JP2008068849A - バンパー構造体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バンパーリインフォース1の前方側に矩形断面の補強部材3が配置されている。バンパーリインフォース1の縦壁4,5に穴8,9が形成され、補強部材3の縦壁11,12に穴15,16が形成されている。バンパーステイ2の管状の軸部17が前記穴8,9,15,16の全てに嵌入してバンパーリインフォース1と補強部材3を前後方向に貫通し、軸部17が電磁成形により拡管されて前記穴の内周面に圧接し、軸部17の前端が拡開して拡開部19が形成され、軸部17は前記穴が形成された縦壁間の空間及び縦壁5の後方側において外径方向に張り出している(張出部21〜23)。
【選択図】 図1
Description
バンパーリインフォースによるエネルギー吸収を効率的に行うため、バンパーリインフォースに補強部材を取り付ける場合がある。例えば特許文献1〜3では、補強部材がバンパーリインフォースの中央部前面側に取り付けられ、特許文献4ではバンパーリインフォースの両端近傍の前面側に取り付けられ、特許文献5ではバンパーリインフォースの中央部及び両端近傍の前面側に取り付けられ、特許文献6ではバンパーリインフォースの中央部上面側又は下面側に取り付けられている。
また、補強部材は一般に溶接又はボルト結合によりバンパーリインフォースに取り付けられるが、バンパーリインフォースとバンパーステイを固定する工程に加えて、補強部材を取り付ける工程が余分に掛かる。さらに溶接による接合はコストが掛かり、衝突時に溶接ビードが割れるという問題がある。ボルト結合は衝突時にボルトがせん断破壊される可能性があり、またボルト結合する面の板厚を厚くして剛性を高くする必要があり、重量が大きくなる。
なお、本発明において、前はバンパーステイの軸方向でみればバンパーリインフォース側、後はサイドメンバ等の車体フレーム側を意味する。本発明はフロント側及びリア側のバンパー構造体に対し適用できる。
(1)前記補強部材は中空断面構造を有し、その中空断面部が前記バンパーリインフォースの前方側に配置され、前記中空断面部が前後の縦壁を有し、そのうち後方側の縦壁が前記バンパーリインフォースの縦壁に密着している。
(2)前記補強部材は中空断面構造を有し、その中空断面部が前記バンパーリインフォースの上方側又は/及び下方側に配置され、前記中空断面部が前後の縦壁を有し、かつその前方側の縦壁の延長部が前記バンパーリインフォースの前方側に位置し又は/及びその後方側の縦壁の延長部が前記バンパーリインフォースの後方側に位置している。
なお、上記(1)〜(3)の形態において、前記バンパーリインフォースは、例えば矩形断面(輪郭が矩形であればよい)又は溝形断面を有する。前記バンパーリインフォースが溝形断面を有する場合、該溝形断面と補強部材の縦壁により中空断面部が構成されることが望ましい。
(4)前記バンパーリインフォースは中空断面構造を有し、車幅方向両側部の前面側が斜めに切り落とされ、前記補強部材は前記バンパーリインフォースの切り落とされた箇所の前面側に宛われて前記バンパーリインフォースとともに中空断面を構成し、前記穴は前記中空断面を構成する縦壁に形成されている。この形態において、前記バンパーリインフォースは、例えば矩形断面(輪郭が矩形であればよい)を有する。
(5)前記軸部は前記穴が形成された縦壁のうち最も後方側の縦壁の後方側において外径方向に張り出している。
(6)前記バンパーステイの軸部の前端が嵌入する縦壁の穴が後方側に突出するバーリング穴であり、このバーリング穴に沿って前記拡開部が形成されている。
また、本発明に係るバンパー構造体では、補強部材とバンパーリインフォースの結合は、溶接やボルト結合を用いず、バンパーステイの拡管によって行われるので、溶接やボルト結合に基づく従来の問題は生じない。また、バンパーステイとバンパーリインフォースの結合と同時に、バンパーリインフォースと補強部材の接合を行うことができるので、工程数を増やさなくて済む。
図1(a),(b)に、前記(1)の形態のバンパー構造体の一例を示す。このバンパー構造体は、バンパーリインフォース1とこれを支持するバンパーステイ2、及び補強部材3からなる。
バンパーリインフォース1は、断面口形のアルミニウム合金押出材からなり、前方側の縦壁4、後方側の縦壁5、上方側の横壁6及び下方側の横壁7により構成され、両端から所定距離離れた箇所で曲げ加工されている。バンパーリインフォース1の車幅方向の所定位置(傾斜部)において、バンパーリインフォース1を前後方向に貫通する穴が縦壁4,5に形成(穴8,9)されている。なお、バンパーリインフォース1の断面は口形に限らず、日形、目形、田形など、輪郭が矩形の他の断面形状を有していても同様に用い得る。
