JP5840922B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ側部の幅方向外側に、バリア層を介してカラー層が形成された空気入りタイヤに関する。
サイドウォール部などのタイヤ側部に、装飾用としてカラー層を形成したタイヤは、近年高付加価値タイヤとして一般的に知られている。
ただし、このカラー層については、前記サイドゴム部分から、オイル分や老化防止剤等が移行することによって、茶色に変色するという問題がある。そのため、この変色を防止する目的で、種々の技術が開発されている。
上記カラー層の変色を抑制する方法としては、カラー層にブチルゴム(IIR)を用いることが一般的である。ただし、ブチルゴムは、分子中に二重結合を殆ど持たず、カラー層と隣接するサイドゴムとの共架橋性に乏しいことから、ブチルゴムにエチレンプロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)や、天然ゴム等をブレンドしたブレンドゴムを用いることで、耐久性を高めている。
また、上記カラー層の変色を抑制する他の方法として、サイドゴムとカラー層との間に所定のバリア層を設けることで、オイル分や老化防止剤の拡散を抑制し、カラー層の変色を抑制する技術が挙げられる。
例えば、特許文献1では、カラー層及びバリア層の組成について適正化を図ることで、比較的小さな厚みで、耐久性、及び、カラー層の変色抑制効果(耐汚染性)を有するカラー層を備えた空気入りタイヤが開示されている。
しかしながら、上記記載の技術では、ポリマー成分のみの耐汚染性に頼る部分が大きく、耐汚染性が十分ではなかった。そのため、上記カラー層の変色を有効に抑制できる空気入りタイヤの開発が望まれている。
特開2006−168616号公報
本発明は、タイヤ側部のゴムと、その幅方向外側に位置するカラー層との間に形成されたバリア層の適正化を図ることによって、カラー層の耐汚染性に優れた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討をした結果、前記バリア層に、細孔を有する汚染成分捕獲材を加えることによって、従来品に比べて、カラー層の耐汚染性を大きく向上できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、その要旨は以下の通りである。
(1)タイヤ側部の幅方向外側に、ゴム成分を含むバリア層を介してカラー層が形成された空気入りタイヤであって、前記バリア層が、細孔を有する汚染成分捕獲材を含み、前記汚染成分捕獲材は、その少なくとも前記細孔内部表面部分の溶解パラメータ(SP値)が5.0〜15.0(cal/cm 3 ) 1/2 (10.3〜30.8MPa 1/2 )の範囲であることを特徴とする空気入りタイヤ。
(2)前記汚染成分捕獲材は、前記バリア層中に、ゴム成分100質量部に対して1.0〜30.0質量部含まれることを特徴とする上記(1)に記載の空気入りタイヤ。
(3)前記汚染成分捕獲材は、メソポーラスシリカであることを特徴とする上記(1)に記載の空気入りタイヤ。
(4)前記汚染成分捕獲材の細孔径は、0.1〜100nmの範囲であることを特徴とする上記(1)に記載の空気入りタイヤ。
(5)前記バリア層が、老化防止剤を実質的に含まないことを特徴とする上記(1)に記載の空気入りタイヤ。
(6)前記汚染成分捕獲材は、前記細孔内部表面を溶解パラメータ(SP値)が5.0〜15.0(cal/cm 3 ) 1/2 (10.3〜30.8MPa 1/2 の範囲である材料で被覆してなることを特徴とする上記()に記載の空気入りタイヤ。
本発明によれば、従来のカラー層が形成された空気入りタイヤに比べて、カラー層の耐汚染性に優れた空気入りタイヤを提供できる。
本発明の空気入りタイヤの一実施形態について、その一部を模式的に示した幅方向断面図である。 本発明の空気入りタイヤのバリア層について、その一部を拡大して模式的に示した断面図である。
以下、本発明の構成と限定理由を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の空気入りタイヤの一実施形態について、トレッドの一部について幅方向断面で見た状態を模式的に示した図である。図2は、本発明の空気入りタイヤのバリア層の断面を拡大して示した図である。
本発明による空気入りタイヤは、図1に示すように、タイヤ側部(図1では、サイドウォール部2)におけるサイドゴム10のタイヤ幅方向外側に、バリア層20を介してカラー層30が形成された空気入りタイヤ1である。ここで、前記タイヤ側部とは、タイヤの幅方向断面で見たときに側方に位置する部分(トレッド端からビード部までの部分)のことをいう。
そして本発明は、図2に示すように、前記バリア層20が、細孔21aを少なくとも1つ有する汚染成分捕獲材21を含むことを特徴とする。
前記バリア層20に、汚染成分捕獲材21を含むことによって、該汚染成分捕獲材21の細孔21a中に老化防止剤等の汚染成分をトラップし、カラー層10への前記汚染成分の浸入を有効に抑制できる結果、カラー層の耐汚染性を大きく向上させることができる。
(カラー層)
本発明の空気入りタイヤに形成されるカラー層は、図1に示すように、タイヤ側部のサイドゴム10に形成されるゴム層30のことであり、タイヤの意匠性を向上するための層である。
前記カラー層を構成するゴム組成物としては、特に限定はされないが、耐汚染性を確保する点から、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンゴム(EPM)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)及びウレタンゴム(U)のうちの少なくとも1種を含むゴム成分を配合することが好ましい。また、前記カラー層を構成する成分としては、一般的に塗料として用いられているエポキシ系やエステル系、アクリル系の水性または油性の成分が好ましい。
また、前記ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンゴム(EPM)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)及びウレタンゴム(U)の含有量については、ゴム成分100質量部に対して、0〜100質量部であることが好ましい。これらの範囲内とすることで、前記カラー層の耐汚染性が有効に発揮できるためである。
また、前記ゴム成分については、その他の一般的なタイヤ用ゴム成分を適宜含むことができる。例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等の少なくとも1種を含むことができる。
なお、前記カラー層として、例えば白ゴム層を形成する場合には、白色充填剤を配合する。その配合量については、ゴム成分100質量部に対して40〜120質量部の範囲内とされることが好ましい。特に60質量部以上とされることが好ましく、100質量部以下とされることが好ましい。
前記白色充填剤としては、例えば酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、クレー、タルク等が挙げられる。例えば酸化チタンを用いた場合は、白色充填剤としての寄与の他、ゴム組成物の紫外線による劣化を防止し、耐変色性および耐久性を向上させる効果を有する。
その他の色のカラー層を形成する場合には、上記の白色充填剤に代えるか、又は上記の白色充填剤とともに、青色、赤色、黄色、緑色等の着色顔料を、例えばゴム成分100質量部に対して、0.5〜30質量部程度配合することができる。
また、前記カラー層を構成するゴム組成物は、架橋剤、加硫促進剤などをさらに配合することができる。架橋剤としては、有機過酸化物、硫黄系加硫剤が好ましく用いられ、ゴム成分100質量部に対してたとえば0.3〜3.0質量部の範囲内で配合され得る。
有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等を使用することができる。また、硫黄系加硫剤としては、例えば、硫黄、モルホリンジスルフィド等を使用することができる。
加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、若しくは、キサンテート系加硫促進剤のうち少なくとも一つを含有するものを使用することが可能である。
また、加工性を向上させるため、軟化剤を前記ゴム組成物に配合することもできる。ここで軟化剤としては、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリンなどの石油系軟化剤、ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油などの脂肪油系軟化剤、蜜ロウ、カルナバロウ、ラノリンなどのワックス類の他、トール油、サブ、リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸等が挙げられる。
さらに、可塑剤、例えばDMP(フタル酸ジメチル)、DEP(フタル酸ジエチル)、DBP(フタル酸ジブチル)、DHP(フタル酸ジヘプチル)、DOP(フタル酸ジオクチル)、DINP(フタル酸ジイソノニル)、DIDP(フタル酸ジイソデシル)、BBP(フタル酸ブチルベンジル)、DLP(フタル酸ジラウリル)、DCHP(フタル酸ジシクロヘキシル)等を使用しても良い。
