JPWO2013122236A1 - 塩基部保護オリゴヌクレオチド - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は以下を含む。
q+1個のBase2は、独立してそれぞれ、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されている核酸塩基を示し;
P1は、水素原子、または酸性条件下で除去可能な一時保護基を示し;
Xは、水素原子、保護されていてもよい水酸基、ハロゲン原子又は4位炭素原子に架橋する有機基を示し;
q個のX’は、独立してそれぞれ、水素原子、保護されていてもよい水酸基、ハロゲン原子又は4位炭素原子に架橋する有機基を示し;
q+1個のP2は、独立してそれぞれ、塩基性条件下で除去可能な保護基を示し;
q個のR34は、独立してそれぞれ、酸素原子もしくは硫黄原子を示し;
Re及びRfは、独立してそれぞれ、C1−6アルキル基を示すか、または隣接する窒素原子と一緒になって形成する、5または6員の飽和環状アミノ基を示す。)
で表される、塩基部保護オリゴヌクレオチド。
[3]C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基が、
式(k):
R27は、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示す。)
で表される基、
式(l):
Q1は、−O−、−S−または−NR30−(式中、R30は、水素原子またはC1−22アルキル基を示す。)を示し;
Rc及びRdは、独立してそれぞれ、水素原子またはC1−22アルキル基を示し;
R28は、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示す。)
で表される基、
式(m):
lは、1〜5の整数を示し;
l個のQ2は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−O−CH2−、−NH−、−NHC(=O)−、−C(=O)NH−、−NH−CH2−又は−CH2−を示し;
l個のR29は、独立してそれぞれ、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示し;
環Cは、l個のQ2R29、および*C=Oに加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよいベンゼン環又はシクロヘキサン環を示す。)で表される基、または
式(s):
R35及びR36は、独立してそれぞれ、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示す。)で表される基
である、[1]または[2]に記載の塩基部保護オリゴヌクレオチド。
[8](2)3’位水酸基がホスホロアミダイト化され、5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護され、かつ核酸塩基がC5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されたp個重合塩基部保護オリゴヌクレオチド(pは、1以上の任意の整数を示す。)を、5’位水酸基が保護されておらず、かつ3’位水酸基が保護されたn個重合オリゴヌクレオチド(nは、1以上の任意の整数を示す。)と、その5’位水酸基を介してホスファイトトリエステル結合により縮合させる工程を含む、n+p個重合オリゴヌクレオチドの製造方法。
[10]更に、下記工程(3)を含有する、[8]または[9]に記載の製造方法。
(3)縮合工程(2)の反応液に、酸化剤または硫化剤を添加して、縮合工程で得られたn+p個重合オリゴヌクレオチドのホスファイトトリエステル結合を、ホスフェートトリエステル結合またはチオホスフェートトリエステル結合へと変換する工程。
(1)縮合工程(2)の前に、非極性溶媒中において、3’位水酸基が保護され、かつ5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護されたn個重合オリゴヌクレオチドを酸と反応させて5’位水酸基の一時保護基を除去する工程。
(4)工程(3)で得られた反応液から抽出操作のみで、n+p個重合オリゴヌクレオチドを単離する工程。
(5)工程(4)で得られたn+p個重合オリゴヌクレオチドの保護基を全て除去する工程。
一般式(III):
Lは、式(a1):
L1は、置換されていてもよい2価のC1−22炭化水素基を示し;かつ
L2は、単結合を示すか、または**C(=O)N(R2)−R1−N(R3)***(式中、**は、L1との結合位置を示し、***は、C=Oとの結合位置を示し、R1は、置換されていてもよいC1−22アルキレン基を示し、R2およびR3は、独立してそれぞれ、水素原子もしくは置換されていてもよいC1−22アルキル基を示すか、またはR2およびR3が一緒になって、置換されていてもよいC1−22アルキレン結合を形成していてもよい。)で表される基を示す。)で示される基を示し、
Yは、酸素原子、またはNR(Rは、水素原子、アルキル基またはアラルキル基を示す。)を示し、ならびに
Zは、式(a2):
R4は、水素原子であるか、あるいはRbが下記式(a3)で表される基である場合には、R6と一緒になって単結合または−O−を示して、環Bと共にフルオレニル基またはキサンテニル基を形成していてもよく;
k個のQは、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−または−NH−を示し;
k個のR5は、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;
kは、1〜4の整数を示し;
環Aは、R4、k個のQR5、および*C(Ra)(Rb)に加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよく;
Raは、水素原子を示し;かつ
Rbは、水素原子または式(a3):
jは、0〜4の整数を示し;
j個のQは、独立してそれぞれ、前記と同意義を示し;
j個のR7は、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;
R6は、水素原子を示すか、またはR4と一緒になって単結合または−O−を示して、環Aと共にフルオレニル基またはキサンテニル基を形成していてもよく;かつ
環Bは、j個のQR7、およびR6に加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよい)で表される基を示す。]
で表される基により保護されている、[8]〜[15]のいずれか1つに記載の製造方法。
式(k):
R27は、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示す。)
で表される基、
式(l):
Q1は、−O−、−S−または−NR30−(式中、R30は、水素原子またはC1−22アルキル基を示す。)を示し;
Rc及びRdは、独立してそれぞれ、水素原子またはC1−22アルキル基を示し;
R28は、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示す。)
で表される基、
式(m):
lは、1〜5の整数を示し;
l個のQ2は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−O−CH2−、−NH−、−NHC(=O)−、−C(=O)NH−、−NH−CH2−又は−CH2−を示し;
l個のR29は、独立してそれぞれ、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示し;
環Cは、l個のQ2R29、および*C=Oに加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよいベンゼン環又はシクロヘキサン環を示す。)で表される基、または
式(s):
R35及びR36は、独立してそれぞれ、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示す。)で表される基
である、[8]〜[17]のいずれか1つに記載の製造方法。
m+1個のBase1は、独立してそれぞれ、保護されていてもよい核酸塩基を示し;
P1は、水素原子、または酸性条件下で除去可能な一時保護基を示し;
Xは、水素原子、保護されていてもよい水酸基、ハロゲン原子又は4位炭素原子に架橋する有機基を示し;
m個のX’は、独立してそれぞれ、水素原子、保護されていてもよい水酸基、ハロゲン原子又は4位炭素原子に架橋する有機基を示し;
m個のP2は、独立してそれぞれ、塩基性条件下で除去可能な保護基を示し;
m個のR34は、独立してそれぞれ、酸素原子もしくは硫黄原子を示し;
Lは、式(a1):
L1は、置換されていてもよい2価のC1−22炭化水素基を示し;かつ
L2は、単結合を示すか、または**C(=O)N(R2)−R1−N(R3)***(式中、**は、L1との結合位置を示し、***は、C=Oとの結合位置を示し、R1は、置換されていてもよいC1−22アルキレン基を示し、R2およびR3は、独立してそれぞれ、水素原子もしくは置換されていてもよいC1−22アルキル基を示すか、またはR2およびR3が一緒になって、置換されていてもよいC1−22アルキレン結合を形成していてもよい。)で表される基を示す。)で示される基を示し、
Yは、酸素原子、またはNR(Rは、水素原子、アルキル基またはアラルキル基を示す。)を示し、ならびに
Zは、式(a2):
R4は、水素原子であるか、あるいはRbが下記式(a3)で表される基である場合には、R6と一緒になって単結合または−O−を示して、環Bと共にフルオレニル基またはキサンテニル基を形成していてもよく;
k個のQは、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−または−NH−を示し;
k個のR5は、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;
kは、1〜4の整数を示し;
環Aは、R4、k個のQR5、および*C(Ra)(Rb)に加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよく;
Raは、水素原子を示し;かつ
Rbは、水素原子または式(a3):
jは、0〜4の整数を示し;
j個のQは、独立してそれぞれ、前記と同意義を示し;
j個のR7は、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;
R6は、水素原子を示すか、またはR4と一緒になって単結合または−O−を示して、環Aと共にフルオレニル基またはキサンテニル基を形成していてもよく;かつ
環Bは、j個のQR7、およびR6に加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよい)で表される基を示す。]
で表される、分岐鎖含有芳香族保護オリゴヌクレオチド。
[24]R5およびR7が、独立してそれぞれ、3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル基、3,7,11−トリメチルドデシル基、2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ドデカノイル基、3,4,5−トリ(3’,7’,11’,15’−テトラメチルヘキサデシルオキシ)ベンジル基、または3,5−ジ(3’,7’,11’,15’−テトラメチルヘキサデシルオキシ)ベンジル基である、[22]または[23]に記載の分岐鎖含有芳香族保護オリゴヌクレオチド。
[27]一般式(III):
Lは、式(a1):
L1は、置換されていてもよい2価のC1−22炭化水素基を示し;かつ
L2は、単結合を示すか、または**C(=O)N(R2)−R1−N(R3)***(式中、**は、L1との結合位置を示し、***は、C=Oとの結合位置を示し、R1は、置換されていてもよいC1−22アルキレン基を示し、R2およびR3は、独立してそれぞれ、水素原子もしくは置換されていてもよいC1−22アルキル基を示すか、またはR2およびR3が一緒になって、置換されていてもよいC1−22アルキレン結合を形成していてもよい。)で表される基を示す。)で示される基を示し、
Yは、酸素原子、またはNR(Rは、水素原子、アルキル基またはアラルキル基を示す。
)を示し、ならびに
Zは、式(a2):
R4は、水素原子であるか、あるいはRbが下記式(a3)で表される基である場合には、R6と一緒になって単結合または−O−を示して、環Bと共にフルオレニル基またはキサンテニル基を形成していてもよく;
k個のQは、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−または−NH−を示し;
k個のR5は、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;
kは、1〜4の整数を示し;
環Aは、R4、k個のQR5、および*C(Ra)(Rb)に加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよく;
Raは、水素原子を示し;かつ
Rbは、水素原子または式(a3):
jは、0〜4の整数を示し;
j個のQは、独立してそれぞれ、前記と同意義を示し;
j個のR7は、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;
R6は、水素原子を示すか、またはR4と一緒になって単結合または−O−を示して、環Aと共にフルオレニル基またはキサンテニル基を形成していてもよく;かつ
環Bは、j個のQR7、およびR6に加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよい)で表される基を示す。]
で表される、ヌクレオチド3’−水酸基の保護基。
2−{4−[2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ドデカノイルアミノ]ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;4−(3,7,11−トリメチルドデシルオキシ)ベンジルスクシニル基;2−{4−(3,7,11−トリメチルドデシルオキシ)ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;2−{3,5−ジ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;2−{1−[2,3,4−トリ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル]ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;2−{1−[4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル]−4’−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;3,4,5−トリス[3,4,5−トリ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジル]ベンジルスクシニル基;および2−{3,4,5−トリス[3,4,5−トリ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジル]ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基
からなる群から選択される、[27]に記載のヌクレオチド3’−水酸基の保護基。
[32]更に、下記工程(3’)を含有する、[30]または[31]に記載の製造方法。
(3’)縮合工程(2’)の反応液に、酸化剤または硫化剤を添加して、縮合工程で得られたn’+p’個重合オリゴヌクレオチドのホスファイトトリエステル結合を、ホスフェートトリエステル結合またはチオホスフェートトリエステル結合へと変換する工程。
(1’)縮合工程(2’)の前に、非極性溶媒中において、3’位水酸基が[27]〜[29]のいずれか一つに記載の保護基で保護され、かつ5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護されたn’個重合オリゴヌクレオチドを酸と反応させて5’位水酸基の一時保護基を除去する工程。
(4’)工程(3’)で得られた反応液から抽出操作のみで、n’+p’個重合オリゴヌクレオチドを単離する工程。
(5’)工程(4’)で得られたn’+p’個重合オリゴヌクレオチドの保護基を全て除去する工程。
本発明の塩基部保護オリゴヌクレオチド、特に分岐鎖塩基部保護オリゴヌクレオチドを用いることにより、ヌクレオチド伸長反応の各工程で得られる中間体のオリゴヌクレオチドの脂溶性及び有機溶媒(特に、非極性溶媒)に対する溶解性が格段に向上し、抽出操作のみで単離精製が可能となるため、固化単離などの煩雑で時間を要する操作を必要とせず、スピードが向上し、効率性・生産性が格段に向上する。
さらに、伸長したオリゴヌクレオチドを抽出操作のみで単離精製できるため、反応装置から生成物を取り出すことなく、次サイクルの伸長反応に繋げることができ、ワンポットでオリゴヌクレオチドの製造が連続的に行えるようになった。
また、本発明の別の態様として、特定の分岐鎖含有芳香族構造を有する保護基でヌクレオチド3’−水酸基を保護することによっても同種の溶解性向上効果が得られ、さらに塩基部保護オリゴヌクレオチドと併用することにより、相乗効果が得られることが明らかとなった。
また、本発明の別の態様は、核酸塩基がC5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する保護基で保護された塩基部保護オリゴヌクレオチドを用いることを特徴とする、オリゴヌクレオチドの製造方法に関するものであり、好ましくは、以下の工程(2)を含む。
(2)3’位水酸基がホスホロアミダイト化され、5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護され、かつ核酸塩基がC5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されたp個重合塩基部保護オリゴヌクレオチド(pは、1以上の任意の整数を示す。)を、5’位水酸基が保護されておらず、かつ3’位水酸基が保護されたn個重合オリゴヌクレオチド(nは、1以上の任意の整数を示す。)と、その5’位水酸基を介してホスファイトトリエステル結合により縮合させ、n+p個重合オリゴヌクレオチドを得る工程。
さらに、本発明のさらにもう一つの態様は、ヌクレオチド3’−水酸基の保護に用いられる特定の分岐鎖含有芳香族保護基に関する。
(2’)3’位水酸基がホスホロアミダイト化され、5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護され、かつ核酸塩基が保護されていてもよいp’個重合オリゴヌクレオチド(p’は、1以上の任意の整数を示す。)を、5’位水酸基が保護されておらず、かつ3’位水酸基が前記分岐鎖含有芳香族保護基で保護されたn’個重合オリゴヌクレオチド(n’は、1以上の任意の整数を示す。)と、その5’位水酸基を介してホスファイトトリエステル結合により縮合させて、n’+p’個重合オリゴヌクレオチドを得る工程。
以下、説明する。
文中で特に断らない限り、本明細書で用いるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されるのと同じ意味をもつ。本明細書に記載されたものと同様または同等の任意の方法および材料は、本発明の実施または試験において使用することができるが、好ましい方法および材料を以下に記載する。本明細書で言及したすべての刊行物および特許は、例えば、記載された発明に関連して使用されうる刊行物に記載されている、構築物および方法論を記載および開示する目的で、参照として本明細書に組み入れられる。
2位と4位が架橋したリボースとしては、例えば、下記式の化合物が挙げられる。
また、該「核酸塩基」には、上記した基の他に、核酸塩基が任意の置換基(例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシアルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ等)により任意の位置に1〜3個置換されている修飾核酸塩基(例えば、8−ブロモアデニル基、8−ブロモグアニル基、5−ブロモシトシル基、5−ヨードシトシル基、5−ブロモウラシル基、5−ヨードウラシル基、5−フルオロウラシル基、5−メチルシトシル基、8−オキソグアニル基、ヒポキサンチニル基等)も包含される。
本発明オリゴヌクレオチド合成に使用される塩基部保護オリゴヌクレオチドは、3’位水酸基がホスホロアミダイト化され、かつ5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護されたヌクレオチドの核酸塩基をC5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護することにより、中間体のオリゴヌクレオチドの脂溶性、有機溶媒(特に、非極性溶媒)に対する溶解性が顕著に向上し、液相合成に適したオリゴヌクレオチドの製造法を提供することができる。
有機溶媒に対する溶解性の観点から、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基としては、C5−30分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30分岐鎖アルケニル基が好ましい。
本明細書において、「非極性溶媒」としては、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶媒;酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒;ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、オクタン、ノナン、シクロヘキサン等の脂肪族系溶媒;ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等の非極性エーテル系溶媒が挙げられる。これらの溶媒は2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。中でも、芳香族系溶媒、脂肪族系溶媒、またはこれらの組合せが好ましく、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、ノナン、シクロヘキサンまたは、これらの組合せ等が好ましく、トルエン、ヘプタン、ノナンまたは、これらの組合せがより好ましく、トルエン、ヘプタンまたは、これらの組合せが特に好ましい。
なお、qが0の場合には、式(I)で表される塩基部保護オリゴヌクレオチドは、「塩基部保護ヌクレオシド」と解される。
q+1個のBase2は、独立してそれぞれ、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されている核酸塩基を示し;
P1は、水素原子、または酸性条件下で除去可能な一時保護基を示し;
Xは、水素原子、保護されていてもよい水酸基、ハロゲン原子又は4位炭素原子に架橋する有機基を示し;
q個のX’は、独立してそれぞれ、水素原子、保護されていてもよい水酸基、ハロゲン原子又は4位炭素原子に架橋する有機基を示し;
q+1個のP2は、独立してそれぞれ、塩基性条件下で除去可能な保護基を示し;
q個のR34は、独立してそれぞれ、酸素原子もしくは硫黄原子を示し;
Re及びRfは、独立してそれぞれ、C1−6アルキル基を示すか、または隣接する窒素原子と一緒になって形成する、5または6員の飽和環状アミノ基を示す。)
本発明化合物(I)である塩基部保護オリゴヌクレオチドを構成するリボース残基の2位の基X及びq個のX’は、独立してそれぞれ、水素原子、保護されていてもよい水酸基、ハロゲン原子又は4位炭素原子に架橋する有機基である。
かかる「保護されていてもよい水酸基」の保護基としては、特に限定されず、例えば、グリーンズ・プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Greene’s PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS)、第4版、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(JOHN WILLY&SONS)出版(2006年)等に記載されている任意の保護基を挙げることができる。具体的には、メチル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、tert−ブチル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、2−テトラヒドロピラニル基、エトキシエチル基、シアノエチル基、シアノエトキシメチル基、フェニルカルバモイル基、1,1−ジオキソチオモルホリン−4−チオカルバモイル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、[(トリイソプロピルシリル)オキシ]メチル(Tom)基、1−(4−クロロフェニル)−4−エトキシピペリジン−4−イル(Cpep)基等を挙げることができる。これらの中でも、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、またはtert−ブチルジメチルシリル基であることが好ましく、経済性及び入手の容易さの観点から、tert−ブチルジメチルシリル基であることが特に好ましい。
X及びX’で示される「4位炭素原子に架橋する有機基」としては、ヌクレオシド2位と4位を架橋する限り特に限定はないが、例えば、C2−7アルキレン基が挙げられる。当該アルキレン基は、例えば、−O−、−NR37−(R37は水素原子またはC1−6アルキル基を示す)、−S−、−CO−、−COO−、−OCONR38−(R38は水素原子またはC1−6アルキル基を示す)、−CONR39−(R39は水素原子またはC1−6アルキル基を示す)等から選ばれるリンカーで1箇所以上(好ましくは、1又は2箇所)中断されていてもよい。
「4位炭素原子に架橋する有機基」として好ましくは、例えば、−ORi(Riは4位に架橋するC1−6アルキレン基を示す)、−O−NR37−Rj(Rjは4位に架橋するC1−6アルキレン基を示し、R37は前記と同義を示す)、−O−Rk−O−Rl(RkはC1−6アルキレン基を示し、Rlは4位に架橋するC1−6アルキレン基を示す)等が挙げられる。Ri、Rj、Rk及びRlで示されるC1−6アルキレン基としては、それぞれ独立して、メチレン基またはエチレン基が好ましい。
「4位炭素原子に架橋する有機基」としては、−O−CH2−、−O−CH2−CH2−、−O−NR37−CH2−(R37は前記と同義を示す)、−O−CH2−O−CH2−等が好ましく、−O−CH2−、−O−CH2−CH2−、−O−NH−CH2−、−O−NMe−CH2−、−O−CH2−O−CH2−(それぞれ、左側が2位に結合し、右側が4位に結合する。)等がより好ましい。
Re及びRfとしては、イソプロピル基が好ましい。
R27は、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示す。)
で表される基、
式(l):
Q1は、−O−、−S−または−NR30−(式中、R30は、水素原子またはC1−22アルキル基を示す。)を示し;
Rc及びRdは、独立してそれぞれ、水素原子またはC1−22アルキル基を示し;
R28は、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示す。)
で表される基、
式(m):
lは、1〜5の整数を示し;
l個のQ2は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−O−CH2−、−NH−、−NHC(=O)−、−(=O)NHC−、−NH−CH2−又は−CH2−を示し;
l個のR29は、独立してそれぞれ、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示し;
環Cは、l個のQ2R29、および*C=Oに加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよいベンゼン環又はシクロヘキサン環を示す。)で表される基、または
式(s):
R35及びR36は、独立してそれぞれ、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示す。)で表される基。
式(m)において、lとしては1が好ましく、Q2としては−O−が好ましく、環Cとしてはベンゼン環が好ましい。
n19は、2〜6の整数を示し;
n19個のR30およびR31は、独立してそれぞれ、水素原子またはC1−4アルキル基を示し;
n19個のX6は、独立してそれぞれ、単結合またはC1−4アルキレン基を示し;かつ
R32は、水素原子またはC1−4アルキル基を示し;
R33は、C1−4アルキル基を示す。
但し、R30およびR31が共に水素原子であることはなく、かつn19が2の場合には、R32はC1−4アルキル基を示す。)で表される分岐鎖アルキル基。
n19個のR30およびR31は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基またはエチル基であり;
n19個のX6は、独立してそれぞれ、単結合、メチレン基またはエチレン基であり;
R32は、水素原子、メチル基またはエチル基であり;かつ
R33は、メチル基またはエチル基である基が好ましい(但し、R30およびR31が共に水素原子であることはなく、かつn19が2の場合には、R32はメチル基またはエチル基を示す。)。
n20は、1〜5の整数を示し;
n21は、1〜5の整数を示し;
n20個のR20およびR21は、独立してそれぞれ、水素原子またはC1−4アルキル基を示し;
n20個のX3は、独立してそれぞれ、単結合またはC1−4アルキレン基を示し;
n21個のR22およびR23は、独立してそれぞれ、水素原子またはC1−4アルキル基を示し;
n21個のX5は、独立してそれぞれ、単結合またはC1−4アルキレン基を示し;
X4は、単結合またはC1−4アルキレン基を示し;かつ
R17、R18、R19、R24、R25およびR26は、独立してそれぞれ、水素原子またはC1−4アルキル基を示す。
但し、R20およびR21、および/またはR22およびR23が共に水素原子であることはなく、かつn20+n21が2の場合には、R17、R18およびR19の2個以上が独立してそれぞれ、C1−4アルキル基を示すか、またはR24、R25およびR26の2個以上が独立してそれぞれ、C1−4アルキル基を示す。)で表される分岐鎖アルキル基。
n20は、1〜5の整数であり;
n21は、1〜5の整数であり;
n20個のR20およびR21は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基またはエチル基であり;
n20個のX3は、独立してそれぞれ、単結合、メチレン基またはエチレン基であり;
n21個のR22およびR23は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基またはエチル基であり;
n21個のX5は、独立してそれぞれ、単結合、メチレン基またはエチレン基であり;
X4は、単結合、メチレン基またはエチレン基であり;
R17、R18、R19、R24、R25およびR26は、独立してそれぞれ、水素原子またはC1−4アルキル基である基が好ましい(但し、R20およびR21、および/またはR22およびR23が共に水素原子であることはなく、かつn20+n21が2の場合には、R17、R18およびR19の2個以上が独立してそれぞれ、C1−4アルキル基を示すか、またはR24、R25およびR26の2個以上が独立してそれぞれ、C1−4アルキル基を示す。)。
n20は、1〜5の整数であり;
n21は、1〜5の整数であり;
n20個のR20およびR21は、独立してそれぞれ、水素原子またはメチル基であり;
n20個のX3は、独立してそれぞれ、単結合またはメチレン基であり;
n21個のR22およびR23は、独立してそれぞれ、水素原子またはメチル基であり;
n21個のX5は、独立してそれぞれ、単結合またはメチレン基であり;
X4は、単結合またはメチレン基であり;かつ
R17、R18、R19、R24、R25およびR26は、メチル基である基が挙げられる(但し、R20およびR21、および/またはR22およびR23が共に水素原子であることはない。)。
C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基を核酸塩基に導入する方法は、当該保護基の活性化誘導体を保護試薬として用い、グリーンズ・プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Greene’s PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS)、第4版、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(JOHN WILLY&SONS)出版(2006年)、ORGANIC LETTERS,2005,Vol.7,No.24,5389−5392、JOURNAL OF AMERICAN CHEMICAL SOCIETY,1982,Vol.104,1316−1319等に記載されている公知の方法に準じて行うことができる。
C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基の活性化誘導体としては、上記式(k)、(l)または(m)で示される基の*の部分にハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子等)が結合した化合物;上記式(k)または(m)で示される二つの基が*の部分で酸素原子と結合した対称酸無水物;上記式(k)または(m)で示される基が*の部分で他のアシル基(例、イソブチリル基)で結合した混合酸無水物、(MeO)2CH−NR35R36で表される化合物などが挙げられる。
当該保護基の活性化誘導体は、市販品として入手可能であるか、あるいは、自体公知の方法またはこれらに準ずる方法に従って製造することができる。
qが、0であり;
Base2が、それぞれ、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されている、シトシル基、ウラシル基、チミニル基、アデニル基、またはグアニル基であり;
P1が、ジ(C1−6アルコキシ)トリチル基、またはモノ(C1−6アルコキシ)トリチル基であり;
Xが、水素原子、保護されていてもよい水酸基、フッ素原子、−ORi(Riは前記と同義を示す)、−O−NR37−Rj(Rj及びR37は前記と同義を示す)、または−O−Rk−O−Rl(Rk及びRlは前記と同義を示す)であり;
Re及びRfが、独立してそれぞれ、C1−6アルキル基であり;かつ
P2が、−CH2CH2WG(WGは、電子吸引性基を示す。)で表される基である、
化合物(I)である。
qが、0であり;
Base2が、それぞれ、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されている、シトシル基、ウラシル基、チミニル基、アデニル基、またはグアニル基であり;
P1が、ジメトキシトリチル基、またはモノメトキシトリチル基であり;
Xが、水素原子、保護されていてもよい水酸基、フッ素原子、−O−CH2−、−O−CH2−CH2−、または−O−NR37−CH2−(R37は前記と同義を示す)、−O−CH2−O−CH2−(それぞれ、左側が2位に結合し、右側が4位に結合する。)であり;
Re及びRfが、イソプロピル基であり;かつ
P2が、−CH2CH2WG(WGは、電子吸引性基を示す。)で表される基である、
化合物(I)である。
qが、0であり;
Base2が、それぞれ、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されている、シトシル基、ウラシル基、チミニル基、アデニル基、またはグアニル基であり;
P1が、ジメトキシトリチル基であり;
Xが、水素原子、メトキシ基、tert−ブチルジメチルシリロキシ基、フッ素原子、−O−CH2−、−O−CH2−CH2−、−O−NH−CH2−、−O−NMe−CH2−、−O−CH2−O−CH2−(それぞれ、左側が2位に結合し、右側が4位に結合する。)であり;
Re及びRfが、イソプロピル基であり;かつ
P2が、−CH2CH2CNで表される基である、
化合物(I)である。
下記一般式(I)で表される本発明の塩基部保護オリゴヌクレオチドのうちqが0である一般式(I’)で表される塩基部保護ヌクレオシドは、式(Ia)で表される5’位水酸基が一時保護基P1により保護され、核酸塩基がC5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されたヌクレオシドに下記一般式(o)、(p)で表されるホスホロアミダイト化試薬を反応させる公知の方法(M.H.Caruthers et al.,Method in Enzymology 1987,154,287−313;S.L.Beaucage and M.H.Caruthers,Tetrahedron Letters 1981,22,1859−1862.)に従い、製造することができる。
P4で示されるヌクレオチド3’−水酸基の保護基は、5’−水酸基の保護基P1、核酸塩基が保護基を有する場合の該保護基及びリン酸基の保護基P2が脱保護されない条件下で脱保護可能な保護基を用いる。例えば、ヒドラジンで脱保護できる保護基が挙げられる。ヒドラジンで脱保護可能な保護基で好ましいものとしてはレブニル基等が挙げられる(Aust.J.Chem.2010,63,227-235参照)。
次に、本発明にかかるオリゴヌクレオチドの製造方法(以下、「本発明の製造方法」ともいう。)について説明する。
本発明の製造方法は、前記塩基部保護オリゴヌクレオチドを用いることを特徴とする。具体的には、n個重合オリゴヌクレオチドから、n+p個重合オリゴヌクレオチドへの製造方法について説明していくが、例えば、n=1の場合には、n個重合オリゴヌクレオチドは、「ヌクレオシド」と解し、p=1の場合には、p個重合塩基部保護オリゴヌクレオチドは、「塩基部保護ヌクレオシド」と解し、n+p個重合オリゴヌクレオチドは、「ジヌクレオシド」と解すべきものである。
本発明の製造方法は、好ましくは、以下の工程(2)を含有する。
(3)縮合工程(2)の反応液に、酸化剤または硫化剤を添加して、縮合工程で得られたn+p個重合オリゴヌクレオチドのホスファイトトリエステル結合を、ホスフェートトリエステル結合またはチオホスフェートトリエステル結合へと変換する工程。
(1)縮合工程(2)の前に、非極性溶媒中において、3’位水酸基が保護され、かつ5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護されたn個重合オリゴヌクレオチドを酸と反応させて5’位水酸基の一時保護基を除去する工程。
工程(1)は、好ましくは、ピロール誘導体およびインドール誘導体から選択される少なくとも一種のカチオン捕捉剤の存在下に行われ、5’位水酸基の一時保護基を除去した後、有機塩基により中和する工程をさらに含む。これに工程(1)、(2)及び(3)を液中で連続的に行うことが可能になり、ヌクレオシドがp個伸長したオリゴヌクレオチドを抽出操作のみで単離精製できる。
(4)工程(3)で得られた反応液から抽出操作のみで、n+p個重合オリゴヌクレオチドを単離する工程。
また、副生物発生を厳格に管理・制御でき、高純度のオリゴヌクレオチドに導けるという観点で、工程(1)〜工程(4)を基本単位として繰り返すことが好ましい。
液相法においてこのようなサイクルを繰り返すことにより、反応容器を変えることなく、ワンポットで最終のオリゴヌクレオチドまで製造することができる。
(5)工程(4)で得られたn+p個重合オリゴヌクレオチドの保護基を全て除去する工程。
nは1以上の任意の整数を示し、その上限は、特に限定されるものではないが、通常100以下、好ましくは75以下、さらに好ましくは50以下、さらに好ましくは30以下である。
pは、1以上の任意の整数を示し、1が好ましい。pの上限は、特に限定されるものではないが、50以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下が更に好ましく、5以下が更に一層好ましく、3以下が特に好ましい。
まず、工程(1)及び(2)の原料に用いられるn個重合オリゴヌクレオチドについて説明する。
工程(1)で使用されるn個重合オリゴヌクレオチドは、例えば、P1が酸性条件下で除去可能な一時保護基である下記一般式(i)に示されるような、3’位水酸基が保護され、かつ5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護されたn個重合オリゴヌクレオチドを示し、工程(2)で使用されるn個重合オリゴヌクレオチドは、例えば、下記一般式(ii)に示されるような、5’位水酸基が保護されておらず、かつ3’位水酸基が保護されたn個重合オリゴヌクレオチドを示す。
P2で示される「塩基性条件下で除去可能な保護基」は、式(I)のP2と同義である。
一般式(i)及び(ii)中の各記号について、以下に説明する。
一般式(i)及び(ii)中のP3で示される「ヌクレオチド3’−水酸基の保護基」とは、5’位水酸基の保護基を除去し得る酸性条件で安定な基であり、工程(1)及び(2)において反応が進行するように反応溶媒である非極性溶媒にn個重合オリゴヌクレオチドを溶解させうるものであれば特に限定はないが、下記一般式(III’)で表される基が好ましい。
Lは、式(a1):
L1は、置換されていてもよい2価のC1−22炭化水素基を示し;かつ
L2は、単結合を示すか、または**C(=O)N(R2)−R1−N(R3)***(式中、**は、L1との結合位置を示し、***は、C=Oとの結合位置を示し、R1は、置換されていてもよいC1−22アルキレン基を示し、R2およびR3は、独立してそれぞれ、水素原子もしくは置換されていてもよいC1−22アルキル基を示すか、またはR2およびR3が一緒になって、置換されていてもよいC1−22アルキレン結合を形成していてもよい。)で表される基を示す。)で示される基を示し、
Yは、酸素原子、またはNR(Rは、水素原子、アルキル基またはアラルキル基を示す。)を示し、ならびに
Z’は、炭化水素基を有する有機基を示す。]。
L2が、単結合を示すか、または**C(=O)N(R2)−R1−N(R3)***(式中、**は、L1との結合位置を示し、***は、C=Oとの結合位置を示し、R1は、C1−6アルキレン基を示し、R2およびR3は、独立してそれぞれ水素原子、もしくは置換されていてもよいC1−6アルキル基を示すか、またはR2およびR3が一緒になって、置換されていてもよいC1−6アルキレン結合を形成していてもよい。)で表される基である、基である。
L2が、単結合を示す、基である。
L2中のN(R2)−R1−N(R3)部分が、ピペラジニレン基を示す、基である。
L2が、**C(=O)N(R2)−R1−N(R3)***(式中、**は、L1との結合位置を示し、***は、C=Oとの結合位置を示し、R1は、ペンチレン基、またはヘキシレン基を示し、R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子もしくはメチル基を示す。)で表される基である、基である。
Z’における好適な「分枝鎖を有する基」としては、例えば、式(a2):
R4は、水素原子であるか、あるいはRbが下記式(a3)で表される基である場合には、R6と一緒になって単結合または−O−を示して、環Bと共にフルオレニル基またはキサンテニル基を形成していてもよく;
k個のQは、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−または−NH−を示し;
k個のR5は、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;
kは、1〜4の整数を示し;
環Aは、R4、k個のQR5、および*C(Ra)(Rb)に加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよく;
Raは、水素原子を示し;かつ
Rbは、水素原子または式(a3):
jは、0〜4の整数を示し;
j個のQは、独立してそれぞれ、前記と同意義を示し;
j個のR7は、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;
R6は、水素原子を示すか、またはR4と一緒になって単結合または−O−を示して、環Aと共にフルオレニル基またはキサンテニル基を形成していてもよく;かつ
環Bは、j個のQR7、およびR6に加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよい)で表される基を示す。]で表される基が挙げられる。
一般式(III):
LおよびYは前記と同義であり、
Zは、式(a2):
R8およびR9は、独立してそれぞれ、水素原子またはC1−4アルキル基を示し;
X1は、単結合、C1−4アルキレン基を示す。
但し、R8およびR9が共に水素原子であることはない。)で表される同一または異なる2価の基を有する基が好ましく、例えば、下記式(c)〜(e)のいずれかで表される基が挙げられる。
R10およびR11は、共に水素原子を示すか、または一緒になって=Oを示し;
n0は、2〜40の整数を示し;
n0個のR12およびR13は、独立してそれぞれ、水素原子またはC1−4アルキル基を示し;
n0個のX2は、独立してそれぞれ、単結合またはC1−4アルキレン基を示し;かつ
R14は、水素原子またはC1−4アルキル基を示し;
R15は、C1−4アルキル基を示す。
但し、R12およびR13が共に水素原子であることはなく、かつn0が2の場合には、R14はC1−4アルキル基を示す。]
R10およびR11は、共に水素原子であり;
n0は、2〜40の整数であり;
n0個のR12およびR13は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基またはエチル基であり;
n0個のX2は、独立してそれぞれ、単結合、メチレン基またはエチレン基であり;かつ
R14は、水素原子、メチル基またはエチル基である基が好ましい(但し、R12およびR13が共に水素原子であることはなく、かつn0が2の場合には、R14はメチルまたはエチル基を示す。)。
m1個のOR16は、独立してそれぞれ、式(c)で表される基により置換されたヒドロキシル基を示し;
m1は、1〜3の整数を示す。)
なお、式(c)で表される基は、*が、Qとの結合位置ではなく、Oとの結合位置を示すこと以外は、上記式(c)で表される基と同じである。
n1は、1〜10の整数を示し;
n2は、1〜10の整数を示し;
n1個のR20およびR21は、独立してそれぞれ、水素原子またはC1−4アルキル基を示し;
n1個のX3は、独立してそれぞれ、単結合またはC1−4アルキレン基を示し;
n2個のR22およびR23は、独立してそれぞれ、水素原子またはC1−4アルキル基を示し;
n2個のX5は、独立してそれぞれ、単結合またはC1−4アルキレン基を示し;
X4は、単結合またはC1−4アルキレン基を示し;かつ
R17、R18、R19、R24、R25およびR26は、独立してそれぞれ、水素原子またはC1−4アルキル基を示す。
但し、R20およびR21、および/またはR22およびR23が共に水素原子であることはなく、かつn1+n2が2の場合には、R17、R18およびR19の2個以上が独立してそれぞれ、C1−4アルキル基を示すか、またはR24、R25およびR26の2個以上が独立してそれぞれ、C1−4アルキル基を示す。)
n1は、1〜5の整数であり;
n2は、1〜5の整数であり;
n1個のR20およびR21は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基またはエチル基であり;
n1個のX3は、独立してそれぞれ、単結合、メチレン基またはエチレン基であり;
n2個のR22およびR23は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基またはエチル基であり;
n2個のX5は、独立してそれぞれ、単結合、メチレン基またはエチレン基であり;
X4は、単結合、メチレン基またはエチレン基であり;かつ
R17、R18、R19、R24、R25およびR26は、独立してそれぞれ、水素原子またはC1−4アルキル基である基がより好ましい(但し、R20およびR21、および/またはR22およびR23が共に水素原子であることはなく、かつn1+n2が2の場合には、R17、R18およびR19の2個以上が独立してそれぞれ、C1−4アルキル基を示すか、またはR24、R25およびR26の2個以上が独立してそれぞれ、C1−4アルキル基を示す。)。
n1は、1〜5の整数であり;
n2は、1〜5の整数であり;
n1個のR20およびR21は、独立してそれぞれ、水素原子またはメチル基であり;
n1個のX3は、独立してそれぞれ、単結合またはメチレン基であり;
n2個のR22およびR23は、独立してそれぞれ、水素原子またはメチル基であり;
n2個のX5は、独立してそれぞれ、単結合またはメチレン基であり;
X4は、単結合またはメチレン基であり;かつ
R17、R18、R19、R25、R25およびR26は、メチル基である基が挙げられる(但し、R20およびR21、および/またはR22およびR23が、共に水素原子であることはない)。
3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル基;
3,7,11−トリメチルドデシル基;
2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ドデカノイル基;
3,4,5−トリ(3’,7’,11’,15’−テトラメチルヘキサデシルオキシ)ベンジル基;および
3,5−ジ(3’,7’,11’,15’−テトラメチルヘキサデシルオキシ)ベンジル基。
2−{2,4−ジ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;3,5−ジ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルスクシニル基;4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルスクシニル基;2−{1−[(2−クロロ−5−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル)]ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;3,4,5−トリ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルスクシニル基;2−{3,4,5−トリ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;2−{4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;2−{2−[3’,4’,5’−トリ(2’’,3’’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルオキシ]−4−メトキシベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;2−{4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メトキシベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メチルベンジルスクシニル基;2−{4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メチルベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;4−[2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ドデカノイルアミノ]ベンジルスクシニル基;2−{4−[2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ドデカノイルアミノ]ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;4−(3,7,11−トリメチルドデシルオキシ)ベンジルスクシニル基;2−{4−(3,7,11−トリメチルドデシルオキシ)ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;2−{3,5−ジ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;2−{1−[2,3,4−トリ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル]ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;2−{1−[4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル]−4’−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;3,4,5−トリス[3,4,5−トリ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジル]ベンジルスクシニル基;および2−{3,4,5−トリス[3,4,5−トリ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジル]ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基。
一般式(i)及び(ii)中のBaseで表される「保護されていてもよい核酸塩基」とは、例えば、アミノ基を有する核酸塩基であるアデニル基、グアニル基、またはシトシル基において、アミノ基が保護されていてもよいこと、或いは、環状イミド基を有するチミル基、ウラシル基において、イミド基が保護されていてもよいことを意味し、核酸塩基のアミノ基が5’位の脱保護条件に耐え得る保護基により保護されている核酸塩基が好ましい。かかる「アミノ基の保護基」及び「イミド基の保護基」としては、特に限定されず、例えば、グリーンズ・プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Greene’s PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS)、第4版、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(JOHN WILLY&SONS)出版(2006年)等に記載されている保護基を挙げることができる。かかる「アミノ基の保護基」及び「イミド基の保護基」の具体例としては、例えば、ピバロイル基、ピバロイロキシメチル基、トリフルオロアセチル基、フェノキシアセチル基、4−イソプロピルフェノキシアセチル基、4−tert−ブチルフェノキシアセチル基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、ジメチルホルムアミジニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基等を挙げることができる。これらの中でも、フェノキシアセチル基、4−イソプロピルフェノキシアセチル基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、及びジメチルホルムアミジニル基が好ましい。また、核酸塩基のカルボニル基が保護されていてもよく、例えば、フェノール、2,5−ジクロロフェノール、3−クロロフェノール、3,5−ジクロロフェノール、2−ホルミルフェノール、2−ナフトール、4−メトキシフェノール、4−クロロフェノール、2−ニトロフェノール、4−ニトロフェノール、4−アセチルアミノフェノール、ペンタフルオロフェノール、4−ピバロイロキシベンジルアルコール、4−ニトロフェネチルアルコール、2−(メチルスルフォニル)エタノール、2−(フェニルスルフォニル)エタノール、2−シアノエタノール、2−(トリメチルシリル)エタノール、ジメチルカルバミン酸クロライド、ジエチルカルバミン酸クロライド、エチルフェニルカルバミン酸クロライド、1−ピロリジンカルボン酸クロライド、4−モルホリンカルボン酸クロライド、ジフェニルカルバミン酸クロライド等を反応させて、カルボニル基を保護することが出来る。ここで、カルボニル基の保護基については、特に導入しなくてもよい場合がある。
中でも、「C5−30分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30分岐鎖アルケニル基を有する基」が好ましく、「C5−30分岐鎖アルキル基を有する基」がより好ましい。
核酸塩基を「C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基」で保護することにより、n個重合オリゴヌクレオチドにさらに脂溶性、有機溶媒(特に、非極性溶媒)に対する溶解性が付与され、長鎖のオリゴヌクレオチド合成に有利である。
この場合に、n個重合オリゴヌクレオチドの少なくとも1つの核酸塩基が当該保護基で保護されていればよく、n個すべての核酸塩基が当該保護基で保護されていてもよく、その一部が当該保護基で保護されており、その他の核酸塩基が、核酸合成分野で常用されている保護基(例えば、ピバロイル基、ピバロイロキシメチル基、トリフルオロアセチル基、フェノキシアセチル基、4−イソプロピルフェノキシアセチル基、4−tert−ブチルフェノキシアセチル基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、ジメチルホルムアミジニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基等)で保護されるものであってもよい。
n個の核酸塩基のうち、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護する割合は、n個重合オリゴヌクレオチドが有機溶媒(特に、非極性溶媒)に十分な溶解性を有するように適宜設定すればよい。
本発明におけるn個重合オリゴヌクレオチドの更に好適な一実施態様は、前記式(i)及び(ii)において、かつP3で表される3’位水酸基の保護基が前記式(III):−L−Y−Zで表される基(本明細書において、「分岐鎖含有芳香族保護基」と称する場合がある。)である、下記一般式(II)で表される新規オリゴヌクレオチド(本明細書において、「分岐鎖含有芳香族保護オリゴヌクレオチド」と称することもある。)である。
なお、mが0の場合には、式(II)で表される分岐鎖含有芳香族保護オリゴヌクレオチドは、「分岐鎖含有芳香族保護ヌクレオシド」と解される。
一方、従来の液相法に比べても、オリゴヌクレオチドの重合度(配列および鎖長)によらず、非極性溶媒中に安定的に溶解・移行させられるため、工程上では単離・精製工程を簡便化でき、総合的には高純度・高収率を確保できるという利点を有する。
m+1個のBase1は、独立してそれぞれ、保護されていてもよい核酸塩基を示し;
P1は、水素原子、または酸性条件下で除去可能な一時保護基を示し;
Xは、水素原子、保護されていてもよい水酸基、ハロゲン原子又は4位炭素原子に架橋する有機基を示し;
m個のX’は、独立してそれぞれ、水素原子、保護されていてもよい水酸基、ハロゲン原子又は4位炭素原子に架橋する有機基を示し;
m個のP2は、独立してそれぞれ、塩基性条件下で除去可能な保護基を示し;
m個のR34は、独立してそれぞれ、酸素原子もしくは硫黄原子を示し;
L、YおよびZは、前記と同義である。]
mが0である本発明化合物(II)は、オリゴヌクレオチド合成における3’位末端の出発化合物である。また、本発明化合物には、広義には5’位水酸基が未保護(P1が水素原子)のものも包含される。
mの定義、好ましい態様等は、上記化合物(i)及び(ii)と同様である。
「C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基」及び「C5−30分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30分岐鎖アルケニル基を有する基」の好ましい例は、上述のとおりである。
mが0であり;
Base1が、それぞれ保護されていてもよい、シトシル基、ウラシル基、チミニル基、アデニル基、またはグアニル基であり;
P1が、ジ(C1−6アルコキシ)トリチル基、またはモノ(C1−6アルコキシ)トリチル基であり;
Xが、水素原子、保護されていてもよい水酸基フッ素原子、−ORi(Riは前記と同義を示す)、−O−NR37−Rj(Rj及びR37は前記と同義を示す)、または−O−Rk−O−Rl(Rk及びRlは前記と同義を示す)であり;かつ
L−Y−Zが、前記一般式(III’)または一般式(III)において好ましい態様として示された各基の組合せと同様である、
化合物(IIa)である。
mが0であり;
Base1が、それぞれ保護されていてもよい、シトシル基、ウラシル基、チミニル基、アデニル基、またはグアニル基であり;
P1が、ジメトキシトリチル基、またはモノメトキシトリチル基であり;
Xが、水素原子、保護されていてもよい水酸基、フッ素原子、−O−CH2−、−O−CH2−CH2−、または−O−NR37−CH2−(R37は前記と同義を示す)、−O−CH2−O−CH2−(それぞれ、左側が2位に結合し、右側が4位に結合する。)であり;かつ
L−Y−Zが、前記一般式(III’)または一般式(III)において好ましい態様として示された各基の組合せと同様である、
化合物(IIb)である。
mが0であり;
Base1が、それぞれ保護されていてもよい、シトシル基、ウラシル基、チミニル基、アデニル基、またはグアニル基であり;
P1が、ジメトキシトリチル基であり;
Xが、水素原子、メトキシ基tert−ブチルジメチルシリロキシ基、フッ素原子、−O−CH2−、−O−CH2−CH2−、−O−NH−CH2−、−O−NMe−CH2−、−O−CH2−O−CH2−(それぞれ、左側が2位に結合し、右側が4位に結合する。)であり;かつ
L−Y−Zが、前記一般式(III’)または一般式(III)において好ましい態様として示された各基の組合せと同様である、
化合物(IIc)である。
一般式(II)で表される分岐鎖含有芳香族保護オリゴヌクレオチドのうちmが0である一般式(II’)で表される分岐鎖含有芳香族保護ヌクレオシドの製造方法としては、特に限定されないが、自体公知の方法またはこれらに準ずる方法(Richard T.Pon et al.,Nucleic Acids Research 2004,32,623−631.)に従って製造することができる。
原料化合物が反応に影響を及ぼす置換基(例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシ基)を有する場合には、原料化合物を予め公知の方法に従い、適当な保護基で保護した後に反応を行うことが一般的である。かかる保護基は、反応後に、酸処理、アルカリ処理、接触還元等の公知の方法に従い除去することができる。
上記一般式(II’)のLがスクシニル基である分岐鎖含有芳香族保護ヌクレオシドの一般的な製造方法を以下に示す。
5’位水酸基が保護基P1により保護されたヌクレオシド(q)を、塩基存在下、コハク酸無水物と反応させることにより、3’位水酸基にコハク酸が導入された化合物(r)を得る。化合物(r)を縮合剤存在下、Z−Y−Hと脱水縮合させることにより、一般式(II’)で表される分岐鎖含有芳香族保護ヌクレオシドを得ることができる。
mが1以上である一般式(II)で示される化合物は、出発原料として、一般式(II’)で示される化合物を用いて、下記の本発明の製造方法に従い、5’末端伸長プロセスを繰り返すことにより製造することができる。
分岐鎖含有芳香族保護オリゴヌクレオチドの製造に用いられる原料化合物である一般式:Z−Y−Hで表されるアルコール化合物またはアミン化合物の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、以下の工程により製造することができる。
当該工程は、式(IV)で表される化合物(以下、化合物(IV)と略称する。)のQ’H基(ここで、Q’は、−O−、−S−、−C(=O)O−または−NH−を示す。)にR5基を導入することにより、式(IVa)で表される化合物(以下、化合物(IVa)と略称する。)を製造する工程である。
当該反応は、Q’が、−O−、−S−または−NH−の場合、反応に影響を及ぼさない溶媒中、塩基の存在下または非存在下で、R5基に対応するハロゲン化物(塩化物、臭化物またはヨウ化物)、R5基に対応するカルボン酸若しくは酸ハロゲン化物またはR5基に対応するアルキルスルホニルオキシ化物(例えば、メタンスルホニルオキシ化物等)若しくはアリールスルホニルオキシ化物(例えば、p−トルエンスルホニルオキシ化物等)を用いて行われる。また、Q’が−O−の場合、化合物(IV)とR5基に対応する水酸化物をトリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジイソプロピル存在下で反応させる光延反応条件下で、当該反応を行うこともできる。さらにQ’が−C(=O)O−の場合、例えば、化合物(IV)とR5基に対応するアミン若しくは水酸化物を後述する縮合剤の存在下で反応させることにより化合物(IVa)を合成することができる。
当該工程は、化合物(IVa)を還元することにより、式(I−a)で表される化合物(以下、化合物(I−a)と略称する。)を製造する工程である。当該還元反応は、還元剤を用いる方法により行うことができる。
反応温度は、0〜100℃が好ましく、30〜70℃がより好ましい。反応時間は、1〜24時間が好ましく、2〜5時間がより好ましい。
当該工程は、化合物(IVa)(式(IVa)中、Rgが水素原子でもORh基でもない。)を、上記工程(b)と同様の方法により還元する工程である。
当該工程は、化合物(IVa)(式(IVa)中、Rgが水素原子である)を、オキシム化することにより、式(I’−a)で表される化合物(以下、化合物(I’−a)と略称する。)を製造する工程である。
反応温度は、10〜100℃が好ましく、20〜60℃でがより好ましい。反応時間は、0.5〜30時間が好ましく、2〜20時間がより好ましい。
当該工程は、化合物(I’−a)を、パラジウム−炭素、ラネーニッケル等の金属触媒存在下の接触水素添加反応、または前記工程(b)と同様の金属水素化物等の還元剤により還元することにより、本発明化合物である式(I−b)で表される化合物(以下、化合物(I−b)と略称する。)を製造する工程である。
当該工程は、化合物(I−a)を、例えば塩化アセチル、塩化チオニル等のクロル化剤、または、例えば臭化アセチル、三臭化リン、ジフェニルホスフィン/臭素等のブロム化剤を用いてハロゲン化することにより、式(I’−b)で表される化合物(以下、化合物(I’−b)と略称する。)を製造する工程である。
溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;それらの混合物が挙げられ、中でも、クロロホルム、テトラヒドロフラン、トルエン等が好ましい。
反応温度は、10〜150℃が好ましく、30〜80℃がより好ましい。反応時間は、0.5〜30時間が好ましく、2〜20時間がより好ましい。
当該工程は、化合物(I’−b)をアジ化ナトリウム等のアジド化剤を用いてアジド化することにより、式(I’−c)で表される化合物(以下、化合物(I’−c)と略称する。)を製造する工程である。
当該反応は、反応に影響を及ぼさない溶媒中、化合物(I’−b)をアジド化剤と反応させることにより行われる。
溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;それらの混合物が挙げられ、中でも、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド等が好ましい。
反応温度は、10〜150℃が好ましく、20〜100℃がより好ましい。反応時間は、0.5〜30時間が好ましく、2〜20時間がより好ましい。
当該工程は、化合物(I’−c)をアミノ化することにより、化合物(I−b)を製造する工程である。
当該反応は、反応に影響を及ぼさない溶媒中、水存在下、化合物(I’−c)をトリフェニルホスフィンと反応させるか、接触水素化還元により行われる。
トリフェニルホスフィンの使用量としては、化合物(I’−c)1モルに対して、好ましくは1〜10モル、特に好ましくは1〜5モルである。
水の使用量は、化合物(I’−c)1モルに対して、好ましくは1〜10モル、特に好ましくは1〜5モルである。
溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;および、それらの混合物が挙げられ、中でも、トルエン、テトラヒドロフラン等が好ましい。
反応温度は、10〜150℃が好ましく、20〜100℃でがより好ましい。反応時間は、0.5〜30時間が好ましく、2〜20時間がより好ましい。
当該工程は、化合物(I’−b)をRNH2(Rは前記と同義である)と反応させることにより、Yが−NHR基である式(I−c)で表される化合物(以下、化合物(I−c)と略称する。)を製造する工程である。
当該工程は、反応に影響を及ぼさない溶媒中、必要により、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の第3級アミン等の塩基の存在下、化合物(I’−b)をR−NH2で表されるアミンと反応させることにより行われる。
溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;および、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン溶媒または、それらの混合物が挙げられ、中でも、トルエン、テトラヒドロフラン、クロロホルム等が好ましい。
反応温度は、10〜100℃が好ましく、20〜60℃がより好ましい。反応時間は、0.5〜30時間が好ましく、2〜20時間がより好ましい。
当該工程は、化合物(I−d)を−CONH2基または−OCONH2基を有する化合物と反応させた後、塩基で処理することにより、化合物(I−e)を製造する工程である。
化合物(I−d)と−CONH2基または−OCONH2基を有する化合物との反応は、反応に影響を及ぼさない溶媒中、酸触媒下で行われる。
酸触媒としては、例えば、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等が挙げられ、中でもメタンスルホン酸、トルエンスルホン酸が好ましい。
酸触媒の使用量は、化合物(I−d)1モルに対して、好ましくは0.05〜0.5モル、特に好ましくは0.1〜0.3モルである。
−CONH2基または−OCONH2基を有する化合物としては、例えば、Fmoc−NH2、HCONH2、CF3CONH2、AcNH2、EtOCONH2、Cbz−NH2等が挙げられ、中でもFmoc−NH2、EtOCONH2等が好ましい。
ここで、「Fmoc−」とは、9−フルオレニルメトキシカルボニル基(以下、Fmoc基ともいう。)を意味し、「Cbz−」は、ベンジルオキシカルボニル基(以下、Cbz基ともいう。)を意味する。
(1)R5基に対応する水酸化物のハロゲン化、アルキルスルホニルオキシ化またはアリールスルホニルオキシ化により、或いは
(2)R5基に対応する不飽和水酸化物の還元反応(例えば、白金−炭素(Pt/C)、パラジウム−炭素(Pd/C)、ロジウム−炭素(Rh/C)、ラネーニッケル等の金属触媒の存在下での接触水素添加反応等)、およびそれに続くハロゲン化、アルキルスルホニルオキシ化またはアリールスルホニルオキシ化により、
製造することができる。
反応温度は、10〜120℃が好ましく、50〜100℃がより好ましい。反応時間は、1〜72時間が好ましく、3〜24時間がより好ましい。
(1)R5基に対応するハロゲン化物(塩化物、臭化物、またはヨウ化物)、R5基に対応するカルボン酸若しくは酸ハロゲン化物を用いるフリーデルクラフツ反応、
(2)上記化合物(II)に対応する化合物(但し、Q’H基が−CHO基に置き換わった化合物)をWittig反応により増炭させた後に、接触水素添加等する方法、または
(3)金属触媒を使用したクロスカップリング等の慣用の有機合成反応
によって行うことができる。
工程(2)で使用される「3’位水酸基がホスホロアミダイト化され、5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護され、かつ核酸塩基がC5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されたp個重合塩基部保護オリゴヌクレオチド(pは、1以上の任意の整数を示す。)」としては、当該構造要件を満たす限り特に限定されない。
P2、Re及びRfの定義、例示、好ましい態様は、上記式(I)で説明した通りである。
「酸性条件下で除去可能な一時保護基」の定義、例示、好ましい態様は、上記式(I)で説明した通りである。
「C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基」の定義、例示、好ましい態様は、上記式(I)で説明した通りである。
工程(2)で使用されるp個重合塩基部保護オリゴヌクレオチドとしては、上記式(I)で表される塩基部保護オリゴヌクレオチドが好ましい。
以下、工程(1)〜(5)を、便宜上、式(i)、(ii)、(iii)等を参照して説明するが、これに限定されるものではない。
本工程は、縮合工程(2)の前に、非極性溶媒中において、3’位水酸基が保護され、かつ5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護されたn個重合オリゴヌクレオチド(i)の5’末端水酸基の一時保護基P1(P1は酸性条件下で除去可能な一時保護基である。)を、酸との反応により除去する工程(脱保護工程)である。
良好な反応を達成できるという観点で、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリクロロ酢酸がより好ましく、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸が更に好ましく、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸が更に一層好ましく、トリフルオロ酢酸が特に好ましい。これら酸は、上記非極性溶媒で希釈しても構わない。また、前記酸を使用する際には、特定の塩基を組み合わせて、酸性度を適宜調整して使用しても構わない。
中和に使用する有機塩基としては、前出の酸を中和することができ、得られた塩が縮合剤として機能しうるものであれば特に限定されないが、反応が良好に進行するという観点で、ピリジン、ベンズイミダゾール、1,2,4−トリアゾール、N−フェニルイミダゾール、2−アミノ−4,6−ジメチルピリミジン、1,10−フェナントロリン、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、2−クロロベンズイミダゾール、2−ブロモベンズイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、N−フェニルベンズイミダゾール、5−ニトロベンズイミダゾールが好ましく、ピリジン、ベンズイミダゾール、1,2,4−トリアゾール、N−フェニルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、2−アミノ−4,6−ジメチルピリミジン、1,10−フェナントロリンがより好ましく、ピリジン、ベンズイミダゾール、1,2,4−トリアゾール、N−フェニルイミダゾールが更に好ましく、ピリジン、ベンズイミダゾール、1,2,4−トリアゾールが更に一層好ましく、ピリジンが特に好ましい。
本工程は、5’位水酸基が保護されておらず、かつ3’位水酸基が保護されたn個重合オリゴヌクレオチド(ii)と、3’位水酸基がホスホロアミダイト化され、5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護され、かつ核酸塩基がC5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されたp個重合塩基部保護オリゴヌクレオチド(iii)とを縮合させる工程である。
この場合、極性溶媒としては、アミド系溶媒、ニトリル系溶媒、及びこれらの組合せが好ましく、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピペリドン、及びこれらの組合せがより好ましく、アセトニトリルが特に好ましい。
極性溶媒は、p個重合塩基部保護オリゴヌクレオチド(iii)、縮合剤等の溶液として添加してもよい。
工程(2)で得られたn+p個重合オリゴヌクレオチド(iv)に酸化剤または硫化剤を反応させることにより、該n+p個重合オリゴヌクレオチド(iv)のホスファイトトリエステル結合を、ホスフェートトリエステル結合またはチオホスフェートトリエステル結合へと変換する工程である。
本工程は、工程(3)で得られたホスフェートトリエステル結合またはチオホスフェートトリエステル結合を有するn+p個重合オリゴヌクレオチド(v)を含む反応液から抽出操作のみで、n+p個重合オリゴヌクレオチド(v)を単離精製する方法である。
当該抽出操作により、残存した原料、試薬(例えば、酸、カチオン捕捉剤、有機塩基、3’位水酸基がホスホロアミダイト化され、かつ5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護されたp個重合オリゴヌクレオチド、酸化剤または硫化剤)等の不純物を極性溶媒中に淘汰することができる。
本工程における不純物を極性溶媒中に移行させるために必要に応じて添加される極性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、アセトン、2−ブタノン等のケトン系溶媒、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等の極性エーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピペリドン等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、水等、ならびにこれら2種以上の混合溶媒が挙げられる。中でも、アミド系溶媒、ニトリル系溶媒、及びこれらの組合せが好ましく、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピペリドン、及びこれらの組合せがより好適に使用される。本発明における極性溶媒としては、特に実用的観点からアセトニトリルが好ましい。
さらに、極性溶媒を除去した非極性溶媒に極性溶媒を添加、攪拌し、分層させて極性溶媒を除去することにより(本発明において、洗浄という。)、少量残存した不純物をさらに淘汰することができる。
極性溶媒による洗浄の回数は特に限定はないが、非極性溶媒を薄層シリカゲルクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーなどで分析し、非極性溶媒層に次サイクルのヌクレオチド伸長反応が阻害されない程度に不純物が低減するまで繰り返し行ってもよい。
この場合、極性溶媒中の水の含量は、1〜10%(v/v)が好ましく、3〜8%(v/v)がより好ましい。水含量が低すぎる場合は、分層性が不十分になる場合があり、水含量が高すぎる場合は、除去される副生成物、残存した原料、試薬などの極性溶媒に対する溶解度が下がり、淘汰効率が低下する傾向がある。
あるいは、洗浄後の非極性溶媒層を濃縮することなく、次サイクルのヌクレオチド伸長に付することも可能である。
本発明のオリゴヌクレオチドの製造方法においては、工程(4)の後に、保護基の種類・性質に応じて、脱保護を行い、オリゴヌクレオチドを単離することができる。脱保護の方法としては、例えば、グリーンズ・プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Greene’s PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS)、第4版、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(JOHN WILLY&SONS)出版(2006年)等に記載されている脱保護方法に従い、オリゴヌクレオチドの全ての保護基を除去する工程を行うことができる。具体的には、本願発明におけるヌクレオチド3’−水酸基の保護基、ならびに核酸塩基の保護基であるフェノキシアセチル基、アセチル基、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基等、リン酸基に結合しているシアノエチル基等は、アンモニア水/エタノール溶液、アンモニア水/メチルアミン水溶液、エチレンジアミン等で処理することにより、全て除去することができる。また、ヌクレオチド5’−水酸基の保護基は、工程(1)で使用される酸またはそれらを適宜希釈した溶液で処理することにより除去することができる。
保護基を有しない、オリゴヌクレオチドは酵素により容易に分解されやすいため、空気清浄度管理下でオリゴヌクレオチドを単離することが好ましい。
本発明のオリゴヌクレオチドの製造方法の別の態様として、以下の工程(2’)を含有する方法が挙げられる。
(2’)3’位水酸基がホスホロアミダイト化され、5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護され、かつ核酸塩基が保護されていてもよいp’個重合オリゴヌクレオチド(p’は、1以上の任意の整数を示す。)を、5’位水酸基が保護されておらず、かつ3’位水酸基が上記一般式(III)で表される保護基で保護されたn’個重合オリゴヌクレオチド(n’は、1以上の任意の整数を示す。)と、その5’位水酸基を介してホスファイトトリエステル結合により縮合させて、n’+p’個重合オリゴヌクレオチドを得る工程。
(3’)縮合工程(2’)の反応液に、酸化剤または硫化剤を添加して、縮合工程で得られたn’+p’個重合オリゴヌクレオチドのホスファイトトリエステル結合を、ホスフェートトリエステル結合またはチオホスフェートトリエステル結合へと変換する工程。
(1’)縮合工程(2’)の前に、非極性溶媒中において、3’位水酸基が上記一般式(III)で表される保護基で保護され、かつ5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護されたn’個重合オリゴヌクレオチドを酸と反応させて5’位水酸基の一時保護基を除去する工程。
工程(1’)は、好ましくは、ピロール誘導体およびインドール誘導体から選択される少なくとも一種のカチオン捕捉剤の存在下に行われ、5’位水酸基の一時保護基を除去した後、有機塩基により中和する工程をさらに含む。これに工程(1’)、(2’)及び(3’)を液中で連続的に行うことが可能になり、ヌクレオシドがp’個伸長したオリゴヌクレオチドを抽出操作のみで単離精製できる。
(4’)工程(3’)で得られた反応液から抽出操作のみで、n’+p’個重合オリゴヌクレオチドを単離する工程。
また、副生物発生を厳格に管理・制御でき、高純度のオリゴヌクレオチドに導けるという観点で、工程(1’)〜工程(4’)を基本単位として繰り返すことが好ましい。
液相法においてこのようなサイクルを繰り返すことにより、反応容器を変えることなく、ワンポットで最終のオリゴヌクレオチドまで製造することができる。
(5’)工程(4’)で得られたn’+p’個重合オリゴヌクレオチドの保護基を全て除去する工程。 n’は1以上の任意の整数を示し、その上限は、特に限定されるものではないが、通常100以下、好ましくは75以下、さらに好ましくは50以下、さらに好ましくは30以下である。
p’は、1以上の任意の整数を示し、1が好ましい。pの上限は、特に限定されるものではないが、50以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下が更に好ましく、5以下が更に一層好ましく、3以下が特に好ましい。
その他の各記号の定義、例示、好ましい態様は、式(i)及び(ii)における説明と同様である。
「3’位水酸基がホスホロアミダイト化され」とは、オリゴヌクレオチド3’位水酸基が、例えば、−P(OP2)(NReRf)(式中、各記号は、前記と同義である)で表されるホスホロアミダイト基で修飾されていることを意味する。
P2、Re及びRfの定義、例示、好ましい態様は、上記式(I)で説明した通りである。
「酸性条件下で除去可能な一時保護基」の定義、例示、好ましい態様は、上記式(I)で説明した通りである。
「核酸塩基が保護されていてもよい」における保護基としては、上記一般式(i)及び(ii)中のBaseの「保護されていてもよい核酸塩基」で例示した保護基と同義である。
当該保護基としては、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を含まない基が好ましく、例えば、ピバロイル基、ピバロイロキシメチル基、トリフルオロアセチル基、フェノキシアセチル基、4−イソプロピルフェノキシアセチル基、4−tert−ブチルフェノキシアセチル基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、ジメチルホルムアミジニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基等が好ましく、これらの中でも、フェノキシアセチル基、4−イソプロピルフェノキシアセチル基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、及びジメチルホルムアミジニル基がより好ましい。
Baseで示される「置換されていてもよい核酸塩基」は、一般式(i)及び(ii)中のBaseの「保護されていてもよい核酸塩基」と同義である。
q’は、0以上の任意の整数を示し、0が好ましい。q’の上限は、特に限定されるものではないが、49以下が好ましく、29以下がより好ましく、19以下が更に好ましく、4以下が更に一層好ましく、2以下が更に一層好ましく、1が特に好ましい。
6.オリゴヌクレオチドの用途
本発明によって製造されたオリゴヌクレオチドは、各種人体用または動物用の医薬品(RNA、DNA、オリゴ核酸医薬、等)、機能性食品、特定保健食品、食品、化成品、生体用や工業用の高分子材料、等の各種用途に使用することができる。
エレクトロスプレーイオン化液体クロマトグラフィー/質量分析(以下、LC/MSと略す。)は、6130 Quadrupole LC/MS (Agilent Technologies)を用い、フローインジェクション分析(FIA)した(溶媒:0.1mol/lTEAAバッファーpH7.0、アセトニトリル、イオン化モード:ESI、イオンモード:ネガティブ、質量分析部:四重極、フラグメンター電圧:200V)。
四重極型質量分析は、ZQ2000(日本ウォーターズ株式会社製)を用い、フローインジェクション分析(FIA)した(溶媒:アセトニトリル、イオン化モード:ESI、イオンモード:ポジティブ・ネガティブ、質量分析部:四重極、フラグメンター電圧:71V)。
dT:2’−デオキシチミジン
dC:2’−デオキシシチジン
dG:2’−デオキシグアノシン
dA:2’−デオキシアデノシン
U(M):2’−メトキシウリジン
U(F):2’−フルオロウリジン
(LNA)T:2’−O,4’−C−メチレンチミジン
DMTr:4,4’−ジメトキシトリチル
PA:(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト
suc:スクシニル
TPB:3,4,5−トリス(3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカニルオキシ)ベンジル
(3,4,5−トリス(2,3−フィチルオキシ)ベンジルと同義である。)
Phy:2,3−ジヒドロフィチル(ここで、「2,3−ジヒドロフィチル」は、「3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカニル」を意味する。)
PhyOM:(3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカノイルオキシ)メチル
(2,3−フィチルオキシメチルと同義である。)
4−Cit−Bz:4−(3,7−ジメチル−1−オクチルオキシ)ベンゾイル
(4−(ジヒドロシトロネリルオキシ)−ベンジルと同義である。)
2Et−Hex:2−エチル−1−ヘキサノイル
3,5,5−Me3Hex:3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノイル
Me6Dodecanoyl:2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ドデカノイル
2−HepUndecanoyl:2−ヘプチル−1−ウンデカノイル
2−HexDecanoyl:2−ヘキシル−1−デカノイル
Myr:テトラデカノイル
(ミリストイルと同義である。)
Me6Dodecanoyl:2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ドデカノイル
N,N−Cit2−methylene:ビス(3,7−ジメチル−オクチル)アミノ−メチレン
(N.N−ビス−ジヒドロシトロネリル−メチレンと同義である。)
Bz:ベンゾイル
ibu:イソブチリル
フィトール(10.00g,33.7mmol)をメタノールに溶解させ、Pt/C(2%,1.00g)を懸濁させて水素雰囲気下で一晩攪拌した。反応終了後、濾過してPt/Cを除去し、濾液を濃縮して2,3−ジヒドロフィトールを得た。これは精製することなく次の反応に用いた。
2,3−ジヒドロフィトール(33.7mmol)を48%臭化水素酸(100ml)に懸濁し、濃硫酸(0.17ml)を滴下して100℃で一晩攪拌した。反応混合液を室温に冷却後ヘキサン(200ml)で抽出し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(70ml)で2回、20%食塩水(70ml)で1回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾液の溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ショートカラム、ヘキサンのみ)で精製し、2,3−ジヒドロフィチルブロミド(「2,3−ジヒドロフィチル基」を、以下「Phy」と称することもある。)(10.41g,28.8mmol,85% vs.フィトール)を得た。
ファルネソール(3.00g,13.5mmol)を用い、調製例1と同様の方法に従い、3,7,11−トリメチルドデカン−1−オールを得た。これは精製することなく次の反応に用いた。
調製例3で得られた3,7,11−トリメチルドデカン−1−オールを用い、調製例2と同様の方法に従い、1−ブロモ−3,7,11−トリメチルドデカン(2.98g,10.2mmol,76% vs.ファルネソール)を得た。
2,3−ジヒドロフィチルブロミド(1.02g,2.82mmol)にDMF(15ml)、2−クロロ−5−ヒドロキシベンゾフェノン(0.99g,4.23mmol)、K2CO3(0.78g,5.64mmol)を加え、90℃で3時間攪拌した。反応液を室温に戻し、酢酸エチル(25ml),1mol/l塩酸(25ml)を加えて攪拌し、分層させ水層を分離・廃棄した。有機層を精製水(25ml)で2回洗浄し、有機層を減圧留去させ、2−クロロ−5−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンゾフェノンを得た。
前記2−クロロ−5−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンゾフェノンにクロロホルム(20ml)、メタノール(2ml)、水素化ホウ素ナトリウム(440mg,11.6mmol)を加え、50℃で一晩攪拌した。反応液を室温に戻し、さらに氷浴下で1mol/l塩酸(15ml)を滴下して未反応の水素化ホウ素ナトリウムを分解させた後、水層を捨て、有機層を精製水(10ml)で2回洗浄した。有機層を減圧留去し、さらにアセトニトリルで水分を共沸させ、2−クロロ−5−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドロールを得た。
2−クロロ−5−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドロールにクロロホルム(20ml)、DMF(43μl,559μmol)、塩化チオニル(1.03ml,14.1mmol)を加え、50℃で4時間攪拌した。反応液を室温に戻して溶媒を減圧留去し、残った塩化チオニルをトルエンで共沸させ、1−クロロ−1−[(2−クロロ−5−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル)フェニルメタンを得た。
前記1−クロロ−1−[(2−クロロ−5−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル)フェニルメタンにDMF(15ml)、アジ化ナトリウム(786mg,12.1mmol)を加え、80℃で一晩攪拌した。反応液を室温に戻して酢酸エチル(20ml)、ヘキサン(20ml)を加え、精製水(30ml)で1回、精製水(15ml)で2回分液洗浄した後、有機層を減圧留去し、1−アジド−1−[(2−クロロ−5−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル)フェニルメタンを得た。
前記1−アジド−1−[(2−クロロ−5−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル)フェニルメタンにTHF(20ml)、精製水(2ml)、トリフェニルホスフィン(813mg,3.10mmol)を加え、50℃で2時間攪拌した。反応液を室温に戻してTHFを留去し、ヘプタン(30ml)−50%アセトニトリル水溶液(15ml)で3回分液させ、ヘプタン層を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0→5:1)で精製し、1−[(2−クロロ−5−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル)]−1−フェニルメタンアミンの油状物(1.35g,2.63mmol,収率93% vs.2,3−ジヒドロフィチルブロミド)を得た。
2,3−ジヒドロフィチルブロミド(14.3g,39.6mmol)にDMF(120ml)、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン(4.04g,18.9mmol)、炭酸カリウム(7.82g,56.6mmol)を加え、80℃で5時間攪拌した。反応液を室温に戻し、酢酸エチル(300ml),1mol/l塩酸(100ml)を加えて攪拌し、分層させ、水層を分離・廃棄した。有機層を精製水(100ml)で2回洗浄し、有機層を減圧留去させ、4,4’−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンゾフェノン油状物を得た。これをクロロホルム(60ml)とメタノール(10ml)に溶解させて水素化ホウ素ナトリウム(4.49g,119mmol)を加え、60℃で3時間攪拌した。反応液に1mol/l塩酸(80ml)を添加し、濃縮し、酢酸エチル(100ml)を加え、1mol/l塩酸と水にて順次洗浄した。有機層を濃縮し、4,4’−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリルアルコール油状物を得た。
2,3−ジヒドロフィチルブロミド(40.6g,112mmol)、没食子酸メチル(5.90g,32.0mmol)、炭酸カリウム(22.14g,160mmol)をDMF(400ml)に懸濁させ、110℃で一晩攪拌した。反応混合液をヘキサン(800ml)で抽出し、1mol/l塩酸(400ml)、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(400ml)、20%食塩水(400ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後濾液の溶媒を留去して、3,4,5−トリ(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)安息香酸メチル(29.3g,収率93%)を得た。
前記3,4,5−トリ(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)安息香酸メチル(29.3g,30.0mmol)をTHF(400ml)に溶解させ、窒素雰囲気下、0℃で水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL)(1.0mol/l トルエン溶液,96ml,96mmol)を30分間かけて滴下した。室温で一晩攪拌した後、0℃で0.2mol/l塩酸(50ml)を滴下して反応を停止した。溶媒を半分程度留去したものを、酢酸エチル(600ml)に溶解させ、1mol/l塩酸(300ml)で3回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(300ml)で1回、20%食塩水(300ml)で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾液の溶媒を留去して、3,4,5−トリ(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアルコール(26.8g,収率94%)を得た。
3,4,5−トリ(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルクロリド(6.46g,6.63mmol)をDMF−クロロホルム(60+20ml)に溶解させ、アジ化ナトリウム(861mg,13.2mmol)を加えて70℃で2時間攪拌した。反応混合液を室温に冷却後、酢酸エチル(160ml)を加えて、水(80ml)で2回、20%食塩水(50ml)で3回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液の溶媒を留去して、3,4,5−トリ(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアジド油状物を得て、そのまま次工程に移行させた。
前記3,4,5−トリ(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアジド油状物をTHF(80ml)に溶解させ、水(1.19ml,66.1mmol)、トリフェニルホスフィン(1.91g,7.28mmol)を加えて70℃で1時間攪拌した。室温まで冷却後、溶媒を留去し、残渣をヘプタン(160ml)に溶解させ、50%アセトニトリル水溶液(50ml)で3回、20%食塩水(50ml)で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液の溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1→クロロホルム:メタノール:アンモニア水=100:10:1)で精製して3,4,5−トリ(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミン(5.31g,5.32mmol,収率80% vs.クロル体)を得た。
2,3−ジヒドロフィチルブロミド(895mg,2.48mmol)、3,5−ジヒドロキシ安息香酸メチル(204mg,1.21mmol)、炭酸カリウム(513mg,3.71mmol)をDMF(10ml)に懸濁させ、100℃で7時間攪拌した。反応混合液を酢酸エチル(30ml)で抽出し、1mol/l塩酸(10ml)で3回、20%食塩水(10ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾液の溶媒を留去して、3,5−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)安息香酸メチル(0.78g,収率92%)を得た。
前記3,5−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)安息香酸メチル(0.70g,1.00mmol)をTHF(10ml)に溶解させ、窒素雰囲気下0℃で水素化アルミニウムリチウム(2.0mol/l THF溶液,1.2ml,2.4mmol)を滴下した。室温で5時間攪拌した後、0℃で水を滴下して反応を停止した。溶液を酢酸エチル(30ml)に溶解させ、1mol/l塩酸(10ml)で3回、20%食塩水(20ml)で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液の溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンのみ→ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製して、3,5−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアルコール(0.61g,収率90%)を得た。
2,3−ジヒドロフィチルブロミド(600mg,1.66mmol)、4−ヒドロキシベンズアルデヒド(223mg,1.83mmol)、炭酸カリウム(344mg,2.49mmol)をDMF(6ml)中に懸濁し、60℃で3日間攪拌した。反応混合液を室温に冷却後、酢酸エチル(30ml)で抽出し、1mol/l塩酸(6ml)で3回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(6ml)で3回、20%食塩水(6ml)で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液の溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=15:1→5:1)で精製して、4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズアルデヒド(640mg,収率100% vs.2,3−ジヒドロフィチルブロミド)を得た。
前記4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズアルデヒド(640mg,1.66mmol)をTHF−メタノール混合溶液(7+0.3ml)に溶解させ、0℃で水素化ホウ素ナトリウム(110mg,90%,2.62mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。反応混合液を0℃に冷却後、1mol/l塩酸で反応を停止し、酢酸エチル(30ml)を加えて1mol/l塩酸(5ml)で3回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(5ml)で3回、20%食塩水(5ml)で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液の溶媒を留去して、4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアルコール(619mg,1.53mmol,収率92% vs.2,3−ジヒドロフィチルブロミド)を得た。
