JPWO2012026538A1 - 光電変換素子用電解質ならびにその電解質を用いた光電変換素子および色素増感太陽電池 - Google Patents
光電変換素子用電解質ならびにその電解質を用いた光電変換素子および色素増感太陽電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2012026538A1 JPWO2012026538A1 JP2011546464A JP2011546464A JPWO2012026538A1 JP WO2012026538 A1 JPWO2012026538 A1 JP WO2012026538A1 JP 2011546464 A JP2011546464 A JP 2011546464A JP 2011546464 A JP2011546464 A JP 2011546464A JP WO2012026538 A1 JPWO2012026538 A1 JP WO2012026538A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- photoelectric conversion
- organic salt
- electrolyte
- salt compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01G—CAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
- H01G9/00—Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
- H01G9/20—Light-sensitive devices
- H01G9/2004—Light-sensitive devices characterised by the electrolyte, e.g. comprising an organic electrolyte
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01B—CABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
- H01B1/00—Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors
- H01B1/06—Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors mainly consisting of other non-metallic substances
- H01B1/12—Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors mainly consisting of other non-metallic substances organic substances
- H01B1/122—Ionic conductors
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01G—CAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
- H01G9/00—Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
- H01G9/20—Light-sensitive devices
- H01G9/2004—Light-sensitive devices characterised by the electrolyte, e.g. comprising an organic electrolyte
- H01G9/2013—Light-sensitive devices characterised by the electrolyte, e.g. comprising an organic electrolyte the electrolyte comprising ionic liquids, e.g. alkyl imidazolium iodide
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01G—CAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
- H01G9/00—Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
- H01G9/20—Light-sensitive devices
- H01G9/2027—Light-sensitive devices comprising an oxide semiconductor electrode
- H01G9/2031—Light-sensitive devices comprising an oxide semiconductor electrode comprising titanium oxide, e.g. TiO2
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01G—CAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES OR LIGHT-SENSITIVE DEVICES, OF THE ELECTROLYTIC TYPE
- H01G9/00—Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
- H01G9/20—Light-sensitive devices
- H01G9/2059—Light-sensitive devices comprising an organic dye as the active light absorbing material, e.g. adsorbed on an electrode or dissolved in solution
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E10/00—Energy generation through renewable energy sources
- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
- Y02E10/542—Dye sensitized solar cells
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Power Engineering (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Electrochemistry (AREA)
- Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
- Hybrid Cells (AREA)
