JP6916692B2 - 駆動力伝達ギア装置及び自動変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、車両のデファレンシャル装置に適した駆動力伝達ギア装置及びこれを含んだ自動変速機に関するものである。
車両の駆動力伝達ギアのケース内のギアの周囲にバッフルプレートを設ける構造が開示されている(例えば特許文献1)。ケース内のギアの近辺をバッフルプレートで覆うことにより、ケース内の潤滑油等の油を貯留する油溜りがバッフルプレートの内外に二分され、ギアの回転による油の攪拌抵抗が低減される。
つまり、ギアの近辺ではギアで攪拌される油がバッフルプレートの内側の空間に限定されて攪拌抵抗を下げることができ、ケース内でバッフルプレートの外側の空間の油溜りに溜まる油は攪拌されず、抵抗にならない。
なお、特許文献1には、デファレンシャル装置において、トランスミッションケース内のデフケースに固設されたファイナルギアの略下半部の周囲に、バッフルプレートを備えた構造が開示されている。
特許5844019号公報
ところで、駆動力伝達ギアには、静音性に優れたヘリカルギア(はすば歯車)がしばしば使用されており、ケース内のヘリカルギアの周囲にバッフルプレートを設ける構造も知られている。
本願発明者らの鋭意検討の結果、ヘリカルギアに掻き上げられた油はヘリカルギアのねじれ角方向に向かって飛散することが判明した。
本願発明は、このようなヘリカルギアの特性を利用して、ヘリカルギアの周囲のギアへの潤滑油の供給性を向上させることができるようにした、駆動力伝達ギア装置及び自動変速機を提供することを目的としている。
(1)上記の目的を達成するために、本発明の駆動力伝達ギア装置は、車両の駆動力を伝達する第1ヘリカルギアと、前記第1ヘリカルギアの上方に配置され、前記第1ヘリカルギアと噛み合う第2ヘリカルギアと、前記第1ヘリカルギア及び前記第2ヘリカルギアを収納して支持するケースと、前記第2ヘリカルギアの前記一側面と前記ケースとの間に配置され、正面視が扇形の平板部と前記平板部の内周側に形成された曲面部とを有したギアと、前記第1ヘリカルギアの一側面と前記ケースとの間に配置された第1バッフルプレートと、を有し、前記第1ヘリカルギアのギア歯のねじれ方向は、前記車両が前進するよう前記第1ヘリカルギアが回転するときに、前記一側面側が他側面側よりも遅れて噛み合うように配向され、前記第1バッフルプレートの上部には、前記平板部から前記第1ヘリカルギアの回転方向の下流側に延長されて前記ギアのギア歯に向かうように上方に延び、且つ、上方に向かうほど前記第1ヘリカルギアの一側面との間のクリアランスが大きくなるように傾斜して形成された第1ガイド部を有することを特徴としている。
(2)前記第1ヘリカルギアの他側面と前記ケースとの間に配置された第2バッフルプレートを有し、前記第1ヘリカルギアは、前記第1バッフルプレートと前記第2バッフルプレートとに挟まれて配置され、前記第2バッフルプレートは、前記第1ヘリカルギアの中心を通る水平線の下方において前記第1ヘリカルギアの円周面及び他側面を覆い、且つ、前記水平線の上方において前記第1ヘリカルギアと前記第2ヘリカルギアとの噛合い位置に向かって延びた第2ガイド部を有することが好ましい。