軸部17は後方側から、バンパーリインフォース1の縦壁5,4に形成された穴9,8及び補強部材3の縦壁12,11に形成された穴16,15に嵌入して、バンパーリインフォース1と補強部材3を前後方向に貫通している。また、軸部17は縦壁4,5,11,12の箇所において前記穴8,9,15,16の内周面に圧接し、穴15の前方側に突出した前端が拡開して拡開部19が形成され、縦壁4,5間及び縦壁11,12間の空間において外径方向に張り出し(張出部21,22)、最も後方側の縦壁5の後方側において外径方向に張り出している(張出部23)。
なお、バンパーステイ2の軸部17の内部は中空であるので、牽引又はタイダウン時にその中空部に前方側から脱着式の牽引用フックを挿入し、固定することができる。より具体的にいえば、例えば取付用フランジ18にナットプレートを固定して、サイドメンバ先端のフランジに一緒にボルト止めしたり、取付用フランジ18をサイドメンバー先端のフランジにボルト止めするときにナットプレートを両フランジの間に挟んでボルト止めするなどして、バンパーステイ2の奥にナット部材を固定し、このナット部材に前記牽引用フックの先端をねじ込む(特願2006−212693参照)。
このバンパー構造体では、バンパーリインフォース1の前方側の縦壁11に後方側に突出するバーリング穴24が形成され、軸部17の前端がバーリング穴24内に嵌入し、かつ拡開してバーリング穴24の内周面に沿って拡開部25が形成されている。この拡開部25はバーリング穴24内に位置し、縦壁11の前面より前方側には突出していない。
補強部材3は、断面日形のアルミニウム合金押出材からなり、前方側の縦壁26、中間の縦壁27、後方側の縦壁28、上方側の横壁29及び下方側の横壁31により構成されている。補強部材3の後方側の中空断面部32(縦壁27,28、横壁29,31により構成される)にバンパーリインフォース1が嵌入し、前方側の中空断面部33(縦壁26,27、横壁29,31により構成される)がバンパーリインフォース1の前方側に配置されている。補強部材3を前後方向に貫通する穴が縦壁26〜28に形成(穴34〜36)され、この穴34〜36は、バンパーリインフォース1に形成された穴8,9と同一軸線上に位置している。これらの穴8,9,34〜36の径は同一である。
これにより、縦壁4,5,26〜28に形成された穴8,9,34〜36の内周面にバンパーステイ2の軸部が圧接し、かつ補強部材3の縦壁26が拡開部19と張出部22の間に挟まれ、補強部材3の縦壁27とバンパーリインフォース1の縦壁4が密着して張出部22,21の間に挟まれ、補強部材3の縦壁28とバンパーリインフォース1の縦壁5が密着して張出部21,23の間に挟まれ、バンパーリインフォース1と補強部材3にバンパーステイ2が強固に固定されるとともに、バンパーリインフォース1と補強部材3も強固に接合され、図3に示すバンパー構造体が形成される。
バンパーリインフォース1は、図1に示すバンパーリインフォース1と同じ断面口形のアルミニウム合金押出材からなるが、曲げ加工が行われていない。同じく車幅方向の所定位置において、バンパーリインフォース1を前後方向に貫通する穴が縦壁4,5に形成(穴8,9)されている。
バンパーステイ2の軸部17は、後方側から、バンパーリインフォース1の縦壁5,4に形成された穴9,8及び補強部材3の縦壁38,37に形成された穴45,44に嵌入し、バンパーリインフォース1と補強部材3を前後方向に貫通している。また、軸部17は縦壁4,5,37,38の箇所において前記穴8,9,44,45の内周面に圧接し、穴44の前方側に突出した前端が拡開して拡開部19が形成され、縦壁4,5間及び縦壁38,37間の空間において外径方向に張り出し(張出部21,22)、最も後方側の縦壁5の後方側において外径方向に張り出している(張出部23)。
これにより、縦壁4,5,37,38に形成された穴8,9,44,45の内周面にバンパーステイ2の軸部が圧接し、かつ補強部材3の縦壁37が拡開部19と張出部22の間に挟まれ、補強部材3の縦壁38とバンパーリインフォース1の縦壁4が密着して張出部22,21の間に挟まれ、バンパーリインフォース1の縦壁5が張出部21,23の間に挟まれ、バンパーリインフォース1と補強部材3にバンパーステイ2が強固に固定されるとともに、バンパーリインフォース1と補強部材3も強固に接合され、図4に示すバンパー構造体が形成される。
なお、このバンパー構造体では、バンパーリインフォース1が溝形断面部43に嵌入することにより、バンパーリインフォース1と補強部材3の位置決めが容易となり、かつ補強部材3の位置ずれ(バンパーステイ2の軸回りの位置ずれ)が防止される。
図8(a)において、バンパーリインフォース1は後方側が開いた溝形断面のアルミニウム合金押出材からなり、前方側に配置された縦壁46と上方側の横壁47及び下方側の横壁48により構成され、バンパーリインフォース1を前後方向に貫通する穴が縦壁46に形成されている(穴49)。補強部材3は断面目形のアルミニウム合金押出材からなり、前方側の縦壁51、中間の縦壁52、後方側の縦壁53、上方側の横壁54及び下方側の横壁55により構成され、補強部材3を前後に貫通する穴が縦壁51〜53に形成され(穴56〜58)、穴49,56〜58は同一軸線上に位置している。
補強部材3の後方側の中空断面部59(縦壁52,53,横壁54,55により構成される)にバンパーリインフォース1が嵌入し、前方側の中空断面部61(縦壁51,52,横壁54,55により構成される)がバンパーリインフォース1の前方側に配置され、バンパーリインフォース1の縦壁46、横壁47,48及び補強部材3の縦壁53により擬似的に矩形の中空断面部が構成されている。
補強部材3は、前方側の縦壁62、後方側の縦壁63、上方側の横壁64及び下方側の横壁65により構成され、これらにより矩形の中空断面部66が構成され、かつ縦壁62,63の前記中空断面部66からの延長部と横壁65により溝形断面部67が構成され、補強部材3を貫通する穴が、溝形断面部67において縦壁62,63(延長部)に形成されている(穴68,69)。
バンパーステイ2は、軸部17が後方側から、補強部材3の縦壁63に形成された穴69、バンパーリインフォース1の縦壁5,4に形成された穴9,8及び補強部材3の縦壁62に形成された穴68に嵌入して、バンパーリインフォース1と補強部材3を前後方向に貫通している。また、軸部17は縦壁4,5,62,63の箇所において穴8,9,68,69の内周面に圧接し、穴68の前方側に突出した前端が拡開して拡開部19が形成され、縦壁4,5間の空間において外径方向に張り出し(張出部21)、最も後方側の縦壁65の後方側において外径方向に張り出している(張出部23)。
これにより、縦壁4,5,62,63に形成された穴8,9,68,69の内周面にバンパーステイ2の軸部が圧接し、かつ補強部材3の縦壁62とバンパーリインフォース1の縦壁4が密着して拡開部19と張出部21の間に挟まれ、補強部材3の縦壁38とバンパーリインフォース1の縦壁4が密着して張出部22,21の間に挟まれ、バンパーリインフォース1の縦壁5と補強部材の縦壁63が密着して張出部21,23の間に挟まれ、バンパーリインフォース1と補強部材3にバンパーステイ2が強固に固定されるとともに、バンパーリインフォース1と補強部材3も強固に接合される。
図9(a)に示すバンパー構造体は、バンパーリインフォース1が、図5に示すバンパーリインフォース1と同じである。補強部材3は、前方側の縦壁71、後方側の縦壁72、上方側の横壁73及び下方側の横壁74からなり、これらにより矩形の中空断面部75が構成されている。補強部材3の縦壁71は中空断面部75からの延長部を有し、補強部材3を貫通する穴が、縦壁71(延長部)に形成されている(穴76)。
補強部材3の中空断面部75がバンパーリインフォース1の上方側に配置され、縦壁71(延長部)がバンパーリインフォース1の前方側に位置し、補強部材3に形成された穴76とバンパーリインフォース1に形成された穴8,9が同一軸線上に位置している。
補強部材3の中空断面部83がバンパーリインフォース1の上方側に配置され、縦壁77(延長部)がバンパーリインフォース1の後方側に位置し、補強部材3に形成された穴83とバンパーリインフォース1に形成された穴8,9が同一軸線上に位置している。
補強部材3の中空断面部89がバンパーリインフォース1の上方側に配置され、縦壁84がバンパーリインフォース1の前方側に位置し、縦壁85がバンパーリインフォース1の後方側に位置し、補強部材3に形成された穴92,93とバンパーリインフォース1に形成された穴8,9が同一軸線上に位置している。
図10(a)〜(d)に示すバンパー構造体において、バンパーリインフォース1は、図9(a)〜(d)に示すバンパー構造体のバンパーリインフォース1と同じであり、補強部材3は、図(a)〜(d)に示すバンパー構造体の補強部材3に対しそれぞれ中空断面部104〜107が付加された断面形状を有する点でのみ異なり、他は同じである。
これにより、縦壁46,108,109に形成された穴49,113,114の内周面にバンパーステイ2の軸部17が圧接し、かつ補強部材3の縦壁108と補強部材3の縦壁46が密着して拡開部19と張出部22の間に挟まれ、補強部材3の縦壁109が張出部21,23の間に挟まれ、バンパーリインフォース1と補強部材3にバンパーステイ2が強固に固定されるとともに、バンパーリインフォース1と補強部材3も強固に接合される。
図8(b)に示すバンパー構造体は、バンパーリインフォース1が、図1に示すバンパー構造体のバンパーリインフォース1と同じである。補強部材3は、図6に示すバンパー構造体の補強部材3と同じであり、矩形断面内にバンパーリインフォース1が嵌入している。
図8(c)に示すバンパー構造体は、バンパーリインフォース1が、図1に示すバンパー構造体のバンパーリインフォース1と同じである。補強部材3は、後方側が開いた溝形断面のアルミニウム合金押出材からなり、前方側に配置された縦壁115と上方側の横壁116及び下方側の横壁117により構成され、バンパーリインフォース1を前後方向に貫通する穴が縦壁115に形成されている(穴118)。補強部材3の溝形断面内にバンパーリインフォース1が嵌入している。
補強部材3はバンパーリインフォース1の切り落とし箇所119の前面側に宛われ、そこにバンパーリインフォース1とともに矩形断面を構成する(バンパーリインフォースと補強部材のこの構造については特開2006−151095号公報参照)。バンパーリインフォース1の後方側の縦壁5に形成された穴9と、補強部材3の縦壁121に形成された穴124は前後方向に同一軸線上に位置している。
これにより、縦壁5,121に形成された穴9,124の内周面にバンパーステイ2の軸部17が圧接し、かつ補強部材3の縦壁108が拡開部19と張出部21の間に挟まれ、バンパーリインフォース1の縦壁5が張出部21,23の間に挟まれ、バンパーリインフォース1と補強部材3にバンパーステイ2が強固に固定されるとともに、バンパーリインフォース1と補強部材3も強固に接合される。
また、以上説明したバンパー構造体では、バンパーリインフォース及び補強部材としてアルミニウム合金押出材を用いたが、これに代えて鋼製の部材を用いることができる。
2, バンパーステイ
3, 補強部材
4,5,46 バンパーリインフォースの縦壁
11,12,26〜28,37,38,62,63,121 補強部材の縦壁
8,9,15,16,24,34,35,44,45,49,68,69,113,114,118,124, 縦壁に形成された穴
17 バンパーステイの軸部
19,25 拡開部
21〜23 張出部
32、33,42,66 中空断面部
43,67 溝形断面部
Claims (4)
- バンパーリインフォースとバンパーステイ、及び前記バンパーリインフォースに接合して前記バンパーリインフォースを補強する補強部材からなるバンパー構造体において、前記バンパーリインフォースを前後方向に貫通する穴が前記バンパーリインフォースの縦壁に形成され、前記バンパーリインフォースに形成された穴と同一軸線上に、前記補強部材を前後方向に貫通する穴が前記補強部材の縦壁に形成され、前記バンパーステイの管状の軸部が前記穴の全てに嵌入して前記バンパーリインフォースと補強部材を前後方向に貫通し、かつ前記軸部が前記穴の内周面に圧接し、前記軸部の前端が拡開して拡開部が形成され、さらに前記軸部は前記穴が形成された縦壁間の空間において外径方向に張り出していることを特徴とするバンパー構造体。
- 前記軸部は前記穴が形成された縦壁のうち最も後方側の縦壁の後方側において外径方向に張り出していることを特徴とする請求項1に記載されたバンパー構造体。
- 前記バンパーステイの軸部の前端が嵌入する縦壁の穴が後方側に突出するバーリング穴であり、このバーリング穴に沿って前記拡開部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載されたバンパー構造体。
- 前記バンパーステイが管状のアルミニウム合金押出材からなり、前記軸部が電磁成形により拡管し、これにより前記穴の内周面へ圧接し、前端に拡開部が形成され、かつ外径方向に張り出していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載されたバンパー構造体。
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