JPWO2011162152A1 - インクジェット記録装置、インク供給方法、電源遮断方法及びインクジェット記録装置の温度調節部遮断方法 - Google Patents

インクジェット記録装置、インク供給方法、電源遮断方法及びインクジェット記録装置の温度調節部遮断方法 Download PDF

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Abstract

インクの液滴を吐出するヘッドと、前記ヘッドにインクを供給するための、インクを駐留する駐留部を一部に含む流路部と、前記駐留部内のインクにかかる圧力を調節する駐留部圧力調節部と、前記流路部と前記ヘッドとを各々独立して温度調節可能な温度調節部と、を備えたインクジェット記録装置であって、前記温度調節部は、前記駐留部圧力調節部により圧力を調節し、前記流路部内のインクが固体から液体となるようにした後、前記ヘッド内のインクが固体から液体となるように前記流路部及び前記ヘッドの温度を制御する。

Description

本発明は、インクジェット記録装置、インクジェット記録装置によるインク供給方法、インクジェット記録装置の電源遮断方法及びインクジェット記録装置の温度調節部遮断方法に関する。
普通紙やプラスチック薄板等の種々の記録媒体に記録することのできるインクジェット記録装置としてインクジェットプリンタがある。インクジェットプリンタは、ノズル孔からインクを吐出するヘッドを備えている。ヘッドのノズル孔から記録媒体に向けて微細な液滴としてインクを吐出することにより、記録媒体に記録がなされる。
インクの中には、着弾後の液寄りによる画質劣化を防ぐためや、乾燥負荷を減らすため、記録媒体との定着性を向上させるためなどに常温では固体の状態であって、加熱により融解するインクを使用する場合があり、このようなインクは、非記録時は常温により固体の状態であるため、取り扱いやすいというメリットがある。
また、このようなインクを用いて記録を行う場合、インクを駐留するタンクやヘッド、その流路内でインクが固まらないように各部を加熱するプリンタ構成が知られている。(例えば、特許文献1,2参照)。
かかる構成のプリンタでは、インクを加熱しながら、ヘッド内のインクにかかる圧力(背圧)を制御することにより、ヘッドからの適切なインク吐出を実現している(例えば、特許文献1,2参照)。なお具体的な圧力制御方法としては、インクジェットヘッドのノズル内部のインク液面と、インク収納部内のインクの液面の水頭値差を背圧制御装置によって制御し、インクがノズルから流出しないようにノズルのメニスカス位置をコントロールするもの等が知られている。
特開2010−12637号公報 特開2009−234263号公報
しかしながら、このようなインクで記録するヘッド内のインクを、当該ヘッドより上流側に位置するインク流路よりも先に溶融させた場合、背圧制御部にて適切に圧力を制御していても、ヘッドメニスカス部に適切に負圧が加わっていない状況となり、ヘッド内の圧力調節が行われないためにヘッドからインクが漏れ、結果として液漏れや空気混入の原因となる。
さらに、記録が終了した場合においても、ヘッドよりもインクの供給経路の上流にあるインクの加熱を先にやめてしまうと、ヘッドよりもインクの供給経路の上流にあるインクが固まり、ヘッド内のインクが液体であるため、ヘッド周辺に残存する空気の熱膨張、収縮などの影響でヘッド内の負圧が維持されず、ヘッドからインクが漏れてしまったり、ヘッド内に空気が逆に混入してしまう等の不具合が生じるおそれがある。
またインクジェットヘッド内部のインクの粘度が高くなり、インクの流動性が低下する前に背圧制御を停止・待機の状態にしてしまうと、インク収納部内のインクの液面がインクジェットヘッドのノズル面よりも上方に配置されるような場合、ノズル内部のメニスカスの背圧が大気圧より大きくなり、インクがノズルから流出してしまうおそれもある。
その結果、インクの浪費、ヘッドのノズルのメンテナンスに手間がかかるといった問題が生じる。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、インクの浪費をなくし、ヘッドのノズルのメンテナンスの手間を軽減することができるインクジェット記録装置、インクジェット記録装置におけるインク供給方法、インクジェット記録装置の電源遮断方法及びインクジェット記録装置の温度調節部遮断方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、インクの液滴を吐出するヘッドと、前記ヘッドにインクを供給するための、インクを駐留する駐留部を一部に含む流路部と、前記流路部と前記ヘッドとを各々独立して温度調節可能な温度調節部と、を備えたインクジェット記録装置であって、
前記温度調節部は、前記流路部内のインクが固体から液体となるようにした後、前記ヘッド内のインクが固体から液体となるように前記流路部及び前記ヘッドの温度を制御することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
前記駐留部内のインクにかかる圧力を調節する駐留部圧力調節部を備え、
前記温度調節部は、前記駐留部圧力調節部により圧力を調節し、前記流路部内のインクが固体から液体となるようにした後、前記ヘッド内のインクが固体から液体となるように前記流路部及び前記ヘッドの温度を制御することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のインクジェット記録装置において、
前記駐留部圧力調節部は、前記ヘッド内のインクが液体になる前に前記ヘッド内のインクにかかる圧力を調節するように制御することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のインクジェット記録装置において、
前記温度調節部は、前記流路部内のインクを液体にした後に前記ヘッド内のインクを液体とし、その後に前記流路部内のインクを当該インクの凝固点より高く、かつ、融点よりも低い温度となるように制御することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のインクジェット記録装置において、
前記温度調節部は、前記ヘッド内のインクを液体とした後、当該ヘッド内のインクを凝固点より高く、かつ、融点よりも低い温度となるように制御することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項2〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記温度調節部は、前記流路部の温度が前記ヘッドの温度よりも高くなるように前記流路部と前記ヘッドの温度の両方の温度を監視しながら制御することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、インクの液滴を吐出するヘッドと、前記ヘッドにインクを供給するためのインクを駐留する駐留部を一部に含む流路部と、前記駐留部内のインクにかかる圧力を調節する駐留部圧力調節部と、前記流路部と前記ヘッド部とを独立して温度調節可能な温度調節部と、電源OFFを入力する入力部と、前記電源の制御を行う制御部と、を備えたインクジェット記録装置であって、
前記制御部は、前記入力部により電源のOFFが入力された場合に、前記駐留部圧力調節部により圧力を調節し、前記温度調節部により前記ヘッド内のインクが固体となるように制御してから前記電源をOFFにすることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のインクジェット記録装置において、
前記制御部は、前記入力部により電源のOFFが入力された場合に、前記温度調節部により前記ヘッド内のインクを固体となるように制御した後に前記流路部内のインクを固体となるように制御してから前記電源をOFFにすることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項7又は8に記載のインクジェット記録装置において、
前記温度調節部は、前記ヘッド部の温度が流路部の温度よりも低くなるように前記流路部と前記ヘッドの温度の両方の温度を監視しながら制御することを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、インクの液滴を吐出するヘッドと、前記ヘッドにインクを供給するためのインクを駐留する駐留部を一部に含む流路部と、前記駐留部内のインクにかかる圧力を調節する駐留部圧力調節部と、前記流路部と前記ヘッド部とを独立して温度調節可能な温度調節部と、前記温度調節部のOFF入力が可能な省電力モード入力部と、前記電源の制御を行う制御部と、を備えたインクジェット記録装置であって、
前記制御部は、前記省電力モード入力部によるOFF入力がされた場合に、前記駐留部圧力調節部により圧力を調節し、前記温度調節部により前記ヘッド内のインクが固体となるように制御してから前記温度調節部をOFFにすることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載のインクジェット記録装置において、
前記制御部は、前記省電力モード入力部によるOFF入力がされた場合に、前記温度調節部により前記ヘッド内のインクを固体となるように制御した後に前記流路部内のインクを固体となるように制御してから前記温度調節部をOFFにすることを特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録装置。
請求項12に記載の発明は、請求項7〜11のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記駐留部圧力調節部は、前記温度調節部により前記ヘッド内のインクを固体となるように制御した後に前記ヘッド内のインクにかかる圧力調節を停止することを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項2〜12のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記駐留部圧力調節部は、
前記駐留部に連通され、前記駐留部内の空気圧を調節するためのチャンバーと、
前記チャンバーに連通され、前記チャンバーに対する空気の給排気を行うポンプと、
前記チャンバー内の空気圧を検出する圧力検出部と、
前記圧力検出部により検出された空気圧が所定の設定値となるように前記ポンプによる前記チャンバー内の空気の給排気を制御する給排気制御部と、
を備えることを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項2〜12のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記駐留部圧力調節部は、
前記駐留部内のインク液面を検出する駐留部内インク液面検出部と、
前記駐留部内インク液面検出部で検出されるインク液面に対するヘッドのノズル面との相対高さに基づいて、前記駐留部内の圧力を調整するように前記駐留部内のインク供給を調節して液面を制御する液面制御部と、
を備えることを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
前記温度調節部は、前記ヘッド内のインクを加熱するための第一加熱手段と、前記インク収納部内のインクを加熱するための第二加熱手段と、
前記ヘッド内のインクの温度を検出するための温度センサと、
前記第一加熱手段、前記第二加熱手段及び前記貯留部圧力調節部を制御する制御部と、を備え、
インクを冷却する場合、前記制御部は、前記第一加熱手段をオフ状態にし、前記温度センサの検出結果が所定温度以下の場合に、前記貯留部圧力調節部を待機状態又は停止状態にしてから前記第二加熱手段をオフ状態とすることを特徴とする。
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載のインクジェット記録装置において、
前記温度調節部は、前記ヘッド内のインクを加熱するための第一加熱手段と、前記インク収納部内のインクを加熱するための第二加熱手段と、前記ヘッド内のインクの温度を検出するための温度センサと、前記第一加熱手段、前記第二加熱手段及び前記貯留部圧力調節部を制御する制御部と、を備え、
インクを加熱する場合、前記制御部は、前記第一加熱手段及び前記第二加熱手段をオン状態とし、前記温度センサの検出結果が所定温度よりも高くなったら、前記貯留部圧力調節部によって背圧制御を開始することを特徴とする。
請求項17に記載の発明は、請求項16に記載のインクジェット記録装置において、
