JP2019085051A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】ビード部の耐久性を向上する。【解決手段】ビードコア12と、そのタイヤ径方向外側に配置されたビードフィラー14と、ビードコアの周りをタイヤ軸方向内側から外側に巻き上げられた少なくとも1層のカーカスプライ16,18と、カーカスプライをタイヤ径方向内側から覆うように設けられた有機繊維コードを含む少なくとも1層のチェーハー20,22と、ビードコアとカーカスプライとの間に介在する補強シート24と、を備える空気入りタイヤにおいて、補強シート24を綿が練り込まれたゴムで形成する。また、補強シートのタイヤ軸方向外側端24BEの高さH1を、隣接するカーカスプライ18の巻き上げ端18BEの高さH2と一致させない。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤにおいて、ビード部の耐久性を向上するために、ビードコアとカーカスプライとの間に補強シートとしてのフリッパーを介在させることが知られている。フリッパーは、ビード部全体の剛性を高めるとともに、ビードコアとカーカスプライとの擦れを防いでカーカスプライの損傷を抑制する。従来のフリッパーは、ナイロン繊維コードなどの有機繊維コードを引き揃えたものにゴムをトッピングしたものであり、その場合、ビード部の剛性を高めることはできるものの、角度を持つコードであるが故にフリッパー端(即ち、補強シートの端部)に歪みが集中して、故障の原因になることがある。
特許文献1には、スチールコードを含むカーカスプライとビードコアとの間に、短繊維を含むゴムからなるビードカバー(補強シート)を介在させることが記載されている。しかしながら、短繊維としては、カーボン繊維やアラミド繊維等の剛性の高いものが用いられており、綿を含有させることは記載されていない。
一方、特許文献2には、短繊維を含有させたゴムをビード部に設置することが記載されているが、ビードフィラーに相当するビード補強ゴム層に関するものであり、ビードコアとカーカスプライとの間に介在させる補強シートに関するものではない。
本発明の実施形態は、ビードコアとカーカスプライとの擦れを防ぐ補強シートを配設したものにおいて、補強シート端部での故障を抑制してビード部の耐久性を向上することができる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る空気入りタイヤは、ビード部に埋設されたビードコアと、前記ビードコアのタイヤ径方向外側に配置されたビードフィラーと、前記ビードコアの周りをタイヤ軸方向内側から外側に巻き上げられた少なくとも1層のカーカスプライと、前記ビード部において前記カーカスプライをタイヤ径方向内側から覆うように設けられた有機繊維コードを含む少なくとも1層のチェーハーと、前記ビードコアと前記カーカスプライとの間に介在する補強シートと、を備え、前記補強シートが、綿が練り込まれたゴムからなり、前記補強シートのタイヤ軸方向外側端の高さが、隣接する前記カーカスプライの巻き上げ端の高さと一致していないものである。
本発明の実施形態によれば、綿の練り込まれたゴムからなる補強シートにより、ビードコアとカーカスプライとの擦れを防ぐことができるとともに、該補強シートの端部での故障を抑制することができ、ビード部の耐久性を向上することができる。
以下、実施形態について図面を参照して説明する。
本明細書において、タイヤ軸方向とは、タイヤ回転軸に平行な方向であって、タイヤ幅方向と同義であり、図において符号Yで示す。タイヤ軸方向内側とは、タイヤ軸方向においてタイヤ赤道面に近づく方向であり、図において符号Yiで示す。タイヤ軸方向外側とは、タイヤ軸方向においてタイヤ赤道面から遠ざかる方向であり、図において符号Yoで示す。また、タイヤ径方向(ラジアル方向)とは、タイヤ回転軸に垂直な方向であり、図において符号Zで示す。タイヤ径方向内側とは、タイヤ径方向においてタイヤ回転軸に近づく方向であり、図において符号Ziで示す。タイヤ径方向外側とは、タイヤ径方向においてタイヤ回転軸から遠ざかる方向であり、図において符号Zoで示す。
