JP5385365B2 - 内燃機関のバランサハウジング構造 - Google Patents

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本発明は、オイルパン内に設けられてバランサシャフトを軸支する内燃機関のバランサハウジングの構造に関する。
自動車等に搭載されるレシプロエンジン(以下、単にエンジンと記す)では、ピストンが発生する二次起振動を打ち消すために、それぞれバランサウェイト(カウンタウェイト)を有する2本のバランサシャフトをクランクシャフトの下方のオイルパン内に配置し、動力伝達機構を介して伝達されるクランクシャフトの回転によって駆動バランサシャフトを回転駆動し、ギヤで互いに連係する被駆動バランサシャフトをこれとは反対方向に等速度で回転駆動するようにしたバランサ装置が一般的に取付けられている。
バランサ装置には、オイルストレーナ、オイルポンプおよびオイルストレーナとオイルポンプとを連結する吸入通路がバランサハウジングに一体的に設けられることがある。このようなバランサ装置として、バランサシャフトを支持するバランサハウジングを、両バランサシャフトの軸心を通る平面で上下に分割したアッパハウジングおよびロアハウジングにより構成するとともに、ロアハウジングに一体形成したポンプハウジングの端面から突出させた被駆動バランサシャフトの端部にオイルポンプ(オイルポンプロータ)を取り付け、ロアハウジングの底壁に形成したストレーナ取付部からオイルポンプに至る吸入路をロアハウジングの一側壁に内設したものを本出願人は提案している(特許文献1参照)。
特許第3762681号公報
ところで、特許文献1には、ストレーナ取付部とこれと連通する吸入路との形成方法や互いの接続部の構造については特に言及あるいは明示されていないが、従来は、ストレーナ取付部と吸入路とをそれぞれ鋳抜き形成した後に、両者間の壁をドリル加工で穿孔して連通路を形成していた。しかしながら、単一の連通孔による従来の構造では、連通部の流路面積が小さくなる。流路面積を大きくするためには、ドリル径を大きくすることが考えられるが、この場合、ストレーナ取付部の内部および吸入路の高さを大きくしなければならず、ハウジングやオイルパンの高さ寸法の増大を招く。高さ寸法の増大を回避するために連通路を吸入路の軸線方向に長い異形にすることも考えられるが、この場合には複雑な加工が必要になるだけでなく、バリ取り工程などの新たな作業も必要になる。また、流路面積を大きくするほどハウジングの剛性が低下するという問題も生じる。
本発明は、このような従来技術に含まれる課題を解消するべく案出されたものであり、複雑な加工や新たな作業を必要とすることなく、且つハウジングの剛性低下や大型化を抑制しつつ、ストレーナ取付部と吸入路との間の流路面積を大きくできるバランサハウジング構造を提供することを目的とする。
このような課題を解決するために、本発明の一側面によれば、オイルパン(4)内に設けられてバランサシャフト(11、21)を軸支する内燃機関(1)のバランサハウジング(30)の構造であって、前記バランサハウジングの底壁に下方に延出するように設けられた筒壁状のストレーナ取付部(37)と、前記バランサハウジングの前記ストレーナ取付部に隣接する位置に前記バランサシャフトに沿って内設され、オイルポンプ(60)に至る吸入路(67)と、前記ストレーナ取付部の内部(65)と前記吸入路とを連通する連通路とを有し、前記連通路が複数の円形断面通路(66)からなる構成とする。
この構成によれば、連通路が複数の円形断面通路からなることにより、ストレーナ取付部および吸入路の高さ寸法を大きくすることなく連通路の流路面積を大きくすることができる。また、ドリル加工のみで連通路を形成できるため、複雑な加工や新たな作業も必要ない。さらに、円形断面通路間に壁が形成されるため、ストレーナ取付部の剛性低下も抑制できる。
また、本発明の一側面によれば、前記吸入路は前記ストレーナ取付部の側方に設けられ、前記複数の円形断面通路が前記吸入路の軸線方向に整列した構成とすることができる。