前記ヘッド内のインクを強制的に冷却/加熱するための温度調整手段を備え、
前記制御部は、インクの加熱時においては前記温度調整手段による加熱を実行し、インクの冷却時においては前記温度調整手段による冷却を実行することを特徴とする。
請求項18に記載の発明は、請求項15〜17のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記ヘッドのノズル面を形成する天板は、前記インク収納部及び前記インク流路の少なくとも一方よりも熱伝導率の高い素材により形成されていることを特徴とする。
請求項19に記載の発明は、請求項15〜18のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記インク収納部と、前記インク流路とは、断熱構造を有することを特徴とする。
請求項20に記載の発明は、インクの液滴を吐出するヘッドと、前記ヘッドにインクを供給するための、インクを駐留する駐留部を一部に含む流路部と、を備え、前記流路部及び前記ヘッドの温度を個別に調節が可能なインクジェット記録装置におけるインク供給方法において、
前記駐留部内のインク圧力を調節し、前記流路部を当該流路部内のインクが液体となるような温度にする第1ステップと、
第1ステップ後、前記ヘッドを前記ヘッド内のインクが液体となるような温度以上の温度にする第2ステップと、
を有することを特徴とする。
請求項21に記載の発明は、請求項20に記載のインク供給方法において、
前記第2ステップ前に前記ヘッド内のインクにかかる圧力を調節するステップを有することを特徴とする。
請求項22に記載の発明は、請求項20又は21に記載のインク供給方法において、
前記第1ステップ後、前記流路部を前記流路部内のインクが当該インクの凝固点より高く、かつ、融点よりも低い温度にする第3ステップを有することを特徴とする。
請求項23に記載の発明は、請求項22に記載のインク供給方法において、
前記第3ステップ後、前記ヘッドの温度を前記ヘッド内のインクが当該インクの凝固点より高く、かつ、融点よりも低い温度にする第4ステップを有することを特徴とする。
請求項24に記載の発明は、インクの液滴を吐出するヘッドと、前記ヘッドにインクを供給するための、インクを駐留する駐留部を一部に含む流路部と、を備え、前記流路部及び前記ヘッドの温度を個別に調節が可能なインクジェット記録装置におけるインク供給方法において、
前記駐留部内のインク圧力を調節し、前記流路部の温度が前記ヘッドの温度よりも高くなるように、前記流路部を当該流路部内のインクが液体となるような温度にすると同時に、前記ヘッドを前記ヘッド内のインクが液体となるような温度以上の温度にするステップを有することを特徴とする。
請求項25に記載の発明は、インクの液滴を吐出するヘッドと、前記ヘッドにインクを供給するための、インクを駐留する駐留部を一部に含む流路部と、前記流路部及び前記ヘッドの温度を個別に調節可能な温度調節部と、電源OFFを入力可能な入力部とを備えたインクジェット記録装置における電源遮断方法において、
前記電源のOFFを入力する第1ステップと、
前記駐留部内のインクを所定の圧力に調整して前記ヘッドの温度を前記ヘッド内のインクが固体となる温度にする第2ステップと、
前記第1ステップ後、前記電源をOFFにする第3ステップと、
を有することを特徴とする。
請求項26に記載の発明は、請求項25に記載の電源遮断方法において、
前記第2ステップ後、前記流路部の温度を前記流路部内のインクが固体となる温度にする第4ステップを有することを特徴とする。
請求項27に記載の発明は、請求項25又は26に記載の電源遮断方法において、
前記ヘッドの温度が前記ヘッド内のインクが固体になるまで前記ヘッド内のインクにかかる圧力調節するステップを有することを特徴とする。
請求項28に記載の発明は、インクの液滴を吐出するヘッドと、前記ヘッドにインクを供給するための、インクを駐留する駐留部を一部に含む流路部と、前記流路部及び前記ヘッドの温度を個別に調節可能な温度調節部と、前記温度調節部のOFF入力が可能な省電力モード入力部とを備えたインクジェット記録装置における温度調節部の遮断方法において、
前記省電力モード入力部によりOFF入力する第1ステップと、
前記駐留部内のインクを所定の圧力に調整して前記ヘッドの温度を前記ヘッド内のインクが固体となる温度にする第2ステップと、
前記第2ステップ後、前記温度調節部をOFFにする第3ステップと、
を有することを特徴とする。
請求項29に記載の発明は、請求項28に記載の温度調節部の遮断方法において、
前記第2ステップ後、前記流路部の温度を前記流路部内のインクが固体となる温度にする第4ステップを有することを特徴とする。
請求項30に記載の発明は、請求項28又は29に記載の温度調節部の遮断方法において、
前記ヘッドの温度が前記ヘッド内のインクが固体になるまで前記ヘッド内のインクにかかる圧力調節するステップを有することを特徴とする。
請求項1,2,20に記載の発明によれば、駐留部を含む流路部内のインクを液体にした後にヘッド内のインクを液体にすることができ、ヘッドからのインク漏れを抑えることができる。また、インク漏れを抑えることにより、ヘッド内にできた空間に外部からの空気の侵入を抑えることができる。
よって、インクの浪費をなくし、ヘッドのノズルのメンテナンスの手間を軽減することができる。
請求項3,21に記載の発明によれば、ヘッド内のインクが液体になる前にヘッド内のインクにかかる圧力を調節するので、ヘッドのインクが融解されたときには、インクには適切な圧力がかかるようになる。
これにより、ヘッドからのインク漏れを抑えることができる。また、インク漏れを抑えることにより、ヘッド内にできた空間に外部からの空気の侵入を抑えることができる。
よって、インクの浪費をなくし、ヘッドのノズルのメンテナンスの手間を軽減することができる。
請求項4,22に記載の発明によれば、特にインクの相転移温度にヒステリシスがある場合、駐留部を含む流路のインクを液体状態とした後にヘッド内のインクを液体状態として、その後に流路部内のインクの温度を凝固点よりも高く、融点よりも低い温度となるように制御するので、インクを一旦融解させた後はインクが液体を保つことができる温度まで下げることで、温度調節部のエネルギー消費量を減らすことができ、省エネルギー化を図ることができる。
請求項5,23に記載の発明によれば、インクの融点よりも凝固点の方が低いので、インクを一旦融解させた後はインクが液体を保つことができる温度まで下げることで、温度調節部のエネルギー消費量を減らすことができ、省エネルギー化を図ることができる。
請求項6,9、24に記載の発明によれば、流路部とヘッドの温度を同時に制御することができるので、それぞれを順に温度制御する構成と比較して迅速かつ信頼性の高い印字制御が可能になる。
請求項7,10,25,28に記載の発明によれば、ヘッド内の圧力が維持されずにヘッドからインクが漏れたり、ヘッド内へ空気が混入するのを抑えることができる。
請求項8,11,26,29に記載の発明によれば、駐留部を含む流路内インクのヘッドからの漏れや、ヘッド内へ空気が混入するのを抑えることができる。
よって、インクの浪費をなくし、ヘッドのノズルのメンテナンスの手間を軽減することができる。
請求項12,27,30に記載の発明によれば、ヘッド内のインクが固化するまでヘッド内の負圧を適正に維持することができ、ヘッドからのインクの漏れ、ヘッド内へ空気が混入するのを抑えることができる。
よって、インクの浪費をなくし、ヘッドのノズルのメンテナンスの手間を軽減することができる。
請求項13に記載の発明によれば、空気圧でヘッドのインクにかかる圧力を調節することができる。
請求項14に記載の発明によれば、駐留部内のインク液面とヘッドのノズル面との水頭差を利用してヘッドのインクにかかる圧力の制御を簡易に、低コストで行うことができる。
請求項15〜19に記載の発明によれば、背圧制御装置を停止或いは待機状態にしてもメニスカスの背圧が大気圧より大きくなってノズルからインクが押し出されてしまうことを防止でき、インクが無駄に消費されることを抑制することが可能となる。
なお、本発明でいう「固体」には、高い粘性を持ち流動性を失い、系全体としては固体状になった所謂ゲルを含むものとする。
インクジェット記録装置の概要を示す側面図。 インクジェット記録装置の動作を説明する図。 空気圧でヘッドの背圧調節を行うインク供給装置の模式図。 制御部により制御される構成を示すブロック図。 インク供給方法の流れを示すフローチャート。 各タンク及びインク流路とヘッドを同時に加熱した場合に各タンク及びインク流路が先にインクの融点に達するように各部を設計したときのインク供給方法の流れを示すフローチャート。 相転移温度にヒステリシスがあるインクの特性を示すグラフ。 相転移温度にヒステリシスがあるインクを用いたときのインク供給方法(その1)の流れを示すフローチャート。 相転移温度にヒステリシスがあるインクを用いたときのインク供給方法(その2)の流れを示すフローチャート。 インクジェットプリンタの電源遮断方法の流れを示すフローチャート。 各部のインクが固化するまで背圧制御を行う場合のインクジェットプリンタの電源遮断方法の流れを示すフローチャート。 図11とは異なるインクジェットプリンタの電源遮断方法の流れを示すフローチャート。 水頭差でヘッドの背圧調節を行うインク供給装置の模式図。 水頭差でヘッドの背圧調節を行うインク供給装置を備えるインクジェットプリンタの電源遮断方法の流れを示すフローチャート。 第2の実施形態のインクジェット記録装置の全体構成を示す説明図。 図15のインクジェット記録装置に備わるインクタンクとインクジェットヘッドとの位置関係を示す模式図。 図15のインクジェット記録装置に備わるインクジェットヘッドの全体構成を示す斜視図。 図16のインクジェットヘッドの要部構成を示す斜視図。 図17のインクジェットヘッドの一部を示す斜視図。 図17のインクジェットヘッドの一部を示す斜視図。 図17のインクジェットヘッドの内部構成を示すため一部を破断させた斜視図。 図15のインクジェット記録装置の主制御構成を示すブロック図。 ゲルインクの特性を示す粘度−温度線図。 図15のインクジェット記録装置で実行されるインク加熱時の流れを示すフローチャート。 図15のインクジェット記録装置で実行されるインク冷却時の流れを示すフローチャート。 図15のインクジェット記録装置に備わるインクタンク及びインク流路の変形例を示す模式図。 図16のインクジェットヘッドの変形例を示す模式図。 図16のインクジェットヘッドの変形例を示す模式図。 図16のインクジェットヘッドの変形例を示す模式図。 図27A、27B、27Cに示すインクジェットヘッドを用いた場合におけるインク加熱時の流れを示すフローチャート。 図27A、27B、27Cに示すインクジェットヘッドを用いた場合におけるインク冷却時の流れを示すフローチャート。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
[第1の実施形態]
1.インクジェット記録装置の構成
最初に、図面を参照しながら、インクジェット記録装置について説明する。インクジェット記録装置(インクジェットプリンタ)100は、具体的には、ヘッド(記録ヘッド)から液滴状のインクを吐出することにより、記録媒体に画像を形成するインクジェットプリンタである。
図1は、本実施形態におけるインクジェット記録装置100の概略構成を示す側面図であり、図2は、本実施形態におけるインクジェット記録装置100の動作を説明する図である。なお、本実施形態においては、インクジェット記録装置100をワンパス型のインクジェット記録装置、つまり記録媒体Kを1回搬送する間に画像の記録を完了するインクジェット記録装置として説明する。
インクジェット記録装置100は、図示しないパソコン等から送信される画像データ等に基づいて記録媒体Kに画像を記録するものであり、図1〜図4に示すように、インク供給装置1(図3参照)、搬送装置2、プリントユニット3、制御部8(図4参照)等を備えている。
(1)搬送装置、プリントユニット
図1に示すように、搬送装置2は、ヘッド10に対向する位置に配設されている。
搬送装置2は、搬送ローラ4,…の回転によってベルトBが動き、このベルトBによって複数の記録媒体Kを一方向(以下、搬送方向Xとする)に順次搬送するものであり、一方の側面に操作パネル2aを有している。
ここで、記録媒体Kは、図2に示すように、長尺なベルトBの表面に対して所定の間隔ごとに貼り付けられており、当該ベルトBに追従して搬送されるようになっている。