一実施形態に係る空気入りタイヤは、小型のトラック又はバス用タイヤであり、図示は省略するが、左右一対のビード部と、ビード部からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部と、左右のサイドウォール部のタイヤ径方向外方端部同士を連結するように両サイドウォール部間に設けられたトレッド部とを備える。本実施形態は、ビード部の構成に特徴があり、以下、図1,2を参照しながら、ビード部の構成について説明する。
図1に示すように、ビード部10には、ゴム被覆したビードワイヤを積層巻回した収束体よりなる環状のビードコア12と、該ビードコア12のタイヤ径方向外側に配置されたゴム製のビードフィラー14とが埋設されている。ビードコア12は、この例では断面形状が六角形状をなすが、その他の多角形状でもよく、断面形状は特に限定されない。ビードフィラー14は、ビードコア12のタイヤ径方向外面からタイヤ径方向外側に向かって延びる硬質ゴム部材であり、先端ほど幅狭に形成されている。
空気入りタイヤには、一対のビード部10間にまたがってトロイド状に延びる少なくとも1層のカーカスプライ(この例では2層のカーカスプライ16,18)が埋設されている。カーカスプライ16,18は、不図示のトレッド部からサイドウォール部を通って延在し、ビード部10において両端部が係止されている。カーカスプライ16,18は、タイヤ周方向に対して略直交(80°〜90°)する方向に配列したプライコードを、トッピングゴムで被覆してなる。プライコードとしては、例としてポリエステル繊維コードなどの有機繊維コードが好ましく用いられる。
カーカスプライ16,18は、ビードコア12の周りをタイヤ軸方向内側から外側に巻き上げられている。詳細には、カーカスプライ16,18は、トレッド部から延びる本体部16A,18Aがビードコア12及びビードフィラー14のタイヤ軸方向内側面に沿って配され、ビードコア12の下側を通って外側に巻き上げられている(即ち、折り返されている)。そして、その巻き上げ部16B,18Bがビードコア12及びビードフィラー14のタイヤ軸方向外側面に沿って配されており、その先端(即ち、巻き上げ部16B,18Bの上端)が巻き上げ端16BE,18BEとなる。
ここで、一対のビード部10間に跨がる本体部16A,18Aにおいてタイヤ内面側に位置するカーカスプライ16を第1カーカスプライとし、タイヤ外面側に位置するカーカスプライ18を第2カーカスプライとする。第2カーカスプライ18は、第1カーカスプライ16のタイヤ軸方向内側に巻き上げられるカーカスプライであり、従って、第1カーカスプライ16の巻き上げ部16Bは、第2カーカスプライ18の巻き上げ部18Bのタイヤ軸方向外側に重ねられている。
ビード部12におけるカーカスプライ16,18の周りには、有機繊維コードを含む少なくとも1層のチェーハー(この例では2層のチェーハー20,22)が埋設されている。チェーハー20,22は、カーカスプライ18の折り返し部をタイヤ径方向内側から覆うように設けられている。
チェーハー20,22は、有機繊維コードとして例えばナイロン繊維コードを用いた補強層であり、タイヤ周方向に対して例えば20°〜50°の傾斜角度で傾斜して配列した有機繊維コードに、トッピングゴムを被覆することで形成されている。チェーハー20,22は、カーカスプライ16,18の本体部16A,18Aに沿ってビードコア12のタイヤ軸方向内側に巻き上げられた内側部分20A,22Aと、カーカスプライ16,18の巻き上げ部16B,18Bに沿ってビードコア12のタイヤ軸方向外側に巻き上げられた外側部分20B,22Bとからなる。
