JP5306897B2 - 内燃機関のバランサ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の二次振動を低減させるバランサ装置の改良に関する。
周知のように、内燃機関のバランサ装置は、機関のクランクケースの下部に取り付けられつつオイルパン内に収容されたハウジングと、該ハウジング内に軸受を介して回転自在に収容され、クランクシャフトから回転力が伝達される駆動側バランサシャフトと、該駆動側バランサシャフトから回転力が伝達される従動側バランサシャフトと、を備えている。
そして、機関始動によりクランクシャフトが回転駆動すると、ギアなどを介して駆動側バランサシャフトがクランクシャフトの2倍の回転速度で回転駆動すると共に、駆動側ギアの回転に伴ってこれと噛合した従動側ギアが逆方向へ回転して従動側バランサシャフトを駆動側バランサシャフトと反対方向へ回転駆動させる。これによって、各カウンターウエイトの回転によりエンジンの二次振動を効果的に抑制するようになっている。
また、内燃機関の駆動が停止されたときなどは、オイルパン内のオイルの油面レベルが上昇して前記ハウジング内にオイルが流入して、前記駆動側バランサシャフトあるいは従動側バランサシャフトがオイルに浸漬された状態になる。
したがって、機関が始動されて前記各バランサシャフトが回転すると、各カウンターウエイトがハウジング内のオイルを攪拌しながら回転するため、回転フリクションが増大して内燃機関の回転駆動負荷が発生してしまう。
そこで、以下の特許文献1に記載されているように、ハウジングの駆動側バランサシャフト側と従動側バランサシャフト側の両方にオイル排出孔を設けて、各バランサシャフトの回転中にハウジング内のオイルをオイルパン内に排出させて、回転フリクションを低減させる技術が提供されている。
特開2006−118514号公報
ところで、前記バランサ装置にあっては、前記ハウジング内にオイルポンプが一体的に設けられており、該オイルポンプの駆動によって、ハウジングの下部に設けられたオイルストレーナを介してオイルパン内のオイルを吸入して機関の摺動部に供給するようになっている。
しかし、前記公報記載のバランサ装置にあっては、前記各バランサシャフトの回転に伴ってハウジングのオイルがオイル排出孔からオイルパン内に排出されるオイルには多くの空気が混入している。このため、前記オイルストレーナを介して吸入された気泡混入オイルによってオイルポンプでキャビティーションなどが発生し易くなると共に、吐出油圧の低下を招くおそれがある。
本発明は、ハウジング内からのオイル排出効率を向上させて回転フリクションを低減すると共に、オイルポンプで吸入されるオイル内への気泡の混入を抑制し得る内燃機関のバランサ装置を提供するものである。
請求項1に記載の発明にあっては、該ハウジングの重力方向の下方側に配置された前記いずれかの一方の回転体側に偏倚した位置でかつ重力方向の下面に設けられたオイルストレーナと、前記ハウジング内に設けられ、前記駆動回転体または従動回転体によって回転駆動されて前記オイルパン内のオイルを前記オイルストレーナから吸入すると共に機関の摺動部に供給するオイルポンプと、を備え、前記ハウジングの上壁部の下面の重力方向の上方側であって他方の回転体のカウンターウエイトと対応した位置に、該他方の回転体のカウンターウエイトによって掻き上げられたオイルを前記オイルパン内に排出するオイル排出孔が形成されていると共に、重力方向の下方側に位置する一方の回転体側の周囲が閉塞されていることを特徴としている。
駆動回転体などの回転に伴って掻き上げられたハウジング内のオイルは、特異な配置のオイル排出孔から効率良く排出される。このため、回転フリクションの低減化が図れる。
しかも、前記オイルストレーナは、ハウジングの重力方向の下方側に配置されたいずれかの一方の回転体側に偏倚した位置でかつ重力方向の下面に設けられていることから、たとえオイルパン内のオイルに気泡が混入していたとしても、該気泡のオイルストレーナ方向への回り込みを抑制できる。したがって、オイルポンプの気泡の吸い込みを十分に抑制できる。
