JP4565987B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、サイドウォール部に色ゴム層が設けられ、該色ゴム層の耐変色性および耐久性が良好な空気入りタイヤに関する。
サイドウォール部に装飾用として色ゴム層を配したタイヤは、近年高付加価値タイヤとして一般的に知られている。しかし、該色ゴム層をサイドウォール部に配設した場合、色ゴム部分に周辺の黒ゴム部分からオイル分、老化防止剤等が移行することによって、該色ゴム部分が茶色に変色する場合がある。この変色を防止する目的で、該色ゴム層に対しブチルゴム(IIR)を使用することが一般的に行なわれている。
しかしブチルゴムは分子中に二重結合を殆ど持たず、色ゴム層と隣接するゴム部分との共架橋性に乏しいため、該ブチルゴムにエチレンプロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、天然ゴム等をブレンドしたブレンドゴムを色ゴムとして用い、耐久性を高める工夫がなされている。
このようなブレンドゴムにおいては、ブチルゴムの含有率を高くする方が耐変色性の点では好ましいが、ブチルゴムの含有率を高くした場合、色ゴム層と、該色ゴム層と隣接するゴム部分との共架橋性が悪くなり、耐久性が低下する傾向がある。一方ブチルゴムの含有率を低くすると、耐久性は向上するが耐変色性が劣る傾向があるため、色ゴムの厚みを大きくする必要性が生じる。
また、オイル分や老化防止剤は拡散し易い性質を有するため、装飾部と通常のサイドウォールゴムとがたとえばサイドウォール内層ゴムによって隔離されていても、該サイドウォール内層ゴムを介してオイル分や老化防止剤が通常のサイドウォールゴムから装飾部へ移行し、茶変色が生じる場合がある。
特許文献1には、複数色からなる装飾部と、該装飾部を支持しかつ周囲の通常のサイドウォールゴムから隔離する大きさを有してサイドウォールの一部を形成する非汚染性ないし微汚染性のサイドウォール内層ゴムと、該内層ゴムが表面に露出しないように設けた耐光性カーバーシートを一体として備え、かつ、タイヤ断面方向に測った装飾部のゲージが、同一断面における該装飾部のゲージとサイドウォール内層ゴムのゲージとの合計ゲージ、すなわちサイドゴムゲージに対し60%以下であることを特徴とする彩色装飾部を有する空気入りタイヤが提案されている。
特許文献2には、サイドウォールが外層と内層とでゴム質の異なる2層構造を有し、外層はハロゲン化ブチルゴムおよびエチレンプロピレンゴムからなる群から選ばれた低飽和度ゴム群の少なくとも1種を所定範囲の量で配合し、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム及びスチレン−ブタジエンゴムからなる群から選ばれた高不飽和度ゴムの少なくとも1種を所定範囲の量で配合してなるゴム組成物で構成され、該内層が、該低不飽和度ゴムの少なくとも1種と、該高不飽和度ゴムの少なくとも1種を所定範囲の割合で配合してなる組成物で構成され、該内層および該外層のゴム組成物がともにフェニレンジアミン系老化防止剤およびワックスを一定量以下で配合された空気入りタイヤが提案されている。
特許文献3には、台タイヤ表面の少なくとも一部に、該台タイヤ表面と共加硫されている着色されたゴム製塗膜が形成され、かつ、該ゴム製塗膜は、非ジエン系ゴムを全ゴム成分中5〜80重量%含有するゴム成分を配合したゴム組成物を加硫してなるものであることを特徴とする装飾タイヤが提案されている。
特許文献4には、内層ゴムと外層ゴムとは天然ゴムを主体とするゴム組成物により、中間層ゴムは内層ゴム、外層ゴムとはポリマー比率またはカーボン比率が1%以上異なるゴム組成物により形成された空気入りタイヤが提案されている。
特許文献5には、20〜80質量部のハロゲン化ブチルゴムと他のジエン系ゴムとからなるゴム成分100重量部に対して、炭酸カルシウム、イオウ、および加硫促進剤としてのジチオリン酸塩またはホスホアリールポリスルフィドを、それぞれ所定範囲内の量で添加してなる装飾用白ゴム組成物が提案されている。
しかし、特許文献1〜5で提案される手段では、タイヤのベース部分のゴムと装飾部のゴムとの接着性を十分確保して良好な耐久性を維持しつつ、装飾部表面の耐変色性を満足できるレベルにまで向上させることは困難である。
特開平4−121205号公報 特開平10−35212号公報 特開平11−59137号公報 特開平11−198615号公報 特開2003−41079号公報
本発明は上記の課題を解決し、サイドウォール部に配設する色ゴム層の厚みを比較的小さく抑えつつ、良好な耐久性および耐変色性を有する空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、サイドウォール部に色ゴム層が配設された空気入りタイヤであって、該色ゴム層が、ブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムの含有量がゴム成分のうちの80質量%以上であるゴム組成物で構成された最外層の内側に、天然ゴムおよび/またはジエン系ゴムとブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムとを含有するゴム組成物で構成された内層を少なくとも設けた2層以上の色ゴム層であり、該色ゴム層のトータルゲージが2mm以上4mm以下に設定される空気入りタイヤに関する。
