JP2019502761A - ((r)−3−[(−1−メチルピロリジン−2−イル)メチル]−5−(2−フェニルスルホニルエチル)−1h−インドールを作製する方法 - Google Patents

((r)−3−[(−1−メチルピロリジン−2−イル)メチル]−5−(2−フェニルスルホニルエチル)−1h−インドールを作製する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、収率が良好で高純度の(R)−3−[(−1−メチルピロリジン−2−イル)メチル]−5−(2−フェニルスルホニルエチル)−1H−インドール(エレトリプタン)及びその薬学的に許容可能な塩の作製に対する、工業規模の適用にも好適な、効率的で環境にやさしい方法を提供する。また、本発明は、収率が良好で高純度の(R)−3−[(−1−メチルピロリジン−2−イル)メチル]−5−(2−フェニルスルホニルエチル)−1H−インドール及びその薬学的に許容可能な塩の作製にも適している、(R)−3−[(−1−メチルピロリジン−2−イル)メチル]−5−(2−フェニルスルホニルエチル)−1H−インドールの新たな酸付加塩を提供する。本発明は、化合物エレトリプタンに対して、tert−ブチルカルボニル保護前駆物質を更に提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、収率が良好で高純度の(R)−3−[(−1−メチルピロリジン−2−イル)メチル]−5−(2−フェニルスルホニルエチル)−1H−インドール及びその薬学的に許容可能な塩の作製に対する、工業規模の適用にも好適な、効率的で環境にやさしい方法を提供する。
また、本発明は、収率が良好で高純度の(R)−3−[(−1−メチルピロリジン−2−イル)メチル]−5−(2−フェニルスルホニルエチル)−1H−インドール及びその薬学的に許容可能な塩の作製にも適している、(R)−3−[(−1−メチルピロリジン−2−イル)メチル]−5−(2−フェニルスルホニルエチル)−1H−インドールの新たな酸付加塩を提供する。
下に示されるエレトリプタンとしても知られている(R)−3−[(−1−メチルピロリジン−2−イル)メチル]−5−(2−フェニルスルホニルエチル)−1H−インドールは、片頭痛の治療のためPfizerによって開発された5−HT1D及び5−HT1Bのアゴニストである。エレトリプタンは、臭化水素酸塩として商品化され、商品名Relpax(商標)及びRelert(商標)のもとで販売される。
エレトリプタンは、(R)−5−(2−ベンゼンスルホニルエテニル)−3−(N−メチルピロリジン−2−イルメチル)−1H−インドールの接触還元によるエレトリプタンの作製に対する合成アプローチを記載する、Pfizerによる特許文献1によって初めて開示された。化合物(R)−5−(2−ベンゼンスルホニルエテニル)−3−(N−メチルピロリジン−2−イルメチル)−1H−インドールを、グリニャール試薬の存在下で、N−ベンジルオキシカルボニル−D−プロリン酸クロリドと5−ブロモインドールとを反応させることによって作製した後、得られた(R)−3−(N−ベンジルオキシカルボニルピロリジン−2−イルカルボニル)−5−ブロモ−1H−インドールを還元して、(R)−5−ブロモ−3−(N−メチルピロリジン−2−イルメチル)−1H−インドールを得て、パラジウム触媒であるトリアリールホスフィン及び塩基の存在下でフェニルビニルスルホンと更に反応させて化合物を得て、それを水素化させてエレトリプタンを生じる。特許文献1の合成順序の完全な経路を以下のように表すことができる。
以下のような望ましくない二量体化につながる可能性があるため、上のプロセスは問題となり得る。
特許文献2は、エレトリプタンの臭化物塩を開示する。また、そのα多形体及びβ多形体も開示される。
α多形体は、グラファイトモノクロメーター(λ=0.15405nm)で濾過した銅放射線を使用して得られる、9.7、10.7、15.9、16.5、17.8、18.3、19.3、19.8、20.1、21.2、24.4、25.5、25.8、26.7、27.6、及び29.4度2θで主ピークを示す粉体X線回折パターンを更に特徴とする。
β多形体は、グラファイトモノクロメーター(λ=0.15405nm)で濾過した銅放射線を使用して得られる、11.0、17.2、19.2、20.1、21.6、22.6、23.6、及び24.8度2θで主ピークを示すX線回折パターンを特徴とする。
また、下記方法の開示も特許文献2に提供される。
好適な溶媒、好ましくはアセトン中の3−(N−メチル−2(R)−ピロリジニルメチル)−5−(2−フェニルスルホニルエチル)−1H−インドールの溶液の室温での臭化水素の水溶液による処理、続いて好適な溶媒、好ましくは2−プロパノールによる単離した粗製油の晶析を含む方法の開示(A)により、要求される臭化水素酸塩のα形態が与えられる。
好適な溶媒、好ましくはアセトン又はエーテル溶媒、例えばテトラヒドロフラン又は1,2−ジメトキシエタン、より好ましくは1,2−ジメトキシエタン中、3−(N−メチル−2(R)−ピロリジニルメチル)−5−(2−フェニルスルホニルビニル)−1H−インドールの溶液の0℃〜10℃の温度での臭化水素の水溶液による処理を含む方法の開示(B)により、要求される臭化水素酸塩のβ形態が与えられる。
また、特許文献2に開示されるように、好適な溶媒、好ましくは水性アセトンからのβ形態の晶析、続いて、得られた混合物のスラリー化は、望ましいα形態を与える。
好適な溶媒、好ましくはアセトン中の3−(N−メチル−2(R)−ピロリジニルメチル)−5−(2−フェニルスルホニルエチル)−1H−インドールの溶液の0℃〜5℃での臭化水素の水溶液による処理、その後、該反応混合物のスラリー化、任意には、続いて還流下での加熱、冷却、更なるスラリー化を含む方法の開示(C)により、要求されるα形態が与えられる。
特許文献2には、初期の処理工程が開示されていない。
特許文献3は、(a)(R)−5−ブロモ−3−(N−メチルピロリジン−2−イルメチル)−1H−インドールをN−アセチル化する工程、(b)得られた(R)−1−アセチル−5−ブロモ−3−(N−メチルピロリジン−2−イルメチル)−1H−インドールと、フェニルビニルスルホンとを反応させて、(R)−1−アセチル−5−(2−ベンゼンスルホニルエテニル)−3−(N−メチルピロリジン−2−イルメチル)−1H−インドールを得る工程、(c)得られた化合物を接触還元する工程、及び(d)加水分解してエレトリプタン塩基を得る工程によるエレトリプタンの作製を開示する。開示されるように、この方法は、望ましくない二量体を実質的に含まないエレトリプタンを提供する。
欧州特許第0592438号 欧州公開特許第0776323号 国際公開第02/50063号
上記の従来技術の方法と比較して有利なエレトリプタンを作製する方法を提供すること
が現在も必要とされている。
本発明の第1の態様は、新規化合物であるtert−ブチル(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール−1−カルボキシレート・HX、化合物Iに関する:
(ここで、Bocはtert−ブチルオキシカルボニル保護基であり、Xは好適な塩対イオンである)。したがって、化合物Iはまた、下記のように表され得る。
本発明の第2の態様は、
i)触媒の存在下で、化合物Aと、フェニルビニルスルホン及び塩基とを反応させて、tert−ブチル(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール−1−カルボキシレート・HX、化合物Iを生じる工程と、
ii)工程i)で得られた化合物Iを、従来の単離技術によって単離する工程と、
を含む、本発明の第1の態様の新規化合物Iの作製方法に関する。
本発明の第3の態様は、エレトリプタン又はその薬学的に許容可能な塩の作製のための、本発明の第1及び第2の態様の化合物Iの使用である。
本発明の第4の態様は、エレトリプタンの新規な酸付加塩である化合物IIに関する:
(ここで、HAは、(−)−O,O’−ジ−p−トルオイル−L−酒石酸(TLT)、(−)−O,O’−ジ−p−トルオイル−D−酒石酸(TDT)、(−)−O,O’−ジベンゾイル−D−酒石酸(BDT)(無水物又は一水和物)、(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸(無水物又は一水和物としての)(BLT)、ベンゼンスルホン酸(BSF)、及びグルコン酸(GLC)から選択される有機酸である)。
本発明の第5の態様は、
i)エレトリプタンと、酸HAとを反応させて、エレトリプタンの新規な酸付加塩である化合物IIを製造する工程と、
ii)工程i)で得られた化合物IIを従来の単離技術によって単離する工程と、
を含む、本発明の第4の態様のエレトリプタンの新規な酸付加塩である化合物IIの作製方法に関する。
本発明の第6の態様は、エレトリプタン又はその薬学的に許容可能な塩の作製のための、本発明の第4及び第5の態様のエレトリプタンの新規な酸付加塩である化合物IIの使用である。
本発明の第7の態様は、エレトリプタンの新規な酸付加塩である化合物IIから、エレトリプタン又はその薬学的に許容可能な塩若しくは共結晶を作製する方法であって、
少なくとも、
a)エレトリプタンの酸付加塩である化合物IIを塩基で処理して、エレトリプタンを生じる工程と、
b)工程a)で得られたエレトリプタンを従来の単離技術によって単離する工程と、
c)任意に、工程b)のエレトリプタンを従来の精製技術によって精製する工程と、
d)任意に、工程b)又は工程c)で得られたエレトリプタンをその薬学的に許容可能な塩又は共結晶へと変換する工程と、
を含む、方法を提供する。
本発明の第8の態様は、新規化合物Iから、エレトリプタン又はその薬学的に許容可能な塩若しくはその共結晶を作製する方法であって、少なくとも、
a)化合物Iを酸、HBで処理して、(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール一水和物、化合物IVを生じる工程と、
(ここで、HXは上記に定義されている)
b)工程a)で得られた化合物IVを水素化してエレトリプタンを生じる工程と、
c)任意に、下記工程によってエレトリプタンを精製する工程と、
i.工程b)で得られたエレトリプタンを酸HAで処理してエレトリプタンの酸付加塩である化合物IIを生じる工程、
(ここで、HAは、(−)−O,O’−ジ−p−トルオイル−L−酒石酸(TLT)、(−)−O,O’−ジ−p−トルオイル−D−酒石酸(TDT)、(−)−O,O’−ジベンゾイル−D−酒石酸(BDT)(無水物又は一水化物)、(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸(無水物又は一水化物)(BLT)、ベンゼンスルホン酸(BSF)、及びグルコン酸(GLC)から選択される有機酸である)
ii.工程i)で得られた化合物IIを従来の単離技術によって単離する工程、及び、
iii.工程ii)で得られた化合物IIを塩基で処理してエレトリプタンを生じる工程、
d)工程b)又は工程c)で得られたエレトリプタンを従来の単離技術によって単離する工程と、
e)任意に、工程d)のエレトリプタンを従来の精製技術によって精製する工程と、
f)任意に、工程b)又は工程c)又は工程d)又は工程e)で得られたトリプタンをその薬学的に許容可能な塩又は共結晶に変換する工程と、
を含む、方法を提供する。
定義
本明細書で使用される、「有機溶媒」という用語は、少なくとも部分的に別の物質(すなわち、溶質)を溶解することができる炭素を含む物質を指す。有機溶媒は、室温で液体の場合がある。有機溶媒は、2以上の有機溶媒の組み合わせによって形成されていてもよい。
本明細書で使用される「ワンポット反応」という用語は、中間体化合物を単離せずに起こる2以上の反応を意味し、該反応では、全ての反応物が第1の反応の開始時に添加されるか、又は一連の反応の間に連続して全ての反応物を添加する。
「溶媒和物」という用語は、化合物と、化学量論量の又は非化学量論量の1以上の溶媒分子(例えばアセトン)とを含む分子複合体を指す。「水和物」という用語は、溶媒が水である溶媒和物を指す。
本明細書で使用される酸「HA」という用語は、陽子若しくは水素イオンを提供しやすい、及び/又は電子を受け取りやすい物質を指す。好適な酸HAは、(−)−O,O’−ジ−p−トルオイル−L−酒石酸(TLT)、(−)−O,O’−ジ−p−トルオイル−D−酒石酸(TDT)、(−)−O,O’−ジベンゾイル−D−酒石酸(無水物又は一水和物)(BDT)、(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸(無水物又は一水和物)(BLT)、ベンゼンスルホン酸(BSF)、及びグルコン酸(GLC)から選択される。
本明細書で使用される酸「HB」という用語は、陽子若しくは水素イオンを提供しやすい、及び/又は電子を受け取りやすい物質を指す。好適な酸、HBは、無機酸であってもよく、又は有機酸であってもよい。本発明に対して使用され得る好適な無機酸の非限定的な例として、塩酸、過塩素酸、次亜塩素酸、塩素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸(オルトリン酸としても知られる)、ホウフッ化水素酸、及びそれらの混合物が挙げられる。本発明に対して使用され得る好適な有機酸の非限定的な例として、シュウ酸、マロン酸、フマル酸、クエン酸一水和物を含むクエン酸、マレイン酸、酒石酸、酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、アセチルサリチル酸、アジピン酸、ピバリン酸、安息香酸、フェニル酢酸、p−メトキシ安息香酸、4−ピリジルカルボン酸、オレイン酸、有機硫黄化合物、エンボン酸、ゲンチシン酸、グルクロン酸、ピログルタミン酸、グリコール酸、マンデル酸、アスパラギン酸、馬尿酸、グルタル酸、ピメリン酸、パルミチン酸、及びそれらの混合物が挙げられる。
本明細書で使用される「従来の単離技術」という用語は、溶媒抽出、濾過、蒸留、スラリー化、洗浄、相分離、蒸発、遠心分離、又は晶析等の工業規模で行われ得る、単離された生成物を得ることができる方法を指す。
本明細書で使用される「溶媒抽出」という用語は、1つの成分に対してより大きな親和性を持つ溶媒を使用することにより混合物の成分を分離するプロセスを指し、それにより該1つの成分ほどその溶媒に混和性ではない少なくとも第2の成分から、該1つの成分を分離し得る。
「濾過」という用語は、固体粒子及び液体の混合物を含むフィード(feed)から所定のサイズよりも大きな固体粒子を除去する行為を指す。「濾液」という表現は、濾過プロセスによって除去される固体粒子がより少ない混合物を指す。この混合物が所定の粒子径より小さな固体粒子を含み得ることが十分に理解される。「濾過ケーキ」の表現は、濾過要素のフィード側に残っている残留固形物質を指す。
「蒸留」という用語は、選択的な蒸発及び濃縮によって液体混合物から成分物質を分離する行為を指す。蒸留は、結果的に本質的に完全な分離(ほぼ純粋な成分)をもたらしても、又は蒸発は、混合物の選択された成分の濃度を増加させる部分的な分離であってもよい。いずれの場合も、該プロセスは、混合物の成分の揮発性の差を利用する。
本明細書で使用される「スラリー化」という用語は、溶媒を用いて粗製固体生成物を洗浄する、懸濁する、又は分散させる任意の処理を指す。
本明細書で使用される「洗浄(洗浄すること)」という用語は、望ましくない可溶物を除去するように、固体塊(例えば結晶)を液体で洗う及び/又は固体塊に液体を通過させることによって、その固体塊を精製するプロセスを指す。そのプロセスは、濾過、デカント、又はそれらの組み合わせにより得られる沈殿物を蒸留水等の溶媒で洗う及び/又は沈殿物に溶媒を通過させることを含む。例えば、本発明の或る一つの実施の形態では、洗浄は、固体と溶媒又は溶媒混合物とを接触させること、(例えば2時間に亘って)勢いよく撹拌すること、及び濾過することを含む。溶媒は、水であってもよく、水性溶媒系であってもよく、又は有機溶媒系であってもよい。さらに、洗浄は、任意の適温の溶媒で行われ得る。例えば、洗浄工程は、約0℃〜約100℃の温度の溶媒で行われ得る。
「相分離」という用語は、少なくとも2つの物理的に別の領域を有する溶液又は混合物を指す。
「蒸発」という用語は、液体から気体への溶媒の状態の変化、及びリアクターからのそのガスの除去を指す。本明細書に開示される合成経路の間に様々な溶媒が蒸発され得る。当業者に知られているように、溶媒はそれぞれ異なる蒸発時間及び/又は蒸発温度を有し得る。