- Photovoltaic Devices (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
Abstract
Description
非シリコン系太陽電池の中でも特に、スイスのグレツェルらが開発した色素増感太陽電池は、有機材料を用いた太陽電池の中では光電変換効率が高く、シリコン系太陽電池と比較して製造コストが安い等の利点もあり、新しいタイプの太陽電池として注目を集めている。
例えば、特許文献1には、「(i)層状粘土鉱物及び/又は有機化層状粘土鉱物並びに(ii)イオン性液体を含んでなる光電変換素子用電解質。」が記載されている([請求項1])。
これは、光電変換素子内に侵入した水分や湿気が、電解質や増感色素を変質させるためであると考えられる。
そこで、本発明は、優れた耐湿性を達成することができる光電変換素子用電解質を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、以下の(i)〜(viii)を提供する。
式(2)中、Qは、窒素原子、酸素原子、リン原子または硫黄原子を表し、R4、R5、R6およびR7は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基を表す。ただし、Qが酸素原子または硫黄原子の場合、R7は存在せず、Qが硫黄原子の場合、R4およびR5は連結していてもよい。
本発明の光電変換素子用電解質(以下、単に「本発明の電解質」ともいう。)は、上記式(1)または(2)で表されるカチオンを有する有機塩化合物(A)と、層状粘土鉱物(B)とを含有し、上記有機塩化合物(A)が、有機塩化合物(a1)をカチオン換算で50質量%超含有し、上記有機塩化合物(a1)が、上記式(1)中のR1が有していてもよい置換基、R2およびR3のうち少なくとも1つが炭素数5〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基を表す化合物、または、上記式(2)中のR4、R5、R6およびR7のうち少なくとも1つが炭素数5〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基を表す化合物である光電変換素子用電解質である。
また、本発明の電解質は、本発明の電解質を用いた光電変換素子(以下、「本発明の光電変換素子」ともいう。)の耐湿性がより良好となる理由から、沸点が150℃以上であり、比誘電率が20以上である有機溶媒(C)を更に含有するのが好ましい。
以下では、まず、本発明の電解質の各成分について詳述する。
本発明の電解質に用いる有機塩化合物(A)は、上記式(1)または(2)で表されるカチオンならびにその対イオンであるアニオンを有する有機塩化合物である。
上記式(1)中のR1が有していてもよい、炭素数1〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ウンデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、シクロプロピルメチル基、トリフルオロエチル基等)、炭素数2〜20のアルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、炭素数6〜20のアリール基(例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等)、炭素数7〜20のアラルキル基(例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等)、炭素数1〜20のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソ−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、n−ペントキシ基、n−ヘキソキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、ヘプトキシ基、オクトキシ基、ノニノキシ基、デシロキシ基、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基等)、炭素数2〜20のアルキルアルコキシ基(例えば、メチレンメトキシ基(−CH2OCH3)、エチレンメトキシ基(−CH2CH2OCH3)、n−プロピレン−イソ−プロポキシ基(−CH2CH2CH2OCH(CH3)2)、メチレン−t−ブトキシ基(−CH2−O−C(CH3)3、ブチレンメトキシ基、ペンチレンメトキシ基、へキシレンメトキシ基、ヘプチレンメトキシ基、オクチレンメトキシ基、ノニレンメトキシ基、デシレンメトキシ基、メチレンエトキシ基、エチレンエトキシ基、プロピレンエトキシ基、ブチレンエトキシ基、ペンチレンエトキシ基、へキシレンエトキシ基、エチレンエトキシメトキシ基、シクロプロピルメトキシ基、シクロヘキシルメトキシ基、メチルフェノキシ基、メトキシフェノキシ基、エトキシフェノキシ基、フェノキシフェノキシ基等)であるのが好ましい。また、上記式(1)中のR1は、この置換基を2以上有していてもよい。
このうち、下記式(3)および(5)で表されるカチオンであるのが、本発明の電解質を用いた光電変換素子の光電変換効率がより良好となる傾向がある理由から好ましい。
また、本発明の光電変換素子の耐湿熱性が良好になるという観点からは、チオシアネートアニオン(SCN-)(連結異性体であるイソチオシアネートアニオンを含む。以下同様。)が好ましい。これは、後述する実施例に示すように、チオシアネートアニオンが配位した金属錯体(例えば、後述するルテニウム錯体色素)を用いた場合に発現される効果であることを考慮すると、加熱により金属錯体からチオシアネートアニオンの配位が外れた場合であっても、有機塩化合物(A)が有するチオシアネートアニオンが再配位することが可能となり、色素としての機能、すなわち光を吸収し、電子を放出する機能を維持することができたためと考えられる。
中でも、本発明の光電変換素子の光電変換効率がより良好になるという理由からは、カチオンとしてイミダゾリウムイオンを有し、アニオンとしてヨウ素イオンを有する有機塩化合物が好ましく、本発明の光電変換素子の耐湿熱性が良好になるという理由からは、チオシアネートアニオンを有する有機塩化合物が好ましく、イミダゾリウムイオンおよびヨウ素イオンを有する有機塩化合物と、チオシアネートアニオンを有する有機塩化合物とを併用することがより好ましい。
上記有機塩化合物(a1)は、上記式(1)中の「R1が有していてもよい置換基」、「R2」および「R3」の3つのうち少なくとも1つが炭素数5〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基を表す化合物、または、上記式(2)中の「R4」、「R5」、「R6」および「R7」の4つのうち少なくとも1つが炭素数5〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基を表す化合物である。
