JP6271326B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。詳細には、本発明は、二輪自動車のための空気入りタイヤに関する。
サーキットのストレートでは、ライダーは二輪自動車を高速で走行させる。この二輪自動車をコーナーに進入させるとき、ライダーはこのコーナーの手前でこの二輪自動車を減速させる。レースでは、ライダーは、二輪自動車に制動をかけるタイミングを可能な限り遅らせ、減速のための区間を短くする。コーナーの直前で二輪自動車は急減速させられるので、特にフロントタイヤには過大な荷重が作用する。この荷重は、タイヤの耐久性に影響する。
二輪自動車用のタイヤでは、旋回容易の観点から、小さな曲率半径を有するトレッドが採用される。このタイヤでは、直進走行時、トレッドの赤道面の部分(以下、センター領域)が接地する。旋回走行では、このトレッドの軸方向外側部分(以下、サイド領域)が接地する。このため、このタイヤでは、操縦安定性の観点から、センター領域及びサイド領域のそれぞれについて異なる調整が施される。このようなタイヤの一例が、特開2010−285107公報に開示されている。
特開2010−285107公報
通常タイヤは、ベルトを備えている。このベルトは、トレッドの半径方向内側においてカーカスと積層される。このベルトは、タイヤのトレッドの部分の剛性に影響する。ベルトの仕様を調整して、操縦安定性の向上を図ることがある。
前述したように、レース用のタイヤ(特に、フロントタイヤ)には、制動により過大な荷重がかかることがある。通常ベルトには2層構造が採用されるが、過大な荷重にタイヤが耐え、十分な制動性能が得られるように、3層構造のベルトを採用することがある。
3層構造のベルトの一例として、外側部分をなす第三層がこの第三層の内側に位置する第二層の幅よりも10cm小さい幅を有し、この第二層がこの第二層のさらに内側に位置する第一層の幅よりも10cm小さい幅を有するように構成されたベルト(以下、ベルトA)がある。このベルトAでは、第三層の端は第二層の端に近接している。このベルトAは、サイド領域の剛性に影響する。サイド領域が高い剛性を有するため、このタイヤでは、旋回時における接地感及び吸収性が低下する恐れがある。
トレッドは、路面と接触する。これにより、トレッドは撓む。前述したように、レースにおいてライダーはコーナーの直前で二輪自動車を急減速させる。トレッドはかなり撓む。この時におけるトレッドの撓み幅は、トレッド面の幅の約0.3倍である。
旋回時における接地感及び吸収性の観点から、前述の、撓み幅に合わせて、上記第三層の幅を調整することがある。このように調整された第三層の幅は、前述のベルトAの一部をなす第三層の幅よりも小さい。第三層が積層された部分の剛性とこの第三層が積層されていない部分の剛性との差は大きい。このため、このタイヤでは、直進走行から旋回走行に、又は、旋回走行から直進走行に移行するとき、ライダーは違和感を感じやすい。小さな幅の第三層は、過渡特性に影響する。このタイヤは、操縦性に劣る。
本発明の目的は、操縦安定性に優れる二輪自動車用の空気入りタイヤの提供にある。
本発明に係る二輪自動車用空気入りタイヤは、その外面がトレッド面をなすトレッドと、それぞれが上記トレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、それぞれが上記サイドウォールよりも半径方向内側に位置する一対のビードと、上記トレッド及び上記サイドウォールの内側に沿って一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されたカーカスと、上記トレッドの半径方向内側において上記カーカスと積層されるベルトと、軸方向において離間して配置される一対のインスレーションとを備えている。上記ベルトは、第一層と、この第一層よりも半径方向外側に位置する第二層と、この第二層よりも半径方向外側に位置する第三層とを備えている。軸方向において、上記第三層の端は上記第二層の端よりも内側に位置しており、この第二層の端は上記第一層の端よりも内側に位置している。上記第一層は並列された多数の第一コードを含んでおり、それぞれの第一コードは赤道面に対して傾斜している。上記第二層は並列された多数の第二コードを含んでおり、それぞれの第二コードは赤道面に対して傾斜している。上記第三層は並列された多数の第三コードを含んでおり、それぞれの第三コードは赤道面に対して傾斜している。上記第三コードの傾斜方向は上記第二コードの傾斜方向とは逆であり、この第二コードの傾斜方向は上記第一コードの傾斜方向とは逆である。上記第三コードの傾斜角度γの絶対値Tは、上記第二コードの傾斜角度βの絶対値Sよりも大きい。上記インスレーションは架橋ゴムからなり、このインスレーションは上記カーカスよりもこのタイヤの内側に位置している。このタイヤの周方向に対して垂直な断面において、上記トレッド面の一端からその他端までの長さが幅TWとされ、上記第二層の一端からその他端までの長さが幅BWとされ、上記第三層の一端からその他端までの長さが幅CWとされ、上記インスレーションの内端からその外端までの長さが幅IWとされたとき、上記第三層の幅CWの上記トレッド面の幅TWに対する比は0.4以上であり、上記第二層の幅BWとこの幅CWとの差(BW−CW)は10mmよりも大きい。上記第三層の幅CWの半分と上記インスレーションの幅IWとの和(CW/2+IW)は上記トレッド面の幅TWの半分よりも小さい。軸方向において、上記インスレーションの内端は上記第三層の端よりも内側に位置しており、このインスレーションとこの第三層との重なりの幅LWは10mm以下である。
好ましくは、この二輪自動車用空気入りタイヤでは、上記インスレーションの厚さtは0.5mm以上1.5mm以下である。
好ましくは、この二輪自動車用空気入りタイヤでは、上記インスレーションの複素弾性率Eは3.0MPa以上10MPa以下である。
好ましくは、この二輪自動車用空気入りタイヤでは、上記第三コードの傾斜角度γの絶対値Tと上記第二コードの傾斜角度βの絶対値Sとの差(T−S)は8°以上40°以下である。
本発明に係る二輪自動車用空気入りタイヤでは、ベルトは3層構造を有しており、このベルトの外側をなす第三層の幅CWはトレッド面の幅TWの0.4倍以上である。この第三層の幅CWは急減速時のトレッドの撓み幅よりも大きい。この第三層は十分な幅CWを有している。このため、このタイヤが二輪自動車の前輪に用いられた場合、ライダーがタイヤに荷重を残したまま旋回しても、このタイヤはこの荷重に十分耐えうる。このタイヤは、制動性能に優れる。しかもこのタイヤでは、第三層に含まれる第三コードの傾斜角度γの絶対値Tが第二層に含まれる第二コードの傾斜角度βの絶対値Sよりも大きい。このため、この第三層は前述の荷重に対する緩衝材としても作用する。この第三層は、トレッドの荷重負担を軽減する。このタイヤでは、トレッドの機械疲労及び熱疲労による耐久性の低下が防止される。
このタイヤでは、第三層は第二層の幅BWよりも小さな幅CWを有している。言い換えれば、ベルトの、第三層の軸方向外側部分は、第一層及び第二層の2層で構成されている。このタイヤでは、ベルトによるサイド領域の剛性への影響が防止されている。このタイヤでは、良好な接地感及び吸収性が達成される。しかも第二コードの傾斜方向が第一層に含まれる第一コードの傾斜方向とは逆であるので、このタイヤでは、旋回時において、キャンバースラスト及びコーナリングパワーが効果的に発生する。このタイヤは、操縦性に優れる。
このタイヤでは、左右のインスレーションは軸方向において離間して配置され、カーカスよりも内側に位置している。このインスレーションは、旋回時において圧縮される。このタイヤでは、インスレーションは架橋ゴムからなる。このインスレーションは、圧縮に対して抵抗するように作用する。この作用は、タイヤの撓みに寄与しうる。このタイヤは、操縦性に優れる。しかも、このインスレーションはトレッド面から離れた位置にあるので、このインスレーションがトレッドの厚みに影響しない。このトレッドに特異な厚みを有する部分がないので、このタイヤでは、直進走行から旋回走行への移行、及び、旋回走行から直進走行への移行は滑らかである。このタイヤは、過渡特性に優れる。
このタイヤでは、軸方向において、インスレーションの内端は第三層の端よりも内側に位置しており、このインスレーションと第三層との重なりの幅LWは10mm以下である。このタイヤでは、第三層とインスレーションとの境界部分による剛性への影響が適切に調節されている。このタイヤでは、この境界部分は特異でない。このタイヤでは、直進走行から旋回走行への移行、及び、旋回走行から直進走行への移行は滑らかである。このタイヤは、過渡特性に優れる。しかも、第三層の幅CWの半分とインスレーションの幅IWとの和(CW/2+IW)がトレッド面の幅TWの半分よりも小さいので、インスレーションによる、サイドウォールの部分の剛性への影響が防止されている。この部分の撓みが特異でないので、このタイヤでは、旋回時の接地感及び吸収性は良好である。
このように、このタイヤでは、特に、制動性、操縦性及び吸収性がバランス良く整えられている。このタイヤは、操縦安定性に優れる。本発明によれば、操縦安定性に優れる二輪自動車用の空気入りタイヤが得られる。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの一部が示された展開図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、空気入りタイヤ2が示されている。詳細には、この図1には、このタイヤ2の、周方向に対して垂直な断面が示されている。図1において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。図1において、一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を表わす。このタイヤ2の形状は、トレッドパターンを除き、赤道面に対して対称である。図1において、実線BBLはビードベースラインを表している。このビードベースラインは、タイヤ2が装着されるリム(図示されず)のリム径(JATMA参照)を規定する線である。このビードベースラインは、軸方向に延びる。
このタイヤ2は、トレッド4、サイドウォール6、ビード8、カーカス10、ベルト12、インナーライナー14、チェーファー16及びインスレーション18を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、二輪自動車に装着される。
トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、路面と接地するトレッド面20を形成する。このタイヤ2では、このトレッド4の、トレッド面20をなす部分には、耐摩耗性、耐熱性及びグリップ性に優れた架橋ゴムが用いられている。このタイヤ2では、トレッド4には溝は刻まれていない。このトレッド4に溝が刻まれて、トレッドパターンが形成されてもよい。なお、図1において、両矢印TWはトレッド面20の幅を表している。この幅TWは、この図1に示された断面において、トレッド面20の一端ETからその他端ETまでの長さをこのトレッド面20に沿って計測することにより得られる。この幅TWは通常、140mm以上180mm以下の範囲で設定される。
サイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。サイドウォール6は、カーカス10よりも軸方向外側に位置している。サイドウォール6は、カーカス10の損傷を防止する。サイドウォール6は、耐カット性及び耐候性に優れた架橋ゴムからなる。
ビード8は、サイドウォール6よりも半径方向内側に位置している。ビード8は、コア22と、このコア22から半径方向外向きに延びるエイペックス24とを備えている。コア22はリング状であり、巻回された非伸縮性ワイヤーを含む。ワイヤーの典型的な材質は、スチールである。エイペックス24は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス24は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス10は、第一プライ26及び第二プライ28からなる。第一プライ26及び第二プライ28は、両側のビード8の間に架け渡されている。第一プライ26及び第二プライ28は、トレッド4及びサイドウォール6の内側に沿っている。第一プライ26は、コア22の周りにて、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、第一プライ26には、主部26aと折り返し部26bとが形成されている。第二プライ28は、コア22の周りにて、軸方向外側から内側に向かって折り返されている。この折り返しにより、第二プライ28には、主部28aと折り返し部28bとが形成されている。第一プライ26の折り返し部26bの端は、半径方向において、第二プライ28の折り返し部28bの端よりも外側に位置している。
第一プライ26及び第二プライ28のそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、65°から90°である。換言すれば、このカーカス10はラジアル構造を有する。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。カーカス10が、1枚のプライから形成されてもよい。このカーカス10が3枚以上のプライから形成されてもよい。
ベルト12は、トレッド4の半径方向内側に位置している。ベルト12は、カーカス10と積層されている。ベルト12は、カーカス10を補強する。
このタイヤ2では、ベルト12は、第一層30、第二層32及び第三層34を備えている。詳細には、このベルト12は第一層30、第二層32及び第三層34の3層からなる。このベルト12は、3層構造を有している。
このタイヤ2では、第一層30はベルト12の内側部分をなす。第二層32は、第一層30よりも半径方向外側に位置している。第二層32は、第一層30と積層されている。第三層34は、第二層32よりも半径方向外側に位置している。第三層34は、第二層32と積層されている。
図1において、両矢印AWは第一層30の幅を表している。この幅AWは、この図1に示された断面において、第一層30の一端E1からその他端E1までの長さをこの第一層30に沿って計測することにより得られる。両矢印BWは、第二層32の幅を表している。この幅BWは、この図1に示された断面において、第二層32の一端E2からその他端E2までの長さをこの第二層32に沿って計測することにより得られる。両矢印CWは、第三層34の幅を表している。この幅CWは、この図1に示された断面において、第三層34の一端E3からその他端E3までの長さをこの第三層34に沿って計測することにより得られる。
図1から明らかなように、第二層32の幅BWは第一層30の幅AWよりも小さい。このタイヤ2では、軸方向において、第二層32の端E2は第一層30の端30よりも内側に位置している。第三層34の幅CWは、第二層32の幅BWよりも小さい。このタイヤ2では、軸方向において、第三層34の端E3は第二層32の端E2よりも内側に位置している。このタイヤ2では、3層のうち、第一層30が最も大きな幅AWを有する。第一層30の幅AWはベルト12の幅でもある。
このタイヤ2では、ベルト12の幅AWはトレッド面20の幅TWよりも若干小さい。ベルト12によるカーカス10の補強の観点から、ベルト12の幅AWはトレッド面20の幅TWの0.7倍以上が好ましい。ベルト12によるサイドウォール6の部分の剛性への影響の観点から、ベルト12の幅AWはトレッド面20の幅TWの1倍以下が好ましい。
インナーライナー14は、カーカス10の内側に位置している。インナーライナー14は、カーカス10の内面に接合されている。インナーライナー14は、架橋ゴムからなる。インナーライナー14には、空気遮蔽性に優れたゴムが用いられている。インナーライナー14の典型的な基材ゴムは、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムである。インナーライナー14は、タイヤ2の内圧を保持する。
チェーファー16は、ビード8の近傍に位置している。タイヤ2がリムに組み込まれると、このチェーファー16がリムと当接する。この当接により、ビード8の近傍が保護される。この実施形態では、チェーファー16は布とこの布に含浸したゴムとからなる。このチェーファー16がクリンチと一体とされてもよい。この場合、チェーファー16の材質はクリンチの材質と同じにされる。
インスレーション18は、インナーライナー14の内側に位置している。インスレーション18は、インナーライナー14の内面に接合されている。前述したように、インナーライナー14はカーカス10の内側に位置している。インスレーション18はカーカス10よりもタイヤ2の内側に位置している。
図1から明らかなように、左右のインスレーション18は軸方向において離間して配置されている。それぞれのインスレーション18は、タイヤ2のショルダー部分(以下、サイド領域S)に設けられている。このタイヤ2では、その赤道面の部分(以下、センター領域C)にはインスレーション18は設けられていない。なお、図1において、両矢印IWはインスレーション18の幅を表している。この幅IWは、この図1に示された断面において、インスレーション18の軸方向内端EIからその軸方向外端EOまでの長さをこのインスレーション18に沿って計測することにより得られる。
このタイヤ2では、インスレーション18は架橋ゴムからなる。言い換えれば、インスレーション18はゴム組成物を架橋したものからなる。このゴム組成物は、基材ゴムを含む。この基材ゴムとしては、天然ゴム、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、ポリクロロプレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体及びイソブチレン−イソプレン共重合体が例示される。2種以上のゴムが併用されてもよい。
好ましくは、インスレーション18のゴム組成物は、硫黄を含む。硫黄により、ゴム分子同士が架橋される。硫黄と共に、又は硫黄に代えて、他の架橋剤が用いられてもよい。電子線によって架橋がなされてもよい。
好ましくは、インスレーション18のゴム組成物は、硫黄と共に加硫促進剤を含む。スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤等が、用いられうる。
インスレーション18のゴム組成物は、補強材を含む。典型的な補強材は、カーボンブラックである。FEF、GPF、HAF、ISAF、SAF等が用いられうる。インスレーション18の強度の観点から、カーボンブラックの量は、基材ゴム100質量部に対して5質量部以上が好ましい。インスレーション18の軟質の観点から、カーボンブラックの量は50質量部以下が好ましい。カーボンブラックと共に、又はカーボンブラックに代えて、シリカが用いられてもよい。乾式シリカ及び湿式シリカが用いられうる。
インスレーション18のゴム組成物は、軟化剤を含む。好ましい軟化剤として、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル及び芳香族系プロセスオイルが例示される。インスレーション18の軟質の観点から、軟化剤の量は、基材ゴム100質量部に対して10質量部以上が好ましい。インスレーション18の強度の観点から、軟化剤の量は40質量部以下が好ましい。
インスレーション18のゴム組成物には、ステアリン酸、酸化亜鉛、老化防止剤、ワックス、架橋助剤等が、必要に応じ添加される
図2には、図1のベルト12の展開図が示されている。この図2には、ベルト12をなす第一層30、第二層32及び第三層34の一部が表されている。この図2において、上下方向が周方向である。紙面との垂直方向は、タイヤ2の半径方向である。なお、この図2において、二点鎖線ETはトレッド面20の端を表している。二点鎖線EIは、インスレーション18の内端を表している。二点鎖線EOは、このインスレーション18の外端を表している。
このタイヤ2では、第一層30は並列された多数の第一コード36とトッピングゴム38とからなる。それぞれの第一コード36は、赤道面に対して傾斜している。図2において、角度αは第一コード36の傾斜角度を表している。このタイヤ2では、傾斜角度αの絶対値Fは17°以上28°以下である。なお、この図2においては、説明の便宜から、第一コード36は実線で表されているが、この第一層30における第一コード36はトッピングゴム38で覆われている。
このタイヤ2では、有機繊維からなるコードが第一コード36として用いられてもよい。好ましい有機繊維として、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。この第一コード36に、その材質がスチールとされたコード(以下、スチールコード)が用いられてもよい。耐久性の観点から、第一コード36としては、アラミド繊維からなるコード及びスチールコードが好ましい。耐久性及び質量の観点から、この第一コード36としては、アラミド繊維からなるコードがより好ましい。
ベルト12の剛性の観点から、第一層30における第一コード36の密度は30エンズ/5cm以上が好ましく、40エンズ/5cm以下が好ましい。なお、この第一コード36の密度は、第一層30における第一コード36の長手方向に垂直な断面において、この第一層30の5cm幅あたりに存在する第一コード36の断面の数(エンズ)が計測されることにより得られる。後述する、第二コードの密度及び第三コードの密度も、同様にして得られる。
このタイヤ2では、第二層32は並列された多数の第二コード40とトッピングゴム42とからなる。それぞれの第二コード40は、赤道面に対して傾斜している。この第二コード40の傾斜方向は第一コード36の傾斜方法とは逆である。図2において、角度βは第二コード40の傾斜角度を表している。このタイヤ2では、傾斜角度βの絶対値Sは17°以上22°以下である。なお、この図2においては、説明の便宜から、第二コード40は実線で表されているが、この第二層32における第二コード40はトッピングゴム42で覆われている。
このタイヤ2では、有機繊維からなるコードが第二コード40として用いられてもよい。好ましい有機繊維として、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。この第二コード40に、スチールコードが用いられてもよい。耐久性の観点から、第二コード40としては、アラミド繊維からなるコード及びスチールコードが好ましい。耐久性及び質量の観点から、この第二コード40としては、アラミド繊維からなるコードがより好ましい。
ベルト12の剛性の観点から、第二層32における第二コード40の密度は30エンズ/5cm以上が好ましく、40エンズ/5cm以下が好ましい。
このタイヤ2では、第三層34は並列された多数の第三コード44とトッピングゴム46とからなる。それぞれの第三コード44は、赤道面に対して傾斜している。この第三コード44の傾斜方向は第二コード40の傾斜方法とは逆である。前述したように、この第二コード40の傾斜方向は第一コード36の傾斜方法とは逆である。したがって、この第三コード44の傾斜方向は第一コード36の傾斜方法とは同じである。図2において、角度γは第三コード44の傾斜角度を表している。このタイヤ2では、傾斜角度γの絶対値Tは25°以上65°以下である。なお、この図2においては、説明の便宜から、第三コード44は実線で表されているが、この第三層34における第三コード44はトッピングゴム46で覆われている。
このタイヤ2では、有機繊維からなるコードが第三コード44として用いられてもよい。好ましい有機繊維として、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。この第三コード44に、スチールコードが用いられてもよい。耐久性の観点から、第三コード44としては、アラミド繊維からなるコード及びスチールコードが好ましい。耐久性及び質量の観点から、この第三コード44としては、アラミド繊維からなるコードがより好ましい。
ベルト12の剛性の観点から、第三層34における第三コード44の密度は30エンズ/5cm以上が好ましく、60エンズ/5cm以下が好ましい。
このタイヤ2では、ベルト12は3層構造を有している。このベルト12は、剛性に寄与しうる。このタイヤ2は、コーナーの直前で二輪自動車が急減速させられ、過大な荷重が作用しても、この荷重に十分に耐えうる。このベルト12は、急減速時の耐久性に寄与する。このタイヤ2は、二輪自動車を十分に制動しうる。このタイヤ2は、制動性に優れる。
このタイヤ2では、第三層34の幅CWのトレッド面20の幅TWに対する比は0.4以上である。この第三層34の幅CWは、急減速時のトレッド4の撓み幅(トレッド面20の幅TWの0.3倍に相当)よりも大きい。この第三層34は十分な幅CWを有している。このため、このタイヤ2が二輪自動車の前輪に用いられた場合、ライダーがタイヤ2に荷重を残したまま旋回しても、このタイヤ2はこの荷重に十分耐えうる。このタイヤ2は、制動性に優れる。この観点から、この比は0.5以上が好ましい。サイド領域Sの剛性が適切に維持されるとの観点から、この比は0.7以下が好ましい。ここで、前述の「トレッド4の撓み幅」は、急減速時にタイヤ2にかかると想定される荷重(2.5kN)を、正規リムに装着されその内圧が正規内圧に調整されたタイヤ2にかけたときに得られる、このタイヤ2の接地面の最大幅である。
このタイヤ2では、第一層30に含まれる第一コード36の傾斜角度αの絶対値Fは第三層34に含まれる第三コード44の傾斜角度γの絶対値Tよりも小さい。この第一層30は主に、ベルト12の剛性に寄与する。
このタイヤ2では、第二層32に含まれる第二コード40の傾斜角度βの絶対値Sは第三層34に含まれる第三コード44の傾斜角度γの絶対値Tよりも小さい。この第二層32は、前述の第一層30と同様、主に、ベルト12の剛性に寄与する。
このタイヤ2では、偏りの小さな剛性分布が得られるとの観点から、絶対値Sは絶対値Fと同等であるのが好ましい。本願においては、絶対値Sと絶対値Fとの差が2°以下である場合、絶対値Sは絶対値Fと同等であるとされる。
このタイヤ2では、第三層34に含まれる第三コード44の傾斜角度γの絶対値Tは第二層32に含まれる第二コード40の傾斜角度βの絶対値Sよりも大きい。この第三層34の剛性は、第一層30及び第二層32のそれよりもやや小さい。第三層34は、ベルト12の第一層30及び第二層32からなる部分とトレッド4との間に位置している。このため、コーナーの直前で二輪自動車が急減速させられ、過大な荷重がこのタイヤ2に作用した場合、この第三層34はこの荷重に対する緩衝材として作用する。この第三層34は、トレッド4の荷重負担を軽減する。このタイヤ2では、トレッド4の機械疲労及び熱疲労による耐久性の低下が防止される。この観点から、絶対値Tと絶対値Sとの差(T−S)により表される角度差は14°以上が好ましい。ベルト12の剛性が適切に維持されるとの観点から、この角度差は40°以下が好ましい。
このタイヤ2では、第三層34は第二層32の幅BWよりも小さな幅CWを有している。詳細には、第二層32の幅BWと第三層34の幅CWとの差(BW−CW)は10mmよりも大きい。このタイヤ2では、ベルト12の、第三層34の軸方向外側部分は、第一層30及び第二層32の2層で構成されている。このタイヤ2では、ベルト12によるサイド領域Sの剛性への影響が防止されている。このタイヤ2では、良好な接地感及び吸収性が達成される。しかも第二コード40の傾斜方向が第一層30に含まれる第一コード36の傾斜方向とは逆であるので、このタイヤ2では、旋回時において、キャンバースラスト及びコーナリングパワーが効果的に発生する。このタイヤ2は、操縦性に優れる。この観点から、この差(BW−CW)は20mm以上が好ましい。急減速時の剛性の観点から、この差(BW−CW)は70mm以下が好ましい。なお、キャンバースラスト及びコーナリングパワーの発生の観点から、第一層30の幅AWと第二層32の幅BWとの差(AW−BW)は、5mm以上が好ましく、15mm以下が好ましい。
このタイヤ2では、左右のインスレーション18は軸方向において離間して配置され、カーカス10よりもタイヤ2の内側に位置している。このインスレーション18は、旋回時において圧縮される。このタイヤ2では、インスレーション18は架橋ゴムからなる。このインスレーション18は、圧縮に対して抵抗するように作用する。このインスレーション18は、サイド領域Sの剛性に寄与しうる。しかも、このインスレーション18はトレッド面20から離れた位置にあるので、このインスレーション18はトレッド4の厚みには影響しない。このインスレーション18の配置は、適正な厚みを有するトレッド4の形成に寄与しうる。このタイヤ2では、過渡特性を損なうことなく、良好な接地感及び吸収性が達成される。しかも、例えば、このインスレーション18がカーカス10をなす第一プライ26と第二プライ28との間に設けられた場合、第一プライ26及び第二プライ28のそれぞれに含まれるコードの張力にこのインスレーション18が影響するという弊害が生じるが、この配置によれば、そのような弊害も防止される。このタイヤ2では、第一プライ26及び第二プライ28のそれぞれに含まれるコードの張力は特異でない。このタイヤ2では、インスレーション18の配置による操縦性への影響が防止されている。このタイヤ2は、操縦性に優れる。
図1において、両矢印tはインスレーション18の厚さを表している。このタイヤ2では、厚さtは0.5mm以上1.5mm以下が好ましい。厚さtが0.5mm以上に設定されることにより、インスレーション18が適度な剛性を有する。このタイヤ2では、インスレーション18による過渡特性への影響が抑えられる。このタイヤ2では、直進走行から旋回走行への移行、及び、旋回走行から直進走行への滑らかな移行が達成される。しかもインスレーション18が前述の圧縮に対して抵抗するよう効果的に作用するので、このタイヤ2は操縦性に優れる。この観点から、厚さtは0.6mm以上がより好ましい。厚さtが1.5mm以下に設定されることにより、インスレーション18の剛性が適切に維持される。このタイヤ2では、インスレーション18による過渡特性への影響が抑えられる。この場合においても、このタイヤ2では、直進走行から旋回走行への移行、及び、旋回走行から直進走行への滑らかな移行が達成される。
このタイヤ2では、インスレーション18の複素弾性率Eは3.0MPa以上10MPa以下が好ましい。弾性率Eが3.0MPa以上に設定されることにより、インスレーション18が適度な剛性を有する。このタイヤ2では、インスレーション18による過渡特性への影響が抑えられる。このタイヤ2では、直進走行から旋回走行への移行、及び、旋回走行から直進走行への滑らかな移行が達成される。しかもインスレーション18が前述の圧縮に対して抵抗するよう効果的に作用するので、このタイヤ2は操縦性に優れる。この観点から、弾性率Eは3.5MPa以上がより好ましい。弾性率Eが10MPa以下に設定されることにより、インスレーション18の剛性が適切に維持される。このタイヤ2では、インスレーション18による過渡特性への影響が抑えられる。この場合においても、このタイヤ2では、直進走行から旋回走行への移行、及び、旋回走行から直進走行への滑らかな移行が達成される。
本発明では、インスレーション18の複素弾性率Eは「JIS K 6394」の規定に準拠して測定される。測定条件は、以下の通りである。
粘弾性スペクトロメーター:岩本製作所の「VESF−3」
初期歪み:10%
動歪み:±1%
周波数:10Hz
変形モード:引張
測定温度:70℃
図1に示されているように、このタイヤ2では、軸方向において、インスレーション18の内端EIは第三層34の端E3よりも内側に位置している。言い換えれば、このタイヤ2では、第三層34に対するインスレーション18の位置を制御することで、第三層34とインスレーション18との境界部分による剛性への影響が適切に調節されている。このタイヤ2では、この境界部分は特異でない。このタイヤ2では、直進走行から旋回走行への移行、及び、旋回走行から直進走行への移行は滑らかである。このタイヤ2は、過渡特性に優れる。
図1において、直線LBは第三層34の端E3を通りインスレーション18の内面に対する法線である。両矢印LWは、この法線LBからインスレーション18の軸方向内端EIまでの長さを表している。本願においては、この長さLWはインスレーション18と第三層34との重なりの幅である。
このタイヤ2では、インスレーション18と第三層34との重なりの幅LWは10mm以下である。これにより、第三層34とインスレーション18との境界部分による剛性の局所的な増加が防止されている。このタイヤ2では、この境界部分は特異でない。このタイヤ2では、直進走行から旋回走行への移行、及び、旋回走行から直進走行への移行は滑らかである。このタイヤ2は、過渡特性に優れる。この観点から、この幅LWは9mm以下が好ましい。
このタイヤ2では、重なりの幅LWは0mm以上が好ましい。これにより、第三層34とインスレーション18との境界部分による剛性の局所的な減少が防止されている。このタイヤ2では、この境界部分は特異でない。このタイヤ2では、直進走行から旋回走行への移行、及び、旋回走行から直進走行への移行は滑らかである。このタイヤ2は、過渡特性に優れる。この観点から、この幅LWは1mm以上が好ましい。
このタイヤ2では、第三層34の幅CWの半分とインスレーション18の幅IWとの和(CW/2+IW)はトレッド面20の幅TWの半分よりも小さい。このタイヤ2では、インスレーション18の軸方向外端EOの位置を制御することにより、インスレーション18による、サイドウォール6の部分の剛性への影響が防止されている。この部分の撓みが特異でないので、このタイヤ2では、旋回時の接地感及び吸収性は良好である。この観点から、和(CW/2+IW)と幅TWの半分との差、換言すれば、差[(CW+2IW)−TW]は−1mm以下が好ましい。インスレーション18がサイド領域Sに位置し、このインスレーション18がこのサイド領域Sの剛性に適切に寄与しうるとの観点から、この差[(CW+2IW)−TW]は−30mm以上が好ましい。
このタイヤ2では、インスレーション18の幅IWのトレッド面20の幅TWの半分に対する比は0.3以上0.4以下が好ましい。この比が0.3以上に設定されることにより、インスレーション18が第三層34の端E3からトレッド面20の端ETまでの範囲を過不足無く補強しうる。このタイヤ2では、インスレーション18による過渡特性への影響が効果的に防止される。このタイヤ2では、直進走行から旋回走行への移行、及び、旋回走行から直進走行への移行は滑らかである。このタイヤ2は、過渡特性に優れる。この比が0.4以下に設定されることにより、インスレーション18による、サイドウォール6の部分の剛性への影響が防止される。この部分の撓みが特異でないので、このタイヤ2では、良好な旋回時の接地感及び吸収性が得られる。
このように、このタイヤ2では、特に、第三層34及びインスレーション18の仕様を制御することにより、制動性、操縦性及び吸収性がバランス良く整えられている。このタイヤ2は、操縦安定性に優れる。本発明によれば、操縦安定性に優れる二輪自動車用の空気入りタイヤ2が得られる。
本発明では、タイヤ2の各部材の寸法及び角度は、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示された基本構成を備え、下記の表1に示された仕様を備えた実施例1の空気入りタイヤを得た。このタイヤのサイズは、125/80R420とされた。ベルトの各層に含まれるコードには、アラミド繊維からなるコード(構成=1670dtex/2)が用いられた。各層におけるコードの密度は、35エンズ/5cmとされた。なお、インスレーションの「位置」の欄の「IN」は、インスレーションがインナーライナーよりもタイヤの内側に設けられていることを表している。
[比較例2]
インスレーションを設けず幅CWを下記の表1の通りとした他は実施例1と同様にして、比較例2のタイヤを得た。
[比較例1]
インスレーションを設けず幅CW及び傾斜角度γを下記の表1の通りとした他は実施例1と同様にして、比較例1のタイヤを得た。この比較例1は、従来のタイヤである。
[比較例3]
カーカスの第一プライと第二プライとの間にインスレーションを設けた他は実施例1と同様にして、比較例3のタイヤを得た。インスレーションがカーカスよりもタイヤの内側にないことが、「位置」の欄に「OUT」で表されている。
[実施例2−7及び比較例4−5]
幅CW及び幅IWを変えて比(CW/TW)を下記の表2及び3の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2−7及び比較例4−5のタイヤを得た。
[実施例8−11及び比較例6−7]
幅IWを変えて差((CW+2IW)−TW)を下記の表4の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例8−11及び比較例6−7のタイヤを得た。
[実施例12−15及び比較例8−9]
幅LWを下記の表5の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例12−15及び比較例8−9のタイヤを得た。
[実施例16−19]
厚さtを下記の表6の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例16−19のタイヤを得た。
[実施例20−23]
弾性率Eを下記の表7の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例20−23のタイヤを得た。
[実施例24−28及び比較例10−11]
第三コードの傾斜角度γの絶対値Tと第二コードの傾斜角度βの絶対値Sとの差(T−S)で表される角度差を下記の表8の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例24−28及び比較例10−11のタイヤを得た。
[操縦安定性]
試作タイヤを排気量が1000ccであるスポーツタイプの二輪自動車(4サイクル)の前輪に装着し、その内圧が240kPaとなるように空気を充填した。前輪のリムのサイズは、3.50×420とされた。後輪には、市販のタイヤ(サイズ=200/60R420)を装着し、その内圧が170kPaとなるように空気を充填した。後輪のリムのサイズは、6.25×420とされた。80℃の温度に設定されたホットウォーマーをタイヤに取り付け、約1.5時間このタイヤを保持した。その後、この二輪自動車を、その路面がアスファルトであるサーキットコースで走行させて、ライダーによる官能評価を行った。評価項目は、制動性、操縦性及び吸収性である。この結果が、10点を満点とした指数として下記の表1から表8に示されている。数値が大きいほど好ましい。また、制動性、操縦性及び吸収性の合計点を算出し、これを総合点として表した。この数値が大きいほど好ましい。
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表1−8に示されるように、実施例のタイヤでは、比較例のタイヤに比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明されたタイヤは、種々の車輌にも適用されうる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・ビード
10・・・カーカス
12・・・ベルト
18・・・インスレーション
20・・・トレッド面
26・・・第一プライ
28・・・第二プライ
30・・・第一層
32・・・第二層
34・・・第三層
36・・・第一コード
40・・・第二コード
44・・・第三コード

Claims (4)

  1. その外面がトレッド面をなすトレッドと、それぞれが上記トレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、それぞれが上記サイドウォールよりも半径方向内側に位置する一対のビードと、上記トレッド及び上記サイドウォールの内側に沿って一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されたカーカスと、上記トレッドの半径方向内側において上記カーカスと積層されるベルトと、上記カーカスの半径方向内側に位置するインナーライナーと、上記インナーライナーの半径方向内側に位置しておりかつ軸方向において離間して配置される一対のインスレーションとを備えており、
    上記ベルトが第一層と、この第一層よりも半径方向外側に位置する第二層と、この第二層よりも半径方向外側に位置する第三層とを備えており、
    軸方向において、上記第三層の端が上記第二層の端よりも内側に位置しており、この第二層の端が上記第一層の端よりも内側に位置しており、
    上記第一層が並列された多数の第一コードを含んでおり、それぞれの第一コードが赤道面に対して傾斜しており、
    上記第二層が並列された多数の第二コードを含んでおり、それぞれの第二コードが赤道面に対して傾斜しており、
    上記第三層が並列された多数の第三コードを含んでおり、それぞれの第三コードが赤道面に対して傾斜しており、
    上記第三コードの傾斜方向が上記第二コードの傾斜方向とは逆であり、この第二コードの傾斜方向が上記第一コードの傾斜方向とは逆であり、
    上記第三コードの傾斜角度γの絶対値Tが上記第二コードの傾斜角度βの絶対値Sよりも大きく、
    上記インスレーションが架橋ゴムからなり、このインスレーションが上記カーカスよりもこのタイヤの内側に位置しており、
    このタイヤの周方向に対して垂直な断面において、上記トレッド面の一端からその他端までの長さが幅TWとされ、上記第二層の一端からその他端までの長さが幅BWとされ、上記第三層の一端からその他端までの長さが幅CWとされ、上記インスレーションの内端からその外端までの長さが幅IWとされたとき、
    上記第三層の幅CWの上記トレッド面の幅TWに対する比が0.4以上であり、上記第二層の幅BWとこの幅CWとの差(BW−CW)が10mmよりも大きく、
    上記第三層の幅CWの半分と上記インスレーションの幅IWとの和(CW/2+IW)が上記トレッド面の幅TWの半分よりも小さく、
    軸方向において、上記インスレーションの内端が上記第三層の端よりも内側に位置しており、このインスレーションとこの第三層との重なりの幅LWが10mm以下である、二輪自動車用空気入りタイヤ。
  2. 上記インスレーションの厚さtが0.5mm以上1.5mm以下である、請求項1に記載の二輪自動車用空気入りタイヤ。
  3. 上記インスレーションの複素弾性率Eが3.0MPa以上10MPa以下である、請求項1又は2に記載の二輪自動車用空気入りタイヤ。
  4. 上記第三コードの傾斜角度γの絶対値Tと上記第二コードの傾斜角度βの絶対値Sとの差(T−S)が8°以上40°以下である、請求項1から3のいずれかに記載の二輪自動車用空気入りタイヤ。
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