JPWO2012144035A1 - 動力伝達装置の潤滑油供給装置 - Google Patents

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Abstract

潤滑油を貯留する貯留部9と、車両の車輪と接続され、前記車輪の回転と連動して回転して前記貯留部の潤滑油を送る第一回転部材7と、前記第一回転部材よりも鉛直方向上方に配置され、前記車輪と接続された第二回転部材6と、前記第一回転部材および前記第二回転部材よりも鉛直方向上方に配置されたオイル受け部8と、前記第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を前記オイル受け部に導く第一通路16と、前記第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を前記第二回転部材に導く第二通路17と、を備え、前記第二回転部材は、前記第二通路を介して送られる潤滑油を、前記車輪の回転と連動して回転して鉛直方向上方に送る。

Description

本発明は、動力伝達装置の潤滑油供給装置に関する。
従来、ギア等の回転部材によってオイル受け部に潤滑油を供給する技術が公知である。例えば、特許文献1には、第1の回転体の回転により輸送される潤滑油を、潤滑油必要部に供給する潤滑装置において、第1の回転体により輸送される潤滑油を保持し、かつ、回転によりその潤滑油を潤滑油必要部に輸送する第2の回転体を有する潤滑装置の技術が開示されている。
特開2003−214532号公報
回転部材の回転によって送られる潤滑油をオイル受け部に対して供給する場合の供給能力を向上することについて、なお改善の余地がある。例えば、車速に応じて回転部材の回転速度が変化する場合であっても、オイル受け部に対して適切に潤滑油を供給できることが望ましい。
本発明の目的は、回転部材の回転によって送られる潤滑油をオイル受け部に対して供給する供給能力を向上することができる動力伝達装置の潤滑油供給装置を提供することである。
本発明の動力伝達装置の潤滑油供給装置は、潤滑油を貯留する貯留部と、車両の車輪と接続され、前記車輪の回転と連動して回転して前記貯留部の潤滑油を送る第一回転部材と、前記第一回転部材よりも鉛直方向上方に配置され、前記車輪と接続された第二回転部材と、前記第一回転部材および前記第二回転部材よりも鉛直方向上方に配置されたオイル受け部と、前記第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を前記オイル受け部に導く第一通路と、前記第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を前記第二回転部材に導く第二通路と、を備え、前記第二回転部材は、前記第二通路を介して送られる潤滑油を、前記車輪の回転と連動して回転して鉛直方向上方に送ることを特徴とする。
上記動力伝達装置の潤滑油供給装置において、更に、前記第二回転部材によって送られる潤滑油を前記オイル受け部に導く誘導部を備えることが好ましい。
上記動力伝達装置の潤滑油供給装置において、更に、前記第一回転部材の外周に沿って延在し、前記第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を鉛直方向上方に導く外周部流路を備え、前記第一通路および前記第二通路は、それぞれ前記外周部流路と接続されており、前記外周部流路から前記第一通路への流入口である第一流入口よりも前記外周部流路から前記第二通路への流入口である第二流入口が前記外周部流路における潤滑油の流れ方向の下流側に位置することが好ましい。
上記動力伝達装置の潤滑油供給装置において、前記外周部流路における前記第二流入口よりも前記流れ方向の下流側の流路断面積は、前記外周部流路における前記第二流入口よりも前記流れ方向の上流側の流路断面積よりも小さいことが好ましい。
上記動力伝達装置の潤滑油供給装置において、前記外周部流路における前記第一流入口と前記第二流入口との間の流路断面積は、前記外周部流路における前記第一流入口よりも前記流れ方向の上流側の流路断面積よりも小さいことが好ましい。
上記動力伝達装置の潤滑油供給装置において、更に、前記第一回転部材と噛合う第三回転部材と、前記第一回転部材の外周および前記第三回転部材の外周を覆う通路部材と、を備え、前記通路部材は、前記第一回転部材の外周との間に前記第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を鉛直方向上方に導く外周部流路を形成し、前記第一通路および前記第二通路は、前記第三回転部材よりも前記外周部流路における潤滑油の流れ方向の上流側においてそれぞれ前記外周部流路と接続されており、前記通路部材は、前記第一回転部材との噛合い範囲を含む前記第三回転部材の外周全体と前記第一回転部材の外周とを一体的に覆っていることが好ましい。
上記動力伝達装置の潤滑油供給装置において、更に、前記第一回転部材と噛合う第三回転部材と、前記第三回転部材の外周面と対向し、前記第三回転部材の回転によって送られる潤滑油を鉛直方向上方に導く誘導部材と、を備えることが好ましい。
上記動力伝達装置の潤滑油供給装置において、更に、前記第一回転部材と噛合う第三回転部材と、前記第一回転部材の外周、前記第三回転部材の外周および前記第一回転部材と前記第三回転部材との噛合い部を一体的に覆う通路部材と、を備え、前記通路部材は、前記第一回転部材の外周との間に前記第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を鉛直方向上方に導く外周部流路を形成し、前記第一通路および前記第二通路は、前記噛合い部よりも前記外周部流路における潤滑油の流れ方向の上流側においてそれぞれ前記外周部流路と接続されており、前記通路部材は、更に、前記第三回転部材の外周との間に誘導路を形成し、前記誘導路は、鉛直方向上方から落下する潤滑油を前記噛合い部に導くことが好ましい。
上記動力伝達装置の潤滑油供給装置において、前記オイル受け部は、低車速において潤滑油の供給を必要とする被潤滑部に接続された第一オイル受け部と、高車速において潤滑油の供給を必要とする被潤滑部に接続された第二オイル受け部とを有し、前記第一通路は、前記第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を前記第二オイル受け部に導き、前記誘導部は、前記第二回転部材によって送られる潤滑油を前記第一オイル受け部に導くことが好ましい。
本発明に係る動力伝達装置の潤滑油供給装置は、車輪の回転と連動して回転して貯留部の潤滑油を送る第一回転部材と、第一回転部材よりも鉛直方向上方に配置され、車輪と接続された第二回転部材と、第一回転部材および第二回転部材よりも鉛直方向上方に配置されたオイル受け部と、第一回転部材の回転によって送られる潤滑油をオイル受け部に導く第一通路と、第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を第二回転部材に導く第二通路と、を備え、第二回転部材は、第二通路を介して送られる潤滑油を、車輪の回転と連動して回転して鉛直方向上方に送る。よって、本発明に係る動力伝達装置の潤滑油供給装置によれば、回転部材の回転によって送られる潤滑油をオイル受け部に対して供給する供給能力を向上することができるという効果を奏する。
図1は、第1実施形態に係る動力伝達装置の概略構成を示す正面図である。 図2は、第1実施形態に係る動力伝達装置の断面図である。 図3は、第1実施形態に係る通路部材の正面図である。 図4は、第1実施形態に係る通路部材の側面図である。 図5は、滑油供給装置による潤滑油の供給能力の説明図である。 図6は、外周部流路の流路断面積の説明図である。 図7は、第2実施形態に係る動力伝達装置の概略構成を示す正面図である。 図8は、第2実施形態に係る動力伝達装置の断面図である。 図9は、第2実施形態に係る通路部材の正面図である。 図10は、第2実施形態に係る通路部材の側面図である。 図11は、第2実施形態に係る通路部材の斜視図である。 図12は、各モータジェネレータの特性を示す図である。 図13は、第3実施形態に係る動力伝達装置の概略構成を示す正面図である。 図14は、第3実施形態に係る通路部材の斜視図である。 図15は、第3実施形態に係る動力伝達装置の潤滑油供給装置の効果の説明図である。 図16は、潤滑油の漏れについての説明図である。 図17は、第4実施形態に係る動力伝達装置の概略構成を示す正面図である。 図18は、第5実施形態に係る動力伝達装置の概略構成を示す正面図である。 図19は、第5実施形態に係る動力伝達装置の断面図である。 図20は、変形例に係る通路部材の要部を示す斜視図である。 図21は、デフリングギアによって送られる潤滑油の進行方向を示す図である。
以下に、本発明の実施形態に係る動力伝達装置の潤滑油供給装置につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
[第1実施形態]
図1から図6を参照して、第1実施形態について説明する。本実施形態は、動力伝達装置の潤滑油供給装置に関する。図1は、第1実施形態に係る動力伝達装置の概略構成を示す正面図、図2は、第1実施形態に係る動力伝達装置の断面図、図3は、第1実施形態に係る通路部材の正面図、図4は、第1実施形態に係る通路部材の側面図である。
