JP2018150948A - 駆動力伝達ギア装置 - Google Patents

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光久 坂本
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Abstract

【課題】ギアを支持するベアリングに供給された潤滑油が、ギアのケース内に流下する際に、ギアの周囲に装備されたバッフルプレートの内側に進入することを抑制する。
【解決手段】ギア17aと、ケース3と、ギア17aを支持するベアリング18a,18bと、ベアリング18a,18bの下方でギア17aとケース3との間に配置されたバッフルプレート20と、を有し、バッフルプレート20は、ベアリング18a,18bを潤滑した後にケース3内に進入する潤滑油を、バッフルプレート20の外部に導くガイド部50a,50bを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のデファレンシャル装置に適した駆動力伝達ギア装置に関するものである。
車両の駆動力伝達ギアのケース内のギアの近辺にバッフルプレートを設ける構造が開示されている(例えば特許文献1)。ケース内のギアの近辺をバッフルプレートで覆うことにより、ケース内の潤滑油等の油を貯留する油溜りがバッフルプレートの内外に二分され、ギアの回転による油の攪拌抵抗が低減される。
つまり、ギアの近辺ではギアで攪拌される油がバッフルプレートの内側の空間に限定されて攪拌抵抗を下げることができ、ケース内でバッフルプレートの外側の空間の油溜りに溜まる油は攪拌されず、抵抗にならない。
なお、特許文献1には、デファレンシャル装置において、トランスミッションケース内のデフケースに固設されたファイナルギアの略下半部の周囲に、バッフルプレートを備えた構造が開示されている。ファイナルギア及びこれを固設されたデフケースの回転軸は、内側に拡径したテーパローラベアリングにより支持されている。
特許5844019号公報
ところで、バッフルプレートは、ギアの周囲を覆ってギアにより撹拌される油の量を制限するためのものなので、ギアが油を攪拌する領域、つまり、ギアの略下半部の周囲を覆うように装備され、バッフルプレートはギアの上方で開口している。
このため、バッフルプレートの上方開口から、バッフルプレートの内側のギアの周囲に油が流入することがある。この場合、ギアの周囲空間の油が増加するため、バッフルプレートにより攪拌抵抗を抑制しようとする意図とは反対に、攪拌抵抗が増大してしまう。
例えば、ギアを支持するベアリングには、一般に鉛直上方から重力を利用して潤滑油が供給される。このベアリングに供給された潤滑油は、ベアリングの隙間からギアを収容するケース内の下方に流入する。ベアリングの下方に、バッフルプレートの開口が位置していると、ベアリングの隙間から潤滑油がバッフルプレートの内側に流入することがある。
特許文献1のように、デフケースを支持するベアリングがテーパローラベアリングの場合、ローラが傾きを有しているため、デフケース及びファイナルギアの軸方向位置に応じて遠心力の違いが生じて、拡径側は遠心力が大きくなる。
特許文献1のテーパローラは内側に拡径しているため、遠心力によってテーパローラベアリングの内端からトランスミッションケース内に勢いよく潤滑油が飛び出すことがある。これをポンプ作用と呼ぶことができる。特許文献1の技術では、こうしてポンプ作用により飛び出した潤滑油がバッフルプレートの内側に進入し易いため、ギアによる撹拌抵抗の増大をより招き易い。
本発明は、このような課題に着目して創案されたもので、油がケース内に流下する際に、ギアの周囲に装備されたバッフルプレートの内側に進入することを抑制することができるようにした駆動力伝達ギア装置を提供することを目的としている。
(1)上記の目的を達成するために、本発明の駆動力伝達ギア装置は、駆動力を伝達するギアと、前記ギアを収納して支持するケースと、前記ケースと前記ギアを回転支持する軸との間に設けられたベアリングと、前記ベアリングの下方で前記ギアと前記ケースとの間に配置され、前記ギアの少なくとも下方を囲繞するバッフルプレートと、を有し、前記バッフルプレートは、前記ベアリングを潤滑した後に前記ケース内に進入する潤滑油を、前記バッフルプレートの外部に導くガイド部を有することを特徴としている。
(2)前記ベアリングは、前記ケースの内側に向けて拡径したテーパローラベアリングであることが好ましい。
(3)前記ガイド部は、前記バッフルプレートの一部を延長させることにより構成されていることが好ましい。
(4)前記ガイド部は、潤滑油が前記ベアリングから前記ケース内に進入する進入方向(延長線)上に配置されていることが好ましい。
(5)潤滑油が前記ベアリングから前記ケース内に進入する進入方向上に前記ギアと一体回転する壁部を有し、前記ガイド部は、前記壁部の下方に配置されていることが好ましい。
(6)前記ガイド部は、前記ギアの軸の周囲を囲むように延在していることが好ましい。
(7)本発明のもう一つの駆動力伝達ギア装置は、駆動力を伝達するギアと、前記ギアを収納して支持する第1ケース部材及び第2ケース部材と、前記ギアと前記第1ケース部材との間に設けられた第1テーパローラベアリングと、前記ギアと前記第2ケース部材との間に設けられた第2テーパローラベアリングと、前記ギアと前記第1ケース部材との間に配置された第1バッフルプレートと、前記ギアと前記第2ケース部材との間に配置された第2バッフルプレートと、前記ギアと一体回転する壁部と、を有し、前記第1テーパローラベアリングのローラの長手方向の延長線上において、前記ギアと前記第1テーバローラベアリングとの間に前記第1バッフルプレートの一部を延在させることにより第1ガイド部が構成され、前記第2テーパローラベアリングのローラの長手方向の延長線と前記壁部との接点の下方にまで前記第2バッフルプレートの一部を延在させることにより第2ガイド部が構成され、前記第2ガイド部は上方から落下してくる油を前記第2ケースと前記第2バッフルプレートとの間に導くように傾きが設定されていることを特徴としている。
本発明によれば、ベアリングを潤滑した後にケース内に進入する潤滑油を、バッフルプレートのガイド部が受けてバッフルプレートの外部に導く。これにより、バッフルプレートの内部へ潤滑油の流入が抑制され、ギアによる撹拌抵抗の増大が抑えられる。
本発明の実施形態にかかる駆動力伝達ギア装置を有する自動変速機を説明する横断面図である。 本発明の実施形態にかかる自動変速機の構成図である。 本発明の実施形態にかかる自動変速機の要部断面図である。 本発明の実施形態にかかる自動変速機に装備されたバッフルプレートを示す自動変速機のケース内部の斜視図(第2ケース部材側から見た斜視図)である。 本発明の実施形態にかかる自動変速機に装備されたバッフルプレートを示す自動変速機のケース内部の斜視図(第1ケース部材側から見た斜視図)である。 本発明の実施形態の比較例にかかる自動変速機の要部断面図である。 本発明の実施形態にかかる自動変速機のバッフルプレートの効果を説明するケース内部の斜視図であって、(a)は実施形態を示し、(b)は比較例を示す。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。以下の実施形態の構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
〔自動変速機の構成〕
図2は、本実施形態にかかる駆動力伝達ギア装置を有し、ベルト式無段変速機として構成された自動変速機2を示す構成図である。図2に示すように、この自動変速機2は、第1軸Oと、第2軸Oと、第3軸Oと、第4軸Oとを有し、各軸O〜Oにそれぞれ動力伝達要素が装備されている。
第1軸O上には、エンジン1と、エンジン1に連結されたロックアップ式トルクコンバータ11と、このトルクコンバータ11に連結された前後進切換機構12と、この前後進切換機構12に連結されたプライマリプーリ13とがこの順に配置されている。
第2軸O上には、プライマリプーリ13とベルト14を介して連結されたセカンダリプーリ15が配置されている。第3軸O上には、セカンダリプーリ15に駆動連結されるアイドラギア16が配置されている。第4軸O上には、アイドラギア16に噛合するファイナルギア17aを有する差動機構17が配置されている。
このような4軸から構成された自動変速機2は、コンバータハウジング(第1ケース部材)4と、トランスミッションケース(第2ケース部材)5からなるケース3内に各動力伝達要素が収納、支持される。
コンバータハウジング4内には、トルクコンバータ11が収容され、コンバータハウジング4とトランスミッションケース5とが結合して形成される空間内には、軸方向でトルクコンバータ11側に、前後進切換機構12が収納された第1ケース部3aと、アイドラギア16及び差動機構17が収納された第3ケース部3cと、軸方向でトルクコンバータ11と反対側に、プライマリプーリ13及びセカンダリプーリ15が収納された第2ケース部3bとが備えられる。
本実施形態にかかる駆動力伝達ギア装置10は、このような自動変速機2のケース3内に装備される差動機構17のファイナルギア17aとその周辺の構造要素とから構成されている。
差動機構17は、図2,図3に示すように、アイドラギア16の出力ギア16cと噛合するファイナルギア17aと、ファイナルギア17aが結合されデファレンシャルケース17bと、デファレンシャルケース(以下、デフケース)17b内に装備されデファレンシャルケース17bと一体に公転するピニオンギア17cと、左右の駆動輪6,6の回転軸6a,6aに連結されたサイドギア17dとを備えている。
左右のサイドギア17dの軸(デフ軸)17eは、それぞれベアリング18a,18bを介してケース3に支持されている。したがって、ファイナルギア17a及びデフケース17bもベアリング18a,18bを介してケース3に支持されている。
ベアリング18a,18bには、テーパローラベアリングが適用され、図3中、右側のサイドギア17dはコンバータハウジング4に第1テーパローラベアリング18aを介して支持されて、左側のサイドギア17dはトランスミッションケース5に第2テーパローラベアリング18bを介して支持されている。
なお、アイドラギア16は、アイドラ軸16aに、入力ギア16bと出力ギア16cとが固設されてなり、入力ギア16bには無段変速機構のセカンダリプーリ15の回転軸15aに固設された出力ギア15bが噛合している。
このような差動機構17は、コンバータハウジング4とトランスミッションケース5からなるケース3の第3ケース部3c内に収容される。また、ケース3の内部には、軸受部やギアの噛み合い部等の各摺動部に潤滑油を供給するために、潤滑油が貯留されている。
図1は自動変速機2を各軸O〜Oに直交する断面で切って示す横断面図である。図1に示すように、軸O〜Oは互いに隣接、集合するようにコンパクトに配置され、ファイナルギア17aの装備された第4軸Oは鉛直方向最も下部に配置されている。
ケース3の下部には、オイルパン7が装備されている。ケース3の下部のオイルパン7の内部上方に油溜り7aが形成され、油溜り7aに潤滑油が貯留されている。この油溜り7a内の潤滑油は、オイル吸い口8から図示しないポンプによって吸引され、ケース3内の上部から各潤滑部に供給される。
最も下部に配置されている第4軸Oに設けられたファイナルギア17aは、その下部が油溜り7a内に浸漬するように配置されており、油溜り7a内の潤滑油の油面が低下しない限り、ファイナルギア17aの下部は油中に没している。
このファイナルギア17aとケース3との間には、図3〜図5に示すように、バッフルプレート20が配置されている。バッフルプレート20は、ファイナルギア17aの回転中心(第4軸)Oよりも鉛直下方を含む部分的領域であって、回転中心Oから下方に向かう鉛直線Lv1を中心に、ファイナルギア17aの回転方向の上下流の領域に配置されている。
バッフルプレート20は、トランスミッションケース5に支持されたミッションケース側バッフルプレート21と、コンバータハウジング4に支持されたハウジング側バッフルプレート22とから構成されている。
ミッションケース側バッフルプレート21は、ファイナルギア17aとトランスミッションケース5との間に配置され、正面視が扇形の平板部21aと、平板部21aの円弧状の外周縁に沿って形成された部分円筒部21bとを有している。
平板部21aは、ファイナルギア17aの一側面17a1を覆うように、一側面17a1とこれと対向するトランスミッションケース5の内壁面5aとの間に配置されている。部分円筒部21bは、ファイナルギア17aの外周ギア面17a3を覆うように、外周ギア面17a3とこれと対向するトランスミッションケース5の外周壁部の内周面5bとの間に配置されている。
平板部21a及び部分円筒部21bは、鉛直線Lv1よりもファイナルギア17aの回転方向で中心角90度だけ上流側のファイナルギア17aの回転中心Oを通る水平線Lh1付近から、鉛直線Lv1よりもファイナルギア17aの回転方向で中心角90度だけ下流側のファイナルギア17aの回転中心Oを通る水平線Lh2よりも更に下流までに亘って配置されている。
ハウジング側バッフルプレート22は、ファイナルギア17aと、これに対向するコンバータハウジング4の内壁面4aとの間に配置され、正面視が扇形の平板部22aと、平板部22aの内周側に形成された曲面部22bとを有している。
平板部22aは、ファイナルギア17aの他側面17a2を覆うように配置され、曲面部22bは、他側面17a2に隣接するデフケース17bを覆うように配置されている。
平板部22a及び曲面部22bも、鉛直線Lv1よりもファイナルギア17aの回転方向で中心角90度だけ上流側のファイナルギア17aの回転中心Oを通る水平線Lh1付近から、鉛直線Lv1よりもファイナルギア17aの回転方向で中心角90度だけ下流側のファイナルギア17aの回転中心Oを通る水平線Lh2よりも更に下流までに亘って配置されている。
このように、ファイナルギア17aの下部の周囲にバッフルプレート20を配置することによって、ファイナルギア17aの下方に形成されて潤滑油が貯留される油溜り7aがバッフルプレート20の内外に二分される。
これによって、ケース3内でもバッフルプレート20の外側の空間(バッフルプレート外部空間)20aの油溜り7a内の潤滑油は攪拌されないため抵抗にならず、ファイナルギア17aの周辺で攪拌される潤滑油がバッフルプレート20の内側の空間に限定されるため、攪拌抵抗が低下することとなる。
なお、バッフルプレート20は、ファイナルギア17aの回転方向(図1の白抜矢印を参照)の下流側では、上流側よりも高い位置まで(ファイナルギア17aの回転中心Oを通る水平線Lh2よりも更に下流まで)配置されているが、これは、ファイナルギア17aの回転に伴って回転方向の下流側で潤滑油の油面が上昇することに対応するためである。
一方で、上記のように、オイル吸い口8から図示しないポンプによって吸引された潤滑油は、ケース3内の上部から各潤滑部に供給されるが、ファイナルギア17a及びデフケース17bを支持するベアリング18a,18bにも、潤滑油は供給される。
このように、ベアリング18a,18bを潤滑した潤滑油は、その後ケース3内のファイナルギア17aが配置され下方に油溜り7aがある空間内に流入する。また、デフ軸17eが位置する第4軸Oよりも上方には、第1軸O〜第3軸Oがあり、これらの軸上の各潤滑部に供給された潤滑油も、潤滑後はケース3内のファイナルギア17aが配置されている下方に油溜り7aがある空間内に流入する。
このため、バッフルプレート20の上方開口から、バッフルプレート20の内側のファイナルギア17aの周囲に油が流入すると、ファイナルギア17aの周囲空間の潤滑油が増加するため、ファイナルギア17aによる攪拌抵抗が増大してしまう。
特に、ベアリング18a,18bは、ケース3の内側に向けて拡径したテーパローラベアリングなので、拡径側である内側ほど遠心力が大きくなる。このため、遠心力によるポンプ作用によって、テーパローラベアリング18a,18bの内端からケース3内に勢いよく潤滑油が飛び出すことがあり、それだけ、潤滑油がバッフルプレート20の内側に進入し易くなる。
そこで、本装置では、バッフルプレート20に、ベアリング18a,18bを潤滑した後にケース3内に進入する潤滑油を、ケース3内でバッフルプレート20の外部の空間に導くガイド部50a,50bを設けている。
〔ガイド部の構成〕
ガイド部50a,50bは、バッフルプレート20の一部(所要の箇所)を第4軸Oの方向に延長させることにより構成している。ガイド部50a,50bは、ベアリング18a,18bの内端からケース3内に勢いよく飛び出してくる潤滑油を捉えることができる領域に、流出してくる潤滑油と対向するように配置し形成している。
潤滑油をキャッチできる領域は、ケース3内に飛び出す潤滑油の流れの中心(ベアリングのローラからの潤滑油の流出量が最大となる部分)と想定されるベアリングローラが最下部に位置するときのその下縁の延長線L1,L2上(ベアリングローラの長手方向の延長線上)を中心とする領域と考えられる。
図3に示すように、コンバータハウジング4の側に設けられた第1テーパローラベアリング18aの場合、延長線L1上にガイド部50aを延長できるスペースがあり、バッフルプレート22の一部(軸心O側)を延長させて延長線L1上の領域にガイド部50aを配置し形成している。
また、ガイド部50aは、バッフルプレート22の本体部(ガイド部50aを除いた部分)と協働して、捉えた潤滑油を下方のバッフルプレート外部空間20aに導くような角度に傾斜して配設されている。
一方、図3に示すように、トランスミッションケース5の側に設けられた第2テーパローラベアリング18bの場合、延長線L2上にデフケース17bの外壁部17fが接近しており、ガイド部50aを延長できるスペースに余裕がない。
そこで、トランスミッションケース5側のバッフルプレート21のガイド部50bは、バッフルプレート21の一部(軸心O側)を延長させて、デフケース17bの外壁部17fから跳ね返った潤滑油を捉えられるように配置されている。
つまり、ガイド部50aはベアリング18aの内端からケース3内に勢いよく飛び出してくる潤滑油を直接的に捉え、ガイド部50bはベアリング18bの内端からケース3内に勢いよく飛び出してくる潤滑油がデフケース17bの外壁部17fに衝突し跳ね返って滴下したところを間接的に捉える。
また、ガイド部50bも、バッフルプレート21の本体部(ガイド部50bを除いた部分)と協働して、捉えた潤滑油を下方のバッフルプレート外部空間20aに導くような角度に傾斜して配設されている。
なお、潤滑油が外壁部17fから跳ね返って滴下する方向は、外壁部17fの外面の角度に応じて変わるものの、潤滑油の流動は重力で支配されるため、バッフルプレート20の内側のファイナルギア17aの周囲への油の流入を抑制するには、ガイド部50a,50bを軸心Oよりも下方の領域を中心に部分的に配置するだけでも効果を得られる。
しかし、ファイナルギア17a及びバッフルプレート20が配置された空間内への潤滑油の流入は、ベアリング18a,18bからの潤滑油だけではなく、第4軸Oに隣接する第2軸Oや第3軸Oの軸周りのベアリング等を潤滑した潤滑油も流入する。
特に、本実施形態の構造では、コンバータハウジング4側のバッフルプレート22の内側に、第2軸Oや第3軸Oのコンバータハウジング4側のベアリング等から潤滑油が流入しやすいので、これを抑制できるように、バッフルプレート22を軸心O側に延長させて形成するガイド部50aについては、軸心O周りの全周に形成している。
つまり、図5,図7(a)に示すように、ハウジング側バッフルプレート22では、その曲面部22bと、曲面部22bから軸心O側に延長されたガイド部50aとが、軸心O周りの全周に形成されている。
〔作用及び効果〕
本実施形態にかかる駆動力伝達ギア装置は、上述のように構成されているので、以下のような効果を得ることができる。
例えば、図6はガイド部50a,50bを備えない例(本装置に対する比較例)を示すが、図6に矢印f11,f12で示すように、ベアリング18a,18bを経た余剰潤滑油が、バッフルプレート20の内部へ流入して、バッフルプレート20の内のファイナルギア17aによる撹拌抵抗が増大してしまう。
これに対して、本装置では、ガイド部50a,50bによって、ベアリング18a,18bを経た余剰潤滑油が、図3に矢印f1,f2で示すように、バッフルプレート20の外部に導かれるため、バッフルプレート20の内部への潤滑油の流入が抑制されて、バッフルプレート20の内のファイナルギア17aによる撹拌抵抗が抑制される。
また、ガイド部50aはベアリング18aを経た余剰潤滑油を直接捉える位置に配置しているのに対して、ガイド部50bは、ベアリング18bを経た余剰潤滑油がデフケース17bの外壁部17fから跳ね返って滴下する方向に配置されている。スペース上の制約からガイド部50bで余剰潤滑油を直接捉えることができなくても、余剰潤滑油を間接的に捉えてバッフルプレート20の外部に導くことができる。
特に、ベアリング18a,18bはテーパローラベアリングであってポンプ作用によって潤滑油が勢いよく流出し、バッフルプレート20の内部へ流入し易いが、ガイド部50a,50bによってこの潤滑油の流入が抑制されて、撹拌抵抗を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態の構造では、第2軸Oや第3軸Oのコンバータハウジング4側のベアリング等から潤滑油が流入しやすいコンバータハウジング4側のバッフルプレート22では、ガイド部50aを軸心周りの全周に形成しているので、第2軸Oや第3軸Oのコンバータハウジング4側からの潤滑油のバッフルプレート22の内部への流入が抑制され、この点からも撹拌抵抗を抑制することができる。
図7(a),(b)は、コンバータハウジング4を取り外してコンバータハウジング4の側からケース3内のコンバータハウジング4に隣接する空間を示す斜視図である。なお、図7(a),(b)に示すように、バッフルプレート22の第1軸O寄りにはバッフルプレート20の内部に潤滑油を導入する切欠き50dが設けられている。
バッフルプレート22の内部へは、切欠き50dを通じて必要な潤滑油が導入されるが、図7(b)に示すように、軸心Oの鉛直上方の符号50c´で示す部分には延設されていないガイド部50a´の場合、第2軸O2や第3軸Oのコンバータハウジング4側からの潤滑油もバッフルプレート22の内部へ流入し、これが撹拌抵抗を増大させる。
これに対して、図7(a)に示すように、本実施形態の構造では、軸心Oの鉛直上方部分(符号50cを参照、図中に斜線を付す)を含めて軸心O周りの全周にガイド部50aが形成されているので、第2軸Oや第3軸Oのコンバータハウジング4側からの潤滑油のバッフルプレート22の内部への流入が抑制され、撹拌抵抗を抑制することができる。
また、本実施形態のように、デフケース17bの形が左右で非対称な場合、その形状に合わせて左右非対称にガイド部50a,50bを設定することにより、ギア及びケースの大規模な設計変更なく、しかも、バッフルプレートの小規模な設計変更のみで、一対のバッフルプレート間への余剰潤滑油の侵入をする抑制することができる。
〔その他〕
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、本実施形態では、ガイド部50a,50bを非対称にしたが、デフケース本体やその周辺構造体の形状に応じて、左右のガイド部を何れも第1ガイド部50aのように潤滑油を直接捉える配置としたり、左右のガイド部を何れも第2ガイド部50aのように潤滑油を間接的に捉える配置としたりすることもできる。
また、本実施形態では、ガイド部50aをデフ軸17e周りの全周に設け、ガイド部50bをデフ軸17e周りの一部に設けているが、左右のガイド部50a,50bを何れもデフ軸17e周りの全周に設けたり、デフ軸17e周りの一部に設けたりしてもよい。
また、ギア17aの軸(デフ軸17e)を支持するベアリングをテーパローラベアリングとしているが、かかるベアリングはこれに限定されず、ボールベアリングでもよい。
さらに、差動機構17のファイナルギア17aを例示したが、本発明はファイナルギア17aに限らずバッフルプレートを用いた種々のギアに適用しうる。
1 エンジン
2 自動変速機(ベルト式無段変速機)
3 ケース
4 コンバータハウジング(第1ケース部材)
5 トランスミッションケース(第2ケース部材)
6 駆動輪
7 オイルパン
7a 油溜り
8 オイル吸い口
10 駆動力伝達ギア装置
11 ロックアップ式トルクコンバータ
12 前後進切換機構
13 プライマリプーリ
14 ベルト
15 セカンダリプーリ
16 アイドラギア
17 差動機構
17a ファイナルギア
17b デファレンシャルケース
18a 第1ベアリング(第1テーパローラベアリング)
18b 第2ベアリング(第2テーパローラベアリング)
20 バッフルプレート
20a バッフルプレート外部空間
21 ミッションケース側バッフルプレート
22 ハウジング側バッフルプレート
50a 第1ガイド部
50b 第ガイド部
Lv1,Lv2 鉛直線
Lh1,Lh2 水平線
第4軸(ファイナルギア17aの回転中心)

Claims (7)

  1. 駆動力を伝達するギアと、
    前記ギアを収納して支持するケースと、
    前記ケースと前記ギアを回転支持する軸との間に設けられたベアリングと、
    前記ベアリングの下方で前記ギアと前記ケースとの間に配置され、前記ギアの少なくとも下方を囲繞するバッフルプレートと、を有し、
    前記バッフルプレートは、前記ベアリングを潤滑した後に前記ケース内に進入する潤滑油を、前記バッフルプレートの外部に導くガイド部を有する
    ことを特徴とする駆動力伝達ギア装置。
  2. 請求項1において、
    前記ベアリングは、前記ケースの内側に向けて拡径したテーパローラベアリングである
    ことを特徴とする駆動力伝達ギア装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記ガイド部は、前記バッフルプレートの一部を延長させることにより構成されていることを特徴とする駆動力伝達ギア装置。
  4. 請求項3において、
    前記ガイド部は、潤滑油が前記ベアリングから前記ケース内に進入する進入方向(延長線)上に配置されていることを特徴とする駆動力伝達ギア装置。
  5. 請求項3において、
    潤滑油が前記ベアリングから前記ケース内に進入する進入方向上に前記ギアと一体回転する壁部を有し、
    前記ガイド部は、前記壁部の下方に配置されている
    ことを特徴とする駆動力伝達ギア装置。
  6. 請求項1〜5の何れか1項において、
    前記ガイド部は、前記ギアの軸の周囲を囲むように延在していることを特徴とする駆動力伝達ギア装置。
  7. 駆動力を伝達するギアと、
    前記ギアを収納して支持する第1ケース部材及び第2ケース部材と、
    前記ギアと前記第1ケース部材との間に設けられた第1テーパローラベアリングと、

    前記ギアと前記第2ケース部材との間に設けられた第2テーパローラベアリングと、
    前記ギアと前記第1ケース部材との間に配置された第1バッフルプレートと、
    前記ギアと前記第2ケース部材との間に配置された第2バッフルプレートと、
    前記ギアと一体回転する壁部と、を有し、
    前記第1テーパローラベアリングのローラの長手方向の延長線上において、前記ギアと前記第1テーバローラベアリングとの間に前記第1バッフルプレートの一部を延在させることにより第1ガイド部が構成され、
    前記第2テーパローラベアリングのローラの長手方向の延長線と前記壁部との接点の下方にまで前記第2バッフルプレートの一部を延在させることにより第2ガイド部が構成され、
    前記第2ガイド部は上方から落下してくる油を前記第2ケースと前記第2バッフルプレートとの間に導くように傾きが設定されている
    ことを特徴とする駆動力伝達ギア装置。
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