JP6696833B2 - 潤滑構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の動力伝達機構に用いられる潤滑構造に関する。具体的には、一部が油没した回転体が内部に配置される潤滑構造の技術分野に関する。
潤滑構造を備えた動力伝達機構としては、例えば、車両の変速機がある。
車両の変速機が備える潤滑構造には、オイルが一時的に貯留される凹部などが形成され、凹部に溜まった貯留オイルにギヤなど回転体の一端が油没するように構成されたものがある。このような構成では、回転体の回転により貯留オイルが巻き上げられて、回転体の潤滑や冷却が行われるが、回転体の回転時に貯留オイルの攪拌抵抗が生ずることにより、エネルギー損失が発生し伝達効率の悪化を招来してしまう。
特許文献1には、オイル量調節部材を設けることにより回転体(第2歯車)によって掻き上げられるオイル量を調節し攪拌抵抗を低減する構成が開示されている。
特開2009−257352号公報
ところが、オイル量調節部材を設けることによって撹拌抵抗の低減を図る場合には、部材の材質や配置等を考慮する必要があるため、構造の複雑化を招来してしまう。
そこで、本発明は、上記の状況に鑑み、構造の複雑化を招くことなく油没させた回転体の攪拌抵抗を減少させることを目的とする。
本発明に係る潤滑構造は、車両の動力伝達機構に用いられる潤滑構造であって、貯留オイルと前記貯留オイルに下端部が油没可能な回転体の少なくとも一部とが配置される配置凹部にオイルを吐出する吐出孔と、前記回転体の油没部分と該油没部分近傍における前記貯留オイルとの相対速度が0に近づくように前記吐出孔から吐出されたオイルを誘導する誘導部と、を備えたものである。
このように、回転体の油没部分と貯留オイルとの相対速度が0に近づくようにされ、撹拌抵抗が低減される。また、撹拌抵抗を低減するための油量調整を行う必要がなく、そのための部材が不要となる。
上記した潤滑構造における前記誘導部は、前記貯留オイルを前記配置凹部から排出する排出孔とされてもよい。
これにより、配置凹部で貯留オイルを循環させるよりも配置凹部の貯留オイルの油量を少なくすることが可能である。
上記した潤滑構造における前記排出孔は前記吐出孔と対向して設けられていてもよい。
これにより、吐出孔から吐出されたオイルは、流れを妨げられることなく排出孔から排出されやすい。
上記した潤滑構造における前記誘導部は、壁部とされていてもよい。
これにより、例えば、貯留オイルを貯留するために必要な配置凹部の内壁などを誘導部としての壁部に利用することにより、誘導部専用の部材を別途設ける必要がない。
上記した潤滑構造における前記壁部は、前記吐出孔と略対向して設けられた凹面を有し、前記凹面は上方にいくに従って前記吐出孔側に変位するように形成されていてもよい。
これにより、配置凹部において貯留オイルの循環が起きやすくされる。
上記した潤滑構造における前記吐出孔は、前記回転体の接線上に設けられ、該接線の接点に向けて開口されていてもよい。
これにより、回転体の油没部分近傍の貯留オイルの流速が吐出孔から吐出されたオイルの流速に近くなる。
上記した潤滑構造における前記排出孔は、前記回転体の接線上に設けられ、該接線の接点に向けて開口されていてもよい。
これにより、吐出孔から吐出されたオイルが円滑に排出孔から排出され、回転体の油没部分近傍の貯留オイルの流速を速めることができる。
上記した潤滑構造は、前記動力伝達機構にオイルを供給するための油圧回路から排出される余剰オイルを前記吐出孔に供給する供給部を備えていてもよい。
これにより、撹拌抵抗を低減させるためのオイルを専用に供給するためのバルブ等を設けなくてもよい。
本発明によれば、構造の複雑化を招くことなく油没させた回転体の攪拌抵抗を減少させることができる。
