JPWO2012086496A1 - 共役ジエン系ゴム、ゴム組成物、ゴム架橋物、およびタイヤ - Google Patents

共役ジエン系ゴム、ゴム組成物、ゴム架橋物、およびタイヤ

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Abstract

強度、低発熱性、およびウエットグリップ性に優れるタイヤ、それを与えるために好適に用いられるゴム組成物、および共役ジエン系ゴムを提供するため、本発明の共役ジエン系ゴムは、一方の末端が活性末端であり、イソプレン単量体単位を70重量%以上有するイソプレンブロックを少なくとも他方の末端側に有する共役ジエン系重合体鎖から得られ、少なくとも一部の該共役ジエン系重合体鎖における該活性末端が、官能基として>C=O基を有する化合物により変性されてなる、構成である。

Description

本発明は、共役ジエン系ゴム、ゴム組成物、ゴム架橋物、およびタイヤに関し、より詳細には、共役ジエン系ゴム、この共役ジエン系ゴムを含有するゴム組成物、このゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物、およびこのゴム架橋物を含むタイヤに関する。
近年、環境問題および資源の問題から、自動車用のタイヤには、低燃費性が強く求められており、さらに安全性の面からは優れたウエットグリップ性、ドライグリップ性、および操縦安定性が求められている。
タイヤに使用されるゴム組成物には、従来、充填剤としてカーボンブラックを配合したゴム組成物が広く用いられている。しかしながら、合成ゴムとカーボンブラックとを混練したときに、カーボンブラックの分散が十分でないと、それを用いてなるタイヤの低発熱性などにおいて十分な性能が得られない。
このような問題を解決することを目的とした技術として、重合体に特定の変性剤を反応させることにより、ゴム自体にカーボンブラックとの親和性を持たせることが検討されている。例えば、特許文献1には、分子鎖の一方の末端にイソプレンブロックを有し、もう一方の末端に活性末端を有する重合体の活性末端に、カーボンブラックとの親和性に優れる特定のハロゲン化スズ化合物を反応させた、共役ジエン系ゴムが開示されている。
日本国公開特許公報「特表2003−531257号公報」
しかしながら、近年の自動車用タイヤに対する要求性能の高まりを鑑みると、この特許文献に具体的に記載されたゴム組成物を用いた場合であっても、そのゴム架橋物の低発熱性、およびウエットグリップ性は不十分な場合がある。
そこで、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、引張強さ、低発熱性、およびウエットグリップ性に優れるタイヤを与えるゴム組成物を提供する共役ジエン系ゴムを得ることにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、一方の末端が活性末端であり、少なくとも他方の末端側にイソプレンブロックを有する少なくとも一部の共役ジエン系重合体鎖の活性末端を、特定の官能基を有する化合物により変性させることで、引張強さ、低発熱性、およびウエットグリップ性に優れるタイヤを与えるゴム組成物に好適に用いられ得る共役ジエン系ゴムを得られることを見出し、本願発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る共役ジエン系ゴムは、上記課題を解決するために、一方の末端が活性末端であり、イソプレン単量体単位を70重量%以上有するイソプレンブロックを少なくとも他方の末端側に有する共役ジエン系重合体鎖から得られ、少なくとも一部の該共役ジエン系重合体鎖における該活性末端が、官能基として>C=O基を有する化合物により変性されてなる、ことを特徴としている。
さらに、本発明によれば、上述の共役ジエン系ゴムを含有するゴム成分100重量部と、カーボンブラック10〜200重量部とを含有してなるゴム組成物が提供される。
さらに本発明によれば、上述のゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物が提供される。
さらに本発明によれば、上述のゴム架橋物を含むタイヤが提供される。
本発明によれば、引張強さ、低発熱性、およびウエットグリップ性に優れるタイヤを与えるゴム組成物を得るために好適に用いられる共役ジエン系ゴムを提供できる。
以下において、本発明の共役ジエン系ゴムなどについて説明する。なお、本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を意味する。
本発明の共役ジエン系ゴムは、一方の末端が活性末端であり、イソプレン単量体単位を70重量%以上有するイソプレンブロックを少なくとも他方の末端側に有する共役ジエン系重合体鎖から得られ、少なくとも一部の上記共役ジエン系重合体鎖の上記活性末端が、特定の官能基を有する化合物により変性されているものである。
〔共役ジエン系重合体鎖〕
本発明の共役ジエン系ゴムの形成に用いられる共役ジエン系重合体鎖は、共役ジエン単量体単位を含んでなる重合体鎖であって、一方の末端が活性末端であり、イソプレン単量体単位を70重量%以上有するイソプレンブロックを少なくとも他方の末端側に有するものであれば、特に限定されない。この共役ジエン系重合体鎖は、共役ジエン単量体単位50〜100重量%、および芳香族ビニル単量体単位50〜0重量%を含んでなるものであることが好ましい。
この共役ジエン系重合体鎖は、不活性溶媒中で、イソプレン単量体を所定量含んでなるイソプレン単量体(混合物)を、重合開始剤を用いてリビング重合させることにより、活性末端を有するイソプレンブロックを形成させ、次いで、共役ジエン単量体を含んでなる単量体(混合物)を用いて、それを活性末端を有するイソプレンブロックに結合させ、その後引き続きリビング重合させることにより得ることができる。なお、上記の共役ジエン単量体を含んでなる単量体(混合物)は、さらに芳香族ビニル単量体を含んでなることが好ましい。
(イソプレンブロック)
本明細書においてイソプレンブロックとは、共役ジエン系重合体鎖においてイソプレン単量体単位を主たる構成単位として形成されている部分をいう。ここで、イソプレンブロックは、イソプレンブロック中のイソプレン単量体単位含有量が70重量%以上であり、80重量%以上であることが好ましく、90重量%以上であることがより好ましい。イソプレンブロック中のイソプレン単量体単位含有量が70重量%以上であると、共役ジエン系ゴムにカーボンブラックを配合した場合に、共役ジエン系ゴムとカーボンブラックとの親和性が良好となり、そのゴム組成物を用いたタイヤは、低発熱性が優れる。
上記共役ジエン系重合体鎖では、少なくとも、活性末端ではない方の末端側の端部分においてイソプレンブロックが形成されていればよく、共役ジエン系重合体鎖中の他の部分にさらにイソプレンブロックを有している構成であってもよい。例えば、活性末端を有する末端側にもイソプレンブロックが形成されている構成であってもよいが、活性末端ではない方の末端側にのみイソプレンブロックが形成されている共役ジエン系重合体鎖が、生産性の観点から好ましい。少なくとも共役ジエン系重合体鎖の活性末端側ではない方の末端側がイソプレンブロックにより構成されることにより、共役ジエン系ゴムにカーボンブラックを配合した場合に、共役ジエン系ゴムとカーボンブラックとの親和性が良好となり、そのゴム組成物を用いたタイヤは、低発熱性が優れる。
イソプレンブロック、特に共役ジエン系重合体鎖の活性末端ではない方の末端側に存在するイソプレンブロックの重量平均分子量は、好ましくは500〜20000であり、より好ましくは1000〜15000であり、特に好ましくは1500〜10000である。イソプレンブロックの重量平均分子量が500以上であると、最終的に得られるタイヤは強度に優れ、20000以下であれば、最終的に得られるタイヤは低発熱性により優れたものとなる。
イソプレンブロックにおける重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表わされる分子量分布は、好ましくは1.0〜1.5、より好ましくは1.0〜1.4、特に好ましくは1.0〜1.3である。この分子量分布の値(Mw/Mn)が上記範囲内にあると、本発明の共役ジエン系ゴムの製造がより容易となる。
イソプレンブロックを得るために用いるイソプレン単量体と共重合し得るその他の単量体としては、イソプレン単量体と共重合可能なものであれば特に限定されず、例えば、1,3−ブタジエン、スチレン、およびα−メチルスチレンなどを用いることができるが、これらの中でもスチレンが好ましい。その他の単量体の含有量は、イソプレン単量体とその他の単量体との合計量に対して、30重量%以下であることが好ましく、20重量%以下であることがより好ましく、10重量%以下であることが特に好ましい。
イソプレン単量体(混合物)の重合に用いられる不活性溶媒としては、溶液重合において通常使用されるものであって、重合反応を阻害しないものであれば、特に制限なく使用できる。その具体例としては、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、および2−ブテンなどの鎖状脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、およびシクロヘキセンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、およびキシレンなどの芳香族炭化水素;などが挙げられる。不活性溶媒の使用量は、単量体濃度が、例えば、1〜50重量%であり、好ましくは10〜40重量%である。
イソプレンブロックを調製する際に使用される重合開始剤としては、イソプレン単量体(混合物)をリビング重合させて、活性末端を有する重合体鎖を与えることができるものであれば、特に限定されないが、例えば、有機アルカリ金属化合物および有機アルカリ土類金属化合物、ならびにランタン系列金属化合物などを主触媒とする重合開始剤が好ましく使用される。有機アルカリ金属化合物の具体例としては、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、フェニルリチウム、およびスチルベンリチウムなどの有機モノリチウム化合物;ジリチオメタン、1,4−ジリチオブタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,3,5−トリリチオベンゼン、および1,3,5−トリス(リチオメチル)ベンゼンなどの有機多価リチウム化合物;ナトリウムナフタレンなどの有機ナトリウム化合物;カリウムナフタレンなどの有機カリウム化合物;などが挙げられる。また、有機アルカリ土類金属化合物としては、ジ−n−ブチルマグネシウム、ジ−n−ヘキシルマグネシウム、ジエトキシカルシウム、ジステアリン酸カルシウム、ジ−t−ブトキシストロンチウム、ジエトキシバリウム、ジイソプロポキシバリウム、ジエチルメルカプトバリウム、ジ−t−ブトキシバリウム、ジフェノキシバリウム、ジエチルアミノバリウム、ジステアリン酸バリウム、およびジケチルバリウムなどが挙げられる。ランタン系列金属化合物を主触媒とする重合開始剤としては、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウムおよびガドリニウムなどのランタン系列金属と、カルボン酸、およびリン含有有機酸などとからなるランタン系列金属の塩を主触媒とし、これと、アルキルアルミニウム化合物、有機アルミニウムハイドライド化合物、および有機アルミニウムハライド化合物などの助触媒とからなる重合開始剤が挙げられる。これらの重合開始剤の中でも、有機モノリチウム化合物または有機多価リチウム化合物を用いることが好ましく、有機モノリチウム化合物を用いることがより好ましく、n−ブチルリチウムを用いることが特に好ましい。なお、有機アルカリ金属化合物は、予め、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジベンジルアミン、ピロリジン、ヘキサメチレンイミン、およびヘプタメチレンイミン(好ましくは、ピロリジン、ヘキサメチレンイミン、およびヘプタメチレンイミン)などの第二級アミン化合物と反応させて、有機アルカリ金属アミド化合物として使用してもよい。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
重合開始剤の使用量は、目的とする分子量に応じて決定すればよいが、イソプレン単量体(混合物)100g当り、例えば、30〜200mmol、好ましくは40〜150mmol、より好ましくは40〜100mmolの範囲である。
イソプレン単量体(混合物)を重合するに際し、重合温度は、例えば、−80〜+150℃、好ましくは0〜100℃、より好ましくは20〜90℃の範囲である。
イソプレンブロックにおけるイソプレン単量体単位中のビニル結合含有量を調節するために、重合に際し、不活性有機溶媒に極性化合物を添加することが好ましい。極性化合物としては、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、および2,2−ジ(テトラヒドロフリル)プロパンなどのエーテル化合物;テトラメチルエチレンジアミンなどの第三級アミン化合物;アルカリ金属アルコキシド;ホスフィン化合物;などが挙げられる。これらの中でも、エーテル化合物、および第三級アミン化合物が好ましく、その中でも、重合開始剤の金属とキレート構造を形成し得るものがより好ましく、2,2−ジ(テトラヒドロフリル)プロパン、およびテトラメチルエチレンジアミンが特に好ましい。極性化合物の使用量は、目的とするビニル結合含有量に応じて決定すればよく、重合開始剤1molに対して、好ましくは0.01〜100mol、より好ましくは0.1〜30molの範囲で調節すればよい。極性化合物の使用量がこの範囲にあると、イソプレン単量体単位中のビニル結合含有量の調節が容易であり、かつ重合開始剤の失活による不具合も発生し難い。
イソプレンブロックにおけるイソプレン単量体単位中のビニル結合含有量は、通常、10〜90重量%、好ましくは21〜90重量%、より好ましくは40〜85重量%、特に好ましくは50〜80重量%である。イソプレンブロックにおけるイソプレン単量体単位中のビニル結合含有量が上記範囲内にあると、最終的に得られるタイヤの低発熱性およびウエットグリップ性がより優れたものとなる。なお、本明細書中において、イソプレン単量体単位中のビニル結合含有量とは、イソプレン単量体単位中の1,2−構造または3,4−構造を有するイソプレン単量体単位の合計量の割合を指すものとする。
なお、共役ジエン系重合体鎖の活性末端ではない方の末端側以外に存在するイソプレンブロックの重量平均分子量、分子量分布、およびイソプレン単量体単位中のビニル結合含有量については、特に限定されない。
(イソプレンブロック以外の部分)
共役ジエン系重合体鎖におけるイソプレンブロック以外の部分は、共役ジエン単量体の単独重合体鎖または共役ジエン単量体と芳香族ビニル単量体との共重合体鎖であることが好ましい。共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位との重量比(共役ジエン単量体単位:芳香族ビニル単量体単位)は、100:0〜50:50が好ましく、90:10〜60:40がより好ましく、85:15〜70:30が特に好ましい。共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位との重量比が上記範囲内にあると、本発明の共役ジエン系ゴムの製造が容易となる。
共役ジエン系重合体鎖においてイソプレンブロック以外の部分を得るために用いる単量体(混合物)に含有される共役ジエン単量体としては、特に限定されないが、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、および1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。これらの中でも、1,3−ブタジエン、またはイソプレンを用いることが好ましく、1,3−ブタジエンを用いることがより好ましい。これらの共役ジエン単量体は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、イソプレンを用いる場合は、イソプレンブロックと区別するために、イソプレン単量体単位含有量を70重量%未満にすることが好ましい。
また、共役ジエン系重合体鎖を得るために用いる単量体(混合物)に含有される芳香族ビニル単量体としては、特に限定されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ジメチルアミノメチルスチレン、およびジメチルアミノエチルスチレンなどを挙げることができる。これらの中でも、スチレン、α−メチルスチレン、および4−メチルスチレンが好ましく、スチレンがより好ましい。これらの芳香族ビニル単量体は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
単量体(混合物)には、本発明における本質的な特性を損なわない範囲において、所望により、共役ジエン単量体および芳香族ビニル単量体以外の他の単量体を含有することができる。他の単量体としては、例えば、アクリロニトリル、およびメタクリロニトリルなどのα,β−不飽和ニトリル;アクリル酸、メタクリル酸、および無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸または酸無水物;メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、およびアクリル酸ブチルなどの不飽和カルボン酸エステル;1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、および5−エチリデン−2−ノルボルネンなどの非共役ジエン;などを挙げることができる。これらの単量体の使用量は、単量体(混合物)中に、10重量%以下とすることが好ましく、5重量%以下とすることがより好ましい。
単量体(混合物)の重合に用いられる不活性溶媒については、上述のイソプレンブロックの調製に用いられる不活性溶媒と同様である。
