JP2019015306A - 駆動力伝達ギア装置及び自動変速機 - Google Patents

駆動力伝達ギア装置及び自動変速機 Download PDF

Info

Publication number
JP2019015306A
JP2019015306A JP2017131222A JP2017131222A JP2019015306A JP 2019015306 A JP2019015306 A JP 2019015306A JP 2017131222 A JP2017131222 A JP 2017131222A JP 2017131222 A JP2017131222 A JP 2017131222A JP 2019015306 A JP2019015306 A JP 2019015306A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
helical gear
case
helical
driving force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017131222A
Other languages
English (en)
Inventor
光久 坂本
Mitsuhisa Sakamoto
光久 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
JATCO Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
JATCO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd, JATCO Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2017131222A priority Critical patent/JP2019015306A/ja
Publication of JP2019015306A publication Critical patent/JP2019015306A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • General Details Of Gearings (AREA)

Abstract

【課題】ギアの歯面に潤滑油を供給することができるようにする。
【解決手段】第1ヘリカルギア17a及び前記第2ヘリカルギア16cを収納して支持するケースと、前記ケースの内壁と前記第2ヘリカルギアとの間に配置され、前記第1ヘリカルギアと軸方向において部分的にオーバーラップするギア16bと、を有し、軸方向側面に設けられ、潤滑油が供給される凹部162と、凹部162から歯面161まで貫通する貫通孔163と、を有し、凹部162に供給された潤滑油を、貫通孔163を通じて歯面161まで供給できるようにする。
【選択図】図6

