JP4970874B2 - 自動二輪車用タイヤ - Google Patents

自動二輪車用タイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP4970874B2
JP4970874B2 JP2006227263A JP2006227263A JP4970874B2 JP 4970874 B2 JP4970874 B2 JP 4970874B2 JP 2006227263 A JP2006227263 A JP 2006227263A JP 2006227263 A JP2006227263 A JP 2006227263A JP 4970874 B2 JP4970874 B2 JP 4970874B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
outer layer
mpa
inner layer
sidewall
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006227263A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008049799A (ja
Inventor
航 井坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2006227263A priority Critical patent/JP4970874B2/ja
Publication of JP2008049799A publication Critical patent/JP2008049799A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4970874B2 publication Critical patent/JP4970874B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Description

本発明は、自動二輪車用タイヤに関する。
車両の性能は、著しく向上している。車両に装着されるタイヤにおいても、タイヤ性能の向上が求められている。グリップ性能及び乗り心地に優れるタイヤが、特開2001−180226公報に開示されている。このタイヤでは、両ビードに架け渡されたタイヤ外皮が、軟質な外側ゴムと硬質な内側ゴムとから構成されている。
特開2001−180226公報
タイヤのサイドウォールは、撓みによって路面からの衝撃を吸収する。このサイドウォールは通常、単一の架橋ゴムからなる。その剛性が高いサイドウォールを備えたタイヤは、剛性感に優れるが吸収性に劣る。その剛性が低いサイドウォールを備えたタイヤは、吸収性に優れるが、剛性感に劣る。サイドウォールの調整だけで、吸収性及び剛性感を両立することは難しい。
そのカーカスに高モジュラスなカーカスプライが用いられたタイヤがある。このカーカスは、タイヤの剛性感に寄与する。このカーカスはタイヤの縦剛性にも影響を与えるので、このタイヤの吸収性は低い。
そのカーカスに用いられるカーカスプライの枚数が増やされたタイヤがある。このカーカスは、タイヤの剛性感に寄与する。このカーカスはタイヤの縦剛性にも影響を与えるので、このタイヤの吸収性は低い。このタイヤでは、タイヤ質量が増加する。
吸収性及び剛性感の両立の観点から、タイヤの構成部材に別の新たな部材が追加される場合がある。新たな部材の追加は、タイヤ質量及び生産性に影響を与える。
サイドウォールが撓むとき、このサイドウォールの、タイヤの内面の側は圧縮される。このサイドウォールの、タイヤの外面の側は、引き伸ばされる。上記公報のタイヤでは、サイドウォールの、タイヤの内面の側に相当する位置に、硬質な内側ゴムが配置されている。この内側ゴムの圧縮は、容易ではない。このタイヤでは、サイドウォールは充分に撓めない。そのサイドウォールの撓みが不充分なタイヤは、操縦安定性に劣る。
本発明の目的は、剛性感及び吸収性に優れる自動二輪車用タイヤの提供にある。
本発明に係る自動二輪車用タイヤは、一対のビードと、両ビードの間に架け渡されたカーカスと、軸方向においてこのカーカスの外側に位置するサイドウォールとを備えている。このサイドウォールは、軸方向においてこのカーカスの外側に位置する内層と、この内層のさらに外側に位置する外層とを備えている。この内層の複素弾性率は、2.0MPa以上3.5MPa以下である。この外層の複素弾性率は、4.0MPa以上5.0MPa以下である。この外層の複素弾性率とこの内層の複素弾性率との差は、1.5MPa以上3.0MPa以下である。
好ましくは、このタイヤでは、上記外層の体積と上記内層の体積との和に対するこの外層の体積の比率は、30%以上70%以下である。
この自動二輪車用タイヤでは、サイドウォールが、軸方向においてカーカスの外側に位置する内層と、この内層のさらに外側に位置する外層とから構成される。このタイヤでは、この外層の複素弾性率は内層の複素弾性率よりも高い。従って、この外層はこのタイヤの剛性感に寄与しうる。この内層の複素弾性率は低いので、このサイドウォールが撓むときこの内層は容易に圧縮されうる。このタイヤのサイドウォールは、充分に撓みうる。この内層は、このタイヤの吸収性に寄与しうる。このタイヤは、剛性感及び吸収性に優れる。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係る自動二輪車用タイヤ2の一部が示された断面図である。この図1において、上下方向が半径方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向が周方向である。このタイヤ2は、図1中の一点鎖線CLを中心としたほぼ左右対称の形状を呈する。この一点鎖線CLは、タイヤ2の赤道面を表す。このタイヤ2は、トレッド4、サイドウォール6、ビード8、カーカス10、ベルト12、インナーライナー14及びチェーファー16を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプの空気入りタイヤである。
トレッド4は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、トレッド面18を備えている。このトレッド面18は、路面と接地する。トレッド面18には、溝20が刻まれている。この溝20により、トレッドパターンが形成されている。トレッド4に溝20が刻まれなくてもよい。