単量体(混合物)を重合する際に使用される重合開始剤としては、上述した活性末端を有するイソプレンブロック(以下、単に、「イソプレニル−M」ともいう)をそのまま用いる。重合開始剤の使用量は、目的とする分子量に応じて決定すればよいが、単量体(混合物)100g当り、例えば、5〜200mmol、好ましくは7〜150mmol、より好ましくは10〜100mmolの範囲である。
単量体(混合物)を重合するに際し、重合温度は、例えば、−80〜+150℃、好ましくは0〜100℃、より好ましくは20〜90℃の範囲である。重合様式としては、回分式、および連続式など、いずれの様式をも採用できる。共役ジエン系重合体鎖におけるイソプレンブロック以外の部分を、共役ジエン単量体と芳香族ビニル単量体との共重合体鎖とする場合、あるいは、2種以上の共役ジエン単量体からなる共重合体鎖とする場合には、結合のランダム性を制御しやすいという点で、回分式が好ましい。
共役ジエン系重合体鎖におけるイソプレンブロック以外の部分を、共役ジエン単量体と芳香族ビニル単量体との共重合体鎖とする場合、あるいは、2種以上の共役ジエン単量体からなる共重合体鎖とする場合の各単量体の結合様式は、例えば、ブロック状、テーパー状、およびランダム状など種々の結合様式とすることができる。中でも、ランダム状が好ましい。共役ジエン単量体と芳香族ビニル単量体との結合様式をランダム状にする場合、重合系内において、共役ジエン単量体と芳香族ビニル単量体との合計量に対する芳香族ビニル単量体の比率が高くなりすぎないように、共役ジエン単量体または共役ジエン単量体と芳香族ビニル単量体とを、連続的または断続的に重合系内に供給して重合することが好ましい。
共役ジエン系重合体鎖のイソプレンブロック以外の部分における共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量を調節するためには、イソプレンブロックにおけるイソプレン単量体単位中のビニル結合含有量の調節時と同様、重合に際し、不活性有機溶媒に極性化合物を添加することが好ましい。ただし、イソプレンブロックの調製時に、不活性有機溶媒に、共役ジエン系重合体鎖のイソプレンブロック以外の部分における共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量を調節するのに十分な量の極性化合物を添加している場合は、新たに極性化合物を添加しなくてもよい。ビニル結合含有量を調節するために用いられる極性化合物についての具体例は、上述のイソプレンブロックの調製に用いられる極性化合物と同様である。極性化合物の使用量は、目的とするビニル結合含有量に応じて決定すればよく、重合開始剤1molに対して、好ましくは0.01〜100mol、より好ましくは0.1〜30molの範囲で調節すればよい。極性化合物の使用量がこの範囲にあると、共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量の調節が容易であり、かつ、重合開始剤の失活による不具合も発生し難い。
共役ジエン系重合体鎖のイソプレンブロック以外の部分における共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量は、好ましくは10〜90重量%、より好ましくは30〜80重量%、特に好ましくは40〜70重量%である。共役ジエン系重合体鎖のイソプレンブロック以外の部分における共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量が上記範囲内にあると、最終的に得られるタイヤの低発熱性がより優れたものとなる。
(共役ジエン系重合体鎖)
本発明の共役ジエン系ゴムを得るために用いる、一方の末端が活性末端であり、イソプレン単量体単位を70重量%以上有するイソプレンブロックを少なくとも他方の末端側に有する共役ジエン系重合体鎖(以下、単に、「共役ジエン系重合体鎖(B)」ともいう)の重量平均分子量は、特に限定されないが、その重量平均分子量は、1,000〜2,000,000が好ましく、10,000〜1,500,000がより好ましく、100,000〜1,000,000が特に好ましい。共役ジエン系重合体鎖(B)の重量平均分子量が上記範囲内にあると、この共役ジエン系重合体鎖(B)を用いて得られるタイヤの強度と低発熱性とのバランスが良好となる。
共役ジエン系重合体鎖(B)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表わされる分子量分布は、好ましくは1.0〜3.0、より好ましくは1.0〜2.5、特に好ましくは1.0〜2.2である。この分子量分布の値(Mw/Mn)が上記範囲内にあると、本発明の共役ジエン系ゴムの製造が容易となる。
共役ジエン系重合体鎖(B)は、上述したように、不活性溶媒中、まず重合開始剤を用いてイソプレン単量体(混合物)をリビング重合させることにより、活性末端を有するイソプレンブロック(イソプレニル−M)を形成し、次いで、このイソプレニル−Mを新たな重合開始剤として用いて、共役ジエン単量体を含んでなる単量体(混合物)をリビング重合させることにより得ることができる。この際、共役ジエン単量体を含んでなる単量体(混合物)の溶液中にイソプレニル−Mを加えてもよいし、イソプレニル−Mの溶液中に共役ジエン単量体を含んでなる単量体(混合物)を加えてもよいが、共役ジエン単量体を含んでなる単量体(混合物)の溶液中にイソプレニル−Mを加えることが好ましい。また、共役ジエン単量体を含んでなる単量体(混合物)の重合転化率が95%以上になった時点で、新たにイソプレン単量体(混合物)を添加することにより、共役ジエン系重合体鎖(B)の活性末端側にもイソプレンブロックを形成させることができる。このイソプレン単量体(混合物)の使用量は、初めの重合反応に使用した重合開始剤1molに対して、好ましくは10〜100mol、より好ましくは15〜70mol、特に好ましくは20〜35molである。
共役ジエン系重合体鎖(B)は、芳香族ビニル単量体単位を含有しなくともよいが、含有することが好ましい。共役ジエン系重合体鎖(B)における共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位との重量比(共役ジエン単量体単位:芳香族ビニル単量体単位)の好ましい範囲は、上述のイソプレンブロック以外の部分と同じである。また、共役ジエン系重合体鎖(B)における共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量の好ましい範囲も、上述のイソプレンブロック以外の部分と同じである。
〔変性剤〕
本発明の共役ジエン系ゴムは、少なくとも一部の共役ジエン系重合体鎖(B)の活性末端が、官能基として>C=O基を有する化合物(以下、単に、変性剤(C)ともいう)により変性されてなるものである。本発明において「官能基」とは、共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応し、共役ジエン系重合体鎖と結合する基のことをいう。
変性剤(C)としては、分子内に少なくとも1つの>C=O基を有する化合物であればよく、少なくとも1つの>C=O基と少なくとも1つの置換アミノ基とを併せもつ化合物が好ましい。>C=O基と置換アミノ基とは、隣接していてもよいし、離れていてもよい。>C=O基と置換アミノ基とが隣接する化合物としては、例えば、−C(=O)−N<結合を有するアミド化合物、イミド化合物、尿素化合物、イソシアヌル酸化合物、およびイソシアネート化合物などが挙げられる。これらの中でも、好ましくはこれらの環状化合物であり、さらに好ましくはN−置換環状アミド化合物、およびN−置換環状尿素化合物などである。>C=O基と置換アミノ基とが離れている化合物としては、N−置換アミノケトン化合物、およびN−置換アミノアルデヒド化合物などが挙げられる。これらの中でも、好ましくはN−置換アミノケトン化合物である。官能基として>C=O基を有する化合物は、共役ジエン系重合体鎖(B)の活性末端と反応し易く、特に、同一分子内に置換アミノ基を併せもつことにより、活性末端が変性剤(C)により変性された後の共役ジエン系重合体鎖と、カーボンブラックとの親和性がより優れる。
変性剤(C)として、より具体的には、例えば、N−メチル−β−プロピオラクタム、N−フェニル−β−プロピオラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−フェニル−2−ピロリドン、N−t−ブチル−2−ピロリドン、N−メチル−5−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−フェニル−2−ピペリドン、N−メチル−ε−カプロラクタム、N−フェニル−ε−カプロラクタム、N−メチル−ω−ラウリロラクタム、およびN−ビニル−ω−ラウリロラクタムなどのN−置換環状アミド化合物;1,3−ジメチルエチレン尿素、1,3−ジビニルエチレン尿素、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、および1−メチル−3−エチル−2−イミダゾリジノンなどのN−置換環状尿素化合物;4−N,N−ジメチルアミノアセトフェノン、4−N,N−ジエチルアミノアセトフェノン、1,3−ビス(ジフェニルアミノ)−2−プロパノン、1,7−ビス(メチルエチルアミノ)−4−ヘプタノン、4−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−N,N−ジ−t−ブチルアミノベンゾフェノン、4−N,N−ジフェニルアミノベンゾフェノン、4,4´−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4´−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、および4,4´−ビス(ジフェニルアミノ)ベンゾフェノンなどのN−置換アミノケトン化合物;4−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒド、4−N,N−ジフェニルアミノベンズアルデヒド、および4−N,N−ジビニルアミノベンズアルデヒドなどのN−置換アミノアルデヒド化合物;などが挙げられる。これらの中でも、N−置換環状アミド化合物がより好ましく、N−メチル−2−ピロリドンおよびN−フェニル−2−ピロリドンが特に好ましい。
変性剤(C)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
変性剤(C)の使用量は、特に限定されず、変性剤(C)の種類および要求される変性率などによって適宜選択されるが、重合反応に使用した重合開始剤(イソプレニル−M)1モルに対して、変性剤(C)のモル量が、0.1〜3.0モルであることが好ましく、0.3〜2.0モルであることがより好ましく、0.5〜1.0モルであることが特に好ましい。変性剤(C)の使用量が上記範囲内であると、変性剤(C)と共役ジエン系重合体鎖(B)とを反応させて得られる共役ジエン系ゴムを含有するゴム組成物の加工性、および上記共役ジエン系ゴムを用いて得られるタイヤの低発熱性がより優れたものとなる。
共役ジエン系重合体鎖(B)を含有する溶液に、変性剤(C)を添加する際には、反応を良好に制御する観点から、変性剤(C)を不活性溶媒に溶解してから重合系内に添加することが好ましい。不活性溶媒の量は、変性剤(C)の溶液濃度が、1〜50重量%の範囲となるような量が好ましい。
〔カップリング剤〕
本発明の共役ジエン系ゴムでは、カップリング剤を重合系内に添加して、一部の共役ジエン系重合体鎖(B)がカップリングしていてもよい。カップリング剤としては、共役ジエン系重合体鎖(B)の活性末端と反応する反応点を1分子中に6以上有するカップリング剤(以下、単に、カップリング剤(D)ともいう)が好ましく、共役ジエン系重合体鎖(B)の活性末端と反応する反応点を1分子中に6個有するカップリング剤がより好ましい。カップリング剤(D)は、具体的には、下記一般式(1)で表されるケイ素化合物がより好ましい。
Figure 2012086496
(一般式(1)中、XおよびXは、それぞれ、ハロゲン原子または炭素数1〜20のアルコキシル基であり、複数のXまたはXが存在するときは、それらは、それぞれ、同一であってもよく、または、異なるハロゲン原子もしくは異なるアルコキシル基であってもよい。Aは、化学的単結合、炭素数1〜20のポリメチレン基((CH(kは1〜20の整数である。))、炭素数6〜20のアリーレン基または炭素数5〜20のシクロアルキレン基である。)
上記一般式(1)で表されるケイ素化合物のうち、Aは、炭素数1〜20のポリメチレン基((CH(kは1〜20の整数である。))であることがより好ましく、このうち、kが1〜10の整数であることがさらに好ましく、kが1〜6の整数であることが特に好ましい。
上記一般式(1)で表されるXおよびXのいずれもハロゲン原子であるときは、上記一般式(1)で表されるケイ素化合物はハロゲン化ケイ素化合物であり、上記一般式(1)で表されるXおよびXがいずれも炭素数1〜20のアルコキシル基であるときは、上記一般式(1)で表されるケイ素化合物はアルコキシシラン化合物である。ケイ素−ハロゲン結合とケイ素−アルコキシ結合とでは、重合体鎖の活性末端に対して求電子置換反応をする点でその性質は共通するが、その反応性が異なり、ハロゲン化ケイ素化合物を用いる方がより効率的に高分岐のカップリングを行なうことができる。したがって、ハロゲン化ケイ素化合物を用いる方が、タイヤの強度特性の向上により有効であるため、好ましい。また、ハロゲン化ケイ素化合物において、XおよびXは、塩素原子であることがより好ましい。
上記一般式(1)で表されるハロゲン化ケイ素化合物の具体例としては、ヘキサクロロジシラン、ビス(トリクロロシリル)メタン、1,2−ビス(トリクロロシリル)エタン、1,3−ビス(トリクロロシリル)プロパン、1,4−ビス(トリクロロシリル)ブタン、1,5−ビス(トリクロロシリル)ペンタン、および1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンなどが挙げられる。これらの中でも、1,2−ビス(トリクロロシリル)エタン、および1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンが好ましい。
これらのハロゲン化ケイ素化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記一般式(1)で表されるアルコキシシラン化合物の具体例としては、ヘキサメトキシジシラン、ヘキサエトキシジシラン、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリメトキシシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、ビス(トリメトキシシリル)プロパン、ビス(トリエトキシシリル)プロパン、ビス(トリメトキシシリル)ブタン、ビス(トリエトキシシリル)ブタン、ビス(トリメトキシシリル)ヘプタン、ビス(トリエトキシシリル)ヘプタン、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、ビス(トリエトキシシリル)ヘキサン、ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、ビス(トリメトキシシリル)シクロヘキサン、ビス(トリエトキシシリル)シクロヘキサン、ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)エタン、およびビス(3−トリエトキシシリルプロピル)エタンなどを示すことができる。これらの中でも、ビス(トリメトキシシリル)エタン、およびビス(3−トリエトキシシリルプロピル)エタンが好ましい。
カップリング剤(D)としては、上述したもの以外に、ハロゲン原子およびアルコキシル基などの反応点を6以上有している多官能性ポリシロキサン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)メチルアミン、およびトリス(トリメトキシシリルメチル)アミンなどを挙げることができる。
カップリング剤(D)、特に、1分子中に6以上のケイ素−ハロゲン結合を有するハロゲン化ケイ素化合物または1分子中に6以上のケイ素−アルコキシ結合を有するアルコキシシラン化合物をカップリング剤として併用して得られる高分岐共役ジエン系ゴムを用いて得られるタイヤは、機械的強度、および操縦安定性がより優れる。
カップリング剤(D)の使用量は、特に限定されず、カップリング剤の種類および要求されるカップリング率などによって適宜選択されるが、重合反応に使用した重合開始剤(イソプレニル−M)1モルに対して、カップリング剤(D)の反応点のモル量が、0.05〜0.9モルであることが好ましく、0.1〜0.7モルであることがより好ましく、0.1〜0.5モルであることがさらに好ましい。カップリング剤(D)の使用量が上記範囲内であると、カップリング剤と共役ジエン系重合体鎖(B)とを反応させて得られる共役ジエン系ゴムを含有するゴム組成物を用いて得られるタイヤの機械的強度、耐摩耗性、および操縦安定性がより優れたものとなる。
共役ジエン系重合体鎖(B)を含有する溶液に、カップリング剤(D)を添加する際には、反応を良好に制御する観点から、カップリング剤(D)を不活性溶媒に溶解して重合系内に添加することが好ましい。不活性溶媒の量は、カップリング剤(D)の溶液濃度が、1〜50重量%の範囲となるような量が好ましい。
(その他の添加剤)
本発明の共役ジエン系ゴムでは、本発明の効果を阻害しない範囲で、後述する重合停止剤、変性剤(C)以外の重合体鎖末端変性剤、および上記したカップリング剤(D)以外のカップリング剤などを重合系内に添加して、一部の共役ジエン系重合体鎖(B)の活性末端を不活性化してもよい。
〔共役ジエン系ゴム〕
