JP5975039B2 - インクジェット記録装置及びインクジェット記録装置におけるインク供給方法 - Google Patents

インクジェット記録装置及びインクジェット記録装置におけるインク供給方法 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット記録装置及びインクジェット記録装置におけるインク供給方法に関する。
液状のインクを吐出するインクジェット記録装置のヘッド部は、インクを吐出するための動作により発熱する。ヘッド部が熱を持ちすぎると、インクの吐出不良を生じる場合がある他、ヘッド部自体の故障の原因となる場合がある。このため、インクジェット記録装置は、ヘッド部に供給されるインクによりヘッド部を冷却している(例えば、特許文献1)。即ち、ヘッド部内を通過して吐出されるインクによりヘッド部の熱が吸収されることにより、ヘッド部が冷却されるのである。
特開2002−46275号公報
ところで、ヘッド部から吐出されて記録媒体上に着弾したインクは、滲みを生じさせる場合がある。滲みの有無や滲みの大きさは、記録媒体の種類によるが、いずれの記録媒体を用いるにせよ、滲みを低減させる手段として、インクの粘度を高くする方法が知られている。しかしながら、インクの粘度が高すぎると、インクの粘度の高さ故にヘッド部からインクを吐出させることが難しくなる。そこで、所定の温度、例えば、60℃〜70℃、よりも低い場合に粘度が高いゲル状となり、所定温度以上に加熱されると相転移により粘度が著しく低下した液状となる性質を有するインクを用いる方法がある。当該インクを用いることにより、所定温度以上の状態で液滴としてヘッド部から吐出されたインクの液滴は記録媒体上に着弾後に記録媒体や周囲の空気等に熱を奪われて冷却されてゲル状となり、滲みを生じさせずに記録媒体上に定着する。
ここで、このようなインクを用いる場合、ヘッド部に供給される時点でインクは液状となるまで加熱されている必要がある。温度が低くゲル状であるインクを従来のインクジェット記録装置のヘッド部に供給しようとした場合、ヘッド部の吐出口に至るまでの微細な経路上をインクが上手く移動することができないためである。
しかしながら、このような液状となるために所定温度以上に加熱される必要があるインクを用いると、ヘッド部に供給されるインクが既に加熱されているため、前述したようなヘッド部の冷却を行うことができないという問題が生じる。このため、ヘッド部を冷却するための別の方法が必要となる。
一方、吐出される直前のインクを液状とするためにはインクを加熱しなければならないが、単にインクを加熱する方法はエネルギー効率が悪く、望ましくない。
これらの事情から、熱を有するヘッド部をインクの相転移のための熱源として利用することで、ヘッド部の冷却とインクの加熱とを両立することが望ましいが、従来のインクジェット記録装置は、ヘッド部を冷却するための冷却系と、インクを加熱するための加熱系とを個別に設けなければならず、エネルギー効率が悪かった。
本発明の課題は、ヘッド部の冷却とインクの加熱のためのエネルギー効率がより良いインクジェット記録装置及びインクジェット記録装置におけるインク供給方法を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明のインクジェット記録装置は、インク貯留部と、前記インク貯留部から供給されるインクをヘッド部に供給するインク供給機構と、前記インクの温度を制御する制御部とを備えるインクジェット記録装置であって、前記インク供給機構は、前記インク貯留部から供給されるインクが通過するよう設けられ、前記ヘッド部に生じた熱をインク流路部内のインクに移動させるよう、前記ヘッド部と直接又は間接的に接触して設けられたインク流路部と、前記インク流路部を通過した前記インクを加熱する第1加熱部と、前記第1加熱部により加熱された前記インクを前記ヘッド部に供給する供給部と、を備え、前記インクは、第1温度未満でゲル化する相転移を生じるインクであり、前記インク貯留部から供給されたインクを前記第1温度未満で前記インク流路部を通過させ、前記第1加熱部により前記インク流路部を通過したインクを加熱するよう構成することを特徴とする。
また、本発明において、前記インク流路部又は当該インク流路部のインク温度を検知する検知手段と、前記検知手段により検知される温度に応じて、前記インク流路部内のインクを加熱する第2加熱部を有する構成としても良い。
また、上記の課題を解決するために、本発明のインクジェット記録装置は、インク貯留部と、前記インク貯留部から供給されるインクをヘッド部に供給するインク供給機構と、前記インクの温度を制御する制御部とを備えるインクジェット記録装置であって、前記インク供給機構は、前記インク貯留部から供給されるインクが通過するよう設けられ、前記ヘッド部に生じた熱をインク流路部内のインクに移動させるよう、前記ヘッド部と直接又は間接的に接触して設けられたインク流路部と、前記インク流路部を通過した前記インクを加熱する第1加熱部と、前記第1加熱部により加熱された前記インクを前記ヘッド部に供給する供給部と、を備え、
前記インク流路部又は当該インク流路部のインク温度を検知する検知手段と、前記検知手段により検知される温度に応じて、前記インク流路部内のインクを加熱する第2加熱部を有することを特徴とする。
また、本発明において、前記インクは、第1温度未満でゲル化する相転移を生じるインクであり、前記検知手段で検知される前記インク流路部の温度又はインク温度が前記第1温度より低い第2温度未満である事を検知した場合に、前記第2加熱部により加熱する構成としても良い。
また、本発明において、前記制御部は、前記第2加熱部を、前記インク流路部の温度又はインク温度が前記第1温度未満前記第2温度以上となるように加熱制御する構成としても良い。
