JPWO2012017549A1 - エレベータ用調速機 - Google Patents
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Abstract
回転体には、調速機綱車が回転されると、回転力伝達装置により、調速機綱車と同方向への回転力が与えられる。スイッチ取付部材とともに変位される過速度検出スイッチは、かごの速度が第1の過速度になったときに作動片で操作される第1の設定位置と、かごの速度が第1の過速度よりも高い第2の過速度になったときに作動片で操作される第2の設定位置との間で変位可能になっている。ラチェットは、係合爪と係合可能な係合可能位置と、係合爪との係合を避ける係合回避位置との間で主軸の軸線方向へ変位可能になっている。スイッチ取付部材と回転体とは第1の連動装置により連動し、ラチェットと回転体とは第2の連動装置により連動する。これにより、過速度検出スイッチは回転体の回転方向に応じて第1の設定位置と第2の設定位置との間で変位され、ラチェットは回転体の回転方向に応じて係合可能位置と係合回避位置との間で変位される。
Description
この発明は、かごの移動に伴って回転される調速機綱車を有するエレベータ用調速機に関するものである。
従来、かごの下降時よりも上昇時の設定過速度を高くするために、2つの調速機構間の動力伝達をクラッチ装置で接続・解除するエレベータの調速装置が提案されている。一方の調速機構の設定過速度は、他方の調速機構の設定過速度よりも高くなっている。かごの上昇時には、他方の調速機構が一方の調速機構からクラッチ装置により切り離され、設定過速度の高い一方の調速機構のみが機能する。かごの下降時には、各調速機構がクラッチ装置により互いに接続され、各調速機構のそれぞれが機能する。これにより、調速装置の設定過速度は、かごの上昇時よりも下降時に低くなる(特許文献1参照)。
また、従来、電磁アクチュエータへの給電制御によってストッパを案内ボルトから外すことにより、案内ボルトを圧縮ばねのばね力で動かし、ブレーキシューを案内レールに押し付けてブレーキ力を発生するプログレッシブ安全装置も知られている(特許文献2参照)。
さらに、従来、永久磁石と、綱車の回転方向に応じた電力を発生する直流発電機と、直流発電機からの電力に応じて磁極が変化する電磁石とを綱車に設け、綱車の逆転時に電磁石を永久磁石に吸引させてフライウェイトの回動を規制し、綱車の正転時に電磁石を永久磁石から反発させてフライウェイトの回動の規制を解除することにより、かごの下降時よりも上昇時の設定過速度を高くしたエレベータ用調速機も知られている(特許文献3参照)。
しかし、特許文献1に示されたエレベータの調速装置では、2つの調速機構が必要になるので、装置全体が大形化してしまう。
また、特許文献2に示されたプログレッシブ安全装置では、停電すると電磁アクチュエータへ給電することができなくなり、装置を動作させることができなくなってしまう。これにより、装置の動作の信頼性が低下してしまう。
さらに、特許文献3に示されたエレベータ用調速機では、直流発電機や電磁石の断線故障等が生じるおそれがあり、装置の動作の信頼性が低下してしまう。また、装置の動作の信頼性を向上させるために、断線故障等を監視する監視装置を設けることも考えられるが、この場合、装置が複雑になってしまう。
また、特許文献2に示されたプログレッシブ安全装置では、停電すると電磁アクチュエータへ給電することができなくなり、装置を動作させることができなくなってしまう。これにより、装置の動作の信頼性が低下してしまう。
さらに、特許文献3に示されたエレベータ用調速機では、直流発電機や電磁石の断線故障等が生じるおそれがあり、装置の動作の信頼性が低下してしまう。また、装置の動作の信頼性を向上させるために、断線故障等を監視する監視装置を設けることも考えられるが、この場合、装置が複雑になってしまう。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、大形化を抑制することができ、より確実に動作することができるエレベータ用調速機を得ることを目的とする。
この発明によるエレベータ用調速機は、主軸が設けられた支持体、かごとともに移動される調速機ロープが巻き掛けられ、かごの移動に応じて主軸を中心に回転される調速機綱車、調速機綱車に設けられ、調速機綱車の回転によって生じる遠心力に応じて調速機綱車に対して回動されるフライウェイト、フライウェイトに設けられ、調速機綱車の回転速度が増加する方向へのフライウェイトの回動により調速機綱車の径方向外側へ調速機綱車に対して変位される作動片、フライウェイトに設けられ、調速機綱車の回転速度が増加する方向へのフライウェイトの回動により調速機綱車の径方向内側へ変位される係合爪、調速機綱車とは別個に主軸を中心に回転自在な回転体、調速機綱車が回転されることにより、調速機綱車と同方向への回転力を回転体に与える回転力伝達装置、支持体に変位可能に設けられたスイッチ取付部材、回転体とスイッチ取付部材とを連動させ、回転体の回転方向に応じて上記スイッチ取付部材を変位させる第1の連動装置、スイッチ取付部材とともに変位され、作動片の操作により作動される過速度検出スイッチ、かごの速度が所定の第1の過速度になったときに作動片によって操作される第1の設定位置と、かごの速度が第1の過速度よりも高い第2の過速度になったときに作動片によって操作される第2の設定位置との間で過速度検出スイッチが変位されるように過速度検出スイッチの変位の範囲を規制する規制装置、かごの速度が第2の過速度よりも高い非常止め過速度になったときに係合爪が係合する係合可能位置と、調速機綱車から離れて係合爪との係合を避ける係合回避位置との間で主軸の軸線方向へ変位可能で、係合爪との係合により上記調速機綱車と同方向へ主軸を中心に回転されるラチェット、回転体とラチェットとを連動させ、回転体の回転方向に応じて係合可能位置と係合回避位置との間でラチェットを変位させる第2の連動装置、及びラチェットが回転されることにより調速機ロープを把持する把持装置を備えている。
