JP2013177870A - 水冷式内燃機関の支持構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両2を構成する車体フレーム20に支持される水冷式内燃機関1であって、水冷式内燃機関の少なくともシリンダヘッド14の内外を通して冷却水を循環させる冷却装置と、冷却装置を循環する冷却水の制御を行なうサーモ弁73と、シリンダヘッド14に一部が側面から膨出するように一体成形されサーモ弁を収容するサーモ弁ケース72とを備えた水冷式内燃機関の支持構造において、シリンダヘッドとサーモ弁ケースに跨るように一体成形されてシリンダヘッドに形成された支持部16Lが、車体フレーム20に固定されることを特徴とする水冷式内燃機関の支持構造。
【選択図】図4
Description
しかしながら、特許文献1に示されるような構造では、気筒数あるいは排気量アップによる冷却性向上のためにサーモ弁が大きくなった場合には、サーモ弁を収容するサーモ弁ケースが大きくなり、シリンダヘッドからの膨出が大きくなり、サーモ弁ケース周辺の剛性が低下するおそれがあった。
なお、本明細書の説明および特許請求の範囲における前後左右上下等の向きは、本実施形態に係る水冷式内燃機関の支持構造を備えた水冷式内燃機関1を、車両に搭載した状態での車両の向きに従うものとする。本実施形態において車両は小型車両であり、自動二輪車2である。
また、図中矢印FRは車両前方を、LHは車両左方を、RHは車両右方を、UPは車両上方を、それぞれ示す。
なお、図中に添記した黒小矢印は、本実施形態における冷却水の流れを参照のため模式的に示すものである。
本実施形態に係る内燃機関1は、そのクランクケース10内の後部に変速機4(図2参照)を一体に備えて、いわゆるパワーユニットを構成しており、そのクランク軸11を自動二輪車2の車幅方向、すなわち左右方向に配向させて自動二輪車2に搭載された、水冷式2気筒4ストロークサイクル内燃機関である。
センタフレーム23は、若干後ろ向きに延出した後に、下方に屈曲している。
また、ヘッドパイプ21から斜め急角度に下方へ左右一対のダウンフレーム24が、側面視でセンタフレーム23に略平行に延出している。
さらに、センタフレーム23の上部からは、図示しないシートレールが後方に延出し、シートレールの中央部とセンタフレーム23の下部とを連結した図示しないバックステーが、シートレールを支持し、それらが車体フレーム20を構成している。
また、センタフレーム23の下部に前端を支持されたリヤフォーク27が、後方へ延出し、その後端に図示しない後輪が軸支され、リヤフォーク27と車体フレーム20との間には、図示しないリヤクッションが介装されている。
メインフレーム22の前部には、燃料タンク28が架設され、燃料タンク28の後方にシート29が図示しないシートレールに支持されて設けられている。
変速機4を内蔵するクランクケース10のクランク軸11上方に、シリンダ軸線Xを若干前傾させて、シリンダ13、シリンダヘッド14が、順次重ねられるように起立した姿勢で突設されている。
さらにシリンダヘッド14の上部を覆うようにシリンダヘッドカバー15が取付けられる。
なお、図3中には、参照のため2点鎖線で、取り付けられた内燃機関1を示すとともに、対応する内燃機関1の各支持部の符号を鉤括弧中に付記する。
左右のダウンフレーム24の下端には、前部支持ブラケット32、32が設けられ、内燃機関1の上側クランクケース11Aの前部に設けられた左右の前部支持部17、17が締結固定される。
左右のセンタフレーム23の上部には、後部支持ブラケット33、33が設けられ、内燃機関1の上側クランクケース11Aの後部に設けられた左右の後部支持部18、18が締結固定される。
左右のセンタフレーム23の下部には、下部支持ブラケット34、34が設けられ、内燃機関1の下側クランクケース11Bの後部に設けられた左右の下部支持部19、19が締結固定される。
シリンダヘッド14から前方には、排気ポート54に接続して排気管55が延出し、下方に屈曲して内燃機関1の下方を後方に延び、図示しないマフラーに至っている。
シリンダ12内には図示しないピストンが往復摺動自在に嵌合され、内燃機関1の運転に伴いクランク軸11が回転駆動される。
被動カムチェーンスプロケット62I、62Eとクランク軸11に取付けられた駆動カムチェーンスプロケット63には、カムチェーン64が巻き掛けられ、カムチェーン64は、スプロケットクランク軸11の回転の1/2の回転速度で、吸気動弁カム軸61I、排気動弁カム軸61Eを回転駆動し、図示しない吸、排気ロッカアームを揺動させて吸、排気弁をそれぞれ所要のタイミングで開閉駆動する。
そのために、シリンダヘッド14、シリンダ13にはその右側部内を連通して、クランクケース10内に連通し、カムチェーン64を挿通させるカムチェーン室65が形成されている。
なお、図2中の符号44は、バランサ軸を示す。
出力スプロケット43に巻き掛けられる図示しない駆動チェーンが、後輪側の被動スプロケットに架渡されて後輪に動力が伝達される。
内燃機関1の前方にラジエータ71が配置され(図1参照)、サーモ弁ケース72が、シリンダヘッド14の後部左側に位置しており、一部が後部左側面14aおよび後側面14bから膨出するように一体成形されている。
サーモ弁ケース72は、軸方向をクランク軸11と平行に配した円筒状の収納空間を有し、サーモ弁73が内蔵されている。
シリンダヘッド14後部において、ウォータジャケットはサーモ弁ケース72内に連通しており、ウォータジャケットからサーモ弁ケース72内に流入した冷却水は、サーモ弁73による冷却水の制御によって、連結管75またはバイパス管76に流出する。
ラジエータ71に上流端を接続した戻り管78は、内燃機関1の下部左側面に沿って後方に向けて延出し、下流端がウォータポンプ70の吸入口70bに接続されている。
サーモ弁ケース72内において、サーモ弁73は、内燃機関1の暖機状態に応じて、ラジエータ71への冷却水の流通および遮断を制御する。
一方、冷却水温度が所定温度以上に達した場合は、サーモ弁73は、バイパス接続管79側を遮断し、サーモ弁キャップ77に接続された連結管75側へ冷却水を流し、冷却水は、ラジエータ71に送られて冷却され、その後、冷却水は戻り管78によってウォータポンプ70の吸入口70bに還流される。
同様に、シリンダヘッド14の後部において、一部が後部左側面14aおよび後側面14bから膨出するように一体成形されたサーモ弁ケース72が下方に隣接している。
左上部支持部16Lは、シリンダヘッド14とサーモ弁ケース72に跨るように一体成形されており、そのようにシリンダヘッド14に形成された左上部支持部16Lが、車体フレーム20のメインフレーム22に固定される。
また、左上部支持部16Lによってサーモ弁ケース72の周辺が補強されることになるので、サーモ弁73を大容量化、大型化し、サーモ弁ケース72が大型化される場合にもサーモ弁ケース72の強度上の対処が可能となる。
そのように構成しているので、内燃機関締結部材35が挿入される左支持ボス部16Laと、シリンダヘッド14およびサーモ弁ケース72との間の剛性が、補強リブ16Lbによって高められ、左上部支持部16L全体としての強度が向上したものとなっている。
そのように、補強リブ16Lbの延長上にサーモ弁ケース72の中心部72xと左支持ボス部16Laの中心部16Lxを含むように、補強リブ16Lbの幅を設定することで、補強リブ16Lbの左支持ボス部16Laおよびサーモ弁ケース72との連結剛性が一層高められている。
本実施形態においては、そのように左上部支持部16Lにおけるサーモ弁ケース72から左支持ボス部16Laに致る間の連結が絶え間なく連結壁16Lcで結合されているので、剛性が一層高められている
そのように、左支持ボス部16Laとバイパス接続管79の延出方向Y、Zが略直交しているので、それぞれに結合される内燃機関締結部材35や、バイパス管76等の部品との相互干渉が抑制されて、組み付け性が向上している。
その結果、内燃機関締結部材35が挿入される左上部支持部16Lの左支持ボス部16Laと、サーモ弁キャップ77を締結するためのサーモ弁ケース72の雌ネジ部72bとが、ずらして配置されることとなり、内燃機関締結部材35とキャップ締結部材77aとの干渉が防止され、組み付け作業を効率良くできるものとなっている。
例えば、水冷式内燃機関は請求項1の構成を備える水冷式内燃機関であればよく、2気筒のものに限定されず、水冷装置の態様、配管、構造は実施形態のものに限定されない。
ウォータジャケットは、少なくともシリンダヘッドに設けられたものでもよく、その場合は、ウォータポンプからのポンプ吐出管の下流端はシリンダヘッドに接続される。
また、車両も実施形態の自動二輪車に限定されず、水冷式内燃機関が同様に車体フレームに支持されるものであれば、バギー車等の3輪、4輪の小型車両も含まれる。
Claims (8)
- 車両(2)を構成する車体フレーム(20)に支持される水冷式内燃機関(1)であって、同水冷式内燃機関(1)の少なくともシリンダヘッド(14)の内外を通して冷却水を循環させる冷却装置と、同冷却装置を循環する冷却水の制御を行なうサーモ弁(73)と、前記シリンダヘッド(14)に一部が側面から膨出するように一体成形され前記サーモ弁(73)を収容するサーモ弁ケース(72)とを備えた水冷式内燃機関(1)の支持構造において、
前記シリンダヘッド(14)と前記サーモ弁ケース(72)に跨るように一体成形されて前記シリンダヘッド(14)に形成された支持部(16L)が、前記車体フレーム(20)に固定されることを特徴とする水冷式内燃機関の支持構造。 - 前記支持部(16L)は、前記車体フレーム(20に締結するための内燃機関締結部材(35)が挿入される支持ボス部(16La)を備え、同支持ボス部(16La)から複数の補強リブ(16Lb)が放射状に前記サーモ弁ケース(72)およびシリンダヘッド(14)に向かって形成されたことを特徴とする請求項1記載の水冷式内燃機関の支持構造。
- 前記補強リブ(16Lb)の延長上に前記サーモ弁ケース(72)の中心部(72x)と前記支持ボス部(16La)の中心部(16Lx)が位置するように、同補強リブ(16Lb)の幅が設定されたことを特徴とする請求項2記載の水冷式内燃機関の支持構造。
- 前記支持部(16L)は、前記補強リブ(16Lb)と同補強リブ(16Lb)の間を接続する連結壁(16Lc)とを備え、同連結壁(16Lc)が前記サーモ弁ケース(72)から前記支持ボス部(16La)に致る間を絶え間なく結合して構成されたことを特徴とする請求項2または請求項3記載の水冷式内燃機関の支持構造。
- 前記支持部(16L)は、車幅方向の厚さが前記支持ボス部(16La)から前記シリンダヘッド(14)に致るに従い、漸次厚く形成されたことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか記載の水冷式内燃機関の支持構造。
- 前記サーモ弁ケース(72)に隣接して車幅方向内側において、前記シリンダヘッド(14)には、冷却水を通すジョイント部(79)が設けられ、側面視で前記支持部(16L)における支持ボス部(16La)の延出方向(Y)と、前記ジョイント部(79)の延出方向(Z)が略直交していることを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか記載の水冷式内燃機関の支持構造。
- 前記サーモ弁ケース(72)の蓋部材(77)を蓋締結部材(77a)で固定するための雌ネジ部(72b)が、前記支持部(16L)とずらした位置に配置されたことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか記載の水冷式内燃機関の支持構造。
- 前記サーモ弁ケース(72)が、前記シリンダヘッド(14)の車幅方向における一側端部に配置され、他側端部には、同シリンダヘッド(14)に設けられた動弁装置(6)の駆動力伝達機構(64)を収容する伝達機構収容室(65)がシリンダヘッド(14)から膨出して、膨出部(14c)が形成されて、同膨出部(14c)に第2の支持部(16R)が設けられたことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか記載の水冷式内燃機関の支持構造。
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