ビード8は、トレッド4の半径方向内側に位置している。このビード8は、後述するサイドウォール6よりも半径方向略内側に位置している。ビード8は、コア22と、このコア22から半径方向外向きに延びるエイペックス24とを備えている。コア22は、リング状である。コア22は、複数本の非伸縮性ワイヤー(典型的にはスチール製ワイヤー)を含む。エイペックス24は、半径方向外向きに先細りである。このエイペックス24は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス10は、両側のビード8の間に架け渡されている。このカーカス10は、カーカスプライ26からなる。このカーカスプライ26は、コア22の周りを、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。なお、このカーカス10に、二枚以上のカーカスプライ26が用いられてもよい。
図示されていないが、カーカスプライ26は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、通常は70°から90°である。換言すれば、このカーカス10はラジアル構造を有する。コードは、通常は有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。バイアス構造のカーカス10が採用されてもよい。
ベルト12は、カーカス10の半径方向外側に位置している。ベルト12は、カーカス10と積層されている。ベルト12は、カーカス10を補強する。ベルト12は、内側プライ28及び外側プライ30からなる。図示されていないが、内側プライ28は、コードとトッピングゴムとからなる。このコードは実質的に周方向に延びており、螺旋状に巻かれている。外側プライ30は、コードとトッピングゴムとからなる。このコードは実質的に周方向に延びており、螺旋状に巻かれている。このベルト12は、いわゆるジョイントレス構造を有する。このコードにより、カーカス10は拘束される。このコードは、通常は有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
インナーライナー14は、カーカス10の内周面に接合されている。インナーライナー14は、架橋ゴムからなる。インナーライナー14には、空気遮蔽性に優れたゴムが用いられている。インナーライナー14は、タイヤ2の内圧を保持する役割を果たす。
チェーファー16は、ビード8の近傍に位置している。タイヤ2がリムに組み込まれると、このチェーファー16がリムと当接する。この当接により、ビード8の近傍が保護される。チェーファー16は、通常は布とこの布に含浸したゴムとからなる。ゴム単体からなるチェーファー16が用いられてもよい。
サイドウォール6は、撓みによって路面からの衝撃を吸収する。このサイドウォール6は、カーカス10の外傷を防止する。このサイドウォール6は、トレッド4の半径方向略内側に位置している。このタイヤ2では、このサイドウォール6はベルト12から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6は、軸方向においてカーカス10の外側に位置している。
図2は、図1のタイヤ2の一部が示された部分拡大断面図である。この図2には、このタイヤ2のサイドウォール6の近傍が示されている。このタイヤ2では、サイドウォール6は内層32と外層34とを備えている。この内層32は、軸方向においてカーカス10の外側に位置している。このタイヤ2では、この内層32は内側プライ28の端36から半径方向略内向きに延びている。外層34は、軸方向において、この内層32のさらに外側に位置している。この外層34は、内側プライ28の端36から半径方向略内向きに延びている。このタイヤ2では、内層32の外面38と外層34の内面40とは接触している。図示されているように、このタイヤ2では、この外層34の一部が外側プライ30に覆われている。
このタイヤ2では、内層32の一端42は内側プライ28の端36に連接している。外層34の一端44も、この端36に連接している。この内層32の他端46とこの外層34の他端48とは、サイドウォール6の半径方向内側の端50に位置している。この内層32と外層34との境界52は、このサイドウォール6の端50から半径方向外向きに延びている。
このタイヤ2では、外層34の複素弾性率は、内層32の複素弾性率よりも大きい。従って、高剛性な外層34はこのタイヤ2の剛性感に寄与しうる。この内層32の複素弾性率は低いので、このタイヤ2が撓むときこの内層32は容易に圧縮されうる。このタイヤ2のサイドウォール6は、充分に撓みうる。この内層32は、このタイヤ2の吸収性に寄与しうる。このタイヤ2は、剛性感及び吸収性に優れる。このようなタイヤ2は、操縦安定性及び乗り心地を両立しうる。
このタイヤ2では、外層34の複素弾性率E*は、4.0MPa以上5.0MPa以下である。この複素弾性率が4.0MPa以上に設定されたタイヤ2は、剛性感に優れる。この観点から、この複素弾性率は4.2MPa以上がより好ましく、4.4MPa以上が特に好ましい。この複素弾性率が5.0MPa以下に設定されることにより、このタイヤ2の剛性感が適切に維持されうる。このタイヤ2のサイドウォール6は、剛性を保ちつつ充分に撓みうる。この観点から、この複素弾性率は、4.8MPa以下がより好ましく、4.6MPa以下が特に好ましい。
このタイヤ2では、内層32の複素弾性率E*は、2.0MPa以上3.5MPa以下である。この複素弾性率が2.0MPa以上に設定されることにより、タイヤ2の剛性感が維持されうる。この観点から、この複素弾性率は2.2MPa以上がより好ましく、2.4MPa以上が特に好ましい。この複素弾性率が3.5MPa以下に設定されることにより、このタイヤ2のサイドウォール6は充分に撓みうる。このタイヤ2は、吸収性に優れる。この観点から、この複素弾性率は、3.3MPa以下がより好ましく、3.1MPa以下が特に好ましい。
本発明において、外層34及び内層32の複素弾性率は、「JIS−K 6394」の規定に準拠して、下記に示される条件で、粘弾性スペクトロメーター(岩本製作所社の「VES・F−3型」)によって測定される。
初期歪み:10%
振幅:2%
周波数:10Hz
変形モード:引張
測定温度:70℃
粘弾性スペクトロメーターによる測定に供される試験片は板状であり、その長さは45mmであり、幅は4mmであり、厚みは2mmである。この試験片の両端部がチャックされて、測定がなされる。試験片の変位部分の長さは、30mmである。この試験片は、タイヤ2から切り出される。
このタイヤ2では、この外層34の複素弾性率E*とこの内層32の複素弾性率E*との差(E*−E*)は、1.5MPa以上3.0MPa以下である。この差が1.5MPa以上に設定されることにより、このサイドウォール6は剛性を保持しつつ適切に撓む。このタイヤ2は、剛性感及び吸収性に優れる。この観点から、この差は1.7MPa以上がより好ましく、1.9MPa以上が特に好ましい。この差が3.0MPa以下に設定されることにより、剛性感及び吸収性が適切に維持されうる。この観点から、この差は2.8MPa以下がより好ましく、2.6MPa以下が特に好ましい。
このタイヤ2では、サイドウォール6に占める外層34の割合が大きくなると、サイドウォール6の剛性は上がる。このタイヤ2は、剛性感に優れる。この観点から、この外層34の体積と内層32の体積との和に対するこの外層34の体積の比率は30%以上であるのが好ましく、35%以上がより好ましく、40%以上が特に好ましい。サイドウォール6に占める内層32の割合が大きくなると、サイドウォール6は充分に撓む。このタイヤ2は、吸収性に優れる。この観点から、この比率は70%以下であるのが好ましく、65%以下がより好ましく、60%以下が特に好ましい。
本発明において、外層34の体積は次のようにして求められる。まず、タイヤ2から外層34が切り出される。この外層34の質量が、計測される。この質量が、外層34の密度で除されることにより、体積が算出される。この外層34の密度は、JIS K 6268に準拠して得られる。なお、内層32の体積も、同様にして求められる。
図2において、実線L1は、タイヤ2のサイドウォール6を含む領域において、最小厚みを表す直線である。両矢印線T1は、直線L1上の内層32の厚みである。両矢印線T2は、直線L1上の外層34の厚みである。このタイヤ2では、厚みT2の、厚みT1に対する比は、0.25以上4以下であるのが好ましい。この比が0.25以上に設定されることにより、外層34が効果的に剛性感に寄与しうる。この観点から、この比は0.5以上がより好ましく、0.75以上が特に好ましい。この比が4以下に設定されることにより、内層32が効果的に吸収性に寄与しうる。この観点から、この比は3以下がより好ましく、2以下が特に好ましい。
このタイヤ2では、外層34は、基材ゴム、充填剤としてのカーボンブラック及び軟化剤を含んだゴム組成物が架橋されて形成される。この外層34は、架橋ゴムである。このゴム組成物は、基材ゴム、カーボンブラック及び軟化剤以外に架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤等の薬品も含んでいる。タイヤ2の加工性及び性能が考慮されて、最適な薬品が最適な量でこのゴム組成物に配合されている。なお、このタイヤ2では、このカーボンブラックは東海カーボン株式会社製のシースト6である。軟化剤は、出光社製のNH60である。
外層34の基材ゴムとしては、天然ゴム、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、ポリクロロプレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体及びイソブチレン−イソプレン共重合体が例示される。このタイヤ2では、外層34の基材ゴムは天然ゴムとポリブタジエンとからなるのが好ましい。特に好ましくは、この基材ゴムは、天然ゴム及びポリブタジエンのブレンド比((天然ゴム)/(ポリブタジエン))が50/50となるようにこれらがブレンドされることにより構成される。なお、このタイヤ2では、この天然ゴムはRSS#3である。このポリブタジエンは、日本合成ゴム株式会社製のBR01である。
このタイヤ2では、内層32は、基材ゴム、充填剤としてのカーボンブラック及び軟化剤を含んだゴム組成物が架橋されて形成される。この内層32は、架橋ゴムである。このゴム組成物は、基材ゴム、カーボンブラック及び軟化剤以外に架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤等の薬品も含んでいる。タイヤ2の加工性及び性能が考慮されて、最適な薬品が最適な量でこのゴム組成物に配合されている。なお、このタイヤ2では、このカーボンブラックは東海カーボン株式会社製のシースト6である。軟化剤は、出光社製のNH60である。
この内層32の基材ゴムとしては、天然ゴム、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、ポリクロロプレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体及びイソブチレン−イソプレン共重合体が例示される。このタイヤ2では、内層32の基材ゴムは天然ゴムとポリブタジエンとからなるのが好ましい。特に好ましくは、この基材ゴムは、天然ゴム及びポリブタジエンのブレンド比((天然ゴム)/(ポリブタジエン))が50/50となるようにこれらがブレンドされることにより構成される。このタイヤ2では、この内層32の基材ゴムと、外層34の基材ゴムとは同一である。
このタイヤ2では、この外層34の複素弾性率及び内層32の複素弾性率は、カーボンブラック及び軟化剤の量が最適化されることにより調整される。
このタイヤ2では、外層34を構成するゴム組成物に含まれるカーボンブラックの配合量は、基材ゴム100質量部に対して50質量部以上65質量部以下であるのが好ましい。この配合量が50質量部以上に設定された外層34は高剛性である。この外層34を備えたタイヤ2は、剛性感に優れる。この観点から、この配合量は、55質量部以上がより好ましい。この配合量が65質量部以下に設定されることにより、この外層34の剛性が適切に維持されうる。このタイヤ2では、吸収性が維持されうる。この観点から、この配合量は60質量部以下がより好ましい。
このタイヤ2では、外層34を構成するゴム組成物に含まれる軟化剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して3質量部以上15質量部以下であるのが好ましい。この配合量が3質量部以上に設定されることにより、外層34の剛性過大が防止されうる。このタイヤ2は、吸収性が維持されうる。このゴム組成物の生産において、良好な加工性が維持されうる。この観点から、この配合量は5質量部以上がより好ましい。この配合量が15質量部以下に設定されることにより、外層34の剛性が適切に維持されうる。このタイヤ2は、剛性感に優れる。この観点から、この配合量は、10質量部以下がより好ましい。
このタイヤ2では、内層32を構成するゴム組成物に含まれるカーボンブラックの配合量は、基材ゴム100質量部に対して40質量部以上55質量部以下であるのが好ましい。この配合量が40質量部以上に設定されることにより、内層32の剛性が適切に維持されうる。このタイヤ2では、剛性感が維持されうる。この観点から、この配合量は、45質量部以上がより好ましい。この配合量が55質量部以下に設定されることにより、このタイヤ2のサイドウォール6は充分に撓みうる。このタイヤ2は、吸収性に優れる。この観点から、この配合量は50質量部以下がより好ましい。
このタイヤ2では、内層32を構成するゴム組成物に含まれる軟化剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して10質量部以上25質量部以下であるのが好ましい。この配合量が10質量部以上に設定されることにより、このタイヤ2のサイドウォール6は充分に撓みうる。このタイヤ2は、吸収性に優れる。この観点から、この配合量は15質量部以上がより好ましい。この配合量が25質量部以下に設定されることにより、内層32の剛性が適切に維持されうる。このタイヤ2では、剛性感が維持されうる。この観点から、この配合量は、20質量部以下がより好ましい。
本発明では、タイヤ2の各部材の寸法及び角度は、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[ゴム組成物Aの調整]
50質量部の天然ゴム、50質量部のポリブタジエン、60質量部のカーボンブラック及び5質量部の軟化剤を、密閉式混練機にて混練して、ゴム組成物Aを得た。天然ゴムは、RSS#3である。ポリブタジエンは、日本合成ゴム株式会社製のBR01である。カーボンブラックは、東海カーボン株式会社製のシースト6である。軟化剤は、出光社製のNH60である。
[ゴム組成物B、C、D、E及びFの調整]
カーボンブラック及び軟化剤の配合量を下記表1に示す通りとした他は、ゴム組成物Aと同様にして、ゴム組成物B、C、D、E及びFを得た。
[実施例1]
図1に示された基本構成を備え、下記表3に示された仕様を備えた実施例1の自動二輪車用空気入りタイヤを得た。このタイヤサイズは、190/50ZR17である。このタイヤでは、カーカスプライのコードはナイロン繊維からなる。このコードがタイヤ赤道面に対してなす角度は90°である。内側プライのコードは、アラミド繊維からなる。外側プライのコードはアラミド繊維からなる。外層は、ゴム組成物Aが架橋されて形成されている。内層は、ゴム組成物Fが架橋されて形成されている。この外層の複素弾性率E*は、5.0MPaである。この内層の複素弾性率E*は、2.0MPaである。従って、この外層の複素弾性率E*とこの内層の複素弾性率E*との差(E*−E*)は、3.0MPaである。この外層の体積とこの内層の体積との和に対するこの外層の体積の比率は、50%である。なお、この比率は体積比率と称される。
[比較例1、2及び3並びに実施例2、7、8及び9]
外層を構成するゴム組成物及び内層を構成するゴム組成物を下記表2及び表3の通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。なお、比較例2は、そのサイドウォールが単一のゴム組成物Cからなる従来のタイヤである。
[実施例3、4、5及び6]
体積比率を下記表2及び表3の通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[実車評価]
排気量が600cmである市販の自動二輪車(4サイクル)の後輪に、試作タイヤが装着された。タイヤの空気内圧は、290kPaとした。なお、この前輪には、市販されている従来のタイヤが装着されている。この前輪のタイヤサイズは、120/70R17である。このタイヤの空気内圧は、250kPaとした。この自動二輪車を用いてライダーによる剛性感及び吸収性に関する官能評価が実施された。幅5m、距離100mのコースにおいて、時速60km/hで1往復のスラローム走行が行われて、剛性感が評価された。高さ10mm、幅10mmのギャップが設けられたコースにおいて、時速60km/hで直進走行が行われて、吸収性が評価された。この結果が、下記表2及び表3に示されている。剛性感及び吸収性は、指数値で表されている。この指数値が大きいほど、良好であることが示される。この剛性感の許容下限値は、3.8である。この吸収性の許容下限値は、3.0である。
Figure 0004970874
Figure 0004970874
Figure 0004970874
表1に示されるように、実施例のタイヤは、剛性感及び吸収性に優れる。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係る種々の自動二輪車に装着されうる。
図1は、本発明の一実施形態に係る自動二輪車用タイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの一部が示された部分拡大断面図である。
符号の説明
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・ビード
10・・・カーカス
12・・・ベルト
14・・・インナーライナー
16・・・チェーファー
18・・・トレッド面
20・・・溝
22・・・コア
24・・・エイペックス
26・・・カーカスプライ
28・・・内側プライ
30・・・外側プライ
32・・・内層
34・・・外層
36、50・・・端
38・・・外面
40・・・内面
42、44・・・一端
46、48・・・他端
52・・・境界

Claims (2)

  1. 一対のビードと、両ビードの間に架け渡されたカーカスと、軸方向においてこのカーカスの外側に位置するサイドウォールとを備えており、
    このサイドウォールが、軸方向においてこのカーカスの外側に位置する内層と、この内層のさらに外側に位置する外層とを備えており、
    この内層の、JIS−K 6394の規定に準拠して測定される複素弾性率が、2.0MPa以上3.5MPa以下であり、
    この外層の、JIS−K 6394の規定に準拠して測定される複素弾性率が、4.0MPa以上5.0MPa以下であり、
    この外層の複素弾性率とこの内層の複素弾性率との差が、1.5MPa以上3.0MPa以下である自動二輪車用タイヤ。
  2. 上記外層の体積と上記内層の体積との和に対するこの外層の体積の比率が、30%以上70%以下である請求項1に記載のタイヤ。
JP2006227263A 2006-08-24 2006-08-24 自動二輪車用タイヤ Expired - Fee Related JP4970874B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006227263A JP4970874B2 (ja) 2006-08-24 2006-08-24 自動二輪車用タイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006227263A JP4970874B2 (ja) 2006-08-24 2006-08-24 自動二輪車用タイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008049799A JP2008049799A (ja) 2008-03-06
JP4970874B2 true JP4970874B2 (ja) 2012-07-11

Family

ID=39234255

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006227263A Expired - Fee Related JP4970874B2 (ja) 2006-08-24 2006-08-24 自動二輪車用タイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4970874B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4723659B2 (ja) * 2009-02-24 2011-07-13 住友ゴム工業株式会社 二輪自動車用空気入りタイヤ
JP6874416B2 (ja) 2017-02-23 2021-05-19 住友ゴム工業株式会社 二輪自動車用タイヤ

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6056603A (ja) * 1983-09-09 1985-04-02 Bridgestone Corp 外乱吸収性にすぐれるモ−タ−サイクル用タイヤ
JPH01160708A (ja) * 1987-12-15 1989-06-23 Ohtsu Tire & Rubber Co Ltd :The 乗心地を改良した空気入りラジアルタイヤ
JPH04362405A (ja) * 1991-06-06 1992-12-15 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ
JPH0616017A (ja) * 1992-07-01 1994-01-25 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 低燃費化タイヤ
JP3192764B2 (ja) * 1992-07-21 2001-07-30 株式会社ブリヂストン 空気入りラジアルタイヤ
JPH11310018A (ja) * 1998-04-30 1999-11-09 Bridgestone Corp 空気入りラジアルタイヤ
JP4080467B2 (ja) * 2004-08-24 2008-04-23 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
JP4084348B2 (ja) * 2004-11-22 2008-04-30 住友ゴム工業株式会社 空気入りラジアルタイヤ
JP2006168637A (ja) * 2004-12-17 2006-06-29 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008049799A (ja) 2008-03-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8905101B2 (en) Run flat tire
JP6249522B2 (ja) 空気入りタイヤ
US7712498B2 (en) Run flat tire
JP4723659B2 (ja) 二輪自動車用空気入りタイヤ
EP2532537B1 (en) Motorcycle tire for uneven terrain
JP4728304B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2008105515A (ja) レーシングカート用空気入りタイヤ
US11198333B2 (en) Tire for two-wheeled automotive vehicle
JP4383466B2 (ja) 自動二輪車用空気入りタイヤ
JP2008254619A (ja) 空気入りタイヤ
JP2010143283A (ja) 空気入りタイヤ
JP4970874B2 (ja) 自動二輪車用タイヤ
JP6790547B2 (ja) 空気入りタイヤ
US20210354516A1 (en) Motorcycle tire
JP5175502B2 (ja) 自動二輪車用空気入りタイヤ
JP2009045998A (ja) 全地形車用の空気入りタイヤ
JP6825475B2 (ja) 二輪自動車用タイヤ
JP4988304B2 (ja) 自動二輪車用ラジアルタイヤ
JP4980010B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6523138B2 (ja) 自動二輪車用空気入りラジアルタイヤ
JP5020589B2 (ja) 自動二輪車用タイヤ
JP2009101719A (ja) 自動二輪車用空気入りタイヤ
JP6790562B2 (ja) 二輪自動車用タイヤ
JP2006076442A (ja) レーシングカート用の空気入りタイヤ
JP6457758B2 (ja) 二輪自動車用タイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090605

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110715

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110802

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110926

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120403

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120405

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150413

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees