆体とトリチウムガスとを反応させることを包含する。他のトリチウム標識化合物を調製するための適切な方法としては、Isotopes in the Physical and Biomedical Sciences,Vol.1,Labeled Compounds (Part A),Chapter 6 (1987年)を参照にできる。14C−標識化合物は、14C炭素を有する原料を用いることによって調製できる。
本明細書において使用される化合物は、化合物に応じて、適宜、酸との塩または塩基との塩として使用することができる。例えば、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、ストロンチウム、バリウムおよびラジウム)、ベリリウム、マグネシウム、遷移金属(例えば、亜鉛、鉄等)、アンモニア、有機塩基(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メグルミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、ピリジン、ピコリン、キノリン等)およびアミノ酸など塩基との塩、または無機酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸、臭化水素酸、リン酸、ヨウ化水素酸等)、および有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、マンデル酸、グルタル酸、リンゴ酸、安息香酸、フタル酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等)など酸との塩が挙げられる。
例えば、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、バリウム等)、マグネシウム、遷移金属(例えば、亜鉛、鉄等)との塩等が挙げられる。
例えば、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、バリウム等)、マグネシウムとの塩等が挙げられる。
例えば、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、バリウム等)、マグネシウムとの塩等が挙げられる。
例えば、塩酸、硫酸、リン酸、酒石酸、メタンスルホン酸との塩等が挙げられる。
これらの塩は、通常行われる方法によって形成させることができる。
本発明の式(I)等で示される化合物またはその塩は、溶媒和物(例えば、水和物等)および/または結晶多形を形成する場合があり、本発明はそのような各種の溶媒和物および結晶多形も包含する。「溶媒和物」は、式(I)等で示される化合物に対し、任意の数の溶媒分子(例えば、水分子等)と配位していてもよい。式(I)等で示される化合物またはその塩を、大気中に放置することにより、水分を吸収し、吸着水が付着する場合や、水和物を形成する場合がある。また、式(I)等で示される化合物またはその塩を、再結晶することでそれらの結晶多形を形成する場合がある。
式(I)で示される化合物の塩、例えば、マグネシウム塩またはカルシウム塩、特に、マグネシウム塩は、試験例1〜3に記載された昇華性および/または吸湿性の評価において、昇華性を示さない、および/または吸湿性が低いという結果を示した。これらの結果は、医薬品を工業的に製造するような大量合成を行う際には、安定的に中間体を長期保管できる点から、優れた効果と言える。
本化合物の塩およびその結晶は、昇華性を有さないことから、N−フェニル−N’−フェニルスルホニルピペラジン誘導体の工業的製造に有用である。
A製造方法
Figure 2013147118

(式中、Xはハロゲン)
A製造方法は、A−1工程において、式(II)で示される化合物またはその塩を環化させ、式(I)で示される化合物を得、得られた化合物をA−2工程において、マグネシウムのハロゲン化物、マグネシウムの水素化物、マグネシウムの水酸化物、マグネシウムのオキソ酸塩、マグネシウムの有機酸塩、アルカリ土類金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属の水素化物、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ土類金属のオキソ酸塩、またはアルカリ土類金属の有機酸塩で処理することによって、式(I)で示される化合物のマグネシウム塩またはアルカリ土類金属塩、およびその結晶を製造する方法である。
A−1工程において、式(II)で示される化合物またはその塩を、トリフェニルホスフィン、ハロゲン化剤および塩基の存在下で環化させることができる。
また、式(II)で示される化合物またはその塩を、トリフェニルホスフィンとハロゲン化剤を反応させて調製した溶液と反応させた後、塩基で処理することによって環化させることもできる。
トリフェニルホスフィンは、式(II)で示される化合物またはその塩に対して、1〜5モル当量用いることができる。
ハロゲン化剤は、式(II)で示される化合物またはその塩に対して、1〜5モル当量用いることができる。
塩基としては、有機塩基(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メグルミン、エチレンジアミン、ピリジン、ピコリン、キノリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等)等を用いることができる。例えば、トリメチルアミンを用いることができる。式(II)で示される化合物またはその塩に対して、塩基を2〜10モル当量用いることができる。
A−2工程において、マグネシウムのハロゲン化物、マグネシウムの水素化物、マグネシウムの水酸化物、マグネシウムのオキソ酸塩、マグネシウムの有機酸塩、アルカリ土類金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属の水素化物、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ土類金属のオキソ酸塩、またはアルカリ土類金属の有機酸塩は、式(II)で示される化合物またはその塩に対して、0.5〜5モル当量用いることができる。
反応温度は、室温〜溶媒還流温度で反応させることができる。
反応時間は、30分〜24時間で反応させることができる。
溶媒としては、ジオキサン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、及びアセトニトリルを単独又は混合して用いることができる。例えば、アセトニトリルを用いることができる。
なお、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶、又は/及び蒸留等の一般的な方法により、単離精製することができる。また、精製せずに次の反応に用いることもできる。
上記の製造方法によって得られる式(I)で示される化合物のマグネシウム塩またはアルカリ土類金属塩の結晶は、粉末X線回折によってX線回折パターンを得ることができる。
B製造方法
Figure 2013147118

