JPWO2013024883A1 - 衝撃吸収部材 - Google Patents

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Abstract

本発明の衝撃吸収部材は、断面が多角形状で、複数の辺部(2)を有する外周壁(1)と、外周壁(1)の内側において、軸心から放射状に延び、かつ各辺部(2)の中間位置に接続される複数のリブ(5)と、を備える。外周壁(1)の外周面上における隣り合う辺部(2)の境界位置を頂点(P3)とし、外周壁(1)の外周面上における各辺部(2)の中間位置をリブ接続点(P2)とし、各辺部(2)をリブ接続点(P2)を境に2つに区分けした部分をそれぞれ半辺部(2a,2b)とする。軸方向に圧縮変形する際に、外周壁(1)におけるリブ接続点(P2)および頂点(P3)に対応する位置をそれぞれ節とし、かつ各半辺部(2a,2b)の中間部を腹として、頂点(P3)を挟んで隣り合う2つの半辺部(2a,2b)が、径方向において互いに異なる方向に凹凸変形しつつ、軸方向に繰り返し座屈変形する。

Description

この発明は、例えば自動車用バンパービームのクラッシュボックス等として用いられる衝撃吸収部材およびその関連技術に関する。
自動車のフロントエンドに設けられるバンパーの内側には、衝突時の衝撃を吸収するためにバンパービームが設けられている。
バンパービームは、車幅方向に沿って配置されるバンパーリインフォースと、そのバンパーリインフォースを車両構造体に支持する左右一対のクラッシュボックス(衝撃吸収部材)とを備え、衝突時に、クラッシュボックスが軸方向に圧縮変形することによって衝撃エネルギーが吸収されるようになっている。
このようなクラッシュボックスは、例えばアルミニウム中空押出型材等によって構成されており、外周壁が円形や多角形等に形成されている。さらに衝撃エネルギーの吸収特性を向上させるために、外周壁の内側に、複数のリブが形成されたクラッシュボックスも提案されている。
例えば特許文献1に示すクラッシュボックスは、断面が六角形状の外周壁と、軸心から外周壁における各辺部の中間位置に向けて放射状に延びる6つのリブとを備えている。そして、このクラッシュボックスは、圧縮荷重を受けると、外周壁におけるリブとの接続点を「節」とし、頂点を「腹」として、外周壁における隣り合う節間の部分が、径方向に張り出し変形または凹み変形しつつ、軸方向に蛇腹状に繰り返し変形(座屈変形)するようになっている。
特開2010−249236号
クラッシュボックス等の衝撃吸収特性を評価するにあたって、軸方向に圧縮変形した際の荷重と軸方向の変位量(ストローク量)との関係を示すグラフ(荷重−変位線図)が多く用いられる。図19は座屈変形型の衝撃吸収部材における模式的な荷重−変位線図である。このような荷重−変位線図を有する衝撃吸収部材では、座屈変形を開始した以降の領域(同図の破線で囲まれた領域)において、変位量にかかわらず、荷重の変動が小さいものが、優れた衝撃吸収特性を備えるものである。つまり座屈変形時の振幅が小さい方が、衝撃吸収特性に優れていると言える。
ところで、上記特許文献1に示す衝撃吸収部材は、軸方向に垂直な断面視において、リブとの接続点である節の各間に配置される部分を屈曲変形部として変形させるものであり、この屈曲変形部が周方向に6つ並んで配置されている。この屈曲変形部の数が少ないと、各屈曲変形部の周方向長さが長くなるため、座屈変形時における各屈曲変形部の凹凸変形量が大きくなる。つまり、座屈変形時の波長(座屈波長)が長くなって、荷重変動の振幅も大きくなり、変位量に対する荷重の変動も大きくなってしまう。逆に言うと、屈曲変形部の数を多くすれば、変位量に対する荷重の変動を小さくでき、衝撃吸収特性を向上させることができる。
しかしながら、上記従来の衝撃吸収部材において、屈曲変形部の数を多くしようとすると、構造の複雑化等を来してしまう。すなわち上記従来の衝撃吸収部材においては、外周壁におけるリブとの接続点を節とし、隣り合う節間の部分を屈曲変形部として機能させるものである。このため、屈曲変形部の数を多くするには、節の数、つまりリブの数を多く形成する必要がある。そうすると、構造の複雑化および高重量化を来すという課題が発生する。
本発明の好ましい実施形態は、関連技術における上述した及び/又は他の問題点に鑑みてなされたものである。本発明の好ましい実施形態は、既存の方法及び/又は装置を著しく向上させることができるものである。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、構造の簡素化および軽量化を図りつつ、衝撃吸収特性を向上させることができる衝撃吸収部材およびその関連技術を提供することを目的とする。
本発明のその他の目的及び利点は、以下の好ましい実施形態から明らかであろう。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を備えるものである。
[1]軸方向に圧縮変形することによって衝撃エネルギーを吸収するようにした襲撃吸収部材であって、
軸方向に垂直な断面が多角形状で、複数の辺部を有する外周壁と、
前記外周壁の内側において、軸心から放射状に延び、かつ各辺部の中間位置にそれぞれ接続される複数のリブと、を備え、
前記外周壁の外周面上における隣り合う辺部の境界位置を頂点とし、前記外周壁の外周面上における各辺部の中間位置をリブ接続点とし、各辺部をリブ接続点を境に2つに区分けした部分をそれぞれ半辺部としたとき、
軸方向に圧縮変形する際に、外周壁におけるリブ接続点および頂点に対応する位置をそれぞれ節とし、かつ各半辺部の中間部を腹として、頂点を挟んで隣り合う2つの半辺部が、径方向において互いに異なる方向に凹凸変形しつつ、軸方向に繰り返し座屈変形するようにしたことを特徴とする衝撃吸収部材。
[2]座屈変形時に、軸方向に垂直な断面視の状態で、外径方向に張り出し変形した半辺部と、内径方向に凹み変形した半辺部とが周方向に沿って交互に並んで配置されるようになっている前項1に記載の衝撃吸収部材。
[3]前記外周壁の頂点周辺が、曲率半径を有する円弧状の頂点円弧部として構成される前項1または2に記載の衝撃吸収部材。
[4]頂点を挟んで隣り合う2つの半辺部における両直線状部外周面の仮想延長線が交わる点を仮想頂点とし、その仮想頂点から近傍のリブ接続点までの長さを半辺部長さと規定し、
前記半辺部長さを「L」、前記頂点円弧部における外周面の曲率半径を「R」としたとき、
0<R/L≦1.15の関係が成立するよう調整される前項3に記載の衝撃吸収部材。
[5]頂点を挟んで隣り合う2つの半辺部における両直線状部外周面の仮想延長線が交わる点を仮想頂点として、その仮想頂点から中心までの距離を「M0」、前記頂点からその頂点の両側に位置する2つのリブ接続点を結ぶ仮想直線までの最短距離を「M」としたとき、
M/M0=0.75〜0.99の関係が成立するよう調整される前項3または4に記載の衝撃吸収部材。
[6]頂点を挟んで隣り合う2つの半辺部における両直線状部外周面の仮想延長線が交わる点を仮想頂点とし、その仮想頂点から近傍のリブ接続点までの長さを半辺部長さと規定し、
前記半辺部長さを「L」、前記頂点からその頂点の両側に位置する2つのリブ接続点を結ぶ仮想直線までの最短距離を「M」としたとき、
0.35≦M/L<0.5の関係が成立するよう調整される前項3〜5のいずれか1項に記載の衝撃吸収部材。
[7]頂点からその頂点の両側に位置する2つのリブ接続点を結ぶ仮想直線までの最短距離を「M」、前記外周壁の肉厚を「tb」としたとき、
5.0<M×tbの関係が成立するよう調整される前項1〜6のいずれか1項に記載の衝撃吸収部材。
[8]前記外周壁の肉厚が前記リブの肉厚よりも薄く形成される前項1〜7のいずれか1項に記載の衝撃吸収部材。
[9]前記リブの肉厚を「ta」とし、前記外周壁の肉厚を「tb」としたとき、
0.25<tb/ta<0.875の関係が成立するよう調整される前項8に記載の衝撃吸収部材。
[10]外周壁が6つの辺部を有する断面正六角形状に形成される前項1〜9のいずれか1項に記載の衝撃吸収部材。
[11]アルミニウムまたはその合金製の押出形材または引き抜き形材によって構成される前項1〜10のいずれか1項に記載の衝撃吸収部材。
[12]軸方向に圧縮変形することによって衝撃エネルギーを吸収するようにした襲撃吸収部材であって、
軸方向に垂直な断面が多角形状で、複数の辺部を有する外周壁と、
前記外周壁の内側において、軸心から放射状に延び、かつ各辺部の中間位置にそれぞれ接続される複数のリブと、を備え、
前記外周壁の外周面上における隣り合う辺部の境界位置を頂点とし、前記外周壁の外周面上における各辺部の中間位置をリブ接続点とし、各辺部をリブ接続点を境に2つに区分けした部分をそれぞれ半辺部としたとき、
軸方向に圧縮変形する際に、外周壁におけるリブ接続点および頂点に対応する位置をそれぞれ節とし、かつ各半辺部の中間部を腹として、頂点を挟んで隣り合う2つの半辺部が、径方向に凹凸変形しつつ、軸方向に繰り返し座屈変形するように構成され、
軸方向に圧縮変形する際における最大荷重が70kN以上、平均荷重/最大荷重が0.85以上に調整されていることを特徴とする衝撃吸収部材。
[13]バンパーリインフォースを車両構造体に支持する車両用クラッシュボックスであって、
前項1〜12のいずれか1項に記載の衝撃吸収部材によって構成され、
前記バンパーリインフォースに加わる衝撃エネルギーを吸収するようにしたことを特徴とする車両用クラッシュボックス。
[14]車幅方向に沿って配置されるバンパーリインフォースと、
