JP5322882B2 - バンパーステイの製造方法及びステイ付きバンパーの製造方法 - Google Patents
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このため、例えば特許文献5のように、衝突時に大荷重が負荷されたとき圧壊の起点となる変形部をバンパーステイに形成し、初期最大荷重のピークを抑えることが提案されている。
中空材の前記突起に対応する箇所(凹部)は、前記突起により拡径を止められた後、中空材の他の領域がさらに拡径するのに伴って周囲から引張作用を受け、歪みが入る(薄肉化する)が、その程度は大きくなく加工硬化の程度も小さい。一方、中空材の凹部以外の箇所(以下、筒状部ともいう)は、貫通穴の対応する内周面に衝突し、該箇所には拡径の程度に応じた歪みが入って加工硬化する。
一方、凹部に導入される歪みは、例えば前記特許文献5の図1に示された中空材の変形部(凸部4a,4b等)に比べて小さく、加工硬化の程度も小さいから、凹部の材料強度は同文献の変形部(凸部4a,4b等)ほどには増大せず、大荷重付加時に一層確実に圧壊の起点となり得る。これにより、バンパーステイの初期最大荷重のピークを抑え、エネルギー吸収効率を向上させることができる。
図3及び図4(b)は、本発明によって製造されるバンパーステイの一例を示すもので、このバンパーステイ1は円筒状の軸部2と両端のフランジ3,4からなる。フランジ3は図示しないバンパーリインフォースへの取付部となるもので、軸部2の軸方向に垂直な面に対し所定角度傾斜している。この傾斜角度は、バンパーリインフォース両端部のステイ取付部の車幅方向に対する傾斜角度と同じに設定されている。フランジ4は軸部2の軸方向に垂直であり、車体フレームのサイドメンバーへの取付部となる。軸部2の周壁に、凹部5が等角度間隔で4箇所、フランジ3に平行な周線(仮想)に沿って形成されている。この凹部5は軸部2の周壁において略四角形状に窪んでいる。凹部5は軸部2の外周側からみた形態であり、内周側からみた形態は突起である。
図1及び図4(a)に示すように、この方法に使用する電磁成形用金型6は中心部に貫通穴7を有し、中空材1Aが貫通穴7内に配置され、その両方の端部が電磁成形用金型7の端面8,9から所定長さ突出している。端面8の貫通穴7の軸方向に垂直な面に対する傾斜角度は、フランジ3の軸部2の軸方向に垂直な面に対する傾斜角度と同じに設定され、端面9は貫通穴7の軸方向に垂直に設定されている。
このバンパーステイ12,13を製造するには、溝状の凹部5を中空材の周壁に転写するために、貫通穴の内周面にビード状の突起が形成された電磁成形用金型を用いる必要がある。
図7に示すバンパーステイ14は、電磁成形による拡管で、軸部2の一方の端部(後方側端部)のみにフランジ4を形成した点で、図3に示すバンパーステイ1と異なり、他の点で同じである。そして、軸部2の前端部15の径はそれより後方側の径より小さく、この例では前端部15は電磁成形により拡径されておらず、元の中空材の径のままとされている。
このバンパーステイ14の成形(電磁成形による拡径及び凹部5の形成)には、例えば軸部2の前端部15の拡径を妨げる電磁成形用金型(例えば先端部15に対応する箇所で貫通穴の内径が元の中空材の外径とほぼ同じとなっている金型)を用いればよい。
図8はバンパーステイ23をバンパーリインフォース16に接合する工程(ステイ付きバンパーの製造)の一例を示すもので、バンパーステイ23の軸部2の前端部15は、バンパーリインフォース16の前後の縦壁19,17に形成された穴24,18に嵌挿され、先端が縦壁19の先に突出している。
なお、この方法はステイ取付部が中空断面以外のバンパーリインフォースに対しても適用可能である。また、軸部2の後端にフランジ4を形成する代わりに、フランジ部材(図9のフランジ部材25参照)を接合することもできる。電磁成形に際しバンパーリインフォース16の縦壁17を電磁成形用金型6の端面8に密着させたが、バンパーリインフォース16の位置決めが確実に行える限り、これは必須ではない。穴18をバーリング穴とするか、単なる打抜き穴にするかは任意である。
