JP2011247315A - ベルト式無段変速機 - Google Patents

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健太 堀池
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Abstract

【課題】ベルト式無段変速機30のケース12内において、駆動プーリ33に巻き掛けられるベルト35の周辺に油を滞留させにくくする。
【解決手段】ケース12には油溜まり部61と駆動プーリ33とを隔てるための隔壁12aが設けられているとともに、この隔壁12aには油溜まり部61と隔壁12aの上部とを連通するための油排出口12bが設けられている。この油排出口12bは、駆動プーリ33の可動シーブ33bが固定シーブ33a側へ近づけられるほど可動シーブ33bの外周面によって塞がれる面積が大きくなるように設置される。駆動プーリ33の可動シーブ33bには、可動シーブ33bが固定シーブ33a側へ近づけられるほど可動シーブ33bの回転に伴い駆動プーリ33に巻き掛けられるベルト35の周辺の油を油排出口12bから油溜まり部61へ導入させる作用を強くするための排油促進部71が設けられている。
【選択図】図6

Description

本発明は、例えば自動車などの車両に搭載されるベルト式無段変速機に関する。
一般的に、ベルト式無段変速機では、駆動プーリに巻き掛けられるベルトによる油の攪拌が原因となるフリクションロスを発生する。そこで、このフリクションロスを低減するためには、駆動プーリに巻き掛けられるベルトの周辺に油を滞留させないようにすることが望ましいと言える。
ここで、例えば特許文献1では、ベルト式無段変速機を備えるトランスアクスルにおいて、主プーリ(駆動プーリ)が配置される領域とオイルパン室とを隔てるためのトランスアクスルケースの底壁に縦孔を設け、終減速部が配置される領域とオイルパン室とを区画するためのトランスアクスルケースの中間壁に横孔を設け、ファイナルギヤによる油のかき上げ作用によって前記各孔を通じて油を循環させることにより、トランスアクスルケース内の油面高さを低くしようとしている。
実開昭62−27259号公報
前記特許文献1に係る従来例では、前記縦孔や横孔が開放されたままで、必要に応じて開閉できるような構成になっていない関係より、次のようなことが懸念される。
例えば高速走行中のように駆動プーリに対するベルトの巻き掛け径を大きくして減速比を小さくしている状況では、ファイナルギヤにより油をかき上げる量が増えるとともに油温が上昇するために、トランスアクスルケースの前記底壁上に多量の油が集まりやすくなる。そのために、前記底壁上の多量の油に駆動プーリに対する巻き掛け径が大きくなっているベルトが深く浸かるようになって、このベルトによる油の攪拌損失が増大するようになる。
このような事情に鑑み、本発明は、ベルト式無段変速機のケース内において、駆動プーリに巻き掛けられるベルトの周辺に油を滞留させにくくすることを目的としている。
本発明は、固定シーブおよび可動シーブを組み合わせてなる駆動プーリと、固定シーブおよび可動シーブを組み合わせてなる従動プーリと、前記両方のプーリ間に巻き掛けられるベルトとをケース内に収納配置し、かつ前記可動シーブを固定シーブに対して遠近変位させることにより変速比を変更するベルト式無段変速機において、次のような構成を備えることを特徴としている。
前記駆動プーリが、前記従動プーリよりも前記ケース内における下方の油溜まり部寄りに配置されている。前記ケースには、前記油溜まり部と前記駆動プーリとを隔てるための隔壁が設けられているとともに、この隔壁には、前記油溜まり部と前記隔壁の上部とを連通するための油排出口が設けられている。この油排出口は、前記駆動プーリの可動シーブが固定シーブ側へ近づけられるほど当該可動シーブの外周面によって塞がれる面積が大きくなるように設置されている。前記駆動プーリの可動シーブには、当該可動シーブが固定シーブ側へ近づけられるほど当該可動シーブの回転に伴い前記駆動プーリに巻き掛けられるベルトの周辺の油を前記油排出口から前記油溜まり部へ導入させる作用を強くするための排油促進部が設けられている。
