JPWO2012008107A1 - 位相ずれ検出装置、モータ駆動装置、およびブラシレスモータ、並びに位相ずれ検出方法 - Google Patents

位相ずれ検出装置、モータ駆動装置、およびブラシレスモータ、並びに位相ずれ検出方法 Download PDF

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Abstract

モータに配置した位置センサのセンサ信号Hsに基づくパルス状の位置検出信号Rdと、巻線からの誘起電圧に基づく測定信号Msとを用いて、モータ駆動の位相のずれを検出する位相ずれ検出回路であって、位置検出信号Rdの立上りタイミングでの測定信号Msのレベルと、立下りタイミングでの測定信号Msのレベルとのレベル差を算出するレベル差算出部と、レベル差に基づき位相のずれ量を算出する位相ずれ算出部とを備える。

Description

本発明は、モータに配置した磁極位置センサの配置のずれに基づくモータ駆動の位相のずれを検出する位相ずれ検出装置、これを備えたモータ駆動装置およびブラシレスモータ、並びに位相ずれ検出方法に関する。
このようなモータ駆動の位相のずれを検出する手法やその手法を用いたモータは、従来、例えば、特許文献1に開示されている。例えばロータの回転位置を検出する磁極位置センサを備えたブラシレスモータにおいて、磁極位置センサの取り付け位置がずれていた場合、位置ずれによる検出位置誤差となる。このような検出位置誤差が生じると、ブラシレスモータの正確な回転制御ができなくなり、例えば、回転効率が低下するなどの課題があった。
このため、特許文献1に開示された手法では、磁極位置センサからのセンサ信号と、モータ駆動回路からの局所的最小値を含む逆EMF信号との位相差を計算することで、磁極位置センサの位置合わせ誤差を決定している。すなわち、まず、モータ駆動を停止した状態で、ブラシレスモータを楕走させる。この楕走の期間に、センサ信号と逆EMF信号とを測定する。そして、逆EMF信号の局所的最小値の位相とセンサ信号のパルス変化点の位相とを求め、それらの位相差から位置合わせ誤差を決定している。また、この位相差を蓄積し、この位相差に基づいてセンサ信号を修正することで、ロータの検出位置を補正している。
また、例えばコンパレータを用いて理想位置からの位相ずれ量を検出し、通電のタイミングを補正するような手法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。すなわち、特許文献2では、W相の誘起電圧をコンパレータで検出し、コンパレータの出力信号とU相のホール素子からの検出信号とから相互の位相差を検出している。
特許文献1に開示された従来の手法の場合、逆EMF信号の局所的最小値の位相を求める必要がある。ところが、このような局所的最小値は逆EMF信号の振幅に応じて変化し、また、逆EMF信号波形のピーク値と局所的最小値との差も小さい。このため、局所的最小値の位相を簡易かつ精度よく求めるには限界があった。
また、特許文献2のような手法の場合、誘起電圧をパルスに変換する過程で、コンパレータのヒステリシスによる遅延によって位相の検出誤差が生じていた。さらに、ヒステリシスによる遅延時間は、誘起電圧の振幅や周波数の影響を受けるため遅延時間の補正を正確に行うのは実用上難しかった。
特許第4191172号公報 特開2009−240041号公報
本発明の位相ずれ検出装置は、モータに配置した磁極位置センサのセンサ信号に基づくパルス状の位置検出信号と、モータを駆動する巻線からの誘起電圧に基づく測定信号とを用いて、モータ駆動の位相のずれを検出する。そして、本位相ずれ検出装置は、位置検出信号の立上りタイミングでの測定信号のレベルと、立下りタイミングでの測定信号のレベルとのレベル差を算出するレベル差算出部と、レベル差に基づき位相のずれ量を算出する位相ずれ算出部とを備えた構成である。
この構成により、例えば局所的最小値を含む誘起電圧波形においての局所的最小値の位相などを検出する必要はないため、簡易な構成でモータ駆動の位相のずれを検出することができる。
また、本発明のモータ駆動装置は、上記位相ずれ検出装置と、位相ずれ算出部で算出した位相のずれ量に基づき、モータ駆動の位相のずれを補正する駆動位相補正部とを備えた構成である。
この構成により、簡易な構成でモータ駆動の位相のずれを補正する機能を有したモータ駆動装置が実現できる。
また、本発明のブラシレスモータは、永久磁石を保持し、回転軸を中心として回転自在に配置されたロータと、複数の突極を有するステータ鉄心に相ごとの巻線を巻回したステータと、上記モータ駆動装置とを備えた構成である。
この構成により、簡易な構成でモータ駆動の位相のずれを補正する機能を有したブラシレスモータが実現できる。
また、本発明の位相ずれ検出方法は、モータに配置した磁極位置センサのセンサ信号に基づくパルス状の位置検出信号と、モータを駆動する巻線からの誘起電圧に基づく測定信号とを用いて、モータ駆動の位相のずれを検出する位相ずれ検出方法である。本位相ずれ検出方法は、位置検出信号の立上りタイミングでの測定信号のレベルと、立下りタイミングでの測定信号のレベルとのレベル差を算出し、レベル差に基づき位相のずれ量を算出する。
この方法によっても、例えば局所的最小値を含む誘起電圧波形においての局所的最小値の位相などを検出する必要はないため、簡易にモータ駆動の位相のずれを検出することができる。
図1は、本発明の実施の形態1における位相ずれ検出装置を含むブラシレスモータのブロック図である。 図2は、同、位相ずれ検出装置に供給される測定信号と位置検出信号との波形を示す図である。 図3は、本発明の実施の形態2における位相ずれ検出装置を含むブラシレスモータのブロック図である。 図4Aは、同位相ずれ検出装置において、各位置センサが正規位置に配置された場合の測定信号、取込タイミング信号およびセンサ信号のタイミングチャートである。 図4Bは、同位相ずれ検出装置において、各位置センサが正規位置に配置されていない場合の測定信号、取込タイミング信号およびセンサ信号のタイミングチャートである。 図5は、同位相ずれ検出装置における位相ずれ算出部が算出する位相ずれデータの算出方法を示す図である。 図6は、本発明の実施の形態3における位相ずれ検出装置を含むブラシレスモータのブロック図である。 図7は、同位相ずれ検出装置に構成されるフィードバックループのブロック図である。 図8は、本発明の実施の形態4における位相ずれ検出装置を含むブラシレスモータのブロック図である。 図9は、同位相ずれ検出装置の相間ずれ検出部および位相ずれ補正部の処理を説明するための図である。 図10は、本発明の実施の形態5における位相ずれ検出装置を含むブラシレスモータのブロック図である。 図11は、同位相ずれ検出装置での測定信号と位置検出信号との波形を示す図である。 図12は、本発明の実施の形態6におけるモータ駆動装置を含むブラシレスモータの断面の構造を示す図である。 図13は、同ブラシレスモータの内部を上面から示した図である。 図14は、同ブラシレスモータの内部を上面から示した図である。 図15は、同ブラシレスモータのブロック図である。 図16は、同ブラシレスモータの位置センサそれぞれが正規の状態で配置された場合において、無駆動の状態でロータが回転するときの、誘起電圧とセンサ信号とのタイミングを示す図である。 図17は、同ブラシレスモータの位置センサの実装位置ずれが生じた場合の一例を示す図である。 図18は、同ブラシレスモータの位置センサの実装位置ずれが生じた場合、無駆動の状態でロータが回転するときの、誘起電圧とセンサ信号とのタイミングを示す図である。 図19は、本発明の実施の形態7における位相ずれ検出装置を含むブラシレスモータのブロック図である。 図20は、同ブラシレスモータの補正データを生成する処理の手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態における位相ずれ検出装置、モータ駆動装置、ブラシレスモータ、および位相ずれ検出方法について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における位相ずれ検出装置30を含むブラシレスモータのブロック図である。
図1に示すように、本ブラシレスモータは、巻線11を備えたモータ10と、モータ10のロータの回転位置を検出する磁極位置センサとしての位置センサ12と、モータ10を駆動するモータ駆動装置20とを含む構成である。また、モータ駆動装置20には、電力を供給するために、電源29が接続される。本実施の形態では、モータ10が、回転軸を中心として回転自在に配置されたロータと、ステータ鉄心に相ごとの巻線11を巻回したステータとを備え、互いに120度位相が異なるU相、V相およびW相とする3相で駆動されるブラシレスモータの一例を挙げて説明する。すなわち、モータ10のステータには、U相の巻線11u、V相の巻線11vおよびW相の巻線11wが巻回されている。そして、それぞれの巻線の一端が中性点で接続されるY結線が施され、それぞれの巻線の他端にはモータ駆動装置20から巻線を駆動するための通電信号が供給される。また、本ブラシレスモータは、各相の位置を検出するために、ホールセンサなどによる位置センサ12として、U相用の位置センサ12u、V相用の位置センサ12vおよびW相用の位置センサ12wを備えている。そして、各位置センサ12からモータ駆動装置20に、検出した位置を示すセンサ信号Hsが供給される。
モータ駆動装置20は、インバータ21と位相ずれ検出装置30と駆動制御回路40とを備える。
駆動制御回路40には、例えば外部の上位器などから、回転速度や回転位置などを指令する回転指令データRrが通知される。さらに、駆動制御回路40には、センサ信号Hsとして、位置センサ12uからセンサ信号H1、位置センサ12vからセンサ信号H2、位置センサ12wからセンサ信号H3が供給されるとともに、位相ずれ検出装置30から位相ずれデータdPが供給される。駆動制御回路40は、センサ信号Hsに基づきロータの回転位置を示す回転位置データを生成する。このとき、駆動制御回路40は、センサ信号Hsから検出した回転位置を、位相ずれデータdPに基づいて補正し、回転位置データを生成する。なお、このような回転位置を補正する構成および動作については以下で詳細に説明する。駆動制御回路40は、さらに、回転指令データRrと回転位置データとの偏差量、あるいは回転指令データRrと回転位置データに基づき生成した回転速度データとの偏差量に基づき、インバータ21を駆動するパルス状の駆動パルス信号Pwmを生成する。
インバータ21は、駆動パルス信号Pwmに基づいて、相ごとに巻線11への通電を行い、巻線11を駆動する。インバータ21は、電源29の正極Vcc側に接続されたスイッチ素子22と負極となるグランドGND側に接続されたスイッチ素子22とを、U相、V相、W相それぞれに備えている。また、正極側と負極側との両スイッチ素子22の反電源側は互いに接続されており、この接続部から駆動出力端を介して巻線11を通電駆動する通電信号が出力される。駆動出力端DuからU相の通電信号Uが巻線11uに、駆動出力端DvからV相の通電信号Vが巻線11vに、そして、駆動出力端DwからW相の通電信号Wが巻線11wに供給される。そして、それぞれの相において、駆動パルス信号Pwmによりスイッチ素子22がオンオフされると、電源29からオンのスイッチ素子22を介して巻線11に通電駆動電流が流れる。
以上のような構成により、回転指令データRrに従ってロータの回転速度や回転位置を制御するフィードバック制御ループが形成される。
さらに、本実施の形態のブラシレスモータは、例えば回路基板上での位置センサ12u、12v、12wの実装位置ずれ、あるいは回路基板の装着位置ずれなどによる位置検出への影響を補償するために、位相ずれ検出装置30を備えている。
位相ずれ検出装置30は、モータ10に配置した位置センサ12のセンサ信号Hsに基づくパルス状の位置検出信号と、モータ10を駆動する巻線11からの誘起電圧に基づく測定信号Msとを用いて、モータ駆動の位相のずれを検出する。位相ずれ検出装置30は、このような処理を行うため、測定信号生成部31とレベル差算出部32と位相ずれ算出部33とを備えている。また、位相ずれ検出装置30には、3つのセンサ信号Hsのうち1つの相のセンサ信号が供給されるとともに、3つの駆動出力端Du、Dv、Dwのうちの2つと接続される。図1では、センサ信号H1がそのまま位置検出信号Rdとしてレベル差算出部32に供給され、また、測定信号生成部31で生成されたバイアス電圧Vbが駆動出力端Duに接続され、駆動出力端Dwの信号が測定信号生成部31を介してレベル差算出部32に供給される一例を示している。なお、位相ずれ検出装置30は、巻線11から生じる誘起電圧を利用してモータ駆動の位相のずれを検出する。このため、位相ずれ検出装置30は、例えば楕走状態などモータ10が無駆動状態で回転する期間を利用する。
無駆動状態でモータ10が回転する期間において、巻線11から生じる誘起電圧に基づき位相ずれを検出するため、測定信号生成部31は、測定信号Msを生成する。この測定信号Msは誘起電圧に基づく信号であり、測定信号生成部31は、測定信号Msを生成するために、1つの相の巻線にバイアス電圧Vbを印加するバイアス回路を備える。図1では、電源29の正極VccとグランドGNDとの間に、バイアス回路としての抵抗R1と抵抗R2との直列回路を設けている。そして、抵抗R1と抵抗R2とにより分圧した電圧をバイアス電圧Vbとして、駆動出力端Duを介して巻線11uに供給している。
さらに、測定信号生成部31は、バイアス電圧Vbを印加する巻線とは異なる他の相の巻線から生じる誘起電圧を測定信号Msとして出力する。本実施の形態では、測定信号生成部31は、巻線11wから生じた誘起電圧が供給される駆動出力端Dwの電圧波形を取り込み、この電圧波形を測定信号Msとして出力する。なお、図1では、測定信号生成部31が駆動出力端Dwの電圧波形をそのまま測定信号Msとして出力するような例を示しているが、駆動出力端Dwの電圧波形を測定に適した振幅の波形信号に変換する増幅回路や減衰回路などを介して測定信号Msに変換し、出力するような構成であってもよい。
このように、1つの相の駆動出力端にバイアス電圧Vbを印加することにより、無駆動状態で回転するモータ10において、他の相の駆動出力端からは、正弦波状の誘起電圧を得ることができる。本実施の形態ではこのようにして得られる正弦波状の誘起電圧、すなわち測定信号Msを利用して位相ずれを検出している。特に、本実施の形態では正弦波状の測定信号Msを利用しているため、局所的最小値を含むような波形に比べて誤検出が生じにくいという利点がある。
図2は、本発明の実施の形態1における位相ずれ検出装置30に供給される測定信号Msと位置検出信号Rdとの波形を示す図である。図2の上段の波形は測定信号Msを示し、図2の下段の波形は位置検出信号Rdを示している。測定信号生成部31によって、1つの相の駆動出力端にバイアス電圧Vbを印加し、楕走状態時における他の相の駆動出力端電圧を観測したとき、図2に示すような正弦波状の波形を有した測定信号Msを得ることができる。また、位置検出信号Rdは、図2に示すようなパルス状の信号である。レベル差算出部32には、図2に示すような2つの信号が供給される。
レベル差算出部32は、位置検出信号Rdの立上りタイミングでの測定信号Msのレベルと、立下りタイミングでの測定信号Msのレベルとのレベル差を算出する。図2では、位置検出信号Rdの立上り、立下りのタイミングとして、時刻t0における位置検出信号Rdの立上り、および時刻t1における立下りを用いた例を示している。レベル差算出部32は、まず、このタイミングを利用して、時刻t0における測定信号MsのレベルLrと、時刻t1における測定信号MsのレベルLfとを検出する。そして、レベル差算出部32は、レベルLrとレベルLfとのレベル差を示すレベル差データdL=(Lr−Lf)を算出し、レベル差データdLを位相ずれ算出部33に通知する。
位相ずれ算出部33は、通知されたレベル差データdLに基づき位相のずれ量を算出する。すなわち、測定信号Msに対する位置検出信号Rdの位相が変化すると、それに応じてレベル差データdLも変化する。位相ずれ算出部33は、このレベル差データdLの変化に基づき、レベル差データdLから位相のずれ量を算出している。位相ずれ算出部33は、位相のずれ量を例えば電気角に変換し、位相ずれデータdPとして駆動制御回路40に供給する。駆動制御回路40は、センサ信号Hsから検出した回転位置を、位相ずれデータdPに基づき補正し、補正位置信号を生成する。
ここで、位置センサ12uが正しく配置された場合に、測定信号Msのピーク値のタイミングが位置検出信号Rdのパルスの中心タイミングに一致するように設定しておく。すると、位置センサ12uが正しく配置された場合には、位置検出信号Rdの立上りと立下りとの時点での測定信号Msのレベルが等しくなるため、レベル差データdLがゼロとなる。一方、位置センサ12uの配置がずれると、そのずれに応じて、測定信号Msに対する位置検出信号Rdの位相もずれ、例えば図2のようにレベルLrとレベルLfとが異なってくる。そして、位置センサ12uを配置する位置に応じて、レベル差データdLの大きさがほぼ比例して変化する。すなわち、位相ずれ算出部33は、レベル差データdLがゼロとなる位相を基準位相として、位相のずれ量を算出できる。また、レベル差データdLの符号によって、位相の進みまたは遅れを検出でき、レベル差データdLの絶対値の大きさに応じて、基準位相からの位相のずれ量を算出できる。さらに、位相ずれ検出装置30は、このように、位置検出信号Rdの変化エッジのタイミングでの正弦波レベルの差分に基づき位相のずれ量を算出している。このため、位置検出信号Rdのデューティ比、すなわち図2に示すパルス幅(t1−t0)が変化しても、その変化分は差分で打ち消され、これによって、位相ずれ検出の精度を高めることができる。
本実施の形態では、このような原理を利用して、位置センサ12の実装位置ずれなどに基づくモータ駆動の位相のずれを検出している。
以上のように、位相ずれ検出装置30は、位置検出信号Rdの立上りタイミングでの測定信号Msのレベルと、立下りタイミングでの測定信号Msのレベルとのレベル差を利用して、モータ駆動の位相のずれを検出している。このため、例えば局所的最小値を含む誘起電圧波形においての局所的最小値の位相などを検出する必要はないため、簡易な構成でモータ駆動の位相のずれを検出することができる。なお、本実施の形態では、正弦波状の測定信号Msを利用した例を挙げて説明したが、局所的最小値を含む誘起電圧波形における電圧増加期間中のレベルと電圧減少期間中のレベルとを位置検出信号Rdの変化エッジタイミングで取り込み、そのレベル差に基づき位相のずれ量を算出するような構成とすることも可能である。
また、特に、本実施の形態の位相ずれ検出装置30は、正弦波状の誘起電圧に基づく測定信号Msを利用して位相ずれを検出している。これにより、正弦波波形の変化量が大きい期間のレベル差に基づくとともに、そのレベル差は位相ずれに対してほぼ比例して変化するため、簡易に構成できることに加えて、精度良くモータ駆動の位相のずれを検出できる。
なお、以上の説明では、U相の位置センサ12uのみの位置ずれを検出する構成例を挙げて説明した。このような構成により、1つの相のみの位置ずれを検出すればよいため、簡易な構成で実現できる。しかし、次のような構成を加えることで、V相およびW相の位置ずれも検出でき、ハードウェア量が増加するものの、より精度よく位置ずれを検出できる。すなわち、駆動出力端Dvおよび駆動出力端Dwにもバイアス電圧Vbを印加し、V相およびW相に対応した正弦波状の測定信号Msを生成する。そして、上述したU相と同様にそれぞれレベル差を算出することで、V相の位置センサ12vの位置ずれ、およびW相の位置センサ12wの位置ずれを検出できる。そして、位相ずれ算出部が相ごとの位相のずれを算出し、駆動制御回路において、相ごとに位相のずれを補正するような構成とすることができる。
また、本実施の形態では、3相駆動のブラシレスモータの例を挙げて説明したが、2相駆動のブラシレスモータにも適用することができる。
また、図2では、位置検出信号Rdの1つのパルスのエッジ変化を利用してレベル差を算出するような例を挙げているが、複数のパルスのエッジ変化を利用してそれぞれのレベル差を算出し、例えばその平均値をレベル差データdLとするような構成であってもよい。これにより、ノイズなどの影響を抑制することができる。
また、以上の説明では機能ブロックにより位置ずれを検出する構成例を挙げて説明した。しかし、位置検出信号Rdの立上りタイミングでの測定信号Msのレベルと、立下りタイミングでの測定信号Msのレベルとのレベル差を算出し、このレベル差に基づき位相のずれ量を算出する位相ずれ検出方法によっても、同様の効果を有しながら、同様に位置ずれを検出できる。このような位相ずれ検出方法は、例えば以下で説明するマイコンなどを用いることによって容易に実施できる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2における位相ずれ検出装置302を含むブラシレスモータのブロック図である。図1に示した実施の形態1の構成との比較において、図3に示すブラシレスモータは、モータ駆動装置202に備えた位相ずれ検出装置302がさらに取込タイミング生成部342を有するとともに、レベル差算出部322および位相ずれ算出部332が実施の形態1とは異なった処理を行う。なお、図1と同様の構成要素については同一の符号を付しており詳細な説明は省略する。