本発明の第1の実施形態にかかるバランサ装置を示す図6のC−C線に沿った断面図である。 同バランサ装置が機関に取り付けられた状態を示す部分断面図である。 本実施形態のバランサ装置の側面図である。 図2のA−A線に沿った断面図である。 図2のB−B線に沿った断面図である。 本実施形態のバランサ装置の底面図である。 第2の実施形態のバランサ装置を示す図6のC−C線に沿った断面図である。
以下、本発明に係るバランサ装置を、例えば自動車の直列4気筒の内燃機関に適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1の実施形態〕
内燃機関のシリンダブロック1の下部には、図2に示すように、クランクシャフト2を軸支する軸受部を有するアルミ合金材からなるラダーフレーム3が固定されていると共に、該ラダーフレーム3の下部に、内部のエンジンオイルOを貯留したオイルパン4が取り付けられている。また、前記内燃機関は、エンジンルーム内のレイアウトの関係から図2中、左側が下がった傾斜状に形成されて、前記オイルパン4の傾斜状下面4aが水平になるように配置されている。
前記クランクシャフト2は、シリンダブロック1の下部に図外のベアリングボルトによって結合されたベアリングキャップなどからなる複数の軸受によって回転自在に支持されていると共に、前端側に一体的に有する軸2aに大径なクランクスプロケット5が取り付けられている。
このクランクスプロケット5は、リング状に形成され、中央部に形成された挿通孔5aを介してクランクシャフト2の軸部2aに焼きばめによって結合されていると共に、外周にギア部5bを有している。
前記シリンダブロック1の下部とラダーフレーム3及びオイルパン4によって囲まれた空間内には、機関の二次振動を抑制するバランサ装置6が収容配置されている。このバランサ装置6は、図1に示すように、前記内燃機関の傾斜角度と同じ角度で傾斜して配置され、後述する従動側バランサシャフト9側が駆動側バランサシャフト8よりも重力方向の下方側となるように配置されている。
そして、このバランサ装置6は、図1〜図6に示すように、オイルパン4の下面に固定されたバランサハウジング7と、該バランサハウジング7の内部に回転自在に支持されて、機関前後方向に並行に配置された駆動回転体である駆動側バランサシャフト8及び従動回転体である従動側バランサシャフト9と、該両バランサシャフト8,9の各ほぼ中央部側にそれぞれ設けられて、各歯部が互いに噛合したヘリカル型の駆動側ギア10及び従動側ギア11と、前記バランサハウジング7の前記従動側バランサシャフト9側の前端部に設けられたオイルポンプ12と、を備えている。
前記バランサハウジング7は、全体がアルミニュウム合金材から形成され、オイルパン4側のロアーハウジング13と、該ロアーハウジング13の上部に配置されたアッパーハウジング14とから構成され、この両ハウジング13,14は、複数のボルト15によって上下方向から締結固定されている。
前記駆動側バランサシャフト8は、図4に示すように、先端軸8cの前端部にバランサスプロケット17が軸方向から螺着した固定用ボルト16によって固定されていると共に、このバランサスプロケット17と前記クランクスプロケット5との間に巻装された駆動チェーン31を介してクランクシャフト2からの回転力が伝達されるようになっている。これによって、前記両バランサシャフト8,9が、前記駆動側ギア10と従動側ギア11を介して互いに反対方向へ回転されるようになっている。なお、前記両シャフト8,9は、クランクシャフト2の1回転当たり2回転するように設定されている。
また、前記駆動側バランサシャフト8は、図4に示すように、軸方向の前端側と後端側にジャーナル部8a、8bが形成されていると共に、該ジャーナル部8a、8bが前記ロアーハウジング13とアッパーハウジング14の対応する位置にそれぞれ設けられた2つの軸受部19a、19bに回転自在に支持されている。なお、後部側の軸受部19b側には半割円環状のプレーンベアリング20が介装されている。
また、各ハウジング13,14の軸受部19a、19bの内周面に形成された半円弧状の油溝19c、19dを介して後述する油通路から潤滑油が供給されるようになっている。