また、本発明において、前記インク流路部は、前記ヘッド部を記録装置本体に固定するヘッド固定部材と一体に設けられ、前記ヘッド部と、前記ヘッド固定部材を介して接触して設けられる構成としても良い。
また、本発明において前記インク流路部は、前記ヘッド部と直接接触して設けられる構成としても良い。
また、本発明において、前記インク流路部と前記ヘッド固定部材とは、熱伝導率が100W/mk以上の熱伝導性材料で構成されている構成としても良い。
また、上記課題の解決のために、本発明のインク供給方法は、インク貯留部から供給されるインクが、ヘッド部に生じた熱をインク流路部内のインクに移動させるようヘッド部と直接又は間接的に接触して設けられたインク流路部を通過して、ヘッド部の内部に供給され、前記ヘッド部に供給された前記インクを吐出するインクジェット記録装置におけるインク供給方法であって、前記インク流路部を通過した前記インクを前記ヘッド部へ供給する前に加熱する加熱工程と、前記ヘッド部内に加熱された前記インクを供給する供給工程と、を有し、
前記インクは、第1温度未満でゲル化する相転移を生じるインクを用い、前記インク貯留部及び前記インク流路部内のインク温度が第1温度未満となるように設定する工程を有し、前記加熱工程は、前記インク流路部を通過した前記インクを前記ヘッド部へ供給する前に前記第1温度以上に加熱し、前記供給工程は、前記第1温度以上で前記ヘッド部内に前記インクを供給することを特徴とする。
た、本発明において、前記インク流路部内のインク温度が前記第1温度より低い第2温度未満である場合には、前記インク流路部内のインクを加熱する工程を有する構成としても良い。
本発明によれば、ヘッド部の冷却とインクの加熱のためのエネルギー効率をより良くすることができる。
インクジェット記録装置の全体を示した斜視図である。 インクジェット記録装置のブロック図である。 ヘッド部及びヘッド部の周囲の構成の一例を示す斜視図である。 図3に示す構成の上面図である。 図3に示す構成をインク供給口側から見た場合の図である。 インク供給口を左側として見た場合の図3に示す構成の側面図である。
本発明の実施形態たるインクジェット記録装置1について図1から図6に基づいて説明を行う。
図1はインクジェット記録装置1の全体を示した斜視図である。図2は、インクジェット記録装置1のブロック図である。
インクジェット記録装置1は、記録媒体を水平方向に沿って搬送する搬送装置2と、搬送される記録媒体に上方からインクを吐出する複数のヘッド部3を搭載するキャリッジ4と、キャリッジ4を記録媒体の搬送方向に直交する水平方向に沿って搬送する主走査装置5と、キャリッジ4に搭載された各ヘッド部3のノズルの保湿を行うノズル保湿部6と、キャリッジ4に搭載された各ヘッド部3のメンテナンスを行うメンテナンス部7と、これら各構成を制御する制御部8と、全体を支持するフレーム100を主として備えている。
なお、以下の説明では、水平方向であって記録媒体の搬送方向に沿った方向をY軸方向、水平方向であってキャリッジ4の搬送方向に沿った方向をX軸方向又は主走査方向、鉛直上下方向をZ軸方向というものとする。
搬送装置2は、駆動ローラ21及び従動ローラ(図示略)と、駆動モータ22と、搬送ベルト23と、を備えている。
駆動ローラ21及び従動ローラは、回転自在に軸支されており、駆動ローラ21は、X軸方向に延在するように配置されている。駆動モータ22は、駆動ローラ21を回転駆動するための駆動源であり、駆動ローラ21の一端側に取り付けられている。
搬送ベルト23は、無端状に形成され、駆動ローラ21と従動ローラとの間に架け渡されている。搬送ベルト23は、駆動ローラ21が回転すると駆動ローラ21と従動ローラとの間を周回してその上面に載置された記録媒体をY軸方向に沿った搬送方向Fに向かって搬送し、駆動ローラ21の回転が停止すると、両ローラ間での周回を停止し、記録媒体の搬送を停止する。
駆動モータ22は、制御部8の制御に従って、ヘッド部3がX軸方向に沿った片道一回分の走査が終了すると、駆動ローラ21を所定量だけ回転させて記録媒体を搬送方向に所定距離だけ搬送させて停止させ、ヘッド部3がX軸方向の反対方向への走査を開始して終了すると、駆動ローラ21を再度所定量だけ回転させて記録媒体を搬送方向Fに所定距離だけ搬送させて停止させることを繰り返し、記録媒体をいわゆる間欠搬送する。
なお、記録媒体としては、紙や布帛のほか、樹脂フィルムや金属類等を用いることが可能である。
図1に示すように、フレーム100は、X軸方向に沿って延在する矩形の本体部101と、本体部101におけるX軸方向一端部を支持する第一の土台部103と、本体部101におけるX軸方向他端部を支持する第二の土台部102とから主に構成されている。
第一の土台部103は、その内部にメンテナンス部7を格納保持しつつ本体部101の一端部を下方から支持している。また、第二の土台部102は、その内部にノズル保湿部6を格納保持しつつ本体部101の他端部を下方から支持している。
本体部101は、後述する主走査装置5の一対のキャリッジレール51,51をX軸方向に向けた状態で内側に格納保持しており、キャリッジ4は本体部101の内部でX軸方向に沿って搬送される。
また、第一の土台部103と第二の土台部102は、前述した搬送装置2を挟んでX軸方向の両側に配置され、本体部101は搬送装置2の上方に架設されている。これにより、搬送装置2による記録媒体の搬送方向に直交する方向でキャリッジ4を搬送しつつ当該キャリッジ4に搭載された各ヘッド部3からインクを吐出して画像形成を行うことを可能としている。
主走査装置5は、フレーム100の本体部101の内部において、X軸方向に沿って延在するように支持された棒状の一対のキャリッジレール51、51を備えている。これら一対のキャリッジレール51、51は、搬送装置2の搬送ベルト23の上方を跨ぐように設けられている。そして、キャリッジレール51、51には、箱状のキャリッジ4がX軸方向に沿って往復移動可能に支持されている。
キャリッジ4は上部が開放された箱状の形状を有する筐体であり、X−Y平面に沿う底板に設けられたヘッド固定部材4aに対して複数のヘッド部3が搭載される。キャリッジ4は、図1に示すように、Y軸方向における両側面の上部においてY軸方向両側に向かって腕部が延出されており、当該各腕部がそれぞれリニアガイドを介してキャリッジレール51、51の上部に載置されており、これによってキャリッジレール51、51上をX軸方向に沿って滑動可能となっている。
また、キャリッジレール51、51とキャリッジ4の腕部の間にはリニアモータが装備されている。即ち、各キャリッジレール51、51にはリニアモータの固定子が装備され、キャリッジ4の各腕部には可動子が装備されており、固定子側のコイルの電流制御によりキャリッジ4はX軸方向に沿った搬送動作が付与される。
ノズル保湿部6は、搬送装置2から外れて、キャリッジレール51、51の他端部側に設けられている。即ち、非記録動作時に、キャリッジ4がキャリッジレール51、51の他端部のノズル保湿部6との対向位置まで移動し、かかる状態で各ヘッド部3のノズルの保湿を行う。
即ち、このノズル保湿部6は、各ノズルに密着して、各ノズル内部を保湿液の貯蔵部に接続した状態とするためのものであり、主に、保湿液の貯蔵部とその昇降機構とにより構成されている。
メンテナンス部7は、非記録動作時に各ヘッド部3のメンテナンスを行う。メンテナンス部7は、搬送装置2から外れて、キャリッジレール51、51の一端部側に設けられている。即ち、キャリッジ4がキャリッジレール51、51の一端部のメンテナンス部7との対向位置まで移動した状態でメンテナンスが実施される。
このメンテナンス部7は、各ヘッド部3のノズルの下面の汚れを拭き取る清掃装置と、メンテナンス対象となるヘッド部3によるインクの吐出を行う際の受け皿となるインクトレー(図示略)とを備えている。
上記清掃装置は、主に、ノズルに摺接するX軸方向に沿った回転軸回りに回転可能な清掃ローラと、当該清掃ローラをY軸方向に沿って搬送するローラ搬送機構とにより構成されている、清掃ローラは、キャリッジ4に搭載された九色のヘッド群の内の三色分のヘッド群の拭き取りが可能となるように、X軸方向における幅が設定されており、一往復半の移動動作により全てのヘッド部3の清掃を実施する。そして、これにより、インクの固化によるノズルの目詰まりを防止する。
また、メンテナンス時のインクトレーに対するインクの吐出は、インク供給装置のインク供給圧をもって行われ、これによりヘッド部3内のインク流路の詰まりなどを解消することができる。
制御部8は、CPU81、RAM82、ROM83等を備え、CPU81がROM83等に記憶された各種のプログラムやデータ等を読み出して処理することにより、インクジェット記録装置1の動作に係る各種処理を行う。
次に、キャリッジ4内に設けられるヘッド部3に係る説明を行う。
図3は、ヘッド部3及びヘッド部3の周囲の構成の一例を示す斜視図である。図4は、図3に示す構成の上面図である。図5は、図3に示す構成をインク供給口42a側から見た場合の図である。図6は、インク供給口42aを左側として見た場合の図3に示す構成の側面図である。
本実施形態のヘッド部3は、例えば、ヘッド固定部材4aに固定されることによりヘッド列を形成している。ヘッド固定部材4aは、ヘッド部3の下端側の形状に応じて設けられた複数の孔を有する。ヘッド部3は、ヘッド固定部材4aの孔に嵌め込まれることによりヘッド固定部材4aに対して立設するように固定される。
また、図3〜図6に示すように、複数のヘッド部3はそれぞれ、長手方向がY方向に沿うよう設けられている。図示しないが、ヘッド部3はそれぞれ、少なくとも長手方向に沿って設けられた複数のノズルを有する。ヘッド部3は、長手方向に沿って設けられた複数のノズルの列を長手方向に直交する方向に複数列有していてもよい。
また、図3〜図6に示すように、ヘッド部3は、Y方向に沿って複数配置される。また、複数のヘッド部3は、X方向について千鳥状に配置される。以下の記載において、Y方向に沿って配置された複数のヘッド部3を「ヘッド列」と記載する。
次に、ヘッド列に含まれる複数のヘッド部3にインクIを供給するインク供給機構41について説明する。
インク供給機構41は、例えば、インク流路部42、インク導入チューブ43、インクタンク44、インク供給チューブ45等を有する。
インク流路部42は、図3〜図6に示すように、Y方向に沿ってヘッド列どうしの間を通るように設けられている。インク導入チューブ43は、インク流路部42の一端側(図3に示す右側)からZ方向に沿って立設するよう設けられている。インクタンク44は、インク流路部42及びインク流路部42を挟んで設けられた2つのヘッド列の上方に設けられており、インク導入チューブ43の上端と接続されている。インク供給チューブ45は、インクタンク44とヘッド部3とを接続するようにZ方向に沿って設けられている。インク供給チューブ45は、複数のヘッド部3のそれぞれに対して個別に設けられる。
インク流路部42、インク導入チューブ43及びインク供給チューブ45は、それぞれ円筒状の部材であり、円筒の内側にインクIを流すインク流路として機能する。また、インク流路部42とインク導入チューブ43の内側の空洞は、インク流路部42の一端側におけるインク流路部42とインク導入チューブ43との接続部を介して連続するよう設けられている。
また、インクタンク44は、箱状の部材であり、当該箱状の内側にインクIを備蓄可能に設けられている。インクタンク44は、その底面にインク導入チューブ43及びインク供給チューブ45内の空洞と連続するための孔が設けられており、当該孔を介してインク導入チューブ43から流れるインクIを備蓄し、インク供給チューブ45にインクIを流す。
インク流路部42は、他端側(図3に示す左側)にインク供給口42aを有する。インク流路部42は、インク供給口42aを介して図示しないインクカートリッジやポンプ等と接続されている。インクカートリッジは、図3〜図6に示すインク供給機構41に供給されるインクIを備蓄する。ポンプは、インクカートリッジに備蓄されたインクIをインク流路部42に供給する。即ち、インク流路部42は、ポンプの動作によりインクカートリッジから送り出されたインクIを他端側から一端側に向かう方向に流すこととなる。
インク流路部42の他端側へ流されたインクIは、インク導入チューブ43を介してインクタンク44に供給される。インクタンク44に供給され、備蓄されたインクIは、制御部80による各ヘッド部3の動作制御に応じてインク供給チューブ45を介して各ヘッド部3に供給される。各ヘッド部3は、制御部8による動作制御に応じてノズルから記録媒体上へインクIを吐出する。
なお、図3、図5、図6では、便宜上、インクタンク44内のインクIのみを図示しているが、ヘッド部3にインクが供給されるに際し、インク流路部42、インク供給チューブ45及びインク導入チューブ43の内側もインクIで満たされる。また、図4は、便宜上インクIの図示が省略されている。
また、インク流路部42には、インク流路部ヒーター42bが設けられている。インク流路部ヒーター42bは、例えば、内部に電熱線等を有し、通電により発熱するヒーターとしての機能を有する。インク流路部ヒーター42bは、インク流路部42の一端側と他端側との間のインク流路に沿ってインク流路部42に当接するよう設けられる。本実施形態では、図3〜図6に示すように、インク流路部ヒーター42bは、Y方向に沿うインク流路部42の上部に当接するよう設けられる。
また、インク流路部42には、温度センサー42cが設けられている。
温度センサー42cは、インク流路部42の温度を検知する。具体的には、温度センサー42cは、例えば、サーミスター等の電気抵抗値の変化を利用した抵抗温度計であり、インク流路部42の一端側であって、インク流路部42とインク流路部ヒーター42bとの間に介在するよう設けられる。
なお、本態様では温度センサー42cはインク流路部42の温度を測定する構成を示しており、当該測定温度に基づいて後述するようにインク流路部42内のインクの温度を制御している。しかしながら温度測定は必ずしもインク流路部自体の温度を測定する構成には限られず、熱電対を直接流路部内に入れる事で内部を通過するインクの温度自体を測定する構成であっても良い。
また、インクタンク44には、インクタンクヒーター44aが設けられている。インクタンクヒーター44aは、例えば、内部に電熱線等を有し、通電により発熱するヒーターとしての機能を有する。インクタンクヒーター44aは、発熱によりインクタンク44内に備蓄されたインクを加熱する。本実施形態では、図3〜図6に示すように、インクタンクヒーター44aは、箱状のインクタンク44の底面と、Y方向に沿う長手方向の両側面と、に当接して設けられる。
また、インクタンク44には、フロートセンサー44bが設けられている。また、インクタンク44は、バルブ44cを通して、図示されていない背圧制御ユニットに接続されている。
フロートセンサー44bは、インクタンク44に備蓄されるインクIよりも密度の低い浮体を有し、インクIに浮かぶことでインクタンク44に備蓄されたインクIの量を検知するセンサーである。
背圧制御ユニットは、インクタンク44を起点として、インクタンク44からインク供給チューブ45を介してヘッド部3のノズルに連続するインクの流路に負圧をかける機能を有する。当該負圧により、インク供給チューブ45を介してヘッド部3のノズル付近のインクに負圧をかけ、ノズルからインクが滴り落ちることを防止する。具体的には、例えば、インクタンク44に備蓄されたインクIの液面の高さがヘッド部3のノズルに対して約20[cm]だった場合、背圧制御ユニットは、インクタンク44に約25[cm]の負圧をかける。
また、インク供給機構41には、インクの流路の開閉を行うための機構が設けられてもよい。例えば、インクタンク44とインク供給チューブ45等との間に電磁弁が設けられてもよい。この場合、電磁弁は、制御部8により開閉を制御される。
なお、図2では、便宜上、一つのヘッド固定部材4aに係る構成を図示するに留めているが、本実施形態のキャリッジ4は、その内側に複数のヘッド固定部材4aを有する。そして、各ヘッド固定部材4aに、複数のヘッド部3、ヘッド部3に供給されるインクの色に応じたインクタンク44を備えるインク供給機構41等が設けられる。ここで、複数のヘッド固定部材4aのそれぞれに設けられたインク供給機構41のインクタンク44内のインクIは、インクタンク44ごとに違う色であってもよいし、一部又は全部のインクタンク44で共通の色であってもよい。
次に、インクIの性質について説明する。
本実施形態で用いられるインクであるインクIは、相転移を生じるインクである。インクIは、所定温度未満である場合に粘性の高いゲル状となり、所定温度以上である場合に粘性の低いゾル状となる。なおゲル状になる場合の所定温度と、ゾル状になる場合の所定温度とは同じ温度ではない、つまり相転移温度にヒステリシスを有するインクである。
インクIは、例えば、温度によってゲル状又は固体状と、ゾル状又は液状とに相変化し、60℃以上100℃未満に相転移点を有するインクである。つまり、例えば70℃でゾル状となり、これを冷却して60℃でゲル状となるようなインクの事を指す。なお、インクIが相転移を生じる所定温度は、インクに添加されるゲル化剤の種類、ゲル化剤の添加量、活性光線硬化型モノマーの種類を変えることで調整可能である。