この発明によるエレベータ用調速機では、調速機綱車と同方向への回転力が回転力伝達装置により回転体に与えられ、過速度検出スイッチが第1の連動装置によって回転体と連動し、ラチェットが第2の連動装置によって回転体と連動して主軸の軸線方向へ変位されるので、複数の調速機を設置する必要がなくなり、調速機全体の大形化を抑制することができる。また、電気的な速度検出センサを用いることなく、かごの移動方向が上方向であるときと下方向であるときとで異なる過速度を検出することができる。さらに、調速機への電力供給を行うことなく、調速機を動作させることができる。従って、例えば停電や断線等によって調速機の動作が不可能になることを防止することができ、調速機をより確実に動作させることができる。
以下、この発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるエレベータ装置を示す構成図である。図において、昇降路1内の上部には、かご2及び釣合おもり3を上下方向へ移動させる駆動力を発生する巻上機(駆動装置)4と、そらせ車5とが設けられている。巻上機4は、モータを含む巻上機本体6と、巻上機本体6に設けられ、巻上機本体6の駆動力により回転される駆動綱車7とを有している。そらせ車5は、駆動綱車7から離して配置されている。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるエレベータ装置を示す構成図である。図において、昇降路1内の上部には、かご2及び釣合おもり3を上下方向へ移動させる駆動力を発生する巻上機(駆動装置)4と、そらせ車5とが設けられている。巻上機4は、モータを含む巻上機本体6と、巻上機本体6に設けられ、巻上機本体6の駆動力により回転される駆動綱車7とを有している。そらせ車5は、駆動綱車7から離して配置されている。
駆動綱車7及びそらせ車5には、かご2及び釣合おもり3を吊り下げる懸吊手段8が巻き掛けられている。懸吊手段8としては、例えばロープやベルト等が用いられている。かご2及び釣合おもり3は、駆動綱車7の回転により昇降路1内を上下方向へ移動される。かご2及び釣合おもり3が昇降路1内を移動されるときには、かご2がかごガイドレール(図示せず)に案内され、釣合おもり3が釣合おもりガイドレール(図示せず)に案内される。
かご2の下部には、かご2の落下を阻止する機械式の非常止め装置9が設けられている。非常止め装置9には、操作アーム10が設けられている。非常止め装置9は、操作アーム10の操作により、かごガイドレールを把持する。かご2の落下は、非常止め装置9によるかごガイドレールの把持により阻止される。
昇降路1内の上部には調速機11が設けられ、昇降路1内の下部には張り車12が設けられている。調速機11及び張り車12間には、調速機ロープ13が巻き掛けられている。調速機ロープ13の一端部及び他端部は、操作アーム10に接続されている。これにより、調速機ロープ13は、調速機11及び張り車12間にループ状に張られている。調速機ロープ13は、かご2とともに移動される。
調速機11は、調速機ロープ13を把持可能になっている。操作アーム10は、かご2の移動時に調速機ロープ13が調速機11により把持されてかご2が調速機ロープ13に対して変位されることにより操作される。
図2は、図1の調速機11を示す正面図である。また、図3は、図2の調速機11を示す側断面図である。図において、昇降路1内に固定された調速機台14上には、筐体(支持体)15が固定されている。筐体15には、主軸16が水平に固定されている。主軸16には、調速機ロープ13が巻き掛けられた調速機綱車17が回転自在に設けられている。調速機綱車17は、調速機ロープ13の移動(即ち、かご2の移動)に応じて主軸16を中心に回転される。即ち、調速機綱車17は、かご2の上方への移動(上昇)により正方向(図2の時計方向)へ回転され、かご2の下方への移動(下降)により逆方向(図2の反時計方向)へ回転される。また、調速機綱車17の回転速度は、かご2の移動速度に応じた速度となる。
筐体15は、図3に示すように、主軸16の軸線方向について互いに対向する一対の支持板15a,15bと、各支持板15a,15bの下端部間に水平に固定され、調速機台14に取り付けられた底板15cとを有している。一方の支持板15aには主軸16の一端部が固定され、他方の支持板15bには主軸16の他端部が固定されている。
