JP2012099230A - 光電変換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】色素の光吸収を抑え、色彩性を損なわない、高効率で意匠性に優れるとともに安定性が高く、太陽電池用として好適な光電変換素子を提供する。
【解決手段】半導体電極と、対向電極と、前記両極間に保持された電解質層とを備えた光電変換素子であって、前記電解質層が、酸化還元対としてベンゾキノン誘導体及びヒドロキノン誘導体の両方をそれぞれ1.0mM〜1.0M、添加剤としてアンモニウム塩を1.0mM〜2.0M含有することを特徴とする光電変換素子。
【選択図】図1

Description

本発明は、色素増感太陽電池用の光電変換素子に関する。
次世代の太陽電池として、低温でより低コストで製造が可能な有機太陽電池の開発が期待されている。有機太陽電池の中でも色素増感太陽電池は、製造コストを大幅に削減できる可能性があること、アモルファスシリコン太陽電池と同等な性能を持つこと、着色透明な太陽電池が作れることなど、従来の太陽電池にはない魅力を持つことから、特に注目を浴びている。
色素増感太陽電池は、一般に導電性基材上に色素を吸着した半導体からなる光電変換層を持つ半導体電極と、対向して設けられた導電性基材上に触媒層を設けた対向電極と、これら半導体電極と対向電極との間に保持された電解質層から構成されている。電解質層には、ヨウ素系酸化還元対を有機溶媒に溶かしたものが一般的に使用されている。ヨウ素系酸化還元対はイオン伝導度が高く、また酸化状態の色素を還元する速度が速い一方、作用極の導電性ガラス表面や酸化チタン表面での反応性が低いなど、優れた性能を有している。
しかしながら、ヨウ素系電解質は高い変換効率を得ることができるが、以下のような問題点がある。
・高い揮発性を有するため封止が非常に難しい。
・高い腐食性を有するため、電極として用いることのできる材料が限られている。
・ヨウ素系酸化還元対は可視光領域に非常に大きい吸光度係数を示し、色素の光吸収が阻害され、性能低下の原因となっている他、太陽電池の意匠性を強調する場合、ヨウ素の色が妨げとなり色素の鮮やかさを十分に生かすことができない。
このようにヨウ素系酸化還元対は酸化還元対としての性能は高いものの、欠点も有しているため、ヨウ素系に替わる酸化還元対が求められており、例えば(SCN)/SCN、(SeCN)/SeCNを酸化還元対に用いた提案がなされている(非特許文献1、2参照)。
J.Phys.Chem.B、105,6867−6873(2001) J.Am.Chem.Soc.,126,7164−7165(2004)
しかしながら、(SCN)/SCNは酸化還元対として動作するものの、ヨウ素系酸化還元対に比べると半分以下の性能である。また、(SeCN)/SeCNは、(SCN)/SCNに比べると高い性能を示しているが、安全性に問題があり実用性が高いとは言えない。そこで、本発明は、色素の光吸収を抑え、色彩性を損なわない、高効率で意匠性に優れるとともに安定性が高く、太陽電池用として好適な光電変換素子を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明は、下記の光電変換素子を提供する。
(1)半導体電極と、対向電極と、前記両極間に保持された電解質層とを備えた光電変換素子であって、
前記電解質層が、酸化還元対としてベンゾキノン誘導体及びヒドロキノン誘導体の両方をそれぞれ1.0mM〜1.0M、添加剤としてアンモニウム塩を1.0mM〜2.0M含有することを特徴とする光電変換素子。
(2)アンモニウム塩が、下記一般式(A)で表される基本骨格を有することを特徴とする上記(1)記載の光電変換素子。
NH ・・・・(A)
(式中、Xは無機アニオン、有機アニオンである)
本発明では、ヒドロキノン/ベンゾキノン系酸化還元対を用いるが、ヨウ素電荷輸送材と比較すると、着色を抑えることはできるものの、発電効率に劣るという問題がある。そこで、特定のアンモニウム塩を添加することで、電荷輸送材として高い性能・安定性を達成し、更にはヨウ素と比較して着色を抑えた酸化還元対を達成することができる。
本発明によれば、電解質層に含まれるヒドロキノン誘導体/ベンゾキノン誘導体、アンモニウム塩混合電荷輸送材が、酸化還元対として高い性能・安定性を有するだけでなく、ヨウ素系電荷輸送材と比べて薄色であるため、光電変換素子の色彩性を損なわず、高効率で、なおかつ意匠性に優れた光電変換素子を提供することができる。
光電変換素子を示す断面図である。
以下に、本発明の光電変換素子に関して、図面を参照して詳細に説明する。
