JPWO2011148612A1 - ナビゲーション装置 - Google Patents

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Abstract

目的地の地点情報と現在地の地点情報および地図情報を利用して案内ルートを計算する案内ルート計算部3と、計算された案内ルートと地図情報を利用して案内ルート地図を作成する案内地図作成部5と、計算された案内ルートに必要な施設アイコンを施設アイコン抽出ルールに基づいて抽出し、この施設アイコンのオフセット配置位置を決定する案内ルート周辺施設アイコン配置部6と、前記案内ルート地図の前記決定されたオフセット配置位置に施設アイコンを組み付けて表示する表示部11とを備えたものである。

Description

この発明は、地図上における施設アイコンの配置位置を工夫して案内ルートの視認性を高めたナビゲーション装置に関するものである。
この種のナビゲーションでは、地図上に様々なオブジェクト(情報)が配置されている。特に施設アイコンについては膨大な数が地図上に表示され、施設アイコン同士が重なったり、施設アイコンが案内ルートを覆い隠すように表示されている。これにより、走行時に重要な情報、特に、案内ルートで最も重要な右左折交差点周辺の案内ルートが覆い隠されてしまう場合がある。
例えば、特許文献1に開示された先行技術は、家形や道路を描画した建造物形状地図を表示することによって道路の案内を行う建造物形状地図による案内装置であり、特定地点の周辺にある目印情報を検索して建造物形状地図上に目印を表示する。
また、現在位置より進行方向に車速に応じて範囲を設定し、進行方向に所定の角度、距離の範囲にある目印情報、案内交差点周辺の目印情報を検索し、目印としてランドマーク表示する。
特許文献2に開示された先行技術は、不動産に関連するオブジェクトを、優先順位の高いものから優先順位の低いものへ順に重ならないように配置する。不動産アイコンとオブジェクトの関連付けのため、吹き出し表示を用いている(矢印などの引き出し線でもかまわない)。
特開平10−333562号公報 特開2002−023620号公報
しかしながら、従来のナビゲーション装置における地図表示は、案内ルートに不要な施設アイコンも一律に表示されるため、画面全体が煩雑になり瞬間視認性を著しく低下させる要因となっていた。特に、都心部のように施設アイコンがたくさんある地域においては、施設アイコンが画面を覆いつくし案内ルートが見えづらくなるため使い勝手が悪かった。
特許文献1では、特定地点の周辺にある目印情報を検索して建造物形状地図上に目印を表示する。建造物形状地図上に目印アイコンを表示するため、地図上の目印アイコンの位置は正確だが、地図縮尺によっては隣り合う目印アイコン同士が重なったり、目印アイコンが案内ルートを覆い隠してしまう可能性がある。
特許文献2では、不動産に関連する情報オブジェクトを、優先順位の高いものから優先順位の低いものへ順に重ならないように配置する。また、不動産アイコンと情報オブジェクトの関連付けのため、吹き出し表示を用いている。しかしながら、不動産アイコンについては、隣り合う不動産アイコン同士が重なってしまう可能性がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、案内ルート周辺の目印となる施設アイコンのみを抽出し、施設アイコン同士が重ならない、あるいは施設アイコンが案内ルートに重ならないように、施設アイコンの位置を動的に制御し、また、施設アイコンを大きく表示し目立たせるようにして、運転に重要な施設アイコンや案内ルートを強調することで、瞬間視認性や認知性を高め分かりやすい案内ルートを表示するナビゲーション装置を提供することを目的とする。
この発明に係るナビゲーション装置は、目的地の地点情報と現在地の地点情報および地図情報を利用して案内ルートを計算する案内ルート計算部と、計算された案内ルートと地図情報を利用して案内ルート地図を作成する案内地図作成部と、計算された案内ルートに必要な施設アイコンを施設アイコン抽出ルールに基づいて抽出し、この施設アイコンのオフセット配置位置を決定する案内ルート周辺施設アイコン配置部と、前記案内ルート地図の前記決定されたオフセット配置位置に施設アイコンを組み付けて表示する表示部とを備えたものである。
この発明によれば、施設アイコン同士、または、施設アイコンと案内ルートとが重ならないように、施設アイコンの位置を動的に制御することにより、瞬間視認性が高く、分かりやすい案内ルート地図を提供できるという効果が得られる。
この発明の実施の形態1によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。 この実施の形態1による動作を説明するフローチャートである。 交差点における施設アイコンの抽出説明図である。 道なり案内ルートにおける施設アイコンの抽出説明図である。 種別優先度、種別内優先度を示すデータテーブルである。 交差点における施設アイコンの配置ルールの説明図である。 道なり案内ルートにおける施設アイコンの配置ルールの説明図である。 この発明の実施の形態2によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。 この実施の形態2による動作を説明するフローチャートである。 交差点において案内ルートに施設アイコンが重なった場合における施設アイコンの配置ルールの説明図である。 交差点において案内ルートに施設アイコンが重なった場合における施設アイコンの他の配置ルールの説明図である。 交差点において施設アイコン同士が重なった場合における施設アイコンの配置ルールの説明図である。 交差点において施設アイコン同士が重なった場合における施設アイコンの他の配置ルールの説明図である。 施設アイコンが案内ルート以外の道路に重なった場合の表示図である 道なり案内ルート周辺における施設アイコンの配置ルールの説明図である。 施設アイコンと案内ルートが重なっていないかを判定する条件を記憶したデータベースである。
以下、この発明の実施の形態を図面に従って詳細に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるナビゲーション装置の構成を示すブロック図であり、入力部1、現在地検出部2、案内ルート計算部3、地図データベース4、地図作成部5、案内ルート周辺施設アイコン配置部6、表示部11から構成されている。
入力部1は、ユーザーが目的地の地点情報を入力する。現在地検出部2は、GPS(図示せず)などを利用して現在地の地点情報を検出する。案内ルート計算部3は、入力部1から入力した目的地の地点情報と現在地検出部2で検出した現在地の地点情報から、地図データベース4の地図情報を活用して案内ルート計算を行う。地図データベース4は、ハードディスクやメモリなどの記憶媒体に地図情報を記憶している。地図作成部5は、案内ルート計算部3で出力した案内ルートと、地図データベース4の地図情報を利用して案内ルート地図を作成する。