なお、駆動プーリの可動シーブを固定シーブ側へ近づけるほど、駆動プーリに対するベルトの巻き掛け径が大きくなって、駆動プーリに巻き掛けられるベルトが鉛直方向で低い位置に配置されるようになる。逆に、前記駆動プーリの可動シーブを固定シーブ側から遠ざけるほど、駆動プーリに対するベルトの巻き掛け径が小さくなって、駆動プーリに巻き掛けられるベルトが鉛直方向で高い位置に配置されるようになる。
まず、本発明の構成では、駆動プーリの可動シーブを固定シーブ側から遠ざけるほど油排出口の開口面積が大きくなって油排出口から油を流通させやすくなるから、仮に油温が低くて油が流動しにくい状況であっても、隔壁上に集まる油を油排出口から油溜まり部へ効率良く排出させることが可能になる。これにより、駆動プーリに巻き掛けられるベルトの周辺に油を滞留させにくくすることが可能になるとともに、油溜まり部に十分な量の油を戻すことが可能になる。そのため、仮に油溜まり部の油をオイルポンプで吸入して可動シーブ作動用の油圧サーボに作動油として供給する構成を採用している場合には、前記オイルポンプがエア噛みする可能性が低くなる。
また、本発明の構成では、駆動プーリの可動シーブを固定シーブ側へ近づけるほど油排出口の開口面積が小さくなって油排出口から油を流通させにくくなるから、仮に油温が上昇して油面高さが上昇するような状況において、油溜まり部の油が油排出口を逆流して隔壁上に溢れ出にくくなる。それに加えて、本発明では、駆動プーリの可動シーブを固定シーブ側へ近づけるほど隔壁上においてベルトの周辺の油を油排出口から油溜まり部へ導入させる作用を強くするようになっているから、前記のように油温が高くて油面高さが上昇するような状況において、ケース内を循環する油が隔壁上に集まりやすくなったとしても、この油を油排出口から油溜まり部へ効率良く排出させることが可能になる。これにより、駆動プーリに巻き掛けられるベルトの周辺に油を滞留させにくくすることが可能になる。そのため、前記のように駆動プーリに巻き掛けられるベルトが鉛直方向で低い位置に配置されていてかつ油面高さが上昇するような不利な状況になっても、ベルトが油に浸かりにくくなって、攪拌損失が増大する可能性が低下するようになる。
好ましくは、前記隔壁の上面において前記油排出口の開口縁には、前記排油促進部と協働して油流動作用を促進するための補助排油促進部が設けられる。
好ましくは、前記可動シーブに設ける排油促進部は、螺旋歯とされ、前記補助排油促進部は、前記螺旋歯と対になる螺旋歯とされる。この場合、前記油排出口を塞ぐ面積が大きくなるほど前記油流動作用が発生しやすくなる。
本発明は、ベルト式無段変速機のケース内において駆動プーリに巻き掛けられるベルトの周辺に油を滞留させにくくすることが可能になる。そのため、駆動プーリに巻き掛けられるベルトによる油の攪拌損失を低減するうえで有利になる。
本発明に係るベルト式無段変速機を備えるトランスアクスルの概略構成を示すスケルトン図である。 図1の(2)−(2)線断面の矢視図であり、減速比を最大(Low)にした状態を示している。 図1の(2)−(2)線断面の矢視図であり、減速比を最小(High)にした状態を示している。 図2のプライマリプーリとオイルパン室とを隔てるためのトランスアクスルケースの隔壁を示す平面図である。 ベルト式無段変速機の減速比を最大(Low)にした場合におけるプライマリプーリの可動シーブと油排出口との相対的な位置関係を示す図である。 ベルト式無段変速機の減速比を最小(High)にした場合におけるプライマリプーリの可動シーブと油排出口との相対的な位置関係を示す図である。 本発明に係るベルト式無段変速機を備えるトランスアクスルの他実施形態で、図6に対応する図である。
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1から図6に、本発明の一実施形態を示している。図中、1はトランスアクスルの全体を示している。この実施形態に示すトランスアクスル1は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式の車両に搭載される構成になっている。
トランスアクスル1は、トルクコンバータ10、前後進切り替え機構20、ベルト式無段変速機30、リダクション機構40、デファレンシャル50などを備えている。
前後進切り替え機構20は、ダブルピニオンタイプの遊星歯車機構21、フォワードクラッチ22、リバースブレーキ23などを備えている。