「晶析」という用語は、当業者に知られている任意の方法を指し、ここで、生成物は結晶形態で得られ、例えば(such as)、任意に高温で化合物を溶解し、溶液を冷却することにより、若しくは溶液から溶媒を除去することにより、又はそれらの両方により、化合物を沈殿させることによって、単一の溶媒又は溶媒の組み合わせから晶析させる。晶析は、溶媒/貧溶媒晶析等の方法を更に含む。
本明細書で使用される「精製」という用語は、原薬から夾雑物を取り除くことによって精製された原薬を得ることができる方法を指す。「工業的精製」という用語は、溶媒抽出、濾過、スラリー化、洗浄、相分離、蒸発、遠心分離、又は晶析等の工業規模で行われ得る精製を指す。
本発明の実施例を添付の図面により説明する。
X=Brである化合物IのDSC分析を示す図である。 X=Brである化合物IのTGA分析を示す図である。 X=Brである化合物IのIRスペクトルを示す図である。 化合物IIのTGA分析及びDSC分析を示す図である。 化合物IIのXPRD分析を示す図である。
本発明の第1の態様は、新規化合物、tert−ブチル(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール−1−カルボキシレート・HX、化合物Iに関する:
(ここで、Bocはtert−ブチルオキシカルボニル保護基であり、Xは、Cl、Br、又はIから選択されるハロゲン;アリールジアゾニウム塩及びヨードニウム塩、トリフルオロメタンスルホネート(トリフレートとしても知られる)、ノナフルオロブタンスルホネート(ノナフレート(nonaflates)としても知られる)、トシレート、メシレート、塩化スルホニル、酸塩化物、リン酸塩及びスルホキシドから選択される擬ハロゲンから選択される好適な塩対イオンであり、XはCl及びBrであることが好ましく、XはBrであることが最も好ましい)。
第1の態様によれば、XがBrである好ましい実施形態では、新規化合物Iは、およそ172℃〜175℃でオンセット及びおよそ182℃〜185℃で最大の吸熱ピークを示すDSCサーモグラムを特徴とする。「およそ」という用語は、このDSC測定に関連して、℃の値は2℃ずつ、好ましくは1℃ずつ変化し得ることを意味する。
XがBrである更なる実施形態では、本発明は、図1と実質的に一致するDSCを提供することを特徴とする化合物Iを提供する。
XがBrである更なる実施形態では、本発明は、図2と実質的に一致するTGAを提供することを特徴とする化合物Iを提供する。
XがBrである更なる実施形態では、本発明は、図3と実質的に一致するIRを提供することを特徴とする化合物Iを提供する。
有利には、化合物Iは、良好な収率及び高純度で容易に得られて単離され、また安定している。さらに、化合物Iは、室温にて大気条件下におかれた場合、長期間、好ましくは1ヶ月間に亘って、変色を示さなかった。これに関連して「室温」という用語は、温度が15℃〜30℃であることを意味する。さらに、水分取り込みは、温度30℃及び60%RH(相対湿度)で生じなかった。したがって、その分解又は水分取り込みを防止する又は最小化するために、化合物Iを特殊な包装容器で又は高価な不活性ガス条件下で保管する必要がない。
本発明の第2の態様は、以下の工程を含む、本発明の第1の態様の新規化合物Iの作製方法に関する:
i)触媒の存在下で、化合物Aと、フェニルビニルスルホン及び塩基とを反応させて、tert−ブチル(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール−1−カルボキシレート・HX、化合物Iを生じる工程:
(ここで、Bocはtert−ブチルオキシカルボニル保護基であり、化合物Aでは、Xは好適には脱離基であり、化合物IではXは好適な塩対イオンである)。化合物Aと化合物Iの両方の化合物において、XはCl、Br、又はIから選択されるハロゲン;アリールジアゾニウム塩及びヨードニウム塩、トリフルオロメタンスルホネート(トリフレートとしても知られる)、ノナフルオロブタンスルホネート(ノナフレートとしても知られる)、トシレート、メシレート、塩化スルホニル、酸塩化物、リン酸塩、及びスルホキシドから選択される擬ハロゲンから選択され得る。XはCl及びBrであることが好ましい。XはBrであることが最も好ましい。
工程i)で使用される塩基は、有機塩基であってもよく、又は無機塩基であってもよい。好適な塩基として、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等の金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸セシウム及び炭酸水素カリウム等の金属炭酸塩;オルトリン酸ナトリウム、オルトリン酸セシウム及びオルトリン酸カリウム等の金属リン酸塩、酢酸ナトリウム及び酢酸カリウム等の金属酢酸塩;金属の直鎖又は分岐鎖のアルコキシド(金属アルコキシド)、アンモニウムの直鎖又は分岐鎖のアルコキシド(アンモニウムアルコキシド)、ホウ素の直鎖又は分岐鎖のアルコキシド(ホウ素アルコキシド)、及びシリコンの直鎖又は分岐鎖のアルコキシド(シリコンアルコキシド)、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、ナトリウムイソプロポキシド、ナトリウムブトキシド、ナトリウムイソブトキシド、ナトリウムsec−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、リチウムメトキシド、リチウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムプロポキシド、カリウムイソプロポキシド、カリウムブトキシド、カリウムイソブトキシド、カリウムsec−ブトキシド及びカリウムtert−ブトキシド、カルシウムメトキシド、カルシウムエトキシド、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド、バリウムメトキシド、バリウムエトキシド、アルミニウムメトキシド、アルミニウムエトキシド、チタンメトキシド、チタンエトキシド、ジルコニウムメトキシド、ジルコニウムエトキシド、アンモニウムメトキシド、アンモニウムエトキシド、シリコンメトキシド、シリコンエトキシド、ホウ素メトキシド、ホウ素エトキシド;トリエチルアミン、N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン、N,N−ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン及びメタノール溶解性アンモニア(methanolic ammonia)等のアンモニア誘導体;並びにピリジン等の複素環式塩基、又はそれらの混合物の非限定的な例が挙げられる。それらの中で、アンモニア誘導体、金属オルトリン酸塩、及び金属炭酸塩が好ましい。収率が改善されることから、トリエチルアミンがより好ましい。
触媒は有機パラジウム触媒である。好適な有機パラジウム触媒として、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリフェニルホスフィンを配位子とする塩化パラジウム、PHOXを配位子とする塩化パラジウム、トリフェニルホスフィンを配位子とする酢酸パラジウム(II)、PHOXを配位子とする酢酸パラジウム(II)、ジクロロ[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)アセトン付加物、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロ[1,1’ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)]フェロセンパラジウム(II)、1,2,3,4,5−ペンタフェニル−1’−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン、ジクロロビス(トリ−オルト−トリルホスフィン)パラジウム(II)、及びジクロロビス(ジ−tert−ブチルフェニルホスフィン)パラジウム(II)の非限定的な例が挙げられる。
好ましい実施形態によれば、本発明の方法は、配位子の存在下で行われ、PdCl、Pd(AcO)、及びPd(dba)が使用される場合、該配位子はホスフィンであることが好ましい。多くのホスフィンが当該技術分野において見出され得る。最も好適なホスフィンの選択は、当業者に取っては日常的な実験にすぎず、当業者は、収率、速度又は触媒回転数等の反応のパラメーターを微調整する。好ましい実施形態によれば、反応は、トリフェニルホスフィン、トリオルトトリルホスフィン(P(oTol))、又はトリ−tert−ブチルホスフィンの存在下で行われる。
上記反応は、0℃〜還流温度で行われ得る。上記温度は30℃〜還流温度であることが好ましい。上記温度は50℃〜還流温度であることが最も好ましい。また、得られた混合物を撹拌して、沈殿物として新規化合物Iの形成を容易にすることができる。後に、得られた化合物Iは、従来の単離技術によって単離され得る。化合物Iは濾過によって単離されることが好ましい。任意に、得られる化合物Iは精製される、又は乾燥される、又はそれらの両方がなされる。
本発明の態様の特定の実施形態では、フェニルビニルスルホンに対する化合物Aのモル比は、1:1〜1:5、すなわちフェニルビニルスルホン1mol当たり化合物A 1mol〜フェニルビニルスルホン5mol当たり化合物A 1molであってもよい。フェニルビニルスルホンに対する化合物Aのモル比は1:1〜1:2であり得ることがより好ましい。上記モル比は、純度が改善されることから、約1:1.1であることが最も好ましい。
本発明の態様の特定の実施形態では、塩基に対する化合物Aのモル比は、1:1〜1:5、すなわち塩基1mol当たり化合物A 1mol〜塩基5mol当たり化合物A 1molであってもよい。塩基に対する化合物Aのモル比は1:1〜1:2であり得ることがより好ましい。上記モル比は、約1:1.5であることが最も好ましい。
任意に、上記反応は、反応媒質としての有機溶媒の存在下で進行し得る。本発明の態様に対して使用され得る有機溶媒の例として、限定されないが、芳香族炭化水素溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、及びp−キシレン)、ハロゲン化炭化水素溶媒(例えば、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム等)、エステル溶媒(例えば、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、マロン酸エチル等)、ケトン溶媒(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ペンタノン等)、エーテル溶媒(例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)、二硫化炭素、ニトロベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン、アセトニトリル、シリコーン溶媒(例えばシリコーンオイル、ポリシロキサン、シクロシリコーン)、1,2−ジメトキシエタンも含む、炭化水素溶媒(例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、パラフィン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、鉱物油、粗製油等)が挙げられる。幾つかの実施形態では、有機溶媒は2以上の有機溶媒の組み合わせによって形成されていてもよい。有機溶媒は、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、エタノール、メタノール、アセトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトン、又はそれらの混合物から選択されることが好ましい。1,4−ジオキサン、アセトニトリル若しくはエタノール、又はそれらの混合物が最も好ましい。
ii)工程i)で得られた化合物Iを従来の単離技術によって単離する工程。
本発明の第2の態様の特定の実施形態では、化合物Iの作製方法は、少なくとも以下の工程を含む:
i)触媒の存在下で、化合物Aと、フェニルビニルスルホン及び塩基とを反応させて、tert−ブチル(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール−1−カルボキシレート・HX、化合物Iを生じる工程、
(ここで、Bocはtert−ブチルオキシカルボニル保護基であり、XはCl、Br、又はIから選択されるハロゲン;アリールジアゾニウム塩及びヨードニウム塩、トリフルオロメタンスルホネート(トリフレートとしても知られる)、ノナフルオロブタンスルホネート(ノナフレートとしても知られる)、トシレート、メシレート、塩化スルホニル、酸塩化物、リン酸塩及びスルホキシドから選択される擬ハロゲンから選択され得て、XはCl及びBrであることが好ましく、XはBrであることが最も好ましい)
なお、塩基はアンモニア誘導体、金属オルトリン酸塩、及び金属炭酸塩から選択される;
ii)工程i)で得られた化合物Iを従来の単離技術によって単離する工程。
本発明の第2の態様のより特定の実施形態では、化合物Iの作製方法は、少なくとも以下の工程を含む:
i)触媒の存在下で、化合物Aと、フェニルビニルスルホン及びトリエチルアミンとを反応させて、tert−ブチル(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール−1−カルボキシレート・HX、化合物Iを生じる工程、
(ここで、Bocはtert−ブチルオキシカルボニル保護基であり、XはCl、Br、又はIから選択されるハロゲン;アリールジアゾニウム塩及びヨードニウム塩、トリフルオロメタンスルホネート(トリフレートとしても知られる)、ノナフルオロブタンスルホネート(ノナフレートとしても知られる)、トシレート、メシレート、塩化スルホニル、酸塩化物、リン酸塩及びスルホキシドから選択される擬ハロゲンから選択され得て、XはCl及びBrであることが好ましく、XはBrであることが最も好ましい)
なお、上記反応は50℃〜還流温度にて反応媒質としての有機溶媒の存在下で進行する;
ii)工程i)で得られた化合物Iを、従来の単離技術によって単離する工程。
本発明の第2の態様のより特定の実施形態では、化合物Iの作製方法は、少なくとも以下の工程を含む:
i)触媒の存在下で、化合物Aと、フェニルビニルスルホン及びトリエチルアミンと反応させて、tert−ブチル(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール−1−カルボキシレート・HX、化合物Iを生じる工程、
(ここで、Bocはtert−ブチルオキシカルボニル保護基であり、XはCl、Br、又はIから選択されるハロゲン;アリールジアゾニウム塩及びヨードニウム塩、トリフルオロメタンスルホネート(トリフレートとしても知られる)、ノナフルオロブタンスルホネート(ノナフレートとしても知られる)、トシレート、メシレート、塩化スルホニル、酸塩化物、リン酸塩及びスルホキシドから選択される擬ハロゲンから選択され得て、XはCl及びBrであることが好ましく、XはBrであることが最も好ましい)
なお、上記反応は、50℃〜還流温度にて反応媒質としての有機溶媒の存在下で進行し、フェニルビニルスルホンに対する化合物Aのモル比は1:1〜1:2であり得る;
ii)工程i)で得られた上記化合物Iを、従来の単離技術によって単離する工程。
本発明の第2の態様のより特定の実施形態では、化合物Iの作製方法は、少なくとも以下の工程を含む:
i)触媒の存在下で、化合物Aと、フェニルビニルスルホン及びトリエチルアミンとを反応させて、tert−ブチル(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール−1−カルボキシレート・HX、化合物Iを生じる工程、
(ここで、Bocはtert−ブチルオキシカルボニル保護基であり、XはCl、Br、又はIから選択されるハロゲン;アリールジアゾニウム塩及びヨードニウム塩、トリフルオロメタンスルホネート(トリフレートとしても知られる)、ノナフルオロブタンスルホネート(ノナフレートとしても知られる)、トシレート、メシレート、塩化スルホニル、酸塩化物、リン酸塩及びスルホキシドから選択される擬ハロゲンから選択され得て、XはCl及びBrであることが好ましく、XはBrであることが最も好ましい)