案内ルート周辺施設アイコン配置部6は、案内ルート周辺の施設アイコンを抽出し、施設アイコンの配置を行うもので、案内ルート周辺施設アイコン抽出部7、施設アイコン抽出ルール格納部8、施設アイコン配置部9、配置ルール格納部10を有する。
案内ルート周辺施設アイコン抽出部7は、施設アイコン抽出ルール格納部8から読み出した施設アイコン抽出ルールにしたがって、案内ルート周辺の目印となる施設アイコンを抽出する。この施設アイコン抽出ルール格納部8は、抽出する施設アイコンの優先順位が収められている。施設アイコン配置部9は、案内ルート周辺にある施設アイコンに対して配置ルール格納部10から読み出した配置ルールに従って施設アイコンが本来ある位置からオフセットした位置に施設アイコンを配置する。この配置ルール格納部10には、右左折交差点案内ルート周辺にある施設アイコンのオフセット配置ルールや、道なり案内ルート周辺にある施設アイコンのオフセット配置ルールなどが格納されている。
表示部11は、地図作成部5で作成した案内ルート地図と施設アイコン配置部9でオフセット配置されたアイコンを液晶モニタなどの表示機器(図示せず)に表示するもので、施設アイコン原位置表示部12、施設アイコン原位置と施設アイコン関連付け部13を有する。施設アイコン原位置表示部12は、地図上の施設アイコンが本来ある場所に「・」印を表示する。施設アイコン原位置と施設アイコン関連付け部13は、施設アイコンが本来ある場所に表示された「・」印とオフセットされた施設アイコンを矢印状の三角形21で結び付けて関連付けを行う(図6)。
図2は、図1に示す構成のナビゲーション装置の動作を示すフローチャートであり、ステップST201において、案内ルート計算部3が案内ルートの計算を行い、地図作成部5がその計算された案内ルートと地図データベース4から読み出した地図情報を利用して案内ルート地図を作成し出力する。
ステップST202において、案内ルート周辺施設アイコン抽出部7はステップST201で作成された案内ルート地図と地図データベース4から読み出した地図情報を入力し、施設アイコン抽出ルール格納部8から読み出した施設アイコン抽出ルールに基づき案内ルート周辺の目印となる施設アイコンを抽出し出力する。
ここで、施設アイコン抽出ルールについて具体的に解説する。
まず、右左折交差点案内ルート周辺の施設アイコンの抽出について説明する。
図3(a)が示すように、案内ルート周辺施設アイコン抽出部7は案内ルートから距離Tの範囲にある施設アイコンA,Bを一次抽出する。距離Tとは案内ルートに面している施設アイコンのみが含まれる距離とする。そして、図5(a)で示すような種別優先度、図5(b)で示すような種別内優先度に基づき、優先度がつけられている施設アイコンAのみを表示部11で表示するアイコンとして抽出する。この実施の形態においては、アイコンBは優先度「なし」のアイコンであり、案内ルート周辺施設アイコン抽出部7において最終的に抽出されない。
ここで種別優先度とは、施設アイコンジャンルごとに優先順位をつけたものであり、施設アイコンを抽出する際に抽出するか否かを判断したり、複数の施設アイコンが重なって表示された場合にどちらの施設アイコンを優先するかを決めるための指標である。数値が高いほど優先順位が高く、優先順位が割り当てられていない施設アイコンジャンルもある。この種別優先度は、施設アイコンの知名度に応じて順位をつけてもよい。または、店舗や看板の視認性の良さに応じて順位をつけても良い。または、店舗数の多さに応じて順位をつけても良い。
また、種別内優先度とは、同一施設アイコンジャンル内の企業ブランド名に優先順位をつけたものであり、複数の同一施設アイコンが重なって表示された場合にどちらの施設アイコンを優先するかを決めるための指標である。数値が高いほど優先順位が高く、優先順位が割り当てられていない企業ブランド名もある。
この種別内優先度は、施設アイコンの知名度に応じて順位をつけてもよい。または、店舗や看板の視認性の良さに応じて順位をつけても良い。または、店舗数の多さに応じて順位をつけても良い。優先順位がつけられていない施設アイコンBに関しては、抽出を行わない。この結果、図3(b)が示すように、交差点周辺の3つの施設アイコンAが抽出される。
次に、道なり案内ルート周辺の施設アイコンの抽出について説明する。
図4(a)が示すように、案内ルートから距離Tの範囲にある施設アイコンA,Bを抽出する。距離Tとは、案内ルートに面している施設アイコンA,Bのみが含まれる距離とする。施設アイコンA,Bを抽出する優先順位のつけ方は、図5(a)、図5(b)と同様である。優先順位がつけられていない施設アイコンBに関しては抽出を行わない。この結果、図4(b)が示すように、案内ルート周辺の1つの施設アイコンAが抽出される。
ステップST203において、施設アイコン配置部9はステップST202に基づき抽出された案内ルート周辺の施設アイコンAを入力し、配置ルール格納部10から読み出した配置ルールを利用して、施設アイコンA’としてオフセット配置する。
ここで、配置ルールについて具体的に解説する。
施設アイコンAのオフセットの方法として、施設アイコンAがある位置(施設アイコン原位置)を中心にして、その周囲でオフセット先を探し移動するという方法が考えられる。しかしながらこの方法は、右左折交差点案内ルート周辺の場合、交差点形状に適応して施設アイコンAをオフセットしたり、オフセットされた施設アイコンA’が施設アイコン原位置に対して直感的に理解できる位置に配置することが難しいという課題がある。
そこで、この実施の形態では、右左折交差点を中心に施設アイコンAを放射状にオフセット配置するという方法でこの課題を解決する。
まず、右左折交差点案内ルート周辺にある施設アイコンAの配置ルールについて説明する。図6(a)で示すように、交差点を中心とした半径Dの円形エリア内にある施設アイコンAは、交差点を中心とした半径Eの円周上に施設アイコンA'として配置するものとする。半径Dは、距離Tと同じ長さである。
半径Eは、
Figure 2011148612
であらわされる。
lは、オフセット配置する大きな施設アイコンA'の一辺の長さである。オフセット配置する大きな施設アイコンA'は、通常の施設アイコンAの数倍の大きさを想定している。
図6(b)で示すように、交差点の中心と施設アイコン原地点を結ぶ線分を引く。図6(c)で示すように、交差点の中心と施設アイコン原地点を結ぶ線分と半径Eの円周が交差するポイントに、大きなサイズの施設アイコンA'(一辺がlの正方形)の中心を配置する。
