JPWO2012099126A1 - 超音波洗浄方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)接着剤が表面に付着した硬質基板を、25〜60℃の芳香族アルコール系洗浄液に浸漬させる工程
(2)工程(1)により硬質基板を浸漬させた状態を保持しながら、超音波の発振により、硬質基板上の接着剤を洗浄する工程
(3)次いで、硬質基板を、25〜60℃のグリコールエーテル系洗浄液に浸漬させる工程
(4)工程(3)により硬質基板を浸漬させた状態を保持しながら、超音波の発振により、硬質基板上に付着した前記芳香族アルコール系洗浄液をすすぐ工程
(5)次いで、硬質基板上に付着した前記グリコールエーテル系洗浄液及び芳香族アルコール系洗浄液を水によりすすぎ落とす工程
(1)光硬化性(メタ)アクリル接着剤により接着した硬質基板積層体を剥離して得られた硬質基板を、25〜60℃の芳香族アルコール系洗浄液に浸漬させる工程
(2)工程(1)により硬質基板を浸漬させた状態を保持しながら、超音波の発振により、硬質基板上の接着剤を洗浄し、除去する工程
(3)次いで、硬質基板を、25〜60℃のグリコールエーテル系洗浄液に浸漬させる工程
(4)工程(3)により硬質基板を浸漬させた状態を保持しながら、超音波の発振により、硬質基板上に付着した前記芳香族アルコール系洗浄液をすすぐ工程
(5)次いで、硬質基板上に付着した前記グリコールエーテル系洗浄液及び芳香族アルコール系洗浄液を水によりすすぎ落とす工程
(1)光硬化性(メタ)アクリル接着剤により接着した硬質基板積層体を剥離して得られた硬質基板を、25〜60℃の芳香族アルコール系洗浄液に浸漬させる工程
(2)超音波の発振により、硬質基板上の接着剤を洗浄し、除去する工程
(3)次いで、硬質基板を、25〜60℃のグリコールエーテル系洗浄液に浸漬させる工程
(4)超音波の発振により、硬質基板上に付着した前記芳香族アルコール系洗浄液をすすぐ工程
(5)次いで、硬質基板上に付着した前記グリコールエーテル系洗浄液及び芳香族アルコール系洗浄液を水によりすすぎ落とす工程
25〜60℃の芳香族アルコール系洗浄液を含有し、超音波発振器の付いた、接着剤が表面に付着した硬質基板を洗浄するための第一の洗浄液槽と、
第一の洗浄液槽の後段に設置され、25〜60℃のグリコールエーテル系洗浄液を含有し、超音波発振器の付いた、前記硬質基板上に付着した前記芳香族アルコール系洗浄液をすすぐための第二の洗浄液槽と、
第二の洗浄液槽の後段に設置され、硬質基板上に付着したグリコールエーテル系洗浄液及び芳香族アルコール系洗浄液を水によりすすぐための水洗室と、
を備えた、接着剤が表面に付着した硬質基板を洗浄するための装置である。
アクリル接着剤としては、加熱硬化型アクリル接着剤、光硬化性アクリル接着剤、常温硬化型アクリル接着剤等が挙げられる。エポキシ接着剤としては、二剤硬化型エポキシ接着剤、一剤加熱硬化型エポキシ接着剤、紫外線硬化型エポキシ接着剤等が挙げられる。これらの中では、効果が大きい点で、アクリル接着剤が好ましい。アクリル接着剤の中では、効果が大きい点で、光硬化性アクリル接着剤及び/又は常温硬化型アクリル接着剤が好ましい。
透光性硬質基板を使用した場合、本発明に好適に使用される接着剤としては、光硬化性の接着剤が好ましい。光硬化性の接着剤は、例えば、紫外線等の光を照射することで硬化し、高温に加熱すると軟化する接着剤である。
光硬化性の接着剤としては、光硬化性(メタ)アクリル接着剤が挙げられる。光硬化性(メタ)アクリル接着剤としては、例えばWO2008/018252に記載のような(A)多官能(メタ)アクリレート、(B)単官能(メタ)アクリレート、及び(C)光重合開始剤を含有する接着性組成物が挙げられる。
ここで、ウレタン(メタ)アクリレートとは、ポリオール化合物(以後、Xで表す)と有機ポリイソシアネート化合物(以後、Yで表す)とヒドロキシ(メタ)アクリレート(以後、Zで表す)とを反応させることにより得られる、ウレタン(メタ)アクリレートをいう。
ポリオール化合物(X)としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ポリブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ブチルエチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA、ポリカプロラクトン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ポリトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、グリセリン、ポリグリセリン、ポリテトラメチレングリコール等の多価アルコールや、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドのブロック又はランダム共重合の少なくとも1種の構造を有するポリエーテルポリオール、該多価アルコール又はポリエーテルポリオールと無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、無水イタコン酸、イタコン酸、アジピン酸、イソフタル酸等の多塩基酸との縮合物であるポリエステルポリオール、カプロラクトン変性ポリテトラメチレンポリオール等のカプロラクトン変性ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、水素化ポリブタジエンポリオール、水素化ポリイソプレンポリオール等のポリジエン系ポリオール、ポリジメチルシロキサンポリオール等のシリコーンポリオール等が挙げられる。これらの中では、ポリエーテルポリオール及び/又はポリエステルポリオールがより好ましい。
有機ポリイソシアネート化合物(Y)としては、格別に限定される必要はないが、例えば芳香族系、脂肪族系、環式脂肪族系、脂環式系等のポリイソシアネートが使用でき、中でもトリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート(H−MDI)、ポリフェニルメタンポリイソシアネート(クルードMDI)、変性ジフェニルメタンジイソシアネート(変性MDI)、水添化キシリレンジイソシアネート(H−XDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMXDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(m−TMXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(H6XDI)等のポリイソシアネート或いはこれらポリイソシアネートの三量体化合物、これらポリイソシアネートとポリオールの反応生成物等が好適に用いられる。これらの中では、水添化キシリレンジイソシアネート(H−XDI)及び/又はイソホロンジイソシアネート(IPDI)が好ましい。
ヒドロキシ(メタ)アクリレート(Z)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、4−ブチルヒドロキシ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートからなる群のうちの1種以上が好ましい。
これらの中では、効果が大きい点で、ポリエステル系ウレタン(メタ)アクリート及び/又はポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートが好ましく、ポリエステル系ウレタン(メタ)アクリートがより好ましい。
多官能(メタ)アクリレートオリゴマー/ポリマーの重量平均分子量は、7000〜60000が好ましく、13000〜40000がより好ましい。実施例においては、重量平均分子量は、下記の条件にて、溶剤としてテトラヒドロフランを用い、GPCシステム(東ソ−社製 SC−8010)を使用し、市販の標準ポリスチレンで検量線を作成して求めた。
流速:1.0ml/min
設定温度:40℃
カラム構成:東ソー社製「TSK guardcolumn MP(×L)」6.0mmID×4.0cm1本、および東ソー社製「TSK−GEL MULTIPOREHXL−M」 7.8mmID×30.0cm(理論段数16,000段)2本、計3本(全体として理論段数32,000段)、
サンプル注入量:100μl(試料液濃度1mg/ml)
送液圧力:39kg/cm2
検出器:RI検出器
3官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロイキシエチル]イソシアヌレート等が挙げられる。
4官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとしては、ジメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、又はジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートオリゴマー/ポリマーと2官能(メタ)アクリレートモノマーを併用する場合の含有割合は、多官能(メタ)アクリレートオリゴマー/ポリマーと2官能(メタ)アクリレートモノマーの合計100質量部中、質量比で、多官能(メタ)アクリレートオリゴマー/ポリマー:2官能(メタ)アクリレートモノマー=10〜90:90〜10が好ましく、25〜75:75〜25がより好ましく、30〜70:70〜30が最も好ましい。
(B)1個の(メタ)アクロイル基を有する単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロデカトリエン(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、エトキシカルボニルメチル(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、フェノール(エチレンオキサイド2モル変性)(メタ)アクリレート、フェノール(エチレンオキサイド4モル変性)(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(エチレンオキサイド4モル変性)(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(エチレンオキサイド8モル変性)(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(プロピレンオキサイド2.5モル変性)(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性フタル酸(メタ)アクリレ−ト、エチレンオキシド変性コハク酸(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ダイマー、β−(メタ)アクロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、n−(メタ)アクリロイルオキシアルキルヘキサヒドロフタルイミド、2−(1,2−シクロヘキサカルボキシイミド)エチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートの中では、効果が大きい点で、フェノールエチレンオキサイド2モル変性(メタ)アクリレート、2−(1,2−シクロヘキサカルボキシイミド)エチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートからなる群のうちの1種以上が好ましい。フェノールエチレンオキサイド2モル変性(メタ)アクリレートと、2−(1,2−シクロヘキサカルボキシイミド)エチル(メタ)アクリレート及び/又は2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートとを併用することがより好ましい。
フェノールエチレンオキサイド2モル変性(メタ)アクリレートと、2−(1,2−シクロヘキサカルボキシイミド)エチル(メタ)アクリレート及び/又は2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートとを併用する場合の含有割合は、フェノールエチレンオキサイド2モル変性(メタ)アクリレート、2−(1,2−シクロヘキサカルボキシイミド)エチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートの合計100質量部中、質量比で、フェノールエチレンオキサイド2モル変性(メタ)アクリレート:2−(1,2−シクロヘキサカルボキシイミド)エチル(メタ)アクリレート及び/又は2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート=5〜80:95〜20が好ましく、15〜60:85〜40がより好ましく、20〜45:80〜55が最も好ましい。
<常温硬化型アクリル接着剤>
常温硬化型アクリル接着剤は、(A)(メタ)アクリレート、(B)ラジカル重合開始剤及び(C)分解促進剤を含有することが好ましい。
(メタ)アクリレートとしては、多官能(メタ)アクリレートや単官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
(B)ラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物が挙げられる。
(C)分解促進剤は、常温にてラジカル重合開始剤と反応し、ラジカルを発生するものが好ましい。分解促進剤としては、第3級アミン、チオ尿素誘導体及び金属塩等が挙げられる。
常温硬化型アクリル接着剤は、二剤常温硬化型アクリル接着剤として使用することが好ましい。二剤常温硬化型アクリル接着剤の実施態様としては、二剤型の接着剤として使用することが挙げられる。二剤型については、本発明の接着剤の必須成分全てを貯蔵中は混合せず、接着剤をA剤及びB剤に分け、A剤に少なくともラジカル重合開始剤を、B剤に少なくとも分解促進剤を別々に貯蔵する。この場合、両剤を同時に又は別々に被着体に塗布して接触、硬化することにより、二剤型の常温硬化型アクリル接着剤として使用できる。
<二剤硬化型エポキシ接着剤>
二剤硬化型エポキシ接着剤は、接着剤をA剤及びB剤に分け、A剤に少なくとも主剤を、B剤に少なくとも硬化剤を別々に貯蔵する。この場合、両剤を同時に又は別々に被着体に塗布して接触、硬化することにより、二剤硬化型のエポキシ接着剤として使用できる。
二剤硬化型エポキシ接着剤で使用するエポキシ樹脂としては、芳香族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂及び脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
硬化剤は、エポキシ樹脂を硬化させうる成分である。硬化剤としては、アミン化合物、メルカプタン化合物及び酸無水物等が挙げられる。
分割された透光性硬質基板積層体それぞれに対して所望の形状加工を行ってもよい。
硬質基板上の接着剤成分を除去するための芳香族アルコール系洗浄液10を貯蔵した超音波洗浄槽1、主に硬質基板に付着した芳香族アルコール系洗浄液10を除去回収するためのグリコールエーテル系洗浄液11を貯蔵した超音波洗浄槽2を有する。
硬質基板を洗浄する際、複数枚の硬質基板21を等間隔で整列し、収容する収納棚22を使用しても良い。
硬質基板上に付着したグリコールエーテル系洗浄液を水で洗い流すためのシャワー洗浄槽3、シャワー水を一時的に回収貯蔵するための貯蔵槽4及び蒸発機5を有する。
超音波洗浄槽1の超音波発振周波数は、ガラスに接着された接着剤成分を剥離させる必要があることから、よりキャビテーションを起こす能力の高い、16kHz以上40kHz以下が好ましく、20kHz以上40kHz以下がより好ましい。超音波洗浄槽1の洗浄液温度は洗浄液濃度調整による液温度変化が少ない領域かつ、制御が可能な、25℃以上60℃以下が好ましく、35℃以上50℃以下が好ましい。
超音波洗浄槽1の底部には、超音波発振器1aを設置している。超音波発振器1aは、超音波洗浄槽1の側部に設置しても良い。
超音波洗浄槽2の超音波発振周波数は、前槽での処理にて膨順された未剥離残渣の除去および、前槽洗浄液を除去するため、前槽と同様の理由により、16kHz以上60kHz以下が好ましく、20kHz以上40kHz以下がより好ましい。超音波洗浄槽2の洗浄液温度は洗浄液濃度調整による液温度変化が少ない領域かつ、制御が可能な、25℃以上60℃以下が好ましく、35℃以上50℃以下が好ましい。
超音波洗浄槽1や超音波洗浄槽2で、超音波を発振する際、超音波の振幅を変化させて洗浄効率を調節する機構、発振周波数自体を変化させることにより洗浄効果を均一に発現する機構、ガラスを揺動させることにより洗浄効果を均一に発現する機構、を含んでもよい。例えばガラスを収容した収納棚22を揺動させながら超音波を発振することができる。
シャワー洗浄槽3のシャワー3aからシャワー水を硬質基板積層体に噴射し、硬質基板上に付着したグリコールエーテル系洗浄液や芳香族アルコール系洗浄液を水で洗い流す。シャワー水を硬質基板積層体に噴射できれば、シャワー洗浄槽3を設置しなくても良い。また、濯ぎ可能な水であればシャワーに限定する必要はなく、硬質基板積層体を水槽中へ浸漬することや硬質基板積層体に流水を掛けるなどの方法によって洗浄液を洗い流してもよいが、BOD、CODの高い洗浄剤を洗い落とす目的及び回収して蒸発させるという観点からは、処理量の問題でコストが増大するため、シャワー水が好ましい。
蒸発機5に送られたシャワー廃水31は加温される。蒸発機5は、シャワー廃水の蒸発効率を向上させるべく、多段棚構成としても良い。
グリコールエーテルとしては、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル,3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル等が挙げられる。これらの中では、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル,3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールからなる群の1種以上が好適に使用でき、入手しやすい点に加え、混合物としての曇点を上げ、使用可能な温度範囲を広げる、また、防腐効果が大きい点で、ジエチレングリコールモノブチルエーテルがより好ましい。
硬質基板積層体として下記ガラス積層体を剥離したガラスを使用した。板ガラスは、1枚の寸法が、横530mm×縦420mm×厚み0.7mmの、めっきパターンを付した板ガラスを使用した。特記しない限り、23℃、湿度50%で実験した。
接着剤(I)として、下記の(A)〜(E)の成分を混合して仮固定用アクリル紫外線硬化型接着剤(I)を作製した。
(A)多官能(メタ)アクリレートとして、日本合成社製「UV−3000B」(ウレタンアクリレート以下「UV−3000B」と略す、重量平均分子量18000、ポリオール化合物はポリエステルポリオール、有機ポリイソシアネート化合物はイソホロンジイソシアネート、ヒドロキシ(メタ)アクリレートは2−ヒドロキシエチルアクリレート)20質量部、ジシクロペンタニルジアクリレート(日本化薬社製「KAYARADR−684」、以下「R−684」と略す)15質量部、
(B)単官能(メタ)アクリレートとして、2−(1,2−シクロヘキサカルボキシイミド)エチルアクリレート(東亜合成社製「アロニックスM−140」、以下「M−140」と略す)50質量部、フェノールエチレンオキサイド2モル変性アクリレート(東亜合成社製「アロニックスM−101A」)15質量部、
(C)光重合開始剤としてベンジルジメチルケタール(BASF社製「IRGACURE651」)、以下「BDK」と略す)8質量部、
(D)粒状物質として平均粒径100μmの球状架橋ポリスチレン粒子(ガンツ化成社製「GS−100S」)1質量部、
(E)重合禁止剤として2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)(住友化学社製「スミライザーMDP−S」、以下「MDP」と略す)0.1質量部。
板ガラスを順次接着剤により接着し、板ガラス12枚からなる板ガラス積層体を製造した。この板ガラス積層体を円板カッター(ダイヤモンドディスク)により、横47.6mm×縦108mm×厚み9.55mmの直方体形状に分割した。
(1)接着剤により接着した硬質基板積層体を芳香族アルコール系洗浄液(ベンジルアルコール50質量%、水35質量%、キシレンスルホン酸ナトリウム系界面活性剤15質量%)に浸漬させる工程
(2)工程(1)によって硬質基板を浸漬させた状態を保持しながら、超音波の発振により、硬質基板上の接着剤を洗浄し、除去する工程
(3)次いで、硬質基板積層体を、グリコールエーテル系洗浄液(I)(ジエチレングリコールモノブチルエーテル4.5質量%、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル(n=9〜10)5.5質量%、水90質量%)に浸漬させる工程
(4)工程(3)によって硬質基板を浸漬させた状態を保持しながら、超音波の発振により、硬質基板上に付着した前記芳香族アルコール系洗浄液をすすぐ工程
(5)次いで、硬質基板上に付着した前記グリコールエーテル系洗浄液及び芳香族アルコール系洗浄液をシャワー水によりすすぎ落とす工程
接着剤(I)の代わりに、接着剤(II)を用いたこと以外は、実験例1と同様に行った。接着剤(II)として、化研テック社製アクリル系常温硬化型仮固定二剤接着剤CT−2026A/Bを、A剤:B剤=1:1(質量比)で混合し、作製した。接着剤(II)の硬化条件は、以下の通りにした。硬化における環境温度は25℃とし、時間は60分とした。
洗浄効果は以下の通り、表2に示した。
接着剤(I)の代わりに、接着剤(III)を用いたこと以外は、実験例1と同様に行った。接着剤(III)として、化研テック社製エポキシ系仮固定接着剤CT−2450M(主剤)、CT−2451H(硬化剤)を混合し、作製した。硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して、硬化剤の活性水素当量で1当量である。接着剤(III)の硬化条件は、以下の通りにした。接着剤(III)の硬化における環境温度は50℃とし、時間は60分とした。
洗浄効果は以下の通り、表3に示した。
接着剤(I)の代わりに、接着剤(IV)を用いたこと以外は、実験例1と同様に行った。
接着剤(IV)として、下記の(A)〜(E)の成分を混合して仮固定用アクリル紫外線硬化型接着剤(IV)を作製した。
(A)多官能(メタ)アクリレートとして、日本合成社製「UV−3000B」(ウレタンアクリレート、以下「UV−3000B」と略す)20質量部、ジシクロペンタニルジアクリレート(日本化薬社製「KAYARADR−684」、以下「R−684」と略す)25質量部、
(B)単官能(メタ)アクリレートとして、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(東亜合成社製「アロニックスM−5700」、以下「M−5700」と略す)35質量部、フェノールエチレンオキサイド2モル変性アクリレート(東亜合成社製「アロニックスM−101A」)20質量部、
(C)光重合開始剤としてベンジルジメチルケタール(BASF社製「IRGACURE651」)、以下「BDK」と略す)10質量部、
(D)粒状物質として平均粒径100μmの球状架橋ポリスチレン粒子(ガンツ化成社製「GS−100S」)1質量部、
(E)重合禁止剤として2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)(住友化学社製「スミライザーMDP−S」、以下「MDP」と略す)0.1質量部。
洗浄効果は以下の通り、表4に示した。
シャワー廃水を、80℃に加温し、シャワー廃水中の水分を蒸発させることにより、洗浄液、接着剤成分を固形分として回収できた。
グリコールエーテル系洗浄液(I)の代わりに、グリコールエーテル系洗浄液(II)(ジエチレングリコールモノブチルエーテル4.5質量%、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル5.5質量%、ポリオキシエチレンラウリルアミン5.5質量%、水84.5質量%)を使用したこと以外は、実験例1と同様に行った。
洗浄効果は以下の通り、表5に示した。
シャワー廃水を、80℃に加温し、シャワー廃水中の水分を蒸発させることにより、洗浄液、接着剤成分を固形分として回収できた。
グリコールエーテル系洗浄液(I)の代わりに、グリコールエーテル系洗浄液(II)(ジエチレングリコールモノブチルエーテル4.5質量%、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル5.5質量%、ポリオキシエチレンラウリルアミン5.5質量%、水84.5質量%)を使用したこと以外は、実験例4と同様に行った。
洗浄効果は以下の通り、表6に示した。
シャワー廃水を、80℃に加温し、シャワー廃水中の水分を蒸発させることにより、洗浄液、接着剤成分を固形分として回収できた。
1a 超音波発振器
2 超音波洗浄槽
2a 超音波発振器
3 シャワー洗浄槽
3a シャワー
4 貯蔵槽
5 蒸発機
5a ヒーター
10 芳香族アルコール系洗浄液
11 グリコールエーテル系洗浄液
21 硬質基板
22 収納棚
31 シャワー廃水
Claims (18)
- 下記(1)〜(5)の工程を順に行う超音波洗浄方法。
(1)接着剤が表面に付着した硬質基板を、25〜60℃の芳香族アルコール系洗浄液に浸漬させる工程
(2)工程(1)により硬質基板を浸漬させた状態を保持しながら、超音波の発振により、硬質基板上の接着剤を洗浄する工程
(3)次いで、硬質基板を、25〜60℃のグリコールエーテル系洗浄液に浸漬させる工程
(4)工程(3)により硬質基板を浸漬させた状態を保持しながら、超音波の発振により、硬質基板上に付着した前記芳香族アルコール系洗浄液をすすぐ工程
(5)次いで、硬質基板上に付着した前記グリコールエーテル系洗浄液及び芳香族アルコール系洗浄液を水によりすすぎ落とす工程 - 下記(1)〜(5)の工程を順に行う超音波洗浄方法。
(1)光硬化性(メタ)アクリル接着剤により接着した硬質基板積層体を剥離して得られた硬質基板を、25〜60℃の芳香族アルコール系洗浄液に浸漬させる工程
(2)工程(1)により硬質基板を浸漬させた状態を保持しながら、超音波の発振により、硬質基板上の接着剤を洗浄し、除去する工程
(3)次いで、硬質基板を、25〜60℃のグリコールエーテル系洗浄液に浸漬させる工程
(4)工程(3)により硬質基板を浸漬させた状態を保持しながら、超音波の発振により、硬質基板上に付着した前記芳香族アルコール系洗浄液をすすぐ工程
(5)次いで、硬質基板上に付着した前記グリコールエーテル系洗浄液及び芳香族アルコール系洗浄液を水によりすすぎ落とす工程 - 工程(2)の前記接着剤を除去するための超音波の周波数が20kHz以上40kHz以下である請求項1又は2に記載の超音波洗浄方法。
- 芳香族アルコール系洗浄液が、芳香族アルコール、水及び界面活性剤を含有し、グリコールエーテル洗浄液が、グリコールエーテル、水及び界面活性剤を含有する請求項1〜3のうちの何れか1項に記載の超音波洗浄方法。
- 芳香族アルコールがベンジルアルコール、フェネチルアルコール、ヒドロシンナミルアルコール、及びこれらのアルキル置換誘導体から選択される1種以上であり、グリコールエーテルがジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、及び3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールから選択される1種以上である請求項1〜4のうち何れか1項に記載の超音波洗浄方法。
- 工程(5)はシャワー水を硬質基板に噴射することにより行われる請求項1〜5のうち何れか1項に記載の超音波洗浄方法。
- 工程(4)の前記芳香族アルコール系洗浄液を除去するための超音波の周波数が16kHz以上60kHz以下である請求項1〜6のうちの何れか1項に記載の超音波洗浄方法。
- 工程(5)後の廃水を加温し、水を蒸発させ、残存する接着剤成分及び洗浄液成分を回収する請求項1〜7のうちの何れか1項に記載の超音波洗浄方法。
- 光硬化性(メタ)アクリル接着剤が、(A)多官能(メタ)アクリレート、(B)単官能(メタ)アクリレート、及び(C)光重合開始剤を含有する請求項1〜8のうちの何れか1項に記載の超音波洗浄方法。
- グリコールエーテル系洗浄液が、ジエチレングリコールモノブチルエーテル/ポリオキシエチレンアルキルエーテル/水系、ジエチレングリコールモノブチルエーテル/ポリオキシエチレンアルキルエーテル/ポリオキシエチレンアルキルアミン/水系、ジエチレングリコールモノブチルエーテル/ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル/水系、ジエチレングリコールモノブチルエーテル/ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル/ポリオキシエチレンアルキルアミン/水系からなる群のうちの1種以上である請求項1〜9のうちの何れか1項に記載の超音波洗浄方法。
- 芳香族アルコール系洗浄液が、ベンジルアルコール/水/キシレンスルホン酸ナトリウム系界面活性剤系である請求項1〜10のうちの何れか1項に記載の超音波洗浄方法。
- 下記(1)〜(5)の工程を順に行う超音波洗浄装置。
(1)光硬化性(メタ)アクリル接着剤により接着した硬質基板積層体を剥離して得られた硬質基板を、25〜60℃の芳香族アルコール系洗浄液に浸漬させる工程
(2)超音波の発振により、硬質基板上の接着剤を洗浄し、除去する工程
(3)次いで、硬質基板を、25〜60℃のグリコールエーテル系洗浄液に浸漬させる工程
(4)超音波の発振により、硬質基板上に付着した前記芳香族アルコール系洗浄液をすすぐ工程
(5)次いで、硬質基板上に付着した前記グリコールエーテル系洗浄液及び芳香族アルコール系洗浄液を水によりすすぎ落とす工程 - 25〜60℃の芳香族アルコール系洗浄液を含有し、超音波発振器の付いた、接着剤が表面に付着した硬質基板を洗浄するための第一の洗浄液槽と、
第一の洗浄液槽の後段に設置され、25〜60℃のグリコールエーテル系洗浄液を含有し、超音波発振器の付いた、前記硬質基板上に付着した前記芳香族アルコール系洗浄液をすすぐための第二の洗浄液槽と、
第二の洗浄液槽の後段に設置され、硬質基板上に付着したグリコールエーテル系洗浄液及び芳香族アルコール系洗浄液を水によりすすぐための水洗室と、
を備えた、接着剤が表面に付着した硬質基板を洗浄するための装置。 - 水洗室からの廃液中に含まれる水分を蒸発させるための蒸発器を備えた請求項13に記載の装置。
- 水洗室と蒸発器の間に設置され、水洗室からの廃液を貯蔵するための貯蔵槽を備えた請求項14に記載の装置。
- 硬質基板上に付着したグリコールエーテル系洗浄液及び芳香族アルコール系洗浄液がシャワー水によりすすぎ落とされる請求項12〜15のうちの何れか1項に記載の装置。
- グリコールエーテル系洗浄液が、ジエチレングリコールモノブチルエーテル/ポリオキシエチレンアルキルエーテル/水系、ジエチレングリコールモノブチルエーテル/ポリオキシエチレンアルキルエーテル/ポリオキシエチレンアルキルアミン/水系、ジエチレングリコールモノブチルエーテル/ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル/水系、ジエチレングリコールモノブチルエーテル/ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル/ポリオキシエチレンアルキルアミン/水系からなる群のうちの1種以上である請求項12〜16のうちの何れか1項に記載の装置。
- 芳香族アルコール系洗浄液が、ベンジルアルコール/水/キシレンスルホン酸ナトリウム系界面活性剤系である請求項12〜17のうちの何れか1項に記載の装置。
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