なお、軸部2の後端にフランジ4を形成する代わりに、フランジ部材(図9のフランジ部材25参照)を接合することもできる。また、電磁成形に際しバンパーリインフォース16の縦壁17を電磁成形用金型6の端面8に密着させたが、バンパーリインフォース16の位置決めが確実に行える限り、これは必須ではない。穴18,24を単なる打抜き穴にするか、バーリング穴とするかは任意である。
また、バンパーステイの前方側のフランジ又はフランジ部材は軸部に垂直な面に対し傾斜させていたが、バンパーリインフォースのステイ取付部が車幅方向に平行であれば、傾斜させる必要はない。
2 軸部
3,4 フランジ
5 凹部
6 電磁成形用金型
7 貫通穴
8,9 電磁成形用金型の端面
11 電磁成形用金型の貫通穴の内周面に形成された突起
16 バンパーリインフォース
17 後側の縦壁
18 縦壁17に形成した穴
19 前側の縦壁
24 縦壁19に形成した穴
25 フランジ部材
27 フランジ部材に形成した穴(バーリング穴)
33,36 ステイ付きバンパー
Claims (4)
- 電磁成形用金型の貫通穴内に配置したアルミニウム合金中空材の一方又は両方の端部を前記金型の端面から所定長さ突出させ、前記中空材を電磁成形により拡径し、前記端部周壁を拡開して前記中空材の端部に他部材への取付部となるフランジを形成するバンパーステイの製造方法において、前記電磁成形用金型が前記貫通穴の内周面に内向きの突起が形成されたものであり、前記中空材を電磁成形により拡径して前記内周面に密着させる一方、前記突起に対応する箇所の拡径を前記突起により妨げ、これにより前記中空材の周壁の成形を行うと同時に、前記周壁の一部に荷重付加時に圧壊の起点となる凹部を形成することを特徴とするバンパーステイの製造方法。
- 電磁成形用金型の貫通穴内に配置したアルミニウム合金中空材の一方又は両方の端部を前記金型の端面から所定長さ突出させて、所定位置に設置した板状のフランジ部材の穴に嵌挿し、前記中空材を電磁成形により拡径し、前記端部を前記フランジ部材の穴の内周面に密着させて、前記中空材の端部に他部材への取付部となる前記フランジ部材を接合するバンパーステイの製造方法において、前記電磁成形用金型が前記貫通穴の内周面に内向きの突起が形成されたものであり、前記中空材を電磁成形により拡径して前記内周面に密着させる一方、前記突起に対応する箇所の拡径を前記突起により妨げ、これにより前記中空材の周壁の成形を行うと同時に、前記周壁の一部に荷重付加時に圧壊の起点となる凹部を形成することを特徴とするバンパーステイの製造方法。
- 電磁成形用金型の貫通穴内に配置したアルミニウム合金中空材の一方の端部を前記金型の一方の端面から所定長さ突出させて、所定位置に設置したバンパーリインフォースの縦壁に形成した穴に嵌挿し、前記中空材を電磁成形により拡径し、前記中空材の前記端部を前記バンパーリインフォースの穴の内周面に密着させて、前記中空材の前記端部を前記バンパーリインフォースに接合するステイ付きバンパーの製造方法において、前記電磁成形用金型が前記貫通穴の内周面に内向きの突起が形成されたものであり、前記中空材を電磁成形により拡径して前記内周面に密着させる一方、前記突起に対応する箇所の拡径を前記突起により妨げ、これにより前記中空材の周壁の成形を行うと同時に、前記周壁の一部に荷重付加時に圧壊の起点となる凹部を形成することを特徴とするステイ付きバンパーの製造方法。
- 電磁成形用金型の貫通穴内に配置したアルミニウム合金中空材の一方の端部を前記金型の一方の端面から所定長さ突出させて、所定位置に設置した中空断面を有するバンパーリインフォースの前後の縦壁に形成した穴に嵌挿し、前記中空材を電磁成形により拡径し、前記中空材の端部を前記バンパーリインフォースの両穴の内周面に密着させて、前記中空材の前記端部を前記バンパーリインフォースに接合するステイ付きバンパーの製造方法において、前記電磁成形用金型が前記貫通穴の内周面に内向きの突起が形成されたものであり、前記中空材を電磁成形により拡径して前記内周面に密着させる一方、前記突起に対応する箇所の拡径を前記突起により妨げ、これにより前記中空材の周壁の成形を行うと同時に、前記周壁の一部に荷重付加時に圧壊の起点となる凹部を形成することを特徴とするステイ付きバンパーの製造方法。
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