これらのうち、本発明の光電変換素子の耐湿性がより優れるという理由から、炭素数6〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基であるのが好ましく、炭素数6〜18のヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基であるのがより好ましく、炭素数6〜18のアルキル基(ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基)であるのがさらに好ましい。
より具体的には、以下に示すカチオンが挙げられる。
具体的には、例えば、「1−メチル−3−ペンチルイミダゾリウムアイオダイド」は、その互変異性体である「1−ペンチル−3−メチルイミダゾリウムアイオダイド」を含み、「1−メチル−3−ヘキシルイミダゾリウムアイオダイド」は、その互変異性体である「1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムアイオダイド」を含むものとする。
これは、カチオン換算で上記有機塩化合物(A)の50質量%超を占める上記有機塩化合物(a1)のカチオンが炭素数5〜20という長鎖の炭化水素基を有することにより、上記有機塩化合物(A)自体が疎水化されて、大気中に存在する水蒸気の侵入が防止できるためであると考えられる。
なお、カチオン換算とは、上記有機塩化合物(A)(有機塩化合物(a1)、有機塩化合物(a2))におけるアニオンを除外したカチオンのみの質量をいう。
上記有機塩化合物(a2)は、上記式(1)中のR2およびR3が表す炭化水素基が炭素数1〜4のヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基である化合物、または、上記式(2)中のR4、R5、R6およびR7が表す炭化水素基が炭素数1〜4のヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基である化合物である。
より具体的には、以下に示すカチオンが挙げられる。
本発明の電解質に用いる層状粘土鉱物(B)は特に限定されないが、ケイ酸四面体が2次元シート状に結合したフィロケイ酸塩であるのが好ましく、その具体例としては、モンモリロナイト、サポナイト、バイデライト、ノントロナイト、ヘクトライト、スティブンサイトなどのスメクタイト系粘土鉱物;バーミキュライトなどのバーミキュライト系粘土鉱物;ムスコバイト、フロコバイト、マイカなどの雲母系粘土鉱物;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、本発明の電解質に用いる層状粘土鉱物(B)は、天然物であっても、合成品であってもよい。
これらのうち、水中で膨潤し、陽イオン交換能を有するスメクタイト系粘土鉱物や膨潤性のマイカが好ましい。
層状粘土鉱物の陽イオン交換容量は、10〜300ミリ当量/100gであるのが好ましい。
このような層状粘土鉱物(B)としては、市販品を用いることができ、例えば、天然モンモリロナイト(商品名:クニピアF、平均粒径:0.1〜1μm、クニミネ工業社製)、合成スメクタイト(商品名:スメクトンSA、平均粒径:20nm、クニミネ工業社製)、合成膨潤性雲母(商品名:ソマシフME−100、平均粒径:5〜7μm、コープケミカル社製)、合成スメクタイト(商品名:ルーセンタイトSWN、平均粒径:0.02μm、コープケミカル社製)、合成スメクタイト(商品名:ルーセンタイトSWF、平均粒径:0.02μm、コープケミカル社製)が好適に用いられる。
有機化層状粘土鉱物は、層状粘土鉱物における層間の陽イオン交換を行なうことで得ることができ、例えば、上述した層状粘土鉱物の水系スラリーに有機オニウムイオンを添加し、撹拌させて反応させることにより得ることができる。または、上述した層状粘土鉱物の溶媒分散液に有機オニウムイオンを添加し、撹拌させて有機オニウムイオン(カチオン)交換反応によっても得ることができる。
これらのうち、アンモニウムイオンが最も一般的であり、具体的には、脂肪族アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、キノリニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピペリジニウムイオン、ベタイン類、レシチン、カチオン染料(色素)等が挙げられる。
また、下記式(I)または(II)に示す脂肪族アンモニウムイオンが好ましく、具体的には、例えば、ヒドロキシポリオキシエチレントリアルキルアンモニウム、ヒドロキシポリオキシプロピレントリアルキルアンモニウム、ジ(ヒドロキシポリオキシエチレン)ジアルキルアンモニウム、ジ(ヒドロキシポリオキシプロピレン)ジアルキルアンモニウム、ジメチルジオクチルアンモニウム、ジメチルジドデシルアンモニウム、メチルエチルジオクチルアンモニウム、メチルエチルジオクチルアンモニウム、メチルトリオクチルアンモニウム、メチルトリドデシルアンモニウム、ベンジルメチルジオクチルアンモニウム、ベンジルメチルジドデシルアンモニウム、ベンジルエチルジオクチルアンモニウム、ベンジルエチルジオクチルアンモニウム、ベンジルトリオクチルアンモニウム、ベンジルトリドデシルアンモニウム等が挙げられる。
アルキルシリル基を有する層状粘土鉱物(B)としては、例えば、上記で例示した層状粘土鉱物(以下、「層状粘土鉱物(b1)」ともいう。)と後述するオルガノシラン化合物(b2)とを反応させたものや、後述する市販品等を用いることができる。
上記層状粘土鉱物(B)の調製に用いるオルガノシラン化合物(b2)としては、例えば、下記式(III)で表される化合物等を用いることができる。
また、上記式(III)中、R9の加水分解性基としては、具体的には、例えば、アルコキシ基、アシル基、ハロゲン基等が挙げられる。
更に、上記オルガノシラン化合物(b2)としては、ヘキサメチルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザン等のオルガノジシラザンを用いることができる。
ここで、層状粘土鉱物(b1)が有する水酸基とは、モンモリロナイトやスメクタイト等の公知の層状粘土鉱物の結晶層(主に端面)が通常有している水酸基をいうが、上記反応においては、層状粘土鉱物(b1)が有する全ての水酸基がアルキルシリル基で置換されている必要はない。
なお、上記反応においては、層状粘土鉱物(b1)とオルガノシラン化合物(b2)との反応後またはこれらの反応と同時に、オルガノシラン化合物(b2)由来の加水分解性基(層状粘土鉱物(b1)と未反応であった官能基)が加水分解し、縮合していてもよい。
これは、詳細には明らかではないが、アルキルシリル基を有する層状粘土鉱物(B)が従来公知の層状粘土鉱物よりも疎水化されていることにより、大気中の水蒸気の侵入を防ぐことができるためと考えられる。
ここで、無機物換算とは、上記層状粘土鉱物(B)における層間の陽イオン、すなわち上述した有機オニウムイオンを除外した質量をいう。
本発明の電解質が所望により含有する有機溶媒(C)は、沸点が150℃以上であり、比誘電率が20以上である有機溶媒であれば特に限定されない。
ここで、沸点とは、1気圧における沸点をいい、比誘電率とは、25℃および10kHzを印加させる液体用誘電率計(日本ルフト製液体誘電率計M−870)を用いて測定した値をいう。
メトキシプロピオニトリル(沸点:166℃、比誘電率:25)、エトキシプロピオニトリル(沸点:171℃、比誘電率:22)、ブトキシプロピオニトリル(沸点:206℃、比誘電率:20)、ジメトキシプロピオニトリル(沸点:195℃、比誘電率:28)、グルタロニトリル(沸点:286℃、比誘電率:20)、エチレングリコールビス(プロピオニトリル)エーテル(沸点:330℃、比誘電率:20)、プロピレンカーボネート(沸点:240℃、比誘電率:65)、ジエチルカーボネート(沸点:240℃、比誘電率:65)、エチルメチルカーボネート(沸点:240℃、比誘電率:65)、γ−ブチロラクトン(沸点:205℃、比誘電率:65)、γ−バレロラクトン(沸点:℃、比誘電率:58)、ジメチルスルホキシド(沸点:189℃、比誘電率:47)、エチルイソプロピルスルホン(沸点:250℃、比誘電率:32)、スルホラン(沸点:285℃、比誘電率:38)、メチルスルホラン(沸点:270℃、比誘電率:32)等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、これらを2種以上併用する場合、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の高誘電率溶媒である環状カーボネート類や、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチル−n−ブチルカーボネート、メチル−t−ブチルカーボネート、ジ−i−プロピルカーボネート、t−ブチル−i−プロピルカーボネート等の低粘度溶媒である鎖状カーボネート類を本発明の目的を損なわない範囲で適宜混合させてもよい。
これらのうち、本発明の電解質を用いた光電変換素子(以下、「本発明の光電変換素子」ともいう。)の光電変換効率がより良好となる理由から、メトキシプロピオニトリル、エトキシプロピオニトリル、ブトキシプロピオニトリルを用いるのが好ましく、入手が容易でコストが安い理由から、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトンが好ましく、電気化学的に安定であり、分解ガスの発生が少ない理由から、エチルイソプロピルスルホン、スルホラン、メチルスルホランが好ましい。
これは、詳細には明らかではないが、有機溶媒(C)がイオン性液体よりも吸湿性が低く、また、長期使用時においても揮発が少なく、かつ、他の電解質の成分に対する溶解性も高いためと考えられる。
また、上記有機溶媒(C)を含有する場合、上記有機溶媒(C)と上記有機塩化合物(A)との比率(C/A)は、本発明の光電変換素子の優れた耐湿性を保持し、かつ、本発明の色素増感太陽電池における光増感色素(特に有機色素)の溶出を抑制する観点から、29/71〜0.5/99.5であるのが好ましく、23/77〜1/99であるのがより好ましい。
本発明の電解質は、本発明の光電変換素子の光電変換効率をより向上させる観点から、酸化還元対(レドックス対)を添加することができる。
酸化還元対としては、色素増感太陽電池において一般的に使用されているまたは使用することができる任意のものを本発明の目的を損なわない範囲で用いることができる。
例えば、ヨウ素/ヨウ化物イオン、臭素/臭化物イオン等を用いることができる。具体的には、ヨウ素とLiI、NaI、KI等との金属ヨウ化物、ヨウ素と4級イミダゾリウム化合物とのヨウ化物塩、ヨウ素と4級ピリジニウム化合物とのヨウ化物塩、ヨウ素とテトラアルキルアンモニウム化合物とのヨウ化物塩等のヨウ素/ヨウ化物イオン対;臭素とLiBr、NaBr、KBr等との金属臭化物、臭素と4級イミダゾリウム化合物との臭化物塩、臭素と4級ピリジニウム化合物との臭化物塩、臭素とテトラアルキルアンモニウム化合物との臭化物塩等の臭素/臭化物イオン;フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩、フェロセン−フェリシニウム塩等の金属錯体;ジスルフィド化合物とメルカプト化合物との硫黄化合物;ヒドロキノン;キノン;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、ヨウ素/ヨウ化物イオン、臭素/臭素化物イオンが好ましい。
無機塩、有機塩としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属塩等を挙げることができ、具体的には、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化カルシウム、トリフルオロ酢酸リチウム、トリフルオロ酢酸ナトリウム、チオシアン酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム、六フッ化りん酸リチウム、過塩素酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、グアニジンチオシアネートなどのグアニジン塩等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機塩、有機塩の添加量は、特に限定されず、本発明の目的を損なわない限り、従来通りとすることができる。
具体的には、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン等のアルキルピリジン類;メチルイミダゾール、エチルイミダゾール、プロピルイミダゾール等のアルキルイミダゾール類;メチルベンズイミダゾール、エチルベンズイミダゾール、ブチルベンズイミダゾール、プロピルベンズイミダゾール等のアルキルベンズイミダゾール類;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ピリジン類、ベンズイミダゾール類の添加量は、特に限定されず、本発明の目的を損なわない限り、従来通りとすることができる。
有機溶媒の含有量は、特に限定されず、本発明の目的を損なわない限り、従来通りとすることができる。
本発明の電解質の製造方法は特に限定されず、例えば、上記有機塩化合物(A)および上記層状粘土鉱物(B)ならびに所望により含有してもよい上記有機溶媒(C)等を混合し、ボールミル、サンドミル、顔料分散機、すりつぶし機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー、ホバートミキサー、ロール、ニーダー等を用いて室温下または加熱下(例えば40〜150℃)で十分に混合し、均一に分散(混練)させることにより製造することができる。
ここで、上記混合には、必要に応じて有機溶剤(例えば、トルエン等)を併用し、混合後に有機溶剤を真空留去する方法を用いてもよい。
次に、本発明の光電変換素子および色素増感太陽電池について、図1を用いて詳述する。図1は、本発明の光電変換素子の基本構成の一例を示す模式断面図である。
上記光電極は、例えば、図1に示すように、透明基板1と透明導電膜2と酸化物半導体多孔質膜3により構成されている。