この構成によれば、ストレーナ取付部および吸入路の高さ寸法を大きくすることなく各円形断面通路の径を大きく設定できるため、少ない円形断面通路で大きな流路面積を確保できる。そのため加工が容易である。
ことができる。
また、本発明の一側面によれば、前記バランサハウジングは、前記バランサシャフトの軸心で上下に分割されたアッパハウジング(32)およびロアハウジング(31)とからなり、前記吸入路を画成する管状壁(38)は、前記ロアハウジングの側部に設けられるとともに、前記ロアハウジングの前記アッパハウジングとの合わせ面(30a)と下端面(30b)との間に配置された構成とすることができる。
この構成によれば、吸入通路を形成するためにバランサハウジングの高さ寸法を大きくする必要がない。そのため、オイルパンが深くなってエンジンの高さ寸法が大きくなることを回避できる。また、吸入路の高さ寸法を大きくすることなくストレーナ取付部の内部空間と吸入路とが近接する領域を大きくできるため、吸入路の軸線方向に複数の円形断面通路を配置しやすい。また、ロアハウジングのアッパハウジングとの合わせ面の加工も容易である。
また、本発明の一側面によれば、前記管状壁は、前記ロアハウジングの前記バランサシャフトを包囲するシャフト包囲壁(35)に一体化された構成とすることができる。
この構成によれば、軸受壁に一体に形成される包囲壁に管状壁が一体化されるため、その剛性を高めることができる。
このように本発明によれば、複雑な加工や新たな作業を必要とすることなく、且つハウジングの剛性低下を抑制しつつ、ストレーナ取付部と吸入路との間の流路面積を大きくできるバランサハウジング構造を提供することができる。
実施形態に係るエンジンを駆動側バランサシャフトに沿って示す断面図 図1中のII−II線に沿う断面図 図2中のIII−III線に沿う被駆動バランサシャフトの断面図 図1に示すバランサ装置の分解斜視図 図1中のV−V線に沿って見たバランサ装置の右側面図 図1に示すバランサ装置の底面図 図1に示すバランサ装置を底面側から見た斜視図 図6中のVIII−VIII線に沿う部分断面図 図1に示すバランサ装置によるエンジン回転数と一次音との関係を示すグラフ
以下、図面を参照して、本発明に係るバランサ装置10を、直列4気筒自動車用エンジン(以下、単にエンジン1と記す。)に適用した実施形態について詳細に説明する。以下の説明では、エンジン1が搭載された状態における自動車の進行方向にしたがって図1および図2中に示す矢印を基準にして方向を示すものとする。なお、図3〜図8では、理解を容易にするために、バランサ装置10を基準としてシリンダ軸線方向およびこれに直交する方向を上下・前後として示している。
図1および図2に示すように、エンジン1は、クランクシャフト2を水平方向に延在させた直列4気筒エンジンであり、ロアブロック3や、オイルパン4、バランサ装置10などを備えており、シリンダ軸線を後方に傾斜させて自動車に搭載される。
バランサ装置10は、ピストンの往復運動に起因して発生するエンジン1の二次振動を低減するためのものであり、図3および図4に併せて示すように、回転中心から径方向外側に重心位置を偏倚させた実質的に同一形状のバランサウェイト12、22をそれぞれ備えて前後に配置された駆動バランサシャフト11および被駆動バランサシャフト21と、これら2本のバランサシャフト11、21を互いに平行に支持し且つ収容するバランサハウジング30とを備えている。バランサハウジング30は、両バランサシャフト11、21の軸心を通る平面に沿って上下に2分割されたロアハウジング31およびアッパハウジング32とにより構成される。バランサ装置10は、適所に設けられたボルト挿通孔16(図4参照)に下方から挿通される通しボルトにより、オイルパン4に内包された状態でロアブロック3の下面(クランクシャフト2の下方)に締結される。
図1に示すように、クランクシャフト2には、右端部にクランクプーリ5が設けられており、その背面側に大スプロケット6が固定されている。前側に配置された駆動バランサシャフト11には、その右端に小スプロケット7がボルト締結されており、大小両スプロケット6、7間に掛け渡されたリンクチェーン8を介して伝達されるクランクシャフト2の回転力により、駆動バランサシャフト11が回転駆動される。図1、図3および図4に示すように、両バランサシャフト11、21は、各バランサシャフト11、21に一体結合されたヘリカルギヤ13、23によって互いに連動するように連結されている。駆動バランサシャフト11は、クランクシャフト2の2倍の回転速度でクランクシャフト2と同一方向へ回転駆動される。そしてヘリカルギヤ13、23同士の噛合により、被駆動バランサシャフト21は駆動バランサシャフト11とは逆向きに等速度で回転駆動される。
両バランサシャフト11、21には、ヘリカルギヤ13、23の左方に比較的大径の第1ジャーナル部14、24が、ヘリカルギヤ13、23の右方に比較的小径の第2ジャーナル部15、25がそれぞれ形成されている。また、バランサウェイト12、22は、第1ジャーナル部14、24を挟んで左右(軸線方向)に2分割されて左右のバランサウェイト部12l、12r、22l、22rを構成し、軸線方向について同一の位置に各バランサシャフト11、21に一体形成されている。
ロアハウジング31には、両バランサシャフト11、21について2つずつの軸受下半部33が形成され、アッパハウジング32にも、両バランサシャフト11、21について2つずつの軸受上半部34が形成されている。軸受下半部33と軸受上半部34とは、ロアおよびアッパハウジング31、32を互いに接合させることによって、対応するもの同士が協働して両バランサシャフト11、21について2つ割の第1軸受41、43および第2軸受42、44を構成する。両バランサシャフト11、21の第1および第2ジャーナル部14、15、24、25は、このようにして構成された第1および第2軸受41、42、43、44により軸支される。
両バランサシャフト11、21には、左右のバランサウェイト部12l、12r、22l、22rにおける第1ジャーナル部14、24を挟む対向端部に拡径されたフランジ部がそれぞれ形成されており、これらフランジ部の互いの対向端面がスラスト受面をなしている。つまり、それぞれ第1軸受41、43を構成して第1ジャーナル部14、24を軸支する第1軸受壁46、48が両バランサシャフト11、21のスラスト軸受を兼ねている。したがって、ロアまたはアッパハウジング31、32や両バランサシャフト11、21に別途スラスト軸受やスラスト受面を形成する必要がなく、構造の簡素化および重量軽減が実現できる。なお、両バランサシャフト11、21を支持する各第1軸受壁46、48は、左右方向について同一の位置に設けられて前後方向に連設されている。
各軸受41〜44におけるロアハウジング31側の軸受下半部33に両バランサシャフト11、21の第1および第2ジャーナル部14、15、24、25をそれぞれ載置した状態(図4の状態)で、各軸受41〜44におけるアッパハウジング32側の軸受上半部34を両バランサシャフト11、21の各ジャーナル部14、15、24、25に整合させた上でロアおよびアッパハウジング31、32を互いに接合させることにより、両バランサシャフト11、21が両ハウジング31、32内に回転自在に収容されることとなる。そして第1軸受41、43を形成する第1軸受壁46、48は、左右のバランサウェイト部12l、12r、22l、22rの対向端面に摺接してスラスト力を受け止める。
ロアおよびアッパハウジング31、32は、被駆動バランサシャフト21を収容する後側部分が軸線方向に比較的短く形成され、駆動バランサシャフト11を収容する前側部分が軸線方向に比較的長く形成されており、駆動バランサシャフト11を収容する前側部分の右端壁が被駆動バランサシャフト21を収容する部分の右端壁よりも右側に位置するように構成されている。そして、両バランサシャフト11、21の第2軸受42、44は、対応するバランサシャフト11、21を収容する部分の各右端壁(以下、第2軸受壁47、49と称する。)に形成されている。したがって、駆動バランサシャフト11の第2軸受42は、被駆動バランサシャフト21の第2軸受44よりも右側、すなわち小スプロケット7側にオフセットした位置に設けられ、対応する第1軸受41、43からの距離が被駆動バランサシャフト21に比べて長くなっている。