本実施形態の動力伝達装置の潤滑油供給装置1−1は、デフリングギア(図1の符号7参照)の回転によって送られる潤滑油をオイル受け部(図1の符号8参照)に誘導する二つの構造を備える。第一通路(図1の符号16参照)は、デフリングギア7の回転によって送られる潤滑油を直接オイル受け部8に導く通路である。第一通路16は、低車速時には高い位置まで潤滑油が届かないものの、高車速時は多くの潤滑油を誘導できるという特性を有する。第二通路(図1の符号17参照)は、デフリングギア7の回転によって送られる潤滑油をMG2リダクションギア(図1の符号6参照)に導く。MG2リダクションギア6に導かれた潤滑油は、MG2リダクションギア6の回転によってオイル受け部8に導かれる。第二通路17およびMG2リダクションギア6は、低車速時に高い位置まで潤滑油を誘導できるという特性を有する。
よって、本実施形態の動力伝達装置の潤滑油供給装置1−1は、車速にかかわらずオイル受け部8に対して適切に潤滑油を供給することができる。例えば、車速に応じて過不足無くオイル受け部8に対して潤滑油を供給することが可能となる。
本実施形態は、以下の構成要素を有することを前提としている。
(1)トランスミッションケース
(2)ATF
(3)デフ
(4)ドライブピニオンギア
(5)掻き揚げギア(本実施形態では、MG2リダクションギア)
(6)ダクト(本実施形態では、通路部材)
図1において、符号1は、ハイブリッド車両(図示せず)の動力伝達装置を示す。また、符号1−1は、本実施形態の動力伝達装置の潤滑油供給装置(以下、単に「潤滑油供給装置」とも記載する。)を示す。動力伝達装置1は、ケース2を有する。ケース2内には、カウンタドライブギア3、カウンタドリブンギア4、ドライブピニオンギア(第三回転部材)5、MG2リダクションギア(第二回転部材)6、デフリングギア(第一回転部材)7、オイル受け部8、貯留部9、通路部材10が設けられている。本実施形態の動力伝達装置の潤滑油供給装置1−1は、貯留部9、デフリングギア7、オイル受け部8、第一通路16および第二通路17を備える。
カウンタドライブギア3は、カウンタドリブンギア4よりも車両前後方向の前側に、MG2リダクションギア6およびデフリングギア7は、カウンタドリブンギア4よりも車両前後方向の後側に配置されている。
カウンタドライブギア3は、図示しないエンジンの出力軸および第1のモータジェネレータ(MG1)25の回転軸と遊星歯車機構を介して接続されており、エンジンの出力は、カウンタドライブギア3および第1のモータジェネレータ25に分割して入力される。カウンタドリブンギア4およびドライブピニオンギア5は、同軸上に配置され、かつ一体に回転する。カウンタドリブンギア4は、カウンタドライブギア3と噛合っている。MG2リダクションギア6は、第2のモータジェネレータ(MG2)20のロータ21の回転軸22に連結されており、ロータ21と一体に回転する。
第1のモータジェネレータ25および第2のモータジェネレータ20は、電力の供給により駆動する電動機としての機能(力行機能)と、機械エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機としての機能(回生機能)とを兼ね備えている。モータジェネレータ20,25としては、例えば、交流同期型のモータジェネレータを用いることができる。第1のモータジェネレータ25は、例えば、主として発電機として機能するものであり、エンジンの動力あるいはハイブリッド車両の運動エネルギーを電力として回収する。第2のモータジェネレータ20は、例えば、主として電動機として機能するものであり、ハイブリッド車両の動力源として動力を出力することができる。
MG2リダクションギア6は、カウンタドリブンギア4と噛合っている。MG2リダクションギア6は、カウンタドリブンギア4よりも小径であり、第2のモータジェネレータ20の出力は、MG2リダクションギア6からカウンタドリブンギア4に増幅して伝達される。
ドライブピニオンギア5は、デフリングギア7と噛合っており、カウンタドリブンギア4に入力されたエンジンの出力トルクおよび第2のモータジェネレータ20の出力トルクは、ドライブピニオンギア5を介してデフリングギア7に伝達される。デフリングギア7は、差動機構23を介して図示しない駆動輪と接続されており、駆動輪の回転と連動して回転する。矢印Y1は、車両の前進時におけるデフリングギア7の回転方向を示す。MG2リダクションギア6は、デフリングギア7の鉛直方向上方に配置されている。
ケース2内における鉛直方向の下部には、潤滑油(例えば、ATF)を貯留する貯留部9が形成されている。デフリングギア7は、ケース2内の下部に配置されており、貯留部9に潤滑油が貯留された場合に、その貯留された潤滑油にデフリングギア7の一部が浸かる。ケース2内におけるMG2リダクションギア6およびデフリングギア7よりも鉛直方向上方には、オイル受け部8が設けられている。
オイル受け部8は、潤滑油を貯留可能に構成されており、オイル受け部8内に流入した潤滑油は、動力伝達装置1の被潤滑部に供給される。なお、オイル受け部8は、受け入れた潤滑油を貯留することなく被潤滑部に直接潤滑油を供給するものであってもよい。オイル受け部8は、ケース2の内壁面から突出するリブ8aによってケース2内の下方の空間と仕切られている。オイル受け部8の潤滑油は、例えば、第1のモータジェネレータ25および第2のモータジェネレータ20に供給されて第1のモータジェネレータ25および第2のモータジェネレータ20を潤滑・冷却する。なお、オイル受け部8の潤滑油は、動力伝達装置1の他の被潤滑部に供給されてもよい。
デフリングギア7は、駆動輪の回転と連動して回転して貯留部9の潤滑油を送る。従来、デフリングギア7等の回転部材によって、貯留部の潤滑油を鉛直方向上方のオイル受け部等の供給先に掻き揚げる技術が知られているが、このような掻き上げ方式では、下記のような状況において供給先に潤滑油が届かなかったり、十分な量が供給されなかったりする問題があった。
(a)低車速度時(デフリングギアの回転数が少ないため)。
(b)供給先がデフ軸からみて高い(高さに対して潤滑油の勢いが足りないため)。
(c)供給先がデフリングギアよりも車両後方にある(潤滑油の飛び出し方向を目標に向けるのが難しいため)。
(d)車両が坂を上っている時(デフリングギア周囲の潤滑油が増え、飛び出す潤滑油の勢いがなくなるため)。
本実施形態の潤滑油供給装置1−1は、デフリングギア7によって送られる潤滑油をオイル受け部8に導く通路部材10を備えている。これにより、低車速度時や、オイル受け部8がデフリングギア7の回転軸から見て高い位置にある場合であっても、オイル受け部8に潤滑油を供給することができる。
通路部材10は、第一構成部11、第二構成部12、第三構成部13および第四構成部14を有する。第一構成部11は、デフリングギア7の外周との間に外周部流路15を形成している。外周部流路15は、デフリングギア7の外周に沿って延在し、デフリングギア7の回転によって送られる潤滑油を鉛直方向上方に導く流路である。本明細書では、外周部流路15におけるデフリングギア7の回転方向(Y1)に沿った潤滑油の流れ方向を単に「外周部流路15の流れ方向」と記載する。また、ハイブリッド車両の前進時における外周部流路15の流れ方向の上流側および下流側を単に「外周部流路15の上流側」および「外周部流路15の下流側」とそれぞれ記載する。
第一構成部11は、デフリングギア7を軸方向に挟んで互いに対向する一対の側壁部11aと、デフリングギア7の外周面7aと径方向において対向し、外周面7aに対応する形状に形成された曲面部11bとを有する。なお、本明細書では、特に記載しない場合、「軸方向」とはデフリングギア7の軸方向を示し、「径方向」とはデフリングギア7の中心軸線と直交する径方向を示し、「周方向」とはデフリングギア7の中心軸線を回転中心とする周方向を示すものとする。
曲面部11bは、デフリングギア7と同心上に配置されている。側壁部11a,11aにおける径方向の外側端部は、曲面部11bによって互いに接続されている。つまり、第一構成部11は、デフリングギア7の両側面および外周面7aとそれぞれ対向しており、第一構成部11とデフリングギア7との間には、潤滑油の通路としての外周部流路15が形成されている。外周部流路15は、デフリングギア7の外周に沿って延在し、デフリングギア7によって送られる潤滑油が流入する油路である。
デフリングギア7の周方向における第一構成部11の設置領域は、デフリングギア7の半周よりもわずかに多い領域であって、かつデフリングギア7の回転方向前方の歯面が鉛直方向の上側を向く領域と対応している。言い換えると、デフリングギア7に対して外周部流路15が形成される周方向の範囲は、デフリングギア7の回転によって潤滑油が鉛直方向上側に送られる範囲に対応している。これにより、外周部流路15における潤滑油の流入口15Aは、外周部流路15の鉛直方向下端の近傍に位置する。また、外周部流路15におけるデフリングギア7の回転方向に沿った潤滑油の流れ方向の下流端は、デフリングギア7の鉛直方向上端近傍に位置している。流入口15Aにおいて、曲面部11bの外周面はケース2の底面に接しており、デフリングギア7の回転によって送られる潤滑油は、流入口15Aから外周部流路15に流入する。