より具体的には、インクIは、エネルギー線(活性光線)が照射されることで硬化する活性光線硬化型インクである。この活性光線硬化型インクは、ゲル化剤を所定の割合(例えば、1質量%以上10質量%未満)含有しており、温度により可逆的にゾルゲル相転移することを特徴とする。ここで、ゾルゲル相転移とは、高温では流動性を持つ溶液状態であるが、ゲル化温度以下に冷却することで液全体がゲル化し流動性を失った状態に変化し、逆に低温で流動性を失った状態であるが、ゾル化温度以上に加熱することで、流動性を持つ液体状態に戻る現象を指す。
また、ゲル化とは、ラメラ構造、非共有結合や水素結合により形成される高分子網目、物理的な凝集状態によって形成される高分子網目、微粒子の凝集構造などの相互作用、析出した微結晶の相互作用などにより、物質が独立した運動を失って集合した構造を指しており、急激な粘度上昇や弾性増加を伴って固化した、または半固化した、または増粘した状態のことを指す。
また、ゾル化とは前記ゲル化により形成された相互作用が解消されて、流動性を持つ液体状態に変化した状態の事を指す。
また、ゾル化温度とは、ゲル化したインクIを加温していく際に、ゾル化により流動性が発現する温度であり、ゲル化温度とは、ゾル状態にあるインクIを冷却していく際に、ゲル化して流動性が低下する際の温度を指す。つまり、ゾル化温度及びゲル化温度は相転移温度であり、所定温度を境とする。当該所定温度を第1温度とした場合、ゾル化温度は第1温度以上であり、ゲル化温度は第1温度未満であるといえる。
なお、インクの相転移温度は、例えば、各種レオメータ(例えばコーンプレートを使用したストレス制御型レオメータ、PhysicaMCRシリーズ、Anton Paar社製)を用いて、ゾル状態にある高温のインクを低剪断速度で温度変化をさせながら得られる粘度曲線、動的粘弾性の温度変化を測定することで得られる粘弾性曲線から測定される。
前記ゾルゲル相転移する活性光線硬化型インクは、高温では液体状態であるため、ヘッド部3による吐出が可能となる。この高温状態の活性光線硬化型インクを用いて記録すると、インク滴が記録媒体に着弾した後、温度差により自然冷却されることで速やかにインクが固化し、インクの滲みを防止することができる。
以下の説明において、インクIは、70℃が相転移温度となるよう調整されているものとするが、あくまで一例であってこれに限られるものではない。
次に、インクの供給機構により流されるインクIの温度変化について説明する。
インクIは、インク貯留部であるインクカートリッジにおいて、相転移温度未満で備蓄されている。具体的には、インクカートリッジは、例えば、備蓄されたインクIをインクジェット記録装置1が存する空間の室温とほぼ同じ温度、例えば、20℃前後に維持するよう設けられている。
インク流路部42は、相転移温度未満のインクIを通過させると共にヘッド部3に生じた熱の一部をインクIに移動させる。
具体的には、例えば、図3〜図6に示すように、インク流路部42は、ヘッド部3が固定される部材であるヘッド固定部材4aと一体に設けられており、ヘッド固定部材4aを介してヘッド部3と接触している。より具体的には、インク流路部42は、ヘッド固定部材4aのX−Z平面の断面形状において上方に突出した凸部内に設けられたY方向に沿う孔によりインクIを通過させるヘッド固定部材4aの一部分として設けられている。
インク流路部42は、熱伝導によりヘッド部3に生じた熱の一部をヘッド部3からヘッド固定部材4aを介してインク流路部42を通過するインクIに移動させる。ここで、インク流路部42及びヘッド固定部材4aは、金属等、熱伝導率が100W/mk以上のものが好ましく、アルミ合金(100〜200W/mk)が特に好ましい。なおここではヘッド固定部材を介してインク流路部とヘッド部とを接触させているが、ヘッド部を直接インク流路部に接触させる構成であっても良い。
インクIは、インク流路部42を通過することにより、ヘッド部3等からの熱を伝達されて温度が上昇する。例えば、他端側のインク供給口42aから供給された室温とほぼ同じ温度のインクIは、インク流路部42を通過することにより、約45℃まで上昇して一端側に到達する。
ここで、インク流路部42は、第1温度未満のインクIを通過させると共にヘッド部3と接触してヘッド部3に生じた熱の一部をインクIに移動させる流路部として機能する。
一端側に到達したインクIは、インク導入チューブ43を通過してインクタンク44内に備蓄される。ここで、インクIは、インクタンク44に設けられたインクタンクヒーター44aの動作により相転移温度以上になるまで加熱される。例えば、インクIは、インクタンク44において約80℃まで加熱される。
ここで、インクタンクヒーター44aは、インク流路部42を通過したインクIを第1温度以上に加熱する第1加熱部として機能する。
インクタンク44内で相転移温度以上に加熱されたインクIは、インク供給チューブ45を介してヘッド部3に供給され、ヘッド部3の動作に応じて吐出される。ヘッド部3から吐出されたインクIの液滴は、記録媒体上に着弾後に記録媒体や周囲の空気等に熱を奪われて相転移温度未満まで冷却されてゲル状となり、滲みを生じさせずに記録媒体上に定着する。
ここで、インク供給チューブ45は、インクタンクヒーター44aにより加熱されたインクIをヘッド部3に供給する供給部として機能する。
次に、制御部8による画像形成に係る処理、特にヘッド部3に対するインクIの供給に係る処理について説明する。
インクジェット記録装置1の電源がONにされると、制御部8は、インクジェット記録装置の各部を動作させてスタンバイ状態で待機させる。ここで、制御部8は、インクタンク44に備蓄されたインクIが相転移温度以上、例えば、約80℃となるようインクタンクヒーター44aを動作させる。