調速機綱車17には、図2に示すように、主軸16の軸線に平行な一対のウェイト軸18が設けられている。各ウェイト軸18は、主軸16の軸線に関して対称位置に配置されている。各ウェイト軸18には、フライウェイト19がそれぞれ回動自在に取り付けられている。即ち、調速機綱車17には、一対のウェイト軸18のそれぞれを中心に個別に回動自在な一対のフライウェイト19が設けられている。
各フライウェイト19は、調速機綱車17の回転によって生じる遠心力に応じて調速機綱車17に対してウェイト軸18を中心に回動される。即ち、各フライウェイト19は、調速機綱車17の回転速度に応じて調速機綱車17に対して回動される。
一方のフライウェイト19の一端部と他方のフライウェイト19の他端部とは、図2に示すように、リンク20を介して互いに連結されている。また、一方のフライウェイト19の他端部と調速機綱車17のボス部との間には、遠心力に抗する平衡ばね21が設けられている。各フライウェイト19は、調速機綱車17の回転速度が増加すると、平衡ばね21のばね力に逆らって調速機綱車17に対してそれぞれ回動される。
一方のフライウェイト19の一端部には、調速機綱車17の径方向外側へ突出する作動片22が設けられている。作動片22は、調速機綱車17の回転速度が増加する方向へのフライウェイト19の回動により調速機綱車17の径方向外側へ調速機綱車17に対して変位され、調速機綱車17の回転速度が低減する方向へのフライウェイト19の回動により調速機綱車17の径方向内側へ調速機綱車17に対して変位される。これにより、調速機綱車17が回転されるときの作動片22の軌道は、調速機綱車17の回転速度の増加(即ち、かご2の移動速度の増加)に伴って調速機綱車17の径方向外側へ移る。
筐体15には、所定の長さを持つ板状のスイッチ取付部材23の一端部がピン24を介して取り付けられている。ピン24は、主軸16の軸線に平行に配置されている。スイッチ取付部材23は、ピン24を中心に回動自在になっている。即ち、スイッチ取付部材23は、筐体15に変位可能に設けられている。
スイッチ取付部材23の他端部には、過速度検出スイッチ25が取り付けられている。従って、過速度検出スイッチ25は、スイッチ取付部材23とともに筐体15に対して変位される。また、過速度検出スイッチ25は、スイッチ取付部材23の筐体15に対する回動により、主軸16との距離が変化する方向へ変位される。
過速度検出スイッチ25は、スイッチ取付部材23の他端部に固定されたスイッチ本体26と、スイッチ本体26から主軸16側へ突出する操作レバー27とを有している。過速度検出スイッチ25は、操作レバー27が操作されることにより、エレベータの制御装置(図示せず)へ停止信号を出力する。制御装置が過速度検出スイッチ25からの停止信号を受けたときには、制御装置の制御により、巻上機4への給電が停止され、巻上機4のブレーキ装置(図示せず)が動作される。
筐体15には、過速度検出スイッチ25の変位の範囲を規制する規制装置28が設けられている。規制装置28は、主軸16に近づく方向への過速度検出スイッチ25の変位を規制する第1のストッパ29と、主軸16から離れる方向への過速度検出スイッチ25の変位を規制する第2のストッパ30とを有している。
第1のストッパ29はスイッチ取付部材23よりも主軸16に近い位置に固定され、第2のストッパ30はスイッチ取付部材23よりも主軸16から離れた位置に固定されている。主軸16に近づく方向への過速度検出スイッチ25の変位はスイッチ取付部材23が第1のストッパ29に当たることにより規制され、主軸16から離れる方向への過速度検出スイッチ25の変位はスイッチ取付部材23が第2のストッパ30に当たることにより規制される。
過速度検出スイッチ25の主軸16に対する位置は、スイッチ取付部材23が第1のストッパ29に当たることにより所定の低過速度設定位置(第1の設定位置)となり、スイッチ取付部材23が第2のストッパ30に当たることにより低過速度設定位置よりも主軸16から離れた高過速度設定位置(第2の設定位置)となる。即ち、過速度検出スイッチ25の変位の範囲は、規制装置28により、低過速度設定位置と高過速度設定位置との間の範囲に制限されている。
過速度検出スイッチ25が低過速度設定位置にあるときには、かご2の速度が所定の第1の過速度V1となっているときの作動片22の軌道A上に操作レバー27の先端部が配置される。従って、過速度検出スイッチ25が低過速度設定位置にあるときには、かご2の速度が第1の過速度V1になることにより操作レバー27が作動片22により操作される。
また、過速度検出スイッチ25が高過速度設定位置にあるときには、かご2の速度が第1の過速度V1よりも高い第2の過速度V2となっているときの作動片22の軌道B上に操作レバー27の先端部が配置される。従って、過速度検出スイッチ25が高過速度設定位置にあるときには、かご2の速度が第1の過速度V1よりも高い第2の過速度V2になることにより操作レバー27が作動片22により操作される。
他方のフライウェイト19の他端部には、調速機綱車17の径方向内側へ突出する係合爪31が設けられている。従って、係合爪31は、調速機綱車17の回転速度が増加する方向へのフライウェイト19の回動により調速機綱車17の径方向内側へ調速機綱車17に対して変位され、調速機綱車17の回転速度が低減する方向へのフライウェイト19の回動により調速機綱車17の径方向外側へ調速機綱車17に対して変位される。これにより、調速機綱車17が回転されるときの係合爪31の軌道は、調速機綱車17の回転速度の増加(即ち、かご2の移動速度の増加)に伴って調速機綱車17の径方向内側へ移る。