本発明の実施の形態の潤滑構造を適用した車両を示す概略図である。 オイル循環機構及び変速機を模式的に示した図である。 撹拌抵抗低減機構の構成例1を説明するための図である。 撹拌抵抗低減機構の構成例2を説明するための図である。 撹拌抵抗低減機構の構成例3を説明するための図である。 撹拌抵抗低減機構の第1の変形例において蓋部が開放状態とされた図である。 撹拌抵抗低減機構の第1の変形例において蓋部が閉塞状態とされた図である。 撹拌抵抗低減機構の第2の変形例を説明するための図である。
以下に、本発明の潤滑構造が用いられたオイル循環機構を実施するための形態について、添付図面を参照して説明する。
<1.オイル循環機構の構成>
第1の実施の形態におけるオイル循環機構の構成について説明する。
図1は、車両100の内部に配置されたオイル循環機構及び関連する部分の構成の一例を示した図である。
変速機1は、エンジン2から得られる動力を車輪に伝達するにあたり、変速比の変化を可能とするための機構であり、燃費や乗り心地を向上させるためにオイル(ATF:Automatic Transmission Fluid)を用いた円滑な動作が必要である。従って、変速機1には、変速機1の各部に必要なオイルを供給するためのオイル循環機構3が併設されている。
変速機1は油圧を用いて変速比の変化を行う。油圧は、オイル循環機構3によって供給される。
変速機1の各部に与える油圧の制御は、ECU(Engine Control Unit)などの制御ユニット4が行う。
変速機1、オイル循環機構3及び制御ユニット4について模式的に表した図が図2である。
オイル循環機構3は、オイルが貯留され変速機1の下方に配置されているオイルパン5と、例えばトルクコンバータにおけるインペラ軸に連結されているポンプギヤを介してエンジン2からの動力に基づき駆動されてオイルパン5に集められたオイルを吸い上げるオイルポンプ6と、オイルを吸い上げる際にオイルに含まれる不純物を除去するためのフィルターが内部に配設されたオイルストレーナ7を備えている。
また、オイル循環機構3は、変速機1の動作させるための各部に油圧を選択的に供給するためのバルブユニット8を備えている。
バルブユニット8は、オイルポンプ6から吐出されたオイルを変速機1に供給する際の元圧としてのライン圧を調圧するためのライン圧制御バルブ9と、ライン圧制御バルブ9から供給されるオイルを変速機1の各部に供給するために配設された複数の油路を切り換えるための油路切替機構10を備えている。
制御ユニット4は、バルブユニット8を制御することにより、変速機1の各部に与える油圧を制御する。
ライン圧制御バルブ9には、余剰オイルを排出するための排出部9aが設けられており、排出部9aから排出される余剰オイルの油量を調整することにより、元圧としてのライン圧を調圧する。
尚、オイル循環機構3は、各種の油路を備えている。各種の油路の中には、ライン圧制御バルブ9の排出部9aから排出された余剰オイルがオイルポンプによって再度吸い上げられる際に通過するサクション油路11や、同じく排出部9aから排出された余剰オイルを再利用して変速機1の所定の回転体に供給するための再利用油路12などである。
尚、図2には示していないが、オイル循環機構3は、変速機1を構成する外壁の一部や内部に配置された壁なども含んで構成されていてもよい。
変速機1の各部に供給されたオイルは、オイルパン5に還流する。オイルパン5に還流されたオイルは、オイルポンプ6によって再び吸い上げられて、変速機1の各部に供給される。このようにして、オイルはオイル循環機構3によって変速機1に継続的に供給される。
オイル循環機構3によってオイルが供給される変速機1の各部には、所定の動作を行うための回転体が配置されている。回転体としては、例えば、変速ギヤなどの各種ギヤやメインシャフトなどがある。
回転体には、動作の円滑化や冷却のためにオイルが供給される。オイルの供給方法はいくつかあり、例えば、回転体の上方からオイルを滴下することによって供給する方法や、オイル溜まりに回転体の下端部を浸すことによって供給する方法などがある。
