JPWO2013132700A1 - 標的核酸の検出方法 - Google Patents

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Abstract

本明細書の開示は、特定ゲノムなどの標的とする核酸の検出および配列の決定のためのハイブリダイゼーション工程に要する時間を短縮し、かつ特定ゲノムから取得した標識された核酸のDNAマイクロアレイへの非特異的結合を低減するのに有効な標的核酸の検出方法を提供する。この目的のため、本明細書の開示は、所定の塩基配列を有する検出用プローブを備える固相体を準備する工程と、標的核酸を検出するためのシグナル発生部を有するシグナル化標的核酸を準備する工程と、シグナル化標的核酸と、検出用プローブと、標的核酸と特異的にハイブリダイズする第1の部位と検出用プローブの所定の塩基配列と特異的にハイブリダイズする第2の部位(好ましくは、20塩基以上50塩基以下であり、より好ましくは、20塩基以上25塩基以下である。)とを備えるオリゴヌクレオチドである仲介剤と、これらのハイブリダイズ産物を形成可能に接触させる工程と、固相体上において、シグナル化標的核酸のシグナル発生部に基づく情報を取得するようにする。

Description

本明細書は、標的核酸の検出方法に関する。
従来より、例えば、口腔疾患に関連する口腔微生物種の検出・同定には、DNAマイクロアレイが用いられている(非特許文献1)。非特許文献1には、以下の工程順序によるDNAマイクロアレイによる検出方法が記載されている。
(1)被検試料中の細菌の核酸を調製する工程
(2)核酸調製工程で調製した核酸を鋳型として標識プローブを調製する工程
(3)対象となる細菌が属する種または属に特異的な配列に基づくオリゴヌクレオチドと上記標識プローブとのハイブリダイゼーションを行う工程
(4)上記ハイブリダイゼーション工程においてハイブリダイゼーションの成立の有無を判定する工程
厚生労働科学研究費補助金 食品の安心・安全確保推進事業いわゆる健康食品の有効性の評価に関する研究(平成18年度 総括・分担研究報告書)
非特許文献1に記載されている方法では、DNAマイクロアレイとの反応すなわちハイブリダイゼーションに2時間程度要していた。また、被検体試料中の標識された核酸がDNAマイクロアレイに固定された特異的な配列に基づくオリゴヌクレオチド(プローブ)だけでなく、異なる配列のオリゴヌクレオチドに非特異的に結合した結果が得られることがあった。かかる場合には、ハイブリダイゼーション温度を高くすることで非特異的な結合を低減させる等が必要となる場合もあった。それでも非特異的ハイブリダイゼーションを解決できない場合にはプローブ配列の再設計・アレイ作製が必要となることもあった。
本明細書は、特定ゲノムなどの標的とする核酸の検出および配列の決定のためのハイブリダイゼーション工程に要する時間を短縮し、かつ特定ゲノムから取得した標識された核酸のDNAマイクロアレイへの非特異的結合を低減するのに有効な標的核酸の検出方法、そのためのキット等を提供することを一つの目的とする。本明細書は、ハイブリダイズに供する標的核酸を特異的に得られにくい場合にも有効な標的核酸の検出方法、そのためのキット等を提供することも他の一つの目的とする。
本発明者らは、プローブ設計ならびにハイブリダイゼーション方法の至適化が不要なタグ配列をスポットし作製したDNAチップ(DNAマイクロアレイ)を使用することで、特定DNAサンプルまたはRNAサンプルを用いて標識された核酸のDNAマイクロアレイへの非特異的結合を低減し、かつ短時間のハイブリダイゼーション(インキュベーション)で高シグナルが得られるという知見を得た。
より具体的には、本発明者らは、抽出したゲノムDNAの核酸配列のうち、プローブ設計配列領域が含まれるようにポリメラーゼを用いて核酸を増幅して標的とする核酸(数十bp〜1kbp程度)を得ることとした。この際、増幅領域内でゲノムDNAのホモロジーの低い領域等を含むように設計したプライマーと蛍光標識等で標識したプライマーを用いることとした。次いで、蛍光標識等により標識されたゲノムDNAの増幅産物と、タグプローブ、すなわち、標的核酸と特異的にハイブリダイズする第1の部位と検出用プローブと特異的にハイブリダイズする第2の部位とを備えるオリゴヌクレオチドである仲介剤とを、検出用プローブがガラス基板等上にスポットされ固定化されたDNAマイクロアレイ上の検出用プローブと反応させることとした。反応終了後、洗浄を行った後、蛍光スキャナー等で蛍光標識等を測定・数値化及び解析を行うこととした。
上記した方法が検出用プローブの決定に要する時間、非特異的ハイブリダイゼーションの低減及びハイブリダイズに供する標的核酸を特異的に得られにくい場合にも有効であることがわかった。本明細書は、これらの知見に基づいて以下の手段を提供する。
(1) 標的核酸を検出する方法であって、
所定の塩基配列(好ましくは、20塩基以上50塩基以下であり、より好ましくは、20塩基以上25塩基以下である。)を有する検出用プローブを備える固相体を準備する工程と、
前記標的核酸を検出するためのシグナル発生部を有するシグナル化標的核酸を準備する工程と、
前記シグナル化標的核酸と、前記検出用プローブと、前記標的核酸と特異的にハイブリダイズする第1の部位(好ましくは、15塩基以上であり、60塩基以下である。)と前記検出用プローブの前記所定の塩基配列部分と特異的にハイブリダイズする第2の部位(好ましくは、20塩基以上50塩基以下であり、より好ましくは、20塩基以上25塩基以下である。)とを備えるオリゴヌクレオチドである仲介剤と、これらのハイブリダイズ産物を形成可能に接触させる工程と、
前記固相体上において、前記シグナル化標的核酸の前記シグナル発生部に基づく情報を取得する工程と、
を備える、方法。
(2) 前記シグナル化標的核酸の準備工程は、標的核酸を含む可能性のある核酸試料に対してDNAポリメラーゼを用いたDNA断片増幅法を利用して前記シグナル化標的核酸を取得する工程である、(1)に記載の方法。
(3) 前記シグナル化標的核酸の準備工程は、シグナル発生部を有するプライマーを含むプライマーセットを用いたDNAポリメラーゼを用いたDNA断片増幅法を利用する、(2)に記載の方法。
(4) 前記シグナル発生部は、一次的又は二次的に発色可能な物質を含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5) 前記検出用プローブは前記標的核酸に予め関連付けられた所定の塩基配列を有している、(1)又は(2)に記載の方法。
(6) 前記検出用プローブの前記所定の塩基配列は、正規直交化配列から選択される、(5)に記載の方法。
(7) 前記検出用プローブの前記所定の塩基配列は、配列番号1〜配列番号100に記載の塩基配列又はこの塩基配列に相補的な塩基配列から選択される、(5)又は(6)に記載の方法。
(8) 前記固相体準備工程は、2以上の前記標的核酸を検出可能に、2以上の前記検出用プローブを備える前記固相体を準備する工程である、(1)〜(7)のいずれかに記載の方法。
(9) 前記仲介剤は、さらに、第1の部位と第2の部位とを連結するリンカー部位を備えている、(1)〜(8)のいずれかに記載の方法。
(10) 前記仲介剤の前記リンカー部位は、DNAポリメラーゼ反応を抑制又は停止可能な連結部位であり、好ましくは、リン酸ジエステル結合を介して前記プローブ中のヌクレオチドに隣接される、元素数が2以上40以下であって置換されていてもよいアルキレン鎖又はポリオキシアルキレン鎖を含んでり、より好ましくは、以下のいずれかの式で表される、方法。
5’−O−Cm2m−O−3’ 式(1)
(式中、5’は、5’側のリン酸ジエステル結合の酸素原子を表し、3’は、3’側のリン酸ジエステル結合のリン酸原子を表し、mは2以上40以下の整数を表す。)、
又は、
5’−(OCn2nl−O−3’ 式(2)
(式中、5’は、5’側のリン酸ジエステル結合の酸素原子を表し、3’は、3’側のリン酸ジエステル結合のリン酸原子を表し、nは2以上4以下の整数を表し、lは、2以上の整数であって、(n+1)×lは40以下となる整数を表す。)
(11) 歯周炎に関連する微生物の検出用である、(1)〜(10)のいずれかに記載の方法。
(12) 標的核酸の検出用キットであって、
所定の塩基配列を有する検出用プローブ1又は2以上を備える固相体と、
前記標的核酸と特異的にハイブリダイズする第1の部位と前記検出用プローブの前記所定の塩基配列部分と特異的にハイブリダイズする第2の部位とを備えるオリゴヌクレオチドと、
を備える、キット。
(13) 前記シグナル発生部は、一次的又は二次的に発色可能な物質を含む、(12)に記載のキット。
(14) 前記検出用プローブは前記標的核酸に予め関連付けられた所定の塩基配列を有している、(12)又は(13)に記載のキット。
(15) 前記検出用プローブの前記所定の塩基配列は、正規直交化配列から選択される、(14)に記載のキット。
(16) 前記検出用プローブの前記所定の塩基配列は、配列番号1〜配列番号100に記載の塩基配列又はこの塩基配列に相補的な塩基配列から選択される、(15)に記載のキット。
(17) 前記仲介剤は、さらに、第1の部位と第2の部位とを連結するリンカー部位を備えている、(12)〜(16)のいずれかに記載のキット。
