JP7140111B2 - オリゴヌクレオチドの製造方法 - Google Patents
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Description
現在では、ホスホロアミダイト法による固相合成法のプロセス最適化及び自動化が進んでいるため、該合成法がスピード面で有利であり、最も汎用されている。しかし、固相合成法は、設備制約上スケールアップに制限があり、試薬及び原料を過剰に必要とする。また、固相合成法では、反応の進行状況の確認、中間体構造の解析等が困難である。
3’方向へも、5’方向へもヌクレオチドを伸長できる液相合成法として、擬似固相保護基を核酸塩基部に導入した合成法が報告されている(例えば、特許文献3参照)。
[式中、*は、核酸塩基との結合位置を示し、
R1は、それぞれ独立して、C1-40アルキル基、C2-40アルケニル基又はC2-40アルキニル基であり、sは、1から5の整数であり、
L1及びL3は、それぞれ独立して、単結合、C1-6アルキレン基、C2-6アルケニレン基又はC2-6アルキニレン基であり、
L2及びL4は、それぞれ独立して、単結合、-COO-若しくは-OCO-、-CON(R2)-若しくは-N(R2)CO-(式中R2は、水素原子、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C2-6アルケニル基又はC2-6ハロアルケニル基を示す)、-C(O)-又は-O-であり、
L5及びL6は、それぞれ独立して、水素原子、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6ハロアルケニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基である]で表される保護基で置換された核酸塩基を少なくとも1つ有し、
5’位又は3’位がヒドロキシ基であるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの当該5’-ヒドロキシ基又は3’-ヒドロキシ基を、
3’位又は5’位が反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドと反応させるカップリング工程を含む、オリゴヌクレオチドの製造方法。
3’位が反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドと反応させる、1.から4.のいずれか1つに記載の製造方法。
5’位が反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドと反応させる、1.から4.のいずれか1つに記載の製造方法。
BaseZは、それぞれ独立して、核酸塩基、基本保護基で置換された核酸塩基又は下記式(II)で表される保護基で置換された核酸塩基であり、少なくとも1つのBaseZは、下記式(II)で表される保護基で置換された核酸塩基であり、
Xは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、無置換若しくは置換されたヒドロキシ基又は4’位炭素原子に架橋する有機基であり、
Yは、それぞれ独立して、水素原子、無置換若しくは置換されたヒドロキシ基、無置換若しくは置換されたスルファニル基、水素化ホウ素基、又は置換されたアミノ基であり、
Rは、水素原子、基本保護基又は一時保護基であり、
Zは、水素原子、基本保護基又は一時保護基であり、
Vは、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子であり、
式(II)が、
(式中、*は、核酸塩基部との結合位置を示し、
R1は、それぞれ独立して、C1-40アルキル基、C2-40アルケニル基又はC2-40アルキニル基であり、sは、1から5の整数であり、
L1及びL3は、それぞれ独立して、単結合、C1-6アルキレン基、C2-6アルケニレン基又はC2-6アルキニレン基であり、
L2及びL4は、それぞれ独立して、単結合、-COO-若しくは-OCO-、-CON(R2)-若しくは-N(R2)CO-(式中R2は、水素原子、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C2-6アルケニル基又はC2-6ハロアルケニル基を示す)、-C(O)-又は-O-であり、
L5及びL6は、それぞれ独立して、水素原子、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6ハロアルケニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基である)で表され、
2以上の前記式(II)で表される保護基を有する場合、それぞれの式(II)で表される保護基は同一でも異なっていてもよい]で表される化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
[式中、*は、ヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの核酸塩基部との結合位置を示し、
R1は、それぞれ独立して、C1-40アルキル基、C2-40アルケニル基又はC2-40アルキニル基であり、sは、1から5の整数であり、
L1及びL3は、それぞれ独立して、単結合、C1-6アルキレン基、C2-6アルケニレン基又はC2-6アルキニレン基であり、
L2及びL4は、それぞれ独立して、単結合、-COO-若しくは-OCO-、-CON(R2)-若しくは-N(R2)CO-(式中R2は、水素原子、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C2-6アルケニル基又はC2-6ハロアルケニル基を示す)、-C(O)-又は-O-であり、
L5及びL6は、それぞれ独立して、水素原子、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6ハロアルケニル基、又は置換基を有していてもよいベンゼン環である]で表される擬似固相保護基。
R1は、それぞれ独立して、C1-40アルキル基、C2-40アルケニル基又はC2-40アルキニル基であり、sは、1から5の整数であり、
L1及びL3は、それぞれ独立して、単結合、C1-6アルキレン基、C2-6アルケニレン基又はC2-6アルキニレン基であり、
L2及びL4は、それぞれ独立して、単結合、-COO-若しくは-OCO-、-CON(R2)-若しくは-N(R2)CO-(式中R2は、水素原子、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C2-6アルケニル基又はC2-6ハロアルケニル基を示す)、-C(O)-又は-O-であり、
L5及びL6は、それぞれ独立して、水素原子、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C2-6アルケニル基又はC2-6ハロアルケニル基である)で表されるハロゲン化アルキル化合物と反応させ、
核酸塩基部に、下記式(II)
(式中、*は、ヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの核酸塩基部との結合位置を示し、
R1、L1及びL3、L2及びL4、L5及びL6、は上記と同じである)で表される擬似固相保護基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドを製造する方法。
特に記述がない限り、本明細書で用いるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されるのと同じ意味をもつ。本明細書に記載されたものと同様又は同等の任意の方法及び材料は、本発明の実施又は試験において使用することができるが、好ましい方法及び材料を以下に記載する。
「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