デフリングギア7が回転すると、貯留部9の潤滑油は、デフリングギア7に送られて流入口15Aから外周部流路15に流入する。デフリングギア7により、外周部流路15に継続的に潤滑油が送り込まれることで、外周部流路15内の油圧が上昇する。つまり、外周部流路15は、デフリングギア7の周りの潤滑油を集めて潤滑油の圧力を高くするオイル集中部として機能する。外周部流路15の油圧が上昇することで、外周部流路15内の潤滑油は、後述する第一通路16および第二通路17を鉛直方向上方に向けて上昇する。つまり、デフリングギア7および通路部材10は、潤滑油の油圧を高めて潤滑油を上方に送り出すポンプとして機能する。
従って、本実施形態の動力伝達装置の潤滑油供給装置1−1は、低車速であっても圧力によって鉛直方向上方まで潤滑油を送ることが可能である。また、デフリングギア7からの潤滑油の飛び出し方向に左右されずに所望の方向に潤滑油を送ることが可能である。
外周部流路15には、第一通路16および第二通路17が接続されている。第一通路16および第二通路17は、いずれもドライブピニオンギア5よりも外周部流路15の流れ方向の上流側において外周部流路15に接続されている。第一通路16は、デフリングギア7の回転によって送られる潤滑油を外周部流路15からオイル受け部8に導く通路である。第一通路16は、外周部流路15から径方向外側に分岐してオイル受け部8の流入口81に向けて延在している。また、第二通路17は、デフリングギア7の回転によって送られる潤滑油を第二回転部材としてのMG2リダクションギア6に導く。第二通路17は、外周部流路15から径方向外側に分岐してMG2リダクションギア6に向けて延在している。
第一通路16は、第二構成部12の内部に形成されている。第二構成部12は、第一構成部11の外周部からオイル受け部8へ向けて鉛直方向に直線状に延在している。第二構成部12は、ダクト状、言い換えると煙突状の部材である。第二構成部12の断面形状は、例えば、矩形とすることができる。第一通路16は、第二構成部12を鉛直方向に貫いている。第一通路16は、下端において外周部流路15と連通し、上端においてオイル受け部8と連通している。第二構成部12の上端には、板状部材18が配置されている。板状部材18は、第一通路16の上端の縁部からオイル受け部8に向けて延在している。板状部材18は、第一通路16からオイル受け部8へ向かうに従い鉛直方向下側に向かうように緩やかに傾斜している。第一通路16の上端から流出する潤滑油は、板状部材18に導かれてオイル受け部8に流入する。
第二通路17は、第三構成部13の内部に形成されている。第三構成部13は、第一構成部11の外周部からMG2リダクションギア6へ向けて鉛直方向に延在している。第三構成部13は、ダクト状の部材である。第三構成部13の断面形状は、例えば、矩形とすることができる。第二通路17は、第三構成部13を鉛直方向に貫いている。第二通路17は、下端において外周部流路15と連通し、上端においてMG2リダクションギア6の外周部と連通している。第二通路17の上端である流出口は、MG2リダクションギア6の外周面と対向している。第二通路17から流出する潤滑油は、MG2リダクションギア6の外周面に向けて流れる。
矢印Y2は、ハイブリッド車両の前進時におけるMG2リダクションギア6の回転方向を示す。MG2リダクションギア6は、第二通路17を介して送られる潤滑油を、ハイブリッド車両の駆動輪の回転と連動して回転して鉛直方向上方に送る。MG2リダクションギア6の回転によって鉛直方向上方に送られる潤滑油は、流入口81を介してオイル受け部8に流入する。流入口81が、MG2リダクションギア6の真上に形成されていることにより、MG2リダクションギア6によって効率よく潤滑油をオイル受け部に送り込むことができる。
第三構成部13は、誘導部13aを有する。誘導部13aは、第三構成部13の上端部に設けられている。誘導部13aは、MG2リダクションギア6の外周面と対向しており、第二通路17の流出口からMG2リダクションギア6の外周面に沿ってMG2リダクションギア6の回転方向Y2に延在している。第二通路17を介してMG2リダクションギア6に導かれ、MG2リダクションギア6によって送られる潤滑油は、誘導部13aによって鉛直方向上方に導かれる。誘導部13aは、MG2リダクションギア6の下端からMG2リダクションギア6の高さ方向の中間部までの領域に設けられている。
誘導部13aによってMG2リダクションギア6の上部まで導かれた潤滑油は、MG2リダクションギア6から離れ、流入口81を介してオイル受け部8に流入する。つまり、誘導部13aは、MG2リダクションギア6の下方をガードして潤滑油の落下を抑制し、MG2リダクションギアによって送られる潤滑油をオイル受け部8に導く。これにより、MG2リダクションギア6は、第二通路17から流出する潤滑油を効率よく鉛直方向上方に向けて送り出し、オイル受け部8に対して供給することができる。
本実施形態の潤滑油供給装置1−1は、デフリングギア7の回転によって送られる潤滑油を第一通路16を介して直接オイル受け部8に導く第一ルートと、デフリングギア7の回転によって送られる潤滑油を第二通路17およびMG2リダクションギア6を介してオイル受け部8に導く第二ルートと、を有する。これにより、図5を参照して説明するように、デフリングギア7の回転によって送られる潤滑油をオイル受け部8に供給する能力を向上させることができる。
図5は、動力伝達装置の潤滑油供給装置1−1による潤滑油の供給能力の説明図である。図5において、横軸はハイブリッド車両の車速、縦軸は、オイル受け部8に送る潤滑油の流量である。符号Q1は、第一ルート単独でオイル受け部8に送る潤滑油の流量、言い換えると、第一通路16を介してオイル受け部8に送られる潤滑油の流量である。符号Q2は、第二ルート単独でオイル受け部8に送る潤滑油の流量、言い換えると、第二通路17およびMG2リダクションギア6を介してオイル受け部8に送られる潤滑油の流量である。符号Q3は、第一ルートで送る潤滑油の流量Q1と第二ルートで送る潤滑油の流量Q2との合計量、すなわち潤滑油供給装置1−1によってオイル受け部8に送る潤滑油の合計流量を示す。
第一ルートで送る潤滑油の流量Q1には、デフリングギア7の回転速度が大きく影響する。第一ルートでは、低車速時は潤滑油が高い位置まで届かず、オイル受け部8に対して送ることができる潤滑油の流量が小さい。一方で、第一ルートは、高車速時に多くの潤滑油をオイル受け部8に送ることができるという特性を有する。
MG2リダクションギア6は、デフリングギア7よりも小径であり、低車速時であっても比較的高い回転数で回転する。また、MG2リダクションギア6は、デフリングギア7よりも鉛直方向上方に配置されており、オイル受け部8までの揚程が比較的小さい。よって、MG2リダクションギア6を介して潤滑油を送る第二ルートは、低車速時であっても鉛直方向の高い位置まで潤滑油を誘導することができる。一方で、第二ルートは、車速が高くなると送ることができる潤滑油の流量Q2がサチュレートしてしまうという特性を有する。MG2リダクションギア6によって掻き揚げることのできる潤滑油量には限界があるため、高車速時に第二ルートによって誘導できる潤滑油の流量Q2は、第一ルートによって誘導できる潤滑油の流量Q1に対して少量である。
本実施形態の潤滑油供給装置1−1は、第一ルートおよび第二ルートのそれぞれの特性を生かすことができる。低車速時には、第二ルートを介してオイル受け部8に潤滑油を供給することができる。これにより、低車速時から適切にオイル受け部8に対して潤滑油を供給することが可能となる。また、高車速時には、第一ルートを介してオイル受け部8に潤滑油を供給することができる。これにより、高車速時に第二ルートを介してオイル受け部8に送られる潤滑油の流量Q2が飽和状態になったとしても、第一ルートを介して適切な量の潤滑油をオイル受け部8に供給することができる。
従って、本実施形態の潤滑油供給装置1−1は、低車速から高車速まで、車速に応じて適切な量の潤滑油をオイル受け部8に供給することができるという効果を奏する。第一ルートおよび第二ルートの流路断面積等を適宜設定することにより、オイル受け部8に対して車速に応じて過不足なく潤滑油を供給することも可能である。
また、本実施形態の潤滑油供給装置1−1では、以下に説明するように、車速に応じて適切なルートを介して潤滑油が送られるように第一通路16および第二通路17が配置されている。図1に示すように、外周部流路15から第一通路16への流入口である第一流入口16aよりも外周部流路15から第二通路17への流入口である第二流入口17aが外周部流路15における潤滑油の流れ方向の下流側に位置している。第二流入口17aは、第一流入口16aよりも鉛直方向上側に位置している。
低車速時には、デフリングギア7の回転速度が比較的小さく、デフリングギア7の回転によって送られる潤滑油は、デフリングギア7の外周に付着したままで外周部流路15における鉛直方向の上部まで到達する。これにより、低車速時には、第二通路17に多くの潤滑油が流入し、第二ルートを介してオイル受け部8に適量の潤滑油を供給することができる。一方、高車速時には、デフリングギア7の回転速度が大きいため、潤滑油に対して大きな遠心力が作用し、第一通路16に多くの潤滑油が流入する。つまり、高車速時には、低車速時よりも第二ルートに多くの潤滑油が流入し、第二ルートを介してオイル受け部8に適量の潤滑油が供給される。
