JP2011165423A - 光電変換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】色素の光吸収を阻害しないだけでなく、色彩性を損なわない、高効率でなおかつ意匠性に優れた色素増感太陽電池用の光電変換素子を提供する。
【解決手段】透明基板の表面に、透明導電膜と、多孔質半導体に増感色素を吸着させた多孔質半導体層とを順次形成してなる半導体電極と、導電性基板の表面に触媒層を形成してなる対向電極との間に、電解質層を保持して構成される光電変換素子であって、前記電解質層が、酸化還元対としてチオシアン酸誘導体及びヒドロキノン誘導体の両方を、共に濃度5.0mM〜100.0mMで含むことを特徴とする光電変換素子。
【選択図】図1

Description

本発明は、変換効率を高めた色素増感太陽電池用の光電変換素子に関する。
次世代の太陽電池として、低温でより低コストで製造が可能な有機太陽電池の開発が期待されている。有機太陽電池の中でも色素増感太陽電池は、製造コストを大幅に削減できる可能性があること、アモルファスシリコン太陽電池と同等の性能を持つこと、着色透明な太陽電池が作れること等、従来の太陽電池にはない魅力を持つことから、特に注目を浴びている。
色素増感太陽電池は、一般に導電性基材上に色素を吸着した半導体からなる光電変換層を持つ半導体電極と、対向して設けられた導電性基材上に触媒層を設けた対向電極と、これら半導体電極と対向電極との間に保持された電解質層から構成されている。電解質には、ヨウ素系酸化還元対を有機溶媒に溶かしたものが一般的に使用されている。ヨウ素系酸化還元対はイオン伝導度が高く、また酸化状態の色素を還元する速度が速い一方、作用極の導電性ガラス表面や酸化チタン表面での反応性が低いなど、優れた性能を有している。
しかしながら、ヨウ素系電解質は高い変換効率を得ることができるものの、以下のような問題がある。
・高い揮発性を有するため封止が非常に難しい。
・高い腐食性を有するため、電極として用いることのできる材料が限られている。
・ヨウ素系酸化還元対は可視光領域に非常に大きい吸光度係数を示し、色素の光吸収が阻害され、性能低下の原因となっている他、太陽電池の意匠性を強調する場合、ヨウ素の色が妨げとなり色素の鮮やかさを十分に生かすことができない。
そのため、ヨウ素系に替わる酸化還元対が求められており、例えば臭素系、硫黄系、セレン系、鉄錯体系、コバルト錯体系、ベンゾキノン/ヒドロキノン系、(SCN)−/(SCN)系、(SeCN)−/(SeCN)系等の検討がなされている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−16442号公報
しかしながら、ヨウ素系に替わる上記酸化還元対は、何れも安定性、安全性に問題があることや、有色であるため実用性が高いとは言い難い。例えば、ベンゾキノンは非常に濃い赤〜黄色を示して意匠性が悪く、(SCN)は常温で非常に不安定であり、速やかにポリマー化が進行してしまう。
そこで、本発明は、色素の光吸収を阻害しないだけでなく、色彩性を損なわない、高効率でなおかつ意匠性に優れた色素増感太陽電池用の光電変換素子を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、透明基板の表面に、透明導電膜と、多孔質半導体に増感色素を吸着させた多孔質半導体層とを順次形成してなる半導体電極と、導電性基板の表面に触媒層を形成してなる対向電極との間に、電解質層を保持して構成される光電変換素子であって、前記電解質層が、酸化還元対としてチオシアン酸誘導体及びヒドロキノン誘導体の両方を、共に濃度5.0mM〜100.0mMで含むことを特徴とする光電変換素子を提供する。
本発明の光電変換素子の電解質層に含まれるヒドロキノン誘導体及びチオシアン酸誘導体は、酸化還元対として高い性能・安定性を有するだけでなく、ほぼ無色透明であるため素子外観も色彩性を損なうことがなく、高効率で、なおかつ意匠性に優れたものとなる。
本発明の光電変換素子の構成を模式的に示す断面図である。
以下、本発明に関して図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の光電変換素子1の構成を模式的に示す断面図であるが、従来と同様に、半導体電極10と対向電極20との間に、電解質層30を保持して構成される。
〔半導体電極〕
半導体電極10は、透明基板11の一方の表面11aに透明導電膜12を成膜し、更に透明導電膜12の表面12aに多孔質半導体層13を形成したものである。
(透明基板)
透明基板11は、可視光を透過するものであればよく、透明なガラス板やプラスチック板、プラスチックフィルム等を使用できるが、透明なガラス板が好適である。また、透明導電膜12が成膜される表面11aを加工して入射光を散乱させることにより、高効率で入射光を使用できるようになる。透明基板11の厚さは、光電変換素子1の形状や使用条件により異なるため特に限定はされないが、例えばガラスやプラスチックなどを用いた場合では、実使用時の耐久性を考慮して1mm〜1cm程度が好ましく、フレキシブル性が必要とされ、プラスチックフィルムなどを使用した場合は、1μm〜1mm程度が好ましい。
(透明導電膜)
透明導電膜12としては、可視光を透過して、かつ導電性を有するものが使用できる。このような材料としては、例えば金属酸化物が挙げられる。特に限定はされないが、例えばフッ素をドープした酸化スズ(以下、「FTO」と略記する。)や、酸化インジウム、酸化スズと酸化インジウムの混合体(以下、「ITO」と略記する。)、アンチモンをドープした酸化スズ、酸化亜鉛などを好適に用いることができる。
また、透明導電膜12として、分散させるなどの処理により可視光を透過するようにすれば、不透明な導電性材料を用いることもできる。このような材料としては炭素材料や金属が挙げられる。炭素材料としては、特に限定はされないが、例えば黒鉛(グラファイト)、カーボンブラック、グラッシーカーボン、カーボンナノチューブやフラーレンなどが挙げられる。また、金属としては、特に限定はされないが、例えば白金、金、銀、ルテニウム、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、クロム、鉄、モリブデン、チタン、タンタル、およびそれらの合金などが挙げられる。
透明導電膜12の厚さは、用いる材料により導電性が異なるため特には限定されないが、一般的に使用されるFTO被膜付ガラスでは、0.01μm〜5μmであり、好ましくは0.1μm〜1μmである。また、必要とされる導電性は、使用する電極の面積により異なり、広い電極ほど低抵抗であることが求められるが、一般的にシート抵抗(面抵抗率)で100Ω/□以下、好ましくは10Ω/□以下、より好ましくは5Ω/□以下である。このシート抵抗は、薄膜やフィルム状物質の電気抵抗値であり、単位はΩであるが、シートであることを示すため慣用的に「Ω/□(ohm/square)」と記述している。
透明基板11と透明導電膜12とを一体化した厚さは、上述のように光電変換素子1の形状や使用条件により異なるため特に限定はされないが、一般的に1μm〜1cm程度である。
(多孔質半導体層)
多孔質半導体層13は、多孔質金属酸化物半導体に増感色素を吸着させたものである。多孔質金属酸化物半導体としては、特に限定はされないが、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズなどが挙げられ、特に二酸化チタン、さらにはアナターゼ型二酸化チタンが好適である。また、電気抵抗値を下げるため、金属酸化物の粒界は少ないことが望ましい。更に、増感色素をより多く担持させるために、多孔質金属酸化物半導体は比表面積の大きなものが望ましく、具体的には10〜200m/gが望ましい。
増感色素としては、太陽光により励起されて多孔質金属酸化物半導体に電子注入できるものであればよく、一般的に光電変換素子に用いられている色素を用いることができるが、変換効率を向上させるためには、その吸収スペクトルが太陽光スペクトルと広波長域で重なっていて、耐光性が高いことが望ましい。具体的には、例えばルテニウム錯体、鉄錯体、銅錯体などの金属錯体色素が挙げられる。さらに、シアン系色素、ポルフィリン系色素、ポリエン系色素、クマリン系色素、シアニン系色素、スクアリン酸系色素、メチン系色素、キサンテン系色素、インドリン系色素などの有機色素が挙げられる。
多孔質半導体層13を形成する方法には特に限定はなく、例えばゾルゲル法、分散体ペーストの塗布、電析や電着などにより多孔質金属酸化物半導体を所定厚で堆積し、増感色素を吸着させればよい。
また、多孔質半導体層13の厚さは、用いる酸化物により最適値が異なるため特には限定されないが、0.1μm〜50μm、好ましくは3〜30μmであり、より好ましくは5〜15μmである。
〔対向電極〕
対向電極20は、導電性基板21の一方の表面21aに触媒層22を成膜したものである。導電性基板21は、触媒層22の支持体兼集電体として用いられるため、触媒層22が成膜される表面21aが導電性を有していることが好ましく、例えば白金、金、銀、ルテニウム、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、クロム、鉄、モリブデン、チタン、タンタル、およびそれらの合金から選ばれる金属、例えば黒鉛(グラファイト)、カーボンブラック、グラッシーカーボン、カーボンナノチューブ、フラーレンから選ばれる炭素材料、例えばFTO、ITO、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化アンチモンから選ばれる金属酸化物の薄膜を成膜することができる。また、表面が導電性を有するように処理すれば、ガラスやプラスチックなどの絶縁体も用いることもできる。
触媒層22としては、電解質中の酸化還元対の酸化体を還元体に還元する還元反応を速やかに進行させることが可能な電極特性を有するものであれば特に限定されないが、塩化白金酸を塗布、熱処理したものや、白金を蒸着した白金触媒電極、活性炭、グラッシーカーボン、カーボンナノチューブのような炭素材料、硫化コバルトなどの無機硫黄化合物、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリンなどの導電性高分子などが使用できるが、その中でも白金触媒電極が好ましく使用できる。また、触媒層22の厚さは、5nm〜5μmが適当であり、特に好ましくは50nm〜2μmである。
〔電解質層〕
電解質層30は、酸化還元対としてヒドロキノン誘導体とチオシアン酸誘導体とを含有する。
ヒドロキノン誘導体は、下記一般式(II)で表される基本骨格を有するものが好ましい。
Figure 2011165423
式中、Rはアルキル基またはアリール基であり、nはR(アルキル基またはアリール基)を0個以上有することを示す。また、アルキル基、アリール基の種類には限定がなく、有機溶媒への溶解性や、共役長が伸びることで可視光の吸収が起こることを考慮すると、アルキル基が好ましい。
また、(II)式は芳香環が単環であるが、多環式芳香族のヒドロキノン誘導体も使用できる。多環式芳香族の種類には限定はないが、有機溶媒への溶解性や、共役長が伸びることで可視光の吸収が起こることを考慮すると、縮合環数として3以下のものが好ましい。縮合環数が3以下の化合物としては、例えば、2つの環が縮合したナフトヒドロキノンや、3つの環が縮合したアントラヒドロキノンが挙げられる。
一方、チオシアン酸誘導体としては、下記一般式(I)で表される基本骨格を有するものが好ましい。
(S−C≡N) ・・・(I)
式中、Xはアルカリ金属イオンまたはアルカリ金属土類イオンから選ばれる無機カチオン、アンモニウム塩(下記A)、スルホニウム塩(下記B)またはグアニジウム塩(下記C)から選ばれる有機カチオンである。また、R〜R13はそれぞれ水素原子、直鎖型アルキル基、分岐型アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルキルアリール基またはヘテロアリール基であり、R〜R、R〜R、R〜R13は同一でもよく、異なっていても良い。尚、アルカリ金属イオンとしては、Li、Na、Kが好ましく、アルカリ土類金属イオンとしては1/2Ca2+が好ましい。
Figure 2011165423
上記ヒドロキノン誘導体とチオシアン酸誘導体との混合比は特に限定されないが、光電変換効率を考慮すると、モル比で、ヒドロキノン誘導体/チオシアン酸誘導体=0.05〜20であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10である。
電解質層30の残部は溶媒であるが、支持電解質として、リチウム塩やイミダゾリウム塩、4級アンモニウム塩、常温溶融塩などを添加することができる。これらの添加剤は電解質層30の特性を損ねない程度に添加することができる。また、適当なゲル化剤を添加することで物理的、化学的にゲル化することもできる。
尚、溶媒は、ヒドロキノン誘導体とチオシアン酸誘導体とを溶解できる化合物であれば特に制限はなく、非水性有機溶媒、常温溶融塩、プロトン性有機溶媒などから任意に選択できる。例えば、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、バレロニトリル、3−メトキシプロピオニトリルなどのニトリル化合物、γ−ブチルラクトンやバレロラクトンなどのラクトン化合物、エチレンカーボネートやプロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、ジオキサンやジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、低重合度ポリエチレングリコールなどのエーテル類、メタノール、エタノール等のアルコール類、さらにはジメチルホルムアミドやイミダゾール類などが挙げられ、中でもアセトニトリル、バレロニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、プロピレンカーボネート、低重合度ポリエチレングリコールなどを好適に用いることができる。
また、電解質層30におけるヒドロキノン誘導体の濃度は、溶媒に対して5.0mM〜100.0mMである。濃度が5.0mMより小さい場合、ヒドロキノン誘導体の添加効果がほとんど得られなくなり、光電変換効率の向上はほとんど見られない。一方、濃度を100.0mMより大きくしても、光電変換効率の向上はほとんど見られないだけではなく、ヒドロキノンの酸化体であるベンゾキノンが大量に生成してしまい、変色が生じてしまう虞がある。
チオシアン酸誘導体の濃度も同様であり、溶媒に対して5.0mM〜100.0mMである。濃度が5.0mMより小さい場合、チオシアン酸誘導体の添加効果がほとんど得られなくなり、光電変換効率の向上はほとんど見られない。一方、濃度が100.0mMより大きくしても、光電変換効率の向上はほとんど見られないだけではなく、チオシアン酸誘導体のオリゴマー化やポリマー化が速い速度で進行してしまい、成分の変性が起こってしまう虞がある。
光電変換素子1を作製するには、上記の各構成材料を準備した後、従来公知の方法に従い、半導体電極10と対向電極20とを、多孔質半導体層13と触媒層22とが対向するように配置し、電解質層30を封止して組み上げればよい。尚、封止には、半導体電極10及び対向電極20の側面をエポキシ系接着剤でシールするなどの方法がある。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
(試験用光電変換素子の作製)
ITO膜付きガラス(スパッタ品;ジオマテック(株)製)を所定のサイズに切り出し、ガラス洗浄剤で洗浄し、洗浄剤を純水で洗い流した後、アセトン、ヘキサン、アセトン、純水、純水の順番で各5分ずつ超音波洗浄を行った。乾燥後、UVオゾン洗浄機を用いて10分間仕上洗浄を行った後、70℃のTiCl水溶液中に30分間浸漬した。続いて、TiCl水溶液から取出し、純水で洗浄して乾燥した後、ITO膜表面にTiOペースト(SOLARONIX社製「Ti-Nanoxide D」)をKコントロールコーター(松尾製作所製)で50μm程度の厚さに塗布した。そして、30分程静置、乾燥させた後、80℃、30min、450℃、30minの順に大気中で焼成し、厚さ10μm程度の多孔質の酸化チタン膜を成膜した。
次いで、増感色素としてD102と呼ばれる5−{1,2,3,3a,4,8b−ヘキサハイドロ−4−〔4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル〕−シクロペンタ[b]インドール−7−イルメチレン}−4−オキソ−2−チオキソ−チアゾリジン−3−イル)酢酸(三菱製紙(株)製)を用い、これを0.3mMのt−ブタノール/アセトニトリル溶液(体積比1:1の混合溶媒)に溶解した色素溶液に、上記の多孔質酸化チタン膜を成膜したITO付きガラスを浸漬し、遮光下40℃程度で3時間静置した。その後、エタノール、t−ブタノール/アセトニトリル(体積比1:1の混合溶媒;和光純薬工業(株)製)で余分な色素を洗浄、風乾して多孔質半導体層を形成して半導体電極を得た。
対向電極として、ガラス基板の上に白金薄膜膜を真空蒸着法により成膜した。白金薄膜の厚さは約200nmであった。
電解質層用に、チオシアン酸アンモニウム(純正化学(株)製)と、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン(和光純薬工業(株)製)とを、表1に示す割合にて混合し、凍結脱気をしたアセトニトリル(和光純薬工業(株)製)に溶解して電解質溶液を調製した。また、比較例5〜7では表2に示す電解質溶液を用いた。
そして、上記の半導体電極と、対向電極との間に電解質溶液を注入し、側面をエポキシ系接着剤でシールして光電変換素子を作製した。なお、この作業はアルゴン置換されたグローブボックス内にて行った。
(光電変換素子の光電変換特性評価)
光電変換特性を、ソーラーシミュレーターを用いて評価した。擬似太陽光はAM1.5条件下で100mW/cmの光を用い、特性評価は開放電圧、短絡電流、フィルファクターから変換効率を算出することで行った。結果を表1に示す。
(光電変換素子の耐久性評価)
耐久性は、光照射1000時間後に再度変換効率を測定し、組立て直後の変換効率との相対比を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2011165423
Figure 2011165423
実施例の光電変換素子は、いずれも、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノンのみを加えた比較例3、チオシアン酸アンモニウムのみを加えた比較例4よりも高い変換効率を示しており、特にチオシアン酸アンモニウムの濃度が25.0mM以上の場合、2.5%以上の高い変換効率を示すことがわかった。また、1000時間光照射後も光電変換特性に大きな変化は表れず、十分な耐久性を示している。
比較例5〜7では従来の電解質を用いた光電変換素子であるが、ヨウ素系電解質を用いた比較例5の光電変換素子は変換効率が高いものの、耐久性に問題があり、比較例6、7の光電変換素子は変換効率が低く、耐久性にも問題がある。特に比較例7の光電変換素子は変換効率及び耐久性が最も悪い。
また、意匠面では、実施例の光電変換素子は、電解質層は殆ど無色透明であるため、素子外観も色素の鮮やかさを損なわず、十分な意匠性を示している。これに対し、特に比較例5の光電変換素子では、色素の鮮やかな色にヨウ素系電解質の濃褐色が混ざってしまい、素子外観が濃褐色に変化し、意匠性が大きく損なわれてしまっている。
1 光電変換素子
10 半導体電極
11 透明基板
12 透明導電膜
13 多孔質半導体層
20 対向電極
21 導電性基板
22 触媒層
30 電解質層

Claims (3)

  1. 透明基板の表面に、透明導電膜と、多孔質半導体に増感色素を吸着させた多孔質半導体層とを順次形成してなる半導体電極と、導電性基板の表面に触媒層を形成してなる対向電極との間に、電解質層を保持して構成される光電変換素子であって、
    前記電解質層が、酸化還元対としてチオシアン酸誘導体及びヒドロキノン誘導体の両方を、共に濃度5.0mM〜100.0mMで含むことを特徴とする光電変換素子。
  2. チオシアン酸誘導体とヒドロキノン誘導体との組成比が、モル比で、ヒドロキノン誘導体/チオシアン酸誘導体=0.1〜10であることを特徴とする請求項1記載の光電変換素子。
  3. チオシアン酸誘導体が、下記一般式(I)で表される基本骨格を有することを特徴とする請求項1または2記載の光電変換素子。
    (S−C≡N) ・・・(I)
    (式中、Xはアルカリ金属イオンまたはアルカリ金属土類イオンから選ばれる無機カチオン、アンモニウム塩(下記A)、スルホニウム塩(下記B)またはグアニジウム塩(下記C)から選ばれる有機カチオンである。また、R〜R13はそれぞれ水素原子、直鎖型アルキル基、分岐型アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルキルアリール基またはヘテロアリール基であり、R〜R、R〜R、R〜R13は同一でもよく、異なっていても良い。)
    Figure 2011165423
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