JP5864234B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
タイヤのサイドウォールは、トレッドの端から半径方向略内向きに延びている。サイドウォールは、架橋ゴムからなる。
旋回安定性の観点から、高い硬度を有するサイドウォールの採用を検討することがある。このサイドウォールを有するタイヤのサイド部は、高い剛性を有する。このタイヤは、路面の凹凸に対する車両の安定性を損なう恐れがある。このサイドウォールは、タイヤの操縦安定性及び乗り心地に影響する。
旋回安定性の観点から、サイドウォールとカーカスとの間に補強層を設けることがある。この補強層を有するタイヤのサイド部は、高い剛性を有する。このタイヤも、前述のタイヤと同様、路面の凹凸に対する車両の安定性を損なう恐れがある。この補強層は、操縦安定性及び乗り心地に影響する。
操縦安定性の観点から、サイドウォールの半径方向内側であってビードの軸方向外側に柔軟な緩衝ゴムが設けられることがある。このようなタイヤの例が、特開2002−362116公報に開示されている。
生産性及び軽量化の観点から、サイドウォールを2つの部材(上層及び下層)で構成することにより、ビードの一部をなすエイペックスの削減が検討されることがある。この検討の一例が、特開2007−118824公報に開示されている。この公報に記載のタイヤでは、下層は上層の硬度よりも高い硬度を有している。
特開2002−362116公報 特開2007−118824公報
上記特開2002−362116公報に記載のタイヤでは、緩衝ゴムは半径方向においてサイドウォールの内側に位置している。緩衝ゴムは、サイドウォールと直接接合されている。緩衝ゴムは軟質であり、サイドウォールは硬質である。このため、このタイヤには、緩衝ゴム及びサイドウォールの間に剥離が生じやすいという問題がある。この剥離は、タイヤの性能を阻害する。
上記特開2007−118824公報に記載のタイヤでは、上層は半径方向において下層の外側に位置している。上層は、下層と直接接合されている。上層は軟質であり、下層は硬質である。このため、このタイヤには、上層及び下層の間に剥離が生じやすいという問題がある。この剥離は、タイヤの性能を阻害する。
本発明の目的は、操縦安定性及び乗り心地に優れる空気入りタイヤの提供にある。
本発明に係る空気入りタイヤは、その外面がトレッド面をなすトレッドと、それぞれがこのトレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、それぞれがサイドウォールよりも半径方向略内側に位置する一対のビードとを備えている。このサイドウォールは、剛部と、この剛部の半径方向内側に位置する介在部と、この介在部の半径方向内側に位置する柔部とを備えている。この剛部の硬度は、この柔部の硬度よりも高い。この介在部は、この剛部と柔部とを接合している。この介在部は、架橋されたゴム組成物からなる。このゴム組成物の基材ゴムは、エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体を含んでいる。このエチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体のヨウ素価は、24以上36以下である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記基材ゴム全量に対する上記エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体の量の比率は、35質量%以下である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記剛部の硬度は49以上56以下である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記柔部の硬度は47以下である。
本発明に係る空気入りタイヤでは、剛部は硬質であり、柔部は軟質である。剛部は、半径方向において柔部の外側に位置している。このタイヤでは、高い横剛性と低い縦剛性とが両立されている。このタイヤでは、横方向の振れに対する安定性と、路面の凹凸に起因して生じる衝撃に対する吸収性との向上が図られている。このタイヤは、操縦安定性及び乗り心地に優れる。このタイヤでは、剛部と柔部との間に介在部が位置している。介在部は、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体を含む。この介在部は、剛部と柔部とを強固に接合しうる。このタイヤでは、操縦安定性及び乗り心地が安定に保持されうる。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの一部が示された拡大断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、空気入りタイヤ2が示されている。図1において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。図1において、一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を表す。このタイヤ2の形状は、赤道面に対して対称である。図1において、実線BBLはビードベースラインを表す。このビードベースラインは、タイヤ2が装着されるリム(図示されず)のリム径(JATMA参照)を規定する線である。
