JPWO2012063309A1 - エンジン始動装置 - Google Patents

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Abstract

エンジン始動装置(100)は、エンジン(200)をクランキングするためのクランキングベーストルクとダンパ(700)の共振による動力伝達系の振動を抑制するための制振トルクとの和を、エンジンをクランキングする際にモータ(MG1)が出力すべき目標トルクとして設定する目標トルク設定手段と、設定された目標トルクが出力されるようにモータを制御するモータ制御手段とを備える。目標トルク設定手段は、エンジンのエンジン回転数が所定のエンジン回転数以下である場合には、クランキングベーストルクを第1トルク値に設定し、エンジン回転数が所定のエンジン回転数よりも大きい場合には、クランキングベーストルクが、エンジンのピストンが上死点又は圧縮行程に位置する時点において減少し始め、ピストンが膨張行程に位置する時点において第1トルク値よりも小さい第2トルク値になるように、クランキングベーストルクを制御するベーストルク制御手段を有する。

Description

本発明は、例えばハイブリッド車両等のエンジン及びモータを備える車両において、エンジンを始動させるエンジン始動装置の技術分野に関する。
この種の装置として、ダンパを介してエンジン(内燃機関)のクランクシャフトに接続されたモータジェネレータによってエンジンをモータリング或いはクランキングするものが知られている(例えば特許文献1及び2参照)。
例えば特許文献1には、エンジンに供給する燃料が少なくなった状態でエンジンをモータリングして始動できる回数をより多くするための技術が開示されている。例えば特許文献2には、エンジンを始動する際、ダンパのねじれ角に基づいてエンジンへの燃料噴射と点火を開始する技術が開示されている。
他方、エンジンの動力を伝達する動力伝達系(パワートレイン)にダンパが含まれる場合、エンジンの始動時のトルク変動によってダンパの共振が発生し、動力伝達系の振動が悪化するおそれがある。このようなダンパの共振による動力伝達系の振動の悪化を抑制するために、エンジンをクランキングする際、クランキングするための、言い換えれば、エンジンの回転数を上昇させるためのトルク(以下「クランキングベーストルク」と適宜称する)に加えて、ダンパの共振を抑制するための制振トルクをモータからエンジンに与える技術が知られている。制振トルクは、例えば、エンジンのピストンの位置に応じて変動するように制御される。
特開2008−285085号公報 特開2010−96096号公報
しかしながら、クランキングベーストルクに制振トルクを加えたトルクをモータから出力させる場合には、クランキングベーストルク及び制振トルクの経時変化によっては、クランキングベーストルクのみをモータから出力させる場合よりも、モータが出力すべきトルクの最大値が大きくなり、モータの消費電力が増大してしまうおそれがある。このため、モータに電力を供給するバッテリの定格出力(即ち、バッテリが出力可能な電力の最大値)を大きくせざるを得ず、バッテリの小型化を図ることが困難であるという技術的問題点がある。
本発明は、例えば前述した従来の問題点に鑑みなされたものであり、例えば、エンジン始動時における、ダンパの共振による動力伝達系の振動を抑制できるとともに、モータの消費電力を抑制できるエンジン始動装置を提供することを課題とする。
本発明に係るエンジン始動装置は、上記課題を解決するために、エンジンと、前記エンジンをクランキング可能なモータと、前記エンジンの動力を駆動輪に伝達する、ダンパを含む動力伝達系と、前記モータに電力を供給可能なバッテリとを備えた車両に搭載され、前記エンジンをクランキングするためのクランキングベーストルクと前記ダンパの共振による前記動力伝達系の振動を抑制するための制振トルクとの和を、前記エンジンをクランキングする際に前記モータが出力すべき目標トルクとして設定する目標トルク設定手段と、前記設定された目標トルクが出力されるように前記モータを制御するモータ制御手段とを備え、前記目標トルク設定手段は、前記エンジンのエンジン回転数が前記所定のエンジン回転数以下である場合には、前記クランキングベーストルクを第1トルク値に設定し、前記エンジン回転数が前記所定のエンジン回転数よりも大きい場合には、前記クランキングベーストルクが、前記エンジンのピストンが上死点又は圧縮行程に位置する時点において減少し始め、前記ピストンが膨張行程に位置する時点において前記第1トルク値よりも小さい第2トルク値になるように、前記クランキングベーストルクを制御するベーストルク制御手段を有する。
本発明に係るエンジン始動装置によれば、エンジンを始動させる際、モータからエンジンに目標トルクが出力されるように、モータ制御手段によってモータが制御され、エンジンがクランキングされる。