(式中、Xはハロゲン)
B製造方法は、B−1工程において、式(I)で示される化合物のマグネシウム塩または式(I)で示される化合物のアルカリ土類金属塩等を酸で処理することにより、式(I)で示される化合物を得た後、式(VIII)で示される化合物またはその塩を製造する方法である。ここで、式(VIII)で示される化合物またはその塩は、特許文献6に記載の方法に従って、式(I)で示される化合物から調製することができる。
Figure 2013147118

B−1工程において、酸としては、無機酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸、臭化水素酸、リン酸、ヨウ化水素酸等)、および有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、マンデル酸、グルタル酸、リンゴ酸、安息香酸、フタル酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等)を用いることができる。例えば、酢酸を用いることができる。式(I)で示される化合物のマグネシウム塩または式(I)で示される化合物のアルカリ土類金属塩等に対して、0.5〜15モル当量用いることができる。
反応温度は、室温〜溶媒還流温度で反応させることができる。
反応時間は、30分〜24時間で反応させることができる。
溶媒としては、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、水および酢酸を単独又は混合して用いることができる。例えば、トルエン、メタノールおよび水の混合溶媒を用いることができる。
なお、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶、又は/及び蒸留等の一般的な方法により、単離精製することができる。また、精製せずに次の反応に用いることもできる。
粉末X線回折(XRPD)
結晶性有機化合物は、3次元空間に周期的に配列された多数の原子よりなる。構造周期性は、通例、ほとんどの分光学的プローブ(例えば、X線回折、赤外スペクトル、ラマンスペクトルおよび固体NMR)によって明確に区別可能な物理的特性を発現する。X線回折(XRPD)は、固体の結晶性を測定するための最も感度の良い分析法のうちの1つである。X線が結晶に照射されると、結晶格子面で反射し、互いに干渉しあい、ブラッグ則よって予測される条件を満たす方向の回折線のみ強度が増大し、それ以外は打ち消しあって観測されない。一方、非晶質固体については広範囲の秩序だった回折線は認められない。非晶質固体は、通常、反復する結晶格子の広い範囲の秩序が不存在であるため、ハローパターンと呼ばれるブロードなXRPDパターンを示す。
マグネシウム ビス[5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル) フェノレート ](I−2)の結晶形態は、好ましくは、区別可能な粉末X線回折プロフィールを有する。例えば、マグネシウム ビス[5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル) フェノレート](I−2)を含む結晶は、好ましくは、特徴的な回折ピークの存在によって区別することができる。本明細書中で用いる特徴的な回折ピークは、観察された回折パターンから選択されるピークである。好ましくは、特徴的なピークは、回折パターンにおける約20本、より好ましくは約10本、最も好ましくは約5本から選択される。
一般に、粉末X線回折における回折角度(2θ)は±0.2°の範囲内で誤差が生じ得るので、上記の回折角度の値は±0.2°程度の範囲内の数値も含むものとして理解される必要がある。したがって、粉末X線回折におけるピークの回折角度が完全に一致する結晶だけでなく、ピークの回折角度が±0.2°程度の誤差で一致する結晶も本発明に含まれる。
一般に、以下の表及び図において表示されるピークの相対強度は、多くの因子、例えばX線ビームに対する結晶の配向効果、分析される物質の純度又はサンプルの結晶化度によって変動し得ることが知られている。また、ピーク位置についても、サンプル高の変動に基づいてシフトし得る。さらに、異なる波長を使用して測定するとブラッグ式(nλ=2dsinθ)に従って異なるシフトが得られるが、このような別の波長の使用により得られる別のXRPDパターンも、本発明の範囲に含まれる。
TG/DTAは、熱重量測定と示差熱分析とを組み合わせて、単一の装置で同時に測定する方法で、原子・分子の集合体としての物質の重量および熱的性質を測定する熱分析の主要な測定方法のひとつである。
TG/DTAは医薬活性成分の温度または時間に係る重量および熱量の変化を測定する方法であり、得られたデータを温度または時間に対してプロットすることにより、TG(熱重量)およびDTA(示差熱)曲線が得られる。TG/DTA曲線より、医薬活性成分の分解、脱水、酸化、還元、昇華、蒸発に関する重量および熱量変化の情報を得ることができる。
TG/DTAにおいて、「融点」とは、オンセット温度をいう。
TG/DTAについて、観察される温度、重量変化は、温度変化速度ならびに用いる試料調製技法および特定の装置に依存し得ることが知られている。結晶の同一性の認定においては、全体的なパターンが重要であり、測定条件によって多少変化し得る。
水分吸脱着等温線の測定は、水分の吸着または脱着を測定する手段のひとつであって、本質的には時間に依存せずに、吸着または脱着が起こる条件(平衡条件)下で、一定の温度における相対湿度の関数として質量変化を測定する方法である。質量を測定し、相対湿度に対して、相対湿度0%時の質量に対する質量増加の比率(%)をプロットすることにより水分吸脱着等温線が得られる。これにより、試料の吸湿性または脱湿性の情報を得ることができる。
以下に実施例および試験例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
実施例中、以下の略号を使用する。
Me:メチル
DMSO:ジメチルスルホキシド
マグネシウム ビス[5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル) フェノレート ](I−2)およびカルシウム ビス[5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル) フェノレート ](I−7)の合成
Figure 2013147118

(式中、Zは、マグネシウムまたはカルシウムである。)
(1)マグネシウム ビス[5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル) フェノレート ](I−2)の合成
Figure 2013147118

トリフェニルホスフィン(140.96g、537.41mmol)をアセトニトリル(550mL)に懸濁した。20℃で反応液に塩素(37.79g、532.93mmol)を導入し、ジクロロトリフェニルホスホランアセトニトリル溶液611.28gを調製した。
4−クロロ−2−ヒドロキシ−N−(2−オキソエチル)ベンズアミド(I−1、5.97g、27.94mmol )をアセトニトリル(12mL)に懸濁し、上記で調製したジクロロトリフェニルホスホランアセトニトリル溶液(42.85g)を25℃で1時間45分かけて滴下した。反応液を55分間攪拌した。反応液にトリエチルアミン(11.31g、111.77mol)を25℃で2時間かけて滴下した。反応液を25℃で2時間52分攪拌した。反応液に水(12mL)を25℃で加え、60℃に昇温した。反応液に塩化マグネシウム6水和物(2.84g、13.98mmol)を水(6mL)に溶解して調製した塩化マグネシウム水溶液を60℃で1時間かけて滴下した。反応液を25℃に冷却し、終夜放置した。生じた結晶をろ取し、マグネシウム ビス[5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル) フェノレート ](I−2、5.08g、96.1%)を得た。
元素分析:C 51.67%, H 2.60%, Cl 16.76%, N 6.72%, Mg 5.65%
H−NMR(DMSO−d6)δppm: 6.33(dd, J=8.4 Hz, 2.1 Hz, 1H), 6.63(d, J=2.1 Hz, 1H), 6.88(d, J=0.9 Hz, 1H), 7.56(dd, J=15.9 Hz, 7.5 Hz, 1H), 7.86(d, J=0.9 Hz, 1H)
粉末X線回折の結果を表1および表2ならびに図1に示す。
主なピークの回折角:2θ=7.8、8.1、8.4、8.9、15.6
Figure 2013147118
Figure 2013147118

下記に示す多形の単一物に関する粉末X線回折の結果と比較することにより、上記方法により得られた結晶が多形の混合物であることを確認した。
下記に多形の単一物を得る方法を記載する。
5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル)フェノール(I−3、5.00g、25.6mmol)にアセトニトリル(70mL)、水(14mL)およびトリエチルアミン(3.15g、31.1mmol)を室温下で加えた。反応液を60℃に昇温した後、反応液に塩化マグネシウム6水和物(2.89g、14.2mmol)を水(5mL)に溶解して調製した塩化マグネシウム水溶液を1時間かけて滴下した。反応液を室温に冷却し、終夜攪拌した。析出した結晶をろ取し、マグネシウム ビス[5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル) フェノレート](I−2、5.12g、96.9%)のI型結晶を得た。
粉末X線回折の結果を表3および図2に示す。
主なピークの回折角:2θ=8.0、15.5、24.6、25.5、26.0
Figure 2013147118