なお、上記反応は、50℃〜還流温度にて反応媒質として、1,4−ジオキサン、アセトニトリル若しくはエタノール、又はそれらの混合物から選択される有機溶媒の存在下で進行し、フェニルビニルスルホンに対する化合物Aのモル比は、1:1〜1:2であり得る;
ii)工程i)で得られた上記化合物Iを、従来の単離技術によって単離する工程。
本発明の第2の態様のより特定の実施形態では、化合物Iの作製方法は、少なくとも以下の工程を含む:
i)触媒としてのトリ−オルトトリルホスフィンの存在下、Pd(OAc)の存在下、化合物Aと、フェニルビニルスルホン及びトリエチルアミンとを反応させて、tert−ブチル(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール−1−カルボキシレート・HX、化合物Iを生じる工程、
(ここで、Bocはtert−ブチルオキシカルボニル保護基であり、XはCl、Br、又はIから選択されるハロゲン;アリールジアゾニウム塩及びヨードニウム塩、トリフルオロメタンスルホネート(トリフレートとしても知られる)、ノナフルオロブタンスルホネート(ノナフレートとしても知られる)、トシレート、メシレート、塩化スルホニル、酸塩化物、リン酸塩及びスルホキシドから選択される擬ハロゲンから選択され得て、XはCl及びBrであることが好ましく、XはBrであることが最も好ましい)
なお、上記反応は、還流温度にて反応媒質としてアセトニトリルの存在下で進行し、フェニルビニルスルホンに対する化合物Aのモル比は1:1〜1:2であり得る;
ii)工程i)で得られた上記化合物Iを、従来の単離技術によって単離する工程。
本発明の第2の態様のより特定の実施形態では、化合物Iの作製方法は、少なくとも以下の工程を含む:
i)触媒としてのトリ−オルトトリルホスフィンの存在下、Pd(OAc)の存在下、化合物Aと、フェニルビニルスルホン及びトリエチルアミンとを反応させて、tert−ブチル(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール−1−カルボキシレート・HX、化合物Iを生じる工程、
(ここで、Bocはtert−ブチルオキシカルボニル保護基であり、XはCl、Br、又はIから選択されるハロゲン;アリールジアゾニウム塩及びヨードニウム塩、トリフルオロメタンスルホネート(トリフレートとしても知られる)、ノナフルオロブタンスルホネート(ノナフレートとしても知られる)、トシレート、メシレート、塩化スルホニル、酸塩化物、リン酸塩及びスルホキシドから選択される擬ハロゲンから選択され得て、XはCl及びBrであることが好ましく、XはBrであることが最も好ましい)
なお、上記反応は、還流温度にて反応媒質としてアセトニトリルの存在下で進行し、フェニルビニルスルホンに対する化合物Aのモル比は1:1〜1:1.1であり得る;
ii)工程i)で得られた上記化合物Iを、従来の単離技術によって単離する工程。
本発明の第2の態様のより特定の実施形態では、化合物Iの作製方法は、少なくとも以下の工程を含む:
i)触媒としてのトリ−オルトトリルホスフィンの存在下、Pd(OAc)の存在下、化合物Aと、フェニルビニルスルホン及びトリエチルアミンとを反応させて、tert−ブチル(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール−1−カルボキシレート・HX、化合物Iを生じる工程、
(ここで、Bocはtert−ブチルオキシカルボニル保護基であり、XはCl、Br、又はIから選択されるハロゲン;アリールジアゾニウム塩及びヨードニウム塩、トリフルオロメタンスルホネート(トリフレートとしても知られる)、ノナフルオロブタンスルホネート(ノナフレートとしても知られる)、トシレート、メシレート、塩化スルホニル、酸塩化物、リン酸塩及びスルホキシドから選択される擬ハロゲンから選択され得て、XはCl及びBrであることが好ましく、XはBrであることが最も好ましい)
なお、上記反応は、還流温度にて反応媒質としてアセトニトリルの存在下で進行し、フェニルビニルスルホンに対する化合物Aのモル比は1:1〜1:1.1であり得て、さらに、塩基に対する化合物Aのモル比は約1:1.5である;
ii)工程i)で得られた上記化合物Iを、従来の単離技術によって単離する工程。
本発明の第2の態様の好ましい実施形態では、化合物Iの作製方法は、少なくとも以下の工程を含む:
iii)触媒の存在下で、tert−ブチル(R)−5−ブロモ−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−1H−インドール−1−カルボキシレートと、フェニルビニルスルホン及び塩基とを反応させて、tert−ブチル(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール−1−カルボキシレート臭化水素酸塩、化合物Iを生じる工程、
なお、上記塩基は、アンモニア誘導体、金属オルトリン酸塩、及び金属炭酸塩から選択される;
iv)工程i)で得られた上記化合物Iを、従来の単離技術によって単離する工程。
本発明の第2の態様のより好ましい実施形態では、化合物Iの作製方法は、少なくとも以下の工程を含む:
iii)触媒の存在下で、tert−ブチル(R)−5−ブロモ−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−1H−インドール−1−カルボキシレートと、フェニルビニルスルホン及びトリエチルアミンとを反応させて、tert−ブチル(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール−1−カルボキシレート臭化水素酸塩、化合物Iを生じる工程、
なお、上記反応は50℃〜還流温度にて反応媒質としての有機溶媒の存在下で進行する;
iv)工程i)で得られた上記化合物Iを、従来の単離技術によって単離する工程。
本発明の第2の態様のより好ましい実施形態では、化合物Iの作製方法は、少なくとも以下の工程を含む:
iii)触媒の存在下で、tert−ブチル(R)−5−ブロモ−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−1H−インドール−1−カルボキシレートと、フェニルビニルスルホン及びトリエチルアミンとを反応させて、tert−ブチル(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール−1−カルボキシレート臭化水素酸塩、化合物Iを生じる工程、
なお、上記反応は、50℃〜還流温度にて反応媒質としての有機溶媒の存在下で進行し、フェニルビニルスルホンに対する化合物Aのモル比は1:1〜1:2であり得る;
iv)工程i)で得られた上記化合物Iを、従来の単離技術によって単離する工程。
本発明の第2の態様のより好ましい実施形態では、化合物Iの作製方法は、少なくとも以下の工程を含む:
iii)触媒の存在下で、tert−ブチル(R)−5−ブロモ−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−1H−インドール−1−カルボキシレートと、フェニルビニルスルホン及びトリエチルアミンとを反応させて、tert−ブチル(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール−1−カルボキシレート臭化水素酸塩、化合物Iを生じる工程、
なお、上記反応は、50℃〜還流温度にて反応媒質として、1,4−ジオキサン、アセトニトリル若しくはエタノール、又はそれらの混合物から選択される有機溶媒の存在下で進行し、フェニルビニルスルホンに対する化合物Aのモル比は、1:1〜1:2であり得る;
iv)工程i)で得られた上記化合物Iを、従来の単離技術によって単離する工程。
本発明の第2の態様のより好ましい実施形態では、化合物Iの作製方法は、少なくとも以下の工程を含む:
iii)Pd(OAc)の存在下、触媒としてのトリ−オルトトリルホスフィンの存在下で、tert−ブチル(R)−5−ブロモ−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−1H−インドール−1−カルボキシレートと、フェニルビニルスルホン及びトリエチルアミンとを反応させて、tert−ブチル(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール−1−カルボキシレート臭化水素酸塩、化合物Iを生じる工程、
なお、上記反応は、還流温度にて、反応媒質としてのアセトニトリルの存在下で進行し、フェニルビニルスルホンに対する化合物Aのモル比は1:1〜1:2であり得る;
iv)工程i)で得られる上記化合物Iを、従来の単離技術によって単離する工程。
本発明の第2の態様のより好ましい実施形態では、化合物Iの作製方法は、少なくとも以下の工程を含む:
iii)Pd(OAc)の存在下、触媒としてのトリ−オルトトリルホスフィンの存在下で、tert−ブチル(R)−5−ブロモ−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−1H−インドール−1−カルボキシレートと、フェニルビニルスルホン及びトリエチルアミンとを反応させて、tert−ブチル(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール−1−カルボキシレート臭化水素酸塩、化合物Iを生じる工程、
なお、上記反応は、還流温度にて、反応媒質としてのアセトニトリルの存在下で進行し、フェニルビニルスルホンに対する化合物Aのモル比は1:1〜1:1.1であり得る;
iv)工程i)で得られる上記化合物Iを、従来の単離技術によって単離する工程。
本発明の第2の態様のより好ましい実施形態では、化合物Iの作製方法は、少なくとも以下の工程を含む:
iii)Pd(OAc)の存在下、触媒としてのトリ−オルトトリルホスフィンの存在下で、tert−ブチル(R)−5−ブロモ−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−1H−インドール−1−カルボキシレートと、フェニルビニルスルホン及びトリエチルアミンとを反応させて、tert−ブチル(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール−1−カルボキシレート臭化水素酸塩、化合物Iを生じる工程、
なお、上記反応は、還流温度にて、反応媒質としてのアセトニトリルの存在下で進行し、フェニルビニルスルホンに対する化合物Aのモル比は1:1〜1:1.1であり得て、さらに、塩基に対する化合物Aのモル比は約1:1.5である;
iv)工程i)で得られる上記化合物Iを、従来の単離技術によって単離する工程。
収率が良好で高純度の新規化合物Iが得られる。純度は98%を超える。
化合物Aは、国際出願の国際公開第93/21178号の111頁、調製物51に開示されるように作製され得る。
さらに、本発明の第3の態様は、エレトリプタン、及びその薬学的に許容可能な塩又は共結晶の作製のための新規化合物Iの使用に関する。また、本発明者らは、新規化合物Iは、収率が良好で高純度のエレトリプタン、又はその薬学的に許容可能な塩若しくは共結晶の作製のために使用され得ることを見出した。有利には、化合物Iの使用は、エレトリプタン、又はその薬学的に許容可能な塩の作製プロセスの間に生成される、排除することが非常に困難な、望ましくない二量体の副産物の形成を回避する。エレトリプタンの不純物プロファイルで通常見られる二量体の副産物は、スキーム1に示される。化合物Iから得られたエレトリプタンは、99.8%以上の純度を有し、スキーム1に示される二量体の副産物を含まない。
本発明の第4の態様は、エレトリプタンの新規な酸付加塩である化合物IIに関する:
(ここで、HAは、(−)−O,O’−ジ−p−トルオイル−L−酒石酸(TLT)、(−)−O,O’−ジ−p−トルオイル−D−酒石酸(TDT)、(−)−O,O’−ジベンゾイル−D−酒石酸(BDT)(無水物又は一水和物)、(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸(無水物又は一水和物)(BLT)、ベンゼンスルホン酸(BSF)、グルコン酸(GLC)から選択される有機酸である)。上記有機酸は、(−)−O,O’−ジ−p−トルオイル−L−酒石酸、(−)−O,O’−ジ−p−トルオイル−D−酒石酸、又は(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸一水和物であることが好ましい。上記有機酸は(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸一水和物であることがより好ましい。
エレトリプタンの新たな酸付加塩は、結晶形態若しくは非晶質形態で、又はそれらの混合物として存在し得る。結晶形態の本発明の化合物について、当業者は、溶媒和物は、溶媒分子が晶析の間に結晶格子に組み込まれる場合に形成され得ることを十分に理解する。溶媒和物は、酢酸エチル、アセトン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、トルエン、エタノール等の非水性溶媒を含み得る、又は溶媒和物は水を含み得る。水が結晶格子に組み込まれる溶媒和物である溶媒和物は、典型的には水和物と称される。また、新たな結晶の酸付加塩は、無水物質として存在し得る。また、無水という用語が新規の酸付加塩に関して使用される場合、実質的に水を含まない新規な酸付加塩を記載することが当業者に理解される。
良好な溶解度、安定性及び高純度を有するこれらの新規な酸付加塩は、良好な収率で容易に得られて単離される。
本発明者らは、室温で大気条件下におかれた場合、本発明のこれらの酸付加塩が、長期間、好ましくは1ヶ月間に亘って、変色を示さないことを見出した。これに関連して「室温」という用語は、温度が15℃〜30℃であることを意味する。さらに、温度30℃及び60%RH(相対湿度)で水分取り込みは生じなかった。したがって、上記酸付加塩の分解又は水分取り込みを防止する又は最小化するために、酸付加塩を特殊な包装容器で又は高価な不活性ガス条件下で保管しなくてもよい。
第4の態様によれば、本発明は、HAが(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸一水和物であり、
(i)およそ16.3、18.1、19.2、19.8、21.6、及び26.0±0.2°度2シータ(すなわちブラッグ角)で特徴的なピークを有する粉体X線回折(PXRD)パターン;又は、
(ii)およそ150℃〜153℃でオンセット及びおよそ151℃〜154℃で最大の吸熱ピークを示すDSCサーモグラム、
の少なくとも1つを特徴とする、結晶の新規化合物IIを提供する。
「およそ」という用語は、X線回折測定に関連して、±0.2の度2シータ(度2シータで表される)の測定に不確実性があることを意味する。「およそ」という用語は、このDSC測定に関連して、℃の値が2℃ずつ、好ましくは1℃ずつ変化し得ることを意味する。
特定の実施形態では、HAが(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸一水和物である結晶の新規化合物IIは、X線粉体回折のパターンが、およそ14.2、17.2、18.4、及び21.8±0.2°度2シータでピークを更に含むこと更に特徴とする。
更なる実施形態では、本発明は、HAが(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸一水和物であり、以下に示される面間隔値を特徴とする、X線回折パターンを提供することを特徴とする、結晶の新規化合物IIを提供する。
特定の実施形態では、本発明は、HAが(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸一水和物であり、およそ以下に示される値で面間隔値及び相対強度(パーセンテージで)を特徴とするX線回折パターンを提供することを特徴とする、結晶の新規化合物IIを提供する。
「およそ」という用語は、このXRD強度測定に関連して、相対強度の測定に不確実性があることを意味する。相対強度の不確実性が測定条件に強く依存することは当業者に知られている。相対強度の値は、例えば、30%変化し得る。
更なる実施形態では、本発明は、図4と実質的に一致するTGA及びDSCを提供することを特徴とする、結晶の新規化合物IIを提供する。
更なる実施形態では、本発明は、図5と実質的に一致するXPRDを提供することを特徴とする、結晶の新規化合物IIを提供する。