また、前記ゴム組成物に、スコーチを防止または遅延させるためスコーチ防止剤、例えば無水フタル酸、サリチル酸、安息香酸などの有機酸、N−ニトロソジフェニルアミンなどのニトロソ化合物、N−シクロヘキシルチオフタルイミドなどを配合することができる。
なお、老化防止剤については、前記カラー層を構成するゴム組成物中に含まないことが好ましい。カラー層の変色の原因となるためである。
さらに、前記カラー層を構成するゴム組成物には、シランカップリング剤を配合することが好ましい。シランカップリング剤は、シリカ等の白色系補強剤とゴム成分との結合を強固にし、ゴム組成物中における該白色系補強剤の分散性を向上させる効果を有する。シランカップリング剤としては、たとえばチオール系、アミン系、ハロゲン系の官能基を有するもの等を単独または2種以上の組合せで好ましく使用することができる。
また、前記カラー層のタイヤ幅方向の厚さについては、特に限定はされないが、0.5〜3.0mmの範囲であることが好ましい。0.5mm未満の場合、意匠性を十分に確保できないおそれがあり、一方、3.0mmを超えると製造コストが大きくなるためである。
(バリア層)
本発明の空気入りタイヤに形成されるバリア層は、図1に示すように、タイヤ側部のサイドゴム10とカラー層30との間に形成され、前記サイドゴム10とカラー層30との密着性を確保し、前記カラー層30へ老化防止剤等が浸入することを抑制するための層20である。そして、前記バリア層20は、細孔21aを有する汚染成分捕獲材21を含む。前記汚染成分捕獲材21の細孔21a中に、老化防止剤等の汚染成分をトラップすることができるため、カラー層10への前記汚染成分の浸入を有効に抑制できる。
前記汚染成分捕獲材21は、図2に示すように、それぞれ細孔21aを有し、該細孔21a内部に老化防止剤等の汚染成分をトラップするための部材であり、例えば、メソポーラスシリカや、ゼオライト等を用いることができる。少なくとも1つの細孔21aを有し、該細孔21a中に汚染成分を捕獲できるものであれば、その他の構成(形状や材料など)について特に限定はされない。
前記細孔21aについては、図2に示すように、1つであっても良いし、複数であっても良く、各汚染成分捕獲材21が異なる数の細孔21aを有することもできる。
前記汚染成分捕獲材は、前記バリア層中に、ゴム成分100質量部に対して1.0〜30.0質量部含まれることが好ましい。前記汚染成分捕獲材の含有量が1.0質量部未満の場合、汚染成分吸着効果が十分でないため、所望の耐汚染性が得られないおそれがあり、一方、30質量部を超えると、含有量が多すぎるため隣接ゴムとの接着性や製造時の作業性が劣るおそれがあるからである。
また、前記汚染成分捕獲材は、前記細孔を所望のサイズに調整でき、比較的容易に合成することができる点から、メソポーラスシリカであることが好ましい。ここで、前記メソポーラスシリカとは、シリカを材質として、ほぼ均一で、かつ規則的な細孔を持つ物質のことをいう。その合成方法については特に限定はせず、例えば、界面活性剤を鋳型としたゾルゲル法などが挙げられる。
また、図2に示すように、前記汚染成分捕獲材21の細孔径Wは、0.1〜100nm の範囲であることが好ましく、0.5〜50nmの範囲であることがより好ましい。汚染成分である老化防止剤等の分子サイズに近づくため、汚染成分を有効に捕獲できるとともに、一旦捕獲した汚染成分が再び流出することを抑制できるからである。前記細孔径Wが0.1nm未満の場合には、細孔のサイズが小さすぎるため、十分に前記汚染成分を捕獲することができないおそれがあり、一方、100nmを超えると、細孔のサイズが大きすぎるため、一旦捕獲した汚染成分が再び流出するおそれがある。
さらに、前記汚染成分捕獲材は、その少なくとも前記細孔内部表面部分の溶解パラメータ(SP値、σ)が5.0〜15.0(cal/cm 3 ) 1/2 (10.3〜30.8MPa 1/2 の範囲であることが好ましい。汚染成分である老化防止剤等のSP値に近づくため、汚染成分を捕獲しやすくなるとともに、一旦捕獲した汚染成分が再び流出することを抑制できるからである。前記SP値が5.0(cal/cm 3 ) 1/2 (10.3MPa 1/2 未満及び15.0(cal/cm 3 ) 1/2 (30.8MPa 1/2 超えの場合には、前記汚染成分のSP値と大きく異なるため、十分に前記汚染成分を捕獲することができないおそれがある。なお、上記SP値については、Fedorsの方法(σ=(Ev/v)1/2=(ΣΔej/ΣΔvj)1/2)によって算出された値とする。