該内層のゴム成分は、ブチルゴムと、エチレンプロピレン−ジエン三元共重合体および/または天然ゴムとのブレンドゴムであることが好ましく、さらに、該ブチルゴムの含有量が該ブレンドゴムのうちの30〜50質量%であることが好ましい。この場合、最外層のゴム成分はブチルゴムであることが特に好ましい。
本発明においては、色ゴム層の該最外層の厚み(A)と該内層の厚み(B)とが(A)>(B)の関係を満たすように、最外層および内層が設けられることが好ましい。
本発明によれば、色ゴム層の厚みを薄くすることによって製造コストを低く抑えるとともに、色ゴム層の耐変色性が向上し、かつ耐久性にも優れる空気入りタイヤを得ることが可能となる。
本発明の空気入りタイヤは、サイドウォール部に色ゴム層が配設され、該色ゴム層が、最外層と内層とを少なくとも有する2層以上からなることを特徴とする。最外層は、ブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムの含有量がゴム成分のうちの80質量%以上であるゴム組成物で構成される。ブチルゴムおよびハロゲン化ブチルゴムは耐オゾン性に優れるため、最外層に老化防止剤を含有させないか、含有させる場合にも非汚染性老化防止剤の少量と併用することで所望の耐オゾン性が得られる。よって最外層にブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムを含有させた場合には老化防止剤による茶変色が防止され、良好な耐変色性を有する色ゴム層を形成することができる。
最外層を形成する該ゴム組成物のゴム成分に占めるブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムの量が80質量%以上である場合、耐変色性が良好であり、結果として色ゴム層の厚みを小さくすることができる。ブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムの含有量は、さらに90質量%以上、さらに100質量%とされることが好ましい。本発明においては、最外層を形成する該ゴム組成物がブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムで、さらにブチルゴムのみで形成されていることが特に好ましい。
最外層を形成する該ゴム組成物としてブチルゴムとハロゲン化ブチルゴムとをブレンドして用いる場合には、ブチルゴム/ハロゲン化ブチルゴムの配合比を100/0〜0/100の範囲内に設定することができる。ハロゲン化ブチルの割合を減らした場合、加硫速度が遅くなり、工程において不良が発生するケースがあるため、該配合比は必要に応じて適宜設定することが好ましい。
本発明の色ゴム層における内層は、天然ゴムおよび/またはジエン系ゴムとブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムとを含むゴム組成物で構成される。内層を形成するゴム組成物にブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムが含有されることによって、該内層と、ゴム成分のうち80質量%以上がブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムである最外層との相溶性が良好となり、最外層と内層との接着性が向上する。また、内層を形成するゴム組成物に天然ゴムおよび/またはジエン系ゴムが含有されることにより、サイドウォール部の隣接ゴムとの共架橋性が良好となり、タイヤの耐久性が十分得られる。
内層における、天然ゴムおよび/またはジエン系ゴムとブチルゴムと、ブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムとの配合比は、90/10〜30/70の範囲内に設定することが好ましい。上記配合比の30/70よりも天然ゴムおよび/またはジエン系ゴムの配合量が多い場合には、該内層とサイドウォール部の隣接ゴムとの共架橋性が十分得られる点で有利であり、90/10よりもブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムの配合量が多い場合には、該内層と最外層との相溶性が十分得られる点で有利である。特に上記配合比が80/20〜40/60の範囲内、さらに70/30〜50/50の範囲内とされることが好ましい。