このタイヤ2は、トレッド4、サイドウォール6、ビード8、カーカス10、ベルト12、バンド14、インナーライナー16、チェーファー部18及びフィラー部20を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、レース用の四輪自動車に装着される。
トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、路面と接地するトレッド面22を形成する。このトレッド面22には、溝は刻まれていない。このトレッド面22に溝が刻まれて、トレッドパターンが形成されてもよい。
トレッド4は、ベース層24とキャップ層26とを有している。キャップ層26は、ベース層24の半径方向外側に位置している。キャップ層26は、ベース層24に積層されている。ベース層24は、接着性に優れた架橋ゴムからなる。ベース層24の典型的な基材ゴムは、天然ゴムである。キャップ層26は、耐摩耗性、耐熱性及びグリップ性に優れた架橋ゴムからなる。
サイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6の半径方向外側端28aの部分は、トレッド4と接合されている。このサイドウォール6の半径方向内側端28bは、ビード8の軸方向外側に位置している。サイドウォール6は、架橋ゴムからなる。サイドウォール6は、カーカス10の損傷を防止する。
ビード8は、サイドウォール6の半径方向内側に位置している。ビード8は、コア30と、このコア30から半径方向外向きに延びるエイペックス32とを備えている。コア30は、リング状である。コア30は、巻回された非伸縮性ワイヤーを含む。ワイヤーの典型的な材質は、スチールである。エイペックス32は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス32は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス10は、第一カーカスプライ34a及び第二カーカスプライ34bからなる。第一カーカスプライ34a及び第二カーカスプライ34bは、両側のビード8の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール6に沿っている。第一カーカスプライ34aは、コア30の周りを、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、第一カーカスプライ34aには、主部36aと折り返し部38aとが形成されている。第二カーカスプライ34bは、コア30の周りを、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、第二カーカスプライ34bには、主部36bと折り返し部38bとが形成されている。第一カーカスプライ34aの折り返し部38aの端40aは、半径方向において、第二カーカスプライ34bの折り返し部38の端40bよりも外側に位置している。
それぞれのカーカスプライ34は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、45°から90°、さらには75°から90°である。換言すれば、このカーカス10はラジアル構造を有する。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。カーカス10が、1枚のカーカスプライ34から形成されてもよい。
ベルト12は、カーカス10の半径方向外側に位置している。ベルト12は、カーカス10と積層されている。ベルト12は、カーカス10を補強する。ベルト12は、内側層42a及び外側層42bからなる。
図1から明らかなように、内側層42aはバンド14の端44で半径方向内側から外側に折り返されている。これにより、ベルト12の一部をなす外側層42bの端46とバンド14の端44とがこの内側層42aで包み込まれている。このベルト12は、フォールド構造を有する。このタイヤ2では、そのショルダー領域におけるベルト12及びバンド14が効果的に拘束される。このタイヤ2は、耐久性に優れる。
図示されていないが、内側層42a及び外側層42bのそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードは、赤道面に対して傾斜している。傾斜角度の絶対値は、通常は10°以上35°以下である。内側層42aのコードの赤道面に対する傾斜方向は、外側層42bのコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。コードの好ましい材質は、スチールである。コードに、有機繊維が用いられてもよい。ベルト12の軸方向幅は、タイヤ2の最大幅の0.7倍以上が好ましい。ベルト12が、3以上の層42を備えてもよい。