また、駆動側バランサシャフト8の後側ジャーナル8bを挟んだ前後位置には、半円形状の2つのカウンターウエイト21a、21bが一体に設けられている。
前記駆動側ギア10は、駆動側バランサシャフト8に圧入などによって固定されていると共に、図4に示すように、ロアーハウジング13の対向するスラスト壁13a、13bによって挟まれて軸方向への移動が規制されるようになっている。
一方、前記従動側バランサシャフト9は、図5に示すように、その軸長が駆動側バランサシャフト8よりも短尺に形成され、軸方向の2個所に形成されたジャーナル部9a、9bが前記両ハウジング13、14の間に設けられた2つの軸受部22a、22bを介して回転自在に支持されている。なお、後部側の軸受部22b側には半割円環状のプレーンベアリング23が介装されている。
また、各ハウジング13,14の軸受部22a、22bの内周面に形成された半円弧状の油溝22c、22dを介して図外の油通路から潤滑油が供給されるようになっている。
従動側バランサシャフト9の前記後部側のジャーナル部9bを挟んだ前後位置には、2つの半円形状のカウンターウエイト24a、24bが一体に設けられている。
前記従動側ギア11は、従動側バランサシャフト9に圧入などによって固定されていると共に、図5に示すように、ロアーハウジング13の対向するスラスト壁13c、13dにより挟まれて軸方向への移動が規制されるようになっている。
前記オイルポンプ12は、一般的なトロコイド型であって、図5及び図6に示すように、バランサハウジング7の前端側に複数のボルト25によって結合固定されたポンプハウジング26と、該ポンプハウジング26の内部に回転自在に収容されたインナーロータ27及びアウターロータ28と、を備えている。
前記インナーロータ27は、軸心方向に貫通形成された固定用孔27aに前記従動側バランサシャフト9の小径先端部9cが貫通固定されて、従動側バランサシャフト9によって回転駆動されるようになっている。なお、前記インナーロータ27は、図5に示すように、中央から突出した円筒部27bが前記ポンプハウジング26に形成された嵌合孔26aに嵌合して前記小径先端部9cと一緒に回転自在に軸受けされている。
また、前記ポンプハウジング26内には、ロアーハウジング13の下部内に形成されたオイル吸入通路29に連通する吸入ポート30が形成されていると共に、前記両ロータ27,28の回転に伴うポンプ作用によって前記吸入ポート30から吸入したオイルを吐出する図外の吐出ポートが形成されている。この吐出ポートから吐出されたオイルは、吐出通路を介して機関の各摺動部や駆動部に供給されるようになっている。
また、前記アッパーハウジング14の駆動側バランサシャフト8側の上壁部14aには、バランサハウジング7内に貯留されたオイルOを前記オイルパン4内に排出する2つのオイル排出孔32、32が形成されている。
すなわち、この2つのオイル排出孔32、32は、図1、図3に示すように重力方向の上側に位置する駆動側バランサシャフト8側のほぼ平坦な前記上壁部14aに前記2つのカウンターウエイト21a、21bと対応した位置に形成されていると共に、前記カウンターウエイト21a、21bの外周縁回転方向の接線方向に沿ってほぼ直線状に形成されている。つまり、バランサハウジング7の内部に臨む各一端開口32a、32aが延長部である前記上壁部14aに沿って形成されていると共に、他端開口32b、32bがカウンターウエイト21a、21bの外周縁回転方向の接線方向に直線状に形成されてオイルパン4内に臨んでいる。
前記アッパーハウジング14の前記従動側バランサシャフト9側、つまり従動側カウンターウエイト24a、24b側の円弧状上壁部14bは、開口されることなく閉塞された状態になっている。
前記バランサハウジング7の内部には、図1に示すように、オイルパン4に貯留されたオイルの一部が機関の駆動停止時において貯留された状態になっており、このオイルOの油面レベルLの下に、カウンターウエイト24a、24bを含む従動側バランサシャフト9の全体が配置されていると共に、駆動側バランサシャフト8の全体とカウンターウエイト21a、21bの一部が配置されている。
