JP2011126400A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2011126400A
JP2011126400A JP2009286070A JP2009286070A JP2011126400A JP 2011126400 A JP2011126400 A JP 2011126400A JP 2009286070 A JP2009286070 A JP 2009286070A JP 2009286070 A JP2009286070 A JP 2009286070A JP 2011126400 A JP2011126400 A JP 2011126400A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
rubber
inner liner
ply
side ply
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2009286070A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayuki Shibata
貴之 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2009286070A priority Critical patent/JP2011126400A/ja
Publication of JP2011126400A publication Critical patent/JP2011126400A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Abstract

【課題】空気遮蔽性を適切に維持しつつ、軽量化を達成した空気入りラジアルタイヤ2の提供。
【解決手段】このタイヤ2は、一対のビード6と、カーカス8と、ベルト10と、それぞれがカーカス8の外側に位置する一対のサイドプライ16とを備える。各サイドプライ16は、タイヤ2の側面に露出している。サイドプライ16の厚みは、0.2mm以上3mm以下である。サイドプライ16は、空気不透過性の架橋ゴムからなる。好ましくは、このタイヤ2では、上記サイドプライ16の硬度は52以上92以下である。好ましくは、このタイヤ2では、上記サイドプライ16の外端54が半径方向において上記ベルト10とオーバーラップしている。好ましくは、このタイヤ2では、このサイドプライ16の内端56が、軸方向において上記ビード6とオーバーラップしている。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りラジアルタイヤに関する。
タイヤは、トレッド、サイドウォール、ビード、カーカス、ベルト、インナーライナー等のような多数の部材が組み合わされて構成される。タイヤの性能向上の観点から、これら部材の仕様及び組み合わせが調整される。
特開2007−176439公報では、タイヤの低コスト化に関する検討がなされている。このタイヤでは、インナーライナーが左右一対のインナーライナー片から構成されている。
特開平7−186609号公報では、タイヤの軽量化に関する検討がなされている。このタイヤでは、インナーライナーとカーカスとの間に保護ゴム層を設け、サイドウォールの厚みが調整されている。
特開平11−28908号公報では、操縦安定性の向上に関する検討がなされている。このタイヤでは、サイドウォールの厚さが調整されている。
特開2007−176439公報 特開平7−186609号公報 特開平11−28908号公報
インナーライナーは、カーカスの内周面に接合されている。インナーライナーは、タイヤの内圧を保持する役割を果たしている。タイヤの性能向上に関する検討において、このインナーライナーの構成を見直して、剛性及び質量が制御されることがある。
軽量化の観点から、インナーライナーの厚みを低減することがある。この厚みの低減は、インナーライナーの空気遮蔽性に影響する。
上記特開2007−176439公報に記載のタイヤでは、インナーライナーの構成が見直されている。この見直しは、タイヤの軽量化に寄与しうる。車両の高性能化及び環境への影響が配慮され、更なる軽量化が要求されている。インナーライナーの構成の見直しだけで、この要求に応えるには限界がある。
上記特開平7−186609号公報に記載のタイヤのように、剛性向上の観点から、新たな部材を用いてインナーライナーを補強することがある。新たな部材の追加は、質量に影響する。タイヤの製造に際し、新たな部材を準備するために新たに工程を追加しなければならない。このような補強は、生産性に影響する。
上記特開平11−28908号公報に記載のタイヤのように、サイドウォールの厚みを調整して、剛性及び質量が制御されることがある。小さな厚みを有するサイドウォールは、タイヤの軽量化に寄与しうる。車両の高性能化及び環境への影響が配慮され、更なる軽量化が要求されている。サイドウォールの厚みの調整だけで、この要求に応えるには限界がある。
本発明の目的は、空気遮蔽性を適切に維持しつつ、軽量化を達成した空気入りラジアルタイヤの提供にある。
本発明に係る空気入りラジアルタイヤは、一対のビードと、両ビードに架け渡されたカーカスと、このカーカスの半径方向外側に位置するベルトと、それぞれがこのカーカスの外側に位置する一対のサイドプライとを備えている。各サイドプライは、このタイヤの側面に露出している。このサイドプライの厚みは、0.2mm以上3mm以下である。このサイドプライは、空気不透過性の架橋ゴムからなる。
好ましくは、この空気入りラジアルタイヤでは、上記サイドプライの硬度は52以上92以下である。好ましくは、この空気入りラジアルタイヤでは、上記サイドプライの外端は半径方向において上記ベルトとオーバーラップしている。好ましくは、この空気入りラジアルタイヤでは、上記サイドプライの内端は軸方向において上記ビードとオーバーラップしている。
好ましくは、この空気入りラジアルタイヤは、それぞれがこのカーカスの内側に位置する一対のインナーライナーをさらに備えている。各インナーライナーは、上記サイドプライの内側に位置している。このインナーライナーは、空気不透過性の架橋ゴムからなる。
好ましくは、この空気入りラジアルタイヤでは、上記インナーライナーの硬度は52以上92以下である。好ましくは、この空気入りラジアルタイヤでは、上記インナーライナーの外端は半径方向において上記ベルトとオーバーラップしている。好ましくは、この空気入りラジアルタイヤでは、上記インナーライナーの内端は軸方向において上記ビードとオーバーラップしている。
本発明に係る空気入りタイヤは、空気遮蔽性を適切に維持しつつ、軽量化を達成している。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りラジアルタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、本発明の他の実施形態に係る空気入りラジアルタイヤの一部が示された断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1に示されたタイヤ2は、トレッド4、ビード6、カーカス8、ベルト10、バンド12、チェーファー14、サイドプライ16及びインナーライナー18を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、乗用車に装着される。この図1において、上下方向が半径方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向が周方向である。このタイヤ2は、図1中の一点鎖線CLを中心としたほぼ左右対称の形状を呈する。この一点鎖線CLは、タイヤ2の赤道面を表す。点PAで示されているのは、このタイヤ2の最大幅となる位置である。
トレッド4は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、トレッド面20を備えている。このトレッド面20は、路面と接地する。このタイヤ2では、トレッド面20には溝は刻まれていない。このタイヤ2は、いわゆるスリックタイヤ2である。トレッド面20が、溝、ブロック等からなるトレッド4パターンを備えても良い。
ビード6は、トレッド4の半径方向内側に位置している。ビード6は、コア22と、このコア22から半径方向外向きに延びるエイペックス24とを備えている。コア22は、リング状である。コア22は、非伸縮性ワイヤーが巻かれてなる。典型的には、コア22にスチール製ワイヤーが用いられる。エイペックス24は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス24は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス8は、プライ26からなる。プライ26は、トレッド4の内側に沿っている。プライ26は、両側のビード6の間に架け渡されている。プライ26は、コア22の周りを、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折返しにより、このプライ26には、赤道面からビード6に向かって延在する主部28と、このコア22で折り返されて半径方向外向きに延在する折返し部30とが形成されている。
後述するように、このタイヤ2では、ベルト10の端32はトレッド4の端34の近傍に位置している。カーカス8の折返し部30の端は、ベルト10の端32よりも軸方向内側に位置している。この折返し部30の端36は、主部28とベルト10との間に挟まれている。このようなカーカス8は、超ハイターンアップ(超HTU)構造と称される。このカーカス8は、タイヤ2の剛性に寄与しうる。
図示されていないが、プライ26は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、通常は70°から90°である。換言すれば、このカーカス8はラジアル構造を有する。コードは、通常は有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。バイアス構造のカーカスが採用されてもよい。
ベルト10は、カーカス8の半径方向外側に位置している。ベルト10は、カーカス8と積層されている。ベルト10は、カーカス8を補強する。ベルト10は、内側層38及び外側層40からなる。内側層38は、カーカス8の半径方向外側に位置している。内側層38は、カーカス8に積層されている。外側層40は、内側層38の半径方向外側に位置している。外側層40は、この内側層38に積層されている。図示されているように、内側層38の端42は外側層40の端44よりも軸方向外側に位置している。内側層38の軸方向幅は、外側層40の軸方向幅よりも広い。このタイヤ2では、この内側層38の端42がベルト10の端32である。このベルト10の端32は、トレッド4の端34の近傍に位置している。
図示されていないが、内側層38及び外側層40のそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードは、赤道面に対して傾斜している。コードの傾斜角度の絶対値は、10°以上35°以下である。内側層38のコードの傾斜方向は、外側層40のコードの傾斜方向とは逆である。コードの好ましい材質は、スチールである。コードに、有機繊維が用いられてもよい。
バンド12は、ベルト10の半径方向外側に位置している。バンド12は、ベルト10に積層されている。バンド12は、トレッド4の半径方向内側に位置している。バンド12の端46は、トレッド4の端34の近傍に位置している。このタイヤ2では、バンド12の端46は軸方向においてベルト10の端32と一致している。バンド12は、ベルト10を覆っている。図示されていないが、このバンド12は、コードとトッピングゴムとからなる。コードは実質的に周方向に延びており、螺旋状に巻かれている。バンド12は、いわゆるジョイントレス構造を有する。このコードによりベルト10が拘束されるので、ベルト10のリフティングが抑制される。コードは、通常は有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
チェーファー14は、ビード6の近傍に位置している。チェーファー14は、タイヤ2の外面に沿って延在している。チェーファー14は、ビード6の周りを軸方向内側から外側に向かって折り返されている。このチェーファー14において、軸方向外側に位置する端48(外端)は、軸方向内側に位置する端50(内端)の半径方向外側に位置している。この外端48は、エイペックス24の先端52の半径方向内側に位置している。このタイヤ2がリム(図示されず)に組み込まれると、このチェーファー14がリムと当接する。この当接により、ビード6の近傍が保護される。
サイドプライ16は、カーカス8の折返し部30の軸方向外側に位置している。このサイドプライ16は、この折返し部30に積層されている。サイドプライ16の半径方向外側に位置する端54(以下、外端)は、ベルト10の端32の近傍に位置している。この外端54は、ベルト10の端32の軸方向内側に位置している。この外端54は、折返し部30の端36の軸方向外側に位置している。この外端54は、ベルト10と折返し部30との間に挟まれている。
サイドプライ16は、その外端54からカーカス8の折返し部30に沿って半径方向略内向きに延在している。サイドプライ16の半径方向内側に位置する端56(以下、内端)は、チェーファー14の外端48の半径方向内側に位置している。この内端56は、カーカス8の折返し部30とチェーファー14との間に挟まれている。この内端56は、ビード6のエイペックス24の先端52の半径方向内側に位置している。このサイドプライ16の内端56は、ビード6のコア22の軸方向外側に位置している。このサイドプライ16の内端56は、軸方向においてビード6とオーバーラップしている。
図示されているように、サイドプライ16の一部はタイヤ2の側面に露出している。サイドプライ16の外面の一部は、タイヤ2の側面に含まれている。サイドプライ16は、撓みによって路面からの衝撃を吸収する。さらにサイドプライ16は、カーカス8の外傷を防止する。
サイドプライ16は、ゴム組成物が架橋されて形成されたものである。換言すれば、サイドプライ16は架橋ゴムからなる。空気遮蔽性の観点から、このサイドプライ16の空気に対する透過係数は小さい。このタイヤ2では、サイドプライ16は空気不透過性の架橋ゴムからなる。サイドプライ16は、タイヤ2の内圧を保持する役割を果たす。このタイヤ2は、空気遮蔽性に優れる。