(3)本発明のもう一つの駆動力伝達ギア装置は、車両の駆動力を伝達する第1ヘリカルギアと、前記第1ヘリカルギアの上方に配置され、前記第1ヘリカルギアと噛み合う第2ヘリカルギアと、前記第1ヘリカルギア及び前記第2ヘリカルギアを収納して支持するケースと、前記第2ヘリカルギアの一側面と前記ケースとの間に配置されたギアと、前記第1ヘリカルギアの一側面と前記ケースとの間に配置された第1バッフルプレートと、を有し、前記第1ヘリカルギアのギア歯のねじれ方向は、前記車両が前進するよう前記第1ヘリカルギアが回転するときに、前記一側面側が他側面側よりも遅れて噛み合うように配向され、前記第1バッフルプレートの上部には、前記ギアのギア歯に向かうように上方に延び、且つ、上方に向かうほど前記第1ヘリカルギアの一側面との間のクリアランスが大きくなるように傾斜して形成された第1ガイド部を有し、前記第1ヘリカルギアの他側面と前記ケースとの間に配置された第2バッフルプレートを有し、前記第1ヘリカルギアは、前記第1バッフルプレートと前記第2バッフルプレートとに挟まれて配置され、前記第2バッフルプレートは、前記第1ヘリカルギアの中心を通る水平線の下方において前記第1ヘリカルギアの円周面及び他側面を覆い、且つ、前記水平線の上方において前記第1ヘリカルギアと前記第2ヘリカルギアとの噛合い位置に向かって延びた第2ガイド部を有することを特徴としている。
)前記第1バッフルプレート及び前記第2バッフルプレートの前記第1ヘリカルギアの回転方向下流側の鉛直上部には、前記回転方向下流側で前記第1ヘリカルギアの回転に伴って前記ケース内の潤滑油の油面が上昇することを抑制する延長部が設けられ、前記第1ガイド部及び前記第2ガイド部は、前記延長部よりもさらに前記回転方向下流側で且つ鉛直上方に設けられていることが好ましい。
)本発明の自動変速機は、上記の(1)〜()の何れかに記載された駆動力伝達ギア装置を装備したことを特徴としている。
本発明によれば、ヘルカルギアのギア歯による油の挙動特性を利用して、潤滑油を効率よく上方のギアに供給することができるようになる。
本発明の各実施形態にかかる駆動力伝達ギア装置を有する自動変速機を説明する横断面図である。 本発明の各実施形態にかかる自動変速機の構成図である。 本発明の各実施形態にかかる自動変速機の要部断面図である。 本発明の実施形態にかかる自動変速機のケース内部の斜視図(トランスミッションケース側から見た斜視図)である。 本発明の実施形態にかかる自動変速機のケース内部の斜視図(コンバータハウジング側から見た斜視図)である。 本発明の実施形態にかかる自動変速機のケース内部のギアを示す図であって、(a)はギアをギア軸に直行する方向から見た正面図、(b)はヘリカルギアの特徴を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。以下の実施形態の構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
〔自動変速機の構成〕
図2は、各実施形態にかかる駆動力伝達ギア装置を有し、ベルト式無段変速機として構成された車両用の自動変速機2を示す構成図である。図2に示すように、この自動変速機2は、第1軸Oと、第2軸Oと、第3軸Oと、第4軸Oとを有し、各軸O〜Oにそれぞれ動力伝達要素が装備されている。
第1軸O上には、車両の駆動力を出力するエンジン1と、エンジン1に連結されたロックアップ式トルクコンバータ11と、このトルクコンバータ11に連結された前後進切換機構12と、この前後進切換機構12に連結されたプライマリプーリ13とがこの順に配置されている。
第2軸O上には、プライマリプーリ13とベルト14を介して連結されたセカンダリプーリ15が配置されている。第3軸O上には、セカンダリプーリ15に駆動連結されるアイドラギア16が配置されている。第4軸O上には、アイドラギア16に噛合するファイナルギア17aを有する差動機構17が配置されている。
このような4軸から構成された自動変速機2は、コンバータハウジング(第1ケース部材)4と、トランスミッションケース(第2ケース部材)5からなるケース3内に各動力伝達要素が収納、支持される。
