JPWO2013122236A1 - 塩基部保護オリゴヌクレオチド - Google Patents

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Abstract

効率的かつ高収率に、液−液抽出操作で精製可能な、ホスホロアミダイト法によるオリゴヌクレオチド製造方法を達成しうる、伸長用の保護ヌクレオチドを提供すること。特定の塩基部保護オリゴヌクレオチド及び/又は特定の3’位分岐鎖含有芳香族保護オリゴヌクレオチドにより、上記課題が解決できることを見出した。

Description

本発明は、特定の塩基部保護オリゴヌクレオチドおよびそれを用いたオリゴヌクレオチドの製造方法に関する。また、本発明は、特定の分岐鎖含有芳香族保護基、当該保護基で3’位水酸基が保護されたオリゴヌクレオチド、並びに当該保護基で3’位水酸基が保護されたオリゴヌクレオチドを用いたオリゴヌクレオチドの製造方法に関する。
オリゴヌクレオチドの合成方法には、リン酸トリエステル法、H−ホスホネート法、ホスホロアミダイト法などがあり、現在ではホスホロアミダイト法を用いた固相合成(固相法)が最も汎用されている(非特許文献1)。固相法はプロセス最適化がなされ自動化も進んでおり、スピード面で有利であるが、設備制約上スケールアップに制限があり、試薬・原料を過剰に使用し、途中段階での反応の進行状況の確認、中間体構造解析等も困難という欠点がある。
一方、液相法によるオリゴヌクレオチドの合成方法も検討されてきたが、通常、(1)反応液を直接濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィーで単離精製、(2)塩化メチレン、クロロホルム等の溶媒で抽出、水溶液で洗浄、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製などの方法で各反応後の処理が行われており、操作が煩雑であり収率も低くなる。特に、多重合度のオリゴヌクレオチドを大量かつ迅速に合成することは困難であり、工業的製造プロセスとしては実用的でなかった。
近年、液相法と固相法のそれぞれの欠点を解消しようとする試みとして擬似固相法的アプローチが報告されており、その一例として、モノメトキシポリエチレングリコール(MPEG)等の可溶性ポリマーを保護基として用いるオリゴヌクレオチド製法が開示されている(非特許文献2)。しかしながら20量体までのDNAの合成例が示されているものの、各反応での晶析単離操作が必須であることや、MPEG分子自身が単分子ではないために反応の進行状況等を確認することが困難であった。
また、擬似固相法的な方法として、イオン液体を保護基として用いるオリゴヌクレオチドの製法が報告されており、5量体までのDNAの合成例が示されている(非特許文献3)。しかし、各反応での晶析単離操作が必要であり操作時間を要するため、固相法と比べスピードや効率面で見劣りするものであった。
さらに、疎水性基結合ヌクレオシドを用いたオリゴヌクレオチドの合成方法が開示されている(特許文献1)。当該方法により21量体のオリゴヌクレオチドの合成が達成できたと報告されているが、5’−保護基の脱保護、カップリング、酸化の各工程で固化単離が毎回必要であり、著しく煩雑であった。
特開2010−275254号公報
S. L. Beaucage, D. E. Bergstorm, G. D. Glick, R. A. Jones, Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry; John Wiley & Sons (2000) Nucleic Acid Res., 1990, Vol.18, No.11, 3155-3159 J. Org. Chem., 2006, Vol.71, No.20, 7907-7910
本発明の課題は、効率的かつ高収率に、液−液抽出操作で精製可能な、ホスホロアミダイト法によるオリゴヌクレオチド製造方法を達成しうる、伸長用の保護ヌクレオチドを提供することである。
本発明者らは鋭意検討の結果、特定の塩基部保護オリゴヌクレオチドにより、上記課題を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は以下を含む。
[1]一般式(I):
(式中、qは、0以上の任意の整数を示し;

q+1個のBaseは、独立してそれぞれ、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されている核酸塩基を示し;
は、水素原子、または酸性条件下で除去可能な一時保護基を示し;
Xは、水素原子、保護されていてもよい水酸基、ハロゲン原子又は4位炭素原子に架橋する有機基を示し;
q個のX’は、独立してそれぞれ、水素原子、保護されていてもよい水酸基、ハロゲン原子又は4位炭素原子に架橋する有機基を示し;
q+1個のPは、独立してそれぞれ、塩基性条件下で除去可能な保護基を示し;
q個のR34は、独立してそれぞれ、酸素原子もしくは硫黄原子を示し;
及びRは、独立してそれぞれ、C1−6アルキル基を示すか、または隣接する窒素原子と一緒になって形成する、5または6員の飽和環状アミノ基を示す。)
で表される、塩基部保護オリゴヌクレオチド。
[2]qが0である、[1]記載の塩基部保護オリゴヌクレオチド。
[3]C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基が、
式(k):
(式中、は、核酸塩基との結合位置を示し;
27は、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示す。)
で表される基、
式(l):
(式中、は、核酸塩基との結合位置を示し;
は、−O−、−S−または−NR30−(式中、R30は、水素原子またはC1−22アルキル基を示す。)を示し;
及びRは、独立してそれぞれ、水素原子またはC1−22アルキル基を示し;
28は、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示す。)
で表される基、
式(m):
(式中、は、核酸塩基との結合位置を示し;
lは、1〜5の整数を示し;
l個のQは、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−O−CH−、−NH−、−NHC(=O)−、−C(=O)NH−、−NH−CH−又は−CH−を示し;
l個のR29は、独立してそれぞれ、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示し;
環Cは、l個のQ29、およびC=Oに加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよいベンゼン環又はシクロヘキサン環を示す。)で表される基、または
式(s):
(式中、は、核酸塩基のアミノ基とイミノ結合を形成する位置を示し;
35及びR36は、独立してそれぞれ、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示す。)で表される基
である、[1]または[2]に記載の塩基部保護オリゴヌクレオチド。
[4]R27、R28、l個のR29、R35及びR36が、独立してそれぞれ、2,6,10,14−テトラメチルペンタデシル基、2,6,10−トリメチルウンデシル基、2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ウンデシル基、2,6,10−トリメチルウンデカ−1,5,9−トリエニル基、2,6−ジメチルヘプチル基、2,6−ジメチルヘプタ−5−エニル基、2,6−ジメチルヘプタ−1,5−ジエニル基、9−ノナデシル基、12−メチルトリデシル基、11−メチルトリデシル基、11−メチルドデシル基、10−メチルウンデシル基、8−ヘプタデシル基、7−ペンタデシル基、7−メチルオクチル基、3−メチルオクチル基、3,7−ジメチルオクチル基、3−メチルヘプチル基、3−エチルヘプチル基、5−ウンデシル基、2−ヘプチル基、2−メチル−2−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘプチル基、4−ヘプチル基、4−メチル−ペンチル基、3−メチル−ペンチル基、及び2,4,4−トリメチルペンチル基からなる群から選択される分岐鎖アルキル基又は分岐鎖アルケニル基;あるいは、テトラデシル基、トリデシル基、ドデシル基、ウンデシル基、デシル基、ノニル基、オクチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、及びペンチル基からなる群から選択される直鎖アルキル基である、[3]に記載の塩基部保護オリゴヌクレオチド。
[5]C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基が、C5−30分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30分岐鎖アルケニル基である、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の塩基部保護オリゴヌクレオチド。
[6]Pが、モノメトキシトリチル基、またはジメトキシトリチル基である、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の塩基部保護オリゴヌクレオチド。
[7][1]〜[6]のいずれか1つに記載の塩基部保護オリゴヌクレオチドを用いることを特徴とする、オリゴヌクレオチドの製造方法。
[8](2)3’位水酸基がホスホロアミダイト化され、5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護され、かつ核酸塩基がC5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されたp個重合塩基部保護オリゴヌクレオチド(pは、1以上の任意の整数を示す。)を、5’位水酸基が保護されておらず、かつ3’位水酸基が保護されたn個重合オリゴヌクレオチド(nは、1以上の任意の整数を示す。)と、その5’位水酸基を介してホスファイトトリエステル結合により縮合させる工程を含む、n+p個重合オリゴヌクレオチドの製造方法。
[9]pが1である、[8]記載の製造方法。
[10]更に、下記工程(3)を含有する、[8]または[9]に記載の製造方法。
(3)縮合工程(2)の反応液に、酸化剤または硫化剤を添加して、縮合工程で得られたn+p個重合オリゴヌクレオチドのホスファイトトリエステル結合を、ホスフェートトリエステル結合またはチオホスフェートトリエステル結合へと変換する工程。
[11]更に、下記工程(1)を含有する、[8]〜[10]のいずれか1つに記載の製造方法。
(1)縮合工程(2)の前に、非極性溶媒中において、3’位水酸基が保護され、かつ5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護されたn個重合オリゴヌクレオチドを酸と反応させて5’位水酸基の一時保護基を除去する工程。
[12]工程(1)が、ピロール誘導体およびインドール誘導体から選択される少なくとも一種のカチオン捕捉剤の存在下に行われ、5’位水酸基の一時保護基を除去した後、有機塩基により中和する工程をさらに含む、[11]に記載の製造方法。
[13]更に、下記工程(4)を含有する、[10]〜[12]のいずれか1つに記載の製造方法。
(4)工程(3)で得られた反応液から抽出操作のみで、n+p個重合オリゴヌクレオチドを単離する工程。
[14]更に、下記工程(5)を含有する、[13]に記載の製造方法。
(5)工程(4)で得られたn+p個重合オリゴヌクレオチドの保護基を全て除去する工程。
[15]3’位水酸基がホスホロアミダイト化され、5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護され、かつ核酸塩基がC5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されたp個重合塩基部保護オリゴヌクレオチドが、[1]〜[6]のいずれか1つに記載の塩基部保護オリゴヌクレオチドである、[8]〜[14]のいずれか1つに記載の製造方法。
[16]n個重合オリゴヌクレオチドの3’位水酸基が、
一般式(III):
[式中、
Lは、式(a1):
(式中、は、Yとの結合位置を示し;**は、ヌクレオチド3’位水酸基との結合位置を示し;

は、置換されていてもよい2価のC1−22炭化水素基を示し;かつ
は、単結合を示すか、または**C(=O)N(R)−R−N(R***(式中、**は、Lとの結合位置を示し、***は、C=Oとの結合位置を示し、Rは、置換されていてもよいC1−22アルキレン基を示し、RおよびRは、独立してそれぞれ、水素原子もしくは置換されていてもよいC1−22アルキル基を示すか、またはRおよびRが一緒になって、置換されていてもよいC1−22アルキレン結合を形成していてもよい。)で表される基を示す。)で示される基を示し、
Yは、酸素原子、またはNR(Rは、水素原子、アルキル基またはアラルキル基を示す。)を示し、ならびに
Zは、式(a2):
[式中、は、Yとの結合位置を示し;
は、水素原子であるか、あるいはRが下記式(a3)で表される基である場合には、Rと一緒になって単結合または−O−を示して、環Bと共にフルオレニル基またはキサンテニル基を形成していてもよく;
k個のQは、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−または−NH−を示し;
k個のRは、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;
kは、1〜4の整数を示し;
環Aは、R、k個のQR、およびC(R)(R)に加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよく;
は、水素原子を示し;かつ
は、水素原子または式(a3):
(式中、は結合位置を示し;
jは、0〜4の整数を示し;
j個のQは、独立してそれぞれ、前記と同意義を示し;
j個のRは、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;
は、水素原子を示すか、またはRと一緒になって単結合または−O−を示して、環Aと共にフルオレニル基またはキサンテニル基を形成していてもよく;かつ
環Bは、j個のQR、およびRに加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよい)で表される基を示す。]
で表される基により保護されている、[8]〜[15]のいずれか1つに記載の製造方法。
[17]n個重合オリゴヌクレオチドの少なくとも1つの核酸塩基が、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されている、[8]〜[16]のいずれか1つに記載の製造方法。
[18]C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基が、
式(k):
(式中、は、核酸塩基との結合位置を示し;
27は、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示す。)
で表される基、
式(l):
(式中、は、核酸塩基との結合位置を示し;
は、−O−、−S−または−NR30−(式中、R30は、水素原子またはC1−22アルキル基を示す。)を示し;
及びRは、独立してそれぞれ、水素原子またはC1−22アルキル基を示し;
28は、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示す。)
で表される基、
式(m):
(式中、は、核酸塩基との結合位置を示し;
lは、1〜5の整数を示し;
l個のQは、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−O−CH−、−NH−、−NHC(=O)−、−C(=O)NH−、−NH−CH−又は−CH−を示し;
l個のR29は、独立してそれぞれ、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示し;
環Cは、l個のQ29、およびC=Oに加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよいベンゼン環又はシクロヘキサン環を示す。)で表される基、または
式(s):
(式中、は、核酸塩基のアミノ基とイミノ結合を形成する位置を示し;
35及びR36は、独立してそれぞれ、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示す。)で表される基
である、[8]〜[17]のいずれか1つに記載の製造方法。
[19]R27、R28、l個のR29、R35及びR36が、独立してそれぞれ、2,6,10,14−テトラメチルペンタデシル基、2,6,10−トリメチルウンデシル基、2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ウンデシル基、2,6,10−トリメチルウンデカ−1,5,9−トリエニル基、2,6−ジメチルヘプチル基、2,6−ジメチルヘプタ−5−エニル基、2,6−ジメチルヘプタ−1,5−ジエニル基、9−ノナデシル基、12−メチルトリデシル基、11−メチルトリデシル基、11−メチルドデシル基、10−メチルウンデシル基、8−ヘプタデシル基、7−ペンタデシル基、7−メチルオクチル基、3−メチルオクチル基、3,7−ジメチルオクチル基、3−メチルヘプチル基、3−エチルヘプチル基、5−ウンデシル基、2−ヘプチル基、2−メチル−2−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘプチル基、4−ヘプチル基、4−メチル−ペンチル基、3−メチル−ペンチル基、及び2,4,4−トリメチルペンチル基からなる群から選択される分岐鎖アルキル基又は分岐鎖アルケニル基;あるいは、テトラデシル基、トリデシル基、ドデシル基、ウンデシル基、デシル基、ノニル基、オクチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、及びペンチル基からなる群から選択される直鎖アルキル基である、[18]に記載の製造方法。
[20]C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基が、C5−30分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30分岐鎖アルケニル基である、[8]〜[19]のいずれか1つに記載の製造方法。
[21][7]〜[20]のいずれか1つに記載の製造方法により製造されたオリゴヌクレオチドを含有することを特徴とする、医薬品。
[22]一般式(II):
[式中、mは、0以上の任意の整数を示し;

m+1個のBaseは、独立してそれぞれ、保護されていてもよい核酸塩基を示し;
は、水素原子、または酸性条件下で除去可能な一時保護基を示し;
Xは、水素原子、保護されていてもよい水酸基、ハロゲン原子又は4位炭素原子に架橋する有機基を示し;
m個のX’は、独立してそれぞれ、水素原子、保護されていてもよい水酸基、ハロゲン原子又は4位炭素原子に架橋する有機基を示し;
m個のPは、独立してそれぞれ、塩基性条件下で除去可能な保護基を示し;
m個のR34は、独立してそれぞれ、酸素原子もしくは硫黄原子を示し;
Lは、式(a1):
(式中、は、Yとの結合位置を示し;**は、ヌクレオチド3’位水酸基との結合位置を示し;

は、置換されていてもよい2価のC1−22炭化水素基を示し;かつ
は、単結合を示すか、または**C(=O)N(R)−R−N(R***(式中、**は、Lとの結合位置を示し、***は、C=Oとの結合位置を示し、Rは、置換されていてもよいC1−22アルキレン基を示し、RおよびRは、独立してそれぞれ、水素原子もしくは置換されていてもよいC1−22アルキル基を示すか、またはRおよびRが一緒になって、置換されていてもよいC1−22アルキレン結合を形成していてもよい。)で表される基を示す。)で示される基を示し、
Yは、酸素原子、またはNR(Rは、水素原子、アルキル基またはアラルキル基を示す。)を示し、ならびに
Zは、式(a2):
[式中、は、Yとの結合位置を示し;
は、水素原子であるか、あるいはRが下記式(a3)で表される基である場合には、Rと一緒になって単結合または−O−を示して、環Bと共にフルオレニル基またはキサンテニル基を形成していてもよく;
k個のQは、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−または−NH−を示し;
k個のRは、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;
kは、1〜4の整数を示し;
環Aは、R、k個のQR、およびC(R)(R)に加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよく;
は、水素原子を示し;かつ
は、水素原子または式(a3):
(式中、は結合位置を示し;
jは、0〜4の整数を示し;
j個のQは、独立してそれぞれ、前記と同意義を示し;
j個のRは、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;
は、水素原子を示すか、またはRと一緒になって単結合または−O−を示して、環Aと共にフルオレニル基またはキサンテニル基を形成していてもよく;かつ
環Bは、j個のQR、およびRに加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよい)で表される基を示す。]
で表される、分岐鎖含有芳香族保護オリゴヌクレオチド。
[23]mが0である、[22]記載の分岐鎖含有芳香族保護オリゴヌクレオチド。
[24]RおよびRが、独立してそれぞれ、3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル基、3,7,11−トリメチルドデシル基、2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ドデカノイル基、3,4,5−トリ(3’,7’,11’,15’−テトラメチルヘキサデシルオキシ)ベンジル基、または3,5−ジ(3’,7’,11’,15’−テトラメチルヘキサデシルオキシ)ベンジル基である、[22]または[23]に記載の分岐鎖含有芳香族保護オリゴヌクレオチド。
[25]−L−Y−Zが、2−{2,4−ジ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;3,5−ジ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルスクシニル基;4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルスクシニル基;2−{1−[(2−クロロ−5−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル)]ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;3,4,5−トリ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルスクシニル基;2−{3,4,5−トリ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;2−{4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;2−{2−[3’,4’,5’−トリ(2’’,3’’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルオキシ]−4−メトキシベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;2−{4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メトキシベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メチルベンジルスクシニル基;2−{4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メチルベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;4−[2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ドデカノイルアミノ]ベンジルスクシニル基;2−{4−[2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ドデカノイルアミノ]ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;4−(3,7,11−トリメチルドデシルオキシ)ベンジルスクシニル基;2−{4−(3,7,11−トリメチルドデシルオキシ)ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;2−{3,5−ジ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;2−{1−[2,3,4−トリ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル]ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;2−{1−[4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル]−4’−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;3,4,5−トリス[3,4,5−トリ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジル]ベンジルスクシニル基;および2−{3,4,5−トリス[3,4,5−トリ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジル]ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基からなる群から選択される、[22]または[23]に記載の分岐鎖含有芳香族保護オリゴヌクレオチド。
[26]核酸塩基の少なくとも1つが、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されている、[22]〜[25]のいずれか1つに記載の分岐鎖含有芳香族保護オリゴヌクレオチド。
[27]一般式(III):
[式中、
Lは、式(a1):
(式中、は、Yとの結合位置を示し;**は、ヌクレオチド3’位水酸基との結合位置を示し;

は、置換されていてもよい2価のC1−22炭化水素基を示し;かつ
は、単結合を示すか、または**C(=O)N(R)−R−N(R***(式中、**は、Lとの結合位置を示し、***は、C=Oとの結合位置を示し、Rは、置換されていてもよいC1−22アルキレン基を示し、RおよびRは、独立してそれぞれ、水素原子もしくは置換されていてもよいC1−22アルキル基を示すか、またはRおよびRが一緒になって、置換されていてもよいC1−22アルキレン結合を形成していてもよい。)で表される基を示す。)で示される基を示し、
Yは、酸素原子、またはNR(Rは、水素原子、アルキル基またはアラルキル基を示す。
)を示し、ならびに
Zは、式(a2):
[式中、は、Yとの結合位置を示し;
は、水素原子であるか、あるいはRが下記式(a3)で表される基である場合には、Rと一緒になって単結合または−O−を示して、環Bと共にフルオレニル基またはキサンテニル基を形成していてもよく;
k個のQは、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−または−NH−を示し;
k個のRは、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;
kは、1〜4の整数を示し;
環Aは、R、k個のQR、およびC(R)(R)に加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよく;
は、水素原子を示し;かつ
は、水素原子または式(a3):
(式中、は結合位置を示し;
jは、0〜4の整数を示し;
j個のQは、独立してそれぞれ、前記と同意義を示し;
j個のRは、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;
は、水素原子を示すか、またはRと一緒になって単結合または−O−を示して、環Aと共にフルオレニル基またはキサンテニル基を形成していてもよく;かつ
環Bは、j個のQR、およびRに加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよい)で表される基を示す。]
で表される、ヌクレオチド3’−水酸基の保護基。
[28]RおよびRが、独立してそれぞれ、3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル基、3,7,11−トリメチルドデシル基、2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ドデカノイル基、3,4,5−トリ(3’,7’,11’,15’−テトラメチルヘキサデシルオキシ)ベンジル基、または3,5−ジ(3’,7’,11’,15’−テトラメチルヘキサデシルオキシ)ベンジル基である、[27]に記載のヌクレオチド3’−水酸基の保護基。
[29]2−{2,4−ジ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;3,5−ジ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルスクシニル基;4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルスクシニル基;2−{1−[(2−クロロ−5−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル)]ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;3,4,5−トリ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルスクシニル基;2−{3,4,5−トリ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;2−{4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;2−{2−[3’,4’,5’−トリ(2’’,3’’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルオキシ]−4−メトキシベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;2−{4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メトキシベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メチルベンジルスクシニル基;2−{4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メチルベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;4−[2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ドデカノイルアミノ]ベンジルスクシニル基;
2−{4−[2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ドデカノイルアミノ]ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;4−(3,7,11−トリメチルドデシルオキシ)ベンジルスクシニル基;2−{4−(3,7,11−トリメチルドデシルオキシ)ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;2−{3,5−ジ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;2−{1−[2,3,4−トリ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル]ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;2−{1−[4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル]−4’−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;3,4,5−トリス[3,4,5−トリ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジル]ベンジルスクシニル基;および2−{3,4,5−トリス[3,4,5−トリ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジル]ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基
からなる群から選択される、[27]に記載のヌクレオチド3’−水酸基の保護基。
[30](2’)3’位水酸基がホスホロアミダイト化され、5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護され、かつ核酸塩基が保護されていてもよいp’個重合オリゴヌクレオチド(p’は、1以上の任意の整数を示す。)を、5’位水酸基が保護されておらず、かつ3’位水酸基が[27]〜[29]のいずれか1つに記載の保護基で保護されたn’個重合オリゴヌクレオチド(n’は、1以上の任意の整数を示す。)と、その5’位水酸基を介してホスファイトトリエステル結合により縮合させる工程を含む、n’+p’個重合オリゴヌクレオチドの製造方法。
[31]p’が1である、[30]記載の製造方法。
[32]更に、下記工程(3’)を含有する、[30]または[31]に記載の製造方法。
(3’)縮合工程(2’)の反応液に、酸化剤または硫化剤を添加して、縮合工程で得られたn’+p’個重合オリゴヌクレオチドのホスファイトトリエステル結合を、ホスフェートトリエステル結合またはチオホスフェートトリエステル結合へと変換する工程。
[33]更に、下記工程(1’)を含有する、[30]〜[32]のいずれか1つに記載の製造方法。
(1’)縮合工程(2’)の前に、非極性溶媒中において、3’位水酸基が[27]〜[29]のいずれか一つに記載の保護基で保護され、かつ5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護されたn’個重合オリゴヌクレオチドを酸と反応させて5’位水酸基の一時保護基を除去する工程。
[34]工程(1’)が、ピロール誘導体およびインドール誘導体から選択される少なくとも一種のカチオン捕捉剤の存在下に行われ、5’位水酸基の一時保護基を除去した後、有機塩基により中和する工程をさらに含む、[33]に記載の製造方法。
[35]更に、下記工程(4’)を含有する、[32]〜[34]のいずれか1つに記載の製造方法。
(4’)工程(3’)で得られた反応液から抽出操作のみで、n’+p’個重合オリゴヌクレオチドを単離する工程。
[36]更に、下記工程(5’)を含有する、[35]に記載の製造方法。
(5’)工程(4’)で得られたn’+p’個重合オリゴヌクレオチドの保護基を全て除去する工程。
本発明の特定の塩基部保護オリゴヌクレオチドにより、効率的かつ高収率に、液−液抽出操作で精製可能な、ホスホロアミダイト法によるオリゴヌクレオチドの製造方法を提供できるようになった。
本発明の塩基部保護オリゴヌクレオチド、特に分岐鎖塩基部保護オリゴヌクレオチドを用いることにより、ヌクレオチド伸長反応の各工程で得られる中間体のオリゴヌクレオチドの脂溶性及び有機溶媒(特に、非極性溶媒)に対する溶解性が格段に向上し、抽出操作のみで単離精製が可能となるため、固化単離などの煩雑で時間を要する操作を必要とせず、スピードが向上し、効率性・生産性が格段に向上する。
さらに、伸長したオリゴヌクレオチドを抽出操作のみで単離精製できるため、反応装置から生成物を取り出すことなく、次サイクルの伸長反応に繋げることができ、ワンポットでオリゴヌクレオチドの製造が連続的に行えるようになった。
また、本発明の別の態様として、特定の分岐鎖含有芳香族構造を有する保護基でヌクレオチド3’−水酸基を保護することによっても同種の溶解性向上効果が得られ、さらに塩基部保護オリゴヌクレオチドと併用することにより、相乗効果が得られることが明らかとなった。
本発明は、3’位水酸基がホスホロアミダイト化され、かつ5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護され、かつ、核酸塩基がC5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する保護基で保護された新規な塩基部保護オリゴヌクレオチドに関する。
また、本発明の別の態様は、核酸塩基がC5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する保護基で保護された塩基部保護オリゴヌクレオチドを用いることを特徴とする、オリゴヌクレオチドの製造方法に関するものであり、好ましくは、以下の工程(2)を含む。
(2)3’位水酸基がホスホロアミダイト化され、5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護され、かつ核酸塩基がC5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されたp個重合塩基部保護オリゴヌクレオチド(pは、1以上の任意の整数を示す。)を、5’位水酸基が保護されておらず、かつ3’位水酸基が保護されたn個重合オリゴヌクレオチド(nは、1以上の任意の整数を示す。)と、その5’位水酸基を介してホスファイトトリエステル結合により縮合させ、n+p個重合オリゴヌクレオチドを得る工程。
また、本発明のもう一つの態様は、3’位水酸基が特定の分岐鎖含有芳香族保護基で保護され、かつ5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護された新規分岐鎖含有芳香族保護オリゴヌクレオチドに関する。
さらに、本発明のさらにもう一つの態様は、ヌクレオチド3’−水酸基の保護に用いられる特定の分岐鎖含有芳香族保護基に関する。
さらに、本発明のもう一つの態様は、前記分岐鎖含有芳香族保護基で3’位水酸基が保護されたオリゴヌクレオチドを用いることを特徴とする、オリゴヌクレオチドの製造方法に関するものであり、好ましくは、以下の工程(2’)を含む。
(2’)3’位水酸基がホスホロアミダイト化され、5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護され、かつ核酸塩基が保護されていてもよいp’個重合オリゴヌクレオチド(p’は、1以上の任意の整数を示す。)を、5’位水酸基が保護されておらず、かつ3’位水酸基が前記分岐鎖含有芳香族保護基で保護されたn’個重合オリゴヌクレオチド(n’は、1以上の任意の整数を示す。)と、その5’位水酸基を介してホスファイトトリエステル結合により縮合させて、n’+p’個重合オリゴヌクレオチドを得る工程。
以下、説明する。
1.用語の説明
文中で特に断らない限り、本明細書で用いるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されるのと同じ意味をもつ。本明細書に記載されたものと同様または同等の任意の方法および材料は、本発明の実施または試験において使用することができるが、好ましい方法および材料を以下に記載する。本明細書で言及したすべての刊行物および特許は、例えば、記載された発明に関連して使用されうる刊行物に記載されている、構築物および方法論を記載および開示する目的で、参照として本明細書に組み入れられる。
本明細書において、「ヌクレオシド」とは、核酸塩基が糖(例えば、リボース、2−デオキシリボース、2位と4位が架橋したリボースなど)の1’位にN−グリコシド化により結合された化合物を意味する。
2位と4位が架橋したリボースとしては、例えば、下記式の化合物が挙げられる。
本明細書において、「核酸塩基」とは、核酸の合成に使用されるものであれば特に制限されず、例えば、シトシル基、ウラシル基、チミニル基等のピリミジン塩基、アデニル基、グアニル基等のプリン塩基を挙げることができる。
また、該「核酸塩基」には、上記した基の他に、核酸塩基が任意の置換基(例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシアルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ等)により任意の位置に1〜3個置換されている修飾核酸塩基(例えば、8−ブロモアデニル基、8−ブロモグアニル基、5−ブロモシトシル基、5−ヨードシトシル基、5−ブロモウラシル基、5−ヨードウラシル基、5−フルオロウラシル基、5−メチルシトシル基、8−オキソグアニル基、ヒポキサンチニル基等)も包含される。
本明細書中、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子である。
本明細書中、「炭化水素基」としては、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香脂肪族炭化水素基、単環式飽和炭化水素基および芳香族炭化水素基等が挙げられ、具体的には、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基等の1価基およびそれらから誘導される2価基である。
本明細書中、「アルキル(基)」としては、直鎖状または分岐鎖状の炭素数1以上のアルキル基が挙げられ、特に炭素数範囲の限定がない場合には、好ましくはC1−10アルキル基であり、より好ましくはC1−6アルキル基である。炭素数範囲の限定がない場合の好適な具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられ、特にメチル、エチルが好ましい。
本明細書中、「アラルキル(基)」としては、C7−20アラルキル基が挙げられ、好ましくはC7−16アラルキル基(C6−10アリール−C1−6アルキル基)である。好適な具体例としては、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、1−フェニルプロピル、ナフチルメチル、1−ナフチルエチル、1−ナフチルプロピル等が挙げられ、特にベンジルが好ましい。
本明細書中、「アルコキシ(基)」としては、炭素数1以上のアルキコキシ基が挙げられ、特に炭素数範囲の限定がない場合には、好ましくはC1−10アルコキシ基であり、より好ましくはC1−6アルコキシ基である。炭素数範囲の限定がない場合の好適な具体例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられ、特にメトキシ、エトキシが好ましい。
本明細書中、「アシル(基)」としては、例えば、直鎖状または分岐鎖状のC1−6アルカノイル基、C7−13アロイル基等が挙げられる。具体的には、例えば、ホルミル、アセチル、n−プロピオニル、イソプロピオニル、n−ブチリル、イソブチリル、ピバロイル、バレリル、ヘキサノイル、ベンゾイル、ナフトイル、レブリニル等が挙げられ、これらはそれぞれ置換されていてもよい。
本明細書中、「アルケニル(基)」としては、直鎖状または分岐鎖状のC2−6アルケニル基等が好ましく、例えば、ビニル、1−プロペニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル等が挙げられる。中でも、C2−4アルケニル基が好ましい。
本明細書中、「アルキニル(基)」としては、C2−6アルキニル基等が好ましく、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル等が挙げられる。中でも、C2−4アルキニル基が好ましい。
本明細書中、「シクロアルキル(基)」は、環状アルキル基を意味し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられる。中でも、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC3−6シクロアルキル基が好ましく、シクロヘキシルが特に好ましい。
本明細書中、「アリール(基)」は、芳香族性を示す単環式あるいは多環式(縮合)の炭化水素基を意味し、具体的には、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニリル、2−アンスリル等のC6−14アリール基等が挙げられる。中でもC6−10アリール基がより好ましく、フェニルが特に好ましい。
本明細書中、「炭化水素基を有する有機基」とは、前記「炭化水素基」を有する基を意味し、「炭化水素基を有する有機基」中の「炭化水素基」以外の部位は任意に設定することができる。例えば、リンカーとして−O−、−S−、−COO−、−OCONH−、および−CONH−等の部位を有していてもよい。
本明細書中、「アルキレン(基)」としては、直鎖状または分岐鎖状の炭素数1以上のアルキレン基が挙げられ、特に炭素数範囲の限定がない場合には、好ましくはC1−10アルキレン基であり、より好ましくはC1−6アルキレン基である。炭素数範囲の限定がない場合の好適な具体例としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン等が挙げられ、特にメチレン、エチレンが好ましい。
2.塩基部保護オリゴヌクレオチド
本発明オリゴヌクレオチド合成に使用される塩基部保護オリゴヌクレオチドは、3’位水酸基がホスホロアミダイト化され、かつ5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護されたヌクレオチドの核酸塩基をC5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護することにより、中間体のオリゴヌクレオチドの脂溶性、有機溶媒(特に、非極性溶媒)に対する溶解性が顕著に向上し、液相合成に適したオリゴヌクレオチドの製造法を提供することができる。
有機溶媒に対する溶解性の観点から、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基としては、C5−30分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30分岐鎖アルケニル基が好ましい。
本明細書の塩基部保護オリゴヌクレオチドにより、オリゴヌクレオチドの溶解性が向上される溶媒としては、非極性溶媒が好ましい。
本明細書において、「非極性溶媒」としては、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶媒;酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒;ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、オクタン、ノナン、シクロヘキサン等の脂肪族系溶媒;ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等の非極性エーテル系溶媒が挙げられる。これらの溶媒は2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。中でも、芳香族系溶媒、脂肪族系溶媒、またはこれらの組合せが好ましく、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、ノナン、シクロヘキサンまたは、これらの組合せ等が好ましく、トルエン、ヘプタン、ノナンまたは、これらの組合せがより好ましく、トルエン、ヘプタンまたは、これらの組合せが特に好ましい。
中でも目的とするオリゴヌクレオチド製造方法において、スピードアップ、高収率、高効率が達成できるという観点で好ましい塩基部保護オリゴヌクレオチドとしては、下記一般式(I)で表される新規化合物(以下、本発明化合物(I)と称することもある。)が挙げられる。
なお、qが0の場合には、式(I)で表される塩基部保護オリゴヌクレオチドは、「塩基部保護ヌクレオシド」と解される。
一般式(I):
(式中、qは、0以上の任意の整数を示し;