また、ロアおよびアッパハウジング31、32には、第1軸受壁46、48および第2軸受壁47、49を連結して右側バランサウェイト部12r、22rおよびヘリカルギヤ13、23を径方向から包囲するとともに、第1軸受壁46、48から左方へ突出して左側バランサウェイト部12l、22lを径方向から包囲するシャフト包囲壁35が一体形成されている。
図3および図4に示すように、バランサ装置10には、エンジン各部へオイルを圧送するためのトロコイド式のオイルポンプ60が一体的に設けられており、被駆動バランサシャフト21がオイルポンプ60を回転駆動する。具体的には、ロアハウジング31の右端に、オイルポンプ60を内蔵する円筒状のポンプ室63の一部を画成するポンプハウジング51がアッパハウジング32との合わせ面30aよりも上方へ突出するように一体形成されており、ポンプハウジング51の右端面に、右側からポンプハウジング51に組み付けられるポンプカバー56がボルト締結され、これらポンプハウジング51とポンプカバー56とが協働してポンプ室63を形成するとともにポンプボディ64を構成している。オイルポンプ60は、2面取りされた被駆動バランサシャフト21の右端に連結されるインナロータ61およびポンプ室63の外周壁に軸支されるアウタロータ62を備えており、被駆動バランサシャフト21が回転すると、オイルパン4内のオイルを吸入してエンジン各部へと圧送する。
ポンプハウジング51は、オイルポンプ60を内包するように被駆動バランサシャフト21の右端まで延びてポンプ室63の外周面を形成しており、アウタロータ62の軸受をなしている。また、ポンプハウジング51は、バランサハウジング30の被駆動バランサシャフト21を収容する後側部分から右側に離間した位置に設けられている。したがって、被駆動バランサシャフト21は、バランサハウジング30とポンプハウジング51との間で露出している。
図4に示すように、ポンプハウジング51は、ポンプカバー56と協働してオイルポンプ60の吐出通路69を内部に画成すべく駆動バランサシャフト11の下方を通って前方へ突出する第1横方向延長部52と、ポンプカバー56と協働してオイルポンプ60の吸入通路68の下流部を内部に画成すべく後方へ突出する第2横方向延長部53とを有している。第1横方向延長部52は、ロアハウジング31の前端(駆動バランサシャフト11の第2軸受42)下部に一体形成されている。つまり、駆動バランサシャフト11の第2軸受42の軸受下半部33が、第1横方向延長部52の上方に形成される。一方、第2横方向延長部53は、ロアハウジング31の後側に形成されてリブで補強された板状の連結部36(図6参照)を介してロアハウジング31の後側に一体形成される。
図5に示すように、ポンプカバー56は、ポンプハウジング51の右端面に対応する接合面56aを有し、ポンプ室63の右側面を画成するととともに、オイルポンプ60の吐出通路69および吸入通路68の下流部をポンプハウジング51と協働して形成する。ポンプ室63の下方には、吐出通路69と吸入通路68とを連通するように設けられた弁室70が形成されており、弁室70に摺動自在に嵌入される公知のプランジャバルブからなる図示しないリリーフバルブにより、吐出通路69の余剰圧を吸入通路68へ還流させるようになっている。ポンプカバー56の前部および後部には、ロアブロック3に締結するためのボルト挿通孔16(図6参照)を形成するボルトボス部57がバランサ装置10の上面を形成するように設けられており、駆動バランサシャフト11が通る部位には、駆動バランサシャフト11の右端部の軸径よりも大きな直径を有し、駆動バランサシャフト11を軸支することなく挿通させる貫通孔58が形成されている。
ロアハウジング31およびこれに一体形成されたポンプハウジング51、アッパハウジング32並びにポンプカバー56は、いずれもアルミ合金からなるダイカスト鋳造品であり、後述するロアハウジング31の管状通路67や吸入通路68の下流部、ポンプカバー56の弁室70などは中子を用いて形成される。
図3に示すように、被駆動バランサシャフト21には、第2ジャーナル部25からさらに間隙をおいた右方に、第2ジャーナル部25よりも小径の第3ジャーナル部26が形成されている。第3ジャーナル部26は、ポンプハウジング51の縦壁を貫通するように形成された軸受孔からなる第3軸受45により軸支される。そして、被駆動バランサシャフト21は、左端がポンプ室63に突入してインナロータ61に連結され、オイルポンプ60を駆動する。
図4に併せて示すように、被駆動バランサシャフト21は、バランサハウジング30とポンプハウジング51との間(第2軸受44と第3軸受45との間)の露出した部分に配置された継手27により軸方向に2分割された構成となっている。以下、左右両バランサウェイト部22l、22rを有するバランサウェイト22側の被駆動バランサシャフト21をウェイト軸21aと称し、オイルポンプ60側の被駆動バランサシャフト21をポンプ軸21bと称する。継手27は、軸線方向と直交する方向に延在するようにウェイト軸21aの右端に形成されたキー27aと、ポンプ軸21bの左端に形成されたキー溝27bとによって構成される。これにより、ロアハウジング31にアッパハウジング32が未だ組み付けられておらず、ポンプ軸21bが第3軸受45に軸支された状態で、キー27aがキー溝27bに嵌合するようにウェイト軸21aを上方から第1および第2軸受43、44の軸受下半部33に載置するだけで、ポンプ軸21bとウェイト軸21aとが互いに連結された被駆動バランサシャフト21をロアハウジング31に組み付ける(図4の状態にする)ことができる。
一方、図1に示すように、駆動バランサシャフト11は、ポンプハウジング51側の左端が、バランサハウジング30およびポンプハウジング51の第1横方向延長部52の外方に突出し、かつ貫通孔58を通ってポンプカバー56の左端面よりも左方に突出しており、その左端面に小スプロケット7がボルト締結される。駆動バランサシャフト11をロアハウジング31に組み付ける際には、上記したように左右両バランサウェイト部12l、12rの対向面がスラスト受面をなすため、駆動バランサシャフト11を軸方向にずらして所定の位置に配置することはできない。そのため、仮にポンプカバー56に駆動バランサシャフト11の軸受が形成されている場合には、ポンプカバー56が組み付けられた状態では駆動バランサシャフト11の組み付け・取外しを行うことはできない。これに対し、本発明では、ポンプカバー56が駆動バランサシャフト11を軸支しないため、ポンプカバー56の貫通孔58を大きく形成すれば、ポンプカバー56が組み付けられている状態でも、駆動バランサシャフト11を組み付けるまたは取り外すこともできる。
バランサハウジング30、ポンプハウジング51およびポンプカバー56がこのように構成されたことにより、両バランサシャフト11、21がバランサハウジング30およびポンプハウジング51のみによって軸支される。
図2、図3および図6に示すように、バランサハウジング30の底壁には、図示しないオイルストレーナを吸入口71aに保持するストレーナカバー71を取付けるために、下方に延出するように設けられた円筒壁状のストレーナ取付部37が一体形成されている。ストレーナ取付部37は、両バランサシャフト11、21のうち低位に配置される被駆動バランサシャフト21の下方にその中心を置いて、左側部分が被駆動バランサシャフト21の第1軸受壁48に連結する位置に配置される。ストレーナ取付部37は、バランサウェイト22の回転軌跡に沿うように円弧状とされたロアハウジング31のシャフト包囲壁35を底とする有底凹部65をその内部に形成している。
図2に示すように、ストレーナ取付部37の後側に隣接する位置(両バランサシャフト11、12を基準とした側方)には、シャフト包囲壁35に連結されるとともに板状の連結部36(図6)に連結された管状壁38が、ロアハウジング31のアッパハウジング32との合わせ面30aと下端面30bとの間に位置するようにロアハウジング31に一体形成されている。管状壁38には、有底凹部65との間に隔壁39を残すように有底凹部65から離間する位置を通って被駆動バランサシャフト21に沿って延び、ロアハウジング31の右端面に至る円形断面の管状通路67が直線状に内設されている。管状通路67は、オイルストレーナからオイルポンプ60へ至る吸入通路68の上流部分をなすものであり、図7に示すように、ポンプハウジング51の第2横方向延長部53に形成された吸入通路68の下流部に接続する。
図7および図8に示すように、有底凹部65と管状通路67とを隔てるこの隔壁39には、両者を連通させる2つの円形断面通路66が管状通路67の軸線方向に整列するように形成されている。上記したようにロアハウジング31はダイカスト成形され、有底凹部65や管状通路67はダイカスト成形時の鋳抜きにより形成される一方、円形断面通路66は、ダイカスト成形後にドリル加工により形成される。円形断面通路は、有底凹部側から穿設され、有底凹部から管状通路に向けて斜め上向きに延在する。
図6および図7に示すように、バランサ装置10をロアブロック3に締結するためのボルト挿通孔16は、上記したようにポンプカバー56の前後に2つ、第1軸受壁46、48の前後に2つ、およびアッパハウジング32に形成された吐出通路69(図4参照)の終端(ロアブロック3との接続部)の外側に1つの合計5つが形成されている。このうち、吐出通路69の終端外側のボルト挿通孔16を形成するボルトボス部17は、比較的薄く形成されており、シャフト包囲壁35に接続するリブ18によって補強されている。一方、第1軸受壁46、48の前後のボルト挿通孔16を形成するボルトボス部17は、最も大きな剛性が必要であるために比較底厚く形成されている。そして、このうちの後側のボルトボス部17には、ストレーナ取付部37に接続するリブ18が接続されており、バランサハウジング30の締結強度がさらに向上している。
被駆動バランサシャフト21と共にオイルポンプ60が回転すると、オイルストレーナから有底凹部65、円形断面通路66および管状通路67を経てポンプボディ64に流入したオイルは、オイルポンプ60で圧力を与えられて吐出通路69へ吐出される。そしてバランサハウジング30の上面に開口した吐出通路69の終端からロアブロック3内の給油路へと圧送され、エンジン各部へと供給される。
このように、有底凹部65と管状通路67とが複数の円形断面通路66によって互いに連通されたことにより、ストレーナ取付部37および管状通路67の高さ寸法を大きくすることなく連通路の流路面積を大きくできるようになっている。ドリル加工された従来の単一の連通路では、エンジン1の高さ寸法の増大を招かずに流路面積を大きくすることはできなかった。そのため、エンジン1の高回転運転時には、キャビテーションによるオイルポンプ50のエロージョンや吐出圧の低下、吸入脈動の悪化によるオイルポンプ60からの騒音の発生などの問題があった。これに対し、本実施形態では、複数の円形断面通路66によって連通路の流路面積を大きくしたことにより、オイルポンプ60からの騒音を、図9に示すように破線で示す従来のものに比べて低減することができる。これにより、オイルポンプ60からの放射音を低減するためにオイルパン4の隅部や底部などに従来形成していた放射音低減用リブを廃止することもできる。
また、円形断面通路66は、ドリル加工のみで形成できるため、複雑な加工やバリ取りなどの新たな作業が必要になることはなく、コストが上昇することもない。さらに、円形断面通路66間に隔壁39が存置されるため、単一の大きな連通路を形成する場合に比べて、ストレーナ取付部37の剛性が向上している。この点、従来のように単一の連通路を形成した場合には、流路面積を大きくするために連通路の径を大きくすると、ストレーナ取付部37の剛性が局所的に小さくなってしまうため、ボルトボス部17に接続するリブ18をストレーナ取付部37に設けることができなかった。これに対し、本実施形態では、連通路を2つの円形断面通路66によって構成したことによってストレーナ取付部37の剛性低下が抑制されるため、ボルトボス部17に接続するリブ18をストレーナ取付部37に設けることもでき、バランサハウジング30の締結強度をさらに向上することができる。
本実施形態では、管状通路67がストレーナ取付部37の側方に設けられ、複数の円形断面通路66が管状通路67の軸線方向に整列しているため、ストレーナ取付部37および管状通路67の高さ寸法を大きくすることなく各円形断面通路66の径を大きく設定できる。そのため、少ない円形断面通路66で大きな流路面積が確保されており、加工も容易になっている。