外部の機器等から印刷ジョブが入力されると、制御部8は、入力された印刷ジョブに応じて、主走査装置、搬送装置、ヘッド部3等の各部の動作を制御して記録媒体に画像を形成する。ここで、制御部8は、印刷ジョブに含まれる画像データに応じたドットを形成するためのインクIの液滴の吐出をヘッド部3に行わせる。これにより、インクタンク44から供給されたインクIがヘッド部3のノズルから吐出される。このとき、ヘッド部3の駆動IC等、ヘッド部3の各部が駆動に伴って発熱する。
ヘッド部3から吐出されたインクIの量に応じて、インクIがインクタンク44からヘッド部3に逐次供給される。ここでヘッド部3に供給されるインクIは、相転移温度以上に加熱されているので、粘性の低いゾル状となっており、インク供給チューブ45を介してスムースにヘッド部3に供給される。
ヘッド部3に対するインクの供給に伴い、インクタンク44内のインクIの液面が下降すると、フロートセンサー44bの位置が下降することによりインクタンク44内のインクIの減少が検知される。インクタンク44内のインクIの減少が検知されると、制御部は、ポンプを動作させてインクカートリッジからインク供給機構41へインクIを供給する。これにより、インクカートリッジから供給されたインクIが、インク流路部42の他端側から一端側に向かってインク流路部42内を通過する。ここで、インクカートリッジからインク供給口42aを介してインク流路部42に流されるインクIの温度は室温とほぼ同じ温度であり、相転移温度未満である。一方、インク流路部42が一体となっているヘッド固定部材4aには、ヘッド部3の動作に伴いヘッド部3に生じた熱が伝達されている。このため、インク流路部42を通過するインクIに、ヘッド固定部材4a及びインク流路部42を介してヘッド部3に生じた熱の一部が伝達され、インク流路部42を通過するインクIが温められる。インク流路部42を通過する過程で、インクIは、例えば、約45℃まで温められる。
ここで、ヘッド部3は、その動作の状況によって、インクIの温度を約45℃まで上昇させるほどの熱を生じないことがある。
また、ヘッド固定部材4aは、ヘッド部3から伝達される熱量の大小や周囲の気温等によって温度が変化する。係る温度変化により、ヘッド固定部材4aの体積が変化する。ヘッド固定部材4aの体積の変化は、ヘッド固定部材4aに固定されたヘッド部3の位置や複数のヘッド部3どうしの間隔に変化を生じさせることにより、ヘッド部3から吐出されるインクの着弾位置、ひいては、記録媒体上に形成される画像の画質に影響を及ぼす。これらの理由から、インクジェット記録装置1の画質を安定したものとするに際し、ヘッド固定部材4aの温度は一定に保たれることがより望ましい。
また、相転移温度に達しない範囲であっても、インクは一般的により高温であるほど粘度が低下し、流路内を流れやすくなる傾向を示すことから、インク流路部42を通過するインクIに伝達される熱量が少なすぎると、インク流路部42内のインクIの流動性が低下する可能性がある。このことから、インクジェット記録装置1の画像形成に係るサイクルを安定させるに際し、ヘッド固定部材4a及びインク流路部42からインク流路部42内のインクIに伝達される熱量は一定に保たれることがより望ましい。
そこで、本実施形態では、制御部8が、インク流路部42の温度に応じてインク流路部ヒーター42bの動作を制御することによりインク流路部42内を通過するインクIの温度及びインク流路部42(ヘッド固定部材4a)の温度を一定に保つ。
具体的には、制御部8は、所定時間ごとに温度センサー42cにより検知されたインク流路部42の温度を取得する。温度センサー42cにより検知されたインク流路部42の温度が、要加熱温度より低かった場合、制御部8は、インク流路部ヒーター42bを動作させてインク流路部42及びヘッド固定部材4aを加熱する。ここで、要加熱温度は、相転移温度より低い所定の温度である。本実施形態では、要加熱温度は、例えば、45℃であるが、あくまで一例であってこれに限られるものではない。
一方、温度センサー42cにより検知されたインク流路部42の温度が、要加熱温度以上であった場合、制御部8は、インク流路部ヒーター42bを動作させない。即ち、制御部8は、温度センサー42cにより検知された温度に応じて、検知される温度が、第2温度以上であって、かつ、第1温度未満となるようインク流路部ヒーター42bの動作を制御する。
制御部8によるインク流路部ヒーター42bの動作制御により、インク流路部42内を流れるインクIの温度は、インク流路部42の一端側に到達した時点で約45℃となる。
ここで、温度センサー42cは、インク流路部42の温度を検知する検知部として機能する。
また、インク流路部ヒーター42bは、インク流路部42が第1温度より低い第2温度未満である場合に、インク流路部42を加熱する第2加熱部として機能する。
インク流路部42の一端側に到達したインクIは、インク導入チューブ43内を通ってインクタンク44内に入る。インクタンク44内に入ったインクIは、インクタンクヒーター44aにより加熱されて約80℃となる。
制御部8は、インクジェット記録装置1の動作中、上記のインクIの吐出及び供給サイクルを維持する。
なお、インク流路部ヒーター42bやインクタンクヒーター44aは、その加熱性能が、上記の実施形態における説明の具体値に対応するものが用いられている。
以上、本実施形態のインクジェット記録装置1によれば、相転移温度未満のインクIを通過させると共にヘッド部3に生じた熱の一部をインクIに移動させるインク流路部42を備えるので、インク流路部42を通過するインクIによりヘッド部3の熱を奪うことでヘッド部3の冷却を行うと共に、ヘッド部3の熱を利用してインクIを加熱することができ、ヘッド部の冷却とインクの加熱のためのエネルギー効率をより良くすることができる。