遊星歯車機構21のサンギヤ21aがタービンシャフト11に、また、遊星歯車機構21のキャリア21bがベルト式無段変速機30のプライマリシャフト31にそれぞれ連結されている。フォワードクラッチ22およびリバースブレーキ23を制御することにより、タービンシャフト11から入力される駆動力を、前進駆動力(正方向駆動力)あるいは後進駆動力(逆方向駆動力)として出力する。
ベルト式無段変速機30は、プライマリプーリ(駆動プーリ)33とセカンダリプーリ(従動プーリ)34とに、ベルト35を巻き掛けた構成になっている。
プライマリプーリ33は、入力軸(駆動軸)となるプライマリシャフト31の外径側に設けられており、また、セカンダリプーリ34は、出力軸(従動軸)となるセカンダリシャフト32の外径側に設けられている。プライマリプーリ33およびセカンダリプーリ34は、共に、固定シーブ33a,34aと可動シーブ33b,34bとを組み合わせた構成である。
プライマリプーリ33は、プライマリシャフト31の外周に一体に形成される固定シーブ33aと、プライマリシャフト31の外周に軸方向スライド可能に装着される可動シーブ33bとを組み合わせた構成である。油圧サーボ36により可動シーブ33bをスライドさせることにより、固定シーブ33aと可動シーブ33bとで形成するV溝の幅を大小調整して、プライマリプーリ33に対するベルト35の巻き掛け径を変更する。
セカンダリプーリ34は、セカンダリシャフト32の外周に一体に形成される固定シーブ34aと、セカンダリシャフト32の外周に軸方向変位可能に装着される可動シーブ34bとを組み合わせた構成である。油圧サーボ37により可動シーブ34bをスライドさせることにより、固定シーブ34aと可動シーブ34bとで形成するV溝の幅を大小調整して、セカンダリプーリ34に対するベルト35の巻き掛け径を変更する。
なお、プライマリプーリ33の可動シーブ33bを固定シーブ33aから遠ざけることによりV溝の幅を大きくしてベルト35の巻き掛け径を小さくするとともに、セカンダリプーリ34の固定シーブ34aと可動シーブ34bとで形成するV溝の幅を小さくしてベルト35の巻き掛け径を大きくするほど、減速比が大きくなる。
逆に、プライマリプーリ33の可動シーブ33bを固定シーブ33aに近づけることによりV溝の幅を小さくしてベルト35の巻き掛け径を大きくするとともに、セカンダリプーリ34の固定シーブ34aと可動シーブ34bとで形成するV溝の幅を大きくしてベルト35の巻き掛け径を小さくするほど、減速比が小さくなる。
リダクション機構40は、ベルト式無段変速機30から出力された駆動力を減速しながらデファレンシャル50に伝達するもので、リダクションドライブギヤ41、リダクションドリブンギヤ42、デファレンシャルドライブギヤ43などを備えている。
リダクションドライブギヤ41の中心軸44は、ベルト式無段変速機30のセカンダリシャフト32に同軸で一体回転可能に連結されている。リダクションドリブンギヤ42およびデファレンシャルドライブギヤ43は、セカンダリシャフト32とほぼ平行に配置されたシャフト45に軸方向隣り合わせに一体に形成されている。リダクションドライブギヤ41はリダクションドリブンギヤ42に噛み合わされており、デファレンシャルドライブギヤ43は、デファレンシャル50のファイナルリングギヤ51に噛み合わされている。
デファレンシャル50は、前記リダクション機構40から入力される駆動力を左右一対のアクスルシャフト52,53に連結される車輪(図示省略)に適宜の比率で分配して伝達する。
次に、図2から図4を参照して、ベルト式無段変速機30のプライマリプーリ33やセカンダリプーリ34の位置関係を説明する。
図2および図3に示すように、トランスアクスルケース12内において、プライマリプーリ33がセカンダリプーリ34よりも鉛直方向下側に配置されている。このトランスアクスルの下側開口には、オイルパン13が取り付けられる。なお、図示していないが、トランスアクスルケース12において、前側開口にはトランスアクスルハウジングが、また、後側開口にはリヤカバーがそれぞれ取り付けられる。