本発明の共役ジエン系ゴムは、少なくとも一部の共役ジエン系重合体鎖(B)の活性末端が変性剤(C)により変性されている共役ジエン系ゴムである。カップリング剤(D)によるカップリングが行われていない場合には、共役ジエン系重合体鎖(B)のうち、10〜100重量%の共役ジエン系重合体鎖(B)の活性末端が変性剤(C)により変性されていることが好ましく、25〜100重量%の共役ジエン系重合体鎖(B)の活性末端が変性剤(C)により変性されていることがより好ましく、50〜100重量%の共役ジエン系重合体鎖(B)の活性末端が変性剤(C)により変性されていることが特に好ましい。共役ジエン系ゴムにおける、活性末端が変性剤(C)により変性されている共役ジエン系重合体鎖(B)の割合(変性剤(C)による変性率)(以下、単に「変性率」ともいう)が上記範囲内にあるときには、共役ジエン系ゴムを含有するゴム組成物の加工性、ならびに上記共役ジエン系ゴムを用いて得られるタイヤの機械的強度、ウエットグリップ性、および低発熱性がより優れたものとなる。
変性剤(C)による変性率は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィの示差屈折計(RI)で屈折率の差を測定し、紫外可視分光光度計(UV)で吸収強度を測定し、その比(UV/RI)を求め、予め作製した検量線によって決定することができる。
本発明の共役ジエン系ゴムは、一部の共役ジエン系重合体鎖(B)が、その活性末端においてカップリング剤(D)と反応することにより、カップリングされていてもよい。特に、共役ジエン系重合体鎖(B)がカップリング剤(D)を介して4分岐以上の構造体を形成していることが好ましい。4分岐以上の構造体を形成する場合、共役ジエン系重合体鎖(B)は、反応後のカップリング剤(D)の残部を介して4分岐以上の構造体を形成する。この場合の変性率と後述する4分岐以上のカップリング率(以下、単に「カップリング率」ともいう)との割合は、変性率が10〜95重量%であり、カップリング率が90〜5重量%であることがより好ましく、変性率が30〜95重量%であり、カップリング率が70〜5重量%であることがさらに好ましく、変性率が50〜90重量%であり、カップリング率が50〜10重量%であることが特に好ましい。カップリング率が5重量%以上であると、この共役ジエン系ゴムを用いて得られるタイヤの機械的強度、耐摩耗性、および操縦安定性がより優れたものとなり、また、カップリング率が90重量%以下であると、共役ジエン系ゴムに充填剤を配合した場合に、充填剤の分散性が良好になり、得られるタイヤの低発熱性がより優れたものとなる。
4分岐以上のカップリング率は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定により得られたチャートより、全溶出面積に対する、分子量の最も小さいピークが示すピークトップ分子量の3.5倍以上のピークトップ分子量を有するピーク部分の面積比を求めることにより、それを、4以上の共役ジエン系重合体鎖(B)がカップリング剤(D)を介して結合されてなる、4分岐以上の構造体を形成している重合体分子の重量分率、すなわち、共役ジエン系重合体鎖(B)の4分岐以上のカップリング率として求めることができる。このときの分子量の測定は、ポリスチレン換算分子量として求めるものとする。
本発明の共役ジエン系ゴムには、活性末端が、変性剤(C)による変性もされておらず、カップリング剤(D)によるカップリングもされていない未変性かつ未カップリングの共役ジエン系重合体鎖(B)が含まれていてもよいが、その配合割合は、例えば20重量%以下、好ましくは10重量% 以下、より好ましくは5重量%以下である。
変性剤(C)による共役ジエン系重合体鎖(B)の変性は、例えば、この共役ジエン系重合体鎖(B)を含有する溶液に、変性剤(C)を添加することにより行なうことができる。変性剤(C)を添加する時期は、特に限定されないが、共役ジエン系重合体鎖(B)における重合反応が完結しておらず共役ジエン系重合体鎖(B)を含有する溶液が単量体をも含有している状態、より具体的には、共役ジエン系重合体鎖(B)を含有する溶液が、好ましくは100ppm以上、より好ましくは300〜50,000ppmの単量体を含有している状態で、この溶液に変性剤(C)を添加することが望ましい。変性剤(C)の添加をこのように行なうことにより、共役ジエン系重合体鎖(B)と重合系中に含まれる不純物との副反応を抑制して、反応を良好に制御することが可能となる。なお、カップリング剤(D)を添加する場合に、その添加時期は、変性剤(C)を添加する時期と同様であり、その添加時期により期待される効果も同様である。
本発明の共役ジエン系ゴムを得るにあたり、変性剤(C)およびカップリング剤(D)などを2種以上併用する場合において、それらを重合系に添加する順序は特に限定されない。変性剤(C)と、カップリング剤(D)とを併用する場合においても、その添加順序は、特に限定されないが、カップリング剤(D)の添加を変性剤(C)の添加より先に行なうことが好ましい。このような順序で添加を行なうことにより、カップリング剤(D)を介して得られる高分岐共役ジエン系ゴムが得られやすくなる。高分岐共役ジエン系ゴムを用いて得られるタイヤでは、機械的強度および操縦安定性がより優れている。
変性剤(C)、およびカップリング剤(D)などを共役ジエン系重合体鎖(B)と反応させるときの条件としては、温度が、例えば、0〜100℃、好ましくは30〜90℃の範囲であり、それぞれの反応時間が、例えば、1分〜120分、好ましくは2分〜60分の範囲である。
共役ジエン系重合体鎖(B)に変性剤(C)、および所望により添加するカップリング剤(D)を反応させた後は、メタノール、およびイソプロパノールなどのアルコールならびに水などの、重合停止剤を添加して未反応の活性末端を失活させることが好ましい。
共役ジエン系重合体鎖(B)の活性末端を失活させた後、所望により、フェノール系安定剤、リン系安定剤、およびイオウ系安定剤などの老化防止剤、クラム化剤、ならびにスケール防止剤などを重合溶液に添加した後、直接乾燥またはスチームストリッピングにより重合溶液から重合溶媒を分離して、本発明の共役ジエン系ゴムを回収する。なお、重合溶液から重合溶媒を分離する前に、重合溶液に伸展油を混合し、本発明の共役ジエン系ゴムを油展ゴムとして回収してもよい。
本発明の共役ジエン系ゴムを油展ゴムとして回収する場合に用いる伸展油としては、例えば、パラフィン系、芳香族系およびナフテン系の石油系軟化剤、植物系軟化剤、ならびに脂肪酸などが挙げられる。石油系軟化剤を用いる場合には、多環芳香族の含有量が3%未満であることが好ましい。この含有量は、IP346の方法(英国のTHE INSTITUTE PETROLEUMの検査方法)により測定される。伸展油を使用する場合、その使用量は、共役ジエン系ゴム100重量部に対して、例えば、5〜100重量部、好ましくは10〜60重量部、より好ましくは20〜50重量部である。
本発明の共役ジエン系ゴムの重量平均分子量は、特に限定されないが、ポリスチレン換算のゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定される値として、例えば、1,000〜3,000,000、好ましくは100,000〜2,000,000、より好ましくは300,000〜1,500,000の範囲である。重量平均分子量が3,000,000以下であると、共役ジエン系ゴムへのカーボンブラックの配合が容易となり、ゴム組成物の加工性が優れたものとなる。また、重量平均分子量が1,000以上であると、得られるタイヤの低発熱性がより優れたものとなる。
本発明の共役ジエン系ゴムの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表わされる分子量分布は、特に限定されないが、好ましくは1.1〜3.0、より好ましくは1.2〜2.5、特に好ましくは1.3〜2.2である。この分子量分布の値(Mw/Mn)が3.0以下であると、得られるタイヤの低発熱性がより優れたものとなる。
本発明の共役ジエン系ゴムのムーニー粘度(ML1+4,100℃)も、特に限定されないが、例えば、20〜100、好ましくは30〜90、より好ましくは35〜80の範囲である。なお、共役ジエン系ゴムを油展ゴムとする場合は、その油展ゴムのムーニー粘度を上記の範囲とすることが好ましい。
本発明の共役ジエン系ゴムは、架橋剤および充填剤などの配合剤を添加した上で、種々の用途に好適に用いることができる。中でも、充填剤としてカーボンブラックを配合した場合に、強度、低発熱性、ウエットグリップ性、および操縦安定性に優れるタイヤを得るために好適に用いられるゴム組成物を与える。
〔ゴム組成物〕
本発明のゴム組成物は、上述した本発明の共役ジエン系ゴムを含有するゴム成分100重量部と、カーボンブラック10〜200重量部とを含有してなるものである。
本発明のゴム組成物には、本発明の共役ジエン系ゴム以外のその他のゴムを配合してもよい。その他のゴムとしては、特に限定されないが、例えば、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合ゴム、溶液重合スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ポリブタジエンゴム(1,2−ポリブタジエン重合体からなる結晶繊維を含むポリブタジエンゴムであってもよい)、スチレン−イソプレン共重合ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、およびアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合ゴムなどのうち、本発明の共役ジエン系ゴム以外のものをいう。これらの中でも、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、およびスチレン−ブタジエン共重合ゴムが好ましい。これらのゴムは、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のゴム組成物において、本発明の共役ジエン系ゴムは、ゴム成分中の10〜100重量%を占めることが好ましく、30〜100重量%を占めることがより好ましく、50〜100重量%を占めることが特に好ましい。このような割合で、本発明の共役ジエン系ゴムをゴム成分に含めることにより、強度、低発熱性、およびウエットグリップ性に特に優れるタイヤを与えるゴム組成物を得ることができる。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分100重量部に対し、カーボンブラックを10〜200重量部、好ましくは20〜150重量部、より好ましくは30〜120重量部含有するものである。このような量でカーボンブラックを用いることにより、本発明のゴム組成物を用いて得られるタイヤの低発熱性が特に良好となる。カーボンブラックとしては、特に限定されないが、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラックおよびグラファイトなどが挙げられる。中でも、ファーネスブラックを用いることが好ましく、その具体例としては、SAF、ISAF、ISAF−HS、ISAF−LS、IISAF−HS、HAF、HAF−HS、HAF−LS、T−HS、T−NS、MAF、N234、およびFEFなどが挙げられる。これらのカーボンブラックは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは5〜200m/g、より好ましくは20〜150m/g、特に好ましくは40〜130m/gであり、ジブチルフタレート(DBP)吸着量は、好ましくは5〜200ml/100g、より好ましくは50〜160ml/100g、特に好ましくは70〜130ml/100gである。カーボンブラックの窒素吸着比表面積がこの範囲であると、低発熱性に特に優れるタイヤを与える、成形性が良好なゴム組成物を得ることができる。
ゴム組成物にカーボンブラックなどの充填剤を添加する方法は特に限定されず、固形ゴムに対して添加して混練する方法(乾式混練法)、およびゴムの溶液に添加して凝固および乾燥させる方法(湿式混練法)などを適用することができる。
本発明のゴム組成物は、架橋剤をさらに含有していることが好ましい。架橋剤としては、特に限定されないが、例えば、硫黄、ハロゲン化硫黄、有機過酸化物、キノンジオキシム化合物、有機多価アミン化合物、およびメチロール基を有するアルキルフェノール樹脂などが挙げられる。中でも、硫黄が好ましく使用される。架橋剤の配合量は、ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、好ましくは0.1〜15重量部、より好ましくは0.5〜5重量部、特に好ましくは1〜4重量部である。架橋剤の配合量が上記範囲にあると、架橋が十分に行われ、得られるゴム架橋物の機械的特性が優れる。
架橋剤として、硫黄または含硫黄化合物を用いる場合には、架橋促進剤および架橋活性化剤を併用することが好ましい。架橋促進剤としては、特に限定されないが、例えば、スルフェンアミド系;グアニジン系;チオウレア系;チアゾール系;チウラム系;ジチオカルバミン酸塩系;キサントゲン酸系;などの各架橋促進剤を挙げることができるが、中でも、スルフェンアミド系架橋促進剤を含むものが好ましい。架橋活性化剤としては、特に限定されないが、例えば、酸化亜鉛;ステアリン酸などの高級脂肪酸;などが挙げられる。架橋促進剤および架橋活性化剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
架橋促進剤および架橋活性化剤の配合量は、ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、それぞれ、好ましくは0.05〜15重量部、より好ましくは0.5〜10重量部、特に好ましくは1〜5重量部である。架橋促進剤および架橋活性化剤の配合量が上記範囲にあると、架橋が十分に行われ、得られるゴム架橋物の機械的特性が優れる。
本発明のゴム組成物には、上述の成分以外に、老化防止剤、スコーチ防止剤、活性剤、プロセス油、可塑剤、滑剤、充填剤(上述したカーボンブラックを除く)、および粘着付与剤などの、ゴム加工分野において通常使用される配合剤を、配合目的に応じて、適宜配合できる。
本発明のゴム組成物を得るためには、常法に従って各成分を混練すればよい。例えば、架橋剤および架橋促進剤を除く配合剤とゴム成分とを混練後、その混練物に架橋剤および架橋促進剤を混合して目的のゴム組成物を得ることができる。架橋剤および架橋促進剤を除く配合剤とゴム成分との混練温度は、好ましくは60〜200℃、より好ましくは80〜180℃であり、その混練時間は、好ましくは30秒〜30分である。混練物と架橋剤および架橋促進剤との混合は、例えば、100℃以下、好ましくは80℃以下まで冷却した後に行われる。
本発明のゴム組成物は、例えば、架橋してタイヤとして用いることができるほか、耐衝撃性ポリスチレン、およびABS樹脂などの樹脂強化用ゴムなどとして用いることができる。
〔ゴム架橋物〕
本発明のゴム架橋物は、本発明のゴム組成物を架橋してなる。本発明のゴム組成物を用いて、タイヤなどのゴム製品(ゴム架橋物)を構成する場合の架橋および成形方法は、特に限定されず、架橋物の形状、および大きさなどに応じて選択すればよい。金型中に、架橋剤を配合したゴム組成物を充填して加熱することにより成形と同時に架橋してもよく、架橋剤を配合したゴム組成物を予め成形した後、それを加熱して架橋してもよい。成形時の温度は、好ましくは20〜140℃、より好ましくは40〜130℃である。架橋温度は、好ましくは120〜200℃、より好ましくは140〜180℃であり、架橋時間は、例えば、1〜120分である。
本発明のゴム架橋物は、例えば、タイヤ、ホース、窓枠、ベルト、靴底、防振ゴム、自動車部品、および免震ゴムなどのゴム製品に用いられる。中でも、本発明のゴム架橋物は、特に強度、低発熱性、およびウエットグリップ性に優れるので、タイヤ用途に好適に用いられる。本発明のゴム架橋物は、例えば、オールシーズンタイヤ、高性能タイヤ、およびスタッドレスタイヤなどの各種タイヤにおいて、トレッド、カーカス、サイドウォール、およびビード部などのタイヤ各部位への利用が可能であるが、特に低発熱性に優れるので、低燃費タイヤのトレッド用として、特に好適に用いられる。
以上のように、本発明に係る共役ジエン系ゴムは、上記課題を解決するために、一方の末端が活性末端であり、イソプレン単量体単位を70重量%以上有するイソプレンブロックを少なくとも他方の末端側に有する共役ジエン系重合体鎖から得られ、少なくとも一部の該共役ジエン系重合体鎖における該活性末端が、官能基として>C=O基を有する化合物により変性されてなる、ことを特徴としている。
また、本発明に係る共役ジエン系ゴムでは、上記共役ジエン系重合体鎖が、共役ジエン単量体単位50〜100重量%、および芳香族ビニル単量体単位50〜0重量%を含んでなることが好ましい。
また、本発明に係る共役ジエン系ゴムは、10〜100重量%の上記共役ジエン系重合体鎖が、上記>C=O基を有する化合物により変性されていることが好ましい。
また、本発明に係る共役ジエン系ゴムは、一部の上記共役ジエン系重合体鎖の上記活性末端が、上記活性末端と反応する反応点を1分子中に6以上有するカップリング剤によりカップリングされていることが好ましい。
また、本発明に係る共役ジエン系ゴムは、10〜95重量%の上記共役ジエン系重合体鎖が上記>C=O基を有する化合物により変性されており、90〜5重量%の上記共役ジエン系重合体鎖が上記カップリング剤を介して4分岐以上の構造体を形成していることが好ましい。
さらに、本発明によれば、上述の共役ジエン系ゴムを含有するゴム成分100重量部と、カーボンブラック10〜200重量部とを含有してなるゴム組成物が提供される。
また、本発明に係るゴム組成物は、架橋剤をさらに含有してなることが好ましい。
さらに本発明によれば、上述のゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物が提供される。
さらに本発明によれば、上述のゴム架橋物を含むタイヤが提供される。
以下に実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、各例中の部および%は、特に断りのない限り、重量基準である。
〔評価方法〕
各種の物性については、以下の方法に従って評価した。
(重量平均分子量、分子量分布、およびカップリング率)
重量平均分子量、分子量分布、およびカップリング率については、ゲルパーミエーションクロマトグラフィにより、ポリスチレン換算の分子量に基づくチャートを得て、そのチャートに基づいて求めた。なお、ゲルパーミエーションクロマトグラフィの具体的な測定条件は、以下の通りである。
測定器 :HLC−8020(東ソー社製)
カラム :GMH−HR−H(東ソー社製)2本を直列に連結した
検出器 :示差屈折計RI−8020(東ソー社製)
溶離液 :テトラヒドロフラン
カラム温度:40℃
カップリング率については、全溶出面積に対する、分子量の最も小さいピークが示すピークトップ分子量の3.5倍以上のピークトップ分子量を有するピーク部分の面積比を、共役ジエン系重合体鎖の4分岐以上のカップリング率として示す。
(変性率)
変性率は、上記ゲルパーミエーションクロマトグラフィの示差屈折計(RI)で屈折率の差を測定し、紫外可視分光光度計(UV)で吸収強度を測定し、その比(UV/RI)を求め、予め作製した検量線によって決定した。
検出器 :紫外線可視分光光度計UV−8020(東ソー社製)
(スチレン単位含有量およびビニル結合含有量)
スチレン単位含有量、およびビニル結合含有量については、H−NMRにより測定した。
(ムーニー粘度(ML1+4,100℃))
ムーニー粘度については、JIS K6300に従い、ムーニー粘度計(島津製作所社製)を用いて測定した。
(引張強さ)
引張強さについては、JIS K6301に従って、引張試験を行ない、300%伸張時の応力を測定した。この特性については、基準サンプルとして後述する比較例5の測定値を100とする指数で示した。この指数が大きいものほど、ゴム架橋物の引張強さに優れる。
(ウエットグリップ性)
ウエットグリップ性については、長さ50mm、幅12.7mm、厚さ2mmの試験片を、レオメトリックス社製ARESを用い、動的歪み0.5%、10Hzの条件で0℃におけるtanδを測定した。この特性については、基準サンプルとして後述する比較例5の測定値を100とする指数で示した。この指数が大きいものほど、ゴム架橋物をタイヤに用いた際のウエットグリップ性に優れる。
(低発熱性)
低発熱性については、長さ50mm、幅12.7mm、厚さ2mmの試験片を、レオメトリックス社製ARESを用い、動的歪み2.0%、10Hzの条件で60℃におけるtanδを測定した。この特性については、基準サンプルとして後述する比較例5の測定値を100とする指数で示した。この指数が小さいものほど、ゴム架橋物をタイヤに用いた際の低発熱性に優れる。
[開始剤1の調製]
窒素置換された800mlガラスボトルに、シクロヘキサン400g、およびテトラメチルエチレンジアミン76.8mmolを添加し、さらに、n−ブチルリチウム48.0mmolを添加した。次いで、イソプレン96gをゆっくりと添加し、60℃の温水槽内で120分間反応させることにより、開始剤1を得た。この開始剤1について、重量平均分子量、分子量分布、およびビニル結合含有量を測定した。これらの測定結果を表1に示す。
[開始剤2の調製]
窒素置換された800mlガラスボトルに、シクロヘキサン400g、およびテトラメチルエチレンジアミン30.7mmolを添加し、さらに、n−ブチルリチウム19.2mmolを添加した。次いで、イソプレン88gとスチレン8gとの混合溶液を撹拌しながらゆっくりと添加し、60℃の温水槽内で120分間反応させることにより、開始剤2を得た。この開始剤2について、重量平均分子量、分子量分布、スチレン単位含有量、およびビニル結合含有量を測定した。これらの測定結果を表1に示す。
〔実施例1:共役ジエン系ゴムIの調製〕
攪拌機付きオートクレーブに、窒素雰囲気下、シクロヘキサン4000g、1,3−ブタジエン357.7g、およびスチレン132.3gを仕込んだ後、開始剤1をリチウム量にして2.70mmol加え、40℃で重合を開始した。重合を開始してから10分経過後、1,3−ブタジエン195.3g、およびスチレン14.7gを60分かけて連続的に添加した。重合反応中の最高温度は60℃であった。連続添加終了後、さらに20分間重合反応を継続し、重合転化率が95%から100%の範囲になったことを確認してから、次いで、N−メチル−2−ピロリドン2.70mmolを20重量パーセント濃度のキシレン溶液の状態で添加し、30分間反応させた。その後、重合停止剤として、メタノール5.4mmolを添加して、共役ジエン系ゴムIを含有する溶液を得た。この溶液に、老化防止剤として、イルガノックス1520L(チバスペシャリティーケミカルズ社製)を、共役ジエン系ゴムI 100部に対して0.15部添加した後、スチームストリッピングにより溶媒を除去し、60℃で24時間真空乾燥して、固形状の共役ジエン系ゴムIを得た。
このゴムについて、重量平均分子量、分子量分布、カップリング率、変性率、スチレン単位含有量、ビニル結合含有量、およびムーニー粘度を測定した。これらの測定結果を表1に示す。
Figure 2012086496
〔実施例2:共役ジエン系ゴムIIの調製〕
攪拌機付きオートクレーブに、窒素雰囲気下、シクロヘキサン4000g、1,3−ブタジエン357.7g、およびスチレン132.3gを仕込んだ後、開始剤1をリチウム量にして4.12mmol加え、40℃で重合を開始した。重合を開始してから10分経過後、1,3−ブタジエン195.3g、およびスチレン14.7gを60分かけて連続的に添加した。重合反応中の最高温度は60℃であった。連続添加終了後、さらに20分間重合反応を継続し、重合転化率が95%から100%の範囲になったことを確認してから、次いで、1,2−ビス(トリクロロシリル)エタン0.14mmolを20重量パーセント濃度のシクロヘキサン溶液の状態で添加し、10分間反応させた。さらに、N−フェニル−2−ピロリドン4.12mmolを20重量パーセント濃度のキシレン溶液の状態で添加し、30分間反応させた。その後、重合停止剤として、メタノール8.2mmolを添加して、共役ジエン系ゴムIIを含有する溶液を得た。この溶液に、老化防止剤として、イルガノックス1520L(チバスペシャリティーケミカルズ社製)を、共役ジエン系ゴムII 100部に対して0.15部添加した後、スチームストリッピングにより溶媒を除去し、60℃で24時間真空乾燥して、固形状の共役ジエン系ゴムIIを得た。
このゴムについて、重量平均分子量、分子量分布、カップリング率、変性率、スチレン単位含有量、ビニル結合含有量、およびムーニー粘度を測定した。これらの測定結果を表1に示す。
〔実施例3:共役ジエン系ゴムIIIの調製〕
攪拌機付きオートクレーブに、窒素雰囲気下、シクロヘキサン4000g、1,3−ブタジエン357.7g、およびスチレン132.3gを仕込んだ後、開始剤2をリチウム量にして2.70mmol加え、40℃で重合を開始した。重合を開始してから10分経過後、1,3−ブタジエン195.3g、およびスチレン14.7gを60分かけて連続的に添加した。重合反応中の最高温度は60℃であった。連続添加終了後、さらに20分間重合反応を継続し、重合転化率が95%から100%の範囲になったことを確認してから、次いで、N−フェニル−2−ピロリドン2.70mmolを20重量パーセント濃度のキシレン溶液の状態で添加し、30分間反応させた。その後、重合停止剤として、メタノール5.4mmolを添加して、共役ジエン系ゴムIIIを含有する溶液を得た。この溶液に、老化防止剤として、イルガノックス1520L(チバスペシャリティーケミカルズ社製)を、共役ジエン系ゴムIII 100部に対して0.15部添加した後、スチームストリッピングにより溶媒を除去し、60℃で24時間真空乾燥して、固形状の共役ジエン系ゴムIIIを得た。
このゴムについて、重量平均分子量、分子量分布、カップリング率、変性率、スチレン単位含有量、ビニル結合含有量、およびムーニー粘度を測定した。これらの測定結果を表1に示す。
〔実施例4:共役ジエン系ゴムIVの調製〕
攪拌機付きオートクレーブに、窒素雰囲気下、シクロヘキサン4000g、1,3−ブタジエン357.7g、およびスチレン132.3gを仕込んだ後、開始剤2をリチウム量にして4.12mmol加え、40℃で重合を開始した。重合を開始してから10分経過後、1,3−ブタジエン195.3g、およびスチレン14.7gを60分かけて連続的に添加した。重合反応中の最高温度は60℃であった。連続添加終了後、さらに20分間重合反応を継続し、重合転化率が95%から100%の範囲になったことを確認してから、次いで、1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサン0.11mmolを20重量パーセント濃度のシクロヘキサン溶液の状態で添加し、10分間反応させた。さらに、N−メチル−2−ピロリドン4.12mmolを20重量パーセント濃度のキシレン溶液の状態で添加し、30分間反応させた。その後、重合停止剤として、メタノール8.2mmolを添加して、共役ジエン系ゴムIVを含有する溶液を得た。この溶液に、老化防止剤として、イルガノックス1520L(チバスペシャリティーケミカルズ社製)を、共役ジエン系ゴムIV 100部に対して0.15部添加した後、スチームストリッピングにより溶媒を除去し、60℃で24時間真空乾燥して、固形状の共役ジエン系ゴムIVを得た。
このゴムについて、重量平均分子量、分子量分布、カップリング率、変性率、スチレン単位含有量、ビニル結合含有量、およびムーニー粘度を測定した。これらの測定結果を表1に示す。
〔比較例1:共役ジエン系ゴムiの調製〕
攪拌機付きオートクレーブに、窒素雰囲気下、シクロヘキサン4000g、1,3−ブタジエン357.7g、およびスチレン132.3gを仕込んだ後、開始剤1をリチウム量にして4.12mmol加え、40℃で重合を開始した。重合を開始してから10分経過後、1,3−ブタジエン195.3g、およびスチレン14.7gを60分かけて連続的に添加した。重合反応中の最高温度は60℃であった。連続添加終了後、さらに20分間重合反応を継続し、重合転化率が95%から100%の範囲になったことを確認してから、次いで、四塩化錫4.12mmolを20重量パーセント濃度のシクロヘキサン溶液の状態で添加し、30分間反応させた。その後、重合停止剤として、メタノール8.2mmolを添加して、共役ジエン系ゴムiを含有する溶液を得た。この溶液に、老化防止剤として、イルガノックス1520L(チバスペシャリティーケミカルズ社製)を、共役ジエン系ゴムi 100部に対して0.15部添加した後、スチームストリッピングにより溶媒を除去し、60℃で24時間真空乾燥して、固形状の共役ジエン系ゴムiを得た。
このゴムについて、重量平均分子量、分子量分布、カップリング率、変性率、スチレン単位含有量、ビニル結合含有量、およびムーニー粘度を測定した。これらの測定結果を表1に示す。
〔比較例2:共役ジエン系ゴムiiの調製〕
攪拌機付きオートクレーブに、窒素雰囲気下、シクロヘキサン4000g、1,3−ブタジエン357.7g、およびスチレン132.3gを仕込んだ後、テトラエチレンジアミン6.6mmolを加え、さらに、n−ブチルリチウム4.1mmolを加え、40℃で重合を開始した。重合を開始してから10分経過後、1,3−ブタジエン195.3g、およびスチレン14.7gを60分かけて連続的に添加した。重合反応中の最高温度は60℃であった。連続添加終了後、さらに20分間重合反応を継続し、重合転化率が95%から100%の範囲になったことを確認してから、次いで、四塩化錫4.12mmolを20重量パーセント濃度のシクロヘキサン溶液の状態で添加し、30分間反応させた。その後、重合停止剤として、メタノール8.2mmolを添加して、共役ジエン系ゴムiiを含有する溶液を得た。この溶液に、老化防止剤として、イルガノックス1520L(チバスペシャリティーケミカルズ社製)を、共役ジエン系ゴムii 100部に対して0.15部添加した後、スチームストリッピングにより溶媒を除去し、60℃で24時間真空乾燥して、固形状の共役ジエン系ゴムiiを得た。
このゴムについて、重量平均分子量、分子量分布、カップリング率、変性率、スチレン単位含有量、ビニル結合含有量、およびムーニー粘度を測定した。これらの測定結果を表1に示す。
〔比較例3:共役ジエン系ゴムiiiの調製〕
攪拌機付きオートクレーブに、窒素雰囲気下、シクロヘキサン4000g、1,3−ブタジエン357.7g、およびスチレン132.3gを仕込んだ後、テトラエチレンジアミン6.6mmolを加え、さらに、n−ブチルリチウム4.1mmolを加え、40℃で重合を開始した。重合を開始してから10分経過後、1,3−ブタジエン195.3g、およびスチレン14.7gを60分かけて連続的に添加した。重合反応中の最高温度は60℃であった。連続添加終了後、さらに20分間重合反応を継続し、重合転化率が95%から100%の範囲になったことを確認してから、次いで、N−フェニル−2−ピロリドン4.12mmolを20重量パーセント濃度のキシレン溶液の状態で添加し、30分間反応させた。その後、重合停止剤として、メタノール8.2mmolを添加して、共役ジエン系ゴムiiiを含有する溶液を得た。この溶液に、老化防止剤として、イルガノックス1520L(チバスペシャリティーケミカルズ社製)を、共役ジエン系ゴムiii 100部に対して0.15部添加した後、スチームストリッピングにより溶媒を除去し、60℃で24時間真空乾燥して、固形状の共役ジエン系ゴムiiiを得た。
このゴムについて、重量平均分子量、分子量分布、カップリング率、変性率、スチレン単位含有量、ビニル結合含有量、およびムーニー粘度を測定した。これらの測定結果を表1に示す。
〔実施例5:共役ジエン系ゴムIを含むゴム組成物の特性の評価〕
容積250mlのバンバリーミキサーを用いて、実施例1で得た共役ジエン系ゴムI 70部とブタジエンゴム(商品名「BR1220」 日本ゼオン社製)30部とを素練りし、それに、カーボンブラック(商品名「シースト6」、東海カーボン社製、窒素吸着比表面積(BET法):119m/g)50部、プロセスオイル(商品名「フッコール エラミック30」、新日本石油社製)10部、酸化亜鉛3部、ステアリン酸2部、および老化防止剤(N−フェニル−N´−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、商品名「ノクラック6C」、大内新興化学工業社製)2部を添加して、80℃を開始温度として3分間混練した後、バンバリーミキサーからゴム組成物を排出させた。混練終了時のゴム組成物の温度は120℃であった。次いで、50℃のオープンロールを用いて、得られたゴム組成物と、硫黄1.5部および架橋促進剤(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(商品名「ノクセラーCZ−G」、大内新興化学工業社製))1.1部とを混練した後、シート状のゴム組成物を取り出した。
このゴム組成物を、160℃で15分間プレス架橋して各試験片を作製し、この各試験片について、引張強さ、ウエットグリップ性、および低発熱性の評価を行なった。表2にその結果を示す。
Figure 2012086496
[実施例6〜8(共役ジエン系ゴムII〜IV)、および比較例4〜6(共役ジエン系ゴムi〜iii)の評価]
共役ジエン系ゴムIに代えて、実施例2で得た共役ジエン系ゴムII(実施例6)、実施例3で得た共役ジエン系ゴムIII(実施例7)、実施例4で得た共役ジエン系ゴムIV(実施例8)、比較例1で得た共役ジエン系ゴムi(比較例4)、比較例2で得た共役ジエン系ゴムii(比較例5)、比較例3で得た共役ジエン系ゴムiii(比較例6)をそれぞれ同量用いたこと以外は、実施例5と同様の方法でゴム組成物を得て、試験片の評価を行った。表2にその結果を示す。
以上の結果から以下のようなことが分かった。すなわち、本発明の共役ジエン系ゴムに該当する実施例1〜4の共役ジエン系ゴムを含有してなる本発明のゴム組成物(実施例5〜8)は、イソプレンブロックを有している分子末端と異なる側の分子末端が、四塩化錫によって変性されている比較例1の共役ジエン系ゴムを含有してなるゴム組成物(比較例4)、および変性剤によって変性されている分子末端と異なる側の分子末端にイソプレンブロックを有していない比較例2,3の共役ジエン系ゴムを含有してなるゴム組成物(比較例5、6)に比して、その架橋物(タイヤに相当する)の引張強さ、低発熱性、およびウエットグリップ性のいずれにも優れていた。
本発明は、ゴムおよび樹脂などを利用するあらゆる工業分野において利用可能であり、とりわけ、タイヤなどのゴム製品に好適に利用可能である。

Claims (9)

  1. 一方の末端が活性末端であり、イソプレン単量体単位を70重量%以上有するイソプレンブロックを少なくとも他方の末端側に有する共役ジエン系重合体鎖から得られ、少なくとも一部の該共役ジエン系重合体鎖における該活性末端が、官能基として>C=O基を有する化合物により変性されてなる、共役ジエン系ゴム。
  2. 上記共役ジエン系重合体鎖が、共役ジエン単量体単位50〜100重量%、および芳香族ビニル単量体単位50〜0重量%を含んでなる、請求項1に記載の共役ジエン系ゴム。
  3. 10〜100重量%の上記共役ジエン系重合体鎖が、上記>C=O基を有する化合物により変性されている、請求項1または2に記載の共役ジエン系ゴム。
  4. 一部の上記共役ジエン系重合体鎖は、上記活性末端において、上記活性末端と反応する反応点を1分子中に6以上有するカップリング剤と反応することにより、カップリングされている、請求項1または2に記載の共役ジエン系ゴム。
  5. 10〜95重量%の上記共役ジエン系重合体鎖が上記>C=O基を有する化合物により変性されており、90〜5重量%の上記共役ジエン系重合体鎖が上記カップリング剤を介して4分岐以上の構造体を形成している、請求項4に記載の共役ジエン系ゴム。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の共役ジエン系ゴムを含有するゴム成分100重量部と、カーボンブラック10〜200重量部とを含有してなる、ゴム組成物。
  7. 架橋剤をさらに含有してなる、請求項6に記載のゴム組成物。
  8. 請求項7に記載のゴム組成物を架橋してなる、ゴム架橋物。
  9. 請求項8に記載のゴム架橋物を含む、タイヤ。
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