q+1個のBaseは、独立してそれぞれ、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されている核酸塩基を示し;
は、水素原子、または酸性条件下で除去可能な一時保護基を示し;
Xは、水素原子、保護されていてもよい水酸基、ハロゲン原子又は4位炭素原子に架橋する有機基を示し;
q個のX’は、独立してそれぞれ、水素原子、保護されていてもよい水酸基、ハロゲン原子又は4位炭素原子に架橋する有機基を示し;
q+1個のPは、独立してそれぞれ、塩基性条件下で除去可能な保護基を示し;
q個のR34は、独立してそれぞれ、酸素原子もしくは硫黄原子を示し;
及びRは、独立してそれぞれ、C1−6アルキル基を示すか、または隣接する窒素原子と一緒になって形成する、5または6員の飽和環状アミノ基を示す。)
qは、0以上の任意の整数を示し、0が好ましい。qの上限は、特に限定されるものではないが、49以下が好ましく、29以下がより好ましく、19以下が更に好ましく、4以下が更に一層好ましく、2以下が更に一層好ましく、1が特に好ましい。
本発明化合物(I)である塩基部保護オリゴヌクレオチドを構成するリボース残基の2位の基X及びq個のX’は、独立してそれぞれ、水素原子、保護されていてもよい水酸基、ハロゲン原子又は4位炭素原子に架橋する有機基である。
かかる「保護されていてもよい水酸基」の保護基としては、特に限定されず、例えば、グリーンズ・プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Greene’s PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS)、第4版、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(JOHN WILLY&SONS)出版(2006年)等に記載されている任意の保護基を挙げることができる。具体的には、メチル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、tert−ブチル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、2−テトラヒドロピラニル基、エトキシエチル基、シアノエチル基、シアノエトキシメチル基、フェニルカルバモイル基、1,1−ジオキソチオモルホリン−4−チオカルバモイル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、[(トリイソプロピルシリル)オキシ]メチル(Tom)基、1−(4−クロロフェニル)−4−エトキシピペリジン−4−イル(Cpep)基等を挙げることができる。これらの中でも、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、またはtert−ブチルジメチルシリル基であることが好ましく、経済性及び入手の容易さの観点から、tert−ブチルジメチルシリル基であることが特に好ましい。
X及びX’で示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子等が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
X及びX’で示される「4位炭素原子に架橋する有機基」としては、ヌクレオシド2位と4位を架橋する限り特に限定はないが、例えば、C2−7アルキレン基が挙げられる。当該アルキレン基は、例えば、−O−、−NR37−(R37は水素原子またはC1−6アルキル基を示す)、−S−、−CO−、−COO−、−OCONR38−(R38は水素原子またはC1−6アルキル基を示す)、−CONR39−(R39は水素原子またはC1−6アルキル基を示す)等から選ばれるリンカーで1箇所以上(好ましくは、1又は2箇所)中断されていてもよい。
「4位炭素原子に架橋する有機基」として好ましくは、例えば、−ORi(Riは4位に架橋するC1−6アルキレン基を示す)、−O−NR37−Rj(Rjは4位に架橋するC1−6アルキレン基を示し、R37は前記と同義を示す)、−O−Rk−O−Rl(RkはC1−6アルキレン基を示し、Rlは4位に架橋するC1−6アルキレン基を示す)等が挙げられる。Ri、Rj、Rk及びRlで示されるC1−6アルキレン基としては、それぞれ独立して、メチレン基またはエチレン基が好ましい。
「4位炭素原子に架橋する有機基」としては、−O−CH−、−O−CH−CH−、−O−NR37−CH−(R37は前記と同義を示す)、−O−CH−O−CH−等が好ましく、−O−CH−、−O−CH−CH−、−O−NH−CH−、−O−NMe−CH−、−O−CH−O−CH−(それぞれ、左側が2位に結合し、右側が4位に結合する。)等がより好ましい。
本発明化合物(I)の5’位水酸基の保護基として用いることができる一時保護基Pとしては、酸性条件下で脱保護可能であり、水酸基の保護基として用いられるものであれば、特に限定はされないが、トリチル基、9−(9−フェニル)キサンテニル基、9−フェニルチオキサンテニル基、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−1−フェニルメチル基等のジ(C1−6アルコキシ)トリチル基、1−(4−メトキシフェニル)−1,1−ジフェニルメチル基等のモノ(C1−18アルコキシ)トリチル基等のモノメトキシトリチル基を挙げることができる。これらの中でも、脱保護のしやすさ、入手の容易さの観点から、モノメトキシトリチル基、ジメトキシトリチル基であることが好ましく、より好ましくは、ジメトキシトリチル基である。
及びRが、隣接する窒素原子と一緒になって形成する、5または6員の飽和環状アミノ基は、窒素原子の他に環構成原子として酸素原子または硫黄原子を1個有していてもよく、例えば、ピロリジニル基、ピペリジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、N−メチルピラジニル基などが挙げられる。
及びRとしては、イソプロピル基が好ましい。
本発明化合物(I)のホスホロアミダイトの保護基またはヌクレオチドリン酸基の保護基として用いることができるq+1個の保護基Pとしては、塩基条件下で脱保護可能であり、水酸基の保護基として用いられるものであれば、特に限定はされないが、−CHCHWG(WGは、電子吸引性基を示す。)で表される基が好ましく、WGとしてはシアノ基が好ましい。 q個のR34は、独立してそれぞれ酸素原子もしくは硫黄原子を示し、好ましくは酸素原子である。
q+1個のBaseにおける「C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−3直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されている核酸塩基」の「C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基」としては、その分子構造中に「C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基」を1以上有する保護基であれば特に限定はないが、好ましくは、下記式(k)、(l)、(m)または(s)で表される基が挙げられる。
式(k):
(式中、は、核酸塩基との結合位置を示し;
27は、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示す。)
で表される基、
式(l):
(式中、は、核酸塩基との結合位置を示し;
は、−O−、−S−または−NR30−(式中、R30は、水素原子またはC1−22アルキル基を示す。)を示し;
及びRは、独立してそれぞれ、水素原子またはC1−22アルキル基を示し;
28は、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示す。)
で表される基、
式(m):
(式中、は、核酸塩基との結合位置を示し;
lは、1〜5の整数を示し;
l個のQは、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−O−CH−、−NH−、−NHC(=O)−、−(=O)NHC−、−NH−CH−又は−CH−を示し;
l個のR29は、独立してそれぞれ、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示し;
環Cは、l個のQ29、およびC=Oに加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよいベンゼン環又はシクロヘキサン環を示す。)で表される基、または
式(s):
(式中、は、核酸塩基のアミノ基とイミノ結合を形成する位置を示し;
35及びR36は、独立してそれぞれ、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示す。)で表される基。
式(l)において、Qとしては−O−が好ましく、R及びRとしては水素原子が好ましい。
式(m)において、lとしては1が好ましく、Qとしては−O−が好ましく、環Cとしてはベンゼン環が好ましい。
式(k)、(l)、(m)および(s)において、それぞれR27、R28、l個のR29、R35及びR36が示す「C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基」の「C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基」および「C5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基」の炭素数の下限は、5以上であり、16以上が好ましく、18以上がより好ましい。当該炭素数の上限は、30以下であり、25以下が好ましく、20以下がより好ましい。
27、R28、l個のR29、R35及びR36で示される「C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基」として特に限定されるものではないが、好ましくは、下記式(n)または(e’)で表される分岐鎖アルキル基が挙げられる。
なお、式(n)、(e’)における各記号の定義中の炭素数、繰り返し単位の数(n19、n20、またはn21)等は便宜上示されたものであって、総炭素数が5以上(好ましくは16以上、より好ましくは18以上)、30以下(好ましくは25以下、より好ましくは20以下)になるよう上記した定義の範囲内で適宜変更することができる。以下、式(n)および(e’)について、順に説明する。
式(n)は、以下のとおりである。
(式中、は、結合位置を示し;
19は、2〜6の整数を示し;
19個のR30およびR31は、独立してそれぞれ、水素原子またはC1−4アルキル基を示し;
19個のXは、独立してそれぞれ、単結合またはC1−4アルキレン基を示し;かつ
32は、水素原子またはC1−4アルキル基を示し;
33は、C1−4アルキル基を示す。
但し、R30およびR31が共に水素原子であることはなく、かつn19が2の場合には、R32はC1−4アルキル基を示す。)で表される分岐鎖アルキル基。
式(n)の基において、
19個のR30およびR31は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基またはエチル基であり;
19個のXは、独立してそれぞれ、単結合、メチレン基またはエチレン基であり;
32は、水素原子、メチル基またはエチル基であり;かつ
33は、メチル基またはエチル基である基が好ましい(但し、R30およびR31が共に水素原子であることはなく、かつn19が2の場合には、R32はメチル基またはエチル基を示す。)。
より好適な式(n)の基としては、2,6,10,14−テトラメチルペンタデシル基、2,6,10−トリメチルウンデシル基、2,6−ジメチルヘプチル基等が挙げられる。
式(e’):
(式中、は、結合位置を示し;
20は、1〜5の整数を示し;
21は、1〜5の整数を示し;
20個のR20およびR21は、独立してそれぞれ、水素原子またはC1−4アルキル基を示し;
20個のXは、独立してそれぞれ、単結合またはC1−4アルキレン基を示し;
21個のR22およびR23は、独立してそれぞれ、水素原子またはC1−4アルキル基を示し;
21個のXは、独立してそれぞれ、単結合またはC1−4アルキレン基を示し;
は、単結合またはC1−4アルキレン基を示し;かつ
17、R18、R19、R24、R25およびR26は、独立してそれぞれ、水素原子またはC1−4アルキル基を示す。
但し、R20およびR21、および/またはR22およびR23が共に水素原子であることはなく、かつn20+n21が2の場合には、R17、R18およびR19の2個以上が独立してそれぞれ、C1−4アルキル基を示すか、またはR24、R25およびR26の2個以上が独立してそれぞれ、C1−4アルキル基を示す。)で表される分岐鎖アルキル基。
式(e’)の基において、
20は、1〜5の整数であり;
21は、1〜5の整数であり;
20個のR20およびR21は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基またはエチル基であり;
20個のXは、独立してそれぞれ、単結合、メチレン基またはエチレン基であり;
21個のR22およびR23は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基またはエチル基であり;
21個のXは、独立してそれぞれ、単結合、メチレン基またはエチレン基であり;
は、単結合、メチレン基またはエチレン基であり;
17、R18、R19、R24、R25およびR26は、独立してそれぞれ、水素原子またはC1−4アルキル基である基が好ましい(但し、R20およびR21、および/またはR22およびR23が共に水素原子であることはなく、かつn20+n21が2の場合には、R17、R18およびR19の2個以上が独立してそれぞれ、C1−4アルキル基を示すか、またはR24、R25およびR26の2個以上が独立してそれぞれ、C1−4アルキル基を示す。)。
特に好適な式(e’)の基としては、
20は、1〜5の整数であり;
21は、1〜5の整数であり;
20個のR20およびR21は、独立してそれぞれ、水素原子またはメチル基であり;
20個のXは、独立してそれぞれ、単結合またはメチレン基であり;
21個のR22およびR23は、独立してそれぞれ、水素原子またはメチル基であり;
21個のXは、独立してそれぞれ、単結合またはメチレン基であり;
は、単結合またはメチレン基であり;かつ
17、R18、R19、R24、R25およびR26は、メチル基である基が挙げられる(但し、R20およびR21、および/またはR22およびR23が共に水素原子であることはない。)。
より好適な式(e’)の基としては、2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ウンデシル基等が挙げられる。
27、R28、l個のR29、R35及びR36で示される「C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基」の別の好ましい例としては、2,6,10,14−テトラメチルペンタデシル基、2,6,10−トリメチルウンデシル基、2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ウンデシル基、2,6,10−トリメチルウンデカ−1,5,9−トリエニル基、2,6−ジメチルヘプチル基、2,6−ジメチルヘプタ−5−エニル基、2,6−ジメチルヘプタ−1,5−ジエニル基、9−ノナデシル基、12−メチルトリデシル基、11−メチルトリデシル基、11−メチルドデシル基、10−メチルウンデシル基、8−ヘプタデシル基、7−ペンタデシル基、7−メチルオクチル基、3−メチルオクチル基、3,7−ジメチルオクチル基、3−メチルヘプチル基、3−エチルヘプチル基、5−ウンデシル基、2−ヘプチル基、2−メチル−2−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘプチル基、4−ヘプチル基、4−メチル−ペンチル基、3−メチル−ペンチル基、及び2,4,4−トリメチルペンチル基からなる群から選択される分岐鎖アルキル基又は分岐鎖アルケニル基;あるいは、テトラデシル基、トリデシル基、ドデシル基、ウンデシル基、デシル基、ノニル基、オクチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、及びペンチル基からなる群から選択される直鎖アルキル基が挙げられる。
5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されている核酸塩基としては、下記式(A)〜(A12)が挙げられる。
(式中、各記号は、前記と同義である。)
5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基を核酸塩基に導入する方法は、当該保護基の活性化誘導体を保護試薬として用い、グリーンズ・プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Greene’s PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS)、第4版、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(JOHN WILLY&SONS)出版(2006年)、ORGANIC LETTERS,2005,Vol.7,No.24,5389−5392、JOURNAL OF AMERICAN CHEMICAL SOCIETY,1982,Vol.104,1316−1319等に記載されている公知の方法に準じて行うことができる。
5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基の活性化誘導体としては、上記式(k)、(l)または(m)で示される基の*の部分にハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子等)が結合した化合物;上記式(k)または(m)で示される二つの基が*の部分で酸素原子と結合した対称酸無水物;上記式(k)または(m)で示される基が*の部分で他のアシル基(例、イソブチリル基)で結合した混合酸無水物、(MeO)CH−NR3536で表される化合物などが挙げられる。
当該保護基の活性化誘導体は、市販品として入手可能であるか、あるいは、自体公知の方法またはこれらに準ずる方法に従って製造することができる。
一般式(I)で表される本発明化合物の好ましい態様としては、一般式(I)中、
qが、0であり;
Baseが、それぞれ、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されている、シトシル基、ウラシル基、チミニル基、アデニル基、またはグアニル基であり;
が、ジ(C1−6アルコキシ)トリチル基、またはモノ(C1−6アルコキシ)トリチル基であり;
Xが、水素原子、保護されていてもよい水酸基、フッ素原子、−ORi(Riは前記と同義を示す)、−O−NR37−Rj(Rj及びR37は前記と同義を示す)、または−O−Rk−O−Rl(Rk及びRlは前記と同義を示す)であり;
及びRが、独立してそれぞれ、C1−6アルキル基であり;かつ
が、−CHCHWG(WGは、電子吸引性基を示す。)で表される基である、
化合物(I)である。
上記一般式(I)で表される本発明化合物の別の好ましい態様としては、一般式(I)中、
qが、0であり;
Baseが、それぞれ、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されている、シトシル基、ウラシル基、チミニル基、アデニル基、またはグアニル基であり;
が、ジメトキシトリチル基、またはモノメトキシトリチル基であり;
Xが、水素原子、保護されていてもよい水酸基、フッ素原子、−O−CH−、−O−CH−CH−、または−O−NR37−CH−(R37は前記と同義を示す)、−O−CH−O−CH−(それぞれ、左側が2位に結合し、右側が4位に結合する。)であり;
及びRが、イソプロピル基であり;かつ
が、−CHCHWG(WGは、電子吸引性基を示す。)で表される基である、
化合物(I)である。
上記一般式(I)で表される本発明化合物の更に別の好ましい態様としては、一般式(I)中、
qが、0であり;
Baseが、それぞれ、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されている、シトシル基、ウラシル基、チミニル基、アデニル基、またはグアニル基であり;
が、ジメトキシトリチル基であり;
Xが、水素原子、メトキシ基、tert−ブチルジメチルシリロキシ基、フッ素原子、−O−CH−、−O−CH−CH−、−O−NH−CH−、−O−NMe−CH−、−O−CH−O−CH−(それぞれ、左側が2位に結合し、右側が4位に結合する。)であり;
及びRが、イソプロピル基であり;かつ
が、−CHCHCNで表される基である、
化合物(I)である。
3.塩基部保護オリゴヌクレオチドの製造方法
下記一般式(I)で表される本発明の塩基部保護オリゴヌクレオチドのうちqが0である一般式(I’)で表される塩基部保護ヌクレオシドは、式(Ia)で表される5’位水酸基が一時保護基Pにより保護され、核酸塩基がC5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されたヌクレオシドに下記一般式(o)、(p)で表されるホスホロアミダイト化試薬を反応させる公知の方法(M.H.Caruthers et al.,Method in Enzymology 1987,154,287−313;S.L.Beaucage and M.H.Caruthers,Tetrahedron Letters 1981,22,1859−1862.)に従い、製造することができる。
(式中、Halは、ハロゲン原子を示し、他の記号は、前記と同義である。)
原料として用いられる式(Ia)で表される化合物は、核酸塩基が保護されていない対応するヌクレオシドから、上記記載の「C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基を核酸塩基に導入する方法」に従い、「C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基」で核酸塩基を保護することによって製造することができる。なお、核酸塩基が保護されていない対応するヌクレオシドは、市販品として入手可能であるか、あるいは、自体公知の方法またはこれらに準ずる方法に従って製造することができる。
下記一般式(I’)で表される本発明の塩基部保護ヌクレオシドは、式(Ib)で表される3’位水酸基がホスホロアミダイド化され、5’位水酸基が一時保護基Pにより保護され、核酸塩基が保護されていないヌクレオシドに、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する保護化試薬を反応させる公知の方法(ORGANIC LETTERS,2005,Vol.7,No.24,5389−5392)によっても、製造することができる。
(式中、Base’は、保護されていない核酸塩基を示し、他の記号は、前記と同義である。)
原料として用いられる式(Ib)で表される化合物は、核酸塩基が核酸合成で常用される保護基(例、アセチル基、フェノキシアセチル基、p−イソプロピルフェノキシアセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基等)で保護された対応するヌクレオシドから、ORGANIC LETTERS,2005,Vol.7,No.24,5389−5392等に記載された公知の方法で脱保護することにより製造することができる。なお、核酸塩基が核酸合成で常用される保護基で保護された対応するヌクレオシドは、市販品として入手可能であるか、あるいは、自体公知の方法またはこれらに準ずる方法に従って製造することができる。
qが1以上である一般式(I)で示される塩基部保護オリゴヌクレオチドは、例えば、Aust.J.Chem.2010,63,227-235に記載の方法、本願明細書記載のオリゴヌクレオチドの製造方法を適宜適用して3’−水酸基が保護された対応する塩基部保護オリゴヌクレオチドを製造した後に、3’−水酸基の保護基を除去し、一般式(o)、(p)で表されるホスホロアミダイト化試薬を反応させる公知の方法(M.H.Caruthers et al.,Method in Enzymology 1987,154,287−313;S.L.Beaucage and M.H.Caruthers,Tetrahedron Letters 1981,22,1859−1862.)に従い、製造することができる。
(式中、Pはヌクレオチド3’−水酸基の保護基を示し、他の記号は、前記と同義である。)

で示されるヌクレオチド3’−水酸基の保護基は、5’−水酸基の保護基P、核酸塩基が保護基を有する場合の該保護基及びリン酸基の保護基Pが脱保護されない条件下で脱保護可能な保護基を用いる。例えば、ヒドラジンで脱保護できる保護基が挙げられる。ヒドラジンで脱保護可能な保護基で好ましいものとしてはレブニル基等が挙げられる(Aust.J.Chem.2010,63,227-235参照)。
4.オリゴヌクレオチドの製造方法
次に、本発明にかかるオリゴヌクレオチドの製造方法(以下、「本発明の製造方法」ともいう。)について説明する。
本発明の製造方法は、前記塩基部保護オリゴヌクレオチドを用いることを特徴とする。具体的には、n個重合オリゴヌクレオチドから、n+p個重合オリゴヌクレオチドへの製造方法について説明していくが、例えば、n=1の場合には、n個重合オリゴヌクレオチドは、「ヌクレオシド」と解し、p=1の場合には、p個重合塩基部保護オリゴヌクレオチドは、「塩基部保護ヌクレオシド」と解し、n+p個重合オリゴヌクレオチドは、「ジヌクレオシド」と解すべきものである。
本発明の製造方法は、好ましくは、以下の工程(2)を含有する。
(2)3’位水酸基がホスホロアミダイト化され、5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護され、かつ核酸塩基がC5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されたp個重合塩基部保護オリゴヌクレオチド(pは、1以上の任意の整数を示す。)を、5’位水酸基が保護されておらず、かつ3’位水酸基が保護されたn個重合オリゴヌクレオチド(nは、1以上の任意の整数を示す。)と、その5’位水酸基を介してホスファイトトリエステル結合により縮合させ、n+p個重合オリゴヌクレオチドを得る工程。
本発明の製造方法は、好ましくは、更に、下記工程(3)を含有し、工程(2)で得られたn+p個重合オリゴヌクレオチドのホスファイトトリエステル結合が、ホスフェートトリエステル結合またはチオホスフェートトリエステル結合へと変換される。
(3)縮合工程(2)の反応液に、酸化剤または硫化剤を添加して、縮合工程で得られたn+p個重合オリゴヌクレオチドのホスファイトトリエステル結合を、ホスフェートトリエステル結合またはチオホスフェートトリエステル結合へと変換する工程。
本発明の製造方法は、好ましくは、更に、下記工程(1)を含有し、工程(2)で使用される5’位水酸基が保護されておらず、かつ3’位水酸基が保護されたn個重合オリゴヌクレオチドが調製される。
(1)縮合工程(2)の前に、非極性溶媒中において、3’位水酸基が保護され、かつ5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護されたn個重合オリゴヌクレオチドを酸と反応させて5’位水酸基の一時保護基を除去する工程。
工程(1)は、好ましくは、ピロール誘導体およびインドール誘導体から選択される少なくとも一種のカチオン捕捉剤の存在下に行われ、5’位水酸基の一時保護基を除去した後、有機塩基により中和する工程をさらに含む。これに工程(1)、(2)及び(3)を液中で連続的に行うことが可能になり、ヌクレオシドがp個伸長したオリゴヌクレオチドを抽出操作のみで単離精製できる。
更に、下記工程(4)を含有させることにより、煩雑な固化単離を要せずして、簡便かつ効果的に過剰原料や副生物を除去して、n+p個重合オリゴヌクレオチドを精製し、同一反応容器から生成物を取り出すことなく、次工程に繋げることができる。
(4)工程(3)で得られた反応液から抽出操作のみで、n+p個重合オリゴヌクレオチドを単離する工程。
原料の当量管理と反応制御することによって副生物の発生量を制御できる状況であれば、工程(1)〜工程(3)を基本単位として繰り返し、工程(4)を含有させることが好ましい。
また、副生物発生を厳格に管理・制御でき、高純度のオリゴヌクレオチドに導けるという観点で、工程(1)〜工程(4)を基本単位として繰り返すことが好ましい。
液相法においてこのようなサイクルを繰り返すことにより、反応容器を変えることなく、ワンポットで最終のオリゴヌクレオチドまで製造することができる。
本発明の製造方法には、更に、工程(5)を含有させることにより、オリゴヌクレオチドを単離・製造することができる。
(5)工程(4)で得られたn+p個重合オリゴヌクレオチドの保護基を全て除去する工程。
nは1以上の任意の整数を示し、その上限は、特に限定されるものではないが、通常100以下、好ましくは75以下、さらに好ましくは50以下、さらに好ましくは30以下である。
pは、1以上の任意の整数を示し、1が好ましい。pの上限は、特に限定されるものではないが、50以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下が更に好ましく、5以下が更に一層好ましく、3以下が特に好ましい。
4−1.「n個重合オリゴヌクレオチド」の説明
まず、工程(1)及び(2)の原料に用いられるn個重合オリゴヌクレオチドについて説明する。
工程(1)で使用されるn個重合オリゴヌクレオチドは、例えば、Pが酸性条件下で除去可能な一時保護基である下記一般式(i)に示されるような、3’位水酸基が保護され、かつ5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護されたn個重合オリゴヌクレオチドを示し、工程(2)で使用されるn個重合オリゴヌクレオチドは、例えば、下記一般式(ii)に示されるような、5’位水酸基が保護されておらず、かつ3’位水酸基が保護されたn個重合オリゴヌクレオチドを示す。
(式中、mは、0以上の任意の整数を示し、m+1個のBaseは、独立してそれぞれ、保護されていてもよい核酸塩基を示し、m個のR34は、独立してそれぞれ、酸素原子もしくは硫黄原子を示し、m個のPは、独立してそれぞれ、塩基性条件下で除去可能な保護基を示し、Pはヌクレオチド3’−水酸基の保護基を示し、m+1個のX’は、それぞれ独立してXと同義であり、他の記号は、前記と同義である。) mの上限は、特に限定されるものではないが、通常99以下、好ましくは74以下、さらに好ましくは49以下、さらに好ましくは29以下である。