主軸16には、ラチェット32が調速機綱車17とは別個に設けられている。ラチェット32は、主軸16を中心に回転自在になっている。また、ラチェット32は、図3に示すように、所定の係合可能位置と、係合可能位置よりも調速機綱車17から離れた係合回避位置との間で主軸16の軸線方向へ変位可能になっている。
ラチェット32の外周部には、図2に示すように、調速機綱車17の回転方向が逆方向となっているとき(即ち、かご2の下方向へ移動しているとき)にのみ係合爪31に係合可能な複数の歯が設けられている。
ラチェット32が係合可能位置にあるときには、かご2の下方向への移動時にかご2の速度が第2の過速度V2よりも高い非常止め過速度V3になると、ラチェット32の歯に係合爪31が係合する。ラチェット32が係合回避位置にあるときには、ラチェット32の位置が係合爪31の変位の範囲から外れており、ラチェット32の歯と係合爪31との係合が回避される。ラチェット32は、調速機綱車17が逆方向へ回転されているときに(即ち、かご2の下降時に)係合爪31がラチェット32の歯に係合することにより、調速機綱車17と同方向へ回転される。
調速機台14には、ラチェット32が逆方向(図2の反時計方向)へ回転されることにより調速機ロープ13を把持する把持装置33が設けられている。把持装置33は、図2に示すように、ラチェット32の下方に配置されている。
把持装置33は、調速機台14に固定された押さえ板(受け部)34と、調速機台14のピン35に一端部が回動可能に取り付けられた伸縮可能な伸縮アーム36と、伸縮アーム36の他端部に回動可能に取り付けられ、伸縮アーム36の回動により押さえ板34に接離する方向へ変位される制動シュー(可動部)37と、伸縮アーム36に設けられ、伸縮アーム36が縮む方向への力に逆らう弾性反発力を発生する押し付け用ばね38とを有している。
制動シュー37は、伸縮アーム36の回動により、押さえ板34との間で調速機ロープ13を把持する把持位置と、押さえ板34から離れて調速機ロープ13の把持を解除する開放位置との間で変位可能になっている。制動シュー37が把持位置にあるときには、伸縮アーム36が縮められ、押し付け用ばね38の弾性反発力により、制動シュー37が調速機ロープ13を介して押さえ板34に押圧される。
伸縮アーム36には、支持レバー39が回動可能に連結されている。ラチェット32の側面には、支持レバー39の上端部が掛けられる保持ピン40が固定されている。制動シュー37は、支持レバー39が保持ピン40に掛けられることにより開放位置に保持される。
支持レバー39は、係合爪31がラチェット32の歯に係合しながらラチェット32が調速機綱車17と同方向へ回転することにより、保持ピン40から外れるようになっている。制動シュー37は、支持レバー39が保持ピン40から外れることにより、自重で把持位置へ変位される。なお、支持レバー39及び調速機台14間には、例えば振動等により支持レバー39が保持ピン40から誤って外れること(誤作動)を防止するために引きばね41が接続されている。
主軸16には、円板状の回転体42が調速機綱車17及びラチェット32とは別個に設けられている。回転体42は、主軸16を中心に回転自在になっている。回転体42は、主軸16の軸線方向について、調速機綱車17からみてラチェット32側と反対側に配置されている。回転体42と調速機綱車17との間には、調速機綱車17が回転されることにより調速機綱車17と同方向への回転力を回転体42に与える回転力伝達装置43が設けられている。
ここで、図4は、図2の回転体42及び回転力伝達装置43を示す正面図である。また、図5は、図3の回転体42及び回転力伝達装置43を示す側断面図である。調速機綱車17の回転体42側の面には、主軸16の軸線を中心とする円筒状の固定部44が固定されている。回転力伝達装置43は、固定部44の内面に固定された複数(この例では、2個)の永久磁石45と、回転体42の側面に固定され、永久磁石45よりも調速機綱車17の径方向内側に配置された金属体46とを有している。
各永久磁石45は、固定部44の周方向へ互いに間隔を置いて配置されている。また、各永久磁石45は、調速機綱車17と一体に回転されることにより、金属体46の周囲の円軌道上を移動する。
金属体46は、主軸16の軸線を中心とする円筒状の部材とされている。また、金属体46は、複数枚の金属板が主軸16の軸線方向へ積層されて構成された積層体とされている。さらに、金属体46は、調速機綱車17の径方向について所定の隙間を介して各永久磁石45に対向している。金属体46は、固定部44の内側で各永久磁石45に対向しながら、回転体42と一体に回転される。
調速機綱車17が回転すると、各永久磁石45が金属体46の周囲を調速機綱車17と一体に移動する。各永久磁石45が調速機綱車17の回転方向へ金属体46の周囲を移動すると、金属体46の表面に渦電流が発生するため、アラゴの円盤の原理により、調速機綱車17と同方向への回転力が金属体46に発生する。これにより、回転体42には、調速機綱車17と同方向への回転力が与えられる。即ち、回転力伝達装置43は、調速機綱車17から受けた回転力を調速機綱車17の回転方向に応じて非接触で回転体42に与える。これにより、回転体42は、調速機綱車17が正方向へ回転されると正方向への回転力を受け、調速機綱車17が逆方向へ回転されると逆方向への回転力を受ける。
