JP5049210B2 - バンパーステイ - Google Patents
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Description
穴が単なる打抜き穴の場合、軸部材の端部がフランジ部材に形成された穴から外向きに突出して、外径方向に拡開していることが望ましく、かつ、前記軸部材が、両フランジ部材の間で各フランジ部材の穴の内周面より外径方向に張り出していること(補強部材の内径をフランジ部材の穴の内径より大きく形成しておけばよい)が望ましい。この場合、フランジ部材が軸部材の拡開部(フランジ部材の穴から突出した部分)と張出部(フランジ部材より内側の部分)により軸方向前後から挟まれた形になる。
図1は、本発明に係るバンパーステイを用いたバンパー構造体1の全体を示す斜視図である。このバンパー構造体1は、中空断面を有するアルミニウム合金押出材を曲げ加工し、両端部を車体側に傾斜させたバンパーリインフォース2と、バンパーリインフォース2の両端部(傾斜した箇所)に軸方向を車体前後方向に向けて固定された筒状のバンパーステイ3により構成される。
バンパーリインフォース2は、車体前後方向に対し略垂直な前壁4と後壁5及びそれらを連結し車体前後方向を向く上下の横壁6,7を有し、前壁4、後壁5及び横壁6,7により中空の矩形断面が構成されている。前壁4は、前記矩形断面の部分が後退して段差を有し、前記段差の部分から上向き及び下向きに突出するフランジ4a,4bを有し、この前面が衝突面となっている。
補強部材14は、図4及び図5に示すように、本体である円筒形の筒状部15と、横方向(バンパーリインフォース2の中央部側)に突出する2本のリブ16からなる。補強部材14はアルミニウム合金押出材の一端を垂直に切断し、他端をバンパーリーンフォース2の両端部の傾斜に合わせて斜めに切断したものである。
この例では、補強部材14は、両端が穴フランジ17,21の外周に嵌って基部近く(板フランジ18,22近傍)まで嵌入している。
軸部材11は、電磁成形前の素材(軸素材)の段階では、円筒形のアルミニウム合金押出材の一端を垂直に切断し、他端をバンパーリーンフォース2の両端部の傾斜に合わせて斜めに切断したものである。軸素材24(図3参照)の外径は、フランジ部材12,13に形成した穴フランジ17,21の内径よりやや小さく設定されている。
次に、図3に示すように、軸素材24をフランジ部材12,13に形成した穴フランジ17,21の内部(バーリング穴25,26)に嵌入して、両方の先端を該バーリング穴25,26から少し突出させ、軸回りの向きをフランジ部材12,13及び補強部材14を合わせてセットする。電磁成形後の軸部材11の端部が穴フランジ17,21の内周面に沿って拡開するように、軸素材24の長さが設定される。
これに対し、補強部材のない従来のバンパーステイでは、軸部材の強度がそのままバンパーステイの強度となっていたから、バンパーステイとしての必要強度を得ようとすれば、比較的強度の高い管素材を用いる必要があり、電磁成形性の低下に伴う接合の不確実性、あるいは電磁成形用コイルの短命化が生じる可能性があった。
仮に補強部材にリブが形成されていなければ、前記偏心荷重によりバンパーステイの筒状部分の車幅方向内側部位が優先的に座屈変形しやすいが、バンパーステイ3では、リブ16が偏心荷重を支え、筒状部分(軸部材11及び補強部材14の筒状部15)の偏座屈が防止される。偏座屈が防止される結果、前記の偏心荷重が掛かったときでも、バンパーステイ3にねじれ変形が生じるのが防止され、縦圧壊が安定的に生じる。
本発明のバンパーステイでは、必要に応じて、上記のようにリブが形成されていたり、筒状部の肉厚を周方向に変化させた(例えば大きい偏心荷重が掛かることが想定される部位を肉厚にした)異形断面の補強部材を用いることができる。これは、補強部材を用いない従来のバンパーステイにはない利点である。
図7に示すバンパーステイ3Aは、補強部材14の両端がフランジ部材12,13に当接している点でのみ、図4に示すバンパーステイ3と異なる。例えば補強部材14の両端の内周側コーナーを面取りする等により、補強部材14の内径を大きくしなくても、このように穴フランジ17,21の全長を補強部材14の端部に嵌め込むことができる。
バンパーステイ3Aは、補強部材14の両端がフランジ部材12,13に当接していることで、軸部材11とフランジ部材12,13及び補強部材14の接合がより安定する。
このように電磁成形により拡管した軸部材11が、フランジ部材12,13の穴25,26の内周面及び補強部材14の内周面に密着することで、軸部材11はフランジ部材12,13及び補強部材14に接合される。また、軸部材14が穴25,26の外側で拡開し、かつフランジ部材12,13の間で外径方向に張り出していることから、穴25,26の周縁部が拡開部27,28と張り出し部29の間で軸方向前後から挟まれた形となり、軸部材11とフランジ部材12,13は強固に接合される。
このバンパーステイ1Cでは、フランジ部39を軸部材11の前端に一体成形するため、一般に大きいフランジ面積を得るのが難しいが、部品点数が少ないという利点がある。 バンパーステイ3Cとは逆に、軸部材のバンパーリインフォース側端部にフランジ部材を接合し、サイドメンバー側端部に上記のようなフランジ部を一体成形してもよい。
さらに、押出材であれば押出方向(筒状部の軸方向)に平行なリブが形成されるが、例えば鋳・鍛造、樹脂成形等により筒状部の外周に他の形状、構造を有するリブ、あるいはより一般的にいえば筒状部の外周に他の形状、構造を有する突出構造部を一体的に形成することもできる。この突出構造部はリブと同様にブラケット等として利用したり、あるいはこの突出構造部に前記のような多機能性を持たせることができる。
3 バンパーステイ
11 軸部材
12,13 フランジ部材
14 補強部材
17,21 穴フランジ
18,22 板フランジ
24 軸素材
25,26 バーリング穴
39 フランジ部
Claims (14)
- 管状のアルミニウム又はアルミニウム合金からなる軸部材と、前記軸部材の両端部に固定された板状のフランジ部材と、両フランジ部材の間に配置されて前記軸部材の外周に嵌った筒状の補強部材からなり、各フランジ部材には穴が形成されて前記軸部材の両端部が嵌入し、前記軸部材が電磁成形により拡管して各フランジ部材の穴の内周面に密着固定され、かつ両フランジ部材の間で前記補強部材の内周面に密着固定されていることを特徴とするバンパーステイ。
- 前記軸部材が、両フランジ部材の間で各フランジ部材の穴の内周面より外径方向に張り出していることを特徴とする請求項1に記載されたバンパーステイ。
- 前記軸部材の端部が、いずれか一方又は双方のフランジ部材に形成された穴から外向きに突出して、外径方向に拡開していることを特徴とする請求項1又は2に記載されたバンパーステイ。
- いずれか一方又は双方のフランジ部材に形成された穴がバーリング穴であり、前記バーリング穴は内向きに突出する穴フランジを有し、前記補強部材の端部が前記穴フランジの外周に嵌っていることを特徴とする請求項1又は2に記載されたバンパーステイ。
- 前記軸部材の端部が前記バーリング穴の内周面に沿って外径方向に拡開していることを特徴とする請求項4に記載されたバンパーステイ。
- 前記補強部材の端部がいずれか一方又は双方のフランジ部材に当接していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載されたバンパーステイ。
- 管状のアルミニウム又はアルミニウム合金からなる軸部材と、前記軸部材の一方の端部に固定された板状のフランジ部材と、前記フランジ部材と後述するフランジ部の間に配置されて前記軸部材の外周に嵌った筒状の補強部材からなり、前記フランジ部材には穴が形成されて前記軸部材の前記一方の端部が嵌入し、前記軸部材が電磁成形により拡管して前記フランジ部材の穴の内周面に密着固定され、前記軸部材の他方の端部が外径方向に拡開してフランジ部が形成され、かつ前記フランジ部材とフランジ部の間で前記補強部材の内周面に密着固定されていることを特徴とするバンパーステイ。
- 前記軸部材が、前記フランジ部材とフランジ部の間で前記フランジ部材の穴の内周面より外径方向に張り出していることを特徴とする請求項7に記載されたバンパーステイ。
- 前記軸部材の端部が、前記フランジ部材に形成された穴から外向きに突出して、外径方向に拡開していることを特徴とする請求項7又は8に記載されたバンパーステイ。
- 前記フランジ部材に形成された穴がバーリング穴であり、前記バーリング穴は内向きに突出する穴フランジを有し、前記補強部材の端部が前記穴フランジの外周に嵌っていることを特徴とする請求項7に記載されたバンパーステイ。
- 前記軸部材の端部が前記バーリング穴の内周面に沿って外径方向に拡開していることを特徴とする請求項10に記載されたバンパーステイ。
- 前記補強部材の端部が前記フランジ部材に当接していることを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載されたバンパーステイ。
- 前記補強部材がアルミニウム又はアルミニウム合金押出材からなることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載されたバンパーステイ。
- 前記補強部材が前記軸部材の外周に嵌る筒状部とその外周側に突出するリブを有することを特徴とする請求項13に記載されたバンパーステイ。
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