本実施の形態においても、位相ずれ検出装置302は、モータ10に配置した位置センサ12のセンサ信号Hsと、モータ10を駆動する巻線11からの誘起電圧に基づく測定信号Msとを用いて、モータ駆動の位相のずれを検出する。位相ずれ検出装置302は、このような処理を行うため、測定信号生成部31とレベル差算出部322と位相ずれ算出部332と取込タイミング生成部342とを備えている。また、位相ずれ検出装置302には、3つのセンサ信号Hsのうち1つの相のセンサ信号が供給されるとともに、3つの駆動出力端Du、Dv、Dwのうちの2つと接続される。図3では、センサ信号H2が取込タイミング生成部342に供給され、また、測定信号生成部31で生成されたバイアス電圧Vbが駆動出力端Duに接続され、駆動出力端Dwの信号が測定信号生成部31を介してレベル差算出部322に供給される一例を示している。ここで、詳細については以下で説明するが、本実施の形態では、取込タイミング生成部342が、センサ信号H2の変化エッジのタイミングを利用して、位置検出信号Rdの立上りおよび立下りを基準としたその前後のタイミングを生成している。すなわち、実施の形態1で説明したセンサ信号H1に基づく位置検出信号Rdの立上りおよび立下りに対して、その立上りの前後のタイミング、および立下りの前後のタイミングを生成している。本実施の形態では、これらのタイミングで測定信号Msの各レベルを測定して、そのレベルをレベルデータとして取り込んでいる。なお、本実施の形態においても、位相ずれ検出装置302は、モータ10が無駆動状態で回転する期間などを利用し、その期間の誘起電圧を用いて位相のずれを検出する。
図3において、取込タイミング生成部342には、センサ信号H2が供給される。取込タイミング生成部342は、上述したように、センサ信号H2を利用して、センサ信号H1による位置検出信号Rdの立上りおよび立下りに対してその前後となるタイミングを生成している。取込タイミング生成部342が生成するこのタイミングは、位置検出信号Rd立上りのタイミングの前後となる一定周期ごとの複数のタイミング、および位置検出信号Rd立下りのタイミングの前後となる一定周期ごとの複数のタイミングである。生成されたタイミングは、取込タイミング信号Smpとしてレベル差算出部322に供給される。
レベル差算出部322は、取込タイミング信号Smpが示す各タイミングに従って、測定信号Msのレベルを測定し、そのレベルをレベルデータとして取り込んでいる。そして、レベル差算出部322は、取り込んだ各レベルデータを利用し、位置検出信号Rdの立上りタイミングおよび立下りタイミングを基準として、その前後のタイミングにおける複数のレベル差を算出している。レベル差算出部322は、算出したそれぞれのレベル差であるレベル差データdL0〜dLnを位相ずれ算出部332に供給する。
位相ずれ算出部332は、供給された複数のレベル差データdL0〜dLnを用いて、レベル差がゼロとなるタイミングを求める。すなわち、測定信号Msに対して2点間のレベル差を順次求めることで得たような信号のゼロクロスのタイミングを求めている。そして、位相ずれ算出部332は、レベル差がゼロとなるタイミングから位相のずれを算出し、位相ずれデータdPとして出力する。
図4Aおよび4Bは、本発明の実施の形態2における測定信号Ms、取込タイミング信号Smpおよびセンサ信号Hsのタイミングチャートである。また、図5は、本発明の実施の形態2における位相ずれ算出部332が算出する位相ずれデータdPの算出方法を示す図である。以下、図4A、図4Bおよび図5を参照しながら、位相ずれ検出装置302の詳細について説明する。
図4Aは、位置センサ12u、12v、12wが正規位置に配置された場合の各タイミングを示し、図4Bは、位置センサ12vが正規位置に配置されていない場合の各タイミングを示している。また、ここでは、取込タイミング生成部342が、位置検出信号Rdの立上りおよび立下りの前後となる5回のサンプリングタイミングを生成するような一例を挙げている。なお、サンプリング回数はこの5回に限定されず、複数回であればよい。
取込タイミング生成部342は、図4Aおよび4Bに示すような取込タイミング信号Smpを生成する。すなわち、取込タイミング生成部342は、まず、供給されたセンサ信号H2の立下りから時間Tldだけ遅れたタイミングを生成する。ここで、位置センサ12それぞれが正規位置に配置された場合、図4Aに示すように、各センサ信号Hsは、電気角で120度毎にずれた信号となる。そこで、時間Tldだけ遅れたタイミングを、電気角で120度よりも所定の時間だけ少なくすることで、このようなタイミングを生成できる。次に、取込タイミング生成部342は、センサ信号H2の立下りから時間Tldだけ遅れたタイミングから、一定の期間Tckごとの5回のサンプリングタイミングを生成する。このとき、ここでは、図4Aに示すように、位置センサ12vが正規位置に配置されている場合に、3回目のサンプリングタイミングが、センサ信号H1に基づく位置検出信号Rdの立上りタイミングと一致するように設定している。言い換えると、位置検出信号Rdの立上りタイミングt0を基準として、その前後となる5回分のサンプリングタイミングを生成している。さらに、取込タイミング生成部342は、供給されたセンサ信号H2の立上りから時間Tldだけ遅れたタイミングを生成し、この生成したタイミングから一定の期間Tckごとの5回のサンプリングタイミングを生成する。また、位置センサ12vが正規位置に配置されている場合に、3回目のサンプリングタイミングが、位置検出信号Rdの立下りタイミングと一致するように設定している。すなわち、取込タイミング生成部342は、位置検出信号Rdの立下りタイミングt1を基準として、その前後となる5回分のサンプリングタイミングを生成している。取込タイミング生成部342は、このようなサンプリングタイミングを示す取込タイミング信号Smpをレベル差算出部322に供給する。
レベル差算出部322は、取込タイミング信号Smpによるサンプリングタイミングに従って、各タイミングにおける測定信号Msのレベルデータを取り込む。図4Aおよび4Bでは、位置検出信号Rdの立上り前後となる測定信号Msのレベルをレベルデータr0〜r4として取り込み、位置検出信号Rdの立下り前後となる測定信号Msのレベルをレベルデータf0〜f4として取り込むような一例を示している。ここで、位置検出信号Rdの立上り前後となるレベルデータr0〜r4を一方のグループ、位置検出信号Rdの立下り前後となるレベルデータf0〜f4を他方のグループとすると、両グループ間の先頭のレベルデータどうしの差分から順番に、両レベルデータどうしの差分をそれぞれ算出する。すなわち、レベル差算出部322は、まず、先頭のレベルデータr0と先頭のレベルデータf0との差分(r0−f0)を、レベル差データdL0=r0−f0として算出する。同様にして、レベル差算出部322は、レベル差データdL1=r1−f1、dL2=r2−f2、dL3=r3−f3、およびdL4=r4−f4を算出する。
位相ずれ算出部332は、レベル差算出部322から供給される複数のレベル差データdL0、dL1、dL2、dL3およびdL4を用いて、位相のずれを算出し、位相ずれデータdPとして出力する。
図5では、このような各レベル差データの値と、位相ずれタイミングとの関係を示している。図5での破線は、位置センサ12vが正規位置に配置されている場合、すなわち図4Aの場合の関係を示し、実線は、位置センサ12vが正規位置に配置されていない場合、すなわち図4Bの場合の関係を示している。
まず、位置センサ12vが正規位置に配置されている場合、上述したように、3回目のサンプリングタイミングが位置検出信号Rdの立上りおよび立下りタイミングと一致するように設定しているとともに、このタイミングは測定信号Msの2点間の差分を順次求めたような信号のゼロクロスタイミングとなる。このため、3回目のサンプリングタイミングに対応するレベル差データdL2の値はゼロとなる。なお、直流電圧などのオフセット電圧が加算されたような測定信号Msであっても、本発明は2点間のレベル差に基づき処理するため、レベル差データdL2の値はゼロとなる。
一方、位置センサ12vの配置がずれると、図4Bに示すように、測定信号Msに対するセンサ信号H2の位相関係もずれることになる。図4Bでは、正規配置の場合のセンサ信号H2に比べて、センサ信号H2が前方向に時間Tdだけずれた場合を示している。このため、取込タイミング信号Smpも前方向にずれることになり、その結果、図5に示すように、各レベル差データの値は、正規配置の場合に比べて小さくなる。すなわち、位相のずれに応じて、各レベル差データの値を結ぶ直線は、図5の破線で示す直線を基準として、平行移動するように変化する。そして、図5の直線と横軸とが交差する点、すなわちレベル差がゼロとなるゼロクロスのタイミングが、ずれた時間Tdとなる。このため、レベル差がゼロとなるセンサ信号H2のタイミングを求めることによって、そのタイミングから位相のずれを算出することができる。
位相ずれ算出部332は、このような原理を利用し、複数のレベル差データを用いて、ずれた時間Tdを算出している。すなわち、まずレベル差データdL2とdL3とを用いて、図5に示すタイミングずれ分Tdfを算出する。さらに、レベル差データdL3とdL4とを用い、例えば直線補間によってタイミングずれ分Tinを算出する。位相ずれ算出部332は、タイミングずれ分Tdfとタイミングずれ分Tinとを加算することで、ずれた時間Tdを逆算して求めている。そして、位相ずれ算出部332は、逆算により求めたこのタイミングを位相のずれpdtとし、この位相ずれpdtに対応するような位相ずれデータdPを生成して出力している。
以上のように、本実施の形態の位相ずれ検出装置302は、レベル差算出部322が位置検出信号Rdの立上りタイミングおよび立下りタイミングを基準とし、その前後のタイミングにおける複数のレベル差データdLを算出する。そして、位相ずれ算出部332が複数のレベル差データdLを用いて、レベル差がゼロとなるタイミングを求め、そのタイミングから位相のずれpdtを算出している。このように、本実施の形態の位相ずれ検出装置302は、複数のレベル差データdLを利用して、レベル差がゼロとなるタイミングを逆算するような手法であるため、誘起電圧の振幅の影響を受けにくく、精度よく駆動位相のずれを検出することができる。
なお、以上の説明では機能ブロックにより位置ずれを検出する構成例を挙げて説明した。しかし、位置検出信号Rdの立上りタイミングおよび立下りタイミングを基準とし、その前後のタイミングにおける複数のレベル差を算出し、複数のレベル差を用いて、レベル差がゼロとなるタイミングを求め、そのタイミングから位相のずれを算出する位相ずれ検出方法によっても、同様の効果を有しながら、同様に位置ずれを検出できる。このような位相ずれ検出方法は、例えば以下で説明するマイコンなどを用いることによって容易に実施できる。
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3における位相ずれ検出装置303を含むブラシレスモータのブロック図である。図3に示した実施の形態2の構成との比較において、図6に示すブラシレスモータは、モータ駆動装置203に備えた位相ずれ検出装置303がさらにタイミング制御部363を有するとともに、レベル差算出部323、位相ずれ算出部333および取込タイミング生成部353が実施の形態2とは異なった処理を行う。なお、図1や図3と同様の構成要素については同一の符号を付しており詳細な説明は省略する。
本実施の形態においても、位相ずれ検出装置303は、モータ10に配置した位置センサ12のセンサ信号Hsと、モータ10を駆動する巻線11からの誘起電圧に基づく測定信号Msとを用いて、モータ駆動の位相のずれを検出する。位相ずれ検出装置303は、このような処理を行うため、測定信号生成部31とレベル差算出部323と位相ずれ算出部333と取込タイミング生成部353とタイミング制御部363とを備えている。また、位相ずれ検出装置303には、3つのセンサ信号Hsのうち1つの相のセンサ信号が供給されるとともに、3つの駆動出力端Du、Dv、Dwのうちの2つと接続される。図6では、センサ信号H2が取込タイミング生成部353に供給され、また、測定信号生成部31で生成されたバイアス電圧Vbが駆動出力端Duに接続され、駆動出力端Dwの信号が測定信号生成部31を介してレベル差算出部323に供給される一例を示している。ここで、詳細については以下で説明するが、本実施の形態では、取込タイミング生成部353が、センサ信号H2の変化エッジのタイミングを利用して、位置検出信号Rdの立上りおよび立下り近辺のサンプリングタイミングを生成している。そして、取込タイミング生成部353が生成するサンプリングタイミングは、位置検出信号Rdの立上りおよび立下りを基準として、タイミング制御部363で制御される。本実施の形態では、このようなサンプリングタイミングを調整しながら測定信号Msの2点のレベルを測定して、そのレベルをレベルデータとして取り込んでいる。なお、本実施の形態においても、位相ずれ検出装置303は、モータ10が無駆動状態で回転する期間などを利用し、その期間の誘起電圧を用いて位相のずれを検出する。
図6において、取込タイミング生成部353には、センサ信号H2が供給され、取込タイミング生成部353は、センサ信号H2を利用して、センサ信号H1による位置検出信号Rdの立上りおよび立下り近辺となる2つのサンプリングタイミングを生成している。取込タイミング生成部353が生成するこのサンプリングタイミングは、位置検出信号Rd立上りのタイミング、および位置検出信号Rd立下りのタイミングを基準として、タイミング制御部363の制御で進みおよび遅れ方向に調整できる。生成されたタイミングは、取込タイミング信号Smpとしてレベル差算出部323に供給される。
レベル差算出部323は、取込タイミング信号Smpが示す2つのサンプリングタイミングに従って、測定信号Msのレベルを測定し、そのレベルをレベルデータとして取り込んでいる。レベル差算出部323は、取り込んだ2つのレベルデータの差分演算を行い、レベル差を算出する。そして、レベル差算出部323は、算出したレベル差であるレベル差データdLをタイミング制御部363に供給する。
タイミング制御部363は、供給されたレベル差データdLと値がゼロの目標値との誤差値を求める。そして、その誤差値に対して、積分処理、積分ゲイン処理や比例ゲイン処理を行い、処理したデータを制御データpctとして取込タイミング生成部353に供給する。取込タイミング生成部353は、制御データpctに基づき、レベル差データdLがゼロとなる方向にサンプリングタイミングを調整する。
すなわち、本実施の形態では、レベル差算出部323とタイミング制御部363と取込タイミング生成部353とによってフィードバックループが構成されている。図7は、このように構成されるフィードバックループのブロック図である。このようなフィードバックループを構成することにより、レベル差データdLがゼロとなるサンプリングタイミングで本ループがロックすることになる。すなわち、本実施の形態では、図7に示すようなフィードバックループを構成することで、レベル差データdLの符号によって位相の進みまたは遅れを検出すると同時に、レベル差データdLがゼロとなる方向にレベル差を検出するサンプリングタイミングが自動的に調整される。ここで、レベル差がゼロとなるタイミングは、サンプリングタイミングを調整する制御データpctに対応するとともに、センサ信号H2の位相のずれ量にも対応している。すなわち、制御データpctによってセンサ信号H2の位相のずれ量を求めることができる。
位相ずれ算出部333は、このような原理に基づき、供給された制御データpctが示すタイミングから位相のずれ量を算出し、位相ずれデータdPとして出力する。
以上のように、本実施の形態の位相ずれ検出装置303は、レベル差算出部323および位相ずれ算出部333に加えて、位置検出信号の立上りタイミングおよび立下りタイミングを生成する取込タイミング生成部353と取込タイミング生成部353が生成するタイミングを制御するタイミング制御部363とを備える。そして、レベル差算出部323は、取込タイミング生成部353が生成するタイミングで取り込んだ測定信号のレベル差を算出する。タイミング制御部363は、レベル差の符号によって位相の進みまたは遅れを検出すると同時に、レベル差がゼロとなる方向に取込タイミング生成部353が生成するタイミングを調整するよう制御する。さらに、位相ずれ算出部333は、調整したタイミングから位相のずれを算出する構成である。また、本実施の形態の位相ずれ検出装置303は、レベル差がゼロとなる方向にレベル差を検出するタイミングを調整するフィードバックループを構成し、レベル差がゼロとなるタイミングを求めている。このように、本実施の形態の位相ずれ検出装置303も、実施の形態2と同様に、レベル差データdLを利用して、レベル差がゼロとなるタイミングを逆算するような手法であるため、誘起電圧の振幅の影響を受けにくく、精度よく駆動位相のずれを検出することができる。
また、以上の説明では機能ブロックにより位置ずれを検出する構成例を挙げて説明した。しかし、レベル差の符号によって位相の進みまたは遅れを検出すると同時に、レベル差がゼロとなる方向にレベル差を検出するタイミングを調整することで、レベル差がゼロとなるタイミングを求め、そのタイミングから位相のずれを検出する位相ずれ検出方法によっても、同様の効果を有しながら、同様に位置ずれを検出できる。このような位相ずれ検出方法は、例えば以下で説明するマイコンなどを用いることによって容易に実施できる。
(実施の形態4)
図8は、本発明の実施の形態4における位相ずれ検出装置304を含むブラシレスモータのブロック図である。
図3に示した実施の形態2の構成との比較において、図8に示すブラシレスモータのモータ駆動装置204における位相ずれ検出装置304は、さらに、センサ信号補正部364と相間ずれ検出部374と位相ずれ補正部384とを備えている。なお、図3と同様の構成要素については同一の符号を付しており詳細な説明は省略する。
位相ずれ検出装置304において、まず、測定信号生成部31、レベル差算出部322、取込タイミング生成部342および位相ずれ算出部332による実施の形態2と同様の手法を用いて位相ずれデータdPを出力する。
さらに、位相ずれ検出装置304において、相間ずれ検出部374は、3相それぞれのセンサ信号Hsを用いて、センサ信号Hsどうしの相間における位相ずれである相間位相ずれ量をそれぞれ検出する。すなわち、例えば、センサ信号H2を基準として、センサ信号H2とセンサ信号H1との間の標準である電気角120度からの位相ずれである相間位相ずれ量、センサ信号H2とセンサ信号H3との間の標準である電気角120度からの位相ずれである相間位相ずれ量を検出する。なお、ここで、センサ信号H2を基準としているため、センサ信号H2の相間位相ずれ量はゼロとする。相間ずれ検出部374は、さらに、検出した各相間位相ずれ量の平均値である平均相間位相ずれ量を算出し、算出した平均相間位相ずれ量を位相ずれ補正部384およびセンサ信号補正部364に供給する。
位相ずれ補正部384は、位相ずれ算出部332が算出した位相ずれデータdPに対して、平均相間位相ずれ量を用いて補正し、補正位相ずれデータdPaとして駆動制御回路40に供給する。さらに、センサ信号補正部364も、平均相間位相ずれ量を用いて、それぞれのセンサ信号Hsを補正し、補正センサ信号Hs’として駆動制御回路40に供給する。
図9は、本発明の実施の形態4における相間ずれ検出部374、位相ずれ補正部384およびセンサ信号補正部364の処理を説明するための図である。以下、図9を参照しながら、相間ずれ検出部374、位相ずれ補正部384およびセンサ信号補正部364が行う演算処理の詳細について説明する。
図9において、図9の上段はそれぞれの相間位相ずれ量を示し、センサ信号H2とH1との相間位相ずれ量を相間位相ずれデータdH1、センサ信号H2とH3との相間位相ずれ量を相間位相ずれデータdH3、およびセンサ信号H2の相間位相ずれ量を相間位相ずれデータdH2として示している。図9の中段では平均相間位相ずれ量である平均相間位相ずれデータdAvを示している。また、図9の下段では平均相間位相ずれデータdAvを用いて、センサ信号H1、H2、H3のそれぞれを補正する補正センサ信号の位相ずれ量dH1’、dH2’、dH3’を示している。
相間ずれ検出部374は、相間における位相ずれとして、センサ信号Hsそれぞれを用い、センサ信号H2を基準として、図9の上段に示すようなセンサ信号H1の相間位相ずれデータdH1、センサ信号H2の相間位相ずれデータdH2、およびセンサ信号H3の相間位相ずれデータdH3を検出する。次に、相間ずれ検出部374は、相間位相ずれデータdH1、dH2、dH3の平均値を求める。すなわち、図9の中段に示すように、平均相間位相ずれデータdAv=(dH1+dH2+dH3)/3とする演算により、平均相間位相ずれデータdAvを算出する。
そして、センサ信号補正部364は、センサ信号Hsのそれぞれを補正する補正センサ信号の位相ずれ量dHs’を算出し、位相ずれ量dHs’に基づき補正した補正センサ信号Hs’を駆動制御回路40に供給する。すなわち、図9の下段に示すように、センサ信号H1に対しては位相ずれ量dH1’=dH1−dAvに基づき補正した補正センサ信号H1’を出力し、センサ信号H2に対しては位相ずれ量dH2’=dH2−dAvに基づき補正した補正センサ信号H2’を出力し、センサ信号H3に対しては位相ずれ量dH3’=dH3−dAvに基づき補正した補正センサ信号H3’を出力する。
さらに、本実施の形態では、位相ずれ補正部384が、平均相間位相ずれデータdAvを用いて、位相ずれデータdPを補正し、補正した位相ずれデータdPaとして駆動制御回路40に供給する。すなわち、位相ずれ補正部384は、位相ずれ算出部332からの位相ずれデータdPに対して、補正位相ずれデータdPa=dP−dAvとなるように補正する。
以上のように、本実施の形態の位相ずれ検出装置304は、相間ずれ検出部374が、センサ信号Hsどうしの相間における位相ずれである相間位相ずれ量をそれぞれ検出し、検出した各相間位相ずれ量の平均値である平均相間位相ずれデータdAvを算出する。そして、位相ずれ補正部384は、位相ずれ算出部332が算出した位相ずれデータdPを、平均相間位相ずれデータdAvを用いて補正して出力する構成である。さらに、センサ信号Hsのそれぞれも、センサ信号補正部364により平均相間位相ずれデータdAvを用いて補正される。そして、駆動制御回路40は、相間位相ずれに基づき補正された補正位相ずれデータdPaおよび補正センサ信号Hs’を用いて巻線11を駆動する駆動波形を生成する。