また、本実施形態では、管状壁38がロアハウジング31の側部に設けられるとともに、ロアハウジング31のアッパハウジング32との合わせ面30aと下端面30bとの間に配置されたことにより、管状通路67を形成するためにバランサハウジング30の高さ寸法を大きくする必要がない。そのため、オイルパン4が深くなってエンジン1の高さ寸法が大きくなることが回避されている。また、管状通路67の高さ寸法を大きくせずともストレーナ取付部37内の有底凹部65と管状通路67とが近接する領域が大きくなるため、管状通路67の軸線方向に複数の円形断面通路66を配置しやすくなっている。また、ロアハウジング31のアッパハウジング32との合わせ面30aの加工も容易である。
本実施形態では、管状壁38がロアハウジング31の両バランサシャフト11、21を包囲するシャフト包囲壁35に一体化されたことにより、管状壁38の剛性が高くなっている。また、バランサハウジング30とポンプハウジング51との間では、連結部36に管状壁38が一体化されており、これによっても管状壁38の剛性が高くなっている。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態では、本発明のバランサハウジング30を直列4気筒ガソリンエンジンに適用したが、その他の内燃機関に適用することも可能である。また、上記実施形態では、円形断面通路66を管状通路67の軸線に沿って2つ形成しているが、それ以外の数量、配置としてもよい。この他、各装置や部材の具体的構成や配置、数量など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。一方、上記実施形態に示した本発明に係るバランサハウジング30の各構成要素は必ずしも全てが必須ではなく、少なくとも本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
1 エンジン
4 オイルパン
10 バランサ装置
11 駆動バランサシャフト
21 被駆動バランサシャフト
30 バランサハウジング
30a 合わせ面
30b 下端面
31 ロアハウジング
32 アッパハウジング
35 シャフト包囲壁
37 ストレーナ取付部
38 管状壁
60 オイルポンプ
65 有底凹部
66 円形断面通路
67 管状通路
68 吸入通路

Claims (4)

  1. オイルパン内に設けられてバランサシャフトを軸支する内燃機関のバランサハウジングの構造であって、
    前記バランサハウジングの底壁に下方に延出するように設けられた筒壁状のストレーナ取付部と、前記バランサハウジングの前記ストレーナ取付部に隣接する位置に前記バランサシャフトに沿って内設され、オイルポンプに至る吸入路と、前記ストレーナ取付部の内部と前記吸入路とを連通する連通路とを有し、
    前記連通路が複数の円形断面通路からなることを特徴とするバランサハウジング構造。
  2. 前記吸入路は前記ストレーナ取付部の側方に設けられ、
    前記複数の円形断面通路が前記吸入路の軸線方向に整列したことを特徴とする請求項1記載のバランサハウジング構造。
  3. 前記バランサハウジングは、前記バランサシャフトの軸心で上下に分割されたアッパハウジングおよびロアハウジングとからなり、
    前記吸入路を画成する管状壁は、前記ロアハウジングの側部に設けられるとともに、前記ロアハウジングの前記アッパハウジングとの合わせ面と下端面との間に配置されたことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の内燃機関のバランサハウジング構造。
  4. 前記管状壁は、前記ロアハウジングの前記バランサシャフトを包囲するシャフト包囲壁に一体化されたことを特徴とする、請求項3に記載の内燃機関のバランサハウジング構造。
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