コンバータハウジング4内には、トルクコンバータ11が収容され、コンバータハウジング4とトランスミッションケース5とが結合して形成される空間内には、軸方向でトルクコンバータ11側に、前後進切換機構12が収納された第1ケース部3aと、アイドラギア16及び差動機構17が収納された第3ケース部3cとが備えられ、軸方向でトルクコンバータ11と反対側に、プライマリプーリ13及びセカンダリプーリ15が収納された第2ケース部3bが備えられる。
各実施形態にかかる駆動力伝達ギア装置10は、このような自動変速機2のケース3内に装備される差動機構17のファイナルギア17aとその周辺の構造要素とから構成されており、車両の駆動力を出力する。
差動機構17は、図2,図3に示すように、アイドラギア16の出力ギア16cと噛合するファイナルギア17aと、ファイナルギア17aが結合されたファレンシャルケース17bと、デファレンシャルケース(以下、デフケース)17b内に装備されデフケース17bと一体に公転するピニオンギア17cと、左右の駆動輪6,6の回転軸6a,6aに連結されたサイドギア17dとを備えている。
左右のサイドギア17dの軸(デフ軸)17eは、それぞれデフケース17bを介してベアリング18a,18bによりケース3に支持されている。したがって、デフケース17bに結合されたファイナルギア17aもベアリング18a,18bを介してケース3に支持されている。
ベアリング18a,18bには、テーパローラベアリングが適用され、図3中、右側のサイドギア17dはコンバータハウジング4に第1テーパローラベアリング18aによって支持されて、左側のサイドギア17dはトランスミッションケース5に第2テーパローラベアリング18bによって支持されている。
なお、アイドラギア16は、アイドラ軸16aに、入力ギア16bと出力ギア16cとが固設されてなり、入力ギア16bには無段変速機構のセカンダリプーリ15の回転軸15aに固設された出力ギア15bが噛合している。
このような差動機構17は、コンバータハウジング4とトランスミッションケース5からなるケース3の第3ケース部3c内に収容される。また、ケース3の内部には、軸受部やギアの噛み合い部等の各摺動部に潤滑油を供給するために、潤滑油が貯留されている。
図1は自動変速機2を各軸O〜Oに直交する断面で切って示す横断面図である。図1に示すように、軸O〜Oは互いに隣接、集合するようにコンパクトに配置され、ファイナルギア17aの装備された第4軸Oは鉛直方向最も下部に配置されている。
ケース3の下部には、オイルパン7が装備されている。ケース3の下部のオイルパン7の内部上方に油溜り7aが形成され、油溜り7aに潤滑油が貯留されている。この油溜り7a内の潤滑油は、オイル吸い口8から図示しないポンプによって吸引され、ケース3内の上部から各潤滑部に供給される。
最も下部に配置されている第4軸Oに設けられたファイナルギア17aは、その下部が油溜り7a内に浸漬するように配置されており、油溜り7a内の潤滑油の油面が低下しない限り、ファイナルギア17aの下部は油中に没している。
このファイナルギア17aとケース3との間には、図3〜図6に示すように、一対のバッフルプレート21,22から構成されたバッフルプレートセット20(以下、単に、バッフルプレート20ともいう)が配置されている。バッフルプレート20は、ファイナルギア17aの回転中心(第4軸)Oよりも鉛直下方を含む部分的領域であって、回転中心Oから下方に向かう鉛直線Lv1を中心に、ファイナルギア17aの回転方向の上下流の領域に、ファイナルギア17aを囲繞するように配置されている。
〔バッフルプレート〕
バッフルプレート20は、コンバータハウジング4に支持されたハウジング側バッフルプレート22(第1バッフルプレート)と、トランスミッションケース5に支持されたミッションケース側バッフルプレート21(第2バッフルプレート)とから構成されている。
ハウジング側バッフルプレート22は、図3に示すように、ファイナルギア17a(その一側面17a2)と、これに対向するコンバータハウジング4の内壁面4aとの間に配置され、正面視が扇形の平板部22aと、平板部22aの内周側に形成された曲面部22bとを有している。
平板部22aは、ファイナルギア17aの一側面17a2を覆うように配置され、曲面部22bは、一側面17a2に隣接するデフケース17bを覆うように配置されている。
平板部22a及び曲面部22bも、鉛直線Lv1よりもファイナルギア17aの回転方向で中心角90度だけ上流側のファイナルギア17aの回転中心Oを通る水平線Lh1付近から、鉛直線Lv1よりもファイナルギア17aの回転方向で中心角90度だけ下流側のファイナルギア17aの回転中心Oを通る水平線Lh2よりも更に下流(上方)までに亘って配置されている。
ミッションケース側バッフルプレート21は、ファイナルギア17a(その他側面17a1)とトランスミッションケース5との間に配置され、正面視が扇形の平板部21aと、平板部21aの円弧状の外周縁に沿って形成された部分円筒部21bとを有している。
平板部21aは、ファイナルギア17aの他側面17a1を覆うように、他側面17a1とこれと対向するトランスミッションケース5の内壁面5aとの間に配置されている。部分円筒部21bは、ファイナルギア17aの外周ギア面17a3を覆うように、外周ギア面17a3とこれと対向するトランスミッションケース5の外周壁部の内周面5bとの間に配置されている。
平板部21a及び部分円筒部21bは、図1に示すように、鉛直線Lv1よりもファイナルギア17aの回転方向で中心角90度だけ上流側のファイナルギア17aの回転中心Oを通る水平線Lh1付近から、鉛直線Lv1よりもファイナルギア17aの回転方向で中心角90度だけ下流側のファイナルギア17aの回転中心Oを通る水平線Lh2よりも更に下流(上方)までに亘って配置されている。
このように、ファイナルギア17aの下部の周囲にバッフルプレート20を配置することによって、ファイナルギア17aの下方に形成されて潤滑油が貯留される油溜り7aがバッフルプレート20の内部空間20bと外部空間20aとに二分される。
これによって、ケース3内でもバッフルプレート20の外側の外部空間(バッフルプレート外部空間)20aの油溜り7a内の潤滑油は攪拌されないため抵抗にならず、ファイナルギア17aの周辺で攪拌される潤滑油がバッフルプレート20の内側の空間に限定されることになる。このように撹拌される油量が減るため、攪拌抵抗が低下することとなる。
なお、バッフルプレート20は、ファイナルギア17aの回転方向(図1の白抜矢印を参照)の下流側では、上流側よりも高い位置P1まで(ファイナルギア17aの回転中心Oを通る水平線Lh2よりも更に下流まで)延長されているが、これは、ファイナルギア17aの回転に伴って潤滑油がケース3の内壁に沿ってその回転方向に移動し、回転方向の下流側(配置上は鉛直上方)で潤滑油の油面が上昇することに対応するためである。つまり、このバッフルプレート20の下流端を延長させた延長部20eによって、ケース3の内壁に沿って上方に移動しようとする潤滑油をこの延長部20eに当てて上方へ移動させる力を減衰させるようにしている。
ファイナルギア17aの下部には油溜り7a内の潤滑油の貯留空間が配置されるため、上述のように、潤滑油の供給不足よりも供給過剰が懸念されるが、ファイナルギア17aの上方のギアの場合、潤滑油の供給不足のおそれがある。
本装置では、バッフルプレート20を利用することにより、ファイナルギア17aの直上方の出力ギア16cとの噛合箇所P2に潤滑油を供給できるように構成している。
また、本装置では、ファイナルギア17aとこれに噛み合う出力ギア16cとに、ギア歯17g,16g2が傾斜したヘリカルギア(はすば歯車)が用いられている。そこで、ファイナルギア17aについては第1ヘリカルギアとも呼び、出力ギア16cについては第2ヘリカルギアとも呼ぶ。
特に、ファイナルギア(第1ヘリカルギア)17aのギア歯17gのねじれ方向は、図6(a),(b)に示すように、車両が前進するようファイナルギア17aが回転するときに、ファイナルギア17aの一側面17a2側(図6中、右側)が他側面17a1側(図6中、左側)よりも遅れて噛み合うよう配向されている。したがって、ファイナルギア17aのギア歯17gの回転下流側の歯面は、出力ギア16cよりもハウジング側バッフルプレート22寄りの入力ギア16bに向かう方向(矢印A2参照)に配向されている。
本装置では、このようなヘリカルギアの特性に着目してバッフルプレート20を利用することにより、ファイナルギア17aの斜め上方の入力ギア16bのギア歯16g1にも潤滑油を供給できるように構成している。
つまり、図4〜図6に示すように、ミッションケース側バッフルプレート21を、潤滑油の油面が上昇することに対応してこの上昇を抑制するために延長された延長部21eの下流端位置(一点鎖線で示す位置)P1よりもさらに回転方向の下流(構造上は鉛直上方)側のファイナルギア17aの直上方の出力ギア16cとの噛合箇所P2の近くまで延長して、ガイド部(第2ガイド部)21gを形成している。
このガイド部21gは、ミッションケース側バッフルプレート21の平板部21aと部分円筒部21bとの双方に形成され、ファイナルギア17aの回転時にギア歯17gと共に移動する油を噛合箇所P2の近くまで案内する。
また、図4,図5に示すように、ハウジング側バッフルプレート22を、潤滑油の油面が上昇することに対応してこの上昇を抑制するために延長された延長部22eの下流端位置P1よりもさらに回転方向の下流(構造上は鉛直上方)側に延長して、ガイド部(第1ガイド部)22gを形成している。
このガイド部22gは、ハウジング側バッフルプレート22の平板部22aを延長させたもので、上方(ファイナルギア17aの回転方向下流)に向かうほどファイナルギア17a(第1ヘリカルギア)の一側面17a2との間のクリアランスが大きくなるように、即ち、斜め上方の入力ギア16bに向かう方向に傾斜して形成されている。
このように、ガイド部22gの面を傾斜させているのは、図6(a),(b)に示すように、ファイナルギア17aが矢印A1方向に回転するときに、ギア歯17gと共に移動する油は、矢印A2で示すように、ギア歯17gのねじれ方向に向かう特性があるという知見に基づいている。つまり、ギア歯17gのねじれ方向に位置する入力ギア16bに油を案内するためである。
〔作用及び効果〕
本実施形態にかかる駆動力伝達ギア装置は、上述のように構成されているので、以下のような作用及び効果を得ることができる。
バッフルプレート20によって、油溜り7aをバッフルプレート20の内外に二分することで、バッフルプレート外部空間20aの油の撹拌を抑制することができ、撹拌抵抗を低減することができる。
また、バッフルプレート20は、ファイナルギア17aの回転方向の下流側では、水平線Lh2よりも更に下流まで配置されているので、ファイナルギア17aの回転に伴って回転方向の下流側で潤滑油の油面が上昇しても、バッフルプレート20の内部空間20bへの油の進入を抑制することができる。
バッフルプレート20の上方(水平線Lh2よりもより回転方向のさらに下流)には、ガイド部21g,22gが設けられているので、潤滑油をファイナルギア17aと出力ギア16cとの噛合箇所P2や、ファイナルギア17aの斜め上方の入力ギア16bのギア歯16g1にも積極的に供給することができる。
ファイナルギア17aが回転すると、そのギア歯17gと共に移動する油は遠心力を受けるため、ギア歯17gから離隔する方向に飛散しやすい。しかし、このギア歯17gと共に移動する油は、ガイド部21gによって飛散を防止され、ギア歯17gとガイド部21gの内側面との間を回転方向に移動する。