プリントユニット3は、搬送装置2により順次搬送される記録媒体Kに画像を記録するものであり、図1に示すように、一方の側面に操作パネル3aを有している。ここで、プリントユニット3は、操作パネル3aの側から見た場合に、図1及び図2の紙面に対して左から右に向かう方向へ搬送される記録媒体Kに対しても、右から左に向かう方向へ搬送される記録媒体Kに対しても、それぞれ画像を記録可能となっている。
プリントユニット3は、記録媒体Kに向かってインクを吐出するヘッド10を有している。なお、本実施形態においては、プリントユニット3はヘッド10を4つ有し、当該ヘッド10はY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の4色のインクに対応して個別に設けられている。
ヘッド10には、ベルトBの幅方向Y、つまり搬送方向Xの直交方向に延在するノズル列Lが設けられている。
このノズル列Lは、図1,図2に示すように、複数のノズル40,…からなり、幅方向Yにおける記録媒体Kの両端に亘って形成されている。
これらのノズル40,…は、画像データを元にノズル40毎に生成される吐出可否データと、駆動波形とに基づいてインク滴を吐出するようになっている。より詳細には、ヘッド10には、ノズル40内のインクを吐出するためのピエゾ素子(図示せず)が設けられており、このピエゾ素子が駆動波形及び吐出可否データに基づいて振動することで、ノズル40内のインクを振動させたり、吐出させたりするようになっている。
(2)インク供給装置
図3、図4に示すように、インク供給装置1は、メインタンク11、サブタンク12、インク流路13、送液ポンプ14、エアチャンバー15、加減圧ポンプ16、エア流路17、空気圧センサ18、液面検知センサ19、インク流路20、電磁弁21v,22v,23v、タンク加熱部22、流路加熱部23、ヘッド加熱部24、温度センサ22s,23s,24s等を備えている。
メインタンク11は、各色のインクを駐留する駐留部としての容器である。メインタンク11は、インクの色毎にそれぞれ個別に設けられている。メインタンク11は、サブタンク12にインクを供給するインク供給源となる。メインタンク11に駐留されているインクは、常温で固体であり、加熱により液体に変化するインクである。
サブタンク12は、メインタンク11から供給されるインクを一時的に駐留する駐留部としての容器である。サブタンク12は、メインタンク11とインク流路13によって連通されており、融解された液体状のインクは、メインタンク11からインク流路13を通ってサブタンク12に流入する。
なお、本実施形態では、全てを図示していないが、メインタンク11及びサブタンク12とも、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各インクに対応してそれぞれ4つずつ設けられている。
インク流路13には、送液ポンプ14が設けられている。送液ポンプ14は、メインタンク11からインクをサブタンク12に送り込む。
エアチャンバー15は、内部が空洞の容器である。エアチャンバー15は、エア流路17を介してサブタンク12に連通されている。エアチャンバー15には空気が充填されるようになっており、エアチャンバー15内で空気圧を調節すると、その空気圧がサブタンク12内のインクの液面にも作用し、サブタンク12内の空気圧を調節することができる。エアチャンバー15には、当該エアチャンバー15内の空気圧を計測する圧力検出部としての空気圧センサ18が接続されている。
エアチャンバー15には、エアチャンバー15内の空気を抜くためのエア流路25が接続されている。エア流路25には、電磁弁23vが組み込まれ、エア流路25の開閉を行う。電磁弁23vは、制御部8によって開閉が制御される。電磁弁23vを開けると、外部の大気とエアチャンバー15内が連通され、エアチャンバー15内の気圧を大気圧と同じ気圧にすることができる。
エア流路17はエアチャンバー15に至る途中で二つに分岐されており、一方がエアチャンバー15に接続され、他方が加減圧ポンプ16に接続されている。分岐したエア流路17のうち、エアチャンバー15に接続される流路部分には電磁弁22vが組み込まれ、エア流路17の開閉を行う。電磁弁22vは、制御部8によって開閉が制御される。電磁弁22vを開けると、エアチャンバー15とサブタンク12内が連通され、エアチャンバー15内の気圧をサブタンク12に伝達することができる。
分岐したエア流路17のうち、加減圧ポンプ16に接続される流路部分には電磁弁21vが組み込まれ、エア流路17の開閉を行う。電磁弁21vは、制御部8によって開閉が制御される。電磁弁21vを開けると、加減圧ポンプ16とサブタンク12内が連通され、サブタンク12内の空気圧を加減圧ポンプ16によって調節することができる。
加減圧ポンプ16は、エアチャンバー15内に空気を供給することでエアチャンバー15内の空気圧を高めることができ、エアチャンバー15内の空気を排気することでエアチャンバー15内の空気圧を低くすることができる。
サブタンク12には、サブタンク12内のインク液面を検出する駐留部内インク液面検出部としての液面検知センサ19が設けられている。液面検知センサ19は、サブタンク12内においてインクの駐留水位の上限位置に設けられており、サブタンク12内のインクが満たされたことを検知するセンサである。
サブタンク12には、記録媒体にインクを吐出するヘッド10がインク流路20を介して接続されている。ヘッド10は、インク流路20によってサブタンク12と連通されており、インクは、サブタンク12からインク流路20を通ってヘッド10に流入することができる。従って、サブタンク12は、インク流路13とインク流路20の間に存在し、サブタンク12及びインク流路13,20を備えることにより流路部が構成されている。
ヘッド10の内部には、ノズル40にインクを供給するインク室41が形成されている。
タンク加熱部22は、メインタンク11及びサブタンク12に設けられている。タンク加熱部22は、タンク11,12を加熱することにより、その熱をタンク11,12内のインクに伝えて固体状のインクを融解させる。従って、タンク加熱部22は、インクの融点以上の温度にインクを加熱することができるような熱量をタンク11,12に伝達することができる。
流路加熱部23は、インク流路13,20に設けられている。流路加熱部23は、インク流路13,20を加熱することにより、その熱をインク流路13,20内のインクに伝えて固体状のインクを融解させる。従って、流路加熱部23は、インクの融点以上の温度にインクを加熱することができるような熱量をインク流路13,20に伝達することができる。
ヘッド加熱部24は、ヘッド10に設けられている。ヘッド加熱部24は、ヘッド10を加熱することにより、その熱をヘッド10内のインクに伝えて固体状のインクを融解させる。従って、ヘッド加熱部24は、インクの融点以上の温度にインクを加熱することができるような熱量をヘッド10に伝達することができる。
温度センサ22sは、メインタンク11及びサブタンク12に設けられており、加熱されるメインタンク11及びサブタンク12の温度を検出する。
温度センサ23sは、インク流路13,20に設けられており、加熱されるインク流路13,20の温度を検出する。
温度センサ24sは、ヘッド10に設けられており、加熱されるヘッド10の温度を検出する。
(3)制御部
図4に示すように、制御部8は、インクジェットプリンタ100の電源のON/OFF、外部装置から入力された記録媒体Kに記録すべき画像の画像データをヘッド10の各ノズル40に対応するデータに変換する等、インクジェットプリンタ100の各部の駆動も制御する。
図4に示すように、制御部8は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等がバスに接続された汎用のコンピュータで構成されている。
制御部8には、搬送ローラ4を駆動させる駆動モータ4m、ヘッド駆動回路10e、加減圧ポンプ16、送液ポンプ14、電磁弁21v,22v,23v、液面検知センサ19、空気圧センサ18、操作指示や電源のON/OFFを入力する入力部としての入力操作部26、タンク加熱部22、流路加熱部23、ヘッド加熱部24、温度センサ22s,23s,24s等が接続されている。
制御部8は、送液ポンプ14によるインクの送液制御、電磁弁21v,22v,23vの開閉制御を行う。
制御部8は、空気圧センサ18により検出されたエアチャンバー15内の空気圧が予め設定された所定の設定値となるように加減圧ポンプ16によるエアチャンバー15内の空気の給排気を制御する。これにより、ヘッド10内のインクにかかる圧力を負圧に調節することができる。すなわち、制御部8は、給排気制御部として機能する。また、エアチャンバー15、加減圧ポンプ16、空気圧センサ18、制御部8を備えることにより、駐留部圧力調節部が構成される。
制御部8は、温度センサ22s,23s,24sにより検出されたヘッド10、各タンク11,12、各インク流路13,20の温度が固体状のインクを融解させる温度となるように、タンク加熱部22、流路加熱部23、ヘッド加熱部24による加熱制御を個別に行う。具体的には、制御部8は、各部の温度がインクを液体で維持できる温度となるように各加熱部22,23,24への通電のON/OFFを制御する。すなわち、タンク加熱部22、流路加熱部23、ヘッド加熱部24、温度センサ22s,23s,24s、制御部8を備えることにより、温度調節部が構成される。
なお、制御部8による各部の制御は、予めROMに格納されたプログラムをCPUが実行することにより実現される。
2.インク供給方法
次に、インクジェットプリンタ100におけるインク供給方法について説明する。
(1)通常のインクの供給方法
図5に示すように、インクジェットプリンタ100の電源をONにすると、制御部8は、空気圧センサ18により検出されたエアチャンバー15内の空気圧が予め設定された所定の設定値となるように加減圧ポンプ16によるエアチャンバー15内の空気の給排気を制御する(ステップS1)。
これにより、ヘッド10内の背圧制御が行われる。
次いで、制御部8は、空気圧センサ18により検出された空気圧が設定値となっているか否かを判定する(ステップS2)。
ステップS2において、制御部8は、空気圧が設定値になっていると判定した場合(ステップS2:Yes)、制御部8は、メインタンク11、サブタンク12、インク流路13,20がインクの融点以上の温度になるように、すなわち、これらの内部のインクが固体から液体になるように、温度調節を行う(ステップS3)。
つまり、メインタンク11,サブタンク12内のインク圧力を所定の圧力に調整し、これらのインクタンクを含むインク流路13,20が固体から液体となるように温度調節を行う。
温度調節においては、制御部8が温度センサ22s,23sにより検出される温度がインクの融点以上の温度(予め設定しておく)となるようにタンク加熱部22、流路加熱部23による各部の加熱を個別に行う。
次いで、制御部8は、温度センサ22s,23sにより検出された温度がインクの融点以上の温度であるか否かを判定する(ステップS4)。
ステップS4において、制御部8は、温度センサ22s,23sにより検出された温度がインクの融点以上の温度であると判定した場合(ステップS4:Yes)、制御部8は、ヘッド10がインクの融点以上の温度になるように、すなわち、ヘッド10の内部のインクが固体から液体になるように、温度調節を行う(ステップS5)。
温度調節においては、制御部8が温度センサ24sにより検出される温度がインクの融点以上の温度(予め設定しておく)となるようにヘッド加熱部24による各部の加熱を個別に行う。
次いで、制御部8は、温度センサ24sにより検出された温度がインクの融点以上の温度であるか否かを判定する(ステップS6)。
そして、ステップS6において、制御部8は、温度センサ24sにより検出された温度がインクの融点以上の温度であると判定した場合(ステップS6:Yes)、制御部8は、背圧が制御されたヘッド10からインクが吐出可能な状態であると判定し、駆動モータ4m、ヘッド10等を駆動させて記録媒体に画像の形成を行わせる。
このように、制御部8は、各タンク11,12のインク圧力を調整した上で、各タンク11,12及びインク流路13,20のインクを先に融解させてからヘッド10のインクを融解させる。これにより、各タンク11,12及びインク流路13,20内のインクにかかる圧力を調節した後に、ヘッド10のインクを融解させることができ、ヘッド10からのインク漏れを抑えることができる。また、インク漏れを抑えることにより、ヘッド10内にできた空間に外部からの空気の侵入を抑えることができる。