回転体の下端部をオイル溜まりに浸す構成においては、回転体が回転する際にオイルの撹拌に基づく撹拌抵抗が生じる。そのため、オイル循環機構3には、回転体による撹拌抵抗を低減するための潤滑構造として撹拌抵抗低減機構F(図2では不図示)が設けられている。
以降では、撹拌抵抗低減機構Fの各例について説明する。
<2.撹拌抵抗低減機構の構成>
[2−1.構成例1]
オイル循環機構3が備える構成例1としての撹拌抵抗低減機構F1は、図3に示すように、オイルが一時的に貯留され、該貯留された貯留オイルOLに回転体13の一部が油没した状態で配置される配置凹部14が設けられている。
回転体13は、例えば、リダクションギヤやポンプギヤやトランスファギヤなどである。また、CVT(Continuously Variable Transmission)であればプーリーなども回転体13として考えられる。
回転体13は、回転軸13aを中心として回転される。回転体13の下端部13bは貯留オイルOLに油没した状態とされているため、回転体13が回転する際には、貯留オイルOLの撹拌に基づく撹拌抵抗が生じる。
配置凹部14の内側の面(貯留オイルOLと接する面)には、再利用油路12から供給されるオイルを吐出する吐出孔15と、貯留オイルOLの流れを誘導(整流)するための誘導部16が設けられている。
尚、前述したように、配置凹部14の内側の面は、変速機1の外壁の一部分によって形成されていてもよい。
再利用油路12は、ライン圧制御バルブ9の排出部9aから排出される余剰オイルを吐出孔15に圧送するためのパイプ等とされ、請求項にいう供給部の一例とされている。
誘導部16については、いくつかの例を示す。構成例1では、誘導部16として排出孔16Aが設けられている。
排出孔16Aは吐出孔15と対向して設けられている。これにより、吐出孔15から吐出されたオイルが直進して排出孔16Aから排出される流路が配置凹部14内に形成される。
図3では、吐出孔15から吐出されたオイルの流路が、矢印D1で示されている。
一方、回転体13は、例えば車両100の前進時における回転方向が図3の矢印D2で示す方向とされる。
図3に示す撹拌抵抗低減機構F1においては、略左方から略右方とされた回転体13の下端部13bにおける回転方向(移動方向)と、左方から右方とされた下端部13b付近の貯留オイルOLの移動方向が略同じとされると共に、下端部13b付近の貯留オイルOLの移動速度(流速)が回転体13の下端部13bの回転速度に近づくように吐出孔15からオイルが吐出されることにより、回転体13の回転に伴って生ずる撹拌抵抗を低減することができる。
従って、変速機1における動力伝達効率の低下の抑制が図られ、車両100の燃費向上を図ることができる。
[2−2.構成例2]
構成例2としての撹拌抵抗低減機構F2は、図4に示すように、誘導部16としての壁部16Bが設けられている。
壁部16Bは、配置凹部14の内壁の一部として設けられていてもよいし、配置凹部14とは別に設けられていてもよい。
ここでは、配置凹部14の内壁の一部として壁部16Bが設けられた例を説明する。
配置凹部14には、貯留オイルOLが一時的に貯留されており、下端部13bが貯留オイルOLに油没した状態の回転体13が配置されている。
配置凹部14の内壁のうち吐出孔15と略対向する部分は、配置凹部14の貯留オイルOLを誘導(整流)するための壁部16Bとして形成されている。
壁部16Bは、吐出孔15から吐出されたオイルを受け止めると共に移動方向を変化させる形状に形成された凹面とされている。
再利用油路12から吐出孔15を介して吐出されたオイルは、図4の矢印D3で示すように回転体13の下端部13bに向かって直進した後、矢印D4で示すように配置凹部14の壁部16Bによって下方へ移動方向を変化させられる。下方へ移動方向を変化させられたオイルは、配置凹部14の壁部16Bに続く面とされた底面14aによって左方へ移動方向を変化させられる。更に、左方へ移動方向を変化させられたオイルは、吐出孔15を有する側面14bによって上方へ移動方向を変化させられ、吐出孔15から吐出されたオイルに合流する。