このような構成とすることにより、位相ずれデータdPは、センサ信号Hs位相ずれの平均値からの相対誤差に置き換えられることになる。このような補正位相ずれデータdPaに基づきセンサ信号Hsの位相を補正した信号のタイミングで、以下で説明する駆動波形を出力することにより、駆動波形のひずみを小さく抑えることが可能となる。
なお、以上の説明では機能ブロックにより位置ずれを検出する構成例を挙げて説明した。しかし、センサ信号Hsどうしの相間における位相ずれである相間位相ずれ量をそれぞれ検出し、検出した各相間位相ずれ量の平均値を用いて、モータ駆動の位相のずれ量を補正し出力する位相ずれ検出方法によっても、同様の効果を有しながら、同様に位相ずれを検出できる。このような位相ずれ検出方法は、例えば以下で説明するマイコンなどを用いることによって容易に実施できる。
また、本実施の形態では実施の形態2と同様の手法により算出した位相ずれデータdPを補正するような構成例を挙げて説明したが、実施の形態1あるいは実施の形態3と同様の手法により算出した位相ずれデータdPに対して適用することも可能である。
(実施の形態5)
図10は、本発明の実施の形態5における位相ずれ検出装置51を含むブラシレスモータのブロック図である。図1に示した実施の形態1の構成との比較において、図10に示すブラシレスモータは、モータ駆動装置50に備えた位相ずれ検出装置51がさらに測定期間制御部35を有している。なお、図1と同様の構成要素については同一の符号を付しており詳細な説明は省略する。
測定期間制御部35は、モータ10の駆動動作期間中において、無駆動の期間を設けるように駆動制御回路40を制御する。位相ずれ検出装置51は、この無駆動の期間を利用して誘起電圧を取り込み、測定信号Msを生成する。特に、本実施の形態では、位置検出信号Rdの立上りおよび立下りタイミングの前から後にかけての所定の期間幅の無駆動の期間を測定期間として設けていることを特徴としている。測定期間制御部35は、モータ10の駆動を遮断するように駆動制御回路40を制御することで、駆動中に微小期間だけ無駆動となるような測定期間を生成している。
図11は、本発明の実施の形態5における位相ずれ検出装置51での測定信号Msと位置検出信号Rdとの波形を示す図である。図11の上段の波形は測定信号Msを示し、図11の下段の波形は位置検出信号Rdを示している。本実施の形態では、測定期間を設けるために、モータ10の駆動動作期間中において、部分的に駆動を遮断する。このため、駆動出力端Dwの電圧波形となる測定信号Msは、通電信号と誘起電圧とのそれぞれを含む波形となる。すなわち、図11に示すように、測定信号Msには、インバータ21からの通電信号Uと、無駆動の期間に巻線11から生じる誘起電圧Buとが含まれる。
図11では、まず、位相のずれを検出するための期間として、期間幅Tmsの位相ずれ検出期間を設けた一例を示している。そして、位相ずれ検出期間において、測定期間制御部35の制御により、モータ10の駆動と無駆動とを繰り返す部分駆動を実行している。無駆動の測定期間として、例えば、位置検出信号Rdの立上り時間t0の前となる時間t00から、後となる時間t01にかけての所定の期間幅Tmの測定期間を設けている。さらに、無駆動の測定期間として、例えば、位置検出信号Rdの立下り時間t1の前となる時間t10から、後となる時間t11にかけての所定の期間幅Tmの測定期間を設けている。そして、位相ずれ検出期間中、位置検出信号Rdの立上りおよび立下りそれぞれに対してこのような測定期間を設けている。この測定期間中は通電されないため、巻線11から図11に示すように、正弦波状の波形の一部となる誘起電圧Buが生じる。一方、測定期間以外の期間幅Tdrの期間は、測定信号Msに通電信号Uによる電圧波形が生じる。
測定期間制御部35は、位置検出信号Rdに基づき測定期間を示す測定期間信号Cmを生成し、駆動制御回路40に供給する。駆動制御回路40は、測定期間信号Cmに従って、測定期間を示す期間中は、駆動パルス信号Pwmの出力を停止する。これによって、測定期間中、インバータ21からモータ10への通電が停止する。
レベル差算出部32は、このような測定期間中における位置検出信号Rdの立上りタイミングでの測定信号MsのレベルLrと、立下りタイミングでの測定信号MsのレベルLfとを検出して、レベル差データdLを生成する。
以上説明したように、本実施の形態の位相ずれ検出装置51は、位置検出信号Rdの立上りおよび立下りタイミングの前から後にかけての所定の期間幅Tmの測定期間を設け、測定期間中は、モータ10の駆動を遮断する構成である。これにより、モータ10を回転駆動させながら、位置ずれを検出することが可能となり、位相のずれを検出するような特別な期間を設ける必要もない。また、例えば、本実施の形態のような部分駆動しなかった場合には、モータ単体の場合、モータ駆動オフの後、モータ回転速度が急激に低下するために、正確な値を検知することができない。したがって、通常、なんらかのイナーシャを接続した状態で計測を行う必要がある。これに対し、本実施の形態のように部分駆動した場合には、イナーシャを接続した状態でなくても、すなわちモータ単体であっても、モータ駆動オフの後、モータ回転速度の低下が小さい。このため、本実施の形態のような部分駆動を行うことによって、正確な値を検知することができる。
なお、本実施の形態ではモータ10を回転駆動させながら、位置ずれを検出することが可能であるため、位相ずれ検出装置51により検出した位相ずれデータdPを用いてモータ10を駆動する駆動位相を補正して、さらに、このような位相ずれ検出の動作を繰り返すような構成とすることも可能である。このような構成とすることにより、位相ずれ検出値の誤差をより小さく抑えることができる。
また、本実施の形態では、図1に示した実施の形態1の構成に測定期間制御部35をさらに加えたような構成例を挙げて説明した。しかし、図3に示した実施の形態2の構成、図6に示した実施の形態3の構成、あるいは図8に示した実施の形態4の構成に測定期間制御部35をさらに加えた構成とすることも可能であり、同様の効果を得ることができる。
また、以上の説明では機能ブロックにより位置ずれを検出する構成例を挙げて説明した。しかし、位置検出信号の立上りおよび立下りタイミングの前から後にかけての所定の期間幅の測定期間を設け、測定期間中は、モータの駆動を遮断する手順を備える位相ずれ検出方法によっても、同様の効果を有しながら、同様に位置ずれを検出できる。このような位相ずれ検出方法は、例えば以下で説明するマイコンなどを用いることによって容易に実施できる。
(実施の形態6)
図12は、本発明の実施の形態6におけるモータ駆動装置を含むブラシレスモータ70の断面の構造を示す図であり、図13および図14は、ブラシレスモータ70の内部を上面から示した図である。また、図15は、本発明の実施の形態6におけるモータ駆動装置を含むブラシレスモータ70のブロック図である。本実施の形態では、3相それぞれに対して位相のずれを検出する位相ずれ検出装置を備えたモータ駆動装置の例を挙げて、ブラシレスモータ70の詳細な構成について説明する。なお、図10と同様の構成要素については同一の符号を付しており詳細な説明は省略する。また、本実施の形態では、ロータがステータの内周側に回転自在に配置されたインナロータ型のブラシレスモータの例を挙げて説明する。
図12に示すように、ブラシレスモータ70は、ステータ71、ロータ72、回路基板73およびモータケース74を備えている。モータケース74は密封された円筒形状の金属で形成されており、ブラシレスモータ70は、このようなモータケース74内にステータ71、ロータ72および回路基板73を収納した構成である。モータケース74は、ケース本体74aとケース蓋74bとで構成され、ケース本体74aにケース蓋74bを装着することで略密封されたモータケース74となる。
図12において、ステータ71は、ステータ鉄心75に相ごとの巻線11を巻回して構成される。本実施の形態でも、互いに120度位相が異なるU相、V相、W相とする3つの相に区分した巻線11をステータ鉄心75に巻回した一例を挙げて説明する。ステータ鉄心75は、内周側に突出した複数の突極を有している。また、ステータ鉄心75の外周側は概略円筒形状であり、その外周がケース本体74aに固定されている。
ステータ71の内側には、空隙を介してロータ72が挿入されている。ロータ72は、ロータフレーム77の外周に円筒形状の永久磁石78を保持し、軸受79で支持された回転軸76を中心に回転自在に配置される。すなわち、ステータ鉄心75の突極の先端面と永久磁石78の外周面とが対向するように配置されている。
さらに、このブラシレスモータ70には、各種の回路部品13を実装した回路基板73がモータケース74の内部に内蔵されている。これら回路部品13によって、図15に示すモータ駆動装置52が構成される。また、回路基板73には、ロータ72の回転位置を検出するために、ホール素子などによる位置センサ12も実装されている。ステータ鉄心75には支持部材81が装着されており、回路基板73は、この支持部材81を介してモータケース74内に固定される。そして、U相、V相、W相それぞれの巻線11の端部が引出線11aとしてステータ71から引き出されており、回路基板73にそれぞれの引出線11aが接続されている。
このような構成とするため、まず、ステータ71をケース本体74aの内部に挿入してケース本体74aの内面に固定し、次に、ロータ72、回路基板73をケース本体74aの内部に収納した後、ケース蓋74bをケース本体74aに固着する。この手順で、位置センサ12やモータ駆動装置52を内蔵したブラシレスモータ70が形成される。このように、ブラシレスモータ70は、ステータ71とロータ72とを含むモータ10、位置センサ12およびモータ駆動装置52を一体化した構成である。
図13および図14は、ブラシレスモータ70の内部を上面から示した図である。なお、図13および図14では、巻線11を巻回していな状態でのステータ鉄心75を示している。また、図13は、ステータ鉄心75と永久磁石78との配置関係を示し、図14は、ステータ鉄心75と回路基板73との配置関係を示している。
まず、図13に示すように、ステータ鉄心75は、環状のヨーク75aと、突極としてのそれぞれのティース75bとで構成されている。本実施の形態では、突極数を12極とした12個のティース75bを有する一例を挙げている。このようなステータ鉄心75の外周が、ケース本体74aの内面に固着される。また、ティース75bのそれぞれは、内周側へと延伸して突出するとともに、ティース75b間の空間であるスロットを形成しながら周方向に等間隔で配置されている。また、ティース75bは、それぞれU相、V相、W相のいずれかに順番に対応づけられている。そして、U相のティース75bにはU相の巻線11uが巻回され、V相のティース75bにはV相の巻線11vが巻回され、W相のティース75bにはW相の巻線11wが巻回される。
また、このような12個のティース75bの先端部と対面して、内周側にロータ72が配置される。ロータ72が保持する永久磁石78は、S極とN極とが交互に配置されるように、周方向に等間隔で着磁されている。本実施の形態の永久磁石78は、図13に示すように、S極とN極とを一対として4対、すなわち、周方向に磁極数が8極となるように着磁されている。以上のように、ブラシレスモータ70は、8極12スロットの構成である。
次に、図14に示すように、回路基板73上には、各種の回路部品13とともに、位置センサ12u、12v、12wが実装されている。位置センサ12u、12v、12wは、円筒形状の永久磁石78の一端面に対向するように、回路基板73上に配置されている。また、回路基板73上において、位置センサ12u、12v、12wはそれぞれに、U相、V相、W相に対応するティース75bの延伸方向側に配置される。これにより、位置センサ12u、12v、12wは、それぞれU相、V相、W相に対応して永久磁石78の磁極を検出する。
なお、本実施の形態のように10極12スロットの構成とした場合、詳細な説明は省略するが、位置センサ12u、12v、12wを、それぞれ機械角での120度間隔で配置することにより、位置センサ12u、12v、12wからは、それぞれ電気角で120度の位相が異なるU相、V相、W相のセンサ信号Hsを得ることができる。すなわち、図14に示すように、u軸上に沿って位置センサ12uをU相のティース75bに対向させ、v軸上に沿って位置センサ12vをV相のティース75bに対向させ、w軸上に沿って位置センサ12wをW相のティース75bに対向させて配置する。これによって、図13を参照すれば分かるように、位置センサ12u、12v、12wは、永久磁石78の磁極に対して、電気角で120度ごとにずれるように配置されるため、位置センサ12u、12v、12wからU相、V相、W相の回転位置が検出できる。
以上のように構成されたブラシレスモータ70に対して、外部から電源電圧や制御信号を供給することにより、回路基板73の駆動制御回路やインバータなどによって巻線11に駆動電流が流れ、ステータ鉄心75から磁界が発生する。そして、ステータ鉄心75からの磁界と永久磁石78からの磁界とにより、それら磁界の極性に応じて吸引力および反発力が生じ、これらの力によって回転軸76を中心にロータ72が回転する。
次に、回路基板73上に実装された位置センサ12やモータ駆動装置52について説明する。
図15に示すように、モータ駆動装置52は、駆動制御回路40とインバータ21と位相ずれ検出装置53とを備えた構成である。ここで、3相それぞれに対して位相のずれを検出するため、位相ずれ検出装置53は、駆動出力端Du、Dv、Dwそれぞれにバイアス電圧Vbを印加するとともに、駆動出力端Du、Dv、Dwそれぞれに生じる誘起電圧から各相に対応した測定信号Msを生成している。そして、位相ずれ検出装置53は、相ごとに、実施の形態1〜5と同様にして、測定信号Msと位置検出信号Rdとを用いてレベル差データdLを生成し、レベル差データdLから位相ずれデータdPを生成して、駆動制御回路40に供給している。
駆動制御回路40は、図15に示すように、回転制御部41、駆動波形生成部42、PWM回路43、位置データ生成部45、位相制御部46、補正データ生成部47、補正データ記憶部48および検出位置補正部49を備える。
外部の上位器などからの回転指令データRrは、回転制御部41に通知される。また、回転制御部41には、位置データ生成部45で生成された検出位置データDpが通知される。詳細については以下で説明するが、検出位置データDpは、基本的にはセンサ信号Hsに基づくロータ72の回転位置を示すデータである。回転制御部41は、回転指令データRrと検出位置データDpとに基づき、巻線11への駆動量を示す回転制御データDdを生成する。
具体的には、ブラシレスモータ70を速度制御する場合、回転制御部41は、速度指令を示す回転指令データRrと、検出位置データDpから微分演算などにより算出した検出速度データとの速度偏差を求める。そして、回転制御部41は、速度指令に従った実速度となるように、速度偏差に応じたトルク量を示す回転制御データDdを生成する。また、ブラシレスモータ70を位置制御する場合には、回転制御部41は、位置指令を示す回転指令データRrと検出位置データDpとの位置偏差を求め、位置指令に従った位置となるように、位置偏差に応じたトルク量を示す回転制御データDdを生成する。回転制御部41は、このような回転制御データDdを駆動波形生成部42に供給する。
駆動波形生成部42は、巻線11を駆動するための波形信号Wdを相ごとに生成し、生成した波形信号WdをPWM回路43に供給する。巻線11を正弦波駆動する場合には波形信号Wdは正弦波信号であり、巻線11を矩形波駆動する場合には波形信号Wdは矩形波信号である。また、波形信号Wdの振幅は、回転制御データDdに応じて決定される。そして、波形信号WdをPWM回路43に供給するタイミングは、波形信号Wdに基づいて巻線11を駆動する基準タイミングとなる。この基準タイミングは、位相制御部46からの位相制御データDtpに応じて決定される。この基準タイミングに対して進み方向の位相がいわゆる進角、遅れ方向の位相が遅角である。なお、位相ずれ検出装置53を実施の形態4で説明した構成とすることにより、波形信号Wdに基づく巻線11への駆動波形のひずみが小さくなるように、各相の基準タイミングが適切に設定される。
PWM(Pulse Width Modulation)回路43は、駆動波形生成部42から相ごとに供給された波形信号Wdを変調信号として、それぞれにパルス幅変調を行う。PWM回路43は、このように波形信号Wdでパルス幅変調したパルス列の信号である駆動パルス信号Pwmを、インバータ21に供給する。また、PWM回路43には、位相ずれ検出装置53から測定期間を示す測定期間信号Cmが供給されている。PWM回路43は、測定期間信号Cmに従って、測定期間を示す期間中は、駆動パルス信号Pwmの出力を停止する。これによって、測定期間中、インバータ21からモータ10への通電が停止され、位相ずれ検出装置53は、この測定期間を利用して位相のずれを検出する。
インバータ21は、駆動パルス信号Pwmに基づいて、相ごとに巻線11への通電を行い、巻線11を駆動する。ここで、駆動パルス信号Pwmは波形信号Wdをパルス幅変調した信号であるため、各スイッチ素子がこのようにオンオフされることにより、波形信号Wdに応じた駆動電流でそれぞれの巻線11が通電される。
以上のような構成により、回転指令データRrに従ってロータ72の回転速度や回転位置を制御するフィードバック制御ループが形成される。
次に、検出位置データDpや位相制御データDtpを生成するための詳細な構成について説明する。特に、ブラシレスモータ70は、回路基板73上での位置センサ12u、12v、12wの実装位置ずれ、あるいは回路基板73のケース本体74aへの装着位置ずれなどによる位置検出への影響を補償するため、位相ずれ検出装置53を備えるとともに、検出位置を補正する機能も備えている。
まず、位相ずれ検出装置53で生成された位相ずれデータdPは、補正データ生成部47に供給される。ここで、本実施の形態では、位相ずれ検出装置53および補正データ生成部47には、外部の上位器などから、補正データDcの生成を指示する生成指示信号Sgが通知される。位相ずれ検出装置53は、生成指示信号Sgにより補正データDcの生成を指示されると、測定期間を示す測定期間信号Cmを出力するとともに、位相ずれデータdPを生成して、補正データ生成部47に供給する。そして、補正データ生成部47は、位置センサ12の位置ずれなどによる位置検出への影響を補償するため、位相ずれデータdPを用いて補正データDcを生成する。補正データ生成部47は、生成した補正データDcを補正データ記憶部48に保存する。
また、検出位置補正部49は、位置センサ12から供給されるセンサ信号Hsと補正データ記憶部48が記憶する補正データDcとを用いて、補正された検出位置を示す補正位置信号Stを生成する。すなわち、検出位置補正部49は、まず、位置センサ12から供給される3つのセンサ信号Hsそれぞれに対して、補正データDcに応じたタイミングとなるように補正し、この補正により生成した補正位置信号Stを出力する。補正位置信号Stは、位置データ生成部45および位相制御部46に供給される。
位置データ生成部45は、3つの補正位置信号Stを用いて検出位置データDpを生成する。位置データ生成部45は、このように生成した検出位置データDpを回転制御部41に供給する。
位相制御部46は、補正位置信号Stのタイミングに基づいて、駆動波形生成部42に供給する位相制御データDtpを生成する。すなわち、駆動波形生成部42は、補正された検出位置に基づくタイミングで波形信号WdをPWM回路43に供給することになる。これによって、モータ10は、位相のずれを補正したタイミングで駆動されることになる。
なお、補正データ生成部47と検出位置補正部49と位相制御部46とにより、位相ずれ検出装置53の位相ずれ算出部33で算出した位相のずれ量に基づき、モータ駆動の位相のずれを補正する駆動位相補正部54が構成される。
以上説明したように、ブラシレスモータ70は、位置センサ12の位置ずれを補正した検出位置に基づき回転駆動される。
次に、このような補正データDcや補正位置信号Stを生成する詳細な動作について説明する。
図16は、位置センサ12それぞれが正規の状態で配置された場合において、無駆動の状態でロータ72が回転するときの、誘起電圧とセンサ信号Hsとのタイミングを示す図である。ここで、位置センサ12が正規の状態で配置された場合、ステータ71と位置センサ12とは図14で示したような配置関係にある。図16の上段の波形は、このような条件における駆動出力端Du、Dv、Dwそれぞれに生じるU相、V相、W相の誘起電圧の波形例を示している。また、図16の下段の波形は、U相、V相、W相のセンサ信号Hsそれぞれの波形例を示している。
上述したように、無駆動の状態でロータ72が回転すると、この回転による永久磁石78の磁極変化により、巻線11には誘起電圧が生じることになる。また、誘起電圧の位相は、ステータ鉄心75を配置した位置と永久磁石78の回転位置とに対応している。図16の上段の波形は、このような誘起電圧を示している。
一方、センサ信号Hsの位相は、位置センサ12を配置した位置と永久磁石78の回転位置とに対応する。このため、回転による永久磁石78の磁極変化により、位置センサ12は、図16のようなパルス状のセンサ信号Hsを出力する。図16では、位置センサ12が永久磁石78のS極を検出しているときにHレベル、N極を検出しているときにLレベルを出力するような一例を示している。ここで、U相、V相、W相それぞれのレベルを組み合わせたパターンは、6パターンを1周期として繰り返していることが分かる。すなわち、この6パターンを利用して、永久磁石78のNS極一対の円弧長を6つに分解した分解能で位置検出できる。位置データ生成部45は、このような原理を利用して検出位置データDpを生成している。また、図16に示すセンサ信号Hsのパルスの立上り、あるいは立下りのタイミングを利用して、上述したような巻線11を駆動する基準タイミングとしている。なお、具体的には次に説明するように、センサ信号Hsのタイミングを補正したタイミング、すなわち、補正位置信号Stに基づくタイミングを基準タイミングとしている。