上記方法により得られた多形の混合物の結晶またはI型結晶をアセトン溶媒中、加熱還流下、4.5時間攪拌し、生じた結晶をろ取することにより、II型結晶を得た。
粉末X線回折の結果を表4および表5ならびに図3に示す。
主なピークの回折角:2θ=7.8、8.4、8.8、21.0、23.4
Figure 2013147118
Figure 2013147118
(2)カルシウム ビス[5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル) フェノレート ](I−7)の合成
5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル)フェノール(I−3、1.00g、5.1mmol)にアセトニトリル(14mL)、水(2mL)およびトリエチルアミン(0.63g、6.1mmol)を室温下で加えた。反応液を60℃に昇温した後、反応液に塩化カルシウム2水和物(0.42g、2.8mmol)を水(3mL)に溶解して調製した塩化カルシウム水溶液を1時間かけて滴下した。反応液を25℃に冷却し、1時間20分間攪拌した。生じた固体をろ取し、カルシウム ビス[5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル) フェノレート ](I−7、1.06g、96.2%)を得た。
元素分析:C 49.31%, H 2.58%, Cl 16.39%, N 6.30%, Ca 8.79%
H−NMR(DMSO−d6)δppm: 6.27(d, J=6 Hz, 1H), 6.50(s 1H), 7.27(s, 1H), 7.58(d, J=6 Hz, 1H), 7.94(s, 1H)
5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル)フェノールの塩の吸湿性試験に用いた、ナトリウム 5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル) フェノレート(I−8)、カリウム 5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル) フェノレート(I−9)およびリチウム 5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル) フェノレート(I−10)の合成
Figure 2013147118

(式中、Zは、ナトリウム、カリウムまたはリチウムである。)
(1)ナトリウム 5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル) フェノレート(I−8)の合成
5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル)フェノール(I−3、20.00g、102.2mmol)にトルエン(200mL)を室温下で加えた。反応液に28%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(19.71g、102.2mmol)を25℃で45分間かけて滴下した。反応液を70℃に昇温した後に、25℃に冷却し、55分間攪拌した。生じた固体をろ取し、ナトリウム 5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル) フェノレート(I−8、20.67g、92.9%)を得た。
元素分析:C 47.14%, H 2.78%, Cl 15.10%, N 6.10%, Na 10.04%
H−NMR(DMSO−d6)δppm: 6.25(dd, J=8.1Hz, 1.8 Hz, 1H), 6.54(d, J=1.8 Hz, 1H), 7.18(d, J=0.6 Hz, 1H), 7.55(dd, J=21.0 Hz, 8.7Hz, 1H), 7.97(d, J=0.6 Hz, 1H)
(2)カリウム 5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル) フェノレート(I−9)の合成
5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル)フェノール(I−3、20.00g、102.2mmol)にトルエン(100mL)を室温下で加えた。反応液を75℃に昇温した後、24%カリウムエトキシドのエタノール溶液(35.77g、102.2mmol)を70℃で50分間かけて滴下した。反応液にトルエン(100mL)を加えた。反応液を25℃に冷却し、60分間攪拌した。生じた固体をろ取し、カリウム 5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル) フェノレート(I−9、7.76g、26.4%)を得た。
元素分析:C 42.41%, H 2.68%, Cl 13.57%, N 5.54%, K 15.73%
H−NMR(DMSO−d6)δppm: 6.16(dd, J=8.4 Hz, 2.4 Hz, 1H), 6.38(d, J=2.1 Hz, 1H), 7.14(d, J=1.2 Hz, 1H), 7.53(dd, J=8.1 Hz, 4.2 Hz, 1H), 7.99(d, J=1.2 Hz, 1H)
(3)リチウム 5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル) フェノレート(I−10)の合成
1mol/Lリチウムメトキシドのメタノール溶液(43.84g、53.7mmol)に5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル)フェノール(I−3、10.00g、51.2mmol)をトルエン(60mL)溶解して調製した溶液を室温下で20分かけて滴下した。反応液を1時間8分間攪拌した。反応液にトルエンを加え、40℃で減圧留去する操作を繰り返し行い、トルエンへ溶媒置換した。反応液を1時間30分攪拌した。得られた固体をろ取し、リチウム 5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル) フェノレート(I−10、5.21g、50.3%)を得た。
元素分析:C 52.92%, H 2.59%, Cl 17.71%, N 6.95%, Li 3.36%
H−NMR(DMSO−d6)δppm: 5.88(dd, J=8.4 Hz, 2.4 Hz, 1H), 6.20(d, J=2.1 Hz, 1H), 7.07(d, J=0.9 Hz, 1H), 7.39(dd, J=15.9 Hz, 7.5 Hz, 1H), 7.84(d, J=1.2 Hz, 1H)
{5−[4−(4−イソプロピルオキシフェニルスルホニル)−ピペラジン−1−イル]−2−(1,3−オキサゾール−2−イル)−フェノキシ}−酢酸(I−6)の合成
Figure 2013147118
(1) マグネシウム ビス[5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル) フェノレート ](I−2)の合成
トリフェニルホスフィン(140.96g、537.41mmol)をアセトニトリル(550mL)に懸濁した。20℃で反応液に塩素(37.79g、532.93mmol)を導入し、ジクロロトリフェニルホスホランアセトニトリル溶液611.28gを調製した。
4−クロロ−2−ヒドロキシ−N−(2−オキソエチル)ベンズアミド(I−1、5.97g、27.94mmol )をアセトニトリル(12mL)に懸濁し、上記で調製したジクロロトリフェニルホスホランアセトニトリル溶液(42.85g)を25℃で1時間45分かけて滴下した。反応液を55分間攪拌した。反応液にトリエチルアミン(11.31g、111.77mol)を25℃で2時間かけて滴下した。反応液を25℃で2時間52分攪拌した。反応液に水(12mL)を25℃で加え、60℃に昇温した。反応液に塩化マグネシウム6水和物(2.84g、13.98mmol)を水(6mL)に溶解して調製した塩化マグネシウム水溶液を60℃で1時間かけて滴下した。反応液を25℃に冷却し、終夜放置した。生じた結晶をろ取し、マグネシウム ビス[5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル) フェノレート ](I−2、5.08g、96.1%)を得た。
(2) 5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル)フェノール(I−3)の合成
マグネシウム ビス[5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル) フェノレート ](I−2、15.00g、 36.28mmol)にトルエン(90mL)、メタノール(15mL)、水(30mL)および酢酸(13.07g、217.65mmol)を室温で加えた。反応液を60℃に昇温し、79分間攪拌した。反応液に60℃で30%過酸化水素水(8.2mg、 0.07mmol)および水(15mL)を加え、60分間攪拌した。反応液に60℃で亜硫酸水素ナトリウム(13.7mg、0.13mmol)および水(15mL)を加え、30分間攪拌した。反応液に60℃で12%食塩水(30.00g)を加え、分液により水層を除去した。得られた有機層にトルエンを加え、30℃で減圧留去する操作を繰り返し行い、トルエンへ溶媒置換した。5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル)フェノール(I−3)のトルエン溶液(61.54g)を得た。
(3) 5−[4−(4−イソプロピルオキシフェニルスルホニル)−ピペラジン−1−イル]−2−(1,3−オキサゾール−2−イル)−フェノール(I−4)の合成
4−(4−イソプロピルオキシフェニルスルホニル)ピペラジン(11.55g、40.62mmol)、ナトリウムtert−ペントキシド(11.18g、101.51mmol)、トリtert−ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート(53.1mg、 0.10mmol)および 酢酸パラジウム(22.8mg、0.10mmol)のトルエン(40mL)に懸濁した。反応液に35℃で5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル)フェノール(I−3)のトルエン溶液(28.72g)を10分かけて滴下した。反応液を110℃に昇温し、1時間30分攪拌した。反応液を75℃に冷却した。反応液にtert−ブチルアルコール(17mL)および水(13mL)を75℃で加え、さらに16%塩酸(22.91g)を1時間14分かけて滴下した。反応液を40℃に冷却し、メタノール(7mL)加えた。反応液中の水層を40℃で除去し、得られた有機層を25℃に冷却した。反応液にメタノール(12mL)を加えた。反応液を1時間攪拌し、0℃に冷却後、さらに1時間攪拌した。析出した結晶をろ取し、5−[4−(4−イソプロピルオキシフェニルスルホニル)−ピペラジン−1−イル]−2−(1,3−オキサゾール−2−イル)−フェノール(I−4、13.15g、87.6%)を得た。
(4) {5−[4−(4−イソプロピルオキシフェニルスルホニル)−ピペラジン−1−イル]−2−(1,3−オキサゾール−2−イル)−フェノキシ}−酢酸エチルエステル(I−5)の合成
5−[4−(4−イソプロピルオキシフェニルスルホニル)−ピペラジン−1−イル]−2−(1,3−オキサゾール−2−イル)−フェノール(I−4、10.00g、22.55mmol)にヨウ化カリウム(0.75g、4.52mmol)、炭酸カリウム(4.7g、34.01mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド(50mL)を室温で加えた。反応液を80℃に昇温した。反応液にブロモ酢酸エチル(5.6g、33.53mmol)を80℃で2時間50分かけて滴下し、1時間攪拌した。反応液を25℃に放冷した。反応液に25℃で酢酸(4.1g、68.28mmol)を5分かけて滴下した後、メタノール(50mL)および水(100mL)を加えた。反応液を25℃で60分間攪拌後、終夜放置した。生じた固体をろ取し、{5−[4−(4−イソプロピルオキシフェニルスルホニル)−ピペラジン−1−イル]−2−(1,3−オキサゾール−2−イル)−フェノキシ}−酢酸エチルエステルを湿潤固体(I−5、20.94g)として得た。
元素分析:C 58.84%, H 5.89%, N 7.96%, S 5.76%
H−NMR(CDCl)δppm:1.27(t, J= 7.2Hz, 3H), 1.37(d, J=6.3Hz, 6H), 3.13(m, 4H), 3.33(m, 4H), 4.24(q, J=7.2 Hz, 2H), 4.65(m, 1H), 6.38(d, J=2.4 Hz, 1H), 6.56(dd, J=8.7Hz, 2.1Hz), 6.97(d, J=9.0 Hz, 2H), 7.20(d, J=0.9 Hz, 1H), 7.66(d, J=0.6Hz, 1H), 7.68(d, J=9.0Hz, 2H), 7.84(d, J=8.4Hz, 1H)
(5) 5−[4−(4−イソプロピルオキシフェニルスルホニル)−ピペラジン−1−イル]−2−(1,3−オキサゾール−2−イル)−フェノキシ}−酢酸(I−6)の合成
{5−[4−(4−イソプロピルオキシフェニルスルホニル)−ピペラジン−1−イル]−2−(1,3−オキサゾール−2−イル)−フェノキシ}−酢酸エチルエステルの湿潤固体(I−5、20.31g)に室温でテトラヒドロフラン(127mL)および活性炭(1.1g)を加えた。反応液を65℃に昇温し、1時間攪拌した。ろ過により、60℃で活性炭を除去し、得られたろ液に2%水酸化ナトリウム水溶液(44.90g)を60℃で20分かけて滴下した。反応液を60℃で1時間攪拌した。反応液に1%塩酸水溶液(65.02g)を60℃で滴下した。反応液を25℃に放冷し、2時間攪拌した。析出した結晶をろ取し、再結晶することにより、5−[4−(4−イソプロピルオキシフェニルスルホニル)−ピペラジン−1−イル]−2−(1,3−オキサゾール−2−イル)−フェノキシ}−酢酸を結晶(I−6、9.12g)として得た。
5−クロロ−2−[(5RS)−5−クロロ−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]フェノール 塩酸塩(I−11)の合成
Figure 2013147118