Description

本発明は、車両のデファレンシャル装置に適した駆動力伝達ギア装置及びこれを含んだ自動変速機に関するものである。
例えば前輪駆動式車両の変速機には、ベルト式無段変速機等の変速機本体と共に、デファレンシャル装置や減速機構等を共通のハウジング内に収容してユニット化することによってコンパクト化を図ったものが知られている。このハウジングの下部には、潤滑油を貯留するオイルパンが取り付けられている(特許文献1参照)。
また、特許文献1には、上記の構成に加えて、ファイナルギアと噛合うピニオンギアと、リダクションギア軸によってピニオンギアと一体に結合するドリブンギアとを有し、ドリブンギアとファイナルギアとが軸方向において部分的にオーバーラップする構造が開示されている。
特開2004−36633号公報
上記のような駆動力伝達ギア装置において、各ギアを円滑に作動させて装置の性能や耐久性を高めるためには、軸受部だけでなくギアの歯面へ潤滑油を供給して、歯面どうしが円滑に摺動するようにしたい。
本願発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、ギアの歯面に潤滑油を供給することができるようにした、ギア及び駆動力伝達ギア装置並びに自動変速機を提供することを目的としている。
(1)本発明のギアは、軸方向側面に設けられ、潤滑油が供給される凹部と、前記凹部から歯面まで貫通する貫通孔と、を有することを特徴としている。
(2)本発明の駆動力伝達ギア装置は、駆動力を伝達する第1ヘリカルギアと、前記第1ヘリカルギアと噛み合う第2ヘリカルギアと、前記第1ヘリカルギア及び前記第2ヘリカルギアを収納して支持するケースと、前記ケースの内壁と前記第2ヘリカルギアとの間に配置され、前記第1ヘリカルギアと軸方向において部分的にオーバーラップするギアと、を有し、前記第1ヘリカルギアは、ねじれ方向が前記ケース側に向かう方向になるように配置され、前記第1ヘリカルギアと前記第2ヘリカルギアの噛合箇所が前記ギアの軸方向側面に面するように配置され、前記ギアは、前記第1ヘリカルギア及び前記第2ヘリカルギアに対向する前記軸方向の側面に設けられた凹部と、前記凹部から前記ギア歯面まで貫通する貫通孔と、を有し、前記凹部は、前記噛合箇所に向かって開口していることを特徴としている。
(3)前記貫通孔は、前記ギアの歯底部に開口していることが好ましい。
(4)前記第1ヘリカルギアの外周を覆うバッフルプレートを有し、前記バッフルプレートは、第1ヘリカルギアの中心を通る水平線の上方において前記第1ヘリカルギアと前記第2ヘリカルギアとの噛合い位置に向かって延びたガイド部を有することが好ましい。
(5)本発明の自動変速機は、(2)〜(4)のいずれかの項に記載された駆動力伝達ギア装置を装備したことを特徴としている。
本発明によれば、ギアの歯面へ潤滑油を供給することができ、歯面どうしを円滑に摺動させることができる。
特に、ヘルカルギアのギア歯による油の挙動特性を利用すれば、潤滑油を効率よく上方のギアの歯面に供給することができるようになる。
本発明の実施形態にかかる駆動力伝達ギア装置を有する自動変速機を説明する横断面図である。 本発明の実施形態にかかる自動変速機の構成図である。 本発明の実施形態にかかる自動変速機の要部断面図である。 本発明の実施形態にかかる自動変速機のケース内部の斜視図(トランスミッションケース側から見た斜視図)である。 本発明の実施形態にかかる自動変速機のケース内部の斜視図(コンバータハウジング側から見た斜視図)である。 本発明の実施形態にかかる自動変速機のケース内部の1対のヘリカルギアとそれに隣接するギアの断面図である。 本発明の実施形態にかかる自動変速機のケース内部の1対のヘリカルギアとそれに隣接するギアの斜視断面図である。 本発明の実施形態にかかる自動変速機のケース内部のギアを示す図であって、(a)はギアをギア軸に直行する方向から見た正面図、(b)はヘリカルギアの特徴を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。以下の実施形態の構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
〔自動変速機の構成〕
図2は、本実施形態にかかる駆動力伝達ギア装置を有し、ベルト式無段変速機として構成された自動変速機2を示す構成図である。図2に示すように、この自動変速機2は、第1軸Oと、第2軸Oと、第3軸Oと、第4軸Oとを有し、各軸O〜Oにそれぞれ動力伝達要素が装備されている。
第1軸O上には、エンジン1と、エンジン1に連結されたロックアップ式トルクコンバータ11と、このトルクコンバータ11に連結された前後進切換機構12と、この前後進切換機構12に連結されたプライマリプーリ13とがこの順に配置されている。
第2軸O上には、プライマリプーリ13とベルト14を介して連結されたセカンダリプーリ15が配置されている。第3軸O上には、セカンダリプーリ15に駆動連結されるアイドラギア16が配置されている。第4軸O上には、アイドラギア16に噛合するファイナルギア17aを有する差動機構17が配置されている。
このような4軸から構成された自動変速機2は、コンバータハウジング(第1ケース部材)4と、トランスミッションケース(第2ケース部材)5からなるケース3内に各動力伝達要素が収納、支持される。
コンバータハウジング4内には、トルクコンバータ11が収容され、コンバータハウジング4とトランスミッションケース5とが結合して形成される空間内には、軸方向でトルクコンバータ11側に、前後進切換機構12が収納された第1ケース部3aと、アイドラギア16及び差動機構17が収納された第3ケース部3cと、軸方向でトルクコンバータ11と反対側に、プライマリプーリ13及びセカンダリプーリ15が収納された第2ケース部3bとが備えられる。
本実施形態にかかる駆動力伝達ギア装置10は、このような自動変速機2のケース3内に装備される差動機構17のファイナルギア17aとその周辺の構造要素とから構成されている。
差動機構17は、図2,図3に示すように、アイドラギア16の出力ギア16cと噛合するファイナルギア17aと、ファイナルギア17aが結合されデファレンシャルケース17bと、デファレンシャルケース(以下、デフケース)17b内に装備されデフケース17bと一体に公転するピニオンギア17cと、左右の駆動輪6,6の回転軸6a,6aに連結されたサイドギア17dとを備えている。
左右のサイドギア17dの軸(デフ軸)17eは、それぞれデフケース17bを介してベアリング18a,18bによりケース3に支持されている。したがって、デフケース17bに結合されたファイナルギア17aもベアリング18a,18bを介してケース3に支持されている。
ベアリング18a,18bには、テーパローラベアリングが適用され、図3中、右側のサイドギア17dはコンバータハウジング4に第1テーパローラベアリング18aによって支持されて、左側のサイドギア17dはトランスミッションケース5に第2テーパローラベアリング18bによって支持されている。
なお、アイドラギア16は、アイドラ軸16aに、入力ギア16bと出力ギア16cとが固設されてなり、入力ギア16bには無段変速機構のセカンダリプーリ15の回転軸15aに固設された出力ギア15bが噛合している。
このような差動機構17は、コンバータハウジング4とトランスミッションケース5からなるケース3の第3ケース部3c内に収容される。また、ケース3の内部には、軸受部やギアの噛み合い部等の各摺動部に潤滑油を供給するために、潤滑油が貯留されている。
図1は自動変速機2を各軸O〜Oに直交する断面で切って示す横断面図である。図1に示すように、軸O〜Oは互いに隣接、集合するようにコンパクトに配置され、ファイナルギア17aの装備された第4軸Oは鉛直方向最も下部に配置されている。
ケース3の下部には、オイルパン7が装備されている。ケース3の下部のオイルパン7の内部上方に油溜り7aが形成され、油溜り7aに潤滑油が貯留されている。この油溜り7a内の潤滑油は、オイル吸い口8から図示しないポンプによって吸引され、ケース3内の上部から各潤滑部に供給される。
最も下部に配置されている第4軸Oに設けられたファイナルギア17aは、その下部が油溜り7a内に浸漬するように配置されており、油溜り7a内の潤滑油の油面が低下しない限り、ファイナルギア17aの下部は油中に没している。
このファイナルギア17aとケース3との間には、図3〜図6に示すように、一対のバッフルプレート21,22から構成されてバッフルプレートセット20(以下、単に、バッフルプレート20ともいう)が配置されている。バッフルプレート20は、ファイナルギア17aの回転中心(第4軸)Oよりも鉛直下方を含む部分的領域であって、回転中心Oから下方に向かう鉛直線Lv1を中心に、ファイナルギア17aの回転方向の上下流の領域に、ファイナルギア17aを囲繞するように配置されている。
〔バッフルプレート〕
バッフルプレート20は、コンバータハウジング4に支持されたハウジング側バッフルプレート22(第1バッフルプレート)と、トランスミッションケース5に支持されたミッションケース側バッフルプレート21(第2バッフルプレート)とから構成されている。
ハウジング側バッフルプレート22は、図1に示すように、ファイナルギア17a(その一側面17a2)と、これに対向するコンバータハウジング4の内壁面4aとの間に配置され、正面視が扇形の平板部22aと、平板部22aの内周側に形成された曲面部22bとを有している。
平板部22aは、ファイナルギア17aの一側面17a2を覆うように配置され、曲面部22bは、一側面17a2に隣接するデフケース17bを覆うように配置されている。
平板部22a及び曲面部22bも、ファイナルギア17aの回転中心Oの下方の鉛直線Lv1よりもファイナルギア17aの回転方向で中心角90度だけ上流側のファイナルギア17aの回転中心Oを通る水平線Lh1付近から、鉛直線Lv1よりもファイナルギア17aの回転方向で中心角90度だけ下流側のファイナルギア17aの回転中心Oを通る水平線Lh2よりも更に下流(上方)の、回転中心Oよりも上方の鉛直線Lv2に近い領域までに亘って配置されている。
ミッションケース側バッフルプレート21は、ファイナルギア17a(その他側面17a1)とトランスミッションケース5との間に配置され、正面視が扇形の平板部21aと、平板部21aの円弧状の外周縁に沿って形成された部分円筒部21bとを有している。