以上のように、ステータ鉄心75に対して位置センサ12が正しく配置されている場合、例えば基準とするような所定の回転数において、誘起電圧の位相とセンサ信号Hsの位相とは一定な位相関係となる。図16では、誘起電圧が、その中心電圧でゼロクロスするタイミングでの位相に対して、センサ信号Hsの立下りの位相が、例えば回路素子などの遅延により時間Tsだけ遅れるような一例を示している。
次に、位置センサ12に位置ずれが生じた場合について説明する。
図17は、このような位置ずれの例として、回路基板73上に実装された位置センサ12uの実装位置ずれが生じた場合の一例を示す図である。ここで、位置センサ12uは、正規のu軸からu’軸へと位置ずれした例を示している。
また、図18は、位置センサ12uが図17のように位置ずれして配置された場合において、無駆動の状態でロータ72が回転するときの、誘起電圧とセンサ信号Hsとのタイミングを示す図である。図18の上段の波形は、U相、V相、W相それぞれの誘起電圧の波形例を示している。また、図18の下段の波形は、U相、V相、W相それぞれのセンサ信号Hsの波形例を示している。ここで、誘起電圧の位相はステータ鉄心75の位置と永久磁石78の回転位置とに対応しているため、誘起電圧は位置センサ12の位置ずれに影響されない。したがって、図18の上段の波形は図16の上段の波形と同じである。一方、センサ信号Hsの位相は、位置センサ12の位置と永久磁石78の回転位置とに対応しているため、例えば位置センサ12uが位置ずれすると、図18に示すように、誘起電圧の位相に比べて、U相のセンサ信号Hsの位相が時間Tdだけずれることになる。すなわち、図18のU相の場合、正規の誘起電圧との位相差Tsよりも、さらに位相(Td−Ts)だけ遅れている。このことより、位置センサ12の位置ずれは、誘起電圧とセンサ信号Hsとの位相差に対応していることが分かる。
位相ずれ検出装置53から出力される位相ずれデータdPも、誘起電圧とセンサ信号Hsとの位相差に基づき生成されている。そして、位相ずれデータdPが示す位相のずれ量が正規の位相となるように補正することにより、位置センサ12の位置ずれによる影響を抑制したセンサ信号としての補正位置信号Stを得ることができる。
なお、図17および図18では、回路基板73上で1つの位置センサ12uの実装位置がずれた場合の一例を示した。しかし、回路基板73の支持部材81への装着位置がずれた場合には、例えば、図18のU相、V相、W相それぞれのセンサ信号Hsの位相が時間Tdだけ遅れるようにずれたり、またこれとは逆方向の実装位置ずれの場合には位相が進んだりすることになる。
以上のような位置センサ12の実装位置ずれや回路基板73の装着位置ずれによるセンサ信号Hsの位相ずれを補正するため、補正データ生成部47は、生成指示信号Sgにより補正データの生成を指示されると、位相ずれデータdPに基づき位相ずれを補正するための補正データDcを生成し、補正データ記憶部48に記憶させる。また、検出位置補正部49は、このような補正データDcを用いて、センサ信号Hsの位相を補正し、補正位置信号Stを出力する。そして、位置データ生成部45は、補正位置信号Stを用いて検出位置データDpを生成する。また、位相制御部46は、補正位置信号Stのタイミングに基づいて生成した位相制御データDtpを駆動波形生成部42に供給する。これによって、補正されたセンサ信号に基づくタイミングで巻線11が駆動されることになる。
そして、本実施の形態では、ブラシレスモータ70が、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4あるいは実施の形態5と同様の手法を用いた位相ずれ検出装置53を備えた構成である。このため、ブラシレスモータ70によれば、位置センサ12の位置ずれがあっても、位置ずれを精度よく検出し、位置ずれによるトルクの低下など、位置検出センサの位置ずれによる影響を簡易な構成で精度よく抑制できる。
さらに、実施の形態5で説明したように、位置検出信号Rdの立上りおよび立下りタイミングの前から後にかけて測定期間を設けることにより、モータ10を回転駆動させながら、位置ずれを検出することが可能となる。このため、補正データDcを生成するタイミングとして、ブラシレスモータ70の出荷時に行い、標準の補正データとして記憶しておくことに加えて、例えばモータ立上げ時や、さらにはモータ稼動中などに図11で示した位相ずれ検出期間を設けて、補正データDcを生成するような構成も可能である。すなわち、本実施の形態の構成によれば、ブラシレスモータ70内において、完結して補正データDcを生成することが可能であるため、例えば経年変化などによって位置センサ12の実装位置がずれたり、ステータ鉄心75に対して回路基板73の位置がずれたりしても、位置ずれを補正することができる。
(実施の形態7)
図19は、本発明の実施の形態7におけるモータ駆動装置55を含むブラシレスモータ80のブロック図である。本実施の形態のブラシレスモータ80は、図15で示したブラシレスモータ70と比較して、制御や演算処理などを行う各部をマイクロコンピュータ(以下、マイコンと呼ぶ)56により構成している。すなわち、実施の形態6における回転制御部41、駆動波形生成部42、PWM回路43、位置データ生成部45、位相制御部46、補正データ生成部47および検出位置補正部49の駆動制御回路の機能と、レベル差算出部32、位相ずれ算出部33および測定期間制御部35の位相ずれ検出装置の機能とは、メモリなどに記憶されたプログラムをマイコン56が読込み、実行することで実現される。また、補正データDcはマイコン56内のメモリ57に記憶される。なお、ブラシレスモータ80の構造としては実施の形態6と同様であり、実施の形態1〜6と同一の符号を付した構成要素は同一の機能を有している。さらに、このようなマイコン56は、回路部品13の1つとして回路基板73上に実装され、このような回路基板73がモータケース74の内部に内蔵されている。
さらに、本実施の形態では、マイコン56に内蔵したADコンバータが測定信号Msのレベルを取り込み、レベルデータに変換するような構成としている。このような構成により、ADコンバータによって誘起電圧に基づく測定信号Msのレベルを直接観測するため、ヒステリシスによる遅延の影響を受けず、位相ずれを正確に検出することができる。
また、図20は、本実施の形態におけるブラシレスモータ80の補正データDcを生成する処理の手順の一例を示すフローチャートである。外部の上位器などから、補正データDcの生成を指示する生成指示信号Sgが通知されると、マイコン56は、図20に示すような手順に従って補正データDcを生成する処理を開始する。なお、以下、マイコン56が実行する図20の処理を、図19に示す機能ブロックを用いながら説明する。
マイコン56が補正データDcを生成する処理を開始すると、まず、回転制御部41は、ロータ72が目標の回転数となるように回転制御する(ステップS100)。また、測定期間制御部35は、センサ信号Hsを用いて、ロータ72の回転数を計測している。計測した回転数が目標の回転数になると次の処理に進む(ステップS102)。
すなわち、測定期間制御部35は、ロータ72の回転数が目標の回転数になると、測定期間を示す測定期間信号Cmを生成し、PWM回路43に供給する。PWM回路43は、測定期間信号Cmに従って、測定期間を示す期間中は、駆動パルス信号Pwmの出力を停止する。このような測定期間制御によって、インバータ21が部分駆動される。(ステップS104)。この測定期間を利用して、マイコン56は、例えば内蔵のADコンバータなどを介して、センサ信号Hsの立上りおよび立下り時点での測定信号Msのレベルを相ごとに検出する。そして、レベル差算出部32によってレベル差データdLを算出する(ステップS106)。
この後、測定期間制御部35は、部分駆動から通常駆動に切替える(ステップS108)。本実施の形態におけるブラシレスモータは、このような制御が可能であるため、モータ稼動中などにも位相ずれに対応したレベル差データdLを算出することができる。
次に、マイコン56において、位相ずれ算出部33が位相ずれデータdPを算出(ステップS110)し、補正データ生成部47が補正データDcを算出し(ステップS112)、算出した補正データDcをメモリ57に保存する(ステップS114)。マイコン56によるこのような処理によって、補正データDcが生成され、記憶される。
以上説明した手順に従って処理を実行することにより、補正データDcを生成することができる。特に、図20の手順に従った処理によれば、実施の形態6と同様に、ブラシレスモータ80単体で完結して補正データDcを生成できる。このため、例えばブラシレスモータ80の出荷時に補正データDcを生成できることに加えて、ブラシレスモータ80を例えば電気機器などに組み込んだ場合でも補正データDcを生成できる。すなわち、例えばブラシレスモータ80の振動が長時間加わることによって、回路基板73の装着位置がずれるような不具合に対しても、本実施の形態によれば、位置ずれを補正でき、位置検出への影響を補償できる。なお、このような補正データDcを生成するタイミングとして、例えば、ブラシレスモータ80を組み込んだ電気機器の電源立ち上げ時に実行したり、電気機器の定期検査の一環として実行したりすることができる。
以上説明したように、本発明の位相ずれ検出装置は、パルス状の位置検出信号と、巻線からの誘起電圧に基づく測定信号とを用いて、モータ駆動の位相のずれを検出する位相ずれ検出装置である。位置検出信号の立上りタイミングでの測定信号のレベルと、立下りタイミングでの測定信号のレベルとのレベル差を算出するレベル差算出部と、レベル差に基づき位相のずれ量を算出する位相ずれ算出部とを備えた構成である。
この構成により直線性に優れた位相ずれ情報が得られるため、簡易な構成で精度よくモータ駆動の位相のずれを検出することができる。
また、本発明の位相ずれ検出装置は、レベル差算出部が、位置検出信号の立上りタイミングおよび立下りタイミングを基準とし、その前後のタイミングにおける複数のレベル差を算出し、位相ずれ算出部が、複数のレベル差を用いて、レベル差がゼロとなるタイミングを求め、そのタイミングから位相のずれを算出する構成である。
また、本発明の位相ずれ検出装置は、位置検出信号の立上りタイミングおよび立下りタイミングを生成する取込タイミング生成部と取込タイミング生成部が生成するタイミングを制御するタイミング制御部とをさらに備える。レベル差算出部は、取込タイミング生成部が生成するタイミングで取り込んだ測定信号のレベル差を算出する。タイミング制御部は、レベル差の符号によって位相の進みまたは遅れを検出すると同時に、レベル差がゼロとなる方向に取込タイミング生成部が生成するタイミングを調整するよう制御する。そして、位相ずれ算出部は、調整したタイミングから位相のずれを算出する構成である。
このような構成により、誘起電圧の振幅の影響などを受けずに、簡易な構成でかつ精度よく駆動位相のずれを検出することができる。
また、本発明の位相ずれ検出装置は、誘起電圧から測定信号を生成する測定信号生成部をさらに備え、測定信号生成部が、誘起電圧から正弦波状の測定信号を生成する構成である。
この構成により、検出した位相のずれは、正弦波波形の変化量が大きい期間のレベル差に基づくとともに、そのレベル差は位相ずれに対してほぼ比例して変化するため、簡易に構成できることに加えて、精度良くモータ駆動の位相のずれを検出できる。
また、本発明の位相ずれ検出装置は、相間ずれ検出部と、位相ずれ補正部とをさらに備えた構成である。相間ずれ検出部は、複数の磁極位置センサを備えている場合は、センサ信号どうしの相間における位相ずれである相間位相ずれ量をそれぞれ検出し、検出した各相間位相ずれ量の平均値である平均相間位相ずれ量を算出する。位相ずれ補正部は、位相ずれ算出部が算出した位相のずれ量を、平均相間位相ずれ量を用いて補正して出力する。
この構成により、各位相ずれデータは、センサ信号位相ずれの平均値からの相対誤差に置き換えられることになるため、駆動波形のひずみを小さく抑えることが可能となる。
さらに、本発明の位相ずれ検出装置は、位置検出信号の立上りおよび立下りタイミングの前から後にかけての所定の期間幅の測定期間を設け、測定期間中のみモータの駆動を遮断する構成である。
この構成により、モータを回転駆動させながら、位置ずれを検出することができる。このため、位相のずれを検出するような特別な期間を設ける必要はなく、例えば、経年変化で生じた位置ずれなども、電気機器などに組み込んだ状態で検出できる。
また、本発明のモータ駆動装置は、上記位相ずれ検出装置と、位相ずれ算出部で算出した位相のずれ量に基づき、モータ駆動の位相のずれを補正する駆動位相補正部とを備えた構成である。
この構成により、簡易な構成でモータ駆動の位相のずれを補正する機能を有したモータ駆動装置が実現できる。
また、本発明のブラシレスモータは、永久磁石を保持し、回転軸を中心として回転自在に配置されたロータと、複数の突極を有するステータ鉄心に相ごとの巻線を巻回したステータと、上記モータ駆動装置とを備えた構成である。
この構成により、簡易な構成でモータ駆動の位相のずれを補正する機能を有したブラシレスモータが実現できる。
また、本発明の位相ずれ検出方法は、パルス状の位置検出信号と、巻線からの誘起電圧に基づく測定信号とを用いて、モータ駆動の位相のずれを検出する位相ずれ検出方法である。本位相ずれ検出方法は、位置検出信号の立上りタイミングでの測定信号のレベルと、立下りタイミングでの測定信号のレベルとのレベル差を算出し、レベル差に基づき位相のずれ量を算出する。
この方法によっても、例えば局所的最小値を含む誘起電圧波形においての局所的最小値の位相などを検出する必要はないため、簡易にモータ駆動の位相のずれを検出することができる。
また、本発明の位相ずれ検出方法は、位置検出信号の立上りタイミングおよび立下りタイミングを基準とし、その前後のタイミングにおける複数のレベル差を算出し、複数のレベル差を用いて、レベル差がゼロとなるタイミングを求め、そのタイミングから位相のずれを算出する。
また、本発明の位相ずれ検出方法は、レベル差の符号によって位相の進みまたは遅れを検出すると同時に、レベル差がゼロとなる方向にレベル差を検出するタイミングを調整することで、レベル差がゼロとなるタイミングを求め、そのタイミングから位相のずれを検出する。
このような方法によっても、誘起電圧の振幅の影響などを受けずに、簡易かつ精度よく駆動位相のずれを検出することができる。
また、本発明の位相ずれ検出方法は、測定信号を、誘起電圧から生成された正弦波状の信号としている。
このような方法によっても、検出した位相のずれは、正弦波波形の変化量が大きい期間のレベル差に基づくとともに、そのレベル差は位相ずれに対してほぼ比例して変化するため、簡易に構成できることに加えて、精度良くモータ駆動の位相のずれを検出できる。
また、本発明の位相ずれ検出方法は、センサ信号どうしの相間における位相ずれである相間位相ずれ量をそれぞれ検出し、検出した各相間位相ずれ量の平均値を用いて、モータ駆動の位相のずれ量を補正し出力する。
このような方法によっても、各位相ずれデータは、センサ信号位相ずれの平均値からの相対誤差に置き換えられることになるため、駆動波形のひずみを小さく抑えることも可能となる。
また、本発明の位相ずれ検出方法は、位置検出信号の立上りおよび立下りタイミングの前から後にかけての所定の期間幅の測定期間を設け、測定期間中は、モータの駆動を遮断する。
このような方法によっても、モータを回転駆動させながら、位置ずれを検出することができる。このため、位相のずれを検出するような特別な期間を設ける必要はなく、例えば、経年変化で生じた位置ずれなども、電気機器などに組み込んだ状態で検出できる。
以上、本発明の位相ずれ検出装置によれば、局所的最小値の位相などを検出する必要はなく、正弦波状の誘起電圧の2点のレベル差を利用して位相ずれを検出している。このため、位置検出センサの位置ずれがあっても、位置ずれを簡易な構成で精度よく検出できる。また本発明のモータ駆動装置およびブラシレスモータによれば、本位相ずれ検出装置を備えた構成であるため、位置ずれを簡易な構成で精度よく補正できる。また、本発明の位相ずれ検出方法によっても、局所的最小値の位相などを検出する必要はなく、正弦波状の誘起電圧の2点のレベル差を利用して位相ずれを検出しているため、位置検出センサの位置ずれがあっても、位置ずれを簡易な構成で精度よく検出できる。
また、本発明では、ADコンバータによって誘起電圧のレベルを直接観測するため、ヒステリシスによる遅延の影響を受けず、位相ずれを正確に検出することができる。
本発明の位相ずれ検出装置や位相ずれ検出方法は精度よくモータ駆動の位相のずれを検出することができ、またモータ駆動装置およびブラシレスモータは、簡易な構成で、かつ精度よくモータ駆動の位相のずれを補正することができるため、家電製品や電装品など、高出力で高効率かつ低騒音が求められるモータに有用である。
10 モータ
11a 引出線
11,11u,11v,11w 巻線
12,12u,12v,12w 位置センサ
13 回路部品
20,50,52,55,202,203,204 モータ駆動装置
21 インバータ
22 スイッチ素子
29 電源
30,51,53,302,303,304 位相ずれ検出装置
31 測定信号生成部
32,322,323 レベル差算出部
33,332,333 位相ずれ算出部
35 測定期間制御部
40 駆動制御回路
41 回転制御部
42 駆動波形生成部
43 PWM回路
45 位置データ生成部
46 位相制御部
47 補正データ生成部
48 補正データ記憶部
49 検出位置補正部
54 駆動位相補正部
56 マイコン
57 メモリ
70,80 ブラシレスモータ
71 ステータ
72 ロータ
73 回路基板
74 モータケース
74a ケース本体
74b ケース蓋
75 ステータ鉄心
75a ヨーク
75b ティース
76 回転軸
77 ロータフレーム
78 永久磁石
79 軸受
81 支持部材
342,353 取込タイミング生成部
363 タイミング制御部
374 相間ずれ検出部
384 位相ずれ補正部
本発明は、モータに配置した磁極位置センサの配置のずれに基づくモータ駆動の位相のずれを検出する位相ずれ検出装置、これを備えたモータ駆動装置およびブラシレスモータ、並びに位相ずれ検出方法に関する。
このようなモータ駆動の位相のずれを検出する手法やその手法を用いたモータは、従来、例えば、特許文献1に開示されている。例えばロータの回転位置を検出する磁極位置センサを備えたブラシレスモータにおいて、磁極位置センサの取り付け位置がずれていた場合、位置ずれによる検出位置誤差となる。このような検出位置誤差が生じると、ブラシレスモータの正確な回転制御ができなくなり、例えば、回転効率が低下するなどの課題があった。
このため、特許文献1に開示された手法では、磁極位置センサからのセンサ信号と、モータ駆動回路からの局所的最小値を含む逆EMF信号との位相差を計算することで、磁極位置センサの位置合わせ誤差を決定している。すなわち、まず、モータ駆動を停止した状態で、ブラシレスモータを楕走させる。この楕走の期間に、センサ信号と逆EMF信号とを測定する。そして、逆EMF信号の局所的最小値の位相とセンサ信号のパルス変化点の位相とを求め、それらの位相差から位置合わせ誤差を決定している。また、この位相差を蓄積し、この位相差に基づいてセンサ信号を修正することで、ロータの検出位置を補正している。
また、例えばコンパレータを用いて理想位置からの位相ずれ量を検出し、通電のタイミングを補正するような手法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。すなわち、特許文献2では、W相の誘起電圧をコンパレータで検出し、コンパレータの出力信号とU相のホール素子からの検出信号とから相互の位相差を検出している。
特許文献1に開示された従来の手法の場合、逆EMF信号の局所的最小値の位相を求める必要がある。ところが、このような局所的最小値は逆EMF信号の振幅に応じて変化し、また、逆EMF信号波形のピーク値と局所的最小値との差も小さい。このため、局所的最小値の位相を簡易かつ精度よく求めるには限界があった。
また、特許文献2のような手法の場合、誘起電圧をパルスに変換する過程で、コンパレータのヒステリシスによる遅延によって位相の検出誤差が生じていた。さらに、ヒステリシスによる遅延時間は、誘起電圧の振幅や周波数の影響を受けるため遅延時間の補正を正確に行うのは実用上難しかった。
特許第4191172号公報 特開2009−240041号公報
本発明の位相ずれ検出装置は、モータに配置した磁極位置センサのセンサ信号に基づくパルス状の位置検出信号と、モータを駆動する巻線からの誘起電圧に基づく測定信号とを用いて、モータ駆動の位相のずれを検出する。そして、本位相ずれ検出装置は、位置検出信号の立上りタイミングでの測定信号のレベルと、立下りタイミングでの測定信号のレベルとのレベル差を算出するレベル差算出部と、レベル差に基づき位相のずれ量を算出する位相ずれ算出部とを備えた構成である。
この構成により、例えば局所的最小値を含む誘起電圧波形においての局所的最小値の位相などを検出する必要はないため、簡易な構成でモータ駆動の位相のずれを検出することができる。
また、本発明のモータ駆動装置は、上記位相ずれ検出装置と、位相ずれ算出部で算出した位相のずれ量に基づき、モータ駆動の位相のずれを補正する駆動位相補正部とを備えた構成である。
この構成により、簡易な構成でモータ駆動の位相のずれを補正する機能を有したモータ駆動装置が実現できる。
また、本発明のブラシレスモータは、永久磁石を保持し、回転軸を中心として回転自在に配置されたロータと、複数の突極を有するステータ鉄心に相ごとの巻線を巻回したステータと、上記モータ駆動装置とを備えた構成である。