バンド14は、ベルト12の半径方向外側に位置している。このタイヤ2のバンド14は、軸方向において、ベルト12の幅と略同等の幅を有している。図示されていないが、このバンド14は、コードとトッピングゴムとからなる。コードは、螺旋状に巻かれている。このバンド14は、いわゆるジョイントレス構造を有する。コードは、実質的に周方向に延びている。周方向に対するコードの角度は、5°以下、さらには2°以下である。このコードによりベルト12が拘束されるので、ベルト12のリフティングが抑制される。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
ベルト12及びバンド14は、補強層48を構成している。ベルト12のみから、補強層48が構成されてもよい。バンド14のみから、補強層48が構成されてもよい。
インナーライナー16は、カーカス10の内側に位置している。インナーライナー16は、カーカス10の内周面を覆う。インナーライナー16は、架橋ゴムからなる。インナーライナー16には、空気遮蔽性に優れたゴムが用いられている。インナーライナー16の典型的な基材ゴムは、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムである。インナーライナー16は、タイヤ2の内圧を保持する。
チェーファー部18は、ビード8の近傍に位置している。タイヤ2がリムに組み込まれると、このチェーファー部18がリムと当接する。この当接により、ビード8の近傍が保護される。このタイヤ2では、チェーファー部18は、第一チェーファー50a及び第二チェーファー50bから構成される。第二チェーファー50bは、第一チェーファー50aの内側に位置している。それぞれのチェーファー50は、布とこの布に含浸したゴムとからなる。図1から明らかなように、半径方向において、第一チェーファー50aの一端52aは第二チェーファー50bの一端54aよりも外側に位置している。この第一チェーファー50aの一端52aは、チェーファー部18の一端である。半径方向において、第一チェーファー50aの他端52bは第二チェーファー50bの他端54bよりも外側に位置している。この第一チェーファー50aの他端52bは、チェーファー部18の他端である。このチェーファー部18の他端52bは、半径方向において、サイドウォール6の内端28bよりも外側に位置している。このチェーファー部18の一部は、サイドウォール6の内端28bの部分と重なり合っている。
フィラー部20は、ビード8の近傍に位置している。図1から明らかなように、フィラー部20はビード8を囲っている。フィラー部20は、このビード8とカーカス10との間に位置している。フィラー部20は、架橋ゴムからなる。フィラー部20は、タイヤ2のビード8の部分を補強する。このタイヤ2では、フィラー部20は第一フィラー56a及び第二フィラー56bからなる。第一フィラー56aは、第二カーカスプライ34bの主部36bに沿って半径方向内向きに延びている。第二フィラー56bは、コア30の周りを軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、第二フィラー56bには、主部58と折り返し部60とが形成されている。このタイヤ2では、第一フィラー56aの内端62aの部分は第二フィラー56bにおける主部58の端64aの部分と重なり合っている。第一フィラー56aの外端62bは、半径方向において、第二フィラー56bにおける折り返し部60の端64bよりも外側に位置している。この折り返し部60の端64bは、半径方向において、第二カーカスプライ34bにおける折り返し部38bの端40bよりも内側に位置している。
図2に示されるように、このタイヤ2のサイドウォール6は3つの部材からなる。このサイドウォール6は、剛部66、介在部68及び柔部70を備えている。
剛部66は、トレッド4の端からカーカス10に沿って半径方向略内向きに延在している。この剛部66の半径方向内側端72は、介在部68と接合されている。
介在部68は、剛部66の半径方向内側に位置している。介在部68は、剛部66からカーカス10に沿って半径方向略内向きに延在している。介在部68の半径方向外側端74aは、剛部66と接合されている。この介在部68の半径方向内側端74bは、柔部70と接合されている。
柔部70は、介在部68の半径方向内側に位置している。柔部70は、介在部68からカーカス10に沿って半径方向略内向きに延在している。このタイヤ2では、柔部70は半径方向内向きに先細りである。柔部70の半径方向外側端76は、介在部68と接合されている。
このタイヤ2では、剛部66の硬度Hhは柔部70の硬度Hsよりも高い。高硬度な剛部66は、タイヤ2に高い横剛性を招来する。このタイヤ2では、横方向への振れに対する安定性の向上が図られている。このタイヤ2は、操縦安定性に優れる。この観点から、この硬度Hsは49以上が好ましい。この剛部66による乗り心地への影響が抑えられるという観点から、この硬度Hsは56以下が好ましい。