前記バンパーリインフォースを車両構造体に支持するクラッシュボックスとを備え、
前記クラッシュボックスが、前項1〜12のいずれか1項に記載の衝撃吸収部材によって構成され、
前記バンパーリインフォースに加わる衝撃エネルギーを前記クラッシュボックスにより吸収するようにしたことを特徴とするバンパービーム。
発明[1]の衝撃吸収部材によれば、多角形状の外周壁におけるリブ接続点および頂点に対応する位置をそれぞれ節とし、半辺部の中間位置を腹として座屈変形させるものであるため、各半辺部毎にそれぞれ座屈変形させることができ、座屈変形時の凹凸変形量を小さくすることができる。従って、軸方向の変位量に対する荷重変動を小さくでき、良好な衝撃吸収特性を得ることができる。
発明[2]の衝撃吸収部材によれば、全周にわたってバランス良く衝撃エネルギーを吸収することができ、より一層良好な衝撃吸収特性を得ることができる。
発明[3]〜[11]の衝撃吸収部材によれば、座屈変形時に、より確実に所望の挙動で変形させることができ、上記の効果をより確実に得ることができる。
発明[12]の衝撃吸収部材によれば、上記の効果をより一層確実に得ることができる。
発明[13]によれば、上記と同様の効果を奏する車両用クラッシュボックスを得ることができる。
発明[14]によれば、上記と同様の効果を奏するバンパービームを得ることができる。
図1はこの発明の実施形態である衝撃吸収部材を示す斜視図である。 図2Aは実施形態の衝撃吸収部材を示す断面図である。 図2Bは実施形態の衝撃吸収部材の一部を拡大して示す断面図である。 図2Cは実施形態の衝撃吸収部材の一部を拡大して示す断面図である。 図3Aはこの発明に関連した衝撃吸収部材の変形状態を説明するための断面図である。 図3Bは従来の衝撃吸収部材の変形状態を説明するための断面図である。 図4は実施形態の衝撃吸収部材が適用された車両用バンパービームを示す平面図である。 図5Aはこの発明の実施例1の荷重−変位線図である。 図5Bはこの発明の実施例2の荷重−変位線図である。 図5Cはこの発明の実施例3の荷重−変位線図である。 図5Dはこの発明の実施例4の荷重−変位線図である。 図5Eはこの発明の実施例5の荷重−変位線図である。 図5Fはこの発明の実施例6の荷重−変位線図である。 図5Gはこの発明の実施例7の荷重−変位線図である。 図5Hはこの発明の実施例8の荷重−変位線図である。 図5Iはこの発明の実施例9の荷重−変位線図である。 図6Aは比較例1の荷重−変位線図である。 図6Bは比較例2の荷重−変位線図である。 図6Cは比較例3の荷重−変位線図である。 図6Dは比較例4の荷重−変位線図である。 図6Eは比較例5の荷重−変位線図である。 図6Fは比較例6の荷重−変位線図である。 図7Aは実施例3のサンプルモデルにおける断面図である。 図7Bは図7Aのサンプルモデルの変形状態を示す斜視図である。 図8Aは実施例6のサンプルモデルにおける断面図である。 図8Bは図8Aのサンプルモデルの変形状態を示す斜視図である。 図9Aは実施例7のサンプルモデルにおける断面図である。 図9Bはず9Aのサンプルモデルの変形状態を示す斜視図である。 図10Aは実施例9のサンプルモデルにおける断面図である。 図10Bは図10Aのサンプルモデルの変形状態を示す斜視図である。 図11Aは比較例1のサンプルモデルにおける断面図である。 図11Bは図11Aのサンプルモデルの変形状態を示す斜視図である。 図12Aは比較例2のサンプルモデルにおける断面図である。 図12Bは図12Aのサンプルモデルの変形状態を示す斜視図である。 図13Aは比較例4のサンプルモデルにおける断面図である。 図13Bは図13Aのサンプルモデルの変形状態を示す斜視図である。 図14Aは比較例6のサンプルモデルにおける断面図である。 図14Bは図14Aのサンプルモデルの変形状態を示す斜視図である。 図15は実施例の解析結果に基づいて作成した[曲率半径R/半辺部長さR]と[平均荷重/最大荷重]との関係を示すグラフである。 図16は実施例の解析結果に基づいて作成した[外周壁肉厚tb/リブ肉厚ta]と[平均荷重/最大荷重]との関係を示すグラフである。 図17Aはこの発明の衝撃吸収部材を用いた第1実用例の車両用バンパービームを示す平面図である。 図17Bは第1実用例のバンパービームを示す概略斜視図である。 図17Cは第1実用例のバンパービームを示す背面図である。 図17Dは第1実用例のバンパービームにおける一方側のクラッシュボックス周辺を牽引フック取付状態で示す側面断面図である。 図17Eは第1実用例における一方側のクラッシュボックス周辺を拡管加工前の状態で示す分解斜視図である。 図17Fは第1実用例における他方側のクラッシュボックス周辺を拡管加工前の状態で示す分解斜視図である。 図17Gは第1実用例のバンパービームを拡管金型を挿入した状態で示す平面図である。 図17Hは図17Gのバンパービームを上下反転状態で示す正面図である。 図17Iは図17HのA−A線断面図である。 図17Jは図17HのB−B線断面図である。 図17Kは第1実用例のバンパービームに用いられた変形例のステイ部材を示す斜視図である。 図17Lはバンパービームにおけるクラッシュボックス周辺を金型挿入直後の状態で示す断面図である。 図17Mはこの発明の衝撃吸収部材を用いた第2実用例の車両用バンパービームにおける一方側のクラッシュボックス周辺を牽引フック取付状態で示す側面断面図である。 図17Nは図17Mの一点鎖線で囲まれた部分を拡大して示す断面図である。 図17Oはこの発明の衝撃吸収部材を用いた第3実用例の車両用バンパービームにおける一方側のクラッシュボックス周辺を牽引フック取付状態で示す側面断面図である。 図17Pはこの発明の衝撃吸収部材を用いた第4実用例の車両用バンパービームにおける一方側のクラッシュボックス周辺を牽引フック取付状態で示す側面断面図である。 図18Aはこの発明の衝撃吸収部材を用いた第5実用例の車両用バンパービームにおける一方側のクラッシュボックス周辺を牽引フック取付状態で示す側面断面図である。 図18Bは図18Aの分解斜視図である。 図19は座屈変形型の衝撃吸収部材における模式的な荷重−変位線図である。
図1はこの発明の実施形態である衝撃吸収部材を示す斜視図、図2Aはその衝撃吸収部材を軸方向に対し直交する面で切断した断面図、図2Bはその衝撃吸収部材の一部を拡大して示す断面図である。
これらの図に示すように、この衝撃吸収部材は、外周壁1と、外周壁1の内側に設けられるリブ5とを備えている。
外周壁1は、軸方向に垂直な面で切断した断面状態(軸方向に垂直な断面)において、6本の辺部2を有する正六角形状に形成されており、辺部2の各間には、頂点P3が設けられている。
なお本実施形態において、頂点P3は、外周壁1の外周面上で、隣り合う辺部2の境界位置に配置されるものである。
外周壁1における頂点P3の周辺部は、円弧状に形成されており、その円弧状の部分が頂点円弧部3として構成されている。
本実施形態においては、頂点円弧部3の外周面における周方向の中間位置が頂点P3と一致している。
辺部2は、外周壁1における隣り合う頂点P3,P3間の部分によって構成されている。従って、辺部2は、両端の頂点P3,P3に近い部分は、両側の頂点円弧部3の一部(半分)によって構成されて円弧状に形成されるとともに、残りの部分は、直線状に形成されている。
外周壁1の外周面上において、各辺部2の中間位置、つまり各辺部2を二等分する位置には、リブ接続点P2が設けられている。
リブ5は、外周壁1の6本の各辺部2に対応して6本設けられている。各リブ5は、軸心から各辺部2のリブ接続点P2に向けて放射状に延びるように形成されており、周方向に等間隔おきに配置されている。各リブ5の内端は、衝撃吸収部材の軸心位置において互いに一体に形成されるとともに、各リブ5の外端は、対応する各辺部2と一体に形成されている。
また本実施形態において、各辺部2は、リブ接続点P2を境にして、一方側および他方側の2つの半辺部2a,2bにそれぞれ区分けされている。後に詳述するが、頂点P3を挟んだ両側の各半辺部2a,2bは、それぞれ個別の屈曲変形部を構成し、衝撃エネルギー吸収時に、径方向において互いに異なる方向に変形するものである。
なお本実施形態における衝撃吸収部材は、外周壁1およびリブ5がそれぞれ軸方向に連続して形成されており、軸方向のいずれの位置においても、同一の断面形状に形成されている。
本実施形態の衝撃吸収部材は、例えばアルミニウムまたはその合金を素材とする中空押出形材や引抜形材等によって構成されている。
本実施形態の衝撃吸収部材において、衝撃エネルギーを吸収する際に圧縮変形すると、図3Aの破線に示すように、外周壁1における各リブ接続点P2および各頂点P3に対応する位置をそれぞれ節とし、各半辺部2a,2bがその各中間点(中間位置)を腹として、径方向に張り出し変形または凹み変形しつつ、軸方向に蛇腹状に繰り返し変形(座屈変形)するようになっている。このように各半辺部2a,2bがそれぞれ屈曲変形部として、半辺部2a,2b毎に座屈変形するものである。換言すると、頂点P3を挟んで隣り合う半辺部2a,2bが、径方向において異なる方向に凹凸変形する。具体的には一方側の半辺部2aが外径方向に張り出し変形する際には、他方側の半辺部2bが内径方向に凹み変形するとともに、一方側の半辺部2aが内径方向に凹み変更する際には、他方側の半辺部2bが外径方向に張り出し変形しつつ、座屈変形するようになっている。
さらに本実施形態においては、断面視の状態で、外径方向に突出変形した半辺部2a(屈曲変形部)と、内径方向に凹み変形した半辺部2b(屈曲変形部)とが、周方向に沿って交互に並んで配置されるように座屈変形するようになっている。