このトランスアクスルケース12内に封入される油は、デファレンシャル50のファイナルリングギヤ51の回転に伴い、図2および図3の矢印で示すように、かき上げられることによって上方に配置される適宜の潤滑必要部位に供給されてから、油溜まり部としてのオイルパン室61に落とされるようにして戻される。つまり、油はトランスアクスルケース12内で循環されるようになっている。その他、オイルポンプ室61内の油は、図示していないオイルポンプによりオイルストレーナを介して吸入されて、油圧サーボ36,37に作動油として供給されるようになっている。
このトランスアクスルケース12内においてプライマリプーリ33の下側領域には、隔壁12aが設けられている。この隔壁12aは、プライマリプーリ33の外周面とほぼ同じ曲率になった部分円弧形状に形成されており、プライマリプーリ33の下側領域に非接触状態で対向配置されるようになっている。この隔壁12aは、プライマリプーリ33とオイルパン室61とを隔てて、プライマリプーリ33に巻き掛けられているベルト35をオイルパン室61の油に浸かりにくくさせるために設けられている。
さらに、隔壁12aにおいてプライマリプーリ33のほぼ真下の領域には、油排出口12bが設けられている。この油排出口12bは、プライマリプーリ33の中心から真下を通る仮想直線(不図示)を挟む所定角度範囲に設けられている。つまり、この油排出口12bは、隔壁12aの上側に位置する凹曲面上(無段変速機30の配置空間62)に集まってくる油をオイルパン室61へ戻しやすくするために設けられている。
そして、この実施形態では、前記のように隔壁12aおよび油排出口12bを設ける構成を前提にし、さらに、プライマリプーリ33の可動シーブ33bのスライド位置に応じて、前記油排出口12bの開口面積を大小調整できるように工夫している。
具体的には、まず、油排出口12bとプライマリプーリ33の可動シーブ33bとの相対的な位置関係について、次のような条件を満たすように特定する。
図5に示すように、プライマリプーリ33の可動シーブ33bを固定シーブ33a側から遠ざけることによってベルト式無段変速機30の減速比を大きくするほど、プライマリプーリ33の可動シーブ33bの斜面が油排出口12b内に臨む状態になって可動シーブ33bの円柱形外周面33cで油排出口12bを塞ぐ面積が小さくなるようにしている。この場合、言い換えると油排出口12bの開口面積が大きくなるから、油排出口12bを油が流通しやすくなる。これにより、図5に示すように減速比を最大(Low)にした場合に油排出口12bの油流通量が最大になる。
図6に示すように、プライマリプーリ33の可動シーブ33bを固定シーブ33a側へ近づけることによってベルト式無段変速機30の減速比を小さくするほど、プライマリプーリ33の可動シーブ33bの円柱形外周面33cで油排出口12bを塞ぐ面積が大きくなるようにしているとともに、円筒形外周面33cと隔壁12aの凹曲面との対向隙間を隔壁12aの凹曲面上とオイルパン室61との連通路にするようにしている。この場合、言い換えると油排出口12bの開口面積が小さくなるから、油排出口12bを油が流通しにくくなる。これにより、図6に示すように減速比を最小(High)にした場合に油排出口12bの油流通量が最小になる。
さらに、図5および図6に示すように、プライマリプーリ33の可動シーブ33bの円柱形外周面33cに、排油促進部71としての螺旋歯を設ける。この螺旋歯からなる排油促進部71に対して非接触でほぼ平行となるように、隔壁12aの凹曲面上において油排出口12bの開口縁に、補助排油促進部72としての螺旋歯を設ける。
両方の螺旋歯の歯間ピッチは、ほぼ同じに設定する。さらに、排油促進部71としての螺旋歯を、補助排油促進部72としての螺旋歯に対向させたときに、両方の螺旋歯が歯(山)どうしと溝(谷)どうしが径方向で非接触に対向するように設定される。
そして、螺旋歯からなる排油促進部71と螺旋歯からなる補助排油促進部72とを対向させたときに、プライマリプーリ33の可動シーブ33bの回転に伴い、前記両螺旋歯による送りねじ的なポンピング作用を発生し、前記両螺旋歯で形成する螺旋状の対向隙間内に存在する油が油排出口12bへ向けて流動させられるようになって、油排出口12bに強制的に導入されるようになる。なお、ベルト式無段変速機30の減速比を小さくするほど、螺旋歯からなる排油促進部71と螺旋歯からなる補助排油促進部72とが対向する領域の軸方向長さが長くなると、この両方の螺旋歯の対向隙間(螺旋溝)内に存在する油の流動作用が強くなる。
