JP6139779B2 - エンジンの冷却通路構造 - Google Patents

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Description

本発明は、水冷式のエンジンの冷却通路構造に関する。
本願は、2014年3月28日に出願された日本国特許出願2014−68393号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
自動二輪車等の車両に搭載されるエンジンとして、シリンダブロック内を冷却水によって冷却する水冷式のエンジンがある。このエンジンでは、クランクケースに取り付けられたウォーターポンプから冷却水が送給され、その冷却水がシリンダブロック内のウォータージャケット(周壁冷却路)を循環することにより、シリンダブロックを含むエンジンブロックを冷却する。
この種のエンジンにおいては、ウォーターポンプから吐出される冷却水を、導入通路を通してウォータージャケットに供給する必要があるが、導入通路を外部配管によって構成するとシリンダブロックやシリンダヘッドまわりの構造が複雑化する。
このため、クランクケースの前端寄り上部にウォーターポンプを取り付け、そのウォーターポンプから吐出される冷却水を、クランクケースとシリンダブロックの壁内の導入通路を通してウォータージャケットに導入するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
日本国特開2011−163249号公報
特許文献1に記載のエンジンのように、冷却水の導入通路をクランクケースとシリンダブロックの壁内に形成する場合には、エンジンブロック内のデッドスペースを利用して導入通路の配置が設計されることから、外部配管に比較して取り回しの自由度が低くなり、屈曲箇所が増えて通路構造が複雑になるとともに、流路抵抗も増大し易い。
この場合、シリンダブロックがクランクケースに対して上方側に前傾するエンジンであると、シリンダブロックの前部下端から導入された冷却水がシリンダブロックのウォータージャケットの全体、特にシリンダブロックの後部下端付近に供給されにくくなる。その対策として、吐出流量を増大させるために大型のウォーターポンプを採用する必要がある。
しかし、この場合、ウォーターポンプの大型化により、エンジン全体の大型化と重量増加を招く結果となる。
本発明の態様は、シリンダブロックがクランクケースに対して前部上方に前傾する場合であっても、ウォーターポンプから吐出された冷却水をシリンダブロック内の全域に効率良く供給することのできるエンジンの冷却通路構造を提供することを目的とする。
(1)本発明の一態様に係るエンジンの冷却通路構造は、クランク軸を回転自在に支持するクランクケースと、側面視で上部前方に前傾して前記クランクケースに結合され、ピストンを摺動自在に収容するとともに、冷却水を流通させる周壁冷却路を有するシリンダブロックと、前記クランクケースに取り付けられ、冷却水を吐出するウォーターポンプと、前記ウォーターポンプの吐出口と前記周壁冷却路を接続する冷却水の導入通路と、を備え、前記ウォーターポンプの前記吐出口は、前記クランクケースのうちの前記シリンダブロックの後部寄りの位置に対向して配置され、前記導入通路は、エンジンの側面視で、前記吐出口から前記シリンダブロックのシリンダ中心軸と実質的に平行に延びて前記周壁冷却路に接続されるように、前記クランクケースと前記シリンダブロックの壁内に形成される。
上記(1)の態様によれば、ウォーターポンプから吐出された冷却水は、シリンダブロックの後部寄りの位置でクランクケース内に導入される。クランクケースに導入された冷却水は、シリンダ中心軸と実質的に平行に延びるクランクケースとシリンダブロックの壁内の導入通路を通ってシリンダブロック内の周壁冷却路内に導入される。このとき、導入通路はシリンダブロックの後部寄りの位置において複雑に屈曲することなく周壁冷却路内にスムーズに導入される。そして、周壁冷却路には、前傾したシリンダブロックの後部寄りの下端側から冷却水が導入されるため、このとき冷却水は周壁冷却路内の全域を効率良く流動することになる。
(2)上記(1)の態様では、前記周壁冷却路は、前記シリンダ中心軸を中心とする実質的に円環状のベース部と、前記導入通路に接続される位置で前記ベース部から径方向外側に容積が拡大された拡張部と、を有してもよい。
上記(2)の態様によれば、周壁冷却路に、ベース部から径方向外側に容積が拡大される拡張部が設けられ、その拡張部に導入通路が接続される構造とされている。このため、導入通路を周壁冷却路のベース部よりもシリンダブロックの径方向外側に配置しつつも、導入通路を屈曲させずに実質的に直線状に維持することができる。このため、導入通路での流通抵抗をより低減することができる。
(3)上記(1)又は(2)の態様では、前記シリンダブロックは、前記エンジンの側面視において、前記シリンダブロックの前部寄り位置で前記クランクケースに締結部材によって固定され、前記シリンダブロックは、前記エンジンの側面視において、前記シリンダブロックの後部寄り位置で前記クランクケースに締結部材によって固定され、前記ウォーターポンプの吐出口は、前記シリンダブロックの前部寄りの前記締結部材の軸方向の延出位置と前記シリンダブロックの後部寄りの前記締結部材の軸方向の延出位置とに挟まれた領域に配置されてもよい。
上記(3)の態様によれば、ウォーターポンプの吐出口が前後の締結部材の軸方向の延出位置の間に配置されているため、吐出口に接続される導入通路と周壁冷却路の主要部との距離をより近づけることができる。このため、ウォーターポンプの吐出口から周壁冷却路の主要部までの距離を短くして冷却液の流通抵抗をより低減することができる。
(4)上記(3)の態様では、前記ウォーターポンプのポンプ本体部は、前記シリンダブロックの前部寄りの前記締結部材の軸方向の延出位置と前記シリンダブロックの後部寄りの前記締結部材の軸方向の延出位置とに挟まれた領域に配置されてもよい。
上記(4)の態様によれば、ウォーターポンプのポンプ本体部から周壁冷却路の主要部までの距離が短くなり、冷却液の流通抵抗をさらに低減することが可能になる。
(5)上記(1)から(4)のいずれか一項の態様では、前記ウォーターポンプは、ポンプ作動部を収容するケーシング部の一部が前記クランクケースの側面を覆うクランクカバーに一体に形成され、前記クランクカバー上の前記ケーシング部の吐出口の形成される部位は、前記クランクケースの側面の凹部に向けて突出して形成されてもよい。
上記(5)の態様によれば、クランクカバー上の吐出口の形成される部位がクランクケースの側面の凹部内に入り込んで配置されるため、ウォーターポンプの吐出口を、シリンダブロックの周壁冷却路の直下位置により近づけることができる。
(6)上記(5)の態様では、前記ウォーターポンプのケーシング部の前記クランクケースと逆側の軸方向の端面はポンプカバーによって閉塞され、前記ケーシング部内の前記吐出口に連なる接続路は、前記吐出口側に向かって前記クランクケース側が深くなるように形成されてもよい。
上記(6)の態様によれば、吐出口に連なる接続路が吐出口側に向かってクランクケース側が深くなっているため、接続路の断面積をクランクカバー側で確保することができる。このため、ポンプカバー側に接続路の断面積を確保するための凹部を設ける必要がなく、ポンプカバーの端面を平坦にすることができる。したがって、ポンプカバーの外側への膨らみを少なくして、エンジン全体の小型化を図ることができる。
(7)上記(1)から(6)のいずれか一項の態様では、前記シリンダブロックには、前記クランクケースとの接合面で、前記シリンダブロックの前部領域から後部領域にわたってオイル供給路が形成され、冷却水の前記導入通路は、前記シリンダブロックにおいて、前記オイル供給路の外側を通るように形成されてもよい。
上記(7)の態様によれば、オイル供給路が冷却水の導入通路の内側で、シリンダボアの外縁に沿うように配置されることから、オイル供給路の通路長を短くすることができる。このため、オイル供給路におけるオイルの流通抵抗を小さくすることができる。
(8)上記(1)から(7)のいずれか一項の態様では、前記シリンダブロックは鋳造部品であり、前記シリンダブロック側で前記導入通路の一部を構成する下流側通路孔と、前記シリンダブロックの周壁冷却路とは鋳抜きによって形成されてもよい。
上記(8)の態様によれば、シリンダブロックの周壁冷却路と下流側通路孔が鋳抜きによって形成されるため、シリンダブロックの鋳造後における切削等の加工を少なくし、製造コストの低減を図ることができる。
本発明の態様によれば、ウォーターポンプから吐出された冷却水がシリンダブロックの後部寄りの位置からシリンダ中心軸と実質的に平行に直線的に上昇し、シリンダブロック内の周壁冷却路内に後部下端側から導入される。このため、シリンダブロックがクランクケースに対して前部上方に前傾するエンジン構造でありながら、冷却水をシリンダブロック内の全域に効率良く供給することができる。
本発明の一実施形態のパワーユニットを採用した自動二輪車の左側面図である。 本発明の一実施形態のパワーユニットの右側面図である。 本発明の一実施形態のパワーユニットの左側面図である。 本発明の一実施形態のパワーユニットの図2のIV−IV断面に実質的に対応する断面図である。 本発明の一実施形態のパワーユニットの図2のV−V断面に実質的に対応する断面図である。 本発明の一実施形態のシリンダブロックの図2のVI矢視に対応する下面図である。 本発明の一実施形態のパワーユニットを図6のVII−VII部分で断面にした部分断面斜視図である。 本発明の一実施形態のパワーユニットの図4のVIII部の拡大図である。 本発明の一実施形態のパワーユニットのポンプカバーを取り去った右側面図である。 本発明の一実施形態のパワーユニットの図9のX矢視に対応する上面図である。 本発明の一実施形態のパワーユニットを図10のXI−XI部分で断面にした部分断面斜視図である。 本発明の一実施形態のパワーユニットの図9のXII−XII断面に対応する断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UPが示されている。
図1は、本実施形態に係るエンジンEを採用したパワーユニットPUが搭載された自動二輪車1の左側面を示す図である。
図1において、前輪Wfは、車体フレーム(不図示)にフロントフォーク2を介して支持される。後輪Wrは、車体フレームにスイングアーム3を介して支持される。操舵ハンドルHは、フロントフォーク2の上方に配置される。シートSは、乗員の着座するシートである。燃料タンクTは、シートSの前方に配置される。パワーユニットPUは、車体フレームの中央の燃料タンクTの下方位置に搭載されている。