また全てのリブ5は、周方向に沿って同方向に屈曲するように、軸方向に蛇腹状に繰り返し変形(座屈変形)する。
ここで、本実施形態の衝撃吸収部材において、衝撃吸収時の動作のメカニズムは、以下の通りであると推定される。
すなわち図3Aに示すように、本実施形態の衝撃吸収部材は、衝突時に軸方向に圧縮する力を受けると、リブ5が周方向のいずれかの一方向に押し倒されるため、中心部において回転方向(周方向)のいずれか一方向の力、つまり左回りの力または右回りの力が作用する。なお初期段階において左回りになるか、右回りになるかは未定で、ランダムに選択される。
仮に中心部において左回りの力F1が作用したとすると、図3Aの破線に示すように各リブ5は折れ曲がるように変形する。その変形により、各リブ5と外周壁1との各接続点である各リブ接続点P2において、右回りの力F2が作用する。さらにその力F2により、各リブ接続点P2の右回り方向に隣接する各辺部2aは内側に凹むように変形し、各リブ接続点P2の左回り方向に隣接する各辺部2bは外側に膨らむように変形する。その結果、本実施形態の衝撃吸収部材は、外周壁1におけるリブ接続点P2および頂点P3に対応する位置がそれぞれ節となり、かつ各半辺部2a,2bの中間部が腹となる。すなわち本発明の衝撃吸収部材は、既述したように中心部から半辺部2a,2bへ回転力を伝播させる構造を有しているので、リブ接続点P2および頂点P3に対応する位置がそれぞれ節となり、かつ各半辺部2a,2bの中間部が腹となる。
なお本発明の衝撃吸収部材は、軸方向の両端部は拘束されている。例えば、他の構造部材に固定されている。このため、回転方向は右回り方向および左回り方向のうちの一方向に限定されることはなく、軸方向に変位する毎に、右回りと左回りとが交互に発生する。もっとも、右回りと左回りとが常に正確に交互に発生するものではなく、全体的に見るとほぼ交互な状態となる。
一方、上記特許文献1に示す従来の衝撃吸収部材においては、衝撃エネルギーを吸収する際に圧縮変形すると、図3Bの破線に示すように、外周壁1における各リブ接続点P2に対応する位置をそれぞれ節とし、隣り合う節P2間の2つの半辺部2a,2bがその頂点P3に対応する位置を腹として、径方向に張り出し変形または凹み変形しつつ、軸方向に蛇腹状に繰り返し変形(座屈変形)するようになっている。換言すれば、頂点P3を挟んで隣り合う2つの半辺部2a,2bが、一つの屈曲変形部として機能するものであり、隣り合う2つの半辺部2a,2bが、径方向において共に同じ方向に張り出し変形または凹み変形しつつ、座屈変形するようになっている。
以上のように、本実施形態の衝撃吸収部材によれば、外周壁1におけるリブ接続点P2に加えて頂点P3に対応する位置も、座屈変形時の節とし、節P2,P3間の半辺部2a,2bの中間点を腹として、各半辺部2a、2b毎に座屈変形させるようにしている。このため、各辺部2a,2bによって構成される各屈曲変形部の長さが短くなるため、座屈変形時における屈曲変形部の凹凸変形量が小さくなる。従って、荷重−変位線図における変位量に対する荷重変動(振幅)が小さくなり、良好な衝撃吸収特性を得ることができる。
さらに本実施形態においては、隣り合う半辺部2a,2bを凹凸方向を異ならせるとともに、凹変形部と、凸変形部とが周方向に沿って交互に並んで配置されるようにしつつ、座屈変形させるようにしているため、全周にわたってバランス良く均等に衝撃エネルギーを吸収でき、より一層良好な衝撃吸収特性を得ることができる。
ここで、本発明の衝撃吸収部材においては、軸方向に圧縮変形する際に、周方向の全ての領域において、半辺部2a,2bによる凹変形部と凸変形部とが交互に並んで配置される必要はない。例えば衝撃吸収部材における任意の断面位置において、周方向の全ての領域のうち、50%以上の領域において、凹変形部と凸変形部とが交互に並んで配置されていれば、本発明の範囲に含まれる。つまり、本発明においては、衝撃吸収部材における任意の断面位置において、周方向の一部の領域では、凹変形部と凹変形部とが並んで配置されていたり、凸変形部と凸変形部とが並んで配置されていても良い。
また本実施形態の衝撃吸収部材においては、内壁(補強壁)としてのリブ5が未接続の頂点P3に対応する位置を節として機能させるものであるため、リブ5の数が増加するようなことはない。このため、リブ数の増加による構造の複雑化や高重量化を防止でき、構造の簡素化および軽量化を図ることができる。
ところで、本実施形態の衝撃吸収部材においては、各部位の詳細を以下のように構成するのが好ましい。
図2Bに示すように、まず、頂点P3を挟んで隣り合う半辺部2,2における直線状部分の外周面に沿った仮想の延長線(直線)が交わる点を仮想頂点Cとし、その仮想頂点Cからその両側(近傍)のリブ接続点P2,P2までの距離L,Lを半辺部長さと規定する。
そして、外周壁1の頂点円弧部3における外周面の曲率半径を「R」としたとき、「0<R/L≦1.15」の関係を成立させるのが良く、より好ましくは「0<R/L≦0.77」の関係を成立させるのが良く、より一層好ましくは「0.05≦R/L≦0.25」の関係を成立させるのが良い。すなわちこのR/Lの値が、大き過ぎたり、小さ過ぎたりする場合には、座屈変形時の挙動を的確に制御できず、既述したような所望の挙動で座屈変形させることが困難になるおそれがある。例えばR/Lが小さ過ぎるような場合には、座屈変形時に頂点P3が節として機能せず、頂点P3を挟んだ両側の半辺部2a,2bが一つの屈曲変形部となって、共に同一方向に張り出し変形または凹み変形するようになり(図3B参照)、上記したように所望の衝撃吸収特性を得ることが困難になるおそれがある。
また本実施形態においては、リブ5の肉厚を「ta」、外周壁1の肉厚を「tb」としたとき、「0.25<tb/ta<0.875」の関係を成立させるのが好ましい。すなわちこのtb/taの値が小さ過ぎて、外周壁1の肉厚Tbがリブ5の肉厚taに比べて小さ過ぎたり大き過ぎたりする場合には、座屈変形時の挙動を的確に制御できず、既述したような所望の挙動で座屈変形させることが困難になるおそれがある。
図3Cに示すように、本実施形態において、中心P0から仮想頂点Cまでの距離M0を仮想半径と規定する。さらに中心P0および仮想頂点Cを結ぶ直線P0−Cと、隣り合うリブ接続点P2,P2を結ぶ仮想の直線P2−P2との交点Dから、頂点P3までの距離Mを頂点突出量と規定する。換言すると、頂点P3からその両側のリブ接続点P2,P2間を結ぶ仮想の直線P2−P2までの最短距離Mを頂点突出量と規定する。
このとき、本実施形態の衝撃吸収部材においては、「M/M0=0.75〜0.99」の関係を成立させるのが好ましい。すなわち、本実施形態の衝撃吸収部材において、M/M0の値が上記の特定範囲に調整された場合、軸方向に圧縮する力を受けた際に、リブ接続点P2から頂点P2への回転力が伝搬し易くなる。このため、既述したような所望の挙動で座屈変形させることができ、良好な衝撃吸収特性を得ることができる。
ここで本実施形態の衝撃吸収部材においては、頂点P3を含む周辺部を、一定の曲率半径を有する頂点円弧部3によって構成しているが、本発明においては、頂点P3の周辺部の構成は、これだけに限られない。例えば、頂点P3の周辺部を、複数の曲率半径を有する複合円弧部としたり、複数の直線部からなる多角形状部としたり、円弧部と直線部と複合された部分としても良い。
なお本発明において辺部3の中間位置とは、辺部3を正確に2分する中間点とは異なり、この中間点を含む所定の幅を有する領域である。換言すれば、本発明において、頂点P3は、衝撃吸収時に、上記所望の変形動作が行われるのであれば、どの位置に配置しても良い。例えば頂点P3は、隣り合うリブ接続点P2,P2間の中間点に限られず、その中間点から変位させた位置に配置するようにしても良い。
また本実施形態の衝撃吸収部材は、「0.35≦M/L<0.5」の関係を成立させるのが好ましい。すなわちこの関係を満たす場合、上記と同様に、リブ接続点P2から頂点P2への回転力が伝搬し易くなり、良好な衝撃吸収特性を得ることができる。
また本実施形態の衝撃吸収部材は、「5.0<M×tb」の関係を成立させるのが良く、より好ましくは「7.0<≦M×tb」の関係を成立させるのが良い。すなわち、本実施形態の衝撃吸収部材において、この関係を満たす場合、衝突エネルギーを吸収する際の最大荷重を大きく確保でき、良好な衝撃吸収特性を得ることができる。
さらに本実施形態の衝撃吸収部材は、隣り合うリブ5,5間の角度を「α(図3C参照)」とし、β=0.8〜0.9(好ましくはβ=0.81〜0.86)とし、γ=1.01〜1.33としたとき、「[(γ×M)/α]×100=β×L」の関係を成立させるのが好ましい。すなわち、この関係を満たす場合には、角度αにかかわらず、良好な衝撃吸収特性を得ることができる。例えば上記の関係を満たす場合には、角度αが36°の正10角形状の衝撃吸収部材から、角度αが72°の断面正5角形状の衝撃吸収部材までの全ての衝撃吸収部材において、良好な衝撃吸収特性を得ることができる。
なお、「0<R/L≦1.15」「0.25<tb/ta<0.875」「M/M0=0.75〜0.99」「0.35≦M/L<0.5」「5.0<M×tb」の各関係を満たす場合に、座屈変形時の挙動を適切に制御できることは、後の実施例からも明らかとなる。
また本実施形態においては、曲率半径Rは、1mm〜40mmに設定するのが好ましい。さらに半辺部長さLは、15mm〜52mmに設定するのが好ましい。