また、インク流路部42を通過したインクIを相転移温度以上に加熱するインクタンクヒーター44aと、インクタンクヒーター44aにより加熱されたインクIをヘッド部3に供給するインク供給チューブ45と、を備えるので、インク流路部42を通過して加熱されたインクIを相転移温度以上に加熱したうえでヘッド部3に供給することができ、インクの流動性を高めた状態でヘッド部3にインクIを供給することができる。
また、インク流路部42は、ヘッド部3が固定されるヘッド固定部材4aと一体に設けられているので、ヘッド部3からインク流路部42への熱伝導性をより高めることができ、ヘッド部の冷却とインクの加熱のためのエネルギー効率をより良くすることができる。
また、インク流路部42が、相転移温度より低い要加熱温度未満である場合に、インク流路部42を加熱するインク流路部ヒーター42bを備えるので、要加熱温度を基準としてインク流路部42の通過を完了した段階でのインクIの温度をより安定させることができ、インク供給機構41の系を熱的により安定させることができる。
また、相転移温度に達しない範囲内であっても、インクは一般的により高温であるほど粘度が低下し、流路内を流れやすくなる傾向を示すことから、インク流路部ヒーター42bによりインク流路部42を加熱することでインク流路部42を通過するインクIを温めることにより、インク流路部42内のインクIの流動性をより高めることができる。インクは、ヘッド部3に供給される際に十分に粘度が低下する温度に加熱されていればよい。
また、インク流路部42の温度を検知する温度センサー42cと、温度センサー42cにより検知された温度が要加熱温度未満であった場合にインク流路部ヒーター42bにインク流路部42を加熱させる制御部8と、を備えるので、要加熱温度を基準として制御部8による制御下でインク流路部42の温度を一定に保つことができ、インク供給機構41の系を熱的により安定させることができる。
また、制御部8は、温度センサー42cにより検知される温度が、要加熱温度以上であって、かつ、相転移温度未満となるようインク流路部ヒーター42bによる加熱を制御するので、要加熱温度を基準として制御部8による制御下でインク流路部42の温度を一定に保つことができ、インク供給機構41の系を熱的により安定させることができる。また、インク流路部42の温度を一定に保つことができることから、ヘッド固定部材4a等のヘッド部3の周囲とインク流路部42との間で熱を伝達する部材の温度を一定に保つことができる。これにより、ヘッド固定部材4aの体積が一定に保たれ、ヘッド固定部材4aに固定されたヘッド部3の位置や複数のヘッド部3どうしの間隔を一定に保つことができることから、インクジェット記録装置1の画質をより安定したものとすることができる。
また、インクIは、相転移温度以上に加熱されることにより相転移により粘性が低下し、記録媒体上に着弾することで相転移温度未満に冷却されて相転移により粘性が上昇するインクであるので、相転移温度以上に加熱することによりインクの流動性を高めることができる利点と相転移温度未満に冷却されることにより記録媒体上で滲みを生じさせずにインクを定着させることができる利点の両方を活用して画像形成を行うことができ、温度に応じて相転移を生じるインクをヘッド部の冷却とインクの加熱のためのエネルギー効率がより良いインクジェット記録装置で利用することができる。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、上記の実施形態におけるインクIは、温度により相転移を生じるインクであるが、一例であってこれに限られるものではない。本発明は、温度が高いほど流動性が上がり、温度が低いほど流動性が下がる性質を有するインクを採用することができる。
また、上記の実施形態における相転移温度や要加熱温度の設定等の各種の数値はインクIの性質やインク供給機構41の構成等、各種の要素に応じて適宜変更することができる。
また、インク供給機構41の具体的な構造や各種の部材の配置はあくまで一例であり、これに限られるものではない。
例えば、インク流路部42とヘッド固定部材4aとは一体でなくとも良い。またヘッド部3とインク流路部42とがヘッド固定部材4a以外の別部材を一つ又は複数介して接触するような構成や、インク流路部42を一体に設けたヘッド固定部材4aに、ヘッド部が別部材を介して間接的に接触する構成でも良い。つまり、係る構成でもインク流路部42がヘッド部3と直接又は間接的に接触するよう設けられていればよい。勿論インク流路部42とそれを一体に設けるヘッド固定部材4aとの間の熱伝導は十分に確保される必要があるから、例えば、インク流路部42とヘッド固定部材4aとの間の熱伝導が良好に行われるようインク流路部42とヘッド固定部材4aとを直接接触させることや、ヒートパイプ等、熱伝導性の高い部材(熱伝導率100W/mk以上の部材)を介してインク流路部42とヘッド固定部材4aとを間接的に接触させること等が行われることが望ましい。
また、各種の部材の形状や配置はあくまで一例であってこれに限られるものではなく、適宜変更することができる。
また、制御部8によるインク流路部ヒーター42bの動作制御は、温度センサー42cによる温度の検知によらずともよい。例えば、制御部8は、ヘッド部3の動作の状況に応じてヘッド部3に生じた熱量を特定し、特定された熱量に応じてインク流路部ヒーター42bの動作を制御してもよい。この場合、制御部8は、例えば、ヘッド部3の動作頻度や動作タイミングからの経過時間等に基づいてヘッド部3の動作の状況を判定する。また、制御部8は、例えば、ヘッド部3の動作頻度や動作タイミングからの経過時間に基づいて、所定の演算やデータの参照等によりヘッド部3に生じた熱量を特定する。
また、上記の実施形態では、複数のヘッド部3の列のY軸方向に隣接するヘッド部3どうしが千鳥状の配置となっているが、一例であってこれに限られるものではない。例えば、Y軸方向に隣接するヘッド部3どうしがY軸方向に沿う一直線上に設けられていてもよい。