回転体42の側面には、主軸16の軸線に平行な連結ピン47が設けられている。スイッチ取付部材23の中間部には、図2に示すように、主軸16の軸線に平行な連結ピン48が設けられている。各連結ピン47,48間には、回転体42とスイッチ取付部材23とを連動させる第1の連動装置としての第1のリンク部材49が連結されている。
第1のリンク部材49の一端部は、連結ピン47に回動自在に取り付けられている。第1のリンク部材49の他端部には、第1のリンク部材49の長さ方向に沿った長穴50が設けられている。第1のリンク部材49の他端部は、連結ピン48が長穴50にスライド可能に挿入された状態で連結ピン48に取り付けられている。これにより、回転体42とスイッチ取付部材23とが連動する。これにより、スイッチ取付部材23は、回転体42の回転方向に応じて変位される。
回転体42が逆方向(図2の反時計方向)へ回転するときの連結ピン47の移動は、スイッチ取付部材23が第1のストッパ29に当たることにより規制される。また、回転体42が正方向(図2の時計方向)へ回転するときの連結ピン47の移動は、スイッチ取付部材23が第2のストッパ30に当たることにより規制される。連結ピン47の位置は、スイッチ取付部材23が第1のストッパ29に当たることにより、主軸16の軸線を含む鉛直面よりもスイッチ取付部材23から離れた所定の第1の限界位置となり、スイッチ取付部材23が第2のストッパ30に当たることにより、主軸16の軸線を含む鉛直面よりもスイッチ取付部材23に近い所定の第2の限界位置となる。従って、回転体42の回転により連結ピン47が移動される範囲は、第1の限界位置と第2の限界位置との間の範囲に制限される。
各支持板15a,15bには、上下方向に沿った長穴51がそれぞれ設けられている。各長穴51は、主軸16の軸線を含む鉛直面上に配置されている。各支持板15a,15b間には、共通の連結軸52が各長穴51に通された状態で水平に設けられている。連結軸52は、各長穴51内を上下方向へスライド可能になっている。
連結ピン47及び連結軸52間には、第2のリンク部材53が連結されている。第2のリンク部材53の一端部は、連結ピン47に回動可能に取り付けられている。第2のリンク部材53の他端部は、連結軸52に固定されている。従って、連結軸52は、連結ピン47が第1の限界位置と第2の限界位置との間で変位されることにより、連結軸52の軸線を中心に回動される。
各支持板15a,15bには、長穴51の上方に配置された突起54がそれぞれ固定されている。連結軸52の両端部と各突起54との間には、突起54に近づく方向(上方)へ連結軸52を付勢する引きばね55がそれぞれ接続されている。連結ピン47が引きばね55の付勢力を受けることにより、第1及び第2の限界位置のそれぞれでの連結ピン47の保持が安定し、例えば振動等による誤動作の発生が防止される。
連結軸52には、第1のカム56が固定されている。第1のカム56は、連結軸52と一体に連結軸52の軸線を中心に回動される。
ラチェット32と調速機綱車17との間には、図3に示すように、主軸16の軸線に沿って調速機綱車17から離れる方向へラチェット32を付勢するラチェット用付勢ばね(付勢体)57が設けられている。
主軸16の外周面には、図3に示すように、ラチェット32の側面に接触した状態でラチェット用付勢ばね57の付勢力を受ける第2のカム58が設けられている。第2のカム58は、調速機綱車17からみてラチェット32よりも離れた位置に配置されている。また、第2のカム58は、主軸16の径方向に沿った軸を中心に回動可能になっている。
第1のカム56と第2のカム58との間には、一端部が第1のカム56に接触し、他端部が第2のカム58に接触するシャフト59が配置されている。シャフト59は、第1のカム56の回動に応じて上下方向へ変位される。第2のカム58は、シャフト59の上下方向への変位に応じて回動される。ラチェット32は、第2のカム58の回動に応じて係合可能位置と係合回避位置との間を変位される。
即ち、ラチェット32は、第2のリンク部材53、連結軸52、第1のカム56、シャフト59及び第2のカム58を介して、回転体42と連動されるようになっている。回転体42が回転されると、回転体42の回転方向に応じて、第2のリンク部材53、連結軸52、第1のカム56、シャフト59及び第2のカム58の順に動作され、これにより、ラチェット32が回転体42の回転方向に応じて係合可能位置と係合回避位置との間を変位される。これにより、ラチェット32は、回転体42が正方向へ回転されることにより係合回避位置に変位され、回転体42が逆方向へ回転されることにより係合可能位置に変位される。
なお、回転体42とラチェット32とを連動させる第2の連動装置60は、第2のリンク部材53、連結軸52、第1のカム56、シャフト59、第2のカム58及びラチェット用付勢ばね57を有している。また、調速機11は、筐体15、調速機綱車17、フライウェイト19、作動片22、スイッチ取付部材23、過速度検出スイッチ25、規制装置28、係合爪31、ラチェット32、把持装置33、回転体42、回転力伝達装置43、第1のリンク部材49及び第2の連動装置60を有している。