ヘキサクロロエタン(36.56g、15.44mmol)をアセトニトリル(160mL)に懸濁した。反応液にトリフェニルホスフィンを23℃で加え、反応液を1時間攪拌した。反応液に4−クロロ−2−ヒドロキシ−N−(2−オキソエチル)ベンズアミド(I−1、20.00g、93.62mmol )を23℃で加え、反応液を1時間攪拌した。生じた固体をろ取し、5−クロロ−2−[(5RS)−5−クロロ−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]フェノール 塩酸塩(I−11、19.0g)を得た。
元素分析:C 40.07%, H 2.93%, N 5.33%, S 39.85%
H−NMR(CDCl)δppm:4.38(dd, J=16.5 Hz, 2.0 Hz, 1H), 4.54(dd, J=16.5 Hz, 6.5 Hz, 1H), 6.56(dd, J=6.5 Hz, 2.0Hz), 6.91(dd J=8.5 Hz, 1.7Hz), 7.07(d J=1.7Hz), 7.61(d, J=8.5Hz)
上記で得られた5−クロロ−2−[(5RS)−5−クロロ−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル]フェノール 塩酸塩(I−11)に対し、実施例3の(1)に記載されたトリエチルアミンの滴下以降の操作を行えば、マグネシウム ビス[5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル) フェノレート ](I−2)を合成することができる。
粉末X線回折パターンの測定
各実施例で得られた結晶の粉末X線回折測定は、日本薬局方の一般試験法に記載された粉末X線回折測定法に従い、以下の測定条件で行った。
(装置)
Rigaku社製MiniFlexII
(操作方法)
試料について、以下の条件で測定を行った。
測定法:反射法
光源の種類:Cu管球
使用波長:CuKα線
管電流:15mA
管電圧:30Kv
試料プレート:無反射試料板、シリコン
スキャンスピード:5.000°/分
走査範囲:4.000〜40.0000°
サンプリング幅:0.0200°
結晶は、各回折角又は面間隔の値によって特徴づけられる(dsinθ=nλ:nは整数、dは面間隔(単位:オングストローム)、θは回折角(単位:度)を意味する)。
試験例
試験例1:TG/DTA測定による昇華性の評価
(1) 特許文献6に記載の方法で得られた5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル)フェノール(I−3、5mg)を量り、アルミニウムパンにつめ、開放系にて測定した。測定条件は以下のとおりである。
(測定条件)
装置:エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製 TG/DTA 7200
温度プログラム:30℃−200℃
昇温速度:10℃/分
パージガス:N 200mL/分