パワーユニットPUは、エンジンEの駆動回転を変速機Mによって変速し、その出力を、伝達機構を介して後輪Wrに伝達する。なお、以下のパワーユニットPUの説明における前後左右等の向きは、特別に断らない限り、車両に搭載したときにおける向きと同一とする。
図2,図3は、パワーユニットPUの右側面と左側面を示す図である。また、図4,図5は、パワーユニットPUにおける図2のIV−IV断面とV−V断面に実質的に対応する断面図である。
パワーユニットPUのエンジンEは、クランク軸10を回転自在に支持するクランクケース11と、クランクケース11の前側上部から斜め上方に突出するシリンダ部12と、を備えている。クランクケース11は、変速機Mの変速機ケースを兼ね、前部側にクランク軸10が配置されるとともに、そのクランク軸10の後方側に変速機Mのメイン軸13とカウンタ軸14とがクランク軸10と平行に配置されている。メイン軸13とカウンタ軸14は、クランクケース11に回転自在に支持されている。カウンタ軸14は、図4に示すようにクランクケース11の左側壁を外側に貫通し、その貫通した端部に動力取り出し用のスプロケット15が取り付けられている。スプロケット15には、チェーン9が掛け回され、そのチェーン9を通して後輪Wr(図1参照)に動力を伝達するようになっている。
シリンダ部12は、ピストン16を進退自在に収容するシリンダボア17aを有するシリンダブロック17と、シリンダブロック17の上部に取り付けられ、ピストン16の頂面との間で燃焼室7(図4参照)を形成するシリンダヘッド18と、シリンダヘッド18の上部に取り付けられるヘッドカバー19と、を備えている。図2,図5に示すよう、シリンダヘッド18はシリンダブロック17の上部に重ねられ、シリンダブロック17とともにクランクケース11の上面に複数本(本実施形態では、4本)のスタッドボルト20(締結部材)によって共締め固定されている。
ピストン16は、コネクティングロッド23を介してクランク軸10に連動可能に接続されており、燃焼室7での爆発に伴うピストン16の進退動作をクランク軸10に回転力として伝達する。なお、図4において、点火プラグ8は、燃焼室7に臨んで設けられる。
シリンダヘッド18には、吸気口(不図示)が形成され、その吸気口を開閉する吸気弁(不図示)が取り付けられている。シリンダヘッド18には、排気口(不図示)が形成され、その排気口を開閉する排気弁(不図示)が取り付けられている。吸気口には、図2,図3に示すように、エンジンEの吸気系を構成するインレットパイプ6が接続されている。排気口には、エンジンEの排気系を構成するエキゾーストパイプ(不図示)が接続されている。また、図5に示すように、シリンダヘッド18とヘッドカバー19の間には、吸気弁と排気弁を開閉する動弁機構21が設けられている。図5中のカム軸22は、動弁機構21の動弁カムを作動する。カム軸22は、タイミングチェーン5を介してクランク軸10に連動可能に接続されている。
なお、本実施形態のエンジンEは水冷式の単気筒エンジンである。シリンダブロック17には単一のシリンダボア17aが設けられ、そのシリンダボア17aの周域には周壁冷却路であるウォータージャケット50が形成されている。ウォータージャケット50には、ラジエータ(不図示)で冷却された冷却水が後に詳述するウォーターポンプ51から圧送される。
クランクケース11は、図4,図5に示すように、クランク軸10と直交する分割面11La,11Raを境にして左右に分割された一対のケース半体11L,11Rによって構成されている。一対のケース半体11L,11Rは、シリンダブロック17のシリンダ中心軸C1を通る平面において左右に分割される。分割されたケース半体11L,11R同士は複数のボルト(不図示)によって締結固定されている。右側のケース半体11Rの右側部には、ケース半体11Rとの間に密閉空間を形成するクランクカバー30が取り付けられている。
図4に示すように、クランク軸10の右側の端部は右側のケース半体11Rの側壁を貫通する。その貫通した端部には、変速機Mのメイン軸13に動力を伝達するためのプライマリドライブギヤ24が取り付けられている。また、クランク軸10の左側の端部は左側のケース半体11Lの側壁を貫通する。その貫通した端部には、発電機25のロータ25aが取り付けられている。ロータ25aの端部と周域部とは、ステータ25bを保持する発電機25のカバー25cによって覆われている。
また、変速機Mのメイン軸13の右側の端部は右側のケース半体11Rの側壁を貫通している。右側のケース半体11Rを貫通したメイン軸13の端部には、クランク軸10側のプライマリドライブギヤ24と噛合するプライマリドリブンギヤ26と、外部からの操作によって動力の断接を行うクラッチ27が支持されている。プライマリドリブンギヤ26は、メイン軸13に回転自在に支持されている。クラッチ27は、プライマリドリブンギヤ26とメイン軸13の間の動力伝達経路に介装されている。したがって、クラッチ27は、プライマリドリブンギヤ26とメイン軸13との間の動力の伝達と遮断を外部からの操作によって適宜切り換えることができる。
変速機Mのメイン軸13には、複数の変速歯車から成るメインギヤ群m1が設けられている。変速機Mのカウンタ軸14には、複数の変速歯車から成るカウンタギヤ群m2が設けられている。変速機Mは、チェンジ機構(不図示)の操作によってメインギヤ群m1とカウンタギヤ群m2の変速歯車が選択され、それによってニュートラルを含む任意の変速ギヤ段(ギヤポジション)が設定される。したがって、変速機Mは、こうして変速ギヤ段が設定された状態において、クランク軸10の回転動力がクラッチ27を介してメイン軸13に伝達されると、その回転動力を設定比に変速してカウンタ軸14から外部に出力する。
なお、図4中のキック軸28は、キック始動時にクランク軸10を回転させる。
図2,図3に示すように、クランクケース11内のクランク軸10とメイン軸13の間の上方位置には、クランク軸10と平行に延出するバランサ軸29が配置されている。バランサ軸29は、クランクケース11に回転自在に支持されている。バランサ軸29は、歯車(不図示)を介してクランク軸10と同期回転することにより、クランク軸10の回転変動を打消して回転バランスを維持する。
また、図5に示すように、クランクケース11の底部には潤滑オイルを貯留するためオイルパン31が設けられている。右側のケース半体11Rのオイルパン31の上方位置には、オイルパン31内のオイルを汲み上げてそのオイルをパワーユニットPU内の潤滑必要部位に圧送するオイルポンプ32が設置されている。本実施形態のオイルポンプ32は、クランク軸10から回転動力を受けて運転される。
オイルポンプ32に接続されるパワーユニットPU内のオイル供給路33は、オイルポンプ32の吐出部からクランク軸10内を通ってクランクピンやジャーナル部等のクランク軸10まわりの潤滑必要部位にオイルを供給するクランク系油路33Cと、クランクケース11の上部からシリンダ部12の壁内を通って動弁機構21の潤滑必要部位にオイルを供給する動弁系油路33Bと、に分かれている。そして、動弁系油路33Bの途中には、変速機Mのメイン軸13やカウンタ軸14等の軸まわりにオイルを供給するための分岐オイル通路34が接続されている。
図6は、図2のVI矢視に対応するシリンダブロック17の下面図である。図7は、図6のVII−VII断面部分を断面にしたクランクケース11とシリンダブロック17の斜視図である。
オイル供給路33の動弁系油路33Bの一部は、図5に示すように、クランクケース11の上部の端面11Ru,11Lu(接合面)とシリンダブロック17の下面17d(接合面)の間に形成されている。クランクケース11とシリンダブロック17の接合面間の油路は、図6に示すように、オイルポンプ32に接続されるオイルの流入部35aがシリンダブロック17の前部右側の隅部の近傍に設けられ、動弁機構21側に接続されるオイルの流出部36aがシリンダブロック17の後部左側の隅部に設けられている。
上記のクランクケース11とシリンダブロック17の接合面間の油路は、右側のケース半体11Rの端面11Ruとシリンダブロック17の下面17dの間に形成される第1のオイル通路35と、左側のケース半体11Lの端面11Luとシリンダブロック17の下面17dの間に形成される第2のオイル通路36と、を有する。
第1のオイル通路35は、右側のケース半体11Rの平坦な端面11Ruと、シリンダブロック17の下面17dにシリンダボア17aの外周縁部に実質的に沿って形成された溝35cとに囲まれて形成されている。そして、第1のオイル通路35の延出方向の一端には、オイルポンプ32側に接続される流入部35aが設けられている。第2のオイル通路36は、左側のケース半体11Lの平坦な端面11Luと、シリンダブロック17の下面17dにシリンダボア17aの外周縁部に実質的に沿って形成された溝36cとに囲まれて形成されている。第2のオイル通路36の延出方向の一端には、動弁機構21側に接続される流出部36aが設けられている。
なお、図5においては、第1のオイル通路35と第2のオイル通路36が図上に現れるように断面にする部分を調整している。
第1のオイル通路35は、シリンダブロック17の前部右側の流入部35aからシリンダブロック17の後部右側を経由して後部中央の近傍部まで弧状に延び、その後部中央の近傍部で終わっている。第1のオイル通路35の他端部には、図5,図7に示すように、右側のケース半体11Rに形成された第1迂回孔37の一端が導通している。
また、第2のオイル通路36は、シリンダブロック17の後部左側の流出部36aからシリンダブロック17の後部中央の近傍部まで弧状に延び、その後部中央の近傍部で終わっている。第2のオイル通路36の他端部には、図5,図7に示すように、左側のケース半体11Lに形成された第2迂回孔38の一端が導通している。
第1迂回孔37は、一端が右側のケース半体11Rの上側の端面11Ruに開口する実質的にL字状の孔によって構成されている。第1迂回孔37の他端37aは、右側のケース半体11Rの分割面11Raのうちの、上側の端面11Ruから離間した位置に開口している。
第2迂回孔38は、一端が左側のケース半体11Lの上側の端面11Luに開口する実質的にL字状の孔によって構成されている。第2迂回孔38の他端38aは、左側のケース半体11Lの分割面11Laのうちの、上側の端面11Luから離間した位置に開口している。そして、第1迂回孔37の他端37aと第2迂回孔38の他端38aとは、左右のケース半体11L,11Rが結合されることで、端部同士が突き合せられて相互に接続されている。
したがって、第1のオイル通路35と第2のオイル通路36とは、第1迂回孔37と第2迂回孔38を介して相互に接続されている。これにより、オイルポンプ32から流入部35aに流れ込んだオイルは、第1のオイル通路35,第1迂回孔37,第2迂回孔38、第2のオイル通路36、流出部36aを順次通り、シリンダ部12の動弁機構21へと供給される。
また、第2迂回孔38は、ケース半体11Lの上側の端面11Luから下方に延出する縦孔部が、第1迂回孔37側と接続される横孔部を超えてさらに所定長延長されている。
延長部40の底部から離間した側面には、変速機Mのメイン軸13やカウンタ軸14等の軸まわりにオイルを供給するための分岐オイル通路34が接続されている。
シリンダブロック17には、図6に示すように、シリンダボア17aを取り囲む周縁部の四隅に、前述したスタッドボルト20の挿通される挿通孔39が形成されている。流入部35aは、シリンダブロック17の右前部の挿通孔39の近傍に配置されている。流出部36aは、シリンダブロック17の左後部の挿通孔39の近傍に配置されている。第1のオイル通路35と第2のオイル通路36とは、クランクケース11の分割面11La,11Raの位置を挟んでシリンダボア17aまわりに実質的に半周分の長さにわたって形成されている。
ここで、パワーユニットPU内のオイルの流れについて説明する。
エンジンEの駆動によってクランク軸10が回転すると、そのクランク軸10の回転を受けてオイルポンプ32が作動する。オイルポンプ32では、図5に示すように、オイルパン31内に貯留されているオイルを吸い上げ、そのオイルをオイル供給路33側に吐出する。オイルポンプ32から吐出されたオイルは、クランクケース11の右側のケース半体11Rの上部において、クランク系油路33Cと動弁系油路33Bとに分岐する。クランク系油路33Cに流れ込んだオイルは、クランク軸10の右側の端部からクランク軸10内の通路を通り、クランクピンやジャーナル部等のクランク軸10まわりの潤滑必要部位に供給される。
一方、動弁系油路33Bに流れ込んだオイルは、右側のケース半体11Rの前部右側から上方に延びる通路を通り、図5,図6に示すように、右側のケース半体11Rの上側の端面11Ruとシリンダブロック17の下面17dの間に形成された第1のオイル通路35に流入部35aを通して流れ込む。
第1のオイル通路35に流れ込んだオイルは、第1のオイル通路35に沿ってシリンダボア17aまわりを後部中央側に向かって弧状に流れ、右側のケース半体11Rの分割面11Raの直前部分で下方に向きを変えてケース半体11Rの第1迂回孔37に流れ込む。
第1迂回孔37に流れ込んだオイルは、下端で分割面11La方向に実質的にL字状に向きを変え、右側のケース半体11Rの分割面11Raと左側のケース半体11Lの分割面11Laとの結合部を挟んで左側のケース半体11Lの第2迂回孔38に流れ込む。第2迂回孔38に流れ込んだオイルの一部は、上方に向かって実質的にL字状に向きを変えて左側のケース半体11Lの上側の端面11Luとシリンダブロック17の下面17dの間に形成された第2のオイル通路36に流れ込む。また、第2迂回孔38に流れ込んだ残余のオイルは、下方に向きを変えて延長部40に流れ込み、延長部40の側面から変速機M側の分岐オイル通路34へと流れ込む。
第2迂回孔38から第2のオイル通路36に流れ込んだオイルは、シリンダブロック17の後中央側からシリンダボア17aまわりを後部左隅部の近傍の流出部36aに向かって流れ、流出部36aからシリンダブロック17内の通路を通して動弁機構21の潤滑必要部位に供給される。
図8は、図4のVIII部を拡大して示したウォーターポンプ51の断面図である。
本実施形態のウォーターポンプ51は、ポンプ作動部であるインペラ52がケーシング部53内で回転して、軸方向から吸い入れた冷却水を遠心方向に吐出する渦巻き式のポンプである。ケーシング部53は、クランクカバー30と、クランクカバー30の右側面に取り付けられるポンプカバー54とに跨って形成されている。インペラ52は、クランクカバー30に回転自在に支持されたポンプ軸55の一端側に一体に取り付けられている。ポンプ軸55の他端部にはクランク軸10のプライマリドライブギヤ24と噛合されるポンプギヤ57が一体に設けられている。本実施形態のウォーターポンプ51は、クランク軸10から動力を受けてポンプ作動する。
なお、図8中のメカニカルシール56は、ポンプ軸55とクランクカバー30の間を液密にシールする。
図9は、ウォーターポンプ51のポンプカバー54を取り去った状態でのエンジンEの右側面を示す図である。図10は、シリンダヘッド18を取り去ってシリンダブロック17の上方からエンジンEを見た図である。図11は、図10のXI−XI部分を断面にしたシリンダブロック17とクランクケース11の部分断面斜視図である。
図9〜11に示すようにウォーターポンプ51は、クランクケース11(右側のケース半体11R)の右側部を覆うクランクカバー30の前部上縁位置に配置されている。具体的には、図9,図10に示すように、ウォーターポンプ51の主要部(後述のポンプ室60を含む)は、エンジンEの側面視において、シリンダブロック17をクランクケース11に締結固定するための前側のスタッドボルト20の軸方向の延出位置と後側のスタッドボルト20の軸方向の延出位置との間に挟まれた領域A1に配置されている。
ウォーターポンプ51の吸入口58は、図8に示すように、ポンプカバー54の配管接続ノズル48に形成される。ウォーターポンプ51の吐出口59は、図9,図10に示すように、クランクカバー30のクランクケース11(右側のケース半体11R)との接合面に開口して形成されている。吐出口59は、インペラ52が収容されるポンプ室60(ポンプ本体部)から径方向外側に渦巻き状に延びる接続路61の端部に設けられている。図9に示すように、ポンプ室60は、エンジンEの側面視において、シリンダブロック17の中心軸線C1と重なる位置に配置される。吐出口59は、クランクケース11(右側のケース半体11R)のうちのシリンダブロック17の後部寄りの位置にシリンダブロック17に対向して配置されている。吐出口59は、正確には、後部側のスタッドボルト20の延長位置の近傍で、かつそのスタッドボルト20の延長位置よりも前方側の位置に配置されている。したがって、吐出口59は、シリンダブロック17の前部寄りのスタッドボルト20の軸方向の延出位置と後部寄りのスタッドボルト20の軸方向の延出位置とに挟まれた領域A1に配置されている。
クランクケース11(右側のケース半体11R)のウォーターポンプ51の吐出口59と対向する位置には、図11に示すように、ウォータージャケット50に繋がる導入通路62の導入口62aが設けられている。導入通路62は、右側のケース半体11Rに実質的にL字状に屈曲して形成された上流側通路孔63と、シリンダ中心軸C1と実質的に平行にシリンダブロック17に形成された下流側通路孔64と、を備えている。
上流側通路孔63は、右側のケース半体11Rの右側面に開口する導入口62aからクランク軸10と平行に右側のケース半体11Rの左側方に向かって延出した後に上方に屈曲する。上流側通路孔63の上端部は、右側のケース半体11Rの上側の端面11Ruに開口している。
また、下流側通路孔64は、シリンダブロック17の後部右側の隅部に実質的に上下方向に延出して形成され、下端が右側のケース半体11Rの端面11Ruの上流側通路孔63の開口に突き合わされて接続されている。下流側通路孔64は、正確には、下端からシリンダ中心軸C1側に僅かに湾曲しつつ上方側に延出している。また、シリンダブロック17の後部右側の隅部における下流側通路孔64は、図6に示すように、クランクケース11とシリンダブロック17の接合面間のオイル供給路33(溝35c)の径方向外側に配置されている。したがって、冷却水の導入通路62は、クランクケース11とシリンダブロック17の接合面間のオイル供給路33の外側を通るように形成されている。
一方、シリンダブロック17のウォータージャケット50は、図10に示すように、シリンダ中心軸C1を中心とする実質的に円環状のベース部50aと、導入通路62(下流側通路孔64)に接続される位置でベース部50aから径方向外側に実質的に半円状に容積が拡大された拡張部50bと、を有している。ウォータージャケット50の拡張部50bは、シリンダブロック17にシリンダ中心軸C1と実質的に平行に形成される下流側通路孔64の上部が径方向に屈曲せずにウォータージャケット50と導通し得るように形成されている。
また、本実施形態のシリンダブロック17は鋳造によって形成されている。シリンダブロック17のウォータージャケット50と、ウォータージャケット50の拡張部50bに接続される導入通路62の下流側通路孔64とは、鋳造時に鋳抜きによって形成されている。
ウォーターポンプ51のケーシング部53の一部は、図4,図8に示すように、クランクカバー30の前部上縁位置に一体に形成されており、クランクカバー30のその前部上縁位置はクランクケース11(右側のケース半体11R)の右側面に接合されている。クランクケース11の右側面のうちの、ケーシング部53の接合される部位には、シリンダ中心軸C1方向に段差状に窪む凹部65が形成されている。そして、ウォーターポンプ51のケーシング部53のうちの吐出口59の形成される部位は、クランクケース11の右側面方向に突出する吐出部53aである。ウォーターポンプ51は、吐出部53aがクランクケース11(右側のケース半体11R)の凹部65に嵌合された状態でクランクケース11の右側面に接合されている。したがって、ウォーターポンプ51のケーシング部53の一部は、クランクケース11側に一部入り込むように配置されている。
図12は、図9のXII−XII断面に対応する断面を示す図である。
図9,図12に示すように、ウォーターポンプ51のポンプ室60と吐出口59を接続する接続路61は、ポンプカバー54側から見たときの深さが、ポンプ室60から吐出口59側に向かってクランクケース11側に次第に深くなっている。図12中の壁66は、接続路61の深さが次第に深くなる側の壁である。
ここで、パワーユニットPUのエンジンE部分での冷却水の流れについて説明する。
クランク軸10の回転に伴ってプライマリドライブギヤ24がポンプギヤ57を駆動し、そのポンプギヤ57がポンプギヤ57と一体に固定されたポンプ軸(シャフト)55を介してウォーターポンプ51のインペラ52を回転させると、吸入口58から吸い入れられた冷却水がインペラ52によって圧送される。インペラ52によって圧送された冷却水は渦巻き状の接続路61を通って吐出口59に吐出される。
吐出口59から吐出された冷却水は、シリンダブロック17の右側後部下方に位置されているクランクケース11の導入口62aから導入通路62の上流側通路孔63に流入する。上流側通路孔63に流入した冷却水は上方側に実質的にL字状に向きを変えてシリンダブロック17側の下流側通路孔64に流入する。下流側通路孔64に流入した冷却水は、シリンダブロック17の右側後部をシリンダ中心軸C1と実質的に平行に上昇し、ウォータージャケット50に導入される。ウォータージャケット50に導入された冷却水はウォータージャケット50内を流動することによってシリンダブロック17とシリンダヘッド18の熱を奪い、排出通路(不図示)を通して外部のラジエータ側に排出される。
以上のように、本実施形態のパワーユニットPUで採用するエンジンEの冷却通路構造は、ウォーターポンプ51の吐出口59から吐出された冷却水が、シリンダブロック17の後部寄りの下端位置でクランクケース11の下流側通路孔64に流入し、その冷却水がシリンダブロック17の上流側通路孔63を通ってシリンダ中心軸C1と実質的に平行に上昇してウォータージャケット50内に導入される。このため、シリンダブロック17がクランクケース11に対して前部上方に前傾するエンジン構造を採用しつつも、冷却水をシリンダブロック17内の全域に効率良く供給することができる。したがって、大型のウォーターポンプを用いる必要がなくなることから、エンジンEの大型化を回避することができる。
即ち、吐出口59とウォータージャケット50を接続する導入通路62は、シリンダブロック17の後部寄りの位置において複雑に屈曲することなく直線的に上昇するため、冷却水の流通抵抗が小さくなり、しかも、ウォータージャケット50には、前傾したシリンダブロック17の後部寄りの下端側から冷却水が導入されることから、冷却水がウォータージャケット50内の全域を効率良く流動することになる。したがって、これらのことから、冷却水によるシリンダブロック17の冷却効率が向上する。
また、本実施形態に係るエンジンEの冷却構造においては、ウォータージャケット50のシリンダ中心軸C1を中心とする実質的に円環状のベース部50aに、径方向外側に容積か拡大した拡張部50bが連設され、その拡張部50bに導入通路62の下流側通路孔64が接続されている。このため、導入通路62がウォータージャケット50のベース部50aの径方向外側に配置される構造でありながら、導入通路62の下流側通路孔64を屈曲させずに実質的に直線状にすることができる。したがって、この構造により、導入通路62での冷却水の流通抵抗を低減し、冷却水によるシリンダブロック17の冷却効率をさらに向上させることができる。
また、本実施形態に係るエンジンEの冷却構造では、シリンダブロック17の前部寄り位置と後部寄り位置が、スタッドボルト20によってクランクケース11に締結され、ウォーターポンプ51の吐出口59が、前部側のスタッドボルト20の軸方向の延出位置と後部側のスタッドボルト20の軸方向の延出位置とに挟まれた領域A1に配置されている。このため、吐出口59に接続される導入通路62とウォータージャケット50のベース部50aとの距離をより近づけることができる。したがって、ウォーターポンプ51の吐出口59からウォータージャケット50までの距離が短くなることから、冷却水によるシリンダブロック17の冷却効率が向上する。
さらに、本実施形態の場合、ウォーターポンプ51の吐出口59だけでなくポンプ本体部(ポンプ室60)も前部側のスタッドボルト20の軸方向の延出位置と後部側のスタッドボルト20の軸方向の延出位置とに挟まれた領域A1に配置されているため、ウォーターポンプ51のポンプ本体部からウォータージャケット50までの距離が短くなる。したがって、冷却水の流通抵抗をさらに小さくして、シリンダブロック17の冷却効率をより向上させることができる。
また、本実施形態に係るエンジンEの冷却構造は、ウォーターポンプ51のケーシング部53の一部がクランクカバー30に一体に形成され、そのケーシング部53のうちの吐出口59の形成される部位(吐出部53a)が、クランクケース11の右側面の凹部65に嵌入するように突出して形成されている。このため、ウォーターポンプ51の吐出口59がクランクケース11側に入り込み、その分、吐出口59を、シリンダブロック17のウォータージャケット50と直下位置に近づけることができる。したがって、これによってシリンダブロック17の冷却効率をさらに向上させることができる。
また、本実施形態のエンジンEの冷却構造は、ウォーターポンプ51のケーシング部53の外側端面がポンプカバー54によって閉塞され、ケーシング部53内の接続路61が吐出口59側に向かってクランクケース11側が深くなるように形成されているため、吐出口59に向かう接続路61の通路断面積をクランクカバー30側で充分に大きく確保することができる。このため、接続路61の通路断面積を確保するためにポンプカバー54側に外側に膨出する部分を設ける必要がない。したがって、ポンプカバー54が外側に膨出しない分、ウォーターポンプ51の小型化、延いてはエンジンE全体の小型化を図ることができる。