ガイド部21gは、ファイナルギア17aの直上方の出力ギア16cとの噛合箇所P2の近くまで延びているので、油は噛合箇所P2に供給されて、その潤滑に寄与する。
また、図6(a),(b)に示すように、ファイナルギア17aが矢印A1方向に回転すると、ギア歯17gと共に移動する油は矢印A2で示すようにギア歯17gのねじれ方向に向かう。
ハウジング側バッフルプレート22の上方の入力ギア16bに近い部分には、ギア歯17gのねじれ方向に傾斜したガイド部22gが設けられているので、ギア歯17gのねじれ方向に向かう油はガイド部22gに沿って入力ギア16bのギア歯16g1に向かう。こうして、ヘルカルギアのギア歯による油の挙動特性を利用して、潤滑油を効率よく上方のギア16bのギア歯16g1に供給することができる。
このように、入力ギア16bのギア歯16g1やファイナルギア17aと出力ギア16cとの噛合箇所P2への潤滑油の供給が促進されるので、これらの部分の潤滑性が向上し、駆動力伝達ギア装置10及び自動変速機2の性能向上に寄与する。
また、ファイナルギア17aの回転に伴って3ケース3内の潤滑油の油面が上昇することを抑制するためにバッフルプレート21,22の回転方向下流側の鉛直上部に設けられた延長部21e,22eよりも、さらに回転方向下流側で且つ鉛直上方にガイド部21g,22gが設けられているので、延長部21e,22eによる油面上昇の抑制作用を損なうことがない。
つまり、油面上昇を抑制するための延長部21e,22eは、ファイナルギア17aの外周面や側面に接近させることが必要になる。一方、ガイド部21g,22gは、ファイナルギア17aの外周面や側面に付着した油をギア歯16g1や噛合箇所P2へ供給するために、例えばガイド部22gのようにファイナルギア17aの側面から離隔させることも必要になる。本装置では、延長部21e,22eの回転方向下流側にガイド部21g,22gが設けられているので延長部21e,22eの機能が損なわれることはない。
〔その他〕
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上記実施形態では、差動機構17のファイナルギア17aを例示したが、本発明はファイナルギア17aに限らずバッフルプレートを用いた種々のギアに適用しうる。
1 エンジン
2 自動変速機(ベルト式無段変速機)
3 ケース
4 コンバータハウジング(第1ケース部材)
5 トランスミッションケース(第2ケース部材)
6 駆動輪
7 オイルパン
7a 油溜り
8 オイル吸い口
10 駆動力伝達ギア装置
11 ロックアップ式トルクコンバータ
12 前後進切換機構
13 プライマリプーリ
14 ベルト
15 セカンダリプーリ
16 アイドラギア
16b 入力ギア
16c 出力ギア(第2ヘリカルギア)
16g1,16g2 ギア歯
17 差動機構
17a ファイナルギア(第1ヘリカルギア)
17a1 ファイナルギア(第1ヘリカルギア)の他側面
17a2 ファイナルギア(第1ヘリカルギア)の一側面
17b デファレンシャルケース
17g ギア歯
18a 第1ベアリング(第1テーパローラベアリング)
18b 第2ベアリング(第2テーパローラベアリング)
20 バッフルプレート
20a バッフルプレート外部空間
20b バッフルプレート内部空間
21 ミッションケース側バッフルプレート
22 ハウジング側バッフルプレート 21d,22d 凹部
20e,21e,22e 延長部
21g,22g ガイド部
A1 ファイナルギア(第1ヘリカルギア)17aの回転方向
A2 ファイナルギア(第1ヘリカルギア)17aによる油の移動方向
Lv1 鉛直線
Lh1,Lh2 水平線
第4軸(ファイナルギア17aの回転中心)

Claims (5)

  1. 車両の駆動力を伝達する第1ヘリカルギアと、
    前記第1ヘリカルギアの上方に配置され、前記第1ヘリカルギアと噛み合う第2ヘリカルギアと、