本発明の第5の態様は、以下の工程を含む、本発明の第4の態様のエレトリプタンの新規な酸付加塩である化合物IIの作製方法に関する:
i)エレトリプタンと、酸HAとを反応させて、エレトリプタンの新規な酸付加塩である化合物IIを産生する工程。
好適な酸HAは(−)−O,O’−ジ−p−トルオイル−L−酒石酸(TLT)、(−)−O,O’−ジ−p−トルオイル−D−酒石酸(TDT)、(−)−O,O’−ジベンゾイル−D−酒石酸(無水物又は一水和物)(BDT)、(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸(無水物又は一水和物)(BLT)、ベンゼンスルホン酸(BSF)、グルコン酸(GLC)から選択される。上記有機酸は、(−)−O,O’−ジ−p−トルオイル−L−酒石酸、(−)−O,O’−ジ−p−トルオイル−D−酒石酸、又は(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸(無水物又は一水和物)であることが好ましい。上記有機酸は、(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸一水和物であることがより好ましい。
上記反応は、0℃〜還流温度で行われ得る。上記温度は25℃〜還流温度であることが好ましい。上記温度は還流温度であることが最も好ましい。また、得られた懸濁物を撹拌して、沈殿物としてエレトリプタンの新規な酸付加塩を容易に形成させることができる。その後、得られたエレトリプタンの酸付加塩を、従来の単離技術によって単離する。エレトリプタンの酸付加塩を、濾過によって単離することが好ましい。任意に、得られたエレトリプタンの酸付加塩を、精製若しくは乾燥する、又はそれらの両方を行う。
本発明の態様の特定の実施形態では、エレトリプタンに対する酸の比率は、1:1(mol/mol)〜5:1(mol/mol)、すなわちエレトリプタン1mol当たり酸1mol〜エレトリプタン1mol当たり酸5mol、より好ましくは1:1(mol/mol)〜2:1(mol/mol)であり得る。上記比率は、約1:1(mol/mol)が最も好ましい。
任意に、上記反応は、反応媒質としての有機溶媒の存在下で行われ得る。本発明に使用され得る有機溶媒の例として、限定されないが、芳香族炭化水素溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、及びp−キシレン)、ハロゲン化炭化水素溶媒(例えば、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム等)、エステル溶媒(例えば、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、マロン酸エチル等)、ケトン溶媒(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等)、エーテル溶媒(例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)、二硫化炭素、ニトロベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N,−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン、アセトニトリル、シリコーン溶媒(例えば、シリコーンオイル、ポリシロキサン、シクロシリコーン)も含む、炭化水素溶媒(例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、パラフィン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、鉱物油、粗製油等)が挙げられる。幾つかの実施形態では、有機溶媒は、2以上の有機溶媒の組み合わせ、及び水との組み合わせによって形成され得る。好ましい実施形態では、有機溶媒は極性溶媒であり、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、エタノール、メタノール、アセトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトン、又はそれらの混合物から選択されることが好ましい。メタノール、エタノール、アセトン、テトラヒドロフラン、若しくは酢酸エチル、又はそれらの混合物若しくは水との混合物がより好ましい。収率及び純度が改善されることから、上記溶媒はメタノールであることが最も好ましい。
ii)工程i)で得られた化合物IIを、従来の単離技術によって単離する工程。
本発明の第5の態様の好ましい実施形態では、エレトリプタンの新規な酸付加塩である化合物IIの作製方法は、少なくとも以下の工程を含む:
i)エレトリプタンと、酸HAとを反応させて、エレトリプタンの新規な酸付加塩である化合物IIを産生する工程、
なお、HAは(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸無水物又は(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸無水一水和物から選択され、エレトリプタンに対する酸の比率1:1(mol/mol)〜2:1(mol/mol)であり、反応媒質として有機溶媒が存在する;
ii)工程i)で得られた化合物IIを、従来の単離技術によって単離する工程。
本発明の第5の態様のより好ましい実施形態では、エレトリプタンの新規な酸付加塩である化合物IIの作製方法は、少なくとも以下の工程を含む:
i)エレトリプタンと、酸HAとを反応させて、エレトリプタンの新規な酸付加塩である化合物IIを産生する工程、
なお、HAは(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸無水物又は(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸無水一水和物から選択され、エレトリプタンに対する酸の比率約1:1であり、反応媒質として有機溶媒が存在する;
ii)工程i)で得られた化合物IIを、従来の単離技術によって単離する工程。
本発明の第5の態様のより好ましい実施形態では、エレトリプタンの新規な酸付加塩である化合物IIの作製方法は、少なくとも以下の工程を含む:
i)エレトリプタンと、酸HAとを反応させて、エレトリプタンの新規な酸付加塩である化合物IIを産生する工程、
なお、HAは(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸無水一水和物であり、エレトリプタンに対する酸の比率約1:1であり、反応媒質としてメタノール、エタノール、アセトン、テトラヒドロフラン、又は酢酸エチルから選択される有機溶媒が存在する;
ii)工程i)で得られた化合物IIを、従来の単離技術によって単離する工程。
有利には、上記プロセスは、低エネルギー及び低コストで、工業規模で容易に再現可能である。さらに、生成物は高収率及び高純度で得られる。
収率が良好で高純度のエレトリプタンの新規な酸付加塩である化合物IIが得られる。純度は99%に達する。さらに、エレトリプタンの新規な酸付加塩である化合物IIは、少なくとも1ヶ月間に亘り、大気条件(25℃、60%RH)で安定である。
本発明の第6の態様は、エレトリプタン又はその薬学的に許容可能な塩若しくは共結晶の作製のための、本発明の第4及び第5の態様のエレトリプタンの新規な酸付加塩である化合物IIの使用である。
本発明の新規な酸付加塩が高収率及び高純度で得られることから、本発明者らは、本発明の第4の態様に開示されるように、これらのエレトリプタンの酸付加塩は、エレトリプタン及びその薬学的に許容可能な塩を良好な収率及び純度で作製するための中間体としても使用され得ることを見出した。
本発明の第7の態様は、エレトリプタンの新規な酸付加塩である化合物IIからエレトリプタン、又はその薬学的に許容可能な塩若しくは共結晶を作製する方法を提供し、ここで、該方法は、少なくとも以下の工程を含む:
a)エレトリプタンの酸付加塩である化合物IIを水性塩基で処理してエレトリプタンを生じる工程。
エレトリプタンの酸付加塩である化合物IIを、水性塩基と混合してエレトリプタンを生じる。
この工程で使用され得る好適な塩基として、限定されないが、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等の金属水酸化物;炭酸ナトリウム及び炭酸水素カリウム等の金属炭酸塩;酢酸ナトリウム及び酢酸カリウム等の金属酢酸塩;トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジイソプロピル−エチルアミン、及びアンモニア水、又はそれらの混合物等のアンモニア誘導体が挙げられる。それらの中で、トリエチルアミン、アンモニア水、金属水酸化物、及び金属炭酸塩が好ましく、水溶液が最も好ましい。アンモニア水がより好ましい。
任意に、上記反応は、反応媒質としての有機溶媒の存在下で行われ得る。この工程で使用され得る有機溶媒の例として、限定されないが、トルエン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、キシレン、n−ヘプタン、オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、ペンタン、1,4−ジオキサン、酢酸イソプロピル、酢酸エチルが挙げられる。有機溶媒は酢酸イソプロピルであることが好ましい。
上記反応は0℃〜還流温度で行われ得る。上記温度は0℃〜50℃であることが好ましい。上記反応は室温で行われることが最も好ましい。これに関連して「室温」という用語は、温度が15℃〜30℃であることを意味する。また、得られた混合物を撹拌してエレトリプタンを容易に形成させることができる。
b)工程a)で得られたエレトリプタンを、従来の単離技術によって単離する工程。
c)任意に、工程b)のエレトリプタンを、従来の精製技術によって精製する工程。
d)任意に、工程b)又は工程c)で得られたエレトリプタンを、その薬学的に許容可能な塩又は共結晶へと変換する工程。エレトリプタンの塩又は共結晶は、エレトリプタンを、−10℃〜100℃の温度で薬学的に許容可能な酸と接触させることにより作製され得る。
本発明の第7の態様の好ましい実施形態では、エレトリプタンの作製方法は、少なくとも以下の工程を含む:
a)エレトリプタンの酸付加塩である化合物IIを、室温で酢酸イソプロピル中のアンモニア水で処理して、エレトリプタンを生じる工程、
b)工程a)で得られたエレトリプタンを、従来の単離技術によって単離する工程、
c)工程b)のエレトリプタンを、従来の精製技術によって精製する工程、
d)任意に、工程b)又は工程c)で得られたエレトリプタンをその薬学的に許容可能な塩又は共結晶へと変換する工程。エレトリプタンの塩又は共結晶は、エレトリプタンを−10℃〜100℃の温度で薬学的に許容可能な酸と接触させることにより作製され得る。
好ましい実施形態では、エレトリプタンは、以下の工程に従ってエレトリプタン臭化水素酸塩に変換される:エレトリプタンと、臭化水素酸の48%水溶液とを接触させて、エレトリプタン臭化水素酸塩一水和物を得る工程、55℃のエタノールとアセトンの混合物中で先の生成物を還流し、濾過し、オーブン乾燥して、無水エレトリプタン臭化水素酸塩を生じる工程。
これらのエレトリプタンの新規な酸付加塩である化合物IIが高純度及び高収率で得られることから、本発明者らは、これらの酸付加塩が、高純度及び高収率でエレトリプタン及びエレトリプタン誘導体の作製のための中間体としても使用され得ることを見出した。新規な酸付加塩から得られたエレトリプタンは、98%以上の純度を有し、スキーム1に示される二量体の副産物を本質的に含まない。
本発明の第8の態様は、新規化合物Iからエレトリプタン、又はその薬学的に許容可能な塩若しくは共結晶を作製する方法を提供し、該方法は少なくとも以下の工程を含む:
a)化合物Iを酸、HBで処理して、(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール一水和物、化合物IVを生じる工程:
(ここで、Bocはtert−ブチルオキシカルボニル保護基であり、XはCl、Br、又はIから選択されるハロゲン;アリールジアゾニウム塩及びヨードニウム塩、トリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、トシレート、メシレート、塩化スルホニル、酸塩化物、リン酸塩及びスルホキシドから選択される擬ハロゲンから選択される好適な塩であり、XはCl及びBrであることが好ましく、XはBrであることが最も好ましい)。
Boc保護基を排除するため、酸で化合物Iを処理して、化合物IVを生じる。また、上記混合物を撹拌して、化合物IVを容易に形成させることができる。
工程a)で使用される酸は、無機酸であってもよく、又は有機酸であってもよい。本発明に使用され得る好適な無機酸の非限定的な例として、塩酸、過塩素酸、次亜塩素酸、塩素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸(オルトリン酸としても知られる)、ホウフッ化水素酸、及びそれらの混合物が挙げられる。本発明に使用され得る好適な有機酸の非限定的な例として、シュウ酸、マロン酸、フマル酸、クエン酸一水和物を含むクエン酸、マレイン酸、酒石酸、酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、アセチルサリチル酸、アジピン酸、ピバリン酸、安息香酸、フェニル酢酸、p−メトキシ安息香酸、4−ピリジルカルボン酸、オレイン酸、有機硫黄化合物、エンボン酸、ゲンチシン酸、グルクロン酸、ピログルタミン酸、グリコール酸、マンデル酸、アスパラギン酸、馬尿酸、グルタル酸、ピメリン酸、パルミチン酸、及びそれらの混合物が挙げられる。
化合物Iに対する上記酸の比率は、1:1(mol/mol)〜20:1(mol/mol)に含まれ得て、したがって、化合物I 1mol当たり酸1mol〜化合物I 1mol当たり酸20molが使用され得る。上記比率は、2:1(mol/mol)〜15:1(mol/mol)であることが好ましい。上記比率は、10:1〜15:1であることが最も好ましく、8:1であることが最も好ましく、高収率及び高純度で化合物IVを生じる。
上記反応は、0℃〜100℃の温度範囲で行われる。上記反応温度範囲は0℃〜40℃であることが好ましい。15℃〜25℃であることが最も好ましい。
工程a)の酸は、反応媒質を構成し得る。また任意に、上記反応は、反応媒質として有機溶媒の存在下で行われ得る。本発明に適した有機溶媒として、限定されないが、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、パラフィン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、鉱物油、粗製油等の炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン及びp−キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒;ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、マロン酸エチル等のエステル溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等のケトン溶媒;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル溶媒;ニトロベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、アセトニトリル;シリコーンオイル、ポリシロキサン、シクロシリコーン等のシリコーン溶媒が挙げられる。本発明の実施形態では、有機溶媒は極性有機溶媒であり、有機溶媒はN,N−ジメチルホルムアミド、C〜Cアルキルアルコール、C〜C酢酸アルキル、及びそれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。より好ましい実施形態では、上記有機溶媒は、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、及びそれらの混合物からなる群から選択される。上記有機溶媒は塩化メチレンであることがより好ましい。特定の実施形態では、上記有機溶媒は、2以上の有機溶媒の組み合わせによって形成され得る。有機溶媒の使用は、反応媒質として、上記反応を促進し、また化合物IVの沈降を促進する。