目標トルクは、目標トルク設定手段によって設定される。目標トルク設定手段は、クランキングベーストルクと制振トルクとの和を目標トルクとして設定する。クランキングベーストルクは、エンジンをクランキングするために、言い換えれば、エンジンのエンジン回転数を増大させるためにモータが出力すべきトルクであり、ベーストルク制御手段によって制御される。ここで、本発明に係る「エンジン回転数」は、エンジンのクランクシャフトの単位時間当たりの回転数を意味し、エンジンのクランクシャフトの回転速度あるいはエンジンのピストンの移動速度に相当する。制振トルクは、ダンパの共振による動力伝達系の振動を抑制するためにモータが出力すべきトルクであり、典型的には、エンジンのピストンの位置に応じて変動するように制御される。制御トルクは、エンジンのピストンが圧縮行程に位置する場合(言い換えれば、ピストンが下死点から上死点へ移動する期間)と、エンジンのピストンが膨張行程に位置する場合(言い換えれば、ピストンが上死点から下死点へ移動する期間)とで、互いにトルクの方向が異なるように制御される。より具体的には、制御トルクは、ピストンが圧縮行程に位置する場合には、モータが出力するトルクを減少させるように制御され、ピストンが膨張行程に位置する場合には、モータが出力するトルクを増大させるように制御される。このような制振トルクをエンジンに付与することにより、ダンパの共振による動力伝達系の振動を抑制できる。
本発明では特に、ベーストルク制御手段は、(i)エンジン回転数が所定のエンジン回転数よりも小さい場合には、クランキングベーストルクを第1トルク値に設定し、(ii)エンジン回転数が所定のエンジン回転数以上である場合には、クランキングベーストルクが、エンジンのピストンが上死点又は圧縮行程に位置する時点において減少し始め、ピストンが圧縮行程に続く膨張行程に位置する時点において第1トルク値よりも小さい第2トルク値になるようにクランキングベーストルクを制御する。即ち、クランキングベーストルクは、エンジン回転数が所定のエンジン回転数に上昇するまでは、第1トルク値に設定され、エンジン回転数が所定のエンジン回転数に達した後には、ピストンが上死点又は圧縮行程に位置する時点(典型的には、エンジン回転数が所定の回転数に達した後にピストンが最初に上死点又は圧縮工程に位置する時点)において減少し始め、圧縮行程に続く膨張行程において第1トルク値よりも小さい第2トルク値になるように制御される。
よって、例えば、エンジン回転数が所定のエンジン回転数に達した後の膨張行程においてもクランキングベーストルクが第1トルク値に設定される場合と比較して、エンジン回転数が所定のエンジン回転数に達した後の膨張行程におけるモータの消費電力を低減できる。したがって、モータに電力を供給するバッテリの定格出力(即ち、バッテリが出力可能な電力の最大値)を小さくすることができ、バッテリの小型化を図ることが可能となる。なお、前述したように、制振トルクは、典型的には、ピストンが圧縮行程に位置する場合には、モータが出力するトルクを減少させるように制御され、ピストンが膨張行程に位置する場合には、モータが出力するトルクを増大させるように制御されるので、仮に、クランキングベーストルクが圧縮行程と膨張行程とで同じトルク値に設定される場合には、目標トルクは膨張行程において最大になる。
ここで、膨張行程では、圧縮行程において気筒内で圧縮された空気が膨張することによりクランクシャフトの回転が加速される。このため、膨張行程では、圧縮行程よりもエンジン回転数が増大しやすい。そこで、本発明では、膨張行程において圧縮空気が膨張することによりクランクシャフトの回転が加速される分、膨張行程におけるクランキングベーストルクを、圧縮行程におけるクランキングベーストルクよりも小さくする。これにより、エンジン回転数を増大させつつ、膨張行程におけるモータの消費電力の無駄な増大を回避できる。
以上説明したように、本発明に係るエンジン始動装置によれば、エンジン始動時における、ダンパの共振による動力伝達系の振動を抑制できるとともに、モータの消費電力を抑制できる。
本発明に係るエンジン始動装置の一態様では、前記ベーストルク制御手段は、前記クランキングベーストルクが、前記ピストンが前記圧縮行程に位置する期間の少なくとも一部において前記第1トルク値よりも大きくなるように、前記クランキングベーストルクを制御する。
この態様によれば、ピストンが圧縮行程に位置する期間において、エンジン回転数の上昇がエンジンの気筒内の圧縮された空気によって抑制されてしまうことを低減或いは防止できる。このため、ピストンが圧縮行程に位置する期間と該圧縮行程に続く膨張行程に位置する期間とでエンジン回転数の上昇率の差が大きくなることを抑制できるので、動力伝達系の振動も抑制できる。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
第1実施形態に係るハイブリッド車両の構成を概念的に示す概略構成図である。 第1実施形態に係るMG1指令トルクの設定方法の概要を説明するための概念図である。 第1実施形態に係るクランキングベーストルクの制御の流れを示すフローチャートである。 第1実施形態におけるクランキングベーストルク及びエンジン回転数の経時変化の一例を示すグラフである。 比較例に係るMG1指令トルクの設定方法の概要を説明するための概念図である。 第2実施形態に係るクランキングベーストルクの制御の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態におけるクランキングベーストルク及びエンジン回転数の経時変化の一例を示すグラフである。 第3実施形態に係るクランキングベーストルクの制御の流れを示すフローチャートである。 第3実施形態におけるクランキングベーストルク及びエンジン回転数の経時変化の一例を示すグラフである。 比較例に係るクランキングベーストルク及びエンジン回転数の経時変化の一例を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態に係るエンジン始動装置について、図1から図4を参照して説明する。
先ず、本実施形態に係るエンジン始動装置が適用されたハイブリッド車両の全体構成について、図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るハイブリッド車両の構成を概念的に示す概略構成図である。
図1において、本実施形態に係るハイブリッド車両10は、ECU(Electronic Control Unit)100、エンジン200、モータジェネレータMG1、モータジェネレータMG2、動力分配機構300、PCU(Power Control Unit)400、バッテリ500、伝達機構600、ディファレンシャルギア610、伝達軸620、ダンパ700、クランクポジションセンサ810、駆動輪FR及びFLを備えている。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、ハイブリッド車両10の動作全体を制御することが可能に構成された電子制御ユニットである。ECU100は、例えばROM等に格納された制御プログラムに従って、ハイブリッド車両10における各種制御を実行可能に構成されている。ECU100は、本発明に係る「エンジン始動装置」の一例として機能する。具体的には、ECU100は、本発明に係る「目標トルク設定手段」及び「モータ制御手段」」の各々の一例として機能する。
エンジン200は、レシプロエンジンであり、ハイブリッド車両10の動力源として機能するように構成されている。エンジン200は、シリンダブロックに複数の気筒が配置された構成を有している。更に、エンジン200は、各気筒内における圧縮行程において燃料を含む混合気が圧縮され、該圧縮された混合気が自発的に又はスパークプラグ等の点火動作によって着火した際に生じる力が、ピストン及びコネクティングロッドを介してクランクシャフト210の回転運動に変換される構成となっている。このクランクシャフト210の回転が、動力分配機構300及び伝達機構600を介して駆動輪FR及びFLに伝達されることにより、ハイブリッド車両10の走行が可能となる。尚、本発明に係る「エンジン」とは、例えば2サイクル又は4サイクルレシプロエンジン等を含み、少なくとも一の気筒を有し、当該気筒内部の燃焼室において、例えばガソリン、軽油或いはアルコール等の各種燃料を含む混合気が燃焼した際に発生する力を、例えばピストン、コネクティングロッド及びクランクシャフト等の物理的又は機械的な伝達手段を適宜介して駆動力として取り出すことが可能に構成されたエンジン(内燃機関)を包括する概念である。係る概念を満たす限りにおいて、本発明に係る「エンジン」の構成は、エンジン200のものに限定されず各種の態様を有してよい。
エンジン200には、クランクポジションセンサ810が設けられている。クランクポジションセンサ810は、クランクシャフト210の回転角度であるクランク角CA及び単位時間当たりの回転数であるエンジン回転数Neを検出可能に構成されている。クランクポジションセンサ810は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたクランク角CA及びエンジン回転数Neは、ECU100によって一定又は不定の周期で把握される構成となっている。
モータジェネレータMG1は、電動発電機であり、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを有している。モータジェネレータMG1は、バッテリ500を充電するための発電機或いはモータジェネレータMG2に電力を供給するための発電機、及びエンジン200をクランキングするための電動機として機能するように構成されている。なお、モータジェネレータMG1は、本発明に係る「モータ」の一例である。
モータジェネレータMG2は、モータジェネレータMG1と同様に、電動発電機であり、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能と有している。モータジェネレータMG2は、主としてエンジン200の出力をアシスト(補助)する電動機として機能するように構成され、動力分配機構300、伝達機構600、ディファレンシャルギア610及び伝達軸620を介して駆動輪FL及びFRに動力を伝達することができるように構成されている。
尚、前述したモータジェネレータMG1及びMG2は、例えば同期電動発電機として構成され、例えば外周面に複数個の永久磁石を有するロータと、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータとを備える構成を有するが、他の構成を有していてもよい。
動力分配機構300は、キャリア310、第1遊星ギア機構320、リングギア330、ペラ軸340、リングギア350及び第2遊星ギア機構360を備えている。
第1遊星ギア機構320は、モータジェネレータMG1の回転軸に共回り可能に連結されるサンギア321と、キャリア310に連結されるプラネタリギア322とを有している。エンジン200のクランクシャフト210は、ダンパ700及びキャリア310を介して、第1遊星ギア機構320のプラネタリギア322に連結されている。プラネタリギア322は、第1遊星ギア機構320の外周にあるリングギア330に連結される。
このため、エンジン200の回転(即ち、クランクシャフト210の回転)は、キャリア310及びプラネタリギア322を介してサンギア321及びリングギア330に伝達され、エンジン200の出力トルクが2系統に分割される。
リングギア330の回転軸であるペラ軸340は、伝達機構600に連結されており、この伝達機構600を介して駆動輪FL及びFRにエンジン200からの出力トルクが伝達される。
ペラ軸340のリングギア330に連結される端部とは反対の端部は、第2遊星ギア機構360のプラネタリギア362に連結されるリングギア350に連結される。
第2遊星ギア機構360のサンギア361は、モータジェネレータMG2の回転軸に連結され、モータジェネレータMG2の回転をペラ軸340に伝達する。
PCU400は、バッテリ500から取り出した直流電力を交流電力に変換してモータジェネレータMG1及びMG2に供給すると共に、モータジェネレータMG1及びMG2によって発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ500に供給することが可能に構成されたインバータ等を含み、バッテリ500と各モータジェネレータとの間の電力の入出力を個別に制御することが可能に構成された制御ユニットである。PCU400は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100によってその動作が制御される構成となっている。
バッテリ500は、モータジェネレータMG1及びMG2を力行するための電力に係る電力供給源として機能する充電可能な蓄電池である。
伝達機構600は、動力分配機構300と連結され、エンジン200及びモータジェネレータMG2から出力されたトルクをディファレンシャルギア610及び伝達軸620を介して駆動輪FL及びFRに伝達するための機構である。
ダンパ700は、例えばトーショナルダンパであり、クランクシャフト210と動力分配機構300との間に設けられ、これらの間のトルク振動を減衰する機能を有する。
駆動輪FL及びFRは、伝達機構600を介して伝達されるトルクを路面に伝達する車輪であり、図1においては左右一輪ずつ示されている。ハイブリッド車両10は、実際には、駆動輪FL及びFRを含む前後左右に一輪ずつ計4個の車輪を備えている。
次に、ハイブリッド車両10におけるエンジン200の始動について、図2を参照して説明する。
図1を参照して前述したように構成されたハイブリッド車両10において、エンジン200の始動時には、ECU100の制御下で、モータジェネレータMG1によるエンジン200のクランキングが行われる。具体的には、ECU100は、エンジン200をクランキングする際にモータジェネレータMG1が出力すべき目標トルクであるMG1指令トルクを設定し、このMG1指令トルクが出力されるようにモータジェネレータMG1を制御する。
図2は、本実施形態に係るMG1指令トルクの設定方法の概要を説明するための概念図である。なお、図2には、クランキングベーストルクの経時変化の一例を示すグラフ、制振トルクの経時変化の一例を示すグラフ、及びMG1指令トルクの経時変化の一例を示すグラフが示されている。
図2に示すように、ECU100は、クランキングベーストルクと制振トルクとの和をMG1指令トルクとして設定する。
クランキングベーストルクは、エンジン200をクランキングするために、言い換えれば、エンジン200のエンジン回転数Neを増大させるためにモータジェネレータMG1が出力すべきトルクである。クランキングベーストルクは、基本的には、クランキングの初期においては第1トルク値BT1に設定され、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Ne1よりも大きくなった後に第2トルク値BT2になるように制御される。なお、クランキングベーストルクの制御については、後に詳細に説明する。
制振トルクは、ダンパ700の共振によるパワートレイン(即ち、エンジン200の動力を駆動輪FL及びFRまで伝達する、ダンパ700、動力分配機構300、伝達機構600等を含む動力伝達系)の振動を抑制するためにモータジェネレータMG1が出力すべきトルクである。制振トルクは、エンジン200のピストンの位置に応じて変動するように制御される。制御トルクは、エンジン200のピストンが圧縮行程に位置する場合と、エンジン200のピストンが膨張行程に位置する場合とで、互いにトルクの方向が異なるように制御される。より具体的には、図2に示すように、制御トルクは、エンジン200のピストンが圧縮行程に位置する場合には、モータジェネレータMG1が出力するトルクを減少させるように制御され、エンジン200のピストンが膨張行程に位置する場合には、モータジェネレータMG1が出力するトルクを増大させるように制御される。つまり、エンジン200のピストンが圧縮行程に位置する場合には、制振トルクは負のトルク値に設定され、エンジン200のピストンが膨張行程に位置する場合には、正のトルク値に設定される。なお、図2では、エンジン200をクランキングするようにモータジェネレータMG1を回転させる方向のトルク値を正とし、この方向とは逆に回転させる方向のトルク値を負としている。このような制振トルクをエンジン200に付与することにより、ダンパ700の共振によるパワートレインの振動を抑制できる。
次に、本実施形態に係るクランキングベーストルクの制御について、図3及び図4を参照して詳細に説明する。
図3は、本実施形態に係るクランキングベーストルクの制御の流れを示すフローチャートである。図4は、本実施形態におけるクランキングベーストルク及びエンジン回転数の経時変化の一例を示すグラフである。なお、図4において、クランキングベーストルクの経時変化の一例を示すグラフには、エンジン200の気筒内の圧力である筒内圧Pの経時変化の一例も示されている。
図3及び図4において、エンジン200のクランキングが開始されると、エンジン回転数NeがECU100によって取得される(ステップS10)。即ち、ECU100は、クランクポジションセンサ810によって検出されたエンジン回転数Neをクランクポジションセンサ810から取得する。なお、図2を参照して前述したように、クランキングベーストルクは、クランキングの初期においては第1トルク値BT1に設定される。モータジェネレータMG1からトルクが付与されることによりエンジン200のエンジン回転数が増大する。
次に、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Ne1よりも大きいか否かがECU100によって判定される(ステップS20)。なお、図4では、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Ne1に達する時点を時点Te1として示してある。
エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Ne1よりも大きいと判定された場合には(ステップS20:Yes)、クランク角CAがECU100によって取得される(ステップS30)。即ち、ECU100は、クランクポジションセンサ810によって検出されたクランク角CAをクランクポジションセンサ810から取得する。
次に、エンジン200のピストンが上死点(TDC:Top Dead Center)に位置するか否かがECU100によって判定される(ステップS40)。ECU100は、エンジン200のピストンが上死点に位置するか否かを、取得したクランク角CAに基づいて判定する。なお、図4では、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Ne1に達する時点Te1の後に、エンジン200のピストンが最初に上死点に位置する時点を時点Ttdc1として示してある。
エンジン200のピストンが上死点に位置すると判定された場合には(ステップS40:Yes)、クランキングベーストルクの立ち下げフラグがECU100によってオン(ON)状態にされる(ステップS60)。ここで、クランキングベーストルクの立ち下げフラグは、クランキングベーストルクを現在のトルク値から減少させるか否かを示すフラグである。ECU100は、クランキングベーストルクの立ち下げフラグがON状態である場合には、クランキングベーストルクを現在のトルク値から減少させ、クランキングベーストルクの立ち下げフラグがオフ(OFF)状態である場合には、クランキングベーストルクを現在のトルク値のまま維持する。即ち、ECU100は、エンジン200のピストンが上死点に位置すると判定すると、クランキングベーストルクの立ち下げフラグをON状態にし、クランキングベーストルクを第1トルク値BT1から減少させる。より具体的には、図4に示すように、ECU100は、クランキングベーストルクを、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Ne1よりも大きくなった後(即ち、時点Tne1の後)に最初にエンジン200のピストンが上死点に位置する時点Ttdc1において第1トルク値BT1から減少し始め、この上死点の後の膨張行程中に第2トルク値BT2になるように制御する。