従って、本実施形態の潤滑油供給装置1−1は、低車速時に優先的に第二通路17に潤滑油を送って第二通路17を介して効率よくオイル受け部8に潤滑油を送ることができ、高車速時には第一通路16に流入する潤滑油量を増加させてオイル受け部8に多くの潤滑油を供給することができる。
また、本実施形態の潤滑油供給装置1−1は、車速に応じて適切なルートを介してオイル受け部8に潤滑油を送ることができるように外周部流路15の流路断面積が設定されている。図6は、外周部流路15の流路断面積の説明図である。本実施形態では、外周部流路15の上流側における外周部流路15の流路断面積よりも外周部流路15の下流側における外周部流路15の流路断面積が小さい。図6に示すように、通路部材10とデフリングギア7の外周面7aとの径方向における隙間の大きさ、すなわちクリアランスは、外周部流路15の流れ方向の位置に応じて異なる。
具体的には、第一流入口16aと第二流入口17aとの間におけるクリアランスG2は、第一流入口16aよりも外周部流路15の上流側におけるクリアランスG1よりも小さい。これにより、第一流入口16aよりも外周部流路15の下流側における外周部流路15の流路断面積は、第一流入口16aよりも外周部流路15の上流側における外周部流路15の流路断面積よりも小さい。この流路断面積の差によって、第一流入口16aの油圧が上昇し、外周部流路15から第一通路16に潤滑油が送り込まれる。
また、第二流入口17aよりも外周部流路15の下流側におけるクリアランスG3は、第二流入口17aよりも外周部流路15の上流側におけるクリアランスG1,G2よりも小さい。これにより、第二流入口17aよりも外周部流路15の下流側における外周部流路15の流路断面積は、第二流入口17aよりも外周部流路15の上流側における外周部流路15の流路断面積よりも小さい。この流路断面積の差によって、第二流入口17aの油圧が上昇し、外周部流路15から第二通路17に潤滑油が送り込まれる。
低車速時には、デフリングギア7の回転速度が低速であることから、外周部流路15に送り込まれる潤滑油の多くがデフリングギア7の外周に付着したまま第二流入口17aまで到達する。また、低車速時には、デフリングギア7によって外周部流路15に送り込まれる油量が少ないことから、高車速時よりも外周部流路15の圧力が上昇しにくい。しかしながら、本実施形態では、第二流入口17aよりも下流側のクリアランスG3が第二流入口17aよりも上流側のクリアランスG2よりも小さいことから、外周部流路15の流量が少ない場合であっても油圧が上昇し、第二通路17に潤滑油が流入する。よって、低車速時には、デフリングギア7によって外周部流路15に送り込まれる潤滑油の多くが第二流入口17aを介して第二通路17に流入する。従って、低車速時は、外周部流路15から第二通路17およびMG2リダクションギア6を介してオイル受け部8に対して十分な量の潤滑油が供給される。
高車速時には、デフリングギア7の回転速度が高速であることから、遠心力によってデフリングギア7から潤滑油が離れて第一通路16に流入する。よって、デフリングギア7の回転エネルギーによって多くの潤滑油が第一通路16に送り込まれる。また高車速時には、デフリングギア7によって多くの潤滑油が外周部流路15に送り込まれることで、低車速時よりも外周部流路15の圧力が高くなる。よって、デフリングギア7によるポンプ作用によっても多くの潤滑油が第一通路16に送り込まれる。これらにより、高車速時には、第二通路17および第一通路16を介して十分な量の潤滑油がオイル受け部8に導かれる。
このように、本実施形態の潤滑油供給装置1−1によれば、車速に応じて適切なルートを介してオイル受け部8に潤滑油が導かれる。よって、車速にかかわらずオイル受け部8に対して適切な流量で潤滑油を供給することが可能となる。デフリングギア7の回転によって送られるをオイル受け部8に導く能力が向上することで、オイルポンプの低コスト化や引き摺りトルクの低減を実現することができる。
また、本実施形態の潤滑油供給装置1−1は、デフリングギア7とドライブピニオンギア5との噛合いによるオイル押し出し効果を利用したオイル受け部8に対する潤滑油供給能力の向上が図られている。
第四構成部14は、ドライブピニオンギア5の外周部およびドライブピニオンギア5とデフリングギア7との噛合い部24を覆っている。第四構成部14は、第一構成部11における外周部流路15の流れ方向の下流側の端部と接続されており、第一構成部11から鉛直方向上方に突出している。
第四構成部14は、一対の側壁部14aと、曲面部14bとを有する。側壁部14a,14aは、ドライブピニオンギア5を挟んで軸方向において互いに対向している。曲面部14bは、ドライブピニオンギア5の外周面5aとドライブピニオンギア5の径方向において対向し、外周面5aに対応する曲面形状を有する。第四構成部14の側壁部14aは、第一構成部11の側壁部11aと同一の平面上に側壁部11aと連続して形成されている。また、第四構成部14の曲面部14bは、第一構成部11の曲面部11bと接続されている。つまり、第一構成部11と第四構成部14とは、デフリングギア7の外周、ドライブピニオンギア5の外周および噛合い部24を一体的に覆っている。また、第一構成部11によって覆われるデフリングギア7の外周、および第四構成部14によって覆われるドライブピニオンギア5の外周は、それぞれ噛み込み側の外周である。
なお、噛み込み側とは、デフリングギア7とドライブピニオンギア5との噛合い部24の接線方向においてギア5,7の回転方向後方側を示し、ギア5,7の噛合い部24に向けてギア5,7の歯が引き込まれる側を示す。つまり、曲面部14bおよび曲面部11bは、噛合い部24に向けて引き込まれる外周面5a,7aとそれぞれ対向している。なお、矢印Y3は、ハイブリッド車両の前進時におけるドライブピニオンギア5の回転方向を示す。
デフリングギア7の外周に付着した潤滑油、およびドライブピニオンギア5の外周に付着した潤滑油は、噛合い部24においてギア5,7の歯溝から押し出される。これにより、外周部流路15における流れ方向の下流端の圧力が高くなり、潤滑油の壁が形成されることで、第二流入口17aから外周部流路15の下流側に向かう潤滑油の流れが抑制される。例えば、噛合い部24において押し出される潤滑油は、矢印Y4で示すように、第二流入口17aに向けて外周部流路15を逆流し、デフリングギア7の回転方向に沿った潤滑油の流れを規制する。これにより、デフリングギア7の回転によるポンプ作用が高められ、第一通路16および第二通路17を介してオイル受け部8に潤滑油を送る供給能力が向上する。
なお、本実施形態では、MG2リダクションギア6の回転によって送られる潤滑油が、ガイド板状の誘導部13aによってオイル受け部8に導かれたが、これに代えて、MG2リダクションギア6の回転によって送られる潤滑油がダクト状の通路を介してオイル受け部8に導かれてもよい。
本実施形態の動力伝達装置の潤滑油供給装置1−1の適用対象は、ハイブリッド車両の動力伝達装置に限定されない。動力伝達装置の潤滑油供給装置1−1は、他の種類の動力伝達装置、例えばMT(手動変速機)の動力伝達装置に適用されてもよい。
[第2実施形態]
図7から図12を参照して第2実施形態について説明する。第2実施形態については、上記実施形態で説明したものと同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。本実施形態の動力伝達装置の潤滑油供給装置1−2において、上記第1実施形態の動力伝達装置の潤滑油供給装置1−1と異なる点は、第一通路と第二通路が互いに異なるオイル受け部に潤滑油を導く点である。車速に応じた各通路の潤滑油供給能力に基づき、二つの通路が互いに異なる被潤滑部に潤滑油を供給する。これにより、車速に応じて必要とされる適所に適量の潤滑油を供給することが可能となる。
図7は、第2実施形態に係る動力伝達装置1の概略構成を示す正面図、図8は、第2実施形態に係る動力伝達装置1の断面図、図9は、第2実施形態に係る通路部材の正面図、図10は、第2実施形態に係る通路部材の側面図、図11は、第2実施形態に係る通路部材の斜視図である。
本実施形態の通路部材30は、第一構成部31、第二構成部32、第三構成部33、第四構成部34を有する。第一構成部31および第四構成部34は、それぞれ上記第1実施形態の第一構成部11および第四構成部14と同様のものとすることができる。第一構成部31は、デフリングギア7の外周との間に外周部流路15を形成している。第二構成部32は、第一通路36を形成している。第一通路36は、外周部流路15と接続されており、デフリングギア7の回転によって送られる潤滑油を外周部流路15からオイル受け部8に導く。第二構成部32は、第一構成部31の外周部からオイル受け部8の流入口81に向けて鉛直方向に延在している。オイル受け部8の潤滑油は、第1のモータジェネレータ25に供給されて第1のモータジェネレータ25を潤滑・冷却する。
第三構成部33は、第二通路37を形成している。第二通路37は、外周部流路15と接続されており、デフリングギア7の回転によって送られる潤滑油を外周部流路15から掻き揚げギア26に導く。掻き揚げギア26は、図8に示すように、MG2リダクションギア6と一体回転するギアである。掻き揚げギア26は、MG2リダクションギア6と第2のモータジェネレータ20との間に配置されている。掻き揚げギア26の外径は、MG2リダクションギア6の外径よりも大きい。よって、同じ車速において、掻き揚げギア26が回転によって潤滑油を送り出す能力は、MG2リダクションギア6が回転によって潤滑油を送り出す能力よりも高い。
図7および図8に示すように、第三構成部33は、誘導部38を有する。誘導部38は、掻き揚げギア26の回転によって送られる潤滑油を上部オイル受け部27に導く。上部オイル受け部27は、オイル受け部8よりも鉛直方向上方に配置されている。上部オイル受け部27の鉛直方向における位置は、第2のモータジェネレータ20の頂部の位置に基づいている。上部オイル受け部27の潤滑油は、第2のモータジェネレータ20の頂部に供給されて第2のモータジェネレータ20を潤滑・冷却する。本実施形態の動力伝達装置の潤滑油供給装置1−2では、上部オイル受け部27が第一オイル受け部として機能し、オイル受け部8が第二オイル受け部として機能する。
誘導部38の下部38aは、掻き揚げギア26の外周に沿って掻き揚げギア26の回転方向Y2に延在している。誘導部38の上部38bは、下部38aの上端から上部オイル受け部27に向けて鉛直方向に延在している。誘導部38の下部38aは、断面U字形状であり、掻き揚げギア26の外周面26aおよび両側面とそれぞれ対向している。誘導部38の上部38bは、下部38aと同様に断面U字形状であり、掻き揚げギア26によって送られる潤滑油の流れをガードして軸方向への潤滑油の漏れを抑制しつつ上部オイル受け部27に潤滑油を導く。
第二通路37の流出口は、掻き揚げギア26の下端よりも車両前側、すなわち掻き揚げギア26の下部における最下端よりも回転方向Y2の後方側に配置されている。これにより、掻き揚げギア26の下部にオイル溜りが形成されることで、第二通路37から流出した潤滑油と掻き揚げギア26との接触面積を大きくすることができる。
本実施形態では、第一通路36を介して第1のモータジェネレータ25に、第二通路37を介して第2のモータジェネレータ20にそれぞれ潤滑油が供給されることで、モータジェネレータ20,25の特性に応じて適切に潤滑油を供給することが可能である。図12は、各モータジェネレータ20,25の特性を示す図である。第1のモータジェネレータ25は、第2のモータジェネレータ20よりも鉛直方向下側に配置されている。また、第1のモータジェネレータ25は、発電負荷が大きくなる高車速時に冷却を必要とする場合が多い。つまり、第1のモータジェネレータ25は、高車速において潤滑油の供給を必要とする被潤滑部である。一方、第2のモータジェネレータ20は、電動機としての負荷が大きくなる低車速時に冷却を必要とする場合が多い。つまり、第2のモータジェネレータ20は、低車速において潤滑油の供給を必要とする被潤滑部である。
本実施形態の潤滑油供給装置1−2は、低車速時において鉛直方向上方に潤滑油を送る能力に優れる第二通路37および掻き揚げギア26によって第2のモータジェネレータ20に対して潤滑油を供給する。よって、低車速時に第2のモータジェネレータ20に対して適切に潤滑油を供給することができる。また、本実施形態の潤滑油供給装置1−2は、高車速時において鉛直方向上方に潤滑油を送る能力に優れる第一通路36によって第1のモータジェネレータ25に対して潤滑油を供給する。よって、高車速時に第1のモータジェネレータ25に対して適切に潤滑油を供給することができる。
[第3実施形態]
図13から図16を参照して、第3実施形態について説明する。第3実施形態については、上記実施形態で説明したものと同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。本実施形態の動力伝達装置の潤滑油供給装置1−3において、上記各実施形態の動力伝達装置の潤滑油供給装置1−1,1−2と異なる点は、通路部材によってドライブピニオンギア5の全周が覆われている点である。これにより、本実施形態の潤滑油供給装置1−3は、ドライブピニオンギア5を介した潤滑油の漏れを抑制してオイル受け部8に対する潤滑油の供給能力を向上させることができる。
図13は、第3実施形態に係る動力伝達装置1の概略構成を示す正面図、図14は、第3実施形態に係る通路部材の斜視図、図15は、第3実施形態に係る動力伝達装置の潤滑油供給装置1−3の効果の説明図、図16は、潤滑油の漏れについての説明図である。
図16に示すように、ドライブピニオンギア5とデフリングギア7との噛合い部24よりも反噛み込み側の空間28が開放していると、ギア歯先からの漏れや、ギア側面からの漏れが生じてしまう。例えば、噛合い部24よりも反噛み込み側の空間28が開放していると、噛合い部24から軸方向に押し出された潤滑油など、ドライブピニオンギア5の側面に付着した潤滑油が、矢印Y5で示すようにギア5,7の側面から漏れてしまう。また、反噛み込み側の空間28が開放していると、ドライブピニオンギア5に付着した潤滑油がドライブピニオンギア5の歯先から離れ、矢印Y6で示すようにギア歯先からの漏れが生じてしまう。ギア側面からの漏れやギア歯先からの漏れが生じると、その分第一通路16および第二通路17に流入する潤滑油の流量が減少してしまう。
本実施形態の通路部材40は、デフリングギア7との噛合い範囲を含むドライブピニオンギア5の外周全体と、デフリングギア7の外周とを一体的に覆っている。これにより、デフリングギア7によって送られる潤滑油がギア側面から漏れたりギア歯先から漏れたりすることを抑制し、オイル受け部8に対する潤滑油の供給能力を向上させることができる。
図13および図14に示すように、通路部材40は、第一構成部41、第二構成部42、第三構成部43および第四構成部44を有する。第一構成部41、第二構成部42および第三構成部43は、例えば、上記第1実施形態の第一構成部11、第二構成部12および第三構成部13とそれぞれ同様とすることができる。
第一構成部41は、上記第1実施形態の第一構成部11と同様に、一対の側壁部41aおよび曲面部41bを有しており、デフリングギア7の外周との間に外周部流路15を形成している。
第四構成部44は、軸方向視における形状が円環形状であり、ドライブピニオンギア5の外周全体を覆っている。第四構成部44は、一対の側壁部44aと、曲面部44bとを有する。側壁部44aは、略円環形状であり、ドライブピニオンギア5を挟んで軸方向において互いに対向している。曲面部44bは、ドライブピニオンギア5の外周面5aと対向する円筒形状であり、噛合い部24に対応する部分はデフリングギア7に向けて開放されている。曲面部44bは、一対の側壁部44a,44aにおけるドライブピニオンギア5の径方向外側の端部同士を軸方向に接続している。つまり、第四構成部44は、ドライブピニオンギア5の外周を軸方向の両側およびドライブピニオンギア5の径方向外側から覆っている。
第一構成部41の側壁部41aと第四構成部44の側壁部44aとは径方向において連続しており、側壁部41aと側壁部44aとは、一体の壁部として噛合い部24を含むドライブピニオンギア5の側面およびデフリングギア7の側面を覆っている。また、曲面部44bは、第一構成部41の曲面部41bと接続されており、曲面部41bと共にドライブピニオンギア5の外周面5a全体およびデフリングギア7の外周面7aを覆っている。言い換えると、通路部材40は、ドライブピニオンギア5の外周全体、噛合い部24、およびデフリングギア7の外周を一体的に覆っており、噛合い部24に対して反噛み込み側の空間28を閉塞している。
よって、本実施形態の通路部材40は、ドライブピニオンギア5のギア歯先からの潤滑油の漏れやギア5,7の側面からの潤滑油の漏れを抑制することができる。第四構成部14は、噛合い部24から反噛み込み側の空間28に押し出された潤滑油を、ドライブピニオンギア5の回転によって図15に矢印Y7で示すように、噛合い部24よりも外周部流路15の流れ方向の上流側に導く。これにより、噛合い部24から第二流入口17aおよび第一流入口16aに向けて潤滑油を押し戻す圧力や流量を増加させることができる。従って、本実施形態の動力伝達装置の潤滑油供給装置1−3は、デフリングギア7の回転によって送られる潤滑油を第一通路16および第二通路17を介して鉛直方向上方に送る能力を向上させることができる。
[第4実施形態]
図17を参照して、第4実施形態について説明する。第4実施形態については、上記実施形態で説明したものと同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図17は、第4実施形態に係る動力伝達装置の概略構成を示す正面図である。
本実施形態の動力伝達装置の潤滑油供給装置1−4において、上記各実施形態の動力伝達装置の潤滑油供給装置1−1,1−2,1−3と異なる点は、ドライブピニオンギア5の回転によって送られる潤滑油を鉛直方向上方に導く誘導部材29を備える点である。これにより、デフリングギア7の回転によって送られる潤滑油をオイル受け部8に供給する能力を向上させることができる。ここでは、上記第1実施形態の動力伝達装置の潤滑油供給装置1−1に対して誘導部材29を適用した場合を例に説明する。
図17に示すように、動力伝達装置の潤滑油供給装置1−4は、誘導部材29を備える。誘導部材29は、ドライブピニオンギア5の外周面5aと対向しており、外周面5aとの間に潤滑油の誘導路を形成する。誘導部材29は、デフリングギア7とドライブピニオンギア5との噛合い部24の近傍から外周面5aに沿ってドライブピニオンギア5の回転方向Y3に延在し、次いで鉛直方向上方に向けて直線状に延在している。誘導部材29は、ドライブピニオンギア5における噛合い部24よりも反噛み込み側の外周面5aと対向している。
ドライブピニオンギア5の側面から落下しようとする潤滑油やドライブピニオンギア5の歯先に付着した潤滑油は、誘導部材29にガイドされ、ドライブピニオンギア5の回転によって鉛直方向上方へ誘導される。これにより、デフリングギア7の回転によって外周部流路15に送られた潤滑油のロスを抑制し、潤滑油を効率よく鉛直方向上方に送ることができる。例えば、矢印Y8で示すように、ドライブピニオンギア5によって送られる潤滑油を誘導部材29によって直接オイル受け部8に導くようにしてもよい。この場合、ドライブピニオンギア5から送られる潤滑油を受け入れることができるようにオイル受け部8に流入口を設けるようにすればよい。ドライブピニオンギア5は、デフリングギア7よりも小径であり、デフリングギア7よりも相対的に高速で回転する。よって、ドライブピニオンギア5は、低車速であってもケース2内における鉛直方向の高い位置まで潤滑油を到達させることができる。
また、矢印Y9で示すように、ドライブピニオンギア5の回転によって送られる潤滑油を誘導部材29によってMG2リダクションギア6に導くようにしてもよい。このようにすれば、MG2リダクションギア6を介してオイル受け部8に潤滑油を導くことができる。
また、誘導部材29によって鉛直方向上方に導かれた潤滑油の少なくとも一部は、矢印Y10で示すように、ドライブピニオンギア5に付着したまま第四構成部14内に流入する。これにより、外周部流路15の油圧が上昇し、第一通路16および第二通路17を介したオイル受け部8への潤滑油の供給能力が増加する。
[第5実施形態]
図18を参照して、第5実施形態について説明する。第5実施形態については、上記実施形態で説明したものと同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。本実施形態の動力伝達装置の潤滑油供給装置1−5において、上記各実施形態の動力伝達装置の潤滑油供給装置1−1,1−2,1−3,1−4と異なる点は、鉛直方向上方から落下する潤滑油をデフリングギア7とドライブピニオンギア5との噛合い部24に導く誘導路55を有する点である。通路部材50の外部から噛合い部24に積極的に潤滑油を誘導することにより、第二流入口17aから噛合い部24へ向かおうとする潤滑油に対する潤滑油の壁が強化される。図18は、第5実施形態に係る動力伝達装置の概略構成を示す正面図、図19は、第5実施形態に係る動力伝達装置の断面図である。
図18に示すように、通路部材50は、第一構成部51、第二構成部52、第三構成部53および第四構成部54を有する。第一構成部51、第二構成部52および第三構成部53については、上記第1実施形態の第一構成部11、第二構成部12および第三構成部13とそれぞれ同様とすることができる。
第一構成部51は、上記第1実施形態の第一構成部11と同様に、一対の側壁部51aおよび曲面部51bを有しており、デフリングギア7の外周との間に外周部流路15を形成している。
第四構成部54は、一対の側壁部54aと、接続壁部54bとを有する。側壁部54a,54aは、ドライブピニオンギア5を挟んで軸方向において互いに対向している。接続壁部54bは、ドライブピニオンギア5の外周面5aと対向する壁部である。側壁部54aは、第一構成部51の側壁部51aと同一の平面上に側壁部51aと連続して形成されている。側壁部51aおよび側壁部54aは、デフリングギア7の外周、ドライブピニオンギア5の外周および噛合い部24を軸方向の両側から覆っている。
接続壁部54bは、ドライブピニオンギア5の径方向における側壁部54a,54aの外側の端部同士を軸方向に接続している。接続壁部54bは、外周面5aにおける噛合い部24よりも噛み込み側の部分、言い換えると噛合い部24よりも外周部流路15の上流側に位置する部分と対向している。接続壁部54bは、第一構成部51の曲面部51bと接続されており、曲面部51bと共に噛合い部24に対して噛み込み側を閉塞している。このように、通路部材50は、デフリングギア7の外周、ドライブピニオンギア5の外周および噛合い部24を一体的に覆っている。
第四構成部54における鉛直方向の下部は、上記第1実施形態の第四構成部14と同様にドライブピニオンギア5の外周に沿って延在している。一方、第四構成部54における鉛直方向の上部は、鉛直方向に延在している。本実施形態では、第四構成部54において、ドライブピニオンギア5の回転中心の高さ位置よりも上側の部分は、鉛直方向に直線状に延在している。
第四構成部54とドライブピニオンギア5の外周との間には、誘導路55が形成されている。第四構成部54の接続壁部54bとドライブピニオンギア5の外周面5aとの隙間は、鉛直方向上方へ向かうに従い拡大している。つまり、誘導路55は、鉛直方向上方から落下する潤滑油を受け入れるように上方に向けて開口している。これにより、誘導路55は、鉛直方向上方から落下する潤滑油を噛合い部24に導くことができる。
本実施形態の潤滑油供給装置1−5は、カウンタドリブンギア4の回転により掻き揚げられた潤滑油を誘導路55に垂らし入れる誘導構造を有している。具体的には、オイル受け部8のリブ8aは、誘導部8bを有している。誘導部8bは、カウンタドリブンギア4の回転によって掻き揚げられてリブ8aに付着した潤滑油を誘導路55の鉛直方向上方に導き、誘導路55に落下させるものである。リブ8aは、カウンタドリブンギア4の外周面4aに沿って延在する曲面部8cを有している。誘導部8bは、この曲面部8cにおけるカウンタドリブンギア4の回転方向Y3の前方側の端部である。誘導部8bは、回転方向Y3の前方へ向かうに従い下方に向かう傾斜を有している。誘導部8bの先端は、誘導路55の開口部の真上に位置している。よって、カウンタドリブンギア4の回転によって送られる潤滑油は、誘導部8bの先端から落下し、誘導路55に流入する。
また、ケース2は、カウンタドリブンギア4の鉛直方向下方に配置されたリブ56を有する。リブ56は、カウンタドリブンギア4の外周面4aの下部と対向しており、外周面4aに沿って延在している。図19に矢印Y11で示すように、差動機構23のデフケース23aに付着した潤滑油は、デフケース23aの回転により送られて、カウンタドリブンギア4に付着する。カウンタドリブンギア4に付着した潤滑油は、カウンタドリブンギア4の回転によって鉛直方向上方のリブ8aまで送られて、誘導部8bに導かれて誘導路55に落下する。図18に示すリブ56は、カウンタドリブンギア4に付着した潤滑油を下方からガードし、潤滑油が下方に落下することを抑制する。
また、リブ56は、カウンタドライブギア3の下方をガードしている。リブ56は、W字形状であり、カウンタドリブンギア4およびカウンタドライブギア3の鉛直方向下方をそれぞれガードしている。これにより、カウンタドライブギア3に付着した潤滑油は、カウンタドライブギア3とリブ56との間を送られてカウンタドライブギア3とカウンタドリブンギア4との噛合い部に送られる。よって、リブ56は、カウンタドリブンギア4によって掻き揚げられる潤滑油量を増加させて誘導路55に供給する油量を増加させることができる。
なお、カウンタドリブンギア4の回転によって送られる潤滑油以外に、動力伝達装置1の各部を潤滑した潤滑油を誘導路55の上方に導いて誘導路55に落下させる誘導部材が設けられてもよい。潤滑後の潤滑油を誘導路55に導くようにすれば、貯留部9まで潤滑油を落下させてデフリングギア7によって再度掻き揚げる場合よりも効率よくオイル受け部8に潤滑油を循環させることができる。
[各実施形態の変形例]
上記各実施形態の変形例について説明する。図20は、本変形例に係る通路部材10の要部を示す斜視図、図21は、デフリングギアによって送られる潤滑油の進行方向を示す図である。本変形例では、ギアによる掻き揚げをガイドするガイド面に、ギアのはす歯と逆向きの模様が形成されている。これにより、ギアの回転によって送られる潤滑油が斜めに進むことを抑制し、掻き揚げ効率を向上させることができる。本変形例では、上記第1実施形態の通路部材10においてガイド面に模様が形成された場合を例に説明する。
図21に示すように、デフリングギア7は、はす歯歯車である。デフリングギア7の歯スジは、軸方向および周方向のいずれに対しても傾斜している。これにより、デフリングギア7の回転によって送られる潤滑油は、周方向に対して斜め方向(軸方向)に飛び出すこととなる。その結果、デフリングギア7の回転の勢いにより掻き揚げることのできる高さにロスが生じる虞がある。
本変形例では、図20に示すように、通路部材10の曲面部11bにおいて、ガイド面11c、すなわちデフリングギア7の外周面7aと対向する面には、模様11dが形成されている。模様11dは、互いに平行な筋状のものであり、ガイド面11cに対して所定の間隔で複数形成されている。
模様11dは、例えば、ガイド面11cに対して径方向内側に向けて突出する突起形状や、径方向外側に向けて凹む溝形状とすることができる。模様11dは、周方向に対して傾斜した斜線形状である。模様11dの傾斜方向は、デフリングギア7によって送られる潤滑油が飛び出す傾斜方向と反対方向である。すなわち、ガイド面11cと対向する領域において、デフリングギア7の歯スジが車両右側へ向かうに従い鉛直下側に向かう傾斜方向であれば、これと対向する模様11dの傾斜方向は、車両右側へ向かうに従い鉛直下側に向かう傾斜とされる。
これにより、デフリングギア7の回転によって潤滑油が軸方向の一方、例えば車両右側に飛び出そうとするのに対して、模様11dによって潤滑油が車両左側に向かう力を受ける。よって、潤滑油が軸方向の一方に飛び出すことが抑制され、潤滑油が鉛直上方に導かれる。
このように、ガイド面11cに模様11dが形成されていることにより、デフリングギア7によって送られる潤滑油が鉛直方向上方に導かれる。よって、本変形例によれば、デフリングギア7の回転によって送られる潤滑油のオイル受け部8に対する供給能力を向上させることができる。
上記の各実施形態および変形例に開示された内容は、適宜組み合わせて実行されることができる。
1−1,1−2,1−3,1−4,1−5 動力伝達装置の潤滑油供給装置
1 動力伝達装置
5 ドライブピニオンギア(第三回転部材)
6 MG2リダクションギア(第二回転部材)
7 デフリングギア(第一回転部材)
8 オイル受け部
9 貯留部
10,30,40,50 通路部材
15 外周部流路
16 第一通路
16a 第一流入口
17 第二通路
17a 第二流入口
【0002】
二回転部材よりも鉛直方向上方に配置されたオイル受け部と、前記第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を前記オイル受け部に導く第一通路と、前記第二回転部材の外周面と対向する流出口を有し、前記第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を前記第二回転部材に導く第二通路と、を備え、前記第二回転部材は、前記第二通路を介して送られる潤滑油を、前記車輪の回転と連動して回転して鉛直方向上方に送ることを特徴とする。
[0007]
上記動力伝達装置の潤滑油供給装置において、更に、前記第二回転部材によって送られる潤滑油を前記オイル受け部に導く誘導部を備えることが好ましい。
[0008]
上記動力伝達装置の潤滑油供給装置において、更に、前記第一回転部材の外周に沿って延在し、前記第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を鉛直方向上方に導く外周部流路を備え、前記第一通路および前記第二通路は、それぞれ前記外周部流路と接続されており、前記外周部流路から前記第一通路への流入口である第一流入口よりも前記外周部流路から前記第二通路への流入口である第二流入口が前記外周部流路における潤滑油の流れ方向の下流側に位置することが好ましい。
[0009]
上記動力伝達装置の潤滑油供給装置において、前記外周部流路における前記第二流入口よりも前記流れ方向の下流側の流路断面積は、前記外周部流路における前記第二流入口よりも前記流れ方向の上流側の流路断面積よりも小さいことが好ましい。
[0010]
上記動力伝達装置の潤滑油供給装置において、前記外周部流路における前記第一流入口と前記第二流入口との間の流路断面積は、前記外周部流路における前記第一流入口よりも前記流れ方向の上流側の流路断面積よりも小さいことが好ましい。
[0011]
上記動力伝達装置の潤滑油供給装置において、更に、前記第一回転部材と噛合う第三回転部材と、前記第一回転部材の外周および前記第三回転部材の外周を覆う通路部材と、を備え、前記通路部材は、前記第一回転部材の外周との間に前記第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を鉛直方向上方に
【0004】
転して貯留部の潤滑油を送る第一回転部材と、第一回転部材よりも鉛直方向上方に配置され、車輪と接続された第二回転部材と、第一回転部材および第二回転部材よりも鉛直方向上方に配置されたオイル受け部と、第一回転部材の回転によって送られる潤滑油をオイル受け部に導く第一通路と、第二回転部材の外周面と対向する流出口を有し、第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を第二回転部材に導く第二通路と、を備え、第二回転部材は、第二通路を介して送られる潤滑油を、車輪の回転と連動して回転して鉛直方向上方に送る。よって、本発明に係る動力伝達装置の潤滑油供給装置によれば、回転部材の回転によって送られる潤滑油をオイル受け部に対して供給する供給能力を向上することができるという効果を奏する。
図面の簡単な説明
[0016]
[図1]図1は、第1実施形態に係る動力伝達装置の概略構成を示す正面図である。
[図2]図2は、第1実施形態に係る動力伝達装置の断面図である。
[図3]図3は、第1実施形態に係る通路部材の正面図である。
[図4]図4は、第1実施形態に係る通路部材の側面図である。
[図5]図5は、滑油供給装置による潤滑油の供給能力の説明図である。
[図6]図6は、外周部流路の流路断面積の説明図である。
[図7]図7は、第2実施形態に係る動力伝達装置の概略構成を示す正面図である。
[図8]図8は、第2実施形態に係る動力伝達装置の断面図である。
[図9]図9は、第2実施形態に係る通路部材の正面図である。
[図10]図10は、第2実施形態に係る通路部材の側面図である。
[図11]図11は、第2実施形態に係る通路部材の斜視図である。
[図12]図12は、各モータジェネレータの特性を示す図である。
[図13]図13は、第3実施形態に係る動力伝達装置の概略構成を示す正面図である。
[図14]図14は、第3実施形態に係る通路部材の斜視図である。
本発明の動力伝達装置の潤滑油供給装置は、潤滑油を貯留する貯留部と、車両の車輪と接続され、前記車輪の回転と連動して回転して前記貯留部の潤滑油を送る第一回転部材と、前記第一回転部材よりも鉛直方向上方に配置され、前記車輪と接続された第二回転部材と、前記第一回転部材および前記第二回転部材よりも鉛直方向上方に配置されたオイル受け部と、前記第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を前記オイル受け部に導く第一通路と、前記第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を前記第二回転部材に導く第二通路と、前記第一回転部材の外周に沿って延在し、前記第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を鉛直方向上方に導く外周部流路と、を備え、前記第一通路および前記第二通路は、それぞれ前記外周部流路と接続されており、前記外周部流路から前記第一通路への流入口である第一流入口よりも前記外周部流路から前記第二通路への流入口である第二流入口が前記外周部流路における潤滑油の流れ方向の下流側に位置し、前記外周部流路における前記第二流入口よりも前記流れ方向の下流側の流路断面積は、前記外周部流路における前記第二流入口よりも前記流れ方向の上流側の流路断面積よりも小さく、前記第二回転部材は、前記第二通路を介して送られる潤滑油を、前記車輪の回転と連動して回転して鉛直方向上方に送ることを特徴とする。
上記動力伝達装置の潤滑油供給装置において、前記外周部流路における前記第一流入口と前記第二流入口との間の流路断面積は、前記外周部流路における前記第一流入口よりも前記流れ方向の上流側の流路断面積よりも小さいことが好ましい。
本発明の動力伝達装置の潤滑油供給装置は、潤滑油を貯留する貯留部と、車両の車輪と接続され、前記車輪の回転と連動して回転して前記貯留部の潤滑油を送る第一回転部材と、前記第一回転部材よりも鉛直方向上方に配置され、前記車輪と接続された第二回転部材と、前記第一回転部材および前記第二回転部材よりも鉛直方向上方に配置されたオイル受け部と、前記第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を前記オイル受け部に導く第一通路と、前記第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を前記第二回転部材に導く第二通路と、前記第一回転部材と噛合う第三回転部材と、前記第一回転部材の外周および前記第三回転部材の外周を覆う通路部材と、を備え、前記通路部材は、前記第一回転部材の外周との間に前記第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を鉛直方向上方に導く外周部流路を形成し、前記第一通路および前記第二通路は、前記第三回転部材よりも前記外周部流路における潤滑油の流れ方向の上流側においてそれぞれ前記外周部流路と接続されており、前記通路部材は、前記第一回転部材との噛合い範囲を含む前記第三回転部材の外周全体と前記第一回転部材の外周とを一体的に覆っており、前記第二回転部材は、前記第二通路を介して送られる潤滑油を、前記車輪の回転と連動して回転して鉛直方向上方に送ることを特徴とする。
本発明の動力伝達装置の潤滑油供給装置は、潤滑油を貯留する貯留部と、車両の車輪と接続され、前記車輪の回転と連動して回転して前記貯留部の潤滑油を送る第一回転部材と、前記第一回転部材よりも鉛直方向上方に配置され、前記車輪と接続された第二回転部材と、前記第一回転部材および前記第二回転部材よりも鉛直方向上方に配置されたオイル受け部と、前記第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を前記オイル受け部に導く第一通路と、前記第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を前記第二回転部材に導く第二通路と、前記第一回転部材と噛合う第三回転部材と、前記第三回転部材の外周面と対向し、前記第三回転部材の回転によって送られる潤滑油を鉛直方向上方に導く誘導部材と、を備え、前記第二回転部材は、前記第二通路を介して送られる潤滑油を、前記車輪の回転と連動して回転して鉛直方向上方に送ることを特徴とする。
本発明の動力伝達装置の潤滑油供給装置は、潤滑油を貯留する貯留部と、車両の車輪と接続され、前記車輪の回転と連動して回転して前記貯留部の潤滑油を送る第一回転部材と、前記第一回転部材よりも鉛直方向上方に配置され、前記車輪と接続された第二回転部材と、前記第一回転部材および前記第二回転部材よりも鉛直方向上方に配置されたオイル受け部と、前記第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を前記オイル受け部に導く第一通路と、前記第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を前記第二回転部材に導く第二通路と、前記第一回転部材と噛合う第三回転部材と、前記第一回転部材の外周、前記第三回転部材の外周および前記第一回転部材と前記第三回転部材との噛合い部を一体的に覆う通路部材と、を備え、前記通路部材は、前記第一回転部材の外周との間に前記第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を鉛直方向上方に導く外周部流路を形成し、前記第一通路および前記第二通路は、前記噛合い部よりも前記外周部流路における潤滑油の流れ方向の上流側においてそれぞれ前記外周部流路と接続されており、前記通路部材は、更に、前記第三回転部材の外周との間に誘導路を形成し、前記誘導路は、鉛直方向上方から落下する潤滑油を前記噛合い部に導き、前記第二回転部材は、前記第二通路を介して送られる潤滑油を、前記車輪の回転と連動して回転して鉛直方向上方に送ることを特徴とする。
本発明に係る動力伝達装置の潤滑油供給装置は、車輪の回転と連動して回転して貯留部の潤滑油を送る第一回転部材と、第一回転部材よりも鉛直方向上方に配置され、車輪と接続された第二回転部材と、第一回転部材および第二回転部材よりも鉛直方向上方に配置されたオイル受け部と、第一回転部材の回転によって送られる潤滑油をオイル受け部に導く第一通路と、第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を第二回転部材に導く第二通路と、第一回転部材の外周に沿って延在し、第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を鉛直方向上方に導く外周部流路と、を備え、第一通路および第二通路は、それぞれ外周部流路と接続されており、外周部流路から第一通路への流入口である第一流入口よりも外周部流路から第二通路への流入口である第二流入口が外周部流路における潤滑油の流れ方向の下流側に位置し、外周部流路における第二流入口よりも流れ方向の下流側の流路断面積は、外周部流路における第二流入口よりも流れ方向の上流側の流路断面積よりも小さく、第二回転部材は、第二通路を介して送られる潤滑油を、車輪の回転と連動して回転して鉛直方向上方に送る。よって、本発明に係る動力伝達装置の潤滑油供給装置によれば、回転部材の回転によって送られる潤滑油をオイル受け部に対して供給する供給能力を向上することができるという効果を奏する。

Claims (9)

  1. 潤滑油を貯留する貯留部と、
    車両の車輪と接続され、前記車輪の回転と連動して回転して前記貯留部の潤滑油を送る第一回転部材と、
    前記第一回転部材よりも鉛直方向上方に配置され、前記車輪と接続された第二回転部材と、
    前記第一回転部材および前記第二回転部材よりも鉛直方向上方に配置されたオイル受け部と、
    前記第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を前記オイル受け部に導く第一通路と、
    前記第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を前記第二回転部材に導く第二通路と、
    を備え、
    前記第二回転部材は、前記第二通路を介して送られる潤滑油を、前記車輪の回転と連動して回転して鉛直方向上方に送る
    ことを特徴とする動力伝達装置の潤滑油供給装置。
  2. 更に、前記第二回転部材によって送られる潤滑油を前記オイル受け部に導く誘導部を備える
    請求項1に記載の動力伝達装置の潤滑油供給装置。
  3. 更に、前記第一回転部材の外周に沿って延在し、前記第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を鉛直方向上方に導く外周部流路を備え、
    前記第一通路および前記第二通路は、それぞれ前記外周部流路と接続されており、
    前記外周部流路から前記第一通路への流入口である第一流入口よりも前記外周部流路から前記第二通路への流入口である第二流入口が前記外周部流路における潤滑油の流れ方向の下流側に位置する
    請求項1または2に記載の動力伝達装置の潤滑油供給装置。
  4. 前記外周部流路における前記第二流入口よりも前記流れ方向の下流側の流路断面積は、前記外周部流路における前記第二流入口よりも前記流れ方向の上流側の流路断面積よりも小さい
    請求項3に記載の動力伝達装置の潤滑油供給装置。
  5. 前記外周部流路における前記第一流入口と前記第二流入口との間の流路断面積は、前記外周部流路における前記第一流入口よりも前記流れ方向の上流側の流路断面積よりも小さい
    請求項4に記載の動力伝達装置の潤滑油供給装置。
  6. 更に、
    前記第一回転部材と噛合う第三回転部材と、
    前記第一回転部材の外周および前記第三回転部材の外周を覆う通路部材と、
    を備え、
    前記通路部材は、前記第一回転部材の外周との間に前記第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を鉛直方向上方に導く外周部流路を形成し、
    前記第一通路および前記第二通路は、前記第三回転部材よりも前記外周部流路における潤滑油の流れ方向の上流側においてそれぞれ前記外周部流路と接続されており、
    前記通路部材は、前記第一回転部材との噛合い範囲を含む前記第三回転部材の外周全体と前記第一回転部材の外周とを一体的に覆っている
    請求項1に記載の動力伝達装置の潤滑油供給装置。
  7. 更に、
    前記第一回転部材と噛合う第三回転部材と、
    前記第三回転部材の外周面と対向し、前記第三回転部材の回転によって送られる潤滑油を鉛直方向上方に導く誘導部材と、
    を備える
    請求項1に記載の動力伝達装置の潤滑油供給装置。
  8. 更に、
    前記第一回転部材と噛合う第三回転部材と、
    前記第一回転部材の外周、前記第三回転部材の外周および前記第一回転部材と前記第三回転部材との噛合い部を一体的に覆う通路部材と、
    を備え、
    前記通路部材は、前記第一回転部材の外周との間に前記第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を鉛直方向上方に導く外周部流路を形成し、
    前記第一通路および前記第二通路は、前記噛合い部よりも前記外周部流路における潤滑油の流れ方向の上流側においてそれぞれ前記外周部流路と接続されており、
    前記通路部材は、更に、前記第三回転部材の外周との間に誘導路を形成し、
    前記誘導路は、鉛直方向上方から落下する潤滑油を前記噛合い部に導く
    請求項1に記載の動力伝達装置の潤滑油供給装置。
  9. 前記オイル受け部は、低車速において潤滑油の供給を必要とする被潤滑部に接続された第一オイル受け部と、高車速において潤滑油の供給を必要とする被潤滑部に接続された第二オイル受け部とを有し、
    前記第一通路は、前記第一回転部材の回転によって送られる潤滑油を前記第二オイル受け部に導き、
    前記誘導部は、前記第二回転部材によって送られる潤滑油を前記第一オイル受け部に導く
    請求項2に記載の動力伝達装置の潤滑油供給装置。
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