本明細書では、硬度はJIS−A硬度である。この硬度は、「JIS−K6253」の規定に準拠して、23℃の環境下で、タイプAのデュロメータによって測定される。より詳細には、硬度Hh及び硬度Hsは、図1に示された断面にタイプAのデュロメータが押し付けられることで測定される。
このタイヤ2では、柔部70の硬度Hsは剛部66の硬度Hhよりも低い。低硬度な柔部70は、タイヤ2に低い縦剛性を招来する。このタイヤ2では、路面の凹凸に起因して生じる衝撃に対する吸収性の向上が図られている。このタイヤ2は、乗り心地に優れる。この観点から、この硬度Hsは47以下が好ましい。この柔部70の強度の観点から、この硬度Hsは30以上が好ましい。
このタイヤ2では、剛部66と柔部70とは半径方向に並んで配置されている。言い換えれば、このタイヤ2では、硬度の異なる部材が縦に配置されている。このタイヤ2では、高い横剛性と低い縦剛性とが両立される。このタイヤ2は、横方向の振れに対する安定性に優れるとともに、路面の凹凸に起因して生じる衝撃を効果的に吸収しうる。このタイヤ2は、操縦安定性及び乗り心地に優れる。本発明によれば、走行時における安定性の向上が達成されうる。
このタイヤ2では、介在部68が剛部66と柔部70とを接合している。介在部68は、剛部66の剥離を防止しうる。この介在部68は、柔部70の剥離を防止しうる。このタイヤ2では、操縦安定性及び乗り心地が安定に保持されうる。
このタイヤ2では、介在部68は架橋されたゴム組成物からなる。このゴム組成物は、基材ゴムを含む。
このタイヤ2では、介在部68をなすゴム組成物の基材ゴムはエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(以下、EPDM)を含んでいる。このEPDMは、介在部68の接着性に寄与しうる。このタイヤ2では、介在部68が剛部66と柔部70とを強固に接合するので、操縦安定性及び乗り心地が安定に保持されうる。
EPDMは、エチレン及びプロピレン以外の第三成分として、ジエンを含む。このジエンとしては、エチリデンノルボルネン(ENB)、1.4−ヘキサジエン(1.4−HD)及びジシクロペンタジエン(DCP)が例示される。接着性の観点から、このジエンとしては、ENBが好ましい。
このタイヤ2では、EPDMのヨウ素価は24以上36以下である。このヨウ素価が24以上に設定されることにより、EPDMが介在部68の接着性に効果的に寄与しうる。このタイヤ2では、介在部68が剛部66と柔部70とを強固に接合するので、操縦安定性及び乗り心地が安定に保持されうる。このヨウ素価が36以下に設定されることにより、この介在部68の耐オゾン性が適切に維持される。このタイヤ2では、この介在部68の経年劣化により、外観が損なわれることが効果的に防止される。このタイヤ2は、耐久性に優れる。
本明細書では、ヨウ素価はウィス(Wijs)法に準じて、一塩化ヨウ素と、試料としてのEPDMとを冷暗所で反応させ、この一塩化ヨウ素の反応量を測定することにより得られる。このヨウ素価は、EPDM100gと反応したヨウ素のグラム数で表される。
このタイヤ2では、介在部68をなすゴム組成物の基材ゴムはEPDM以外の他のゴムを含むことができる。この場合、この他のゴムとしては、天然ゴム、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、アクリロニトリル−ブタジエン二元共重合体及びイソブチレン−イソプレン二元共重合体が例示される。接着性及び強度の観点から、この他のゴムとしては天然ゴム及びポリブタジエンが好ましい。特に好ましくは、この他のゴムとして天然ゴム及びポリブタジエンが併用されることである。
このタイヤ2では、基材ゴム全量に対するEPDMの量の比率は、35質量%以下が好ましい。これにより、介在部68の接着性が適切に維持される。この観点から、この比率は30質量%以下がより好ましい。このタイヤ2では、この比率は10質量%以上が好ましい。これにより、剛部66と柔部70とが介在部68により強固に接合されうる。この観点から、この比率は20質量%以上がより好ましい。なお、基材ゴム全量に対するEPDMの量の比率が35質量%を超えると、介在部68の接着性が低下してしまう。
好ましくは、介在部68のゴム組成物は、補強材を含む。典型的な補強材は、カーボンブラックである。FEF、GPF、HAF、ISAF、SAF等が用いられうる。介在部68の強度の観点から、カーボンブラックの量は、基材ゴム100質量部に対して5質量部以上が好ましい。介在部68の軟質の観点から、カーボンブラックの量は50質量部以下が好ましい。カーボンブラックと共に、又はカーボンブラックに代えて、シリカが用いられてもよい。乾式シリカ及び湿式シリカが用いられうる。
好ましくは、介在部68のゴム組成物は、軟化剤を含む。好ましい軟化剤として、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル及び芳香族系プロセスオイルが例示される。介在部68の軟質の観点から、軟化剤の量は、基材ゴム100質量部に対して10質量部以上が好ましい。介在部68の強度の観点から、軟化剤の量は40質量部以下が好ましい。
介在部68のゴム組成物には、ステアリン酸、酸化亜鉛、老化防止剤、ワックス、架橋剤、架橋助剤等が、必要に応じ添加される。
図1において、両矢印h0はビードベースラインからこのタイヤ2の赤道までの半径方向高さを表している。赤道は、赤道面とトレッド面22との交点である。この高さh0は、タイヤ2の断面高さである。両矢印h1は、ビードベースラインから介在部68の内端74bまでの半径方向高さを表している。
このタイヤ2では、高さh1の断面高さh0に対する比は0.15以上0.25以下が好ましい。この比が0.15以上に設定されることにより、このタイヤ2の乗り心地が適切に維持される。この比が0.25以下に設定されることにより。このタイヤ2の操縦安定性が適切に維持される。
図2において、両矢印Tは介在部68の厚みを表している。この厚みTは、介在部68の外端74aからその内端74bまでの最小距離で示される。
このタイヤ2では、この厚みTは2.0mm以上5.0mm以下が好ましい。この厚みTが2.0mm以上に設定されることにより、介在部68が適度な強度を有する。この介在部68は、剛部66及び柔部70を強固に接合しうる。このタイヤ2は、操縦安定性及び乗り心地が安定に保持されうる。この厚みTが5.0mm以下に設定されることにより、介在部68による性能への影響が抑えられる。このタイヤ2は、操縦安定性及び乗り心地に優れる。
本発明では、タイヤ2の各部材の寸法及び角度は、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。乗用車用タイヤ2の場合は、内圧が180kPaの状態で、寸法及び角度が測定される。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[ゴム組成物の準備]
下記の表1にしたがって、S1からS9で示された9種類のゴム組成物が準備された。この表1には示されていないが、これらゴム組成物は、適量の架橋剤及び老化防止剤を含んでいる。なお、表中、EPDMはエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体を、NRは天然ゴムを、BRはポリブタジエンを表している。
Figure 0005864234
表1に示された各成分の詳細は次の通りである。
1) EPDM#10:住友化学株式会社製の商品名「エスプレン502」
2) EPDM#24:住友化学株式会社製の商品名「エスプレン505A」
3) EPDM#30:住友化学株式会社製の商品名「エスプレン505」
4) EPDM#36:住友化学株式会社製の商品名「エスプレン580」
5) EPDM#40:日本合成ゴム株式会社製の商品名「EPT7803EF」
6) NR:「RSS#3」
7) BR:宇部興産株式会社製の商品名「BR130B」
8) カーボンブラック:東海カーボン株式会社製の商品名「N550」
9) 軟化剤:出光興産株式会社製の商品名「ダイアナプロセスP321」
[実施例1]
図1及び2に示された基本構成を備え、下記の表2に示された仕様を備えた実施例1の空気入りタイヤ(サイズ:330/710R18)を得た。このタイヤでは、剛部の硬度Hhは49とされた。柔部の硬度Hsは、42とされた。介在部の形成には、ゴム組成物S4が用いられた。したがって、基材ゴム全量に対するEPDMの量の比率は、35質量%(35wt%ともいう)とされた。このEPDMのヨウ素価は、30とされた。
[実施例2−3及び比較例2−3]
ゴム組成物の組成を変えてEPDMのヨウ素価を下記の表2の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2−3及び比較例2−3のタイヤを得た。
[実施例4−6]
ゴム組成物の組成を変えてEPDMの量の比率を下記の表3の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例4−6のタイヤを得た。
[比較例4及び7]
柔部の硬度Hsを変えるとともに、ゴム組成物の組成を変えてEPDMのヨウ素価を下記の表3及び4の通りとした他は実施例1と同様にして、比較例4及び7のタイヤを得た。
[比較例5及び6]
剛部の硬度Hhを変えるとともに、ゴム組成物の組成を変えてEPDMのヨウ素価を下記の表3及び4の通りとした他は実施例1と同様にして、比較例5及び6のタイヤを得た。
[実施例7−9及び比較例9]
柔部の硬度Hsを下記の表4及び5の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例7−9及び比較例9のタイヤを得た。
[実施例10−12及び比較例8]
剛部の硬度Hhを下記の表4及び5の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例10−12及び比較例8のタイヤを得た。
[実施例13−14]
剛部の硬度Hh及び柔部の硬度Hsを下記の表5の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例13−14のタイヤを得た。
[操縦安定性及び乗り心地]