なお本発明において配合されるハロゲン化ブチルゴムとしては、臭素化ブチルゴムおよび/または塩素化ブチルゴム、特に塩素化ブチルゴムが好ましく用いられる。ハロゲン化ブチルゴムの市販品としては、たとえば日本合成ゴム社のJSRクロロブチルおよびJSRブロモブチル、またエクソン社のEXXONクロロブチルおよびEXXONブロモブチル、ポリサー社のPOLYSARクロロブチルおよびPOLYSARブロモブチル等が例示できる。
本発明においては、該色ゴム層のトータルゲージは2mm以上4mm以下とされる。色ゴム層のトータルゲージが2mm以上であればサイドウォール部に均一な色ゴム層を形成することが可能であり、4mm以下であれば、比較的高価な材料からなる色ゴム層の厚みが大きい場合に生じる製造コストの過度の上昇を防止できる。色ゴム層のトータルゲージは、2.5mm以上とされることがより好ましく、また3.5mm以下とされることがより好ましい。さらに該トータルゲージは3.0mmとされることが特に好ましい。
内層を形成するゴム組成物の特に好ましいゴム成分としては、ブチルゴムと、エチレンプロピレン−ジエン三元共重合体および/または天然ゴムとのブレンドゴムからなり、該ブチルゴムの含有量が該ブレンドゴムの30〜50質量%の範囲内とされたゴム成分が挙げられる。ここでエチレンプロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)とは、エチレンプロピレンゴム(EPM)に第三ジエン成分を含有させたものである。第三ジエン成分としては炭素数5〜20の非共役ジエンが挙げられ、たとえば1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン等の鎖状ジエンや、1,4−シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン等の環状ジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボルネン、2−イソプロペニル−5−ノルボルネン等のアルケニルノルボルネン等が挙げられ、特にジエンの中では、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等が好ましく使用され得る。
本発明の内層がブチルゴムを含有する場合、ブチルゴムの含有量はゴム成分の30〜50質量%の範囲内とされることが好ましい。ブチルゴムの含有量が30質量%以上であれば、最外層のゴム組成物と内層のゴム組成物との相溶性が良好となって最外層と内層との接着性が十分確保され、50質量%以下であれば、ブチルゴムを多く含有させることによる製造コストの上昇を防止できるとともに、サイドウォール部のベース部分のゴム組成物と該内層との接着性を低下させる危険性が少ない。
本発明の空気入りタイヤの色ゴム層においては、最外層の厚み(A)と内層の厚み(B)が(A)>(B)を満たすように、すなわち最外層の厚みが内層の厚みよりも大きくなるように両層を形成することが好ましい。最外層の厚みが内層の厚みより大きい場合、色ゴム層の厚みを比較的小さくしつつ十分な耐変色性を付与できるという利点を有する。特に好ましい色ゴム層の構成としては、たとえば最外層の厚みを1.5mm〜2.5mmの範囲内、かつ内層の厚みを0.5mm〜1.0mmの範囲内とした2層構造が例示できる。
本発明の空気入りタイヤにおける色ゴム層は、最外層および内層からなる2層構造として形成されることができるが、最外層と内層との間、および/または内層よりもさらに内側に、1層または2層以上のゴム層を設けても良い。この場合の該ゴム層は、最外層および/または内層との接着性を損なわない組成とされることが好ましい。好ましい組成としては、たとえば天然ゴムまたはジエンゴム/ブチルゴムまたはハロゲン化ブチルゴム、の配合比が40/60であるもの等が好ましく挙げられる。
本発明の色ゴム層を形成するゴム組成物には、その他一般的なタイヤ用ゴム組成物に配合される成分が適宜配合され得る。ゴム成分としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等を単独または2種以上の組合せで配合することができる。
本発明において、色ゴム層としてたとえば白ゴム層を形成する場合には、白色充填剤の配合量は、最外層においては、ゴム成分100質量部に対して40〜120質量部の範囲内とされることが好ましい。特に60質量部以上とされることが好ましく、100質量部以下とされることが好ましい。一方内層においては、ゴム成分100質量部に対して白色充填剤が40〜120質量部の範囲内の含有量で配合されることが好ましい。特に60質量部以上とされることが好ましく、100質量部以下とされることが好ましい。
白色充填剤としては、たとえば酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、クレー、タルク等が配合され得る。ここでたとえば酸化チタンを用いた場合、白色充填剤としての寄与の他、ゴム組成物の紫外線による劣化を防止し、耐変色性および耐久性を向上させる効果を有する。