図1は光電変換素子Aを示す断面図であるが、透明基体1の一方の面に透明導電膜2を形成し、更にその表面に半導体層3を一体化してなる半導体電極8と、電極基材7の一方の面に触媒層6を形成した対向電極9とを、透明電極膜2と触媒層6とが対向するように離間して配置し、半導体電極8と対向電極9との間に電解質層5を介在させた構成となっている。また、半導体層3には増感色素4が吸着される。下記に、各構成要素について詳説する。
〔透明基体1〕
透明基体1は、可視光を透過するものが使用でき、透明なガラスが好適に利用できる。また、透明導電膜2が形成される側の表面を加工して入射光を散乱させることで、高効率で入射光を利用することができる。また、ガラスに限らず、光を透過するものであればプラスチック板やプラスチックフィルム等も使用できる。
透明基体1の厚さは、光電変換素子Aの形状や使用条件により異なるため特に限定はされないが、例えばガラスやプラスチックなどを用いた場合では、実使用時の耐久性を考慮して1mm〜1cm程度が好ましく、フレキシブル性が必要とされ、プラスチックフィルムなどを使用した場合は、1μm〜1mm程度が好ましい。
〔透明導電膜2〕
透明導電膜2には、可視光を透過して、かつ導電性を有する材料が使用できる。このような材料としては、例えば金属酸化物が挙げられる。特に限定はされないが、例えばフッ素をドープした酸化スズ(以下、「FTO」と略記する。)や、酸化インジウム、酸化スズと酸化インジウムの混合体(以下、「ITO」と略記する。)、アンチモンをドープした酸化スズ、酸化亜鉛などが好適に用いることができる。
また、分散させるなどの処理により可視光が透過すれば、不透明な導電性材料を用いることもできる。このような材料としては炭素材料や金属が挙げられる。炭素材料としては、特に限定はされないが、例えば黒鉛(グラファイト)、カーボンブラック、グラッシーカーボン、カーボンナノチューブやフラーレンなどが挙げられる。また、金属としては、特に限定はされないが、例えば白金、金、銀、ルテニウム、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、クロム、鉄、モリブデン、チタン、タンタル、およびそれらの合金などが挙げられる。
透明導電膜2の厚さは、用いる材料により導電性が異なるため特には限定されないが、一般的に使用されるFTO被膜付ガラスでは、0.01μm〜5μmであり、好ましくは0.1μm〜1μmである。また、必要とされる導電性は、使用する電極の面積により異なり、広い電極ほど低抵抗であることが求められるが、一般的にシート抵抗(面抵抗率)で100Ω/□以下、好ましくは10Ω/□以下、より好ましくは5Ω/□以下である。このシート抵抗は、薄膜やフィルム状物質の電気抵抗値であり、単位はΩであるが、シートであることを示すため慣用的に「Ω/□(ohm/square)」と記述している。透明基体1及び透明導電膜2との積層体の厚さ、または透明基体1と透明導電膜2とを一体化した厚さは、上述のように光電変換素子Aの形状や使用条件により異なるため特に限定はされないが、一般的に1μm〜1cm程度である。
〔半導体層3〕
半導体層3は、増感色素4を吸着できるように多孔質の金属酸化物半導体からなるが、特に限定はされないが、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズなどが挙げられ、特に二酸化チタン、さらにはアナターゼ型二酸化チタンが好適である。また、電気抵抗値を下げるため、金属酸化物の粒界は少ないことが望ましい。また、増感色素4をより多く吸着させるために、半導体層3は比表面積の大きなものが望ましく、具体的には10〜200m/gが望ましい。
このような半導体層3は、既知の方法で透明導電膜2上に設けることができ、例として、ゾルゲル法や、分散体ペーストの塗布、また、電析や電着させる方法がある。また、半導体層3の厚さは、用いる酸化物により最適値が異なるため特には限定されないが、0.1μm〜50μm、好ましくは3〜30μmであり、より好ましくは5〜15μmである。
〔増感色素4〕
増感色素4としては、太陽光により励起されて半導体層3に電子注入できるものであればよく、一般的に光電変換素子に用いられている色素を用いることができるが、変換効率を向上させるためには、その吸収スペクトルが太陽光スペクトルと広波長域で重なっていて、耐光性が高いことが望ましい。増感色素4としては、金属錯体色素、例えば、ルテニウム錯体、鉄錯体、銅錯体などが挙げられる。さらに、シアン系色素、ポルフィリン系色素、ポリエン系色素、クマリン系色素、シアニン系色素、スクアリン酸系色素、メチン系色素、キサンテン系色素、インドリン系色素などが挙げられる。
〔電解質層5〕
電解質層5は、本発明では酸化還元対としてヒドロキノン誘導体と、ベンゾキノン誘導体と、下記一般式(A)で表されるアンモニウム塩を混合した組成となっている。
NH ・・・・(A)
式中、Xは無機アニオン、有機アニオンであるが、有機溶媒への溶解性を考慮すると有機アニオンが好ましい。有機アニオンの種類に関しては、特別限定はされないが、酸解離定数が小さく、NH が安定に存在できることから酢酸イオン、プロピオン酸イオン、安息香酸イオンなどに代表されるカルボン酸イオンが好ましい。また、無機アニオンとしては塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等が挙げられる。
酸化還元組成物中のアンモニウム塩の濃度としては、溶媒に対して1.0mM〜2.0Mの範囲である。濃度が1.0mMより小さい場合、アンモニウム塩の添加効果がほとんど得られなくなり、変換効率の向上はほとんど見られない。一方、濃度が2.0Mより大きくしても、変換効率の向上はほとんど見られないだけではなく、溶解度の問題から、アンモニウム塩が溶液中で析出してしまう虞がる。好ましい濃度は、20mM〜2.0Mである。
ヒドロキノン誘導体としては、下記一般式(I)で表される基本骨格を有するものが好適である。
Figure 2012099230
式中、Rはアルキル基、アリール基を示しており、添字のnは置換基を0個以上有することを示す。アルキル基、アリール基の種類に関しては特別限定されないが、有機溶媒への溶解性、共役長が伸びることで可視光の吸収が起こることを考慮すると、アルキル基のほうが好ましい。
また、一般式(I)の構造として単環式の芳香環のみならず、多環式芳香族のヒドロキノン誘導体も適用できる。多環式芳香族の種類に関しては特別限定されないが、有機溶媒への溶解性や、共役長が伸びることで可視光の吸収が起こることを考慮すると、縮合環数として3以下のものが好ましいと考えられる。縮合環数が3以下の化合物には、例えば、2つの環が縮合したナフトヒドロキノン誘導体や、3つの環が縮合したアントラヒドロキノン誘導体が挙げられる。
酸化環元組成物中のヒドロキノン誘導体の濃度としては、溶媒に対して1.0mM〜1.0Mの範囲である。濃度が1.0mMより小さい場合、添加効果がほとんど得られなくなり、変換効率の向上はほとんど見られない。一方、濃度を1.0Mより大きくしても、変換効率の向上はほとんど見られないだけではなく、ヒドロキノン誘導体の溶解度の問題から、ヒドロキノン誘導体が溶液中で析出してしまう虞がある。好ましい濃度は、10mM〜1.0Mである。
ベンゾキノン誘導体としては下記一般式(II)で表される基本骨格を有するものが好適である。
Figure 2012099230
式中、Rはアルキル基、アリール基を示しており、添字のnは置換基を0個以上有することを示す。アルキル基、アリール基の種類に関しては特別限定されないが、有機溶媒への溶解性、共役長が伸びることで可視光の吸収が起こることを考慮すると、アルキル基のほうが好ましい。
また、一般式(II)の構造として単環式の芳香環のみならず、多環式芳香族のヒドロキノン誘導体も適用できる。多環式芳香族の種類に関しては特別限定されないが、有機溶媒への溶解性や、共役長が伸びることで可視光の吸収が起こることを考慮すると、縮合環数として3以下のものが好ましいと考えられる。縮合環数が3以下の化合物には、例えば、2つの環が縮合したナフトキノン誘導体や、3つの環が縮合したアントラキノン誘導体が挙げられる。
酸化環元組成物中のベンゾキノン誘導体の濃度としては、溶媒に対して1.0mM〜1.0Mの範囲である。濃度が1.0mMより小さい場合、添加効果がほとんど得られなくなり、変換効率の向上はほとんど見られない。一方、濃度を1.0Mより大きくしても、変換効率の向上はほとんど見られないだけではなく、ベンゾキノン誘導体の溶解度の問題から、ベンゾキノン誘導体が溶液中で析出してしまう虞がある。好ましい濃度は、10mM〜1.0Mである。
ヒドロキノン誘導体、ベンゾキノン誘導体の組合せは、一般式(I)、(II)中のRnが同じ置換基である組合せが好ましい。
また、ヒドロキノン誘導体、ベンゾキノン誘導体、アンモニウム塩の混合比は特に限定されないが、ヒドロキノン誘導体モル濃度をx、ベンゾキノン誘導体のモル濃度をy、アンモニウム塩のモル濃度をzとすると、以下の式を満たすことが好ましい。
0.05≦x/y≦20、0.5≦(x+y)/z≦2.0
上記酸化還元対を溶解させる溶媒としては、酸化還元対を溶解できる化合物であれば特に制限はなく、非水性有機溶媒、常温溶融塩、プロトン性有機溶媒などから任意に選択できる。また、アンモニウム塩は有機溶媒に難溶であることがあるが、その場合は、溶媒にカルボン酸を添加することで、溶解させることができる。
例えば有機溶媒として、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、パレロニトリル、3−メトキシプロピオニトリルなどのニトリル化合物、γ−ブチルラクトンやパレロラクトンなどのラクトン化合物、エチレンカーボネートやプロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、ジオキサンやジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、低重合度ポリエチレングリコールなどのエーテル類、メタノール、エタノール等のアルコール類、さらにはジメチルホルムアミドやイミダゾール類などが挙げられ、中でもアセトニトリル、パレロニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、プロピレンカーボネート、低重合度ポリエチレングリコールなどを好適に用いることができる。
カルボン酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸を代表とする飽和カルボン酸、アクリル酸、メタクリル酸、2−エチルプロペン酸を代表とする不飽和カルボン酸、安息香酸、フタル酸などを代表とする、芳香族カルボン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸などのヒドロキシ酸などが例として挙げられる。
溶媒の組成は、アンモニウム塩を溶解することができればよいが、カルボン酸成分の添加量が多くなるほど変換効率が低下する傾向があるため、カルボン酸成分の添加量は可能な限り少ないことが好ましい。なお、アンモニウム塩が使用する有機溶媒に溶解する場合は、カルボン酸成分を添加する必要はない。
電解質層5にはさらに支持電解質として、リチウム塩やイミダゾリウム塩、4級アンモニウム塩、常温溶融塩などを添加することができる。これらの添加剤は電解質層の特性を損ねない程度に添加することができる。また、適当なゲル化剤を添加することで物理的、化学的にゲル化することもできる。
〔触媒層6〕
触媒層6としては、電解質中の酸化還元対の酸化体を還元体に還元する還元反応を速やかに進行させることが可能な電極特性を有するものであれば特に限定されないが、塩化白金酸を塗布、熱処理したものや、白金を蒸着した白金触媒電極、活性炭、グラッシーカーボン、カーボンナノチューブのような炭素材料、硫化コバルトなどの無機硫黄化合物、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリンなどの導電性高分子などが使用できるが、その中でも白金触媒電極が好ましく使用できる。また、触媒層6の厚さは、5nm〜5μmが適当であり、特に好ましくは50nm〜2μmである。
〔電極基材7〕
電極基材7は、触媒層6の支持体兼集電体として用いられるため、表面部分に導電性を有していることが好ましく例えば、金属として白金、金、銀、ルテニウム、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、クロム、鉄、モリブデン、チタン、タンタル、およびそれらの合金や、炭素材料として、例えば黒鉛(グラファイト)、カーボンブラック、グラッシーカーボン、カーボンナノチューブ、フラーレンなど、金属酸化物として、FTO、ITO、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化アンチモンなどを用いることができる。また、表面が導電性を有するように処理すれば、ガラスやプラスチックなどの絶縁体も用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
(光電変換素子の作製)
以下のようにして、図1に示す構造の光電変換素子を作製した。
〔半導体電極の作製〕
ジオマテック(株)製のITO膜付きガラス(スパッタ品)を必要なサイズに切り出し、ガラス洗浄剤で洗い、洗浄剤を純水で洗い流した後、アセトン、ヘキサン、アセトン、純水、純水の順番で各5分ずつ超音波洗浄を行った。乾燥後、UVオゾン洗浄機を用いて10分間仕上洗浄を行った後、70℃のTiCl水溶液中に30分間浸漬した。浸漬後、純水で洗浄し、よく乾燥させた後、ITO膜表面にTiOペースト(Ti−Nanoxide D)をKコントロールコーター(松尾製作所製)で50μm程度の厚さに塗布した。30分程静置、乾燥させた後、80℃で30分、450℃で30分の順に大気中で焼成し、厚さ10μmの多孔質酸化チタンを有する半導体電極を得た。
〔増感色素の吸着〕
増感色素として、N3と呼ばれるシス−ビス(イソチオシアナト)ビス(2,2’−ピビリジル−4,4’−ジカルボキシラート)ルテニウム(II)(和光純薬工業(株)製)を用いた。色素溶液は、0.3mMのエタノール溶液とした。そして、上記の半導体電極を色素溶液に浸漬し、遮光下40℃程度で3時間静置した。その後それぞれエタノールで余分な色素を洗浄し、風乾した。
〔対向電極の作製〕
対向電極は、ガラス基板の上に白金薄膜層を蒸着したものを用いた。白金薄膜の厚さは約200nmであった。
〔電解質層〕
酢酸アンモニウム(和光純薬工業(株)製)、安息香酸アンモニウム(和光純薬工業(株)製)、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン(和光純薬工業(株)製)、2,5−ジ−t−ブチルベンゾキノン(和光純薬工業(株)製)、アセトニトリル(和光純薬工業(株)製)、酢酸(和光純薬工業(株)製)、安息香酸(和光純薬工業(株)製)を用い、表1に示す組成とした。尚、酢酸及びアセトニトリルは、凍結脱気したものを用いた。安息香酸は、アルゴン置換された乾燥容器内で保管してあるものをそのまま用いた。
具体的には、乾燥させ、アルゴン置換を行ったガラス容器に酢酸アンモニウム、もしくは安息香酸アンモニウムを入れ、酢酸または安息香酸を加えた。次いで、少量のアセトニトリルを加え、固体が溶けきるまで振り混ぜた後、2,5−ジ−t−ブチルベンゾキノン、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、アセトニトリルを加えた。
〔光電変換素子の組立〕
半導体電極と、対向電極との間に電解質層を介在させ、側面をエポキシ系接着剤でシールした。尚、この作業はアルゴン置換されたグローブボックス内にて行った。
〔光電変換素子の評価〕
光電変換素子について、(1)ソーラーシミュレーターを用いて評価した。擬似太陽光は、AM1.5条件下で100mW/cmの光を用い、開放電圧、短絡電流、フィルファクターから変換効率を算出して光電変換特性を評価した。また、(2)光照射1000時間後に再度変換効率を測定し、組立て直後の変換効率との相対比から耐久性を評価した。更に、(3)電解質層及び素子の外観を目視にて観測した。それぞれの結果を表1に併記する。
Figure 2012099230
Figure 2012099230
実施例1〜7は何れも、電解質層が2,5−ジ−t−ブチルベンゾキノン、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、アンモニウム塩を含んでおり、変換効率は2%以上の値を示している。そのため、アンモニウム塩を含まない比較例1と比べて変換効率が大幅に向上しており、また、1000時間光照射後も光電変換特性に大きな変化は現れず、優れた耐久性を示している。
また、実施例1〜3に示すように、2,5−ジ−t−ブチルベンゾキノンと、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノンとが等モル濃度の場合、特に高い変換効率を示す。一方、どちらか片方しか添加していない比較例3、4は、変換効率は低い値である。
更に、各化合物の濃度が高くなるほど変換効率は高くなる。しかし、比較例2に示すように濃度が低すぎると、変換効率の向上はほとんど見られず、比較例5に示すように濃度が高すぎると、各化合物を完全には溶解させることができず、素子の作製ができなくなる。実施例6、7に示したように、アンモニウム塩、有機酸の種類を変えても変換効率は向上する。
従来のヨウ素系電解質を用いた比較例6では、変換効率は本発明よりも上回るが、色素の鮮やかな色にヨウ素系酸化還元対の濃褐色が混ざってしまい、光電変換素子の外観が濃褐色に変化し、意匠性が大きく損なわれてしまっている。また、耐久性にも問題があることが分かる。
以上のように、本発明の光電変換素子は、電解質層が従来のヨウ素系酸化還元対を備える電解質層よりも耐久性や意匠性(変色)に優れており、性能、耐久性、コスト、デザイン性に優れた実用性の高いものとなることがわかる。
A 光電変換素子
1 透明基体
2 透明導電膜
3 半導体層
4 増感色素
6 触媒層
7 電極基材
8 半導体電極
9 対向電極

Claims (2)

  1. 半導体電極と、対向電極と、前記両極間に保持された電解質層とを備えた光電変換素子であって、
    前記電解質層が、酸化還元対としてベンゾキノン誘導体及びヒドロキノン誘導体の両方をそれぞれ1.0mM〜1.0M、添加剤としてアンモニウム塩を1.0mM〜2.0M含有することを特徴とする光電変換素子。
  2. アンモニウム塩が、下記一般式(A)で表される基本骨格を有することを特徴とする請求項1記載の光電変換素子。
    NH ・・・・(A)
    (式中、Xは無機アニオン、有機アニオンである)
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