(18) 前記仲介剤の前記リンカー部位は、DNAポリメラーゼ反応を抑制又は停止可能な連結部位である、(17)に記載のキット。
(19) さらに、前記標的核酸を検出するためのシグナル発生部を有するシグナル化標的核酸をDNAポリメラーゼを用いてDNA増幅方法によって取得するためプライマーセットを備える、(12)〜(18)のいずれかに記載のキット。
(20) 前記標的核酸は、歯周炎に関連する微生物を識別可能な標的核酸である、(12)〜(19)のいずれかに記載のキット。
(21) 所定の塩基配列を有する1又は複数のプローブを備える固相体であるユニバーサルアレイから1又は2以上の標的核酸に対するオーダーメイドアレイを製造する方法であって、
前記ユニバーサルアレイを準備する工程と、
前記1又は2以上の標的核酸と特異的にハイブリダイズする第1の部位と前記プローブの前記所定の配列と特異的にハイブリダイズする第2の部位とを有する1又は2以上のオリゴヌクレオチドである仲介剤を準備する工程と、
前記ユニバーサルアレイ上において前記プローブと前記仲介剤とのハイブリダイズ産物を形成する工程と、
を備える、方法。
(22) 所定の塩基配列を有する1又は複数のプローブを備える固相体であるユニバーサルアレイから1又は2以上の標的核酸に対するオーダーメイドキットを製造する方法であって、
前記ユニバーサルアレイを準備する工程と、
前記1又は2以上の標的核酸と特異的にハイブリダイズする第1の部位と前記プローブの前記所定の塩基配列と特異的にハイブリダイズする第2の部位とを有する1又は2以上のオリゴヌクレオチドである仲介剤を準備する工程と、
を備える、方法。
本発明の検出方法の一例の概要を示す図である。 本発明の検出方法の他の一例の概要を示す図である。 従来の検出方法の一例の概要を示す図である。 実施例1で得られた仲介剤Iによる蛍光画像を示す図である。 実施例1で得られた仲介剤IIによる蛍光画像を示す図である。 実施例1で得られた仲介剤I及びIIを用いて得られた蛍光強度を比較する図であり、左図は、微生物Aに対する結果を示し、右図は微生物Bに対する結果を示す。 比較例で得られた蛍光画像を示す図である。 実施例2で用いたアレイを示す図である。 実施例2における評価結果を示す図である。 実施例3で用いたアレイを示す図である。 実施例3における評価結果を示す図である。
本明細書の開示は、標的核酸を検出する方法に関する。本明細書の開示は、以下の標的核酸の検出方法に関する。
すなわち、
(1)シグナル発生部を有するシグナル化標的核酸を準備し、
(2)このシグナル化標的核酸と、固相体上の検出用プローブと、シグナル化標的核酸と特異的にハイブリダイズする第1の部位と検出用プローブと特異的にハイブリダイズする第2の部位とを備えるオリゴヌクレオチドである仲介剤と、これらのハイブリダイズ産物を形成可能に接触させ、
(3)固相体上において、シグナル化標的核酸のシグナル発生部に基づく情報を取得する。
この検出方法によれば、シグナル化標的核酸は、仲介剤を介して検出用プローブにハイブリダイズされる。仲介剤は、シグナル化標的核酸と予め固相担体に固定化されている検出用プローブとにそれぞれ特異的な配列を有している。仲介剤を用いることで、検出用プローブを、シグナル化標的核酸毎に至適化する必要がなく、非特異的ハイブリダイゼーションを抑制又は回避でき、短時間で特異的なハイブリダイゼーションを実現できるように予め設定された検出用プローブを共通して用いることができる。
また、この検出方法では、シグナル化標的核酸を、仲介剤を介在させることで、検出用プローブと関連付けてハイブリダイゼーションを実施する。このため、シグナル化標的核酸自体は、検出用プローブとは関連付けられておらず、予め決定された検出用プローブとは無関係にゲノムDNAに対して増幅反応等により取得できる。したがって、安定的に効率的にシグナル化標的核酸を得ることができる。また、シグナル化標的核酸に対して、検出用プローブとの関連付けするための(追加の)増幅反応も省略することができる。
また、本明細書に開示される標的核酸の検出方法によれば、シグナル発生部と検出用プローブと特異的にハイブリダイズするタグ部とを備える標的核酸を特異的に取得する困難さを回避することができる。従来、標的核酸の標的配列が混在する他の標的核酸と間で高い特異性を有していない場合などには、意図した標的核酸量が得られなかったり、誤って他の核酸が増幅されたりしてしまっていた。
これに対して、本明細書の開示によれば、増幅効率を優先してシグナル化標的核酸を取得できる。そして、こうして取得した標的核酸を固相体上において、仲介剤を介して特異的に検出用プローブに関連付けてハイブリダイズ産物を生成させることができる。
なお、上記説明では、ゲノムDNAでのホモロジーの低い領域を用いた検出例を述べているが、これに限定するものではない。例えば、ゲノムDNA中のSNP(一塩基多型)、deletion、insertion部位の検出、さらにはRNA等発現遺伝子のホモロジーの低い領域を用いての検出にも適用が可能である。
この検出方法は、例えば以下のような形態を含みうる。
なお、本明細書において「核酸」とは、cDNA、ゲノムDNA、合成DNA、mRNA、全RNA、hnRNAおよび合成RNAを含む全てのDNAおよびRNA、並びにペプチド核酸、モルホリノ核酸、メチルフォスフォネート核酸およびS−オリゴ核酸などの人工合成核酸を含む。また、1本鎖であっても2本鎖であってもよい。
また、本明細書において「標的核酸」とは、任意の配列を有する任意の核酸である。典型的には、体質、遺伝病、癌などの特定疾患についての発症、疾患診断、治療予後、薬剤や治療の選択などのヒトや非ヒト動物における遺伝子上の指標となる塩基配列(標的配列)を有する可能性のある核酸が挙げられる。指標としては、SNPなどの多型や先天的又は後天的変異が挙げられる。また、病原菌やウイルスなどの微生物由来の核酸なども標的核酸に含まれる。
本明細書において「標的配列」とは、検出対象の標的核酸に特徴的な1又は2以上の塩基からなる配列をいう。例えば、標的核酸同士のホモロジーの低い部分配列であってもよいし、試料に含まれる可能性のある他の核酸に相補性もしくは相同性の低い配列であってもよい。標的配列は、標的核酸に特徴的な配列であってもよい。こうした標的配列は、人工的に配列を変更したものであってもよい。
標的核酸は、後述する試料又はその核酸画分をそのまま用いることもできるが、好ましくは、PCRによる増幅反応、より好ましくはマルチプレックスPCRによる増幅反応により、複数の標的核酸の全てが増幅された増幅産物を用いることが好ましい。
本明細書において、標的核酸は、「試料」から調製される。「試料」とは、標的核酸を含む可能性のある試料をいう。試料としては、細胞、組織、血液、尿、唾液等が含まれ、核酸を含む任意の試料を用いることができる。こうした各種の試料からの核酸を含む画分は当業者であれば適宜従来技術を参照して取得することができる。
本明細書においてアレイとは、検出用プローブが任意の結合形態及び任意のパターンで固相担体に固定化された固相体をいう。アレイに適用されるハイブリダイゼーションの形態も特に限定されない。
以下に開示される追加的な特徴ならびに開示は、さらに改善された標的核酸の検出方法等を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本明細書の開示を実施する際に必須のものではなく、特に本明細書の開示の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、上記及び下記の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、独立及び従属クレームに記載されるものの様々な特徴は、本明細書の開示の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
(標的核酸の検出方法)
本明細書に開示される標的核酸の検出方法は、所定の塩基配列を有する検出用プローブを備える固相体を準備する工程と、標的核酸を検出するためのシグナル発生部を有するシグナル化標的核酸を準備する工程と、シグナル化標的核酸と、検出用プローブと、標的核酸と特異的にハイブリダイズする第1の部位と検出用プローブの所定の塩基配列部分と特異的にハイブリダイズする第2の部位とを備えるオリゴヌクレオチドである仲介剤と、を、これらのハイブリダイズ産物を形成可能に接触させる工程と、固相体上において、前記シグナル化標的核酸の前記シグナル発生部に基づく情報を取得する工程と、を備えることができる。
(固相体準備工程)
固相体準備工程は、検出用プローブが固定化された固相体を準備する。2以上の標的核酸を検出可能に、2以上の検出用プローブが固相体に固定化されていてもよい。こうした固相体は、検出方法の実施に先立って予め準備していてもよいし、商業的に入手してもよいし、検出方法の実施毎に調製してもよい。
固相体は、ガラス、天然又は人工高分子材料、セラミックス、金属等特に限定されない。また、ポリエーテルスルホン、ニトロセルロース、ナイロン、ポリフッ化ビニリデンなどのポリマーを主体としたいわゆる多孔質性の材料が挙げられる。この種の多孔質担体は、特に、アフィニティークロマトグラフィーにより、固相担体に固定化した検出用プローブと増幅断片とをハイブリダイゼーションさせる核酸クロマトグラフィーに好適である。なお、本明細書において、核酸クロマトグラフィーとは、キャピラリー現象により液体(展開媒体)を拡散・移動可能な多孔質状の固相担体を用いて、前記液体により核酸を固相担体内を移動させて固相担体に予め準備したプローブとの特異的な塩基対合によってハイブリダイズ産物を形成させて前記核酸を固相担体に補足するクロマトグラフィーをいう。