即ち、吐出孔15から吐出されたオイルは、配置凹部14の内側の凹面に沿うようにして配置凹部14内を循環する経路(D4)が形成される。
尚、配置凹部14内の貯留オイルOLの一部は、矢印D5で示すように壁部16Bの上方を通過して図示しない孔などから排出されて、オイルパン5へ環流する。
壁部16Bによって配置凹部14内の貯留オイルOLの循環経路が形成されて貯留オイルOLが整流されることにより、吐出孔15から吐出されたオイルの流速が回転体13の下端部13b付近へ到達するまでに減衰してしまうことを抑制することができる。
従って、回転体13の下端部13bの回転速度と下端部付近の貯留オイルOLの流速をより近づけることができるため、回転体13の回転に伴って生ずる撹拌抵抗の低減効果をより得ることができる。
[2−3.構成例3]
構成例3としての撹拌抵抗低減機構F3は、図5に示すように、配置凹部14に設けられた吐出孔15は、回転体13の接線上に設けられると共に該接線の接点付近に向けて開口されている。
また、配置凹部14に設けられた誘導部16としての排出孔16Aは、回転体13の接線上に設けられると共に該接線の接点付近に向けて開口されている。
配置凹部14の内側の面は、回転体13の外周に沿った形状とされている。尚、回転体13がギヤである場合には、ギヤの各歯の最外端を結んだ円に沿った形状となるように配置凹部14の内側の面が形成される。
吐出孔15から吐出されたオイルは、図5の矢印D6で示すように、回転体13の下端部13bの外周に沿って移動し、排出孔16Aから排出される。
図5に示す撹拌抵抗低減機構F3においては、回転体13の下端部13bの回転軌跡と、下端部13b付近の貯留オイルOLの移動軌跡が略同じ円弧状とされると共に、下端部13b付近の貯留オイルOLの移動速度が回転体13の下端部13bの回転速度に近づくように吐出孔15からオイルが吐出されることにより、回転体13の回転に伴って生ずる撹拌抵抗を低減することができる。
吐出孔15が回転体13の接線上に設けられると共に該接線の接点付近に向けて開口されていることにより、吐出孔15から吐出されたオイルの流速が回転体13の下端部13b付近に到達するまでに落ちにくくされるため、回転体の油没部分と近傍の貯留オイルの相対速度を0に近づけることができ、撹拌抵抗の低減効果を高めることができる。
そして、排出孔16Aについても回転体13の接線上に設けられると共に該接線の接点付近に向けて開口されていることにより、吐出孔15から排出孔16Aへ淀みなくオイルを流すことができるため、回転体の油没部分と近傍の貯留オイルの相対速度を更に0に近づけることができる。
尚、配置凹部14の内側の面と回転体13の外周部が近接するほど、吐出孔15から吐出されて排出孔16Aから排出されるオイルの流速を回転体13の回転速度に近づけることができるため、撹拌抵抗の低減をより促進することができる。
また、配置凹部14の内側の面と回転体13の外周部が近接するほど、回転体13による撹拌抵抗の低減効果を得るために必要な油量が少なくなるため、吐出孔15から吐出される油量を増やすためにライン圧制御バルブ9の排出部9aから排出される油量を増やすこと、延いては、オイルポンプ6によって吸い上げられる油量を増やすことをせずに済む。即ち、排出部9aから排出される本来の油量によって回転体13による撹拌抵抗の低減効果を得ることができる。
<3.変形例>
撹拌抵抗低減機構における各種の変形例を説明する。
[3−1.第1の変形例]
第1の変形例に係る撹拌抵抗低減機構F4は、図6に示すように、吐出孔15に蓋部17が設けられている。
蓋部17は、回動軸17aと閉塞板17bを備えており、閉塞板17bは回動軸17aを軸として回動可能とされている。
蓋部17は、図6に示すように回転体13の一部が油没した状態においては、吐出孔15が開放された開放状態とされ、図7に示すように回転体13の全ての部分が貯留オイルOLから露出した状態においては、吐出孔15が閉塞された閉塞状態とされる。