TG/DTA曲線を図3に示す。融解によるオンセット温度は約90℃であり、40―85℃において、0.38%の重量減少を確認した。

(2) 特許文献6に記載の方法で得られた5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル)フェノール(I−3、約10mg)を量り、アルミニウムパンにつめ、開放系にて測定した。測定条件は以下のとおりである。
(測定条件)
装置:エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製 TG/DTA 7200
測定温度:40℃
測定時間:720分
パージガス:N 200mL/分

TG曲線を図4に示す。試料が固体状態にある、40℃の低温条件下において、1.6%の重量減を確認した。この結果より、5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル)フェノール(I−3)が昇華性を有することが示唆された。

(3) 実施例1の(1)で得られたマグネシウム ビス[5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル) フェノレート](I−2、5mg)を量り、アルミニウムパンにつめ、開放系にて測定した。測定条件は以下のとおりである。
(測定条件)
装置:エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製 TG/DTA 7200
温度プログラム:30℃−200℃
昇温速度:10℃/分
パージガス:N 200mL/分

TG/DTA曲線を図5に示す。約30℃−約180℃において、融解および重量減少が確認されなかった。この結果より、測定温度において、マグネシウム ビス[5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル) フェノレート](I−2)が昇華性を有さないことを確認した。
試験例2:昇華性の確認試験
特許文献6に記載の方法で得られた5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル)フェノール(I−3、3.01g、15.4mmol)を−15℃の冷却液を通液した冷却管を備えたナス型フラスコに秤取し、減圧下(16〜18mmHg)、40℃で6時間加温した。6時間後、冷却管に白色固体が0.02g付着した。この白色固体をH−NMR(DMSO−d6)測定し、5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル)フェノール(I−3)であることを確認した。この結果より、5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル)フェノール(I−3)が昇華性を有することを確認した。
試験例3:水分吸脱着等温線の測定による吸湿性の評価
下記の(1)〜(4)に示す所定の実施例で得られた化合物の水分吸脱着等温線の測定を以下の測定条件で行った。
(装置)
ハイデン社製IGASorp
(操作方法)
ステンレス製網状サンプル容器に試料約50mgを量り分け、装置内にて質量が変化しなくなるまで相対湿度(以下、RHとする)0%で乾燥した。以下の条件で温湿度を制御し、質量の動的測定を行った。
測定温度:25℃
測定湿度範囲:吸着0〜95%RH、脱着95〜0%RH、5%RH間隔
測定条件:Isotherm条件
ここで、Isotherm条件とは、平衡判断最小待ち時間より後に、一定湿度下において、質量が変化しない状態になったとき、または平衡判断最大待ち時間に達したとき、次の測定湿度に移行する測定条件である。
各湿度での平衡判断最小待ち時間:10分
各湿度での平衡判断最大待ち時間:2時間
湿度制御:窒素および加湿装置、250mL/分

(1) 実施例1の(1)で得られたマグネシウム ビス[5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル) フェノレート](I−2)の水分吸脱着等温線を図6に示す。水分吸着等温線の測定では、95%RHとすると、0%RH時の質量に対する増加質量の比率が2%となった。水分脱着等温線の測定では、0%RHとすると、その比率は0%となった。

(2) 実施例1の(2)で得られたカルシウム ビス[5−クロロ−2−(1,3−オキサゾール−2−イル) フェノレート](I−7)の水分吸脱着等温線を図7に示す。水分吸着等温線の測定では、95%RHとすると、0%RH時の質量に対する増加質量の比率が3%となった。水分脱着等温線の測定では、0%RHとすると、その比率は0%となった。
N−フェニル−N’−フェニルスルホニルピペラジン誘導体の工業的製造方法に有用な昇華性を有さない中間体である、2−(1,3−オキサゾール−2−イル)フェノール誘導体の塩、およびその結晶を見出した。また、該塩の製造方法および該塩を経由するN−フェニル−N’−フェニルスルホニルピペラジン誘導体の製造方法を見出した。
実施例1の(1)で得られた化合物の塩(I−2)の結晶のうち、多形の混合物に関する、粉末X線回折パターンとそのピーク値である。縦軸は強度、横軸は回折角[2θ、単位:°]を示す。 実施例1の(1)で得られた化合物の塩(I−2)の結晶のうち、多形の単一物に関する、粉末X線回折パターンとそのピーク値である。縦軸は強度、横軸は回折角[2θ、単位:°]を示す。 実施例1の(1)で得られた化合物の塩(I−2)の結晶のうち、多形の単一物に関する、粉末X線回折パターンとそのピーク値である。縦軸は強度、横軸は回折角[2θ、単位:°]を示す。 特許文献6に記載の方法で得られた化合物(I−3)に関する、昇温速度が10℃/分におけるTG/DTA曲線である。上部曲線がTG曲線であり、下部曲線がDTA曲線である。縦軸は重量および熱量の変化[TG、単位:%;およびDTA、単位uV]、横軸は温度[TempCel、単位:℃]を示す。 特許文献6に記載の方法で得られた化合物(I−3)に関する、測定温度が40℃におけるTG曲線である。縦軸は重量[TG、単位:%]、横軸は時間[Time min、単位:分]を示す。 実施例1の(1)で得られた化合物の塩(I−2)に関する、昇温速度が10℃/分におけるTG/DTA曲線である。上部曲線がTG曲線であり、下部曲線がDTA曲線である。縦軸は重量および熱量の変化[TG、単位:%;およびDTA、単位uV]、横軸は温度[Temp Cel、単位:℃]を示す。 実施例1の(1)で得られた化合物の塩(I−2)に関する、水分吸脱着等温線である。縦軸は0%RH時の質量に対する増加質量の比率[Weight Change、単位:%]、横軸は相対湿度[RH、単位:%]を示す。+でプロットされた曲線が水分吸着等温線であり、■でプロットされた曲線が水分脱着等温線である。 実施例1の(2)で得られた化合物の塩(I−7)に関する、水分吸脱着等温線である。縦軸は0%RH時の質量に対する増加質量の比率[Weight Change、単位:%]、横軸は相対湿度[RH、単位:%]を示す。+でプロットされた曲線が水分吸着等温線であり、■でプロットされた曲線が水分脱着等温線である。

Claims (10)

  1. 式(I):
    Figure 2013147118

    (式中、Xはハロゲン)で示される化合物の塩。
  2. マグネシウム塩またはアルカリ土類金属塩である、請求項1記載の塩。
  3. マグネシウム塩またはカルシウム塩である、請求項1または2に記載の塩。
  4. Xが塩素である、請求項1〜3のいずれかに記載の塩。
  5. 式(I):
    Figure 2013147118

    (式中、Xはハロゲン)で示される化合物のマグネシウム塩またはアルカリ土類金属塩の結晶。
  6. Xが塩素である式(I)で示される化合物のマグネシウム塩の結晶である、請求項5記載の結晶。
  7. 式(I):
    Figure 2013147118

    (式中、Xはハロゲン)で示される化合物を、マグネシウムのハロゲン化物、マグネシウムの水素化物、マグネシウムの水酸化物、マグネシウムのオキソ酸塩、マグネシウムの有機酸塩、アルカリ土類金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属の水素化物、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ土類金属のオキソ酸塩、またはアルカリ土類金属の有機酸塩で処理することを特徴とする、式(I)で示される化合物のマグネシウム塩またはアルカリ土類金属塩の製造方法。
  8. 式(II):
    Figure 2013147118

    (式中、Xはハロゲン)で示される化合物またはその塩を環化させることにより、式(I):
    Figure 2013147118

    (式中、Xは前記と同意義)で示される化合物を得る工程を含む、請求項7記載の製造方法。
  9. 式(II)で示される化合物またはその塩を、トリフェニルホスフィン、ハロゲン化剤および塩基の存在下で環化させる、請求項8記載の製造方法。
  10. 式(I):
    Figure 2013147118

    (式中、Xは、ハロゲン)で示される化合物のマグネシウム塩またはアルカリ土類金属塩を経由することを特徴とする、式(VIII):
    Figure 2013147118

    で示される化合物またはその塩の製造方法。
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