ここで、第1カーカスプライ16の外面(即ち、U字状の折り返しの外周側の面)に重ねて設けられたチェーハー20を第1チェーハーとし、第1チェーハー20の外面(即ち、U字状の折り返しの外周側の面)に重ねて設けられたチェーハー22を第2チェーハーとする。そのため、第2チェーハー22の内側部分22Aは第1チェーハー20の内側部分20Aのタイヤ軸方向内側に重ねられており、第2チェーハー22の外側部分22Bは第1チェーハー20の外側部分20Bのタイヤ軸方向外側に重ねられている。
図1に示すように、ビードコア12とカーカスプライ16,18との間には、補強シート24が介在している。補強シート24は、ビードコア12とカーカスプライ16,18(特には第2カーカスプライ18)との擦れを抑制するシート状部材であり、フリッパーとして機能する。
補強シート24は、ビードコア12をタイヤ径方向内側から覆うように設けられており、ビードコア12の下面側で折り返された断面U字状をなしている。補強シート24のタイヤ軸方向内側部(即ち、内側への巻き上げ部)24Aは、ビードフィラー14のタイヤ軸方向内側面に重ねられており、補強シート24のタイヤ軸方向外側部(即ち、外側への巻き上げ部)24Bは、ビードフィラー14のタイヤ軸方向外側面に重ねられている。そのため、この例では、ビードコア12のタイヤ軸方向外側には、補強シート24の外側部24B、第2カーカスプライ18の巻き上げ部18B、第1カーカスプライ16の巻き上げ部16B、第1チェーハー20の外側部分20B、及び第2チェーハー22の外側部分22Bの順に重ねられている。
補強シート24は、綿(ワタ)が練り込まれたゴムからなる綿入りゴムシートである。綿としては、綿花、木綿などが挙げられる。綿を練り込むことにより補強されるので、カーカスプライ16,18を保護する効果を高めることができ、またビード部10の剛性向上にもつながる。また、綿入りゴムからなる補強シート24は、従来のフリッパーのように角度を持つコードからなるものではないので、補強シート24の端部での故障を抑制することができ、ビード部10の耐久性を向上することができる。また、綿はアラミド繊維等の他の短繊維と比べて安価であることから、補強性とコストのバランスに優れ、更には、石油外資源の天然素材であることから環境性にも優れる。
綿を練り込むゴムとしては、タイヤ用ゴム組成物として一般に用いられている各種ゴム組成物が挙げられ、特に限定されない。例えば、ゴム成分としては、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)等のジエン系ゴムの1種又は2種以上が挙げられ、好ましくは天然ゴムを含むことである。ゴム組成物には、カーボンブラックなどの充填剤、亜鉛華、老化防止剤、硫黄、加硫促進剤などの各種添加剤を配合することができる。綿はゴム成分及び各種添加剤とともに混練され、これにより短繊維である綿がゴム中に分散してなる綿入りの未加硫ゴムが得られる。かかる未加硫ゴムをシート状に成形した上で、ビードコアを含む他のタイヤ部材と組み合わせてグリーンタイヤを成形し、常法に従い加硫成型することにより、空気入りタイヤが得られる。
補強シート24における綿の含有量は、特に限定しないが、補強シート24全体を100質量%として、5〜15質量%であることが好ましい。5質量%以上であることにより、補強シート24の剛性を高めて、ビードコア12とカーカスプライ16,18との間の厚みを確保することが容易となる。また、15質量%以下であることにより、補強シート24の加工性を向上することができる。
補強シート24のゴム硬度は、特に限定しないが、JIS K6253−3に準拠した常温でのデュロメータA硬さが80〜90であることが好ましい。このような硬さを持つ補強シート24を用いることにより、剛性を高めて、ビード部10の耐久性を向上することができる。
補強シート24の厚みは、特に限定されず、例えば1.0〜2.0mmでもよい。
本実施形態では、図1に示すように、補強シート24は、そのタイヤ軸方向外側端24BEの高さが、隣接するカーカスプライ18の巻き上げ端18BEの高さと一致していない。すなわち、補強シート24の外側部24Bの上端(即ち、タイヤ径方向外端)24BEのノミナルリム径Nからの高さ(即ち、タイヤ径方向距離)H1が、第2カーカスプライ18の巻き上げ部18Bの上端(タイヤ径方向外端)18BEのノミナルリム径Nからの高さH2と一致していない。このように、補強シート24のタイヤ軸方向外側端24BEと、補強シート24に隣接する第2カーカスプライ18の巻き上げ端18BEとの位置をずらすことにより、補強シート24のタイヤ軸方向外側端24BEでの歪みを抑えて、ビード部10の耐久性を向上することができる。ここで、ノミナルリム径とは、JATMAの規格で定められるリム径(リム径の呼び)である。
より詳細には、上記H1及びH2は、下記条件(1)を満足することが好ましい。
(1) 0.6≦H1/H2≦0.8、又は、1.3≦H1/H2≦1.5
すなわち、H2に対するH1の比を0.6〜0.8とするか、又は、1.3〜1.5とすることが好ましい。図1に示す実施形態が後者、即ちH1/H2=1.3〜1.5の場合であり、図2に示す実施形態が前者、即ちH1/H2=0.6〜0.8の場合である。このような範囲内に設定することにより、補強シート24のタイヤ軸方向外側端24BEでの歪みを効果的に抑制することができる。
(1) 0.6≦H1/H2≦0.8、又は、1.3≦H1/H2≦1.5
すなわち、H2に対するH1の比を0.6〜0.8とするか、又は、1.3〜1.5とすることが好ましい。図1に示す実施形態が後者、即ちH1/H2=1.3〜1.5の場合であり、図2に示す実施形態が前者、即ちH1/H2=0.6〜0.8の場合である。このような範囲内に設定することにより、補強シート24のタイヤ軸方向外側端24BEでの歪みを効果的に抑制することができる。
図1の例では、補強シート24の外側部24Bは、第2カーカスプライ18の巻き上げ端18BEを越えてタイヤ径方向外方に延在している。一方、図2の例では、補強シート24の外側部24Bは、第2カーカスプライ18の巻き上げ端18BEよりもタイヤ径方向内側で終端している。H1/H2は、より好ましくは、図1に示す1.3〜1.4の範囲である。
本実施形態では、また、第1カーカスプライ16の巻き上げ端16BE(即ち、巻き上げ部16Bの上端)のノミナルリム径Nからの高さH3と、第1チェーハー20のタイヤ軸方向外側端20BE(即ち、外側部分20Bの上端)のノミナルリム径Nからの高さH4と、第2チェーハー22のタイヤ軸方向外側端22BE(即ち、外側部分22Bの上端)のノミナルリム径Nからの高さH5が、いずれも一致せず、かつ上記のH1及びH2とも一致していないことが好ましい。
第1カーカスプライ16の巻き上げ部16Bは、第2カーカスプライ18の巻き上げ端18BEを越えてタイヤ径方向外方に延在している。第1チェーハー20の外側部分20Bは、第1カーカスプライ16の巻き上げ端16BEを越えてタイヤ径方向外方に延在している。第2チェーハー22の外側部分22Bは、第1チェーハー20のタイヤ軸方向外側端20BEを越えてタイヤ径方向外方に延在している。そのため、第2カーカスプライ18からタイヤ軸方向外側の部材にいくほど、端部18BE,16BE,20BE,22BEの高さH2,H3,H4,H5が順番に高く設定されている。
より詳細には、H2、H3、H4及びH5は、下記条件(2)〜(4)を満足することが好ましい。
(2) 1.6≦H3/H2≦2.0
(3) 2.3≦H4/H2≦2.8
(4) 3.0≦H5/H2≦3.6
すなわち、H2に対するH3の比が1.6〜2.0であり、H2に対するH4の比が2.3〜2.8であり、H2に対するH5の比が3.0〜3.6であることが好ましい。このような範囲内に設定することにより、カーカスプライ16,18及び各補強層20,22,24の端部での歪みを抑制して、ビード部10の耐久性を高めることができる。H3/H2は、より好ましくは1.6〜1.8である。H4/H2は、より好ましくは2.5〜2.7である。H5/H2は、より好ましくは3.2〜3.5である。
(2) 1.6≦H3/H2≦2.0
(3) 2.3≦H4/H2≦2.8
(4) 3.0≦H5/H2≦3.6
すなわち、H2に対するH3の比が1.6〜2.0であり、H2に対するH4の比が2.3〜2.8であり、H2に対するH5の比が3.0〜3.6であることが好ましい。このような範囲内に設定することにより、カーカスプライ16,18及び各補強層20,22,24の端部での歪みを抑制して、ビード部10の耐久性を高めることができる。H3/H2は、より好ましくは1.6〜1.8である。H4/H2は、より好ましくは2.5〜2.7である。H5/H2は、より好ましくは3.2〜3.5である。
図1に示すように、この例では、ビードコア12のタイヤ軸方向内側においても、補強シート24と第1チェーハー20と第2チェーハー22の各端部の高さは一致していない。詳細には、第2チェーハー22のタイヤ軸方向内側端22AEが、補強シート24のタイヤ軸方向内側端24AEよりも高く設定され、かつ、第1チェーハー20のタイヤ軸方向内側端20AEが、第2チェーハー22のタイヤ軸方向内側端22AEよりも高く設定されている。
なお、図1及び図2において、符号26は、タイヤの内周面を構成する耐空気透過ゴム層としてのインナーライナーを示す。符号28は、サイドウォール部におけるタイヤの外壁面を構成するサイドウォールゴムを示す。また、図1に示す実施形態と図2に示す実施形態との違いは、補強シート24の外側端24BEの高さのみである。
本明細書における上記各寸法は、空気入りタイヤを正規リムに装着して正規内圧を充填した無負荷の正規状態でのものである。正規リムとは、JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、又はETRTO規格における「Measuring Rim」である。正規内圧とは、JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の「最大値」、又はETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」である。
本実施形態によれば、補強シート24によりビードコア12とカーカスプライ16,18との擦れを防ぐことができる。また、補強シート24が綿の練り込まれたゴムからなるため、補強シート24のタイヤ軸方向外側端24BEでの故障を抑制することができる。更に、補強シート24のタイヤ軸方向外側端24BEの高さとカーカスプライ18の巻き上げ端18BEの高さが一致していないので、補強シート24のタイヤ軸方向外側端24BEでの歪みを抑えることができる。そのため、ビード部10の耐久性を向上することができる。
補強シート24のタイヤ軸方向外側端24BEは、少なくとも隣接する(即ち、重なり合う)カーカスプライ18の巻き上げ端18BEとの間で高さが一致していなければよく、複数のカーカスプライを備える場合に、全てのカーカスプライの巻き上げ端との間で高さを異ならせる必要はない。但し、全てのカーカスプライの巻き上げ端との間で高さを異ならせることにより、端部での歪みをより効果的に抑えることができる。
なお、上記実施形態では、カーカスプライとチェーハーをそれぞれ2層で構成したが、カーカスプライとチェーハーの枚数はこれに限定されるものではなく、例えばカーカスプライを1層構造としてもよく、チェーハーを1層構造としてもよい。
なお、以上説明したビード部10の構成は、左右一対のビード部の両方に適用することが好ましいが、いずれか一方に適用してもよい。
上記実施形態の構成と効果を具体的に示すために、小型トラック・バス用空気入りラジアルタイヤ(サイズ:205/80R17.5)を試作し、ビード部の耐久性評価を行った、評価方法は以下のとおりである。
・ビード部耐久性:試作タイヤを17.5×5.25のリムに組み、600kPaの内圧を充填し、平滑なスチールドラム上にJATMA基準荷重の70%で圧着し、速度65km/hで7時間走行させた。速度一定で、24時間毎に負荷荷重を18%ずつ増やし、ビード部が破壊するまで走行させた。室温は40℃に設定した。破壊するまでの時間について、比較例1を100とした指数で表示した。数値が大きいほど、耐久性が良好である。
実施例1〜3及び比較例1,2に係るタイヤの構成を表1に示す。実施例1,3は図1に示すビード部構成を持つ例であり、実施例2は図2に示すビード部構成を持つ例である。カーカスプライ16,18のプライコードとしてはポリエステル繊維コードを用い、チェーハー20,22の有機繊維コードとしてはナイロン繊維コードを用いた。補強シート24としては、天然ゴムに充填剤としてのカーボンブラックを配合したタイヤ用ゴム組成物に綿を添加し混練した綿入りゴムを用いた。綿の含有量は10質量%とし、綿入りゴムのゴム硬度は85とした。また補強シート24の厚みは1.5mmとした。
比較例1は、図1に示す構成において、補強シート24としてナイロンコードを含む従来のフリッパー(NYフリッパー)を用いた例であり、補強シート24以外は実施例1と同じ構成とした。比較例2は、実施例1に対してH1の値を変更したものであり、その他は同じ構成とした。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…ビード部、12…ビードコア、14…ビードフィラー、16…第1カーカスプライ、16BE…第1カーカスプライの巻き上げ端、18…第2カーカスプライ、18BE…第2カーカスプライの巻き上げ端、20…第1チェーハー、20BE…第1チェーハーのタイヤ軸方向外側端、22…第2チェーハー、22BE…第2チェーハーのタイヤ軸方向外側端、24…補強シート、24BE…補強シートのタイヤ軸方向外側端、N…ノミナルリム径
Claims (4)
- ビード部に埋設されたビードコアと、
前記ビードコアのタイヤ径方向外側に配置されたビードフィラーと、
前記ビードコアの周りをタイヤ軸方向内側から外側に巻き上げられた少なくとも1層のカーカスプライと、
前記ビード部において前記カーカスプライをタイヤ径方向内側から覆うように設けられた有機繊維コードを含む少なくとも1層のチェーハーと、
前記ビードコアと前記カーカスプライとの間に介在する補強シートと、を備え、
前記補強シートが、綿が練り込まれたゴムからなり、前記補強シートのタイヤ軸方向外側端の高さが、隣接する前記カーカスプライの巻き上げ端の高さと一致していない、空気入りタイヤ。 - 前記カーカスプライが、第1カーカスプライと、前記第1カーカスプライのタイヤ軸方向内側に巻き上げられる第2カーカスプライとを含み、
前記チェーハーが、第1チェーハーと、前記第1チェーハーの外面に重なる第2チェーハーとを含む、請求項1に記載の空気入りタイヤ。 - 前記補強シートのタイヤ軸方向外側端のノミナルリム径からの高さH1と、前記第2カーカスプライの巻き上げ端のノミナルリム径からの高さH2と、前記第1カーカスプライの巻き上げ端のノミナルリム径からの高さH3と、前記第1チェーハーのタイヤ軸方向外側端のノミナルリム径からの高さH4と、前記第2チェーハーのタイヤ軸方向外側端のノミナルリム径からの高さH5が、下記条件(1)〜(4)を満足する、請求項2に記載の空気入りタイヤ。
(1) 0.6≦H1/H2≦0.8、又は、1.3≦H1/H2≦1.5
(2) 1.6≦H3/H2≦2.0
(3) 2.3≦H4/H2≦2.8
(4) 3.0≦H5/H2≦3.6 - 前記補強シートにおける綿の含有量が5〜15質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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US20220185035A1 (en) * | 2020-12-16 | 2022-06-16 | The Goodyear Tire & Rubber Company | Tire with improved bead structure |
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