この構成により、簡易な構成でモータ駆動の位相のずれを補正する機能を有したブラシレスモータが実現できる。
また、本発明の位相ずれ検出方法は、モータに配置した磁極位置センサのセンサ信号に基づくパルス状の位置検出信号と、モータを駆動する巻線からの誘起電圧に基づく測定信号とを用いて、モータ駆動の位相のずれを検出する位相ずれ検出方法である。本位相ずれ検出方法は、位置検出信号の立上りタイミングでの測定信号のレベルと、立下りタイミングでの測定信号のレベルとのレベル差を算出し、レベル差に基づき位相のずれ量を算出する。
この方法によっても、例えば局所的最小値を含む誘起電圧波形においての局所的最小値の位相などを検出する必要はないため、簡易にモータ駆動の位相のずれを検出することができる。
図1は、本発明の実施の形態1における位相ずれ検出装置を含むブラシレスモータのブロック図である。 図2は、同、位相ずれ検出装置に供給される測定信号と位置検出信号との波形を示す図である。 図3は、本発明の実施の形態2における位相ずれ検出装置を含むブラシレスモータのブロック図である。 図4Aは、同位相ずれ検出装置において、各位置センサが正規位置に配置された場合の測定信号、取込タイミング信号およびセンサ信号のタイミングチャートである。 図4Bは、同位相ずれ検出装置において、各位置センサが正規位置に配置されていない場合の測定信号、取込タイミング信号およびセンサ信号のタイミングチャートである。 図5は、同位相ずれ検出装置における位相ずれ算出部が算出する位相ずれデータの算出方法を示す図である。 図6は、本発明の実施の形態3における位相ずれ検出装置を含むブラシレスモータのブロック図である。 図7は、同位相ずれ検出装置に構成されるフィードバックループのブロック図である。 図8は、本発明の実施の形態4における位相ずれ検出装置を含むブラシレスモータのブロック図である。 図9は、同位相ずれ検出装置の相間ずれ検出部および位相ずれ補正部の処理を説明するための図である。 図10は、本発明の実施の形態5における位相ずれ検出装置を含むブラシレスモータのブロック図である。 図11は、同位相ずれ検出装置での測定信号と位置検出信号との波形を示す図である。 図12は、本発明の実施の形態6におけるモータ駆動装置を含むブラシレスモータの断面の構造を示す図である。 図13は、同ブラシレスモータの内部を上面から示した図である。 図14は、同ブラシレスモータの内部を上面から示した図である。 図15は、同ブラシレスモータのブロック図である。 図16は、同ブラシレスモータの位置センサそれぞれが正規の状態で配置された場合において、無駆動の状態でロータが回転するときの、誘起電圧とセンサ信号とのタイミングを示す図である。 図17は、同ブラシレスモータの位置センサの実装位置ずれが生じた場合の一例を示す図である。 図18は、同ブラシレスモータの位置センサの実装位置ずれが生じた場合、無駆動の状態でロータが回転するときの、誘起電圧とセンサ信号とのタイミングを示す図である。 図19は、本発明の実施の形態7における位相ずれ検出装置を含むブラシレスモータのブロック図である。 図20は、同ブラシレスモータの補正データを生成する処理の手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態における位相ずれ検出装置、モータ駆動装置、ブラシレスモータ、および位相ずれ検出方法について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における位相ずれ検出装置30を含むブラシレスモータのブロック図である。
図1に示すように、本ブラシレスモータは、巻線11を備えたモータ10と、モータ10のロータの回転位置を検出する磁極位置センサとしての位置センサ12と、モータ10を駆動するモータ駆動装置20とを含む構成である。また、モータ駆動装置20には、電力を供給するために、電源29が接続される。本実施の形態では、モータ10が、回転軸を中心として回転自在に配置されたロータと、ステータ鉄心に相ごとの巻線11を巻回したステータとを備え、互いに120度位相が異なるU相、V相およびW相とする3相で駆動されるブラシレスモータの一例を挙げて説明する。すなわち、モータ10のステータには、U相の巻線11u、V相の巻線11vおよびW相の巻線11wが巻回されている。そして、それぞれの巻線の一端が中性点で接続されるY結線が施され、それぞれの巻線の他端にはモータ駆動装置20から巻線を駆動するための通電信号が供給される。また、本ブラシレスモータは、各相の位置を検出するために、ホールセンサなどによる位置センサ12として、U相用の位置センサ12u、V相用の位置センサ12vおよびW相用の位置センサ12wを備えている。そして、各位置センサ12からモータ駆動装置20に、検出した位置を示すセンサ信号Hsが供給される。
モータ駆動装置20は、インバータ21と位相ずれ検出装置30と駆動制御回路40とを備える。
駆動制御回路40には、例えば外部の上位器などから、回転速度や回転位置などを指令する回転指令データRrが通知される。さらに、駆動制御回路40には、センサ信号Hsとして、位置センサ12uからセンサ信号H1、位置センサ12vからセンサ信号H2、位置センサ12wからセンサ信号H3が供給されるとともに、位相ずれ検出装置30から位相ずれデータdPが供給される。駆動制御回路40は、センサ信号Hsに基づきロータの回転位置を示す回転位置データを生成する。このとき、駆動制御回路40は、センサ信号Hsから検出した回転位置を、位相ずれデータdPに基づいて補正し、回転位置データを生成する。なお、このような回転位置を補正する構成および動作については以下で詳細に説明する。駆動制御回路40は、さらに、回転指令データRrと回転位置データとの偏差量、あるいは回転指令データRrと回転位置データに基づき生成した回転速度データとの偏差量に基づき、インバータ21を駆動するパルス状の駆動パルス信号Pwmを生成する。
インバータ21は、駆動パルス信号Pwmに基づいて、相ごとに巻線11への通電を行い、巻線11を駆動する。インバータ21は、電源29の正極Vcc側に接続されたスイッチ素子22と負極となるグランドGND側に接続されたスイッチ素子22とを、U相、V相、W相それぞれに備えている。また、正極側と負極側との両スイッチ素子22の反電源側は互いに接続されており、この接続部から駆動出力端を介して巻線11を通電駆動する通電信号が出力される。駆動出力端DuからU相の通電信号Uが巻線11uに、駆動出力端DvからV相の通電信号Vが巻線11vに、そして、駆動出力端DwからW相の通電信号Wが巻線11wに供給される。そして、それぞれの相において、駆動パルス信号Pwmによりスイッチ素子22がオンオフされると、電源29からオンのスイッチ素子22を介して巻線11に通電駆動電流が流れる。
以上のような構成により、回転指令データRrに従ってロータの回転速度や回転位置を制御するフィードバック制御ループが形成される。
さらに、本実施の形態のブラシレスモータは、例えば回路基板上での位置センサ12u、12v、12wの実装位置ずれ、あるいは回路基板の装着位置ずれなどによる位置検出への影響を補償するために、位相ずれ検出装置30を備えている。
位相ずれ検出装置30は、モータ10に配置した位置センサ12のセンサ信号Hsに基づくパルス状の位置検出信号と、モータ10を駆動する巻線11からの誘起電圧に基づく測定信号Msとを用いて、モータ駆動の位相のずれを検出する。位相ずれ検出装置30は、このような処理を行うため、測定信号生成部31とレベル差算出部32と位相ずれ算出部33とを備えている。また、位相ずれ検出装置30には、3つのセンサ信号Hsのうち1つの相のセンサ信号が供給されるとともに、3つの駆動出力端Du、Dv、Dwのうちの2つと接続される。図1では、センサ信号H1がそのまま位置検出信号Rdとしてレベル差算出部32に供給され、また、測定信号生成部31で生成されたバイアス電圧Vbが駆動出力端Duに接続され、駆動出力端Dwの信号が測定信号生成部31を介してレベル差算出部32に供給される一例を示している。なお、位相ずれ検出装置30は、巻線11から生じる誘起電圧を利用してモータ駆動の位相のずれを検出する。このため、位相ずれ検出装置30は、例えば楕走状態などモータ10が無駆動状態で回転する期間を利用する。
無駆動状態でモータ10が回転する期間において、巻線11から生じる誘起電圧に基づき位相ずれを検出するため、測定信号生成部31は、測定信号Msを生成する。この測定信号Msは誘起電圧に基づく信号であり、測定信号生成部31は、測定信号Msを生成するために、1つの相の巻線にバイアス電圧Vbを印加するバイアス回路を備える。図1では、電源29の正極VccとグランドGNDとの間に、バイアス回路としての抵抗R1と抵抗R2との直列回路を設けている。そして、抵抗R1と抵抗R2とにより分圧した電圧をバイアス電圧Vbとして、駆動出力端Duを介して巻線11uに供給している。
さらに、測定信号生成部31は、バイアス電圧Vbを印加する巻線とは異なる他の相の巻線から生じる誘起電圧を測定信号Msとして出力する。本実施の形態では、測定信号生成部31は、巻線11wから生じた誘起電圧が供給される駆動出力端Dwの電圧波形を取り込み、この電圧波形を測定信号Msとして出力する。なお、図1では、測定信号生成部31が駆動出力端Dwの電圧波形をそのまま測定信号Msとして出力するような例を示しているが、駆動出力端Dwの電圧波形を測定に適した振幅の波形信号に変換する増幅回路や減衰回路などを介して測定信号Msに変換し、出力するような構成であってもよい。
このように、1つの相の駆動出力端にバイアス電圧Vbを印加することにより、無駆動状態で回転するモータ10において、他の相の駆動出力端からは、正弦波状の誘起電圧を得ることができる。本実施の形態ではこのようにして得られる正弦波状の誘起電圧、すなわち測定信号Msを利用して位相ずれを検出している。特に、本実施の形態では正弦波状の測定信号Msを利用しているため、局所的最小値を含むような波形に比べて誤検出が生じにくいという利点がある。
図2は、本発明の実施の形態1における位相ずれ検出装置30に供給される測定信号Msと位置検出信号Rdとの波形を示す図である。図2の上段の波形は測定信号Msを示し、図2の下段の波形は位置検出信号Rdを示している。測定信号生成部31によって、1つの相の駆動出力端にバイアス電圧Vbを印加し、楕走状態時における他の相の駆動出力端電圧を観測したとき、図2に示すような正弦波状の波形を有した測定信号Msを得ることができる。また、位置検出信号Rdは、図2に示すようなパルス状の信号である。レベル差算出部32には、図2に示すような2つの信号が供給される。
レベル差算出部32は、位置検出信号Rdの立上りタイミングでの測定信号Msのレベルと、立下りタイミングでの測定信号Msのレベルとのレベル差を算出する。図2では、位置検出信号Rdの立上り、立下りのタイミングとして、時刻t0における位置検出信号Rdの立上り、および時刻t1における立下りを用いた例を示している。レベル差算出部32は、まず、このタイミングを利用して、時刻t0における測定信号MsのレベルLrと、時刻t1における測定信号MsのレベルLfとを検出する。そして、レベル差算出部32は、レベルLrとレベルLfとのレベル差を示すレベル差データdL=(Lr−Lf)を算出し、レベル差データdLを位相ずれ算出部33に通知する。
位相ずれ算出部33は、通知されたレベル差データdLに基づき位相のずれ量を算出する。すなわち、測定信号Msに対する位置検出信号Rdの位相が変化すると、それに応じてレベル差データdLも変化する。位相ずれ算出部33は、このレベル差データdLの変化に基づき、レベル差データdLから位相のずれ量を算出している。位相ずれ算出部33は、位相のずれ量を例えば電気角に変換し、位相ずれデータdPとして駆動制御回路40に供給する。駆動制御回路40は、センサ信号Hsから検出した回転位置を、位相ずれデータdPに基づき補正し、補正位置信号を生成する。
ここで、位置センサ12uが正しく配置された場合に、測定信号Msのピーク値のタイミングが位置検出信号Rdのパルスの中心タイミングに一致するように設定しておく。すると、位置センサ12uが正しく配置された場合には、位置検出信号Rdの立上りと立下りとの時点での測定信号Msのレベルが等しくなるため、レベル差データdLがゼロとなる。一方、位置センサ12uの配置がずれると、そのずれに応じて、測定信号Msに対する位置検出信号Rdの位相もずれ、例えば図2のようにレベルLrとレベルLfとが異なってくる。そして、位置センサ12uを配置する位置に応じて、レベル差データdLの大きさがほぼ比例して変化する。すなわち、位相ずれ算出部33は、レベル差データdLがゼロとなる位相を基準位相として、位相のずれ量を算出できる。また、レベル差データdLの符号によって、位相の進みまたは遅れを検出でき、レベル差データdLの絶対値の大きさに応じて、基準位相からの位相のずれ量を算出できる。さらに、位相ずれ検出装置30は、このように、位置検出信号Rdの変化エッジのタイミングでの正弦波レベルの差分に基づき位相のずれ量を算出している。このため、位置検出信号Rdのデューティ比、すなわち図2に示すパルス幅(t1−t0)が変化しても、その変化分は差分で打ち消され、これによって、位相ずれ検出の精度を高めることができる。
本実施の形態では、このような原理を利用して、位置センサ12の実装位置ずれなどに基づくモータ駆動の位相のずれを検出している。
以上のように、位相ずれ検出装置30は、位置検出信号Rdの立上りタイミングでの測定信号Msのレベルと、立下りタイミングでの測定信号Msのレベルとのレベル差を利用して、モータ駆動の位相のずれを検出している。このため、例えば局所的最小値を含む誘起電圧波形においての局所的最小値の位相などを検出する必要はないため、簡易な構成でモータ駆動の位相のずれを検出することができる。なお、本実施の形態では、正弦波状の測定信号Msを利用した例を挙げて説明したが、局所的最小値を含む誘起電圧波形における電圧増加期間中のレベルと電圧減少期間中のレベルとを位置検出信号Rdの変化エッジタイミングで取り込み、そのレベル差に基づき位相のずれ量を算出するような構成とすることも可能である。
また、特に、本実施の形態の位相ずれ検出装置30は、正弦波状の誘起電圧に基づく測定信号Msを利用して位相ずれを検出している。これにより、正弦波波形の変化量が大きい期間のレベル差に基づくとともに、そのレベル差は位相ずれに対してほぼ比例して変化するため、簡易に構成できることに加えて、精度良くモータ駆動の位相のずれを検出できる。
なお、以上の説明では、U相の位置センサ12uのみの位置ずれを検出する構成例を挙げて説明した。このような構成により、1つの相のみの位置ずれを検出すればよいため、簡易な構成で実現できる。しかし、次のような構成を加えることで、V相およびW相の位置ずれも検出でき、ハードウェア量が増加するものの、より精度よく位置ずれを検出できる。すなわち、駆動出力端Dvおよび駆動出力端Dwにもバイアス電圧Vbを印加し、V相およびW相に対応した正弦波状の測定信号Msを生成する。そして、上述したU相と同様にそれぞれレベル差を算出することで、V相の位置センサ12vの位置ずれ、およびW相の位置センサ12wの位置ずれを検出できる。そして、位相ずれ算出部が相ごとの位相のずれを算出し、駆動制御回路において、相ごとに位相のずれを補正するような構成とすることができる。
また、本実施の形態では、3相駆動のブラシレスモータの例を挙げて説明したが、2相駆動のブラシレスモータにも適用することができる。
また、図2では、位置検出信号Rdの1つのパルスのエッジ変化を利用してレベル差を算出するような例を挙げているが、複数のパルスのエッジ変化を利用してそれぞれのレベル差を算出し、例えばその平均値をレベル差データdLとするような構成であってもよい。これにより、ノイズなどの影響を抑制することができる。
また、以上の説明では機能ブロックにより位置ずれを検出する構成例を挙げて説明した。しかし、位置検出信号Rdの立上りタイミングでの測定信号Msのレベルと、立下りタイミングでの測定信号Msのレベルとのレベル差を算出し、このレベル差に基づき位相のずれ量を算出する位相ずれ検出方法によっても、同様の効果を有しながら、同様に位置ずれを検出できる。このような位相ずれ検出方法は、例えば以下で説明するマイコンなどを用いることによって容易に実施できる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2における位相ずれ検出装置302を含むブラシレスモータのブロック図である。図1に示した実施の形態1の構成との比較において、図3に示すブラシレスモータは、モータ駆動装置202に備えた位相ずれ検出装置302がさらに取込タイミング生成部342を有するとともに、レベル差算出部322および位相ずれ算出部332が実施の形態1とは異なった処理を行う。なお、図1と同様の構成要素については同一の符号を付しており詳細な説明は省略する。
本実施の形態においても、位相ずれ検出装置302は、モータ10に配置した位置センサ12のセンサ信号Hsと、モータ10を駆動する巻線11からの誘起電圧に基づく測定信号Msとを用いて、モータ駆動の位相のずれを検出する。位相ずれ検出装置302は、このような処理を行うため、測定信号生成部31とレベル差算出部322と位相ずれ算出部332と取込タイミング生成部342とを備えている。また、位相ずれ検出装置302には、3つのセンサ信号Hsのうち1つの相のセンサ信号が供給されるとともに、3つの駆動出力端Du、Dv、Dwのうちの2つと接続される。図3では、センサ信号H2が取込タイミング生成部342に供給され、また、測定信号生成部31で生成されたバイアス電圧Vbが駆動出力端Duに接続され、駆動出力端Dwの信号が測定信号生成部31を介してレベル差算出部322に供給される一例を示している。ここで、詳細については以下で説明するが、本実施の形態では、取込タイミング生成部342が、センサ信号H2の変化エッジのタイミングを利用して、位置検出信号Rdの立上りおよび立下りを基準としたその前後のタイミングを生成している。すなわち、実施の形態1で説明したセンサ信号H1に基づく位置検出信号Rdの立上りおよび立下りに対して、その立上りの前後のタイミング、および立下りの前後のタイミングを生成している。本実施の形態では、これらのタイミングで測定信号Msの各レベルを測定して、そのレベルをレベルデータとして取り込んでいる。なお、本実施の形態においても、位相ずれ検出装置302は、モータ10が無駆動状態で回転する期間などを利用し、その期間の誘起電圧を用いて位相のずれを検出する。
図3において、取込タイミング生成部342には、センサ信号H2が供給される。取込タイミング生成部342は、上述したように、センサ信号H2を利用して、センサ信号H1による位置検出信号Rdの立上りおよび立下りに対してその前後となるタイミングを生成している。取込タイミング生成部342が生成するこのタイミングは、位置検出信号Rd立上りのタイミングの前後となる一定周期ごとの複数のタイミング、および位置検出信号Rd立下りのタイミングの前後となる一定周期ごとの複数のタイミングである。生成されたタイミングは、取込タイミング信号Smpとしてレベル差算出部322に供給される。
レベル差算出部322は、取込タイミング信号Smpが示す各タイミングに従って、測定信号Msのレベルを測定し、そのレベルをレベルデータとして取り込んでいる。そして、レベル差算出部322は、取り込んだ各レベルデータを利用し、位置検出信号Rdの立上りタイミングおよび立下りタイミングを基準として、その前後のタイミングにおける複数のレベル差を算出している。レベル差算出部322は、算出したそれぞれのレベル差であるレベル差データdL0〜dLnを位相ずれ算出部332に供給する。
位相ずれ算出部332は、供給された複数のレベル差データdL0〜dLnを用いて、レベル差がゼロとなるタイミングを求める。すなわち、測定信号Msに対して2点間のレベル差を順次求めることで得たような信号のゼロクロスのタイミングを求めている。そして、位相ずれ算出部332は、レベル差がゼロとなるタイミングから位相のずれを算出し、位相ずれデータdPとして出力する。
図4Aおよび4Bは、本発明の実施の形態2における測定信号Ms、取込タイミング信号Smpおよびセンサ信号Hsのタイミングチャートである。また、図5は、本発明の実施の形態2における位相ずれ算出部332が算出する位相ずれデータdPの算出方法を示す図である。以下、図4A、図4Bおよび図5を参照しながら、位相ずれ検出装置302の詳細について説明する。
図4Aは、位置センサ12u、12v、12wが正規位置に配置された場合の各タイミングを示し、図4Bは、位置センサ12vが正規位置に配置されていない場合の各タイミングを示している。また、ここでは、取込タイミング生成部342が、位置検出信号Rdの立上りおよび立下りの前後となる5回のサンプリングタイミングを生成するような一例を挙げている。なお、サンプリング回数はこの5回に限定されず、複数回であればよい。
取込タイミング生成部342は、図4Aおよび4Bに示すような取込タイミング信号Smpを生成する。すなわち、取込タイミング生成部342は、まず、供給されたセンサ信号H2の立下りから時間Tldだけ遅れたタイミングを生成する。ここで、位置センサ12それぞれが正規位置に配置された場合、図4Aに示すように、各センサ信号Hsは、電気角で120度毎にずれた信号となる。そこで、時間Tldだけ遅れたタイミングを、電気角で120度よりも所定の時間だけ少なくすることで、このようなタイミングを生成できる。次に、取込タイミング生成部342は、センサ信号H2の立下りから時間Tldだけ遅れたタイミングから、一定の期間Tckごとの5回のサンプリングタイミングを生成する。このとき、ここでは、図4Aに示すように、位置センサ12vが正規位置に配置されている場合に、3回目のサンプリングタイミングが、センサ信号H1に基づく位置検出信号Rdの立上りタイミングと一致するように設定している。言い換えると、位置検出信号Rdの立上りタイミングt0を基準として、その前後となる5回分のサンプリングタイミングを生成している。さらに、取込タイミング生成部342は、供給されたセンサ信号H2の立上りから時間Tldだけ遅れたタイミングを生成し、この生成したタイミングから一定の期間Tckごとの5回のサンプリングタイミングを生成する。また、位置センサ12vが正規位置に配置されている場合に、3回目のサンプリングタイミングが、位置検出信号Rdの立下りタイミングと一致するように設定している。すなわち、取込タイミング生成部342は、位置検出信号Rdの立下りタイミングt1を基準として、その前後となる5回分のサンプリングタイミングを生成している。取込タイミング生成部342は、このようなサンプリングタイミングを示す取込タイミング信号Smpをレベル差算出部322に供給する。
レベル差算出部322は、取込タイミング信号Smpによるサンプリングタイミングに従って、各タイミングにおける測定信号Msのレベルデータを取り込む。図4Aおよび4Bでは、位置検出信号Rdの立上り前後となる測定信号Msのレベルをレベルデータr0〜r4として取り込み、位置検出信号Rdの立下り前後となる測定信号Msのレベルをレベルデータf0〜f4として取り込むような一例を示している。ここで、位置検出信号Rdの立上り前後となるレベルデータr0〜r4を一方のグループ、位置検出信号Rdの立下り前後となるレベルデータf0〜f4を他方のグループとすると、両グループ間の先頭のレベルデータどうしの差分から順番に、両レベルデータどうしの差分をそれぞれ算出する。すなわち、レベル差算出部322は、まず、先頭のレベルデータr0と先頭のレベルデータf0との差分(r0−f0)を、レベル差データdL0=r0−f0として算出する。同様にして、レベル差算出部322は、レベル差データdL1=r1−f1、dL2=r2−f2、dL3=r3−f3、およびdL4=r4−f4を算出する。
位相ずれ算出部332は、レベル差算出部322から供給される複数のレベル差データdL0、dL1、dL2、dL3およびdL4を用いて、位相のずれを算出し、位相ずれデータdPとして出力する。
図5では、このような各レベル差データの値と、位相ずれタイミングとの関係を示している。図5での破線は、位置センサ12vが正規位置に配置されている場合、すなわち図4Aの場合の関係を示し、実線は、位置センサ12vが正規位置に配置されていない場合、すなわち図4Bの場合の関係を示している。
まず、位置センサ12vが正規位置に配置されている場合、上述したように、3回目のサンプリングタイミングが位置検出信号Rdの立上りおよび立下りタイミングと一致するように設定しているとともに、このタイミングは測定信号Msの2点間の差分を順次求めたような信号のゼロクロスタイミングとなる。このため、3回目のサンプリングタイミングに対応するレベル差データdL2の値はゼロとなる。なお、直流電圧などのオフセット電圧が加算されたような測定信号Msであっても、本発明は2点間のレベル差に基づき処理するため、レベル差データdL2の値はゼロとなる。
一方、位置センサ12vの配置がずれると、図4Bに示すように、測定信号Msに対するセンサ信号H2の位相関係もずれることになる。図4Bでは、正規配置の場合のセンサ信号H2に比べて、センサ信号H2が前方向に時間Tdだけずれた場合を示している。このため、取込タイミング信号Smpも前方向にずれることになり、その結果、図5に示すように、各レベル差データの値は、正規配置の場合に比べて小さくなる。すなわち、位相のずれに応じて、各レベル差データの値を結ぶ直線は、図5の破線で示す直線を基準として、平行移動するように変化する。そして、図5の直線と横軸とが交差する点、すなわちレベル差がゼロとなるゼロクロスのタイミングが、ずれた時間Tdとなる。このため、レベル差がゼロとなるセンサ信号H2のタイミングを求めることによって、そのタイミングから位相のずれを算出することができる。
位相ずれ算出部332は、このような原理を利用し、複数のレベル差データを用いて、ずれた時間Tdを算出している。すなわち、まずレベル差データdL2とdL3とを用いて、図5に示すタイミングずれ分Tdfを算出する。さらに、レベル差データdL3とdL4とを用い、例えば直線補間によってタイミングずれ分Tinを算出する。位相ずれ算出部332は、タイミングずれ分Tdfとタイミングずれ分Tinとを加算することで、ずれた時間Tdを逆算して求めている。そして、位相ずれ算出部332は、逆算により求めたこのタイミングを位相のずれpdtとし、この位相ずれpdtに対応するような位相ずれデータdPを生成して出力している。
以上のように、本実施の形態の位相ずれ検出装置302は、レベル差算出部322が位置検出信号Rdの立上りタイミングおよび立下りタイミングを基準とし、その前後のタイミングにおける複数のレベル差データdLを算出する。そして、位相ずれ算出部332が複数のレベル差データdLを用いて、レベル差がゼロとなるタイミングを求め、そのタイミングから位相のずれpdtを算出している。このように、本実施の形態の位相ずれ検出装置302は、複数のレベル差データdLを利用して、レベル差がゼロとなるタイミングを逆算するような手法であるため、誘起電圧の振幅の影響を受けにくく、精度よく駆動位相のずれを検出することができる。
なお、以上の説明では機能ブロックにより位置ずれを検出する構成例を挙げて説明した。しかし、位置検出信号Rdの立上りタイミングおよび立下りタイミングを基準とし、その前後のタイミングにおける複数のレベル差を算出し、複数のレベル差を用いて、レベル差がゼロとなるタイミングを求め、そのタイミングから位相のずれを算出する位相ずれ検出方法によっても、同様の効果を有しながら、同様に位置ずれを検出できる。このような位相ずれ検出方法は、例えば以下で説明するマイコンなどを用いることによって容易に実施できる。
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3における位相ずれ検出装置303を含むブラシレスモータのブロック図である。図3に示した実施の形態2の構成との比較において、図6に示すブラシレスモータは、モータ駆動装置203に備えた位相ずれ検出装置303がさらにタイミング制御部363を有するとともに、レベル差算出部323、位相ずれ算出部333および取込タイミング生成部353が実施の形態2とは異なった処理を行う。なお、図1や図3と同様の構成要素については同一の符号を付しており詳細な説明は省略する。
本実施の形態においても、位相ずれ検出装置303は、モータ10に配置した位置センサ12のセンサ信号Hsと、モータ10を駆動する巻線11からの誘起電圧に基づく測定信号Msとを用いて、モータ駆動の位相のずれを検出する。位相ずれ検出装置303は、このような処理を行うため、測定信号生成部31とレベル差算出部323と位相ずれ算出部333と取込タイミング生成部353とタイミング制御部363とを備えている。また、位相ずれ検出装置303には、3つのセンサ信号Hsのうち1つの相のセンサ信号が供給されるとともに、3つの駆動出力端Du、Dv、Dwのうちの2つと接続される。図6では、センサ信号H2が取込タイミング生成部353に供給され、また、測定信号生成部31で生成されたバイアス電圧Vbが駆動出力端Duに接続され、駆動出力端Dwの信号が測定信号生成部31を介してレベル差算出部323に供給される一例を示している。ここで、詳細については以下で説明するが、本実施の形態では、取込タイミング生成部353が、センサ信号H2の変化エッジのタイミングを利用して、位置検出信号Rdの立上りおよび立下り近辺のサンプリングタイミングを生成している。そして、取込タイミング生成部353が生成するサンプリングタイミングは、位置検出信号Rdの立上りおよび立下りを基準として、タイミング制御部363で制御される。本実施の形態では、このようなサンプリングタイミングを調整しながら測定信号Msの2点のレベルを測定して、そのレベルをレベルデータとして取り込んでいる。なお、本実施の形態においても、位相ずれ検出装置303は、モータ10が無駆動状態で回転する期間などを利用し、その期間の誘起電圧を用いて位相のずれを検出する。
図6において、取込タイミング生成部353には、センサ信号H2が供給され、取込タイミング生成部353は、センサ信号H2を利用して、センサ信号H1による位置検出信号Rdの立上りおよび立下り近辺となる2つのサンプリングタイミングを生成している。取込タイミング生成部353が生成するこのサンプリングタイミングは、位置検出信号Rd立上りのタイミング、および位置検出信号Rd立下りのタイミングを基準として、タイミング制御部363の制御で進みおよび遅れ方向に調整できる。生成されたタイミングは、取込タイミング信号Smpとしてレベル差算出部323に供給される。
レベル差算出部323は、取込タイミング信号Smpが示す2つのサンプリングタイミングに従って、測定信号Msのレベルを測定し、そのレベルをレベルデータとして取り込んでいる。レベル差算出部323は、取り込んだ2つのレベルデータの差分演算を行い、レベル差を算出する。そして、レベル差算出部323は、算出したレベル差であるレベル差データdLをタイミング制御部363に供給する。
タイミング制御部363は、供給されたレベル差データdLと値がゼロの目標値との誤差値を求める。そして、その誤差値に対して、積分処理、積分ゲイン処理や比例ゲイン処理を行い、処理したデータを制御データpctとして取込タイミング生成部353に供給する。取込タイミング生成部353は、制御データpctに基づき、レベル差データdLがゼロとなる方向にサンプリングタイミングを調整する。
すなわち、本実施の形態では、レベル差算出部323とタイミング制御部363と取込タイミング生成部353とによってフィードバックループが構成されている。図7は、このように構成されるフィードバックループのブロック図である。このようなフィードバックループを構成することにより、レベル差データdLがゼロとなるサンプリングタイミングで本ループがロックすることになる。すなわち、本実施の形態では、図7に示すようなフィードバックループを構成することで、レベル差データdLの符号によって位相の進みまたは遅れを検出すると同時に、レベル差データdLがゼロとなる方向にレベル差を検出するサンプリングタイミングが自動的に調整される。ここで、レベル差がゼロとなるタイミングは、サンプリングタイミングを調整する制御データpctに対応するとともに、センサ信号H2の位相のずれ量にも対応している。すなわち、制御データpctによってセンサ信号H2の位相のずれ量を求めることができる。
位相ずれ算出部333は、このような原理に基づき、供給された制御データpctが示すタイミングから位相のずれ量を算出し、位相ずれデータdPとして出力する。
以上のように、本実施の形態の位相ずれ検出装置303は、レベル差算出部323および位相ずれ算出部333に加えて、位置検出信号の立上りタイミングおよび立下りタイミングを生成する取込タイミング生成部353と取込タイミング生成部353が生成するタイミングを制御するタイミング制御部363とを備える。そして、レベル差算出部323は、取込タイミング生成部353が生成するタイミングで取り込んだ測定信号のレベル差を算出する。タイミング制御部363は、レベル差の符号によって位相の進みまたは遅れを検出すると同時に、レベル差がゼロとなる方向に取込タイミング生成部353が生成するタイミングを調整するよう制御する。さらに、位相ずれ算出部333は、調整したタイミングから位相のずれを算出する構成である。また、本実施の形態の位相ずれ検出装置303は、レベル差がゼロとなる方向にレベル差を検出するタイミングを調整するフィードバックループを構成し、レベル差がゼロとなるタイミングを求めている。このように、本実施の形態の位相ずれ検出装置303も、実施の形態2と同様に、レベル差データdLを利用して、レベル差がゼロとなるタイミングを逆算するような手法であるため、誘起電圧の振幅の影響を受けにくく、精度よく駆動位相のずれを検出することができる。
また、以上の説明では機能ブロックにより位置ずれを検出する構成例を挙げて説明した。しかし、レベル差の符号によって位相の進みまたは遅れを検出すると同時に、レベル差がゼロとなる方向にレベル差を検出するタイミングを調整することで、レベル差がゼロとなるタイミングを求め、そのタイミングから位相のずれを検出する位相ずれ検出方法によっても、同様の効果を有しながら、同様に位置ずれを検出できる。このような位相ずれ検出方法は、例えば以下で説明するマイコンなどを用いることによって容易に実施できる。
(実施の形態4)
図8は、本発明の実施の形態4における位相ずれ検出装置304を含むブラシレスモータのブロック図である。
図3に示した実施の形態2の構成との比較において、図8に示すブラシレスモータのモータ駆動装置204における位相ずれ検出装置304は、さらに、センサ信号補正部364と相間ずれ検出部374と位相ずれ補正部384とを備えている。なお、図3と同様の構成要素については同一の符号を付しており詳細な説明は省略する。
位相ずれ検出装置304において、まず、測定信号生成部31、レベル差算出部322、取込タイミング生成部342および位相ずれ算出部332による実施の形態2と同様の手法を用いて位相ずれデータdPを出力する。
さらに、位相ずれ検出装置304において、相間ずれ検出部374は、3相それぞれのセンサ信号Hsを用いて、センサ信号Hsどうしの相間における位相ずれである相間位相ずれ量をそれぞれ検出する。すなわち、例えば、センサ信号H2を基準として、センサ信号H2とセンサ信号H1との間の標準である電気角120度からの位相ずれである相間位相ずれ量、センサ信号H2とセンサ信号H3との間の標準である電気角120度からの位相ずれである相間位相ずれ量を検出する。なお、ここで、センサ信号H2を基準としているため、センサ信号H2の相間位相ずれ量はゼロとする。相間ずれ検出部374は、さらに、検出した各相間位相ずれ量の平均値である平均相間位相ずれ量を算出し、算出した平均相間位相ずれ量を位相ずれ補正部384およびセンサ信号補正部364に供給する。
位相ずれ補正部384は、位相ずれ算出部332が算出した位相ずれデータdPに対して、平均相間位相ずれ量を用いて補正し、補正位相ずれデータdPaとして駆動制御回路40に供給する。さらに、センサ信号補正部364も、平均相間位相ずれ量を用いて、それぞれのセンサ信号Hsを補正し、補正センサ信号Hs’として駆動制御回路40に供給する。
図9は、本発明の実施の形態4における相間ずれ検出部374、位相ずれ補正部384およびセンサ信号補正部364の処理を説明するための図である。以下、図9を参照しながら、相間ずれ検出部374、位相ずれ補正部384およびセンサ信号補正部364が行う演算処理の詳細について説明する。
図9において、図9の上段はそれぞれの相間位相ずれ量を示し、センサ信号H2とH1との相間位相ずれ量を相間位相ずれデータdH1、センサ信号H2とH3との相間位相ずれ量を相間位相ずれデータdH3、およびセンサ信号H2の相間位相ずれ量を相間位相ずれデータdH2として示している。図9の中段では平均相間位相ずれ量である平均相間位相ずれデータdAvを示している。また、図9の下段では平均相間位相ずれデータdAvを用いて、センサ信号H1、H2、H3のそれぞれを補正する補正センサ信号の位相ずれ量dH1’、dH2’、dH3’を示している。
相間ずれ検出部374は、相間における位相ずれとして、センサ信号Hsそれぞれを用い、センサ信号H2を基準として、図9の上段に示すようなセンサ信号H1の相間位相ずれデータdH1、センサ信号H2の相間位相ずれデータdH2、およびセンサ信号H3の相間位相ずれデータdH3を検出する。次に、相間ずれ検出部374は、相間位相ずれデータdH1、dH2、dH3の平均値を求める。すなわち、図9の中段に示すように、平均相間位相ずれデータdAv=(dH1+dH2+dH3)/3とする演算により、平均相間位相ずれデータdAvを算出する。
そして、センサ信号補正部364は、センサ信号Hsのそれぞれを補正する補正センサ信号の位相ずれ量dHs’を算出し、位相ずれ量dHs’に基づき補正した補正センサ信号Hs’を駆動制御回路40に供給する。すなわち、図9の下段に示すように、センサ信号H1に対しては位相ずれ量dH1’=dH1−dAvに基づき補正した補正センサ信号H1’を出力し、センサ信号H2に対しては位相ずれ量dH2’=dH2−dAvに基づき補正した補正センサ信号H2’を出力し、センサ信号H3に対しては位相ずれ量dH3’=dH3−dAvに基づき補正した補正センサ信号H3’を出力する。
さらに、本実施の形態では、位相ずれ補正部384が、平均相間位相ずれデータdAvを用いて、位相ずれデータdPを補正し、補正した位相ずれデータdPaとして駆動制御回路40に供給する。すなわち、位相ずれ補正部384は、位相ずれ算出部332からの位相ずれデータdPに対して、補正位相ずれデータdPa=dP−dAvとなるように補正する。
以上のように、本実施の形態の位相ずれ検出装置304は、相間ずれ検出部374が、センサ信号Hsどうしの相間における位相ずれである相間位相ずれ量をそれぞれ検出し、検出した各相間位相ずれ量の平均値である平均相間位相ずれデータdAvを算出する。そして、位相ずれ補正部384は、位相ずれ算出部332が算出した位相ずれデータdPを、平均相間位相ずれデータdAvを用いて補正して出力する構成である。さらに、センサ信号Hsのそれぞれも、センサ信号補正部364により平均相間位相ずれデータdAvを用いて補正される。そして、駆動制御回路40は、相間位相ずれに基づき補正された補正位相ずれデータdPaおよび補正センサ信号Hs’を用いて巻線11を駆動する駆動波形を生成する。
このような構成とすることにより、位相ずれデータdPは、センサ信号Hs位相ずれの平均値からの相対誤差に置き換えられることになる。このような補正位相ずれデータdPaに基づきセンサ信号Hsの位相を補正した信号のタイミングで、以下で説明する駆動波形を出力することにより、駆動波形のひずみを小さく抑えることが可能となる。
なお、以上の説明では機能ブロックにより位置ずれを検出する構成例を挙げて説明した。しかし、センサ信号Hsどうしの相間における位相ずれである相間位相ずれ量をそれぞれ検出し、検出した各相間位相ずれ量の平均値を用いて、モータ駆動の位相のずれ量を補正し出力する位相ずれ検出方法によっても、同様の効果を有しながら、同様に位相ずれを検出できる。このような位相ずれ検出方法は、例えば以下で説明するマイコンなどを用いることによって容易に実施できる。
また、本実施の形態では実施の形態2と同様の手法により算出した位相ずれデータdPを補正するような構成例を挙げて説明したが、実施の形態1あるいは実施の形態3と同様の手法により算出した位相ずれデータdPに対して適用することも可能である。
(実施の形態5)
図10は、本発明の実施の形態5における位相ずれ検出装置51を含むブラシレスモータのブロック図である。図1に示した実施の形態1の構成との比較において、図10に示すブラシレスモータは、モータ駆動装置50に備えた位相ずれ検出装置51がさらに測定期間制御部35を有している。なお、図1と同様の構成要素については同一の符号を付しており詳細な説明は省略する。
測定期間制御部35は、モータ10の駆動動作期間中において、無駆動の期間を設けるように駆動制御回路40を制御する。位相ずれ検出装置51は、この無駆動の期間を利用して誘起電圧を取り込み、測定信号Msを生成する。特に、本実施の形態では、位置検出信号Rdの立上りおよび立下りタイミングの前から後にかけての所定の期間幅の無駆動の期間を測定期間として設けていることを特徴としている。測定期間制御部35は、モータ10の駆動を遮断するように駆動制御回路40を制御することで、駆動中に微小期間だけ無駆動となるような測定期間を生成している。
図11は、本発明の実施の形態5における位相ずれ検出装置51での測定信号Msと位置検出信号Rdとの波形を示す図である。図11の上段の波形は測定信号Msを示し、図11の下段の波形は位置検出信号Rdを示している。本実施の形態では、測定期間を設けるために、モータ10の駆動動作期間中において、部分的に駆動を遮断する。このため、駆動出力端Dwの電圧波形となる測定信号Msは、通電信号と誘起電圧とのそれぞれを含む波形となる。すなわち、図11に示すように、測定信号Msには、インバータ21からの通電信号Uと、無駆動の期間に巻線11から生じる誘起電圧Buとが含まれる。
図11では、まず、位相のずれを検出するための期間として、期間幅Tmsの位相ずれ検出期間を設けた一例を示している。そして、位相ずれ検出期間において、測定期間制御部35の制御により、モータ10の駆動と無駆動とを繰り返す部分駆動を実行している。無駆動の測定期間として、例えば、位置検出信号Rdの立上り時間t0の前となる時間t00から、後となる時間t01にかけての所定の期間幅Tmの測定期間を設けている。さらに、無駆動の測定期間として、例えば、位置検出信号Rdの立下り時間t1の前となる時間t10から、後となる時間t11にかけての所定の期間幅Tmの測定期間を設けている。そして、位相ずれ検出期間中、位置検出信号Rdの立上りおよび立下りそれぞれに対してこのような測定期間を設けている。この測定期間中は通電されないため、巻線11から図11に示すように、正弦波状の波形の一部となる誘起電圧Buが生じる。一方、測定期間以外の期間幅Tdrの期間は、測定信号Msに通電信号Uによる電圧波形が生じる。
測定期間制御部35は、位置検出信号Rdに基づき測定期間を示す測定期間信号Cmを生成し、駆動制御回路40に供給する。駆動制御回路40は、測定期間信号Cmに従って、測定期間を示す期間中は、駆動パルス信号Pwmの出力を停止する。これによって、測定期間中、インバータ21からモータ10への通電が停止する。
レベル差算出部32は、このような測定期間中における位置検出信号Rdの立上りタイミングでの測定信号MsのレベルLrと、立下りタイミングでの測定信号MsのレベルLfとを検出して、レベル差データdLを生成する。
以上説明したように、本実施の形態の位相ずれ検出装置51は、位置検出信号Rdの立上りおよび立下りタイミングの前から後にかけての所定の期間幅Tmの測定期間を設け、測定期間中は、モータ10の駆動を遮断する構成である。これにより、モータ10を回転駆動させながら、位置ずれを検出することが可能となり、位相のずれを検出するような特別な期間を設ける必要もない。また、例えば、本実施の形態のような部分駆動しなかった場合には、モータ単体の場合、モータ駆動オフの後、モータ回転速度が急激に低下するために、正確な値を検知することができない。したがって、通常、なんらかのイナーシャを接続した状態で計測を行う必要がある。これに対し、本実施の形態のように部分駆動した場合には、イナーシャを接続した状態でなくても、すなわちモータ単体であっても、モータ駆動オフの後、モータ回転速度の低下が小さい。このため、本実施の形態のような部分駆動を行うことによって、正確な値を検知することができる。
なお、本実施の形態ではモータ10を回転駆動させながら、位置ずれを検出することが可能であるため、位相ずれ検出装置51により検出した位相ずれデータdPを用いてモータ10を駆動する駆動位相を補正して、さらに、このような位相ずれ検出の動作を繰り返すような構成とすることも可能である。このような構成とすることにより、位相ずれ検出値の誤差をより小さく抑えることができる。
また、本実施の形態では、図1に示した実施の形態1の構成に測定期間制御部35をさらに加えたような構成例を挙げて説明した。しかし、図3に示した実施の形態2の構成、図6に示した実施の形態3の構成、あるいは図8に示した実施の形態4の構成に測定期間制御部35をさらに加えた構成とすることも可能であり、同様の効果を得ることができる。
また、以上の説明では機能ブロックにより位置ずれを検出する構成例を挙げて説明した。しかし、位置検出信号の立上りおよび立下りタイミングの前から後にかけての所定の期間幅の測定期間を設け、測定期間中は、モータの駆動を遮断する手順を備える位相ずれ検出方法によっても、同様の効果を有しながら、同様に位置ずれを検出できる。このような位相ずれ検出方法は、例えば以下で説明するマイコンなどを用いることによって容易に実施できる。
(実施の形態6)
図12は、本発明の実施の形態6におけるモータ駆動装置を含むブラシレスモータ70の断面の構造を示す図であり、図13および図14は、ブラシレスモータ70の内部を上面から示した図である。また、図15は、本発明の実施の形態6におけるモータ駆動装置を含むブラシレスモータ70のブロック図である。本実施の形態では、3相それぞれに対して位相のずれを検出する位相ずれ検出装置を備えたモータ駆動装置の例を挙げて、ブラシレスモータ70の詳細な構成について説明する。なお、図10と同様の構成要素については同一の符号を付しており詳細な説明は省略する。また、本実施の形態では、ロータがステータの内周側に回転自在に配置されたインナロータ型のブラシレスモータの例を挙げて説明する。
図12に示すように、ブラシレスモータ70は、ステータ71、ロータ72、回路基板73およびモータケース74を備えている。モータケース74は密封された円筒形状の金属で形成されており、ブラシレスモータ70は、このようなモータケース74内にステータ71、ロータ72および回路基板73を収納した構成である。モータケース74は、ケース本体74aとケース蓋74bとで構成され、ケース本体74aにケース蓋74bを装着することで略密封されたモータケース74となる。
図12において、ステータ71は、ステータ鉄心75に相ごとの巻線11を巻回して構成される。本実施の形態でも、互いに120度位相が異なるU相、V相、W相とする3つの相に区分した巻線11をステータ鉄心75に巻回した一例を挙げて説明する。ステータ鉄心75は、内周側に突出した複数の突極を有している。また、ステータ鉄心75の外周側は概略円筒形状であり、その外周がケース本体74aに固定されている。
ステータ71の内側には、空隙を介してロータ72が挿入されている。ロータ72は、ロータフレーム77の外周に円筒形状の永久磁石78を保持し、軸受79で支持された回転軸76を中心に回転自在に配置される。すなわち、ステータ鉄心75の突極の先端面と永久磁石78の外周面とが対向するように配置されている。
さらに、このブラシレスモータ70には、各種の回路部品13を実装した回路基板73がモータケース74の内部に内蔵されている。これら回路部品13によって、図15に示すモータ駆動装置52が構成される。また、回路基板73には、ロータ72の回転位置を検出するために、ホール素子などによる位置センサ12も実装されている。ステータ鉄心75には支持部材81が装着されており、回路基板73は、この支持部材81を介してモータケース74内に固定される。そして、U相、V相、W相それぞれの巻線11の端部が引出線11aとしてステータ71から引き出されており、回路基板73にそれぞれの引出線11aが接続されている。
このような構成とするため、まず、ステータ71をケース本体74aの内部に挿入してケース本体74aの内面に固定し、次に、ロータ72、回路基板73をケース本体74aの内部に収納した後、ケース蓋74bをケース本体74aに固着する。この手順で、位置センサ12やモータ駆動装置52を内蔵したブラシレスモータ70が形成される。このように、ブラシレスモータ70は、ステータ71とロータ72とを含むモータ10、位置センサ12およびモータ駆動装置52を一体化した構成である。
図13および図14は、ブラシレスモータ70の内部を上面から示した図である。なお、図13および図14では、巻線11を巻回していな状態でのステータ鉄心75を示している。また、図13は、ステータ鉄心75と永久磁石78との配置関係を示し、図14は、ステータ鉄心75と回路基板73との配置関係を示している。
まず、図13に示すように、ステータ鉄心75は、環状のヨーク75aと、突極としてのそれぞれのティース75bとで構成されている。本実施の形態では、突極数を12極とした12個のティース75bを有する一例を挙げている。このようなステータ鉄心75の外周が、ケース本体74aの内面に固着される。また、ティース75bのそれぞれは、内周側へと延伸して突出するとともに、ティース75b間の空間であるスロットを形成しながら周方向に等間隔で配置されている。また、ティース75bは、それぞれU相、V相、W相のいずれかに順番に対応づけられている。そして、U相のティース75bにはU相の巻線11uが巻回され、V相のティース75bにはV相の巻線11vが巻回され、W相のティース75bにはW相の巻線11wが巻回される。
また、このような12個のティース75bの先端部と対面して、内周側にロータ72が配置される。ロータ72が保持する永久磁石78は、S極とN極とが交互に配置されるように、周方向に等間隔で着磁されている。本実施の形態の永久磁石78は、図13に示すように、S極とN極とを一対として4対、すなわち、周方向に磁極数が8極となるように着磁されている。以上のように、ブラシレスモータ70は、8極12スロットの構成である。
次に、図14に示すように、回路基板73上には、各種の回路部品13とともに、位置センサ12u、12v、12wが実装されている。位置センサ12u、12v、12wは、円筒形状の永久磁石78の一端面に対向するように、回路基板73上に配置されている。また、回路基板73上において、位置センサ12u、12v、12wはそれぞれに、U相、V相、W相に対応するティース75bの延伸方向側に配置される。これにより、位置センサ12u、12v、12wは、それぞれU相、V相、W相に対応して永久磁石78の磁極を検出する。
なお、本実施の形態のように10極12スロットの構成とした場合、詳細な説明は省略するが、位置センサ12u、12v、12wを、それぞれ機械角での120度間隔で配置することにより、位置センサ12u、12v、12wからは、それぞれ電気角で120度の位相が異なるU相、V相、W相のセンサ信号Hsを得ることができる。すなわち、図14に示すように、u軸上に沿って位置センサ12uをU相のティース75bに対向させ、v軸上に沿って位置センサ12vをV相のティース75bに対向させ、w軸上に沿って位置センサ12wをW相のティース75bに対向させて配置する。これによって、図13を参照すれば分かるように、位置センサ12u、12v、12wは、永久磁石78の磁極に対して、電気角で120度ごとにずれるように配置されるため、位置センサ12u、12v、12wからU相、V相、W相の回転位置が検出できる。
以上のように構成されたブラシレスモータ70に対して、外部から電源電圧や制御信号を供給することにより、回路基板73の駆動制御回路やインバータなどによって巻線11に駆動電流が流れ、ステータ鉄心75から磁界が発生する。そして、ステータ鉄心75からの磁界と永久磁石78からの磁界とにより、それら磁界の極性に応じて吸引力および反発力が生じ、これらの力によって回転軸76を中心にロータ72が回転する。
次に、回路基板73上に実装された位置センサ12やモータ駆動装置52について説明する。
図15に示すように、モータ駆動装置52は、駆動制御回路40とインバータ21と位相ずれ検出装置53とを備えた構成である。ここで、3相それぞれに対して位相のずれを検出するため、位相ずれ検出装置53は、駆動出力端Du、Dv、Dwそれぞれにバイアス電圧Vbを印加するとともに、駆動出力端Du、Dv、Dwそれぞれに生じる誘起電圧から各相に対応した測定信号Msを生成している。そして、位相ずれ検出装置53は、相ごとに、実施の形態1〜5と同様にして、測定信号Msと位置検出信号Rdとを用いてレベル差データdLを生成し、レベル差データdLから位相ずれデータdPを生成して、駆動制御回路40に供給している。
駆動制御回路40は、図15に示すように、回転制御部41、駆動波形生成部42、PWM回路43、位置データ生成部45、位相制御部46、補正データ生成部47、補正データ記憶部48および検出位置補正部49を備える。
外部の上位器などからの回転指令データRrは、回転制御部41に通知される。また、回転制御部41には、位置データ生成部45で生成された検出位置データDpが通知される。詳細については以下で説明するが、検出位置データDpは、基本的にはセンサ信号Hsに基づくロータ72の回転位置を示すデータである。回転制御部41は、回転指令データRrと検出位置データDpとに基づき、巻線11への駆動量を示す回転制御データDdを生成する。
具体的には、ブラシレスモータ70を速度制御する場合、回転制御部41は、速度指令を示す回転指令データRrと、検出位置データDpから微分演算などにより算出した検出速度データとの速度偏差を求める。そして、回転制御部41は、速度指令に従った実速度となるように、速度偏差に応じたトルク量を示す回転制御データDdを生成する。また、ブラシレスモータ70を位置制御する場合には、回転制御部41は、位置指令を示す回転指令データRrと検出位置データDpとの位置偏差を求め、位置指令に従った位置となるように、位置偏差に応じたトルク量を示す回転制御データDdを生成する。回転制御部41は、このような回転制御データDdを駆動波形生成部42に供給する。
駆動波形生成部42は、巻線11を駆動するための波形信号Wdを相ごとに生成し、生成した波形信号WdをPWM回路43に供給する。巻線11を正弦波駆動する場合には波形信号Wdは正弦波信号であり、巻線11を矩形波駆動する場合には波形信号Wdは矩形波信号である。また、波形信号Wdの振幅は、回転制御データDdに応じて決定される。そして、波形信号WdをPWM回路43に供給するタイミングは、波形信号Wdに基づいて巻線11を駆動する基準タイミングとなる。この基準タイミングは、位相制御部46からの位相制御データDtpに応じて決定される。この基準タイミングに対して進み方向の位相がいわゆる進角、遅れ方向の位相が遅角である。なお、位相ずれ検出装置53を実施の形態4で説明した構成とすることにより、波形信号Wdに基づく巻線11への駆動波形のひずみが小さくなるように、各相の基準タイミングが適切に設定される。
PWM(Pulse Width Modulation)回路43は、駆動波形生成部42から相ごとに供給された波形信号Wdを変調信号として、それぞれにパルス幅変調を行う。PWM回路43は、このように波形信号Wdでパルス幅変調したパルス列の信号である駆動パルス信号Pwmを、インバータ21に供給する。また、PWM回路43には、位相ずれ検出装置53から測定期間を示す測定期間信号Cmが供給されている。PWM回路43は、測定期間信号Cmに従って、測定期間を示す期間中は、駆動パルス信号Pwmの出力を停止する。これによって、測定期間中、インバータ21からモータ10への通電が停止され、位相ずれ検出装置53は、この測定期間を利用して位相のずれを検出する。
インバータ21は、駆動パルス信号Pwmに基づいて、相ごとに巻線11への通電を行い、巻線11を駆動する。ここで、駆動パルス信号Pwmは波形信号Wdをパルス幅変調した信号であるため、各スイッチ素子がこのようにオンオフされることにより、波形信号Wdに応じた駆動電流でそれぞれの巻線11が通電される。
以上のような構成により、回転指令データRrに従ってロータ72の回転速度や回転位置を制御するフィードバック制御ループが形成される。
次に、検出位置データDpや位相制御データDtpを生成するための詳細な構成について説明する。特に、ブラシレスモータ70は、回路基板73上での位置センサ12u、12v、12wの実装位置ずれ、あるいは回路基板73のケース本体74aへの装着位置ずれなどによる位置検出への影響を補償するため、位相ずれ検出装置53を備えるとともに、検出位置を補正する機能も備えている。
まず、位相ずれ検出装置53で生成された位相ずれデータdPは、補正データ生成部47に供給される。ここで、本実施の形態では、位相ずれ検出装置53および補正データ生成部47には、外部の上位器などから、補正データDcの生成を指示する生成指示信号Sgが通知される。位相ずれ検出装置53は、生成指示信号Sgにより補正データDcの生成を指示されると、測定期間を示す測定期間信号Cmを出力するとともに、位相ずれデータdPを生成して、補正データ生成部47に供給する。そして、補正データ生成部47は、位置センサ12の位置ずれなどによる位置検出への影響を補償するため、位相ずれデータdPを用いて補正データDcを生成する。補正データ生成部47は、生成した補正データDcを補正データ記憶部48に保存する。
また、検出位置補正部49は、位置センサ12から供給されるセンサ信号Hsと補正データ記憶部48が記憶する補正データDcとを用いて、補正された検出位置を示す補正位置信号Stを生成する。すなわち、検出位置補正部49は、まず、位置センサ12から供給される3つのセンサ信号Hsそれぞれに対して、補正データDcに応じたタイミングとなるように補正し、この補正により生成した補正位置信号Stを出力する。補正位置信号Stは、位置データ生成部45および位相制御部46に供給される。
位置データ生成部45は、3つの補正位置信号Stを用いて検出位置データDpを生成する。位置データ生成部45は、このように生成した検出位置データDpを回転制御部41に供給する。
位相制御部46は、補正位置信号Stのタイミングに基づいて、駆動波形生成部42に供給する位相制御データDtpを生成する。すなわち、駆動波形生成部42は、補正された検出位置に基づくタイミングで波形信号WdをPWM回路43に供給することになる。これによって、モータ10は、位相のずれを補正したタイミングで駆動されることになる。
なお、補正データ生成部47と検出位置補正部49と位相制御部46とにより、位相ずれ検出装置53の位相ずれ算出部33で算出した位相のずれ量に基づき、モータ駆動の位相のずれを補正する駆動位相補正部54が構成される。
以上説明したように、ブラシレスモータ70は、位置センサ12の位置ずれを補正した検出位置に基づき回転駆動される。
次に、このような補正データDcや補正位置信号Stを生成する詳細な動作について説明する。
図16は、位置センサ12それぞれが正規の状態で配置された場合において、無駆動の状態でロータ72が回転するときの、誘起電圧とセンサ信号Hsとのタイミングを示す図である。ここで、位置センサ12が正規の状態で配置された場合、ステータ71と位置センサ12とは図14で示したような配置関係にある。図16の上段の波形は、このような条件における駆動出力端Du、Dv、Dwそれぞれに生じるU相、V相、W相の誘起電圧の波形例を示している。また、図16の下段の波形は、U相、V相、W相のセンサ信号Hsそれぞれの波形例を示している。
上述したように、無駆動の状態でロータ72が回転すると、この回転による永久磁石78の磁極変化により、巻線11には誘起電圧が生じることになる。また、誘起電圧の位相は、ステータ鉄心75を配置した位置と永久磁石78の回転位置とに対応している。図16の上段の波形は、このような誘起電圧を示している。
一方、センサ信号Hsの位相は、位置センサ12を配置した位置と永久磁石78の回転位置とに対応する。このため、回転による永久磁石78の磁極変化により、位置センサ12は、図16のようなパルス状のセンサ信号Hsを出力する。図16では、位置センサ12が永久磁石78のS極を検出しているときにHレベル、N極を検出しているときにLレベルを出力するような一例を示している。ここで、U相、V相、W相それぞれのレベルを組み合わせたパターンは、6パターンを1周期として繰り返していることが分かる。すなわち、この6パターンを利用して、永久磁石78のNS極一対の円弧長を6つに分解した分解能で位置検出できる。位置データ生成部45は、このような原理を利用して検出位置データDpを生成している。また、図16に示すセンサ信号Hsのパルスの立上り、あるいは立下りのタイミングを利用して、上述したような巻線11を駆動する基準タイミングとしている。なお、具体的には次に説明するように、センサ信号Hsのタイミングを補正したタイミング、すなわち、補正位置信号Stに基づくタイミングを基準タイミングとしている。
以上のように、ステータ鉄心75に対して位置センサ12が正しく配置されている場合、例えば基準とするような所定の回転数において、誘起電圧の位相とセンサ信号Hsの位相とは一定な位相関係となる。図16では、誘起電圧が、その中心電圧でゼロクロスするタイミングでの位相に対して、センサ信号Hsの立下りの位相が、例えば回路素子などの遅延により時間Tsだけ遅れるような一例を示している。
次に、位置センサ12に位置ずれが生じた場合について説明する。
図17は、このような位置ずれの例として、回路基板73上に実装された位置センサ12uの実装位置ずれが生じた場合の一例を示す図である。ここで、位置センサ12uは、正規のu軸からu’軸へと位置ずれした例を示している。
また、図18は、位置センサ12uが図17のように位置ずれして配置された場合において、無駆動の状態でロータ72が回転するときの、誘起電圧とセンサ信号Hsとのタイミングを示す図である。図18の上段の波形は、U相、V相、W相それぞれの誘起電圧の波形例を示している。また、図18の下段の波形は、U相、V相、W相それぞれのセンサ信号Hsの波形例を示している。ここで、誘起電圧の位相はステータ鉄心75の位置と永久磁石78の回転位置とに対応しているため、誘起電圧は位置センサ12の位置ずれに影響されない。したがって、図18の上段の波形は図16の上段の波形と同じである。一方、センサ信号Hsの位相は、位置センサ12の位置と永久磁石78の回転位置とに対応しているため、例えば位置センサ12uが位置ずれすると、図18に示すように、誘起電圧の位相に比べて、U相のセンサ信号Hsの位相が時間Tdだけずれることになる。すなわち、図18のU相の場合、正規の誘起電圧との位相差Tsよりも、さらに位相(Td−Ts)だけ遅れている。このことより、位置センサ12の位置ずれは、誘起電圧とセンサ信号Hsとの位相差に対応していることが分かる。
位相ずれ検出装置53から出力される位相ずれデータdPも、誘起電圧とセンサ信号Hsとの位相差に基づき生成されている。そして、位相ずれデータdPが示す位相のずれ量が正規の位相となるように補正することにより、位置センサ12の位置ずれによる影響を抑制したセンサ信号としての補正位置信号Stを得ることができる。
なお、図17および図18では、回路基板73上で1つの位置センサ12uの実装位置がずれた場合の一例を示した。しかし、回路基板73の支持部材81への装着位置がずれた場合には、例えば、図18のU相、V相、W相それぞれのセンサ信号Hsの位相が時間Tdだけ遅れるようにずれたり、またこれとは逆方向の実装位置ずれの場合には位相が進んだりすることになる。
以上のような位置センサ12の実装位置ずれや回路基板73の装着位置ずれによるセンサ信号Hsの位相ずれを補正するため、補正データ生成部47は、生成指示信号Sgにより補正データの生成を指示されると、位相ずれデータdPに基づき位相ずれを補正するための補正データDcを生成し、補正データ記憶部48に記憶させる。また、検出位置補正部49は、このような補正データDcを用いて、センサ信号Hsの位相を補正し、補正位置信号Stを出力する。そして、位置データ生成部45は、補正位置信号Stを用いて検出位置データDpを生成する。また、位相制御部46は、補正位置信号Stのタイミングに基づいて生成した位相制御データDtpを駆動波形生成部42に供給する。これによって、補正されたセンサ信号に基づくタイミングで巻線11が駆動されることになる。
そして、本実施の形態では、ブラシレスモータ70が、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4あるいは実施の形態5と同様の手法を用いた位相ずれ検出装置53を備えた構成である。このため、ブラシレスモータ70によれば、位置センサ12の位置ずれがあっても、位置ずれを精度よく検出し、位置ずれによるトルクの低下など、位置検出センサの位置ずれによる影響を簡易な構成で精度よく抑制できる。
さらに、実施の形態5で説明したように、位置検出信号Rdの立上りおよび立下りタイミングの前から後にかけて測定期間を設けることにより、モータ10を回転駆動させながら、位置ずれを検出することが可能となる。このため、補正データDcを生成するタイミングとして、ブラシレスモータ70の出荷時に行い、標準の補正データとして記憶しておくことに加えて、例えばモータ立上げ時や、さらにはモータ稼動中などに図11で示した位相ずれ検出期間を設けて、補正データDcを生成するような構成も可能である。すなわち、本実施の形態の構成によれば、ブラシレスモータ70内において、完結して補正データDcを生成することが可能であるため、例えば経年変化などによって位置センサ12の実装位置がずれたり、ステータ鉄心75に対して回路基板73の位置がずれたりしても、位置ずれを補正することができる。
(実施の形態7)
図19は、本発明の実施の形態7におけるモータ駆動装置55を含むブラシレスモータ80のブロック図である。本実施の形態のブラシレスモータ80は、図15で示したブラシレスモータ70と比較して、制御や演算処理などを行う各部をマイクロコンピュータ(以下、マイコンと呼ぶ)56により構成している。すなわち、実施の形態6における回転制御部41、駆動波形生成部42、PWM回路43、位置データ生成部45、位相制御部46、補正データ生成部47および検出位置補正部49の駆動制御回路の機能と、レベル差算出部32、位相ずれ算出部33および測定期間制御部35の位相ずれ検出装置の機能とは、メモリなどに記憶されたプログラムをマイコン56が読込み、実行することで実現される。また、補正データDcはマイコン56内のメモリ57に記憶される。なお、ブラシレスモータ80の構造としては実施の形態6と同様であり、実施の形態1〜6と同一の符号を付した構成要素は同一の機能を有している。さらに、このようなマイコン56は、回路部品13の1つとして回路基板73上に実装され、このような回路基板73がモータケース74の内部に内蔵されている。
さらに、本実施の形態では、マイコン56に内蔵したADコンバータが測定信号Msのレベルを取り込み、レベルデータに変換するような構成としている。このような構成により、ADコンバータによって誘起電圧に基づく測定信号Msのレベルを直接観測するため、ヒステリシスによる遅延の影響を受けず、位相ずれを正確に検出することができる。
また、図20は、本実施の形態におけるブラシレスモータ80の補正データDcを生成する処理の手順の一例を示すフローチャートである。外部の上位器などから、補正データDcの生成を指示する生成指示信号Sgが通知されると、マイコン56は、図20に示すような手順に従って補正データDcを生成する処理を開始する。なお、以下、マイコン56が実行する図20の処理を、図19に示す機能ブロックを用いながら説明する。
マイコン56が補正データDcを生成する処理を開始すると、まず、回転制御部41は、ロータ72が目標の回転数となるように回転制御する(ステップS100)。また、測定期間制御部35は、センサ信号Hsを用いて、ロータ72の回転数を計測している。計測した回転数が目標の回転数になると次の処理に進む(ステップS102)。
すなわち、測定期間制御部35は、ロータ72の回転数が目標の回転数になると、測定期間を示す測定期間信号Cmを生成し、PWM回路43に供給する。PWM回路43は、測定期間信号Cmに従って、測定期間を示す期間中は、駆動パルス信号Pwmの出力を停止する。このような測定期間制御によって、インバータ21が部分駆動される。(ステップS104)。この測定期間を利用して、マイコン56は、例えば内蔵のADコンバータなどを介して、センサ信号Hsの立上りおよび立下り時点での測定信号Msのレベルを相ごとに検出する。そして、レベル差算出部32によってレベル差データdLを算出する(ステップS106)。
この後、測定期間制御部35は、部分駆動から通常駆動に切替える(ステップS108)。本実施の形態におけるブラシレスモータは、このような制御が可能であるため、モータ稼動中などにも位相ずれに対応したレベル差データdLを算出することができる。
次に、マイコン56において、位相ずれ算出部33が位相ずれデータdPを算出(ステップS110)し、補正データ生成部47が補正データDcを算出し(ステップS112)、算出した補正データDcをメモリ57に保存する(ステップS114)。マイコン56によるこのような処理によって、補正データDcが生成され、記憶される。
以上説明した手順に従って処理を実行することにより、補正データDcを生成することができる。特に、図20の手順に従った処理によれば、実施の形態6と同様に、ブラシレスモータ80単体で完結して補正データDcを生成できる。このため、例えばブラシレスモータ80の出荷時に補正データDcを生成できることに加えて、ブラシレスモータ80を例えば電気機器などに組み込んだ場合でも補正データDcを生成できる。すなわち、例えばブラシレスモータ80の振動が長時間加わることによって、回路基板73の装着位置がずれるような不具合に対しても、本実施の形態によれば、位置ずれを補正でき、位置検出への影響を補償できる。なお、このような補正データDcを生成するタイミングとして、例えば、ブラシレスモータ80を組み込んだ電気機器の電源立ち上げ時に実行したり、電気機器の定期検査の一環として実行したりすることができる。
以上説明したように、本発明の位相ずれ検出装置は、パルス状の位置検出信号と、巻線からの誘起電圧に基づく測定信号とを用いて、モータ駆動の位相のずれを検出する位相ずれ検出装置である。位置検出信号の立上りタイミングでの測定信号のレベルと、立下りタイミングでの測定信号のレベルとのレベル差を算出するレベル差算出部と、レベル差に基づき位相のずれ量を算出する位相ずれ算出部とを備えた構成である。
この構成により直線性に優れた位相ずれ情報が得られるため、簡易な構成で精度よくモータ駆動の位相のずれを検出することができる。
また、本発明の位相ずれ検出装置は、レベル差算出部が、位置検出信号の立上りタイミングおよび立下りタイミングを基準とし、その前後のタイミングにおける複数のレベル差を算出し、位相ずれ算出部が、複数のレベル差を用いて、レベル差がゼロとなるタイミングを求め、そのタイミングから位相のずれを算出する構成である。
また、本発明の位相ずれ検出装置は、位置検出信号の立上りタイミングおよび立下りタイミングを生成する取込タイミング生成部と取込タイミング生成部が生成するタイミングを制御するタイミング制御部とをさらに備える。レベル差算出部は、取込タイミング生成部が生成するタイミングで取り込んだ測定信号のレベル差を算出する。タイミング制御部は、レベル差の符号によって位相の進みまたは遅れを検出すると同時に、レベル差がゼロとなる方向に取込タイミング生成部が生成するタイミングを調整するよう制御する。そして、位相ずれ算出部は、調整したタイミングから位相のずれを算出する構成である。
このような構成により、誘起電圧の振幅の影響などを受けずに、簡易な構成でかつ精度よく駆動位相のずれを検出することができる。
また、本発明の位相ずれ検出装置は、誘起電圧から測定信号を生成する測定信号生成部をさらに備え、測定信号生成部が、誘起電圧から正弦波状の測定信号を生成する構成である。
この構成により、検出した位相のずれは、正弦波波形の変化量が大きい期間のレベル差に基づくとともに、そのレベル差は位相ずれに対してほぼ比例して変化するため、簡易に構成できることに加えて、精度良くモータ駆動の位相のずれを検出できる。
また、本発明の位相ずれ検出装置は、相間ずれ検出部と、位相ずれ補正部とをさらに備えた構成である。相間ずれ検出部は、複数の磁極位置センサを備えている場合は、センサ信号どうしの相間における位相ずれである相間位相ずれ量をそれぞれ検出し、検出した各相間位相ずれ量の平均値である平均相間位相ずれ量を算出する。位相ずれ補正部は、位相ずれ算出部が算出した位相のずれ量を、平均相間位相ずれ量を用いて補正して出力する。
この構成により、各位相ずれデータは、センサ信号位相ずれの平均値からの相対誤差に置き換えられることになるため、駆動波形のひずみを小さく抑えることが可能となる。
さらに、本発明の位相ずれ検出装置は、位置検出信号の立上りおよび立下りタイミングの前から後にかけての所定の期間幅の測定期間を設け、測定期間中のみモータの駆動を遮断する構成である。
この構成により、モータを回転駆動させながら、位置ずれを検出することができる。このため、位相のずれを検出するような特別な期間を設ける必要はなく、例えば、経年変化で生じた位置ずれなども、電気機器などに組み込んだ状態で検出できる。
また、本発明のモータ駆動装置は、上記位相ずれ検出装置と、位相ずれ算出部で算出した位相のずれ量に基づき、モータ駆動の位相のずれを補正する駆動位相補正部とを備えた構成である。
この構成により、簡易な構成でモータ駆動の位相のずれを補正する機能を有したモータ駆動装置が実現できる。
また、本発明のブラシレスモータは、永久磁石を保持し、回転軸を中心として回転自在に配置されたロータと、複数の突極を有するステータ鉄心に相ごとの巻線を巻回したステータと、上記モータ駆動装置とを備えた構成である。
この構成により、簡易な構成でモータ駆動の位相のずれを補正する機能を有したブラシレスモータが実現できる。
また、本発明の位相ずれ検出方法は、パルス状の位置検出信号と、巻線からの誘起電圧に基づく測定信号とを用いて、モータ駆動の位相のずれを検出する位相ずれ検出方法である。本位相ずれ検出方法は、位置検出信号の立上りタイミングでの測定信号のレベルと、立下りタイミングでの測定信号のレベルとのレベル差を算出し、レベル差に基づき位相のずれ量を算出する。
この方法によっても、例えば局所的最小値を含む誘起電圧波形においての局所的最小値の位相などを検出する必要はないため、簡易にモータ駆動の位相のずれを検出することができる。
また、本発明の位相ずれ検出方法は、位置検出信号の立上りタイミングおよび立下りタイミングを基準とし、その前後のタイミングにおける複数のレベル差を算出し、複数のレベル差を用いて、レベル差がゼロとなるタイミングを求め、そのタイミングから位相のずれを算出する。
また、本発明の位相ずれ検出方法は、レベル差の符号によって位相の進みまたは遅れを検出すると同時に、レベル差がゼロとなる方向にレベル差を検出するタイミングを調整することで、レベル差がゼロとなるタイミングを求め、そのタイミングから位相のずれを検出する。
このような方法によっても、誘起電圧の振幅の影響などを受けずに、簡易かつ精度よく駆動位相のずれを検出することができる。
また、本発明の位相ずれ検出方法は、測定信号を、誘起電圧から生成された正弦波状の信号としている。
このような方法によっても、検出した位相のずれは、正弦波波形の変化量が大きい期間のレベル差に基づくとともに、そのレベル差は位相ずれに対してほぼ比例して変化するため、簡易に構成できることに加えて、精度良くモータ駆動の位相のずれを検出できる。
また、本発明の位相ずれ検出方法は、センサ信号どうしの相間における位相ずれである相間位相ずれ量をそれぞれ検出し、検出した各相間位相ずれ量の平均値を用いて、モータ駆動の位相のずれ量を補正し出力する。
このような方法によっても、各位相ずれデータは、センサ信号位相ずれの平均値からの相対誤差に置き換えられることになるため、駆動波形のひずみを小さく抑えることも可能となる。
また、本発明の位相ずれ検出方法は、位置検出信号の立上りおよび立下りタイミングの前から後にかけての所定の期間幅の測定期間を設け、測定期間中は、モータの駆動を遮断する。
このような方法によっても、モータを回転駆動させながら、位置ずれを検出することができる。このため、位相のずれを検出するような特別な期間を設ける必要はなく、例えば、経年変化で生じた位置ずれなども、電気機器などに組み込んだ状態で検出できる。
以上、本発明の位相ずれ検出装置によれば、局所的最小値の位相などを検出する必要はなく、正弦波状の誘起電圧の2点のレベル差を利用して位相ずれを検出している。このため、位置検出センサの位置ずれがあっても、位置ずれを簡易な構成で精度よく検出できる。また本発明のモータ駆動装置およびブラシレスモータによれば、本位相ずれ検出装置を備えた構成であるため、位置ずれを簡易な構成で精度よく補正できる。また、本発明の位相ずれ検出方法によっても、局所的最小値の位相などを検出する必要はなく、正弦波状の誘起電圧の2点のレベル差を利用して位相ずれを検出しているため、位置検出センサの位置ずれがあっても、位置ずれを簡易な構成で精度よく検出できる。
また、本発明では、ADコンバータによって誘起電圧のレベルを直接観測するため、ヒステリシスによる遅延の影響を受けず、位相ずれを正確に検出することができる。
本発明の位相ずれ検出装置や位相ずれ検出方法は精度よくモータ駆動の位相のずれを検出することができ、またモータ駆動装置およびブラシレスモータは、簡易な構成で、かつ精度よくモータ駆動の位相のずれを補正することができるため、家電製品や電装品など、高出力で高効率かつ低騒音が求められるモータに有用である。
10 モータ
11a 引出線
11,11u,11v,11w 巻線
12,12u,12v,12w 位置センサ
13 回路部品
20,50,52,55,202,203,204 モータ駆動装置
21 インバータ
22 スイッチ素子
29 電源
30,51,53,302,303,304 位相ずれ検出装置
31 測定信号生成部
32,322,323 レベル差算出部
33,332,333 位相ずれ算出部
35 測定期間制御部
40 駆動制御回路
41 回転制御部
42 駆動波形生成部
43 PWM回路
45 位置データ生成部
46 位相制御部
47 補正データ生成部
48 補正データ記憶部
49 検出位置補正部
54 駆動位相補正部
56 マイコン
57 メモリ
70,80 ブラシレスモータ
71 ステータ
72 ロータ
73 回路基板
74 モータケース
74a ケース本体
74b ケース蓋
75 ステータ鉄心
75a ヨーク
75b ティース
76 回転軸
77 ロータフレーム
78 永久磁石
79 軸受
81 支持部材
342,353 取込タイミング生成部
363 タイミング制御部
374 相間ずれ検出部
384 位相ずれ補正部

Claims (25)

  1. モータに配置した磁極位置センサのセンサ信号に基づくパルス状の位置検出信号と、前記モータを駆動する巻線からの誘起電圧に基づく測定信号とを用いて、モータ駆動の位相のずれを検出する位相ずれ検出装置であって、
    前記位置検出信号の立上りタイミングでの前記測定信号のレベルと、立下りタイミングでの前記測定信号のレベルとのレベル差を算出するレベル差算出部と、
    前記レベル差に基づき位相のずれ量を算出する位相ずれ算出部とを備えたことを特徴とする位相ずれ検出装置。
  2. 前記レベル差算出部は、前記位置検出信号の立上りタイミングおよび立下りタイミングを基準とし、その前後のタイミングにおける複数の前記レベル差を算出し、
    前記位相ずれ算出部は、前記複数のレベル差を用いて、前記レベル差がゼロとなるタイミングを求め、そのタイミングから前記位相のずれを算出することを特徴とする請求項1に記載の位相ずれ検出装置。
  3. 前記位置検出信号の立上りタイミングおよび立下りタイミングを生成する取込タイミング生成部と、
    前記取込タイミング生成部が生成するタイミングを制御するタイミング制御部とをさらに備え、
    前記レベル差算出部は、前記取込タイミング生成部が生成するタイミングで取り込んだ前記測定信号のレベル差を算出し、
    前記タイミング制御部は、前記レベル差の符号によって位相の進みまたは遅れを検出すると同時に、前記レベル差がゼロとなる方向に前記取込タイミング生成部が生成するタイミングを調整するよう制御し、
    前記位相ずれ算出部は、前記調整したタイミングから位相のずれを算出することを特徴とする請求項1に記載の位相ずれ検出装置。
  4. 前記レベル差がゼロとなる方向に前記レベル差を検出するタイミングを調整するフィードバックループを構成することで、前記レベル差がゼロとなるタイミングを求めることを特徴とする請求項3に記載の位相ずれ検出装置。
  5. 前記誘起電圧から前記測定信号を生成する測定信号生成部をさらに備え、前記測定信号生成部は、前記誘起電圧から正弦波状の前記測定信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の位相ずれ検出装置。
  6. 前記モータは、3相で駆動されるそれぞれの前記巻線を有し、
    前記測定信号生成部は、1つの相の前記巻線にバイアス電圧を印加するバイアス回路を備え、前記バイアス電圧を印加する前記巻線とは異なる他の相の前記巻線から生じる前記誘起電圧を前記測定信号として出力することを特徴とする請求項5に記載の位相ずれ検出装置。
  7. 前記モータは、3相で駆動されるそれぞれの前記巻線を有し、
    前記測定信号生成部は、それぞれの相の前記巻線にバイアス電圧を印加するバイアス回路を備え、それぞれの相の前記巻線から生じる前記誘起電圧を前記測定信号として出力することを特徴とする請求項5に記載の位相ずれ検出装置。
  8. 前記センサ信号どうしの相間における位相ずれである相間位相ずれ量をそれぞれ検出し、検出した各相間位相ずれ量の平均値である平均相間位相ずれ量を算出する相間ずれ検出部と、
    前記位相ずれ算出部が算出した位相のずれ量を、前記平均相間位相ずれ量を用いて補正して出力する位相ずれ補正部とをさらに備えことを特徴とする請求項1に記載の位相ずれ検出装置。
  9. 前記位置検出信号の立上りおよび立下りタイミングの前から後にかけての所定の期間幅の測定期間を設け、前記測定期間中は、前記モータの駆動を遮断することを特徴とする請求項1に記載の位相ずれ検出装置。
  10. 検出した前記位相のずれ量を用いて前記モータを駆動する駆動位相を補正して、さらに位相ずれ検出の動作を繰り返すことを特徴とする請求項9に記載の位相ずれ検出装置。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の位相ずれ検出装置と、
    前記位相ずれ算出部で算出した位相の前記ずれ量に基づき、モータ駆動の位相のずれを補正する駆動位相補正部とを備えたことを特徴とするモータ駆動装置。
  12. 前記モータは、3相で駆動されるそれぞれの前記巻線、および各相に対応した前記磁極位置センサを有し、
    前記位相ずれ算出部は、相ごとに前記位相のずれ量を算出し、
    前記駆動位相補正部は、相ごとの前記位相のずれ量に基づき、相ごとに前記位相のずれを補正することを特徴とする請求項11に記載のモータ駆動装置。
  13. 前記駆動位相補正部は、前記磁極位置センサに基づく前記センサ信号のタイミングを補正することを特徴とする請求項11に記載のモータ駆動装置。
  14. 前記巻線を駆動するための波形信号を生成する駆動波形生成部と、
    前記波形信号によりパルス幅変調した駆動パルス信号を生成するPWM回路と、
    前記駆動パルス信号に基づいて前記巻線を通電するインバータとをさらに備え、
    前記駆動波形生成部が生成した前記波形信号は、前記駆動位相補正部で補正された補正位置信号のタイミングで前記PWM回路に出力されることを特徴とする請求項13に記載のモータ駆動装置。
  15. 永久磁石を保持し、回転軸を中心として回転自在に配置されたロータと、複数の突極を有するステータ鉄心に相ごとの前記巻線を巻回したステータと、
    請求項11に記載のモータ駆動装置とを備えたことを特徴とするブラシレスモータ。
  16. モータに配置した磁極位置センサのセンサ信号に基づくパルス状の位置検出信号と、前記モータを駆動する巻線からの誘起電圧に基づく測定信号とを用いて、モータ駆動の位相のずれを検出する位相ずれ検出方法であって、
    前記位置検出信号の立上りタイミングでの前記測定信号のレベルと、立下りタイミングでの前記測定信号のレベルとのレベル差を算出し、
    前記レベル差に基づき位相のずれ量を算出することを特徴とする位相ずれ検出方法。
  17. 前記位置検出信号の立上りタイミングおよび立下りタイミングを基準とし、その前後のタイミングにおける複数の前記レベル差を算出し、
    前記複数のレベル差を用いて、前記レベル差がゼロとなるタイミングを求め、そのタイミングから前記位相のずれを算出することを特徴とする請求項16に記載の位相ずれ検出方法。
  18. 前記レベル差の符号によって位相の進みまたは遅れを検出すると同時に、前記レベル差がゼロとなる方向に前記レベル差を検出するタイミングを調整することで、前記レベル差がゼロとなるタイミングを求め、そのタイミングから位相のずれを検出することを特徴とする請求項16に記載の位相ずれ検出方法。
  19. 前記レベル差がゼロとなる方向に前記レベル差を検出するタイミングを調整するフィードバックループを構成することで、前記レベル差がゼロとなるタイミングを求めることを特徴とする請求項18に記載の位相ずれ検出方法。
  20. 前記測定信号は、前記誘起電圧から生成された正弦波状の信号であることを特徴とする請求項16に記載の位相ずれ検出方法。
  21. 前記モータは、3相で駆動されるそれぞれの前記巻線を有し、
    1つの相の前記巻線にバイアス電圧を印加し、
    前記バイアス電圧を印加する前記巻線とは異なる他の相の前記巻線から生じる前記誘起電圧を前記測定信号とすることを特徴とする請求項20に記載の位相ずれ検出方法。
  22. 前記モータは、3相で駆動されるそれぞれの前記巻線を有し、
    それぞれの相の前記巻線にバイアス電圧を印加し、
    それぞれの相の前記巻線から生じる前記誘起電圧を前記測定信号とすることを特徴とする請求項20に記載の位相ずれ検出方法。
  23. 前記センサ信号どうしの相間における位相ずれである相間位相ずれ量をそれぞれ検出し、検出した各相間位相ずれ量の平均値を用いて、モータ駆動の前記位相のずれ量を補正し出力することを特徴とする請求項16に記載の位相ずれ検出方法。
  24. 前記位置検出信号の立上りおよび立下りタイミングの前から後にかけての所定の期間幅の測定期間を設け、前記測定期間中は、前記モータの駆動を遮断することを特徴とする請求項16に記載の位相ずれ検出方法。
  25. 検出した位相のずれ量を用いて前記モータを駆動する駆動位相を補正して、さらに位相ずれ検出の動作を繰り返すことを特徴とする請求項24に記載の位相ずれ検出方法。
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