    前記第1ヘリカルギア及び前記第2ヘリカルギアを収納して支持するケースと、
    前記第2ヘリカルギアの一側面と前記ケースとの間に配置されたギアと、
    前記第1ヘリカルギアの前記一側面と前記ケースとの間に配置され、正面視が扇形の平板部と前記平板部の内周側に形成された曲面部とを有した第1バッフルプレートと、を有し、
    前記第1ヘリカルギアのギア歯のねじれ方向は、前記車両が前進するよう前記第1ヘリカルギアが回転するときに、前記一側面側が他側面側よりも遅れて噛み合うように配向され、
    前記第1バッフルプレートの上部には、前記平板部から前記第1ヘリカルギアの回転方向の下流側に延長されて前記ギアのギア歯に向かうように上方に延び、且つ、上方に向かうほど前記第1ヘリカルギアの一側面との間のクリアランスが大きくなるように傾斜して形成された第1ガイド部を有する
    ことを特徴とする駆動力伝達ギア装置。
  2. 請求項1において、
    前記第1ヘリカルギアの前記他側面と前記ケースとの間に配置された第2バッフルプレートを有し、
    前記第1ヘリカルギアは、前記第1バッフルプレートと前記第2バッフルプレートとに挟まれて配置され、
    前記第2バッフルプレートは、前記第1ヘリカルギアの中心を通る水平線の下方において前記第1ヘリカルギアの円周面及び他側面を覆い、且つ、前記水平線の上方において前記第1ヘリカルギアと前記第2ヘリカルギアとの噛合位置に向かって延びた第2ガイド部を有することを特徴とする駆動力伝達ギア装置。
  3. 車両の駆動力を伝達する第1ヘリカルギアと、
    前記第1ヘリカルギアの上方に配置され、前記第1ヘリカルギアと噛み合う第2ヘリカルギアと、
    前記第1ヘリカルギア及び前記第2ヘリカルギアを収納して支持するケースと、
    前記第2ヘリカルギアの一側面と前記ケースとの間に配置されたギアと、
    前記第1ヘリカルギアの一側面と前記ケースとの間に配置された第1バッフルプレートと、を有し、
    前記第1ヘリカルギアのギア歯のねじれ方向は、前記車両が前進するよう前記第1ヘリカルギアが回転するときに、前記一側面側が他側面側よりも遅れて噛み合うように配向され、
    前記第1バッフルプレートの上部には、前記ギアのギア歯に向かうように上方に延び、且つ、上方に向かうほど前記第1ヘリカルギアの一側面との間のクリアランスが大きくなるように傾斜して形成された第1ガイド部を有し、
    前記第1ヘリカルギアの前記他側面と前記ケースとの間に配置された第2バッフルプレートを有し、
    前記第1ヘリカルギアは、前記第1バッフルプレートと前記第2バッフルプレートとに挟まれて配置され、
    前記第2バッフルプレートは、前記第1ヘリカルギアの中心を通る水平線の下方において前記第1ヘリカルギアの円周面及び他側面を覆い、且つ、前記水平線の上方において前記第1ヘリカルギアと前記第2ヘリカルギアとの噛合位置に向かって延びた第2ガイド部を有する
    ことを特徴とする駆動力伝達ギア装置。
  4. 請求項2又は3において、
    前記第1バッフルプレート及び前記第2バッフルプレートの前記第1ヘリカルギアの回転方向下流側の鉛直上部には、前記回転方向下流側で前記第1ヘリカルギアの回転に伴って前記ケース内の潤滑油の油面が上昇することを抑制する延長部が設けられ、
    前記第1ガイド部及び前記第2ガイド部は、前記延長部よりもさらに前記回転方向下流側で且つ鉛直上方に設けられている
    ことを特徴とする駆動力伝達ギア装置。
  5. 請求項1〜の何れか1項に記載された駆動力伝達ギア装置を装備した
    ことを特徴とする自動変速機。
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