b)工程a)で得られた化合物IVを水素化することにより、エレトリプタンを生じる工程。
工程b)の水素化は、溶媒及び酸中の化合物IVの懸濁物に5%Pd/C触媒を添加し、3barの気圧で6時間に亘って30℃で水素化することにより行われ得る。
この工程で使用され得る好適な酸として、限定されないが、塩酸、臭化水素酸、リン酸、メタンスルホン酸、フマル酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、ギ酸、グルコン酸、乳酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸が挙げられる。好ましい酸はメタンスルホン酸又は硫酸である。
この工程で使用され得る好適な溶媒として、限定されないが、アセトン、アセトニトリル、エタノール、メタノール、イソプロパノール、トルエン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、キシレン、n−ヘプタン、オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、ペンタン、1,4−ジオキサン、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、及びそれらの水中の混合物が挙げられる。上記溶媒は、収率が改善されることから、アセトンと水の混合物であることが好ましい。
c)任意に、以下の工程によってエレトリプタンを精製する工程:
i.工程b)で得られた上記エレトリプタンを酸HAで処理して、エレトリプタンの酸付加塩である化合物IIを生じる工程:
(ここで、HAは、(−)−O,O’−ジ−p−トルオイル−L−酒石酸(TLT)、(−)−O,O’−ジ−p−トルオイル−D−酒石酸(TDT)、(−)−O,O’−ジベンゾイル−D−酒石酸(BDT)(無水物又は一水和物)、(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸(無水物又は一水和物)(BLT)、ベンゼンスルホン酸(BSF)、及びグルコン酸(GLC)から選択される有機酸である)。
上記反応は、0℃〜還流温度で行われ得る。上記温度は25℃〜還流温度であることが好ましい。上記温度は還流温度であることが最も好ましい。また、得られた懸濁物を撹拌して、沈殿物としてエレトリプタンの新規な酸付加塩を容易に形成させることができる。その後、得られたエレトリプタンの酸付加塩を、従来の単離技術によって単離する。エレトリプタンの酸付加塩は、濾過によって単離されることが好ましい。任意に、得られたエレトリプタンの酸付加塩を精製若しくは乾燥する、又はそれらの両方を行う。
本発明の態様の特定の実施形態では、エレトリプタンに対する酸の比率は、1:1(mol/mol)〜5:1(mol/mol)、すなわちエレトリプタン1mol当たり酸1mol〜エレトリプタン1mol当たり酸5molであってもよく、より好ましくは1:1(mol/mol)〜2:1(mol/mol)であってもよい。上記比率は、約1:1(mol/mol)であることが最も好ましい。
任意に、上記反応は、反応媒質としての有機溶媒の存在下で行われ得る。本発明に使用され得る有機溶媒の例として、限定されないが、芳香族炭化水素溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、及びp−キシレン)、ハロゲン化炭化水素溶媒(例えば、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム等)、エステル溶媒(例えば、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、マロン酸エチル等)、ケトン溶媒(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等)、エーテル溶媒(例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)、二硫化炭素、ニトロベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N,−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン、アセトニトリル、シリコーン溶媒(例えば、シリコーンオイル、ポリシロキサン、シクロシリコーン)も含む、炭化水素溶媒(例えばn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、パラフィン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、鉱物油、粗製油等)が挙げられる。幾つかの実施形態では、有機溶媒は、2以上の有機溶媒の組み合わせ、及び水との組み合わせによって形成され得る。好ましい実施形態では、有機溶媒は極性溶媒であり、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、エタノール、メタノール、アセトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトン、又はそれらの混合物から選択されることが好ましい。メタノール、エタノール、アセトン、テトラヒドロフラン、若しくは酢酸エチル、又はそれらの混合物若しくは水との混合物がより好ましい。上記溶媒は、収率及び純度が改善されることから、メタノールであることが最も好ましい。
ii.工程i)で得られた化合物IIを、従来の単離技術によって単離する工程、
iii.工程ii)で得られた化合物IIを水性塩基で処理して、エレトリプタンを生じる工程。
上記エレトリプタンの酸付加塩である化合物IIを、好ましくは有機溶媒中で水性塩基と混合してエレトリプタンを生じる。
この工程で使用され得る好適な有機溶媒として、限定されないが、トルエン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、キシレン、n−ヘプタン、オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、ペンタン、1,4−ジオキサン、酢酸イソプロピル、酢酸エチルが挙げられる。上記有機溶媒は酢酸イソプロピルであることが好ましい。
この工程で使用され得る好適な塩基として、限定されないが、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等の金属水酸化物;炭酸ナトリウム及び炭酸水素カリウム等の金属炭酸塩;酢酸ナトリウム及び酢酸カリウム等の金属酢酸塩;トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジイソプロピル−エチルアミン、及びアンモニア水、又はそれらの混合物等のアンモニア誘導体が挙げられる。それらの中でもトリエチルアミン、アンモニア水、金属水酸化物、及び金属炭酸塩が好ましく、水溶液が最も好ましい。アンモニア水がより好ましい。
上記反応は、0℃〜還流温度で行われ得る。上記温度は0℃〜50℃であることが好ましい。上記反応は室温で行われることが最も好ましい。これに関連して「室温」という用語は、温度が15℃〜30℃であることを意味する。また、得られる混合物を撹拌して、エレトリプタンを容易に形成させることができる。
d)工程b)又は工程c)で得られた上記エレトリプタンを、従来の単離技術によって単離する工程。
エレトリプタンは、沈降及び濾過によって単離されるか、又は蒸留により溶媒を除去することによっても単離されることが好ましい。
e)任意に、工程d)のエレトリプタンを、従来の精製技術によって精製する工程。
エレトリプタンは、非常に高純度及び高収率で得られる。上記反応の収率は65%と良好で、純度は常に非常に高く、99.8%と良好である。
f)任意に、工程b)又は工程c)又は工程d)又は工程e)で得られたエレトリプタンをその薬学的に許容可能な塩又は共結晶へと変換する工程。
エレトリプタンの塩又は共結晶は、−10℃〜100℃の温度で、エレトリプタンと、薬学的に許容可能な酸とを接触させることにより作製され得る。
好ましい実施形態では、エレトリプタンは、下記工程に従ってエレトリプタン臭化水素酸塩に変換される:エレトリプタンと臭化水素酸の48%水溶液とを接触させて、エレトリプタン臭化水素酸塩一水和物を得る工程、55℃にてエタノールとアセトンの混合物中で先の生成物を還流し、濾過し、オーブン乾燥して、無水エレトリプタン臭化水素酸塩を生じる工程。
有利には、本発明の方法は、スキーム1に示される望ましくない二量体の副産物を回避し、工業規模で容易に再現可能である。さらに、この方法は、収率が良好で高純度のエレトリプタンを提供する。
本発明の第8の態様の特定の実施形態では、新規な化合物Iからのエレトリプタン、又はその薬学的に許容可能な塩若しくは共結晶の作製は、少なくとも以下の工程を含む:
a)化合物Iを酸、HBで処理して、(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール一水和物、化合物IVを生じる工程、
(ここで、化合物Iにおいて、Bocはtert−ブチルオキシカルボニル保護基であり、XはCl、Br、又はIから選択されるハロゲン;アリールジアゾニウム塩及びヨードニウム塩、トリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、トシレート、メシレート、塩化スルホニル、酸塩化物、リン酸塩及びスルホキシドから選択される擬ハロゲンから選択される好適な塩対イオンであり、XはCl及びBrであることが好ましく、XはBrであることが最も好ましい)
なお、Boc保護基を排除するため、化合物Iを酸で処理して、化合物IVを生じる。また、その混合物を撹拌して化合物IVを容易に形成させることができる;
b)工程a)で得られた化合物IVを水素化して、エレトリプタンを生じる工程、
c)任意に、以下の工程によってエレトリプタンを精製する工程、
i.工程b)で得られた上記エレトリプタンを酸HAで処理して、エレトリプタンの酸付加塩である化合物IIを生じる工程(ここで、HAが(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸無水物又は(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸一水和物である)、
ii.工程i)で得られた上記化合物IIを、従来の単離技術によって単離する工程、
iii.工程ii)で得られた上記化合物IIを水性塩基で処理して、エレトリプタンを生じる工程、
なお、上記エレトリプタンの酸付加塩である化合物IIを有機溶媒中の水性塩基と混合してエレトリプタンを生じる;
d)工程b)又は工程c)で得られたエレトリプタンを、従来の単離技術によって単離する工程、
e)任意に、工程d)のエレトリプタンを、従来の精製技術によって精製する工程、
f)任意に、工程b)又は工程c)又は工程d)又は工程e)で得られた上記エレトリプタンを、その薬学的に許容可能な塩又は共結晶へと変換する工程。
本発明の第8の態様のより特定の実施形態では、新規な化合物Iからのエレトリプタン、又はその薬学的に許容可能な塩若しくは共結晶の作製は、少なくとも以下の工程を含む:
a)化合物Iを酸、HBで処理して、(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール一水和物、化合物IVを生じる工程、
(ここで、化合物Iにおいて、Bocはtert−ブチルオキシカルボニル保護基であり、XはCl、Br、又はIから選択されるハロゲン;アリールジアゾニウム塩及びヨードニウム塩、トリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、トシレート、メシレート、塩化スルホニル、酸塩化物、リン酸塩及びスルホキシドから選択される擬ハロゲンから選択される好適な塩対イオンであり、XはCl及びBrであることが好ましく、XはBrであることが最も好ましい)
なお、Boc保護基を排除するため、化合物Iをトリフルオロ酢酸で処理して、化合物IVを生じる。また、その混合物を撹拌して化合物IVを容易に形成させることができる。
b)工程a)で得られた化合物IVを水素化して、エレトリプタンを生じる工程、
c)任意に、以下の工程によってエレトリプタンを精製する工程:
i.工程b)で得られた上記エレトリプタンを溶媒中の酸HAで処理して、エレトリプタンの酸付加塩である化合物IIを生じる工程(ここで、HAが(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸無水物又は(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸一水和物である)、
ii.工程i)で得られた上記化合物IIを、従来の単離技術によって単離する工程、
iii.工程ii)で得られた上記化合物IIを、水性塩基で処理して、エレトリプタンを生じる工程、
d)工程b)又は工程c)で得られたエレトリプタンを、従来の単離技術によって単離する工程、
e)任意に、工程d)のエレトリプタンを従来の精製技術によって精製する工程、
f)任意に、工程b)又は工程c)又は工程d)又は工程e)で得られた上記エレトリプタンを、その薬学的に許容可能な塩又は共結晶へと変換する工程。
本発明の第8の態様のより特定の実施形態では、新規な化合物Iからのエレトリプタン、又はその薬学的に許容可能な塩若しくは共結晶の作製は、少なくとも以下の工程を含む:
a)化合物Iを酸、HBで処理して、(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール一水和物、化合物IVを生じる工程、
(ここで、化合物Iにおいて、Bocはtert−ブチルオキシカルボニル保護基であり、XはCl、Br、又はIから選択されるハロゲン;アリールジアゾニウム塩及びヨードニウム塩、トリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、トシレート、メシレート、塩化スルホニル、酸塩化物、リン酸塩及びスルホキシドから選択される擬ハロゲンから選択される好適な塩対イオンであり、XはCl及びBrであることが好ましく、XはBrであることが最も好ましい)
なお、Boc保護基を排除するため、化合物Iをトリフルオロ酢酸で処理して、化合物IVを生じる。また、その混合物を撹拌して化合物IVを容易に形成させることができる;
b)工程a)で得られた化合物IVを水素化して、エレトリプタンを生じる工程、
c)任意に、以下の工程によってエレトリプタンを精製する工程:
i.工程b)で得られた上記エレトリプタンをメタノール中の酸HAで処理して、エレトリプタンの酸付加塩である化合物IIを生じる工程(ここで、HAが(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸無水物又は(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸一水和物である)、
ii.工程i)で得られた上記化合物IIを、従来の単離技術によって単離する工程、
iii.工程ii)で得られた上記化合物IIを水性塩基で処理して、エレトリプタンを生じる工程、
d)工程b)又は工程c)で得られたエレトリプタンを、従来の単離技術によって単離する工程、
e)任意に、工程d)のエレトリプタンを、従来の精製技術によって精製する工程、
f)任意に、工程b)又は工程c)又は工程d)又は工程e)で得られた上記エレトリプタンを、その薬学的に許容可能な塩又は共結晶へと変換する工程。
本発明の第8の態様のより特定の実施形態では、新規な化合物Iからのエレトリプタン、又はその薬学的に許容可能な塩若しくは共結晶の作製は、少なくとも以下の工程を含む:
a)化合物Iを酸、HBで処理して、(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール一水和物、化合物IVを生じる工程、
(ここで、化合物Iにおいて、Bocはtert−ブチルオキシカルボニル保護基であり、XはCl、Br、又はIから選択されるハロゲン;アリールジアゾニウム塩及びヨードニウム塩、トリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、トシレート、メシレート、塩化スルホニル、酸塩化物、リン酸塩及びスルホキシドから選択される擬ハロゲンから選択される好適な塩対イオンであり、XはCl及びBrであることが好ましく、XはBrであることが最も好ましい)