また、Y方向に沿って設けられるヘッド部3の数は一でも複数でもよいし、Y方向に沿うヘッド部3の列の数は一でも複数でもよい。
本発明は、記録媒体上にインクを吐出して画像形成を行う分野において利用することができる。
1 インクジェット記録装置
3 ヘッド部
4 キャリッジ
4a ヘッド固定部材
41 インク供給機構
42 インク流路部
42b インク流路部ヒーター(第2加熱部)
42c 温度センサー(検知手段)
43 インク導入チューブ
44 インクタンク
44a インクタンクヒーター(第1加熱部)
45 インク供給チューブ(供給部)
8 制御部
I インク

Claims (10)

  1. インク貯留部と、前記インク貯留部から供給されるインクをヘッド部に供給するインク供給機構と、前記インクの温度を制御する制御部とを備えるインクジェット記録装置であって、
    前記インク供給機構は、
    前記インク貯留部から供給されるインクが通過するよう設けられ、前記ヘッド部に生じた熱をインク流路部内のインクに移動させるよう、前記ヘッド部と直接又は間接的に接触して設けられたインク流路部と、
    前記インク流路部を通過した前記インクを加熱する第1加熱部と、
    前記第1加熱部により加熱された前記インクを前記ヘッド部に供給する供給部と、
    を備え
    前記インクは、第1温度未満でゲル化する相転移を生じるインクであり、前記インク貯留部から供給されたインクを前記第1温度未満で前記インク流路部を通過させ、前記第1加熱部により前記インク流路部を通過したインクを加熱するよう構成する
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記インク流路部又は当該インク流路部のインク温度を検知する検知手段と、前記検知手段により検知される温度に応じて、前記インク流路部内のインクを加熱する第2加熱部を有する請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. インク貯留部と、前記インク貯留部から供給されるインクをヘッド部に供給するインク供給機構と、前記インクの温度を制御する制御部とを備えるインクジェット記録装置であって、
    前記インク供給機構は、
    前記インク貯留部から供給されるインクが通過するよう設けられ、前記ヘッド部に生じた熱をインク流路部内のインクに移動させるよう、前記ヘッド部と直接又は間接的に接触して設けられたインク流路部と、
    前記インク流路部を通過した前記インクを加熱する第1加熱部と、
    前記第1加熱部により加熱された前記インクを前記ヘッド部に供給する供給部と、
    を備え
    前記インク流路部又は当該インク流路部のインク温度を検知する検知手段と、前記検知手段により検知される温度に応じて、前記インク流路部内のインクを加熱する第2加熱部を有する
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  4. 前記インクは、第1温度未満でゲル化する相転移を生じるインクであり、
    前記検知手段で検知される前記インク流路部の温度又はインク温度が前記第1温度より低い第2温度未満である事を検知した場合に、前記第2加熱部により加熱する請求項2又は3記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記制御部は、前記第2加熱部を、前記インク流路部の温度又はインク温度が前記第1温度未満前記第2温度以上となるように加熱制御する請求項記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記インク流路部は、前記ヘッド部を記録装置本体に固定するヘッド固定部材と一体に設けられ、前記ヘッド部と、前記ヘッド固定部材を介して接触して設けられる請求項1〜5のいずれか一つに記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記インク流路部は、前記ヘッド部と直接接触して設けられる請求項1〜5の何れか一つに記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記インク流路部と前記ヘッド固定部材とは、熱伝導率が100W/mk以上の熱伝導性材料で構成されている請求項記載のインクジェット記録装置。
  9. インク貯留部から供給されるインクが、ヘッド部に生じた熱をインク流路部内のインクに移動させるようヘッド部と直接又は間接的に接触して設けられたインク流路部を通過して、ヘッド部の内部に供給され、前記ヘッド部に供給された前記インクを吐出するインクジェット記録装置におけるインク供給方法であって、
    前記インク流路部を通過した前記インクを前記ヘッド部へ供給する前に加熱する加熱工程と、
    前記ヘッド部内に加熱された前記インクを供給する供給工程と、
    を有し、
    前記インクは、第1温度未満でゲル化する相転移を生じるインクを用い、
    前記インク貯留部及び前記インク流路部内のインク温度が第1温度未満となるように設定する工程を有し、
    前記加熱工程は、前記インク流路部を通過した前記インクを前記ヘッド部へ供給する前に前記第1温度以上に加熱し、
    前記供給工程は、前記第1温度以上で前記ヘッド部内に前記インクを供給する、
    ことを特徴とするインク供給方法。
  10. 前記インク流路部内のインク温度が前記第1温度より低い第2温度未満である場合には、前記インク流路部内のインクを加熱する工程を有する請求項記載のインク供給方法。
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