また、本実施形態においては、クランクケース11とシリンダブロック17に跨って形成される冷却水の導入通路62が、クランクケース11とシリンダブロック17の接合面間に形成されるオイル供給路33の外側を通るように形成されているため、オイル供給路33をシリンダボア17aにより近づけて配置し、オイル供給路33を短くすることができる。したがって、オイル供給路33でのオイルの流路抵抗を小さくすることができるため、オイルポンプ32を小型化することができる。
さらに、本実施形態のシリンダブロック17は、全体が鋳造部品として形成されるとともに、ウォータージャケット50と、そのウォータージャケット50に接続される下流側通路孔64とが鋳抜きによって形成されている。このため、シリンダブロック17を鋳造によって造形した後の、切削等の後加工をより少なくすることができる。このため、シリンダブロック17の加工工数を少なくして、製造コストの低減を図ることができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、上記の実施形態においては、ウォーターポンプとして渦巻き式のポンプを採用しているが、ウォーターポンプは渦巻き式に限らず他の型式のものであっても良い。
また、上記のパワーユニットを搭載する車両は、自動二輪車のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)または四輪の車両であっても良い。
10…クランク軸
11…クランクケース
16…ピストン
17…シリンダブロック
20…スタッドボルト(締結部材)
33…オイル供給路
50…ウォータージャケット(周壁冷却路)
50a…ベース部
50b…拡張部
51…ウォーターポンプ
52…インペラ(ポンプ作動部)
53…ケーシング部
54…ポンプカバー
59…吐出口
60…ポンプ室(ポンプ本体部)
61…接続路
62…導入通路
63…上流側通路孔
64…下流側通路孔
65…凹部
C1…シリンダ中心軸
E…エンジン。

Claims (7)

  1. クランク軸を回転自在に支持するクランクケースと、
    側面視で上部前方に前傾して前記クランクケースに結合され、ピストンを摺動自在に収容するとともに、冷却水を流通させる周壁冷却路を有するシリンダブロックと、
    前記クランクケースに取り付けられ、冷却水を吐出するウォーターポンプと、
    前記ウォーターポンプの吐出口と前記周壁冷却路を接続する冷却水の導入通路と、を備え、
    前記ウォーターポンプの前記吐出口は、前記クランクケースのうちの前記シリンダブロックの後部寄りの位置に対向して配置され、
    前記導入通路は、エンジンの側面視で、前記吐出口から前記シリンダブロックのシリンダ中心軸と実質的に平行に延びて前記周壁冷却路に接続されるように、前記クランクケースと前記シリンダブロックの壁内に形成され、
    前記ウォーターポンプは、ポンプ作動部を収容するケーシング部の一部が前記クランクケースの側面を覆うクランクカバーに一体に形成され、
    前記クランクカバー上の前記ケーシング部の吐出口の形成される部位は、前記クランクケースの側面の凹部に向けて突出して形成されるエンジンの冷却通路構造。
  2. 前記周壁冷却路は、前記シリンダ中心軸を中心とする実質的に円環状のベース部と、前記導入通路に接続される位置で前記ベース部から径方向外側に容積が拡大された拡張部と、を有する請求項1に記載のエンジンの冷却通路構造。
  3. 前記シリンダブロックは、前記エンジンの側面視において、前記シリンダブロックの前部寄り位置で前記クランクケースに締結部材によって固定され、
    前記シリンダブロックは、前記エンジンの側面視において、前記シリンダブロックの後部寄り位置で前記クランクケースに締結部材によって固定され、
    前記ウォーターポンプの吐出口は、前記シリンダブロックの前部寄りの前記締結部材の軸方向の延出位置と前記シリンダブロックの後部寄りの前記締結部材の軸方向の延出位置とに挟まれた領域に配置されている請求項1または2に記載のエンジンの冷却通路構造。
  4. 前記ウォーターポンプのポンプ本体部は、前記シリンダブロックの前部寄りの前記締結部材の軸方向の延出位置と前記シリンダブロックの後部寄りの前記締結部材の軸方向の延出位置とに挟まれた領域に配置されている請求項3に記載のエンジンの冷却通路構造。
  5. 前記ウォーターポンプのケーシング部の前記クランクケースと逆側の軸方向の端面はポンプカバーによって閉塞され、
    前記ケーシング部内の前記吐出口に連なる接続路は、前記吐出口側に向かって前記クランクケース側が深くなるように形成されている請求項1に記載のエンジンの冷却通路構造。
  6. 前記シリンダブロックには、前記クランクケースとの接合面で、前記シリンダブロックの前部領域から後部領域にわたってオイル供給路が形成され、
    冷却水の前記導入通路は、前記シリンダブロックにおいて、前記オイル供給路の外側を通るように形成されている請求項1〜4、6のいずれか1項に記載のエンジンの冷却通路構造。
  7. 前記シリンダブロックは鋳造部品であり、
    前記シリンダブロック側で前記導入通路の一部を構成する下流側通路孔と、前記シリンダブロックの周壁冷却路とは鋳抜きによって形成されている請求項1〜4、6〜7のいずれか1項に記載のエンジンの冷却通路構造。
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