このタイヤ2では、サイドプライ16を構成するゴム組成物には、空気の透過を抑えうる基材ゴムが用いられる。この基材ゴムとしては、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム及びブチル系ゴムが例示される。空気遮蔽性の観点から、この基材ゴムとしては、ニトリルゴム及びブチル系ゴムが好ましく、ブチル系ゴムがより好ましい。このブチル系ゴムとしては、ブチルゴム及びハロゲン化ブチルゴムが例示される。このハロゲン化ブチルゴムとしては、クロロブチルゴム及びブロモブチルゴムが例示される。このタイヤ2では、加工性の観点から、空気不透過性でない他のゴムをこの基材ゴムに含むことができる。この場合、空気遮蔽性の観点から、ブチル系ゴムが主成分とされることが好ましい。具体的には、基材ゴム全量に対するこのブチル系ゴムの比率は、60質量%以上、特には80質量%以上とされることが好ましい。なお、この他のゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム及びエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体が例示される。
このタイヤ2では、サイドプライ16を構成するゴム組成部は補強剤を含むことができる。この補強剤としては、カーボンブラック及びシリカが例示される。このゴム組成物がカーボンブラックを含む場合、補強性の観点から、このカーボンブラックの配合量は、基材ゴム100質量部に対して、20質量部以上であるのが好ましい。発熱の抑制及び加工性の維持の観点から、このカーボンブラックの配合量は、基材ゴム100質量部に対して、70質量部以下であるのが好ましい。
このタイヤ2では、サイドプライ16を構成するゴム組成部は充填剤を含むことができる。この充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミナ、クレー、タルク及び酸化マグネシウムが例示される。このゴム組成物には、2以上の充填剤が併用されてもよい。このゴム組成物は、この充填剤以外に、軟化剤、粘着性付与剤、硫黄などの架橋剤、加硫促進剤、架橋助剤、老化防止剤等の薬品も含むことができる。タイヤ2の加工性及び性能が考慮されて、最適な薬品が最適な量でこのゴム組成物に配合される。
インナーライナー18は、カーカス8の主部28の内側に位置している。このインナーライナー18は、カーカス8の内周面に接合されている。インナーライナー18の半径方向外側に位置する端58(以下、外端)は、ベルト10の端32の近傍に位置している。この外端58は、折返し部30の端36の軸方向外側に位置している。
インナーライナー18は、その外端58からカーカス8の主部28に沿って半径方向略内向きに延びている。インナーライナー18の半径方向内側に位置する端60(以下、内端)は、チェーファー14の内端50の半径方向内側に位置している。この内端60は、カーカス8の主部28とチェーファー14との間に挟まれている。この内端60は、ビード6のエイペックス24の先端52の半径方向内側に位置している。この内端60は、ビード6のコア22の軸方向内側に位置している。このインナーライナー18の内端60は、軸方向においてビード6とオーバーラップしている。
インナーライナー18は、ゴム組成物が架橋されて形成されたものである。換言すれば、インナーライナー18は架橋ゴムからなる。このタイヤ2では、インナーライナー18は空気不透過性の架橋ゴムからなる。インナーライナー18は、タイヤ2の内圧を保持する役割を果たす。このタイヤ2は、空気遮蔽性に優れる。
このタイヤ2では、インナーライナー18を構成するゴム組成物には、空気の透過を抑えうる基材ゴムが用いられる。この基材ゴムとしては、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム及びブチル系ゴムが例示される。空気遮蔽性の観点から、この基材ゴムとしては、ニトリルゴム及びブチル系ゴムが好ましく、ブチル系ゴムがより好ましい。このブチル系ゴムとしては、ブチルゴム及びハロゲン化ブチルゴムが例示される。このハロゲン化ブチルゴムとしては、クロロブチルゴム及びブロモブチルゴムが例示される。このタイヤ2では、加工性の観点から、空気不透過性でない他のゴムをこの基材ゴムに含むことができる。この場合、空気遮蔽性の観点から、ブチル系ゴムが主成分とされることが好ましい。具体的には、基材ゴム全量に対するこのブチル系ゴムの質量の比率は、60質量%以上、特には80質量%以上とされることが好ましい。なお、この他のゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム及びエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体が例示される。
このタイヤ2では、インナーライナー18を構成するゴム組成部は補強剤を含むことができる。この補強剤としては、カーボンブラック及びシリカが例示される。このゴム組成物がカーボンブラックを含む場合、補強性の観点から、このカーボンブラックの配合量は、基材ゴム100質量部に対して、20質量部以上であるのが好ましい。発熱の抑制及び加工性の維持の観点から、このカーボンブラックの配合量は、基材ゴム100質量部に対して、70質量部以下であるのが好ましい。
このタイヤ2では、インナーライナー18を構成するゴム組成部は充填剤を含むことができる。この充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミナ、クレー、タルク及び酸化マグネシウムが例示される。このゴム組成物には、2以上の充填剤が併用されてもよい。このゴム組成物は、この充填剤以外に、軟化剤、粘着性付与剤、硫黄などの架橋剤、加硫促進剤、架橋助剤、老化防止剤等の薬品も含むことができる。タイヤ2の加工性及び性能が考慮されて、最適な薬品が最適な量でこのゴム組成物に配合される。
このタイヤ2では、生産性の観点から、インナーライナー18を構成するゴム組成物と、前述のサイドプライ16を構成するゴム組成物とは同等とされるのが好ましい。生産コストが効果的に抑えられるという観点から、インナーライナー18及びサイドプライ16それぞれが、従来のタイヤにおけるインナーライナーと同等のゴム組成物から構成されるのがより好ましい。
このタイヤ2では、サイドプライ16は従来のタイヤに設けられるサイドウォールの厚みよりも小さな厚みを有している。このサイドプライ16は、タイヤ2の軽量化に寄与しうる。
前述したように、サイドプライ16は空気不透過性の架橋ゴムからなる。このサイドプライ16は、このタイヤ2のサイドプライ16が設けられている部分(以下、サイド部S)における空気遮蔽性に寄与しうる。
このタイヤ2では、サイドプライ16の外端54は、半径方向においてベルト10とオーバーラップしている。このオーバーラップは、タイヤ2の剛性及び空気遮蔽性に寄与しうる。
前述したように、このタイヤ2では、サイドプライ16の内端56は、軸方向においてビード6とオーバーラップしている。このオーバーラップは、タイヤ2の剛性及び空気遮蔽性に寄与しうる。
このタイヤ2では、そのサイド部Sの内側にインナーライナー18が設けられている。前述したように、インナーライナー18は空気不透過性の架橋ゴムからなる。このインナーライナー18は、このサイド部Sの空気遮蔽性に寄与しうる。このインナーライナー18は、サイドプライ16の内側に位置している。このインナーライナー18は、軸方向においてサイドプライ16とオーバーラップしている。このタイヤ2では、このインナーライナー18及びサイドプライ16の相乗効果により、このサイド部Sにおける空気遮蔽性が効果的に高められている。
このタイヤ2では、このインナーライナー18の外端58はベルト10の端32の軸方向内側に位置している。このインナーライナー18の外端58は、半径方向においてベルト10とオーバーラップしている。このオーバーラップは、タイヤ2の剛性及び空気遮蔽性に寄与しうる。
前述したように、このタイヤ2では、インナーライナー18の内端60は、軸方向においてビード6とオーバーラップしている。このオーバーラップは、タイヤ2の剛性及び空気遮蔽性に寄与しうる。
図示されているように、このタイヤ2では、従来タイヤのようにそのトレッド4が設けられている部分(以下、トレッド部T)の内面にインナーライナー18は設けられていない。しかし、トレッド部Tの厚みはサイド部Sの厚みよりも大きい。大きな厚みを有するトレッド部Tは、空気の透過を抑えうる。このタイヤ2では、トレッド部Tにおける空気遮蔽性が適切に維持される。さらにインナーライナー18がトレッド部Tの内面に設けられていないことは、タイヤ2の軽量化に寄与しうる。
このタイヤ2では、大きな厚みを有するトレッド部T並びにサイド部Sに設けられたサイドプライ16及びインナーライナー18が、空気の透過を効果的に抑えうる。このタイヤ2では、その内部に充填された空気が漏れにくい。このタイヤ2では、空気遮蔽性が適切に維持されている。さらにトレッド部Tの内面にインナーライナー18が設けられていないこと及びサイドプライ16が小さな厚みを有することは、タイヤ2の軽量化に寄与しうる。このタイヤ2は、空気遮蔽性を適切に維持しつつ、軽量化を達成している。
図1において、両矢印TSで示されているのは、このタイヤ2が最大幅を示す位置PAにおけるサイドプライ16の厚みである。両矢印TIで示されているのは、このタイヤ2が最大幅を示す位置PAにおけるインナーライナー18の厚みである。両矢印TTで示されているのは、赤道面におけるトレッド4の厚みである。
このタイヤ2では、サイドプライ16の厚みTSは0.2mm以上3mm以下である。この厚みTSが0.2mm以上に設定されることにより、サイドプライ16が剛性に寄与しうる。この観点から、この厚みTSは1.0mm以上がより好ましい。この厚みTSが3mm以下に設定されることにより、サイドプライ16が軽量化に寄与しうる。この観点から、この厚みTSは2.0mm以下がより好ましい。
このタイヤ2では、インナーライナー18の厚みTIは0.2mm以上3mm以下である。この厚みTIが0.2mm以上に設定されることにより、インナーライナー18が剛性に寄与しうる。この観点から、この厚みTIは1.0mm以上がより好ましい。この厚みTIが3mm以下に設定されることにより、インナーライナー18が軽量化に寄与しうる。この観点から、この厚みTIは2.0mm以下がより好ましい。
このタイヤ2では、トレッド部Tにおける空気遮蔽性の観点から、トレッド4の厚みTTは5mm以上が好ましく、7mm以上がより好ましい。タイヤ2の軽量化の観点から、この厚みTTは20mm以下が好ましく、15mm以下がより好ましい。
図1において、両矢印WAで示されているのはタイヤ2の最大幅の半分である。この最大幅WAは赤道面から点PAまでの軸方向距離である。両矢印WBで示されているのは、赤道面からサイドプライ16の外端54までの軸方向距離である。両矢印WCで示されているのは、赤道面からインナーライナー18の外端58までの軸方向距離である。両矢印WDで示されているのは、赤道面からカーカス8の折返し部30の端36までの軸方向距離である。
このタイヤ2では、タイヤ2の軽量化の観点から、距離WBの距離WAに対する比率は、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。タイヤ2の内部に充填された空気が漏れにくいという観点から、95%以下が好ましく、90%以下がより好ましい。
このタイヤ2では、タイヤ2の軽量化の観点から、距離WCの距離WAに対する比率は、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。タイヤ2の内部に充填された空気が漏れにくいという観点から、95%以下が好ましく、90%以下がより好ましい。
このタイヤ2では、タイヤ2の軽量化の観点から、距離WDの距離WAに対する比率は、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。タイヤ2の剛性向上の観点から、95%以下が好ましく、90%以下がより好ましい。
このタイヤ2では、タイヤ2の剛性向上の観点から、サイドプライ16の硬度は52以上が好ましく、55以上がより好ましく、60以上が特に好ましい。剛性過大が防止されるという観点から、このサイドプライ16の硬度は92以下が好ましく、90以下がより好ましく、80以下が特に好ましい。
本発明において硬度は、JIS−K6253に準じて、タイプAのデュロメータによって測定される。この測定には、サイドプライ16を構成するゴム組成物が架橋されることにより形成される試験片が用いられる。温度が160℃である金型内でゴム組成物が10分間保持されることで、この試験片は得られる。なお、この硬度は、温度が23℃である条件下で測定される。後述するインナーライナー18の硬度も同様にして測定される。
このタイヤ2では、タイヤ2の剛性向上の観点から、インナーライナー18の硬度は52以上が好ましく、55以上がより好ましく、60以上が特に好ましい。剛性過大が防止されるという観点から、このインナーライナー18の硬度は92以下が好ましく、90以下がより好ましく、80以下が特に好ましい。
本発明では、タイヤ2及び後述するタイヤ62の各部材の寸法及び角度は、タイヤ2、62が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2、62に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2、62には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2、62が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2、62が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。乗用車用タイヤの場合は、内圧が180kPaの状態で、寸法及び角度が測定される。
図2には、本発明の他の実施形態に係る空気入りラジアルタイヤ62の一部が示されている。このタイヤ62は、トレッド64、ビード66、カーカス68、ベルト70、バンド72、チェーファー74、サイドプライ76及びインナーライナー78を備えている。このタイヤ62は、チューブレスタイプである。このタイヤ62は、乗用車に装着される。このタイヤ62では、サイドプライ76及びインナーライナー78以外の構成は、図1に示されたタイヤ2と同等の構成を有している。この図2において、上下方向が半径方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向が周方向である。このタイヤ62は、図2中の一点鎖線CLを中心としたほぼ左右対称の形状を呈する。この一点鎖線CLは、タイヤ62の赤道面を表す。点PAで示されているのは、このタイヤ62の最大幅となる位置である。
このタイヤ62のサイドプライ76は、カーカス68の外側に位置している。このサイドプライ76の半径方向外側に位置する端80(以下、外端)は、ベルト70の端82の近傍に位置している。この外端80は、ベルト70の端82の軸方向外側に位置している。このタイヤ62では、この外端80はベルト70とカーカス68の折返し部84との間に挟まれていない。このサイドプライ76の外端80は、軸方向において、ベルト70とオーバーラップしていない。
サイドプライ76は、その外端80からカーカス68に沿って半径方向略内向きに延在している。サイドプライ76の半径方向内側に位置する端86(以下、内端)は、チェーファー74の外端88の半径方向外側に位置している。この内端86は、ビード66のエイペックス90の先端92の半径方向内側に位置している。この内端86は、ビード66のコア94の半径方向外側に位置している。このサイドプライ76の内端86は、軸方向においてエイペックス90とオーバーラップしている。
図示されているように、サイドプライ76の一部はタイヤ62の側面に露出している。サイドプライ76の外面の一部は、タイヤ62の側面に含まれている。サイドプライ76は、撓みによって路面からの衝撃を吸収する。さらにサイドプライ76は、カーカス68の外傷を防止する。
サイドプライ76は、ゴム組成物が架橋されて形成されたものである。換言すれば、サイドプライ76は架橋ゴムからなる。空気遮蔽性の観点から、このサイドプライ76の空気に対する透過係数は小さい。このタイヤ62では、サイドプライ76は空気不透過性の架橋ゴムからなる。サイドプライ76は、タイヤ62の内圧を保持する役割を果たす。このタイヤ62は、空気遮蔽性に優れる。
このタイヤ62では、サイドプライ76を構成するゴム組成物には、空気の透過を抑えうる基材ゴムが用いられる。この基材ゴムとしては、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム及びブチル系ゴムが例示される。空気遮蔽性の観点から、この基材ゴムとしては、ニトリルゴム及びブチル系ゴムが好ましく、ブチル系ゴムがより好ましい。このブチル系ゴムとしては、ブチルゴム及びハロゲン化ブチルゴムが例示される。このハロゲン化ブチルゴムとしては、クロロブチルゴム及びブロモブチルゴムが例示される。このタイヤ62では、加工性の観点から、空気不透過性でない他のゴムをこの基材ゴムに含むことができる。この場合、空気遮蔽性の観点から、ブチル系ゴムが主成分とされることが好ましい。具体的には、基材ゴム全量に対するこのブチル系ゴムの質量の比率は、60質量%以上、特には80質量%以上とされることが好ましい。なお、この他のゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム及びエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体が例示される。
このタイヤ62では、サイドプライ76を構成するゴム組成部は補強剤を含むことができる。この補強剤としては、カーボンブラック及びシリカが例示される。このゴム組成物がカーボンブラックを含む場合、補強性の観点から、このカーボンブラックの配合量は、基材ゴム100質量部に対して、20質量部以上であるのが好ましい。発熱の抑制及び加工性の維持の観点から、このカーボンブラックの配合量は、基材ゴム100質量部に対して、70質量部以下であるのが好ましい。
このタイヤ62では、サイドプライ76を構成するゴム組成部は充填剤を含むことができる。この充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミナ、クレー、タルク及び酸化マグネシウムが例示される。このゴム組成物には、2以上の充填剤が併用されてもよい。このゴム組成物は、この充填剤以外に、軟化剤、粘着性付与剤、硫黄などの架橋剤、加硫促進剤、架橋助剤、老化防止剤等の薬品も含むことができる。タイヤ62の加工性及び性能が考慮されて、最適な薬品が最適な量でこのゴム組成物に配合される。
インナーライナー78は、カーカス68のの内側に位置している。インナーライナー78は、カーカス68の内周面に接合されている。インナーライナー78の半径方向外側に位置する端96(以下、外端)は、ベルト70の端82の近傍に位置している。この外端96は、ベルト70の端82の軸方向内側に位置している。このインナーライナー78の外端82は、軸方向において、ベルト70とオーバーラップしている。
インナーライナー78は、その外端96からカーカス68の主部98に沿って半径方向略内向きに延びている。インナーライナー78の半径方向内側に位置する端100(以下、内端)は、チェーファー74の内端102よりも半径方向外側に位置している。この内端100は、ビード66のエイペックス90の先端92の半径方向内側に位置している。この内端100は、ビード66のコア94の半径方向外側に位置している。このタイヤ62では、このインナーライナー78の内端100は、軸方向においてエイペックス90とオーバーラップしている。
インナーライナー78は、ゴム組成物が架橋されて形成されたものである。換言すれば、インナーライナー78は架橋ゴムからなる。このタイヤ62では、インナーライナー78は空気不透過性の架橋ゴムからなる。インナーライナー78は、タイヤ62の内圧を保持する役割を果たす。このタイヤ62は、空気遮蔽性に優れる。
このタイヤ62では、インナーライナー78を構成するゴム組成物には、空気の透過を抑えうる基材ゴムが用いられる。この基材ゴムとしては、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム及びブチル系ゴムが例示される。空気遮蔽性の観点から、この基材ゴムとしては、ニトリルゴム及びブチル系ゴムが好ましく、ブチル系ゴムがより好ましい。このブチル系ゴムとしては、ブチルゴム及びハロゲン化ブチルゴムが例示される。このハロゲン化ブチルゴムとしては、クロロブチルゴム及びブロモブチルゴムが例示される。このタイヤ62では、加工性の観点から、空気不透過性でない他のゴムをこの基材ゴムに含むことができる。この場合、空気遮蔽性の観点から、ブチル系ゴムが主成分とされることが好ましい。具体的には、基材ゴム全量に対するこのブチル系ゴムの質量の比率は、60質量%以上、特には80質量%以上とされることが好ましい。なお、この他のゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム及びエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体が例示される。
このタイヤ62では、インナーライナー78を構成するゴム組成部は補強剤を含むことができる。この補強剤としては、カーボンブラック及びシリカが例示される。このゴム組成物がカーボンブラックを含む場合、補強性の観点から、このカーボンブラックの配合量は、基材ゴム100質量部に対して、20質量部以上であるのが好ましい。発熱の抑制及び加工性の維持の観点から、このカーボンブラックの配合量は、基材ゴム100質量部に対して、70質量部以下であるのが好ましい。
このタイヤ62では、インナーライナー78を構成するゴム組成部は充填剤を含むことができる。この充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミナ、クレー、タルク及び酸化マグネシウムが例示される。このゴム組成物には、2以上の充填剤が併用されてもよい。このゴム組成物は、この充填剤以外に、軟化剤、粘着性付与剤、硫黄などの架橋剤、加硫促進剤、架橋助剤、老化防止剤等の薬品も含むことができる。タイヤ62の加工性及び性能が考慮されて、最適な薬品が最適な量でこのゴム組成物に配合される。
このタイヤ62では、生産性の観点から、インナーライナー78を構成するゴム組成物と、前述のサイドプライ76を構成するゴム組成物とは同等とされるのが好ましい。生産コストが効果的に抑えられるという観点から、インナーライナー78及びサイドプライ76それぞれが、従来のタイヤにおけるインナーライナーと同等のゴム組成物から構成されるのがより好ましい。
このタイヤ62では、サイドプライ76は従来のタイヤに設けられるサイドウォールの厚みよりも小さな厚みを有している。このサイドプライ76は、タイヤ62の軽量化に寄与しうる。
前述したように、サイドプライ76は空気不透過性の架橋ゴムからなる。このサイドプライ76は、このタイヤ62のサイドプライ76が設けられている部分(以下、サイド部S)における空気遮蔽性に寄与しうる。
前述したように、このタイヤ62では、サイドプライ76の内端86は、軸方向においてビード66のエイペックス90とオーバーラップしている。このオーバーラップは、タイヤ62の剛性及び空気遮蔽性に寄与しうる。
このタイヤ62では、そのサイド部Sの内側にインナーライナー78が設けられている。前述したように、インナーライナー78は空気不透過性の架橋ゴムからなる。このインナーライナー78は、このサイド部Sの空気遮蔽性に寄与しうる。このインナーライナー78は、サイドプライ76の内側に位置している。このインナーライナー78は、軸方向においてサイドプライ76とオーバーラップしている。このタイヤ62では、このインナーライナー78及びサイドプライ76の相乗効果により、このサイド部Sにおける空気遮蔽性が効果的に高められている。
前述したように、このタイヤ62では、インナーライナー78の外端96は、半径方向においてベルト70とオーバーラップしている。このオーバーラップは、タイヤ62の剛性及び空気遮蔽性に寄与しうる。
前述したように、このタイヤ62では、インナーライナー78の内端100は、軸方向においてビード66のエイペックス90とオーバーラップしている。このオーバーラップは、タイヤ62の剛性及び空気遮蔽性に寄与しうる。
図示されているように、このタイヤ62では、従来タイヤ62のようにそのトレッド64が設けられている部分(以下、トレッド部T)の内面にインナーライナー78は設けられていない。しかし、トレッド部Tの厚みはサイド部Sの厚みよりも大きい。大きな厚みを有するトレッド部Tは、空気の透過を抑えうる。このタイヤ62では、トレッド部Tにおける空気遮蔽性が適切に維持される。さらにインナーライナー78がトレッド部Tの内面に設けられていないことは、タイヤ62の軽量化に寄与しうる。
このタイヤ62では、大きな厚みを有するトレッド部T並びにサイド部Sに設けられたサイドプライ76及びインナーライナー78が、空気の透過を効果的に抑えうる。このタイヤ62では、その内部に充填された空気が漏れにくい。このタイヤ62では、空気遮蔽性が適切に維持されている。さらにトレッド部Tの内面にインナーライナー78が設けられていないこと及びサイドプライ76が小さな厚みを有することは、タイヤ62の軽量化に寄与しうる。このタイヤ62は、空気遮蔽性を適切に維持しつつ、軽量化を達成している。
図2において、両矢印TSで示されているのは、タイヤ62が最大幅を示す位置PAにおけるサイドプライ76の厚みである。両矢印TIで示されているのは、タイヤ62が最大幅を示す位置PAにおけるインナーライナー78の厚みである。両矢印TTで示されているのは、赤道面におけるトレッド64の厚みである。
このタイヤ62では、サイドプライ76の厚みTSは0.2mm以上3mm以下である。この厚みTSが0.2mm以上に設定されることにより、サイドプライ76が剛性に寄与しうる。この観点から、この厚みTSは1.0mm以上がより好ましい。この厚みTSが3mm以下に設定されることにより、サイドプライ76が軽量化に寄与しうる。この観点から、この厚みTSは2.0mm以下がより好ましい。
このタイヤ62では、インナーライナー78の厚みTIは0.2mm以上3mm以下である。この厚みTIが0.2mm以上に設定されることにより、インナーライナー78が剛性に寄与しうる。この観点から、この厚みTIは1.0mm以上がより好ましい。この厚みTIが3mm以下に設定されることにより、インナーライナー78が軽量化に寄与しうる。この観点から、この厚みTIは2.0mm以下がより好ましい。
このタイヤ62では、トレッド部Tにおける空気遮蔽性の観点から、トレッド64の厚みTTは5mm以上が好ましく、7mm以上がより好ましい。タイヤ62の軽量化の観点から、この厚みTTは20mm以下が好ましく、15mm以下がより好ましい。
図2において、両矢印WAで示されているのはタイヤ62の最大幅の半分である。この最大幅WAは赤道面から点PAまでの軸方向距離である。両矢印WBで示されているのは、赤道面からサイドプライ76の外端80までの軸方向距離である。両矢印WCで示されているのは、赤道面からインナーライナー78の外端96までの軸方向距離である。両矢印WDで示されているのは、赤道面からカーカス68の折返し部84の端104までの軸方向距離である。
このタイヤ62では、タイヤ62の軽量化の観点から、距離WBの距離WAに対する比率は、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。タイヤ62の内部に充填された空気が漏れにくいという観点から、95%以下が好ましく、90%以下がより好ましい。
このタイヤ62では、タイヤ62の軽量化の観点から、距離WCの距離WAに対する比率は、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。タイヤ62の内部に充填された空気が漏れにくいという観点から、95%以下が好ましく、90%以下がより好ましい。
このタイヤ62では、タイヤ62の軽量化の観点から、距離WDの距離WAに対する比率は、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。タイヤ62の剛性向上の観点から、95%以下が好ましく、90%以下がより好ましい。
このタイヤ62では、タイヤ62の剛性向上の観点から、サイドプライ76の硬度は52以上がより好ましく、55以上がより好ましく、60以上が特に好ましい。剛性過大が防止されるという観点から、このサイドプライ76の硬度は92以下が好ましく、90以下がより好ましく、80以下が特に好ましい。
このタイヤ62では、タイヤ62の剛性向上の観点から、インナーライナー78の硬度は52以上が好ましく、55以上がより好ましく、60以上が特に好ましい。剛性過大が防止されるという観点から、このインナーライナー78の硬度は92以下が好ましく、90以下がより好ましく、80以下が特により好ましい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[ゴム組成物Aの調整]
密閉式混練機にて混練することにより、100質量部のハロゲン化ブチルゴムを基材ゴムとしたゴム組成物Aを得た。このゴム組成物Aには、適量の充填剤としてのカーボンブラックが含まれている。このハロゲン化ブチルゴムは、日本ブチル株式会社製の「ブロモ化ブチルゴム」である。カーボンブラックは、三菱化学株式会社製の「N660」である。このゴム組成物Aから形成された架橋ゴムは、空気不透過性である。このゴム組成物Aからなる架橋ゴムの硬度が、タイプAのデュロメータによって計測された。この計測結果が、下記表1に示されている。
[ゴム組成物Bの調整]
カーボンブラックの配合量を増量した他はゴム組成物Aと同様にして、ゴム組成物Bを得た。この増量により、このゴム組成物Bからなる架橋ゴムの硬度が下記表1のように調整されている。この架橋ゴムは、空気不透過性である。
[ゴム組成物Cの調整]
カーボンブラックの配合量を減量した他はゴム組成物Aと同様にして、ゴム組成物Cを得た。この減量により、このゴム組成物Cからなる架橋ゴムの硬度が下記表1のように調整されている。この架橋ゴムは、空気不透過性である。なお、このゴム組成物Cは、従来のタイヤにおけるインナーライナーを構成するゴム組成物である。
[ゴム組成物Dの調整]
密閉式混練機にて混練することにより、100質量部の天然ゴムを基材ゴムとしたゴム組成物Dを得た。このゴム組成物Dには、適量の充填剤としてのカーボンブラックが含まれている。この天然ゴムは、「RSS#3」である。カーボンブラックは、三菱化学株式会社製の「N660」である。なお、このゴム組成物Dは、従来のタイヤにおけるサイドウォールを構成するゴム組成物である。このゴム組成物Dから形成された架橋ゴムは、空気を透過させやすい。この架橋ゴムは、空気不透過性でない。このゴム組成物Dからなる架橋ゴムの硬度が、タイプAのデュロメータによって計測された。この計測結果が、下記表1に示されている。
Figure 2011126400
[実施例1]
図1に示された基本構成を備え、下記表2に示された仕様を備えた実施例1の空気入りタイヤを得た。このタイヤサイズは、215/45R17である。サイドプライ及びインナーライナーそれぞれは、ゴム組成物Aが架橋され形成されたものである。サイドプライ及びインナーライナーそれぞれは、空気不透過性の架橋ゴムからなる。サイドプライの硬度は、60とされた。インナーライナーの硬度は、60とされた。サイドプライの厚みTSは、1.5mmとされた。インナーライナーの厚みTIは、1.5mmとされた。
[実施例5]
インナーライナーを設けなかった他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[実施例3−4及び6−7並びに比較例1]
サイドプライの厚みTSを変えた他は実施例5と同様にして、タイヤを得た。
[実施例2及び8並びに比較例2]
サイドプライのゴム組成物を変えた他は実施例5と同様にして、タイヤを得た。
[実施例9及び11]
サイドプライの厚みTSを変えた他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[実施例10及び比較例3]
サイドプライのゴム組成物を変えた他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[実施例12]
図2に示された基本構成を備え、下記表2に示された仕様を備えた実施例12の空気入りタイヤを得た。このタイヤサイズは、215/45R17である。サイドプライ及びインナーライナーそれぞれは、ゴム組成物Aが架橋され形成されたものである。サイドプライ及びインナーライナーそれぞれは、空気不透過性の架橋ゴムからなる。サイドプライの硬度は、60とされた。インナーライナーの硬度は、60とされた。サイドプライの厚みTSは、1.5mmとされた。
[比較例4]
比較例4は、市販されている従来のタイヤである。このタイヤに設けられたインナーライナーは、両ビードの間を架け渡されている。
[比較例5]
インナーライナーとカーカスとの間に一対の補強層が設けられた他は比較例4と同様にして、タイヤを得た。これら補強層それぞれは、タイヤのサイド部に位置している。
[横剛性の評価]
下記の条件にて、タイヤの横バネ定数を測定した。
使用リム:17×7J
内圧:180kPa
荷重:3.6kN
比較例4のタイヤのバネ定数を100としたときの指数が、下記の表2及び表3に示されている。この数値が大きいほど、高剛性であることを表している。
[タイヤの質量評価]
タイヤの質量を計測した。この計測結果が、下記の表2及び表3に示されている。数値が小さいほど、好ましい。
[耐エアーリーク性能]
タイヤに空気を充填後、100時間放置した。充填直後の圧力と放置後の圧力との差圧を求め、この差圧に基づいて耐エアーリーク性能を評価した。比較例4のタイヤの差圧を100としたときの指数が、下記の表2及び表3に示されている。数値が大きいほど、好ましい。
[生産性評価]
タイヤの製造に際し、タイヤを成形するのに要した工数及び材料を準備するのに要した工数を求めた。工数は、作業者の人数と作業に要した時間との積により表される。比較例4の結果を100としたときの指数が、下記の表2及び表3に示されている。数値が大きいほど、好ましい。
Figure 2011126400
Figure 2011126400
表2及び表3に示されるように、実施例のタイヤでは、比較例のタイヤに比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明されたタイヤは、種々の車両に装着されるタイヤにも適用されうる。
2、62・・・タイヤ
4、64・・・トレッド
6、66・・・ビード
8、68・・・カーカス
10、70・・・ベルト
12、72・・・バンド
14、74・・・チェーファー
16、76・・・サイドプライ
18、78・・・インナーライナー
20・・・トレッド面
22、94・・・コア
24、90・・・エイペックス
26・・・プライ
28、98・・・主部
30、84・・・折返し部
38・・・内側層
40・・・外側層

Claims (8)

  1. 一対のビードと、両ビードに架け渡されたカーカスと、このカーカスの半径方向外側に位置するベルトと、それぞれがこのカーカスの外側に位置する一対のサイドプライとを備えており、
    各サイドプライが、このタイヤの側面に露出しており、
    このサイドプライの厚みが、0.2mm以上3mm以下であり、
    このサイドプライが、空気不透過性の架橋ゴムからなる空気入りラジアルタイヤ。
  2. 上記サイドプライの硬度が、52以上92以下である請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. 上記サイドプライの外端が、半径方向において上記ベルトとオーバーラップしている請求項1又は2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  4. 上記サイドプライの内端が、軸方向において上記ビードとオーバーラップしている請求項1から3のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
  5. それぞれがこのカーカスの内側に位置する一対のインナーライナーをさらに備えており、
    各インナーライナーが、上記サイドプライの内側に位置しており、
    このインナーライナーが、空気不透過性の架橋ゴムからなる請求項1から4のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
  6. 上記インナーライナーの硬度が、52以上92以下である請求項5に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  7. 上記インナーライナーの外端が、半径方向において上記ベルトとオーバーラップしている請求項5又は6に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  8. 上記インナーライナーの内端が、軸方向において上記ビードとオーバーラップしている請求項5から7のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
JP2009286070A 2009-12-17 2009-12-17 空気入りラジアルタイヤ Withdrawn JP2011126400A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009286070A JP2011126400A (ja) 2009-12-17 2009-12-17 空気入りラジアルタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009286070A JP2011126400A (ja) 2009-12-17 2009-12-17 空気入りラジアルタイヤ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011126400A true JP2011126400A (ja) 2011-06-30

Family

ID=44289484

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009286070A Withdrawn JP2011126400A (ja) 2009-12-17 2009-12-17 空気入りラジアルタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011126400A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013054685A1 (ja) * 2011-10-12 2013-04-18 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
JP2017094776A (ja) * 2015-11-18 2017-06-01 東洋ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
JP2020093703A (ja) * 2018-12-13 2020-06-18 Toyo Tire株式会社 空気入りタイヤ

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013054685A1 (ja) * 2011-10-12 2013-04-18 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
JP2013082397A (ja) * 2011-10-12 2013-05-09 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ
CN103889740A (zh) * 2011-10-12 2014-06-25 住友橡胶工业株式会社 充气轮胎
KR101575994B1 (ko) 2011-10-12 2015-12-08 스미토모 고무 고교 가부시키가이샤 공기 타이어
US9796214B2 (en) 2011-10-12 2017-10-24 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Pneumatic tire
JP2017094776A (ja) * 2015-11-18 2017-06-01 東洋ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
JP2020093703A (ja) * 2018-12-13 2020-06-18 Toyo Tire株式会社 空気入りタイヤ
JP7154989B2 (ja) 2018-12-13 2022-10-18 Toyo Tire株式会社 空気入りタイヤ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6623735B2 (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
US20090294007A1 (en) Performance tire with sidewall insert
JP2006224935A (ja) 二輪車用空気入りタイヤ
JP2009001073A (ja) 空気入りラジアルタイヤ
US10688835B2 (en) Run-flat tire
JP6043553B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2008254619A (ja) 空気入りタイヤ
TW202146260A (zh) 卡丁車用輪胎
WO2015012026A1 (ja) ランフラットタイヤ
JP2011126400A (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP6315651B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2013079050A (ja) 空気入りタイヤ
JP7154989B2 (ja) 空気入りタイヤ
EP2786881B1 (en) Run flat tire
JP5864234B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2006193126A (ja) 空気入りタイヤ
JP2019085051A (ja) 空気入りタイヤ
JP2011020514A (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP2006199223A (ja) 空気入りタイヤ
JP2013169877A (ja) 空気入りタイヤ
JP2009154764A (ja) 空気入りタイヤ
US10661611B2 (en) Pneumatic tire
JP2008049799A (ja) 自動二輪車用タイヤ
JP2017056791A (ja) 空気入りタイヤ
JP2013067350A (ja) 空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20130305