4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアルコール(619mg,1.53mmol)をクロロホルム(6ml)に溶解させ、塩化チオニル(167μl,2.29mmol)を加えて5時間攪拌した。反応終了後、溶媒を留去して、4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)−ベンジルクロリドの油状物を得て、そのまま次工程に移行させた。
前記4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルクロリド(1.53mmol)をDMF−CHCl3混合溶媒(6+3ml)に溶解させ、アジ化ナトリウム(298mg,4.58mmol)を加えて70℃で一晩攪拌した。反応混合液を室温に冷却後、酢酸エチル(20ml)を加えて、水(10ml)で5回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液の溶媒を留去して、4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアジド(632mg,収率96% vs.4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアルコール)を得た。
前記4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアジド(632mg,1.47mmol)をTHF(6ml)に溶解させ、水(265μl,14.7mmol)、トリフェニルホスフィン(424mg,1.62mmol)を加えて70℃で一晩攪拌した。室温まで冷却後、溶媒を留去し、残渣をヘキサン(10ml)に溶解、50%アセトニトリル水溶液(5ml)で3回洗浄した。溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1→クロロホルム:メタノール:アンモニア水=50:5:1)で精製して、4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミン(555mg,1.37mmol,収率94%)を得た。
2,3−ジヒドロフィチルブロミド(2.00g,5.53mmol)、2−メトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(884mg,5.81mmol)、炭酸カリウム(1.15g,8.32mmol)をDMF(20ml)中に懸濁し、80℃で一晩攪拌した。反応混合液を室温に冷却後、酢酸エチル(50ml)で抽出し、1N塩酸(20ml)で3回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(20ml)で3回、20%食塩水(20ml)で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液の溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製して、2−メトキシ−4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズアルデヒド油状物を得て、次工程に移行させた。
前記2−メトキシ−4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズアルデヒド、ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.15g,16.5mmol)をジクロロメタン(25ml)に懸濁し、0℃でトリエチルアミン(3.84ml,27.7mmol)を加えて室温で3時間攪拌した。反応混合液にクロロホルム(30ml)を加え1mol/l塩酸(15ml)で3回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(15ml)で3回、20%食塩水(15ml)で1回洗浄し、溶媒を留去して、2−メトキシ−4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズアルドキシムを得、NMRで構造を確認後、次工程に移行させた。
前記2−メトキシ−4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズアルドキシムをメタノール−THF混合溶媒(20+10ml)に溶解させ、10%パラジウム−炭素(K)(200mg)を加えて水素雰囲気下室温で一晩攪拌した。濾液の溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:アンモニア水=100:10:1)で精製して、2−メトキシ−4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミン(1.87g,4.31mmol,収率78% vs.2,3−ジヒドロフィチルブロミド)を得た。
0℃で、メタノール(10ml)に塩化チオニル(1.92ml,26.3mmol)を滴下し、4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸(2.00g,13.1mmol)を加えて、60℃で一晩攪拌した。反応終了後、溶媒を留去し、残渣を酢酸エチル(20ml)に溶解させて5%炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)で2回、1mol/l塩酸(10ml)で1回、水(10ml)で1回洗浄し、溶媒を留去して、4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸メチル(2.24g,収率100%)を得た。
前記4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸メチル(269mg,1.62mmol)、2,3−ジヒドロフィチルブロミド(389mg,1.08mmol)、炭酸カリウム(297mg,2.15mmol)をDMF(5ml)中に懸濁し、90℃で5時間攪拌した。反応混合液を室温に冷却後、ヘキサン−酢酸エチル(10+10ml)で抽出し、1mol/l塩酸(15ml)で1回、水(10ml)で2回洗浄し、溶媒を留去して、4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メチル安息香酸メチルを得、NMRで構造を確認後、次工程に移行させた。
前記4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メチル安息香酸メチル(1.08mmol)をTHF(6ml)に溶解させ、DIBAL(1.0M,4.9ml,4.9mmol)を加え、室温で100分間攪拌した。反応混合液を0℃に冷却後、1mol/l塩酸(15ml)で反応を停止し、ヘキサン(10ml)、酢酸エチル(10ml)を加えて分液し、0.5mol/l塩酸(10ml)で1回、水(10ml)で1回洗浄し、溶媒を留去して、4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メチルベンジルアルコールを得た。
4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メチル−ベンジルアルコール(1.08mmol)をクロロホルム(8ml)に溶解させ、チオニルクロリド(393μl,5.38mmol)を加えて50℃で4.5時間攪拌した。反応終了後、溶媒を留去して、4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メチルベンジルクロリドを得、NMRで構造を確認後、次工程に移行させた。
前記4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メチルベンジルクロリド(1.08mmol)をDMF(6ml)に溶解させ、アジ化ナトリウム(350mg,5.38mmol)を加えて70℃で一晩攪拌した。反応混合液を室温に冷却後、ヘキサン(10ml)、酢酸エチル(5ml)を加えて、水(10ml)で3回洗浄した。濾液の溶媒を留去して、4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メチルベンジルアジドを得、NMRで構造を確認後、次工程に移行させた。
前記4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メチルベンジルアジド(1.08mmol)をTHF(10ml)に溶解させ、水(2ml)、トリフェニルホスフィン(565mg,2.15mmol)を加えて60℃で3時間攪拌した。室温まで冷却後、溶媒を留去し、残渣をヘプタン(10ml)に溶解させ、50%アセトニトリル水溶液(10ml)で3回洗浄した。溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1→クロロホルム:メタノール:アンモニア水=50:5:1)で精製して、4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メチルベンジルアミン(281mg,0.67mmol,収率62% vs.2,3−ジヒドロフィチルブロミド)を得た。
2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ドデカン酸(2.81g,9.88mmol)、4−アミノベンジルアルコール(1.00g,8.12mmol)、3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン(HOOBt)(133mg,0.812mmol)を、クロロホルム(10ml)に懸濁させて、0℃でEDC・HCl(2.05g,10.7mmol)加え、室温で一晩攪拌した。溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製して、2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ドデカン酸(4−ヒドロキシメチル)フェニルアミド(2.69g,6.67mmol,収率82%)を得た。
調製例4で得られた1−ブロモ−3,7,11−トリメチルドデカン(1.00g,3.43mmol)をDMF(5ml)に溶解させ、4−ヒドロキシベンジルアルコール(0.85g,6.85mmol)と炭酸カリウム(1.42g,10.3mmol)を加えて120℃で一晩攪拌した。反応混合液を室温に冷却後、クロロホルム(50ml)で抽出し、1mol/l塩酸(30ml)で3回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(30ml)で1回、精製水(30ml)で1回洗浄した。有機層の溶媒を留去して、4−(3,7,11−トリメチルドデシルオキシ)ベンジルアルコール(1.09g,3.26mmol,収率95% vs.1−ブロモ−3,7,11−トリメチルドデカン)を得た。
3,7,11,15−テトラメチル−ヘキサデカン−1−オール(8.96g,30.0mmol)をアセトン(360ml)と酢酸(180ml)の混合溶媒に溶解させ、無水クロム酸 (7.27g,72.7mmol)の水(9.0ml)溶液を滴下し、室温で1時間攪拌した。反応終了後の反応液に二亜硫酸ナトリウム(100g,526mmol)の水(450ml)溶液を加え、室温で終夜撹拌し、ジエチルエーテル(135ml)で6回抽出し、得られた有機層の溶媒を減圧下留去した。濃縮後の油状物にジエチルエーテル(450ml)と水(150ml)を加えて分相し、水層を酢酸エチル(150ml)で3回抽出し、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧下留去した。濃縮後の油状物(10.1g)をクロマトグラフィー精製(シリカゲル;250g、溶出液;50:1→3:1ヘキサン−酢酸エチル)することで、表題の化合物(6.78g,72.3%)を淡青色の油状物として得た。
調製例17で合成した化合物(2.81g,9.0mmol)を無水クロロホルム(4.5ml)に溶解させ 、塩化チオニル(1.31ml,18.0mmol)を加えて室温で1時間攪拌した。反応終了後、溶媒を減圧下留去し、得られた油状物(3.07g)を表題の化合物としてそのまま次の反応に使用した。
調製例17で合成した化合物(6.56g,21.0mmol)を無水クロロホルム(10ml)に溶解させ 、塩化チオニル(3.06ml,42.0mmol)を加えて室温で1時間攪拌した。反応終了後、溶媒を減圧下留去して得た油状物を、90%パラホルムアルデヒド(840mg,25.2mmol)と塩化亜鉛(42.9mg,0.32mmol)の混合固体に対して、氷浴冷却下30分間かけて滴下した。得られた混合溶液を60℃で5時間加熱撹拌した後、室温まで冷却させ、10%炭酸水素ナトリウム水溶液(30ml)とジクロロメタン(15ml)を加えて分層し、同量のジクロロメタンで更に2回抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水(30ml)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下留去した。濃縮後の油状物(7.40g)をクロマトグラフィー精製(シリカゲル;120g、溶出液;10:1ヘキサン−ジクロロメタン)することで、表題の化合物(5.01g,66.1%)を無色の油状物として得た。
(1)1−ブロモ−3,7−ジメチルオクタンの合成
3,7−ジメチルオクタン−1−オール(10.0g,63.2mmol)を48%臭化水素酸水溶液に懸濁し、濃硫酸(0.17ml)を滴下して100℃で16時間攪拌した。反応液を室温に冷却後、ヘキサン(200ml)で抽出し5%炭酸水素ナトリウム水溶液(100ml)で2回、20%食塩水(100ml)で1回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾液の溶媒を留去することで表題の化合物(13.3g,95.1%)を無色の油状物として得た。
(2)メチル[4−(3,7−ジメチル−1−オクチルオキシ)]ベンゾエートの合成
アルゴン雰囲気下、炭酸カリウム(12.5g,90.3mmol)を脱水N,N−ジメチルホルムアミド(100ml)に懸濁させた後、1−ブロモ−3,7−ジメチルオクタン(13.3g,60.1mmol)とメチル(4−ヒドロキシ)ベンゾエート(8.74g,57.4mmol)を加えて70℃で16時間攪拌した。反応液を濾過して炭酸カリウムを除去した後、水(50ml)を加えてヘキサン(250ml)で抽出した。抽出液を1.0mol/l塩酸水溶液(100ml)、炭酸水素ナトリウム水溶液(100ml)、飽和食塩水(100ml)で順次洗浄し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後濾過し、減圧濃縮することで表題の化合物(16.1g,95.7%)を無色の油状物として得た。
(3)4−(3,7−ジメチル−1−オクチルオキシ)ベンゾイックアシッドの合成
メチル[4−(3,7−ジメチル−1−オクチルオキシ)]ベンゾエート(16.1g,54.9mmol)を1,4−ジオキサン(300ml)に溶解し、50%水酸化カリウム水溶液(25ml)を加えて100℃で6時間攪拌した。反応液が酸性になるまで濃塩酸を滴下した後、酢酸エチル(200ml)で抽出し、10%水酸化ナトリウム水溶液(100ml)、飽和食塩水(100ml)で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後濾過し、減圧濃縮することで表題の化合物(14.2g,92.8%)を白色固体として得た。
アルゴン雰囲気下、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N4−アセチル−2’−デオキシシチジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト](3.5g,4.5mmol)を2.0mol/lアンモニア/メタノール溶液(40ml)に溶解し、室温で2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮して表題化合物(3.4g)を定量的に得た。
アルゴン雰囲気下、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N2−(2−メチル−1−オキソプロピル)−2’−デオキシグアノシン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト](5.0g,5.9mmol)を2.0mol/lアンモニア/メタノール溶液(60ml)に溶解し、室温で終夜撹拌した。反応液を減圧濃縮して得た油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(4.6g)を定量的に得た。
調製例23:N,N−ジ(3,7−ジメチル−オクチル)ホルムアミドジメチルアセタールの合成
(1)3,7−ジメチル−1−オクチルブロミドの合成
3,7−ジメチル−1−オクタノール(21.0g,157.9mmol)に48%HBr(200ml)及び濃硫酸(0.46ml)を加えて終夜加熱した。室温に戻した後、ヘキサンを加えて抽出し、有機層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、乾燥、濃縮して表題化合物(28.7g,82.1%)を得た。
(2)ジ(3,7−ジメチル−オクチル)ベンジルアミンの合成
ベンジルアミン(7.1ml,64.8mmol)、炭酸カリウム(17.9g,129.6mmol)および調製例23−(1)で得られた化合物(28.7g,129.6mmol)を乾燥アセトニトリル80mlに溶解し終夜加熱した。反応液を濃縮した後、ジクロロメタン(200ml)を加え、水で洗浄した。有機層を濃縮して得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(13.2g,52.2%)を得た。
(3)N,N−ジ(3,7−ジメチル−オクチル)アミンの合成
調製例23−(2)で得た化合物(13.2g,33.8mmol)をエタノール(150ml)に溶解し、5%パラジウム炭素(53%含水、2.86g)を加え、水素雰囲気下終夜撹拌した。反応液をセライト濾過しパラジウム触媒を除去した後、ろ液を濃縮し、表題化合物(10.0g,99.3%)を定量的に得た。
(4)N,N−ジ(3,7−ジメチル−オクチル)ホルムアミドジメチルアセタールの合成
調製例23−(3)で得た化合物(7.0g,23.4mmol)に、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(2.8g,23.4mmol)及び触媒量のピリジニウム p−トルエンスルホネートを加えて、160℃に加熱、終夜撹拌した。反応液を減圧蒸留し、表題化合物(1.4g,16%)を得た。
(1)2,3,4−トリス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンゾフェノンの合成
アルゴン雰囲気下、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン(0.94g,4.07mmol)、2,3−ジヒドロフィチルブロミド(6.01g,16.6mmol)、炭酸カリウム(2.57g,138.2mmol)を脱水N,N−ジメチルホルムアミド(25ml)中に加え、80℃で終夜攪拌した。反応混合液を室温に冷却後、ヘキサン(50ml)で抽出し、1mol/l塩酸水(20ml)、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(20ml)、飽和食塩水(20ml)で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液の溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜95/5(v/v))で精製、目的フラクションを集めて濃縮し、表題の化合物(3.90g,88.9%)を油状物として得た。
(2)2,3,4−トリス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリルアルコールの合成
調製例24−(1)で合成した2,3,4−トリス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンゾフェノン(3.90g,3.64mmol)を、クロロホルム(35ml)とメタノール(3.5ml)の混合溶媒に溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム(0.41g,10.9mmol)を添加し、45℃で2時間攪拌した。反応終了後、0.1mol/l塩酸水を滴下することで未反応の水素化ホウ素ナトリウムを分解させた後、1.0mol/l塩酸水で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後に濾過し、濾液を減圧濃縮した。濾液の溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=98:2〜90/10(v/v))で精製、目的フラクションを集めて濃縮し、表題の化合物(3.56g,91.0%)を油状物として得た。
(3)N−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−2,3,4−トリス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリルアミンの合成
アルゴン雰囲気下、調製例24−(2)で合成した2,3,4−トリス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリルアルコール(3.56g,3.31mmol)および9−フルオレニルメチルカーバメート(1.42g,5.96mmol)を脱水トルエン(40ml)中に50℃で溶解させた後、メタンスルホン酸(64μl,993μmol)を加えて100℃で2時間攪拌した。反応混合液を室温に冷却後、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(20ml)、飽和食塩水(20ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液の溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=98:2〜90/10(v/v))で精製、目的フラクションを集めて濃縮し、表題の化合物(4.00g,93.3%)を油状物として得た。
(4)2,3,4−トリス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリルアミンの合成
調製例24−(3)で合成したN−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−2,3,4−トリス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリルアミン(4.00g,3.09mmol)を、クロロホルム(30ml)とアセトニトリル(15ml)の混合溶媒に溶解させた後、20%ピペリジン[1−メチル−2−ピロリドン溶液](30.5ml,61.8mmol)を添加し、室温で30分間攪拌した。反応終了後、酢酸エチル(60ml)、ヘキサン(30ml)および水(10ml)を加え、分層した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液の溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜80/20(v/v))で精製、目的フラクションを集めて濃縮し、表題の化合物(2.92g,88.2%)を油状物として得た。
(1)N−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−ビス−4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリルアミンの合成
調製例6に記した4,4’−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリルアルコール(3.80g,4.89mmol)にトルエン(50ml)、9−フルオレニルメチルカーバメート(2.11g,8.81mmol)を加え、50℃に加熱して溶解させた。メタンスルホン酸(95.3μl,1.47mmol)を加え、100℃で2時間攪拌した。反応終了を確認した後、室温に戻し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(20ml)を加えて攪拌した。分層して有機層を水(20ml)、飽和食塩水(20ml)でさらに洗浄した。有機層を減圧留去し、表題化合物(5.10g、quant)を得た。
(2)4,4’−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリルアミンの合成
調製例25−(1)で得たN−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−4−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリルアミン(5.10g,5.27mmol)を、クロロホルム(50ml)とアセトニトリル(25ml)の混合溶媒に溶解させた後、20%ピペリジン[1−メチル−2−ピロリドン溶液](52.1ml,105.4mol)を添加し、室温で30分間攪拌した。反応終了後、酢酸エチル(100ml)、ヘキサン(60ml)および水(15ml)を加え、分層した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液の溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜30/70v/v))で精製、目的フラクションを集めて濃縮し、表題の化合物(3.56g,86.8%)を油状物として得た。
(1)3,5−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルクロリドの合成
アルゴン雰囲気下、調製例9に記した3,5−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアルコール(4.70g,6.70mmol)をクロロホルム(34ml)に溶解させ、ピリジン(数滴)、塩化チオニル(0.97ml,13.4mmol)を加えて室温で90分間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、表題の化合物(4.93g,quant)を油状物として得た。
(2)3,5− ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアジドの合成
調製例26−(1)で得た3,5−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルクロリド(4.93g,6.85mmol)をクロロホルム(27ml)とN,N−ジメチルホルムアミド(81ml)の混合溶媒に溶解させ、アジ化ナトリウム(0.90g,13.7mmol)を加えて80℃で2時間半攪拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル(250ml)および精製水(180ml)を加えて分層し、有機層を精製水(180ml)及び飽和食塩水(130ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後に濾過し、表題の化合物(4.79g,96.4%)を得た。
(3)3,5−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミンの合成
アルゴン雰囲気下、調製例26−(2)で得た3,5−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアジド(4.79g,6.60mmol)を脱水テトラヒドロフラン(33ml)に溶解させ、氷冷下、水素化リチウムアルミニウム(0.50g,13.2mmol)を添加し、反応液を室温で2時間攪拌した。反応終了後の反応液に1mol/l塩酸水(25ml)と酢酸エチル(50ml)を滴下して分層し、水層を酢酸エチル(50ml)で抽出した。有機層を合わせて、水(90ml)で2回洗浄し、更に5%炭酸水素ナトリウム水溶液(90ml)、飽和食塩水(90ml)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾液を減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題の化合物(3.29g,71.1%)を油状物として得た。
(1)5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの合成
2’−デオキシ−2’−フルオロウリジン(3.00g,12.2mmol)を乾燥ピリジンに溶解した後、減圧濃縮する操作を3回繰り返し、共沸脱水した。その後、アルゴン雰囲気下、乾燥ピリジン(120ml)に溶解し、4,4’−ジメトキシトリチルクロリド(4.55g,13.4mmol)を加え、室温にて3時間撹拌した。反応終了を確認後、反応液に酢酸エチル(150ml)と水(60ml)を加えて分層し、有機層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液(20ml)で3回、水(20ml)、飽和食塩水(20ml)で洗浄し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液の溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:50〜0/100(v/v),1%トリエチルアミンを含む)で精製して、目的フラクションを集めて濃縮し、表題の化合物(8.48g,quant)を得た。
調製例27−(1)で得た5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシ−2’−フルオロウリジン(3.00g,5.47mmol)をアルゴン雰囲気下、脱水ジクロロメタン(50ml)に溶解し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.55ml,3.18mmol)、1H−テトラゾール(0.45g,6.45mmol)および2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(1.92g,6.36mmol)を加えて室温で終夜撹拌した。反応終了を確認後、反応液に5%炭酸水素ナトリウム水溶液(20ml)を加えて分層し、有機層を飽和食塩水(20ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾液を濃縮して得られた粗生物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=75:25〜30/70(v/v),3%トリエチルアミンを含む)で精製、目的フラクションを集めて濃縮し、表題の化合物(2.76g,67.3%)を得た。
(1)5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−O−スクシネートの合成
アルゴン雰囲気下、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン(4.98g,9.14mmol)とテトラヒドロフラン−2,5−ジオン(1.39g,13.9mmol)を脱水ジクロロメタン(100ml)に溶解させた後、トリエチルアミン(3.80ml,27.3mmol)を加えて室温で16時間攪拌した。反応終了後の反応液を2.0mol/lトリエチルアンモニウムホスフェート水溶液(70ml)で3回洗浄した後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後濾過し、減圧濃縮して得られた残渣をトルエン(10ml)で3回共沸することで、表題の化合物(7.15g)のトリエチルアミン塩を白色固体として定量的に得た。
(2)5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−イル−O−[3,4,5−トリス(3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカニルオキシ)ベンジル]スクシネート〔5’−O−DMTr−dT−suc−TPB〕の合成
実施例1−(1)で合成した化合物(6.55g,8.78mmol)、調製例7で合成した3,4,5−トリス(3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカニルオキシ)ベンジルアルコール(5.19g,5.16mmol)を脱水ジクロロメタン(15ml)に溶解させた後、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート[HBTU](11.8g,30.8mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(5.53ml、31.2mmol)を加えて室温で1時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後に濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、1%v/v トリエチルアミン)で精製することで表題の化合物(3.83g,45.3%)を粘性固体として得た。
5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−O−スクシネートのトリエチルアミン塩(1.45g,1.94mmol)、調製例8で合成した3,4,5−トリス(3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカニルオキシ)ベンジルアミン(1.02g,1.10mmol)を用い、実施例1−(2)と同様の方法に従い、表題の化合物(1.22g,72.4%)を粘性固体として得た。
31P−NMR(160MHz,CDCl3):δ150.0,150.6
m/z(ESI−MS):Anal.Calc.for C59H86N5O8P:1023.6.Found 1022.3(M−H)−
(1)4−(3,7−ジメチル−1−オクチルオキシ)ベンゾイルクロリドの合成
アルゴン雰囲気下、4−(3,7−ジメチル−1−オクチルオキシ)ベンゾイックアシッドを脱水クロロホルム(25ml)に溶解し、氷冷後、塩化チオニル(6.72ml,92.7mmol)を滴下して加えた。反応液を室温で終夜攪拌した後、減圧濃縮して表題の化合物を油状物として得た。本化合物はそのまま次工程に使用した。
(2)3’,5’−O−ビス(トリメチルシリル)−N 3 −[4−(3,7−ジメチル−1−オクチルオキシ)ベンゾイル]2’−デオキシチミジンの合成
2’−デオキシチミジン(5.00g,20.6mmol)を脱水ピリジン(10ml)で3回共沸した後、アルゴン雰囲気下、脱水ピリジン(60ml)に溶解し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(17.9ml,103mmol)、トリメチルシリルクロリド(6.50ml,51.5mmol)を加えて室温で30分間攪拌した。攪拌後、前記4−(3,7−ジメチル−1−オクチルオキシ)ベンゾイルクロリドの油状物を25分間かけて滴下し、その後室温で4時間攪拌した。反応終了後の反応液を氷冷し、リン酸二水素カリウム(17g)と水(80ml)を加えて5分間攪拌した後、ジエチルエーテル(100ml)で抽出し、飽和リン酸二水素カリウム水溶液(50ml)、飽和食塩水(50ml)で洗浄し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後濾過し、濾液を減圧濃縮して表題の化合物を得た。本化合物は、そのまま次工程に使用した。
(3)N 3 −[4−(3,7−ジメチル−1−オクチルオキシ)ベンゾイル]2’−デオキシチミジンの合成
3’,5’−O−ビス−(トリメチルシリル)−N3−[4−(3,7−ジメチル−1−オクチルオキシ)ベンゾイル]−2’−デオキシチミジンをクロロホルム(70ml)とメタノール(70ml)の混合溶媒に溶解させ、トリフルオロ酢酸(350μl)を加えて室温で30分間攪拌した。反応終了後、溶媒を留去し、再度酢酸エチル(150ml)に溶解させた。5%炭酸水素ナトリウム水溶液(75ml)、飽和食塩水(75ml)で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後濾過した。濾液の溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)で精製して表題の化合物(7.10g,68.5%)を白色固体として得た。
アルゴン雰囲気下、脱水ピリジン(10ml)で3回共沸したN3−[4−(3,7−ジメチル−1−オクチルオキシ)ベンゾイル]−2’−デオキシチミジン(7.10g,14.1mmol)を脱水ピリジン(130ml)に溶解させた後、4,4’−ジメトキシトリチルクロリド(4.83g,14.3mmol)を加えて終夜攪拌した。反応終了後の反応液に水(130ml)を加えた後、ジエチルエーテル(260ml)で抽出後、水(130ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後濾過し、濾液を濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール,1%v/v トリエチルアミン)で精製して表題の化合物(10.2g,90.1%)を白色固体として得た。
アルゴン雰囲気下、脱水アセトニトリル(10ml)で3回共沸した5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N3−[4−(3,7−ジメチル−1−オクチルオキシ)ベンゾイル]−2’−デオキシチミジン(6.47g,8.03mmol)を脱水ジクロロメタン(40ml)に溶解させた。氷冷下、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(5.60ml,32.0mmol)を加えた後、クロロ−2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト(2.36ml,10.0mmol)のジクロロメタン(40ml)溶液を20分間かけて滴下した。反応液を室温で30分間攪拌した後、減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル,3%v/v トリエチルアミン)で精製し、表題の化合物(7.32g,91.0%)を白色固体として得た。
アルゴン雰囲気下、炭酸カリウム(2.10g,15.2mmol)を懸濁させた脱水N,N−ジメチルホルムアミド(50ml)に、調製例19で合成した化合物(3.65g,10.1mmol)と5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−3’−O−レブリノイル−2’−デオキシチミジン(3.25g,5.06mmol)を溶解させた後、40℃で24時間攪拌した。反応液を濾過した後に水(50ml)を加え、ジエチルエーテル(100ml)で2回抽出した。有機層を水(100ml)で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥後濾過し、減圧濃縮することで得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン,1%v/v トリエチルアミン)で精製し、表題の化合物(4.80g,98%)を淡黄色の粘性固体として得た。
実施例7で合成した化合物(4.80g,4.96mmol)をピリジン(40ml)と酢酸(10ml)の混合溶媒に溶解させた後、無水ヒドラジン(244μl,7.71mmol)を加えて室温で30分間攪拌後、アセチルアセトン(1.07ml,10.3mmol)を加えて室温で5分間攪拌した。ジエチルエーテル(100ml)を加え、10%硫酸水素カリウム水溶液(50ml)、10%炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)、飽和食塩水(50ml)で順次洗浄した後、有機層を濃縮することで表題の化合物(3.58g,83.0%)を淡黄色の粘性固体として得た。
アルゴン雰囲気下、脱水アセトニトリル(10ml)で3回共沸した実施例8で合成した化合物(3.58g,4.12mmol)を脱水ジクロロメタン(22ml)に溶解し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.49ml,16.5mmol)を滴下して加えた後、脱水ジクロロメタン(22ml)に溶解したクロロ−2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト(1.15ml,5.15mmol)を20分間かけて滴下して加えた。室温で30分間攪拌した後、減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=8/2,3%v/v トリエチルアミン)で精製し、表題の化合物(3.90g,88.6%)を淡黄色の粘性固体として得た。
アルゴン雰囲気下、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト](1.00g,1.34mmol)を脱水N,N−ジメチルホルムアミド(15ml)に溶解させた後、炭酸カリウム(279mg,2.02mmol)と(3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカノイルオキシ)メチルクロリド(970mg,2.69mmol)を加えて室温で16時間攪拌した。反応液を濾過した後に水(20ml)を加えてジエチルエーテル(50ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後濾過し、濾液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン,3%v/v トリエチルアミン)で精製し、表題の化合物(929mg,65.0%)を薄黄色の粘性固体として得た。
アルゴン雰囲気下、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシグアノシン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト](1.52g,1.98mmol)を脱水テトラヒドロフラン(20ml)に溶解させた後、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(696μl,4.00mmol)を加え、調製例18で合成した3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカノイルクロリド(993mg,3.00mmol)を滴下して加えた。室温で1.5時間攪拌後、反応液を濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール,1%v/v トリエチルアミン)で精製し、表題の化合物(1.73g,82.0%)を薄黄色の粘性固体として得た。
5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシアデノシン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト](1.76g,2.33mmol)を用い、実施例11と同様の方法に従い、表題の化合物(1.12g,45.8%)を薄黄色の粘性固体として得た。
(1)5’−O−DMTr−dT PhyOM −dT−suc−NH−TPBの合成
アルゴン雰囲気下、実施例2で合成した5’−O−DMTr−dT−suc−NH−TPB(206mg,127μmol)を脱水ヘプタン(650μl)と脱水トルエン(650μl)の混合溶媒に溶解させ、トリフルオロ酢酸(26.0μl,350μmol)、1H−ピロール(17.5μl,254μmol)を加えて5分間撹拌した。薄層クロマトグラフィーにより脱保護反応の終了を確認し、ピリジン(28.3μl,350μmol)、N−メチルイミダゾール(13.9μl,175μmol)を加えて5分間撹拌した。中和後の反応液に0.25mol/l 5−(ベンジルチオ)−1H−テトラゾール/アセトニトリル溶液(1.0ml)で溶解させた実施例10で合成した化合物(271mg,254μmol)を加えて10分間撹拌した後、0.2mol/l ヨウ素 ピリジン/テトラヒドロフラン/水=49/49/2溶液(1.27ml)を加えて5分間撹拌した。反応終了後の反応液にヘプタン(5.0ml)を加えて分層させて下層を抜き出した後、アセトニトリル(1.0ml)と水(80μl)の混合溶液で洗浄し、得られた有機層を減圧濃縮することで表題の化合物(291mg,99.5%)を粘性固体として得た。
(2)5’−O−DMTr−dT PhyOM −dT PhyOM −dT−suc−NH−TPBの合成
実施例13−(1)で合成した化合物(291mg,126μmol)と実施例10で合成した化合物(271mg,254μmol)を用い、実施例13−(1)と同様の方法に従い、表題の化合物(369mg,98.0%)を粘性固体として得た。
(3)デオキシチミジニル−[3’→5’]−デオキシチミジニル−[3’→5’]−デオキシチミジン(5’−d[TTT]−3’)の合成
実施例13−(2)で合成した化合物と、28%アンモニア水溶液:40%メチルアミン水溶液=1:1の溶液(4.0ml)をオートクレーブにいれて65℃で16時間加熱した後、反応液を遠心エバポレーターで減圧濃縮した。C−18逆相カートリッジカラムに吸着させた後、0.1mol/l酢酸アンモニウム水溶液で洗浄し、2%トリフルオロ酢酸水溶液により、5’末端の水酸基に結合したジメトキシトリチル基を脱保護し、20%アセトニトリル水溶液で溶出して表題の化合物を得た。
m/z(ESI−MS):Anal.Calc.for C30H40N6O19P2:850.2.Found 849.1(M−H)−
(1)5’−O−DMTr−dT (4−Cit−Bz) −dT−suc−NH−TPBの合成
実施例2で合成した5’−O−DMTr−dT−suc−NH−TPB(206mg,127μmol)と実施例6で合成した化合物(256mg,254μmol)を用い、実施例13−(1)と同様の方法に従い、表題の化合物(273mg,96.0%)を粘性固体として得た。
(2)5’−O−DMTr−dT (4−Cit−Bz) −dT (4−Cit−Bz) −dT−suc−NH−TPBの合成
実施例14−(1)で合成した化合物(273mg,122μmol)と実施例6で合成した化合物(256mg,254μmol)を用い、実施例13−(1)と同様の方法に従い、表題の化合物(339mg,97.5%)を粘性固体として得た。
(3)デオキシチミジニル−[3’→5’]−デオキシチミジニル−[3’→5’]−デオキシチミジン(5’−d[TTT]−3’)の合成
実施例14−(2)で合成した化合物を用い、実施例13−(3)と同様の方法に従い、表題の化合物を得た。
m/z(ESI−MS):Anal.Calc.for C30H40N6O19P2:850.18.Found 849.1(M−H)−
(1)5’−O−DMTr−dA Phy −dT−suc−NH−TPBの合成
アルゴン雰囲気下、実施例2で合成した5’−O−DMTr−dT−suc−NH−TPB(213mg,131μmol)を脱水ヘプタン(700μl)と脱水トルエン(700μl)の混合溶媒に溶解させ、トリフルオロ酢酸(28.0μl,377μmol)、1H−ピロール(18.1μl,262μmol)を加えて5分間撹拌した。薄層クロマトグラフィーにより脱保護反応の終了を確認し、ピリジン(30.5μl,377μmol)、N−メチルイミダゾール(15.0μl,189μmol)を加えて5分間撹拌した。中和後の反応液に0.25mol/l 5−(ベンジルチオ)−1H−テトラゾール/アセトニトリル溶液(1.0ml)と脱水トルエン(300μl)の混合溶媒で溶解させた実施例12で合成した化合物(275mg,262μmol)を加えて10分間撹拌した後、5.78mol/l tert−ブチルヒドロペルオキシド/ノナン溶液(45.3μl)を加えて5分間撹拌した。反応終了後の反応液にヘプタン(4.0ml)を加えて分層させて下層を抜き出した後、アセトニトリル(1.0ml)と水(80μl)の混合溶液で洗浄し、得られた有機層を減圧濃縮することで表題の化合物(301mg)を粘性固体として定量的に得た。
(2)5’−O−DMTr−dA Phy −dA Phy −dT−suc−NH−TPBの合成
実施例15−(1)で合成した化合物(301mg,131μmol)と実施例12で合成した化合物(275mg,262μmol)を用いて、実施例15−(1)と同様の方法に従い、表題の化合物(387mg)を粘性固体として定量的に得た。
(3)デオキシアデニリル−[3’→5’]−デオキシアデニリル−[3’→5’]−デオキシチミジン(5’−d[AAT]−3’)の合成
実施例15−(2)で合成した化合物と、28%アンモニア水溶液(4.0ml)をオートクレーブにいれて65℃で16時間加熱した後、反応液を遠心エバポレーターで減圧濃縮した。C−18逆相カートリッジカラムに吸着させた後、0.1mol/l酢酸アンモニウム水溶液で洗浄し、2%トリフルオロ酢酸水溶液により、5’末端の水酸基に結合したジメトキシトリチル基を脱保護し、20%アセトニトリル水溶液で溶出して表題の化合物を得た。
m/z(ESI−MS):Anal.Calc.for C30H38N12O15P2:868.21.Found 867.1(M−H)−
(1)5’−O−DMTr−dG Phy −dT−suc−NH−TPBの合成
実施例2で合成した5’−O−DMTr−dT−suc−NH−TPB(201mg,124μmol)と実施例11で合成した化合物(266mg,250μmol)を用いて、実施例15−(1)と同様の方法に従い、表題の化合物(303mg)を粘性固体として定量的に得た。
(2)5’−O−DMTr−dG Phy −dG Phy −dT−suc−NH−TPBの合成
アルゴン雰囲気下、実施例16−(1)で合成した化合物(303mg,124μmol)と実施例11で合成した化合物(265mg,249μmol)を用い、実施例15−(1)と同様の方法に従い、表題の化合物(400.0mg)を粘性固体として定量的に得た。
(3)デオキシグアノシニル−[3’→5’]−デオキシグアノシニル−[3’→5’]−デオキシチミジン(5’−d[GGT]−3’)の合成
実施例16−(2)で合成した化合物(23.8mg,7.37mmol)を用い、実施例15−(3)と同様の方法に従い、表題の化合物を得た。
m/z(ESI−MS):Anal.Calc.for C30H38N12O17P2:900.20.Found 900.8(M+H)+
(1)5’−O−DMTr−dC Phy −dT−suc−NH−TPBの合成
アルゴン雰囲気下、実施例2で合成した5’−O−DMTr−dT−suc−NH−TPB(203mg,125μmol)と実施例3で合成した化合物(260mg,254μmol)を用い、実施例15−(1)と同様の方法に従い、表題の化合物(366.9mg)を粘性固体として定量的に得た。
(2)5’−O−DMTr−dC Phy −dC Phy −dT−suc−NH−TPBの合成
アルゴン雰囲気下、実施例17−(1)で合成した化合物(367mg,125μmol)と実施例3で合成した化合物(262mg,256μmol)を用い、実施例15−(1)と同様の方法に従い、表題の化合物(394mg)を粘性固体として定量的に得た。
(3)デオキシシチジニル−[3’→5’]−デオキシシチジニル−[3’→5’]−デオキシチミジン(5’−d[CCT]−3’)の合成
実施例17−(2)で合成した化合物(20.8mg,6.59mmol)を用い、実施例13−(3)と同様の方法に従って、表題の化合物を得た。
m/z(ESI−MS):Anal.Calc.for C28H38N8O17P2:820.2.Found 819.1(M−H)−
(1)アルゴン雰囲気下、実施例2で合成した5’−O−DMTr−dT−suc−NH−TPB(208mg,128μmol)を脱水ヘプタン(650μl)と脱水トルエン(650μl)の混合溶媒に溶解させ、トリフルオロ酢酸(26.0μl,350μmol)、1H−ピロール(17.7μl,256μmol)を加えて5分間撹拌した。薄層クロマトグラフィーにより脱保護反応の終了を確認し、ピリジン(28.3μl,350μmol)、N−メチルイミダゾール(13.9μl,175μmol)を加えて5分間撹拌した。中和後の反応液に0.25mol/l 5−(ベンジルチオ)−1H−テトラゾール/アセトニトリル溶液(1.0ml)で溶解させた実施例9で合成した化合物(273mg,256μmol)を加えて10分間撹拌した後、5.78mol/l tert−ブチルヒドロペルオキシド/ノナン溶液(383μmol,66.3μl)を加えて5分間撹拌した。反応終了後の反応液にヘプタン(3.0ml)を加えて分層させて下層を抜き出した後、アセトニトリル(1.0ml)と水(80μl)の混合溶液で洗浄し、得られた有機層を減圧濃縮することで実施例14−(1)で合成した化合物と同一化合物(291mg,98.8%)を粘性固体として得た。
(2)同様の操作を18回繰り返すことにより表題の化合物(1.67g,89.6%)を橙色の固体として得た。
アルゴン雰囲気下、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシシチジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト](20.4g,28.0mmol)をテトラヒドロフラン200mlに溶解し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(7.4g,57.0mmol)、2−エチル−1−ヘキサノイックアシッド無水物(11.4g,42.0mmol)を加えて室温で3日間撹拌した。反応終了後の反応液に酢酸エチルおよび水を加えて抽出した後、酢酸エチル層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧下留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー精製(溶出液;1%トリエチルアミン含有の10:1→1:1ヘプタン−酢酸エチル)し、表題の化合物(15.9g,66.5%)を得た。
(1)N 4 −(3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノイル)−2’−デオキシシチジンの合成
2’−デオキシシチジン(2.3g,10.0mmol)を乾燥ピリジンに懸濁し、減圧濃縮を3回繰り返して共沸脱水した後、乾燥ピリジン60mlに再懸濁し、塩化トリメチルシリル(6.4ml、50mmol)を5分間かけて滴下した。その反応液に3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノイルクロリド(9.5ml,50.0mmol)を5分間かけて加えた。反応終了後、氷冷下、アンモニア水を25ml加え、20分反応後、反応液を減圧濃縮した。濃縮液に水150mlを加え、酢酸エチル100mlで3回抽出した有機層を濃縮して得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題の化合物(4.7g)を得た。
(2)5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N 4 −(3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノイル)−2’−デオキシシチジンの合成
実施例20−(1)で得た化合物(4.7g)を乾燥ピリジンに溶解し、減圧濃縮を3回繰り返して共沸脱水した後、乾燥ピリジン40mlに溶解し、4,4’−ジメトキシトリチルクロリド(3.8g、11.0mmol)を加え30分間撹拌した。反応液に水100mlを加え、酢酸エチル100mlで3回抽出した。有機層を更に水で洗浄した後、減圧濃縮して得た油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題の化合物(5.2g,77.3%)を得た。
(3)5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N 4 −(3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノイル)−2’−デオキシシチジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト]〔5’−O−DMTr−dC (3,5,5−Me3Hex) −PA〕の合成
実施例20−(2)で得た化合物を乾燥アセトニトリル5mlに溶解し、減圧濃縮を3回繰り返して共沸脱水した後、乾燥ジクロロメタン30mlに溶解し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(5.4ml,30.9mmol)を5分かけて滴下し、クロロ−2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト(2.2ml,9.7mmol)のジクロロメタン(30ml)溶液を15分かけて滴下した。室温で30分反応した後、反応液を減圧濃縮して得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール/トリエチルアミン=94/3/3)で精製し、目的物を含むフラクションを濃縮乾固して表題化合物(3.7g,55.3%)を白色固体として得た。
実施例19記載の方法に従い、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシシチジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト](25.6g,35.1mmol)から、2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ドデカノイルクロリド(16.5g,54.5mmol)をアシル化剤として用いて、表題の化合物(16.5g,47.3%)を調製した。
実施例19記載の方法に従い、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシシチジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト](1.8g,2.5mmol)に、2−ヘプチル−1−ウンデカノイックアシッド無水物(2.1g,3.8mmol)をアシル化剤として反応させた。反応の進行が遅いことから、改めて2−ヘプチル−1−ウンデカノイルクロリド(1.2g,3.8mmol)をアシル化剤として加え、30分反応させた。反応終了後、クロロホルムで抽出し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した有機層を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題の化合物(1.7g,67.5%)を調製した。
実施例19記載の方法に従い、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシシチジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト](20.2g,28.0mmol)から、2−ヘキシル−1−デカノイルクロリド(11.4g,41.0mmol)をアシル化剤として用いることで表題の化合物(12.6g,47.0%)を調製した。
実施例19記載の方法に従い、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシシチジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト](2.0g,2.7mmol)から、対応するテトラデカノイルクロリド(751mg,3.0mmol)をアシル化剤として用いることで表題の化合物(1.3g,49.2%)を調製した。
調製例22で得た5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシグアノシン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト](1.0g,1.3mmol)を乾燥ピリジンに懸濁して減圧濃縮を2回繰り返し、更にトルエンに溶解、減圧濃縮して、共沸脱水した。その後、乾燥メタノール(2.6ml)中で、調製例23で合成した化合物と終夜反応させ、減圧濃縮して得た油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(184mg、13.1%)を得た。
(1)dT−dT−suc−NH−TPBの合成
アルゴン雰囲気下、5’−O−DMTr−dT−suc−NH−TPB(225mg,139μmol)を脱水シクロペンチルメチルエーテル(1.0ml)に溶解させ、1H−ピロール(9.6μl,139μmol)を加えて、更に別途調製したトリフルオロメタンスルホン酸(24.4μl,2.78μmol)のシクロペンチルメチルエーテル溶液(2.0ml)を20μl加え、室温で10分間撹拌した。薄層クロマトグラフィーにより脱保護反応の終了を確認し、0.2mol/lN−メチルイミダゾールのシクロペンチルメチルエーテル溶液(14.0μl,176μmol)を加えて中和後、0.3mol/l 4,5−ジシアノイミダゾール/アセトニトリル溶液で溶解させたdT−CE ホスホロアミダイト(5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)デオキシチミジン−3’−[O−(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホロアミダイト)(207mg,278μmol)を加えて10分間撹拌した。その後の反応液に、pH6.8のリン酸バッファー(1.0ml)、過酸化水素水(47μl,417μmol)、ヨウ化カリウム(23.1mg,139μmol)を加えて15分間撹拌した。反応液を10%チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄して得た有機層に1H−ピロール(9.6μl,139μmol)、トリフルオロ酢酸(206μl,2.8mmol)を加え10分間撹拌し、有機層を10%硫酸水素カリウム水溶液、10%炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で洗浄した。得られた有機層を減圧濃縮することで表題の化合物(316mg)を粘性固体として定量的に得た。
(2)dA Bz −dT−dT−suc−NH−TPBの合成
実施例26−(1)で得られた化合物(316mg)をジクロロメタン(2.0ml)に溶解し、0.3mol/l 4,5−ジシアノイミダゾール/アセトニトリル溶液で溶解させたdA−CE ホスホロアミダイト(5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N6−ベンゾイル−2’−デオキシアデノシン−3’−[O−(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホロアミダイト)(239mg,278μmol)を加えて10分間撹拌した。その後の反応液に、pH6.8のリン酸バッファー(1.0ml)、ヨウ化カリウム(20.0mg,97.4μmol)、過酸化水素水(16.0μl,139μmol)を加えて15分間撹拌した。反応液を10%チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄して得た有機層に1H−ピロール(9.6μl,139μmol)、トリフルオロ酢酸(206μl,2.8mmol)を加え10分間撹拌し、有機層を10%硫酸水素カリウム水溶液、10%炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で洗浄した。得られた有機層を減圧濃縮することで表題の化合物(442mg)を粘性固体として定量的に得た。
(3)dA Bz −dC Bz −dA Bz −dT−dG ibu −dC Bz −dA Bz −dT−dT−suc−NH−TPBの合成
実施例26−(2)記載の方法を繰り返すことにより表題の化合物を合成した。
(1)5’−O−DMTr−dC (2Et−Hex) −dT−suc−NH−TPBの合成
5’−O−DMTr−dT−suc−NH−TPB(207mg,127μmol)と実施例19で合成したホスホロアミダイトモノマー(336mg,393μmol)を用い、実施例15−(1)と同様の方法に従い、表題の化合物(226mg,84.9%)を粘性固体として得た。
(2)5’−O−DMTr−dC (2Et−Hex) −dC (2Et−Hex) −dT−suc−NH−TPBの合成
実施例27−(1)と同様の条件で、更に実施例19で合成したホスホロアミダイトモノマーを用いてシチジン誘導体を伸長し、表題の化合物(249mg,90.0%)を得た。
薄層クロマトグラフィー:Rf0.18(展開溶媒=酢酸エチル)
実施例27に記載の方法に基づき、5’−O−DMTr−dT−suc−NH−TPB(198.6mg,122μmol)から実施例20記載のホスホロアミダイトモノマーを用いてシチジン誘導体の伸長を4回繰り返し、表題化合物(314mg,72.2%)を得た。
薄層クロマトグラフィー:Rf0.21(展開溶媒=トルエン/アセトニトリル=9/1(v/v))
実施例27に記載の方法に基づき、5’−O−DMTr−dT−suc−NH−TPB(203mg,125μmol)から実施例22記載のホスホロアミダイトモノマーを用いてシチジン誘導体の伸長を9回繰り返し、表題化合物(210mg、49.1%)を得た。
薄層クロマトグラフィー:Rf0.13(展開溶媒=酢酸エチル)
実施例27に記載の方法に基づき、5’−O−DMTr−dT−suc−NH−TPB(102mg,63.1μmol)から実施例24記載のホスホロアミダイトモノマーを用いてシチジン誘導体の伸長を4回繰り返し、表題化合物(199mg、82.2%)を得た。
薄層クロマトグラフィー:Rf0.14(展開溶媒=酢酸エチル)
実施例27に記載の方法に基づき、5’−O−DMTr−dT−suc−NH−TPB(210mg,129μmol)から5’−O−DMTr−dCPhy−PAを用いてシチジン誘導体の伸長を4回繰り返し、5’−O−DMTr−dCPhy−dCPhy−dCPhy−dCPhy−dT−suc−NH−TPBを得た(534mg,97.9%)。更に、実施例27に記載の方法に基づき、実施例21に記載の5’−O−DMTr−dC(Me6Dodecanoyl)−PAを用いてシチジン誘導体を5回伸長し、表題の化合物(598mg,64.6%)を得た。
実施例31で合成した化合物(20.0mg,2.8μmol)に40%メチルアミン水溶液(2.0ml)および28%アンモニア水(2.0ml)を加えてオートクレーブ中、65℃で1時間反応した。反応液を遠心エバポレーターで減圧濃縮し、C−18逆相カートリッジカラムに吸着させた後、0.1mol/l酢酸アンモニウム水溶液で洗浄し、2%トリフルオロ酢酸水溶液により、5’末端の水酸基に結合したジメトキシトリチル基を脱保護し、20%アセトニトリル水溶液で溶出して表題の化合物を得た。
IEX−HPLC(DNA Pac PA200(4×250mm)),flow rate 1ml/min, eluent A 20mM Tris−HCl(pH7.5),eluent B 400mM NaClO4/20mM Tris−HCl(pH7.5), gradient 20% to 70% for 30min, λ=260nm: RT=6.68min(94.0area%)
MALDI−TOF/MS:2843.87[M−H]−
5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−O−スクシネートのトリエチルアミン塩(3.52g,4.63mmol)、調製例24で得た2,3,4−トリス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリルアミン(2.92g,2.73mmol)を用い、実施例1−(2)と同様の方法に従い、反応溶液の濾液を得た。該濾液を減圧濃縮して得たオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=75:25〜50/50(v/v),3%トリエチルアミンを含む)で精製し、表題の化合物(3.60g,77.6%)を油状物として得た。
5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−O−スクシネートのトリエチルアミン塩(2.88g,3.79mmol)、調製例25で得た4,4’−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリルアミン(1.73g,2.23mmol)を用い、実施例1−(2)と同様の方法に従い、反応溶液の濾液を得た。該濾液を減圧濃縮して得たオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜30/70(v/v),3%トリエチルアミンを含む)で精製し、表題の化合物(1.87g,59.8%)を油状物として得た。
5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−O−スクシネートのトリエチルアミン塩(2.84g,3.74mmol)、調製例26で得た3,5−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミン(1.54g,2.20mol)を用い、実施例1−(2)と同様の方法に従い、反応溶液の濾液を得た。該濾液を減圧濃縮して得たオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=90:10〜20/80(v/v),1%トリエチルアミンを含む)で精製し、表題の化合物(0.97g,33%)を油状物として得た。
(1)5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−[O−(2−シアノエチル)]ホスホリル−2’−デオキシチミジン−3’−イル−N−[2,3,4−トリス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリル]スクシナメートの合成
実施例33で合成した化合物(199.0mg,117.1μmol)とdT−CE ホスホロアミダイト試薬(5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)デオキシチミジン−3’−[O−(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホロアミダイト)(223.8mg,0.30mmol)を用い、実施例18−(1)と同様の方法に従い、表題の化合物(213.8mg,88.1%)を粘性油状物として得た。
(2)2’−デオキシチミジニル−[3’→5’]−2’−デオキシチミジン(5’−d[TT]−3’)の合成
m/z(ESI−MS):Anal.Calc.for C20H27N4O12P:546.12 Found 545.1(M−H)−
実施例33で合成した化合物(200.4mg,117.9μmol)と2’−OMe−U−CE ホスホロアミダイト試薬(5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−メトキシウリジン−3’−[O−(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホロアミダイト)(222.3mg,0.30mmol)を用い、実施例18−(1)と同様の用法に従い、表題の化合物(219.1mg,89.2%)を粘性油状物として得た。
m/z(ESI−MS):Anal.Calc.for C20H27N4O13P:562.13 Found 561.1(M−H)−
実施例34で合成した化合物(200.1mg,0.14mmol)と2’−dT−CE ホスホロアミダイト試薬(5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−[O−(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホロアミダイト)(267.3mg,0.36mmol)を用い、実施例18−(1)と同様の方法に従い、表題の化合物(154.3mg,61.0%)を粘性油状物として得た。
m/z(ESI−MS):Anal.Calc.for C20H27N4O12P:546.12 Found 545.1(M−H)−
実施例34で合成した化合物(201.7mg,0.14mmol)と2’−OMe−U−CE ホスホロアミダイト試薬(5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−メトキシウリジン−3’−[O−(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホロアミダイト)(278.9mg,0.37mmol)を用い、実施例18−(1)と同様の方法に従い、表題の化合物(137.3mg,53.3%)を粘性油状物として得た。
m/z(ESI−MS):Anal.Calc.for C20H27N4O13P:562.13 Found 561.1(M−H)−
実施例35で合成した化合物(196.7mg,0.15mmol)と2’−dT−CE ホスホロアミダイト試薬(5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−[O−(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホロアミダイト)(288.2mg,0.39mmol)を用い、実施例18−(1)と同様の方法に従い、表題の化合物(76.7mg,30.5%)を粘性油状物として得た。
m/z(ESI−MS):Anal.Calc.for C20H27N4O12P:546.12 Found 545.1(M−H)−
実施例2で合成した化合物(202.4mg,0.13mmol)と調製例27で得た2’−F−U−CE ホスホロアミダイト試薬(5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシ−2’−フルオロウリジン−3’−[O−(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホロアミダイト)(291.5mg,0.39mmol)を用い、実施例18−(1)と同様の方法に従い、表題の化合物(198.9mg,78.8%)を粘性油状物として得た。
m/z(ESI−MS):Anal.Calc.for C19H24FN4O12P:550.11 Found 549.1(M−H)−
実施例2で合成した化合物(197.8mg,0.13mmol)とLNA−T−CE ホスホロアミダイト試薬(5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O,4’−C−メチレンチミジン−3’−[O−(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホロアミダイト)(250.7mg,0.32mmol)を用い、実施例18−(1)と同様の方法に従い、表題の化合物(220.3mg,88.3%)を粘性油状物として得た。
m/z(ESI−MS):Anal.Calc.for C21H27N4O13P:574.13 Found 573.1(M−H)−
(1)4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンゾイックアシッドの合成
調製例20と同様の方法に従い、調製例2に記載の2,3−ジヒドロフィチルブロミドおよびメチル(4−ヒドロキシ)ベンゾエートを用いて表題化合物を調製した。
1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ0.83−0.98(m,15H),1.01−1.92(m,24H),4.01−4.12(m,2H),6.91−6.96(m,2H),8.03−8.08(m,2H)
(2)4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンゾイルクロリドの合成
上記実施例43−(1)で調製したベンゾイックアシッド化合物を実施例4−(1)と同様の方法に従い、対応する酸クロリドへ変換し、油状化合物として得た。本化合物はそのまま次工程に使用した。
(3)5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N 3 −[4−(2,3-ジヒドロフィチルオキシ)ベンゾイル]−2’−O,4’−C−メチレンチミジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト]の合成
市販のLNA−T−CE ホスホロアミダイト試薬(5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O,4’−C−メチレンチミジン−3’−[O−(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホロアミダイト)(701.7mg,0.91mmol)を脱水ピリジン(5.0ml)に溶解した後減圧濃縮する操作を3回繰り返し、付着水を共沸脱水した。その後、アルゴン雰囲気下、脱水ピリジン(8.0ml)を加えて溶解し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.17ml,1.12mmol)および上記実施例42-(2)で調製した酸クロリド(0.6g,1.36mmol)を加えて室温にて9時間撹拌した。反応液に酢酸エチル(50ml)および水(10ml)を加えて分層し、有機層を10%炭酸水素ナトリウム水溶液で3回、20%食塩水で1回洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した濾液を濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜30:70,1%トリエチルアミン含む)で精製し、目的のフラクションを集めて濃縮、濃縮残渣をトルエンを用いて共沸し、乾固することで表題化合物(0.77g,65.5%)を得た。
実施例2で合成した化合物(200mg,0.12mmol)および実施例43で合成したホスホロアミダイトモノマー(362mg,0.31mmol)を用い、実施例18−(1)と同様の方法に従い、表題化合物(295mg,99.4%)を合成した。
m/z(ESI−MS):Anal.Calc.for C21H27N4O13P:574.13 Found 573.1(M−H)−
アルゴン雰囲気下、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−イル−[3,4,5−トリス(3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカニルオキシ)ベンジル]スクシネート(509mg,313μmol)を脱水ヘプタン(3.6ml)と脱水トルエン(3.6ml)の混合溶媒に溶解させ、トリフルオロ酢酸(279μl,3.76mmol)、1H−ピロール(217μl,3.13mmol)を加えて15分間撹拌した。薄層クロマトグラフィーにより脱保護反応の終了を確認し、アセトニトリル(1.2ml)、ピリジン(304μl,3.76mmol)およびN−メチルイミダゾール(149μl,1.88mmol)を加えて5分間撹拌した。中和後の反応液に5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)(466mg、626μmol)のアセトニトリル溶液(1.2ml)を加えて1時間撹拌した後、2,6−ルチジン(350μl)、N−メチルイミダゾール(350μl)、無水酢酸(350μl)を加えて5分間撹拌し、1.0M ヨウ素 ピリジン/THF/H2O溶液(1.25ml)を加えて室温で10分間攪拌した。反応終了後の反応液にヘプタン(7.2ml)および水(480μl)を加えて分層させて下層を抜き出した後、更にヘプタン層を含水アセトニトリルで洗浄し、得られた有機層を減圧濃縮することで、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−[O−(2−シアノエチル)]ホスホリル−デオキシチミジン−3’−イル−[3,4,5−トリス(3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカニルオキシ)ベンジル]スクシネート(620mg,99.8%)を得た。
目的物の核酸塩基配列に従って、相当する市販のホスホロアミダイトモノマーを用いて同様の操作を回繰り返すことにより表題の化合物を合成した。デオキシグアノシンを伸長したところで生成物の脂溶性が不十分となり、抽出操作後の収率が90%に低下した。また、更にデオキシチミジンを伸長させる際にヘプタン/トルエン混合溶媒へ溶解しきらず、反応、抽出後の収率は85%に低下した。下表に各段階で使用したホスホロアミダイトモノマーと収率を記した。
(1)5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−O−スクシネートの合成
アルゴン雰囲気下、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン(5.00g,9.18mmol)、コハク酸無水物(1.38g,13.8mmol)、トリエチルアミン(3.85mL,27.5mmol)をジクロロメタン(95mL)に溶解して室温で8時間攪拌した。薄層クロマトグラフィーで反応の完結を確認した後、2.0M リン酸−トリエチルアミン バッファー(pH 7.50)で3回分液洗浄した後、有機層を減圧留去し、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)デオキシチミジン−3’−O−スクシネートのトリエチルアミン塩(7.02g,98%)を無色の泡状固体として得た。
(2)5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−イル−N−(3,4,5−トリス(オクタデシルオキシ)ベンジル)スクシナメートの合成
5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−O−スクシネートのトリエチルアミン塩(1.45g,1.94mmol)、3,4,5−トリス(オクタデシルオキシ)ベンジルアミン(1.02g,1.10mmol)を脱水ジクロロメタン(15mL)に溶解させ、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート[HBTU](2.53g,6.60mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.17mL、6.60mmol)を加えて室温で1時間撹拌した。薄層クロマトグラフィーにて原料の消失を確認した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後に濾過し、濾液を減圧濃縮した。濃縮液にメタノールを添加後、濾過して得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール,1%v/v トリエチルアミン)で精製し表題の化合物(1.22g,72.4%)を白色固体として得た。
本発明を代表する化合物である、5’位水酸基がジメトキシトリチル基で保護され、3’位水酸基が分岐鎖含有芳香族保護基で保護されたチミジン(実施例2)と、その比較対象としての5’位水酸基がジメトキシトリチル基で保護され、3’位水酸基が対応する直鎖構造を含有する基で保護されたチミジン(比較例2)の下記表2に示す20℃における溶解度(=溶質/(溶媒+溶質)×100)(質量%)を測定した。
[溶解度測定方法]
1)溶媒100質量部に、溶質100質量部を添加し、20℃で飽和させた。
2)目視で、溶質が残存している場合には、上澄液を下記HPLC条件で定量分析し、濃度を決定し、溶解度(=溶質/(溶媒+溶質)×100)(質量%)とした。
3)目視で、溶質が残存していない場合には、>50質量%とした。
[HPLC分析条件]
使用機器:日立高速液体クロマトグラフィーLaChrom Elite L−2000シリーズ
カラム:YMC−PACK 5μm 150×4.6mm
カラム温度:40℃
溶離液:THF/CH3CN/H2O
流速:1.0ml/min
本発明の塩基部保護オリゴヌクレオチドを用いることにより、ヌクレオチド伸長反応の各工程で得られる中間体のオリゴヌクレオチドの脂溶性及び有機溶媒(特に、非極性溶媒)に対する溶解性が格段に向上し、抽出操作のみで単離精製が可能となるため、固化単離などの煩雑で時間を要する操作を必要とせず、スピードが向上し、高重合度のオリゴヌクレオチド合成の効率性・生産性が格段に向上する。
さらに、(1)一時保護基で保護された5’末端水酸基の脱保護工程、(2)塩基部保護オリゴヌクレオチド添加による5’末端への伸長工程、および(3)ホスファイトトリエステル部位の酸化工程または硫化工程を含むヌクレオチド伸長反応に、本発明の脂溶性及び有機溶媒(特に、非極性溶媒)に対する溶解性が付与された塩基部保護(オリゴ)ヌクレオチドを用いて、一時保護基で保護された5’末端水酸基の脱保護反応中または脱保護反応後に特定のカチオン捕捉剤を添加すること、脱保護反応終了後に中和処理を施すこと、および酸化工程または硫化工程で特定の酸化剤または硫化剤を使用することにより、工程(1)、(2)及び(3)を液中で行うことが可能になり、ヌクレオチドが伸長したオリゴヌクレオチドを抽出操作のみで単離精製できるため、反応装置から生成物を取り出すことなく、次サイクルの伸長反応に繋げることができ、ワンポットでオリゴヌクレオチドの製造が連絡的に行えるようになった。
本出願は、日本で出願された特願2012−033429及び特願2012−254718を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含されるものである。
Claims (21)
- 一般式(I):
q+1個のBase2は、独立してそれぞれ、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されている核酸塩基を示し;
P1は、水素原子、または酸性条件下で除去可能な一時保護基を示し;
Xは、水素原子、保護されていてもよい水酸基、ハロゲン原子又は4位炭素原子に架橋する有機基を示し;
q個のX’は、独立してそれぞれ、水素原子、保護されていてもよい水酸基、ハロゲン原子又は4位炭素原子に架橋する有機基を示し;
q+1個のP2は、独立してそれぞれ、塩基性条件下で除去可能な保護基を示し;
q個のR34は、独立してそれぞれ、酸素原子もしくは硫黄原子を示し;
Re及びRfは、独立してそれぞれ、C1−6アルキル基を示すか、または隣接する窒素原子と一緒になって形成する、5または6員の飽和環状アミノ基を示す。)
で表される、塩基部保護オリゴヌクレオチド。 - qが0である、請求項1記載の塩基部保護オリゴヌクレオチド。
- C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基が、
式(k):
R27は、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示す。)
で表される基、
式(l):
Q1は、−O−、−S−または−NR30−(式中、R30は、水素原子またはC1−22アルキル基を示す。)を示し;
Rc及びRdは、独立してそれぞれ、水素原子またはC1−22アルキル基を示し;
R28は、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示す。)
で表される基、
式(m):
lは、1〜5の整数を示し;
l個のQ2は、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−O−CH2−、−NH−、−NHC(=O)−、−C(=O)NH−、−NH−CH2−又は−CH2−を示し;
l個のR29は、独立してそれぞれ、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示し;
環Cは、l個のQ2R29、および*C=Oに加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよいベンゼン環又はシクロヘキサン環を示す。)で表される基、または
式(s):
R35及びR36は、独立してそれぞれ、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示す。)で表される基
である、請求項1または2に記載の塩基部保護オリゴヌクレオチド。 - R27、R28、l個のR29、R35及びR36が、独立してそれぞれ、2,6,10,14−テトラメチルペンタデシル基、2,6,10−トリメチルウンデシル基、2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ウンデシル基、2,6,10−トリメチルウンデカ−1,5,9−トリエニル基、2,6−ジメチルヘプチル基、2,6−ジメチルヘプタ−5−エニル基、2,6−ジメチルヘプタ−1,5−ジエニル基、9−ノナデシル基、12−メチルトリデシル基、11−メチルトリデシル基、11−メチルドデシル基、10−メチルウンデシル基、8−ヘプタデシル基、7−ペンタデシル基、7−メチルオクチル基、3−メチルオクチル基、3,7−ジメチルオクチル基、3−メチルヘプチル基、3−エチルヘプチル基、5−ウンデシル基、2−ヘプチル基、2−メチル−2−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘプチル基、4−ヘプチル基、4−メチル−ペンチル基、3−メチル−ペンチル基、及び2,4,4−トリメチルペンチル基からなる群から選択される分岐鎖アルキル基又は分岐鎖アルケニル基;あるいは、テトラデシル基、トリデシル基、ドデシル基、ウンデシル基、デシル基、ノニル基、オクチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、及びペンチル基からなる群から選択される直鎖アルキル基である、請求項3に記載の塩基部保護オリゴヌクレオチド。
- C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基が、C5−30分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30分岐鎖アルケニル基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の塩基部保護オリゴヌクレオチド。
- P1が、モノメトキシトリチル基、またはジメトキシトリチル基である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の塩基部保護オリゴヌクレオチド。
- (2)3’位水酸基がホスホロアミダイト化され、5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護され、かつ核酸塩基がC5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されたp個重合塩基部保護オリゴヌクレオチド(pは、1以上の任意の整数を示す。)を、5’位水酸基が保護されておらず、かつ3’位水酸基が保護されたn個重合オリゴヌクレオチド(nは、1以上の任意の整数を示す。)と、その5’位水酸基を介してホスファイトトリエステル結合により縮合させる工程を含む、n+p個重合オリゴヌクレオチドの製造方法。
- pが1である、請求項7記載の製造方法。
- 更に、下記工程(3)を含有する、請求項7または8に記載の製造方法。
(3)縮合工程(2)の反応液に、酸化剤または硫化剤を添加して、縮合工程で得られたn+p個重合オリゴヌクレオチドのホスファイトトリエステル結合を、ホスフェートトリエステル結合またはチオホスフェートトリエステル結合へと変換する工程。 - 更に、下記工程(1)を含有する、請求項7〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
(1)縮合工程(2)の前に、非極性溶媒中において、3’位水酸基が保護され、かつ5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護されたn個重合オリゴヌクレオチドを酸と反応させて5’位水酸基の一時保護基を除去する工程。 - 工程(1)が、ピロール誘導体およびインドール誘導体から選択される少なくとも一種のカチオン捕捉剤の存在下に行われ、5’位水酸基の一時保護基を除去した後、有機塩基により中和する工程をさらに含む、請求項10に記載の製造方法。
- 更に、下記工程(4)を含有する、請求項9〜11のいずれか一項に記載の製造方法。
(4)工程(3)で得られた反応液から抽出操作のみで、n+p個重合オリゴヌクレオチドを単離する工程。 - 更に、下記工程(5)を含有する、請求項12に記載の製造方法。
(5)工程(4)で得られたn+p個重合オリゴヌクレオチドの保護基を全て除去する工程。 - 3’位水酸基がホスホロアミダイト化され、5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護され、かつ核酸塩基がC5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されたp個重合塩基部保護オリゴヌクレオチドが、請求項1〜6のいずれか一項に記載の塩基部保護オリゴヌクレオチドである、請求項7〜13のいずれか一項に記載の製造方法。
- n個重合オリゴヌクレオチドの3’位水酸基が、
一般式(III):
Lは、式(a1):
L1は、置換されていてもよい2価のC1−22炭化水素基を示し;かつ
L2は、単結合を示すか、または**C(=O)N(R2)−R1−N(R3)***(式中、**は、L1との結合位置を示し、***は、C=Oとの結合位置を示し、R1は、置換されていてもよいC1−22アルキレン基を示し、R2およびR3は、独立してそれぞれ、水素原子もしくは置換されていてもよいC1−22アルキル基を示すか、またはR2およびR3が一緒になって、置換されていてもよいC1−22アルキレン結合を形成していてもよい。)で表される基を示す。)で示される基を示し、
Yは、酸素原子、またはNR(Rは、水素原子、アルキル基またはアラルキル基を示す。)を示し、ならびに
Zは、式(a2):
R4は、水素原子であるか、あるいはRbが下記式(a3)で表される基である場合には、R6と一緒になって単結合または−O−を示して、環Bと共にフルオレニル基またはキサンテニル基を形成していてもよく;
k個のQは、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−または−NH−を示し;
k個のR5は、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;
kは、1〜4の整数を示し;
環Aは、R4、k個のQR5、および*C(Ra)(Rb)に加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよく;
Raは、水素原子を示し;かつ
Rbは、水素原子または式(a3):
jは、0〜4の整数を示し;
j個のQは、独立してそれぞれ、前記と同意義を示し;
j個のR7は、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;
R6は、水素原子を示すか、またはR4と一緒になって単結合または−O−を示して、環Aと共にフルオレニル基またはキサンテニル基を形成していてもよく;かつ
環Bは、j個のQR7、およびR6に加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよい)で表される基を示す。]
で表される基により保護されている、請求項7〜14のいずれか一項に記載の製造方法。 - n個重合オリゴヌクレオチドの少なくとも1つの核酸塩基が、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されている、請求項7〜15のいずれか一項に記載の製造方法。
- C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基が、C5−30分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30分岐鎖アルケニル基である、請求項7〜16のいずれか一項に記載の製造方法。
- 一般式(II):
m+1個のBase1は、独立してそれぞれ、保護されていてもよい核酸塩基を示し;
P1は、水素原子、または酸性条件下で除去可能な一時保護基を示し;
Xは、水素原子、保護されていてもよい水酸基、ハロゲン原子又は4位炭素原子に架橋する有機基を示し;
m個のX’は、独立してそれぞれ、水素原子、保護されていてもよい水酸基、ハロゲン原子又は4位炭素原子に架橋する有機基を示し;
m個のP2は、独立してそれぞれ、塩基性条件下で除去可能な保護基を示し;
m個のR34は、独立してそれぞれ、酸素原子もしくは硫黄原子を示し;
Lは、式(a1):
L1は、置換されていてもよい2価のC1−22炭化水素基を示し;かつ
L2は、単結合を示すか、または**C(=O)N(R2)−R1−N(R3)***(式中、**は、L1との結合位置を示し、***は、C=Oとの結合位置を示し、R1は、置換されていてもよいC1−22アルキレン基を示し、R2およびR3は、独立してそれぞれ、水素原子もしくは置換されていてもよいC1−22アルキル基を示すか、またはR2およびR3が一緒になって、置換されていてもよいC1−22アルキレン結合を形成していてもよい。)で表される基を示す。)で示される基を示し、
Yは、酸素原子、またはNR(Rは、水素原子、アルキル基またはアラルキル基を示す。)を示し、ならびに
Zは、式(a2):
R4は、水素原子であるか、あるいはRbが下記式(a3)で表される基である場合には、R6と一緒になって単結合または−O−を示して、環Bと共にフルオレニル基またはキサンテニル基を形成していてもよく;
k個のQは、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−または−NH−を示し;
k個のR5は、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;
kは、1〜4の整数を示し;
環Aは、R4、k個のQR5、および*C(Ra)(Rb)に加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよく;
Raは、水素原子を示し;かつ
Rbは、水素原子または式(a3):
jは、0〜4の整数を示し;
j個のQは、独立してそれぞれ、前記と同意義を示し;
j個のR7は、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;
R6は、水素原子を示すか、またはR4と一緒になって単結合または−O−を示して、環Aと共にフルオレニル基またはキサンテニル基を形成していてもよく;かつ
環Bは、j個のQR7、およびR6に加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよい)で表される基を示す。]
で表される、分岐鎖含有芳香族保護オリゴヌクレオチド。 - mが0である、請求項18記載の分岐鎖含有芳香族保護オリゴヌクレオチド。
- 核酸塩基の少なくとも1つが、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されている、請求項18または19に記載の分岐鎖含有芳香族保護オリゴヌクレオチド。
- (2’)3’位水酸基がホスホロアミダイト化され、5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護され、かつ核酸塩基が保護されていてもよいp’個重合オリゴヌクレオチド(p’は、1以上の任意の整数を示す。)を、5’位水酸基が保護されておらず、かつ3’位水酸基が、
一般式(III):
Lは、式(a1):
L1は、置換されていてもよい2価のC1−22炭化水素基を示し;かつ
L2は、単結合を示すか、または**C(=O)N(R2)−R1−N(R3)***(式中、**は、L1との結合位置を示し、***は、C=Oとの結合位置を示し、R1は、置換されていてもよいC1−22アルキレン基を示し、R2およびR3は、独立してそれぞれ、水素原子もしくは置換されていてもよいC1−22アルキル基を示すか、またはR2およびR3が一緒になって、置換されていてもよいC1−22アルキレン結合を形成していてもよい。)で表される基を示す。)で示される基を示し、
Yは、酸素原子、またはNR(Rは、水素原子、アルキル基またはアラルキル基を示す。
)を示し、ならびに
Zは、式(a2):
R4は、水素原子であるか、あるいはRbが下記式(a3)で表される基である場合には、R6と一緒になって単結合または−O−を示して、環Bと共にフルオレニル基またはキサンテニル基を形成していてもよく;
k個のQは、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−または−NH−を示し;
k個のR5は、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;
kは、1〜4の整数を示し;
環Aは、R4、k個のQR5、および*C(Ra)(Rb)に加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよく;
Raは、水素原子を示し;かつ
Rbは、水素原子または式(a3):
jは、0〜4の整数を示し;
j個のQは、独立してそれぞれ、前記と同意義を示し;
j個のR7は、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;
R6は、水素原子を示すか、またはR4と一緒になって単結合または−O−を示して、環Aと共にフルオレニル基またはキサンテニル基を形成していてもよく;かつ
環Bは、j個のQR7、およびR6に加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよい)で表される基を示す。]
で表される保護基で保護されたn’個重合オリゴヌクレオチド(n’は、1以上の任意の整数を示す。)と、その5’位水酸基を介してホスファイトトリエステル結合により縮合させる工程を含む、n’+p’個重合オリゴヌクレオチドの製造方法。
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