また、その他の色ゴム層を形成する場合、上記の白色充填剤に代えて、または上記の白色充填剤とともに、青色、赤色、黄色、緑色等の着色顔料を、たとえばゴム成分の100質量部に対して0.5〜30質量部程度配合することができる。
これらの着色顔料の具体例としては、青色顔料としてたとえば第1化成社製の「群青No.1500」等、赤色顔料としてたとえば住化カラー社製の「イプシロンレッドLB−065」等、黄色顔料としてたとえば住化カラー社製の「イプシロンイエローLB−305」等、緑色顔料としてたとえば住化カラー社製の「イプシロングリーンLB−404」等、がそれぞれ例示できる。
最外層または内層を形成するゴム組成物には、加硫剤、加硫促進剤をさらに配合することができる。加硫剤としては、有機過酸化物、硫黄系加硫剤が好ましく用いられ、ゴム成分100質量部に対してたとえば0.3〜3.0質量部の範囲内で配合され得る。
有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等を使用することができる。また、硫黄系加硫剤としては、たとえば、硫黄、モルホリンジスルフィド等を使用することができる。
加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、もしくは、キサンテート系加硫促進剤のうち少なくとも一つを含有するものを使用することが可能である。
なお、色ゴム層中に汚染性老化防止剤が存在すると該色ゴム層の茶変色の原因となる場合があるため、色ゴム層を形成するゴム組成物には非汚染性老化防止剤を併用することが好ましい。たとえば、SP-P等の非汚染性老化防止剤をゴム成分100質量部に対して0.5〜3.5質量部の範囲内で配合することができる。
本発明においては、ゴム組成物の加工性を向上させるために軟化剤を併用することもできる。ここで軟化剤としては、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリンなどの石油系軟化剤、ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油などの脂肪油系軟化剤、蜜ロウ、カルナバロウ、ラノリンなどのワックス類の他、トール油、サブ、リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸等が挙げられる。
さらに所要に応じて可塑剤、例えばDMP(フタル酸ジメチル)、DEP(フタル酸ジエチル)、DBP(フタル酸ジブチル)、DHP(フタル酸ジヘプチル)、DOP(フタル酸ジオクチル)、DINP(フタル酸ジイソノニル)、DIDP(フタル酸ジイソデシル)、BBP(フタル酸ブチルベンジル)、DLP(フタル酸ジラウリル)、DCHP(フタル酸ジシクロヘキシル)等を使用しても良い。
本発明ではスコーチを防止または遅延させるためスコーチ防止剤、例えば無水フタル酸、サリチル酸、安息香酸などの有機酸、N−ニトロソジフェニルアミンなどのニトロソ化合物、N−シクロヘキシルチオフタルイミドなどを使用することができる。
色ゴム層のゴム組成物には、シランカップリング剤もまた好ましく配合される。シランカップリング剤は、シリカ等の白色系補強剤とゴム成分との結合を強固にし、ゴム組成物中における該白色系補強剤の分散性を向上させる効果を有する。シランカップリング剤としては、たとえばチオール系、アミン系、ハロゲン系の官能基を有するもの等を単独または2種以上の組合せで好ましく使用することができる。
図1は、本発明の空気入りタイヤの右半分を示す断面図である。なお図1はトラック、バス用の空気入りラジアルタイヤの例について示している。図1において、タイヤTは、一対のビード部1と、一対のサイドウォール部2と、該サイドウォール部2に連なるトレッド部3とを有し、一対のビード部1内に埋設したビードコア4相互間にわたるカーカス5と、カーカス5の外周でトレッド部3を強化するベルト6とを備える。カーカス5は、一対のビードコア4相互間にわたり延びるカーカス本体部と、ビードコア4の周りをタイヤ半径方向内側から外側に向け巻上げた折返し部5aとを有する。カーカス5は、スチールコードまたはアラミドのような超高強度有機繊維コ─ドのラジアル配列コードをゴム被覆したプライからなる。サイドウォール部2には、最外層7と内層8とからなる色ゴム層9が配設される。本発明の空気入りタイヤは、図1に示す基本構造を有するトラック、バス用タイヤの他、乗用車用タイヤ、ライトトラックなどあらゆるカテゴリーの空気入りタイヤを包含する。
<実施例>
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.7Lのラボバンバリーを用い、表1に示す配合成分のうち硫黄、加硫促進剤を除いた成分を約150℃で5分間混練した。次いで硫黄、加硫促進剤を加え、2軸オープンロールでさらに約80℃で5分間練り込んだ後、所定の厚みのシートとして取り出した。
Figure 0004565987