次に、道なり案内ルート周辺にある施設アイコンの配置ルールについて説明する。
図7(a)で示すように、案内ルートから距離Tの線分上に施設アイコンを配置するものとする。
距離Tは、
Figure 2011148612
であらわされる。
図7(b)で示すように、施設アイコン原位置を通る案内ルートの法線を引く。図7(c)で示すように、施設アイコン原位置を通る案内ルートの法線と距離Tの線分が交差するポイントに、大きなサイズの施設アイコンA'(一辺がlの正方形)の中心を配置する。道なり案内ルート周辺にある施設アイコンは、右左折交差点案内ルート周辺にある施設アイコンよりも小さなサイズにして差別化しても良い。
ステップST204において、表示部11はステップST203に基づきオフセット配置された施設アイコンA'を入力する。施設アイコン原位置と施設アイコン関連付け部13が、施設アイコンAの原位置と施設アイコンA'の関連付けを行いフローを終了する。
具体的には、図6(d)や図7(d)で示すように、施設アイコン原位置に「・」を配置し、施設アイコン原位置とオフセットされた施設アイコンA'の中心を矢印状の三角形21で結ぶ。施設アイコン原位置に「・」を配置し、矢印状の三角形で施設アイコンA'を結ぶことにより、オフセットされた施設アイコンA'から「・」へ自然と視線が移動し、施設アイコンAが本来ある位置を容易に確認できる。
以上のように、実施の形態1では、案内ルート周辺の施設アイコンAを絞り込んで不要な施設アイコンBを省略しているので、案内に必要な施設アイコンAだけが整理して表示され、地図の視認性が高められるという効果が得られる。
また、施設アイコン同士が重ならないように、施設アイコンが案内ルートと重ならないように、施設アイコンAを施設アイコン本来の位置からオフセットして、施設アイコンA'を大きく表示するので、走行に必要な施設アイコンA'や案内ルートが常に明確に表示されるという効果が得られる。
更に、施設アイコンAが本来ある位置に「・」を表示し、「・」とオフセットした施設アイコンA'を突起状の三角形21で結ぶことで関連付けをしているので、施設アイコンA'と施設アイコンAの原位置を直感的に理解できるという効果が得られる。
実施の形態2.
図8はこの発明の実施の形態2におけるナビゲーション装置の一例を示す構成図である。入力部1から配置ルール格納部10までの構成は、実施の形態1と同じであるので、同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。配置結果評価部14は、施設アイコンA'の再配置が必要か否かを配置結果評価知識格納部15から読み出した配置結果評価知識を利用して判定を行う。施設アイコン再配置部16は、再配置が必要な場合、施設アイコンA'の再配置を行う。表示部11は実施の形態1の表示部に施設アイコン変更部17を付加したものである。
図9は図8に示す構成のナビゲーション装置の動作を示すフローチャートであり、ステップST301からステップST302までは、図2に示す実施の形態1の場合と同一の動作である。
ステップST303において、施設アイコン配置部9はステップST302に基づき抽出された案内ルート周辺の施設アイコンAを入力し、配置ルール格納部10から読み出した配置ルールを利用して施設アイコンA'をオフセット配置して出力する。
ステップST304において、配置結果評価部14はステップST303に基づきオフセット配置された施設アイコンA'を入力し、配置結果評価知識格納部15から読み出した配置結果評価知識を利用して、施設アイコンA'の再配置が必要か否かを判定する。
ここで配置結果評価知識について、具体的に解説する。
配置結果評価知識は、図16に示すように、オフセットした施設アイコンA'と案内ルートが重なっていないか、複数の施設アイコン同士が重なっていないかを判定する知識である。この配置結果評価知識において再配置が必要と判定された場合は、ステップST303に戻り、施設アイコン再配置部16を利用して施設アイコンA'の再配置を行う。再配置が必要ないと判定された場合は、ステップST305へ進む。
ここで施設アイコン再配置部16について、具体的に解説する。
施設アイコン再配置部16には、オフセットした施設アイコンA'と案内ルートが重なっている場合と、複数の施設アイコン同士が重なっている場合に、重ならないように修正するために施設アイコンA'の再配置を行う。
まず、オフセットした施設アイコンA'と案内ルートが重なっている場合の施設アイコン再配置部16について説明する。
図10(a)に示すように、右左折交差点周辺でオフセットした施設アイコンA'が案内ルートと重なってしまった場合、図10(b)に示すように施設アイコンA'を交差点を中心とした半径Eの円周上を移動させ案内ルートと重ならないように再配置を行う。この際、施設アイコンA'が案内ルートをまたがない範囲で移動を行う。
図11(a)に示すように、右左折交差点周辺でオフセットした施設アイコンA'が案内ルートと重なってしまった場合、施設アイコンA'を半径Eの円周上を移動させても案内ルートと重ならない位置を定めることができない。このような場合は、図11(b)に示すように施設アイコンA'が案内ルートと重ならなくなるまで、半径Eの距離を大きくして施設アイコンA'の再配置を行っても良い。
施設アイコンA'と案内ルートの位置関係によっては、この2つの再配置処理を併用しても良い。また、優先順位の低い施設アイコンA'を非表示にするという処理を行っても良い。オフセットした施設アイコンA'が案内ルート以外の道路と重なる場合は、図14に示すように施設アイコンA'と道路を重ねたまま表示する。
次に、複数の施設アイコン同士が重なっている場合の施設アイコン再配置部16について説明する。
図12(a)に示すように、右左折交差点周辺案内ルートでオフセットした施設アイコンA'「1」、「2」同士が重なってしまった場合、図12(b)で示すように、優先順位の低い施設アイコンA'「2」を交差点を中心とした半径Eの円周上を移動させて施設アイコン同士が重ならないように再配置する。施設アイコンA'の優先順位は、種別優先度(図5(a))、種別内優先度(図5(b))で定められている。この際、優先度の一番高い施設アイコンA'「1」は、移動させないものとする。また、施設アイコンA'「2」が案内ルートをまたがない範囲で移動を行う。
図13(a)で示すように、右左折交差点周辺案内ルートでオフセットした施設アイコンA'「1」、「2」同士が重なってしまった場合、優先順位の低い施設アイコンA'「2」を半径Eの円周上を移動しても、施設アイコンA'「1」、「2」同士が重ならない位置を定めることができない。このような場合は、図13(b)に示すように施設アイコンA'「1」、「2」同士が重ならなくなるまで、半径Eの距離を大きくして施設アイコンA'「2」の再配置を行っても良い。この際、優先度の一番高い施設アイコンA'「1」は、移動させないものとする。
複数の施設アイコンA'「1」、「2」の位置関係によっては、この2つの再配置処理を併用しても良い。また、優先順位の低い施設アイコンA'「2」を非表示にするという処理を行っても良い。
図15(a)に示すように、道なり案内ルート周辺で、オフセットした施設アイコンA'「1」、「2」同士が重なってしまった場合、図15(b)に示すように、優先順位の低い施設アイコンA'「2」を案内ルートから距離Tの線分上を移動させ施設アイコンA'「1」、「2」同士が重ならないように再配置する。施設アイコンA'の優先順位は、種別優先度(図5(a))、種別内優先度(図5(b))で定められている。この際、優先度が一番高い施設アイコンA'「1」は、移動させないものとする。また、優先順位の低い施設アイコン「2」を非表示にするという処理を行っても良い。
ステップST305において、施設アイコン原位置表示部12と施設アイコン原位置と施設アイコン関連付け部13はステップST303に基づきオフセット配置された施設アイコンA'を入力し、施設アイコン原位置と施設アイコンA'の関連付けを行いフローチャートを終了する。
以上のように、実施の形態2では、実施の形態1の効果に加えて、施設アイコンA'が案内ルートに重ならないように、また、複数の施設アイコン同士が重なって表示されないように、アイコン配置部による配置結果を評価し、施設アイコンA'を再配置することで、より整理された分かりやすい案内ルート地図を提供することができるという効果が得られる。
実施の形態3.
上記実施の形態2においては、施設アイコン再配置部16を用いて施設アイコンA’の再配置を行う例を説明したが、案内ルート周辺施設アイコン配置部6において案内ルートや他の施設アイコンと重ならないオフセット位置を決定しても良い。すなわち、右左折交差点を中心に施設アイコンを放射状にオフセットするときにオフセット後の施設アイコンA’が案内ルートと重ならないようにするために、交差点からの距離Eを施設アイコンA’が案内ルートと重ならない距離に決定するよう、配置ルール格納部10に予め配置ルールを格納しておく。例えば、右左折交差点の角度が小さいほど距離Eを長くする等のルールを格納しておけばよい。また、オフセット後の施設アイコンA’同士が重ならないようにするために、オフセットする施設アイコンの数やオフセット後の施設アイコンA’の大きさに応じて、オフセットする交差点からの距離Eを決定するよう、予め配置ルール格納部10に配置ルールを格納しておく。複数の施設アイコンのうちの一部について、オフセットする交差点からの距離Eを変化させるようにしても良い。
以上のように、実施の形態3によれば、オフセット後の施設アイコンA’が案内ルートに重ならないように、また、複数の施設アイコンA’同士が重なって表示されないように配置することができ、より整理された分かりやすい案内ルート地図を提供することができるという効果が得られる。
以上のように、この発明に係るナビゲーション装置によれば、瞬間視認性が高く、分かりやすい案内ルート地図を提供できるように構成したため、地図上における施設アイコンの配置位置を工夫して案内ルートの視認性を高めたナビゲーション装置等に用いるのに適している。
1 入力部、2 現在地検出部、3 案内ルート計算部、4 地図データベース、5 地図作成部、6 案内ルート周辺施設アイコン配置部、7 案内ルート周辺施設アイコン抽出部、8 施設アイコン抽出ルール格納部、9 施設アイコン配置部、10 配置ルール格納部、11 表示部、12 施設アイコン原位置表示部、13 施設アイコン原位置と施設アイコン関連付け部、14 配置結果評価部、15 配置結果評価知識格納部、16 施設アイコン再配置部、17 施設アイコン変更部、21 三角形。
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ナビゲーション装置
【技術分野】
【0001】
この発明は、地図上における施設アイコンの配置位置を工夫して案内ルートの視認性を高めたナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のナビゲーションでは、地図上に様々なオブジェクト(情報)が配置されている。特に施設アイコンについては膨大な数が地図上に表示され、施設アイコン同士が重なったり、施設アイコンが案内ルートを覆い隠すように表示されている。これにより、走行時に重要な情報、特に、案内ルートで最も重要な右左折交差点周辺の案内ルートが覆い隠されてしまう場合がある。
【0003】
例えば、特許文献1に開示された先行技術は、家形や道路を描画した建造物形状地図を表示することによって道路の案内を行う建造物形状地図による案内装置であり、特定地点の周辺にある目印情報を検索して建造物形状地図上に目印を表示する。
【0004】
また、現在位置より進行方向に車速に応じて範囲を設定し、進行方向に所定の角度、距離の範囲にある目印情報、案内交差点周辺の目印情報を検索し、目印としてランドマーク表示する。
【0005】
特許文献2に開示された先行技術は、不動産に関連するオブジェクトを、優先順位の高いものから優先順位の低いものへ順に重ならないように配置する。不動産アイコンとオブジェクトの関連付けのため、吹き出し表示を用いている(矢印などの引き出し線でもかまわない)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】
特開平10−333562号公報
【特許文献2】
特開2002−023620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のナビゲーション装置における地図表示は、案内ルートに不要な施設アイコンも一律に表示されるため、画面全体が煩雑になり瞬間視認性を著しく低下させる要因となっていた。特に、都心部のように施設アイコンがたくさんある地域においては、施設アイコンが画面を覆いつくし案内ルートが見えづらくなるため使い勝手が悪かった。
【0008】
特許文献1では、特定地点の周辺にある目印情報を検索して建造物形状地図上に目印を表示する。建造物形状地図上に目印アイコンを表示するため、地図上の目印アイコンの位置は正確だが、地図縮尺によっては隣り合う目印アイコン同士が重なったり、目印アイコンが案内ルートを覆い隠してしまう可能性がある。
【0009】
特許文献2では、不動産に関連する情報オブジェクトを、優先順位の高いものから優先順位の低いものへ順に重ならないように配置する。また、不動産アイコンと情報オブジェクトの関連付けのため、吹き出し表示を用いている。しかしながら、不動産アイコンについては、隣り合う不動産アイコン同士が重なってしまう可能性がある。
【0010】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、案内ルート周辺の目印となる施設アイコンのみを抽出し、施設アイコン同士が重ならない、あるいは施設アイコンが案内ルートに重ならないように、施設アイコンの位置を動的に制御し、また、施設アイコンを大きく表示し目立たせるようにして、運転に重要な施設アイコンや案内ルートを強調することで、瞬間視認性や認知性を高め分かりやすい案内ルートを表示するナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係るナビゲーション装置は、目的地の地点情報と現在地の地点情報および地図情報を利用して案内ルートを計算する案内ルート計算部と、前記計算された案内ルートと前記地図情報を利用して案内ルート地図を作成する案内地図作成部と、前記案内ルート周辺の施設アイコンを抽出し、この施設アイコンのオフセット配置位置を前記案内ルートを基準に決定する案内ルート周辺施設アイコン配置部と、前記案内ルート地図の前記決定されたオフセット配置位置に施設アイコンを組み付けて表示する表示部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、施設アイコン同士、または、施設アイコンと案内ルートとが重ならないように、施設アイコンの位置を動的に制御することにより、瞬間視認性が高く、分かりやすい案内ルート地図を提供できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】 この発明の実施の形態1によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 この実施の形態1による動作を説明するフローチャートである。
【図3】 交差点における施設アイコンの抽出説明図である。
【図4】 道なり案内ルートにおける施設アイコンの抽出説明図である。
【図5】 種別優先度、種別内優先度を示すデータテーブルである。
【図6】 交差点における施設アイコンの配置ルールの説明図である。
【図7】 道なり案内ルートにおける施設アイコンの配置ルールの説明図である。
【図8】 この発明の実施の形態2によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図9】 この実施の形態2による動作を説明するフローチャートである。
【図10】 交差点において案内ルートに施設アイコンが重なった場合における施設アイコンの配置ルールの説明図である。
【図11】 交差点において案内ルートに施設アイコンが重なった場合における施設アイコンの他の配置ルールの説明図である。
【図12】 交差点において施設アイコン同士が重なった場合における施設アイコンの配置ルールの説明図である。
【図13】 交差点において施設アイコン同士が重なった場合における施設アイコンの他の配置ルールの説明図である。
【図14】 施設アイコンが案内ルート以外の道路に重なった場合の表示図である
【図15】 道なり案内ルート周辺における施設アイコンの配置ルールの説明図である。
【図16】 施設アイコンと案内ルートが重なっていないかを判定する条件を記憶したデータベースである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の実施の形態を図面に従って詳細に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるナビゲーション装置の構成を示すブロック図であり、入力部1、現在地検出部2、案内ルート計算部3、地図データベース4、地図作成部5、案内ルート周辺施設アイコン配置部6、表示部11から構成されている。
【0015】
入力部1は、ユーザーが目的地の地点情報を入力する。現在地検出部2は、GPS(図示せず)などを利用して現在地の地点情報を検出する。案内ルート計算部3は、入力部1から入力した目的地の地点情報と現在地検出部2で検出した現在地の地点情報から、地図データベース4の地図情報を活用して案内ルート計算を行う。地図データベース4は、ハードディスクやメモリなどの記憶媒体に地図情報を記憶している。地図作成部5は、案内ルート計算部3で出力した案内ルートと、地図データベース4の地図情報を利用して案内ルート地図を作成する。
【0016】
案内ルート周辺施設アイコン配置部6は、案内ルート周辺の施設アイコンを抽出し、施設アイコンの配置を行うもので、案内ルート周辺施設アイコン抽出部7、施設アイコン抽出ルール格納部8、施設アイコン配置部9、配置ルール格納部10を有する。
【0017】
案内ルート周辺施設アイコン抽出部7は、施設アイコン抽出ルール格納部8から読み出した施設アイコン抽出ルールにしたがって、案内ルート周辺の目印となる施設アイコンを抽出する。この施設アイコン抽出ルール格納部8は、抽出する施設アイコンの優先順位が収められている。施設アイコン配置部9は、案内ルート周辺にある施設アイコンに対して配置ルール格納部10から読み出した配置ルールに従って施設アイコンが本来ある位置からオフセットした位置に施設アイコンを配置する。この配置ルール格納部10には、右左折交差点案内ルート周辺にある施設アイコンのオフセット配置ルールや、道なり案内ルート周辺にある施設アイコンのオフセット配置ルールなどが格納されている。
【0018】
表示部11は、地図作成部5で作成した案内ルート地図と施設アイコン配置部9でオフセット配置されたアイコンを液晶モニタなどの表示機器(図示せず)に表示するもので、施設アイコン原位置表示部12、施設アイコン原位置と施設アイコン関連付け部13を有する。施設アイコン原位置表示部12は、地図上の施設アイコンが本来ある場所に「・」印を表示する。施設アイコン原位置と施設アイコン関連付け部13は、施設アイコンが本来ある場所に表示された「・」印とオフセットされた施設アイコンを矢印状の三角形21で結び付けて関連付けを行う(図6)。
【0019】
図2は、図1に示す構成のナビゲーション装置の動作を示すフローチャートであり、ステップST201において、案内ルート計算部3が案内ルートの計算を行い、地図作成部5がその計算された案内ルートと地図データベース4から読み出した地図情報を利用して案内ルート地図を作成し出力する。
【0020】
ステップST202において、案内ルート周辺施設アイコン抽出部7はステップST201で作成された案内ルート地図と地図データベース4から読み出した地図情報を入力し、施設アイコン抽出ルール格納部8から読み出した施設アイコン抽出ルールに基づき案内ルート周辺の目印となる施設アイコンを抽出し出力する。