車両100が急発進や急停止、或いは坂道走行などを行っている状態においては、配置凹部14の貯留オイルOLに偏りが生じる場合がある。貯留オイルOLに大きな偏りが生じた場合には、図7に示すように回転体13の全ての部分が貯留オイルOLから露出した状態となり得る。
このような状態において吐出孔14から吐出されたオイルが回転体13に直接打ち付けられた場合には、回転体13の回転を妨げてしまう虞がある。
撹拌抵抗低減機構F4の構成によれば、回転体13の全ての部分が貯留オイルOLから露出した状態において閉塞板17bが回動軸17aに対して回動されて吐出孔15を閉塞するようにされている。
これにより、回転体13の全ての部分が貯留オイルOLから露出した状態において吐出孔15から吐出されたオイルが回転体13に直接掛かってしまうことが防止される。従って、回転体13の回転を妨げてしまうことを防止することができる。
尚、貯留オイルOLの油面の高さや偏りを検知するセンサーなどを配置凹部14内に設け、該センサーを用いて回転体13の貯留オイルOLに対する油没状態や露出状態を検知し、検知結果に基づいて蓋部17の開放状態と閉塞状態を切り換えるように構成してもよい。
また、蓋部17は吐出孔14の開口部に取り付けられている必要はなく、例えば吐出孔14へと続く再利用油路12上に設けられていてもよい。この場合には、蓋部17の閉塞板17b、或いは蓋部17の代わりに弁体等が再利用油路12を途中で遮断可能な状態で取り付けられる。
[3−2.第2の変形例]
第2の変形例に係る撹拌抵抗低減機構F5は、図8の斜視図に示すように、吐出孔15と排出孔16Aが略同一方向に開口されて設けられている。
図8には、一例として逆方向に回転する二つの回転体13P,13Qが略椀型とされた配置凹部14に回転軸13aの軸方向に離隔して平行に配置され、配置凹部14の貯留オイルOLにそれぞれの下端部13bが油没された状態とされている。
吐出孔15は、略椀型とされた配置凹部14における水平方向の曲面に沿ってオイルを吐出する向きに開口されている。
排出孔16Aは、吐出孔15から吐出され配置凹部14の内側の面に沿って流れてきたオイルが排出されやすい向きに開口されている。
回転体13Pは、吐出孔15から吐出されて反対側の壁に向かって流れるオイルの流路上に下端部13bが配置され、オイルが流れる方向と下端部13bの回転方向が略一致するようにされている。
回転体13Qは、排出孔16Aの反対側の壁から排出孔16Aに向かって流れるオイルの流路上に下端部13bが配置され、オイルが流れる方向と下端部13bの回転方向が略一致するようにされている。
具体的には、吐出孔15から吐出されたオイルの一部は、図8の矢印D7に示すように、一方の回転体13Pの下端部13bに向かって移動した後、貯留オイルOLと共に矢印D8に示すように配置凹部14の内側の面に沿って回転体13Pの下端部13b付近を通過し、続いて矢印D9に示すように配置凹部14の内側の面に沿ってもう一方の回転体13Qの下端部13b付近を矢印D8とは略逆の方向で通過し、更に矢印D10に示すように誘導部16としての排出孔16Aから排出されてオイルパン5へ環流する。
尚、排出孔16Aに向かうオイルの一部は、排出孔16Aから排出されずに再び吐出孔15から吐出されたオイルに合流することにより、配置凹部14内を循環する。
即ち、吐出孔15と排出孔16Aの配置及び配置凹部14の略椀型により、配置凹部14内に循環経路が形成される。
図示するように、回転体13Pは、下端部13bの回転方向は、矢印D11に示すように、貯留オイルOLの流れ(D8)に沿う方向とされている。
また、回転体13Qは、下端部13bの回転方向は、矢印D12に示すように、貯留オイルOLの流れ(D9)に沿う方向とされている。