平板部21aは、ファイナルギア17aの他側面17a1を覆うように、他側面17a1とこれと対向するトランスミッションケース5の内壁面5aとの間に配置されている。部分円筒部21bは、ファイナルギア17aの外周ギア面17a3を覆うように、外周ギア面17a3とこれと対向するトランスミッションケース5の外周壁部の内周面5bとの間に配置されている。
平板部21a及び部分円筒部21bは、図1に示すように、ファイナルギア17aの回転中心Oの下方の鉛直線Lv1よりもファイナルギア17aの回転方向で中心角90度だけ上流側のファイナルギア17aの回転中心Oを通る水平線Lh1付近から、鉛直線Lv1よりもファイナルギア17aの回転方向で中心角90度だけ下流側のファイナルギア17aの回転中心Oを通る水平線Lh2よりも更に下流(上方)の、回転中心Oよりも上方の鉛直線Lv2に近い領域までに亘って配置されている。
このように、ファイナルギア17aの下部の周囲にバッフルプレート20を配置することによって、ファイナルギア17aの下方に形成されて潤滑油が貯留される油溜り7aがバッフルプレート20の内部空間20bと外部空間20aとに二分される。
これによって、ケース3内でもバッフルプレート20の外側の外部空間(バッフルプレート外部空間)20aの油溜り7a内の潤滑油は攪拌されないため抵抗にならず、ファイナルギア17aの周辺で攪拌される潤滑油がバッフルプレート20の内側の空間に限定されるため、攪拌抵抗が低下することとなる。
なお、バッフルプレート20は、ファイナルギア17aの回転方向(図1の白抜矢印を参照)の下流側では、上流側よりも高い位置まで(ファイナルギア17aの回転中心Oを通る水平線Lh2よりも更に下流まで)配置されているが、これは、ファイナルギア17aの回転に伴って回転方向の下流側で潤滑油の油面が上昇することに対応するためと、後述する目的のためである。
ファイナルギア17aの下部には油溜り7a内の潤滑油の貯留空間が配置されるため、上述のように、潤滑油の供給不足よりも供給過剰が懸念されるが、ファイナルギア17aの上方のギアの場合、潤滑油の供給不足のおそれがある。
本装置では、バッフルプレート20を利用することにより、ファイナルギア17aの直上方の出力ギア16cとの噛合箇所P2に潤滑油を供給できるように構成している。
また、本装置では、ファイナルギア17aとこれに噛み合う出力ギア16cとに、ギア歯17g,16gが傾斜したヘリカルギア(はすば歯車)が用いられている。そこで、ファイナルギア17aについては第1ヘリカルギアとも呼び、出力ギア16cについては第2ヘリカルギアとも呼ぶ。
特に、ファイナルギア17a(第1ヘリカルギア)のギア歯17gは、図6(a),(b)に示すように、ファイナルギア17aの一側面17a2側の方が他側面17a1側よりも第1ヘリカルギアの回転方向の上流側(図6に示すように、構造上は下側)となるようにねじれ角方向が配向され出力ギア16cよりもハウジング側バッフルプレート22寄りの入力ギア16bに向かう方向に配向されている。
本装置では、このようなヘリカルギアの特性に着目してバッフルプレート20を利用することにより、ファイナルギア17aの斜め上方の入力ギア16bのギア歯160にも潤滑油を供給できるように構成している。
つまり、図4,図5,図8に示すように、ミッションケース側バッフルプレート21を、潤滑油の油面が上昇することに対応するための位置(一点鎖線で示す位置)P1よりもさらに下流(上方)側のファイナルギア17aの直上方の出力ギア16cとの噛合箇所P2の近くまで延長して、ガイド部(ケース側ガイド部)21gを形成している。
このガイド部21gは、ミッションケース側バッフルプレート21の平板部21aと部分円筒部21bとの双方に形成され、ファイナルギア17aの回転時にギア歯17gと共に移動する油を噛合箇所P2の近くまで案内する。
また、図4,図5に示すように、ハウジング側バッフルプレート22を、ケース側ガイド部21gに対応させて潤滑油の油面が上昇することに対応するための位置P1よりもさらに回転方向の下流(構造上は上方)側に延長して、ガイド部(ハウジング側ガイド部)22gを形成している。
図6,図7に示すように、入力ギア16bは、ファイナルギア17a(第1ヘリカルギア)と軸方向(軸方向視)において部分的にオーバーラップしており、この入力ギア16bの出力ギア16c及びファイナルギア17aに対向する対向面(軸方向の側面)16fには、凹部162が形成されている。
凹部162は、滑らかな環状曲面で形成され、ファイナルギア17aと出力ギア16cとの噛合箇所P2に開口している。
さらに、この凹部162からその外側の入力ギア16bのギア歯160の歯面161まで貫通する貫通孔163が形成されている。貫通孔163は歯面161の歯底(谷部)に開口している。
このように、噛合箇所P2に開口する凹部162を形成しているのは、図8(a),(b)に示すように、ファイナルギア17aが矢印A1方向に回転するときに、ギア歯17gと共に移動する油は、矢印A2で示すように、ギア歯17gのねじれ方向に向かう特性があるという知見に基づいている。つまり、ギア歯17gのねじれ方向に位置する入力ギア16bに油を案内するためである。
ヘリカルギアのねじれ方向については、図8(a),(b)に示すように、ギア歯の進行方向A1に対して、歯の左側が進行方向A1の側に歯の右側が進行方向A1の逆側になるように傾斜している場合は、ねじれ方向は右方向となり、これと逆に、歯の左側が進行方向A1の逆側に歯の右側が進行方向A1の側になるように傾斜している場合は、ねじれ方向は左方向となる。
したがって、噛合箇所P2の近傍では、ギア歯17gのねじれ方向(図8(a),(b)に示す場合、ギア歯17gの進行方向に向かって右方向)に位置する入力ギア16bの凹部162に油が向かうことになる。
〔作用及び効果〕
本実施形態にかかる駆動力伝達ギア装置は、上述のように構成されているので、以下のような作用及び効果を得ることができる。
バッフルプレート20によって、油溜り7aをバッフルプレート20の内外に二分することで、バッフルプレート外部空間20aの油の撹拌を抑制することができ、撹拌抵抗を低減することができる。
また、バッフルプレート20は、ファイナルギア17aの回転方向の下流側では、水平線Lh2よりも更に下流まで配置されているので、ファイナルギア17aの回転に伴って回転方向の下流側で潤滑油の油面が上昇しても、バッフルプレート20の内部空間20bへの油の進入を抑制することができる。
バッフルプレート20の上方(水平線Lh2よりもより一層下流)には、ガイド部21g,22gが設けられているので、潤滑油をファイナルギア17aと出力ギア16cとの噛合箇所P2や、噛合箇所P2の側方の入力ギア16bの凹部162にも積極的に供給することができる。
ファイナルギア17aが回転すると、そのギア歯17gと共に移動する油は遠心力を受けるため、ギア歯17gから離隔する方向に飛散しやすい。しかし、このギア歯17gと共に移動する油は、ガイド部21g,22gによって飛散を防止され、ギア歯17gとガイド部21gの内側面との間を回転方向に移動する。
ガイド部21g,22gは、ファイナルギア17aの直上方の出力ギア16cとの噛合箇所P2の近くまで延びているので、油は噛合箇所P2に供給されて、その潤滑に寄与する。
また、図8(a),(b)に示すように、ファイナルギア17aが矢印A1方向に回転すると、ギア歯17gと共に移動する油は矢印A2で示すようにギア歯17gのねじれ方向に向かう。
噛合箇所P2で油が矢印A2で示すように向かうと、油は入力ギア16bの凹部162に捉えられる。凹部162の油は遠心力で貫通孔163から歯面161に向かって移動し、歯面161を潤滑する。こうして、ヘルカルギアのギア歯による油の挙動特性を利用して、潤滑油を効率よく上方のギア16bのギア歯160の歯面161に供給することができ、歯面161とこれに噛合するギア歯の歯面とが円滑に摺動する。なお、貫通孔163は歯面161の歯底に開口しているので、貫通孔163を形成することによる歯面161への影響は抑えられる。
このように、入力ギア16bのギア歯160の歯面161やファイナルギア17aと出力ギア16cとの噛合箇所P2への潤滑油の供給が促進されるので、これらの部分の潤滑性が向上し、駆動力伝達ギア装置10及び自動変速機2の性能向上に寄与する。
〔その他〕
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上記実施形態では、ギア(入力ギア16b)がスパイラルギア(ファイナルギア17a)から油を受けるものを説明したが、軸方向の側面に、潤滑油が供給される凹部を設け、この凹部からギアの歯面まで貫通する貫通孔を設ける構成は、種々の態様で適用できるものである。つまり、凹部への潤滑油の供給は、回転するスパイラルギアから行うものに限らず、他の手法によって凹部への潤滑油の供給を行ってもよい。
また、上記実施形態では、差動機構17のファイナルギア17aを例示したが、本発明はファイナルギア17aに限らずバッフルプレートを用いた種々のギアに適用しうる。
1 エンジン
2 自動変速機(ベルト式無段変速機)
3 ケース
4 コンバータハウジング(第1ケース部材)
5 トランスミッションケース(第2ケース部材)
6 駆動輪
7 オイルパン
7a 油溜り
8 オイル吸い口
10 駆動力伝達ギア装置
11 ロックアップ式トルクコンバータ
12 前後進切換機構
13 プライマリプーリ
14 ベルト
15 セカンダリプーリ
16 アイドラギア
16b 入力ギア(発明対象のギア)
160 入力ギア16bのギア歯
161 ギア歯160の歯面
162 凹部
163 貫通孔
16c 出力ギア(第2ヘリカルギア)
16g 出力ギア16cのギア歯
17 差動機構
17a ファイナルギア(第1ヘリカルギア)
17b デファレンシャルケース
17g ギア歯
18a 第1ベアリング(第1テーパローラベアリング)
18b 第2ベアリング(第2テーパローラベアリング)
20 バッフルプレート
20a バッフルプレート外部空間
20b バッフルプレート内部空間
21 ミッションケース側バッフルプレート
22 ハウジング側バッフルプレート 21d,22d 凹部
21j,22j 屈曲部
21g,22g ガイド部

A1 ファイナルギア(第1ヘリカルギア)17aの回転方向
A2 ファイナルギア(第1ヘリカルギア)17aによる油の移動方向
Lv1,Lv2 鉛直線
Lh1,Lh2 水平線
第4軸(ファイナルギア17aの回転中心)

Claims (5)

  1. 軸方向側面に設けられ、潤滑油が供給される凹部と、
    前記凹部から歯面まで貫通する貫通孔と、を有する
    ことを特徴とするギア。
  2. 駆動力を伝達する第1ヘリカルギアと、
    前記第1ヘリカルギアと噛み合う第2ヘリカルギアと、
    前記第1ヘリカルギア及び前記第2ヘリカルギアを収納して支持するケースと、
    前記ケースの内壁と前記第2ヘリカルギアとの間に配置され、前記第1ヘリカルギアと軸方向において部分的にオーバーラップするギアと、を有し、
    前記第1ヘリカルギアは、ねじれ方向が前記ケース側に向かう方向になるように配置され、
    前記第1ヘリカルギアと前記第2ヘリカルギアの噛合箇所が前記ギアの軸方向側面に面するように配置され、
    前記ギアは、
    前記第1ヘリカルギア及び前記第2ヘリカルギアに対向する前記軸方向の側面に設けられた凹部と、
    前記凹部から前記ギア歯面まで貫通する貫通孔と、を有し、
    前記凹部は、前記噛合箇所に向かって開口している
    ことを特徴とする駆動力伝達ギア装置。
  3. 請求項2において、
    前記貫通孔は、前記ギアの歯底部に開口している
    ことを特徴とする駆動力伝達ギア装置。
  4. 請求項2又は3において、
    前記第1ヘリカルギアの外周を覆うバッフルプレートを有し、
    前記バッフルプレートは、第1ヘリカルギアの中心を通る水平線の上方において前記第1ヘリカルギアと前記第2ヘリカルギアとの噛合い位置に向かって延びたガイド部を有する
    ことを特徴とする駆動力伝達ギア装置。
  5. 請求項2〜4のいずれか1項に記載された駆動力伝達ギア装置を装備した
    ことを特徴とする自動変速機。
JP2017131222A 2017-07-04 2017-07-04 駆動力伝達ギア装置及び自動変速機 Pending JP2019015306A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017131222A JP2019015306A (ja) 2017-07-04 2017-07-04 駆動力伝達ギア装置及び自動変速機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017131222A JP2019015306A (ja) 2017-07-04 2017-07-04 駆動力伝達ギア装置及び自動変速機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019015306A true JP2019015306A (ja) 2019-01-31

Family

ID=65356420

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017131222A Pending JP2019015306A (ja) 2017-07-04 2017-07-04 駆動力伝達ギア装置及び自動変速機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019015306A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4838523B2 (ja) 車両用デファレンシャル装置
JP6879191B2 (ja) 車両の潤滑油供給装置
JP6105535B2 (ja) ディファレンシャルギヤの潤滑構造
JP6175576B2 (ja) 変速機
JP5920235B2 (ja) 車両用駆動装置
JP6233013B2 (ja) 動力伝達装置
CN106015534B (zh) 差动装置
JP2016191418A (ja) 差動装置
US10955042B2 (en) Vehicle differential device
JP7429702B2 (ja) 伝動装置
JP2019015306A (ja) 駆動力伝達ギア装置及び自動変速機
JP6916692B2 (ja) 駆動力伝達ギア装置及び自動変速機
WO2020110417A1 (ja) 車両用駆動装置
JP6759990B2 (ja) 変速機の磁石取付構造
JP2012149692A (ja) 差動装置
JP6683460B2 (ja) 差動装置
JP2018150947A (ja) 駆動力伝達ギア装置
JP2016033404A (ja) デファレンシャルギヤの潤滑構造
JP7265337B2 (ja) 動力伝達装置の潤滑構造
JP2018150948A (ja) 駆動力伝達ギア装置
CN114375375B (zh) 传动装置
JP2018054088A (ja) トランスアクスル
JP6131849B2 (ja) 動力伝達装置
JPH037637Y2 (ja)
JP2010242832A (ja) 差動装置