JP7067356B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
タイヤのビードの部分は、リムに嵌め合わされる。走行状態においては、ビードの部分に大きな荷重が掛かる。タイヤの良好な耐久性の実現のためには、ビードの部分の剛性が重要となる。また、ビードの部分の構造は、操縦安定性に影響を及ぼす。タイヤの耐久性及び操縦安定性を向上させるために、ビードの部分の構成について、様々な検討がされている。
特開2012-025280公報で報告されたタイヤでは、耐久性と操縦安定性のために、ビードは、従来より小さなエイペックス(第一エイペックス)と、この第一エイペックスの軸方向外側に位置するエイペックス(第二エイペックス)とを備える。このタイヤでは、カーカスの折返し部を第一エイペックスと第二エイペックスとで挟み込むことで、耐久性を向上させている。また、この構造は、ビードの部分の面内捻り剛性を向上させるため、操縦安定性にも寄与する。
特開2012-025280公報
さらに、ビードの耐久性を向上させたタイヤが求められている。また、ビードの部分には走行中に繰り返し大きな力が加わるため、ビードの部分は発熱し易い。より優れた操縦安定性の実現のため、タイヤには、この発熱による性能の低下(熱ダレ)を抑えることも求められている。
本発明の目的は、耐久性及び操縦安定性に優れたタイヤの提供にある。
本発明に係るタイヤは、一対のビード、カーカス及び一対のストリップエイペックスを備えている。それぞれのビードは、コアと、このコアから半径方向外向きに延びる第一エイペックスと、この第一エイペックスの軸方向外側に位置する第二エイペックスとを備えている。上記カーカスはカーカスプライを備えており、このカーカスプライが、一方のビードの軸方向内側から他方のビードの軸方向内側まで延びる主部と、上記第一エイペックスと上記第二エイペックスとの間を通り半径方向に延びる折返し部とを備えている。上記ストリップエイペックスは、上記主部と上記折返し部との間において半径方向に延びている。ビードベースラインから上記タイヤの最大幅位置Pwまでの半径方向高さHwの、このタイヤの最大幅Lwに対する比(Hw/Lw)は、35%以上である。半径方向において、上記ストリップエイペックスの外側端が上記折返し部の外側端よりも外側に位置しており、これらの間の距離Hdの上記高さHwに対する比(Hd/Hw)は、5%以上である。
好ましくは、このタイヤのサイド面のプロファイルが、上記最大幅位置Pwから半径方向外側に延びる円弧C1及び上記最大幅位置Pwから半径方向内側に延びる円弧C2を備えており、上記円弧C1の曲率半径R1が70mm以上であり、上記曲率半径R1と上記円弧C2の曲率半径R2との差の絶対値が、10mm以下である。
好ましくは、本タイヤは、上記第二エイペックスの軸方向外側に位置するクリンチをさらに備えており、半径方向において、上記第二エイペックスの外側端は、上記クリンチの外側端より外側に位置している。
好ましくは、半径方向において、ビードベースラインから上記ストリップエイペックスの外側端までの高さHsの、上記高さHwに対する比(Hs/Hw)は、105%以上140%以下である。
好ましくは、半径方向において、ビードベースラインから上記折返し部の外側端までの高さHrの、上記高さHwに対する比(Hr/Hw)は、80%以上125%以下である。
発明者らは、ビードが第一エイペックスと第二エイペックスとを有するタイヤについて、耐久性を向上させる構造について検討した。その結果、ビードベースラインから最大幅位置までの半径方向高さHwの最大幅Lwに対する比(Hw/Lw)を35%以上とすることが、耐久性の向上に寄与することを見いだした。発明者らは、さらにカーカスの主部と折返し部との間にストリップエイペックスを挿入し、その外側端の位置を適切に調整することで、比(Hw/Lw)が大きなタイヤでもビードの部分の歪みが抑制され、かつ歪み位置が分散できることを見いだした。これは、ビードの部分の発熱の抑制に寄与する。これにより、比(Hw/Lw)が大きなタイヤでも、熱ダレが抑えられ、良好な操縦安定性が実現できる。
このタイヤでは、比(Hw/Lw)は35%以上である。このタイヤは、カーカスの主部と折返し部との間にストリップエイペックスを備え、ストリップエイペックスの外側端は折返し部の外側端よりも外側に位置し、これらの間の距離Hdの高さHwに対する比(Hd/Hw)は5%以上である。これらの組み合わせにより、このタイヤでは良好な耐久性及び操縦安定性が実現されている。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの一部が示された拡大断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤ2が示されている。図1において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を表わす。実線BBLはビードベースラインを表す。ビードベースラインBBLは、リムのリム径(JATMA参照)を規定する線に相当する。ビードベースラインBBLは、軸方向に延びる。このタイヤ2の形状は、トレッドパターンを除き、赤道面に対して対称である。
この明細書では、タイヤ2の外面の輪郭はプロファイルと称される。外面に突起や溝が設けられている場合は、この突起や溝がないと仮定して得られる仮想外面を用いて、このプロファイルは表される。図1において、符号Pwは、サイド面のプロファイル上においてこのタイヤ2が最大幅となる位置(最大幅位置)を表す。
このタイヤ2は、トレッド4、一対のサイドウォール6、一対のクリンチ8、一対のビード10、カーカス12、ベルト14、バンド16、インナーライナー18、一対のチェーファー20及び一対のストリップエイペックス22を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。
トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、路面と接地するトレッド面5を形成する。トレッド4には、溝7が刻まれている。この溝7により、トレッドパターンが形成されている。トレッド4は、ベース層24とキャップ層26とを有している。キャップ層26は、ベース層24の半径方向外側に位置している。キャップ層26は、ベース層24に積層されている。ベース層24は、接着性に優れた架橋ゴムからなる。ベース層24の典型的な基材ゴムは、天然ゴムである。キャップ層26は、耐摩耗性、耐熱性及びグリップ性に優れた架橋ゴムからなる。
それぞれのサイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6の半径方向外側部分は、トレッド4と接合されている。このサイドウォール6の半径方向内側端は、クリンチ8と接合されている。サイドウォール6は、耐カット性及び耐候性に優れた架橋ゴムからなる。サイドウォール6は、カーカス12の損傷を防止する。
それぞれのクリンチ8は、サイドウォール6の半径方向略内側に位置している。クリンチ8は、軸方向において、ビード10及びカーカス12よりも外側に位置している。クリンチ8は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。クリンチ8は、リムのフランジと当接する。
それぞれのビード10は、クリンチ8よりも軸方向内側に位置している。このタイヤ2では、ビード10は、コア28と、第一エイペックス30と、第二エイペックス32とを備えている。
コア28はリング状であり、巻回された非伸縮性ワイヤを含む。ワイヤの典型的な材質は、スチールである。第一エイペックス30は、コア28から半径方向外向きに延びている。第一エイペックス30は、半径方向外向きに先細りである。第一エイペックス30は、高硬度な架橋ゴムからなる。第二エイペックス32は、第一エイペックス30よりも軸方向外側に位置している。第二エイペックス32は、軸方向においてクリンチ8とカーカス12との間に位置している。第二エイペックス32は、半径方向外向きに先細りであり、半径方向内向きにも先細りである。半径方向において、第二エイペックス32の外側端34は第一エイペックス30の先端36よりも外側に位置している。第二エイペックス32は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス12は、両側のビード10の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール6に沿っている。カーカス12は、カーカスプライを備えている。この実施形態では、カーカス12は、第一プライ38及び第二プライ40の二つのカーカスプライからなる。
第一プライ38は、コア28の周りにて折り返されている。第一プライ38は、主部38aと折返し部38bとを備えている。主部38aは、一方のビード10の軸方向内側から他方のビード10の軸方向内側まで延びている。主部38aは第二プライ40の内側に沿って延在している。主部38aはインナーライナー18の外側に積層されている。折返し部38bは、軸方向において、第一エイペックス30の外側かつ第二エイペックス32の内側を通って半径方向に延びている。折返し部38bは、第一エイペックス30と第二エイペックス32との間を通っている。図から明らかなように、第一プライ38の折返し部38bの外側端42は、このタイヤ2の最大幅位置Pwの近くに位置している。このタイヤ2のカーカス12は、「ハイターンアップ(HTU)」構造を有している。
第二プライ40は、コア28の周りにて折り返されている。第二プライ40は、主部40aと折返し部40bとを備えている。主部40aは、一方のビード10の軸方向内側から他方のビード10の軸方向内側まで延びている。主部40aは第一プライ38の外側に沿って延在している。折返し部40bは、軸方向において、第一エイペックス30の外側かつ第二エイペックス32の内側を通って半径方向に延びている。折返し部40bは、第一エイペックス30と第二エイペックス32との間を通っている。第二プライ40の折返し部40bは、軸方向において、第一プライ38の折返し部38bの内側に位置する。半径方向において、第二プライ40の折返し部38bの外側端44は、第一プライ38の折返し部38bの外側端42より内側に位置している。
第一プライ38及び第二プライ40のそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードが赤道面CLに対してなす角度の絶対値は、75°から90°である。換言すれば、このカーカス12はラジアル構造を有する。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。カーカス12が、第一プライ38のみから形成されてもよい。
ベルト14は、トレッド4の半径方向内側に位置している。ベルト14は、カーカス12と積層されている。ベルト14は、カーカス12を補強する。ベルト14は、内側層46及び外側層48からなる。図示されていないが、内側層46及び外側層48のそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードは、赤道面CLに対して傾斜している。傾斜角度の一般的な絶対値は、10°以上35°以下である。内側層46のコードの赤道面CLに対する傾斜方向は、外側層48のコードの赤道面CLに対する傾斜方向とは逆である。コードの好ましい材質は、スチールである。コードに、有機繊維が用いられてもよい。
バンド16は、ベルト14の半径方向外側に位置している。軸方向において、バンド16の幅はベルト14の幅よりも大きい。図示されていないが、このバンド16は、コードとトッピングゴムとからなる。コードは、螺旋状に巻かれている。このバンド16は、いわゆるジョイントレス構造を有する。コードは、実質的に周方向に延びている。周方向に対するコードの角度は、5°以下、さらには2°以下である。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
インナーライナー18は、カーカス12の内側に位置している。インナーライナー18は、カーカス12の内面に接合されている。インナーライナー18は、空気遮蔽性に優れた架橋ゴムからなる。インナーライナー18の典型的な基材ゴムは、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムである。インナーライナー18は、タイヤ2の内圧を保持する。
それぞれのチェーファー20は、ビード10の近傍に位置している。タイヤ2がリムに組み込まれると、このチェーファー20がリムと当接する。この当接により、ビード10の近傍が保護される。この実施形態では、チェーファー20は、布とこの布に含浸したゴムとからなる。チェーファー20が、クリンチ8と一体であってもよい。この場合、チェーファー20の材質はクリンチ8の材質と同じである。
それぞれのストリップエイペックス22は、軸方向において、第一プライ38の主部38aと折返し部38bとの間に位置している。ストリップエイペックス22は、軸方向において、第二プライ40の主部40aと折返し部40bとの間に位置している。ストリップエイペックス22は、半径方向に延びる。ストリップエイペックス22は、高硬度な架橋ゴムからなる。
図2には、図1のサイド部が拡大されて示されている。図2において、両矢印Hwは、ビードベースラインBBLから最大幅位置Pwまでの半径方向高さを表す。図1において、両矢印Lwはタイヤ2の最大幅を表す。これは、軸方向における一方のサイド面の位置Pwと他方のサイド面の位置Pwとの距離である。このタイヤ2では、高さHwの最大幅Lwに対する比(Hw/Lw)は、35%以上である。なお、図2では、見易さのためにサイドウォール6のハッチは省略されている。
図2において、両矢印HSoは、ビードベースラインBBLからストリップエイペックス22の外側端50までの半径方向高さを表す。両矢印Hrは、ビードベースラインBBLから「折返し部の外側端」までの半径方向高さを表す。本実施形態のように、折返し部が複数存在する場合は、最も半径方向外側に位置する外側端が、高さHrを計測するときの外側端である。本実施形態では、高さHrは、第一プライ38の折返し部38bの外側端42までの高さである。図2から明らかなように、このタイヤ2では、半径方向において、ストリップエイペックス22の外側端50は、折返し部の外側端42より外側に位置している。すなわち、高さHSoは高さHrより大きい。半径方向におけるこれらの間の距離Hd(Hd=HSo-Hr)の、高さHwに対する比(Hd/Hw)は、5%以上である。
以下、本発明の作用効果について説明される。
このタイヤ2では、ビード10は第一エイペックス30と第二エイペックス32とを有し、第一プライ38の折返し部38b及び第二プライ40の折返し部40bは、この第一エイペックス30と第二エイペックス32との間を通っている。この構造は、良好な耐久性に寄与する。さらにこのタイヤ2では、最大幅位置Pwまでの半径方向高さHwの最大幅Lwに対する比(Hw/Lw)は、35%以上である。このように最大幅位置Pwを高くすることで、折返し部(第一プライ38の折返し部38b及び第二プライ40の折返し部40b)は、第二エイペックス32の軸方向内側を通過した後に、軸方向外側に急に湾曲しない。折返し部38b、40bは、軸方向外側になだらかに湾曲しつつ半径方向外側に向けて延びる。これは、歪みの集中を抑え、耐久性にさらに効果的に寄与する。このタイヤ2は、耐久性に優れる。
このタイヤ2は、カーカスプライの主部(第一プライ38の主部38a及び第二プライ40の主部40a)と折返し部38b、40bとの間にストリップエイペックス22を備える。このストリップエイペックス22の外側端50は、折返し部の外側端42よりも外側に位置しており、これらの間の距離Hdの高さHwに対する比(Hd/Hw)は、5%以上である。このストリップエイペックス22は、比(Hw/Lw)が35%以上のタイヤ2において、ビード10の部分の歪みを抑制し、またこの歪み位置を分散させる。これは、ビード10の部分の発熱の抑制に寄与する。これは、熱ダレを抑え、良好な操縦安定性の実現に寄与する。このタイヤ2では、上記の比(Hw/Lw)を35%以上とすることと、このストリップエイペックス22との組み合わせにより、良好な耐久性及び操縦安定性が実現されている。
比(Hw/Lw)は、37%以上がより好ましい。比(Hw/Lw)を37%以上とすることにより、歪みの集中がさらに抑えられる。これは、耐久性に効果的に寄与する。比(Hw/Lw)は、45%以下が好ましい。比(Hw/Lw)を45%以下とすることで、サイド部全体のバランスが適切に保たれうる。このサイド部は、しなやかに撓みうる。これは良好な乗り心地に寄与する。
比(Hd/Hw)は、7%以上がより好ましい。比(Hd/Hw)を7%以上とすることで、このストリップエイペックス22は、ビード10の部分の歪みを抑制し、またこの歪み位置を分散させる。これは、ビード10の部分の発熱の抑制に寄与する。これは、熱ダレを抑え、良好な操縦安定性の実現に寄与する。比(Hd/Hw)は、30%以下が好ましい。比(Hd/Hw)を30%以下とすることで、ストリップエイペックス22が縦バネ定数に与える影響が抑えられる。このタイヤ2では、良好な乗り心地が維持されている。この観点から、比(Hd/Hw)は、25%以下がさらに好ましい。
このタイヤ2では、半径方向において、ストリップエイペックス22の外側端50は、最大幅位置Pwより外側に位置しているのが好ましい。すなわち、比(HSo/Hw)は、100%より大きいのが好ましい。このようにすることで、このストリップエイペックス22は、ビード10の部分からタイヤ2の最大幅位置Pw近辺までの歪みを抑制し、またこの歪み位置を分散させる。これは、熱ダレを抑え、良好な操縦安定性の実現に寄与する。このタイヤ2では良好な耐久性及び操縦安定性が実現されている。この観点から、比(HSo/Hw)は、105%以上がより好ましい。
比(HSo/Hw)は、140%以下が好ましい。比(HSo/Hw)を140%以下とすることで、ストリップエイペックス22が縦バネ定数に与える影響が抑えられる。このタイヤ2では、良好な乗り心地が維持されている。
図2において、両矢印HSiは、ビードベースラインBBLからストリップエイペックス22の内側端52までの半径方向高さを表す。両矢印H1は、ビードベースラインBBLから第一エイペックス30の先端36までの半径方向高さを表す。このタイヤ2では、比(HSi/H1)は、150%以下が好ましい。比(HSi/H1)を150%以下とすることで、このストリップエイペックス22は、ビード10の部分の歪みを抑制し、またこの歪み位置を分散させる。これは、熱ダレを抑え、良好な操縦安定性の実現に寄与する。このタイヤ2では良好な耐久性及び操縦安定性が実現されている。この観点から、比(HSi/H1)は130%以下がより好ましく、110%以下がさらに好ましい。ストリップエイペックス22のタイヤ2質量への影響を抑えるとの観点から、この比は80%以上が好ましい。図2の実施形態では、高さHSiは高さH1と等しい。すなわち、比(HSi/H1)は100%である。
図2において、両矢印Hcは、ビードベースラインBBLからクリンチ8の外側端54までの半径方向高さを表す。両矢印H2は、ビードベースラインBBLから第二エイペックス32の外側端34までの半径方向高さを表す。このタイヤ2では、半径方向において、第二エイペックス32の外側端34はクリンチ8の外側端54より外側に位置するのが好ましい。すなわち、比(H2/Hc)は、100%より大きいのが好ましい。このようにすることで、ビード10の部分から最大幅位置Pw近辺において、剛性の変化がなめらかとなる。この部分の剛性の分布が適正となる。これは、耐久性及び操縦安定性に寄与する。この観点から、比(H2/Hc)は110%以上がより好ましい。第二エイペックス32のタイヤ2質量への影響を抑えるとの観点から、この比は150%以下が好ましい。
前述のとおり、折返し部の外側端42は、このタイヤ2の最大幅位置Pwの近くに位置している。このタイヤ2では、折返し部の外側端42の高さHrの、位置Pwの高さHwに対する比(Hr/Hw)は、80%以上が好ましい。比(Hr/Hw)を80%以上とすることで、この折返し部は、サイド部の剛性に寄与する。これは、サイド部の歪みを抑える。この折返し部は、耐久性に寄与する。比(Hr/Hw)は、125%以下が好ましい。比(Hr/Hw)を125%以下とすることで、折返し部が縦バネ定数に与える影響が抑えられる。このタイヤ2では、良好な乗り心地が維持されている。
図2に示されるように、このサイド面のプロファイルは、位置Pwから半径方向外側に延びる円弧C1と、位置Pwから半径方向内側に延びる円弧C2とを備える。円弧C1の曲率半径R1と、円弧C2の曲率半径R2との差の絶対値Da(Da=|R1-R2|)は、10mm以下が好ましい。絶対値Daを10mm以下とすることで、このサイド部は、均一にインフレートされる。これは、歪みの集中の抑制に寄与する。これは、タイヤ2の耐久性及び操縦安定性に寄与する。このタイヤ2では良好な耐久性及び操縦安定性が実現されている。さらに、歪みの集中を抑えるとの観点から、曲率半径R1は、70mm以上が好ましい。
ストリップエイペックス22の複素弾性率Esは60MPa以上が好ましい。複素弾性率Esを60MPa以上とすることで、このストリップエイペックス22は、ビード10の部分の歪みを抑制し、またこの歪み位置を分散させる。これは、熱ダレを抑え、良好な操縦安定性の実現に寄与する。このタイヤ2では、良好な耐久性及び操縦安定性が実現されている。複素弾性率Esは70MPa以下が好ましい。複素弾性率Esを70MPa以下とすることで、ストリップエイペックス22の縦バネ定数への影響が抑えられる。このタイヤ2では、良好な乗り心地が維持されている。
このタイヤ2では、第一エイペックス30の複素弾性率E1は60MPa以上が好ましい。複素弾性率E1を60MPa以上とすることで、この第一エイペックス30はビード10の部分の剛性に寄与する。このタイヤ2は、耐久性に優れる。複素弾性率E1は70MPa以下が好ましい。複素弾性率E1を70MPa以下とすることで、第一エイペックス30の縦バネ定数への影響が抑えられる。このタイヤ2では、良好な乗り心地が維持されている。
このタイヤ2では、第二エイペックス32の複素弾性率E2は60MPa以上が好ましい。複素弾性率E2を60MPa以上とすることで、この第二エイペックス32はビード10の部分の剛性に寄与する。このタイヤ2は、耐久性に優れる。複素弾性率E2は70MPa以下が好ましい。複素弾性率E2を70MPa以下とすることで、第二エイペックス32の縦バネ定数への影響が抑えられる。このタイヤ2では、良好な乗り心地が維持されている。
本発明では、複素弾性率Es、複素弾性率E1及び複素弾性率E2は「JIS K 6394」の規定に準拠して測定される。測定条件は、以下の通りである。
粘弾性スペクトロメーター:岩本製作所の「VESF-3」
初期歪み:10%
動歪み:±1%
周波数:10Hz
変形モード:引張
測定温度:70℃
本発明では、タイヤ2の各部材の寸法及び角度は、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。
本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITSAT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。本明細書において正規荷重とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた荷重を意味する。JATMA規格における「最高負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITSAT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1及び2に示された構造を備え、下記の表1に示された仕様を備えた実施例1の空気入りタイヤを得た。このタイヤのサイズは、185R14Cである。このタイヤでは、比(Hr/Hw)は118%とされ、比(HSi/H1)は100%とされた。比(H2/Hc)は122%とされた。従ってこのタイヤでは、高さH2は高さHcより大きい。このことが表1の「H2>Hc」の欄に「Yes」として記載されている。絶対値Daは0.0mmとされ、曲率半径R1は90mmとされた。
[比較例1]
比較例1のタイヤは、ストリップエイペックスを備えていない。このタイヤの比(Hw/Lw)の値は、表1の通りである。このタイヤでは、高さH2は高さHcより小さい。このことが表1の「H2>Hc」の欄に「No」として記載されている。これらの他は、比較例1のタイヤは実施例1のタイヤと同じである。
[比較例2、実施例2]
最大幅位置の高さHwを変えて比(Hw/Lw)を表1に示されるとおりとした他は実施例1と同様にして、比較例2及び実施例2のタイヤを得た。
[比較例3、実施例3-4]
ストリップエイペックスの外側端の高さを変えて比(Hd/Hw)を表2に示されるとおりとした他は実施例1と同様にして、比較例3及び実施例3-4のタイヤを得た。
[実施例5]
高さH2が高さHcより小さいことの他は実施例1と同様にして、実施例5のタイヤを得た。
[耐久性]
タイヤを正規リム(14×5.5J)に組み込み、このタイヤに空気を充填して内圧を450kPaとした。このタイヤを走行試験機に装着し、11.63kNの縦荷重をタイヤに負荷した。このタイヤを80km/hの速度で、半径が1.7mであるドラム上を走行させた。タイヤに損傷が確認されるまでの走行距離を確認した。この値が比較例1を100とした指数で、表1及び2に示されている。値が大きいほど、耐久性に優れる。値が大きいほど、好ましい。
[操縦安定性]
タイヤを正規リム(14×5.5J)に組み込み、これを市販のライトトラックの前輪及び後輪に装着した。前輪のタイヤの内圧は340kPaとされ、後輪のタイヤの内圧は420kPaとされた。これらのタイヤに負荷される荷重が正規荷重の半分となるように、この車両に荷物を積載した。テストコースにて、ドライバーにこの車両を走行させた。この走行では、熱ダレの操縦安定性への影響を評価するため、慣らし運転として60km/hの速度で2分間走行させた後、3レーン分のレーンチェンジを実施した。さらに、120km/hの速度で5分間走行させた後、3レーン分のレーンチェンジを実施した。このときの操縦安定性が確認された。この結果が比較例1を100とした指数で、表1及び2に示されている。数値が大きいほど好ましい。
Figure 0007067356000001
Figure 0007067356000002
表1及び2に示されるように、実施例タイヤは、比較例のタイヤに比べて総合的に優れている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された空気入りタイヤは、様々な車輌にも適用されうる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
5・・・トレッド面
6・・・サイドウォール
7・・・溝
8・・・クリンチ
10・・・ビード
12・・・カーカス
14・・・ベルト
16・・・バンド
18・・・インナーライナー
20・・・チェーファー
22・・・ストリップエイペックス
24・・・ベース層
26・・・キャップ層
28・・・コア
30・・・第一エイペックス
32・・・第二エイペックス
34・・・第二エイペックスの外側端
36・・・第一エイペックスの先端
38・・・第一プライ
40・・・第二プライ
42・・・折返し部の外側端
44・・・第一プライの折返し部の外側端
46・・・内側層
48・・・外側層
50・・・ストリップエイペックスの外側端
52・・・ストリップエイペックスの内側端
54・・・クリンチの外側端

Claims (5)

  1. 一対のビード、カーカス及び一対のストリップエイペックスを備えており、
    それぞれのビードが、コアと、このコアから半径方向外向きに延びる第一エイペックスと、この第一エイペックスの軸方向外側に位置する第二エイペックスとを備えており、
    上記カーカスがカーカスプライを備えており、このカーカスプライが、一方のビードの軸方向内側から他方のビードの軸方向内側まで延びる主部と、上記第一エイペックスと上記第二エイペックスとの間を通り半径方向に延びる折返し部とを備えており、
    上記ストリップエイペックスが、上記主部と上記折返し部との間において半径方向に延びており、
    ビードベースラインから上記タイヤの最大幅位置Pwまでの半径方向高さHwの、このタイヤの最大幅Lwに対する比(Hw/Lw)が35%以上であり、
    半径方向において、上記ストリップエイペックスの外側端が上記折返し部の外側端よりも外側に位置しており、これらの間の距離Hdの上記高さHwに対する比(Hd/Hw)が5%以上である、空気入りタイヤ。
  2. このタイヤのサイド面のプロファイルが、上記最大幅位置Pwから半径方向外側に延びる円弧C1及び上記最大幅位置Pwから半径方向内側に延びる円弧C2を備えており、
    上記円弧C1の曲率半径R1が70mm以上であり、
    上記曲率半径R1と上記円弧C2の曲率半径R2との差の絶対値が、10mm以下である請求項1に記載のタイヤ。
  3. 上記第二エイペックスの軸方向外側に位置するクリンチをさらに備えており、
    半径方向において、上記第二エイペックスの外側端が、上記クリンチの外側端より外側に位置している、請求項1又は2のいずれかに記載のタイヤ。
  4. 半径方向において、ビードベースラインから上記ストリップエイペックスの外側端までの高さHSoの、上記高さHwに対する比(HSo/Hw)が、105%以上140%以下である請求項1から3のいずれかに記載のタイヤ。
  5. 半径方向において、ビードベースラインから上記折返し部の外側端までの高さHrの、上記高さHwに対する比(Hr/Hw)が、80%以上125%以下である請求項1から4のいずれかに記載のタイヤ。
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