以上説明したように本発明を適用した実施形態では、無段変速機30のプライマリプーリ33とオイルパン室61とを隔てる隔壁12aに設けられている油排出口12bについて、低速走行時のように減速比を大きくするほど「大きな開口面積にする」ことによって油排出口12bから油を流通させやすくする一方で、高速走行時のように減速比を小さくするほど「小さな開口面積にする」ことによって油排出口12bから油を流通させにくくし、さらに前記高速走行時に排油促進部71および補助排油促進部72によって隔壁12上の油を油排出口12bからオイルパン室61へ強制排出させるようにしている。これにより、次のような作用、効果が得られる。
まず、低速走行とする場合のように減速比を大きくする場合には、図2および図5に示すように、プライマリプーリ33に対するベルト35の巻き掛け径が小さくなってプライマリプーリ33に巻き掛けられるベルト35が鉛直方向で高い位置に配置されるようになる関係より、油温が高くて油面高さが上昇することによって、隔壁12aの凹曲面上(無段変速機30の配置空間62)に多量の油が溜まるような状況になったとしても、この油にベルト35が浸かりにくいという利点がある。その反面、油温が低くて油が流動しにくくなると、隔壁12aの凹曲面上に集まる油が油排出口12bからオイルパン室61へ戻りにくくなるので、ベルト35が油に浸かりやすくなって攪拌損失が増大するうえ、オイルポンプ(図示省略)がエア噛みする可能性が高くなることが懸念される。
しかしながら、この実施形態では、前記したように低速走行時に油排出口12bの開口面積を大きくするようになっているから、たとえ油温が低くて油が流動しにくい状況であっても、隔壁12aの凹曲面上に集まる油を油排出口12bからオイルパン室61へ効率良く戻すことが可能になる。要するに、低速走行時には、隔壁12aの凹曲面上の油をオイルパン室61に戻す性能を極力高めることができるから、ベルト35の周辺に油を滞留させにくくできて、ベルト35による油の攪拌損失の増大を抑制することが可能になるうえ、オイルポンプ(図示省略)がエア噛みする可能性を低くすることができる。
逆に、高速走行とする場合のように減速比を小さくする場合には、図3および図6に示すように、プライマリプーリ33に対するベルト35の巻き掛け径が大きくなってプライマリプーリ33に巻き掛けられるベルト35が鉛直方向で低い位置に配置されるようになることに加えて、ファイナルリングギヤ51の回転数が上昇することに伴いファイナルリングギヤ51によりかき上げられる油量が増えて隔壁12aの凹曲面上に多量の油が集まるようになる関係より、たとえ油温が低くて油面高さが低いような状況であったとしても、ベルト35が油に浸かりやすいという点でそもそも不利である。当然ながら油温が上昇して油面高さが上昇すると、隔壁12aの凹曲面上に多量の油が集まりやすくなるので、より不利である。
しかしながら、この実施形態では、前記したように高速走行時に油排出口12bの開口面積を小さくするようになっているから、油温が上昇して油面高さが上昇するようになっても、オイルパン室61の油が油排出口12bを逆流して隔壁12aの凹曲面上に溢れ出にくいようにすることができる。しかも、その際、排油促進部71および補助排油促進部72によって、隔壁12aの凹曲面上に集まる多量の油を油排出口12bからオイルパン室61へ強制的に排出させるようになっているから、プライマリプーリ33に巻き掛けられるベルト35の周辺に油を滞留させにくくできて、ベルト35による油の攪拌損失の増大を抑制することが可能になる。
したがって、この実施形態では、低速走行時で油温が低い状況において、隔壁12aの凹曲面上からオイルパン室61への油戻り性能を高めるようにしてオイルポンプ(図示省略)によるエア噛みを回避することが可能になり、また、高速走行時において、油温の高低に関係なく、ベルト35による油の攪拌損失の増大を抑制することが可能になる。
なお、本発明は、前記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲で包含されるすべての変形や応用が可能である。以下で例を挙げる。
(1)プライマリプーリ33の可動シーブ33bの円柱形外周面33cに設ける排油促進部71と、トランスアクスルケース12の隔壁12aの凹曲面上に設ける補助排油促進部72とについては、例えば図7に示すように、非接触で互いに平行となるテーパ面にすることが可能である。
具体的に、プライマリプーリ33の可動シーブ33bの円柱形外周面33cに、可動シーブ33bの斜面側から遠ざかるにつれて徐々に陥没するテーパ状陥没面を排油促進部71として設ける。このテーパ陥没面からなる排油促進部71に非接触でほぼ平行に対向するように、隔壁12aの凹曲面において油排出口12bの開口縁に、油排出口12bに近づくにつれて徐々に隆起するテーパ状隆起面を補助排油促進部72として設ける。
これにより、ベルト式無段変速機30の減速比を小さくすると、テーパ状陥没面からなる排油促進部71とテーパ状隆起面からなる補助排油促進部72とが対向配置されることによって対向隙間が形成され、この対向隙間内に存在する油が、プライマリプーリ33の可動シーブ33bの回転によって引き摺られつつ油排出口12bへ向けて流動させられるようになって、油排出口12bに強制的に導入されるようになる。このようにした場合も、上記実施形態と同様の油流動作用を発生する。
(2)上記各実施形態では、プライマリプーリ33の可動シーブ33bの円柱形外周面33cに排油促進部71を設けるとともに、トランスアクスルケース12の隔壁12aの凹曲面上に補助排油促進部72を設けた場合を例に挙げているが、プライマリプーリ33の可動シーブ33bの円柱形外周面33cに排油促進部71を設けるだけの形態にすることが可能である。
その場合、可動シーブ33bの排油促進部71については、トランスアクスルケース12の隔壁12aの凹曲面における油排出口14の開口縁との対向隙間を可及的に小さくするのが好ましい。
1 トランスアクスル
12 トランスアクスルケース
12a トランスアクスルケースの隔壁
12b 隔壁の油排出口
30 ベルト式無段変速機
33 プライマリプーリ
33a プライマリプーリの固定シーブ
33b プライマリプーリの可動シーブ
33c 可動シーブの円柱形外周面
34 セカンダリプーリ
34a セカンダリプーリの固定シーブ
34b セカンダリプーリの可動シーブ
35 ベルト
61 オイルパン室
62 無段変速機の配置空間
71 可動シーブの排油促進部
72 隔壁の補助排油促進部

Claims (3)

  1. 固定シーブおよび可動シーブを組み合わせてなる駆動プーリと、固定シーブおよび可動シーブを組み合わせてなる従動プーリと、前記両方のプーリ間に巻き掛けられるベルトとをケース内に収納配置し、かつ前記可動シーブを固定シーブに対して遠近変位させることにより変速比を変更するベルト式無段変速機であって、
    前記駆動プーリが、前記従動プーリよりも前記ケース内における下方の油溜まり部寄りに配置され、
    前記ケースには、前記油溜まり部と前記駆動プーリとを隔てるための隔壁が設けられているとともに、この隔壁には、前記油溜まり部と前記隔壁の上部とを連通するための油排出口が設けられ、
    この油排出口は、前記駆動プーリの可動シーブが固定シーブ側へ近づけられるほど当該可動シーブの外周面によって塞がれる面積が大きくなるように設置され、
    前記駆動プーリの可動シーブには、当該可動シーブが固定シーブ側へ近づけられるほど当該可動シーブの回転に伴い前記駆動プーリに巻き掛けられるベルトの周辺の油を前記油排出口から前記油溜まり部へ導入させる作用を強くするための排油促進部が設けられている、ことを特徴とするベルト式無段変速機。
  2. 請求項1に記載のベルト式無段変速機において、
    前記隔壁の上面において前記油排出口の開口縁には、前記排油促進部と協働して油流動作用を促進するための補助排油促進部が設けられる、ことを特徴とするベルト式無段変速機。
  3. 請求項2に記載のベルト式無段変速機において、
    前記可動シーブに設ける排油促進部は、螺旋歯とされ、前記補助排油促進部は、前記螺旋歯と対になる螺旋歯とされる、ことを特徴とするベルト式無段変速機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7301469B2 (ja) 2019-04-25 2023-07-03 ダイハツ工業株式会社 変速機

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