JP5178679B2 - 内燃機関のクランクケース構造 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関のクランクケース構造に関する。
従来、クランクケースのオイルパン部にこれを前後方向に貫通する冷却風通路を設けたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−291052号公報
ところで、上記従来の構成においては、クランクケースの鋳造時に冷却風通路を成形するための中子が必要であるため、クランクケースの成形が煩雑であり、かつコストダウンも困難であった。
そこでこの発明は、クランクケースに冷却風通路を設けた内燃機関のクランクケース構造において、中子を要することなく冷却風通路を形成可能とすることを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、一対の半ケース(例えば実施例のケース半体2a,2b)を合わせ面(例えば実施例の合わせ面S1)で合わせることでクランクケース(例えば実施例のクランクケース2)を形成する内燃機関(例えば実施例のエンジン1)のクランクケース構造であって、前記両半ケースはそれぞれ、側壁(例えば実施例の側壁41)の外周から他方の半ケース側へ外周壁(例えば実施例の外周壁42)を延出してなり、前記両半ケースの外周壁の端面を前記合わせ面で突き合わせる内燃機関のクランクケース構造において、前記両半ケースに前記外周壁をケース内側に窪ませてなる凹部(例えば実施例の凹部43,44)を形成し、該凹部により前記クランクケースの冷却風通路(例えば実施例の走行風通路46)を形成することを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、前記クランクケースの底部にオイルパン(例えば実施例のオイルパン66)が一体形成され、該オイルパンのオイルレベル(例えば実施例のオイルレベルL)よりも下方に前記冷却風通路が配置されることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、当該内燃機関のシリンダ(例えば実施例のシリンダ3)からオイルパンへオイル(例えば実施例のエンジンオイルOIL)を戻すオイル戻り通路(例えば実施例のカムチェーン室15)に近接して、前記冷却風通路が配置されることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記オイル戻り通路の下方かつ、前記オイルパン内に臨むオイルポンプ(例えば実施例のオイルポンプ65)の吸入口(例えば実施例の吸入口65b)の上方に、前記冷却風通路が配置されることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記両半ケースが、車体左右方向で分割された左右一対のものとされ、前記冷却風通路が、前記左右半ケースの外周壁の前部をそれぞれ後方に窪ませてなる左右一対の前記凹部からなることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、前記冷却風通路が、少なくとも当該内燃機関のシリンダからオイルパンへオイルを戻すカムチェーン室(例えば実施例のカムチェーン室15)の左右全幅に渡って設けられ、かつ前記左右半ケースの一方(例えば実施例の左ケース半体2b)の側壁(例えば実施例の側壁41)に到達してケース外側方に開放することを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、前記冷却風通路のケース外側方への開口(例えば実施例の開口46a)が、当該内燃機関を搭載した車両の車体を左右何れかに傾けた状態で支持するサイドスタンドと同側に設けられることを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、前記カムチェーン室が、当該内燃機関の左右一側にてクランクケース、シリンダ本体(例えば実施例のシリンダブロック3a)及びシリンダヘッド(例えば実施例のシリンダヘッド3b)に跨って形成され、前記クランクケースにおけるクランク軸(例えば実施例のクランクシャフト9)の左右両側を支持する一対の支持壁(例えば実施例の左右クランク軸受け部41a)が、前記左右半ケースにそれぞれ形成され、前記左右支持壁におけるカムチェーン室と同側のもの(例えば実施例の左クランク軸受け部41a)が、該カムチェーン室よりも左右内側に位置すると共に前記凹部に接続され、この支持壁には、その左右外側及び内側を連通する開口(例えば実施例の開口69)が形成され、前記オイルパンが、前記カムチェーン室と同側の支持壁よりも左右内側にて、前記左右半ケースの合わせ面を跨いで設けられることを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、クランクケースの鋳造時に冷却風通路を形成するための中子を用いる必要がなく、クランクケースの成形を容易にできる。