同様に「C10-30アルキル基」とは、炭素数が10から30のアルキル基を意味し、「C15-25アルキル基」とは、炭素数が15から25のアルキル基を意味し、「C15-20アルキル基」とは、炭素数が15から20のアルキル基を意味し、それらの具体例は、上記「C1-40アルキル基」の例に含まれる。
同様に「C10-30アルケニル基」とは、炭素数が10から30のアルケニル基を意味し、それらの具体例は、上記「C2-40アルケニル基」の例に含まれる。
「ジC6-10アリールメチル基」とは、2つの前記「C6-10アリール基」がメチル基に結合した基を意味する。
また「アミノカルボニル基」は、本明細書において「カルバモイル基」と互換可能に使用され、例えば「モノC1-6アルキルカルバモイル基」及び「ジC1-6アルキルカルバモイル基」は、それぞれ上記「モノC1-6アルキルアミノカルボニル基」及び「ジC1-6アルキルアミノカルボニル基」と同義であり、「N-(C6-10アリール)カルバモイル基」、「N-(5-10員ヘテロアリール)カルバモイル基」、「N-(C6-10アリールスルホニル)カルバモイル基」及び「N-アラルキルカルバモイル基」は、それぞれ上記「C6-10アリールアミノカルボニル基」、「5-10員ヘテロアリールアミノカルボニル基」、「C6-10アリールスルホニルアミノカルボニル基」及び「アラルキルアミノカルボニル基」と同義である。
ここで、前記C1-6アルキル基等は、無置換であるか又はハロゲン原子及びシアノ基からなる群から選択される1つ以上の置換基により、置換されている。
「置換されたヒドロキシ(ジアルキルアミノ)ホスフィノ基」としては、例えば、シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノ基等が挙げられる。
ここで、前記リボース及び2’-デオキシリボースは、無置換であるか又は、C1-6アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、基本保護基で置換されたヒドロキシ基、基本保護基で置換されたアミノ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されている。また、前記C1-6アルキル基は、無置換であるか、ハロゲン原子、C1-6アルコキシカルボニル基、モノC1-6アルキルアミノカルボニル基及びジC1-6アルキルアミノカルボニル基等から独立して選択される1つ以上の置換基で置換されている。前記C1-6アルコキシカルボニル基、モノC1-6アルキルアミノカルボニル基及びジC1-6アルキルアミノカルボニル基等は、無置換であるか又は、モノアルキルアミノ基、ジC1-6アルキルアミノ基、C6-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基又は3-11員含窒素非芳香族ヘテロ環基により置換されている。また、リボースの2’位ヒドロキシ基は、無置換であるか又は基本保護基で置換されている。前記基本保護基で置換されたアミノ基の基本保護基としては、後述する核酸塩基における「アミノ基の基本保護基」と同様の基が挙げられる。
2’位と4’位が架橋したリボースとは、ヌクレオシドの2’位と4’位とが架橋基を介して架橋されている限り限定されないが、例えば、2’位と4’位とが、C2-6アルキレン基[該アルキレン基は無置換であるか、又はC1-6アルキル基で置換されている。また、該アルキレン基の1若しくは2つのメチレン基は、置き換えられていないか、又は-O-、-NR11-(R11は水素原子又はC1-6アルキル基を示す)、-S-、-CO-、-CS-、-COO-、-OCONR12-(R12は水素原子又はC1-6アルキル基を示す)、-CONR13-(R13は水素原子又はC1-6アルキル基を示す)及び-CSNR14-(R14は水素原子又はC1-6アルキル基を示す)から選ばれる基で置き換えられている]で架橋されたリボースが挙げられる。具体例としては、下記式の化合物が挙げられる。
前記アミノカルボニル型保護基のC6-10アリールは、好ましくは、フェニル、2-ニトロフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、2-クロロフェニル、2-フルオロフェニル、2-メチルフェニル、2-シアノフェニル、2-トリフルオロメトキシフェニル、2-クロロ-6-トリフルオロメチルフェニル、2-クロロ-4-トリフルオロメチルフェニル、2,6-ジクロロフェニル、2,6-ジフルオロフェニル、2,6-ジメチルフェニル、ペンタフルオロフェニル、2-メトキシフェニル、2,3-ジメトキシフェニル、2,4-ジメトキシフェニル、2,5-ジメトキシフェニル、2,6-ジメトキシフェニル、3,4,5-トリメトキシフェニル、2,3,4-トリメトキシフェニル、2,4,5-トリメトキシフェニル、2,4,6-トリメトキシフェニルである。
前記モノC1-6アルキルアミノカルボニル基は、好ましくは、エチルアミノカルボニル基である。
前記アラルキルアミノカルボニル基は、好ましくは、ベンジルアミノカルボニル基等を挙げることができる。
前記核酸塩基における「スルファニル基の基本保護基」としては、「ヒドロキシ基の基本保護基」と同様の保護基に加えて、ジスルフィド結合を形成する保護基を挙げることができる。
本明細書中「伸長反応サイクル」は、擬似固相保護基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの3’-ヒドロキシ基又は5’-ヒドロキシ基を、反応性リン含有基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドと反応させ、擬似固相保護基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドと、反応性リン含有基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドとの結合体を得る反応サイクルを意味する。
本発明に使用される擬似固相保護基とは、該保護基を反応基質が有することにより、反応基質及び反応生成物が低極性溶媒に可溶化し、液相中の反応が可能であると共に、一定以上の極性溶媒の添加により反応生成物又は反応基質が沈殿し、固液分離が可能となる保護基であって、5’位ヒドロキシ基若しくは3’位ヒドロキシ基の下記一時保護基を除去する条件では安定な保護基である。擬似固相保護基を有する反応基質を使用することにより、反応性と後処理の簡便性とを両立することができる。
[式中、*は、核酸塩基との結合位置を示し、
R1は、それぞれ独立して、C1-40アルキル基、C2-40アルケニル基又はC2-40アルキニル基であり、sは、1から5の整数であり、
L1及びL3は、それぞれ独立して、単結合、C1-6アルキレン基、C2-6アルケニレン基又はC2-6アルキニレン基であり、
L2及びL4は、それぞれ独立して、単結合、-COO-若しくは-OCO-、-CON(R2)-若しくは-N(R2)CO-(式中R2は、水素原子、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C2-6アルケニル基又はC2-6ハロアルケニル基を示す)、-C(O)-又は-O-であり、
L5及びL6は、それぞれ独立して、水素原子、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6ハロアルケニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基である。]
ここで、L2が、-COO-又は-O-であり、L4が、-OCO-又は-O-であるとき、L3は、C1-6アルキレン基、C2-6アルケニレン基又はC2-6アルキニレン基であることが好ましい。また、L1が、C1-6アルキレン基、C2-6アルケニレン基又はC2-6アルキニレン基であり、L2が、単結合であるとき、L3は、単結合であることが好ましい。
{[3,4,5-トリス(オクタデシルオキシ)ベンゾイル]オキシ}メチル基、及び
2-[N-メチル-3,4,5-トリス(オクタデシルオキシ)ベンズアミド]エトキシスクシニルオキシメチル基([(3-{2-[N-メチル-3,4,5-トリス(オクタデシルオキシ)ベンズアミド]エトキシカルボニル}プロパノイル)オキシ]メチル基)
などが挙げられる。
本発明に使用される一時保護基とは、5’位ヒドロキシ基若しくは3’位ヒドロキシ基を保護する保護基であり、前記「伸長反応サイクル」において脱保護される保護基である。脱保護された5’位ヒドロキシ基若しくは3’位ヒドロキシ基は、伸長反応サイクルにおいて、別のヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの反応性リン含有基との結合に利用される。一時保護基は、例えば、以下の文献に記載されるような保護基が挙げられる。
Protective Groups in Organic Synthesis, Greene T. W. and Wuts P.G.M., published by Wiley Interscience, 1999及びProtecting Groups, Kocienski P. J., 1994, Georg Thieme Verlag。
本発明に使用される基本保護基とは、核酸塩基中のアミノ基、カルボニル基、ヒドロキシ基若しくはスルファニル基、又は2’位ヒドロキシ基若しくはアミノ基、3’位ヒドロキシ基若しくは5’位ヒドロキシ基、又はリン酸ジエステル結合、チオリン酸ジエステル結合若しくは亜リン酸ジエステル結合のヒドロキシ基、又はチオリン酸ジエステル結合のスルファニル基を保護する保護基であり、前記「伸長反応サイクル」においては脱保護されず、かつ前記「擬似固相保護基」が有する機能は有さない一般的な保護基である。基本保護基は、例えば、以下の文献に記載される保護基が挙げられる。
Protective Groups in Organic Synthesis, Greene T. W. and Wuts P.G.M., published by Wiley Interscience, 1999及びProtecting Groups, Kocienski P. J., 1994, Georg Thieme Verlag。
「基本保護基で置換された亜リン酸ジエステル結合」は、亜リン酸ジエステル結合がヒドロキシ基を有するとき、当該ヒドロキシ基が基本保護基で置換されていることを意味し、「亜リン酸トリエステル結合」に包含される。
「基本保護基で置換されたチオリン酸ジエステル結合」は、チオリン酸ジエステル結合がヒドロキシ基又はスルファニル基を有するとき、当該ヒドロキシ基又はスルファニル基が基本保護基で置換されていることを意味し、それぞれ「チオリン酸トリエステル結合」、「チオリン酸-O,O,S-トリエステル結合」に包含される。
次に、本発明にかかるオリゴヌクレオチドの製造方法(以下、「本発明の製造方法」ともいう。)について説明する。具体的には、擬似固相保護基で置換された核酸塩基を少なくとも1つ有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチド(以下、「n個重合オリゴヌクレオチド」ともいう)から、ヌクレオシド又はオリゴヌクレオチド(以下、「p個重合オリゴヌクレオチド」ともいう)で伸長され、擬似固相保護基で置換された核酸塩基を少なくとも1つ有するオリゴヌクレオチド(以下、「n+p個重合オリゴヌクレオチド」ともいう)を製造する方法について説明する。なお、n個重合オリゴヌクレオチドとは、n個のヌクレオシドがリン含有基を介して結合したオリゴヌクレオチドを意味し、n=1の場合、n個重合オリゴヌクレオチドはヌクレオシドと解され、p個重合オリゴヌクレオチドについても同様である。
p個重合オリゴヌクレオチドについても同様である。
またオリゴヌクレオチドの製造方法は、前記カップリング工程を含む伸長反応サイクルを少なくとも1つ含む。
工程aは、擬似固相保護基で置換された核酸塩基を少なくとも1つ有し、かつ伸長末端のヒドロキシ基が一時保護基で置換されたヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの一時保護基を除去してヒドロキシ基とすることを含む脱一時保護基工程である。
工程bは、前記一時保護基が除去されたヒドロキシ基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドに対して、反応性リン含有基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドを添加して、そのヒドロキシ基を介して亜リン酸ジエステル結合又は亜リン酸トリエステル結合により縮合させることを含むカップリング工程である。
工程b1は、H-ホスホネート法の場合の工程bである。工程b1では、前記反応性リン含有基は、ヒドロキシホスフィニル基であり、亜リン酸ジエステル結合が形成される。
工程b2は、ホスホロアミダイト法の場合の工程bである。工程b2では、前記反応性リン含有基は、置換されたヒドロキシ(ジアルキルアミノ)ホスフィノ基であり、亜リン酸トリエステル結合が形成される。
工程cは、前記形成された亜リン酸ジエステル結合又は亜リン酸トリエステル結合を、変換することを含む、変換工程である。
工程c1は、前記工程b1で形成された亜リン酸ジエステル結合を、リン酸ジエステル結合、チオリン酸ジエステル結合、アミノリン酸ジエステル結合、ボラノリン酸ジエステル結合、リン酸トリエステル結合又はチオリン酸-O,O,S-トリエステル結合等へと変換することを含む、亜リン酸ジエステル結合の変換工程である。
工程c2は、前記工程b2で形成された亜リン酸トリエステル結合を、リン酸トリエステル結合又はチオリン酸トリエステル結合等へと変換することを含む、亜リン酸トリエステル結合の変換工程である。
前記リン酸トリエステル結合は、リン酸ジエステル結合の1つのヒドロキシ基の水素原子が基本保護基等によって置き換えられた基であり、例えば、C1-40アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C6-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、アラルキル基又はヘテロアラルキル基等によって置き換えられた結合が挙げられる。
前記亜リン酸トリエステル結合は、亜リン酸ジエステル結合の1つのヒドロキシ基の水素原子が基本保護基等によって置き換えられた基であり、例えば、C1-40アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C6-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、アラルキル基又はヘテロアラルキル基等によって置き換えられた結合が挙げられる。
チオリン酸-O,O,S-トリエステル結合は、チオリン酸ジエステル結合の1つのスルファニル基の水素原子が基本保護基等によって置き換えられた基であり、C1-40アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C6-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、アラルキル基又はヘテロアラルキル基等によって置き換えられた結合である。
ここで、前記リン酸トリエステル結合、前記亜リン酸トリエステル結合及びチオリン酸-O,O,S-トリエステル結合における前記C1-40アルキル基は、無置換であるか又は、ハロゲン原子、シアノ基等によって置換されている。前記C3-6シクロアルキル基、前記C6-10アリール基、前記5-10員ヘテロアリール基、前記アラルキル基及び前記ヘテロアラルキル基は、無置換であるか又は、C1-6アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基等によって置換されている。
ホスホロアミダイト法の場合、オリゴヌクレオチドの製造方法は、工程a、工程b2及び工程c2をこの順に伸長反応サイクルに含む。工程a、工程b2及び工程c2の順は、この順か、又は工程a、工程c2、工程b2の順であり、好ましくは、工程a、工程b2、工程c2の順である。