さらにまた、前記汚染成分捕獲材は、前記細孔内部表面部分のSP値を5.0〜15.0の範囲とするべく、SP値が当該範囲である材料を、前記細孔内部表面に被覆することも可能である。
なお、図2に示すように、前記汚染成分捕獲材21は、前記細孔21aが前記バリア層20の深さ方向Dに対して配向性を持った形で前記バリア層20に含まれることが好ましい。前記汚染成分の捕獲をさらに効率よく行えるためである。配向性を持たせる方法としては特に限定はしないが、メソポーラスシリカ含有バリア層20を深さ方向に対し層状に配置する方法などが挙げられる。
前記バリア層を構成するゴム組成物のゴム成分については、特に限定はされないが、耐汚染性を確保する点から、非ジエン系ゴムを含むことが好ましい。ここで、「非ジエン系ゴム」とは、ゴム成分の主鎖に二重結合をほとんど含まない(具体的には、2.5mol%以下)ものをいう。例えば、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)、ウレタンゴム(U)、シリコーンゴム(Q)、クロロスルホン化ゴム(CSM)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)等が挙げられる。
ゴム成分として非ジエン系ゴムを含むことで、老化防止剤等に対するバリア性を確保できる結果、前記カラー層の優れた耐汚染性を実現できる。
その中でも、前記ゴム成分を構成する非ジエン系ゴムが、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)、及びウレタンゴム(U)、クロロスルホン化ゴム(CSM)のうちの少なくとも1種であることが好ましい。老化防止剤等に対するバリア性を確保し、前記カラー層の耐汚染性を向上させることができるからであり、他の非ジエン系ゴムからなる場合、十分な前記カラー層の耐汚染性を確保できないおそれがある。
なお、前記バリア層については、着色の有無については特に限定されない。例えば、白いバリア層を形成する場合には、白色充填剤を配合し、その他の色のバリア層については、必要に応じた色の着色顔料を配合する。また、前記サイドゴムと同様に、カーボンブラックを配合してもかまわない。充填材の配合量についても、特に限定はされない。
また、前記バリア層を構成するゴム組成物は、架橋剤、加硫促進剤などをさらに配合することができる。架橋剤としては、前記カラー層と同様に、有機過酸化物、硫黄系加硫剤が好ましく用いられ、ゴム成分100質量部に対してたとえば0.3〜3.0質量部の範囲内で配合され得る。
加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、若しくは、キサンテート系加硫促進剤のうち少なくとも一つを含有するものを使用することが可能であり、その中でも、前記サイドゴムとの高い接着性を得る点から、チアゾール系の加硫促進剤を用いることが好ましい。
また、加工性を向上させるため、軟化剤を前記ゴム組成物に配合することもできる。ここで軟化剤については、上記のカラー層を構成するゴム組成物と同じものを用いることができる。さらに、可塑剤や、スコーチ防止剤、シランカップリング剤についても、上記のカラー層を構成するゴム組成物と同様である。
なお、老化防止剤については、前記バリア層を構成するゴム組成物中には含まないことが好ましい。カラー層の変色の原因となるためである。
また、前記バリア層のタイヤ幅方向の厚さについては、特に限定はされないが、0.5〜3.0mmの範囲であることが好ましい。0.5mm未満の場合、耐汚染性を確保できないおそれがあり、一方、3.0mmを超えると製造コストが大きくなるためである。
(タイヤ側部のゴム)
前記タイヤ側部に位置するゴムは、図1に示すように、空気入りタイヤ1のサイドウォール部2などのタイヤ側部を構成するためのゴム部材10である。本発明の空気入りタイヤ1では、そのタイヤ幅方向外側に、前記バリア層20を介して前記カラー層30が形成されている。前記タイヤ側部のゴム(図1ではサイドゴム10)を構成するゴム組成物については、特に限定はされず、通常の空気入りタイヤに用いられるゴム組成物を用いればよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜7及び比較例1〜3)
混練機を用い、表1に示す配合成分のうち硫黄、加硫促進剤を除いた成分を約130℃で3.0分間混練した。その後、硫黄、加硫促進剤を加え、2軸オープンロールでさらに約100℃で2.0分間練り込んだ後、所定の厚みのバリア層及びゴム層からなるシートとして取り出した。該シートから各実施例及び比較例の試料片を作製した。
なお、表1に示す配合成分のうち、メソポーラスシリカについては、水溶液中に臨界ミセル濃度以上の濃度で界面活性剤を溶解させてミセル粒子を形成した後、シリカ源となるテトラエトキシシランを加え、微量の酸あるいは塩基を触媒として加えコロイド粒子の隙間でゾルゲル反応が進行しシリカゲル骨格を形成させた後、高温の焼成によって鋳型の界面活性剤を除去することで作製した。
得られた汚染成分捕獲材については、バリア層中に含まれたときに、各汚染成分捕獲材の細孔径が異なるものを汚染成分捕獲材−1、各汚染成分捕獲材の細孔径が約0.1〜2nmの範囲で均一であるものを汚染成分捕獲材−2、各汚染成分捕獲材の細孔径が約2.0〜50nmの範囲で均一であるものを汚染成分捕獲材−3、各汚染成分捕獲材の細孔径が約50〜100nmの範囲で均一であるものを汚染成分捕獲材−4、各汚染成分捕獲材の細孔径が約2.0〜50nmの範囲で均一でかつ細孔内側表面部分をSP値が約10(cal/cm 3 ) 1/2 (20.5MPa 1/2 の有機化合物によって被覆したものをメソポーラスシリカ−5とした。
(評価)
(1)耐汚染性
汚染成分を一定量含んだ汚染ゴムと、白ゴムとの間に、各実施例及び比較例で作製した試料片を設けた積層体を加硫し、100℃恒温槽に48時間入れた前後での白ゴム表面の色差を分光測色計CM-700d(コニカミノルタ(株)製)を用いて測定することで、耐汚染性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
なお、耐汚染性の評価については、比較例1の耐汚染性を100としたときの相対値として示し、数値が大きいほど耐汚染性が高く、良好な結果となる。
(2)隣接ゴムとの接着性
バリアゴムとサイドゴムをそれぞれ重ね合わせた状態で加硫することで、試験サンプル作成し、該試験サンプルのゴムの一方を固定した状態で、他方のゴムを引張り、ゴム同士の界面強力を測定することで評価を行った。評価サンプルの作製及び評価方法については、JIS K 6256に準拠して行い、結果を表1に示す。
なお、各実施例及び比較例の評価については、比較例1の接着性を100としたときの対値として示し、数値が大きいほど接着性が高く、良好な結果となる。
Figure 0005840922
*1 JSR製 ブロモブチル2255
*2 住友化学製 エスプレン505
*3 旭カーボン製 #55−NP
*4 九州白水製 「ハクスイテック」
*5 大内新興化学工業製 ノクセラーDM−P
*6 KAMIN LLC. POLYFIL DL
*7 四国化成工業株式会社製 「ミュークロンOT−20」
*8 ミヨシ油脂製 MXST
表1の結果から、実施例1〜7については、いずれもカラー層の耐汚染性及び隣接ゴムとの接着性が高いことがわかった。一方、比較例1〜3については、実施例に比べると性能に劣ることがわかった。
本発明によれば、従来のカラー層が形成された空気入りタイヤに比べて、カラー層の耐汚染性に優れた空気入りタイヤを提供できる。その結果、より長期間において空気入りタイヤを使用することが可能となり、産業上有用な効果を奏する。
1 空気入りタイヤ
2 サイドウォール部
10 サイドゴム
20 バリア層
21 汚染成分捕獲材
30 カラー層

Claims (6)

  1. タイヤ側部の幅方向外側に、ゴム成分を含むバリア層を介してカラー層が形成された空気入りタイヤであって、
    前記バリア層が、細孔を有する汚染成分捕獲材を含み、
    前記汚染成分捕獲材は、その少なくとも前記細孔内部表面部分の溶解パラメータ(SP値)が5.0〜15.0(cal/cm 3 ) 1/2 の範囲である
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記汚染成分捕獲材は、前記バリア層中に、ゴム成分100質量部に対して1.0〜30.0質量部含まれることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記汚染成分捕獲材は、メソポーラスシリカであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記汚染成分捕獲材の細孔径は、0.1〜100nmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記バリア層が、老化防止剤を実質的に含まないことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記汚染成分捕獲材は、前記細孔内部表面を溶解パラメータ(SP値)が5.0〜15.0(cal/cm 3 ) 1/2 の範囲である材料で被覆してなることを特徴とする請求項に記載の空気入りタイヤ。
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