次に、かご2が下降するときの調速機11の動作を図6〜図12を用いて説明する。かご2が下降するときには、図6に示すように、調速機綱車17が調速機ロープ13の移動に応じて主軸16を中心に図6の反時計方向(逆方向)へ回転される。これにより、各フライウェイト19は、調速機綱車17の回転速度に応じた遠心力を受ける。
かご2の移動速度の増加に伴って各フライウェイト19が受ける遠心力が増加すると、各フライウェイト19が平衡ばね21のばね力に逆らってウェイト軸18を中心に回動される。これにより、作動片22が調速機綱車17の径方向外側へ次第に変位され、作動片22の回転軌道半径が次第に大きくなる。
一方、調速機綱車17が逆方向へ回転されるときには、図7に示すように、各永久磁石45も調速機綱車17と一体に逆方向(図7の反時計方向)へ回転される。このとき、金属体46の表面に渦電流が発生し、アラゴの円盤の原理により、調速機綱車17と同方向への回転力が金属体46に発生する。これにより、回転体42は逆方向への回転力を受ける。
回転体42が逆方向へ回転されると、図7に示すように、スイッチ取付部材23は、第1のリンク部材49に引かれながら、過速度検出スイッチ25を主軸16に近づける方向へピン24を中心に回動され、第1のストッパ29に当たる。これにより、連結ピン47が第1の限界位置に達し、回転体42の逆方向への回転が止まる。また、過速度検出スイッチ25が低過速度設定位置に達する。
また、回転体42が逆方向へ回転されると、図7に示すように、第2のリンク部材53が連結軸52及び第1のカム56と一体に図7の時計方向へ連結軸52を中心に回動される。これにより、図8に示すように、シャフト59が第1のカム56で押し上げられ、ラチェット32を調速機綱車17に近づける方向へ第2のカム58が回動される。これにより、ラチェット32は、ラチェット用付勢ばね57の付勢力に逆らって調速機綱車17に近づく方向へ変位され、係合可能位置に達する。
即ち、かご2が下降するときには、過速度検出スイッチ25の位置が低過速度設定位置となり、ラチェット32の位置が係合可能位置となる。
過速度検出スイッチ25の位置が低過速度設定位置となっているときには、図9に示すように、軌道A上を移動される作動片22により操作レバー27が操作される。作動片22は、かご2の速度が第1の過速度V1に達すると軌道A上を移動する。従って、かご2が下降するときには、かご2の速度が第1の過速度V1に達すると、操作レバー27が作動片22により操作される。操作レバー27が作動片22により操作されると、巻上機4への給電が停止され、巻上機4のブレーキ装置が動作される。
例えば懸吊手段8が破断した場合等、巻上機4が停止した後にも、かご2の速度が増加し続け、かご2の速度が第1の過速度V1よりも高い非常止め過速度V3に達したときには、図10に示すように、係合爪31がラチェット32の外周部に係合する。これにより、ラチェット32が調速機綱車17と同方向へ回転され、支持レバー39が保持ピン40から外れる。これにより、図11に示す開放位置から図12に示す把持位置へ制動シュー37が自重で変位される。これにより、調速機ロープ13が押さえ板34と制動シュー37との間で把持され、調速機ロープ13の移動が停止される。
次に、かご2が上昇するときの調速機11の動作を図13〜図15を用いて説明する。かご2が上昇すると、図13に示すように、調速機綱車17が調速機ロープ13の移動に応じて主軸16を中心に図13の時計方向(正方向)へ回転される。このときにも、各フライウェイト19は調速機綱車17の回転速度に応じた遠心力を受けるので、かご2の移動速度の増加に伴って、作動片22が調速機綱車17の径方向外側へ次第に変位される。
一方、調速機綱車17が正方向へ回転されるときには、図14に示すように、各永久磁石45も調速機綱車17と一体に正方向(図14の時計方向)へ回転される。このとき、金属体46の表面に渦電流が発生し、アラゴの円盤の原理により、調速機綱車17と同方向への回転力が金属体46に発生する。これにより、回転体42は正方向への回転力を受ける。
回転体42が正方向へ回転されると、スイッチ取付部材23は、図14に示すように、第1のリンク部材49に押されながら、過速度検出スイッチ25を主軸16から遠ざける方向へピン24を中心に回動され、第2のストッパ30に当たる。これにより、連結ピン47が第2の限界位置に達し、回転体42の正方向への回転が止まる。また、過速度検出スイッチ25が高過速度設定位置に達する。
また、回転体42が正方向へ回転されると、図14に示すように、第2のリンク部材53が連結軸52及び第1のカム56と一体に図14の反時計方向へ連結軸52を中心に回動される。これにより、図15に示すように、シャフト59が下方へ変位され、第2のカム58が図15の時計方向へ回動される。これにより、ラチェット32は、ラチェット用付勢ばね57の付勢力により調速機綱車17から離れる方向へ変位され、係合回避位置に達する。
即ち、かご2が上昇するときには、過速度検出スイッチ25の位置が高過速度設定位置となり、ラチェット32の位置が係合回避位置となる。
過速度検出スイッチ25の位置が高過速度設定位置となっているときには、軌道B上を移動される作動片22により操作レバー27が操作される。作動片22は、かご2の速度が第1の過速度V1よりも高い第2の過速度V2に達すると軌道B上を移動する。従って、かご2が上昇するときには、かご2の速度が第2の過速度V2に達すると、操作レバー27が作動片22により操作される。操作レバー27が作動片22により操作されると、巻上機4への給電が停止され、巻上機4のブレーキ装置が動作される。
また、図15に示すように、ラチェット32の位置が係合回避位置となっているときには、係合爪31が変位される範囲からラチェット32の位置が外れており、係合爪31がラチェット32に係合することはなく、把持装置33が動作されることはない。
このようなエレベータ用調速機では、調速機綱車17と同方向への回転力が回転力伝達装置43により回転体42に与えられ、過速度検出スイッチ25が第1のリンク部材49によって回転体42と連動し、ラチェット32が第2の連動装置60によって回転体42と連動して主軸16の軸線方向へ変位されるので、複数の調速機を設置する必要がなくなり、調速機全体の大形化を抑制することができる。また、電気的な速度検出センサ(例えばエンコーダ等)を用いることなく、かご2の移動方向が上方向であるときと下方向であるときとで異なる過速度を検出することができる。さらに、調速機11への電力供給を行うことなく、調速機11を動作させることができる。従って、例えば停電や断線等によって調速機11の動作が不可能になることを防止することができる。これにより、調速機11をより確実に動作させることができる。
また、回転力伝達装置43は、調速機綱車17と一体に回転される永久磁石45と、永久磁石45に所定の隙間を介して対向し、回転体42と一体に回転される金属体46とを有しているので、調速機綱車17と同方向への回転力を簡単な構成で回転体42に与えることができる。これにより、調速機11の小形化を図ることができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、主軸16との距離が変化する方向へ過速度検出スイッチ25が変位されるようになっているが、過速度検出スイッチ25が主軸16の軸線方向へ変位されるようになっていてもよい。
実施の形態1では、主軸16との距離が変化する方向へ過速度検出スイッチ25が変位されるようになっているが、過速度検出スイッチ25が主軸16の軸線方向へ変位されるようになっていてもよい。
即ち、図16は、この発明の実施の形態2によるエレベータ用調速機の過速度検出スイッチが低過速度設定位置(第1の設定位置)にあるときの状態を示す上面図である。また、図17は、図16のエレベータ用調速機の過速度検出スイッチが高過速度設定位置(第2の設定位置)にあるときの状態を示す上面図である。図において、過速度検出スイッチ25が取り付けられたスイッチ取付部材(図示せず)は、主軸16の軸線に垂直な軸線を持つピンを中心に回動自在になっている。従って、過速度検出スイッチ25は、スイッチ取付部材が筐体15に対して回動されることにより、主軸16の軸線方向へ変位される。
過速度検出スイッチ25が変位される範囲は、スイッチ取付部材の回動が実施の形態1と同様の規制装置で規制されることにより、所定の低過速度設定位置(図16)と、低過速度設定位置よりも調速機綱車17から主軸16の軸線方向へ離れた高過速度設定位置(図17)との間の範囲に制限されている。
スイッチ取付部材と回転体42とは、複数のリンク部材を含む第1の連動装置を介して連動するようになっている。これにより、過速度検出スイッチ25は、回転体42の回転方向に応じて低過速度設定位置と高過速度設定位置との間を変位される。即ち、過速度検出スイッチ25は、回転体42の回転方向が正方向であるとき(即ち、かご2が上方向へ移動するとき)に高過速度設定位置に変位され、回転体42の回転方向が逆方向であるとき(即ち、かご2が下方向へ移動するとき)に低過速度設定位置に変位される。
過速度検出スイッチ25は、スイッチ取付部材に固定されたスイッチ本体26と、スイッチ本体26から突出する操作レバー27とを有している。操作レバー27は、調速機綱車17の側面に沿ったレバー本体27aと、レバー本体27aから調速機綱車17に向けてそれぞれ突出する第1の突出片27b及び第2の突出片27cとを有している。
第1の突出片27bは、調速機綱車17の径方向について軌道Aと同位置に配置されている。第2の突出片27cは、調速機綱車17の径方向について軌道Bと同位置に配置されている。従って、第1の突出片27bは、第2の突出片27cよりも主軸16に近い位置に配置されている。また、第1の突出片27bの長さ(即ち、主軸16の軸線方向についての寸法)は、第2の突出片27cの長さよりも短くなっている。
作動片22は、フライウェイト19の回動により、主軸16の軸線に垂直な所定の平面(作動片変位面)上を通る。即ち、作動片22が調速機綱車17に対して変位される経路は、主軸16の軸線に垂直な所定の平面に含まれている。