また、固相体の形態、大きさ、厚みも限定されないで、使用形態に応じて選択される。例えば、プレート状体、可撓性を有していてもよいフィルム状体、球形などの球状体等など選択される。
担体の形状は、ハイブリダイゼーションの形態を考慮して設定することもできる。例えば、検査や研究用に汎用されているエッペンドルフチューブ(商標)のようなマイクロチューブ内でハイブリダイゼーションを実施する場合には、当該チューブ内に収容したハイブリダイゼーション溶液に担体のアレイ領域が浸漬されるサイズ及び形状であることが好ましい。こうした担体のサイズは、典型的には、平面積が150mm以下、アスペクト比が1.5以上20以下で、厚みは0.01mm以上0.3mm以下とすることができる。
また、ハイブリダイゼーションを、核酸クロマトグラフィーとする実施形態では、少なくとも、検査や研究用に汎用されているエッペンドルフチューブ(商標)のようなマイクロチューブに供給されるハイブリダイゼーション溶液に対して担体の端部が浸漬可能なサイズ(幅方向)及び形状を備えていることが好ましい。好ましくは、この種のチューブの底部近傍から上端までに収容可能な部位を備える長尺体である。なお、核酸クロマトグラフィー用の固相担体は、単一の固相担体で構成されている必要は必ずしもない。全体としてキャピラリー現象により展開媒体を移動可能であれば、複数の固相担体が連結されていてもよい。さらに、この場合の全体形状は、シート状や細い棒状など、キャピラリー現象によるクロマトグラフィー用液の展開拡散が可能な形態であればよい。
検出用プローブの固定化される形態(固相体上における二次元形態)も特に限定されない。シグナル発生部に基づく情報を、シグナル発生部の種類等に応じた検出方法で取得できるものであればよい。したがって、検出用プローブの固定化形態は、プローブとのハイブリダイズ産物の検出方法に応じた検出性等を考慮して決定される。例えば、シグナル発生部が蛍光発色するものであって、こうしたシグナル発生部による情報をその蛍光強度の情報として適当な蛍光検出装置により取得することを意図する場合がある。この場合には、強度情報を取得容易な二次元形態(例えば、円形等のドット状)が選択されることになる。また、例えば、シグナル発生部が可視光領域等において目視可能な発色をするものである場合もある。この場合には、目視による情報を取得しやすく、また判定が容易となるように、目視による識別性、すなわち、色、形状、大きさ、意味(文字、図形、記号及び数字等並びにこれらの組み合わせ)が選択される。
例えば、核酸クロマトグラフィーを意図した場合、検出用プローブの固定化される二次元形態は、任意の形態を有する、ドット状であってもよいし、ライン状であってもよいし、その他の形態であってもよい。プローブの固定化領域は、典型的には、クロマトグラフィーの展開媒体の展開方向と直交するようなライン状の形態で、展開方向に沿って複数個、適当な間隔で備えられている。
検出用プローブは、標的核酸に予め関連付けられた所定の塩基配列を有していることが好ましい。検出用プローブが有する所定の塩基配列としては、例えば、配列番号1〜配列番号100に記載の塩基配列又はこの塩基配列に相補的な塩基配列を用いることができる。これらの塩基配列は全て同一塩基長であり、融解温度(Tm)が40℃以上80℃以下、好ましくは50℃以上70℃以下であって、同一条件でのハイブリダイズにおいて均質なハイブリダイズ結果が得ることができる。
なお、融解温度は、GC%法、Wallace法、Current Protocols in Molecular Biologyに準拠した方法(秀潤社刊バイオ実験イラストレイテッド3 本当に増えるPCRp.25に記載)等により算出したものを採用できるが、本発明における融解温度の範囲および塩基配列濃度の影響を加味できるNearest-Neighbor法によって算出されることが好ましい。Nearest-Neighbor法による融解温度は、例えば、Visual OMP(トミーデジタルバイオロジー株式会社製)とのソフトウエアや日本遺伝子研究所(http://www.ngrl.co.jp/)が提供するソフトウエア(OligoCalculator;http://www.ngrl.co.jp/tool/ngrl_tool.html)により容易に取得できる。なお、配列番号1〜配列番号100は、VisualOMPによって算出される融解温度(0.1Mプローブ濃度、50mM Naイオン及び1.5mM Mgイオン)の高い順に配列されている。
このような検出用プローブにおける所定の塩基配列は、正規直交化配列ともいい、たとえば乱数から得られた所定塩基長のDNA配列に対して連続一致長、Nearest-Neighbor法による融解温度予測、ハミング距離、二次構造予測の計算を行うことにより設計される。正規直交化配列は、核酸の塩基配列であって、その融解温度が均一であるもの、即ち融解温度が一定範囲内に揃うように設計された配列であって、核酸自身が分子内(intramolecular)で構造化して、相補的な配列とのハイブリッド形成を阻害することのない配列であり、尚且つこれに相補的な塩基配列以外とは安定したハイブリッドを形成しない塩基配列を意味する。1つの正規直交化配列群に含まれる配列は、所望の組み合わせ以外の配列間および自己配列内において反応が生じ難いか、または反応が生じない。また、正規直交化配列は、PCRにおいて増幅させると、たとえば上述のクロスハイブリダイズのような問題に影響されずに、当該正規直交化配列を有する核酸の初期量に応じた量の核酸が定量的に増幅される性質を有している。上記のような正規直交化配列は、H.Yoshida and A. Suyama,“Solution to 3-SAT by breadth first search”,DIMACS Vl.54, 9-20(2000)および特願2003−108126に詳細が記載されている。これらの文献に記載の方法を使用して正規直交化配列を設計することができる。
所定の塩基配列は、好ましくは、20塩基以上50塩基以下であり、より好ましくは、20塩基以上25塩基以下である。
(シグナル化標的核酸の準備工程)
シグナル化標的核酸は、標的核酸とシグナル発生部とを備えている。標的核酸は既に記載したとおりである。
(シグナル発生部)
シグナル発生部は、従来公知のものを適宜選択して用いることができる。それ自体励起されると蛍光シグナルを発する蛍光物質などの各種色素であってもよいし、さらに酵素反応や抗原抗体反応により第2成分と組み合わせて各種シグナルを発する物質であってもよい。典型的には、Cy3、Alexa555、Cy5、Alexa647等の蛍光標識物質を用いることができる。また、ビオチンとストレプトアビジンHPRとを組み合わせて基質による処理等による発色による検出およびラテックス粒子を用いたクロマト手法として用いてもよい。
シグナル発生部としては、より具体的には、蛍光、放射能、酵素(例えば、ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ等)、燐光、化学発光、着色などを利用した標識物質が挙げられる。
標識物質は、目視(肉眼で)で検出可能な発光又は発色を提示する発光物質又は発色物質であることが好ましい。すなわち、直接それ自体が、他の成分を必要としないで肉眼で視認可能なシグナルを生成することができる物質であることが好ましい。検出工程で迅速かつ簡易に行うことができる。こうした物質としては、典型的には、各種の顔料や染料などの各種の着色剤が挙げられる。また、これに準ずる、金、銀などの貴金属ほか、銅などの各種金属又は合金、あるいは当該金属を含む有機化合物(錯体化合物であってもよい)が挙げられる。また、着色剤に準ずる、マイカ等の無機化合物が挙げられる。
この種の標識物質としては、典型的には、各種染料、各種顔料、ルミノール、イソルミノール、アクリジニウム化合物、オレフィン、エノールエーテル、エナミン、アリールビニルエーテル、ジオキセン、アリールイミダゾール、ルシゲニン、ルシフェリン及びエクリオンを包含する化学発光物質が挙げられる。また、こうした標識物質でラベルされているラテックス粒子などの粒子も挙げられる。さらに、金コロイド若しくはゾル又は銀コロイド若しくはゾルを包含するコロイド若しくはゾル等が挙げられる。さらにまた、金属粒子、無機粒子等が挙げられる。
標識物質は上記のように、その一部に粒子を備えていてもよい。標識物質の一部を構成するラテックス粒子などの粒子の平均粒子径は、特に限定しないが、例えば、20nm以上20μm以下であり、典型的には、40nm〜10μm、好ましくは0.1μm以上10μm以下、特に好ましくは0.1μm以上5μm以下、さらに好ましくは0.15μm以上2μm以下の平均粒子径を有している。また、固相担体210の孔径によっては、500nm以下であることが好ましく、また、250nm以下であることも好ましく、100nm以下であることも好ましく、50nm以下であることも好ましい。また、下限は、0.1nm以上であることが好ましく、より好ましくは1nm以上である。例えば、0.1nm以上250nm以下であることがより好ましく、1nm以上250nm以下であることがさらに好ましい。また、0.1nm以上100nm以下であることもより好ましく、1nm以上50nm以下であることがさらに好ましい。
好ましい粒子は、水溶液に懸濁でき、そして水不溶性ポリマー材料からなる粒子である。例えばポリエチレン、ポリスチレン、スチレン−スチレンスルホン酸塩共重合体、アクリル酸ポリマー、メタクリル酸ポリマー、アクリロニトリルポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、ポリビニルアセテート−アクリレート、ポリビニルピロリドン又は塩化ビニル−アクリレートが挙げられる。それらの表面上に活性基、例えばカルボキシル、アミノ又はアルデヒド基を有するラテックス粒子も挙げられる。
シグナル発生部は、一次的又は二次的に発色可能な物質であってもよい。すなわち、最終的に標識物質による識別が可能にこれらを結合可能な分子ないし物質(以下、標識物質結合物質ともいう。)であってもよい。こうした物質等としては、タンパク質−タンパク質相互作用、低分子化合物−タンパク質相互作用等を利用できる。例えば、抗原抗体反応における抗体や、アビジン(ストレプトアビジン)−ビオチンシステムにおけるビオチン、抗ジゴキシゲニン(DIG)−ジゴキシゲニン(DIG)システムにおけるジゴキシゲニン、又は抗FITC−FITCシステムにおけるFITC等に代表されるハプテン類などが挙げられる。この場合、最終的に検出のために用いられる標識物質は、標識物質結合物質と相互作用する他方の分子又は物質(例えば、抗原、すなわち、ストレプトアビジン、抗FITCなど)を、標識物質結合物質との結合のための部位として備えるように修飾される。
こうした標識物質や標識物質結合物質は、商業的に入手できるほか、標識物質及び標識物質結合物質の製造及び標識物質等を粒子にラベルする方法も公知であり、当業者であれば適宜公知技術を利用して取得することができる。さらに、こうした標識物質又は標識物質でラベル化された粒子や標識物質結合物質と、DNA等のオリゴヌクレオチドとの結合もアミノ基等の官能基を介して適宜可能であり、それ自体は当該分野において周知である。
シグナル化標的核酸は、公知の手法で取得することができる。当業者であれば、所望の標的核酸に対して標識物質又は標識物質結合物質などのシグナル発生部を備えるシグナル化標的核酸を適宜取得することができる。標的核酸に対して化学反応により上記した標識物質又は標識結合物質を結合させて取得してもよいが、好ましくは、シグナル化標的核酸は、標的核酸を含む可能性のある核酸試料に対してDNAポリメラーゼを用いたDNA断片増幅法を利用して取得する。典型的には、標識物質又は標識物質結合物質などのシグナル発生部を予め備えたプライマーを含むプライマーセットを用いて標的核酸に対して核酸増幅反応を実施することにより取得する。あるいは、標識物質又は標識結合物質を予め備えたNTPを用いて標的核酸に対して核酸増幅反応を実施することにより取得する。
核酸増幅法は各種公知の方法を適用できるが、典型的にはPCR、マルチプレックスPCR等の各種PCRである。核酸増幅工程を実施するにあたっての、溶液組成、温度制御等については、当業者であれば適宜設定することができる。
(ハイブリダイゼーション工程)
ハイブリダイゼーション工程は、シグナル化標的核酸と、検出用プローブと、仲介剤と、を、これらのハイブリダイズ産物を形成可能に接触させる工程である。
(仲介剤)
仲介剤は、標的核酸と特異的にハイブリダイズする第1の部位と検出用プローブの所定の塩基配列部分と特異的にハイブリダイズする第2の部位とを備えるオリゴヌクレオチドである。
(第1の部位)
第1の部位は、標的核酸と特異的にハイブリダイズする部位である。より具体的には、シグナル化標的核酸(二本鎖の場合)のうちシグナル発生部を備えているDNA一本鎖の少なくとも一部を構成する標的配列に特異的にハイブリダイズする部位である。第1の部位は、標的配列と特異的にハイブリダイズする程度の相補性を有するが、好ましくは標的配列と完全に相補的である。なお、標的配列は、融解温度のほか、同時に検出する他の標的核酸と関係から適宜決定される。第1の部位の塩基配列の長さは特に限定しない。好ましくは、15塩基以上であり、60塩基以下である。
(第2の部位)
第2の部位は、検出用プローブの所定の塩基配列部分と特異的にハイブリダイズする。検出用プローブの所定の塩基配列は、既に記載したとおりである。すなわち、予め標的核酸に関連付けられているが、標的核酸とは関係のない人工的な塩基配列、たとえば、正規直交化配列とすることができる。第2の部位は、こうした検出用プローブにおける検出用配列と特異的なハイブリダイズが可能な程度に相補的である。好ましくは、こうした検出用配列と完全に相補的である。第2の部位は、好ましくは、20塩基以上50塩基以下であり、より好ましくは、20塩基以上25塩基以下である。
仲介剤は、こうした第1の部位及び第2の部位を備えるオリゴヌクレオチドであり、典型的にはDNA、あるいは天然塩基と同等な人工的な塩基や糖−リン酸骨格を代替できる骨格を備えることができる。当業者であれば、こうした人工的な塩基や骨格を適宜採用できる。
(リンカー部位/連結部位)
仲介剤は、さらに、第1の部位と第2の部位とを連結するリンカー部位を備えていてもよい。こうしたリンカー部位を備えることで、第1の部位と第2の部位との物理的間隔を確保することができて、第1の部位の標的核酸へのハイブリダイズ性と第2の部位の検出用プローブへのハイブリダイズ性とを良好に保持できる。
リンカー部位は、DNAにおいて用いられる公知のリンカー部位を適宜選択して用いることができる。リンカー部位は、好ましくは、DNAポリメラーゼ反応を抑制又は停止可能な連結部位である。連結部位は、DNAポリメラーゼによるDNA伸長時の鋳型となりえない構造を有している。すなわち、本連結部位は、天然塩基又は天然塩基と対合する天然塩基の誘導体(天然塩基等)を含まない。こうした天然塩基等を含まないことで、前記鋳型となることを回避して、DNAポリメラーゼによるDNA鎖の伸長を抑制又は回避できる。したがって、本連結部位は、天然塩基等を有しないない単なる骨格鎖だけであってもよい。すなわち、糖−リン酸骨格や、他の公知の人工オリゴヌクレオチドに適用される骨格であってもよい。なお、DNAポリメラーゼは、各種公知のDNAポリメラーゼが包含される。典型的には、各種PCRなどの核酸増幅法に用いられるDNAポリメラーゼが挙げられる。
リンカー部位としてこうした連結部位を備えることで、対象核酸中の特異的な配列(第1部位)とタグ(第2部位)が直接連結した場合の連結部位近傍におけるあらたな配列が対象核酸の補足に影響が出るおそれがあったのをなくすことができ、さらには第2部位が固相上に貼り付けられた第2部位に相補な配列に捕捉され、自由度が減少していてもリンカー部位の炭素鎖が自由に回転できることにより、リンカー部位が存在しない場合に比べ、第1部位による対象核酸の捕捉がしやすくなるという利点がある。
また、連結部位は、リン酸ジエステル結合を介してヌクレオチドに隣接される、元素数が2以上40以下である一重鎖構造を含む鎖状の連結基であってもよい。元素数が1以下では、DNAポリメラーゼ反応を抑制又は停止が不完全になりやすく、元素数が40を超えると、ヌクレオチドの溶解性が低下するおそれがあるからである。DNAポリメラーゼ反応の抑制又は停止の効果を考慮すると、鎖状の連結基の元素は、2以上36以下であることが好ましく、より好ましくは3以上16以下である。
連結部位が、一重結合を含むのは、連結部位における回転を容易にするためであり、一重結合は、炭素−炭素一重結合、炭素−酸素一重結合、炭素−窒素一重結合、S−S一重結合などが挙げられる。本連結部位は、こうした一重結合を主体とすることが好ましい。また、本連結部位は、一重結合を含む限り一部に芳香環あるいはシクロアルカンを含んでいてもよい。
連結部位としては、元素数が2以上40以下であって置換されていてもよいアルキレン鎖又はポリオキシアルキレン鎖を含むことが好ましい。こうした鎖状の連結構造は、構造的に簡易であるほか、連結部位としての導入も容易である。
こうした連結部位としては、例えば、以下の式(1)で表される連結部位が挙げられる。
5’−O−Cm2m−O−3’ 式(1)
(式中、5’は、5’側のリン酸ジエステル結合の酸素原子を表し、3’は、3’側のリン酸ジエステル結合のリン酸原子を表し、mは2以上40以下の整数を表す。)
式(1)においてmは、好ましくは2以上36以下であり、より好ましくは3以上16以下である。式(1)中のHの置換基は、典型的には、アルキル基、アルコキシ基、水酸基等が挙げられる。アルキル基及びアルコキシ基の炭素数は1〜8であることが好ましく、より好ましくは1〜4である。また、2以上の置換基を有する場合には、置換基は同一であっても異なっていてもよい。さらに、置換基を有していないことも好ましい。
また、他の連結部位としては、以下の式(2)で表される連結部位が挙げられる。
5’−(OCn2nl−O−3’ 式(2)
(式中、5’は、5’側のリン酸ジエステル結合の酸素原子を表し、3’は、3’側のリン酸ジエステル結合のリン酸原子を表し、nは2以上4以下の整数を表し、lは、2以上の整数であって、(n+1)×lは40以下となる整数を表す。)
式(2)において(n+1)×lは、好ましくは2以上36以下であり、より好ましくは3以上16以下である。式(2)中のHの置換基は、式(1)中の置換基と同様の態様が適用される。
連結部位としては、例えば、以下の鎖状部位が挙げられる。
さらに、連結部位としては、例えば、以下の鎖状部位が挙げられる。
また、連結部位としては、このほか、強固なヘアピン構造やシュードノット構造のようにポリメラーゼの進行を阻害する立体構造を有する核酸配列、L型核酸や人工核酸等の標的核酸天然型核酸や、RNA及び脂肪鎖のような非核酸構造が挙げられる。人工核酸としては、ペプチド核酸、架橋化核酸、アゾベンゼン等が挙げられる。
仲介剤及び連結部位を含む仲介剤は、通常のオリゴヌクレオチド合成法にしたがって合成することができる。一本鎖DNAとして取得されることが好ましい。例えば、連結部位については、アルキレン鎖を有するホフォスホアミダイト試薬を用いて合成することができる。こうした試薬自体は、公知であり、例えば、GlenResearch社等から入手することができる。例えば、以下の試薬が挙げられる。なお、以下の式においてDMTは、水酸基保護基として典型的なジメトキシトリチル基を表すが、他の公知の水酸基保護基であってもよい。また、以下の式においてPAは、ホスホアミダイト基を表す。
ハイブリダイゼーション工程は、シグナル化標的核酸と、仲介剤と、検出用プローブとのハイブリダイズ産物を形成するハイブリダイゼーションは、検出用プローブが固定化された固相体に、シグナル化標的核酸と仲介剤とを供給して行うことができる。ハイブリダイゼーションは、最終的に、検出用プローブと、仲介剤と、シグナル発生部を備える標的核酸の一本鎖DNAとのハイブリダイズ産物(複合体)を形成することを目的としている。
こうしたハイブリダイゼーション工程によれば、検出用プローブと仲介剤とのハイブリダイゼーションは、迅速かつ高度に特異的となるように予め設定できる。また、仲介剤とシグナル化標的核酸とのハイブリダイゼーションを用いることで、シグナル化標的核酸を検出用プローブと特異的にハイブリダイズするタグを付与する操作や工程を省略することができる。このため、ハイブリダイゼーション工程までの工程を迅速に実行できる。さらに、シグナル化標的核酸に対するタグ付与操作や工程を検討する労力や時間も省略することができる。
このハイブリダイズ産物を得るには、シグナル化標的核酸と仲介剤とを予め特異的にハイブリダイズさせて、シグナル発生部を備える一本鎖DNAと仲介剤との一次産物を固相体に供給して、この一次産物と検出用プローブとを固相上でハイブリダイズさせて、ハイブリダイズ産物を得てもよい。また、予め固相体に仲介剤を供給しておき、検出用プローブと仲介剤との別の一次産物を形成しておき、この他の一次複合体に対してシグナル化標的核酸を供給して、固相体上でハイブリダイズさせて、ハイブリダイズ産物を得てもよい。あるいは、シグナル化標的核酸と仲介剤とを同時に固相体に供給して、固相体上で、ハイブリダイズ産物を得てもよい。
ハイブリダイゼーションの条件は、当業者であれば用いたプローブの融解温度等に基づき、温度、時間及び媒体を適宜選択して実施できる。なお、ハイブリダイゼーションの形態に応じて、適宜、ハイブリダイゼーション工程に先立って、シグナル化標的核酸を一本鎖化したり、あるいは仲介剤と複合体を形成したりするための温度処理を適宜行うことができきる。また、ハイブリダイゼーション工程後において、洗浄工程をさらに含んでいてもよい。
ハイブリダイゼーションとして、核酸クロマトグラフィーの形態を採ることができる。その場合、展開媒体は、水性媒体とすることが好ましい。水性媒体は、特に限定しないが、例えば、水、水と相溶する有機溶媒、又は水と1種又は2種以上の前記有機溶媒の混液が挙げられる。水と相溶する有機溶媒は、当業者において周知であるが、例えば、炭素数1〜4程度の低級アルコール、DMSO、DMF、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、アセトン等が挙げられる。展開媒体は、好ましくは水を主体とする。
また、核酸クロマトグラフィーによるハイブリダイゼーション工程を実施するにあたり、核酸クロマトグラフィーの実施形態は特に限定されない。ほぼ水平状態での展開を意図したものであってもよい。この場合、典型的には、担体における展開媒体の接触部に一定量の展開媒体を滴下等してクロマトグラフィーを実施する。また、クロマトグラフィーの形態は、ほぼ鉛直方向での展開を意図したものであってもよい。この場合、典型的には、担体をほぼ鉛直方向に支持して、当該担体の下端部などを展開媒体に浸漬してクロマトグラフィーを実施する。
クロマトグラフィーの形態に応じて、展開媒体と担体とを接触させることで、キャピラリー現象により、展開媒体は、担体を拡散して検出用プローブが固定化された領域へと展開され、対応する検出用プローブとハイブリダイズ産物を形成する。核酸クロマトグラフィーによるハイブリダイゼーション工程における条件は特に限定されないが、例えば、5℃以上40℃以下程度の空気雰囲気下で実施できる。好ましくは15℃以上35℃以下である。また、例えば、10μl以上60μl以下程度の展開媒体を、幅2.0mm以上8.0mm以下で長さ(又は高さ)が20mm以上100mm以下のシート状の担体の一部(下端部又は供給部)に浸透させて、クロマトグラフィーを開始する。展開媒体が検出用プローブが固定化された領域の通過を完了する展開時間はおおそよ2分から50分となるようにすることが好ましい。
(情報取得工程)
情報取得工程は、固相体上において、前記シグナル化標的核酸の前記シグナル発生部に基づく情報を取得する工程前記固相体上の前記増幅断片と前記検出用プローブとのハイブリダイズ産物を検出する工程である。
情報取得工程は、ハイブリダイズ後の固相体上のハイブリダイズ産物が保持する標識物質に基づく標的核酸についてのシグナル強度情報を取得し、ハイブリダイズ産物を検出する工程である。シグナル強度情報取得の取得には、標識物質由来の標識シグナルを検出することができる。標的核酸と予め関連付けられた検出用プローブの固相体上における位置は予め取得されているため、標識シグナルを検出することで標的核酸の有無や比率を検知することができる。
シグナル強度情報の取得には、用いた固相体の形態や標識物質の種類に応じて、従来公知の手法を適宜選択して採用すればよい。典型的には、必要に応じて固相体からハイブリダイズしなかったオリゴヌクレオチド等を洗浄操作等によって除去した後、そのまま目視で検出してもよいし、付加した標識物質等のシグナルをアレイスキャナ等により検出したり、標識物質に対して化学発光反応を実施し、その後適宜目視やスキャナで検出したりすることができる。担体にビーズを用いた場合には、フローサイトメーターによる検出方法や目視による方法が挙げられる。
情報取得工程では、標識物質のシグナル強度情報に基づいて、試料中の標的核酸の有無や比率等を検出することができる。本方法によれば、複数の標的核酸を同時に検出する場合であっても、確実に検出対象たる標的配列を検出することができる。
以上説明した、標的核酸の検出方法は、各種の微生物の検出同定にも用いることができる。例えば、学術的な微生物の検出同定に用いることができるほか、臨床検体中の微生物の検出同定にも用いることができる。例えば、歯周炎に関連する微生物などの口腔微生物の検出同定に用いることができる。
(標的核酸の検出用キット)
本明細書に開示される標的核酸の検出用キットは、所定の塩基配列を有する検出用プローブ1又は2以上を備える固相体と、標的核酸と特異的にハイブリダイズする第1の部位と検出用プローブの前記所定の塩基配列部分と特異的にハイブリダイズする第2の部位とを備えるオリゴヌクレオチドと、を備えることができる。本明細書に開示されるキットによれば、標的核酸とはハイブリダイズしない検出用プローブを標的核酸に関連付けて、固相体上でハイブリダイズによりハイブリダイズ産物を形成することができる。
なお、このキットにおいて、検出用プローブ、固相体、第1の部位及び第2の部位を備えるオリゴヌクレオチド(仲介剤)、標的核酸については、既に説明した実施態様をそのまま適用することができる。
本明細書に開示されるキットは、さらに、前記標的核酸を検出するためのシグナル発生部を有するシグナル化標的核酸をDNAポリメラーゼを用いてDNA増幅方法によって取得するためプライマーセットを備えることもできる。こうしたキットによれば、シグナル化標的核酸を容易に得ることができて、簡易にハイブリダイズ産物を検出することができる。シグナル化標的核酸については、既に説明した実施態様をそのまま適用することができる。
このキットの標的核酸は、歯周炎に関連する微生物などの口腔微生物を識別可能な標的核酸であることが好ましい。
(ユニバーサルアレイから1又は2以上の標的核酸に対するオーダーメイドアレイを製造する方法)
本明細書に開示されるユニバーサルアレイから1又は2以上の標的核酸に対するオーダーメイドアレイを製造する方法は、所定の塩基配列を有する1又は複数のプローブを備える固相体であるユニバーサルアレイを準備する工程と、1又は2以上の標的核酸と特異的にハイブリダイズする第1の部位と1又は複数のプローブの所定の配列と特異的にハイブリダイズする第2の部位とを有する1又は2以上のオリゴヌクレオチドである仲介剤を準備する工程と、ユニバーサルアレイ上において1又は複数のプローブと仲介剤とのハイブリダイズ産物を形成する工程と、を備えることができる。このユニバーサルアレイの製造方法においては、プローブ(検出用プローブに対応する)、固相体、第1の部位及び第2の部位を備えるオリゴヌクレオチド(仲介剤)、標的核酸については、既に説明した実施態様をそのまま適用することができる。
この方法によれば、仲介剤を準備することで、標的核酸に直接タグ付けすることなく、標的核酸を所定の検出用プローブに関連付けすることができる。このため、標的核酸をタグ付けするための操作や工程を排除することができる。
(ユニバーサルアレイから1又は2以上の標的核酸に対するオーダーメイドキットを製造する方法)
本明細書に開示されるユニバーサルアレイから1又は2以上の標的核酸に対するオーダーメイドキットを製造する方法は、所定の塩基配列を有する1又は複数のプローブを備える固相体であるユニバーサルアレイを準備する工程と、1又は2以上の標的核酸と特異的にハイブリダイズする第1の部位と1又は複数のプローブの所定の塩基配列と特異的にハイブリダイズする第2の部位とを有する1又は2以上のオリゴヌクレオチドである仲介剤を準備する工程と、を備えることができる。このオーダーメイドキットを製造する方法においては、プローブ(検出用プローブに対応する)、固相体、第1の部位及び第2の部位を備えるオリゴヌクレオチド(仲介剤)、標的核酸については、既に説明した実施態様をそのまま適用することができる。
このオーダーメイドキットを製造する方法によれば、仲介剤を準備することで、標的核酸に直接タグ付けすることなく、標的核酸を所定の検出用プローブに関連付けすることができるキットを提供できる。
以下、本発明を、実施例を挙げて具体的に説明するが、以下の実施例は本発明を限定するものではない。なお、以下の実施例において、%は、いずれも質量%を意味する。
本実施例では、シグナル化標的核酸と仲介剤とを用いて、固相体上の検出用プローブとのハイブリダイズ産物を形成し、そのシグナルを検出して、標的核酸の検出性能を評価した。なお、以下に示す実施例において、仲介剤I及び仲介剤IIを用いるそれぞれの方法の概要を図1及び図2に例示し、比較例の方法の概要を図3に例示する。
(1)DNAマイクロアレイの作製
東洋鋼鈑社製geneslideガラス基板に、3’末端をアミノ基で修飾した合成オリゴDNA(株式会社日本遺伝子研究所製)を溶かした水溶液を検出用プローブとし、日本ガイシ株式会社にてGENESHOT(登録商標)スポッターを用いてスポットした。使用した合成オリゴDNA配列は、文献(Analytical Biochemistry 364(2007)78-85)のSupplementary Table1記載のD1_1からD1_100の100種(配列番号1〜100)のうち、D1_1からD1_32(配列番号1〜32)およびD1_100(配列番号100)とした。これらのオリゴDNAをスポットの後、80℃、1時間のベークを行った。さらに、2×SSC/0.2%SDSで15分洗浄後、95℃で2×SSC/0.2%SDSで5分間洗浄し、さらに、滅菌水を用いて10回上下振とうする洗浄を3回行った後、遠心(1000rpm×3分)を行い、液切りを行った。
(2)ゲノムDNA(標的核酸)の増幅
口腔内の微生物種のうち、評価に用いた微生物種は、Enterococcus faecaliso(微生物A)及びPseudoramibacter alactolyticus(微生物B)とした。また、これらの微生物の標的核酸を増幅するための増幅用プライマー配列は以下の通りとした(以下において、塩基配列は、特に断りのない限り、それぞれ5’から3’方向で示す)。
F−プライマー(微生物A及びBの共用):Cy3-AGGTTAAAACTCAAAGGAATTGACG
R−プライマー(微生物A用):GCAGATTCATTGGTCAGAGAACATATCTCTAGAGTGGT
R−プライマー(微生物B用):CATCTAAAGCGTTCCCAGTTCCATATCTCTATTGCGCT
また、核酸増幅反応の条件は以下のとおりとした。すなわち、反応液は、蒸留水、15μl、Master Mix1(Multiplex PCR Kit QIAGEN)25μl、10pmol/μlのFプライマー3.75μl、10pmol/μl各Fプライマー3.75μl及びテンプレートDNA 2.5μlで全量50μlとした。また、反応条件は、95℃で15分保持した後、94℃で0.5分、62℃で0.5分及び72℃で0.5分を50サイクル実施し、その後72℃で10分間保持した。
以上の条件で増幅反応を行い、増幅したサンプル遺伝子はQIAGEN社のMinElute PCR Purification Kitにて精製を行った後、狙いとする長さで増幅されていることを確認した。
(3)DNAマイクロアレイを用いた検出
(2)で蛍光標識された増幅産物(シグナル化標的核酸)を用いたDNAマイクロアレイへの反応及びその検出手順は、以下のとおりとした。
(ハイブリダイズ用標識サンプル溶液の調製)
ハイブリダイズ用標識サンプル溶液は、コントロール液(濃度2.5nM)1.5μl、ハイブリダイゼーション液9.0μl及び仲介剤溶液(濃度100nM)4.0μl(小計14.5μl)にシグナル化標的核酸溶液(PCR増幅産物)4.0μlを加えて合計18.5μlとした。
コントロール液は、Alexa555-rD1_100(100nM)10μl、TE(pH8.0)390μlを混合して合計400μlとした(Alexa555-rD1_100の濃度は、2.5nM)。なお、Alexa555標識オリゴDNAは、DNAマイクロアレイ用プローブのうちD1_100配列に相補な配列の5’末端をAlexa555で標識したものである。
ハイブリダイゼーション液は、20×SSC 2.0ml、10%SDS 0.8ml、100%Formamide 12.0ml、100mM EDTA 0.8ml及びmilliQ水24.4mlを混合し合計40.0mlとした。
仲介剤液は、以下の塩基配列オリゴDNAを仲介剤として、仲介剤1及びIIの4種をそれぞれ100nM含有する2種(仲介剤I液、II液)を調製した。なお、仲介剤Iは、第1の部位と第2の部位とを備える4種、仲介剤IIは、第1の部位と第2の部位と、これらの間に連結部位を備える4種を準備した。仲介剤IIの塩基配列におけるX(連結部位(プロピレン鎖))は、以下に示すホスホアミダイト化合物を用いDNAを合成した。
仲介剤I
微生物A用
仲介剤I−A1:AGGGTAACCAACCAGCGAGCAGATTCATTGGTCAGAGAACA(プローブD1−001に対応)
仲介剤I−A2:AAAGTGCGTCTAAGTTCGCATCTAAAGCGTTCCCAGTTCCA(プローブD1−002に対応)
微生物B用
仲介剤I−B1:CAGAGGGTAGCCAAGCCGGTCCGAAATTACAACGAAGCGAA(プローブD1−003に対応)
仲介剤I−B2:ATCCACATCATCCACCGAGTAGCGATTTCTTAGGATGCCT(プローブD1−004に対応)
仲介剤II
微生物A用
仲介剤II−A1:AGGGTAACCAACCAGCGAXGCAGATTCATTGGTCAGAGAACA(プローブD1−001に対応)
仲介剤II−A2:AAAGTGCGTCTAAGTTCGXCATCTAAAGCGTTCCCAGTTCCA(プローブD1−002に対応)
微生物B用
仲介剤II−B1:CAGAGGGTAGCCAAGCCGXGTCCGAAATTACAACGAAGCGAA(プローブD1−003に対応)
仲介剤II−B2:ATCCACATCATCCACCGXAGTAGCGATTTCTTAGGATGCCT(プローブD1−004に対応)
(ハイブリダイズ)
調製したハイブリダイズ用標識サンプル溶液を、Applied Biosystems社のGeneAmp PCR System 9700を使用し、90℃で1分加熱後、ヒートブロック(TAITEC社DTU-N)を使用し80℃で1分加熱した。次いで、サンプル溶液を各9μlずつ、DNAマイクロアレイのスポットエリアにかけ、乾燥防止のためコンフォート/プラス用サーモブロックSlide(Eppendorf社)を使用し、37℃で30分間静置することによりハイブリダイズ反応を行った。その後、洗浄液(MilliQ 188.0ml、20×SSC 10.0ml、10%SDS 2.0ml(合計200.0ml)をいれたガラス染色バットにハイブリダイズ反応終了後のガラス基板を浸漬し、5分間上下振とうした。その後、1×SSCを入れたガラス染色バットにガラス基板を移し、1分間上下振とうし、2000rpmで1分間遠心乾燥し、ガラス基板表面に残った水分を除去した。
(スキャナーによる蛍光検出)
MolecularDevices社GenePix4000Bを使用してLaserPowerおよびPMTを適宜調節し、蛍光画像を取得した。結果を図4、図5及び図6に示す。
なお、比較例として、以下の検出用プローブを東洋鋼板株式会社製のガラス基板に実施例と同様、3’末端をアミノ基で修飾して所定のパターンでスポットして、さらに、実施例で検出対象とした同様の微生物に対して共通する以下のプライマーセットで増幅した増幅産物につき、実施例と同様にして核酸増幅反応を実施し、得られた増幅産物10μlと実施例で用いたハイブリダイゼーションバッファ40μlの合計50μlを95℃で3分加熱後、3分氷冷し、50℃で2時間でガラス基板上でハイブリダイゼーションを行った。洗浄は、2×SSCで、室温で5分間、シェイカーを用いて行った。さらに、実施例に準じて洗浄を行った。結果を、実施例と同様にしてスキャナーにより蛍光画像を取得した。結果を図7に示す。
検出用プローブ(微生物A用):ACCACTCTAGAGATA
検出用プローブ(微生物B用):AGCGCAATAGAGATA
F−プライマー(微生物A及びBの共用):Cy3-AGGTTAAAACTCAAAGGAATTGACG
R−プライマー(微生物A及びBの共用):Cy3-ATGGTGTGACGGGCGGTGTGT
図4〜図6に示すように、仲介剤I及びIIを用いたハイブリダイゼーションは、微生物A及びBにそれぞれ有効であり、また、検出用プローブ1〜4に対してそれぞれ特異的に反応した。すなわち、仲介剤I(連結部位なし)を用いて微生物A及びBを検出した結果は、図4の左図及び右図にそれぞれ示す。図4に示すように、いずれの仲介剤Iを用いても、良好に微生物A及Bを検出できた。また、仲介剤II(連結部位あり)を用いて微生物A及びBを検出した結果は、図5の左図及び右図にそれぞれ示す。図5に示すように、いずれの仲介剤IIを用いても、良好に微生物A及Bを検出できた。
以上のことから、同一プライマーセットで増幅した標的核酸の異なる標的配列に対して特異的にハイブリダイズする仲介剤を用いても、高い特異性で異なる検出用プローブにハイブリダイズさせることができることがわかった。
さらに、図6の左図には、微生物Aに対して仲介剤I及びIIを用いて同一の検出用プローブに関して得られた蛍光強度を比較した結果を示す。図6の左図に示すように、いずれの検出用プローブにおいても、仲介剤IIを用いたときのほうが蛍光強度が高い結果となった。図6の右図には、微生物Bに対して仲介剤I及びIIを用いて同一の検出用プローブに関して得られた蛍光強度を比較した結果を示す。図6の右図に示すように、いずれの検出用プローブにおいても、仲介剤IIを用いたときのほうが蛍光強度が高い結果となった。以上のことから、連結部位を備える仲介剤IIを用いることで、標的核酸の同一部位にハイブリダイズし、同じ検出用プローブに特異的にハイブリダイズするように設計した仲介剤であっても、連結部位を備えるほうが高い検出感度が得られることがわかった。
さらに、仲介剤を用い、人工的塩基配列を用いる実施例の方法では、37℃で30分という迅速なハイブリダイゼーションにより、上記のような特異性の高いハイブリダイゼーションが可能であることがわかった。
また、図7に示すように、比較例の方法(従来法)であっても、微生物A及びBはそれぞれ特異的なプローブにより検出できた。なお、従来法は、50℃で2時間という高温でかつ長時間のハイブリダイゼーションを行っている。したがって、標的核酸の検出に係る時間は実施例の方法に比較して大幅に長時間化されている。さらに、微生物A及びBにそれぞれ特異的なプローブを調製し、それを固定化する操作も必要であるため、全体として、実施例の方法に比較して高コスト及び低パフォーマンスであることがわかった。
本実施例では、実施例1と同様にしてシグナル化標的核酸と仲介剤とを用いて、固相体上の検出用プローブとのハイブリダイズ産物を形成し、そのシグナルを検出して、標的核酸の検出性能を評価した。なお、ゲノムDNA(標的核酸)の増幅において、以下のプライマーを使用する以外は、実施例1と同様にDNAマイクロアレイ、ゲノムDNA(標的核酸)の増幅、DNAマイクロアレイを用いた検出を実施した。また、比較例としても、ハイブリダイゼーション液を、増幅産物10μlとハイブリダイゼーションバッファ10μlとの合計20μlをDNAマイクロアレイに供した以外は、実施例1における比較例と同様に実施した。
F−プライマー(微生物A及びBの共用):Cy3-AGGTTAAAACTCAAAGGAATTGACG
R−プライマー(微生物A及びBの共用):Cy3-ATGGTGTGACGGGCGGTGTGT
その結果、実施例1と同様に、いずれの仲介剤Iを用いても、良好に微生物A及Bを検出できた。また、いずれの仲介剤IIを用いても、良好に微生物A及Bを検出できた。
本実施例では、メンブレンタイプDNAマイクロアレイを用いて標的核酸を検出した。
(1)メンブレンタイプDNAマイクロアレイの作製
メルクミリポア製Hi-Flow Plus メンブレンシート(60mm x 600mm)にキャプチャーDNAプローブ溶液を、特開2003−75305号公報に記載されている吐出ユニット(インクジェット法)を用いた日本ガイシ株式会社GENESHOT(登録商標)スポッターを用いて、図8に示すパターンとプローブ種でスポットした。なお、使用したプローブの合成オリゴヌクレオチドのDNA配列は、文献(Analytical Biochemistry 364(2007)78-85)のSupplementary Table1記載のD1_1からD1_100の100種のうち任意の44種の配列をコモンタグとして使用し図8に示すものを使用した。なお、D1に続く番号は、配列番号に対応している。スポットに使用した合成オリゴヌクレオチド(DNA)については、5’末端をタンパク質(アルブミン、アビジン等)で修飾されたDNAの固定化を行った。
(2)サンプル遺伝子の増幅
実施例1と同様の微生物種(Enterococcus faecaliso(微生物A)及びPseudoramibacter alactolyticus(微生物B))を評価に用いた。また、プライマーは、以下に示すFプライマー及びRプライマーを共通して用い、増幅条件は、実施例1と同様の条件とした。
F−プライマー(微生物A及びBの共用):biotin-AGGTTAAAACTCAAAGGAATTGACG
R−プライマー(微生物A及びBの共用):biotin-ATGGTGTGACGGGCGGTGTGT
増幅したサンプル遺伝子はQIAGEN社のMinElute PCR Purification Kitにて精製を行った後、狙いとする長さの断片として増幅されていることを確認した。
(3)DNAマイクロアレイを用いた検出
(2)にて増幅したサンプルを用いてのDNAマイクロアレイへの反応及びその検出手順は以下の通りに行った。すなわち、ハイブリダイズサンプル液は、ハイブリダイゼーション液(0.5%Tween20-1%BSA-PBS)200.0μl、仲介剤溶液(濃度100nM)4.0μl及びコントロール液(濃度2.5nM)4.0μlに各ビオチン化標的核酸溶液(PCR増幅産物)4.0μlを加えて合計212.0μlとした。なお、コントロール液は、biotin-rD1_100(100nM)10μl、TE(pH8.0)390μlを混合して合計400μlとした(Alexa555-rD1_100の最終濃度は、2.5nM)。なお、このbiotin標識オリゴDNAは、DNAマイクロアレイ用プローブのうちD1_100配列に相補な配列の5’末端をbiotinで標識したものである。
仲介剤液は、以下の塩基配列オリゴDNAを仲介剤として用い、これら2種及び1種の仲介剤をそれぞれ100nM含有するように調製した。
微生物A用
仲介剤II−A1:AGGGTAACCAACCAGCGAXGCAGATTCATTGGTCAGAGAACA(プローブD1−001に対応)
仲介剤II−A2:AAAGTGCGTCTAAGTTCGXCATCTAAAGCGTTCCCAGTTCCA(プローブD1−002に対応)
微生物B用
仲介剤II−B1:CAGAGGGTAGCCAAGCCGXGTCCGAAATTACAACGAAGCGAA(プローブD1−003に対応)
(3)DNAマイクロアレイを用いた検出
DNAマイクロアレイを0.2mlチューブに入る大きさに切断し、チューブ内にセットし、上記調製ハイブリダイズサンプル液各200μlを加えて、ヒートブロック温度90℃で1分間熱変性を行った後、37℃で30分間反応させた。反応終了後、DNAマイクロアレイを洗浄液(0.1%Tween20-1mM EDTA-TBS)入り0.2mlチューブに移し、37℃のヒートブロック内で洗浄作業(37℃×1分、37℃×10分、37℃×1分)を行った。
洗浄済みアレイをビオチン−HRPとストレプトアビジンとの混合液が入った0.2mlチューブに移して室温下で20分間の反応を行った。反応終了後、DNAマイクロアレイを洗浄液(0.1%Tween20-1mM EDTA-TBS)入り0.2mlチューブに移し、洗浄作業(室温×1分、室温×10分、室温×1分)を行った。洗浄済みマイクアレイをVector Laboratories社製TMB Peroxidase Substrate Kit,3,3’,5,5’- tetramethylbenzidineを用いて室温下で5分程度の発色反応を行った。
(検出判定)
アレイの乾燥後の発色結果を図9に示す。図9に示すように、発色結果を目視にて確認したところ、濃い発色が見られた。以上の結果から、仲介剤を介してプローブとビオチン化標的核酸とのハイブリダイズ産物がアレイ上において検出できたことがわかった。
本実施例は、核酸クロマトグラフィーによって標的核酸を検出した。
(1) メンブレンタイプDNAマイクロアレイ(クロマトグラフィー用固相体)の作製
メルクミリポア製Hi-Flow Plus メンブレンシート(60mm x 600mm)にキャプチャーDNAプローブ溶液を、特開2003−75305号公報に記載されている吐出ユニット(インクジェット法)を用いた日本ガイシ株式会社GENESHOT(登録商標)スポッターを用いて、図10に示すパターン及びプローブ種にてスポットした。なお、図10に示すプローブのD1に続く番号は、配列番号に対応している。スポットに使用した合成オリゴヌクレオチド(DNA)については、5’末端をタンパク質(アルブミン、アビジン等)で修飾されたDNAの固定化を行った。スポットの後、60℃、1時間のベークを行うことで合成オリゴDNAの固定化を行った。