また、制御部8は、ヘッド10の温度をインクの融点以上の温度に調節する前にヘッド10内のインクにかかる圧力を調節するので、ヘッド10のインクが融解されたときには、インクには適切な圧力がかかるようになる。
これにより、ヘッド10からのインク漏れを抑えることができる。また、インク漏れを抑えることにより、ヘッド10内にできた空間に外部からの空気の侵入を抑えることができる。
よって、インクの浪費をなくし、ヘッド10のノズルのメンテナンスの手間を軽減することができる。
(2)各タンク及びインク流路がヘッドよりも早い時間で加熱される場合のインクの供給方法
次に、各タンク及びインク流路がヘッドよりも早い時間で加熱される場合、言い換えると、各タンク及びインク流路の方がヘッドよりも熱伝導率が高い場合、又はタンク加熱部22及び流路加熱部23の方がヘッド加熱部24よりも加熱時の熱量が大きい場合のインクの供給方法について説明する。
図6に示すように、インクジェットプリンタ100の電源をONにすると、制御部8は、空気圧センサ18により検出されたエアチャンバー15内の空気圧が予め設定された所定の設定値となるように加減圧ポンプ16によるエアチャンバー15内の空気の給排気を制御する(ステップS11)。これにより、ヘッド10内の背圧制御が行われる。
次いで、制御部8は、メインタンク11、サブタンク12、インク流路13,20がインクの融点以上の温度になるように、すなわち、これらの内部のインクが固体から液体になるように、温度調節を行う(ステップS12)。
つまり、メインタンク11,サブタンク12内のインク圧力を所定の圧力に調整し、これらのインクタンクを含むインク流路13,20が固体から液体となるように温度調節を行う。
そして、温度調節においては、制御部8が温度センサ22s,23sにより検出される温度がインクの融点以上の温度(予め設定しておく)となるようにタンク加熱部22、流路加熱部23による各部の加熱を個別に行う。
次いで、制御部8は、空気圧センサ18により検出されたエアチャンバー15内の空気圧が予め設定された所定の設定値となっているか否かを判定する(ステップ13)。
ステップS13において、制御部8は、空気圧が設定値になっていると判定した場合(ステップS13:Yes)、ヘッド10がインクの融点以上の温度になるように、すなわち、ヘッド10の内部のインクが固体から液体になるように、温度調節を行う(ステップS14)。
温度調節においては、制御部8が温度センサ24sにより検出される温度がインクの融点以上の温度(予め設定しておく)となるようにヘッド加熱部24による各部の加熱を個別に行う。
そして制御部8は、温度調節後、温度センサ22s,23sにより検出された温度がインクの融点以上の温度であるか否かを判定する(ステップS15)。
ステップS15において、制御部8は、温度センサ22s,23sにより検出された温度がインクの融点以上の温度であると判定した場合(ステップS15:Yes)、制御部8は、ヘッド加熱部24による温度調節が停止しているか否かを判定する(ステップ18)。
一方、ステップS15において、温度センサ22s,23sにより検出された温度がインクの融点未満の温度であると判定した場合(ステップS15:No)、制御部8は温度センサ22s,23sにより検出された温度が温度センサ24sにより検出される温度よりも高い温度、つまりタンク及びインク流路の温度が、ヘッドの温度に、測定誤差や温度ムラのマージン分αを考慮した実質的なヘッドの温度よりも高い温度か否かを判定する(ステップ16)。
ステップ16において温度センサ22s,23sにより検出された温度が温度センサ24sにより検出される温度よりも高い温度と判定した場合(ステップ16:Yes)ヘッド加熱部24による温度調節が停止しているか否かを判定するステップに進む(ステップ17)。
また、温度センサ22s,23sにより検出された温度が温度センサ24sにより検出される温度よりも低い温度と判定した場合(ステップ16:No)、ヘッド加熱部24の温度調節を停止した上で、温度センサ22s,23sにより検出された温度がインクの融点以上の温度であるか否かを判定するステップを行う(ステップS15)。
ステップ17において、ヘッド加熱部24が停止していると判定した場合(ステップ17:Yes)、ヘッド加熱部24による温度調節を再開した上で温度センサ22s,23sにより検出された温度がインクの融点以上の温度であるか否かを判定するステップを行う。(ステップS15)。
ステップ18においてヘッド加熱部24が停止していると判断した場合(ステップ18:Yes)、ヘッド加熱部24の温度調節を再開し、温度センサ24sにより検出された温度がインクの融点以上の温度であるか否かを判定する(ステップ19)。
そして、ステップS19において、制御部8は、温度センサ24sにより検出された温度がインクの融点以上の温度であると判定した場合(ステップS19:Yes)、制御部8は、背圧が制御されたヘッド10からインクが吐出可能な状態であると判定し、駆動モータ4m、ヘッド10等を駆動させて記録媒体に画像の形成を行わせる。
(3)インクの相転移温度にヒステリシスがあるインクの供給方法(その1)
次に、インクの相転移温度にヒステリシスがある場合のインクの供給方法(その1)について説明する。ここで、相転移温度にヒステリシスがあるインクは、図7に示すように、固体のインクが液体に相転移するときの温度T1(融点)と、液体のインクが固体に相転移するときの温度T2(凝固点)とが異なるインクをいう。
なお本実施態様のインクとしては、相転移温度が40℃以上、150℃以下である事が好ましく、より好ましくは45℃以上、130℃以下である。インクの相転移温度が40℃以上であれば、ヘッドからインク液滴を出射する際に印字環境温度の影響が少なく安定した出射性を得る事ができ、150℃以下であれば、インクジェット記録装置を過度に加熱する必要がないため、ヘッドやインク流路等のインク供給系の部材への負荷を低減する事ができる。
具体的なインクとしては、例えば、特開2006−193745号公報、特開2005−126507号公報、特開2009−132919号公報に開示されているようなインクを用いることが好ましいが、これらの中でも特開2005−126507号公報の実施例に記載されているように、少なくともオイルゲル化剤と活性光線により硬化する活性光線硬化型組成物とを含有するインクがより好ましい。
図8に示すように、インクジェットプリンタ100の電源をONにすると、制御部8は、空気圧センサ18により検出されたエアチャンバー15内の空気圧が予め設定された所定の設定値となるように加減圧ポンプ16によるエアチャンバー15内の空気の給排気を制御する(ステップS21)。これにより、ヘッド10内の背圧制御が行われる。
次いで、制御部8は、メインタンク11、サブタンク12、インク流路13,20がインクの融点以上の温度になるように、すなわち、これらの内部のインクが固体から液体になるように、温度調節を行う(ステップS22)。
つまり、メインタンク11,サブタンク12内のインク圧力を所定の圧力に調整し、これらのインクタンクを含むインク流路13,20が固体から液体となるように温度調節を行う。
温度調節においては、制御部8が温度センサ22s,23sにより検出される温度がインクの融点以上の温度(予め設定しておく)となるようにタンク加熱部22、流路加熱部23による各部の加熱を個別に行う。
次いで、制御部8は、空気圧センサ18により検出された空気圧が設定値となっているか否かを判定する(ステップS23)。
ステップS23において、制御部8は、空気圧が設定値になっていると判定した場合(ステップS23:Yes)、制御部8は、温度センサ22s,23sにより検出された温度がインクの融点以上の温度であるか否かを判定する(ステップS24)。
ステップS24において、制御部8は、温度センサ22s,23sにより検出された温度がインクの融点以上の温度であると判定した場合(ステップS24:Yes)、制御部8は、ヘッド10がインクの融点以上の温度になるように、すなわち、ヘッド10の内部のインクが固体から液体になるように、温度調節を行う(ステップS25)。
温度調節においては、制御部8が温度センサ24sにより検出される温度がインクの融点以上の温度(予め設定しておく)となるようにヘッド加熱部24による各部の加熱を個別に行う。
次いで、制御部8は、メインタンク11、サブタンク12、インク流路13,20がインクの凝固点より高く、かつ、インクの融点よりも低い温度になるように、温度調節を行う(ステップS26)。すなわち、制御部8は、メインタンク11、サブタンク12、インク流路13,20のインクを液体の状態で維持しながらもそれぞれの温度をインクが固化しない温度まで下げて省エネルギー化を図るというものである。
温度調節においては、制御部8が温度センサ22s,23sにより検出される温度がインクの凝固点T2より高く、かつ、インクの融点T1よりも低い温度T3(T2<T3<T1)となるようにタンク加熱部22、流路加熱部23による各部の加熱を個別に行う。
次いで、制御部8は、温度センサ24sにより検出された温度がインクの融点以上の温度であるか否かを判定する(ステップS27)。
そして、ステップS27において、制御部8は、温度センサ24sにより検出された温度がインクの融点以上の温度であると判定した場合(ステップS27:Yes)、制御部8は、背圧が制御されたヘッド10からインクが吐出可能な状態であると判定し、駆動モータ4m、ヘッド10等を駆動させて記録媒体に画像の形成を行わせる。
このように、インクの相転移温度にヒステリシスがある場合には、制御部8は、各タンク11,12のインク圧力を調整した上で、各タンク11,12及びインク流路13,20の温度をインクの融点以上の温度に調節した後に、ヘッド10の温度をインクの融点以上の温度に調節すると共に、各タンク11,12及びインク流路13,20の温度をインクの凝固点より高く、かつ、インクの融点よりも低い温度に調節する。すなわち、インクの融点よりも凝固点の方が低いので、インクを一旦融解させた後はインクが液体を保つことができる温度まで下げることで、各加熱部22,23のエネルギー消費量を減らすことができ、省エネルギー化を図ることができる。
(4)相転移温度にヒステリシスがあるインクの供給方法(その2)
次に、インクの相転移温度にヒステリシスがある場合のインクの供給方法(その2)について説明する。
図9に示すように、インクジェットプリンタ100の電源をONにすると、制御部8は、空気圧センサ18により検出されたエアチャンバー15内の空気圧が予め設定された所定の設定値となるように加減圧ポンプ16によるエアチャンバー15内の空気の給排気を制御する(ステップS31)。これにより、ヘッド10内の背圧制御が行われる。
次いで、制御部8は、メインタンク11、サブタンク12、インク流路13,20がインクの融点以上の温度になるように、すなわち、これらの内部のインクが固体から液体になるように、温度調節を行う(ステップS32)。
つまり、メインタンク11,サブタンク12内のインク圧力を所定の圧力に調整し、これらのインクタンクを含むインク流路13,20が固体から液体となるように温度調節を行う。
温度調節においては、制御部8が温度センサ22s,23sにより検出される温度がインクの融点以上の温度(予め設定しておく)となるようにタンク加熱部22、流路加熱部23による各部の加熱を個別に行う。
次いで、制御部8は、空気圧センサ18により検出された空気圧が設定値となっているか否かを判定する(ステップS33)。
ステップS33において、制御部8は、空気圧が設定値になっていると判定した場合(ステップS33:Yes)、制御部8は、温度センサ22s,23sにより検出された温度がインクの融点以上の温度であるか否かを判定する(ステップS34)。
ステップS34において、制御部8は、温度センサ22s,23sにより検出された温度がインクの融点以上の温度であると判定した場合(ステップS34:Yes)、制御部8は、ヘッド10がインクの融点以上の温度になるように、すなわち、ヘッド10の内部のインクが固体から液体になるように、温度調節を行う(ステップS35)。
温度調節においては、制御部8が温度センサ24sにより検出される温度がインクの融点以上の温度(予め設定しておく)となるようにヘッド加熱部24による各部の加熱を個別に行う。
次いで、制御部8は、メインタンク11、サブタンク12、インク流路13,20がインクの凝固点より高く、かつ、インクの融点よりも低い温度になるように、温度調節を行う(ステップS36)。すなわち、制御部8は、メインタンク11、サブタンク12、インク流路13,20のインクを液体の状態で維持しながらもそれぞれの温度をインクが固化しない温度まで下げて省エネルギー化を図るというものである。
温度調節においては、制御部8が温度センサ22s,23sにより検出される温度がインクの凝固点T2より高く、かつ、インクの融点T1よりも低い温度T3(T2<T3<T1)となるようにタンク加熱部22、流路加熱部23による各部の加熱を個別に行う。
次いで、制御部8は、温度センサ24sにより検出された温度がインクの融点以上の温度であるか否かを判定する(ステップS37)。
次いで、制御部8は、ヘッド10がインクの凝固点より高く、かつ、インクの融点よりも低い温度になるように、温度調節を行う(ステップS38)。すなわち、制御部8は、ヘッド10のインクを液体の状態で維持しながらもそれぞれの温度をインクが固化しない温度まで下げて省エネルギー化を図るというものである。
温度調節においては、制御部8が温度センサ24sにより検出される温度がインクの凝固点T2より高く、かつ、インクの融点T1よりも低い温度T3(T2<T3<T1)となるようにヘッド加熱部24による各部の加熱を個別に行う。
次いで、制御部8は、温度センサ22s,23sにより検出された温度がインクの凝固点より高く、かつ、インクの融点よりも低い温度であるか否かを判定する(ステップS39)。
ステップS39において、制御部8は、温度センサ22s,23sにより検出された温度がインクの凝固点より高く、かつ、インクの融点よりも低い温度であると判定した場合(ステップS39:Yes)、制御部8は、温度センサ24sにより検出された温度がインクの凝固点より高く、かつ、インクの融点よりも低い温度であるか否かを判定する(ステップS40)。
そして、ステップS40において、制御部8は、温度センサ24sにより検出された温度がインクの凝固点より高く、かつ、インクの融点よりも低い温度であると判定した場合(ステップS40:Yes)、制御部8は、背圧が制御されたヘッド10からインクが吐出可能な状態であると判定し、駆動モータ4m、ヘッド10等を駆動させて記録媒体に画像の形成を行わせる。
このように、制御部8は、各タンク11,12のインク圧力を調整した上で、ヘッド10の温度をインクの融点以上の温度に調節した後に、ヘッド10の温度をインクの凝固点より高く、かつ、インクの融点よりも低い温度に調節する。すなわち、インクの融点よりも凝固点の方が低いので、インクを一旦融解させた後はインクが液体を保つことができる温度まで下げることで、ヘッド加熱部24のエネルギー消費量を減らすことができ、省エネルギー化を図ることができる。
なお、本実施態様においては、ステップ39,40の判定ステップを経た後に画像形成を行っているが、係る構成は安定したヘッド温度下での印字を実現するための制御フローであり、迅速な画像形成のためには必須な制御フローではない。
3.電源遮断方法
次に、インクジェットプリンタ100における電源遮断方法について説明する。
(1)通常の電源遮断方法
図10に示すように、入力操作部26によりインクジェットプリンタ100の電源をOFFにする入力がなされると、制御部8は、ヘッド10の温度制御を停止する(ステップS41)。具体的には、制御部8は、ヘッド加熱部24への通電を停止し、ヘッド10を自然放熱により冷却する。
次いで、制御部8は、温度センサ24sにより検出された温度がインクの凝固点以下の温度であるか否かを判定する(ステップS42)。
そして、ステップS42において、制御部8は、温度センサ24sにより検出された温度がインクの凝固点以下であると判定した場合(ステップS42:Yes)、制御部8は、電源をOFFにすることが可能な状態であると判定し、インクジェットプリンタ100の電源をOFFにする。
このように、制御部8がヘッド10の温度をインクの凝固点以下の温度に調節してインクを固化させてから、制御部8は電源をOFFにするので、ヘッド10内の圧力が維持されずに、ヘッド10からのインク漏れを抑えることができる。よって、インクの浪費をなくし、ヘッド10のノズルのメンテナンスの手間を軽減することができる。
(2)各部のインクが固化するまで背圧制御を行う場合の電源遮断方法
図11に示すように、入力操作部26によりインクジェットプリンタ100の電源をOFFにする入力がなされると、制御部8は、ヘッド10の温度制御を停止する(ステップS51)。具体的には、制御部8は、ヘッド加熱部24への通電を停止し、ヘッド10を自然放熱により冷却する。
次いで、制御部8は、温度センサ24sにより検出された温度がインクの凝固点以下の温度であるか否かを判定する(ステップS52)。
ステップS52において、制御部8は、温度センサ24sにより検出された温度がインクの凝固点以下の温度であると判定した場合(ステップS52:Yes)、制御部8は、各タンク11,12及びインク流路13,20の温度制御を停止する(ステップS53)。具体的には、制御部8は、タンク加熱部22及び流路加熱部23への通電を停止し、各タンク11,12及びインク流路13,20を自然放熱により冷却する。
次いで、制御部8は、温度センサ22s,23sにより検出された温度がインクの凝固点以下の温度であるか否かを判定する(ステップS54)。
ステップS54において、温度センサ22s,23sにより検出された温度がインクの凝固点以下の温度であると判定した場合(ステップS54:Yes)、制御部8は、ヘッド10内の背圧制御を停止する(ステップS55)。
そして、制御部8は、インクジェットプリンタ100の電源をOFFにする。
このように、制御部8がヘッド10の温度をインクの凝固点以下の温度に調節してインクを固化させてから、各タンク11,12及びインク流路13,20の温度をインクの凝固点以下の温度に調節してインクを固化させ、その後に電源をOFFにする。これにより、ヘッド10よりも上流側にあるインクが先に冷却されてヘッド10内の空気が冷却され、ヘッド10内の空気の体積が減少することによるヘッド10内の負圧の発生によりヘッド10内に空気を吸い込むのを抑えることができる。よって、ヘッド10のノズルのメンテナンスの手間を軽減することができる。
また、制御部8は、ヘッド10の温度がインクの凝固点以下になるまでヘッド10内のインクにかかる圧力を調節するので、ヘッド10のインクが固化するまでヘッド10内の負圧を維持することができ、ヘッド10から漏れるのを抑えることができる。
すなわち、インクが固化する前に背圧の制御を終了させてしまうと、水頭差によりヘッド10の固体状のインクに圧力がかかる。圧力がかかると、固体状のインクがノズルから押し出されるような状態となる。そこで、ヘッド10、タンク11,12、インク流路13,20内のインクが全て固化するまで背圧制御を行うことで、このような問題を解消することができる。
よって、インクの浪費をなくし、ヘッド10のノズルのメンテナンスの手間を軽減することができる。
なお、図11のように、電源OFFの要求が入力された場合に、ヘッド温度調整を停止してヘッド温度が当該ヘッド内のインクが固化する温度となっているかを確認した後に流路部の温度調整を順次行う代わりに、図12のように、図6の電源ON時と同様、ヘッドと流路部の温度調整を同時に制御してヘッド温度が流路部の温度よりも低くなるように制御する構成を採用してもよい。
つまり、図12では、入力操作部26によりインクジェットプリンタ100の電源をOFFにする入力がなされると、制御部8は、ヘッド10の温度制御を停止する(ステップS61)。具体的には、制御部8は、ヘッド加熱部24への通電を停止し、ヘッド10を自然放熱により冷却する。
次いで、制御部8は、各タンク11,12及びインク流路13,20の温度制御を停止する(ステップS62)。具体的には、制御部8は、タンク加熱部22及び流路加熱部23への通電を停止し、各タンク11,12及びインク流路13,20を自然放熱により冷却する。
ステップS63において、制御部8は、温度センサ24sにより検出された温度がヘッド内のインクの凝固点以下の温度であるか否かを判定する(ステップS63)。
ステップS63において、制御部8は、温度センサ24sにより検出された温度がヘッド内のインクの凝固点以下の温度であると判定した場合(ステップS63:Yes)、電源をOFFする。
また、ステップS63において、制御部8が温度センサ24sにより検出された温度がインクの凝固点より高い温度であると判定した場合(ステップS63:No)、制御部8は、各タンク11,12及びインク流路13,20の温度が、ヘッドの温度よりも温度センサの測定誤差や温度ムラのマージン分αを考慮した実質的なヘッド温度よりも低い温度かどうかを判定する(ステップS64)。
ステップS64において、各タンク及びインク流路の温度が実質的なヘッド温度よりも低いと判断した場合には(ステップS64:Yes)、ステップS65において、各タンク及びインク流路の温度制御が停止しているか否かを判定する(ステップS65)。
ステップS65において、温度制御が停止していると判断した場合には(ステップS65:Yes)、各タンク11,12及びインク流路13,20の温度制御を開始する(ステップS66)。一方、温度制御が停止していないと判断した場合には(ステップS65:No)、ステップS63に戻り、当該判断ステップを再度行う。
また、ステップS64において各タンク及びインク流路の温度がヘッド温度よりも高いと判断した場合には(ステップS64:No)、再び各タンク11,12及びインク流路13,20の温度制御を停止する。このようにする事により、ヘッド部の温度が流路部の温度を超えないように監視しながら流路部の温度制御を実施することで迅速にかつ精度良くヘッド内のインクを流路部内のインクよりも先に固化させる事ができる。
つまり、ヘッド、流路部の温度調整を同時制御する事により、それぞれを順に温度制御する構成と比較して迅速かつ信頼性の高い電源OFFの制御が可能になる。
4.変形例
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、発明の本質的部分を変更しない範囲内で自由に設計変更が可能である。
上記実施形態においては、インク供給装置は、空気圧を用いてヘッドの背圧制御をしているが、冒頭で述べたように、これをヘッドのノズル面とタンクの液面との水頭差を利用してヘッドの背圧制御をする構成であってもよい。
具体的には、図13に示すように、水頭式のインク供給装置50は、タンク51にインク流路52を介してヘッド53が接続されている。各ヘッド53の下方には、ヘッド53のノズル面から排出された排インクを受けるインク受け54が設けられ、ポンプ55によりインク受け54に溜まったインクが吸引されて排インクタンク56に排出される。
タンク51には、固形インクが投入できるようになっており、タンク51内の固形インクは上記実施形態と同様、タンク加熱部によって加熱され、融解される。
タンク51は、支持台57に取り付けられており、支持台57はエアシリンダ58により上下方向に移動自在とされている。すなわち、エアシリンダ58は上下動機構として機能する。
そして、タンク51内のインクの液面を検出する液面検出部(図示せず)の検出値から、ヘッド53のノズル面との相対高さに基づいて、タンク内圧力を調整すべく制御部(液面制御部)によりエアシリンダ58を駆動させて支持台57が上下方向に移動すると、タンク51も上下方向に移動させる。これにより、ヘッド53のノズル面とタンク51の液面の水頭差hを調節してヘッド53の背圧制御を簡易且つ低コストに行う事ができる。
また、支持台57を上下動させずに、タンク内のインク液面高さを調整するようにタンク51内へのインク供給を制御して液面を制御する液面制御部で背圧を制御する構成でも良い。
この場合の電源遮断方法は、図14に示すように、入力操作部によりインクジェットプリンタの電源をOFFにする入力がなされると、制御部は、ヘッド53の温度制御を停止する(ステップS71)。具体的には、制御部は、ヘッド加熱部への通電を停止し、ヘッド53を自然放熱により冷却する。
次いで、制御部は、タンク51及びインク流路52の温度制御を停止する(ステップS72)。具体的には、制御部は、タンク加熱部及び流路加熱部への通電を停止し、タンク51及びインク流路52を自然放熱により冷却する。
これにより、全ての加熱部の通電が停止されたので、制御部は、電源をOFFにすることが可能な状態であると判定し、インクジェットプリンタの電源をOFFにする。
なお、上述した電源遮断方法の際の電源OFFまでの制御フローは、タンク加熱部及び流路加熱部、ヘッド加熱部の温度調節を手動もしくは自動によりOFF入力する省電力モード入力部でも同様に適用可能である。
つまり、手動により、もしくは自動的にタンク加熱部、流路加熱部及びヘッド加熱部の温度調節制御のOFFを入力する省電力モード入力部が入力されると、制御部8は、温度センサ24sにより検出された温度がインクの凝固点以下の温度であるか否かを判定し、温度センサ24sにより検出された温度がインクの凝固点以下であると判定した場合には、当該温度調節制御を停止する事が可能な状態であると判定し、当該ヘッド加熱部の温度調節制御をOFFにする。
同様に、上述した「(2)各部のインクが固化するまで背圧制御を行う場合の電源遮断方法」で示した具体的な制御フローも、インクが固化するまで背圧制御を行う場合のタンク加熱部、流路加熱部及びヘッド加熱部の温度調節遮断方法」として同様に置換適用可能である。
[第2の実施形態]
本実施形態は、前述した通り、インクジェットヘッドのノズル内部のインク液面と、インク収納部内のインクの液面の水頭値差を背圧制御装置によって制御する構成に係るものであり、背圧制御装置を停止或いは待機状態にしても、メニスカスの背圧が大気圧より大きくなってノズルからインクが押し出されてしまうことを防止して、インクが無駄に消費されることを抑制する技術について、説明する。
図15は本発明の第2実施形態のインクジェット記録装置の全体構成図である。図15に示すように本実施形態のインクジェット記録装置(インクジェットプリンタ)100aは、インクジェットヘッド(以下単に「ヘッド」という。)10aと、キャリッジ333と、キャリッジレール444と、保湿ユニット5と、メンテナンスユニット7と、インクタンク250と、インク流路260と、制御部30(図22参照)とを備えて構成される。
インクジェット記録装置100aにより画像が形成される記録媒体130は、図15における記録領域Cを通過するようにして、図15における主走査方向Aと直交した副走査方向に搬送される。記録媒体130の搬送は図示しない搬送手段によって行われる。
キャリッジ333はヘッド10aを搭載し、キャリッジレール444に沿ってホームポジション領域Bからメンテナンス領域Dにかけて矢印A方向に移動する。記録領域Cにおいては、キャリッジ333の動作により、記録媒体130上の主走査が行われる。
この主走査中にヘッド10aが、記録媒体130に向けてインクを吐出することで記録媒体130に画像を形成する。ノズル吐出方向が垂直下向きとなるようにヘッド10aを垂直置きする場合や、ノズル吐出方向が水平方向となるようにヘッド10aを水平置きする場合があるが、その他の方向でも実施可能である。いずれの場合でも、ヘッド10aは、インクを吐出するためのノズル152(図21参照)の吐出口が配列されたノズル面15bが記録媒体130と対向するように設置される。
本実施形態に係るインクジェット記録装置100aでは、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の4色のインクを吐出できるよう、合計で4個のヘッド10aがキャリッジ333に設置される。中央に図示されるヘッド10aの奥側にもう1つのヘッド10aが配置されている。
インクタンク250はヘッド10aに供給されるインクを収納するインク収納部である。インクタンク250は例えばセラミックス等により形成されていて、1個のヘッド10aに対して1個が設置される。インク流路260はヘッド10aとインクタンク250とを連通する形態で設置され、インクタンク250からヘッド10aにインクを導く。
図16はインクタンク250とヘッド10aとの関係を示す模式図である。図16に示すように、インクタンク250の下端面には、インク流路260が接続されている。また、インクタンク250の一側面には、インクタンク250内のインクを加熱するための第二加熱手段としての第二ヒーター部32と、インクタンク250内のインクの温度を検出するための第二温度センサ33とが設けられている。
また、インクタンク250には、ヘッド10aのノズル152内のメニスカスの背圧を制御する貯留部圧力調節部としての背圧制御部34が設けられている。この背圧制御部34には、インクタンク250内の圧力を検出する圧力センサ341と、インクタンク250内のインク量を検出するレベル検知センサ342と、インクタンク250内の内圧を調整するためのポンプ343と、ポンプ343及び外気の連通を開閉するバルブ344とを備えている。
メンテナンスユニット7は図15に示すようにメンテナンス領域Dに配置され、吸引キャップ88と、清掃ブレード111と、インク受器120と、吸引ポンプ9と、廃インクタンク110等を有して構成される。メンテナンスユニット7は一連のメンテナンス動作により、ヘッド10a内の異物を除去してヘッド10aのインク吐出状態を良好な状態に回復させる。
吸引キャップ88は吸引ポンプ9を介して廃インクタンク110と連通しており、メンテナンス動作時には上昇してヘッド10aのノズル面15bを覆う。吸引キャップ88は4個が備えられる。吸引キャップ88は、上述の様に上昇した時に全てのヘッド10aのノズル面15b、15b、…を覆うことができるよう、ヘッド10aのキャリッジ333での配列に対応して配列される。
吸引ポンプ9はシリンダーポンプやチューブポンプを有して構成される。吸引ポンプ9は吸引キャップ88がノズル面15bを覆った状態で作動することにより、吐出口からヘッド10a内部のインクを異物とともに吸引するための吸引力を発生する。
清掃ブレード111はヘッド10aのインク吸引後、ノズル面15bに付着しているインクを除去する。その後、インク受器120はヘッド10aが予備吐出したインクを受ける。廃インクタンク110は吸引ポンプ9の動作によりヘッド10aから吸引されたインクや、ヘッド10aから予備吐出されたインクを貯留する。
保湿ユニット5はホームポジション領域Bに配置され、保湿キャップ6を有して構成される。保湿キャップ6は、ヘッド10aが待機状態にある時、ノズル面15bを覆うことでヘッド10aのインクを保湿する。保湿キャップ6は4個が備えられる。これら4個の保湿キャップ6は、4個のヘッド10aのノズル面15bを同時に覆うことができるよう、ヘッド10aの配列に対応して配列される。
次に、ヘッド10aについて説明する。図17はヘッド10aの全体構成を示す斜視図であり、図18はヘッド10aの要部構成を示す斜視図、図19及び図20はヘッド10aの一部を示す斜視図、図21はヘッド10aの内部構成を示すため一部を破断させた斜視図である。図17〜図21に示すように、ヘッド10aには、筐体フレーム140と、インクジェットヘッドチップ(以下単に「ヘッドチップ」という。)150と、マニホールド160と、天板170と、フレキシブル配線基板180と、駆動回路基板190と、外部コネクタ210と、カバー240とが備えられている。
筐体フレーム140は、ヘッドチップ150、マニホールド160、天板170、フレキシブル配線基板180、駆動回路基板190及び外部コネクタ210を支持している。そして、これらを囲うように、筐体フレーム140にはカバー240が取り付けられている。カバー240の上部からは外部コネクタ210が露出している。また、筐体フレーム140の一端部には、インク流路260が接続される供給用接続部141が設けられていて、他端部には図示しないインク排出用流路が接続される排出用接続部142が設けられている。
マニホールド160は、インク流路260から流入したインクをヘッドチップ150に供給するものである。マニホールド160の内側底部には、ヘッドチップ150が長手方向に沿って配置されている。マニホールド160の底部は開口となっているが、ヘッドチップ150の配線基板151がこの開口を閉塞するように取り付けられている。また、マニホールド160の一側面には、フレキシブル配線基板180が取り付けられていて、このフレキシブル配線基板180はヘッドチップ150の配線基板151に電気的に接続されている。マニホールド160の一端部には、供給用接続部141に連通する導入用インクポート161が形成されていて、他端部には排出用接続部142に連通する排出用インクポート162が形成されている。また、配線基板151の底面には、ヘッド10aのノズル面15bを形成する天板170が積層されている。天板170は、インクタンク250及びインク流路260の少なくとも一方よりも熱伝導率の高い素材(例えばアルミニウム等)により形成されている。天板170には、ヘッドチップ150の各ノズル152を露出するためのスリット171が形成されている。ヘッドチップ150のノズル152から吐出されたインクは、天板170のスリット171を介して外部に吐出されることになる。天板170には、第一温度センサ172が取り付けられている。この第一温度センサ172はヘッド10a内のインクの温度を検出するためのものである。第一温度センサ172には、フレキシブル配線基板173が接続されており、その検出信号を外部に出力できるようになっている。また、マニホールド160の周囲には、ヘッド10a内のインクを加熱するための第一加熱手段としての第一ヒーター部164が配置されている。
図22は、本実施形態のインクジェット記録装置100aの主制御構成を示すブロック図である。図22に示すように、インクジェット記録装置100aの制御部30には、ヘッド10a、第一ヒーター部164、第二ヒーター部32、第一温度センサ172、第二温度センサ33及び背圧制御部34等が電気的に接続されている。
背圧制御部34は、ノズル152内のメニスカスの背圧を制御し、射出が可能なようにメニスカスをコントロールするものである。具体的には、背圧制御部34は、インクタンクに取り付けられた圧力センサ341の値を読み取り、吐出時にはノズル152内のメニスカスの背圧が負圧になるように可逆可能なポンプ343によって吸引を行い制御するものである。
制御部30は、CPU(中央演算装置)と、メモリとを有して構成され、インクジェット記録装置100aの各構成要素を制御する。メモリは、記録媒体130に形成する画像のデータや、インクジェット記録装置100aの各構成要素を制御するためのプログラムを記憶している。CPUは、メモリに格納された画像のデータやプログラムに基づいて演算を行ない、この演算結果に基づいて各構成要素に制御信号を送信する。
例えば、待機時のようにインクが冷却される場合においては、制御部30は、第一ヒーター部164をオフ状態にし、第一温度センサ172の検出結果が所定温度以下になったら、背圧制御部34によって背圧制御を待機状態又は停止状態にするとともに第二ヒーター部32もオフ状態とする。一方、インク吐出時のようにインクを加熱する場合においては、制御部30は、第一ヒーター部164及び第二ヒーター部32をオン状態とし、第一温度センサ172の検出結果が所定温度よりも高くなったら、背圧制御部34によってノズル152内のメニスカスの背圧を制御し、射出が可能なように背圧制御を開始する。
ここで、所定温度は、インクジェット記録装置100aで用いられるインクの種類によって異なる値が適用される。例えば熱溶融性固体インクである場合には所定温度として凝固点が適用される。また、ゲルインクである場合には所定温度としてインク組成物の相対転移温度が適用される。ここでゲルインクのゲル状態とは、ラメラ構造、共有結合や水素結合した高分子網目、物理的な凝集によって形成される高分子網目により溶質が独立した運動性を失って集合した構造を持ち、急激な粘度上昇や著しい弾性増加を伴って固化又は半固化した状態のことを言う。図23は、一例としてのゲルインクの粘度−温度線図である。図23のゲルインクは50度から60度の範囲で相変化・液状化し70度から80度で7cpから8cp程度の粘度となり良好な吐出が可能となる。インク組成物のゾル−ゲルによる相対転移温度は、吐出安定性、熱重合防止性の面から、40度以上100度以下であることが好ましく、より好ましくは45度以上80度以下である。インク組成物の相対転移温度が40度以上であれば、印字環境温度に影響されることなく安定してドット合一のない画像を形成することができる。インク組成物の相対転移温度は、粘弾性測定装置physica MCR301などでシュアレート20(1/S)で測定し、粘度が急激に降下する温度をいう。
次いで、本実施形態のインクジェット記録装置100aの作用について説明する。
まず、インク加熱時の流れを図24に基づいて説明する。ステップS81では、制御部30は、第一ヒーター部164及び第二ヒーター部32をオン状態にする。
ステップS82では、制御部30は、第一温度センサ172の検出結果が所定温度よりも高いか否かを判断し、高い場合にはステップS83に移行し、所定温度以下である場合にはそのまま温度測定を継続する。
ステップS83では、制御部30は、背圧制御部34を制御して、ノズル152内のメニスカスのコントロールを開始し、背圧を負圧にする。
ステップS84では、制御部30は、ヘッド10aを制御して、インク吐出を実行する。