また、前記ロアーハウジング13には、図1、図5及び図6に示すように、前記オイルポンプ12の駆動時に前記オイルパン4内に貯留されたオイルOを濾過して前記オイル吸入通路29内に流入させるオイルストレーナ33が設けられている。
このオイルストレーナ33は、受け皿状の金属製リテーナ34と、該リテーナ34に保持されたメッシュ状の濾過部材35とから構成されている。前記リテーナ34は、外周縁の前記ロアーハウジング13の下端部に一体に有する円筒壁13eの内周面の円環状の保持溝に圧入またはかしめによって固定されるフランジ部34aが形成されていると共に、底壁にほぼ半円形状の開口部34bが形成されている。また、前記底壁には、外周部側とほぼ中央部側に、オイルパン4の内底面との所定の隙間を形成するための5つの突部34cが設けられている。
そして、このオイルストレーナ33の配置構成としては、図1に示すように、前記ロアーハウジング13の従動側バランサシャフト9側に偏倚して配置されている。つまり、両バランサシャフト8,9の間の中心線Xよりも従動側バランサシャフト9側寄りに形成された円筒壁13eに配置固定されて、重力方向の最下方に位置している。
したがって、このバランサ装置6によれば、機関が始動されてクランクシャフト2が回転駆動すると、クランクスプロケット5と駆動チェーン31及びバランサスプロケット17を介して駆動側バランサシャフト8が一方向へ前記クランクシャフト2の2倍の速度で回転する。これによって、従動側バランサシャフト9が、駆動側ギア10と従動側ギア11の噛み合い回転伝達を経て駆動側バランサシャフト8と反対方向へ同速度で回転する。
よって、それぞれのカウンターウエイト21a、21b、24a、24bも互いに反対方向へ回転しながらバランサシャフト自体の左右の遠心力をキャンセルする。
このとき、バランサハウジング7は、オイルパン4内に滞留するオイルOと各バランサシャフト8,9の干渉を防止し、該各バランサシャフト8,9が回転する際に発生する起振力を受けると同時に起振力を機関に伝達する。
また、前記従動側バランサシャフト9の回転に伴ってインナーロータ27とアウターロータ28が回転してオイルポンプ12がポンプ作動して、オイルパン4内のオイルOを、オイルストレーナ33を介して吸入すると共に、機関の各摺動部などへ吐出する。
そして、前述のように、駆動側バランサシャフトの回転に伴いカウンターウエイト2a、2aが回転してバランサハウジング7内のオイルOを掻き上げると、この掻き上げられたオイルOは、各オイル排出孔32,32からオイルパン4内に効率良く排出される。つまり、前記オイル排出孔32,32は、カウンターウエイト2a、2aの外周縁回転方向の接線方向に沿って形成されていることから、掻き上げられたオイルOはそのままカウンターウエイト2a、2aの外周縁から遠心力によって各オイル排出孔32,32方向へ飛散することから効率良く排出させることができる。
このため、両バランサシャフト8,9のオイルOによる攪拌抵抗、つまり回転フリクションを十分に低下させることが可能になり、この結果、機関の回転負荷を低減させることができる。
特に、前記オイル排出孔32,32は、前記カウンターウエイト2a、2aの遠心力が作用する方向に開口しているため、バランサハウジング7内のオイルOがカウンターウエイト2a、2aによって掻き上げられて遠心方向へそのまま飛散されることをから、オイル排出孔32,32からオイルパン4内へ排出されやすくなる。
また、前記カウンターウエイト2a、2aによって掻き上げられてオイル排出孔32,32方向に飛散したオイルOの一部は、前記上壁部14aの下面に当たってそのままオイルパン4内へ案内されることから、オイルOの排出性がさらに向上する。
しかも、前記オイルストレーナ33は、バランサハウジングの重力方向の下方側に配置された従動側バランサシャフト9側に偏倚した位置で、かつ重力方向の最下方位置に設けられていることから、前記各カウンターウエイト21a、21b24a、24bの攪拌作用によってたとえオイルパン4内のオイルに気泡が混入していたとしても、該気泡のオイルストレーナ33方向への回り込みを抑制できる。したがって、前記オイルポンプ12に吸入されるオイルO内の気泡が大幅に減少してキャビティーションの発生や吐出油圧の低下を抑制することができる。