また、冷却風通路を両半ケースに跨って形成することで、合わせ面のシールを特別に設ける必要がなく、コストダウン及びシール組み付け性の向上を図ることができる。さらに、両半ケースの外周壁の突き合せ長さが延びることで、クランクケースの剛性を高めることができる。
請求項2に記載した発明によれば、冷却風通路でオイルパン内のオイルを効率よく冷却できる。
請求項3に記載した発明によれば、シリンダ内を循環した比較的高温のオイルを効率よく冷却でき、オイルパン内のオイル温度の上昇を抑制できる。
請求項4に記載した発明によれば、オイル戻り通路とオイルポンプの吸入口との間を冷却風通路(外周壁)で仕切ることができ、比較的高温のオイルが直接オイルポンプに吸入されることを抑制できる。また、オイル戻り通路が冷却風通路を迂回することで、オイル戻り通路の長さを実質延長させ、オイル内の気泡を少なくできる。さらに、シリンダ内を循環した比較的高温のオイルを効率よく冷却でき、オイルパン内のオイル温度の上昇を抑制できる。
請求項5に記載した発明によれば、車両前方からの走行風を冷却風通路に導入でき、クランクケースの冷却性を高めることができる。
請求項6に記載した発明によれば、シリンダからカムチェーン室を伝って戻るオイルが流れる領域に冷却風通路を設けることとなり、オイルパン容量を減らすことなくこれを十分に確保できると共に、冷却風通路が左右半ケースの一方の側壁に到達してケース外側方に開放することで、冷却風通路内に進入した走行風をケース外側方に流すことができ、クランクケースの冷却性をより高めることができる。
請求項7に記載した発明によれば、冷却風通路内に浸入した水等を開口から容易に排出できる。
請求項8に記載した発明によれば、カムチェーン室からの比較的高温のオイルがオイルパンに直接至らず、支持壁に設けた開口を通じて該支持壁の左右内側に至った後に、凹部を伝ってオイルパンに至ることとなるため、オイルパンに流入するオイルを良好に冷却できると共に、オイルパン内におけるオイルの混ざり性及び冷却性を向上できる。
この発明の実施例におけるエンジンの右側面図である。 図1のA−A断面図である。 上記エンジンのオイルポンプ周辺の軸線に沿う展開断面図である。 上記エンジンのクランクケースを左右ケース半体に分解した状態の概略斜視図である。 上記左ケース半体をケース内側(右側)から見た側面図である。 上記左ケース半体をケース外側(左側)から見た側面図である。 上記クランクケースを前方から見たときの要部概略図である。
以下、この発明の実施例について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ車両における向きと同一とする。また、図中矢印FRは車両前方を、矢印LHは車両左方を、矢印UPは車両上方をそれぞれ示す。
図1,2に示す車両用レシプロエンジン(内燃機関、以下、単にエンジンという)1は、そのクランクケース2上にシリンダ3を立設した基本構成を有する。シリンダ3内のピストン8の往復動は、クランクケース2内のクランクシャフト9の回転動に変換される。クランクケース2は、トランスミッション(変速機)4を収容するミッションケース(変速機ケース)を兼ねる。以下、クランクシャフト9の回転中心軸線(クランク軸線)C1が左右方向(車幅方向)に沿うものとして説明する。
シリンダ3は、シリンダブロック3a、シリンダヘッド3b及びヘッドカバー3cをクランクケース2側から順に重ねるようにしてなる。シリンダヘッド3bの後側(吸気側)にはスロットルボディが接続され、シリンダヘッド3bの前側(排気側)には排気管が接続される(何れも不図示)。エンジン1は空冷単気筒エンジンであり、シリンダブロック3a及びシリンダヘッド3bの周囲には多数の空冷フィンが形成される。なお、図中符号C2はシリンダ3の起立方向に沿う軸線(シリンダ軸線)を示す。
シリンダブロック3a内にはシリンダ軸線C2に沿うシリンダボア3dが形成され、該シリンダボア3d内にはピストン8が摺動可能に嵌装される。ピストン8はコンロッド8aを介してクランクシャフト9のクランクピン9aに連結され、もってピストン8の往復動がクランクシャフト9の左右ジャーナル9c中心の回転動に変換される。
クランクシャフト9は、クランクピン9aを支持する左右クランクウェブ9bと、該左右クランクウェブ9bから左右外側に突出する左右ジャーナル9cと、該左右ジャーナル9cからさらに左右外側に延出する左右支持軸9dとを有してなる。左支持軸9dの基端側には、シリンダヘッド3b内のカムシャフト11を駆動するためのドライブスプロケット12が同軸に設けられる。
カムシャフト11は、シリンダヘッド3b内においてクランクシャフト9と平行に配置され、その左右側部がシリンダヘッド3bに回転自在に支持される。カムシャフト11の左端にはドリブンスプロケット13が同軸に設けられ、該ドリブンスプロケット13と前記ドライブスプロケット12とがカムチェーン14を介して連係される。シリンダ3の左側部内には、カムチェーン14を収容するカムチェーン室15が設けられる。カムチェーン室15は、シリンダヘッド3b、シリンダブロック3a及びクランクケース2に跨るように設けられている。
そして、クランクシャフト9が回転駆動すると、これに連動してシリンダヘッド3bの動弁系(カムシャフト11及び吸排気バルブ(不図示))が作動し、シリンダヘッド3bの吸排気ポートを開閉させる。なお、図中符号16,17はそれぞれエンジン始動用のキックアーム及びスタータモータを、符号16aはキックアーム16が取り付くキックスピンドルを、符号C7は円筒状のスタータモータ17の中心軸線をそれぞれ示す。
クランクシャフト9の回転動力は、クランクケース2内右側に配置された多板クラッチ18及びクランクケース2内後側に配置されたトランスミッション4を介して、クランクケース2の後部左側に配置されたドライブスプロケット19に出力され、該ドライブスプロケット19からドライブチェーン等を介して駆動輪に伝達される。
クランクシャフト9の右側部にはプライマリドライブギヤ21が同軸に設けられる。プライマリドライブギヤ21は、トランスミッション4のメインシャフト5の右側部に同軸に設けられた比較的大径のプライマリドリブンギヤ22に噛み合う。メインシャフト5はクランクシャフト9と平行をなし、その右端部には運転者が操作可能な多板クラッチ18が同軸に設けられる。クランクシャフト9の左端部にはジェネレータ23が同軸配置される。
なお、図中符号24,25はクランクケース2の左右側部にそれぞれ取り付く左右ケースカバーを、符号26はクランクシャフト9の左右ジャーナル9cを支持するボールベアリングを、符号27,28はそれぞれメインシャフト5及びカウンタシャフト6の左右側部を支持するボールベアリングをそれぞれ示す。
ここで、図2を参照し、クランクケース2は、左右方向に直交する合わせ面(分割面)S1を境に左右ケース半体2a,2bに分割構成される。左右ケース半体2a,2bは、それぞれ左右方向に沿う型割りのアルミ鋳造品とされる。前記合わせ面S1は、エンジン1(及びこれを搭載した車両)の左右中心面と一致している。
トランスミッション4は、クランクシャフト9と平行なメインシャフト5及びカウンタシャフト6と、該両シャフト5,6に跨って支持される変速ギヤ群7とを主になる。クランクシャフト9の回転動力は、メインシャフト5から変速ギヤ群7の任意のギヤ対を介して適宜減速されてカウンタシャフト6に伝達され、かつクランクケース2外にてカウンタシャフト6の左端部に取り付けられたドライブスプロケット19等を介して駆動輪に伝達される。なお、図中符号C3,C4は各シャフト5,6の回転中心軸線をそれぞれ示す。
変速ギヤ群7は、両シャフト5,6にそれぞれ支持された変速段数分のギヤにより構成される。トランスミッション4は、両シャフト5,6間で変速ギヤ群7の対応するギヤ対同士が常に噛み合った常時噛み合い式とされる。両シャフト5,6に支持された各ギヤは、対応するシャフトに対して回転可能なフリーギヤと、対応するシャフトにスプライン嵌合するスライドギヤ(シフター)とに分類される。これら各ギヤの一方には軸方向に凸のドッグが、他方には前記ドッグを係合させる係合凹部がそれぞれ設けられる。
トランスミッション4のギヤ変更(前記スライドギヤのスライド)は、その下方に配置されたギヤチェンジ機構50により行われる。