なお、Boc保護基を排除するため、化合物Iをトリフルオロ酢酸で処理して、化合物IVを生じる。また、その混合物を撹拌して化合物IVを容易に形成させることができる;
b)工程a)で得られた化合物IVを水素化して、エレトリプタンを生じる工程、
c)任意に、以下の工程によってエレトリプタンを精製する工程:
i.工程b)で得られた上記エレトリプタンを還流温度にて、メタノール中の酸HAで処理して、エレトリプタンの酸付加塩である化合物IIを生じる工程(ここで、HAが(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸無水物又は(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸一水和物である)、
ii.工程i)で得られた上記化合物IIを、従来の単離技術によって単離する工程、
iii.工程ii)で得られた上記化合物IIを水性塩基で処理して、エレトリプタンを生じる工程、
d)工程b)又は工程c)で得られたエレトリプタンを、従来の単離技術によって単離する工程、
e)任意に、工程d)のエレトリプタンを従来の精製技術によって精製する工程、
f)任意に、工程b)又は工程c)又は工程d)又は工程e)で得られた上記エレトリプタンを、その薬学的に許容可能な塩又は共結晶へと変換する工程。
本発明の第8の態様のより特定の実施形態では、新規化合物Iからのエレトリプタン、又はその薬学的に許容可能な塩若しくは共結晶の作製は、少なくとも以下の工程を含む:
a)化合物Iを酸、HBで処理して(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール一水和物、化合物IVを生じる工程、
(ここで、化合物Iでは、Bocはtert−ブチルオキシカルボニル保護基であり、XはCl、Br、又はIから選択されるハロゲン;アリールジアゾニウム塩及びヨードニウム塩、トリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、トシレート、メシレート、塩化スルホニル、酸塩化物、リン酸塩及びスルホキシドから選択される擬ハロゲンから選択される好適な塩対イオンであり、XはCl及びBrであることが好ましく、XはBrであることが最も好ましい)
なお、Boc保護基を排除するため、化合物Iを塩化メチレン中のトリフルオロ酢酸で処理して、化合物IVを生じる。また、その混合物を撹拌して化合物IVの形成を容易にすることができる;
b)工程a)で得られた化合物IVを水素化して、エレトリプタンを生じる工程、
c)任意に、以下の工程によってエレトリプタンを精製する工程:
i.工程b)で得られたエレトリプタンを、還流温度にてメタノール中の酸HAで処理して、エレトリプタンの酸付加塩である化合物IIを生じる工程(ここで、HAは、(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸無水物又は(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸一水和物である)、
ii.工程i)で得られた化合物IIを、従来の単離技術によって単離する工程、
iii.工程ii)で得られた上記化合物IIをアンモニアである水性塩基で処理することにより、エレトリプタンを生じる工程、
d)工程b)又は工程c)で得られたエレトリプタンを、従来の単離技術によって単離する工程、
e)任意に、工程d)のエレトリプタンを、従来の精製技術によって精製する工程、
f)任意に、工程b)又は工程c)又は工程d)又は工程e)で得られたエレトリプタンを、その薬学的に許容可能な塩又は共結晶へと変換する工程。
本発明の第8の態様のより特定の実施形態では、新規化合物Iからのエレトリプタン、又はその薬学的に許容可能な塩若しくは共結晶の作製は、少なくとも以下の工程を含む:
a)化合物Iを酸、HBで処理して(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール一水和物、化合物IVを生じる工程、
(ここで、化合物Iでは、Bocはtert−ブチルオキシカルボニル保護基であり、XはCl、Br、又はIから選択されるハロゲン;アリールジアゾニウム塩及びヨードニウム塩、トリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、トシレート、メシレート、塩化スルホニル、酸塩化物、リン酸塩及びスルホキシドから選択される擬ハロゲンから選択される好適な塩対イオンであり、XはCl及びBrであることが好ましく、XはBrであることが最も好ましい)
なお、Boc保護基を排除するため、化合物Iを15℃〜25℃の間の温度にて塩化メチレン中のトリフルオロ酢酸で処理して、化合物IVを生じる。また、その混合物を撹拌して化合物IVの形成を容易にすることができる;
b)工程a)で得られた化合物IVを水素化して、エレトリプタンを生じる工程、
c)任意に、以下の工程によってエレトリプタンを精製する工程:
i.工程b)で得られたエレトリプタンを、還流温度にてメタノール中の酸HAで処理して、エレトリプタンの酸付加塩である化合物IIを生じる工程(ここで、HAは、(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸無水物又は(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸一水和物である)、
ii.工程i)で得られた化合物IIを、従来の単離技術によって単離する工程、
iii.工程ii)で得られた上記化合物IIを溶媒中のアンモニアである水性塩基で処理することにより、エレトリプタンを生じる工程、
d)工程b)又は工程c)で得られたエレトリプタンを、従来の単離技術によって単離する工程、
e)任意に、工程d)のエレトリプタンを、従来の精製技術によって精製する工程、
f)任意に、工程b)又は工程c)又は工程d)又は工程e)で得られたエレトリプタンを、その薬学的に許容可能な塩又は共結晶へと変換する工程。
本発明の第8の態様のより特定の実施形態では、新規化合物Iからのエレトリプタン、又はその薬学的に許容可能な塩若しくは共結晶の作製は、少なくとも以下の工程を含む:
a)化合物Iを酸、HBで処理して(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール一水和物、化合物IVを生じる工程、
(ここで、化合物Iでは、Bocはtert−ブチルオキシカルボニル保護基であり、XはCl、Br、又はIから選択されるハロゲン;アリールジアゾニウム塩及びヨードニウム塩、トリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、トシレート、メシレート、塩化スルホニル、酸塩化物、リン酸塩及びスルホキシドから選択される擬ハロゲンから選択される好適な塩対イオンであり、XはCl及びBrであることが好ましく、XはBrであることが最も好ましい)
なお、Boc保護基を排除するため、化合物Iを15℃〜25℃の間の温度にて塩化メチレン中のトリフルオロ酢酸で処理して、化合物IVを生じる。また、その混合物を撹拌して化合物IVの形成を容易にすることができる;
b)工程a)で得られた化合物IVを水素化して、エレトリプタンを生じる工程、
c)任意に、以下の工程によってエレトリプタンを精製する工程:
i.工程b)で得られたエレトリプタンを、還流温度にてメタノール中の酸HAで処理して、エレトリプタンの酸付加塩である化合物IIを生じる工程(ここで、HAは、(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸無水物又は(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸一水和物である)、
ii.工程i)で得られた化合物IIを、従来の単離技術によって単離する工程、
iii.工程ii)で得られた上記化合物IIをメタノール中のアンモニアである水性塩基で処理することにより、エレトリプタンを生じる工程、
d)工程b)又は工程c)で得られたエレトリプタンを、従来の単離技術によって単離する工程、
e)任意に、工程d)のエレトリプタンを、従来の精製技術によって精製する工程、
f)任意に、工程b)又は工程c)又は工程d)又は工程e)で得られたエレトリプタンを、その薬学的に許容可能な塩又は共結晶へと変換する工程。
本発明の第8の態様の好ましい実施形態では、XがBrである新規化合物Iからのエレトリプタン、又はその薬学的に許容可能な塩若しくは共結晶の作製は、少なくとも以下の工程を含む:
a)化合物Iを酸、HBで処理して、(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール一水和物、化合物IVを生じる工程、
なお、Boc保護基を排除するため、化合物Iを酸で処理して、化合物IVを生じる。また、その混合物を撹拌して、化合物IVを容易に形成させることができる;
b)工程a)で得られた化合物IVを水素化して、エレトリプタンを生じる工程、
c)任意に、以下の工程によってエレトリプタンを精製する工程:
i.工程b)で得られたエレトリプタンを酸HAで処理してエレトリプタンの酸付加塩である化合物IIを生じる工程(ここで、HAが(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸無水物又は(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸一水和物である)、
ii.工程i)で得られた化合物IIを、従来の単離技術によって単離する工程、
iii.工程ii)で得られた化合物IIを水性塩基によって処理してエレトリプタンを生じる工程、
なお、エレトリプタンの酸付加塩である化合物IIを有機溶媒中、水性塩基と混合してエレトリプタンを生じる;
d)工程b)又は工程c)で得られたエレトリプタンを、従来の単離技術によって単離する工程、
e)任意に、工程d)のエレトリプタンを、従来の精製技術によって精製する工程、
f)任意に、工程b)又は工程c)又は工程d)又は工程e)で得られたエレトリプタンをその薬学的に許容可能な塩又は共結晶に変換する工程。
本発明の第8の態様のより好ましい実施形態では、XがBrである新規化合物Iからのエレトリプタン、又はその薬学的に許容可能な塩若しくは共結晶の作製は、少なくとも以下の工程を含む:
a)化合物Iを酸、HBで処理して、(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール一水和物、化合物IVを生じる工程、
なお、Boc保護基を排除するため、化合物Iをトリフルオロ酢酸で処理して、化合物IVを生じる。また、その混合物を撹拌して、化合物IVを容易に形成させることができる。
b)工程a)で得られた化合物IVを水素化して、エレトリプタンを生じる工程、
c)任意に、以下の工程によってエレトリプタンを精製する工程:
i.工程b)で得られたエレトリプタンを溶媒中の酸HAで処理してエレトリプタンの酸付加塩である化合物IIを生じる工程(ここで、HAが(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸無水物又は(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸一水和物である)、
ii.工程i)で得られた化合物IIを、従来の単離技術によって単離する工程、
iii.工程ii)で得られた化合物IIを水性塩基によって処理してエレトリプタンを生じる工程、
d)工程b)又は工程c)で得られたエレトリプタンを、従来の単離技術によって単離する工程、
e)任意に、工程d)のエレトリプタンを、従来の精製技術によって精製する工程、
f)任意に、工程b)又は工程c)又は工程d)又は工程e)で得られたエレトリプタンをその薬学的に許容可能な塩又は共結晶に変換する工程。
本発明の第8の態様のより好ましい実施形態では、XがBrである新規化合物Iからのエレトリプタン、又はその薬学的に許容可能な塩若しくは共結晶の作製は、少なくとも以下の工程を含む:
a)化合物Iを酸、HBで処理して、(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール一水和物、化合物IVを生じる工程、
なお、Boc保護基を排除するため、化合物Iをトリフルオロ酢酸で処理して、化合物IVを生じる。また、その混合物を撹拌して、化合物IVを容易に形成させることができる;
b)工程a)で得られた化合物IVを水素化して、エレトリプタンを生じる工程、
c)任意に、以下の工程によってエレトリプタンを精製する工程:
i.工程b)で得られたエレトリプタンをメタノール中の酸HAで処理してエレトリプタンの酸付加塩である化合物IIを生じる工程(ここで、HAが(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸無水物又は(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸一水和物である)、
ii.工程i)で得られた化合物IIを、従来の単離技術によって単離する工程、
iii.工程ii)で得られた化合物IIを水性塩基によって処理してエレトリプタンを生じる工程、
d)工程b)又は工程c)で得られたエレトリプタンを、従来の単離技術によって単離する工程、
e)任意に、工程d)のエレトリプタンを、従来の精製技術によって精製する工程、
f)任意に、工程b)又は工程c)又は工程d)又は工程e)で得られたエレトリプタンをその薬学的に許容可能な塩又は共結晶に変換する工程。
本発明の第8の態様のより好ましい実施形態では、XがBrである新規な化合物Iからのエレトリプタン、又はその薬学的に許容可能な塩若しくは共結晶の作製は、少なくとも以下の工程を含む:
a)化合物Iを酸、HBで処理して、(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール一水和物、化合物IVを生じる工程、
なお、Boc保護基を排除するため、化合物Iをトリフルオロ酢酸で処理して、化合物IVを生じる。また、その混合物を撹拌して化合物IVを容易に形成させることができる;
b)工程a)で得られた化合物IVを水素化して、エレトリプタンを生じる工程、
c)任意に、以下の工程によってエレトリプタンを精製する工程:
i.工程b)で得られた上記エレトリプタンを還流温度にて、メタノール中の酸HAで処理して、エレトリプタンの酸付加塩である化合物IIを生じる工程(ここで、HAが(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸無水物又は(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸一水和物である)、
ii.工程i)で得られた上記化合物IIを、従来の単離技術によって単離する工程、
iii.工程ii)で得られた上記化合物IIを水性塩基で処理して、エレトリプタンを生じる工程、
d)工程b)又は工程c)で得られたエレトリプタンを、従来の単離技術によって単離する工程、
e)任意に、工程d)のエレトリプタンを、従来の精製技術によって精製する工程、
f)任意に、工程b)又は工程c)又は工程d)又は工程e)で得られた上記エレトリプタンを、その薬学的に許容可能な塩又は共結晶へと変換する工程。
本発明の第8の態様のより好ましい実施形態では、XがBrである新規な化合物Iからのエレトリプタン、又はその薬学的に許容可能な塩若しくは共結晶の作製は、少なくとも以下の工程を含む:
a)化合物Iを酸、HBで処理して、(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール一水和物、化合物IVを生じる工程、
なお、Boc保護基を排除するため、化合物Iを塩化メチレン中のトリフルオロ酢酸で処理して、化合物IVを生じる。また、その混合物を撹拌して化合物IVを容易に形成させることができる;
b)工程a)で得られた化合物IVを水素化して、エレトリプタンを生じる工程、
c)任意に、以下の工程によってエレトリプタンを精製する工程:
i.工程b)で得られた上記エレトリプタンを還流温度にて、メタノール中の酸HAで処理して、エレトリプタンの酸付加塩である化合物IIを生じる工程(ここで、HAが(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸無水物又は(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸一水和物である)、
ii.工程i)で得られた上記化合物IIを、従来の単離技術によって単離する工程、
iii.工程ii)で得られた上記化合物IIをアンモニアである水性塩基で処理して、エレトリプタンを生じる工程、
d)工程b)又は工程c)で得られたエレトリプタンを、従来の単離技術によって単離する工程、
e)任意に、工程d)のエレトリプタンを従来の精製技術によって精製する工程、
f)任意に、工程b)又は工程c)又は工程d)又は工程e)で得られた上記エレトリプタンを、その薬学的に許容可能な塩又は共結晶へと変換する工程。
本発明の第8の態様のより好ましい実施形態では、XがBrである新規な化合物Iからのエレトリプタン、又はその薬学的に許容可能な塩若しくは共結晶の作製は、少なくとも以下の工程を含む:
a)化合物Iを酸、HBで処理して、(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール一水和物、化合物IVを生じる工程、
なお、Boc保護基を排除するため、化合物Iを15℃〜25℃の間の温度にて、塩化メチレン中のトリフルオロ酢酸で処理して、化合物IVを生じる。また、その混合物を撹拌して化合物IVを容易に形成させることができる;
b)工程a)で得られた化合物IVを水素化して、エレトリプタンを生じる工程、
c)任意に、以下の工程によってエレトリプタンを精製する工程:
i.工程b)で得られた上記エレトリプタンを還流温度にて、メタノール中の酸HAで処理して、エレトリプタンの酸付加塩である化合物IIを生じる工程(ここで、HAが(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸無水物又は(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸一水和物である)、
ii.工程i)で得られた上記化合物IIを、従来の単離技術によって単離する工程、
iii.工程ii)で得られた上記化合物IIを溶媒中のアンモニアである水性塩基で処理して、エレトリプタンを生じる工程、
d)工程b)又は工程c)で得られたエレトリプタンを、従来の単離技術によって単離する工程、
e)任意に、工程d)のエレトリプタンを従来の精製技術によって精製する工程、
f)任意に、工程b)又は工程c)又は工程d)又は工程e)で得られた上記エレトリプタンを、その薬学的に許容可能な塩又は共結晶へと変換する工程。
本発明の第8の態様のより好ましい実施形態では、XがBrである新規な化合物Iからのエレトリプタン、又はその薬学的に許容可能な塩若しくは共結晶の作製は、少なくとも以下の工程を含む:
a)化合物Iを酸、HBで処理して、(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール一水和物、化合物IVを生じる工程、
なお、Boc保護基を排除するため、化合物Iを15℃〜25℃の間の温度にて塩化メチレン中のトリフルオロ酢酸で処理して、化合物IVを生じる。また、その混合物を撹拌して化合物IVを容易に形成させることができる;
b)工程a)で得られた化合物IVを水和して、エレトリプタンを生じる工程、
c)任意に、以下の工程によってエレトリプタンを精製する工程:
i.工程b)で得られた上記エレトリプタンを還流温度にてメタノール中の酸HAで処理して、エレトリプタンの酸付加塩である化合物IIを生じる工程(ここで、HAが(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸無水物又は(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸一水和物である)、
ii.工程i)で得られた上記化合物IIを、従来の単離技術によって単離する工程、
iii.工程ii)で得られた上記化合物IIをメタノール中のアンモニアである水性塩基で処理して、エレトリプタンを生じる工程、
d)工程b)又は工程c)で得られたエレトリプタンを、従来の単離技術によって単離する工程、
e)任意に、工程d)のエレトリプタンを、従来の精製技術によって精製する工程、
f)任意に、工程b)又は工程c)又は工程d)又は工程e)で得られた上記エレトリプタンを、その薬学的に許容可能な塩又は共結晶へと変換する工程。
以下に本発明を実施例によって更に説明する。実施例は、いかなる場合も請求項で定義される本発明の範囲の限定として解釈されない。別段の指示が無い限り、全てのパーセンテージ表示は重量基準であり、温度は摂氏度である。
実験
本発明の化合物を、以下の方法を使用する、粉体X線回折(PXRD)、示差走査熱量測定(DSC)及び熱重量測定(TGA)等の一般的な分析技術によって特性評価した。
透過幾何学(transmission geometry)でCuKα1放射線(1.54056A)を使用するD8 Advance Series 2シータ/シータ粉体回析システムで粉体回折パターンを取得した。そのシステムは、VANTEC-1単光子計数PSDと、ゲルマニウムモノクロメーターと、90位置オートチェンジャーサンプルステージと、固定発散スリットと、放射ソーラとを備える。使用したプログラム:DIFFRAC plus XRD Commander V.2.5.1によるデータ収集、及びEVA V.12.0による評価。得られた固体の粉体回折パターンを取得するため、およそ15mgの操作されていない試料を2枚のポリアセテート箔を使用する標準的な試料ホルダに用意した。各試料を2θで4°〜40°の範囲で1時間のスキャンにより測定した。
DSC分析をMettler Toledo DSC822e熱量計に記録した。実験条件:40μLアルミニウムるつぼ;流速50mL/分の乾燥窒素の雰囲気;30℃〜300℃で10℃/分の加熱速度。データ収集及び評価をソフトウェアSTAReで行った。
熱重量測定分析をMettler Toledo SDTA851e熱天秤で記録した。実験条件:40μLアルミニウムるつぼ;流速80mL/分の乾燥窒素の雰囲気;30℃〜300℃で10℃/分の加熱速度。データ収集及び評価をソフトウェアSTAReで行った。
X線結晶構造を以下の通りに特定した(SCXRD):
データ収集:測定される結晶を、操作用の保護オイルとしてペルフルオロポリエーテルに浸漬された不活性条件下で用意した。APPEX 24K CCD領域検出器と、MoKα放射線(0.71073A)を使用するMicrofocus Source E025 IuSと、モノクロメーターとしてのQuazar MX multilayer Opticsと、Oxford Cryosystems低温装置Cryostream 700 plus(T=−173℃)とを備えるApex DUO Kappa4軸ゴニオメータを使用して、結晶構造決定を行った。全球体のデータ収集をω及びΦスキャンにより使用した。使用したプログラム:データ収集APEX−21、データ整理Bruker Saint2 V/.60A、及び吸収補正TWINABS3。
構造溶液及び精密化:結晶構造溶液をSHELXTL4で実施される直接法を使用して達成し、プログラムXPを使用して可視化した。見当たらない原子を、後に差フーリエ合成から位置を突き止め、原子リストに追加した。全ての測定強度を使用するF2に対する最小二乗法による精密化を、プログラムSHELXTLを使用して行った。全ての非水素原子を、異方性変位パラメーターを含めて精密化した。
さらに、本発明の化合物Iを、Perkin ElmerのATRアクセサリを使用するPerkin ElmerのFTIR Spectrum Oneの装置における赤外分光光度法によって分析した。
実施例1:tert−ブチル(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール−1−カルボキシレート臭化水素酸塩(化合物I)の作製
アセトニトリル(75mL)中の(R)−5−ブロモ−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−1H−インドール(25g、85.3mmol)の溶液にDMAP(0.52g、4.3mmol)を添加した。得られた懸濁物に、アセトニトリル50mL中BocO(21.4g、98.0mmol)の溶液を添加した。上記反応物を室温で2時間撹拌し、tert−ブチル−(R)−5−ブロモ−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−1H−インドール−1−カルボキシレートを生じた。
この混合物を、50mLのアセトニトリル中のPd(OAc)(0.96g、4.3mmol)、P(oTol)(2.6g、8.5mmol)、フェニルビニルスルホン(15.8g、93.8mmol)及びトリエチルアミン(17.8mL、127.9mmol)の懸濁物に添加した。上記溶液を15時間に亘り窒素下で加熱還流した。反応混合物を45℃に冷却し、1.25gの中性炭(neutral charcoal)を添加した。その懸濁物を1時間撹拌し、濾過した。溶媒を完全に留去し、新たなイソプロパノール(250mL)を加えた。得られたスラリーを加熱還流し、室温に冷却して12時間撹拌し、濾過し、トルエンで洗浄して、淡褐色固体として31.1gの表題の化合物を得た。
収率65%(tert−ブチル−(R)−5−ブロモ−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−1H−インドール−1−カルボキシレートより)
HPLCによる純度98%より高い。
H−RMN(200MHz,CDCl):1.62(s,9H);1.87〜2.01(m,4H);2.73(s,3H);3.10〜3.18(m,4H);3.63(m,1H);6.96(d,J=14.0Hz,1H);7.38〜7.58(m,4H);7.71(d,J=2.0Hz,1H);7.80(s,1H);7.93(dd,J=2.0Hz,J=8.0Hz,1H);8.12(d,J=8.0Hz,1H)ppm。
実施例2:(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール一水和物(化合物IV)の作製
塩化メチレン(125mL)中の実施例1の化合物I(26g、46.3mmol)の溶液にトリフルオロ酢酸(32.6mL、426.3mmol)を添加した。その反応物を室温で4時間撹拌し、水(75mL)を添加して、水酸化ナトリウム(75mL)の20%重量/重量の溶液で中和した。水相を塩化メチレンで再抽出し、合わせた有機相を水で洗浄した。有機層を室温で30分間に亘って0.75gの中性炭で処理し、濾過した。溶媒を真空下で濃縮し、粗生成物をアセトニトリル−水の混合物から沈殿させて、黄色がかった固体として13.6gの化合物IVを供給した。
収率74%(実施例1の化合物Iより)
HPLCによる純度99.6%
H−RMN(200MHz,CDCl):1.59〜1.77(m,4H);2.22(m,1H);2.46(s,3H);2.55〜2.67(m,2H);3.11〜3.20(m,2H);6.78(d,J=16.0Hz,1H);7.11(d,J=2.0Hz);7.32(m,2H);7.53〜7.58(m,3H);7.72(s,1H);7.84(d,J=16.0Hz,1H);7.95〜7.99(m,2H);8.52(bs,1H)ppm。
実施例3:(R)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)エチル)−1H−インドールBLT(エレトリプタンの酸付加塩)の作製
アセトン(90mL)及び水(10mL)中の化合物IV(10g、25.1mmol)の溶液にメタンスルホン酸(3.2mL、50.2mmol)を滴加し、得られた溶液を5分間撹拌してから、5%重量/重量のPd/C触媒(3.5g、Johnson Matthey Type 58、50%湿重量)を添加した。その懸濁物を6時間に亘り3barで30℃にて水素化した。濾過により触媒を除去し、濾液を揮散させ、アセトン不含スラリーを得た。これに酢酸イソプロピル(50mL)と、KCO(30mL)の20%重量/重量水溶液とを添加した。水相を酢酸イソプロピルで再抽出し、合わせた有機相を水で洗浄した。溶媒を真空下で濃縮し、粗エレトリプタンをメタノール(120mL)に溶解した。
上記溶液を加熱還流して、(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸一水和物(9.4g、25.1mmol)を添加した。その溶液をこの温度で30分間撹拌し、室温に冷却して懸濁物を得た。濾過により固体を単離し、(R)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)エチル)−1H−インドールBLTを得た。得られたエレトリプタンの酸付加塩を70mLの新たなメタノール中で更に精製し、還流した。得られた固体を乾燥し、15.8gの表題の化合物を得た。
収率85%
HPLCによる純度99%超
HNMR(400MHz,d4−メタノール)δ:8.12(d,J=8.2Hz,4H)、7.93(d,J=8.1Hz,2H)、7.69(t,J=7.4Hz,1H)、7.59(q,J=7.6Hz,4H)、7.45(t,J=8Hz,4H)、7.35(s,1H)、7.26(d,J=8.4Hz,1H)、7.13(s,1H)、6.91(d,J=8.3Hz,1H)、5.94(s,2H)、3.80〜3.44(m,4H)、3.24(dd,J=14.3,5.7Hz,1H)、3.11〜2.92(m,4H)、2.79(s,3H)、2.20〜1.74(m,4H)。
DSC(10℃/分):TGAで観察された重量減少と一致する、96℃でオンセットを有する吸熱ピーク。図1のように、151℃のオンセットに続いて154℃での発熱ピークを有する融点に対応する吸熱ピーク。
PXRDピーク(2θ値(±0.2)、(CuKα1 1.54056Å):5.6、11.4、11.3、14.0、14.2、16.3、17.2、18.1、18.4、19.2、19.8、20.8、21.6、21.8、24.0、25.2及び26.0。
実施例4:(R)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)エチル)−1H−インドール(エレトリプタン塩基)の作製
実施例3で得られた化合物固体((R)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)エチル)−1H−インドールBLT)を、酢酸イソプロピル(60mL)、水(50mL)、及びNHOHの25%水溶液(15mL)と混合する。水相を酢酸イソプロピルで再抽出し、エレトリプタン塩基を含む、合わせた有機相を水で洗浄することで、残留しているあらゆる(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸を排除する。減圧下で溶媒を除去して、粗エレトリプタンを得た。
収率100%
HPLCによる純度99%超
実施例5:(R)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)エチル)−1H−インドール臭化水素酸塩(エレトリプタン臭化水素酸塩)の作製
実施例4で得られたこの粗エレトリプタンをエタノール(20mL)に溶解し、臭化水素酸の48%水溶液3.4gを添加した。このようにして得られた懸濁物を室温で6時間撹拌し、濾過して、エレトリプタン臭化水素酸塩一水和物を得た。この化合物を、55℃にてエタノールとアセトンの混合物中で還流した後、濾過し、45℃でオーブン乾燥して、灰白色の固体として7.5gのエレトリプタン臭化水素酸塩を生じた。
化合物IVからの収率65%
HPLCによる純度99.80%以上
H−RMN(200MHz,CDCl):1.59〜1.77(m,4H);2.22(m,1H);2.46(s,3H);2.55〜2.67(m,2H);3.11〜3.20(m,2H);6.78(d,J=16.0Hz,1H);7.11(d,J=2.0Hz,1H);7.32(m,2H);7.53〜7.58(m,3H);7.72(s,1H);7.84(d,J=16.0Hz,1H);7.95〜7.99(m,2H);8.52(bs,1H)ppm。

Claims (63)

  1. 化合物I:
    (ここで、Bocはtert−ブチルオキシカルボニル保護基であり、Xは、Cl、Br、又はIから選択されるハロゲン;アリールジアゾニウム塩及びヨードニウム塩、トリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、トシレート、メシレート、塩化スルホニル、酸塩化物、リン酸塩及びスルホキシドから選択される擬ハロゲンから選択され、XはCl及びBrであることが好ましく、XはBrであることが最も好ましい)。
  2. 結晶形態である、請求項1に記載の化合物I。
  3. XがBrであり、およそ172℃〜175℃でオンセット及びおよそ182℃〜185℃で最大の吸熱ピークを伴うDSCを有する、請求項1又は2に記載の結晶化合物I。
  4. 図1と実質的に一致するDSCを提供することを特徴とする、XがBrである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の結晶化合物I。
  5. 図2と実質的に一致するTGAを提供することを特徴とする、XがBrである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の結晶化合物I。
  6. 図3と実質的に一致するIRを提供することを特徴とする、XがBrである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の結晶化合物I。
  7. 室温にて大気条件下で1ヶ月の保存期間に亘って、実質的に変色を示さないことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の結晶化合物I。
  8. 温度30℃、相対湿度60%において実質的に水分の取り込みを示さないことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の結晶化合物I。
  9. 非晶質の形態である、請求項1に記載の化合物I。
  10. 溶媒和物の形態である、請求項1又は2に記載の化合物I。
  11. 水和物の形態である、請求項1又は2に記載の化合物I。
  12. 化合物Aが、触媒の存在下でフェニルビニルスルホン及び塩基と反応される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物Iの作製方法:
    (ここで、Bocはtert−ブチルオキシカルボニル保護基であり、XはCl、Br、又はIから選択されるハロゲン;アリールジアゾニウム塩及びヨードニウム塩、トリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、トシレート、メシレート、塩化スルホニル、酸塩化物、リン酸塩及びスルホキシドから選択される擬ハロゲンから選択される好適な脱離基であり、XはCl及びBrであることが好ましく、XはBrであることが最も好ましい)。
  13. 使用される前記塩基が、アンモニア誘導体、金属オルトリン酸塩及び金属炭酸塩、好ましくは前記塩基がアンモニア誘導体である、請求項12に記載の方法。
  14. 使用される前記塩基がトリエチルアミンである、請求項13に記載の方法。
  15. 前記反応が50℃〜還流温度で行われる、請求項12〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記反応が還流温度で行われる、請求項15に記載の方法。
  17. フェニルビニルスルホンに対する化合物Aのモル比が1:1〜1:5であり、Xが好ましくはCl及びBrであり、最も好ましくはXがBrである、請求項12〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. フェニルビニルスルホンに対する化合物Aのモル比が1:1〜1:2、好ましくは1:1〜1:1.1であり、Xが好ましくはCl及びBrであり、最も好ましくはXがBrである、請求項17に記載の方法。
  19. 塩基に対する化合物Aのモル比が1:1〜1:5であり、Xが好ましくはCl及びBrであり、最も好ましくはXがBrである、請求項12〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 塩基に対する化合物Aのモル比が1:1〜1:2、好ましくは1:1〜1:1.5であり、Xが好ましくはCl及びBrであり、最も好ましくはXがBrである、請求項19に記載の方法。
  21. 前記反応が溶媒の存在下で行われ、化合物AのXがBrである、請求項12〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記溶媒が、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、エタノール、メタノール、アセトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、及びそれらの混合物から選択される、請求項21に記載の方法。
  23. 前記溶媒が、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、エタノール、及びそれらの混合物から選択される、請求項22に記載の方法。
  24. Xが好ましくはCl及びBrであり、最も好ましくはXがBrである、エレトリプタン又はその薬学的に許容可能な塩の作製のための、請求項1〜23のいずれか一項に記載の化合物Iの使用。
  25. エレトリプタンの酸付加塩である化合物II:
    (ここで、HAが、(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸無水物、(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸一水和物、(−)−O,O’−ジベンゾイル−D−酒石酸無水物、及び(−)−O,O’−ジベンゾイル−D−酒石酸一水和物から選択される有機酸である)。
  26. 前記有機酸が(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸である、請求項25に記載のエレトリプタンの酸付加塩。
  27. 前記有機酸が(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸一水和物である、請求項26に記載の酸付加塩。
  28. 結晶の形態である、請求項25〜27のいずれか一項に記載のエレトリプタンの酸付加塩。
  29. 溶媒和物の形態である、請求項25〜28のいずれか一項に記載のエレトリプタンの酸付加塩。
  30. 水和物の形態である、請求項29に記載のエレトリプタンの酸付加塩である化合物II。
  31. 非晶質の形態である、請求項25〜27のいずれか一項に記載のエレトリプタンの酸付加塩である化合物II。
  32. HAが(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸一水和物であり、2シータ値:16.3、18.1、19.2、19.8、21.6、及び26±0.2°度2シータで主ピークを含むX線粉体回折パターンを有する、請求項25〜28のいずれか一項に記載の結晶形態のエレトリプタンの酸付加塩である化合物II。
  33. HAが(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸一水和物であり、およそ150℃〜153℃でオンセット及びおよそ151℃〜154℃で最大の吸熱ピークを示すDSCサーモグラムを有する、請求項25〜28又は32に記載の結晶形態のエレトリプタンの酸付加塩である化合物II。
  34. 新規なエレトリプタンの酸付加塩である化合物IIを産生するため、エレトリプタンを酸HAと反応させる、請求項25〜33のいずれか一項に記載のエレトリプタンの酸付加塩である化合物IIの作製方法。
  35. 前記酸HAが、(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸である、請求項34に記載の方法。
  36. 前記酸HAが(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸一水和物である、請求項35に記載の方法。
  37. エレトリプタンに対する前記酸HAのモル比が5:1〜1:1である、請求項34〜36のいずれか一項に記載の方法。
  38. エレトリプタンに対する前記酸HAのモル比が2:1〜1:1、好ましくは1:1である、請求項34〜37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記反応が溶媒の存在下で行われる、請求項34〜38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記溶媒が、メタノール、エタノール、アセトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、及びそれらの混合物から選択され、好ましくは前記溶媒がメタノールである、請求項39に記載の方法。
  41. 前記反応が0℃〜還流温度で行われる、請求項34〜40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記反応が25℃〜還流温度で行われ、好ましくは前記反応が還流温度で行われる、請求項34〜41のいずれか一項に記載の方法。
  43. エレトリプタン又はその薬学的に許容可能な塩の作製のための、請求項25〜33のいずれか一項に記載のエレトリプタンの酸付加塩である化合物IIの使用。
  44. 請求項25〜33のいずれか一項に記載のエレトリプタンの酸付加塩である化合物IIから、エレトリプタン又はその薬学的に許容可能な塩若しくは共結晶を作製する方法であって、
    少なくとも、
    a)請求項25〜33のいずれか一項に記載のエレトリプタンの酸付加塩である化合物IIを有機溶媒中の水性塩基で処理して、エレトリプタンを生じる工程と、
    b)工程a)で得られた前記エレトリプタンを従来の単離技術によって単離する工程と、
    c)任意に、工程b)の前記エレトリプタンを従来の精製技術によって精製する工程と、
    d)任意に、工程b)又は工程c)で得られた前記エレトリプタンをその薬学的に許容可能な塩又は共結晶へと変換する工程と、
    を含む、方法。
  45. 工程a)の前記水性塩基が、アンモニア水、ジイソプロピルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、金属水酸化物、及び金属炭酸塩から選択される、請求項44に記載の方法。
  46. 工程a)の前記水性塩基がアンモニア水である、請求項45に記載の方法。
  47. 工程a)の前記有機溶媒が酢酸イソプロピルである、請求項44〜46のいずれか一項に記載の方法。
  48. 工程a)の前記反応が0℃〜還流温度で行われる、請求項44〜47のいずれか一項に記載の方法。
  49. 工程a)の前記反応が、0℃〜50℃の温度、好ましくは15℃〜30℃の温度で行われる、請求項48に記載の方法。
  50. エレトリプタン又はその薬学的に許容可能な塩若しくはその共結晶の作製方法であって、少なくとも、
    a)請求項1〜11に記載の化合物Iを酸、HBで処理して、(R,E)−3−((1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)−5−(2−(フェニルスルホニル)ビニル)−1H−インドール一水和物、化合物IVを生じる工程と、
    (ここで、Bocはtert−ブチルオキシカルボニル保護基であり、XはCl、Br、又はIから選択されるハロゲン;アリールジアゾニウム塩及びヨードニウム塩、トリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、トシレート、メシレート、塩化スルホニル、酸塩化物、リン酸塩及びスルホキシドから選択される擬ハロゲンから選択され、XはCl及びBrであることが好ましく、XはBrであることが最も好ましい)
    b)工程a)で得られた化合物IVを水素化してエレトリプタンを生じる工程と、
    c)任意に、下記工程によってエレトリプタンを精製する工程と、
    i.工程b)で得られた前記エレトリプタンを酸HAで処理してエレトリプタンの酸付加塩である化合物IIを生じる工程、
    (ここで、HAは、(−)−O,O’−ジ−p−トルオイル−L−酒石酸(TLT)、(−)−O,O’−ジ−p−トルオイル−D−酒石酸(TDT)、(−)−O,O’−ジベンゾイル−D−酒石酸(BDT)(無水物又は一水化物)、(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸(無水物又は一水化物)(BLT)、ベンゼンスルホン酸(BSF)、及びグルコン酸(GLC)から選択される有機酸である)
    ii.工程i)で得られた前記化合物IIを従来の単離技術によって単離する工程、及び、
    iii.工程ii)で得られた前記化合物IIを塩基で処理してエレトリプタンを生じる工程、
    d)工程b)又は工程c)で得られた前記エレトリプタンを従来の単離技術によって単離する工程と、
    e)任意に、工程d)の前記エレトリプタンを従来の精製技術によって精製する工程と、
    f)任意に、工程b)又は工程c)又は工程d)又は工程e)で得られた前記トリプタンをその薬学的に許容可能な塩又は共結晶に変換する工程と、
    を含む、方法。
  51. 化合物IのXがBrである、請求項50に記載の方法。
  52. 工程a)で使用される前記酸HBが、塩酸、過塩素酸、次亜塩素酸、塩素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウフッ化水素酸、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項50又は51に記載の方法。
  53. 前記工程a)で使用される前記酸HBが、シュウ酸、マロン酸、フマル酸、クエン酸一水化物を含むクエン酸、マレイン酸、酒石酸、酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、アセチルサリチル酸、アジピン酸、ピバリン酸、安息香酸、フェニル酢酸、p−メトキシ安息香酸、4−ピリジルカルボン酸、オレイン酸、有機硫黄化合物、エンボン酸、ゲンチシン酸、グルクロン酸、ピログルタミン酸、グリコール酸、マンデル酸、アスパラギン酸、馬尿酸、グルタル酸、ピメリン酸、パルミチン酸、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項52に記載の方法。
  54. 化合物Iに対する前記酸の比率が2:1〜15:1の範囲である、請求項50〜53のいずれか一項に記載の方法。
  55. 化合物Iに対する前記酸の比率が10:1〜15:1の範囲であり、好ましくは化合物Iに対する前記酸の比率が8:1である、請求項54に記載の方法。
  56. 0℃〜40℃の範囲の温度で、好ましくは15℃〜25℃の範囲の温度で行われる、請求項50〜55のいずれか一項に記載の方法。
  57. 工程a)の前記反応が、反応媒質としての有機溶媒の存在下で行われる、請求項50〜56のいずれか一項に記載の方法。
  58. 工程a)の前記反応で使用される前記溶媒が、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、及びそれらの混合物であり、好ましくは前記溶媒が塩化メチレンである、請求項57に記載の方法。
  59. 工程b)の前記酸が、メタンスルホン酸又は硫酸である、請求項50〜58のいずれか一項に記載の方法。
  60. 工程b)の前記溶媒がアセトンと水の混合物である、請求項50〜59のいずれか一項に記載の方法。
  61. 工程i)の前記酸HAが、(−)−O,O’−ジ−p−トルオイル−L−酒石酸(TLT)、(−)−O,O’−ジ−p−トルオイル−D−酒石酸(TDT)、(−)−O,O’−ジベンゾイル−D−酒石酸(BDT)(無水物又は一水化物)、及び(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸(無水物又は一水化物)(BLT)から選択される有機酸である、請求項50〜60のいずれか一項に記載の方法。
  62. 工程i)の前記酸HAが(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸(無水物又は一水化物)(BLT)である、請求項50〜61のいずれか一項に記載の方法。
  63. 工程i)の前記反応が、0℃〜還流温度で、好ましくは25℃〜還流温度で、最も好ましくは還流温度で行われる、請求項50〜62のいずれか一項に記載の方法。
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