工程bに用いる反応性リン含有基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドに含まれるヌクレオシド数pは、1以上の任意の整数であれば特に限定されないが、好ましくは、1から50であり、より好ましくは1から30であり、更に好ましくは1から5であり、更により好ましくは1又は2であり、特に好ましくは1、つまりヌクレオシドを用いることが特に好ましい。
なお、工程cで得られた反応混合物を、そのまま工程aに使用することもできる。また、工程cの反応後に適宜昇温などを行うことで、同時に工程aを行うこともできる。
(工程e)
工程eは、工程aから工程cのいずれかで得られた反応混合物と極性溶媒とを混合して、擬似固相保護基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドを沈殿させて、固液分離により取得する分離工程である。
H-ホスホネート法の場合、工程a、工程b1及び工程c1のいずれかで得られた反応混合物と極性溶媒とを混合して、擬似固相保護基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドを沈殿させて、固液分離により取得する。
ホスホロアミダイト法の場合、工程a、工程b2及び工程c2のいずれかで得られた反応混合物と極性溶媒とを混合して、擬似固相保護基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドを沈殿させて、固液分離により取得する。
なお、工程eは、擬似固相保護基を用いない通常の液相合成法にも、固相合成法にも存在し得ない、擬似固相保護基を用いる液相合成法に特有の工程である。
工程eは、工程aから工程cの各工程の後に、それぞれ独立して、例えば0~5回含まれ、好ましくは0~3回含まれ、より好ましくは0~2回含まれ、さらに好ましくは0又は1回含まれる。ここで、工程a~cの後の少なくとも1つに、1回以上の工程eが含まれる。
伸長反応サイクルには、1から3回の工程eが含まれることが好ましい。工程eは、伸長反応サイクル中に、工程aの後、工程bの後及び工程cの後の少なくとも1つに、1回含まれることが、副生物発生を厳格に管理・制御でき、高純度のオリゴヌクレオチドに導けるという観点で好ましい。工程eは、伸長反応サイクル中に、工程aの後に1回含まれるか、工程cの後に1回含まれるか、又は工程a及び工程cの後にそれぞれ1回含まれることが、より好ましい。
(工程f)
工程fは、工程aから工程c及び工程eで得られたオリゴヌクレオチドの基本保護基、一時保護基及び擬似固相保護基を除去する脱保護工程であり、全脱保護工程とも言うことができる。
前記式(II)で表される擬似固相保護基で置換された核酸塩基を少なくとも1つ有し、3’位に基本保護基で置換されたヒドロキシ基を有し、5’位に一時保護基で置換されたヒドロキシ基を有する第一ヌクレオシド又は第一オリゴヌクレオチドの一時保護基を除去して5’-ヒドロキシ基を生成する反応を含む脱一時保護基工程(工程a)と、
生成した5’-ヒドロキシ基と、3’位に反応性リン含有基を有し、5’位に一時保護基で置換されたヒドロキシ基を有する第二ヌクレオシド又は第二オリゴヌクレオチドの3’-ヒドロキシ基を反応させて、亜リン酸ジエステル結合又は亜リン酸トリエステル結合を形成して、第一ヌクレオシド又は第一オリゴヌクレオチドと、第二ヌクレオシド又は第二オリゴヌクレオチドとの結合体を得る反応を含むカップリング工程(工程b)と、
結合体の亜リン酸ジエステル結合を、リン酸ジエステル結合、チオリン酸ジエステル結合、ボラノリン酸ジエステル結合、アミノリン酸ジエステル結合、リン酸トリエステル結合、又はチオリン酸-O,O,S-トリエステル結合に変換する反応、あるいは
結合体の亜リン酸トリエステル結合を、リン酸トリエステル結合、又はチオリン酸トリエステル結合に変換する反応を含む変換工程(工程c)と、を含むオリゴヌクレオチドの製造方法である。
前記式(II)で表される擬似固相保護基で置換された核酸塩基を少なくとも1つ有し、5’位に基本保護基で置換されたヒドロキシ基を有し、3’位に一時保護基で置換されたヒドロキシ基を有する第三ヌクレオシド又は第三オリゴヌクレオチドの一時保護基を除去して3’-ヒドロキシ基を生成する反応を含む脱一時保護基工程(工程a)と、
生成した3’-ヒドロキシ基と、5’位に反応性リン含有基を有し、3’位に一時保護基で置換されたヒドロキシ基を有する第四ヌクレオシド又は第四オリゴヌクレオチドの5’-ヒドロキシ基を反応させて、亜リン酸ジエステル結合又は亜リン酸トリエステル結合を形成して、第三ヌクレオシド又は第三オリゴヌクレオチドと、第四ヌクレオシド又は第四オリゴヌクレオチドとの結合体を得る反応を含むカップリング工程(工程b)と、
結合体の亜リン酸ジエステル結合を、リン酸ジエステル結合、チオリン酸ジエステル結合、ボラノリン酸ジエステル結合、アミノリン酸ジエステル結合、リン酸トリエステル結合、又はチオリン酸-O,O,S-トリエステル結合に変換する反応、あるいは
結合体の亜リン酸トリエステル結合を、リン酸トリエステル結合、又はチオリン酸トリエステル結合に変換する反応を含む変換工程(工程c)と、を含むオリゴヌクレオチドの製造方法である。
まず、方法A又は方法Bのそれぞれの場合の工程aをスキーム1又は2に示す。
方法Aにおける工程aは、低極性溶媒中において、5’位ヒドロキシ基がフッ素試薬、酸又は塩基で除去可能な一時保護基Rで置換されたn個重合オリゴヌクレオチド(ia)(式中、nは、1以上の任意の整数を示し、n=1の場合は、ヌクレオシドを示す。)の一時保護基Rを、フッ素試薬、酸又は塩基の添加により除去する工程(脱一時保護基工程)である(スキーム1)。
ここで、少なくとも1つのBaseZは、擬似固相保護基で置換された核酸塩基である。
ここで、スキーム1中化合物(ia)又は(iia)が、2以上の核酸塩基部を有する場合、それぞれの核酸塩基部は同一であっても異なっていてもよく、(ia)又は(iia)が、2以上の擬似固相保護基を有する場合、それぞれの擬似固相保護基は同一であっても異なっていてもよく、(ia)又は(iia)が、2以上の基本保護基を有する場合、それぞれの基本保護基は同一であっても異なっていてもよく、n個重合オリゴヌクレオチドが、2以上の4’位炭素原子に架橋する有機基を有する場合、それぞれの4’位炭素原子に架橋する有機基は同一であっても異なっていてもよい。
式中、*は、核酸塩基との結合位置を示し、
R1は、それぞれ独立して、C1-40アルキル基、C2-40アルケニル基又はC2-40アルキニル基であり、sは、1から5の整数であり、
L1及びL3は、それぞれ独立して、単結合、C1-6アルキレン基、C2-6アルケニレン基又はC2-6アルキニレン基であり、
L2及びL4は、それぞれ独立して、単結合、-COO-若しくは-OCO-、-CON(R2)-若しくは-N(R2)CO-(式中R2は、水素原子、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C2-6アルケニル基又はC2-6ハロアルケニル基を示す)、-C(O)-又は-O-であり、
L5及びL6は、それぞれ独立して、水素原子、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6ハロアルケニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基である。
Basezに含まれる、式(II)、式(IIa)又は式(III)で表される擬似固相保護基のsは、好ましくは、2から4の整数であり、より好ましくは3である。
式(II)、式(IIa)又は式(III)において、sが2から5であるとき、それぞれのR1は、同一であっても異なっていてもよい。