ここで、図4の概略図を併せて参照し、左右ケース半体2a,2bはそれぞれ、クランク線C1と略直交する左右側壁41と、該左右側壁41の外周から他方の半体側に延出する外周壁42とを一体に有する。左右側壁41はそれぞれ、クランクシャフト9の左右ジャーナル9cを左右ボールベアリング26を介して支持する左右クランク軸受け部41aを有すると共に、メインシャフト5及びカウンタシャフト6の左右側部をそれぞれ左右ボールベアリング27,28を介して支持する左右メイン軸受け部41b及び左右カウンタ軸受け部41cを有する。
左右ケース半体2a,2bは、外周壁42の先端面を前記合わせ面S1上でガスケット等を介して互いに突き合せ、この状態で複数の締結ボルトにより互いに締結されることで、一体のクランクケース2を形成する。
図1,5を参照し、クランクケース2の前端部には、エンジン始動用の前記スタータモータ17が配置される。スタータモータ17は円筒状の外観をなし、その中心軸線(駆動軸の回転中心軸線)C7を左右方向に沿わせて(クランク軸線C1と平行にして)配置される。スタータモータ17は、その左端部から駆動軸の先端部を左方に向けて突出させ、このスタータモータ17の左端部が、左ケース半体2aの前端部に突設されたモータホルダ2cに右方から取り付けられて支持される。この状態で、前記駆動軸の先端部に設けたピニオンギヤが不図示のスタータアイドルギヤ及びワンウェイクラッチ等を介してクランクシャフト9に係合し、クランクシャフト9をエンジン始動方向に回転可能とする。
図3を参照し、プライマリドライブギヤ21には、前記プライマリドリブンギヤ22の他に、クランクケース2の下部内側に配置されたオイルポンプ65のドライブギヤ65aが噛み合う。これにより、クランクシャフト9と連動してオイルポンプ65が作動し、該オイルポンプ65が吐出したエンジンオイルをオイルギャラリ及びオイルジェット等を介してエンジン内各部に供給する。
クランクケース2の底部(下部)にはオイルパン66が一体成形され、該オイルパン66内にエンジンオイルOILが貯溜されると共に、該エンジンオイルOIL中にオイルストレーナ67が浸漬される。オイルストレーナ67はクランクケース2(右ケース半体2b)の下部に保持された板状のもので、このオイルストレーナ67を介してオイルパン66内のエンジンオイルOILがオイルポンプ65に吸引される。
オイルポンプ65からエンジン内各部に供給されたエンジンオイルOILは、自然滴下等によりオイルパン66内に戻り、再度オイルポンプ65により吸入、吐出されてエンジン内を循環する。この循環において、エンジンオイルOILはオイルフィルタ及びオイルクーラ等を通過して適宜ろ過、冷却される(何れも不図示)。
ここで、図4を参照し、左右ケース半体2a,2bの外周壁42の前端部には、該外周壁42を後方(ケース内側)に窪ませてなる左右凹部43,44がそれぞれ設けられる。そして、これら左右凹部43,44を形成する外周壁42の先端面を合わせ面S1にて突き合せることで、クランクケース2の下部前端部に車両前方へ開放する開口45が形成されると共に、該開口45から車両後方(ケース内側)へ延びる(窪む)走行風通路46が形成される。
図5,6を併せて参照し、左ケース半体2aの左凹部43は、車両後方(ケース内側)に向けて略水平に(詳細にはやや後下がりに)かつやや先細りとなるように延びる。左凹部43の後端には、側面視で先細りをなして後下がりに延びる延長壁47が形成され、該延長壁47の先端がクランクケース2(オイルパン66)の底面に近接する。この延長壁47の先端とクランクケース2の底面との間に形成される隙間sを通じて、左右凹部43,44の真下に形成される吸入空間k内にエンジンオイルOILが流入する。なお、右ケース半体2bの詳細な図示は略すが、特に記載がなければ上記構成を概ね左右対称に有するものとする。
なお、図6中符号43aは左凹部43の上面を形成する左上部傾斜壁を、符号43bは左凹部43の下面を形成する下部傾斜壁をそれぞれ示す。また、図7を併せて参照し、図中符号44aは右凹部44の上面を形成する右上部傾斜壁を、符号44bは右凹部44の下面を形成する右下部傾斜壁をそれぞれ示す。そして、左上部傾斜壁43aと右上部傾斜壁44aとにより走行風通路46の上部傾斜壁46bが形成され、左下部傾斜壁43bと右下部傾斜壁44bとにより走行風通路46の下部傾斜壁46cが形成される。ここで、図4,6中符号24aは左ケース半体2a外側における左ケースカバー24外周との合わせ部を示す。
左右凹部43,44(走行風通路46)はクランクシャフト9のほぼ真下に位置し、かつクランクケース2内(オイルパン66内)のエンジンオイルOILの適正油面(エンジンオイルOILが適正量にありかつエンジン1が平坦地で車両搭載状態にあるときの油面、以下、オイルレベルLという)よりも下方に位置する(浸漬される)。これにより、車両前方からの走行風が走行風通路46内に浸入して凹部43,44の壁面を冷却し、かつ該凹部43,44を介してオイルパン66内のエンジンオイルOILを冷却する。
図7を参照し、左右ケース半体2a,2bの車幅方向外側には、左右凹部43,44の上面が段差状に張り出している。
ここで、シリンダヘッド3bに供給されたエンジンオイルOILは、カムチェーン室15を通じてオイルパン66内に戻るが、このときの戻り通路となるカムチェーン室15は、左右方向(車幅方向)で左側壁41における左凹部43の上方部位(左クランク軸受け部41a)よりも左右外側に位置し、かつ左凹部43の外側端よりも左右内側に位置している。換言すれば、左凹部43が形成する走行風通路46の左側部は、車幅方向で少なくともカムチェーン室15の全幅に渡って設けられている。
カムチェーン14と同側(左側)に位置するクランク軸受け部41aは、カムチェーン室15よりも車幅方向内側に位置し、かつその下端が左凹部43の上面(左上部傾斜壁43a)に接続される。
そして、図5を併せて参照し、カムチェーン室15を通じてクランクケース2内に至ったエンジンオイルOILは、まず左ケース半体2aの前側の外周壁42を伝って左凹部43の上面(左上部傾斜壁43a)に至り、該上面の傾斜に沿って斜め下後方に流れる。左凹部43の前部上面には、前記締結ボルトを挿通する左右方向に沿う円筒状のボス部68の一つ(以下、ボス部68aという)の上半部が隆起しており、該ボス部68aに突き当たることで、左凹部43上面を流れるエンジンオイルOILの勢いが止められる。
左側壁41(左クランク軸受け部41a)におけるボス部68aの上方から斜め上前方に渡る部位には、該左側壁41の左右外側及び内側を連通する開口69が形成される。このため、前記ボス部68aにせき止められたエンジンオイルOILは、その大半が開口69を通じて左側壁41の車幅方向内側に導かれ、該内側にて左右凹部43,44の上面(上部傾斜壁46b)を斜め下後方に流れてエンジンオイルOILの油面に達する。
すなわち、エンジン1では、シリンダ3からオイルパン66へのオイル戻り通路(カムチェーン室15)の途中(下方)において、該通路に近接するように左右凹部43,44(走行風通路46)が位置している。そして、オイルパン66は、クランクケース2の底部にて前記合わせ面S1を跨いで設けられている。
また、オイルパン66内のエンジンオイルOILに浸漬する板状のオイルストレーナ67の直上には、オイルポンプ65の吸入口65bが位置しており(図3参照)、この吸入口65bの直上に左右凹部43,44(走行風通路46)が位置しているともいえる。
さらに、オイルパン66は概ね左右側壁41間に位置しており、このオイルパン66へのオイル入口は、左右側壁41間であって左右ケース半体2a,2bの合わせ面S1を跨いで設けられるともいえる。
左凹部43が形成する走行風通路46の左側部は、その後端部において左側壁41を貫通し、当該部位において左ケースカバー24外側でケース外側方へ開放する開口46aを形成する。なお、右凹部44が形成する走行風通路46の右側部は右側壁41を貫通することはなく、ケース外側方へ開放する開口を形成することもない。
このため、車両前方から走行風通路46内に浸入した走行風は、その後端部左側に形成された開口46aよりケース左側方に排出され、もって走行風通路46内の熱が良好に放出される。ここで、開口46aは、エンジン1を車両(自動二輪車)に搭載した場合において、該車両における車体を左側に傾けた状態で支持するサイドスタンド(不図示)と同側に設けられることとなり、走行風通路46内に浸入した水分等を良好に排出可能である。
以上説明したように、上記実施例におけるエンジン1のクランクケース構造は、一対のケース半体2a,2bを合わせ面S1で合わせることでクランクケース2を形成するものであって、前記両ケース半体2a,2bはそれぞれ、側壁41の外周から他方のケース半体側へ外周壁42を延出してなり、前記両ケース半体2a,2bの外周壁42の端面を前記合わせ面S1で突き合わせるものにおいて、前記両ケース半体2a,2bに前記外周壁42をケース内側に窪ませてなる凹部43,44を形成し、該凹部43,44により前記クランクケース2の冷却風通路(走行風通路46)を形成するものである。
この構成によれば、クランクケース2の鋳造時に走行風通路46を形成するための中子を用いる必要がなく、クランクケース2の成形を容易にできる。また、走行風通路46を両ケース半体2a,2bに跨って形成することで、合わせ面S1のシールを特別に設ける必要がなく、コストダウン及びシール組み付け性の向上を図ることができる。さらに、両ケース半体2a,2bの外周壁42の突き合せ長さが延びることで、クランクケース2の剛性を高めることができる。
また、上記クランクケース構造は、前記クランクケース2の底部にオイルパン66が一体形成され、該オイルパン66のオイルレベルLよりも下方に前記走行風通路46が配置されることで、走行風通路46でオイルパン66内のエンジンオイルOILを効率よく冷却できる。
また、上記クランクケース構造は、当該エンジン1のシリンダ3からオイルパン66へエンジンオイルOILを戻すオイル戻り通路(カムチェーン室15)に近接して、前記走行風通路46が配置されることで、シリンダ3内を循環した比較的高温のエンジンオイルOILを効率よく冷却でき、オイルパン66内のオイル温度の上昇を抑制できる。
また、上記クランクケース構造は、前記カムチェーン室15の下方かつ、前記オイルパン66内に臨むオイルポンプ65の吸入口65bの上方に、前記走行風通路46が配置されることで、カムチェーン室15とオイルポンプ65の吸入口65bとの間を走行風通路46(外周壁42)で仕切ることができ、比較的高温のエンジンオイルOILが直接オイルポンプ65に吸入されることを抑制できる。また、カムチェーン室15が走行風通路46を迂回することで、カムチェーン室15の長さを実質延長させ、エンジンオイルOIL内の気泡を少なくできる。さらに、シリンダ3内を循環した比較的高温のエンジンオイルOILを効率よく冷却でき、オイルパン66内のオイル温度の上昇を抑制できる。
また、上記クランクケース構造は、前記両ケース半体2a,2bが、車体左右方向で分割された左右一対のものとされ、前記走行風通路46が、前記左右ケース半体2a,2bの外周壁42の前部をそれぞれ後方に窪ませてなる左右一対の前記凹部43,44からなることで、車両前方からの走行風を走行風通路46に導入でき、クランクケース2の冷却性を高めることができる。
また、上記クランクケース構造は、前記走行風通路46が、少なくとも当該エンジン1のシリンダ3からオイルパン66へエンジンオイルOILを戻すカムチェーン室15の左右全幅に渡って設けられ、かつ前記左右ケース半体2a,2bの一方(カムチェーン室15と同側の左ケース半体2b)の側壁41に到達してケース外側方に開放することで、シリンダ3からカムチェーン室15を伝って戻るエンジンオイルOILが流れる領域に走行風通路46を設けることとなり、オイルパン容量を減らすことなくこれを十分に確保できると共に、走行風通路46が左右ケース半体2a,2bの一方(左ケース半体2b)の側壁41に到達してケース外側方に開放することで、走行風通路46内に進入した走行風をケース外側方に流すことができ、クランクケース2の冷却性をより高めることができる。
また、上記クランクケース構造は、前記走行風通路46のケース外側方への開口46aが、当該エンジン1を搭載した車両の車体を左右何れかに傾けた状態で支持するサイドスタンドと同側に設けられることで、走行風通路46内に浸入した水等を開口46aから容易に排出できる。
また、上記クランクケース構造は、前記カムチェーン室15が、当該エンジン1の左右一側にてクランクケース2、シリンダブロック3a及びシリンダヘッド3bに跨って形成され、前記クランクケース2におけるクランクシャフト9の左右両側を支持する一対の支持壁(左右クランク軸受け部41a)が、前記左右ケース半体2a,2bにそれぞれ形成され、前記左右クランク軸受け部41aにおけるカムチェーン室15と同側のもの(左クランク軸受け部41a)が、該カムチェーン室15よりも左右内側に位置すると共にカムチェーン室15と同側の左凹部43に接続され、この左クランク軸受け部41aには、その左右外側及び内側を連通する開口69が形成され、前記オイルパン66が、前記カムチェーン室15と同側の左クランク軸受け部41aよりも左右内側にて、前記左右ケース半体2a,2bの合わせ面S1を跨いで設けられることで、カムチェーン室15からの比較的高温のエンジンオイルOILがオイルパン66に直接至らず、左クランク軸受け部41aに設けた開口69を通じて該左クランク軸受け部41aの左右内側に至った後に、凹部43,44を形成する上部傾斜壁46bの上面を伝って延長壁47からオイルパン66に至ることとなるため、オイルパン66に流入するエンジンオイルOILを良好に冷却できると共に、オイルパン66内におけるオイルの混ざり性及び冷却性を向上できる。
なお、この発明は上記実施例に限られるものではなく、例えば、適用するエンジンは、並列又はV型等の複数気筒エンジン等、各種形式の内燃機関であってもよい。
そして、上記実施例における構成はこの発明の一例であり、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
1 エンジン(内燃機関)
2 クランクケース
3 シリンダ
3a シリンダブロック(シリンダ本体)
3b シリンダヘッド
2a 左ケース半体(半ケース)
2b 右ケース半体(半ケース)
S1 合わせ面
9 クランクシャフト(クランク軸)
15 カムチェーン室(オイル戻り通路)
41 側壁
41a クランク軸受け部(支持壁)
42 外周壁
43 左凹部
44 右凹部
46 走行風通路(冷却風通路)
65 オイルポンプ
65a 吸入口
66 オイルパン
69 開口
L オイルレベル
OIL エンジンオイル(オイル)

Claims (8)

  1. 一対の半ケースを合わせ面で合わせることでクランクケースを形成する内燃機関のクランクケース構造であって、
    前記両半ケースはそれぞれ、側壁の外周から他方の半ケース側へ外周壁を延出してなり、前記両半ケースの外周壁の端面を前記合わせ面で突き合わせる内燃機関のクランクケース構造において、
    前記両半ケースに前記外周壁をケース内側に窪ませてなる凹部を形成し、該凹部により前記クランクケースの冷却風通路を形成することを特徴とする内燃機関のクランクケース構造。
  2. 前記クランクケースの底部にオイルパンが一体形成され、該オイルパンのオイルレベルよりも下方に前記冷却風通路が配置されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のクランクケース構造。
  3. 当該内燃機関のシリンダからオイルパンへオイルを戻すオイル戻り通路に近接して、前記冷却風通路が配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関のクランクケース構造。
  4. 前記オイル戻り通路の下方かつ、前記オイルパン内に臨むオイルポンプの吸入口の上方に、前記冷却風通路が配置されることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関のクランクケース構造。
  5. 前記両半ケースが、車体左右方向で分割された左右一対のものとされ、前記冷却風通路が、前記左右半ケースの外周壁の前部をそれぞれ後方に窪ませてなる左右一対の前記凹部からなることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の内燃機関のクランクケース構造。
  6. 前記冷却風通路が、少なくとも当該内燃機関のシリンダからオイルパンへオイルを戻すカムチェーン室の左右全幅に渡って設けられ、かつ前記左右半ケースの一方の側壁に到達してケース外側方に開放することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関のクランクケース構造。
  7. 前記冷却風通路のケース外側方への開口が、当該内燃機関を搭載した車両の車体を左右何れかに傾けた状態で支持するサイドスタンドと同側に設けられることを特徴とする請求項6に記載の内燃機関のクランクケース構造。
  8. 前記カムチェーン室が、当該内燃機関の左右一側にてクランクケース、シリンダ本体及びシリンダヘッドに跨って形成され、前記クランクケースにおけるクランク軸の左右両側を支持する一対の支持壁が、前記左右半ケースにそれぞれ形成され、前記左右支持壁におけるカムチェーン室と同側のものが、該カムチェーン室よりも左右内側に位置すると共に前記凹部に接続され、この支持壁には、その左右外側及び内側を連通する開口が形成され、前記オイルパンが、前記カムチェーン室と同側の支持壁よりも左右内側にて、前記左右半ケースの合わせ面を跨いで設けられることを特徴とする請求項6又は7に記載の内燃機関のクランクケース構造。

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