なお、S82で検出する所定温度は、背圧を制御していない状態でヘッドのインクが液体になるとヘッドのノズルからインクが漏れたり、逆に空気を巻き込んだりするため、インクが個体から溶解するが、完全な液体となる前の状態の温度である。
次に、インク吐出後のインク冷却時の流れを図25に基づいて説明する。ステップS91では、制御部30は、第一ヒーター部164をオフ状態とする。
ステップS92では、制御部30は、第一温度センサ172の検出結果が所定温度よりも高いか否かを判断し、高い場合にはそのまま温度測定を継続し、所定温度以下である場合にはステップS93に移行する。
ステップS93では、制御部30は、背圧制御部34を制御して、停止状態又は待機状態にして、ノズル152内のメニスカスのコントロールを停止する。
ステップS94では、制御部30は、第二ヒーター部32をオフ状態として、インクの冷却を終了する。
なお、このS92の所定温度は、インクがゲル状の時の温度である。
以上のように、本実施形態によれば、吐出動作を休止しインクが冷却される場合には、第一ヒーター部164をオフ状態にし、第一温度センサ172の検出結果が所定温度以下になったら、背圧制御部34によって背圧制御を停止状態又は待機状態にするとともに第二ヒーター部32もオフ状態としているので、インクが十分冷却され、インクの粘度も十分に高くなるように、背圧制御を停止状態又は待機状態にすることができる。これにより、ノズル152からインクが押し出されてしまうことが防止でき、インクが無駄に消費されることを抑制することが可能となる。
また、インクが冷却される際にはインクの体積収縮によってノズル152から空気を巻き込むおそれもあるが、インクが十分冷却されるまで吐出時の背圧が維持されているので、ノズル152からの空気混入を防止することも可能である。これにより、インク混入に基づく吐出不良を防止することもできる。
また、インクを加熱する場合には、第一ヒーター部164及び第二ヒーター部32をオン状態とし、第一温度センサ172の検出結果が所定温度よりも高くなったら、背圧制御部34によって背圧制御を開始し、ノズル152内のメニスカスをコントロールしているので、インクを無駄に消費することなく、効率よくインクを吐出可能な状態にすることができる。
そして、天板170がインクタンク250やインク流路260よりも熱伝導率の高い素材により形成されているので、ノズル152側のインクから先に加熱/冷却することができ、ノズルからのインクの漏れ出しを効率的に防止することが可能となる。
なお、本発明は上記実施形態に限らず適宜変更可能である。以下の説明において、上記実施形態と同一部分は、同一符号を付してその説明を省略する。
例えば、上記実施形態においては、背圧制御部34がポンプ343によりメニスカスをコントロールする場合を例示したが、その他コンプレッサー等の圧力調整手段を用いることも可能である。また、圧力調整手段以外にも、インクタンク250を昇降させて、インクタンク250とヘッド10aとの高低差を調整することにより、ノズル152内のメニスカスをコントロールすることも可能である。
また、図26に示すように、インクタンク250及びインク流路260を断熱材270で囲って断熱構造とすることが、外気の影響を押さえることができ、インクの温度制御をする上で好ましい。
また、ヘッド10b内のインクを強制的に冷却/加熱するための温度調整手段をさらに設けてもよい。図27A,27B,27Cは、温度調整手段を搭載したインクジェットヘッドの概略構成を示す説明図であり、図27Aは側面図、図27Bは下面図、図27Cは正面図である。この図27A,27B,27Cに示すようにヘッド10bの下部には、温度調整手段500が設けられている。温度調整手段500は、マニホールド160を取り巻くように筐体フレーム140に取り付けられている。温度調整手段500は、内部に冷水若しくは温水が流れる案内管510を有していて、この案内管510が筐体フレーム140の周囲に配設されている。この案内管510には、当該案内管510内に液体を循環させる液体供給部(図示省略)が接続されている。液体供給部は、液体を加熱若しくは冷却する機能を有しており、制御部30の制御に基づいて液体を加熱するか冷却するかを決定している。
例えば、上記実施形態においては、温度調整手段500は筐体フレーム140を取り巻くように取り付ける場合を例示して説明したが、筐体フレーム140内部のマニホールド160を取り巻くように温度調整手段500を取り付けることも可能である。
そして、加熱時には図28に示すように、ステップS101で、制御部30は、第一ヒーター部164及び第二ヒーター部32をオン状態にする。
ステップS102では、制御部30は、温度調整手段500の液体供給部を制御して、加熱した液体を案内管510内に循環させる。これにより、マニホールド160内のインクも加熱される。
ステップS103では、制御部30は、第一温度センサ172の検出結果が所定温度よりも高いか否かを判断し、高い場合にはステップS104に移行し、所定温度以下である場合にはそのまま温度測定を継続する。
ステップS104では、制御部30は、背圧制御部34を制御して、背圧制御を開始し、ノズル内のメニスカスをコントロールする。
ステップS105では、制御部30は、温度調整手段500の液体供給部を制御して、温度調整手段500による加熱を停止する。
ステップS106では、制御部30は、ヘッド10bを制御して、インク吐出を実行する。
他方、冷却時には図29に示すように、ステップS111で、制御部30は、第一ヒーター部164をオフ状態とする。
ステップS112では、制御部30は、温度調整手段500の液体供給部を制御して、冷却した液体を案内管510内に循環させる。これにより、マニホールド160内のインクも冷却される。
ステップS113では、制御部30は、第一温度センサ172の検出結果が所定温度よりも高いか否かを判断し、高い場合にはそのまま温度測定を継続し、所定温度以下である場合にはステップS114に移行する。
ステップS114では、制御部30は、背圧制御部34を制御して、停止状態又は待機状態にして、ノズル152内のメニスカスのコントロールを停止する。
ステップS115では、制御部30は、温度調整手段500の液体供給部を制御して、温度調整手段500による冷却を停止する。
ステップS116では、制御部30は、第二ヒーター部32をオフ状態として、インクの冷却を終了する。
このように、インクの加熱時においては温度調整手段500による加熱を実行し、インクの冷却時においては温度調整手段500による冷却を実行するので、インクの温度調整を迅速に行うことが可能となる。
本発明は、以上のように構成されていることから、インクジェット記録装置、インク供給方法、電源遮断方法及びインクジェット記録装置の温度調節部遮断方法に利用できる。
8 制御部(圧力調節部、温度調節部、給排気制御部、位置制御部)
10、10a、10b ヘッド
11 メインタンク(駐留部)
12 サブタンク(駐留部)
13 インク流路(流路部)
14 送液ポンプ(ポンプ)
15 エアチャンバー(チャンバー)
16 加減圧ポンプ
18 空気圧センサ(圧力検出部)
20 インク流路(流路部)
22 タンク加熱部
22s 温度センサ
23 流路加熱部
23s 温度センサ
24 ヘッド加熱部
24s 温度センサ
26 入力操作部(入力部)
58 エアシリンダ(上下動機構)
100、100a インクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)
333 キャリッジ
444 キャリッジレール
5 保湿ユニット
6 保湿キャップ
7 メンテナンスユニット
88 吸引キャップ
9 吸引ポンプ
110 廃インクタンク
111 清掃ブレード
120 インク受器
130 記録媒体
140 筐体フレーム
150 ヘッドチップ
15b ノズル面
160 マニホールド
170 天板
180 フレキシブル配線基板
190 駆動回路基板
210 外部コネクタ
240 カバー
250 インクタンク(貯留部)
260 インク流路
270 断熱材
30 制御部
32 第二ヒーター部(第二加熱手段)
33 第二温度センサ
34 背圧制御部(貯留部圧力調節部)
500 温度調整手段
510 案内管
141 供給用接続部
142 排出用接続部
151 配線基板
152 ノズル
161 導入用インクポート
162 排出用インクポート
164 第一ヒーター部
171 スリット
172 第一温度センサ(温度センサ)
173 フレキシブル配線基板
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載のインクジェット記録装置において、
前記制御部は、前記省電力モード入力部によるOFF入力がされた場合に、前記温度調節部により前記ヘッド内のインクを固体となるように制御した後に前記流路部内のインクを固体となるように制御してから前記温度調節部をOFFにすることを特徴とする
請求項15に記載の発明は、請求項に記載のインクジェット記録装置において、
前記温度調節部は、前記ヘッド内のインクを加熱するための第一加熱手段と、前記駐留部内のインクを加熱するための第二加熱手段と、
前記ヘッド内のインクの温度を検出するための温度センサと、
前記第一加熱手段、前記第二加熱手段及び前記駐留部圧力調節部を制御する制御部と、を備え、
インクを冷却する場合、前記制御部は、前記第一加熱手段をオフ状態にし、前記温度センサの検出結果が所定温度以下の場合に、前記駐留部圧力調節部を待機状態又は停止状態にしてから前記第二加熱手段をオフ状態とすることを特徴とする。
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載のインクジェット記録装置において、
インクを加熱する場合、前記制御部は、前記第一加熱手段及び前記第二加熱手段をオン状態とし、前記温度センサの検出結果が所定温度よりも高くなったら、前記駐留部圧力調節部によって背圧制御を開始することを特徴とする。
請求項18に記載の発明は、請求項15〜17のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記ヘッドのノズル面を形成する天板は、前記駐留部及び前記流路部の少なくとも一方よりも熱伝導率の高い素材により形成されていることを特徴とする。
請求項19に記載の発明は、請求項15〜18のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記駐留部と、前記流路部とは、断熱構造を有することを特徴とする。
請求項25に記載の発明は、インクの液滴を吐出するヘッドと、前記ヘッドにインクを供給するための、インクを駐留する駐留部を一部に含む流路部と、前記流路部及び前記ヘッドの温度を個別に調節可能な温度調節部と、電源OFFを入力可能な入力部とを備えたインクジェット記録装置における電源遮断方法において、
前記電源のOFFを入力する第1ステップと、
前記駐留部内のインクを所定の圧力に調整して前記ヘッドの温度を前記ヘッド内のインクが固体となる温度にする第2ステップと、
前記第ステップ後、前記電源をOFFにする第3ステップと、
を有することを特徴とする。
請求項26に記載の発明は、請求項25に記載の電源遮断方法において、
前記第2ステップ後、且つ、前記第3ステップ前に、前記流路部の温度を前記流路部内のインクが固体となる温度にする第4ステップを有することを特徴とする。
請求項29に記載の発明は、請求項28に記載の温度調節部の遮断方法において、
前記第2ステップ後、且つ、前記第3ステップ前に、前記流路部の温度を前記流路部内のインクが固体となる温度にする第4ステップを有することを特徴とする。
インクタンク250はヘッド10aに供給されるインクを収納するインク収納部である。インクタンク250は例えばセラミックス等により形成されていて、1個のヘッド10aに対して1個が設置される。インク流路260はヘッド10aとインクタンク250とを連通する形態で設置され、インクタンク250からヘッド10aにインクを導く。
図16はインクタンク250とヘッド10aとの関係を示す模式図である。図16に示すように、インクタンク250の下端面には、インク流路260が接続されている。また、インクタンク250の一側面には、インクタンク250内のインクを加熱するための第二加熱手段としての第二ヒーター部32と、インクタンク250内のインクの温度を検出するための第二温度センサ33とが設けられている。
また、インクタンク250には、ヘッド10aのノズル152内のメニスカスの背圧を制御する駐留部圧力調節部としての背圧制御部34が設けられている。この背圧制御部34には、インクタンク250内の圧力を検出する圧力センサ341と、インクタンク250内のインク量を検出するレベル検知センサ342と、インクタンク250内の内圧を調整するためのポンプ343と、ポンプ343及び外気の連通を開閉するバルブ344とを備えている。

Claims (30)

  1. インクの液滴を吐出するヘッドと、前記ヘッドにインクを供給するための、インクを駐留する駐留部を一部に含む流路部と、前記流路部と前記ヘッドとを各々独立して温度調節可能な温度調節部と、を備えたインクジェット記録装置であって、
    前記温度調節部は、前記流路部内のインクが固体から液体となるようにした後、前記ヘッド内のインクが固体から液体となるように前記流路部及び前記ヘッドの温度を制御することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記駐留部内のインクにかかる圧力を調節する駐留部圧力調節部を備え、
    前記温度調節部は、前記駐留部圧力調節部により圧力を調節し、前記流路部内のインクが固体から液体となるようにした後、前記ヘッド内のインクが固体から液体となるように前記流路部及び前記ヘッドの温度を制御することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記駐留部圧力調節部は、前記ヘッド内のインクが液体になる前に前記ヘッド内のインクにかかる圧力を調節するように制御することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記温度調節部は、前記流路部内のインクを液体にした後に前記ヘッド内のインクを液体とし、その後に前記流路部内のインクを当該インクの凝固点より高く、かつ、融点よりも低い温度となるように制御することを特徴とする請求項2又は3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記温度調節部は、前記ヘッド内のインクを液体とした後、当該ヘッド内のインクを凝固点より高く、かつ、融点よりも低い温度となるように制御することを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記温度調節部は、前記流路部の温度が前記ヘッドの温度よりも高くなるように前記流路部と前記ヘッドの両方の温度を監視しながら制御することを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  7. インクの液滴を吐出するヘッドと、前記ヘッドにインクを供給するためのインクを駐留する駐留部を一部に含む流路部と、前記駐留部内のインクにかかる圧力を調節する駐留部圧力調節部と、前記流路部と前記ヘッド部とを独立して温度調節可能な温度調節部と、電源OFFを入力する入力部と、前記電源の制御を行う制御部と、を備えたインクジェット記録装置であって、
    前記制御部は、前記入力部により電源のOFFが入力された場合に、前記駐留部圧力調節部により圧力を調節し、前記温度調節部により前記ヘッド内のインクが固体となるように制御してから前記電源をOFFにすることを特徴とするインクジェット記録装置。
  8. 前記制御部は、前記入力部により電源のOFFが入力された場合に、前記温度調節部により前記ヘッド内のインクを固体となるように制御した後に前記流路部内のインクを固体となるように制御してから前記電源をOFFにすることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記温度調節部は、前記ヘッド部の温度が流路部の温度よりも低くなるように前記流路部と前記ヘッドの温度の両方の温度を監視しながら制御することを特徴とする請求項7又は8に記載のインクジェット記録装置。
  10. インクの液滴を吐出するヘッドと、前記ヘッドにインクを供給するためのインクを駐留する駐留部を一部に含む流路部と、前記駐留部内のインクにかかる圧力を調節する駐留部圧力調節部と、前記流路部と前記ヘッド部とを独立して温度調節可能な温度調節部と、前記温度調節部のOFF入力が可能な省電力モード入力部と、前記電源の制御を行う制御部と、を備えたインクジェット記録装置であって、
    前記制御部は、前記省電力モード入力部によるOFF入力がされた場合に、前記駐留部圧力調節部により圧力を調節し、前記温度調節部により前記ヘッド内のインクが固体となるように制御してから前記温度調節部をOFFにすることを特徴とするインクジェット記録装置。
  11. 前記制御部は、前記省電力モード入力部によるOFF入力がされた場合に、前記温度調節部により前記ヘッド内のインクを固体となるように制御した後に前記流路部内のインクを固体となるように制御してから前記温度調節部をOFFにすることを特徴とする請求項10に記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記駐留部圧力調節部は、前記温度調節部により前記ヘッド内のインクを固体となるように制御した後に前記ヘッド内のインクにかかる圧力調節を停止することを特徴とする請求項7〜11のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  13. 前記駐留部圧力調節部は、
    前記駐留部に連通され、前記駐留部内の空気圧を調節するためのチャンバーと、
    前記チャンバーに連通され、前記チャンバーに対する空気の給排気を行うポンプと、
    前記チャンバー内の空気圧を検出する圧力検出部と、
    前記圧力検出部により検出された空気圧が所定の設定値となるように前記ポンプによる前記チャンバー内の空気の給排気を制御する給排気制御部と、
    を備えることを特徴とする請求項2〜12のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  14. 前記駐留部圧力調節部は、
    前記駐留部内のインク液面を検出する駐留部内インク液面検出部と、
    前記駐留部内インク液面検出部で検出されるインク液面に対するヘッドのノズル面との相対高さに基づいて、前記駐留部内の圧力を調整するように前記駐留部内のインク供給を調節して液面を制御する液面制御部と、
    を備えることを特徴とする請求項2〜12のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  15. 前記温度調節部は、前記ヘッド内のインクを加熱するための第一加熱手段と、前記インク収納部内のインクを加熱するための第二加熱手段と、
    前記ヘッド内のインクの温度を検出するための温度センサと、
    前記第一加熱手段、前記第二加熱手段及び前記貯留部圧力調節部を制御する制御部と、を備え、
    インクを冷却する場合、前記制御部は、前記第一加熱手段をオフ状態にし、前記温度センサの検出結果が所定温度以下の場合に、前記貯留部圧力調節部を待機状態又は停止状態にしてから前記第二加熱手段をオフ状態とすることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  16. 前記温度調節部は、前記ヘッド内のインクを加熱するための第一加熱手段と、前記インク収納部内のインクを加熱するための第二加熱手段と、前記ヘッド内のインクの温度を検出するための温度センサと、前記第一加熱手段、前記第二加熱手段及び前記貯留部圧力調節部を制御する制御部と、を備え、
    インクを加熱する場合、前記制御部は、前記第一加熱手段及び前記第二加熱手段をオン状態とし、前記温度センサの検出結果が所定温度よりも高くなったら、前記貯留部圧力調節部によって背圧制御を開始することを特徴とする請求項15に記載のインクジェット記録装置。
  17. 前記ヘッド内のインクを強制的に冷却/加熱するための温度調整手段を備え、
    前記制御部は、インクの加熱時においては前記温度調整手段による加熱を実行し、インクの冷却時においては前記温度調整手段による冷却を実行することを特徴とする請求項16に記載のインクジェット記録装置。
  18. 前記ヘッドのノズル面を形成する天板は、前記インク収納部及び前記インク流路の少なくとも一方よりも熱伝導率の高い素材により形成されていることを特徴とする請求項15〜17のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  19. 前記インク収納部と、前記インク流路とは、断熱構造を有することを特徴とする請求項15〜18のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  20. インクの液滴を吐出するヘッドと、前記ヘッドにインクを供給するための、インクを駐留する駐留部を一部に含む流路部と、を備え、前記流路部及び前記ヘッドの温度を個別に調節が可能なインクジェット記録装置におけるインク供給方法において、
    前記駐留部内のインク圧力を調節し、前記流路部を当該流路部内のインクが液体となるような温度にする第1ステップと、
    第1ステップ後、前記ヘッドを前記ヘッド内のインクが液体となるような温度以上の温度にする第2ステップと、
    を有することを特徴とするインク供給方法。
  21. 前記第2ステップ前に前記ヘッド内のインクにかかる圧力を調節するステップを有することを特徴とする請求項20に記載のインク供給方法。
  22. 前記第1ステップ後、前記流路部を前記流路部内のインクが当該インクの凝固点より高く、かつ、融点よりも低い温度にする第3ステップを有することを特徴とする請求項20又は21に記載のインク供給方法。
  23. 前記第3ステップ後、前記ヘッドの温度を前記ヘッド内のインクが当該インクの凝固点より高く、かつ、融点よりも低い温度にする第4ステップを有することを特徴とする請求項22に記載のインク供給方法。
  24. インクの液滴を吐出するヘッドと、前記ヘッドにインクを供給するための、インクを駐留する駐留部を一部に含む流路部と、を備え、前記流路部及び前記ヘッドの温度を個別に調節が可能なインクジェット記録装置におけるインク供給方法において、
    前記駐留部内のインク圧力を調節し、前記流路部の温度が前記ヘッドの温度よりも高くなるように、前記流路部を当該流路部内のインクが液体となるような温度にすると同時に、前記ヘッドを前記ヘッド内のインクが液体となるような温度以上の温度にするステップを有することを特徴とするインク供給方法。
  25. インクの液滴を吐出するヘッドと、前記ヘッドにインクを供給するための、インクを駐留する駐留部を一部に含む流路部と、前記流路部及び前記ヘッドの温度を個別に調節可能な温度調節部と、電源OFFを入力可能な入力部とを備えたインクジェット記録装置における電源遮断方法において、
    前記電源のOFFを入力する第1ステップと、
    前記駐留部内のインクを所定の圧力に調整して前記ヘッドの温度を前記ヘッド内のインクが固体となる温度にする第2ステップと、
    前記第1ステップ後、前記電源をOFFにする第3ステップと、
    を有することを特徴とする電源遮断方法。
  26. 前記第2ステップ後、前記流路部の温度を前記流路部内のインクが固体となる温度にする第4ステップを有することを特徴とする請求項25に記載の電源遮断方法。
  27. 前記ヘッドの温度が前記ヘッド内のインクが固体になるまで前記ヘッド内のインクにかかる圧力調節するステップを有することを特徴とする請求項25又は26に記載の電源遮断方法。
  28. インクの液滴を吐出するヘッドと、前記ヘッドにインクを供給するための、インクを駐留する駐留部を一部に含む流路部と、前記流路部及び前記ヘッドの温度を個別に調節可能な温度調節部と、前記温度調節部のOFF入力が可能な省電力モード入力部とを備えたインクジェット記録装置における温度調節部の遮断方法において、
    前記省電力モード入力部によりOFF入力する第1ステップと、
    前記駐留部内のインクを所定の圧力に調整して前記ヘッドの温度を前記ヘッド内のインクが固体となる温度にする第2ステップと、
    前記第2ステップ後、前記温度調節部をOFFにする第3ステップと、
    を有することを特徴とする温度調節部の遮断方法。
  29. 前記第2ステップ後、前記流路部の温度を前記流路部内のインクが固体となる温度にする第4ステップを有することを特徴とする請求項28に記載の温度調節部の遮断方法。
  30. 前記ヘッドの温度が前記ヘッド内のインクが固体になるまで前記ヘッド内のインクにかかる圧力調節するステップを有することを特徴とする請求項28又は29に記載の温度調節部の遮断方法。
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