その他の態様として、Xはより好ましくは、C2-6アルキレン基(該アルキレン基は無置換であるか、又はメチル基で置換されている。ここで、該アルキレン基の1若しくは2つのメチレン基は、置き換えられていないか、又は-O-、-NR11-(R11は水素原子又はメチル基を示す)、-CO-、-CS-、-COO-、-OCONR12-(R12は水素原子又はメチル基を示す)、-CONR13-(R13は水素原子又はメチル基を示す)及び-CSNR14-(R14は水素原子又はメチル基を示す)から選ばれる基で置き換えられている)で表される4’位炭素原子に架橋する有機基である。Xはより好ましくは、エチレン基(該エチレン基の1若しくは2つのメチレン基は、置き換えられていないか、又は-O-、-CONR13-(R13は水素原子又はメチル基を示す)及び-CSNR14-(R14は水素原子又はメチル基を示す)から選ばれる基で置き換えられている)で表される4’位炭素原子に架橋する有機基である。
中でもtert-ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、レブリニル基又は3-ベンゾイルプロピオニル基が好ましく、レブリニル基又は3-ベンゾイルプロピオニル基がより好ましく、レブリニル基が更に好ましい。
一時保護基がレブリニル基又は3-ベンゾイルプロピオニル基等である場合、X及びZにおける基本保護基は、tert-ブチルジメチルシリル基、トリエチルシリル基等のシリル基、又はトリチル基、ジメトキシトリチル基、モノメトキシトリチル基等のトリアリールメチル基であることが好ましい。特に方法Bの場合に、レブリニル基又は3-ベンゾイルプロピオニル基等が一時保護基として用いられる。
Yを含めたリン含有基は、例えば以下の構造(又は、以下の構造に塩を付した構造)を有する。
Vが硫黄原子であるとき、該硫黄原子が結合するリン原子に結合するYは、それぞれ独立して、好ましくは、置換されたヒドロキシ基であり、より好ましくは、2-シアノエトキシ基である。
フッ素試薬としては、フッ化水素のピリジン塩、テトラブチルアンモニウムフルオリド、フッ化水素のトリエチルアミン塩、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、フッ化アンモニウムのフッ化水素付加体、フッ化カリウム又はフッ化カリウムのフッ化水素付加体が好ましく、中でも、フッ化水素のピリジン塩又はテトラブチルアンモニウムフルオリドがより好ましく、テトラブチルアンモニウムフルオリドが特に好ましい。
酸としては、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリクロロ酢酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、塩酸、酢酸、硝酸アンモニウムセリウム、ホスホン酸又はリン酸が好ましく、中でも、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリクロロ酢酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、塩酸、酢酸又は硝酸アンモニウムセリウムがより好ましく、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリクロロ酢酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸又は酢酸がさらに好ましく、酢酸が特に好ましい。また、塩化水素(水溶液、1,4-ジオキサン溶液等)も好ましく、塩化水素-1,4-ジオキサン溶液が特に好ましい。
塩基としては、ヒドラジン誘導体(ヒドラジン一水和物、ヒドラジン酢酸塩、硫酸ヒドラジニウム、メチルヒドラジン、イソプロピルヒドラジン塩酸塩、tert-ブチルヒドラジン、アセトヒドラジド、メチルカルバゼート、フェニルヒドラジン、p-トルエンスルホニルヒドラジン、シクロペンチルヒドラジン塩酸塩、シクロヘキシルヒドラジン塩酸塩、ベンジルヒドラジン塩酸塩、2,2,2-トリフルオロエチルヒドラジン(70%水溶液)及び2-シアノエチルヒドラジン等)、ジアミン誘導体(エチレンジアミン等のエチレンジアミン誘導体等)、ヒドロキシルアミン誘導体(ヒドロキシルアミン塩酸塩等)、アミノアルコール誘導体(エタノールアミン、N-メチルエタノールアミン等のエタノールアミン誘導体等)、及び無機塩基(炭酸カリウム等)等が挙げられる。塩基としては、ヒドラジン誘導体が好ましく、ヒドラジン一水和物又はメチルヒドラジンがより好ましい。
これらフッ素試薬、酸及び塩基は、上記低極性溶媒で希釈して使用することができる。 また、フッ素試薬、酸及び塩基以外では、Chirazyme L-2、Chirazyme L-5等の酵素により脱保護することも可能である。
まず、方法A又は方法Bのそれぞれの場合について、H-ホスホネート法の工程b(工程b1)及びホスホロアミダイト法の工程b(工程b2)をスキーム3から6に示す。
スキーム3から6において、Baseにおける、核酸塩基又は基本保護基で置換された核酸塩基の核酸塩基は、好ましくは、シトシン、ウラシル、チミン、5-メチルシトシン、アデニン及びグアニンから独立して選択され、より好ましくは、チミン又はウラシルから独立して選択され、特に好ましくはチミンである。
スキーム4及び6において、Prは、ジアルキルアミノ基であり、該2つのアルキル基は、それらが結合する窒素原子と一緒に3-11員含窒素非芳香族ヘテロ環基を形成してもよい。Prは、好ましくは、ジC1-6アルキルアミノ基又はモルホリノ基であり、より好ましくはジイソプロピルアミノ基である。
また、上記低極性溶媒に、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒;アセトン、2-ブタノン等のケトン系溶媒;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド系溶媒;1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン等の極性エーテル系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒を、5’位又は3’位ヒドロキシ基の一時保護基Rが除去されたn個重合オリゴヌクレオチド(iia又はiib)が溶解し得る限り、適宜の割合で混合して用いてもよい。 この場合、極性溶媒としては、アミド系溶媒、ニトリル系溶媒、及びこれらの組合せが好ましく、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピペリドン、及びこれらの組合せがより好ましく、アセトニトリルが特に好ましい。
極性溶媒は、3’位又は5’位ヒドロキシ基がホスホロアミダイト化され、かつ5’位又は3’位ヒドロキシ基が一時保護基Rにより置換されたp個重合オリゴヌクレオチド(va又はvb)、及び縮合剤等の溶液として添加してもよい。
カップリング工程がH-ホスホネート法の場合、変換工程は工程c1であり、カップリング工程がホスホロアミダイト法の場合、変換工程は工程c2である。
工程c1は、工程b1で得られたn+p個重合オリゴヌクレオチド(iva又はivb)又は工程aで得られたn個重合オリゴヌクレオチドに、リン原子を修飾する試薬を反応させることにより、該n+p個重合オリゴヌクレオチド(iva又はivb)の亜リン酸ジエステル結合をリン酸ジエステル結合、チオリン酸ジエステル結合、アミノリン酸ジエステル結合、ボラノリン酸ジエステル結合、リン酸トリエステル結合又はチオリン酸-O,O,S-トリエステル結合へと変換する工程である。
工程c1で前記酸化剤を使用する場合、工程c1の反応溶媒は、前記希釈溶媒と同様である。
工程c1で前記硫化剤を使用する場合、工程c1の反応溶媒は、前記希釈溶媒と同様である。
キャッピング反応は、前述する工程b1の後に実施してもよい。
工程aの後に工程c1を行う際には、工程c1の後には、前記キャッピング反応を実施しない。
工程c2で前記酸化剤を使用する場合、工程c2の反応溶媒は、前記希釈溶媒と同様である。
工程c2で前記硫化剤を使用する場合、工程c2の反応溶媒は、前記希釈溶媒と同様である。
キャッピング反応は、前述する工程b2の後に実施してもよい。
工程aの後に工程c2を行う際には、工程c2の後には、前記キャッピング反応を実施しない。
工程eは、工程aから工程cのいずれかで得られた反応溶液と極性溶媒とを混合することによりオリゴヌクレオチドを沈殿させて、固液分離により取得する工程である。
オリゴヌクレオチドの製造方法においては、工程eの後に、基本保護基、一時保護基及び擬似固相保護基の種類と性質に応じて、脱保護を行い、オリゴヌクレオチドを単離することができる。脱保護の方法としては、例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS)、第3版、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(JOHN WILLY & SONS)出版(1999年)等に記載されている脱保護方法に従い、オリゴヌクレオチドの保護基を除去する工程を行うことができる。具体的には、擬似固相保護基、ならびに基本保護基であるベンゾイル基、イソブチリル基、フェノキシアセチル基、アセチル基、レブリニル基等、亜リン酸ジエステル結合、リン酸ジエステル結合又はチオリン酸ジエステル結合を保護している基本保護基である2-シアノエチル基等は、アンモニア水、アンモニア水/エタノール溶液、又はアンモニア水とメチルアミン水溶液の混合液で処理することにより、除去することができる。また、5’位又は3’位ヒドロキシ基の一時保護基は、工程aで使用されるフッ素試薬、酸又は塩基、又はそれらを適宜希釈した溶液で処理することにより除去することができる。また、ジャーナルオブザケミカルソサイエティー パーキントランザクション1、2002年、2619頁-2633頁に記載されている脱保護方法に従い、DBU[1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン]及びトリメチルシリルクロリドで処理して、リン酸ジエステル結合又はチオリン酸ジエステル結合を保護している2-シアノエチル基等を除去した後に、アンモニア水で擬似固相保護基、ならびに基本保護基であるベンゾイル基、イソブチリル基、フェノキシアセチル基、アセチル基、レブリニル基等を除去する方法を用いることもできる。また、無機塩基(炭酸カリウム等)で基本保護基であるベンゾイル基、イソブチリル基、フェノキシアセチル基、アセチル基、レブリニル基等を除去する方法を用いることもできる。
基本保護基で置換されたリン酸ジエステル結合は、例えば、ジャーナルオブザケミカルソサイエティー パーキントランザクション1、1999、1477頁-1486頁に記載されている方法((E)-2-ニトロベンズアルドキシム、ピリジン-2-アルドキシムなどのオキシム化合物及び、1、1、3、3-テトラメチルグアニジン、DBU等の塩基で処理する方法)で脱保護することにより、リン酸ジエステル結合へ変換することができる。2-シアノエチル基等、β脱離によって脱保護可能な基本保護基で置換されたチオリン酸ジエステル結合は、前記塩基性条件下での脱保護により、チオリン酸ジエステル結合へ変換できる。その他の基本保護基で置換されたチオリン酸ジエステル結合のうち、チオリン酸-O,O,S-トリエステル結合に包含される結合は、例えば、ジャーナルオブザケミカルソサイエティー パーキントランザクション1、1999、1477頁-1486頁に記載されている方法(前記オキシム化合物及び前記塩基で処理する方法等)で脱保護することにより、リン酸ジエステル結合へ変換できる。
保護基を有しないオリゴヌクレオチドは、酵素により容易に分解されやすいため、空気清浄度管理下でオリゴヌクレオチドを単離することが好ましい。
例えば、2’位と4’位が-CSNR14-(R14は水素原子又はC1-6アルキル基を示す)で架橋したリボースに、核酸塩基が結合したヌクレオシドは、対応する-CONR13-(R13は水素原子又はC1-6アルキル基を示す)で架橋した構造を有するヌクレオシド等から、チオカルボニル化試薬(例えばローソン試薬等)を用いて、必要に応じて保護反応及び脱保護反応を行って、合成することができる。
に示されるカルボン酸とクロロメタンスルホン酸クロリドを溶媒中で反応させることにより(国際公開第2014-144285号に記載の方法)、また前記式(X-2)に示されるカルボン酸、パラホルムアルデヒド及び塩化亜鉛を溶媒中で反応させることにより(ジャーナルオブメディシナルケミストリー、2009年、52巻、771頁-778頁の方法)、製造できる。
また、L1とL2の間の結合、L2とL3の間の結合、L3とL4の間の結合の内、任意の結合を、上記官能基変換法等を用いて形成させ、段階的に擬似固相保護基を導入することもできる。また、L2が、-COO-、-CON(R2)-、OCO-又は-N(R2)CO-である場合、L2が含むエステル結合又はアミド結合を、上記官能基変換法等を用いて形成させ、段階的に擬似固相保護基を導入することもできる。L4が、-COO-、-CON(R2)-、OCO-又は-N(R2)CO-である場合も同様である。ここで、R2は前記定義に同じである。
ヒドロキシホスフィニル基で置換されたヒドロキシ基を有する化合物(iiia)又は(iiib)は、それぞれ、(iiia)の5’位がヒドロキシ基である化合物又は(iiib)の3’位がヒドロキシ基である化合物に、溶媒中、H-ホスホネート化試薬を反応させる公知の方法(Colin B. Reese et al., J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1, 2002, 2619-2633.)に従い、製造することができる。溶媒としては工程aと同様の溶媒が挙げられ、H-ホスホネート化試薬としては、亜リン酸、亜リン酸ジアリール(亜リン酸ジフェニルなど)、アリール-H-ホスホネートのアンモニウム塩(フェニル-H-ホスホネートのトリエチルアンモニウム塩、p-トルイル-H-ホスホネートのトリエチルアンモニウム塩など)、ハロゲン化リン(2-クロロ-4H-1,3,2-ベンゾジオキサホスホリン-4-オン、三塩化リンなど)などが挙げられる。
3’位又は5’位が置換されたヒドロキシ(ジアルキルアミノ)ホスフィノ基で置換されたヒドロキシ基を有する化合物(va)又は(vb)は、それぞれ、(va)の5’位がヒドロキシ基である化合物又は(vb)の3’位がヒドロキシ基である化合物に、溶媒中、ホスホロアミダイト化試薬を反応させる公知の方法(M. H. Caruthers et al., Method in Enzymology 1987, 154, 287-313; S. L. Beaucage and M. H. Caruthers, Tetrahedron Letters 1981, 22, 1859-1862.)に従い、製造することができる。溶媒としては工程aと同様の溶媒が挙げられ、ホスホロアミダイト化試薬としては、2-シアノエチルジイソプロピルクロロホスホロアミダイト、2-シアノエチル-N,N,N’,N’-テトライソプロピルホスホロジアミダイト等が挙げられる。
pが1である(iiia)、(iiib)、(va)又は(vb)で表されるヌクレオシドは、購入することもできる。
31P-NMRデータが記載されている場合には、JNM-ECX300;日本電子(JEOL)社製)で測定したシグナルの化学シフトδ(単位:ppm)を表す。
条件1:
装置:AB SCIEX TripleTOF 5600
カラム:Kinetex PFP(2.6μm、2.1×75mm)
カラム温度:40℃
溶離液組成:
有機層:テトラヒドロフラン/アセトニトリル=1/1(体積比)
水層:10mM ギ酸アンモニウム水溶液
有機層と水層の混合比を50/50で測定開始後、10分間で90/10に直線的に変えた。その後5分間、有機層と水層の混合比を90/10に固定した。
流速:0.50mL/min、
検出波長:260nm
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.13(s,6H),0.93(s,9H),1.92(d,3H),2.05-2.15(m,1H),2.21(s,3H),2.39-2.45(m,1H),2.58-2.62(m,2H),2.76-2.81(m,2H),3.90-3.91(m,2H),4.099-4.103(m,1H),5.26(d、1H),6.37(q,1H),7.55(d,1H),9.34(br s,1H).
窒素雰囲気下、3,4,5-トリス(オクタデシルオキシ)安息香酸(国際公開第2014-077292号に記載の方法に準じて合成した)(3.0g、3.2mmol)、炭酸ナトリウム(1.1g、10mmol)、及び硫酸水素テトラ-n-ブチルアンモニウム(0.13g、0.38mmol)のジクロロメタン(71g)/水(30g)混合溶液に、室温でクロロメチルスルホニルクロリド(0.39mL、3.9mmol)を加え、2時間42分撹拌した。さらにクロロメチルスルホニルクロリド(60μL、0.60mmol)を加えて18分間撹拌した後に、反応混合物を40℃に昇温して10分間撹拌した。撹拌を停止して分液し、得られた水層はジクロロメタンで再抽出を行った。得られた有機層を合わせて、溶媒を減圧下留去し、残渣にアセトニトリル(70g)を加えて析出した固体をろ過し、化合物1を白色固体(3.16g、定量的)として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.86-0.90(m,9H),1.26-1.84(m,96H),3.99-4.05(m,6H),5.93-6.01(m,2H),7.27-7.36(m,2H).
窒素雰囲気下、化合物1(1.0g、1.1mmol)、及び5’-O-tert-ブチルジメチルシリル-3’-O-レブリニルデオキシチミジン(0.71g、1.6mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(50mL)溶液に、70℃で炭酸カリウム(0.21g、1.5mmol)を加えて2時間5分撹拌し、さらに炭酸カリウム(0.91g、6.mmol)を加えて2時間44分撹拌した。その後、反応混合物をアセトニトリル(201g)に加え、析出した固体をろ過し、化合物3(1.01g、収率69%)を黄色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.14(s,6H),0.86-0.93(m,18H),1.26-1.81(m,96H),2.13-2.43(m,5H),2.56-2.60(m,2H),2.74-2.79(m,2H),3.92-4.12(m,9H),5.26(d,1H),6.22(q,2H),6.42(q,1H),7.22(s,2H),7.59(s,1H).
MS(ESI):[M+H]+ 1394.0827.
窒素雰囲気下、化合物2(0.94g、0.67mmol)、及び酢酸(0.41mL、7.2mmol)のTHF(10mL)溶液に、30℃で1.0M テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)/THF溶液(3.5mL、3.5mmol)を加え、4時間2分撹拌した。その後、反応混合物をメタノール(100g)に加え、析出した固体をろ過し、化合物3(0.85g、収率99%)を黄色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88(t,9H),1.26-1.81(m,96H),2.20(s,3H),2.39-2.44(m,2H),2.58-2.60(m,2H),2.76-2.78(m,2H),3.93(t,3H),3.96-4.01(m,6H),4.11(d、1H),5.34-5.38(m,1H),6.21(q,2H),6.32(t,1H),7.21(s,2H),7.61(d、1H).
MS(ESI):[M+H]+ 1279.9950.
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88(t,9H),1.20-2.00(m,98H),2.17-2.75(m,17H),3.37-3.41(m,1H),3.51-3.57(m,1H),3.78-3.79(m,6H),3.95-4.04(m,6H),4.08-4.38(m,6H),5.17-5.30(m,2H),6.15-6.25(m,2H),6.34-6.42(m,2H),6.80-7.41(m,15H),7.53-7.55(m,1H),8.32-8.37(m,2H).
31P-NMR:(300MHz;CDCl3)δ-2.00、-1.93.
MS(ESI):[M-H]- 1937.2006.
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88(t,9H),1.20-1.83(m,96H),1.87(d,3H),1.95(d,3H),2.19(s,3H),2.23-2.79(m,8H),3.79(s,6H),3.81-4.30(m,12H),5.10-5.39(m,2H),6.09-6.45(m,4H)、6.79-7.35(m,15H)、7.50(s,1H)、7.62(s,1H).
31P-NMR:(300MHz;CDCl3)δ-1.02.
MS(ESI):[M-H]- 1884.1630.
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88(t,9H)、1.08-2.00(m,102H),2.13-2.76(m,11H),3.79-4.50(m,12H),5.02(s,1H),5.38(s,1H),5.96-6.34(m,3H),6.41(s,1H),7.20(s,2H),7.53(s,1H),7.68(s,1H).
31P-NMR:(300MHz;CDCl3)δ-0.95.
MS(ESI):[M-H]- 1582.0378.
Claims (31)
- 下記式(II)
[式中、*は、核酸塩基との結合位置を示し、
R1は、それぞれ独立して、C1-40アルキル基、C2-40アルケニル基又はC2-40アルキニル基であり、sは、1から5の整数であり、
L1及びL3は、それぞれ独立して、単結合、C1-6アルキレン基、C2-6アルケニレン基又はC2-6アルキニレン基であり、
L2及びL4は、それぞれ独立して、単結合、-COO-若しくは-OCO-、-CON(R2)-若しくは-N(R2)CO-(式中R2は、水素原子、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C2-6アルケニル基又はC2-6ハロアルケニル基を示す)、-C(O)-又は-O-であり、
L5及びL6は、それぞれ独立して、水素原子、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6ハロアルケニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基である]で表される保護基で置換された核酸塩基を少なくとも1つ有し、
5’位又は3’位がヒドロキシ基であるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの当該5’-ヒドロキシ基又は3’-ヒドロキシ基を、
3’位又は5’位が反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドと反応させるカップリング工程を含む、オリゴヌクレオチドの製造方法。 - 前記カップリング工程の前に、前記式(II)で表される保護基で置換された核酸塩基を少なくとも1つ有し、5’位又は3’位に一時保護基で置換されたヒドロキシ基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの当該一時保護基を除去して、前記5’位又は3’位がヒドロキシ基であるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドを生成する反応を含む、脱一時保護基工程を更に含む、請求項1に記載の製造方法。
- 前記式(II)で表される保護基で置換された核酸塩基を少なくとも1つ有し、5’位又は3’位がヒドロキシ基であるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドが、3’位又は5’位に基本保護基で置換されたヒドロキシ基を有する、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記3’位又は5’位が反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドが、5’位又は3’位に一時保護基で置換されたヒドロキシ基を有する、請求項1から3のいずれか1つに記載の製造方法。
- 前記カップリング工程において、前記式(II)で表される保護基で置換された核酸塩基を少なくとも1つ有し、5’位がヒドロキシ基であるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの当該5’-ヒドロキシ基を、
3’位が反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドと反応させる、請求項1から4のいずれか1つに記載の製造方法。 - 前記カップリング工程において、前記式(II)で表される保護基で置換された核酸塩基を少なくとも1つ有し、3’位がヒドロキシ基であるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの当該3’-ヒドロキシ基を、
5’位が反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドと反応させる、請求項1から4のいずれか1つに記載の製造方法。 - 前記反応性リン含有基が、ヒドロキシホスフィニル基であり、カップリング工程が亜リン酸ジエステル結合を形成する、請求項1から6のいずれか1つに記載の製造方法。
- 前記カップリング工程の後に、前記亜リン酸ジエステル結合を、リン酸ジエステル結合、チオリン酸ジエステル結合、ボラノリン酸ジエステル結合、アミノリン酸ジエステル結合、リン酸トリエステル結合又はチオリン酸-O,O,S-トリエステル結合に変換する反応を含む、亜リン酸ジエステル結合の変換工程を更に含む、請求項7に記載の製造方法。
- 前記反応性リン含有基が、置換されたヒドロキシ(ジアルキルアミノ)ホスフィノ基であり、カップリング工程が亜リン酸トリエステル結合を形成する、請求項1から6のいずれか1つに記載の製造方法。
- 前記カップリング工程の後に、前記亜リン酸トリエステル結合を、リン酸トリエステル結合又はチオリン酸トリエステル結合に変換する反応を含む、亜リン酸トリエステル結合の変換工程を更に含む、請求項9に記載の製造方法。
- 少なくとも1つの工程の反応後に、反応液と極性溶媒とを混合して沈殿物を生成させ、生成した沈殿物を固液分離により取得する精製工程を更に含む、請求項1から10のいずれか1つに記載の製造方法。
- 前記極性溶媒が炭素数1から6のアルコール溶媒又は炭素数1から6のニトリル溶媒である、請求項11に記載の製造方法。
- 前記一時保護基が、tert-ブチルジメチルシリル基、トリチル基、モノメトキシトリチル基又はジメトキシトリチル基であり、前記基本保護基が、レブリニル基又は3-ベンゾイルプロピオニル基である、請求項3から12のいずれか1つに記載の製造方法。
- 前記一時保護基が、レブリニル基又は3-ベンゾイルプロピオニル基であり、前記基本保護基が、tert-ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、トリチル基、モノメトキシトリチル基又はジメトキシトリチル基である、請求項3から12のいずれか1つに記載の製造方法。
- 前記式(II)で表される保護基、並びに存在する場合は、前記基本保護基及び前記一時保護基を除去する、全脱保護工程を更に含む、請求項1から14のいずれか1つに記載の製造方法。
- 下記式(II)
[式中、*は、核酸塩基との結合位置を示し、
R1は、それぞれ独立して、C10-30アルキル基又はC10-30アルケニル基であり、sは、1から5の整数であり、
L1及びL3は、それぞれ独立して、単結合、C1-6アルキレン基、C2-6アルケニレン基又はC2-6アルキニレン基であり、
L2及びL4は、それぞれ独立して、単結合、-COO-若しくは-OCO-、-CON(R2)-若しくは-N(R2)CO-(式中R2は、水素原子、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C2-6アルケニル基又はC2-6ハロアルケニル基を示す)、-C(O)-又は-O-であり、
L5及びL6は、それぞれ独立して、水素原子、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6ハロアルケニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基である]で表される保護基で置換された核酸塩基を少なくとも1つ有し、
5’位又は3’位が、ヒドロキシ基又は一時保護基で置換されたヒドロキシ基である、ヌクレオシド又はオリゴヌクレオチド。 - 下記式(I):
[式中、nは、1以上の任意の整数であり、
BaseZは、それぞれ独立して、核酸塩基、基本保護基で置換された核酸塩基又は下記式(II)で表される保護基で置換された核酸塩基であり、少なくとも1つのBaseZは、下記式(II)で表される保護基で置換された核酸塩基であり、
Xは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、無置換若しくは置換されたヒドロキシ基又は4’位炭素原子に架橋する有機基であり、
Yは、それぞれ独立して、水素原子、無置換若しくは置換されたヒドロキシ基、無置換若しくは置換されたスルファニル基、水素化ホウ素基、又は置換されたアミノ基であり、
Rは、水素原子、基本保護基又は一時保護基であり、
Zは、水素原子、基本保護基又は一時保護基であり、
Vは、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子であり、
式(II)が
(式中、*は、核酸塩基部との結合位置を示し、
R1は、それぞれ独立して、C10-30アルキル基又はC10-30アルケニル基であり、sは、1から5の整数であり、
L1及びL3は、それぞれ独立して、単結合、C1-6アルキレン基、C2-6アルケニレン基又はC2-6アルキニレン基であり、
L2及びL4は、それぞれ独立して、単結合、-COO-若しくは-OCO-、-CON(R2)-若しくは-N(R2)CO-(式中R2は、水素原子、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C2-6アルケニル基又はC2-6ハロアルケニル基を示す)、-C(O)-又は-O-であり、
L5及びL6は、それぞれ独立して、水素原子、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6ハロアルケニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基である)で表され、
2以上の前記式(II)で表される保護基を有する場合、それぞれの式(II)で表される保護基は同一でも異なっていてもよい]で表される化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。 - nが、1から30の整数である、請求項17に記載の化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
- 前記式(II)で表される保護基が置換する核酸塩基が、それぞれ独立して、ピリミジン塩基又はプリン塩基である、請求項17又は18に記載の化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
- 前記式(II)で表される保護基が置換する核酸塩基が、それぞれ独立して、シトシン、ウラシル、チミン、5-メチルシトシン、アデニン又はグアニンである、請求項17又は18に記載の化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
- 前記式(II)で表される保護基が置換する核酸塩基が、それぞれ独立して、ピリミジン塩基である、請求項17又は18に記載の化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
- 前記式(II)で表される保護基が置換する核酸塩基が、それぞれ独立して、チミン又はウラシルである、請求項17又は18に記載の化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
- Xが、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、又は基本保護基で置換されたヒドロキシ基である、請求項17から22のいずれか1つに記載の化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
- Xが、水素原子である、請求項23に記載の化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
- Yが、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基又は基本保護基で置換されたヒドロキシ基である、請求項17から24のいずれか1つに記載の化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
- Yが、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基又はシアノ基で置換されたC1-6アルキル基で置換されたヒドロキシ基である、請求項25に記載の化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
- Rが、水素原子又は一時保護基であり、Zが、基本保護基である、請求項17から26のいずれか1つに記載の化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
- 前記一時保護基が、tert-ブチルジメチルシリル基、トリチル基、モノメトキシトリチル基又はジメトキシトリチル基であり、前記基本保護基が、レブリニル基又は3-ベンゾイルプロピオニル基である、請求項27に記載の化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
- Zが、水素原子又は一時保護基であり、Rが、基本保護基である、請求項17から26のいずれか1つに記載の化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
- 前記一時保護基が、レブリニル基又は3-ベンゾイルプロピオニル基であり、前記基本保護基が、tert-ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、トリチル基、モノメトキシトリチル基又はジメトキシトリチル基である、請求項29に記載の化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
- 核酸塩基部にヒドロキシ基又はアミノ基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドを、
下記式(X-1)
(式中、Wは、ハロゲン原子であり、
R1は、それぞれ独立して、C1-40アルキル基、C2-40アルケニル基又はC2-40アルキニル基であり、sは、1から5の整数であり、
L1及びL3は、それぞれ独立して、単結合、C1-6アルキレン基、C2-6アルケニレン基又はC2-6アルキニレン基であり、
L2及びL4は、それぞれ独立して、単結合、-COO-若しくは-OCO-、-CON(R2)-若しくは-N(R2)CO-(式中R2は、水素原子、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C2-6アルケニル基又はC2-6ハロアルケニル基を示す)、-C(O)-又は-O-であり、
L5及びL6は、それぞれ独立して、水素原子、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C2-6アルケニル基又はC2-6ハロアルケニル基である)で表されるハロゲン化アルキル化合物と反応させ、
核酸塩基部に、下記式(II)
(式中、*は、ヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの核酸塩基部との結合位置を示し、
R1、L1及びL3、L2及びL4、L5及びL6、は上記と同じである)で表される擬似固相保護基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドを製造する方法。
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