JPWO2013065321A1 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
本発明は、タイヤ側部におけるサイドゴムのタイヤ幅方向外側に、非汚染性のゴム層を介して着色層が形成された空気入りタイヤであって、前記非汚染性のゴム層に、層状化合物21を含むことを特徴とする。
Description
ただし、この着色層については、前記サイドゴム部分から、オイル分や老化防止剤等が移行することによって、茶色に変色するという問題がある。そのため、この変色を防止する目的で、種々の技術が開発されている。
(1)タイヤ側部の幅方向外側に、非汚染性のゴム層を介して着色層が形成された空気入りタイヤであって、前記非汚染性のゴム層に、層状化合物を含むことを特徴とする空気入りタイヤ。
(2)前記層状化合物は、膨潤マイカ又は扁平クレーであることを特徴とする上記(1)に記載の空気入りタイヤ。
(3)前記層状化合物は、厚さに対する長手方向の長さの比が、5以上であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の空気入りタイヤ。
(4)前記層状化合物の平均粒径が0.2〜30μmであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(5)前記層状化合物の厚さが、0.5〜5.0μmの範囲であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(6)前記層状化合物は、前記非汚染性のゴム層を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対して、8〜80質量部含まれることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(7)前記層状化合物は、疎水性であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(8)前記層状化合物は、水を含まない系において混練りされることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(9)前記非汚染性のゴム層を構成するゴム組成物において、前記層状化合物とカーボンブラックの合計配合量が、前記ゴム成分100質量部に対して55〜80質量部であることを特徴とする上記(6)〜(8)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
図1は、本発明の空気入りタイヤの一実施形態について、トレッドの一部について幅方向断面で見た状態を模式的に示した図である。図2は、本発明の空気入りタイヤの非汚染性のゴム層の断面を拡大して模式的に示した図である。
老化防止剤等の汚染成分40が非汚染性のゴム層8を透過する際、前記層状化合物21が障害物となることによって、汚染成分40の経路が長くなる結果、前記汚染成分の着色層7への浸入を有効に抑制できる。その結果、サイドゴムとの高い接着力を有しつつ、従来の着色層7が形成された空気入りタイヤに比べて、着色層7の耐汚染性を向上させることが可能となる。
本発明の空気入りタイヤに形成される着色層は、図1に示すように、タイヤ側部のサイドゴムに形成される塗料層若しくはゴム層7のことであり、タイヤの意匠性を向上するための層である。
前記塗料層の構成としては、例えば、インクを用いた印刷、塗料を用いた塗装、タイヤとは別体の予め形成されたシールの貼着によって形成された層などが挙げられる。
また、前記着色層が塗料からなる場合の前記被覆層の厚さについては、5〜100μmの範囲であることが好ましい。5μm未満の場合、意匠性を十分に確保できないおそれがあり、一方、100μmを超えると製造コストが大きくなるためである。
本発明の空気入りタイヤに形成される非汚染性のゴム層は、図1に示すように、タイヤ側部のサイドゴムと着色層7との間に形成され、前記サイドゴムと着色層7との密着性を確保し、前記着色層7へ老化防止剤等が浸入することを抑制するための層20である。そして、前記非汚染性のゴム層8は、図2に示すように、層状化合物21を含む。前記層状化合物21が障害物となることで、老化防止剤等の汚染成分の透過経路を長くし、前記非汚染性のゴム層8を透過して前記着色層7へと前記汚染成分が浸入することを抑制できる。
加えて、前記層状化合物は、水を含まない系において、ゴム等のポリマー成分と十分に混練りされることが好ましい。疎水性の膨潤マイカの場合、混練り中に層間にポリマーが入り込むことで層間剥離が発生する結果、非膨潤マイカ対比アスペクト比が向上し、さらなる耐汚染性向上が図れるからである。
図3に示すように、前記層状化合物21は、厚さTに対する長手方向の長さ(幅)W1の比が、5以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましい。厚さに対する長手方向の長さの比が5未満の場合、前記層状化合物の幅Wが十分でないため、前記着色層の耐汚染性が低下するおそれがあることに加え、バリアゴムの破壊核として作用し、バリアゴムの耐久性を低下させるおそれがある。なお、前記層状化合物21の長手方向の長さW1とは、図3に示すように、前記層状化合物21の中で最も大きな長さ(幅W)のことをいう。
また、層状又は板状粘度鉱物の平均粒径は大きすぎると耐屈曲性の低下を招き、小さすぎると耐汚染性の改良効果が得られないため、0.2〜30μmが好ましく、特に0.2〜10μm程度の範囲がより好ましい。
ゴム成分として非ジエン系ゴムを含むことで、老化防止剤等に対するバリア性を確保できる結果、前記着色層の優れた耐汚染性を実現できる。
前記タイヤ側部に位置するゴムは、図1に示すように、空気入りタイヤのサイドウォール部2などのタイヤ側部を構成するためのゴム部材である。本発明の空気入りタイヤでは、そのタイヤ幅方向外側に、前記非汚染性のゴム層8を介して前記着色層7が形成されている。前記タイヤ側部2のゴムを構成するゴム組成物については、特に限定はされず、通常の空気入りタイヤに用いられるゴム組成物を用いればよい。
混練機を用い、表1に示す配合成分のうち硫黄、加硫促進剤を除いた成分を約130℃で3分間混練した。その後、硫黄、加硫促進剤を加え、2軸オープンロールでさらに約100℃で2分間練り込んだ後、所定の厚みのシートとして取り出した。該シートから各実施例及び比較例の試料片を作製した。
なお、表1中に示された非汚染性のゴム層中に含有される化合物の混練り後のアスペクト比については、
膨潤マイカ(疎水性)>扁平クレー>膨潤マイカ(親水性)>マイカ>シリカ
である。
(1)耐汚染性
汚染物質を一定量含んだ汚染ゴムと、白ゴムとの間に、各実施例及び比較例で作製した試料片を設けた積層体を加硫し、100℃恒温槽に48時間入れた前後での白ゴム表面の色差を分光測色計CM-700d(コニカミノルタ(株)製)を用いて測定することで、耐汚染性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
なお、耐汚染性の評価については、比較例2の耐汚染性を100としたときの相対値として示し、数値が大きいほど耐汚染性が高く、良好な結果となる。
バリアゴムとサイドゴムをそれぞれ重ね合わせた状態で加硫することで、試験サンプル作成し、該試験サンプルのゴムの一方を固定した状態で、他方のゴムを引張り、ゴム同士の界面強力を測定することで評価を行った。評価サンプルの作製及び評価方法については、JIS K 6256に準拠して行い、結果を表1に示す。
なお、各実施例及び比較例の評価については、比較例2の接着性を100としたときの対値として示し、数値が大きいほど接着性が高く、良好な結果となる。
ロール温度70℃の3インチロール上で、各実施例及び比較例において調製されたゴム組成物からなる未加硫ゴムのサンプルをロール間隔2mmにて巻き付け、2分間ロールを回転させた。その後、回転を停止して1分間放置し、6cmの線(ライン)を切り出した後に3分間放置し、6cmのラインの収縮度を、メジャーを用いて目視により測定した。測定結果を表1に示す。比較例2の収縮度を100として指数表示した。指数値が大きい程、加工性に優れることを示す。
繰り返し疲労試験装置を用い、ゴムサンプル形状ダンベル型のゴムサンプルの中央に長さ1mmの傷を入れた後、100%定歪、初期歪なし、300rpmの条件で、繰り返し疲労試験を行い、傷が成長して破断するまでの時間を測定した。
結果は比較例2の破断時間を100としたときの、指数で表示した。指数値が大きいほど、破断時間が長く、耐亀裂成長性が良好であることを示す。結果を表1に示す。
*2 旭カーボン製 #55−NP
*3 大内新興化学工業製 ノクセラーDM−P
*4 ミヨシ油脂製 MXST
*5 コープケミカル株式会社製 「ソマシフME−100」、平均粒径6μm
*6 コープケミカル株式会社製 「ソマシフMAE」、平均粒径6μm
*7 J.M.Huber社製、POLYFIL DL」、平均粒子径1μm、厚さに対する長手方向の長さの比10
2 タイヤ側部
3 トレッド部
4 ビードコア
5 カーカス
6 ベルト
7 着色層
8 非汚染性のゴム層
21 層状化合物
40 汚染成分
(1)タイヤ側部の幅方向外側に、非汚染性のゴム層を介して着色層が形成された空気入りタイヤであって、前記非汚染性のゴム層に、層状化合物及びカーボンブラックを含み、該層状化合物とカーボンブラックの合計配合量が、ゴム成分100質量部に対して55〜80質量部であることを特徴とする空気入りタイヤ。
(2)前記層状化合物は、膨潤マイカ又は扁平クレーであることを特徴とする上記(1)に記載の空気入りタイヤ。
(3)前記層状化合物は、厚さに対する長手方向の長さの比が、5以上であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の空気入りタイヤ。
(4)前記層状化合物の平均粒径が0.2〜30μmであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(5)前記層状化合物の厚さが、0.5〜5.0μmの範囲であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(6)前記層状化合物は、前記非汚染性のゴム層を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対して、8〜30質量部含まれることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(7)前記層状化合物は、疎水性であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(8)前記層状化合物は、水を含まない系において混練りされることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
混練機を用い、表1に示す配合成分のうち硫黄、加硫促進剤を除いた成分を約130℃で3分間混練した。その後、硫黄、加硫促進剤を加え、2軸オープンロールでさらに約100℃で2分間練り込んだ後、所定の厚みのシートとして取り出した。該シートから各実施例及び比較例の試料片を作製した。
なお、表1中に示された非汚染性のゴム層中に含有される化合物の混練り後のアスペクト比については、
膨潤マイカ(疎水性)>扁平クレー>膨潤マイカ(親水性)>マイカ>シリカ
である。
Claims (9)
- タイヤ側部の幅方向外側に、非汚染性のゴム層を介して着色層が形成された空気入りタイヤであって、
前記非汚染性のゴム層に、層状化合物を含むことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記層状化合物は、膨潤マイカ又は扁平クレーであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記層状化合物は、厚さに対する長手方向の長さの比が、5以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記層状化合物の平均粒径が0.2〜30μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気リタイヤ。
- 前記層状化合物の厚さが、0.5〜5.0μmの範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記層状化合物は、前記非汚染性のゴム層を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対して、8〜80質量部含まれることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記層状化合物は、疎水性であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記層状化合物は、水を含まない系において混練りされることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記非汚染性のゴム層を構成するゴム組成物において、前記層状化合物とカーボンブラックの合計配合量が、前記ゴム成分100質量部に対して55〜80質量部であることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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