過速度検出スイッチ25が低過速度設定位置にあるときには、図16に示すように、第1の突出片27b及び第2の突出片27cのそれぞれが、作動片22の経路を含む所定の平面と交差している。従って、過速度検出スイッチ25が低過速度設定位置にあるときには、かご2の速度が第1の過速度V1になって作動片22が軌道Aに達すると、作動片22が第1の突出片27bに当たって操作レバー27が操作される。
過速度検出スイッチ25が高過速度設定位置にあるときには、図17に示すように、作動片22の経路を含む所定の平面から第1の突出片27bが外れ、第2の突出片27cのみが所定の平面と交差している。従って、過速度検出スイッチ25が高過速度設定位置にあるときには、かご2の速度が第1の過速度V1になって作動片22が軌道Aに達しても、作動片22が第1の突出片27bに当たることはなく、操作レバー27は操作されない。また、過速度検出スイッチ25が高過速度設定位置にあるときには、かご2の速度が第1の過速度V1よりも高い第2の過速度V2になって作動片22が軌道Bに達すると、作動片22が第2の突出片27cに当たって操作レバー27が操作される。他の構成は実施の形態1と同様である。
このように、過速度検出スイッチ25を主軸16の軸線方向へ変位させるようにしても、過速度検出スイッチ25が作動片22により操作されるときのかご2の速度を第1の過速度V1と第2の過速度V2との間で調速機綱車17の回転方向に応じて切り替えることができる。
なお、各上記実施の形態では、永久磁石45が調速機綱車17の固定部44に固定され、金属体46が回転体42に固定されているが、調速機綱車17の固定部44に金属体46を固定し、永久磁石45を回転体42に固定して、金属体46を調速機綱車17と一体に回転させ、永久磁石45を回転体42と一体に回転させるようにしてもよい。
また、各上記実施の形態では、永久磁石45と金属体46とが調速機綱車17の径方向について所定の隙間を介して対向しているが、永久磁石45と金属体46とが主軸16の軸線方向について所定の隙間を介して対向していてもよい。このようにしても、調速機綱車17の回転により永久磁石45が金属体46に対して移動するので、金属体46の表面に渦電流を発生させることができる。従って、アラゴの円盤の原理により、調速機綱車17と同方向への回転力を回転体42に与えることができる。
また、各上記実施の形態では、回転力伝達装置43が、永久磁石45及び金属体46を有し、アラゴの円盤の原理を利用して、調速機綱車17と同方向への回転力を回転体42に与えるようになっているが、調速機綱車17と別個に回転させながら調速機綱車17と同方向への回転力を回転体42に与える装置であれば、これに限定されない。
Claims (2)
- 主軸が設けられた支持体、
かごとともに移動される調速機ロープが巻き掛けられ、上記かごの移動に応じて上記主軸を中心に回転される調速機綱車、
上記調速機綱車に設けられ、上記調速機綱車の回転によって生じる遠心力に応じて上記調速機綱車に対して回動されるフライウェイト、
上記フライウェイトに設けられ、上記調速機綱車の回転速度が増加する方向への上記フライウェイトの回動により上記調速機綱車の径方向外側へ上記調速機綱車に対して変位される作動片、
上記フライウェイトに設けられ、上記調速機綱車の回転速度が増加する方向への上記フライウェイトの回動により上記調速機綱車の径方向内側へ変位される係合爪、
上記調速機綱車とは別個に上記主軸を中心に回転自在な回転体、
上記調速機綱車が回転されることにより、上記調速機綱車と同方向への回転力を上記回転体に与える回転力伝達装置、
上記支持体に変位可能に設けられたスイッチ取付部材、
上記回転体と上記スイッチ取付部材とを連動させ、上記回転体の回転方向に応じて上記スイッチ取付部材を変位させる第1の連動装置、
上記スイッチ取付部材とともに変位され、上記作動片の操作により作動される過速度検出スイッチ、
上記かごの速度が所定の第1の過速度になったときに上記作動片によって操作される第1の設定位置と、上記かごの速度が上記第1の過速度よりも高い第2の過速度になったときに上記作動片によって操作される第2の設定位置との間で上記過速度検出スイッチが変位されるように上記過速度検出スイッチの変位の範囲を規制する規制装置、
上記かごの速度が上記第2の過速度よりも高い非常止め過速度になったときに上記係合爪が係合する係合可能位置と、上記調速機綱車から離れて上記係合爪との係合を避ける係合回避位置との間で上記主軸の軸線方向へ変位可能で、上記係合爪との係合により上記調速機綱車と同方向へ上記主軸を中心に回転されるラチェット、
上記回転体と上記ラチェットとを連動させ、上記回転体の回転方向に応じて上記係合可能位置と上記係合回避位置との間で上記ラチェットを変位させる第2の連動装置、及び
上記ラチェットが回転されることにより上記調速機ロープを把持する把持装置
を備えていることを特徴とするエレベータ用調速機。 - 上記回転力伝達装置は、上記調速機綱車及び上記回転体のいずれか一方と一体に回転される永久磁石と、上記永久磁石に対して所定の隙間を介して対向し、上記調速機綱車及び上記回転体のいずれか他方と一体に回転される金属体とを有していることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ用調速機。
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