ここで、透明基板1は、光透過性が良好なものが好ましく、その具体例としては、ガラス基板の他、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、環状オレフィンポリマー、ポリエーテルサルフォン、ポリスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、トリアセチルセルロース、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂基板(フィルム)が挙げられる。
また、透明導電膜2の厚さは、0.01〜1.0μm程度であるのが好ましい。
更に、透明導電膜2を設けるための方法は特に限定されず、例えば、塗布法、スパッタリング法、真空蒸着法、スプレーパイロリシス法、化学気相成長法(CVD)、ゾルゲル法等が挙げられる。
上記酸化物半導体微粒子としては、具体的には、例えば、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ストロンチウム、酸化バナジウム、酸化ニオブ等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記分散液は、分散機で混合して得た後、使用(塗布)直前に、超音波ホモジナイザー等を用いて超音波処理を施すのが好ましい。使用直前に超音波処理を施すことにより、本発明の光電変換素子の光電変換効率がより良好となる。これは、使用直前に超音波処理を施した分散液を用いて形成した酸化物半導体多孔質膜に対して、上記有機塩化合物(A)を含有する本発明の電解質が充填されやすくなったり、色素の吸着能が高まったりしたためと考えられる。
さらに、上記分散液には、分散液中の上記酸化物半導体微粒子の再凝集を防ぐために、アセチルアセトン、塩酸、硝酸、界面活性剤、キレート剤等を添加してもよく、分散液の増粘のために、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール等の高分子やセルロース系の増粘剤等を添加してもよい。
湿式成膜法としては、具体的には、例えば、スクリーンプリント法、インクジェットプリント法、ロールコート法、ドクターブレード法、スピンコート法、スプレー塗布法等が挙げられる。
加熱処理の温度としては、40℃〜700℃であるのが好ましく、40℃〜650℃であるのが好ましい。また、加熱処理の時間としては、特に制限はないが、通常は10秒〜24時間程度である。
化学処理としては、具体的には、例えば、四塩化チタン水溶液を用いた化学メッキ処理、カルボン酸誘導体を用いた化学吸着処理、三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理等が挙げられる。
上記対向電極とは、図1に示すように、光電極4に対向して配置される電極5であり、例えば、金属基板、表面に導電膜を有するガラス基板や樹脂基板等を用いることができる。
金属基板としては、白金、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、チタン等の金属を用いることができる。樹脂基板としては、光電極4を構成する透明基板1で例示した基板(フィルム)に加えて、不透明あるいは透明性に劣る一般的な樹脂基板も用いることができる。
また、表面に設ける導電膜としては、白金、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、チタン、マグネシウム、モリブデンなどの金属;炭素;酸化スズ、アンチモンやフッ素がドープされた酸化スズ、酸化亜鉛、アルミニウムやガリウムがドープされた酸化亜鉛、スズがドープされた酸化インジウムなどの導電性金属酸化物;等が挙げられる。導電膜の厚さや形成方法は、光電極4を構成する透明導電膜2と同様のものを挙げることができる。
導電性高分子としては、具体的には、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン等が挙げられる。
基板上に導電性高分子膜を形成させる方法は、通常湿式成膜法として知られているディッピング法やスピンコーティング法等を用いて、高分子分散液から基板上に導電高分子膜を形成することができる。
導電性高分子分散液としては、特開2006−169291号公報で開示したポリアニリン分散液や市販品であるポリチオフェン誘導体水分散液(バイトロンP、バイエル社製)、三菱レイヨン社製(アクアセーブ、ポリアニリン誘導体水溶液)等を用いることができる。
また、基板が上記導電基板である場合、上記手法に加えて電解重合法によっても基板上に導電性高分子膜を形成させることができる。導電性高分子フィルム電極は、電解重合法によって電極上に形成された導電性高分子フィルムを電極から剥離した自立性フィルムまたは導電性高分子分散液から通常湿式成膜法として知られているキャスティング法やスピンコーティング法等を用いて形成された自立性フィルム等を用いることもできる。ここで言う導電性高分子分散液は、導電性高分子微粒子が溶媒中に分散している状態と導電性高分子が溶媒中に溶解している状態とが混在しているものを、便宜上導電性高分子分散液としている。
上記電解質層は、図1に示すように、光電極4および対向電極5の間に設けられる電解質層6であり、本発明の光電変換素子においては、上述した本発明の電解質を用いる。
ここで、光増感色素としては、可視光領域および/または赤外光領域に吸収を持つ色素であれば特に限定されなく、金属錯体又は有機色素等を用いることができる。
<電解質の調製>
混合容器中で、下記第1表および下記第2表(以下、「第1表等」と略す。)に示す成分を第1表等に示す組成比(質量部)で、撹拌し、混合することにより電解質を調製した。
具体的には、第1表等に示す組成比で、第1表等に示す有機塩化合物の混合液に、第1表等に示す層状粘土鉱物を撹拌しながら添加し、予め層状粘土鉱物を膨潤させ分散させたゲル状物質(有機塩化合物/粘土複合体)を得た。
次に、得られた複合体に、第1表等に示すヨウ素、および、N−メチルベンズイミダゾールを、第1表等に示す組成比で添加し、混合した。
なお、第1表等に示す有機溶媒を用いる場合は、上記ゲル状物質にヨウ素およびN−メチルベンズイミダゾールを混合させた後、有機溶媒を添加し、混合した。
各実施例および比較例について、使用した有機塩化合物1〜4(上記有機塩化合物(A)に相当)の総カチオン質量に対する有機塩化合物1,2(上記有機塩化合物(a1)に相当)のカチオン質量の割合を「カチオン換算(a1/A)」として求めた([質量%])。各有機塩化合物のカチオン質量は、有機塩化合物の分子量に対するイミダゾリウムカチオンの分子量の比率から算出した。
透明導電性ガラス(FTOガラス、表面抵抗15Ω/□、日本板硝子社製)上に、酸化チタンペーストTi-Nanoxide D(Solaronix社製)を塗布し、室温下で乾燥させた後、450℃の温度で30分間焼結することにより、透明導電性ガラス上に酸化チタン多孔質膜が形成された光電極を作製した。
作製した光電極を、ルテニウム錯体色素(シス−(ジイソチオシアネート)−N,N′−ビス(2,2′−ビピリジル−4,4′−ジカルボキシリックアシッド)ルテニウム(II)錯体)(Ruthenium 535-bisTBA、Solaronix社製)のブチルアルコール/アセトニトリル溶液(体積比:1/1、濃度3×10-4mol/L)に4時間浸漬させた。
その後、アセトニトリルで洗浄し、暗所において窒素気流下で乾燥することにより光電極の酸化チタン電極に増感色素を担持させたものを光電極として用いた。
光増感色素を担持させた光電極上に調製した上記電解質を塗りつけ、これと、透明導電性ガラス基板(導電面にスズがドープされた酸化インジウム、シート抵抗:8Ω/□、日本板硝子社製)表面にスパッタリング法で厚さ約100nmの白金薄膜を形成させた白金対向電極とを張り合わせた。貼り合せる際、光電極と白金対向電極の間に熱融着フィルムを介在させ、150℃で熱融着させて電極間の封止を行うことにより、色素増感太陽電池(光増感色素:ルテニウム錯体色素)を得た。
ルテニウム錯体色素に代えてインドリン系色素(D149、三菱製紙社製)を用いた以外は色素増感太陽電池(光増感色素:ルテニウム錯体色素)と同様の方法で色素増感太陽電池(光増感色素:有機色素)を作製した。
得られた2種の色素増感太陽電池について、それぞれ光電変換効率およびその維持率を以下に示す方法により測定し、評価した。その結果を下記第1表等に示す。
図2に示すように、光源としてソーラーシミュレーターを用い、AM1.5の擬似太陽光を100mW/cm2の光強度で光電極側から照射し、電流電圧測定装置(ケースレーインスツルメンツ社製デジタルソースメーター2400)を用いて変換効率[%]を求めた。
光電変換効率を測定した色素増感太陽電池を、40℃、85%RHの条件で1000時間放置し、その後に上記と同様の方法により光電変換効率を測定し、その維持率(加湿後の光電変換効率/加湿前の光電変換効率×100)[%]を算出した。
この結果、光電変換効率の維持率が80[%]以上であれば、耐湿性に優れていると評価できる。
同様の評価を1500時間放置した条件でも行った。
光電変換効率を測定した色素増感太陽電池を、85℃、85%RHの条件で1000時間放置し、その後に上記と同様の方法により光電変換効率を測定し、その維持率(加湿後の光電変換効率/加湿前の光電変換効率×100)[%]を算出した。
この結果、光電変換効率の維持率が80[%]以上であれば、耐湿熱性に優れていると評価できる。
同様の評価を1500時間放置した条件でも行った。
・有機塩化合物1(MHexImI):1−メチル−3−ヘキシルイミダゾリウムアイオダイド(比重:1.416g/cm3、メルク社製)
・有機塩化合物2(MOctImI):1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムアイオダイド(比重:1.335g/cm3、メルク社製)
・有機塩化合物3(MPImI):1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイド(比重:1.536g/cm3、東京化成社製)
・有機塩化合物4(EMImSCN):1−エチル−3−メチルイミダゾリウムチオシアネート(比重:1.115g/cm3、Merck社製)
・層状粘土鉱物2:合成雲母(商品名:ソマシフMPE(ソマシフME(平均粒径:5〜7μm、コープケミカル社製)を有機化処理した有機化層状粘土鉱物)、コープケミカル社製)
・層状粘土鉱物3:4級アンモニウムおよびアルキルトリアルコキシシランで処理したシラン処理有機ベントナイト(ホージュン社製)
・有機溶媒1:メトキシプロピオニトリル(沸点:166℃、比誘電率:25)
また、有機塩化合物4を有機塩化合物の総質量に対して10質量%以上含有する実施例1〜5は、この含有量が10質量%の実施例6および7と比較して、耐湿熱性に優れることが分かった。これは、実施例8〜12と実施例13および14とを比較した場合にも同様であった。なお、実施例25〜27と実施例28および29との比較結果および実施例30〜32と実施例33および34との比較結果から、光増感色素として有機色素を用いた色素増感太陽電池については、有機塩化合物4の有無を問わず、耐湿熱性に優れていることが分かった。
また、有機溶媒1を用いた実施例19〜22および実施例39〜42は、これを含有しない実施例と比較して、優れた耐湿性を保持しつつ、いずれも光電変換効率が高くなることが分かった。
また、実施例1〜6においては、実施例1〜4が実施例5,6よりも光電変換効率に優れ、実施例8〜13においては、実施例8〜11が実施例12,13よりも光電変換効率に優れることが分かった。
また、「カチオン換算(a1/A)」が50質量%以下である比較例4および5ならびに比較例10および11は、耐湿性、耐湿熱性に劣ることが分かった。
2:透明導電膜
3:酸化物半導体多孔質膜
4:光電極
5:対向電極
6:電解質層
11:透明基板
12:透明導電膜(ITO、FTO)
13:金属酸化物
14:電解質
15:白金薄膜
16:透明導電膜(ITO、FTO)
17:基板
18:対向電極
Claims (8)
- 下記式(1)または(2)で表されるカチオンを有する有機塩化合物(A)と、層状粘土鉱物(B)と、を含有し、
前記有機塩化合物(A)が、有機塩化合物(a1)をカチオン換算で50質量%超含有し、
前記有機塩化合物(a1)が、下記式(1)中のR1が有していてもよい置換基、R2およびR3のうち少なくとも1つが炭素数5〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基を表す化合物、または、下記式(2)中のR4、R5、R6およびR7のうち少なくとも1つが炭素数5〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基を表す化合物である、光電変換素子用電解質。
(式(1)中、R1は、炭素数1〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基を表し、炭素数1〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい置換基を有していてもよい。R2およびR3は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基を表す。ただし、窒素原子が二重結合を含む場合、R3は存在しない。
式(2)中、Qは、窒素原子、酸素原子、リン原子または硫黄原子を表し、R4、R5、R6およびR7は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜20のヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基を表す。ただし、Qが酸素原子または硫黄原子の場合、R7は存在せず、Qが硫黄原子の場合、R4およびR5は連結していてもよい。) - 前記有機塩化合物(A)における前記有機塩化合物(a1)の含有量が、カチオン換算で90質量%以下である、請求項1に記載の光電変換素子用電解質。
- 前記有機塩化合物(A)が、チオシアネートアニオンを有する、請求項1または2に記載の光電変換素子用電解質。
- 前記有機塩化合物(A)が、有機塩化合物(a2)を含有し、
前記有機塩化合物(a2)が、上記式(1)中のR2およびR3が表す炭化水素基が炭素数1〜4のヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基である化合物、または、上記式(2)中のR4、R5、R6およびR7が表す炭化水素基が炭素数1〜4のヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基である化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の光電変換素子用電解質。 - 前記層状粘土鉱物(B)が、アルキルシリル基を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の光電変換素子用電解質。
- 更に、沸点が150℃以上であり、比誘電率が20以上の有機溶媒(C)を含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の光電変換素子用電解質。
- 透明導電膜および金属酸化物半導体多孔質膜を有する光電極と、
前記光電極に対向して配置される対向電極と、
前記光電極と前記対向電極との間に配された電解質層と、を有し、
前記電解質層が、請求項1〜6のいずれかに記載の光電変換素子用電解質である、光電変換素子。 - 請求項7に記載の光電極に光増感色素を担持させてなる、色素増感太陽電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011546464A JP5099269B2 (ja) | 2010-08-25 | 2011-08-25 | 光電変換素子用電解質ならびにその電解質を用いた光電変換素子および色素増感太陽電池 |
Applications Claiming Priority (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010188515 | 2010-08-25 | ||
JP2010188515 | 2010-08-25 | ||
JP2010243864 | 2010-10-29 | ||
JP2010243864 | 2010-10-29 | ||
PCT/JP2011/069206 WO2012026538A1 (ja) | 2010-08-25 | 2011-08-25 | 光電変換素子用電解質ならびにその電解質を用いた光電変換素子および色素増感太陽電池 |
JP2011546464A JP5099269B2 (ja) | 2010-08-25 | 2011-08-25 | 光電変換素子用電解質ならびにその電解質を用いた光電変換素子および色素増感太陽電池 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012210968A Division JP5177318B2 (ja) | 2010-08-25 | 2012-09-25 | 光電変換素子用電解質ならびにその電解質を用いた光電変換素子および色素増感太陽電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP5099269B2 JP5099269B2 (ja) | 2012-12-19 |
JPWO2012026538A1 true JPWO2012026538A1 (ja) | 2013-10-28 |
Family
ID=45723529
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011546464A Expired - Fee Related JP5099269B2 (ja) | 2010-08-25 | 2011-08-25 | 光電変換素子用電解質ならびにその電解質を用いた光電変換素子および色素増感太陽電池 |
JP2012210968A Active JP5177318B2 (ja) | 2010-08-25 | 2012-09-25 | 光電変換素子用電解質ならびにその電解質を用いた光電変換素子および色素増感太陽電池 |
Family Applications After (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012210968A Active JP5177318B2 (ja) | 2010-08-25 | 2012-09-25 | 光電変換素子用電解質ならびにその電解質を用いた光電変換素子および色素増感太陽電池 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US9287056B2 (ja) |
JP (2) | JP5099269B2 (ja) |
CN (1) | CN103004012B (ja) |
DE (1) | DE112011102797B4 (ja) |
WO (1) | WO2012026538A1 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5929439B2 (ja) * | 2012-04-06 | 2016-06-08 | 横浜ゴム株式会社 | 光電変換素子用電解質ならびにその電解質を用いた光電変換素子および色素増感太陽電池 |
JP6003175B2 (ja) * | 2012-04-17 | 2016-10-05 | 横浜ゴム株式会社 | 光電変換素子用電解質ならびにその電解質を用いた光電変換素子および色素増感太陽電池 |
TWI505532B (zh) * | 2012-12-24 | 2015-10-21 | Eternal Materials Co Ltd | 用於染料敏化太陽能電池之電解質組成物 |
FR3007752B1 (fr) | 2013-06-27 | 2020-03-13 | Centre National De La Recherche Scientifique (C.N.R.S.) | Procede de preparation d'une composition comprenant des particules minerales fonctionnalisees et composition |
JP6374950B2 (ja) * | 2014-03-19 | 2018-08-15 | 国立大学法人 東京大学 | 光電変換用正極、正極形成用スラリー及びこれらの製造方法 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7351359B2 (en) | 2003-10-08 | 2008-04-01 | The Yokohama Rubber Co., Ltd. | Method for producing conductive polyaniline and organic polymer composition |