【0021】
ここで、施設アイコン抽出ルールについて具体的に解説する。
まず、右左折交差点案内ルート周辺の施設アイコンの抽出について説明する。
図3(a)が示すように、案内ルート周辺施設アイコン抽出部7は案内ルートから距離Tの範囲にある施設アイコンA,Bを一次抽出する。距離Tとは案内ルートに面している施設アイコンのみが含まれる距離とする。そして、図5(a)で示すような種別優先度、図5(b)で示すような種別内優先度に基づき、優先度がつけられている施設アイコンAのみを表示部11で表示するアイコンとして抽出する。この実施の形態においては、アイコンBは優先度「なし」のアイコンであり、案内ルート周辺施設アイコン抽出部7において最終的に抽出されない。
【0022】
ここで種別優先度とは、施設アイコンジャンルごとに優先順位をつけたものであり、施設アイコンを抽出する際に抽出するか否かを判断したり、複数の施設アイコンが重なって表示された場合にどちらの施設アイコンを優先するかを決めるための指標である。数値が高いほど優先順位が高く、優先順位が割り当てられていない施設アイコンジャンルもある。この種別優先度は、施設アイコンの知名度に応じて順位をつけてもよい。または、店舗や看板の視認性の良さに応じて順位をつけても良い。または、店舗数の多さに応じて順位をつけても良い。
【0023】
また、種別内優先度とは、同一施設アイコンジャンル内の企業ブランド名に優先順位をつけたものであり、複数の同一施設アイコンが重なって表示された場合にどちらの施設アイコンを優先するかを決めるための指標である。数値が高いほど優先順位が高く、優先順位が割り当てられていない企業ブランド名もある。
【0024】
この種別内優先度は、施設アイコンの知名度に応じて順位をつけてもよい。または、店舗や看板の視認性の良さに応じて順位をつけても良い。または、店舗数の多さに応じて順位をつけても良い。優先順位がつけられていない施設アイコンBに関しては、抽出を行わない。この結果、図3(b)が示すように、交差点周辺の3つの施設アイコンAが抽出される。
【0025】
次に、道なり案内ルート周辺の施設アイコンの抽出について説明する。
図4(a)が示すように、案内ルートから距離Tの範囲にある施設アイコンA,Bを抽出する。距離Tとは、案内ルートに面している施設アイコンA,Bのみが含まれる距離とする。施設アイコンA,Bを抽出する優先順位のつけ方は、図5(a)、図5(b)と同様である。優先順位がつけられていない施設アイコンBに関しては抽出を行わない。この結果、図4(b)が示すように、案内ルート周辺の1つの施設アイコンAが抽出される。
【0026】
ステップST203において、施設アイコン配置部9はステップST202に基づき抽出された案内ルート周辺の施設アイコンAを入力し、配置ルール格納部10から読み出した配置ルールを利用して、施設アイコンA’としてオフセット配置する。
【0027】
ここで、配置ルールについて具体的に解説する。
施設アイコンAのオフセットの方法として、施設アイコンAがある位置(施設アイコン原位置)を中心にして、その周囲でオフセット先を探し移動するという方法が考えられる。しかしながらこの方法は、右左折交差点案内ルート周辺の場合、交差点形状に適応して施設アイコンAをオフセットしたり、オフセットされた施設アイコンA’が施設アイコン原位置に対して直感的に理解できる位置に配置することが難しいという課題がある。
【0028】
そこで、この実施の形態では、右左折交差点を中心に施設アイコンAを放射状にオフセット配置するという方法でこの課題を解決する。
まず、右左折交差点案内ルート周辺にある施設アイコンAの配置ルールについて説明する。図6(a)で示すように、交差点を中心とした半径Dの円形エリア内にある施設アイコンAは、交差点を中心とした半径Eの円周上に施設アイコンA'として配置するものとする。半径Dは、距離Tと同じ長さである。
半径Eは、
Figure 2011148612
であらわされる。
lは、オフセット配置する大きな施設アイコンA'の一辺の長さである。オフセット配置する大きな施設アイコンA'は、通常の施設アイコンAの数倍の大きさを想定している。
【0029】
図6(b)で示すように、交差点の中心と施設アイコン原地点を結ぶ線分を引く。図6(c)で示すように、交差点の中心と施設アイコン原地点を結ぶ線分と半径Eの円周が交差するポイントに、大きなサイズの施設アイコンA'(一辺がlの正方形)の中心を配置する。
【0030】
次に、道なり案内ルート周辺にある施設アイコンの配置ルールについて説明する。
図7(a)で示すように、案内ルートから距離Tの線分上に施設アイコンを配置するものとする。
距離Tは、
Figure 2011148612
であらわされる。
図7(b)で示すように、施設アイコン原位置を通る案内ルートの法線を引く。図7(c)で示すように、施設アイコン原位置を通る案内ルートの法線と距離Tの線分が交差するポイントに、大きなサイズの施設アイコンA'(一辺がlの正方形)の中心を配置する。道なり案内ルート周辺にある施設アイコンは、右左折交差点案内ルート周辺にある施設アイコンよりも小さなサイズにして差別化しても良い。
ステップST204において、表示部11はステップST203に基づきオフセット配置された施設アイコンA'を入力する。施設アイコン原位置と施設アイコン関連付け部13が、施設アイコンAの原位置と施設アイコンA'の関連付けを行いフローを終了する。
【0031】
具体的には、図6(d)や図7(d)で示すように、施設アイコン原位置に「・」を配置し、施設アイコン原位置とオフセットされた施設アイコンA'の中心を矢印状の三角形21で結ぶ。施設アイコン原位置に「・」を配置し、矢印状の三角形で施設アイコンA'を結ぶことにより、オフセットされた施設アイコンA'から「・」へ自然と視線が移動し、施設アイコンAが本来ある位置を容易に確認できる。
【0032】
以上のように、実施の形態1では、案内ルート周辺の施設アイコンAを絞り込んで不要な施設アイコンBを省略しているので、案内に必要な施設アイコンAだけが整理して表示され、地図の視認性が高められるという効果が得られる。
【0033】
また、施設アイコン同士が重ならないように、施設アイコンが案内ルートと重ならないように、施設アイコンAを施設アイコン本来の位置からオフセットして、施設アイコンA'を大きく表示するので、走行に必要な施設アイコンA'や案内ルートが常に明確に表示されるという効果が得られる。
【0034】
更に、施設アイコンAが本来ある位置に「・」を表示し、「・」とオフセットした施設アイコンA'を突起状の三角形21で結ぶことで関連付けをしているので、施設アイコンA'と施設アイコンAの原位置を直感的に理解できるという効果が得られる。
【0035】
実施の形態2.
図8はこの発明の実施の形態2におけるナビゲーション装置の一例を示す構成図である。入力部1から配置ルール格納部10までの構成は、実施の形態1と同じであるので、同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。配置結果評価部14は、施設アイコンA'の再配置が必要か否かを配置結果評価知識格納部15から読み出した配置結果評価知識を利用して判定を行う。施設アイコン再配置部16は、再配置が必要な場合、施設アイコンA'の再配置を行う。表示部11は実施の形態1の表示部に施設アイコン変更部17を付加したものである。
【0036】
図9は図8に示す構成のナビゲーション装置の動作を示すフローチャートであり、ステップST301からステップST302までは、図2に示す実施の形態1の場合と同一の動作である。
ステップST303において、施設アイコン配置部9はステップST302に基づき抽出された案内ルート周辺の施設アイコンAを入力し、配置ルール格納部10から読み出した配置ルールを利用して施設アイコンA'をオフセット配置して出力する。
ステップST304において、配置結果評価部14はステップST303に基づきオフセット配置された施設アイコンA'を入力し、配置結果評価知識格納部15から読み出した配置結果評価知識を利用して、施設アイコンA'の再配置が必要か否かを判定する。
【0037】
ここで配置結果評価知識について、具体的に解説する。
配置結果評価知識は、図16に示すように、オフセットした施設アイコンA'と案内ルートが重なっていないか、複数の施設アイコン同士が重なっていないかを判定する知識である。この配置結果評価知識において再配置が必要と判定された場合は、ステップST303に戻り、施設アイコン再配置部16を利用して施設アイコンA'の再配置を行う。再配置が必要ないと判定された場合は、ステップST305へ進む。
【0038】
ここで施設アイコン再配置部16について、具体的に解説する。
施設アイコン再配置部16には、オフセットした施設アイコンA'と案内ルートが重なっている場合と、複数の施設アイコン同士が重なっている場合に、重ならないように修正するために施設アイコンA'の再配置を行う。
【0039】
まず、オフセットした施設アイコンA'と案内ルートが重なっている場合の施設アイコン再配置部16について説明する。
図10(a)に示すように、右左折交差点周辺でオフセットした施設アイコンA'が案内ルートと重なってしまった場合、図10(b)に示すように施設アイコンA'を交差点を中心とした半径Eの円周上を移動させ案内ルートと重ならないように再配置を行う。この際、施設アイコンA'が案内ルートをまたがない範囲で移動を行う。
【0040】
図11(a)に示すように、右左折交差点周辺でオフセットした施設アイコンA'が案内ルートと重なってしまった場合、施設アイコンA'を半径Eの円周上を移動させても案内ルートと重ならない位置を定めることができない。このような場合は、図11(b)に示すように施設アイコンA'が案内ルートと重ならなくなるまで、半径Eの距離を大きくして施設アイコンA'の再配置を行っても良い。
【0041】
施設アイコンA'と案内ルートの位置関係によっては、この2つの再配置処理を併用しても良い。また、優先順位の低い施設アイコンA'を非表示にするという処理を行っても良い。オフセットした施設アイコンA'が案内ルート以外の道路と重なる場合は、図14に示すように施設アイコンA'と道路を重ねたまま表示する。
【0042】
次に、複数の施設アイコン同士が重なっている場合の施設アイコン再配置部16について説明する。
図12(a)に示すように、右左折交差点周辺案内ルートでオフセットした施設アイコンA'「1」、「2」同士が重なってしまった場合、図12(b)で示すように、優先順位の低い施設アイコンA'「2」を交差点を中心とした半径Eの円周上を移動させて施設アイコン同士が重ならないように再配置する。施設アイコンA'の優先順位は、種別優先度(図5(a))、種別内優先度(図5(b))で定められている。この際、優先度の一番高い施設アイコンA'「1」は、移動させないものとする。また、施設アイコンA'「2」が案内ルートをまたがない範囲で移動を行う。
【0043】
図13(a)で示すように、右左折交差点周辺案内ルートでオフセットした施設アイコンA'「1」、「2」同士が重なってしまった場合、優先順位の低い施設アイコンA'「2」を半径Eの円周上を移動しても、施設アイコンA'「1」、「2」同士が重ならない位置を定めることができない。このような場合は、図13(b)に示すように施設アイコンA'「1」、「2」同士が重ならなくなるまで、半径Eの距離を大きくして施設アイコンA'「2」の再配置を行っても良い。この際、優先度の一番高い施設アイコンA'「1」は、移動させないものとする。
複数の施設アイコンA'「1」、「2」の位置関係によっては、この2つの再配置処理を併用しても良い。また、優先順位の低い施設アイコンA'「2」を非表示にするという処理を行っても良い。
【0044】
図15(a)に示すように、道なり案内ルート周辺で、オフセットした施設アイコンA'「1」、「2」同士が重なってしまった場合、図15(b)に示すように、優先順位の低い施設アイコンA'「2」を案内ルートから距離Tの線分上を移動させ施設アイコンA'「1」、「2」同士が重ならないように再配置する。施設アイコンA'の優先順位は、種別優先度(図5(a))、種別内優先度(図5(b))で定められている。この際、優先度が一番高い施設アイコンA'「1」は、移動させないものとする。また、優先順位の低い施設アイコン「2」を非表示にするという処理を行っても良い。
ステップST305において、施設アイコン原位置表示部12と施設アイコン原位置と施設アイコン関連付け部13はステップST303に基づきオフセット配置された施設アイコンA'を入力し、施設アイコン原位置と施設アイコンA'の関連付けを行いフローチャートを終了する。
【0045】
以上のように、実施の形態2では、実施の形態1の効果に加えて、施設アイコンA'が案内ルートに重ならないように、また、複数の施設アイコン同士が重なって表示されないように、アイコン配置部による配置結果を評価し、施設アイコンA'を再配置することで、より整理された分かりやすい案内ルート地図を提供することができるという効果が得られる。
【0046】
実施の形態3.
上記実施の形態2においては、施設アイコン再配置部16を用いて施設アイコンA’の再配置を行う例を説明したが、案内ルート周辺施設アイコン配置部6において案内ルートや他の施設アイコンと重ならないオフセット位置を決定しても良い。すなわち、右左折交差点を中心に施設アイコンを放射状にオフセットするときにオフセット後の施設アイコンA’が案内ルートと重ならないようにするために、交差点からの距離Eを施設アイコンA’が案内ルートと重ならない距離に決定するよう、配置ルール格納部10に予め配置ルールを格納しておく。例えば、右左折交差点の角度が小さいほど距離Eを長くする等のルールを格納しておけばよい。また、オフセット後の施設アイコンA’同士が重ならないようにするために、オフセットする施設アイコンの数やオフセット後の施設アイコンA’の大きさに応じて、オフセットする交差点からの距離Eを決定するよう、予め配置ルール格納部10に配置ルールを格納しておく。複数の施設アイコンのうちの一部について、オフセットする交差点からの距離Eを変化させるようにしても良い。
【0047】
以上のように、実施の形態3によれば、オフセット後の施設アイコンA’が案内ルートに重ならないように、また、複数の施設アイコンA’同士が重なって表示されないように配置することができ、より整理された分かりやすい案内ルート地図を提供することができるという効果が得られる。
【符号の説明】
【0049】
1 入力部、2 現在地検出部、3 案内ルート計算部、4 地図データベース、5 地図作成部、6 案内ルート周辺施設アイコン配置部、7 案内ルート周辺施設アイコン抽出部、8 施設アイコン抽出ルール格納部、9 施設アイコン配置部、10 配置ルール格納部、11 表示部、12 施設アイコン原位置表示部、13 施設アイコン原位置と施設アイコン関連付け部、14 配置結果評価部、15 配置結果評価知識格納部、16 施設アイコン再配置部、17 施設アイコン変更部、21 三角形。

Claims (12)

  1. 目的地の地点情報と現在地の地点情報および地図情報を利用して案内ルートを計算する案内ルート計算部と、計算された案内ルートと地図情報を利用して案内ルート地図を作成する案内地図作成部と、計算された案内ルートに必要な施設アイコンを施設アイコン抽出ルールに基づいて抽出し、この施設アイコンのオフセット配置位置を決定する案内ルート周辺施設アイコン配置部と、前記案内ルート地図の前記決定されたオフセット配置位置に施設アイコンを組み付けて表示する表示部とを備えたナビゲーション装置。
  2. 案内ルート周辺施設アイコン配置部は、施設アイコン抽出ルール部から読み出したルールに基づき案内ルート地図に必要な施設アイコンを地図データベースから抽出する案内ルート周辺施設アイコン抽出部と、前記抽出された施設アイコンの案内ルート地図に対するオフセット配置位置を決定する施設アイコン配置部とを備えたことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
  3. 表示部は、地図上の施設アイコンが本来ある位置に施設アイコン原位置を示すマークを表示する施設アイコン原位置表示部を備えたことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
  4. 表示部は、地図上の施設アイコンが本来ある位置に施設アイコン原位置を示すマークを表示する施設アイコン原位置表示部と、このマークと施設アイコンとを関連付ける表示を行う施設アイコン原位置マークと施設アイコン関連付け部を備えたことを特徴とする請求項3記載のナビゲーション装置。
  5. 施設アイコン抽出ルールは、施設アイコンジャンルごとに優先順位をつけたもの、同一施設アイコンジャンル内の企業名に優先度をつけたものであることを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
  6. 施設アイコンの配置ルールは、交差点周辺の施設アイコンに対しては交差点を中心にして放射方向にオフセットすることを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
  7. 施設アイコンの配置ルールは、道なり案内ルート周辺の施設アイコンに対しては案内ルートの法線方向にオフセットすることを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
  8. 施設アイコンは、オフセットさせるとともに、その大きさを変化させることを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
  9. 施設アイコンの再配置が必要か否かを配置結果評価知識を利用して判定を行う配置結果評価部と、再配置が必要な場合、施設アイコンの再配置を行うアイコン再配置部とを備えた請求項1記載のナビゲーション装置。
  10. 施設アイコン同士が重なった場合は、重ならないように施設アイコンを移動させることを特徴とする請求項9記載のナビゲーション装置。
  11. 施設アイコン同士が重なった場合は、重ならないように優先順位の低い施設アイコンを移動させることを特徴とする請求項9記載のナビゲーション装置。
  12. 施設アイコンと案内ルートが重なった場合は、重ならないように施設アイコンを移動させることを特徴とする請求項9記載のナビゲーション装置。
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