タイヤを13.0Jのリムに組み込み、このタイヤに内圧が160kPaとなるように空気を充填した。このタイヤを、排気量が3300ccであるレース用の四輪自動車に装着した。ドライバーに、この自動車をレーシングサーキットで運転させて、操縦安定性及び乗り心地を評価させた。この結果が、5点を満点とした指数で、下記の表2から5に示されている。数値が大きいほど好ましい。
[接着性]
介在部をなすゴム組成物からなる予備シート(厚み2mm)に剛部をなすゴム組成物からなる予備シート(厚み2mm)を積層し、これをプレス機を用いて、170℃で10分間加熱した。これにより、介在部に相当するシートに剛部に相当するシートが積層されたゴムシートが作製された。このゴムシートを裁断して、幅2cmの第一試験片を得た。さらに介在部をなすゴム組成物からなる予備シート(厚み2mm)に柔部をなすゴム組成物からなる予備シート(厚み2mm)を積層し、これをプレス機を用いて、170℃で10分間加熱した。これにより、介在部に相当するシートに柔部に相当するシートが積層されたゴムシートが作製された。このゴムシートを裁断して、幅2cmの第二試験片を得た。第一試験片及び第二試験片について、JIS−K 6256に規定された「布と加硫ゴムのはく離試験」に準拠して、引張試験機を用いた剥離試験を行った。引張試験機の試験片のつかみ具の移動速度は、10mm/minとされた。試験後、剥離面を目視で観察した。この観察結果が、下記の表2から5に示されている。表中、剥離面に界面剥離が確認された場合が「NG」で、界面剥離が確認されなかった場合が「G」で表されている。
[耐オゾン性]
介在部をなすゴム組成物をプレス機を用いて加硫して、2mm厚のシートを作製した。加硫温度は170℃とされた。加硫時間は10分とされた。このシートから試験片を作製し、JIS−K 6259に規定された「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−耐オゾン性の求め方」に準拠して、介在部の耐オゾン性に関する評価を行った。この評価では、試験片を伸長率20%で伸長させ、これを、温度が40℃、オゾン濃度が50pphmに調整した試験室に投入した。投入してから72時間経過後、試験片を取り出し、この試験片の外観を観察した。その結果が、下記の表2から5に示されている。表中、亀裂が少数しか確認されなかった場合が「A」で、亀裂が多数確認された場合が「B」で、無数の亀裂が確認された場合が「C」で表されている。
Figure 0005864234
Figure 0005864234
Figure 0005864234
Figure 0005864234
表2から5に示されるように、実施例のタイヤでは、比較例のタイヤに比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。なお、比較例3のタイヤでは、介在部においてオゾン劣化が進展し、外観不良が発生した。
以上説明された空気入りタイヤは、種々のタイヤにも適用されうる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・ビード
10・・・カーカス
12・・・ベルト
14・・・バンド
22・・・トレッド面
34a、34b、34・・・カーカスプライ
66・・・剛部
68・・・介在部
70・・・柔部

Claims (3)

  1. その外面がトレッド面をなすトレッドと、それぞれがこのトレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、それぞれがサイドウォールよりも半径方向略内側に位置する一対のビードとを備えており、
    このサイドウォールが、剛部と、この剛部の半径方向内側に位置する介在部と、この介在部の半径方向内側に位置する柔部とを備えており、
    この剛部の硬度が、この柔部の硬度よりも高く、
    この介在部が、この剛部と柔部とを接合しており、
    この介在部が、架橋されたゴム組成物からなり、
    このゴム組成物の基材ゴムが、実質的に、エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体、天然ゴム及びポリブタジエンを含んでおり、
    上記基材ゴム全量に対する上記エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体の量の比率が、10質量%以上35質量%以下であり、
    このエチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体のヨウ素価が、24以上36以下である空気入りタイヤ。
  2. 上記剛部の硬度が、49以上56以下である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 上記柔部の硬度が、47以下である請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
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