で示される「塩基性条件下で除去可能な保護基」は、式(I)のPと同義である。
一般式(i)及び(ii)中の各記号について、以下に説明する。
4−2.「ヌクレオチド3’−水酸基の保護基」の説明
一般式(i)及び(ii)中のPで示される「ヌクレオチド3’−水酸基の保護基」とは、5’位水酸基の保護基を除去し得る酸性条件で安定な基であり、工程(1)及び(2)において反応が進行するように反応溶媒である非極性溶媒にn個重合オリゴヌクレオチドを溶解させうるものであれば特に限定はないが、下記一般式(III’)で表される基が好ましい。
[式中、
Lは、式(a1):
(式中、は、Yとの結合位置を示し;**は、ヌクレオチド3’位水酸基との結合位置を示し;
は、置換されていてもよい2価のC1−22炭化水素基を示し;かつ
は、単結合を示すか、または**C(=O)N(R)−R−N(R***(式中、**は、Lとの結合位置を示し、***は、C=Oとの結合位置を示し、Rは、置換されていてもよいC1−22アルキレン基を示し、RおよびRは、独立してそれぞれ、水素原子もしくは置換されていてもよいC1−22アルキル基を示すか、またはRおよびRが一緒になって、置換されていてもよいC1−22アルキレン結合を形成していてもよい。)で表される基を示す。)で示される基を示し、
Yは、酸素原子、またはNR(Rは、水素原子、アルキル基またはアラルキル基を示す。)を示し、ならびに
Z’は、炭化水素基を有する有機基を示す。]。
上記式(a1)で表されるリンカーLの好ましい態様としては、式(a1)中、Lが、エチレン基、またはCH−O−1,4−フェニレン−O−CHを示し;かつ
が、単結合を示すか、または**C(=O)N(R)−R−N(R***(式中、**は、Lとの結合位置を示し、***は、C=Oとの結合位置を示し、Rは、C1−6アルキレン基を示し、RおよびRは、独立してそれぞれ水素原子、もしくは置換されていてもよいC1−6アルキル基を示すか、またはRおよびRが一緒になって、置換されていてもよいC1−6アルキレン結合を形成していてもよい。)で表される基である、基である。
上記式(a1)で表されるリンカーLの別の好ましい態様としては、式(a1)中、Lが、エチレン基を示し;かつ
が、単結合を示す、基である。
上記式(a1)で表されるリンカーLの別の好ましい態様としては、式(a1)中、Lが、エチレン基を示し;かつ
中のN(R)−R−N(R)部分が、ピペラジニレン基を示す、基である。
上記式(a1)で表されるリンカーLの更に別の好ましい態様としては、式(a1)中、Lが、エチレン基を示し;かつ
が、**C(=O)N(R)−R−N(R***(式中、**は、Lとの結合位置を示し、***は、C=Oとの結合位置を示し、Rは、ペンチレン基、またはヘキシレン基を示し、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子もしくはメチル基を示す。)で表される基である、基である。
上記リンカーLの特に好ましい例は、入手が容易で安価なスクシニル基である。
上記式(III’)におけるYは、酸素原子、またはNR(Rは、水素原子、アルキル基またはアラルキル基を示す。)を示す。
本明細書中、Rで示される「アルキル基」としては、C1−30アルキル基が挙げられ、好ましくはC1−10アルキル基、より好ましくはC1−6アルキル基である。好適な具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等が挙げられ、特にメチル、エチルが好ましい。
本明細書中、Rで示される「アラルキル基」としては、C7−30アラルキル基が挙げられ、好ましくはC7−20アラルキル基、より好ましくはC7−16アラルキル基(C6−10アリール−C1−6アルキル基)である。好適な具体例としては、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、1−フェニルプロピル、α−ナフチルメチル、1−(α−ナフチル)エチル、2−(α−ナフチル)エチル、1−(α−ナフチル)プロピル、β−ナフチルメチル、1−(β−ナフチル)エチル、2−(β−ナフチル)エチル、1−(β−ナフチル)プロピル等が挙げられ、特にベンジルが好ましい。
Rとしては、水素原子、C1−6アルキル基またはC7−16アラルキル基が好ましく、水素原子、メチル、エチルまたはベンジルがより好ましく、水素原子が特に好ましい。
Yとしては、酸素原子またはNHが好ましい。
Z’で示される「炭化水素基を有する有機基」としては、例えば、メチル、エチル、tert−ブチル等の炭素数1〜6のアルキル、ベンジル、p−ニトロベンジル、p−メトキシベンジル、ジフェニルメチル、アリル、1,1−ジメチル−2−フェニル−エチル、2,4−ジメトキシベンジル、ビス(4−メトキシフェニル)メチル等が挙げられる。また、炭化水素基を有する有機基としては、分枝鎖を有するものが好ましい。分枝鎖を有する基を使用すれば、n個重合オリゴヌクレオチドおよびn+p個重合オリゴヌクレオチドの脂溶性、溶媒(特に、非極性溶媒)に対する溶解性を向上させることができ、工程(1)を円滑に行うことができ、また、後述する工程(4)の抽出単離工程において、n+p個重合オリゴヌクレオチドを非極性溶媒に移行させやすくなる。
Z’における好適な「分枝鎖を有する基」としては、例えば、式(a2):
[式中、は、Yとの結合位置を示し;
は、水素原子であるか、あるいはRが下記式(a3)で表される基である場合には、Rと一緒になって単結合または−O−を示して、環Bと共にフルオレニル基またはキサンテニル基を形成していてもよく;
k個のQは、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−または−NH−を示し;
k個のRは、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;
kは、1〜4の整数を示し;
環Aは、R、k個のQR、およびC(R)(R)に加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよく;
は、水素原子を示し;かつ
は、水素原子または式(a3):
(式中、は結合位置を示し;
jは、0〜4の整数を示し;
j個のQは、独立してそれぞれ、前記と同意義を示し;
j個のRは、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;
は、水素原子を示すか、またはRと一緒になって単結合または−O−を示して、環Aと共にフルオレニル基またはキサンテニル基を形成していてもよく;かつ
環Bは、j個のQR、およびRに加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよい)で表される基を示す。]で表される基が挙げられる。
即ち、本発明におけるn個重合オリゴヌクレオチドの3’−水酸基の保護基の好適な一実施態様は、下記一般式(III)で表される。
一般式(III):
[式中、
LおよびYは前記と同義であり、
Zは、式(a2):
[式中、各記号は前記と同義である。]。
ヌクレオチド3’−水酸基の保護基が−L−Y−Z’である場合に、Z’を「分岐鎖を有する基」、好ましくは式(a2)で表される基にすることにより、ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドの溶解性が向上される溶媒としては、非極性溶媒が好ましい。
上記式(III)におけるL及びYの好ましい態様は、上記式(III’)におけるL及びYと同様である。
上記式(III’)におけるZ’の好ましい態様、即ち、上記式(III)におけるZの式(a2)で表される基は、特定のベンジル基(式(a2)中、RとRが共に水素原子であり、かつRが水素原子である);特定のジフェニルメチル基(式(a2)中、Rが水素原子であり、Rが水素原子であり、kが1〜3であり、かつRが式(a3)(式中、Rが水素原子であり、jが0または1である。)で表される基である);特定のフルオレニル基(式(a2)中、Rが水素原子であり、kが1であり、Rが式(a3)(式中、jが0である。)で表される基であり、かつRがRと一緒になって単結合を示して、環Aと共にフルオレン環を形成する);特定のキサンテニル基(式(a2)中、Rが水素原子であり、kが1であり、Rが式(a3)(式中、jが0である。)で表される基であり、かつRがRと一緒になって−O−を示して、環Aと共にキサンチン環を形成する)を包含する。
式(III)中、R、Rとして示される「分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基」とは、その分子構造中に分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基である。
「分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基」における「分岐鎖」としては、直鎖または分岐状の飽和脂肪族炭化水素基であり、C1−6アルキル基が好ましく、C1−4アルキル基がより好ましく、メチル基またはエチル基が一層好ましい。また、該「分岐鎖」は、1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい。
「分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基」における「脂肪族炭化水素基」とは、直鎖状の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基であり、C−C300アルキル基(好ましくは、C−C100アルキル基、より好ましくは、C−C60アルキル基)、C−C300アルケニル基(好ましくは、C−C100アルケニル基、より好ましくは、C−C60アルケニル基)またはC−C300アルキニル基(好ましくは、C−C100アルキニル基、より好ましくは、C−C60アルキニル基)である。
「分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基」における「分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基」の部位は、特に限定されず、末端に存在しても(1価基)、それ以外の部位に存在してもよい(例えば2価基)。
「分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基」としては、具体的には、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基(ラウリル基)、トリデシル基、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基、アラキル基、ベヘニル基、オレイル基、リノリル基、リグノセリル基等の分岐異性体であって、1以上の分岐鎖を有する1価基およびそれらから誘導される2価基が挙げられ、好ましくは、3,7,11−トリメチルドデシル基、3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル基(以下、2,3−ジヒドロフィチル基ということもある。)、2,2,4,8,10,10−ヘキサメチルウンデカン−5−イル基等である。
「分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基」中に「分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基」が複数存在する場合には、その各々は同一のものであっても異なるものであってもよい。
「分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基」中の「分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基」以外の部位は任意に設定することができる。例えば−O−、−S−、−CO−、−NH−、−COO−、−OCONH−、−CONH−、−NHCO−、炭化水素基(1価基または2価基)等の部位を有していてもよい。「炭化水素基」としては、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香脂肪族炭化水素基、単環式飽和炭化水素基および芳香族炭化水素基等が挙げられ、具体的には、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等の1価基およびそれらから誘導される2価基が用いられる。「アルキル基」としては、例えば、C1−6アルキル基等が好ましく、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられる。「アルケニル基」としては、例えば、C2−6アルケニル基等が好ましく、例えば、ビニル、1−プロペニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル等が挙げられる。「アルキニル基」としては、例えば、C2−6アルキニル基等が好ましく、例えば、エチニル、プロパルギル、1−プロピニル等が挙げられる。「シクロアルキル基」としては、例えば、C3−6シクロアルキル基等が好ましく、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルが挙げられる。「アリール基」は、例えば、C6−14アリール基等が好ましく、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニリル、2−アンスリル等が挙げられる。中でもC6−10アリール基がより好ましく、フェニルが特に好ましい。「アラルキル基」としては、例えば、C7−20アラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、1−フェニルプロピル、ナフチルメチル、1−ナフチルエチル、1−ナフチルプロピル等が挙げられる。中でも、C7−16アラルキル基(C6−10アリール−C1−6アルキル基)がより好ましく、ベンジルが特に好ましい。当該「炭化水素基」は、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子)、オキソ基等から選択される置換基で置換されていてもよい。
Zは、k個のQR基を有する。ここで、Qは、独立してそれぞれ、単結合であるか、あるいは−O−、−S−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−または−NH−であり、好ましくはOである。k個のQR基は、それぞれ同一のものであっても異なるものであってもよい。
Zにおいては、R、Rとして示される「分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基」における、炭素数合計は、14以上であり、16以上が好ましく、18以上がより好ましい。一方、R、Rとして示される「分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基」における、炭素数合計は、300以下であり、200以下が好ましく、160以下がより好ましい。また、本発明化合物においては、R、Rとして示される「分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基」における、総分岐鎖数は特に制限されないが、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、4以上がより好ましく、8以上がより好ましく、10以上が更に好ましい。当該総分岐鎖数が多いほど、オリゴヌクレオチド鎖が長鎖になった場合でも3’位水酸基が当該保護基により保護されたオリゴヌクレオチドは、各種有機溶媒(特に、非極性溶媒)に対する溶解性が良好な油状物となる。
、Rとして示される「分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基」としては、式(b):
(式中、は、隣接原子との結合位置を示し;
およびRは、独立してそれぞれ、水素原子またはC1−4アルキル基を示し;
は、単結合、C1−4アルキレン基を示す。
但し、RおよびRが共に水素原子であることはない。)で表される同一または異なる2価の基を有する基が好ましく、例えば、下記式(c)〜(e)のいずれかで表される基が挙げられる。
なお、式(c)〜(e)における各記号の定義中の炭素数、繰り返し単位の数(m、n〜n)等は便宜上示されたものであって、総炭素数が14以上(好ましくは16以上、より好ましくは18以上)、300以下(好ましくは200以下、より好ましくは160以下)になるよう上記した定義の範囲内で適宜変更することができる。以下、式(c)〜(e)について、順に説明する。
式(c)は、以下の通りである。
[式中、は、Qとの結合位置を示し;
10およびR11は、共に水素原子を示すか、または一緒になって=Oを示し;
は、2〜40の整数を示し;
個のR12およびR13は、独立してそれぞれ、水素原子またはC1−4アルキル基を示し;
個のXは、独立してそれぞれ、単結合またはC1−4アルキレン基を示し;かつ
14は、水素原子またはC1−4アルキル基を示し;
15は、C1−4アルキル基を示す。
但し、R12およびR13が共に水素原子であることはなく、かつnが2の場合には、R14はC1−4アルキル基を示す。]
式(c)の基において、
10およびR11は、共に水素原子であり;
は、2〜40の整数であり;
個のR12およびR13は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基またはエチル基であり;
個のXは、独立してそれぞれ、単結合、メチレン基またはエチレン基であり;かつ
14は、水素原子、メチル基またはエチル基である基が好ましい(但し、R12およびR13が共に水素原子であることはなく、かつnが2の場合には、R14はメチルまたはエチル基を示す。)。
より好適な式(c)の基は、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基、アラキル基、ベヘニル基等の炭素数14〜160の分岐異性体であり、中でも2,3−ジヒドロフィチル基、3,7,11−トリメチルドデシル基、2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ドデカノイル基が特に好ましい。
式(d)は、以下の通りである。
(式中、は、Qとの結合位置を示し;
個のOR16は、独立してそれぞれ、式(c)で表される基により置換されたヒドロキシル基を示し;
は、1〜3の整数を示す。)
なお、式(c)で表される基は、が、Qとの結合位置ではなく、Oとの結合位置を示すこと以外は、上記式(c)で表される基と同じである。
式(d)の基において、R16は、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基、アラキル基、ベヘニル基等の炭素数14〜30の分岐異性体である基がより好ましく、中でも2,3−ジヒドロフィチル基、3,7,11−トリメチルドデシル基が特に好ましい。
式(e)は、以下の通りである。
(式中、は、Qとの結合位置を示し;
は、1〜10の整数を示し;
は、1〜10の整数を示し;
個のR20およびR21は、独立してそれぞれ、水素原子またはC1−4アルキル基を示し;
個のXは、独立してそれぞれ、単結合またはC1−4アルキレン基を示し;
個のR22およびR23は、独立してそれぞれ、水素原子またはC1−4アルキル基を示し;
個のXは、独立してそれぞれ、単結合またはC1−4アルキレン基を示し;
は、単結合またはC1−4アルキレン基を示し;かつ
17、R18、R19、R24、R25およびR26は、独立してそれぞれ、水素原子またはC1−4アルキル基を示す。
但し、R20およびR21、および/またはR22およびR23が共に水素原子であることはなく、かつn+nが2の場合には、R17、R18およびR19の2個以上が独立してそれぞれ、C1−4アルキル基を示すか、またはR24、R25およびR26の2個以上が独立してそれぞれ、C1−4アルキル基を示す。)
式(e)の基において、
は、1〜5の整数であり;
は、1〜5の整数であり;
個のR20およびR21は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基またはエチル基であり;
個のXは、独立してそれぞれ、単結合、メチレン基またはエチレン基であり;
個のR22およびR23は、独立してそれぞれ、水素原子、メチル基またはエチル基であり;
個のXは、独立してそれぞれ、単結合、メチレン基またはエチレン基であり;
は、単結合、メチレン基またはエチレン基であり;かつ
17、R18、R19、R24、R25およびR26は、独立してそれぞれ、水素原子またはC1−4アルキル基である基がより好ましい(但し、R20およびR21、および/またはR22およびR23が共に水素原子であることはなく、かつn+nが2の場合には、R17、R18およびR19の2個以上が独立してそれぞれ、C1−4アルキル基を示すか、またはR24、R25およびR26の2個以上が独立してそれぞれ、C1−4アルキル基を示す。)。
特に好適な式(e)の基としては、
は、1〜5の整数であり;
は、1〜5の整数であり;
個のR20およびR21は、独立してそれぞれ、水素原子またはメチル基であり;
個のXは、独立してそれぞれ、単結合またはメチレン基であり;
個のR22およびR23は、独立してそれぞれ、水素原子またはメチル基であり;
個のXは、独立してそれぞれ、単結合またはメチレン基であり;
は、単結合またはメチレン基であり;かつ
17、R18、R19、R25、R25およびR26は、メチル基である基が挙げられる(但し、R20およびR21、および/またはR22およびR23が、共に水素原子であることはない)。
、Rとして示される「分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基」の具体例として、以下の基が挙げられる。各基中のは結合位置を示し、式中のnは、3以上の整数を示し、nは、該基の総炭素数が14以上300以下になるように適宜設定され得る。
、Rとして示される「分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基」の好ましい具体例として、以下の基が挙げられる:
3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル基;
3,7,11−トリメチルドデシル基;
2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ドデカノイル基;
3,4,5−トリ(3’,7’,11’,15’−テトラメチルヘキサデシルオキシ)ベンジル基;および
3,5−ジ(3’,7’,11’,15’−テトラメチルヘキサデシルオキシ)ベンジル基。
本発明の一般式(III’)または式(III)で表される保護基の好ましい例として、以下のベンジルスクシニル基、またはジフェニルメチルスクシニル基が挙げられるが、本発明は、これらに限定されるわけではない:
2−{2,4−ジ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;3,5−ジ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルスクシニル基;4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルスクシニル基;2−{1−[(2−クロロ−5−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル)]ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;3,4,5−トリ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルスクシニル基;2−{3,4,5−トリ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;2−{4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;2−{2−[3’,4’,5’−トリ(2’’,3’’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルオキシ]−4−メトキシベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;2−{4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メトキシベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メチルベンジルスクシニル基;2−{4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メチルベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;4−[2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ドデカノイルアミノ]ベンジルスクシニル基;2−{4−[2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ドデカノイルアミノ]ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;4−(3,7,11−トリメチルドデシルオキシ)ベンジルスクシニル基;2−{4−(3,7,11−トリメチルドデシルオキシ)ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;2−{3,5−ジ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;2−{1−[2,3,4−トリ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル]ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;2−{1−[4−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル]−4’−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基;3,4,5−トリス[3,4,5−トリ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジル]ベンジルスクシニル基;および2−{3,4,5−トリス[3,4,5−トリ(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジル]ベンジルアミノカルボニル}エチルカルボニル基。
4−3.「保護されていてもよい核酸塩基」の説明
一般式(i)及び(ii)中のBaseで表される「保護されていてもよい核酸塩基」とは、例えば、アミノ基を有する核酸塩基であるアデニル基、グアニル基、またはシトシル基において、アミノ基が保護されていてもよいこと、或いは、環状イミド基を有するチミル基、ウラシル基において、イミド基が保護されていてもよいことを意味し、核酸塩基のアミノ基が5’位の脱保護条件に耐え得る保護基により保護されている核酸塩基が好ましい。かかる「アミノ基の保護基」及び「イミド基の保護基」としては、特に限定されず、例えば、グリーンズ・プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Greene’s PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS)、第4版、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(JOHN WILLY&SONS)出版(2006年)等に記載されている保護基を挙げることができる。かかる「アミノ基の保護基」及び「イミド基の保護基」の具体例としては、例えば、ピバロイル基、ピバロイロキシメチル基、トリフルオロアセチル基、フェノキシアセチル基、4−イソプロピルフェノキシアセチル基、4−tert−ブチルフェノキシアセチル基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、ジメチルホルムアミジニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基等を挙げることができる。これらの中でも、フェノキシアセチル基、4−イソプロピルフェノキシアセチル基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、及びジメチルホルムアミジニル基が好ましい。また、核酸塩基のカルボニル基が保護されていてもよく、例えば、フェノール、2,5−ジクロロフェノール、3−クロロフェノール、3,5−ジクロロフェノール、2−ホルミルフェノール、2−ナフトール、4−メトキシフェノール、4−クロロフェノール、2−ニトロフェノール、4−ニトロフェノール、4−アセチルアミノフェノール、ペンタフルオロフェノール、4−ピバロイロキシベンジルアルコール、4−ニトロフェネチルアルコール、2−(メチルスルフォニル)エタノール、2−(フェニルスルフォニル)エタノール、2−シアノエタノール、2−(トリメチルシリル)エタノール、ジメチルカルバミン酸クロライド、ジエチルカルバミン酸クロライド、エチルフェニルカルバミン酸クロライド、1−ピロリジンカルボン酸クロライド、4−モルホリンカルボン酸クロライド、ジフェニルカルバミン酸クロライド等を反応させて、カルボニル基を保護することが出来る。ここで、カルボニル基の保護基については、特に導入しなくてもよい場合がある。
また、核酸塩基の保護基の別の好ましい態様としては、「C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基」が挙げられる。当該「C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基」としては、上記式(I)中のBaseの「C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されている核酸塩基」の「C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基」と同義である。
中でも、「C5−30分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30分岐鎖アルケニル基を有する基」が好ましく、「C5−30分岐鎖アルキル基を有する基」がより好ましい。
核酸塩基を「C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基」で保護することにより、n個重合オリゴヌクレオチドにさらに脂溶性、有機溶媒(特に、非極性溶媒)に対する溶解性が付与され、長鎖のオリゴヌクレオチド合成に有利である。
n個重合オリゴヌクレオチドの少なくとも1つの核酸塩基は、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されていることが好ましく、C5−30分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されていることがさらに好ましい。
この場合に、n個重合オリゴヌクレオチドの少なくとも1つの核酸塩基が当該保護基で保護されていればよく、n個すべての核酸塩基が当該保護基で保護されていてもよく、その一部が当該保護基で保護されており、その他の核酸塩基が、核酸合成分野で常用されている保護基(例えば、ピバロイル基、ピバロイロキシメチル基、トリフルオロアセチル基、フェノキシアセチル基、4−イソプロピルフェノキシアセチル基、4−tert−ブチルフェノキシアセチル基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、ジメチルホルムアミジニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基等)で保護されるものであってもよい。
このように、Baseで表される核酸塩基の全て又は一部がC5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されている場合、得られるn+p個重合オリゴヌクレオチドの脂溶性、有機溶媒(特に、非極性溶媒)に対する溶解性がさらに向上し、次工程の工程(4)の抽出操作が容易になり、より重合度が高いオリゴヌクレオチドの合成が可能になる。
n個の核酸塩基のうち、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護する割合は、n個重合オリゴヌクレオチドが有機溶媒(特に、非極性溶媒)に十分な溶解性を有するように適宜設定すればよい。
「C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基」及び「C5−30分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30分岐鎖アルケニル基を有する基」の好ましい例は、上述の式(I)で説明したとおりである。
4−4.分岐鎖含有芳香族保護オリゴヌクレオチド
本発明におけるn個重合オリゴヌクレオチドの更に好適な一実施態様は、前記式(i)及び(ii)において、かつPで表される3’位水酸基の保護基が前記式(III):−L−Y−Zで表される基(本明細書において、「分岐鎖含有芳香族保護基」と称する場合がある。)である、下記一般式(II)で表される新規オリゴヌクレオチド(本明細書において、「分岐鎖含有芳香族保護オリゴヌクレオチド」と称することもある。)である。
なお、mが0の場合には、式(II)で表される分岐鎖含有芳香族保護オリゴヌクレオチドは、「分岐鎖含有芳香族保護ヌクレオシド」と解される。
本発明の分岐鎖含有芳香族保護オリゴヌクレオチドは、本発明の製造方法の反応溶媒であり、分液操作性の優れた非極性溶媒に易溶であるので、各工程の反応を円滑に行える上、各中間体を晶析単離することなく抽出分離のみを経て最終生成物へと導くオリゴヌクレオチドの製造方法(ワンポット合成方法ともいう)に使用しうる、新規化合物として極めて有用である。
特に非極性溶媒の代表溶媒としてのヘプタンに対して良好な溶解性を示すという点で、特開2010−275254号公報に記載の直鎖構造を有する保護基とは明確に差別化されるべきものである。
一方、従来の液相法に比べても、オリゴヌクレオチドの重合度(配列および鎖長)によらず、非極性溶媒中に安定的に溶解・移行させられるため、工程上では単離・精製工程を簡便化でき、総合的には高純度・高収率を確保できるという利点を有する。
20℃におけるヘプタン中のmが0である分岐鎖含有芳香族保護ヌクレオシドの溶解度(=溶質/(溶媒+溶質)×100)(質量%)の下限値は、反応基質との結合やその後の反応が進行しさえすれば特に制限はないが、1質量%が好ましく、2質量%がより好ましく、5質量%が更に好ましく、10質量%が更に一層好ましく、25質量%が殊更好ましく、50質量%が特に好ましい。
20℃におけるヘプタン中のmが0である分岐鎖含有芳香族保護ヌクレオシドの溶解度(=溶質/(溶媒+溶質)×100)(質量%)の上限値は、工業的に反応の進行度合いによらず安定的に反応を進行させられるという観点から、80質量%が好ましく、85質量%がより好ましく、90質量%が更に好ましく、95質量%が更に一層好ましく、98質量%が殊更好ましい。
本明細書において、「溶解度」とは、溶媒に溶質を飽和させた場合の、溶媒と溶質の合計質量に対する溶質の質量の百分率(質量%)を意味する。
一般式(II):
[式中、mは、0以上の任意の整数を示し;

m+1個のBaseは、独立してそれぞれ、保護されていてもよい核酸塩基を示し;
は、水素原子、または酸性条件下で除去可能な一時保護基を示し;
Xは、水素原子、保護されていてもよい水酸基、ハロゲン原子又は4位炭素原子に架橋する有機基を示し;
m個のX’は、独立してそれぞれ、水素原子、保護されていてもよい水酸基、ハロゲン原子又は4位炭素原子に架橋する有機基を示し;
m個のPは、独立してそれぞれ、塩基性条件下で除去可能な保護基を示し;
m個のR34は、独立してそれぞれ、酸素原子もしくは硫黄原子を示し;
L、YおよびZは、前記と同義である。]
本発明化合物(II)は、5’位の水酸基の酸素原子を介して、3’位水酸基がホスホロアミダイト化され、かつ5’位水酸基が一時保護基で保護されたp個重合オリゴヌクレオチドと結合し、m+1+p個重合オリゴヌクレオチドを形成する。
mが0である本発明化合物(II)は、オリゴヌクレオチド合成における3’位末端の出発化合物である。また、本発明化合物には、広義には5’位水酸基が未保護(Pが水素原子)のものも包含される。
、P、X、X’およびR34の定義、好ましい態様等は、上記化合物(I)と同様である。
mの定義、好ましい態様等は、上記化合物(i)及び(ii)と同様である。
一般式(II)中のL、YおよびZの好ましい態様は、前記一般式(III’)または一般式(III)におけるL、YおよびZの好ましい態様と同様である。
Baseで表される「保護されていてもよい核酸塩基」は、前記一般式(i)及び(ii)におけるBaseと同様である。
一般式(II)で示される分岐鎖含有芳香族保護オリゴヌクレオチドは、分岐鎖含有芳香族保護基で十分に脂溶性が付与されているため必ずしも必要ではないが、さらに脂溶性を向上させるために、BaseはC5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されていてもよく、好ましくは、C5−30分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されていてもよい。
「C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基」及び「C5−30分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30分岐鎖アルケニル基を有する基」の好ましい例は、上述のとおりである。
一般式(II)で表される本発明化合物の好ましい態様としては、一般式(II)中、
mが0であり;
Baseが、それぞれ保護されていてもよい、シトシル基、ウラシル基、チミニル基、アデニル基、またはグアニル基であり;
が、ジ(C1−6アルコキシ)トリチル基、またはモノ(C1−6アルコキシ)トリチル基であり;
Xが、水素原子、保護されていてもよい水酸基フッ素原子、−ORi(Riは前記と同義を示す)、−O−NR37−Rj(Rj及びR37は前記と同義を示す)、または−O−Rk−O−Rl(Rk及びRlは前記と同義を示す)であり;かつ
L−Y−Zが、前記一般式(III’)または一般式(III)において好ましい態様として示された各基の組合せと同様である、
化合物(IIa)である。
上記一般式(II)で表される本発明化合物の別の好ましい態様としては、一般式(II)中、
mが0であり;
Baseが、それぞれ保護されていてもよい、シトシル基、ウラシル基、チミニル基、アデニル基、またはグアニル基であり;
が、ジメトキシトリチル基、またはモノメトキシトリチル基であり;
Xが、水素原子、保護されていてもよい水酸基、フッ素原子、−O−CH−、−O−CH−CH−、または−O−NR37−CH−(R37は前記と同義を示す)、−O−CH−O−CH−(それぞれ、左側が2位に結合し、右側が4位に結合する。)であり;かつ
L−Y−Zが、前記一般式(III’)または一般式(III)において好ましい態様として示された各基の組合せと同様である、
化合物(IIb)である。
上記一般式(II)で表される本発明化合物の更に別の好ましい態様としては、一般式(II)中、
mが0であり;
Baseが、それぞれ保護されていてもよい、シトシル基、ウラシル基、チミニル基、アデニル基、またはグアニル基であり;
が、ジメトキシトリチル基であり;
Xが、水素原子、メトキシ基tert−ブチルジメチルシリロキシ基、フッ素原子、−O−CH−、−O−CH−CH−、−O−NH−CH−、−O−NMe−CH−、−O−CH−O−CH−(それぞれ、左側が2位に結合し、右側が4位に結合する。)であり;かつ
L−Y−Zが、前記一般式(III’)または一般式(III)において好ましい態様として示された各基の組合せと同様である、
化合物(IIc)である。
4−5.分岐鎖含有芳香族保護オリゴヌクレオチドの製造方法
一般式(II)で表される分岐鎖含有芳香族保護オリゴヌクレオチドのうちmが0である一般式(II’)で表される分岐鎖含有芳香族保護ヌクレオシドの製造方法としては、特に限定されないが、自体公知の方法またはこれらに準ずる方法(Richard T.Pon et al.,Nucleic Acids Research 2004,32,623−631.)に従って製造することができる。
原料化合物が反応に影響を及ぼす置換基(例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシ基)を有する場合には、原料化合物を予め公知の方法に従い、適当な保護基で保護した後に反応を行うことが一般的である。かかる保護基は、反応後に、酸処理、アルカリ処理、接触還元等の公知の方法に従い除去することができる。
上記一般式(II’)のLがスクシニル基である分岐鎖含有芳香族保護ヌクレオシドの一般的な製造方法を以下に示す。
(式中の各記号は前記と同義である。)
5’位水酸基が保護基Pにより保護されたヌクレオシド(q)を、塩基存在下、コハク酸無水物と反応させることにより、3’位水酸基にコハク酸が導入された化合物(r)を得る。化合物(r)を縮合剤存在下、Z−Y−Hと脱水縮合させることにより、一般式(II’)で表される分岐鎖含有芳香族保護ヌクレオシドを得ることができる。
上記ヌクレオシド(q)から化合物(r)の変換工程は、反応に不活性な溶媒中で行うのが有利である。このような溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、またはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、またはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、あるいはそれらの混合溶媒が好ましい。中でもジクロロメタン、またはクロロホルムが特に好ましい。
塩基としては、特に限定されないが、例えば、後述するような有機塩基が挙げられ、好ましくはトリエチルアミンである。
上記脱水縮合工程は、反応に不活性な溶媒中で行うのが有利である。このような溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、またはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、或いはそれらの混合溶媒が好ましい。中でもジクロロメタン、クロロホルムが特に好ましい。
化合物(r)とZ−Y−Hとの縮合反応に使用する縮合剤としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミドおよびその塩酸塩(EDC・HCl)、ヘキサフルオロリン酸(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム(PyBop)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム テトラフルオロボレート(TBTU)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−5−クロロ−1H−ベンゾトリアゾリウム−3−オキシド ヘキサフルオロホスフェート(HCTU)、O−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロボレート(HBTU)等が挙げられる。中でもHBTU、HCTU、N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミドおよびその塩酸塩(EDC・HCl)が好ましい。
縮合剤の使用量は、化合物(r)1モルに対して、1〜10モル使用することができ、好ましくは1〜5モルである。また、Z−Y−Hの使用量は、化合物(r)1モルに対して1〜10モル使用することができ、好ましくは1〜5モルである。反応温度は、反応が進行しさえすれば特に限定されないが、−10℃〜50℃が好ましく、0℃〜30℃がより好ましい。反応時間は、30分〜70時間である。
上記一般式(II’)中のLがスクシニル基以外の化合物についても、上記製造方法におけるコハク酸無水物に代えて、対応する酸無水物、対応するジカルボン酸ハライド、対応するジカルボン酸の活性エステル等を用いて、同様の反応を行うことにより製造することができる。
mが1以上である一般式(II)で示される化合物は、出発原料として、一般式(II’)で示される化合物を用いて、下記の本発明の製造方法に従い、5’末端伸長プロセスを繰り返すことにより製造することができる。
4−6.Z−Y−H(アルコールまたはアミン)の製造方法
分岐鎖含有芳香族保護オリゴヌクレオチドの製造に用いられる原料化合物である一般式:Z−Y−Hで表されるアルコール化合物またはアミン化合物の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、以下の工程により製造することができる。
[式中のQ’は、−O−、−S−、−C(=O)O−または−NH−を示し、Rは、水素原子、OR基(ここで、RはC1−6アルキル基等のアルキル基、ベンジル基等のアラルキル基等を示す。)または式(a3):
(式中の各記号は、前記と同意義である。)で表される基を示し、Yはハロゲン原子等の脱離基を示し、他の記号は、前記と同意義である。]
工程(a)
当該工程は、式(IV)で表される化合物(以下、化合物(IV)と略称する。)のQ’H基(ここで、Q’は、−O−、−S−、−C(=O)O−または−NH−を示す。)にR基を導入することにより、式(IVa)で表される化合物(以下、化合物(IVa)と略称する。)を製造する工程である。
当該反応は、Q’が、−O−、−S−または−NH−の場合、反応に影響を及ぼさない溶媒中、塩基の存在下または非存在下で、R基に対応するハロゲン化物(塩化物、臭化物またはヨウ化物)、R基に対応するカルボン酸若しくは酸ハロゲン化物またはR基に対応するアルキルスルホニルオキシ化物(例えば、メタンスルホニルオキシ化物等)若しくはアリールスルホニルオキシ化物(例えば、p−トルエンスルホニルオキシ化物等)を用いて行われる。また、Q’が−O−の場合、化合物(IV)とR基に対応する水酸化物をトリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジイソプロピル存在下で反応させる光延反応条件下で、当該反応を行うこともできる。さらにQ’が−C(=O)O−の場合、例えば、化合物(IV)とR基に対応するアミン若しくは水酸化物を後述する縮合剤の存在下で反応させることにより化合物(IVa)を合成することができる。
塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、カリウム tert−ブトキシド等のアルカリ金属塩;ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等のアミン類等が挙げられ、中でも炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム等が好ましい。
溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類;アセトニトリル等のニトリル類、N−メチルピロリドン等あるいはそれらの混合物が挙げられ、中でも、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、トルエン、N−メチルピロリドン等が好ましい。
反応温度は、50〜150℃が好ましく、60〜130℃がより好ましい。反応時間は、2〜30時間が好ましく、3〜10時間がより好ましい。
工程(b)
当該工程は、化合物(IVa)を還元することにより、式(I−a)で表される化合物(以下、化合物(I−a)と略称する。)を製造する工程である。当該還元反応は、還元剤を用いる方法により行うことができる。
当該還元反応に用いる還元剤としては、例えば、金属水素化物(水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ジブチルアルミニウム、水素化アルミニウム、水素化アルミニウムリチウム等)等が挙げられ、中でも、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ジブチルアルミニウム等が好ましい。
当該反応は、反応に影響を及ぼさない溶媒中で行われる。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;あるいはそれらの混合物が挙げられ、中でもテトラヒドロフラン、トルエン等が好ましい。
反応温度は、0〜100℃が好ましく、30〜70℃がより好ましい。反応時間は、1〜24時間が好ましく、2〜5時間がより好ましい。
工程(c)
当該工程は、化合物(IVa)(式(IVa)中、Rが水素原子でもOR基でもない。)を、上記工程(b)と同様の方法により還元する工程である。
工程(d−1)
当該工程は、化合物(IVa)(式(IVa)中、Rが水素原子である)を、オキシム化することにより、式(I’−a)で表される化合物(以下、化合物(I’−a)と略称する。)を製造する工程である。
当該オキシム化反応は、反応に影響を及ぼさない溶媒中、塩基存在下で化合物(IVa)とヒドロキシルアミンの酸付加塩とを反応させることにより行われる。
ヒドロキシルアミンの酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩等の鉱酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の有機酸塩等が挙げられるが、塩酸塩が特に好ましい。
かかる塩基としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属塩;ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなどの有機アミン類等が挙げられ、中でも、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等が好ましい。
溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;および/または、それらの混合物が挙げられ、中でも、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン等が好ましい。
反応温度は、10〜100℃が好ましく、20〜60℃でがより好ましい。反応時間は、0.5〜30時間が好ましく、2〜20時間がより好ましい。
工程(d−2)
当該工程は、化合物(I’−a)を、パラジウム−炭素、ラネーニッケル等の金属触媒存在下の接触水素添加反応、または前記工程(b)と同様の金属水素化物等の還元剤により還元することにより、本発明化合物である式(I−b)で表される化合物(以下、化合物(I−b)と略称する。)を製造する工程である。
化合物(I−b)は、工程(d−3)から工程(d−4)および工程(d−5)を経て製造することもできる。
工程(d−3)
当該工程は、化合物(I−a)を、例えば塩化アセチル、塩化チオニル等のクロル化剤、または、例えば臭化アセチル、三臭化リン、ジフェニルホスフィン/臭素等のブロム化剤を用いてハロゲン化することにより、式(I’−b)で表される化合物(以下、化合物(I’−b)と略称する。)を製造する工程である。
溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;それらの混合物が挙げられ、中でも、クロロホルム、テトラヒドロフラン、トルエン等が好ましい。
反応温度は、10〜150℃が好ましく、30〜80℃がより好ましい。反応時間は、0.5〜30時間が好ましく、2〜20時間がより好ましい。
工程(d−4)
当該工程は、化合物(I’−b)をアジ化ナトリウム等のアジド化剤を用いてアジド化することにより、式(I’−c)で表される化合物(以下、化合物(I’−c)と略称する。)を製造する工程である。
当該反応は、反応に影響を及ぼさない溶媒中、化合物(I’−b)をアジド化剤と反応させることにより行われる。
溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;それらの混合物が挙げられ、中でも、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド等が好ましい。
反応温度は、10〜150℃が好ましく、20〜100℃がより好ましい。反応時間は、0.5〜30時間が好ましく、2〜20時間がより好ましい。
工程(d−5)
当該工程は、化合物(I’−c)をアミノ化することにより、化合物(I−b)を製造する工程である。
当該反応は、反応に影響を及ぼさない溶媒中、水存在下、化合物(I’−c)をトリフェニルホスフィンと反応させるか、接触水素化還元により行われる。
トリフェニルホスフィンの使用量としては、化合物(I’−c)1モルに対して、好ましくは1〜10モル、特に好ましくは1〜5モルである。
水の使用量は、化合物(I’−c)1モルに対して、好ましくは1〜10モル、特に好ましくは1〜5モルである。
溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;および、それらの混合物が挙げられ、中でも、トルエン、テトラヒドロフラン等が好ましい。
反応温度は、10〜150℃が好ましく、20〜100℃でがより好ましい。反応時間は、0.5〜30時間が好ましく、2〜20時間がより好ましい。
工程(d−6)
当該工程は、化合物(I’−b)をRNH(Rは前記と同義である)と反応させることにより、Yが−NHR基である式(I−c)で表される化合物(以下、化合物(I−c)と略称する。)を製造する工程である。
当該工程は、反応に影響を及ぼさない溶媒中、必要により、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の第3級アミン等の塩基の存在下、化合物(I’−b)をR−NHで表されるアミンと反応させることにより行われる。
溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;および、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン溶媒または、それらの混合物が挙げられ、中でも、トルエン、テトラヒドロフラン、クロロホルム等が好ましい。
反応温度は、10〜100℃が好ましく、20〜60℃がより好ましい。反応時間は、0.5〜30時間が好ましく、2〜20時間がより好ましい。
工程(d−7)
当該工程は、化合物(I−d)を−CONH基または−OCONH基を有する化合物と反応させた後、塩基で処理することにより、化合物(I−e)を製造する工程である。
化合物(I−d)と−CONH基または−OCONH基を有する化合物との反応は、反応に影響を及ぼさない溶媒中、酸触媒下で行われる。
酸触媒としては、例えば、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等が挙げられ、中でもメタンスルホン酸、トルエンスルホン酸が好ましい。
酸触媒の使用量は、化合物(I−d)1モルに対して、好ましくは0.05〜0.5モル、特に好ましくは0.1〜0.3モルである。
−CONH基または−OCONH基を有する化合物としては、例えば、Fmoc−NH、HCONH、CFCONH、AcNH、EtOCONH、Cbz−NH等が挙げられ、中でもFmoc−NH、EtOCONH等が好ましい。
ここで、「Fmoc−」とは、9−フルオレニルメトキシカルボニル基(以下、Fmoc基ともいう。)を意味し、「Cbz−」は、ベンジルオキシカルボニル基(以下、Cbz基ともいう。)を意味する。
なお、工程(a)の原料化合物として使用するR化試薬[すなわち、R基に対応する水酸化物、ハロゲン化物、アルキルスルホニルオキシ化物(例えば、メタンスルホニルオキシ化物等)またはアリールスルホニルオキシ化物(例えば、p−トルエンスルホニルオキシ化物等)]は、市販品を用いることができる。また、R化試薬は、例えば、
(1)R基に対応する水酸化物のハロゲン化、アルキルスルホニルオキシ化またはアリールスルホニルオキシ化により、或いは
(2)R基に対応する不飽和水酸化物の還元反応(例えば、白金−炭素(Pt/C)、パラジウム−炭素(Pd/C)、ロジウム−炭素(Rh/C)、ラネーニッケル等の金属触媒の存在下での接触水素添加反応等)、およびそれに続くハロゲン化、アルキルスルホニルオキシ化またはアリールスルホニルオキシ化により、
製造することができる。
当該R化試薬の製造において、ヒドロキシル基から脱離基への変換に用いる試薬としては、例えば、塩化チオニル、N−クロロスクシンイミド(NCS)等のクロロ化剤、臭化水素酸、臭化アセチル、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、三臭化リン、ジフェニルホスフィン/臭素等のブロモ化剤等のハロゲン化剤の他、塩化メタンスルホニル、塩化トリフルオロメタンスルホニル等のアルキルスルホニル化剤、塩化ベンゼンスルホニル、塩化p−トルエンスルホニル等のアリールスルホニル化剤等が挙げられ、中でも、ハロゲン化剤である塩化チオニル、臭化水素酸等が好ましい。
当該反応は、反応に影響を及ぼさない溶媒中で行われ、溶媒としては、例えば、水;クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル類が挙げられ、中でも水、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類が好ましい。
反応温度は、10〜120℃が好ましく、50〜100℃がより好ましい。反応時間は、1〜72時間が好ましく、3〜24時間がより好ましい。
前記Qが単結合であるZ−Y−Hで表される化合物は、例えば、以下の方法によっても製造することができる。すなわち、ベンゼン環上へのR基の導入は、
(1)R基に対応するハロゲン化物(塩化物、臭化物、またはヨウ化物)、R基に対応するカルボン酸若しくは酸ハロゲン化物を用いるフリーデルクラフツ反応、
(2)上記化合物(II)に対応する化合物(但し、Q’H基が−CHO基に置き換わった化合物)をWittig反応により増炭させた後に、接触水素添加等する方法、または
(3)金属触媒を使用したクロスカップリング等の慣用の有機合成反応
によって行うことができる。
なお、上記各スキーム中、R基で示される有機基の炭素数やハロゲン原子の種類、反応試薬等は便宜上示されたものであって、上記した定義の範囲内で適宜変更することができる。
4−7.「3’位水酸基がホスホロアミダイト化され、5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護され、かつ核酸塩基がC 5−30 直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC 5−30 直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護された塩基部保護オリゴヌクレオチド」の説明
工程(2)で使用される「3’位水酸基がホスホロアミダイト化され、5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護され、かつ核酸塩基がC5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されたp個重合塩基部保護オリゴヌクレオチド(pは、1以上の任意の整数を示す。)」としては、当該構造要件を満たす限り特に限定されない。
「3’位水酸基がホスホロアミダイト化され」とは、オリゴヌクレオチド3’位水酸基が、例えば、−P(OP)(NR)(式中、各記号は、前記と同義である)で表されるホスホロアミダイト基で修飾されていることを意味する。
、R及びRの定義、例示、好ましい態様は、上記式(I)で説明した通りである。
「酸性条件下で除去可能な一時保護基」の定義、例示、好ましい態様は、上記式(I)で説明した通りである。
「C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基」の定義、例示、好ましい態様は、上記式(I)で説明した通りである。
工程(2)で使用されるp個重合塩基部保護オリゴヌクレオチドとしては、上記式(I)で表される塩基部保護オリゴヌクレオチドが好ましい。
4−8.工程(1)〜(5)の説明
以下、工程(1)〜(5)を、便宜上、式(i)、(ii)、(iii)等を参照して説明するが、これに限定されるものではない。
工程(1)(脱保護工程)
本工程は、縮合工程(2)の前に、非極性溶媒中において、3’位水酸基が保護され、かつ5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護されたn個重合オリゴヌクレオチド(i)の5’末端水酸基の一時保護基P(Pは酸性条件下で除去可能な一時保護基である。)を、酸との反応により除去する工程(脱保護工程)である。
(式中、各記号は、前記と同義である。)
本工程は、反応に影響を及ぼさない溶媒中で行われる。当該溶媒における溶解度が高い程、優れた反応性が期待できるため、本発明のn個重合オリゴヌクレオチドの溶解度の高い非極性溶媒を選択することが好ましい。具体的には、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶媒;酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒;ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、オクタン、ノナン、シクロヘキサン等の脂肪族系溶媒;ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等の非極性エーテル系溶媒が挙げられる。これらの溶媒は2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。また、上記非極性溶媒に、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピペリドン等のアミド系溶媒等の極性溶媒を、n個重合オリゴヌクレオチドが溶解し得る限り、適宜の割合で混合して用いてもよい。中でも、芳香族系溶媒、脂肪族系溶媒、またはこれらの組合せが好ましく、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、ノナン、シクロヘキサンまたは、これらの組合せ等が好ましく、トルエン、ヘプタン、ノナンまたは、これらの組合せがより好ましく、トルエン、ヘプタンまたは、これらの組合せが特に好ましい。
本工程におけるn個重合オリゴヌクレオチド(i)の溶媒中の濃度は、溶解していれば特に限定されないが、好ましくは1〜30質量%である。
本脱保護工程、それに続く縮合工程、および酸化工程を液中で連続して行うためには、本工程において、n個重合オリゴヌクレオチド(i)の5’位水酸基の一時保護基Pの除去反応中、または除去反応後に、カチオン捕捉剤を使用することが好ましい。
カチオン捕捉剤としては、除去された保護基Pによる再保護(原料戻り)や脱保護された官能基への副反応が進行しなければ、特に限定されないが、ピロール、2−メチルピロール、3−メチルピロール、2,3−ジメチルピロール、2,4−ジメチルピロール等のピロール誘導体;インドール、4−メチルインドール、5−メチルインドール、6−メチルインドール、7−メチルインドール、5,6−ジメチルインドール、6,7−ジメチルインドール等のインドール誘導体を使用することができる。良好なカチオン捕捉効果が得られるという観点で、ピロール、3−メチルピロール、2,4−ジメチルピロール、インドール、4−メチルインドール、5−メチルインドール、6−メチルインドール、7−メチルインドール、5,6−ジメチルインドール、6,7−ジメチルインドールが好ましく、ピロール、3−メチルピロール、インドールがより好ましく、ピロール、インドールが更に好ましく、ピロールが特に好ましい。
本工程におけるカチオン捕捉剤の使用量は、n個重合オリゴヌクレオチド(i)1モルに対し、1〜50モル使用することができ、好ましくは5〜20モルである。
本工程に使用する酸としては、良好な脱保護が達成できさえすれば特に限定されないが、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリクロロ酢酸、メタンスルホン酸、塩酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸等を使用することが好ましい。
良好な反応を達成できるという観点で、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリクロロ酢酸がより好ましく、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸が更に好ましく、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸が更に一層好ましく、トリフルオロ酢酸が特に好ましい。これら酸は、上記非極性溶媒で希釈しても構わない。また、前記酸を使用する際には、特定の塩基を組み合わせて、酸性度を適宜調整して使用しても構わない。
本工程における酸の使用量は、n個重合オリゴヌクレオチド(i)1モルに対し、1〜100モル使用することができ、好ましくは1〜40モルである。
本工程の反応温度は、反応が進行しさえすれば特に限定されないが、−10℃〜50℃が好ましく、0℃〜40℃がより好ましい。反応時間は、使用するn個重合オリゴヌクレオチドの種類、酸の種類、溶媒の種類、反応温度等により異なるが、5分〜5時間である。
本脱保護工程、それに続く縮合工程、および酸化工程を液中で連続して行うためには、本工程において5’位水酸基の一時保護基を除去した後、有機塩基により中和することが好ましい。
中和に使用する有機塩基としては、前出の酸を中和することができ、得られた塩が縮合剤として機能しうるものであれば特に限定されないが、反応が良好に進行するという観点で、ピリジン、ベンズイミダゾール、1,2,4−トリアゾール、N−フェニルイミダゾール、2−アミノ−4,6−ジメチルピリミジン、1,10−フェナントロリン、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、2−クロロベンズイミダゾール、2−ブロモベンズイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、N−フェニルベンズイミダゾール、5−ニトロベンズイミダゾールが好ましく、ピリジン、ベンズイミダゾール、1,2,4−トリアゾール、N−フェニルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、2−アミノ−4,6−ジメチルピリミジン、1,10−フェナントロリンがより好ましく、ピリジン、ベンズイミダゾール、1,2,4−トリアゾール、N−フェニルイミダゾールが更に好ましく、ピリジン、ベンズイミダゾール、1,2,4−トリアゾールが更に一層好ましく、ピリジンが特に好ましい。
本工程における有機塩基の使用量は、酸1モルに対し、1〜10モル使用することができ、好ましくは1〜3モルである。
本工程において、特に好ましい酸と有機塩基との組合せは、トリフルオロ酢酸と、ピリジン及び/又はN−メチルイミダゾールである。
工程(2)(縮合工程)
本工程は、5’位水酸基が保護されておらず、かつ3’位水酸基が保護されたn個重合オリゴヌクレオチド(ii)と、3’位水酸基がホスホロアミダイト化され、5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護され、かつ核酸塩基がC5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されたp個重合塩基部保護オリゴヌクレオチド(iii)とを縮合させる工程である。
[式中、X’は、Xと同義であり、他の記号は前記と同義である。]
本工程においては、n個重合オリゴヌクレオチド(ii)としては特に限定されるものではないが、好ましくは、前記工程(1)で得られたものを使用することできる。その場合、n個重合オリゴヌクレオチド(ii)を単離することなく、工程(1)後の反応液に、p個重合塩基部保護オリゴヌクレオチド(iii)を直接添加するだけで行うことができる。本縮合工程は、工程(1)の脱保護反応の際に添加した酸と、中和反応の際に添加した有機塩基が塩形成した有機塩基の酸塩(例えば、ピリジン・トリフルオロ酢酸塩)が縮合剤として作用することから、工程(1)および(2)を液中で連続して行うことは、単離操作の省略のみならず、反応効率を向上させるという利点も有する。
本縮合反応においては、縮合剤(例えば、ピリジン・トリフルオロ酢酸塩、テトラゾール、5−ベンジルチオ−1H−テトラゾール、4,5−ジシアノイミダゾール等)を添加することにより反応効率を向上させることもできる。
また、本工程においては、反応液の酸性度が高くなると、一時保護基Pが脱離する副反応が生じることがあるので、反応液の酸性化を抑える目的でN−メチルイミダゾールを添加することが好ましい。
酸性度の調整のために添加するN−メチルイミダゾールの使用量は、中和の際に使用する有機塩基1モルに対し、0.1〜1モル使用することができ、好ましくは0.5モルである。
本工程に使用される、p個重合塩基部保護オリゴヌクレオチド(iii)としては、好ましくは、上記一般式(I)で表される塩基部保護オリゴヌクレオチドを使用することができる。
本工程は、反応に影響を及ぼさない溶媒中で行われる。具体的には、前記工程(1)と同様の非極性溶媒が挙げられる。また、p個重合塩基部保護オリゴヌクレオチド(iii)のホスホロアミダイド基を効率的に活性化するという観点からは、上記非極性溶媒に、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒;アセトン、2−ブタノン等のケトン系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等の極性エーテル系溶媒、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒等の極性溶媒を、5’位水酸基の一時保護基が除去されたn個重合オリゴヌクレオチド(ii)が溶解し得る限り、適宜の割合で混合して用いることが好ましい。
この場合、極性溶媒としては、アミド系溶媒、ニトリル系溶媒、及びこれらの組合せが好ましく、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピペリドン、及びこれらの組合せがより好ましく、アセトニトリルが特に好ましい。
極性溶媒は、p個重合塩基部保護オリゴヌクレオチド(iii)、縮合剤等の溶液として添加してもよい。
p個重合塩基部保護オリゴヌクレオチド(iii)の使用量は、n個重合オリゴヌクレオチド(ii)1モルに対し、1〜10モル使用することができ、好ましくは1〜5モルである。
反応温度は、反応が進行しさえすれば特に限定されないが、0℃〜100℃が好ましく、20℃〜50℃がより好ましい。反応時間は、縮合させるn個重合オリゴヌクレオチドの種類、反応温度等によって異なるが、30分〜24時間である。
工程(3)(酸化工程、または硫化工程)
工程(2)で得られたn+p個重合オリゴヌクレオチド(iv)に酸化剤または硫化剤を反応させることにより、該n+p個重合オリゴヌクレオチド(iv)のホスファイトトリエステル結合を、ホスフェートトリエステル結合またはチオホスフェートトリエステル結合へと変換する工程である。
(式中の記号は、前記と同義である。)
本工程は、工程(2)で得られたn+p個重合オリゴヌクレオチド(iv)を単離することなく、工程(2)後の反応液に、酸化剤または硫化剤を、直接添加するだけで行うことができる。
本工程に使用する「酸化剤」としては、他の部位を酸化することなく、ホスファイトトリエステル結合を、ホスフェートトリエステル結合に酸化する能力がありさえすれば、特に限定されないが、ヨウ素、(1S)−(+)−(10−カンファニルスルフォニル)オキサジリジン、tert−ブチルヒドロペルオキシド(TBHP)、2−ブタノンペルオキシド、1,1−ジヒドロペルオキシシクロドデカン、ビス(トリメチルシリル)ペルオキシド、m−クロロ過安息香酸、過酸化水素を使用することが好ましい。良好な酸化反応が達成できるという観点で、ヨウ素、(1S)−(+)−(10−カンファニルスルフォニル)オキサジリジン、tert−ブチルヒドロペルオキシド、2−ブタノンペルオキシド、1,1−ジヒドロペルオキシシクロドデカンがより好ましく、ヨウ素、(1S)−(+)−(10−カンファニルスルフォニル)オキサジリジン、tert−ブチルヒドロペルオキシド、2−ブタノンペルオキシドが更に好ましく、ヨウ素、tert−ブチルヒドロペルオキシドが更に一層好ましく、ヨウ素が特に好ましい。かかる酸化剤は、0.05〜2Mの濃度になるように適当な溶媒で希釈して使用することができる。かかる希釈溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されないが、ピリジン、THF、ジクロロメタン、水、ノナン、またはこれら任意の混合溶媒を挙げることができる。中でも、例えば、ヨウ素/水/ピリジン―THF、ヨウ素/ピリジン―酢酸や過酸化剤(TBHP)/ジクロロメタン、tert−ブチルヒドロペルオキシド/ノナンまたは過酸化水素/ヨウ化カリウム/リン酸バッファーを用いるのが好ましい。
本工程に使用する「硫化剤」としては、ホスファイトトリエステル結合を、チオホスフェートトリエステル結合に変換しうる能力がありさえすれば、特に限定されないが、3−((N,N−ジメチルアミノメチリデン)アミノ)−3H−1,2,4−ジチアゾール−5−チオン(DDTT)、3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン−1,1−ジオキシド(Beaucage試薬)、3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン、フェニルアセチルジスルフィド(PADS)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、3−アミノ−1,2,4−ジチアゾール−5−チオン(ADTT)、硫黄を使用することが好ましい。良好な反応が進行しうるという観点で、3−((N,N−ジメチルアミノメチリデン)アミノ)−3H−1,2,4−ジチアゾール−5−チオン(DDTT)、3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン−1,1−ジオキシド(Beaucage試薬)、3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン、フェニルアセチルジスルフィド(PADS)がより好ましく、3−((N,N−ジメチルアミノメチリデン)アミノ)−3H−1,2,4−ジチアゾール−5−チオン、3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン−1,1−ジオキシドが更に好ましく、3−((N,N−ジメチルアミノメチリデン)アミノ)−3H−1,2,4−ジチアゾール−5−チオンが特に好ましい。かかる硫化剤は、0.05〜2Mの濃度になるように適当な溶媒で希釈して使用することができる。かかる希釈溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、アセトニトリル、ピリジン又はこれら任意の混合溶媒が挙げられる。
酸化剤または硫化剤の使用量は、工程(2)で得られたn+p個重合オリゴヌクレオチド(iv)1モルに対し、1〜50モル使用することができ、好ましくは1〜5モルである。
反応温度は、反応が進行しさえすれば特に限定されないが、0℃〜100℃が好ましく、20℃〜50℃がより好ましい。反応時間は、n+p個重合オリゴヌクレオチド(iv)の種類、使用する酸化剤または硫化剤の種類、反応温度等によって異なるが、1分〜3時間である。
工程(4)(抽出単離工程)
本工程は、工程(3)で得られたホスフェートトリエステル結合またはチオホスフェートトリエステル結合を有するn+p個重合オリゴヌクレオチド(v)を含む反応液から抽出操作のみで、n+p個重合オリゴヌクレオチド(v)を単離精製する方法である。
抽出操作については、特に限定されないが、好ましくは、工程(3)で得られた反応液に必要に応じて極性溶媒及び/又は非極性溶媒を添加して、極性溶媒−非極性溶媒間で分層させ、非極性溶媒にn+p個重合オリゴヌクレオチドを移行させることにより行われる。工程(2)で非極性溶媒に極性溶媒を混合して反応を行った場合は、反応混合物に非極性溶媒を加えて分層させることが好ましい。
当該抽出操作により、残存した原料、試薬(例えば、酸、カチオン捕捉剤、有機塩基、3’位水酸基がホスホロアミダイト化され、かつ5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護されたp個重合オリゴヌクレオチド、酸化剤または硫化剤)等の不純物を極性溶媒中に淘汰することができる。
本工程におけるn+p個重合オリゴヌクレオチドを非極性溶媒中に移行させるために必要に応じて添加される非極性溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶媒;酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒;ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、オクタン、ノナン、シクロヘキサン等の脂肪族系溶媒;ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等の非極性エーテル系溶媒が挙げられる。これらの溶媒は2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。中でも、芳香族系溶媒、脂肪族系溶媒、またはこれらの組合せが好ましく、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、ノナン、シクロヘキサンまたは、これらの組合せ等が好ましく、トルエン、ヘプタン、ノナンまたは、これらの組合せがより好ましく、トルエン、ヘプタンまたは、これらの組合せがさらに好ましく、ヘプタンが特に好ましい。
本工程における不純物を極性溶媒中に移行させるために必要に応じて添加される極性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、アセトン、2−ブタノン等のケトン系溶媒、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等の極性エーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピペリドン等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、水等、ならびにこれら2種以上の混合溶媒が挙げられる。中でも、アミド系溶媒、ニトリル系溶媒、及びこれらの組合せが好ましく、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピペリドン、及びこれらの組合せがより好適に使用される。本発明における極性溶媒としては、特に実用的観点からアセトニトリルが好ましい。
極性溶媒−非極性溶媒間で分層後に、極性溶媒を除去すること・BR>ノより、不純物を淘汰することができる。
さらに、極性溶媒を除去した非極性溶媒に極性溶媒を添加、攪拌し、分層させて極性溶媒を除去することにより(本発明において、洗浄という。)、少量残存した不純物をさらに淘汰することができる。
極性溶媒による洗浄の回数は特に限定はないが、非極性溶媒を薄層シリカゲルクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーなどで分析し、非極性溶媒層に次サイクルのヌクレオチド伸長反応が阻害されない程度に不純物が低減するまで繰り返し行ってもよい。
分層及び洗浄に用いられる極性溶媒は、非極性溶媒との分層性を向上させるために水を含んでいてもよい。
この場合、極性溶媒中の水の含量は、1〜10%(v/v)が好ましく、3〜8%(v/v)がより好ましい。水含量が低すぎる場合は、分層性が不十分になる場合があり、水含量が高すぎる場合は、除去される副生成物、残存した原料、試薬などの極性溶媒に対する溶解度が下がり、淘汰効率が低下する傾向がある。
極性溶媒での洗浄後の非極性溶媒層を濃縮することにより、n+p個重合オリゴヌクレオチド(v)を単離することができる。その際、濃縮した反応容器に次サイクルの溶媒、試薬を添加することにより、ワンポットでヌクレオチド伸長を繰り返し行うことができる。
あるいは、洗浄後の非極性溶媒層を濃縮することなく、次サイクルのヌクレオチド伸長に付することも可能である。
本発明のオリゴヌクレオチドの製造方法は、上記工程(1)〜(4)を所望の回数繰返すことで高純度かつ高収率で目的の高重合度オリゴヌクレオチドを得ることができる。
工程(5)(脱保護・オリゴヌクレオチド単離工程)
本発明のオリゴヌクレオチドの製造方法においては、工程(4)の後に、保護基の種類・性質に応じて、脱保護を行い、オリゴヌクレオチドを単離することができる。脱保護の方法としては、例えば、グリーンズ・プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Greene’s PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS)、第4版、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(JOHN WILLY&SONS)出版(2006年)等に記載されている脱保護方法に従い、オリゴヌクレオチドの全ての保護基を除去する工程を行うことができる。具体的には、本願発明におけるヌクレオチド3’−水酸基の保護基、ならびに核酸塩基の保護基であるフェノキシアセチル基、アセチル基、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基等、リン酸基に結合しているシアノエチル基等は、アンモニア水/エタノール溶液、アンモニア水/メチルアミン水溶液、エチレンジアミン等で処理することにより、全て除去することができる。また、ヌクレオチド5’−水酸基の保護基は、工程(1)で使用される酸またはそれらを適宜希釈した溶液で処理することにより除去することができる。
保護基を有しない、オリゴヌクレオチドは酵素により容易に分解されやすいため、空気清浄度管理下でオリゴヌクレオチドを単離することが好ましい。
上記各工程における反応の進行の確認は、いずれも一般的な液相有機合成反応と同様の方法を適用できる。すなわち、薄層シリカゲルクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等を用いて反応を追跡することができる。
工程(4)、あるいは工程(5)より得られたオリゴヌクレオチドは、更に有機合成反応を施すことにより、所望のオリゴヌクレオチド誘導体へと導くこともできる。
5.工程(1’)〜(5’)の説明
本発明のオリゴヌクレオチドの製造方法の別の態様として、以下の工程(2’)を含有する方法が挙げられる。
(2’)3’位水酸基がホスホロアミダイト化され、5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護され、かつ核酸塩基が保護されていてもよいp’個重合オリゴヌクレオチド(p’は、1以上の任意の整数を示す。)を、5’位水酸基が保護されておらず、かつ3’位水酸基が上記一般式(III)で表される保護基で保護されたn’個重合オリゴヌクレオチド(n’は、1以上の任意の整数を示す。)と、その5’位水酸基を介してホスファイトトリエステル結合により縮合させて、n’+p’個重合オリゴヌクレオチドを得る工程。
当該方法は、好ましくは、更に、下記工程(3’)を含有し、工程(2’)で得られたn’+p’個重合オリゴヌクレオチドのホスファイトトリエステル結合が、ホスフェートトリエステル結合またはチオホスフェートトリエステル結合へと変換される。
(3’)縮合工程(2’)の反応液に、酸化剤または硫化剤を添加して、縮合工程で得られたn’+p’個重合オリゴヌクレオチドのホスファイトトリエステル結合を、ホスフェートトリエステル結合またはチオホスフェートトリエステル結合へと変換する工程。
当該方法は、好ましくは、更に、下記工程(1’)を含有し、工程(2’)で使用される5’位水酸基が保護されておらず、かつ3’位水酸基が上記一般式(III)で表される保護基で保護されたn’個重合オリゴヌクレオチドが調製される。
(1’)縮合工程(2’)の前に、非極性溶媒中において、3’位水酸基が上記一般式(III)で表される保護基で保護され、かつ5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護されたn’個重合オリゴヌクレオチドを酸と反応させて5’位水酸基の一時保護基を除去する工程。
工程(1’)は、好ましくは、ピロール誘導体およびインドール誘導体から選択される少なくとも一種のカチオン捕捉剤の存在下に行われ、5’位水酸基の一時保護基を除去した後、有機塩基により中和する工程をさらに含む。これに工程(1’)、(2’)及び(3’)を液中で連続的に行うことが可能になり、ヌクレオシドがp’個伸長したオリゴヌクレオチドを抽出操作のみで単離精製できる。
更に、下記工程(4’)を含有させることにより、煩雑な固化単離を要せずして、簡便かつ効果的に過剰原料や副生物を除去して、n’+p’個重合オリゴヌクレオチドを精製し、同一反応容器から生成物を取り出すことなく、次工程に繋げることができる。
(4’)工程(3’)で得られた反応液から抽出操作のみで、n’+p’個重合オリゴヌクレオチドを単離する工程。
原料の当量管理と反応制御することによって副生物の発生量を制御できる状況であれば、工程(1’)〜工程(3’)を基本単位として繰り返し、工程(4’)を含有させることが好ましい。
また、副生物発生を厳格に管理・制御でき、高純度のオリゴヌクレオチドに導けるという観点で、工程(1’)〜工程(4’)を基本単位として繰り返すことが好ましい。
液相法においてこのようなサイクルを繰り返すことにより、反応容器を変えることなく、ワンポットで最終のオリゴヌクレオチドまで製造することができる。
本発明の製造方法には、更に、工程(5’)を含有させることにより、オリゴヌクレオチドを単離・製造することができる。
(5’)工程(4’)で得られたn’+p’個重合オリゴヌクレオチドの保護基を全て除去する工程。 n’は1以上の任意の整数を示し、その上限は、特に限定されるものではないが、通常100以下、好ましくは75以下、さらに好ましくは50以下、さらに好ましくは30以下である。
p’は、1以上の任意の整数を示し、1が好ましい。pの上限は、特に限定されるものではないが、50以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下が更に好ましく、5以下が更に一層好ましく、3以下が特に好ましい。
工程(1’)で使用されるn’個重合オリゴヌクレオチドは、例えば、Pが酸性条件下で除去可能な一時保護基である下記一般式(i’)に示されるような、3’位水酸基が上記一般式(III)で表される保護基で保護され、かつ5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護されたn’個重合オリゴヌクレオチドを示し、工程(2’)で使用されるn’個重合オリゴヌクレオチドは、例えば、下記一般式(ii’)に示されるような、5’位水酸基が保護されておらず、かつ3’位水酸基が上記一般式(III)で表される保護基で保護されたn’個重合オリゴヌクレオチドを示す。
(式中、m’は、0以上の任意の整数を示し、他の各記号は、前記と同義を示す。) m’の上限は、特に限定されるものではないが、通常99以下、好ましくは74以下、さらに好ましくは49以下、さらに好ましくは29以下である。

その他の各記号の定義、例示、好ましい態様は、式(i)及び(ii)における説明と同様である。
工程(2’)で使用される「3’位水酸基がホスホロアミダイト化され、5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護され、かつ核酸塩基が保護されていてもよいp’個重合オリゴヌクレオチド」は、当該構造要件を満たす限り特に限定されない。
「3’位水酸基がホスホロアミダイト化され」とは、オリゴヌクレオチド3’位水酸基が、例えば、−P(OP)(NR)(式中、各記号は、前記と同義である)で表されるホスホロアミダイト基で修飾されていることを意味する。
、R及びRの定義、例示、好ましい態様は、上記式(I)で説明した通りである。
「酸性条件下で除去可能な一時保護基」の定義、例示、好ましい態様は、上記式(I)で説明した通りである。
「核酸塩基が保護されていてもよい」における保護基としては、上記一般式(i)及び(ii)中のBaseの「保護されていてもよい核酸塩基」で例示した保護基と同義である。
当該保護基としては、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を含まない基が好ましく、例えば、ピバロイル基、ピバロイロキシメチル基、トリフルオロアセチル基、フェノキシアセチル基、4−イソプロピルフェノキシアセチル基、4−tert−ブチルフェノキシアセチル基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、ジメチルホルムアミジニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基等が好ましく、これらの中でも、フェノキシアセチル基、4−イソプロピルフェノキシアセチル基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、及びジメチルホルムアミジニル基がより好ましい。
3’位水酸基がホスホロアミダイト化され、かつ5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護され、保護されていてもよい核酸塩基を有するp’個重合オリゴヌクレオチドとしては、例えば、下記一般式(iii’)で表される。
(式中、Baseは置換されていてもよい核酸塩基を示し、q’は0以上の任意の整数を示し、他の記号は、前記と同義である。)
Baseで示される「置換されていてもよい核酸塩基」は、一般式(i)及び(ii)中のBaseの「保護されていてもよい核酸塩基」と同義である。
q’は、0以上の任意の整数を示し、0が好ましい。q’の上限は、特に限定されるものではないが、49以下が好ましく、29以下がより好ましく、19以下が更に好ましく、4以下が更に一層好ましく、2以下が更に一層好ましく、1が特に好ましい。
工程(1’)〜(5’)は、式(i)、(ii)及び(iii)をそれぞれ式(i’)、(ii’)及び(iii’)に読み替えて、上記工程(1)〜(5)と同様の条件で行うことができる。
6.オリゴヌクレオチドの用途
本発明によって製造されたオリゴヌクレオチドは、各種人体用または動物用の医薬品(RNA、DNA、オリゴ核酸医薬、等)、機能性食品、特定保健食品、食品、化成品、生体用や工業用の高分子材料、等の各種用途に使用することができる。
以下、調製例、実施例に沿って本発明を更に詳細に説明するが、これら調製例、実施例は本発明の範囲を何ら限定するものではない。また、本発明において使用する試薬や装置、材料は特に言及されない限り、商業的に入手可能である。また、本明細書において、略号で表示する場合、各表示は、IUPAC−IUB Commission on Biochemical Nomenclatureによる略号あるいは当該分野における慣用略号に基づくものである。
以下の調製例および実施例中の収率は、mol/mol%を示す。特段の定義がない限り、本明細書中における「%」は、「質量%」を表す。また、以下の調製例および実施例中の溶媒の比率は、体積比を示す。H−NMRスペクトルは内部標準としてテトラメチルシランを用い、測定溶媒としてCDClを使用した。NMRスペクトルは、Bruker AVANCE AV300(300MHz)核磁気共鳴装置またはBruker AVANCE 400(400MHz)核磁気共鳴装置を用いて測定した。
エレクトロスプレーイオン化液体クロマトグラフィー/質量分析(以下、LC/MSと略す。)は、6130 Quadrupole LC/MS (Agilent Technologies)を用い、フローインジェクション分析(FIA)した(溶媒:0.1mol/lTEAAバッファーpH7.0、アセトニトリル、イオン化モード:ESI、イオンモード:ネガティブ、質量分析部:四重極、フラグメンター電圧:200V)。
四重極型質量分析は、ZQ2000(日本ウォーターズ株式会社製)を用い、フローインジェクション分析(FIA)した(溶媒:アセトニトリル、イオン化モード:ESI、イオンモード:ポジティブ・ネガティブ、質量分析部:四重極、フラグメンター電圧:71V)。
下記調製例、実施例中で使用される略号は以下の通りである。ヌクレオシドの核酸塩基が保護されている場合、保護基は各ヌクレオシドの後に上付きで表示するものとする。
dT:2’−デオキシチミジン
dC:2’−デオキシシチジン
dG:2’−デオキシグアノシン
dA:2’−デオキシアデノシン
U(M):2’−メトキシウリジン
U(F):2’−フルオロウリジン
(LNA)T:2’−O,4’−C−メチレンチミジン
DMTr:4,4’−ジメトキシトリチル
PA:(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト
suc:スクシニル
TPB:3,4,5−トリス(3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカニルオキシ)ベンジル
(3,4,5−トリス(2,3−フィチルオキシ)ベンジルと同義である。)
Phy:2,3−ジヒドロフィチル(ここで、「2,3−ジヒドロフィチル」は、「3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカニル」を意味する。)
PhyOM:(3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカノイルオキシ)メチル
(2,3−フィチルオキシメチルと同義である。)
4−Cit−Bz:4−(3,7−ジメチル−1−オクチルオキシ)ベンゾイル
(4−(ジヒドロシトロネリルオキシ)−ベンジルと同義である。)
2Et−Hex:2−エチル−1−ヘキサノイル
3,5,5−Me3Hex:3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノイル
Me6Dodecanoyl:2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ドデカノイル
2−HepUndecanoyl:2−ヘプチル−1−ウンデカノイル
2−HexDecanoyl:2−ヘキシル−1−デカノイル
Myr:テトラデカノイル
(ミリストイルと同義である。)
Me6Dodecanoyl:2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ドデカノイル
N,N−Cit2−methylene:ビス(3,7−ジメチル−オクチル)アミノ−メチレン
(N.N−ビス−ジヒドロシトロネリル−メチレンと同義である。)
Bz:ベンゾイル
ibu:イソブチリル
調製例1:2,3−ジヒドロフィトールの合成
フィトール(10.00g,33.7mmol)をメタノールに溶解させ、Pt/C(2%,1.00g)を懸濁させて水素雰囲気下で一晩攪拌した。反応終了後、濾過してPt/Cを除去し、濾液を濃縮して2,3−ジヒドロフィトールを得た。これは精製することなく次の反応に用いた。
調製例2:2,3−ジヒドロフィチルブロミドの合成
2,3−ジヒドロフィトール(33.7mmol)を48%臭化水素酸(100ml)に懸濁し、濃硫酸(0.17ml)を滴下して100℃で一晩攪拌した。反応混合液を室温に冷却後ヘキサン(200ml)で抽出し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(70ml)で2回、20%食塩水(70ml)で1回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾液の溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ショートカラム、ヘキサンのみ)で精製し、2,3−ジヒドロフィチルブロミド(「2,3−ジヒドロフィチル基」を、以下「Phy」と称することもある。)(10.41g,28.8mmol,85% vs.フィトール)を得た。
調製例3:3,7,11−トリメチルドデカン−1−オールの合成
ファルネソール(3.00g,13.5mmol)を用い、調製例1と同様の方法に従い、3,7,11−トリメチルドデカン−1−オールを得た。これは精製することなく次の反応に用いた。
調製例4:1−ブロモ−3,7,11−トリメチルドデカンの合成
調製例3で得られた3,7,11−トリメチルドデカン−1−オールを用い、調製例2と同様の方法に従い、1−ブロモ−3,7,11−トリメチルドデカン(2.98g,10.2mmol,76% vs.ファルネソール)を得た。
調製例5:1−[(2−クロロ−5−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル)]−1−フェニルメタンアミンの合成
2,3−ジヒドロフィチルブロミド(1.02g,2.82mmol)にDMF(15ml)、2−クロロ−5−ヒドロキシベンゾフェノン(0.99g,4.23mmol)、KCO(0.78g,5.64mmol)を加え、90℃で3時間攪拌した。反応液を室温に戻し、酢酸エチル(25ml),1mol/l塩酸(25ml)を加えて攪拌し、分層させ水層を分離・廃棄した。有機層を精製水(25ml)で2回洗浄し、有機層を減圧留去させ、2−クロロ−5−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンゾフェノンを得た。
前記2−クロロ−5−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンゾフェノンにクロロホルム(20ml)、メタノール(2ml)、水素化ホウ素ナトリウム(440mg,11.6mmol)を加え、50℃で一晩攪拌した。反応液を室温に戻し、さらに氷浴下で1mol/l塩酸(15ml)を滴下して未反応の水素化ホウ素ナトリウムを分解させた後、水層を捨て、有機層を精製水(10ml)で2回洗浄した。有機層を減圧留去し、さらにアセトニトリルで水分を共沸させ、2−クロロ−5−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドロールを得た。
2−クロロ−5−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドロールにクロロホルム(20ml)、DMF(43μl,559μmol)、塩化チオニル(1.03ml,14.1mmol)を加え、50℃で4時間攪拌した。反応液を室温に戻して溶媒を減圧留去し、残った塩化チオニルをトルエンで共沸させ、1−クロロ−1−[(2−クロロ−5−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル)フェニルメタンを得た。
前記1−クロロ−1−[(2−クロロ−5−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル)フェニルメタンにDMF(15ml)、アジ化ナトリウム(786mg,12.1mmol)を加え、80℃で一晩攪拌した。反応液を室温に戻して酢酸エチル(20ml)、ヘキサン(20ml)を加え、精製水(30ml)で1回、精製水(15ml)で2回分液洗浄した後、有機層を減圧留去し、1−アジド−1−[(2−クロロ−5−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル)フェニルメタンを得た。
前記1−アジド−1−[(2−クロロ−5−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル)フェニルメタンにTHF(20ml)、精製水(2ml)、トリフェニルホスフィン(813mg,3.10mmol)を加え、50℃で2時間攪拌した。反応液を室温に戻してTHFを留去し、ヘプタン(30ml)−50%アセトニトリル水溶液(15ml)で3回分液させ、ヘプタン層を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0→5:1)で精製し、1−[(2−クロロ−5−(2’,3’−ジヒドロフィチルオキシ)フェニル)]−1−フェニルメタンアミンの油状物(1.35g,2.63mmol,収率93% vs.2,3−ジヒドロフィチルブロミド)を得た。
調製例6:4,4’−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリルアルコールの合成
2,3−ジヒドロフィチルブロミド(14.3g,39.6mmol)にDMF(120ml)、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン(4.04g,18.9mmol)、炭酸カリウム(7.82g,56.6mmol)を加え、80℃で5時間攪拌した。反応液を室温に戻し、酢酸エチル(300ml),1mol/l塩酸(100ml)を加えて攪拌し、分層させ、水層を分離・廃棄した。有機層を精製水(100ml)で2回洗浄し、有機層を減圧留去させ、4,4’−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンゾフェノン油状物を得た。これをクロロホルム(60ml)とメタノール(10ml)に溶解させて水素化ホウ素ナトリウム(4.49g,119mmol)を加え、60℃で3時間攪拌した。反応液に1mol/l塩酸(80ml)を添加し、濃縮し、酢酸エチル(100ml)を加え、1mol/l塩酸と水にて順次洗浄した。有機層を濃縮し、4,4’−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリルアルコール油状物を得た。
調製例7:3,4,5−トリ(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアルコールの合成
2,3−ジヒドロフィチルブロミド(40.6g,112mmol)、没食子酸メチル(5.90g,32.0mmol)、炭酸カリウム(22.14g,160mmol)をDMF(400ml)に懸濁させ、110℃で一晩攪拌した。反応混合液をヘキサン(800ml)で抽出し、1mol/l塩酸(400ml)、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(400ml)、20%食塩水(400ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後濾液の溶媒を留去して、3,4,5−トリ(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)安息香酸メチル(29.3g,収率93%)を得た。
前記3,4,5−トリ(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)安息香酸メチル(29.3g,30.0mmol)をTHF(400ml)に溶解させ、窒素雰囲気下、0℃で水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL)(1.0mol/l トルエン溶液,96ml,96mmol)を30分間かけて滴下した。室温で一晩攪拌した後、0℃で0.2mol/l塩酸(50ml)を滴下して反応を停止した。溶媒を半分程度留去したものを、酢酸エチル(600ml)に溶解させ、1mol/l塩酸(300ml)で3回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(300ml)で1回、20%食塩水(300ml)で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾液の溶媒を留去して、3,4,5−トリ(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアルコール(26.8g,収率94%)を得た。
調製例8:3,4,5−トリ(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミンの合成
3,4,5−トリ(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルクロリド(6.46g,6.63mmol)をDMF−クロロホルム(60+20ml)に溶解させ、アジ化ナトリウム(861mg,13.2mmol)を加えて70℃で2時間攪拌した。反応混合液を室温に冷却後、酢酸エチル(160ml)を加えて、水(80ml)で2回、20%食塩水(50ml)で3回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液の溶媒を留去して、3,4,5−トリ(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアジド油状物を得て、そのまま次工程に移行させた。
前記3,4,5−トリ(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアジド油状物をTHF(80ml)に溶解させ、水(1.19ml,66.1mmol)、トリフェニルホスフィン(1.91g,7.28mmol)を加えて70℃で1時間攪拌した。室温まで冷却後、溶媒を留去し、残渣をヘプタン(160ml)に溶解させ、50%アセトニトリル水溶液(50ml)で3回、20%食塩水(50ml)で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液の溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1→クロロホルム:メタノール:アンモニア水=100:10:1)で精製して3,4,5−トリ(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミン(5.31g,5.32mmol,収率80% vs.クロル体)を得た。
調製例9:3,5−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアルコールの合成
2,3−ジヒドロフィチルブロミド(895mg,2.48mmol)、3,5−ジヒドロキシ安息香酸メチル(204mg,1.21mmol)、炭酸カリウム(513mg,3.71mmol)をDMF(10ml)に懸濁させ、100℃で7時間攪拌した。反応混合液を酢酸エチル(30ml)で抽出し、1mol/l塩酸(10ml)で3回、20%食塩水(10ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾液の溶媒を留去して、3,5−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)安息香酸メチル(0.78g,収率92%)を得た。
前記3,5−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)安息香酸メチル(0.70g,1.00mmol)をTHF(10ml)に溶解させ、窒素雰囲気下0℃で水素化アルミニウムリチウム(2.0mol/l THF溶液,1.2ml,2.4mmol)を滴下した。室温で5時間攪拌した後、0℃で水を滴下して反応を停止した。溶液を酢酸エチル(30ml)に溶解させ、1mol/l塩酸(10ml)で3回、20%食塩水(20ml)で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液の溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンのみ→ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製して、3,5−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアルコール(0.61g,収率90%)を得た。
調製例10:4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアルコールの合成
2,3−ジヒドロフィチルブロミド(600mg,1.66mmol)、4−ヒドロキシベンズアルデヒド(223mg,1.83mmol)、炭酸カリウム(344mg,2.49mmol)をDMF(6ml)中に懸濁し、60℃で3日間攪拌した。反応混合液を室温に冷却後、酢酸エチル(30ml)で抽出し、1mol/l塩酸(6ml)で3回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(6ml)で3回、20%食塩水(6ml)で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液の溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=15:1→5:1)で精製して、4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズアルデヒド(640mg,収率100% vs.2,3−ジヒドロフィチルブロミド)を得た。
前記4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズアルデヒド(640mg,1.66mmol)をTHF−メタノール混合溶液(7+0.3ml)に溶解させ、0℃で水素化ホウ素ナトリウム(110mg,90%,2.62mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。反応混合液を0℃に冷却後、1mol/l塩酸で反応を停止し、酢酸エチル(30ml)を加えて1mol/l塩酸(5ml)で3回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(5ml)で3回、20%食塩水(5ml)で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液の溶媒を留去して、4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアルコール(619mg,1.53mmol,収率92% vs.2,3−ジヒドロフィチルブロミド)を得た。
調製例11:4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミンの合成
4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアルコール(619mg,1.53mmol)をクロロホルム(6ml)に溶解させ、塩化チオニル(167μl,2.29mmol)を加えて5時間攪拌した。反応終了後、溶媒を留去して、4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)−ベンジルクロリドの油状物を得て、そのまま次工程に移行させた。
前記4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルクロリド(1.53mmol)をDMF−CHCl混合溶媒(6+3ml)に溶解させ、アジ化ナトリウム(298mg,4.58mmol)を加えて70℃で一晩攪拌した。反応混合液を室温に冷却後、酢酸エチル(20ml)を加えて、水(10ml)で5回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液の溶媒を留去して、4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアジド(632mg,収率96% vs.4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアルコール)を得た。
前記4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアジド(632mg,1.47mmol)をTHF(6ml)に溶解させ、水(265μl,14.7mmol)、トリフェニルホスフィン(424mg,1.62mmol)を加えて70℃で一晩攪拌した。室温まで冷却後、溶媒を留去し、残渣をヘキサン(10ml)に溶解、50%アセトニトリル水溶液(5ml)で3回洗浄した。溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1→クロロホルム:メタノール:アンモニア水=50:5:1)で精製して、4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミン(555mg,1.37mmol,収率94%)を得た。
調製例12:2−メトキシ−4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミンの合成
2,3−ジヒドロフィチルブロミド(2.00g,5.53mmol)、2−メトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(884mg,5.81mmol)、炭酸カリウム(1.15g,8.32mmol)をDMF(20ml)中に懸濁し、80℃で一晩攪拌した。反応混合液を室温に冷却後、酢酸エチル(50ml)で抽出し、1N塩酸(20ml)で3回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(20ml)で3回、20%食塩水(20ml)で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液の溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製して、2−メトキシ−4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズアルデヒド油状物を得て、次工程に移行させた。
前記2−メトキシ−4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズアルデヒド、ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.15g,16.5mmol)をジクロロメタン(25ml)に懸濁し、0℃でトリエチルアミン(3.84ml,27.7mmol)を加えて室温で3時間攪拌した。反応混合液にクロロホルム(30ml)を加え1mol/l塩酸(15ml)で3回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(15ml)で3回、20%食塩水(15ml)で1回洗浄し、溶媒を留去して、2−メトキシ−4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズアルドキシムを得、NMRで構造を確認後、次工程に移行させた。
前記2−メトキシ−4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズアルドキシムをメタノール−THF混合溶媒(20+10ml)に溶解させ、10%パラジウム−炭素(K)(200mg)を加えて水素雰囲気下室温で一晩攪拌した。濾液の溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:アンモニア水=100:10:1)で精製して、2−メトキシ−4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミン(1.87g,4.31mmol,収率78% vs.2,3−ジヒドロフィチルブロミド)を得た。
調製例13:4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メチルベンジルアルコールの合成
0℃で、メタノール(10ml)に塩化チオニル(1.92ml,26.3mmol)を滴下し、4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸(2.00g,13.1mmol)を加えて、60℃で一晩攪拌した。反応終了後、溶媒を留去し、残渣を酢酸エチル(20ml)に溶解させて5%炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)で2回、1mol/l塩酸(10ml)で1回、水(10ml)で1回洗浄し、溶媒を留去して、4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸メチル(2.24g,収率100%)を得た。
前記4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸メチル(269mg,1.62mmol)、2,3−ジヒドロフィチルブロミド(389mg,1.08mmol)、炭酸カリウム(297mg,2.15mmol)をDMF(5ml)中に懸濁し、90℃で5時間攪拌した。反応混合液を室温に冷却後、ヘキサン−酢酸エチル(10+10ml)で抽出し、1mol/l塩酸(15ml)で1回、水(10ml)で2回洗浄し、溶媒を留去して、4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メチル安息香酸メチルを得、NMRで構造を確認後、次工程に移行させた。
前記4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メチル安息香酸メチル(1.08mmol)をTHF(6ml)に溶解させ、DIBAL(1.0M,4.9ml,4.9mmol)を加え、室温で100分間攪拌した。反応混合液を0℃に冷却後、1mol/l塩酸(15ml)で反応を停止し、ヘキサン(10ml)、酢酸エチル(10ml)を加えて分液し、0.5mol/l塩酸(10ml)で1回、水(10ml)で1回洗浄し、溶媒を留去して、4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メチルベンジルアルコールを得た。
調製例14:4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メチルベンジルアミンの合成
4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メチル−ベンジルアルコール(1.08mmol)をクロロホルム(8ml)に溶解させ、チオニルクロリド(393μl,5.38mmol)を加えて50℃で4.5時間攪拌した。反応終了後、溶媒を留去して、4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メチルベンジルクロリドを得、NMRで構造を確認後、次工程に移行させた。
前記4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メチルベンジルクロリド(1.08mmol)をDMF(6ml)に溶解させ、アジ化ナトリウム(350mg,5.38mmol)を加えて70℃で一晩攪拌した。反応混合液を室温に冷却後、ヘキサン(10ml)、酢酸エチル(5ml)を加えて、水(10ml)で3回洗浄した。濾液の溶媒を留去して、4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メチルベンジルアジドを得、NMRで構造を確認後、次工程に移行させた。
前記4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メチルベンジルアジド(1.08mmol)をTHF(10ml)に溶解させ、水(2ml)、トリフェニルホスフィン(565mg,2.15mmol)を加えて60℃で3時間攪拌した。室温まで冷却後、溶媒を留去し、残渣をヘプタン(10ml)に溶解させ、50%アセトニトリル水溶液(10ml)で3回洗浄した。溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1→クロロホルム:メタノール:アンモニア水=50:5:1)で精製して、4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)−2−メチルベンジルアミン(281mg,0.67mmol,収率62% vs.2,3−ジヒドロフィチルブロミド)を得た。
調製例15:2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ドデカン酸(4−ヒドロキシメチル)フェニルアミドの合成
2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ドデカン酸(2.81g,9.88mmol)、4−アミノベンジルアルコール(1.00g,8.12mmol)、3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン(HOOBt)(133mg,0.812mmol)を、クロロホルム(10ml)に懸濁させて、0℃でEDC・HCl(2.05g,10.7mmol)加え、室温で一晩攪拌した。溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製して、2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ドデカン酸(4−ヒドロキシメチル)フェニルアミド(2.69g,6.67mmol,収率82%)を得た。
調製例16:4−(3,7,11−トリメチルドデシルオキシ)ベンジルアルコールの合成
調製例4で得られた1−ブロモ−3,7,11−トリメチルドデカン(1.00g,3.43mmol)をDMF(5ml)に溶解させ、4−ヒドロキシベンジルアルコール(0.85g,6.85mmol)と炭酸カリウム(1.42g,10.3mmol)を加えて120℃で一晩攪拌した。反応混合液を室温に冷却後、クロロホルム(50ml)で抽出し、1mol/l塩酸(30ml)で3回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(30ml)で1回、精製水(30ml)で1回洗浄した。有機層の溶媒を留去して、4−(3,7,11−トリメチルドデシルオキシ)ベンジルアルコール(1.09g,3.26mmol,収率95% vs.1−ブロモ−3,7,11−トリメチルドデカン)を得た。
調製例17:3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカノイックアシッドの合成
3,7,11,15−テトラメチル−ヘキサデカン−1−オール(8.96g,30.0mmol)をアセトン(360ml)と酢酸(180ml)の混合溶媒に溶解させ、無水クロム酸 (7.27g,72.7mmol)の水(9.0ml)溶液を滴下し、室温で1時間攪拌した。反応終了後の反応液に二亜硫酸ナトリウム(100g,526mmol)の水(450ml)溶液を加え、室温で終夜撹拌し、ジエチルエーテル(135ml)で6回抽出し、得られた有機層の溶媒を減圧下留去した。濃縮後の油状物にジエチルエーテル(450ml)と水(150ml)を加えて分相し、水層を酢酸エチル(150ml)で3回抽出し、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧下留去した。濃縮後の油状物(10.1g)をクロマトグラフィー精製(シリカゲル;250g、溶出液;50:1→3:1ヘキサン−酢酸エチル)することで、表題の化合物(6.78g,72.3%)を淡青色の油状物として得た。
調製例18:3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカノイルクロリドの合成
調製例17で合成した化合物(2.81g,9.0mmol)を無水クロロホルム(4.5ml)に溶解させ 、塩化チオニル(1.31ml,18.0mmol)を加えて室温で1時間攪拌した。反応終了後、溶媒を減圧下留去し、得られた油状物(3.07g)を表題の化合物としてそのまま次の反応に使用した。
調製例19:クロロメチル 3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカノエートの合成
調製例17で合成した化合物(6.56g,21.0mmol)を無水クロロホルム(10ml)に溶解させ 、塩化チオニル(3.06ml,42.0mmol)を加えて室温で1時間攪拌した。反応終了後、溶媒を減圧下留去して得た油状物を、90%パラホルムアルデヒド(840mg,25.2mmol)と塩化亜鉛(42.9mg,0.32mmol)の混合固体に対して、氷浴冷却下30分間かけて滴下した。得られた混合溶液を60℃で5時間加熱撹拌した後、室温まで冷却させ、10%炭酸水素ナトリウム水溶液(30ml)とジクロロメタン(15ml)を加えて分層し、同量のジクロロメタンで更に2回抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水(30ml)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下留去した。濃縮後の油状物(7.40g)をクロマトグラフィー精製(シリカゲル;120g、溶出液;10:1ヘキサン−ジクロロメタン)することで、表題の化合物(5.01g,66.1%)を無色の油状物として得た。
調製例20:4−(3,7−ジメチル−1−オクチルオキシ)ベンゾイックアシッドの合成
(1)1−ブロモ−3,7−ジメチルオクタンの合成
3,7−ジメチルオクタン−1−オール(10.0g,63.2mmol)を48%臭化水素酸水溶液に懸濁し、濃硫酸(0.17ml)を滴下して100℃で16時間攪拌した。反応液を室温に冷却後、ヘキサン(200ml)で抽出し5%炭酸水素ナトリウム水溶液(100ml)で2回、20%食塩水(100ml)で1回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾液の溶媒を留去することで表題の化合物(13.3g,95.1%)を無色の油状物として得た。
(2)メチル[4−(3,7−ジメチル−1−オクチルオキシ)]ベンゾエートの合成
アルゴン雰囲気下、炭酸カリウム(12.5g,90.3mmol)を脱水N,N−ジメチルホルムアミド(100ml)に懸濁させた後、1−ブロモ−3,7−ジメチルオクタン(13.3g,60.1mmol)とメチル(4−ヒドロキシ)ベンゾエート(8.74g,57.4mmol)を加えて70℃で16時間攪拌した。反応液を濾過して炭酸カリウムを除去した後、水(50ml)を加えてヘキサン(250ml)で抽出した。抽出液を1.0mol/l塩酸水溶液(100ml)、炭酸水素ナトリウム水溶液(100ml)、飽和食塩水(100ml)で順次洗浄し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後濾過し、減圧濃縮することで表題の化合物(16.1g,95.7%)を無色の油状物として得た。
(3)4−(3,7−ジメチル−1−オクチルオキシ)ベンゾイックアシッドの合成
メチル[4−(3,7−ジメチル−1−オクチルオキシ)]ベンゾエート(16.1g,54.9mmol)を1,4−ジオキサン(300ml)に溶解し、50%水酸化カリウム水溶液(25ml)を加えて100℃で6時間攪拌した。反応液が酸性になるまで濃塩酸を滴下した後、酢酸エチル(200ml)で抽出し、10%水酸化ナトリウム水溶液(100ml)、飽和食塩水(100ml)で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後濾過し、減圧濃縮することで表題の化合物(14.2g,92.8%)を白色固体として得た。
調製例21:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシシチジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト]の合成
アルゴン雰囲気下、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N−アセチル−2’−デオキシシチジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト](3.5g,4.5mmol)を2.0mol/lアンモニア/メタノール溶液(40ml)に溶解し、室温で2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮して表題化合物(3.4g)を定量的に得た。
調製例22:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシグアノシン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト]の合成
アルゴン雰囲気下、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N−(2−メチル−1−オキソプロピル)−2’−デオキシグアノシン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト](5.0g,5.9mmol)を2.0mol/lアンモニア/メタノール溶液(60ml)に溶解し、室温で終夜撹拌した。反応液を減圧濃縮して得た油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(4.6g)を定量的に得た。
(アミジン型保護基となる試薬の調製)
調製例23:N,N−ジ(3,7−ジメチル−オクチル)ホルムアミドジメチルアセタールの合成
(1)3,7−ジメチル−1−オクチルブロミドの合成
3,7−ジメチル−1−オクタノール(21.0g,157.9mmol)に48%HBr(200ml)及び濃硫酸(0.46ml)を加えて終夜加熱した。室温に戻した後、ヘキサンを加えて抽出し、有機層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、乾燥、濃縮して表題化合物(28.7g,82.1%)を得た。
(2)ジ(3,7−ジメチル−オクチル)ベンジルアミンの合成
ベンジルアミン(7.1ml,64.8mmol)、炭酸カリウム(17.9g,129.6mmol)および調製例23−(1)で得られた化合物(28.7g,129.6mmol)を乾燥アセトニトリル80mlに溶解し終夜加熱した。反応液を濃縮した後、ジクロロメタン(200ml)を加え、水で洗浄した。有機層を濃縮して得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(13.2g,52.2%)を得た。
(3)N,N−ジ(3,7−ジメチル−オクチル)アミンの合成
調製例23−(2)で得た化合物(13.2g,33.8mmol)をエタノール(150ml)に溶解し、5%パラジウム炭素(53%含水、2.86g)を加え、水素雰囲気下終夜撹拌した。反応液をセライト濾過しパラジウム触媒を除去した後、ろ液を濃縮し、表題化合物(10.0g,99.3%)を定量的に得た。
(4)N,N−ジ(3,7−ジメチル−オクチル)ホルムアミドジメチルアセタールの合成
調製例23−(3)で得た化合物(7.0g,23.4mmol)に、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(2.8g,23.4mmol)及び触媒量のピリジニウム p−トルエンスルホネートを加えて、160℃に加熱、終夜撹拌した。反応液を減圧蒸留し、表題化合物(1.4g,16%)を得た。
調製例24:2,3,4−トリス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリルアミンの合成
(1)2,3,4−トリス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンゾフェノンの合成
アルゴン雰囲気下、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン(0.94g,4.07mmol)、2,3−ジヒドロフィチルブロミド(6.01g,16.6mmol)、炭酸カリウム(2.57g,138.2mmol)を脱水N,N−ジメチルホルムアミド(25ml)中に加え、80℃で終夜攪拌した。反応混合液を室温に冷却後、ヘキサン(50ml)で抽出し、1mol/l塩酸水(20ml)、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(20ml)、飽和食塩水(20ml)で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液の溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜95/5(v/v))で精製、目的フラクションを集めて濃縮し、表題の化合物(3.90g,88.9%)を油状物として得た。
(2)2,3,4−トリス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリルアルコールの合成
調製例24−(1)で合成した2,3,4−トリス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンゾフェノン(3.90g,3.64mmol)を、クロロホルム(35ml)とメタノール(3.5ml)の混合溶媒に溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム(0.41g,10.9mmol)を添加し、45℃で2時間攪拌した。反応終了後、0.1mol/l塩酸水を滴下することで未反応の水素化ホウ素ナトリウムを分解させた後、1.0mol/l塩酸水で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後に濾過し、濾液を減圧濃縮した。濾液の溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=98:2〜90/10(v/v))で精製、目的フラクションを集めて濃縮し、表題の化合物(3.56g,91.0%)を油状物として得た。
(3)N−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−2,3,4−トリス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリルアミンの合成
アルゴン雰囲気下、調製例24−(2)で合成した2,3,4−トリス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリルアルコール(3.56g,3.31mmol)および9−フルオレニルメチルカーバメート(1.42g,5.96mmol)を脱水トルエン(40ml)中に50℃で溶解させた後、メタンスルホン酸(64μl,993μmol)を加えて100℃で2時間攪拌した。反応混合液を室温に冷却後、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(20ml)、飽和食塩水(20ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液の溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=98:2〜90/10(v/v))で精製、目的フラクションを集めて濃縮し、表題の化合物(4.00g,93.3%)を油状物として得た。
(4)2,3,4−トリス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリルアミンの合成
調製例24−(3)で合成したN−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−2,3,4−トリス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリルアミン(4.00g,3.09mmol)を、クロロホルム(30ml)とアセトニトリル(15ml)の混合溶媒に溶解させた後、20%ピペリジン[1−メチル−2−ピロリドン溶液](30.5ml,61.8mmol)を添加し、室温で30分間攪拌した。反応終了後、酢酸エチル(60ml)、ヘキサン(30ml)および水(10ml)を加え、分層した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液の溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜80/20(v/v))で精製、目的フラクションを集めて濃縮し、表題の化合物(2.92g,88.2%)を油状物として得た。
調製例25:4,4’−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリルアミンの合成
(1)N−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−ビス−4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリルアミンの合成
調製例6に記した4,4’−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリルアルコール(3.80g,4.89mmol)にトルエン(50ml)、9−フルオレニルメチルカーバメート(2.11g,8.81mmol)を加え、50℃に加熱して溶解させた。メタンスルホン酸(95.3μl,1.47mmol)を加え、100℃で2時間攪拌した。反応終了を確認した後、室温に戻し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(20ml)を加えて攪拌した。分層して有機層を水(20ml)、飽和食塩水(20ml)でさらに洗浄した。有機層を減圧留去し、表題化合物(5.10g、quant)を得た。
(2)4,4’−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリルアミンの合成
調製例25−(1)で得たN−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−4−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリルアミン(5.10g,5.27mmol)を、クロロホルム(50ml)とアセトニトリル(25ml)の混合溶媒に溶解させた後、20%ピペリジン[1−メチル−2−ピロリドン溶液](52.1ml,105.4mol)を添加し、室温で30分間攪拌した。反応終了後、酢酸エチル(100ml)、ヘキサン(60ml)および水(15ml)を加え、分層した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液の溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜30/70v/v))で精製、目的フラクションを集めて濃縮し、表題の化合物(3.56g,86.8%)を油状物として得た。
調製例26:3,5−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミンの合成
(1)3,5−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルクロリドの合成
アルゴン雰囲気下、調製例9に記した3,5−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアルコール(4.70g,6.70mmol)をクロロホルム(34ml)に溶解させ、ピリジン(数滴)、塩化チオニル(0.97ml,13.4mmol)を加えて室温で90分間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、表題の化合物(4.93g,quant)を油状物として得た。
(2)3,5− ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアジドの合成
調製例26−(1)で得た3,5−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルクロリド(4.93g,6.85mmol)をクロロホルム(27ml)とN,N−ジメチルホルムアミド(81ml)の混合溶媒に溶解させ、アジ化ナトリウム(0.90g,13.7mmol)を加えて80℃で2時間半攪拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル(250ml)および精製水(180ml)を加えて分層し、有機層を精製水(180ml)及び飽和食塩水(130ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後に濾過し、表題の化合物(4.79g,96.4%)を得た。
(3)3,5−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミンの合成
アルゴン雰囲気下、調製例26−(2)で得た3,5−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアジド(4.79g,6.60mmol)を脱水テトラヒドロフラン(33ml)に溶解させ、氷冷下、水素化リチウムアルミニウム(0.50g,13.2mmol)を添加し、反応液を室温で2時間攪拌した。反応終了後の反応液に1mol/l塩酸水(25ml)と酢酸エチル(50ml)を滴下して分層し、水層を酢酸エチル(50ml)で抽出した。有機層を合わせて、水(90ml)で2回洗浄し、更に5%炭酸水素ナトリウム水溶液(90ml)、飽和食塩水(90ml)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾液を減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題の化合物(3.29g,71.1%)を油状物として得た。
調製例27:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシ−2’−フルオロウリジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト]の合成
(1)5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの合成
2’−デオキシ−2’−フルオロウリジン(3.00g,12.2mmol)を乾燥ピリジンに溶解した後、減圧濃縮する操作を3回繰り返し、共沸脱水した。その後、アルゴン雰囲気下、乾燥ピリジン(120ml)に溶解し、4,4’−ジメトキシトリチルクロリド(4.55g,13.4mmol)を加え、室温にて3時間撹拌した。反応終了を確認後、反応液に酢酸エチル(150ml)と水(60ml)を加えて分層し、有機層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液(20ml)で3回、水(20ml)、飽和食塩水(20ml)で洗浄し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液の溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:50〜0/100(v/v),1%トリエチルアミンを含む)で精製して、目的フラクションを集めて濃縮し、表題の化合物(8.48g,quant)を得た。
(2)5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシ−2’−フルオロウリジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト]の合成
調製例27−(1)で得た5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシ−2’−フルオロウリジン(3.00g,5.47mmol)をアルゴン雰囲気下、脱水ジクロロメタン(50ml)に溶解し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.55ml,3.18mmol)、1H−テトラゾール(0.45g,6.45mmol)および2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(1.92g,6.36mmol)を加えて室温で終夜撹拌した。反応終了を確認後、反応液に5%炭酸水素ナトリウム水溶液(20ml)を加えて分層し、有機層を飽和食塩水(20ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾液を濃縮して得られた粗生物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=75:25〜30/70(v/v),3%トリエチルアミンを含む)で精製、目的フラクションを集めて濃縮し、表題の化合物(2.76g,67.3%)を得た。
実施例1:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−イル−O−[3,4,5−トリス(3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカニルオキシ)ベンジル]スクシネート〔5’−O−DMTr−dT−suc−TPB〕の合成
(1)5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−O−スクシネートの合成
アルゴン雰囲気下、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン(4.98g,9.14mmol)とテトラヒドロフラン−2,5−ジオン(1.39g,13.9mmol)を脱水ジクロロメタン(100ml)に溶解させた後、トリエチルアミン(3.80ml,27.3mmol)を加えて室温で16時間攪拌した。反応終了後の反応液を2.0mol/lトリエチルアンモニウムホスフェート水溶液(70ml)で3回洗浄した後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後濾過し、減圧濃縮して得られた残渣をトルエン(10ml)で3回共沸することで、表題の化合物(7.15g)のトリエチルアミン塩を白色固体として定量的に得た。
(2)5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−イル−O−[3,4,5−トリス(3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカニルオキシ)ベンジル]スクシネート〔5’−O−DMTr−dT−suc−TPB〕の合成
実施例1−(1)で合成した化合物(6.55g,8.78mmol)、調製例7で合成した3,4,5−トリス(3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカニルオキシ)ベンジルアルコール(5.19g,5.16mmol)を脱水ジクロロメタン(15ml)に溶解させた後、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート[HBTU](11.8g,30.8mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(5.53ml、31.2mmol)を加えて室温で1時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後に濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、1%v/v トリエチルアミン)で精製することで表題の化合物(3.83g,45.3%)を粘性固体として得た。
実施例2:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−イル−N−[3,4,5−トリス(3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカニルオキシ)ベンジル]スクシナメート〔5’−O−DMTr−dT−suc−NH−TPB〕の合成
5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−O−スクシネートのトリエチルアミン塩(1.45g,1.94mmol)、調製例8で合成した3,4,5−トリス(3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカニルオキシ)ベンジルアミン(1.02g,1.10mmol)を用い、実施例1−(2)と同様の方法に従い、表題の化合物(1.22g,72.4%)を粘性固体として得た。
実施例3:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N −(3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカノイル)−2’−デオキシシチジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト]〔5’−O−DMTr−dC Phy −PA〕の合成
アルゴン雰囲気下、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシシチジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト](1.46g,2.00mmol)を脱水テトラヒドロフラン(10ml)中に溶解させ、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(720μl,4.00mmol)、調製例18で合成した化合物(990mg,3.00mmol)を加えて室温で3時間攪拌した。反応終了後の反応液に酢酸エチル(60ml)および5%炭酸水素ナトリウム水溶液(15ml)を加えて分相し、水相を酢酸エチル(30ml)で抽出し、合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧下留去した。濃縮後の油状物(2.70g)をクロマトグラフィー精製(シリカゲル;50g、溶出液;1%トリエチルアミン含有の10:1→1:1ヘキサン−酢酸エチル)することで、表題の化合物(1.08g,52.6%)を無色の油状物として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl):δ0.84(d,6H,J=6.6Hz),0.86(d,6H,J=6.6Hz),0.97(d,3H,J=6.6Hz),1.00−1.41(m,32H),1.46−1.56(m,1H),1.94−2.18(m,2H),2.21−2.33(m,1H),2.34−2.46(m,2H),2.62(t,1H,J=6.3Hz),2.67−2.83(m,1H),3.34−3.67(m,5H),3.69−3.86(m,1H),3.80(s,3H),3.81(s,3H),4.20−4.24(m,1H),4.55−4.66(m,1H),6.22−6.29(m,1H),6.82−6.87(m,4H),7.10−7.14(m,1H),7.21−7.33(m,7H),7.36−7.42(m,2H),7.94(brs,1H),8.17−8.29(m,1H)
31P−NMR(160MHz,CDCl):δ150.0,150.6
m/z(ESI−MS):Anal.Calc.for C5986P:1023.6.Found 1022.3(M−H)
実施例4:N −[4−(3,7−ジメチル−1−オクチルオキシ)ベンゾイル]−2’−デオキシチミジンの合成
(1)4−(3,7−ジメチル−1−オクチルオキシ)ベンゾイルクロリドの合成
アルゴン雰囲気下、4−(3,7−ジメチル−1−オクチルオキシ)ベンゾイックアシッドを脱水クロロホルム(25ml)に溶解し、氷冷後、塩化チオニル(6.72ml,92.7mmol)を滴下して加えた。反応液を室温で終夜攪拌した後、減圧濃縮して表題の化合物を油状物として得た。本化合物はそのまま次工程に使用した。
(2)3’,5’−O−ビス(トリメチルシリル)−N −[4−(3,7−ジメチル−1−オクチルオキシ)ベンゾイル]2’−デオキシチミジンの合成
2’−デオキシチミジン(5.00g,20.6mmol)を脱水ピリジン(10ml)で3回共沸した後、アルゴン雰囲気下、脱水ピリジン(60ml)に溶解し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(17.9ml,103mmol)、トリメチルシリルクロリド(6.50ml,51.5mmol)を加えて室温で30分間攪拌した。攪拌後、前記4−(3,7−ジメチル−1−オクチルオキシ)ベンゾイルクロリドの油状物を25分間かけて滴下し、その後室温で4時間攪拌した。反応終了後の反応液を氷冷し、リン酸二水素カリウム(17g)と水(80ml)を加えて5分間攪拌した後、ジエチルエーテル(100ml)で抽出し、飽和リン酸二水素カリウム水溶液(50ml)、飽和食塩水(50ml)で洗浄し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後濾過し、濾液を減圧濃縮して表題の化合物を得た。本化合物は、そのまま次工程に使用した。
(3)N −[4−(3,7−ジメチル−1−オクチルオキシ)ベンゾイル]2’−デオキシチミジンの合成
3’,5’−O−ビス−(トリメチルシリル)−N−[4−(3,7−ジメチル−1−オクチルオキシ)ベンゾイル]−2’−デオキシチミジンをクロロホルム(70ml)とメタノール(70ml)の混合溶媒に溶解させ、トリフルオロ酢酸(350μl)を加えて室温で30分間攪拌した。反応終了後、溶媒を留去し、再度酢酸エチル(150ml)に溶解させた。5%炭酸水素ナトリウム水溶液(75ml)、飽和食塩水(75ml)で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後濾過した。濾液の溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)で精製して表題の化合物(7.10g,68.5%)を白色固体として得た。
実施例5:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N −[4−(3,7−ジメチル−1−オクチルオキシ)ベンゾイル]−2’−デオキシチミジンの合成
アルゴン雰囲気下、脱水ピリジン(10ml)で3回共沸したN−[4−(3,7−ジメチル−1−オクチルオキシ)ベンゾイル]−2’−デオキシチミジン(7.10g,14.1mmol)を脱水ピリジン(130ml)に溶解させた後、4,4’−ジメトキシトリチルクロリド(4.83g,14.3mmol)を加えて終夜攪拌した。反応終了後の反応液に水(130ml)を加えた後、ジエチルエーテル(260ml)で抽出後、水(130ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後濾過し、濾液を濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール,1%v/v トリエチルアミン)で精製して表題の化合物(10.2g,90.1%)を白色固体として得た。
実施例6:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N −[4−(3,7−ジメチル−1−オクチルオキシ)ベンゾイル]−2’−デオキシチミジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト]〔5’−O−DMTr−dT (4−Cit−Bz) −PA〕の合成
アルゴン雰囲気下、脱水アセトニトリル(10ml)で3回共沸した5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N−[4−(3,7−ジメチル−1−オクチルオキシ)ベンゾイル]−2’−デオキシチミジン(6.47g,8.03mmol)を脱水ジクロロメタン(40ml)に溶解させた。氷冷下、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(5.60ml,32.0mmol)を加えた後、クロロ−2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト(2.36ml,10.0mmol)のジクロロメタン(40ml)溶液を20分間かけて滴下した。反応液を室温で30分間攪拌した後、減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル,3%v/v トリエチルアミン)で精製し、表題の化合物(7.32g,91.0%)を白色固体として得た。
実施例7:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−3’−O−レブリノイル−N −(3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカノイルオキシ)メチル−2’−デオキシチミジンの合成
アルゴン雰囲気下、炭酸カリウム(2.10g,15.2mmol)を懸濁させた脱水N,N−ジメチルホルムアミド(50ml)に、調製例19で合成した化合物(3.65g,10.1mmol)と5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−3’−O−レブリノイル−2’−デオキシチミジン(3.25g,5.06mmol)を溶解させた後、40℃で24時間攪拌した。反応液を濾過した後に水(50ml)を加え、ジエチルエーテル(100ml)で2回抽出した。有機層を水(100ml)で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥後濾過し、減圧濃縮することで得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン,1%v/v トリエチルアミン)で精製し、表題の化合物(4.80g,98%)を淡黄色の粘性固体として得た。
実施例8:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N −(3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカノイルオキシ)メチル−2’−デオキシチミジンの合成
実施例7で合成した化合物(4.80g,4.96mmol)をピリジン(40ml)と酢酸(10ml)の混合溶媒に溶解させた後、無水ヒドラジン(244μl,7.71mmol)を加えて室温で30分間攪拌後、アセチルアセトン(1.07ml,10.3mmol)を加えて室温で5分間攪拌した。ジエチルエーテル(100ml)を加え、10%硫酸水素カリウム水溶液(50ml)、10%炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)、飽和食塩水(50ml)で順次洗浄した後、有機層を濃縮することで表題の化合物(3.58g,83.0%)を淡黄色の粘性固体として得た。
実施例9:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N −(3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカノイルオキシ)メチル−2’−デオキシチミジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト]〔5’−O−DMTr−dT PhyOM −PA〕の合成
アルゴン雰囲気下、脱水アセトニトリル(10ml)で3回共沸した実施例8で合成した化合物(3.58g,4.12mmol)を脱水ジクロロメタン(22ml)に溶解し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.49ml,16.5mmol)を滴下して加えた後、脱水ジクロロメタン(22ml)に溶解したクロロ−2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト(1.15ml,5.15mmol)を20分間かけて滴下して加えた。室温で30分間攪拌した後、減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=8/2,3%v/v トリエチルアミン)で精製し、表題の化合物(3.90g,88.6%)を淡黄色の粘性固体として得た。
実施例10:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N −(3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカノイルオキシ)メチル−2’−デオキシチミジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト]〔5’−O−DMTr−dT PhyOM −PA〕の合成
アルゴン雰囲気下、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト](1.00g,1.34mmol)を脱水N,N−ジメチルホルムアミド(15ml)に溶解させた後、炭酸カリウム(279mg,2.02mmol)と(3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカノイルオキシ)メチルクロリド(970mg,2.69mmol)を加えて室温で16時間攪拌した。反応液を濾過した後に水(20ml)を加えてジエチルエーテル(50ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後濾過し、濾液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン,3%v/v トリエチルアミン)で精製し、表題の化合物(929mg,65.0%)を薄黄色の粘性固体として得た。
実施例11:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N −(3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカノイル)−2’−デオキシグアノシン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト]〔5’−O−DMTr−dG Phy −PA〕の合成
アルゴン雰囲気下、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシグアノシン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト](1.52g,1.98mmol)を脱水テトラヒドロフラン(20ml)に溶解させた後、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(696μl,4.00mmol)を加え、調製例18で合成した3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカノイルクロリド(993mg,3.00mmol)を滴下して加えた。室温で1.5時間攪拌後、反応液を濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール,1%v/v トリエチルアミン)で精製し、表題の化合物(1.73g,82.0%)を薄黄色の粘性固体として得た。
実施例12:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N −(3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカノイル)−2’−デオキシアデノシン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト]〔5’−O−DMTr−dA Phy −PA〕の合成
5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシアデノシン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト](1.76g,2.33mmol)を用い、実施例11と同様の方法に従い、表題の化合物(1.12g,45.8%)を薄黄色の粘性固体として得た。
実施例13:デオキシチミジニル−[3’→5’]−デオキシチミジニル−[3’→5’]−デオキシチミジン(5’−d[TTT]−3’)の合成
(1)5’−O−DMTr−dT PhyOM −dT−suc−NH−TPBの合成
アルゴン雰囲気下、実施例2で合成した5’−O−DMTr−dT−suc−NH−TPB(206mg,127μmol)を脱水ヘプタン(650μl)と脱水トルエン(650μl)の混合溶媒に溶解させ、トリフルオロ酢酸(26.0μl,350μmol)、1H−ピロール(17.5μl,254μmol)を加えて5分間撹拌した。薄層クロマトグラフィーにより脱保護反応の終了を確認し、ピリジン(28.3μl,350μmol)、N−メチルイミダゾール(13.9μl,175μmol)を加えて5分間撹拌した。中和後の反応液に0.25mol/l 5−(ベンジルチオ)−1H−テトラゾール/アセトニトリル溶液(1.0ml)で溶解させた実施例10で合成した化合物(271mg,254μmol)を加えて10分間撹拌した後、0.2mol/l ヨウ素 ピリジン/テトラヒドロフラン/水=49/49/2溶液(1.27ml)を加えて5分間撹拌した。反応終了後の反応液にヘプタン(5.0ml)を加えて分層させて下層を抜き出した後、アセトニトリル(1.0ml)と水(80μl)の混合溶液で洗浄し、得られた有機層を減圧濃縮することで表題の化合物(291mg,99.5%)を粘性固体として得た。
(2)5’−O−DMTr−dT PhyOM −dT PhyOM −dT−suc−NH−TPBの合成
実施例13−(1)で合成した化合物(291mg,126μmol)と実施例10で合成した化合物(271mg,254μmol)を用い、実施例13−(1)と同様の方法に従い、表題の化合物(369mg,98.0%)を粘性固体として得た。
(3)デオキシチミジニル−[3’→5’]−デオキシチミジニル−[3’→5’]−デオキシチミジン(5’−d[TTT]−3’)の合成
実施例13−(2)で合成した化合物と、28%アンモニア水溶液:40%メチルアミン水溶液=1:1の溶液(4.0ml)をオートクレーブにいれて65℃で16時間加熱した後、反応液を遠心エバポレーターで減圧濃縮した。C−18逆相カートリッジカラムに吸着させた後、0.1mol/l酢酸アンモニウム水溶液で洗浄し、2%トリフルオロ酢酸水溶液により、5’末端の水酸基に結合したジメトキシトリチル基を脱保護し、20%アセトニトリル水溶液で溶出して表題の化合物を得た。
m/z(ESI−MS):Anal.Calc.for C304019:850.2.Found 849.1(M−H)
実施例14:デオキシチミジニル−[3’→5’]−デオキシチミジニル−[3’→5’]−デオキシチミジン(5’−d[TTT]−3’)の合成
(1)5’−O−DMTr−dT (4−Cit−Bz) −dT−suc−NH−TPBの合成
実施例2で合成した5’−O−DMTr−dT−suc−NH−TPB(206mg,127μmol)と実施例6で合成した化合物(256mg,254μmol)を用い、実施例13−(1)と同様の方法に従い、表題の化合物(273mg,96.0%)を粘性固体として得た。
(2)5’−O−DMTr−dT (4−Cit−Bz) −dT (4−Cit−Bz) −dT−suc−NH−TPBの合成
実施例14−(1)で合成した化合物(273mg,122μmol)と実施例6で合成した化合物(256mg,254μmol)を用い、実施例13−(1)と同様の方法に従い、表題の化合物(339mg,97.5%)を粘性固体として得た。
(3)デオキシチミジニル−[3’→5’]−デオキシチミジニル−[3’→5’]−デオキシチミジン(5’−d[TTT]−3’)の合成
実施例14−(2)で合成した化合物を用い、実施例13−(3)と同様の方法に従い、表題の化合物を得た。
m/z(ESI−MS):Anal.Calc.for C304019:850.18.Found 849.1(M−H)
実施例15:デオキシアデニリル−[3’→5’]−デオキシアデニリル−[3’→5’]−デオキシチミジン(5’−d[AAT]−3’)の合成
(1)5’−O−DMTr−dA Phy −dT−suc−NH−TPBの合成
アルゴン雰囲気下、実施例2で合成した5’−O−DMTr−dT−suc−NH−TPB(213mg,131μmol)を脱水ヘプタン(700μl)と脱水トルエン(700μl)の混合溶媒に溶解させ、トリフルオロ酢酸(28.0μl,377μmol)、1H−ピロール(18.1μl,262μmol)を加えて5分間撹拌した。薄層クロマトグラフィーにより脱保護反応の終了を確認し、ピリジン(30.5μl,377μmol)、N−メチルイミダゾール(15.0μl,189μmol)を加えて5分間撹拌した。中和後の反応液に0.25mol/l 5−(ベンジルチオ)−1H−テトラゾール/アセトニトリル溶液(1.0ml)と脱水トルエン(300μl)の混合溶媒で溶解させた実施例12で合成した化合物(275mg,262μmol)を加えて10分間撹拌した後、5.78mol/l tert−ブチルヒドロペルオキシド/ノナン溶液(45.3μl)を加えて5分間撹拌した。反応終了後の反応液にヘプタン(4.0ml)を加えて分層させて下層を抜き出した後、アセトニトリル(1.0ml)と水(80μl)の混合溶液で洗浄し、得られた有機層を減圧濃縮することで表題の化合物(301mg)を粘性固体として定量的に得た。
(2)5’−O−DMTr−dA Phy −dA Phy −dT−suc−NH−TPBの合成
実施例15−(1)で合成した化合物(301mg,131μmol)と実施例12で合成した化合物(275mg,262μmol)を用いて、実施例15−(1)と同様の方法に従い、表題の化合物(387mg)を粘性固体として定量的に得た。
(3)デオキシアデニリル−[3’→5’]−デオキシアデニリル−[3’→5’]−デオキシチミジン(5’−d[AAT]−3’)の合成
実施例15−(2)で合成した化合物と、28%アンモニア水溶液(4.0ml)をオートクレーブにいれて65℃で16時間加熱した後、反応液を遠心エバポレーターで減圧濃縮した。C−18逆相カートリッジカラムに吸着させた後、0.1mol/l酢酸アンモニウム水溶液で洗浄し、2%トリフルオロ酢酸水溶液により、5’末端の水酸基に結合したジメトキシトリチル基を脱保護し、20%アセトニトリル水溶液で溶出して表題の化合物を得た。
m/z(ESI−MS):Anal.Calc.for C30381215:868.21.Found 867.1(M−H)
実施例16:デオキシグアノシニル−[3’→5’]−デオキシグアノシニル−[3’→5’]−デオキシチミジン(5’−d[GGT]−3’)の合成
(1)5’−O−DMTr−dG Phy −dT−suc−NH−TPBの合成
実施例2で合成した5’−O−DMTr−dT−suc−NH−TPB(201mg,124μmol)と実施例11で合成した化合物(266mg,250μmol)を用いて、実施例15−(1)と同様の方法に従い、表題の化合物(303mg)を粘性固体として定量的に得た。
(2)5’−O−DMTr−dG Phy −dG Phy −dT−suc−NH−TPBの合成
アルゴン雰囲気下、実施例16−(1)で合成した化合物(303mg,124μmol)と実施例11で合成した化合物(265mg,249μmol)を用い、実施例15−(1)と同様の方法に従い、表題の化合物(400.0mg)を粘性固体として定量的に得た。
(3)デオキシグアノシニル−[3’→5’]−デオキシグアノシニル−[3’→5’]−デオキシチミジン(5’−d[GGT]−3’)の合成
実施例16−(2)で合成した化合物(23.8mg,7.37mmol)を用い、実施例15−(3)と同様の方法に従い、表題の化合物を得た。
m/z(ESI−MS):Anal.Calc.for C30381217:900.20.Found 900.8(M+H)
実施例17:デオキシシチジニル−[3’→5’]−デオキシシチジニル−[3’→5’]−デオキシチミジン(5’−d[CCT]−3’)の合成
(1)5’−O−DMTr−dC Phy −dT−suc−NH−TPBの合成
アルゴン雰囲気下、実施例2で合成した5’−O−DMTr−dT−suc−NH−TPB(203mg,125μmol)と実施例3で合成した化合物(260mg,254μmol)を用い、実施例15−(1)と同様の方法に従い、表題の化合物(366.9mg)を粘性固体として定量的に得た。
(2)5’−O−DMTr−dC Phy −dC Phy −dT−suc−NH−TPBの合成
アルゴン雰囲気下、実施例17−(1)で合成した化合物(367mg,125μmol)と実施例3で合成した化合物(262mg,256μmol)を用い、実施例15−(1)と同様の方法に従い、表題の化合物(394mg)を粘性固体として定量的に得た。
(3)デオキシシチジニル−[3’→5’]−デオキシシチジニル−[3’→5’]−デオキシチミジン(5’−d[CCT]−3’)の合成
実施例17−(2)で合成した化合物(20.8mg,6.59mmol)を用い、実施例13−(3)と同様の方法に従って、表題の化合物を得た。
m/z(ESI−MS):Anal.Calc.for C283817:820.2.Found 819.1(M−H)
実施例18:5’−O−DMTr−dT PhyOM −dT PhyOM −dT PhyOM −dT PhyOM −dT PhyOM −dT PhyOM −dT PhyOM −dT PhyOM −dT PhyOM −dT PhyOM −dT PhyOM −dT PhyOM −dT PhyOM −dT PhyOM −dT PhyOM −dT PhyOM −dT PhyOM −dT PhyOM −dT PhyOM −dT−suc−NH−TPBの合成
(1)アルゴン雰囲気下、実施例2で合成した5’−O−DMTr−dT−suc−NH−TPB(208mg,128μmol)を脱水ヘプタン(650μl)と脱水トルエン(650μl)の混合溶媒に溶解させ、トリフルオロ酢酸(26.0μl,350μmol)、1H−ピロール(17.7μl,256μmol)を加えて5分間撹拌した。薄層クロマトグラフィーにより脱保護反応の終了を確認し、ピリジン(28.3μl,350μmol)、N−メチルイミダゾール(13.9μl,175μmol)を加えて5分間撹拌した。中和後の反応液に0.25mol/l 5−(ベンジルチオ)−1H−テトラゾール/アセトニトリル溶液(1.0ml)で溶解させた実施例9で合成した化合物(273mg,256μmol)を加えて10分間撹拌した後、5.78mol/l tert−ブチルヒドロペルオキシド/ノナン溶液(383μmol,66.3μl)を加えて5分間撹拌した。反応終了後の反応液にヘプタン(3.0ml)を加えて分層させて下層を抜き出した後、アセトニトリル(1.0ml)と水(80μl)の混合溶液で洗浄し、得られた有機層を減圧濃縮することで実施例14−(1)で合成した化合物と同一化合物(291mg,98.8%)を粘性固体として得た。
(2)同様の操作を18回繰り返すことにより表題の化合物(1.67g,89.6%)を橙色の固体として得た。
実施例19:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N −(2−エチル−1−ヘキサノイル)−2’−デオキシシチジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト]〔5’−O−DMTr−dC (2Et−Hex) −PA〕の合成
アルゴン雰囲気下、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシシチジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト](20.4g,28.0mmol)をテトラヒドロフラン200mlに溶解し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(7.4g,57.0mmol)、2−エチル−1−ヘキサノイックアシッド無水物(11.4g,42.0mmol)を加えて室温で3日間撹拌した。反応終了後の反応液に酢酸エチルおよび水を加えて抽出した後、酢酸エチル層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧下留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー精製(溶出液;1%トリエチルアミン含有の10:1→1:1ヘプタン−酢酸エチル)し、表題の化合物(15.9g,66.5%)を得た。
実施例20:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N −(3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノイル)−2’−デオキシシチジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト]〔5’−O−DMTr−dC (3,5,5−Me3Hex) −PA〕の合成
(1)N −(3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノイル)−2’−デオキシシチジンの合成
2’−デオキシシチジン(2.3g,10.0mmol)を乾燥ピリジンに懸濁し、減圧濃縮を3回繰り返して共沸脱水した後、乾燥ピリジン60mlに再懸濁し、塩化トリメチルシリル(6.4ml、50mmol)を5分間かけて滴下した。その反応液に3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノイルクロリド(9.5ml,50.0mmol)を5分間かけて加えた。反応終了後、氷冷下、アンモニア水を25ml加え、20分反応後、反応液を減圧濃縮した。濃縮液に水150mlを加え、酢酸エチル100mlで3回抽出した有機層を濃縮して得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題の化合物(4.7g)を得た。
(2)5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N −(3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノイル)−2’−デオキシシチジンの合成
実施例20−(1)で得た化合物(4.7g)を乾燥ピリジンに溶解し、減圧濃縮を3回繰り返して共沸脱水した後、乾燥ピリジン40mlに溶解し、4,4’−ジメトキシトリチルクロリド(3.8g、11.0mmol)を加え30分間撹拌した。反応液に水100mlを加え、酢酸エチル100mlで3回抽出した。有機層を更に水で洗浄した後、減圧濃縮して得た油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題の化合物(5.2g,77.3%)を得た。
(3)5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N −(3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノイル)−2’−デオキシシチジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト]〔5’−O−DMTr−dC (3,5,5−Me3Hex) −PA〕の合成
実施例20−(2)で得た化合物を乾燥アセトニトリル5mlに溶解し、減圧濃縮を3回繰り返して共沸脱水した後、乾燥ジクロロメタン30mlに溶解し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(5.4ml,30.9mmol)を5分かけて滴下し、クロロ−2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト(2.2ml,9.7mmol)のジクロロメタン(30ml)溶液を15分かけて滴下した。室温で30分反応した後、反応液を減圧濃縮して得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール/トリエチルアミン=94/3/3)で精製し、目的物を含むフラクションを濃縮乾固して表題化合物(3.7g,55.3%)を白色固体として得た。
実施例21:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N −(2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ドデカノイル)−2’−デオキシシチジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト]〔5’−O−DMTr−dC (Me6Dodecanoyl) −PA〕の合成
実施例19記載の方法に従い、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシシチジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト](25.6g,35.1mmol)から、2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ドデカノイルクロリド(16.5g,54.5mmol)をアシル化剤として用いて、表題の化合物(16.5g,47.3%)を調製した。
実施例22:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N −(2−ヘプチル−1−ウンデカノイル)−2’−デオキシシチジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト]〔5’−O−DMTr−dC (2−HepUndecanoyl) −PA〕の合成
実施例19記載の方法に従い、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシシチジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト](1.8g,2.5mmol)に、2−ヘプチル−1−ウンデカノイックアシッド無水物(2.1g,3.8mmol)をアシル化剤として反応させた。反応の進行が遅いことから、改めて2−ヘプチル−1−ウンデカノイルクロリド(1.2g,3.8mmol)をアシル化剤として加え、30分反応させた。反応終了後、クロロホルムで抽出し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した有機層を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題の化合物(1.7g,67.5%)を調製した。
実施例23:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N −(2−ヘキシル−1−デカノイル)−2’−デオキシシチジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト]〔5’−O−DMTr−dC (2−HexDecanoyl) −PA〕の合成
実施例19記載の方法に従い、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシシチジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト](20.2g,28.0mmol)から、2−ヘキシル−1−デカノイルクロリド(11.4g,41.0mmol)をアシル化剤として用いることで表題の化合物(12.6g,47.0%)を調製した。
実施例24:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N −n−テトラデカノイル−2’−デオキシシチジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト]〔5’−O−DMTr−dC Myr −PA〕の合成
実施例19記載の方法に従い、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシシチジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト](2.0g,2.7mmol)から、対応するテトラデカノイルクロリド(751mg,3.0mmol)をアシル化剤として用いることで表題の化合物(1.3g,49.2%)を調製した。
実施例25:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N −[ビス(3,7−ジメチル−オクチル)アミノ−メチレン]−2’−デオキシグアノシン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト]〔5’−O−DMTr−dG (N,N−Cit2−methylene) −PA〕の合成
調製例22で得た5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシグアノシン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト](1.0g,1.3mmol)を乾燥ピリジンに懸濁して減圧濃縮を2回繰り返し、更にトルエンに溶解、減圧濃縮して、共沸脱水した。その後、乾燥メタノール(2.6ml)中で、調製例23で合成した化合物と終夜反応させ、減圧濃縮して得た油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(184mg、13.1%)を得た。
実施例26:dA Bz −dC Bz −dA Bz −dT−dG ibu −dC Bz −dA Bz −dT−dT−suc−NH−TPBの合成
(1)dT−dT−suc−NH−TPBの合成
アルゴン雰囲気下、5’−O−DMTr−dT−suc−NH−TPB(225mg,139μmol)を脱水シクロペンチルメチルエーテル(1.0ml)に溶解させ、1H−ピロール(9.6μl,139μmol)を加えて、更に別途調製したトリフルオロメタンスルホン酸(24.4μl,2.78μmol)のシクロペンチルメチルエーテル溶液(2.0ml)を20μl加え、室温で10分間撹拌した。薄層クロマトグラフィーにより脱保護反応の終了を確認し、0.2mol/lN−メチルイミダゾールのシクロペンチルメチルエーテル溶液(14.0μl,176μmol)を加えて中和後、0.3mol/l 4,5−ジシアノイミダゾール/アセトニトリル溶液で溶解させたdT−CE ホスホロアミダイト(5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)デオキシチミジン−3’−[O−(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホロアミダイト)(207mg,278μmol)を加えて10分間撹拌した。その後の反応液に、pH6.8のリン酸バッファー(1.0ml)、過酸化水素水(47μl,417μmol)、ヨウ化カリウム(23.1mg,139μmol)を加えて15分間撹拌した。反応液を10%チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄して得た有機層に1H−ピロール(9.6μl,139μmol)、トリフルオロ酢酸(206μl,2.8mmol)を加え10分間撹拌し、有機層を10%硫酸水素カリウム水溶液、10%炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で洗浄した。得られた有機層を減圧濃縮することで表題の化合物(316mg)を粘性固体として定量的に得た。
(2)dA Bz −dT−dT−suc−NH−TPBの合成
実施例26−(1)で得られた化合物(316mg)をジクロロメタン(2.0ml)に溶解し、0.3mol/l 4,5−ジシアノイミダゾール/アセトニトリル溶液で溶解させたdA−CE ホスホロアミダイト(5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N−ベンゾイル−2’−デオキシアデノシン−3’−[O−(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホロアミダイト)(239mg,278μmol)を加えて10分間撹拌した。その後の反応液に、pH6.8のリン酸バッファー(1.0ml)、ヨウ化カリウム(20.0mg,97.4μmol)、過酸化水素水(16.0μl,139μmol)を加えて15分間撹拌した。反応液を10%チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄して得た有機層に1H−ピロール(9.6μl,139μmol)、トリフルオロ酢酸(206μl,2.8mmol)を加え10分間撹拌し、有機層を10%硫酸水素カリウム水溶液、10%炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で洗浄した。得られた有機層を減圧濃縮することで表題の化合物(442mg)を粘性固体として定量的に得た。
(3)dA Bz −dC Bz −dA Bz −dT−dG ibu −dC Bz −dA Bz −dT−dT−suc−NH−TPBの合成
実施例26−(2)記載の方法を繰り返すことにより表題の化合物を合成した。
実施例27:5’−O−DMTr−dC (2Et−Hex) −dC (2Et−Hex) −dT−suc−NH−TPBの合成
(1)5’−O−DMTr−dC (2Et−Hex) −dT−suc−NH−TPBの合成
5’−O−DMTr−dT−suc−NH−TPB(207mg,127μmol)と実施例19で合成したホスホロアミダイトモノマー(336mg,393μmol)を用い、実施例15−(1)と同様の方法に従い、表題の化合物(226mg,84.9%)を粘性固体として得た。
(2)5’−O−DMTr−dC (2Et−Hex) −dC (2Et−Hex) −dT−suc−NH−TPBの合成
実施例27−(1)と同様の条件で、更に実施例19で合成したホスホロアミダイトモノマーを用いてシチジン誘導体を伸長し、表題の化合物(249mg,90.0%)を得た。
薄層クロマトグラフィー:Rf0.18(展開溶媒=酢酸エチル)
実施例28:5’−O−DMTr−dC (3,5,5−Me3Hex) −dC (3,5,5−Me3Hex) −dC (3,5,5−Me3Hex) −dC (3,5,5−Me3Hex) −dT−suc−NH−TPBの合成
実施例27に記載の方法に基づき、5’−O−DMTr−dT−suc−NH−TPB(198.6mg,122μmol)から実施例20記載のホスホロアミダイトモノマーを用いてシチジン誘導体の伸長を4回繰り返し、表題化合物(314mg,72.2%)を得た。
薄層クロマトグラフィー:Rf0.21(展開溶媒=トルエン/アセトニトリル=9/1(v/v))
実施例29:5’−O−DMTr−dC (2−HepUndecanoyl) −dC (2−HepUndecanoyl) −dC (2−HepUndecanoyl) −dC (2−HepUndecanoyl) −dC (2−HepUndecanoyl) −dC (2−HepUndecanoyl) −dC (2−HepUndecanoyl) −dC (2−HepUndecanoyl) −dC (2−HepUndecanoyl) −dT−suc−NH−TPBの合成
実施例27に記載の方法に基づき、5’−O−DMTr−dT−suc−NH−TPB(203mg,125μmol)から実施例22記載のホスホロアミダイトモノマーを用いてシチジン誘導体の伸長を9回繰り返し、表題化合物(210mg、49.1%)を得た。
薄層クロマトグラフィー:Rf0.13(展開溶媒=酢酸エチル)
実施例30:5’−O−DMTr−dC Myr −dC Myr −dC Myr −dC Myr −dT−suc−NH−TPBの合成
実施例27に記載の方法に基づき、5’−O−DMTr−dT−suc−NH−TPB(102mg,63.1μmol)から実施例24記載のホスホロアミダイトモノマーを用いてシチジン誘導体の伸長を4回繰り返し、表題化合物(199mg、82.2%)を得た。
薄層クロマトグラフィー:Rf0.14(展開溶媒=酢酸エチル)
実施例31:5’−O−DMTr−dC (Me6Dodecanoyl) −dC (Me6Dodecanoyl) −dC (Me6Dodecanoyl) −dC (Me6Dodecanoyl) −dC (Me6Dodecanoyl) −dC Phy −dC Phy −dC Phy −dC Phy −dT−suc−NH−TPBの合成
実施例27に記載の方法に基づき、5’−O−DMTr−dT−suc−NH−TPB(210mg,129μmol)から5’−O−DMTr−dCPhy−PAを用いてシチジン誘導体の伸長を4回繰り返し、5’−O−DMTr−dCPhy−dCPhy−dCPhy−dCPhy−dT−suc−NH−TPBを得た(534mg,97.9%)。更に、実施例27に記載の方法に基づき、実施例21に記載の5’−O−DMTr−dC(Me6Dodecanoyl)−PAを用いてシチジン誘導体を5回伸長し、表題の化合物(598mg,64.6%)を得た。
実施例32:2’−デオキシシチジン−[3’→5’] −2’−デオキシシチジン−[3’→5’]−2’−デオキシシチジン−[3’→5’] −2’−デオキシシチジン−[3’→5’] −2’−デオキシシチジン−[3’→5’] −デオキシシチジン−[3’→5’] −2’−デオキシシチジン−[3’→5’]−2’−デオキシシチジン−[3’→5’] −2’−デオキシシチジン−[3’→5’] −2’−デオキシチミジン〔5’−d(CCCCCCCCCT)−3’〕の合成
実施例31で合成した化合物(20.0mg,2.8μmol)に40%メチルアミン水溶液(2.0ml)および28%アンモニア水(2.0ml)を加えてオートクレーブ中、65℃で1時間反応した。反応液を遠心エバポレーターで減圧濃縮し、C−18逆相カートリッジカラムに吸着させた後、0.1mol/l酢酸アンモニウム水溶液で洗浄し、2%トリフルオロ酢酸水溶液により、5’末端の水酸基に結合したジメトキシトリチル基を脱保護し、20%アセトニトリル水溶液で溶出して表題の化合物を得た。
IEX−HPLC(DNA Pac PA200(4×250mm)),flow rate 1ml/min, eluent A 20mM Tris−HCl(pH7.5),eluent B 400mM NaClO/20mM Tris−HCl(pH7.5), gradient 20% to 70% for 30min, λ=260nm: RT=6.68min(94.0area%)
MALDI−TOF/MS:2843.87[M−H]
実施例33:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−イル−N−[2,3,4−トリス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリル]スクシナメートの合成
5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−O−スクシネートのトリエチルアミン塩(3.52g,4.63mmol)、調製例24で得た2,3,4−トリス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリルアミン(2.92g,2.73mmol)を用い、実施例1−(2)と同様の方法に従い、反応溶液の濾液を得た。該濾液を減圧濃縮して得たオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=75:25〜50/50(v/v),3%トリエチルアミンを含む)で精製し、表題の化合物(3.60g,77.6%)を油状物として得た。
実施例34:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−イル−N−[4,4’−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリル]スクシナメートの合成
5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−O−スクシネートのトリエチルアミン塩(2.88g,3.79mmol)、調製例25で得た4,4’−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリルアミン(1.73g,2.23mmol)を用い、実施例1−(2)と同様の方法に従い、反応溶液の濾液を得た。該濾液を減圧濃縮して得たオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜30/70(v/v),3%トリエチルアミンを含む)で精製し、表題の化合物(1.87g,59.8%)を油状物として得た。
実施例35:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−イル−N−[3,5−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジル]スクシナメートの合成
5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−O−スクシネートのトリエチルアミン塩(2.84g,3.74mmol)、調製例26で得た3,5−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジルアミン(1.54g,2.20mol)を用い、実施例1−(2)と同様の方法に従い、反応溶液の濾液を得た。該濾液を減圧濃縮して得たオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=90:10〜20/80(v/v),1%トリエチルアミンを含む)で精製し、表題の化合物(0.97g,33%)を油状物として得た。
実施例36:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−イル−N−[2,3,4−トリス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリル]スクシナメートを用いた2’−デオキシチミジニル−[3’→5’]−2’−デオキシチミジン(5’−d[TT]−3’)の合成
(1)5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−[O−(2−シアノエチル)]ホスホリル−2’−デオキシチミジン−3’−イル−N−[2,3,4−トリス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリル]スクシナメートの合成

実施例33で合成した化合物(199.0mg,117.1μmol)とdT−CE ホスホロアミダイト試薬(5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)デオキシチミジン−3’−[O−(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホロアミダイト)(223.8mg,0.30mmol)を用い、実施例18−(1)と同様の方法に従い、表題の化合物(213.8mg,88.1%)を粘性油状物として得た。
(2)2’−デオキシチミジニル−[3’→5’]−2’−デオキシチミジン(5’−d[TT]−3’)の合成
実施例36−(1)で合成した化合物(約50mg)に28%アンモニア水溶液:40%メチルアミン水溶液=1:1(v/v)の混合液(5.0ml)を加え、室温にて1時間インキュベートした。反応液を遠心エバポレータで濃縮し、得られた粗生成物をC−18逆相カートリッジカラムに吸着させた後、0.1mol/l酢酸アンモニウム水溶液で洗浄し、2%トリフルオロ酢酸水溶液により5’末端の水酸基に結合したジメトキシトリチル基を脱保護し、20%アセトニトリル水溶液で溶出して表題の化合物を得た。
m/z(ESI−MS):Anal.Calc.for C202712P:546.12 Found 545.1(M−H)
実施例37:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−イル−N−[2,3,4−トリス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリル]スクシナメートを用いた2’−メトキシウリジニル−[3’→5’]−2’−デオキシチミジン(5’−U(M)dT−3’)の合成
(1)5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−メトキシウリジン−3’−[O−(2−シアノエチル)]ホスホリル−2’−デオキシチミジン−3’−イル−N−[2,3,4−トリス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリル]スクシナメートの合成

実施例33で合成した化合物(200.4mg,117.9μmol)と2’−OMe−U−CE ホスホロアミダイト試薬(5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−メトキシウリジン−3’−[O−(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホロアミダイト)(222.3mg,0.30mmol)を用い、実施例18−(1)と同様の用法に従い、表題の化合物(219.1mg,89.2%)を粘性油状物として得た。
(2)2’−メトキシウリジニル−[3’→5’]−2’−デオキシチミジン(5’−U(M)dT−3’)の合成

実施例37−(1)で合成した化合物(約50mg)を用い、実施例36−(2)と同様の方法に従い、表題の化合物を得た。
m/z(ESI−MS):Anal.Calc.for C202713P:562.13 Found 561.1(M−H)
実施例38:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−イル−N−[4,4’−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリル]スクシナメートを用いた2’−デオキシチミジニル−[3’→5’]−2’−デオキシチミジン(5’−d[TT]−3’)の合成
(1)5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−[O−(2−シアノエチル)]ホスホリル−2’−デオキシチミジン−3’−イル−N−[4,4’−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリル]スクシナメートの合成

実施例34で合成した化合物(200.1mg,0.14mmol)と2’−dT−CE ホスホロアミダイト試薬(5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−[O−(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホロアミダイト)(267.3mg,0.36mmol)を用い、実施例18−(1)と同様の方法に従い、表題の化合物(154.3mg,61.0%)を粘性油状物として得た。
(2)2’−デオキシチミジニル−[3’→5’]−2’−デオキシチミジン(5’−d[TT]−3’)の合成
実施例38−(1)で合成した化合物(約50mg)を用い、実施例36−(2)と同様の方法に従い、表題の化合物を得た。
m/z(ESI−MS):Anal.Calc.for C202712P:546.12 Found 545.1(M−H)
実施例39:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−イル−N−[4,4’−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリル]スクシナメートを用いた2’−メトキシウリジニル−[3’→5’]−2’−デオキシチミジン(5’−U(M)dT−3’)の合成
(1)5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−メトキシウリジン−3’−[O−(2−シアノエチル)]ホスホリル−2’−デオキシチミジン−3’−イル−N−[4,4’−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンズヒドリル]スクシナメートの合成

実施例34で合成した化合物(201.7mg,0.14mmol)と2’−OMe−U−CE ホスホロアミダイト試薬(5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−メトキシウリジン−3’−[O−(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホロアミダイト)(278.9mg,0.37mmol)を用い、実施例18−(1)と同様の方法に従い、表題の化合物(137.3mg,53.3%)を粘性油状物として得た。
(2)2’−メトキシウリジニル−[3’→5’]−2’−デオキシチミジン(5’−U(M)dT−3’)の合成
実施例39−(1)で合成した化合物(約50mg)を用い、実施例36−(2)と同様の方法に従い、表題の化合物を得た。
m/z(ESI−MS):Anal.Calc.for C202713P:562.13 Found 561.1(M−H)
実施例40:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−イル−N−[3,5−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジル]スクシナメートを用いた2’−デオキシチミジニル−[3’→5’]−2’−デオキシチミジン(5’−d[TT]−3’)の合成
(1)5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−[O−(2−シアノエチル)]ホスホリル−2’−デオキシチミジン−3’−イル−N−[3,5−ビス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジル]スクシナメートの合成

実施例35で合成した化合物(196.7mg,0.15mmol)と2’−dT−CE ホスホロアミダイト試薬(5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−[O−(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホロアミダイト)(288.2mg,0.39mmol)を用い、実施例18−(1)と同様の方法に従い、表題の化合物(76.7mg,30.5%)を粘性油状物として得た。
(2)2’−デオキシチミジニル−[3’→5’]−2’−デオキシチミジン(5’−d[TT]−3’)の合成

実施例40−(1)で合成した化合物(約50mg)を用い、実施例36−(2)と同様の方法に従い、表題の化合物を得た。
m/z(ESI−MS):Anal.Calc.for C202712P:546.12 Found 545.1(M−H)
実施例41:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−イル−N−[3,4,5−トリス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジル]スクシナメートを用いた2’−デオキシ−2’−フルオロウリジニル[3’→5’]−2’−デオキシチミジン(5’−U(F)dT−3’)の合成
(1)5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシ−2’−フルオロウリジン−3’−[O−(2−シアノエチル)]ホスホリル−2’−デオキシチミジン−3’−イル−N−[3,4,5−トリス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジル]スクシナメートの合成

実施例2で合成した化合物(202.4mg,0.13mmol)と調製例27で得た2’−F−U−CE ホスホロアミダイト試薬(5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシ−2’−フルオロウリジン−3’−[O−(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホロアミダイト)(291.5mg,0.39mmol)を用い、実施例18−(1)と同様の方法に従い、表題の化合物(198.9mg,78.8%)を粘性油状物として得た。
(2)2’−デオキシ−2’−フルオロウリジニル[3’→5’]−2’−デオキシチミジン(5’−U(F)dT−3’)の合成

実施例41−(1)で合成した化合物(約50mg)実施例36−(2)と同様の方法に従い、表題の化合物を得た。
m/z(ESI−MS):Anal.Calc.for C1924FN12P:550.11 Found 549.1(M−H)
実施例42:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−イル−N−[3,4,5−トリス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジル]スクシナメートを用いた2’−O,4’−C−メチレンチミジニル[3’→5’]−2’−デオキシチミジン(5’−(LNA)TdT−3’)の合成
(1)5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O,4’−C−メチレンチミジン−3’−[O−(2−シアノエチル)]ホスホリル−2’−デオキシチミジン−3’−イル−N−[3,4,5−トリス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジル]スクシナメートの合成

実施例2で合成した化合物(197.8mg,0.13mmol)とLNA−T−CE ホスホロアミダイト試薬(5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O,4’−C−メチレンチミジン−3’−[O−(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホロアミダイト)(250.7mg,0.32mmol)を用い、実施例18−(1)と同様の方法に従い、表題の化合物(220.3mg,88.3%)を粘性油状物として得た。
(2)2’−O,4’−C−メチレンチミジニル[3’→5’]−2’−デオキシチミジン(5’−(LNA)TdT−3’)の合成

実施例42−(1)で合成した化合物(約50mg)に対して、28%アンモニア水溶液に10%(v/v)tert−ブチルアミンを溶解した溶液(5.0ml)を加え、オートクレーブ中で65℃に加熱し終夜反応させた。反応液を遠心エバポレータで濃縮し、得られた粗生成物をC−18逆相カートリッジカラムに吸着させた後、0.1mol/l酢酸アンモニウム水溶液で洗浄し、2%トリフルオロ酢酸水溶液により5’末端の水酸基に結合したジメトキシトリチル基を脱保護し、20%アセトニトリル水溶液で溶出して表題の化合物を得た。
m/z(ESI−MS):Anal.Calc.for C212713P:574.13 Found 573.1(M−H)
実施例43:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N −[4−(2,3-ジヒドロフィチルオキシ)ベンゾイル]−2’−O,4’−C−メチレンチミジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト]の合成
(1)4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンゾイックアシッドの合成
調製例20と同様の方法に従い、調製例2に記載の2,3−ジヒドロフィチルブロミドおよびメチル(4−ヒドロキシ)ベンゾエートを用いて表題化合物を調製した。
1H−NMR(400MHz,CDCl):δ0.83−0.98(m,15H),1.01−1.92(m,24H),4.01−4.12(m,2H),6.91−6.96(m,2H),8.03−8.08(m,2H)
(2)4−(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンゾイルクロリドの合成
上記実施例43−(1)で調製したベンゾイックアシッド化合物を実施例4−(1)と同様の方法に従い、対応する酸クロリドへ変換し、油状化合物として得た。本化合物はそのまま次工程に使用した。
(3)5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N −[4−(2,3-ジヒドロフィチルオキシ)ベンゾイル]−2’−O,4’−C−メチレンチミジン−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト]の合成
市販のLNA−T−CE ホスホロアミダイト試薬(5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O,4’−C−メチレンチミジン−3’−[O−(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−ホスホロアミダイト)(701.7mg,0.91mmol)を脱水ピリジン(5.0ml)に溶解した後減圧濃縮する操作を3回繰り返し、付着水を共沸脱水した。その後、アルゴン雰囲気下、脱水ピリジン(8.0ml)を加えて溶解し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.17ml,1.12mmol)および上記実施例42-(2)で調製した酸クロリド(0.6g,1.36mmol)を加えて室温にて9時間撹拌した。反応液に酢酸エチル(50ml)および水(10ml)を加えて分層し、有機層を10%炭酸水素ナトリウム水溶液で3回、20%食塩水で1回洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した濾液を濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜30:70,1%トリエチルアミン含む)で精製し、目的のフラクションを集めて濃縮、濃縮残渣をトルエンを用いて共沸し、乾固することで表題化合物(0.77g,65.5%)を得た。
実施例44:2’−O,4’−C−メチレンチミジニル[3’→5’]−2’−デオキシチミジン(5’−(LNA)TdT−3’)の合成
(1)5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O,4’−C−メチレンチミジン−3’−[O−(2−シアノエチル)]ホスホリル−2’−デオキシチミジン−3’−イル−N−[3,4,5−トリス(2,3−ジヒドロフィチルオキシ)ベンジル]スクシナメートの合成
実施例2で合成した化合物(200mg,0.12mmol)および実施例43で合成したホスホロアミダイトモノマー(362mg,0.31mmol)を用い、実施例18−(1)と同様の方法に従い、表題化合物(295mg,99.4%)を合成した。
(2)2’−O,4’−C−メチレンチミジニル[3’→5’]−2’−デオキシチミジン(5’−(LNA)TdT−3’)の合成

実施例44−(1)で合成した化合物(約20mg)を実施例32と同様の方法に従って処理し、脱保護およびアンカーからの切出しを行って、表題の化合物を得た。
m/z(ESI−MS):Anal.Calc.for C212713P:574.13 Found 573.1(M−H)
比較例1 5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−[O−(2−シアノエチル)]ホスホリル−N −イソブチリル−2’−デオキシグアノシン−3’−[O−(2−シアノエチル)]ホスホリル−N −ベンゾイル−2’−デオキシシチジン−3’−[O−(2−シアノエチル)]ホスホリル−N −ベンゾイル−2’−デオキシアデノシン−3’−[O−(2−シアノエチル)]ホスホリル−2’−デオキシチミジン−3’−[O−(2−シアノエチル)]ホスホリル−2’−デオキシチミジン−3’−イル−[3,4,5−トリス(3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカニルオキシ)ベンジル]スクシネートの合成
アルゴン雰囲気下、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−イル−[3,4,5−トリス(3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカニルオキシ)ベンジル]スクシネート(509mg,313μmol)を脱水ヘプタン(3.6ml)と脱水トルエン(3.6ml)の混合溶媒に溶解させ、トリフルオロ酢酸(279μl,3.76mmol)、1H−ピロール(217μl,3.13mmol)を加えて15分間撹拌した。薄層クロマトグラフィーにより脱保護反応の終了を確認し、アセトニトリル(1.2ml)、ピリジン(304μl,3.76mmol)およびN−メチルイミダゾール(149μl,1.88mmol)を加えて5分間撹拌した。中和後の反応液に5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)(466mg、626μmol)のアセトニトリル溶液(1.2ml)を加えて1時間撹拌した後、2,6−ルチジン(350μl)、N−メチルイミダゾール(350μl)、無水酢酸(350μl)を加えて5分間撹拌し、1.0M ヨウ素 ピリジン/THF/HO溶液(1.25ml)を加えて室温で10分間攪拌した。反応終了後の反応液にヘプタン(7.2ml)および水(480μl)を加えて分層させて下層を抜き出した後、更にヘプタン層を含水アセトニトリルで洗浄し、得られた有機層を減圧濃縮することで、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−[O−(2−シアノエチル)]ホスホリル−デオキシチミジン−3’−イル−[3,4,5−トリス(3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデカニルオキシ)ベンジル]スクシネート(620mg,99.8%)を得た。
目的物の核酸塩基配列に従って、相当する市販のホスホロアミダイトモノマーを用いて同様の操作を回繰り返すことにより表題の化合物を合成した。デオキシグアノシンを伸長したところで生成物の脂溶性が不十分となり、抽出操作後の収率が90%に低下した。また、更にデオキシチミジンを伸長させる際にヘプタン/トルエン混合溶媒へ溶解しきらず、反応、抽出後の収率は85%に低下した。下表に各段階で使用したホスホロアミダイトモノマーと収率を記した。
比較例2:5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−イル−N−(3,4,5−トリス(オクタデシルオキシ)ベンジル)スクシナメートの合成
(1)5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−O−スクシネートの合成
アルゴン雰囲気下、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン(5.00g,9.18mmol)、コハク酸無水物(1.38g,13.8mmol)、トリエチルアミン(3.85mL,27.5mmol)をジクロロメタン(95mL)に溶解して室温で8時間攪拌した。薄層クロマトグラフィーで反応の完結を確認した後、2.0M リン酸−トリエチルアミン バッファー(pH 7.50)で3回分液洗浄した後、有機層を減圧留去し、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)デオキシチミジン−3’−O−スクシネートのトリエチルアミン塩(7.02g,98%)を無色の泡状固体として得た。
(2)5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−イル−N−(3,4,5−トリス(オクタデシルオキシ)ベンジル)スクシナメートの合成
5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシチミジン−3’−O−スクシネートのトリエチルアミン塩(1.45g,1.94mmol)、3,4,5−トリス(オクタデシルオキシ)ベンジルアミン(1.02g,1.10mmol)を脱水ジクロロメタン(15mL)に溶解させ、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート[HBTU](2.53g,6.60mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.17mL、6.60mmol)を加えて室温で1時間撹拌した。薄層クロマトグラフィーにて原料の消失を確認した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後に濾過し、濾液を減圧濃縮した。濃縮液にメタノールを添加後、濾過して得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール,1%v/v トリエチルアミン)で精製し表題の化合物(1.22g,72.4%)を白色固体として得た。
以下、表2〜表13に、調製例1〜27、実施例1、2、4〜12、19〜25、33〜35、43、比較例2で製造された化合物構造式と化合物データを記載する。
試験例1:3’位水酸基保護ヌクレオシドの溶解度試験
本発明を代表する化合物である、5’位水酸基がジメトキシトリチル基で保護され、3’位水酸基が分岐鎖含有芳香族保護基で保護されたチミジン(実施例2)と、その比較対象としての5’位水酸基がジメトキシトリチル基で保護され、3’位水酸基が対応する直鎖構造を含有する基で保護されたチミジン(比較例2)の下記表2に示す20℃における溶解度(=溶質/(溶媒+溶質)×100)(質量%)を測定した。
[溶解度測定方法]
1)溶媒100質量部に、溶質100質量部を添加し、20℃で飽和させた。
2)目視で、溶質が残存している場合には、上澄液を下記HPLC条件で定量分析し、濃度を決定し、溶解度(=溶質/(溶媒+溶質)×100)(質量%)とした。
3)目視で、溶質が残存していない場合には、>50質量%とした。
[HPLC分析条件]
使用機器:日立高速液体クロマトグラフィーLaChrom Elite L−2000シリーズ
カラム:YMC−PACK 5μm 150×4.6mm
カラム温度:40℃
溶離液:THF/CHCN/H
流速:1.0ml/min
本発明の反応溶媒、抽出溶媒に好適に使用され、最も代表的な非極性溶媒であるヘプタン、並びにヘプタンに極性の異なる非極性溶媒であるトルエン、極性溶媒であるアセトニトリルを適宜混合した溶媒に対して、公知のヌクレオチド3’−水酸基の保護基(特開2010−275254号公報記載)に類似する直鎖構造を有する基で保護されたヌクレオシドに比較して、ヌクレオシド3’位水酸基が分岐鎖含有芳香族保護基で保護された分岐鎖含有芳香族保護ヌクレオシドは、顕著な溶解度を示すことが分かった。
本発明の特定の塩基部保護オリゴヌクレオチドにより、効率的かつ高収率に、液−液抽出操作で精製可能な、ホスホロアミダイト法によるオリゴヌクレオチド製造方法を提供できるようになった。
本発明の塩基部保護オリゴヌクレオチドを用いることにより、ヌクレオチド伸長反応の各工程で得られる中間体のオリゴヌクレオチドの脂溶性及び有機溶媒(特に、非極性溶媒)に対する溶解性が格段に向上し、抽出操作のみで単離精製が可能となるため、固化単離などの煩雑で時間を要する操作を必要とせず、スピードが向上し、高重合度のオリゴヌクレオチド合成の効率性・生産性が格段に向上する。
さらに、(1)一時保護基で保護された5’末端水酸基の脱保護工程、(2)塩基部保護オリゴヌクレオチド添加による5’末端への伸長工程、および(3)ホスファイトトリエステル部位の酸化工程または硫化工程を含むヌクレオチド伸長反応に、本発明の脂溶性及び有機溶媒(特に、非極性溶媒)に対する溶解性が付与された塩基部保護(オリゴ)ヌクレオチドを用いて、一時保護基で保護された5’末端水酸基の脱保護反応中または脱保護反応後に特定のカチオン捕捉剤を添加すること、脱保護反応終了後に中和処理を施すこと、および酸化工程または硫化工程で特定の酸化剤または硫化剤を使用することにより、工程(1)、(2)及び(3)を液中で行うことが可能になり、ヌクレオチドが伸長したオリゴヌクレオチドを抽出操作のみで単離精製できるため、反応装置から生成物を取り出すことなく、次サイクルの伸長反応に繋げることができ、ワンポットでオリゴヌクレオチドの製造が連絡的に行えるようになった。
また、本発明のオリゴヌクレオチドの製造方法は、従来の液相法に比べても、オリゴヌクレオチドの配列および鎖長によらず、非極性溶媒中に安定的に溶解・移行させられるため、工程上では単離・精製工程を簡便化でき、総合的には高純度・高収率を確保できるという利点を有する。
本出願は、日本で出願された特願2012−033429及び特願2012−254718を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含されるものである。

Claims (21)

  1. 一般式(I):
    (式中、qは、0以上の任意の整数を示し;

    q+1個のBaseは、独立してそれぞれ、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されている核酸塩基を示し;
    は、水素原子、または酸性条件下で除去可能な一時保護基を示し;
    Xは、水素原子、保護されていてもよい水酸基、ハロゲン原子又は4位炭素原子に架橋する有機基を示し;
    q個のX’は、独立してそれぞれ、水素原子、保護されていてもよい水酸基、ハロゲン原子又は4位炭素原子に架橋する有機基を示し;
    q+1個のPは、独立してそれぞれ、塩基性条件下で除去可能な保護基を示し;
    q個のR34は、独立してそれぞれ、酸素原子もしくは硫黄原子を示し;
    及びRは、独立してそれぞれ、C1−6アルキル基を示すか、または隣接する窒素原子と一緒になって形成する、5または6員の飽和環状アミノ基を示す。)
    で表される、塩基部保護オリゴヌクレオチド。
  2. qが0である、請求項1記載の塩基部保護オリゴヌクレオチド。
  3. 5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基が、
    式(k):
    (式中、は、核酸塩基との結合位置を示し;
    27は、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示す。)
    で表される基、
    式(l):
    (式中、は、核酸塩基との結合位置を示し;
    は、−O−、−S−または−NR30−(式中、R30は、水素原子またはC1−22アルキル基を示す。)を示し;
    及びRは、独立してそれぞれ、水素原子またはC1−22アルキル基を示し;
    28は、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示す。)
    で表される基、
    式(m):
    (式中、は、核酸塩基との結合位置を示し;
    lは、1〜5の整数を示し;
    l個のQは、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−O−CH−、−NH−、−NHC(=O)−、−C(=O)NH−、−NH−CH−又は−CH−を示し;
    l個のR29は、独立してそれぞれ、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示し;
    環Cは、l個のQ29、およびC=Oに加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよいベンゼン環又はシクロヘキサン環を示す。)で表される基、または
    式(s):
    (式中、は、核酸塩基のアミノ基とイミノ結合を形成する位置を示し;
    35及びR36は、独立してそれぞれ、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を示す。)で表される基
    である、請求項1または2に記載の塩基部保護オリゴヌクレオチド。
  4. 27、R28、l個のR29、R35及びR36が、独立してそれぞれ、2,6,10,14−テトラメチルペンタデシル基、2,6,10−トリメチルウンデシル基、2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−5−ウンデシル基、2,6,10−トリメチルウンデカ−1,5,9−トリエニル基、2,6−ジメチルヘプチル基、2,6−ジメチルヘプタ−5−エニル基、2,6−ジメチルヘプタ−1,5−ジエニル基、9−ノナデシル基、12−メチルトリデシル基、11−メチルトリデシル基、11−メチルドデシル基、10−メチルウンデシル基、8−ヘプタデシル基、7−ペンタデシル基、7−メチルオクチル基、3−メチルオクチル基、3,7−ジメチルオクチル基、3−メチルヘプチル基、3−エチルヘプチル基、5−ウンデシル基、2−ヘプチル基、2−メチル−2−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘプチル基、4−ヘプチル基、4−メチル−ペンチル基、3−メチル−ペンチル基、及び2,4,4−トリメチルペンチル基からなる群から選択される分岐鎖アルキル基又は分岐鎖アルケニル基;あるいは、テトラデシル基、トリデシル基、ドデシル基、ウンデシル基、デシル基、ノニル基、オクチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、及びペンチル基からなる群から選択される直鎖アルキル基である、請求項3に記載の塩基部保護オリゴヌクレオチド。
  5. 5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基が、C5−30分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30分岐鎖アルケニル基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の塩基部保護オリゴヌクレオチド。
  6. が、モノメトキシトリチル基、またはジメトキシトリチル基である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の塩基部保護オリゴヌクレオチド。
  7. (2)3’位水酸基がホスホロアミダイト化され、5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護され、かつ核酸塩基がC5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されたp個重合塩基部保護オリゴヌクレオチド(pは、1以上の任意の整数を示す。)を、5’位水酸基が保護されておらず、かつ3’位水酸基が保護されたn個重合オリゴヌクレオチド(nは、1以上の任意の整数を示す。)と、その5’位水酸基を介してホスファイトトリエステル結合により縮合させる工程を含む、n+p個重合オリゴヌクレオチドの製造方法。
  8. pが1である、請求項7記載の製造方法。
  9. 更に、下記工程(3)を含有する、請求項7または8に記載の製造方法。
    (3)縮合工程(2)の反応液に、酸化剤または硫化剤を添加して、縮合工程で得られたn+p個重合オリゴヌクレオチドのホスファイトトリエステル結合を、ホスフェートトリエステル結合またはチオホスフェートトリエステル結合へと変換する工程。
  10. 更に、下記工程(1)を含有する、請求項7〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
    (1)縮合工程(2)の前に、非極性溶媒中において、3’位水酸基が保護され、かつ5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護されたn個重合オリゴヌクレオチドを酸と反応させて5’位水酸基の一時保護基を除去する工程。
  11. 工程(1)が、ピロール誘導体およびインドール誘導体から選択される少なくとも一種のカチオン捕捉剤の存在下に行われ、5’位水酸基の一時保護基を除去した後、有機塩基により中和する工程をさらに含む、請求項10に記載の製造方法。
  12. 更に、下記工程(4)を含有する、請求項9〜11のいずれか一項に記載の製造方法。
    (4)工程(3)で得られた反応液から抽出操作のみで、n+p個重合オリゴヌクレオチドを単離する工程。
  13. 更に、下記工程(5)を含有する、請求項12に記載の製造方法。
    (5)工程(4)で得られたn+p個重合オリゴヌクレオチドの保護基を全て除去する工程。
  14. 3’位水酸基がホスホロアミダイト化され、5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護され、かつ核酸塩基がC5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されたp個重合塩基部保護オリゴヌクレオチドが、請求項1〜6のいずれか一項に記載の塩基部保護オリゴヌクレオチドである、請求項7〜13のいずれか一項に記載の製造方法。
  15. n個重合オリゴヌクレオチドの3’位水酸基が、
    一般式(III):
    [式中、
    Lは、式(a1):
    (式中、は、Yとの結合位置を示し;**は、ヌクレオチド3’位水酸基との結合位置を示し;

    は、置換されていてもよい2価のC1−22炭化水素基を示し;かつ
    は、単結合を示すか、または**C(=O)N(R)−R−N(R***(式中、**は、Lとの結合位置を示し、***は、C=Oとの結合位置を示し、Rは、置換されていてもよいC1−22アルキレン基を示し、RおよびRは、独立してそれぞれ、水素原子もしくは置換されていてもよいC1−22アルキル基を示すか、またはRおよびRが一緒になって、置換されていてもよいC1−22アルキレン結合を形成していてもよい。)で表される基を示す。)で示される基を示し、
    Yは、酸素原子、またはNR(Rは、水素原子、アルキル基またはアラルキル基を示す。)を示し、ならびに
    Zは、式(a2):
    [式中、は、Yとの結合位置を示し;
    は、水素原子であるか、あるいはRが下記式(a3)で表される基である場合には、Rと一緒になって単結合または−O−を示して、環Bと共にフルオレニル基またはキサンテニル基を形成していてもよく;
    k個のQは、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−または−NH−を示し;
    k個のRは、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;
    kは、1〜4の整数を示し;
    環Aは、R、k個のQR、およびC(R)(R)に加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよく;
    は、水素原子を示し;かつ
    は、水素原子または式(a3):
    (式中、は結合位置を示し;
    jは、0〜4の整数を示し;
    j個のQは、独立してそれぞれ、前記と同意義を示し;
    j個のRは、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;
    は、水素原子を示すか、またはRと一緒になって単結合または−O−を示して、環Aと共にフルオレニル基またはキサンテニル基を形成していてもよく;かつ
    環Bは、j個のQR、およびRに加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよい)で表される基を示す。]
    で表される基により保護されている、請求項7〜14のいずれか一項に記載の製造方法。
  16. n個重合オリゴヌクレオチドの少なくとも1つの核酸塩基が、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されている、請求項7〜15のいずれか一項に記載の製造方法。
  17. 5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基が、C5−30分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30分岐鎖アルケニル基である、請求項7〜16のいずれか一項に記載の製造方法。
  18. 一般式(II):
    [式中、mは、0以上の任意の整数を示し;

    m+1個のBaseは、独立してそれぞれ、保護されていてもよい核酸塩基を示し;
    は、水素原子、または酸性条件下で除去可能な一時保護基を示し;
    Xは、水素原子、保護されていてもよい水酸基、ハロゲン原子又は4位炭素原子に架橋する有機基を示し;
    m個のX’は、独立してそれぞれ、水素原子、保護されていてもよい水酸基、ハロゲン原子又は4位炭素原子に架橋する有機基を示し;
    m個のPは、独立してそれぞれ、塩基性条件下で除去可能な保護基を示し;
    m個のR34は、独立してそれぞれ、酸素原子もしくは硫黄原子を示し;
    Lは、式(a1):
    (式中、は、Yとの結合位置を示し;**は、ヌクレオチド3’位水酸基との結合位置を示し;

    は、置換されていてもよい2価のC1−22炭化水素基を示し;かつ
    は、単結合を示すか、または**C(=O)N(R)−R−N(R***(式中、**は、Lとの結合位置を示し、***は、C=Oとの結合位置を示し、Rは、置換されていてもよいC1−22アルキレン基を示し、RおよびRは、独立してそれぞれ、水素原子もしくは置換されていてもよいC1−22アルキル基を示すか、またはRおよびRが一緒になって、置換されていてもよいC1−22アルキレン結合を形成していてもよい。)で表される基を示す。)で示される基を示し、
    Yは、酸素原子、またはNR(Rは、水素原子、アルキル基またはアラルキル基を示す。)を示し、ならびに
    Zは、式(a2):
    [式中、は、Yとの結合位置を示し;
    は、水素原子であるか、あるいはRが下記式(a3)で表される基である場合には、Rと一緒になって単結合または−O−を示して、環Bと共にフルオレニル基またはキサンテニル基を形成していてもよく;
    k個のQは、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−または−NH−を示し;
    k個のRは、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;
    kは、1〜4の整数を示し;
    環Aは、R、k個のQR、およびC(R)(R)に加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよく;
    は、水素原子を示し;かつ
    は、水素原子または式(a3):
    (式中、は結合位置を示し;
    jは、0〜4の整数を示し;
    j個のQは、独立してそれぞれ、前記と同意義を示し;
    j個のRは、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;
    は、水素原子を示すか、またはRと一緒になって単結合または−O−を示して、環Aと共にフルオレニル基またはキサンテニル基を形成していてもよく;かつ
    環Bは、j個のQR、およびRに加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよい)で表される基を示す。]
    で表される、分岐鎖含有芳香族保護オリゴヌクレオチド。
  19. mが0である、請求項18記載の分岐鎖含有芳香族保護オリゴヌクレオチド。
  20. 核酸塩基の少なくとも1つが、C5−30直鎖又は分岐鎖アルキル基及び/又はC5−30直鎖又は分岐鎖アルケニル基を有する基で保護されている、請求項18または19に記載の分岐鎖含有芳香族保護オリゴヌクレオチド。
  21. (2’)3’位水酸基がホスホロアミダイト化され、5’位水酸基が酸性条件下で除去可能な一時保護基で保護され、かつ核酸塩基が保護されていてもよいp’個重合オリゴヌクレオチド(p’は、1以上の任意の整数を示す。)を、5’位水酸基が保護されておらず、かつ3’位水酸基が、
    一般式(III):
    [式中、
    Lは、式(a1):
    (式中、は、Yとの結合位置を示し;**は、ヌクレオチド3’位水酸基との結合位置を示し;

    は、置換されていてもよい2価のC1−22炭化水素基を示し;かつ
    は、単結合を示すか、または**C(=O)N(R)−R−N(R***(式中、**は、Lとの結合位置を示し、***は、C=Oとの結合位置を示し、Rは、置換されていてもよいC1−22アルキレン基を示し、RおよびRは、独立してそれぞれ、水素原子もしくは置換されていてもよいC1−22アルキル基を示すか、またはRおよびRが一緒になって、置換されていてもよいC1−22アルキレン結合を形成していてもよい。)で表される基を示す。)で示される基を示し、
    Yは、酸素原子、またはNR(Rは、水素原子、アルキル基またはアラルキル基を示す。
    )を示し、ならびに
    Zは、式(a2):
    [式中、は、Yとの結合位置を示し;
    は、水素原子であるか、あるいはRが下記式(a3)で表される基である場合には、Rと一緒になって単結合または−O−を示して、環Bと共にフルオレニル基またはキサンテニル基を形成していてもよく;
    k個のQは、独立してそれぞれ、単結合を示すか、あるいは−O−、−S−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−または−NH−を示し;
    k個のRは、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;
    kは、1〜4の整数を示し;
    環Aは、R、k個のQR、およびC(R)(R)に加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよく;
    は、水素原子を示し;かつ
    は、水素原子または式(a3):
    (式中、は結合位置を示し;
    jは、0〜4の整数を示し;
    j個のQは、独立してそれぞれ、前記と同意義を示し;
    j個のRは、独立してそれぞれ、分岐鎖を1以上有する脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、かつ総炭素数14以上300以下である有機基を示し;
    は、水素原子を示すか、またはRと一緒になって単結合または−O−を示して、環Aと共にフルオレニル基またはキサンテニル基を形成していてもよく;かつ
    環Bは、j個のQR、およびRに加えて、さらにハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルキル基、および1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよい)で表される基を示す。]
    で表される保護基で保護されたn’個重合オリゴヌクレオチド(n’は、1以上の任意の整数を示す。)と、その5’位水酸基を介してホスファイトトリエステル結合により縮合させる工程を含む、n’+p’個重合オリゴヌクレオチドの製造方法。
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