よって、例えば、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Ne1に達した後の膨張行程においてもクランキングベーストルクが第1トルク値BT1に設定される場合と比較して、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Ne1に達した後の膨張行程におけるモータジェネレータMG1の消費電力を低減できる。したがって、モータジェネレータMG1に電力を供給するバッテリ500の定格出力(即ち、バッテリ500が出力可能な電力の最大値)を小さくすることができ、バッテリ500の小型化を図ることが可能となる。バッテリ500を小型化することにより、ハイブリッド車両10の車両重量を軽減でき、燃費の向上やコストの低減も可能である。
エンジン200のピストンが上死点に位置しないと判定された場合には(ステップS40:No)、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Ne2よりも大きいか否かがECUによって判定される(ステップS50)。
エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Ne2よりも大きいと判定された場合には(ステップS50:Yes)、クランキングベーストルクの立ち下げフラグがECU100によってON状態にされる(ステップS60)。
エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Ne2よりも大きくない(即ち、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Ne2以下である)と判定された場合には(ステップS50:No)、クランキングベーストルクの立ち下げフラグがECU100によってOFF状態にされる(ステップS70)。即ち、ECU100は、クランキングベーストルクを第1トルク値BT1のまま維持する。
一方、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Ne1よりも大きくないと判定された場合には(ステップS20:No)、クランキングベーストルクの立ち下げフラグがECU100によってOFF状態にされる(ステップS70)。
次に、図5を参照して比較例に係るエンジン始動装置によるMG1指令トルクの設定方法について説明するとともに、本実施形態に係るクランキングベーストルクの制御による効果について説明を加える。
図5は、比較例に係るMG1指令トルクの設定方法の概要を説明するための概念図である。なお、図5には、比較例におけるクランキングベーストルクの経時変化の一例を示すグラフ、比較例における制振トルクの経時変化の一例を示すグラフ、及び比較例におけるMG1指令トルクの経時変化の一例を示すグラフが示されている。
図5に示すように、比較例に係るエンジン始動装置は、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Ne1に達した後(即ち、時点Tne1後)の膨張行程においてもクランキングベーストルクを第1トルク値BT1に設定する点で、本実施形態に係るエンジン始動装置と異なり、その他の点については、本実施形態に係るエンジン始動装置と概ね同様に構成されている。
このような比較例によれば、MG1指示トルクは、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Ne1に達した時点Tne1後の膨張行程において最大となる(図5の破線円C1により囲まれる部分参照)。このため、モータジェネレータMG1が出力すべきパワー、言い換えれば、モータジェネレータMG1の消費電力(即ち、MG1消費電力)も時点Tne1後の膨張行程において最大となる(図5の破線円C2により囲まれる部分参照)。
ここで、膨張行程では、圧縮行程において気筒内で圧縮された空気が膨張することによりクランクシャフトの回転が加速されるので、この比較例のようにクランキングベーストルクを膨張行程においても圧縮行程と同じ第1トルク値BT1のまま維持すると、クランクシャフトの回転を無駄に加速させることになる。つまり、比較例によれば、このようなクランクシャフトの回転の無駄な加速のためにMG1消費電力が増大している。この結果、バッテリの定格出力を小さくすることが困難になる。
しかるに本実施形態によれば、前述したように、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Ne1よりも大きくなった後(即ち、時点Tne1の後)に最初にエンジン200のピストンが上死点に位置する時点Ttdc1において第1トルク値BT1から減少し始め、この上死点の後の膨張行程中に第2トルク値BT2になるように制御するので、この膨張行程中のモータジェネレータMG1の消費電力を低減でき、バッテリ500の定格出力を小さくすることができる。
以上説明したように、本実施形態に係るエンジン始動装置によれば、エンジン200の始動時における、ダンパ700の共振によるパワートレインの振動を抑制できるとともに、モータジェネレータMG1の消費電力を抑制できる。
<第2実施形態>
第2実施形態に係るエンジン始動装置について、図6及び図7参照して説明する。
図6は、第2実施形態に係るクランキングベーストルクの制御の流れを示すフローチャートである。図7は、第2実施形態におけるクランキングベーストルク及びエンジン回転数の経時変化の一例を示すグラフである。なお、図6において、図4に示した第1実施形態に係るクランキングベーストルクの制御と同様のステップには、同一のステップ番号を付し、それらの説明は適宜省略する。
図7において、第2実施形態に係るエンジン始動装置は、クランキングベーストルクを、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Ne1よりも大きくなった後(即ち、時点Tne1の後)に最初にエンジン200のピストンが圧縮行程に位置する時点Tcs1において第1トルク値BT1から減少し始め、この圧縮行程の後の膨張行程中に第2トルク値BT2になるように制御する点で、前述した第1実施形態に係るエンジン始動装置と異なり、その他の点については、前述した第1実施形態に係るエンジン始動装置と概ね同様に構成されている。
図6において、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Ne1よりも大きいと判定された場合には(ステップS20:Yes)、クランク角CAがECU100によって取得された(ステップS30)後に、エンジン200のピストンが圧縮行程に位置するか否かがECU100によって判定される(ステップS42)。ECU100は、エンジン200のピストンが圧縮行程に位置するか否かを、取得したクランク角CAに基づいて判定する。
エンジン200のピストンが圧縮行程に位置すると判定された場合には(ステップS42:Yes)、クランキングベーストルクの立ち下げフラグがECU100によってON状態にされる(ステップS60)。
エンジン200のピストンが圧縮行程に位置しないと判定された場合には(ステップS42:No)、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Ne2よりも大きいか否かがECUによって判定される(ステップS50)。
即ち、本実施形態では、図7に示すように、ECU100は、クランキングベーストルクを、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Ne1よりも大きくなった後(即ち、時点Tne1の後)に最初にエンジン200のピストンが圧縮行程に位置する時点Tcs1において第1トルク値BT1から減少し始め、この圧縮行程の後の膨張行程中に第2トルク値BT2になるように制御する。
よって、本実施形態によれば、前述した第1実施形態と同様に、例えば、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Ne1に達した後の膨張行程においてもクランキングベーストルクが第1トルク値BT1に設定される場合と比較して、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Ne1に達した後の膨張行程におけるモータジェネレータMG1の消費電力を低減できる。
<第3実施形態>
第3実施形態に係るエンジン始動装置について、図8及び図9参照して説明する。
図8は、第3実施形態に係るクランキングベーストルクの制御の流れを示すフローチャートである。図9は、第3実施形態におけるクランキングベーストルク及びエンジン回転数の経時変化の一例を示すグラフである。なお、図8において、図4に示した第1実施形態に係るクランキングベーストルクの制御と同様のステップには、同一のステップ番号を付し、それらの説明は適宜省略する。
図9において、第3実施形態に係るエンジン始動装置は、クランキングベーストルクを、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Ne1よりも大きくなった後(即ち、時点Tne1の後)に最初にエンジン200のピストンが圧縮行程に位置する期間の少なくとも一部において第1トルク値BT1よりも大きくなるように制御する点で、前述した第1実施形態に係るエンジン始動装置と異なり、その他の点については、前述した第1実施形態に係るエンジン始動装置と概ね同様に構成されている。
図8において、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Ne1よりも大きいと判定された場合には(ステップS20:Yes)、クランク角CAがECU100によって取得された(ステップS30)後に、エンジン200のピストンが圧縮行程に位置するか否かがECU100によって判定される(ステップS32)。ECU100は、エンジン200のピストンが圧縮行程に位置するか否かを、取得したクランク角CAに基づいて判定する。
エンジン200のピストンが圧縮行程に位置すると判定された場合には(ステップS32:Yes)、クランク角CAに応じたベーストルク加算分ΔBTがECU100によって算出される(ステップS34)。即ち、ECU100は、エンジン200のピストンが圧縮行程に位置すると判定すると、クランク角CAに応じたベーストルク加算分ΔBTを算出して、この算出したベーストルク加算分ΔBTをクランキングベーストルクに加算する。つまり、図9に示すように、ECU100は、クランキングベーストルクを、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Ne1よりも大きくなった後(即ち、時点Tne1の後)に最初にエンジン200のピストンが圧縮行程に位置する期間の一部において第1トルク値BT1よりも大きい第3トルク値BT3になるように制御する。なお、第3トルク値BT3は、第1トルク値BT1にベーストルク加算分ΔBTが加算された値である。
よって、本実施形態によれば、エンジン200のピストンが圧縮行程に位置する期間において、エンジン回転数の上昇がエンジン200の気筒内の圧縮された空気によって抑制されてしまうことを低減或いは防止できる。このため、エンジン200のピストンが圧縮行程に位置する期間と該圧縮行程に続く膨張行程に位置する期間とでエンジン回転数の上昇率の差が大きくなることを抑制できるので、エンジン200の動力を伝達するパワートレインの振動も抑制できる。
図10は、図5を参照して前述した比較例に係るクランキングベーストルク及びエンジン回転数の経時変化の一例を示すグラフである。
図10において、比較例に係るエンジン始動装置は、図5を参照して前述したように、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Ne1に達した後(即ち、時点Tne1後)の膨張行程においてもクランキングベーストルクを第1トルク値BT1に設定する。
ここで、膨張行程では、圧縮行程において気筒内で圧縮された空気が膨張することによりクランクシャフトの回転が加速されるので、この比較例のようにクランキングベーストルクを膨張行程においても圧縮行程と同じ第1トルク値BT1で維持すると、エンジン200のピストンが圧縮行程に位置する期間と該圧縮行程に続く膨張行程に位置する期間とで(言い換えれば、時点Ttdc1の前後で)エンジン回転数の上昇率の差が大きくなってしまう(図10の破線円C3により囲まれる部分参照)。これにより、エンジン200の動力を伝達するパワートレインの振動が増大してしまうおそれがある。
しかるに本実施形態によれば、前述したように、クランキングベーストルクを、エンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Ne1よりも大きくなった後(即ち、時点Tne1の後)に最初にエンジン200のピストンが圧縮行程に位置する期間において第1トルク値BT1よりも大きい第3トルク値BT3になるように制御するので、時点Ttdc1の前後でエンジン回転数の上昇率の差が大きくなることを抑制できる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うエンジン始動装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
10 ハイブリッド車両
100 ECU
200 エンジン
210 クランクシャフト
300 動力分配機構
400 PCU
500 バッテリ
600 伝達機構
610 ディファレンシャルギア
620 伝達軸
700 ダンパ
810 クランクポジションセンサ
FL、FR 駆動輪
MG1、MG2 モータジェネレータ

Claims (2)

  1. エンジンと、前記エンジンをクランキング可能なモータと、前記エンジンの動力を駆動輪に伝達する、ダンパを含む動力伝達系と、前記モータに電力を供給可能なバッテリとを備えた車両に搭載され、
    前記エンジンをクランキングするためのクランキングベーストルクと前記ダンパの共振による前記動力伝達系の振動を抑制するための制振トルクとの和を、前記エンジンをクランキングする際に前記モータが出力すべき目標トルクとして設定する目標トルク設定手段と、
    前記設定された目標トルクが出力されるように前記モータを制御するモータ制御手段と
    を備え、
    前記目標トルク設定手段は、
    前記エンジンのエンジン回転数が前記所定のエンジン回転数以下である場合には、前記クランキングベーストルクを第1トルク値に設定し、前記エンジン回転数が前記所定のエンジン回転数よりも大きい場合には、前記クランキングベーストルクが、前記エンジンのピストンが上死点又は圧縮行程に位置する時点において減少し始め、前記ピストンが膨張行程に位置する時点において前記第1トルク値よりも小さい第2トルク値になるように、前記クランキングベーストルクを制御するベーストルク制御手段を有する
    ことを特徴とするエンジン始動装置。
  2. 前記ベーストルク制御手段は、前記クランキングベーストルクが、前記ピストンが前記圧縮行程に位置する期間の少なくとも一部において前記第1トルク値よりも大きくなるように、前記クランキングベーストルクを制御する請求項1に記載のエンジン始動装置。
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