〔第2の実施形態〕
図7は本発明の第2の実施形態を示し、この実施形態では、オイルパン4内の油面レベルLをさらに高くすると共に、オイルストレーナ33の小型化を図りつつ配設位置を中心線Xからさらに離間する方向へ偏倚させたものである。
すなわち、まず、機関駆動停止時におけるオイルパン4内のオイルOの油面レベルLを、バランサハウジング7のアッパーハウジング14のほぼ全体が埋没するように高く設定して、前記従動側バランサシャフト9の他に、駆動側バランサシャフト8のカウンターウエイト21a、21b側もその大部分がオイルOに浸漬されるような高さに設定されている。
また、ロアーハウジング13に設けられた円筒壁13eの外径を小さく形成して、その一部を前記両バランサシャフト8,9間の中心線X上に位置させるようになっている。
一方、前記オイルストレーナ33の外径も円筒壁13eの外径に合わせて小さく設定されている。したがって、このオイルストレーナ33は、全体が前記中心線Xから離れた位置、つまり前記オイル排出孔32、32に対して対角側にさらに離間した偏倚した位置に配置されている。
したがって、前記オイルパン4の高さを可及的に小さくすることができるので、内燃機関全体の上下方向の高さを小さくでき、エンジンルーム内へのレイアウトの自由度が向上する。
また、駆動側バランサシャフト8と従動側バランサシャフト9の各ジャーナル部8a、8b、9a、9bもオイルに浸漬された状態になることから、該各ジャーナル部8a〜9bと軸受部19a、19b、22a、22bとの間の潤滑性がさらに向上する。
前記実施形態から把握される前記請求項に記載した発明以外の技術的思想について以下に説明する。
(ア)請求項1に記載の内燃機関のバランサ装置において、
前記オイル排出孔は、前記ハウジングにおける重力方向の上方側に設けられていることを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
(イ)請求項1に記載の内燃機関のバランサ装置において、
前記オイル排出孔は、前記カウンターウエイトから遠心力が作用する方向に開口していることを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
ハウジング内のオイルがカウンターウエイトによって掻き上げられて遠心方向へ飛散されることをから、オイル排出孔からオイルパン内へ排出されやすくなる。
(ウ)請求項1に記載の内燃機関のバランサ装置において、
前記オイル排出孔は、前記カウンターウエイトの外周縁から回転方向の接線延長方向に沿って開口形成されていることを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
カウンターウエイトの回転に伴って掻き上げられたオイルは、カウンターウエイトの回転方向の接線延長方向へ飛散されることから、ここに形成されたオイル排出孔からのオイルパン内への排出効率が向上する。
(エ)請求項1に記載の内燃機関のバランサ装置において、
前記オイル排出孔の重力方向の上方側には、前記オイル排出孔の重力方向の下方側よりも外側に延長された延長部が設けられていることを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
カウンターウエイトによって掻き上げられてオイル排出孔方向に飛散したオイルが延長部の下面に当たってそのままオイルパン内へ案内されることから、オイルの排出性がさらに向上する。
(オ)請求項1に記載の内燃機関のバランサ装置において、
前記オイルストレーナは、前記駆動回転体と従動回転体の間の中心位置から重力方向の下方側に位置する前記いずれかの一方の回転体側に偏倚して配置されていることを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
(カ)請求項3に記載の内燃機関のバランサ装置において、
前記駆動回転体と従動回転体は、回転中心が重力方向の上下側となるようにそれぞれ配置され、前記ハウジング内の重力方向の下方側に配置される前記いずれかの回転体が機関の駆動停止時にハウジング内のオイルの油面レベル以下に位置するように構成されていることを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
(キ)請求項3に記載の内燃機関のバランサ装置において、
前記駆動回転体と従動回転体は、機関の駆動停止時にハウジング内のオイルの油面レベル以下に配置されていることを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
オイルパンの高さを可及的に小さくすることができるので、内燃機関全体の上下方向の高さを小さくでき、エンジンルーム内へのレイアウトの自由度が向上する。
また、駆動回転体と従動回転体のハウジング内の各ジャーナル部もオイルに浸漬された状態になることから、該ジャーナル部の潤滑性が向上する。
1…シリンダブロック
2…クランクシャフト
3…ラダーフレーム
4…オイルパン
5…クランクギア
6…バランサ装置
7…バランサハウジング
8…駆動側バランサシャフト(駆動回転体)
9…従動側バランサシャフト(従動回転体)
10…駆動側ギア
11…従動側ギア
13…ロアーハウジング
14…アッパーハウジング
14a…上壁部(延長部)
19a、19b…軸受部
21a・21b…駆動側カウンターウエイト
24a・24b…従動側カウンターウエイト
33…オイルストレーナ
O…オイル
L…油面レベル
X…中心線

Claims (2)

  1. クランクシャフトから回転力が伝達され、外周にカウンターウエイトを有する駆動回転体と、
    前記駆動回転体から回転力が伝達され、外周にカウンターウエイトを有する従動回転体と、
    オイルパン内で重力方向に傾斜した状態で内燃機関に取り付けられ、互いの回転軸心が重力方向の上下に配置された前記駆動回転体と従動回転体とを内部に回転自在に収容するハウジングと、
    該ハウジングの重力方向の下方側に配置された前記いずれかの一方の回転体側に偏倚した位置でかつ重力方向の下面に設けられたオイルストレーナと、
    前記ハウジング内に設けられ、前記駆動回転体または従動回転体によって回転駆動されて前記オイルパン内のオイルを前記オイルストレーナから吸入すると共に機関の摺動部に供給するオイルポンプと、を備え、
    前記ハウジングの上壁部の下面の重力方向の上方側であって他方の回転体のカウンターウエイトと対応した位置に、該他方の回転体のカウンターウエイトによって掻き上げられたオイルを前記オイルパン内に排出するオイル排出孔が形成されていると共に、
    重力方向の下方側に位置する一方の回転体側の周囲が閉塞されていることを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
  2. クランクシャフトから回転力が伝達され、外周にカウンターウエイトを有する駆動回転体と、
    前記駆動回転体から回転力が伝達され、外周にカウンターウエイトを有する従動回転体と、
    オイルパン内で重力方向に傾斜した状態で内燃機関に取り付けられ、互いの回転軸心が重力方向の上下に配置された前記駆動回転体と従動回転体とを内部に回転自在に収容するハウジングと、
    該ハウジングの重力方向の下方側に配置された前記いずれかの一方の回転体側に偏倚した位置でかつ重力方向の下面に設けられたオイルストレーナと、
    前記ハウジング内に設けられ、前記駆動回転体または従動回転体によって回転駆動されて前記オイルパン内のオイルを前記オイルストレーナから吸入すると共に機関の摺動部に供給するオイルポンプと、を備え、
    前記ハウジングの上壁部の重力方向の上方側であって他方の回転体のカウンターウエイトと対応した位置のみに、前記他方の回転体のカウンターウエイトによって掻き上げられたオイルを前記オイルパン内に排出するオイル排出孔が形成されていることを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
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