また外周壁1の肉厚Tbは、0.5mm〜5mmに設定するのが好ましい。リブ5の肉厚Taは、1mm〜6mmに設定するのが好ましい。
すなわちこれらの値R,L,Ta,Tbが上記の所定範囲を逸脱する場合には、座屈変形時の挙動を的確に制御できず、所望の挙動で座屈変形させることが困難になるおそれがある。
なお本発明の衝撃吸収部材は、車両用衝撃吸収部材として好適に用いることができる。例えば図4に示すような自動車用バンパービームに好適に用いることができる。このバンパービームは、自動車のフロントエンドやリアエンドに、車幅方向に沿って配置されるバンパーリインフォース20と、そのバンパーリインフォース20の両端部に、先端部が固定されたクラッシュボックス10,10とを備え、クラッシュボックス10,10の基端側がバンパーステイ30を介して車両構造体に固定されるものである。そしてこのバンパービームにおけるクラッシュボックス10が、本発明の衝撃吸収部材によって構成されるものである。
本発明においては、衝撃吸収部材としてのクラッシュボックスを、バンパーリインフォースに固定する方法としては、例えば以下に説明するような拡径技術を用いる方法がある。
図17Aはこの発明の第1実用例である車両用バンパービームを示す平面図、図17Bは概略斜視図、図17Cは背面図、図17Dは第1実用例のバンパービームにおける一方側のクラッシュボックス周辺を示す側面断面図、図17Eは一方側のクラッシュボックス周辺を拡管加工前の状態で示す分解斜視図、図17Fは他方側のクラッシュボックス周辺を拡管加工前の状態で示す分解斜視図である。
これらの図に示すように、この第1実用例のバンパービームは、自動車のフロントエンドに設けられ、衝突時の衝撃エネルギーを吸収する車両用衝撃吸収部材を構成している。このバンパービームは、バンパーリインフォース61と、左右一対のクラッシュボックス62と、図17Aの右側に配置される一方側のクラッシュボックス62に設けられるステイ部材63と、図17Aの左側に配置される他方側のクラッシュボックス62に設けられるバンパーステイ64とを備えている。
第1実用例のバンパーリインフォース61は、例えばアルミニウムまたはその合金を素材とする押出加工品や引抜加工品等によって構成されている。
第1実用例のバンパーリインフォース61は、車幅方向の両側部が後方へ曲げ成形されることによって、中間部が前方へ少し張り出すように形成されている。
このバンパーリインフォース61は、長さ方向に直交する平面で切断した際の断面形状において、上下方向が長い縦長の長方形に形成された周壁611と、その周壁611における高さ方向中間位置に、前後壁間に架け渡されるように一体形成された間仕切り壁612とを備える。なお間仕切り壁612は、後述の取付孔651が形成される部分を除いて、バンパーリインフォース61の長さ方向(車幅方向)に連続して形成されている。
バンパーリインフォース61における長さ方向の両側端部には、周壁611の前壁および後壁に、前後に貫通する取付孔615,615が形成されている。
この取付孔615の内周形状は、クラッシュボックス62の先端部の外周形状に対応して形成されており、取付孔615にクラッシュボックス62の先端部を遊挿できるようになっている。
クラッシュボックス62は、上記と同様、アルミニウムまたはその合金を素材とする押出加工品や引抜加工品等によって構成されている。
このクラッシュボックス62は、先端側および基端側の両端側が開口された中空筒状の周壁621を備えている。この周壁621は、軸心方向に垂直な平面で切断した断面形状において、丸みをおびた略正六角形状に形成されている。この周壁621は、上記図1に示す実施形態における衝撃吸収部材の外周壁1に相当するものである。
またクラッシュボックス62の内部には、断面視状態で、中心から径方向(放射状)に延びる6つの補強用間仕切り壁としてのリブ622…が周方向に等間隔おきに一体に形成されている。
リブ622は、クラッシュボックス2の軸心方向(前後方向)に連続して形成されている。従ってリブ622…の各間を介して、クラッシュボックス62はその先端側(前端側)開口と基端側(後端側)開口とが連通している。
この構成のクラッシュボックス62の先端部(前端部)が、バンパーリインフォース61の前後両壁の取付孔615,615に貫通配置された状態で、後に詳述する拡管加工によって、クラッシュボックス2の周壁21における取付孔615,615の前後に径方向外側(外径方向)に突出する凸部625…がそれぞれ形成される。そしてこの凸部625…がバンパーリインフォース61における取付孔615,615の周縁部に圧接係合することにより、クラッシュボックス62がバンパーリインフォース61に対し締結固定される。
なお第1実用例において、凸部625…は、リブ22…に対応する位置を除いて、クラッシュボックス62のほぼ全周にわたって周方向に沿って設けられている。換言すればクラッシュボックス62の外周面における取付孔615,615の前後位置に、周方向に延びる6つの凸部625…が周方向に等間隔おきに形成されている。
図17D〜図17Fに示すように、ステイ部材63は、アルミニウム、アルミニウム合金、または鋼材等によって構成されている。さらにステイ部材63は、例えばプレス加工、ダイカスト、鍛造等の成形加工品によって構成されている。
ステイ部材63は、カップ形状に形成されたカップ状部630の開口縁部に、外側(外径方向)に張り出すようにフランジ633が形成された略ハット型の形状を有している。カップ状部630は、筒状の周壁631と、その周壁631の基端側(後端側)開口を閉塞する態様に一体形成された底壁632とを有している。
このステイ部材63は、底壁632が、牽引フック等の部材を取付可能なブラケットとして機能するとともに、フランジ633が、車両構造体に固定可能なバンパーステイとして機能する。
ステイ部材63における周壁631は、クラッシュボックス62の基端部の内周形状に対応して略正六角形状に形成されている。従ってその周壁631内、つまりカップ状部630内にクラッシュボックス2の基端部を収容できるようになっている。換言すれば、ステイ部材63のカップ状部630を、クラッシュボックス62の基端部に外嵌できるようになっている。
ステイ部材63における底壁632の外面(後面)には、軸心方向をステイ部材3の軸心方向に一致させるようにして牽引フック取付用のナット65が設けられている。
このナット65におけるねじ孔651の先端側開口(前端側開口)は、ステイ部材63の底壁632の内面、つまりカップ状部630の内側に開放されている。従って、ステイ部材63の開口から挿入された牽引フック66の雄ねじ663を、ナット65のねじ孔651にねじ込めるようになっている。
なお、第1実用例においては、ナット65のねじ孔651によって、雌ねじが構成されている。
またステイ部材63の底壁632の中央部には、ナット65の取付領域を除いて、楔挿通孔635が形成されている。この楔挿通孔635は、後に詳述するように、拡管加工時に、楔683がステイ部材63の底壁632に干渉するのを防止するために設けられている。
ここで、第1実用例においては、この楔挿通孔635によって、金型干渉防止孔が構成されている。
なお、本発明において、ステイ部材63におけるフランジ633は、カップ状部630に対し必ずしも一体に形成しなくても良く、カップ状部およびフランジ(バンパーステイ)を別体で作製しておいて、適当な固定手段を用いて、両者を連結固定するようにしても良い。この場合には、カップ状部およびフランジ(バンパーステイ)をそれぞれ異なる素材により構成することができる。
同様に、本発明において、カップ状部630における底壁632は、周壁631に対し必ずしも一体に形成しなくても良く、周壁および底壁を別体に作製しておいて、適当な固定方法を用いて、両者を連結固定するようにしても良い。この場合には、周壁および底壁をそれぞれ異なる素材により構成することができる。
上記構成のステイ部材63が、そのカップ状部630内に一方側のクラッシュボックス62の基端部が収容されるように配置される。これにより、ステイ部材63の底壁632によって、クラッシュボックス62の基端側開口が閉塞される。なおこの状態において、ステイ部材63の底壁632の内面は、クラッシュボックス62の基端面に接触するように配置されている。
そしてこの状態で、後述の拡管加工によって、クラッシュボックス62の周壁621およびステイ部材63の周壁631に、外径方向にそれぞれ突出する凸部626,636が形成される。これによりクラッシュボックス62の凸部626がステイ部材63の凸部636の内側に圧入固定されて、ステイ部材63がクラッシュボックス62に締結固定される。
なお第1実用例において、凸部626,636は、リブ622…に対応する位置を除いて、クラッシュボックス62およびステイ部材63(カップ状部630)のほぼ全周にわたって周方向に沿って設けられている。換言すればクラッシュボックス62の基端側外周面およびステイ部材63の周壁631に、周方向に延びる6つの凸部626,636が周方向に等間隔おきに形成されている。
またこのようにステイ部材63がクラッシュボックス62の基端部に組み付けられた状態では、ステイ部材63のフランジ633は、クラッシュボックス62の基端部の所定位置において、外径方向に張り出すように配置される。
さらにステイ部材63の底壁632に設けられたナット65は、クラッシュボックス62内の隣り合ういずれか2つのリブ622,622間に対応して配置されるようになっている。従って、ナット65の取付部周辺は、クラッシュボックス62の上記いずれか2つのリブ622,622間を通じて、クラッシュボックス62の先端側開口に連通している。
図17Aの左側に配置されるクラッシュボックス62に設けられるバンパーステイ64は、アルミニウムまたはその合金製のプレート状の成形加工品によって形成されている。
図17Fに示すように、このバンパーステイ64には、その中央に取付孔646が形成されている。この取付孔646の内周形状は、他方側(図17Aの左側)のクラッシュボックス62の基端部の外周形状に対応して略正六角形状に形成されており、この取付孔646にクラッシュボックス62の基端部を遊挿できるようになっている。
そして、バンパーステイ64の取付孔646に他方側のクラッシュボックス62の基端部が貫通配置された状態で、後述の拡管加工によって、クラッシュボックス62の周壁621における取付孔646の前後に外径方向に突出する凸部626,626が形成される。これにより凸部626,626がバンパーステイ64における取付孔46の周縁部に圧接係合して、バンパーステイ64が他方側のクラッシュボックス62に対し締結固定される。
なお第1実用例において、他方側のクラッシュボックス62の凸部626は、リブ622…に対応する位置を除いて、クラッシュボックス62のほぼ全周にわたって周方向に沿って設けられている。換言すればクラッシュボックス62の外周面における取付孔646の前後位置に、周方向に延びる6つの凸部626が周方向に等間隔おきに形成されている。
第1実用例において、クラッシュボックス62,62にバンパーリインフォース61を連結固定する作業と、一方側のクラッシュボックス62にステイ部材63を連結固定する作業と、他方側のクラッシュボックス62にバンパーステイ64を連結固定する作業とは、拡管金型(エキスパンドダイ)を用いた拡管加工(エキスパンド加工)によって行う。
さらに第1実用例において、一方側のクラッシュボックス62にバンパーリインフォース61の一側部(図17Aの右側)を連結固定する作業(拡管加工)と、一方側のクラッシュボックス62にステイ部材63を連結固定する作業(拡管加工)とは同時に行う。なおこの拡管加工を第1実用例では、一方側の拡管加工と称する。
また第1実用例において、他方側のクラッシュボックス62にバンパーリインフォース61の他側部(図17Aの左側)を連結固定する作業(拡管加工)と、他方側のクラッシュボックス62にバンパーステイ64を連結固定する作業(拡管加工)とは、同時に行う。なおこの拡管加工を第1実用例では、他方側の拡管加工と称する。
図17Gは第1実用例のバンパービームを拡管金型を挿入した状態で示す平面図、図17Hはその正面図、図17Iは図17HのA−A線断面図、図17Iは図17HのB−B線断面図である。なお、発明の理解を容易にするために、図17Hの正面図は上下反転状態で示している。
これらの図に示すように、一方側の拡管加工を行う拡管金型67は、クラッシュボックス62におけるリブ622の各間にそれぞれ挿通される複数(6つ)の割型671…を備えている。各割型671…の断面形状は、リブ622…の各間の内周形状に対応して、略扇形状に形成されている。なお各割型671…は互いに同一の断面形状を有している。
また各割型671…の外周面には、クラッシュボックス62におけるバンパーリインフォース61側の凸部625,625を形成する位置に対応して、先端側成形用凸部675,675が形成されている。さらに各割型671…の外周面には、クラッシュボックス62およびステイ部材63の凸部626,636を形成する位置に対応して、基端側成形用凸部676が形成されている。
さらに各割型671…には、軸心に沿って、楔挿入部673…が設けられている。各割型671…の楔挿入部673…は、全部をまとめた状態で略正六角錐形状となるように、各楔挿入部673が略1/6六角錐形状にそれぞれ形成されている。
また拡管金型67を拡径駆動するマンドレル68は、各割型671…の楔挿入部673…に対応して、楔683…を有している。各楔683…は、先端側(挿入方向側)が先細り状に形成されて、各楔挿入部673…の内周形状に対応して形成されている。つまり楔683…は、全部をまとめた状態で略正六角錐形状となるように、各楔683が…略1/6正六角錐形状にそれぞれ形成されている。なお各楔683…の外周面におけるテーパ角は、各楔挿入部673…における内周面のテーパ角に等しく設定されている。
また、複数(6つ)の楔683のうち、ステイ部材63のナット65の位置に対応する楔683は、換言すれば、ステイ部材63の底壁632における楔挿入孔635が形成されない領域に対応する楔683は、その先端(挿入側端部)が切除されて、他の楔683よりも短く形成されている。これは、後に詳述するように、拡管金型67の楔683が、ステイ部材63の底壁632に干渉するのを防止するためである。
この構成の拡管金型67を用いて、一方側の拡管加工を行う場合には、一方側のクラッシュボックス62の先端部を、バンパーリインフォース61の一側部の取付孔615に貫通配置するとともに、一方側のクラッシュボックス62の基端部に、ステイ部材63のカップ状部630を外嵌する。なお、この外嵌時には、ステイ部材63の底壁632の内面を、一方側のクラッシュボックス62の基端面に当接させることにより、ステイ部材63のクラッシュボックス62に対する位置合わせを行うことができる。従って、ステイ部材63をクラッシュボックス62に外嵌するだけで、フランジ633がクラッシュボックス62に対して所望の位置に正確に配置される。
そしてその状態で図4G〜図4Jに示すように、拡管金型67の各割型671…をクラッシュボックス62内のリブ622…の各間にそれぞれ先端側(前端側)開口から挿入して配置する。この場合、各割型671の成形用凸部675,676を、クラッシュボックス62およびステイ部材63の凸部625,626,636を形成する予定の領域(凸部形成予定領域)に配置する。
この状態で、マンドレル68を軸心方向に押圧することにより、各楔683…を各割型671…の各楔挿入部673…内に強制的に押し込む。これにより割型671…を外径方向に移動させて、クラッシュボックス62およびステイ部材63の凸部形成予定領域を拡管加工(エキスパンド加工)する。
この拡管加工では、クラッシュボックス62およびステイ部材63の凸部形成予定領域が局所的に径方向に押し広げられて、クラッシュボックス62およびステイ部材63に、上記の凸部625,626,636が形成される。こうして、一方側のクラッシュボックス62およびバンパーリインフォース61の一側部の連結固定作業と、一方側のクラッシュボックス62およびステイ部材63の連結固定作業とが同時に行われる。
なお第1実用例において、マンドレル68を押込操作した際に、各楔683…がステイ部材63の底壁632に干渉するのを確実に防止することができる。すなわち既述したように、マンドレル68の複数(6つ)の楔683…のうち、ステイ部材63のナット65に対応する位置に配置される楔683は、その先端が切断されて、他の楔683よりも短く形成されている。さらにステイ部材63の底壁632におけるナット65が取り付けられていない領域には、楔挿通孔635が形成されている。このため、マンドレル68を押込操作した際に、ナット65に対応する楔683は、ナット65が取り付けられる底壁632に到達することがなく、ステイ部材63の底壁632やナット65に干渉するのを防止することができる。さらに他の楔683…は、楔挿通孔655に挿通されることにより、ステイ部材63の底壁632に干渉するのを防止することができる。
凸部625,626,636を成形した後は、マンドレル68を抜き取って、拡管金型67を縮径させてクラッシュボックス62から抜き取る。
他方側の拡管加工は、上記一方側の拡管加工と実質的に同様に行われる。この他方側の拡管加工において用いられる拡管金型67は、複数の割型683…が全て同じ長さのものが用いられる。さらに各割型683…における基端側成形用凸部676は、他方側のバンパーステイ64の取付孔646の前後に対応してそれぞれ設けられている。この他方側の拡管金型67において、その他の構成は、既述した一方側の拡管金型67と実施的に同様である。
また拡管加工の操作手順も実質的に同様である。すなわち他方側のクラッシュボックス62の先端部を、バンパーリインフォース61の他側部の取付孔615に貫通配置するとともに、他方側のクラッシュボックス62の基端部を、他方側のバンパーステイ64の取付孔646に貫通配置する。その状態で、拡管金型67の各割型671…をクラッシュボックス62内のリブ622…の各間にそれぞれ挿入配置して、マンドレル68を押し込む。これにより、クラッシュボックス62の凸部形成予定領域を局所的に拡管加工して、外径方向に突出する凸部625,626を形成する。こうして、他方側のクラッシュボックス62のバンパーリインフォース61の連結固定作業と、他方側のクラッシュボックス62のバンパーステイ64との連結固定作業とを同時に行う。
なお本発明においては、一方側および他方側のクラッシュボックス62,62内に拡管金型67,67を配置しておいて、同時にマンドレル68,68を圧入することにより、一方側の拡管加工と、他方側の拡管加工とを同時行うことができる。この場合には、生産性をさらに向上させることができる。
以上のように、クラッシュボックス62にバンパーリインフォース61、ステイ部材63およびバンパーステイ64が互いに連結固定されて、バンパービームが組み立てられる。
そしてこのバンパービームは、その一方側のクラッシュボックス62が、ステイ部材63のフランジ(バンパーステイ)633を介して車体に組み付けられるとともに、他方側のクラッシュボックス62が、バンパーステイ64を介して車体に組み付けられる。すなわち、フランジ633およびバンパーステイ64が、車両構造体としての図示しない両サイドフレーム(両サイドメンバ)の先端に、ボルト止めや溶接等によってそれぞれ固定される。これによりバンパービームが車体に組み付けられる。
このバンパービームが組み付けられた自動車において、衝突によってバンパーリインフォース61に衝撃が加わった際には、クラッシュボックス62が軸方向(車両前後方向)に圧縮変形し、その変形によって、衝撃エネルギーが吸収されるようになっている。
一方、図17D,図17Eに示すように、牽引フック66は、軸部661と、軸部661の先端に設けられたフック本体662と、軸部661の基端部(挿入側端部)に刻設された雄ねじ663を有している。
そして上記バンパービームが組み付けられた自動車に、牽引フック66を取り付ける場合には、一方側のクラッシュボックス62の先端側開口を介して、雄ねじ663側を挿入側として牽引フック66の軸部661を、クラッシュボックス62における上記所定のリブ622,622間に挿入する。そして牽引フック66の雄ねじ663がナット65に到達したところで、牽引フック66を回転させて、雄ねじ663をナット65のねじ孔651にねじ込んで固定する。これにより、フック本体662がクラッシュボックス62の先端(前端)よりも前方に配置された状態で、牽引フック66が車体に組み付けられる。
また牽引フック66を取り外す場合には、上記と逆の操作を行えば良い。すなわち牽引フック66を回転させてねじを緩めていき、雄ねじ663をナット65から外してから、牽引フック66をクラッシュボックス62の先端側開口から抜き取れば良い。
なお、上記第1実用例においては、ステイ部材63として、その底壁632の外面(後面)にナット65が配置されたものを用いているが、それだけに限られず、本発明においては、図17Kに示すように、ナット65をステイ部材63の底壁632における内面(前面)に配置するようにしても良い。
この場合には、ステイ部材3をクラッシュボックス2に連結固定するために、図17Lに示すような拡管金型67を使用するのが良い。
すなわち、ステイ部材63の底壁632の内面に配置されたナット65は、クラッシュボックス62内における基端位置よりも先端側に配置されるため、拡管金型67の割型671が、ナット65に干渉することにより、割型671を挿入することができないおそれがある。このため図17Kに示す変形例では、拡管金型67の複数の割型671…のうち、ナット65に対応する割型671として、その先端(挿入側端部)を切除した短いのものを用いている。
また上記第1実用例においては、拡管金型としてマンドレルを金型に押し込むpush式の拡管金型を用いているが、それだけに限られず、本発明は、拡管加工が可能であれば、どのような拡管金型を用いても良い。例えばマンドレルを金型から引き込むpull式の拡管金型を用いるようにしても良い。
図17Mはこの発明の第2実用例である車両用バンパービームにおける一方側のクラッシュボックス周辺を牽引フック取付状態で示す側面断面図、図17Nは図17Mの一点鎖線で囲まれた部分を拡大して示す断面図である。
これらの図に示すように、この第2実用例の車両用バンパービームに用いられるステイ部材63は、カップ状部630における周壁631の内径サイズが、上記第1実用例の周壁631よりも大きく形成されて、そのカップ状部630内に、クラッシュボックス2の基端側を余裕をもって収容できるようになっている。さらにステイ部材63の開口縁部には、内径方向に張り出す態様に内向きフランジ状の抜け止め突起634が周方向の全域にわたって形成されている。
そして、ステイ部材63のカップ状部630にクラッシュボックス62の基端側が収容された状態で、クラッシュボックス62の周壁21におけるカップ状部630に対応する位置に、拡管金型67を用いた拡管加工によって、外径方向に突出する凸部626が形成される。この構造においては、抜け止め突起634が凸部626に係止することにより、ステイ部材63がクラッシュボックス62に対し後方へ移動するのが規制されて抜け止めが図られる。また言うまでもなく、ステイ部材63の底壁632が、クラッシュボックス62の基端面に当接係止することにより、ステイ部材63がクラッシュボックス2に対し前方へ移動するのが規制されている。こうしてステイ部材63がクラッシュボックス62に対し前後方向への移動が規制された状態で連結固定されている。
なおこの拡管加工においては、ステイ部材63の周壁631に凸部が形成されることはない。
この第2実用例のバンパービームにおいて、他の構成は、上記第1実用例のバンパービームと実質的に同様であるため、同一または相当部分に同一符号を付して重複説明は省略する。
図17Oはこの発明の第3実用例である車両用バンパービームにおける一方側のクラッシュボックス周辺を牽引フック取付状態で示す側面断面図である。
同図に示すように、この第3実用例では、ステイ部材63をクラッシュボックス62に対し接着材637を用いて連結するものである。すなわちこの第3実用例においては、クラッシュボックス62およびステイ部材63に拡管加工による凸部を形成せずに、クラッシュボックス62の周壁外面とステイ部材63の周壁内面とを接着材637を介して接着している。
接着材637としては、ステイ部材63がクラッシュボックス62に対し抜け出さない程度に接着できるものであれば良く、一般的なものを使用することができる。すなわちステイ部材63の底壁632に作用する軸心方向(車両前後方向)の力は、クラッシュボックス62およびステイ部材3の周壁間に直接作用せず、ステイ部材63のフランジ633を介して車両構造体等に作用するため、クラッシュボックス62およびステイ部材63の周壁間の接合強度は小さくても良い。従って、両部材62,63の周壁間は、ごく一般的な周知の接着材637を用いて接着固定することができる。
この第3実用例において、他の構成は、上記第1,2実用例と実質的に同様であるため、同一または相当部分に同一符号を付して重複説明は省略する。
図17Pはこの発明の第4実用例である車両用バンパービームにおける一方側のクラッシュボックス周辺を牽引フック取付状態で示す側面断面図である。
同図に示すように、この第4実用例では、クラッシュボックス62およびステイ部材63の両周壁621,631の対応部分を、周知の縮管金型を用いた縮管加工を行って局所的に内側に凹ませることにより、両周壁621,631の対応部分に、内径方向に突出する凸部628,638を形成する。こうしてステイ部材63の凸部638をクラッシュボックス26の凸部628の内側に圧入固定し、ステイ部材63をクラッシュボックス62に連結固定するものである。
なお第4実用例において、内向き凸部628,638は、リブ622…に対応する位置を除いて、クラッシュボックス62およびステイ部材63のほぼ全周にわたって周方向に沿って設けられている。換言すればクラッシュボックス62の基端側外周面およびステイ部材63の周壁631に、周方向に延びる6つの内向き凸部628,638が周方向に等間隔おきに形成されている。
第4実用例において、他の構成は上記第1〜3実用例等と実質的に同様であるため、同一または相当部分に同一符号を付して重複説明は省略する。
図18Aはこの発明の第5実用例である車両用バンパービームにおける一方側のクラッシュボックス周辺を牽引フック取付状態で示す側面断面図、図18Bはその分解斜視図である。
両図に示すように、牽引フック66を取り付けるためのフック取付部材75は、アルミニウム、その合金、または鋼材等によって構成されている。さらにフック取付部材75は、例えばプレス成形、ダイカスト、鍛造等の成形品によって構成されている。
このフック取付部材75は、カップ状の形状を有しており、筒状の周壁751と、その周壁751の基端側(後端側)開口を閉塞する態様に一体形成される底壁752とを備えている。
フック取付部材75における周壁751は、クラッシュボックス62の基端部の内周形状に対応して略正六角形状に形成されている。そしてその周壁751内にその先端側(前端側)開口からクラッシュボックス62の基端部を遊挿できるようになっている。換言すれば、フック取付部材75の周壁751を、クラッシュボックス62の基端部に外嵌できるようになっている。
フック取付部材75における底壁752の外面(後面)には、軸心方向をフック取付部材75の軸心方向に一致させるようにして牽引フック取付用のナット753が設けられている。このナット753におけるねじ孔754の先端開口(前端開口)は、フック取付部材75の底壁751の内面、つまりフック取付部材75の周壁751の内側に開放されている。従って、フック取付部材5の先端側(前端側)開口から挿入された牽引フック66の雄ねじ663を、ナット753のねじ孔754にねじ込めるようになっている。
なお本実施形態においては、ナット753のねじ孔754によって、雌ねじが構成されている。
また底壁752の中央部に、ナット753の取付領域を除いて、楔挿通孔755が形成されている。この楔挿通孔755は、拡管加工時に、拡管用金型としての楔がフック取付部材75の底壁752に干渉するのを防止するために設けられている。
上記構成のフック取付部材75が一方側のクラッシュボックス62の基端部に外嵌される。すなわちフック取付部材75における周壁751内にその先端側開口から一方側のクラッシュボックス62の基端部が挿入されて、フック取付部材75の底壁752がクラッシュボックス62の基端側開口を閉塞する態様に配置される。
さらにこのようにフック取付部材75がクラッシュボックス62の基端部に外嵌した状態では、フック取付部材75のナット753は、クラッシュボックス62内の隣り合ういずれか2つのリブ622,622間に対応して配置されるようになっている。従って、ナット753は、クラッシュボックス62の上記いずれか2つのリブ622,622間を通じて、クラッシュボックス62の先端開口に連通している。
バンパーステイ73は、アルミニウムまたはその合金製のプレート状の成形品によって形成されている。
バンパーステイ73の中央には、取付孔736が形成されている。バンパーステイ73の取付孔736の内周形状は、フック取付部材75における周壁751の内周形状に対応して形成されており、この取付孔736にフック取付部材75の周壁751を遊挿できるようになっている。
そして上記したように、一方側のクラッシュボックス62の基端部に外嵌されたフック取付部材75における周壁751が、一方側のバンパーステイ73の取付孔736に貫通配置される。その状態で、上記と同様な拡管加工によって、クラッシュボックス62の周壁621およびフック取付部材75の周壁751における取付孔736の前後に、外径方向にそれぞれ突出する凸部626,626,756,756が形成される。これによりクラッシュボックス62の凸部626,626がフック取付部材75の凸部756,756の内側に圧入されて、フック取付部材75がクラッシュボックス62に固定される。さらにフック取付部材75の凸部756,756がバンパーステイ63における取付孔636の周縁部に圧接係合して、そのバンパーステイ63がフック取付部材75に固定される。こうしてクラッシュボックス62にフック取付部材75およびバンパーステイ73が連結固定される。
第5実用例において、他の構成は上記第1〜4実用例等と実質的に同様であるため、同一または相当部分に同一符号または相当符号を付して重複説明は省略する。
以上説明した第1〜第5実用例のバンパービームにおいては、クラッシュボックス62に、拡管部である凸部625,626または縮管部である凹部628を形成して、バンパーリインフォース61やバンパーステイ73に固定するようにしている。このため、クラッシュボックス62が塑性変形して衝突エネルギーを吸収する際に、この拡管部や縮管部が塑性変形時の起点となり、クラッシュボックス62が蛇腹状にスムーズに変形する。従って、初期荷重が過度に高くならず初期荷重の値と平均荷重の値との差を小さくすることができる。
また上記第1〜第5実用例のバンパービームにおいては、クラッシュボックス62に塑性変形時の基点となる弱部を形成するための専用の工程を設ける必要がなく、工程数の削減およびコストの削減を図ることができる。
さらにこのバンパービームにおいては、バンパーリインフォース61にクラッシュボックス62を接合する金型拡管接合部が塑性変形時の起点となる弱部として機能するため、クラッシュボックス62が塑性変形する際の初期荷重と平均荷重との差を、より一層小さくすることができる。
また上記第1〜第5実用例のバンパービームにおいては、バンパーリインフォース61にクラッシュボックス62を溶接により接合する場合のように熱による悪影響を受けることがない。その上さらに第1〜第5実用例のバンパービームにおいては、バンパーリインフォース61にクラッシュボックス62をボルトとナットにより締結する場合のようにデットストロークが発生することもない。
また上記第1〜第5実用例のバンパービームの製造方法においては、拡管金型を用いて、拡管部等を形成しているため、既述したように、塑性変形時の初期荷重と平均荷重との差が小さいバンパービームを、低コストで製造することができる。例えば、アルミニウム合金押し出し材の電磁成形による拡径方法においては、アルミニウム合金押し出し材の内側に電磁成形用コイル体を挿入し、電磁成形用コイル体に瞬間大電流を流すことにより拡径している。この電磁成形による拡径方法は、本発明のクラッシュボックスのように外壁部内にリブ622が形成されているような場合には用いることが困難である。
これに対して上記第1〜第5実用例によるバンパービームの製造方法は、クラッシュボックスの外壁部内にリブが設けられているような本発明のクラッシュボックスに確実に適用することができ、上記の効果を奏するバンパービームを確実に製造することができる。
もっとも、本発明においては、衝撃吸収部材であるクラッシュボックスと、バンパーリインフォースおよびバンパーステイとの連結方法は特に限定されない。例えばクラッシュボックスと、バンパーリインフォースおよびバンパーステイとを溶接や接着剤により連結したり、ボルトおよびナットの締結により連結するようにしても良い。
なお、本発明の衝撃吸収部材は、大型車両のフロントアンダーランプロテクタのクラッシュボックス、歩行者保護用や乗務員保護用のクラッシュボックスにも適用することができる。
また、上記実施形態においては、外周壁の断面形状が略正六角形状の衝撃吸収部材を例に挙げて説明したが、本発明は、それだけに限られず、本発明は、断面形状が多角形状のものであればどのような衝撃吸収部材にも適用することができる。もっとも、座屈変形時の挙動の安定性等を考慮すると、外周壁が正五角形〜正八角形の衝撃吸収部材、特に上記実施形態のように外周壁が正六角形状の衝撃吸収部材を採用するのが好ましい。
以下に、本発明に関連した実施例と、本発明の要旨を逸脱する比較例とについて説明する。
Figure 2013024883
Figure 2013024883
実施例1〜8および比較例1〜6のサンプルモデルについて、軸方向に圧縮変形させたときの変形状態(変形形態)を有限要素法解析ソフト「LS−DYNA」を用いてFEM解析を行った。各サンプルモデルの素材は、基本断面が略正六角形状で外径寸法(外寸)が90mm、長さが200mmのアルミニウム合金押出形材とした。素材降伏強度は、180MPaとした。
さらに各サンプルモデルの軸方向に垂直な断面状態における半辺部の長さL、頂点円弧部3における外周面の曲率半径R、R/L、リブ肉厚ta、外壁肉厚tb、tb/taは、表1に示す通りに設定した。
さらに中心P0から仮想頂点Cまでの距離M0、頂点P3からその両側のリブ接続点P2,P2間を結ぶ仮想の直線P2−P2までの最短距離M、M/M0、M/L、M×tbは、表2に示す通りであった。
なお、半辺部の長さLは25.98mmであり、距離M0は12.99mmであった。
このような設定条件の下で、各サンプルモデルの押出形材に対し長手方向両端部に剛体壁を設定し、一方の剛体壁を軸方向へ圧縮させる方向に強制移動させる方法を採用し、そのときの変形状態を上記のFEM解析によって測定した。
その解析結果から得られた荷重−変位線図を図5A〜図5I(実施例1〜9)および図6A〜図6F(比較例1〜6)に示す。さらに各実施例および各比較例の荷重−変位線図から、変位量(ストローク)が15mm〜150mmの区間における最大荷重、平均荷重を読み取って、最大荷重に対する平均荷重の比(平均荷重/最大荷重)を算出した。これらの結果を表1に併せて示す。
また上記の解析結果から、各実施例および各比較例のサンプルモデルの座屈変形時における変位量100mm時点での断面視での変形状態を求め、以下の「A」と「B」との2つの状態に分類した。
状態「A」は、図3Aの破線に示すように、外周壁1におけるリブ接続点P2および頂点P3に対応する位置をそれぞれ節とし、各半辺部2a,2bがその各中間点を腹として、座屈変形した状態であって、頂点P3を挟んで隣り合う半辺部2a,2bが、径方向において互いに異なる方向に凹凸変形し、かつ凹変形部と、凸変形部とが周方向に沿って交互に並んだ状態である。なおこの状態「A」では、各半辺部2a,2bは、それぞれ個々に座屈変形する屈曲変形部として機能するものである。
状態「B」は、図3Bの破線に示すように、外周壁1におけるリブ接続点P2に対応する位置をそれぞれ節とし、頂点P3を挟んで隣り合う2つの半辺部2a,2bが各頂点P3を腹として、座屈変形した状態であって、頂点P3を挟んで隣り合う2つの半辺部2a,2bが、径方向において共に同方向に凹凸変形した状態である。なおこの状態「B」では、頂点P3を挟んで隣り合う2つの半辺部2a,2bが、一つの屈曲変形部として機能するものである。
表1にはこれらの座屈変形時の変形状態の結果も併せて示している。
また図7Aに実施例3のサンプルモデルにおいて変位量100mm時点での変形状態を破線で追記した断面図を示し、図7Bにその変形状態の斜視図を示す。
同様に図8Aおよび図8Bに実施例6のサンプルモデルにおける断面図および斜視図を示し、図9Aおよび図9Bに実施例7のサンプルモデルにおける断面図および斜視図を示し、図10Aおよび図10Bに実施例9のサンプルモデルにおける断面図および斜視図を示す。なお発明の理解を容易にするため、上記図3Aと、図8Aとは同じ図面を用いている。
また図11Aおよび図118Bに比較例1のサンプルモデルにおける断面図および斜視図を示し、図12Aおよび図12Bに比較例2のサンプルモデルにおける断面図および斜視図を示し、図13Aおよび図13Bに比較例4のサンプルモデルにおける断面図および斜視図を示し、図14Aおよび図14Bに比較例6のサンプルモデルにおける断面図および斜視図を示す。なお発明の理解を容易にするため、上記図3Bと、図11Aとは同じ図面を用いている。
<評価>
表1等から明らかなように、各実施例のサンプルモデルにおいては、座屈変形時の変形状態が全て「A」の状態となっている。さらに各実施例のサンプルモデルは、最大荷重に対する平均荷重の比が大きく、平均荷重も比較的大きいものであり、衝撃吸収特性に優れていると言える。
また表2から明らかなように、実施例のサンプルモデルは全て、M/M0=0.75〜0.99の関係、0.35≦M/L<0.5の関係、5.0<M×tbの関係を満たしていた。
これに対し、比較例のサンプルモデルにおいては、座屈変形時の変形状態が全て「B」の状態となっている。さらに比較例1〜3,5,6のサンプルモデルは、最大荷重に対する平均荷重の比が、実施例に比べて小さく、衝撃吸収特性に劣っていると思われる。なお、比較例4のものは、平均荷重/最大荷重が比較的大きいものではあるが、平均荷重が小さいため、十分な衝撃エネルギーを吸収するのが困難であり、衝撃吸収特性に劣っていると思われる。
また比較例1のサンプルモデルは、M/M0=1.00であり、M/M0=0.75〜0.99の関係を満たしていなかった。さらに比較例2のサンプルモデルは、M/Lが0.32であり、0.35≦M/L<0.5の関係を満たしていなかった。さらに比較例3,4のサンプルモデルは、M×tbがそれぞれ2.97,4.95であり、5.0<M×tbの関係の関係を満たしていなかった。
図15は実施例および比較例の解析結果に基づいて作成した半辺部長さLに対する頂点円弧部3の曲率半径Rの比(R/L)と、最大荷重に対する平均荷重の比(平均荷重/最大荷重)との関係を示すグラフである。同グラフから明らかなように、R/Lが0を超えて、1.15に満たないもの、特に0.77(実施例6)以下のものでは、平均荷重/最大荷重が0.85以上もあり、衝撃吸収特性に優れている。特に、R/Lが0.05以上、0.25以下のものでは、平均荷重/最大荷重がより一層大きく、より一層衝撃吸収特性に優れている。
図16は実施例および比較例におけるリブ肉厚taに対する外周壁肉厚tbの比(tb/ta)と、平均荷重/最大荷重との関係を示すグラフである。同グラフから明らかなように、tb/taが0.25(比較例4に相当)を超え、かつ、0.875(比較例5に相当)に満たないものでは、平均荷重/最大荷重が大きく、衝撃吸収特性に優れている。
本願は、2011年8月17日付で出願された日本国特許出願の特願2011−178432号の優先権主張を伴うものであり、その開示内容は、そのまま本願の一部を構成するものである。
ここに用いられた用語及び表現は、説明のために用いられたものであって限定的に解釈するために用いられたものではなく、ここに示され且つ述べられた特徴事項の如何なる均等物をも排除するものではなく、この発明のクレームされた範囲内における各種変形をも許容するものであると認識されなければならない。
本発明は、多くの異なった形態で具現化され得るものであるが、この開示は本発明の原理の実施例を提供するものと見なされるべきであって、それら実施例は、本発明をここに記載しかつ/または図示した好ましい実施形態に限定することを意図するものではないという了解のもとで、多くの図示実施形態がここに記載されている。
本発明の図示実施形態を幾つかここに記載したが、本発明は、ここに記載した各種の好ましい実施形態に限定されるものではなく、この開示に基づいていわゆる当業者によって認識され得る、均等な要素、修正、削除、組み合わせ(例えば、各種実施形態に跨る特徴の組み合わせ)、改良及び/又は変更を有するありとあらゆる実施形態をも包含するものである。クレームの限定事項はそのクレームで用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプロセキューション中に記載された実施例に限定されるべきではなく、そのような実施例は非排他的であると解釈されるべきである。
この発明の衝撃吸収部材は、自動車用のバンパービームのクラッシュボックス等に適用可能である。
1:外周壁
2:辺部
2a,2b:半辺部
3:頂点円弧部
5,622:リブ
10,61:バンパーリインフォース
30,62:クラッシュボックス
ta:リブ肉厚
tb:外周壁肉厚
C:仮想頂点
L:半辺部長さ
P2:リブ接続点
P3:頂点
R:頂点円弧部の曲率半径

Claims (14)

  1. 軸方向に圧縮変形することによって衝撃エネルギーを吸収するようにした襲撃吸収部材であって、
    軸方向に垂直な断面が多角形状で、複数の辺部を有する外周壁と、
    前記外周壁の内側において、軸心から放射状に延び、かつ各辺部の中間位置にそれぞれ接続される複数のリブと、を備え、
    前記外周壁の外周面上における隣り合う辺部の境界位置を頂点とし、前記外周壁の外周面上における各辺部の中間位置をリブ接続点とし、各辺部をリブ接続点を境に2つに区分けした部分をそれぞれ半辺部としたとき、
    軸方向に圧縮変形する際に、外周壁におけるリブ接続点および頂点に対応する位置をそれぞれ節とし、かつ各半辺部の中間部を腹として、頂点を挟んで隣り合う2つの半辺部が、径方向において互いに異なる方向に凹凸変形しつつ、軸方向に繰り返し座屈変形するようにしたことを特徴とする衝撃吸収部材。
  2. 座屈変形時に、軸方向に垂直な断面視の状態で、外径方向に張り出し変形した半辺部と、内径方向に凹み変形した半辺部とが周方向に沿って交互に並んで配置されるようになっている請求項1に記載の衝撃吸収部材。
  3. 前記外周壁の頂点周辺が、曲率半径を有する円弧状の頂点円弧部として構成される請求項1または2に記載の衝撃吸収部材。
  4. 頂点を挟んで隣り合う2つの半辺部における両直線状部外周面の仮想延長線が交わる点を仮想頂点とし、その仮想頂点から近傍のリブ接続点までの長さを半辺部長さと規定し、
    前記半辺部長さを「L」、前記頂点円弧部における外周面の曲率半径を「R」としたとき、
    0<R/L≦1.15の関係が成立するよう調整される請求項3に記載の衝撃吸収部材。
  5. 頂点を挟んで隣り合う2つの半辺部における両直線状部外周面の仮想延長線が交わる点を仮想頂点として、その仮想頂点から中心までの距離を「M0」、前記頂点からその頂点の両側に位置する2つのリブ接続点を結ぶ仮想直線までの最短距離を「M」としたとき、
    M/M0=0.75〜0.99の関係が成立するよう調整される請求項3または4に記載の衝撃吸収部材。
  6. 頂点を挟んで隣り合う2つの半辺部における両直線状部外周面の仮想延長線が交わる点を仮想頂点とし、その仮想頂点から近傍のリブ接続点までの長さを半辺部長さと規定し、
    前記半辺部長さを「L」、前記頂点からその頂点の両側に位置する2つのリブ接続点を結ぶ仮想直線までの最短距離を「M」としたとき、
    0.35≦M/L<0.5の関係が成立するよう調整される請求項3〜5のいずれか1項に記載の衝撃吸収部材。
  7. 頂点からその頂点の両側に位置する2つのリブ接続点を結ぶ仮想直線までの最短距離を「M」、前記外周壁の肉厚を「tb」としたとき、
    5.0<M×tbの関係が成立するよう調整される請求項1〜6のいずれか1項に記載の衝撃吸収部材。
  8. 前記外周壁の肉厚が前記リブの肉厚よりも薄く形成される請求項1〜7のいずれか1項に記載の衝撃吸収部材。
  9. 前記リブの肉厚を「ta」とし、前記外周壁の肉厚を「tb」としたとき、
    0.25<tb/ta<0.875の関係が成立するよう調整される請求項8に記載の衝撃吸収部材。
  10. 外周壁が6つの辺部を有する断面正六角形状に形成される請求項1〜9のいずれか1項に記載の衝撃吸収部材。
  11. アルミニウムまたはその合金製の押出形材または引き抜き形材によって構成される請求項1〜10のいずれか1項に記載の衝撃吸収部材。
  12. 軸方向に圧縮変形することによって衝撃エネルギーを吸収するようにした襲撃吸収部材であって、
    軸方向に垂直な断面が多角形状で、複数の辺部を有する外周壁と、
    前記外周壁の内側において、軸心から放射状に延び、かつ各辺部の中間位置にそれぞれ接続される複数のリブと、を備え、
    前記外周壁の外周面上における隣り合う辺部の境界位置を頂点とし、前記外周壁の外周面上における各辺部の中間位置をリブ接続点とし、各辺部をリブ接続点を境に2つに区分けした部分をそれぞれ半辺部としたとき、
    軸方向に圧縮変形する際に、外周壁におけるリブ接続点および頂点に対応する位置をそれぞれ節とし、かつ各半辺部の中間部を腹として、各半辺部が径方向に凹凸変形しつつ、軸方向に繰り返し座屈変形するように構成され、
    軸方向に圧縮変形する際における最大荷重が70kN以上、平均荷重/最大荷重が0.85以上に調整されていることを特徴とする衝撃吸収部材。
  13. バンパーリインフォースを車両構造体に支持する車両用クラッシュボックスであって、
    請求項1〜12のいずれか1項に記載の衝撃吸収部材によって構成され、
    前記バンパーリインフォースに加わる衝撃エネルギーを吸収するようにしたことを特徴とする車両用クラッシュボックス。
  14. 車幅方向に沿って配置されるバンパーリインフォースと、
    前記バンパーリインフォースを車両構造体に支持するクラッシュボックスとを備え、
    前記クラッシュボックスが、請求項1〜12のいずれか1項に記載の衝撃吸収部材によって構成され、
    前記バンパーリインフォースに加わる衝撃エネルギーを前記クラッシュボックスにより吸収するようにしたことを特徴とするバンパービーム。
JP2013529031A 2011-08-17 2012-08-16 衝撃吸収部材 Pending JPWO2013024883A1 (ja)

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