注1:ハードクレイは、サウスイースタン・クレイカンパニー製の「クラウンクレー」である。
注2:二酸化チタンは、チタン工業社製の「クロノスKA10」である。
注3:酸化亜鉛は、東邦亜鉛社製の「銀嶺R」である。
注4:ステアリン酸は、日本油脂社製の「桐」である。
注5:酸化マグネシウムは、協和化学社製の「キョーマグ150」である。
注6:硫黄は、鶴見化学社製の硫黄である。
注7:加硫促進剤CZは、大内新興化学社製の「ノクセラーCZ」である。
注8:顔料は、住化カラー社製の黄色顔料「イプシロンイエローLB−305」である。
注9:IIRは、日本ブチル社製の「エクソンブチル268」である。
注10:Cl−IIRは、日本ブチル社製の「HT1066」である。
注11:EPDMは、住友化学社製の「エスプレン502」である。
注12:NRは、ベトナム製の「SVR CV60」である。
(変色テスト)
上記で得られたシートから試料片を作製し、屋外に1ヶ月間放置した後、新品時の試料片と色調を比較し、以下の基準で評価した。
5:変色無し
4:殆ど変色無し
3:試料片の一部に若干の変色が認められる
2:試料片の一部に明らかに茶色が目立つ変色が認められる
1:試料片の全体が茶色に変色している
評価結果を表2に示す。
(耐久性テスト)
上記で得られたシートを用いて165R13空気入りタイヤを作製し、以下の条件でドラム試験を実施した。
内圧:180ksc
荷重:487kg
速度:80km/h
走行距離:5000km
結果は以下の基準で評価した。
○:セパレ−ション発生無し
×:セパレ−ション発生
評価結果を表2に示す。
Figure 0004565987
実施例1〜7では、いずれも変色テストの結果が4以上、かつ耐久性テストの結果が○であり、耐変色性および耐久性がともに良好である。一方比較例1および比較例5では耐久性テストの結果が×であり、比較例2〜4では変色テストの結果が2〜3であることから、比較例においては、耐変色性と耐久性とが両立できていないことが分かる。
以上の結果より、本発明を適用した空気入りタイヤにおいては、最外層および内層を所定のゴム組成物で構成することにより、耐変色性および耐久性を両立できることが分かる。特に、色ゴム層の最外層のゴム成分としてブチルゴムのみを使用した実施例1、ハロゲン化ブチルゴムのみを使用した実施例2、ブチルゴムおよびハロゲン化ブチルゴムを使用した実施例6および7においては、変色性テストの結果が5であり、特に良好である。
実施例1〜7における全色ゴム層の厚みは2.0〜3.0mmの範囲であり、変色テストおよび耐久性テストにおいて良好な結果を示していることから、本発明によれば、比較的小さい厚みの色ゴム層によって耐変色性および耐久性の確保が可能であることが分かる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の空気入りタイヤは、サイドウォール部に配設される色ゴム層における2層以上のゴム層のうち最外層および内層を所定の組成のゴム組成物で構成することにより、比較的小さい厚みの色ゴム層で所望の耐変色性および耐久性を両立でき、製造コストの低減が可能となる。
本発明の空気入りタイヤの右半分を示す断面図である。
符号の説明
T タイヤ、1 ビード部、2 サイドウォール部、3 トレッド部、4 ビードコア、5 カーカス、5a 折返し部、6 ベルト、7 最外層、8 内層、9 サイドウォール部。

Claims (4)

  1. サイドウォール部に色ゴム層が配設された空気入りタイヤであって、前記色ゴム層が、ブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムの含有量がゴム成分のうちの80質量%以上であるゴム組成物で構成された最外層の内側に、天然ゴムおよび/またはジエン系ゴムとブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムとを含有するゴム組成物で構成された内層を少なくとも設けた2層以上の色ゴム層であり、かつ前記色ゴム層のトータルゲージが2mm以上4mm以下に設定される、空気入りタイヤ。
  2. 前記内層のゴム成分が、ブチルゴムと、エチレンプロピレン−ジエン三元共重合体および/または天然ゴムとのブレンドゴムであり、前記ブチルゴムの含有量が前記ブレンドゴムのうちの30〜50質量%である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記最外層のゴム成分がブチルゴムである、請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記最外層の厚み(A)と前記内層の厚み(B)とが(A)>(B)の関係を満たすように前記最外層および前記内層が設けられる、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
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