(2)サンプル遺伝子の増幅
実施例1と同様の微生物種(Enterococcus faecaliso(微生物A)及びPseudoramibacter alactolyticus(微生物B))を評価に用いた。また、プライマーは、実施例2で用いたのと同じFプライマー及びRプライマーを共通して用い、増幅条件は、実施例1と同様の条件とした。増幅したサンプル遺伝子はQIAGEN社のMinElute PCR Purification Kitにて精製を行った後、狙いとする長さの断片として増幅されていることを確認した。
(3)クロマトグラフィー用固相体を用いた検出
(2)にて増幅したDNAを用いての核酸クロマトグラフィーによるハイブリダイゼーション反応及びその検出を行った。
まず、PBS30.0μl、仲介剤溶液(濃度100nM)5.0μl及びビオチン化標的核酸溶液(PCR増幅産物)10.0μlを加えて合計45.0μlとし、増幅反応液を調製した。
なお、仲介剤液は、以下の塩基配列オリゴヌクレオチドを仲介剤として用い、これら各1種をそれぞれ100nM含有するように調製した。
微生物A用
仲介剤II−A1:AGGGTAACCAACCAGCGAXGCAGATTCATTGGTCAGAGAACA(プローブD1−001に対応)
微生物B用
仲介剤II−B1:CAGAGGGTAGCCAAGCCGXGTCCGAAATTACAACGAAGCGAA(プローブD1−003に対応)
次に、増幅反応液45μlをヒートブロック温度90℃で1分間熱変性を行った後、氷冷し、仲介剤とビオチン化標的核酸とのハイブリダイズ産物を含む反応液を調製した。
上記反応後、上記反応液45.0μlにラテックス液5μlを加えて展開液とし、この50μlを、0.2mlチューブに加えた。この0.2mlチューブに、当該チューブに入るように切断したDNAマイクロアレイの下端部を差込んでクロマトグラフィーによるハイブリダイゼーション反応を開始した。展開液は約20分間ですべて吸い上がりクロマトグラフィーによるハイブリダイゼーション反応は完了した。なお、ラテックス液としては、青色系の着色剤を含有するポリスチレン系のラテックスビーズにアビジン(ストレプトアビジン)を被覆させたものを所定の濃度となるようにPBSを用いて調製したものを用いた。
反応終了後、アレイを風乾した後、目視による反応箇所の確認及び画像を撮影した。結果を図11に示す。図11に示すように、微生物A及びBから取得した標的核酸につき、狙いとする領域に濃い青い発色が観察された。以上のことから、クロマトグラフィーによるハイブリダイゼーションにおいても、仲介剤を介したハイブリダイズ産物を検出できることがわかった。
配列番号1〜100:プローブ

Claims (20)

  1. 標的核酸を検出する方法であって、
    所定の塩基配列を有する検出用プローブを備える固相体を準備する工程と、
    前記標的核酸を検出するためのシグナル発生部を有するシグナル化標的核酸を準備する工程と、
    前記シグナル化標的核酸と、前記検出用プローブと、前記標的核酸と特異的にハイブリダイズする第1の部位と前記検出用プローブの前記所定の塩基配列部分と特異的にハイブリダイズする第2の部位(好ましくは、20塩基以上50塩基以下であり、より好ましくは、20塩基以上25塩基以下である。)とを備えるオリゴヌクレオチドである仲介剤と、これらのハイブリダイズ産物を形成可能に接触させる工程と、
    前記固相体上において、前記シグナル化標的核酸の前記シグナル発生部に基づく情報を取得する工程と、
    を備える、方法。
  2. 前記シグナル化標的核酸の準備工程は、標的核酸を含む可能性のある核酸試料に対してDNAポリメラーゼを用いたDNA断片増幅法を利用して前記シグナル化標的核酸を取得する工程である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記シグナル化標的核酸の準備工程は、シグナル発生部を有するプライマーを含むプライマーセットを用いたDNAポリメラーゼを用いたDNA断片増幅法を利用する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記シグナル発生部は、一次的又は二次的に発色可能な物質を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記検出用プローブは前記標的核酸に予め関連付けられた所定の塩基配列を有している、請求項1又は2に記載の方法。
  6. 前記検出用プローブの前記所定の塩基配列は、正規直交化配列から選択される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記検出用プローブの前記所定の塩基配列は、配列番号1〜配列番号100に記載の塩基配列又はこの塩基配列に相補的な塩基配列から選択される、請求項5又は6に記載の方法。
  8. 前記固相体準備工程は、2以上の前記標的核酸を検出可能に、2以上の前記検出用プローブを備える前記固相体を準備する工程である、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記仲介剤は、さらに、第1の部位と第2の部位とを連結するリンカー部位を備えている、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記仲介剤の前記リンカー部位は、DNAポリメラーゼ反応を抑制又は停止可能な連結部位であり、好ましくは、リン酸ジエステル結合を介して前記プローブ中のヌクレオチドに隣接される、元素数が2以上40以下であって置換されていてもよいアルキレン鎖又はポリオキシアルキレン鎖を含んでおり、より好ましくは、以下のいずれかの式で表される、方法。
    5’−O−Cm2m−O−3’ 式(1)
    (式中、5’は、5’側のリン酸ジエステル結合の酸素原子を表し、3’は、3’側のリン酸ジエステル結合のリン酸原子を表し、mは2以上40以下の整数を表す。)、
    又は、
    5’−(OCn2nl−O−3’ 式(2)
    (式中、5’は、5’側のリン酸ジエステル結合の酸素原子を表し、3’は、3’側のリン酸ジエステル結合のリン酸原子を表し、nは2以上4以下の整数を表し、lは、2以上の整数であって、(n+1)×lは40以下となる整数を表す。)
  11. 標的核酸の検出用キットであって、
    所定の塩基配列を有する検出用プローブ1又は2以上を備える固相体と、
    前記標的核酸と特異的にハイブリダイズする第1の部位と前記検出用プローブの前記所定の塩基配列部分と特異的にハイブリダイズする第2の部位とを備えるオリゴヌクレオチドと、
    を備える、キット。
  12. 前記シグナル発生部は、一次的又は二次的に発色可能な物質を含む、請求項11に記載のキット。
  13. 前記検出用プローブは前記標的核酸に予め関連付けられた所定の塩基配列を有している、請求項11又は12に記載の方法。
  14. 前記検出用プローブの前記所定の塩基配列は、正規直交化配列から選択される、請求項13に記載のキット。
  15. 前記検出用プローブの前記所定の塩基配列は、配列番号1〜配列番号100に記載の塩基配列又はこの塩基配列に相補的な塩基配列から選択される、請求項14に記載のキット。
  16. 前記仲介剤は、さらに、第1の部位と第2の部位とを連結するリンカー部位を備えている、請求項11〜15のいずれかに記載のキット。
  17. 前記仲介剤の前記リンカー部位は、DNAポリメラーゼ反応を抑制又は停止可能な連結部位である、請求項16に記載のキット。
  18. さらに、前記標的核酸を検出するためのシグナル発生部を有するシグナル化標的核酸をDNAポリメラーゼを用いてDNA増幅方法によって取得するためプライマーセットを備える、請求項11〜17のいずれかに記載のキット。
  19. 所定の塩基配列を有する1又は複数のプローブを備える固相体であるユニバーサルアレイから1又は2以上の標的核酸に対するオーダーメイドアレイを製造する方法であって、
    前記ユニバーサルアレイを準備する工程と、
    前記1又は2以上の標的核酸と特異的にハイブリダイズする第1の部位と前記プローブの前記所定の配列と特異的にハイブリダイズする第2の部位とを有する1又は2以上のオリゴヌクレオチドである仲介剤を準備する工程と、
    前記ユニバーサルアレイ上において前記プローブと前記仲介剤とのハイブリダイズ産物を形成する工程と、
    を備える、方法。
  20. 所定の塩基配列を有する1又は複数のプローブを備える固相体であるユニバーサルアレイから1又は2以上の標的核酸に対するオーダーメイドキットを製造する方法であって、
    前記ユニバーサルアレイを準備する工程と、
    前記1又は2以上の標的核酸と特異的にハイブリダイズする第1の部位と前記プローブの前記所定の塩基配列と特異的にハイブリダイズする第2の部位とを有する1又は2以上のオリゴヌクレオチドである仲介剤を準備する工程と、
    を備える、方法。
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