撹拌抵抗低減機構F5においては、回転体13Pの下端部13bの回転方向(D11)と、吐出孔15から吐出されたオイル及び配置凹部14内で循環する貯留オイルによる回転体13Pの下端部13b付近における移動方向(D8)が略同じとされると共に、回転体13Qの下端部13bの回転方向(D12)と、配置凹部14内で循環する貯留オイルOLの回転体13Qの下端部13b付近における移動方向(D9)が略同じとされる。更に、回転体13P,13Qそれぞれの下端部13b付近の貯留オイルOLの移動速度が回転体13P,13Qの下端部13bの回転速度に近づくように吐出孔15から吐出されたオイルが排出孔16Aから排出されることにより、配置凹部14内に貯留オイルOLの循環経路が生成される。これらにより、回転体13P,13Qのそれぞれにおいて撹拌抵抗の低減効果を得ることができる。
尚、矢印D8で示す方向に流れる貯留オイルOLと矢印D9で示す方向に流れる貯留オイルOLが互いの流速に影響を及ぼしにくくするために、回転体13P,13Qと略平行な仕切板等を回転体13P,13Qの間に設けてもよい。
<5.まとめ>
各構成例や変形例に記載したように、変速機1などの車両の動力伝達機構に用いられる潤滑構造を備えた撹拌抵抗低減機構F1(F2,F3,F4,F5)が設けられたオイル循環機構3は、貯留オイルOLと貯留オイルOLに下端部13bが油没可能な回転体13(13P,13Q)の少なくとも一部とが配置される配置凹部14にオイルを吐出する吐出孔15と、回転体13の油没部分と該油没部分近傍における貯留オイルOLとの相対速度が0に近づくように吐出孔15から吐出されたオイルを誘導する誘導部16(16A,16B)と、を備えている。
このように、回転体13の油没部分(下端部13b)と貯留オイルOLとの相対速度が0に近づくようされ、撹拌抵抗の低減が図られる。また、貯留オイルOLの油量の調整などを行う部材などが不要となり、潤滑構造を簡潔にすることができる。
即ち、潤滑構造の複雑化を招くことなく回転体13の回転に伴う撹拌抵抗を低減することができる。
構成例1や構成例3や第2の変形例などで説明したように、オイル循環機構3の誘導部16は、貯留オイルOLを配置凹部14から排出する排出孔16Aとされている。
これにより、配置凹部14で貯留オイルOLを循環させるよりも配置凹部14の貯留オイルOLの油量を少なくすることが可能である。
従って、オイル循環機構3全体で扱う油量を抑えることができるため、重量軽減が図られ、延いては車両100の燃費の向上が図られる。
構成例1や第1の変形例などで説明したように、オイル循環機構3の排出孔16Aは吐出孔15と対向して設けられている。
これにより、吐出孔15から吐出されたオイルは、流れを妨げられることなく排出孔16Aから排出されやすい。
従って、回転体13の油没部分近傍におけるオイルの流速の低下が抑制されるため、回転体13の油没部分と近傍の貯留オイルOLの相対速度をより0に近づけることができ、車両100の燃費の更なる向上を図ることができる。
構成例2で記載したように、オイル循環機構3の誘導部16は、壁部16Bとされている。
例えば、貯留オイルOLを貯留するために必要な配置凹部14の内壁などを誘導部16としての壁部16Bに利用することにより、誘導部16専用の部材を別途設ける必要がない。
従って、潤滑構造を簡素化することができる。
また、配置凹部14内で貯留オイルOLの循環を発生させることができ、回転体13の油没部分近傍の貯留オイルOLと回転体13の相対速度を0に近づけることができる。
従って、吐出孔15からのオイルの吐出が止んだとしても貯留オイルOLの循環によって、回転体13の油没部分と近傍の貯留オイルOLの相対速度を0に近づけた状態が継続し、撹拌抵抗の低減効果を長引かせることができる。
また、誘導部16としての排出孔16Aを設けずに済むことにより、孔を形成するための工数を削減することができる。
構成例2で説明したように、オイル循環機構3の壁部16Bは、吐出孔15と略対向して設けられた凹面を有し、凹面は上方にいくに従って吐出孔15側に変位するように形成されている。
これにより、配置凹部14において貯留オイルOLの循環が起きやすくされて、整流効果が高まる。
従って、回転体13の回転に伴う撹拌抵抗の低減効果を高めることができる。
また、循環が継続している間は回転体13の油没部分近傍の貯留オイルOLと回転体13の油没部分の相対速度が0に近づいた状態とされるため、撹拌抵抗の低減効果を長く保つことができる。
構成例3で説明したように、オイル循環機構3の吐出孔15は、回転体13の接線上に設けられ、該接線の接点に向けて開口されるように構成されている。
これにより、回転体13の油没部分近傍の貯留オイルOLの流速が吐出孔15から吐出されたオイルの流速に近くなる。
従って、回転体13の油没部分と近傍の貯留オイルOLの相対速度を0に近づけやすくすることができ、撹拌抵抗の低減効果を高めることができる。
構成例3で説明したように、オイル循環機構3の排出孔16Aは、回転体13の接線上に設けられ、該接線の接点に向けて開口されるように構成されている。
これにより、吐出孔15から吐出されたオイルが円滑に排出孔16Aから排出され、回転体13の油没部分近傍の貯留オイルOLの流速を速めることができる。
従って、回転体13の油没部分とその近傍の貯留オイルOLの相対速度を0に近づけやすくすることができ、撹拌抵抗の低減効果を高めることができる。
オイル循環機構3の構成において説明したように、オイル循環機構3は動力伝達機構にオイルを供給するための油圧回路から排出される余剰オイルを吐出孔15に供給する供給部16を備えている。
余剰オイルとして排出されたオイルを利用して吐出孔15に供給することにより、撹拌抵抗を低減させるためのオイルを専用に供給するためのバルブ等を設けることなく回転体13の油没部分と近傍の貯留オイルOLの相対速度を0に近づけることができ、撹拌抵抗の低減効果を得ることができる。
1…変速機、3…オイル循環機構、13,13P,13Q…回転体、13b…下端部、14…配置凹部、15…吐出孔、16…誘導部、16A…排出孔、16B…壁部、100…車両

Claims (7)

  1. 車両の動力伝達機構に用いられる潤滑構造であって、
    貯留オイルと前記貯留オイルに下端部が油没可能な回転体の少なくとも一部とが配置される配置凹部にオイルを吐出する吐出孔と、
    前記回転体の油没部分と該油没部分近傍における前記貯留オイルとの相対速度が0に近づくように前記吐出孔から吐出されたオイルを誘導する誘導部と、を備え
    前記配置凹部は、前記回転体の回転軸中心から鉛直方向下方に凸の凹部として形成され、
    前記配置凹部の底部は、前記回転軸中心から下方であって前記吐出孔の位置よりも下方に位置している
    潤滑構造。
  2. 前記誘導部は、前記貯留オイルを前記配置凹部から排出する排出孔とされた
    請求項1に記載の潤滑構造。
  3. 前記排出孔は前記吐出孔と対向して設けられた
    請求項2に記載の潤滑構造。
  4. 前記吐出孔は、前記回転体の接線上に設けられ、該接線の接点に向けて開口された
    請求項1から請求項3の何れかに記載の潤滑構造。
  5. 前記排出孔は、前記回転体の接線上に設けられ、該接線の接点に向けて開口された
    請求項2または請求項3に記載の潤滑構造。
  6. 車両の動力伝達機構に用いられる潤滑構造であって、
    貯留オイルと前記貯留オイルに下端部が油没可能な回転体の少なくとも一部とが配置される配置凹部にオイルを吐出する吐出孔と、
    前記回転体の油没部分と該油没部分近傍における前記貯留オイルとの相対速度が0に近づくように前記吐出孔から吐出されたオイルを誘導する誘導部と、を備え、
    前記誘導部は、壁部とされ、
    前記壁部は、前記吐出孔と略対向して設けられた凹面を有し、
    前記凹面は上方にいくに従って前記吐出孔側に変位するように形成された
    潤滑構造。
  7. 前記動力伝達機構にオイルを供給するための油圧回路から排出される余剰オイルを前記吐出孔に供給する供給部を備えた
    請求項1から請求項6の何れかに記載の潤滑構造。
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