US8481849B2 (en) | 2004-03-31 | 2013-07-09 | The Yokohama Rubber Co., Ltd. | Electrolyte for photovoltaic device as well as photovoltaic device and dye-sensitized solar cell including that electrolyte |
JP2006169291A (ja) | 2004-12-13 | 2006-06-29 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 変性導電性高分子並びにそれを用いた導電性部材 |
JP2007188809A (ja) | 2006-01-16 | 2007-07-26 | Konica Minolta Holdings Inc | ゲル電解質、光電変換素子及び太陽電池 |
JP2007317446A (ja) * | 2006-05-24 | 2007-12-06 | Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd | 色素増感太陽電池 |
JP4156012B2 (ja) * | 2006-08-14 | 2008-09-24 | 横浜ゴム株式会社 | 色素増感太陽電池及びその電解質 |
CN101232080B (zh) * | 2007-12-29 | 2012-11-07 | 中国科学院长春应用化学研究所 | 共熔室温离子液体及其制法和应用 |
CN103155269B (zh) * | 2010-10-29 | 2014-10-29 | 横滨橡胶株式会社 | 光电转换元件用电解质以及使用该电解质的光电转换元件和染料敏化太阳能电池 |
-
2011
- 2011-08-25 CN CN201180036245.4A patent/CN103004012B/zh not_active Expired - Fee Related
- 2011-08-25 DE DE112011102797.4T patent/DE112011102797B4/de not_active Expired - Fee Related
- 2011-08-25 JP JP2011546464A patent/JP5099269B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2011-08-25 US US13/818,334 patent/US9287056B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2011-08-25 WO PCT/JP2011/069206 patent/WO2012026538A1/ja active Application Filing
-
2012
- 2012-09-25 JP JP2012210968A patent/JP5177318B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20130146143A1 (en) | 2013-06-13 |
JP5177318B2 (ja) | 2013-04-03 |
JP5099269B2 (ja) | 2012-12-19 |
WO2012026538A1 (ja) | 2012-03-01 |
DE112011102797T5 (de) | 2013-06-06 |
JP2013033744A (ja) | 2013-02-14 |
DE112011102797B4 (de) | 2021-07-22 |
CN103004012A (zh) | 2013-03-27 |
CN103004012B (zh) | 2016-03-23 |
US9287056B2 (en) | 2016-03-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4692694B2 (ja) | 色素増感太陽電池用電解質およびその電解質を用いた色素増感太陽電池 | |
JP5019007B2 (ja) | 光電変換素子用電解質ならびにその電解質を用いた光電変換素子および色素増感太陽電池 | |
JP5177318B2 (ja) | 光電変換素子用電解質ならびにその電解質を用いた光電変換素子および色素増感太陽電池 | |
JP4725689B2 (ja) | 光電変換素子用電解質ならびにその電解質を用いた光電変換素子および色素増感太陽電池 | |
JP4816807B2 (ja) | 光電変換素子用電解質ならびにその電解質を用いた光電変換素子および色素増感太陽電池 | |
JP4557097B2 (ja) | 光電変換素子用電解質ならびにその電解質を用いた光電変換素子および色素増感太陽電池 | |
JP6019688B2 (ja) | 光電変換素子用電解質ならびにその電解質を用いた光電変換素子および色素増感太陽電池 | |
JP2010262817A (ja) | 光電変換素子用電解質ならびにその電解質を用いた光電変換素子および色素増感太陽電池 | |
JP4637474B2 (ja) | 色素増感型太陽電池 | |
JP5604969B2 (ja) | 光電変換素子用電解質、光電変換素子、および、色素増感太陽電池 | |
JP4772311B2 (ja) | 電解質組成物、これを用いた光電変換素子及び色素増感太陽電池、並びにイオン性液体の評価方法 | |
JP5598068B2 (ja) | 光電変換素子用電解質ならびにその電解質を用いた光電変換素子および色素増感太陽電池 | |
JP2011165423A (ja) | 光電変換素子 | |
JP6003175B2 (ja) | 光電変換素子用電解質ならびにその電解質を用いた光電変換素子および色素増感太陽電池 | |
WO2010061663A1 (ja) | 光電変換素子用電解質ならびにその電解質を用いた光電変換素子および色素増感太陽電池 | |
JP2014222580A (ja) | 光電変換素子用電解質ならびにその電解質を用いた光電変換素子および色素増感太陽電池 | |
JP2011054314A (ja) | 光電変換素子用電解質ならびにその電解質を用いた光電変換素子および色素増感太陽電池 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120828 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120910 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151005 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5099269 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151005 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |