JPWO2011132532A1 - 圧電アクチュエータおよび圧電アクチュエータの製造方法 - Google Patents

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Abstract

従来よりも簡素な構成および簡素な製造フローで形成可能な圧電アクチュエータを実現する。ベース基板(11)には、固定電極(12)が形成されている。ベース基板(11)の表面には、誘電体層(13)が形成されている。誘電体層(13)の表面には、少なくとも一部がベース基板(11)から離間した形状の下部電極(14)が形成されている。下部電極(14)の表面には、圧電体層(15)が形成されている。圧電体層(15)の表面側には、上部電極(16)が形成されている。圧電駆動電圧の印加による圧電体層(15)の歪により、上部電極(16)もしくは下部電極(14)の少なくとも一部が可動する可動電極となっている。

Description

本発明は、圧電材料を用いて、電気的な制御を行う圧電アクチュエータに関する。
現在、MEMS素子からなるスイッチ素子が各種考案されている。このようなスイッチ素子として、例えば特許文献1に示すように、圧電アクチュエータを利用したものもある。
特許文献1に記載の圧電アクチュエータのスイッチ素子では、ベース基板の表面に、片持ちのアームが取り付けられている。アームは、片持ちの支持部となるベース基板に直交する壁面を有する垂直壁部と、当該垂直壁部に支持されたベース基板部平行な壁面を有する水平壁部とを備える。水平壁面上には、可動電極が形成されている。この可動電極の上方には、アームを覆う蓋部の内壁に固定電極が形成されている。
アームの水平壁部の支持側の端部付近には、下部電極、圧電膜、および上部電極が、この順で配設されており、これらにより圧電駆動部が構成されている。そして、圧電駆動部の下部電極と上部電極との間に駆動電圧を印加すると、圧電膜が歪み、アームが上方に湾曲して、可動電極が固定電極へ近接する。このように、駆動電圧の印加の有無により、可動電極と固定電極との間隔が変化することで、スイッチや可変容量素子として機能する。
特開2009−238546号公報
上述の特許文献1に示す圧電アクチュエータのスイッチ素子では、可動電極、アーム、および圧電駆動部が個別に形成された構造になっている。したがって、スイッチ素子を構成する構成要素が多く、それぞれの構成要素を形成する製造フローも多くなってしまう。
本発明の目的は、従来よりも簡素な構成および簡素な製造フローで形成可能な圧電アクチュエータを提供することにある。
この発明の圧電アクチュエータは、絶縁性のベース基板、該ベース基板に形成された固定電極、下部電極、圧電体層、上部電極、および可動電極を備える。下部電極は、少なくとも一部がベース基板から離間された形状からなる圧電駆動電圧印加用の電極である。圧電体層は、下部電極のベース基板と反対の面側に形成されている。上部電極は、圧電体層の下部電極と反対の面側に形成された圧電駆動電圧印加用の電極である。可動電極は、圧電駆動電圧の印加による前記圧電体層の歪みにより、固定電極との距離が変化する。このような構成の上で、可動電極の少なくとも一部は、上部電極もしくは下部電極により形成されている。
この構成では、可動電極自体が湾曲するアームの機能を有するので構成が簡素化される。さらに、上部電極もしくは下部電極が部分的に可動電極へ含まれることで、さらに構成が簡素化される。また、固定電極をベース基板に備えることで、電気回路の機能的にはカバーを必要とせず、これによっても構成が簡素化される。
また、この発明の圧電アクチュエータでは、可動電極は、一方端が下部電極、圧電体層、および上部電極からなる積層構造部により支持されている。
この構成では、具体的な可動電極の支持柱の構成を示している。このように、本発明の構成では、可動電極の他に別途アームが無くても可動電極に所望の変化をもたらすことができる。
また、この発明の圧電アクチュエータでは、可動電極は上部電極により形成されている。
この構成では、上部電極が可動電極を兼ね、湾曲するアームにもなる。これにより、さらに簡素な構成となる。また、上部電極は、圧電体層よりも製造フローの後段で形成されるため、圧電体層の製造プロセス条件の影響を受けない。このため、上部電極を兼ねる可動電極の材質の選択岐が多くなる。したがって、製品仕様やコスト等に応じて、適する材質を選択し易くできる。
また、この発明の圧電アクチュエータでは、固定電極と可動電極との間に誘電体層が形成されている。
この構成では、具体的な圧電アクチュエータの構造として、固定電極と可動電極との間に誘電体層を備える。この誘電体層が存在することで、固定電極と可動電極とが直接に当接しない。したがって、圧電体アクチュエータを、例えば50MHz〜10GHzといった周波数の高周波スイッチとしても、高周波容量素子としても利用することができる。また、固定電極と可動電極とが直接に当接または近接する場合に比べ、誘電体層を介在することで、過大な信号が通過しても融着しにくいため、駆動電圧印加後にも可動電極をより安定に離間させることができる。これにより、スイッチング動作が可能になる。そして、このような誘電体層を有する構成であっても、他の構成要素が簡素化されているので、誘電体層を備える圧電アクチュエータとしては、従来よりも簡素な構成を実現できる。
また、この発明の圧電アクチュエータでは、誘電体層は圧電体層により形成されている。
この構成では、誘電体層を圧電体層で兼用している。これにより、誘電体層を備える圧電アクチュエータを、さらに簡素な構成で実現できる。
また、この発明の圧電アクチュエータでは、可動電極は、圧電体層の歪み量により固定電極側に近接する面積が変化する形状からなる。
この構成では、近接する面積が異なることで、連続的または多段的な複数の異なる容量を実現できる。これにより、可変容量素子を構成することができる。そして、このような可変容量素子としての圧電アクチュエータであっても、従来よりも簡素な構成で実現できる。
また、この発明の圧電アクチュエータでは、固定電極と可動電極とを、高周波信号を伝送する伝送線路に接続する、または伝送線路とグランド線間に接続する。
この構成では、駆動電圧印加用の電極が高周波信号用の可動電極として兼用されているので、従来のアームと可動電極とを個別に形成する構造よりも、構造を簡素化できる。これにより、圧電アクチュエータを高周波スイッチや可変容量素子として利用する場合に小型化が可能となる。
また、この発明の圧電アクチュエータでは、圧電体層は、チタン酸ジルコン酸鉛系、窒化アルミニウム系、もしくは酸化亜鉛系の材質により形成されている。
この構成では、圧電体層の材質を具体的に示している。これらの材質を用いれば、製造が容易であり、本願の圧電アクチュエータに、より有効に作用する。
また、この発明の圧電アクチュエータでは、圧電体層は、ニオブ酸カリウムナトリウム系の材質により形成されている。
この構成では、圧電体層を構成する別の材質の具体例を示している。この材質は非鉛圧電材料の中でも圧電性に優れているので、優れた環境性と圧電性とを両立する圧電アクチュエータを構成できる。なお、ニオブ酸カリウムナトリウム系の圧電定数d31は50〜150pm/Vである。
なお、ここで、ニオブ酸カリウムナトリウム系とは、以下の一般式(1)からなるニオブ酸カリウムナトリウム系の材質、または、一般式(1)にMn、Mg、Zn、Fe、Cu、Ybの少なくとも1種を金属あるいは酸化物として10mol%以下で添加したニオブ酸カリウムナトリウム系の材質を含む。
一般式(1)(K1−a−bNa)(Nb1−c)O
(AはLi、Ag、Ca、Sr、Bi、Gdからなる少なくとも1種の化合物、BはTa、Zr、Ti、Al、Sc、Hfからなる少なくとも1種の化合物、a、b、cは0≦a≦0.9、0≦b≦0.3、0≦a+b≦0.9、0≦c≦0.3の範囲)。
また、この発明の圧電アクチュエータでは、固定電極はベース基板に埋め込まれた形状からなる。
この構成では、固定電極の具体的構成例を示している。このように、固定電極がベース基板に埋め込まれることで、固定電極上に形成される誘電体層や犠牲層を平坦に形成しやすくなる。
また、この発明の圧電アクチュエータでは、基板がLTCC、ガラス、SOI、アルミナセラミックス、LiNbO、LiTaO、水晶、Si、サファイア、GaAs、GaN、Ge、SiCである。
この構成では、ベース基板の具体的構成例を示している。薄膜電極用のベース基板としては、上述の各材質のように、熱収縮が小さく圧電体層と熱膨張係数の近いものが、可動電極の反りや変形が小さくなるので好ましい。
また、この発明は、圧電アクチュエータの製造方法に関する。この圧電アクチュエータの製造方法では、(1)絶縁性のベース基板に固定電極を形成する工程と、(2)ベース基板の固定電極が形成された面側に犠牲層を形成する工程と、(3)少なくとも一部が犠牲層のベース基板と反対の面側に配設されるように下部電極を形成する工程と、(4)下部電極のベース基板と反対の面側に圧電体層を形成する工程と、(5)圧電体層の下部電極と反対の面側に上部電極を形成する工程と、(6)犠牲層を除去することで可動電極を形成する工程と、を有する。
この製造方法では、圧電体層の形成後に可動電極を形成するので、可動電極の材質の選択岐の制限が緩和される。具体的には、圧電体層を上述の圧電性の大きなチタン酸ジルコン酸鉛系、ニオブ酸カリウムナトリウム系で形成する場合、成膜プロセスの温度が500℃〜700℃と高くなる。したがって、圧電体層を形成する前に可動電極を形成しようとすると、当該プロセス温度で変質、変形しない材質に限られてしまう。一方で、圧電体層の形成後に可動電極を形成すれば、このようなプロセス温度による規制を受けない。これにより、可動電極の材質の選択岐を増やすことができる。
また、この発明の圧電アクチュエータの製造方法では、犠牲層を形成する工程で、犠牲層に酸化亜鉛を用いる。
この製造方法では、犠牲層に利用する酸化亜鉛が配向することで、当該犠牲層に接する下部電極や当該下部電極を介して犠牲層に近接する圧電体層の結晶性が向上する。これにより、信頼性や圧電特性に優れる圧電アクチュエータを構成できる。
この発明によれば、従来よりも簡素な構成で且つ簡素な製造フローによって、圧電アクチュエータを形成することができる。
第1の実施形態に係る圧電アクチュエータ1の平面図および側面断面図である。 第1の実施形態に係る圧電アクチュエータ1の可動部の湾曲状態における側面断面図である。 第1の実施形態に係る圧電アクチュエータ1の製造フローを示すフローチャートである。 図3に示す各フローでの構造を示す側面断面図である。 第2の実施形態に係る圧電アクチュエータ1Aの側面断面図である。 第3の実施形態に係る圧電アクチュエータ1Bの側面断面図である。 第4の実施形態に係る圧電アクチュエータ1Cの側面断面図である。 第5の実施形態に係る圧電アクチュエータ1Dの側面断面図である。 第6の実施形態に係る圧電アクチュエータ1Eの側面断面図である。 第7の実施形態に係る圧電アクチュエータ1Fの側面断面図である。 第8の実施形態に係る圧電アクチュエータ1Gの側面断面図である。
本発明の第1の実施形態に係る圧電アクチュエータについて、図を参照して説明する。図1(A)は本実施形態の圧電アクチュエータ1の平面図であり、図1(B)はその側面断面図である。図2は圧電アクチュエータ1の可動部の湾曲状態における側面断面図である。
(圧電アクチュエータの構造)
圧電アクチュエータ1は、図1(A)に示すように所定面積で所定厚みからなる絶縁性のベース基板11を備える。ベース基板11は、例えば平面視で長さが1.5mm、幅が0.5mmの大きさで形成されている。ベース基板11の一方主面(図1(B)における上面)には、所定領域に凹部が形成されており、凹部内には固定電極12が形成されている。
誘電体層13は、ベース基板11の固定電極12の形成面(一方主面)に、少なくとも固定電極12を覆うように所定領域に所定厚みで形成されている。
下部電極14は、ベース基板11の表面における所定領域に所定厚みで形成されている。下部電極14は、その中間部に直立する屈曲部14Vを有し、下部電極14の一部14EDがベース基板11と所定間隔離間した形状となっている。なお、図1(B)では屈曲部14Vは直立した形状となっているが、後述する製造方法において所定角度(例えば45度)に傾斜した形状に形成される。また、屈曲部14Vが設けられる中間部は下部電極14のどの位置でもよいが、所望の圧電駆動が得られるように、ベース基板11と離間する部分14EDの寸法が規定される。
圧電体層15は、下部電極14を覆うように所定領域に所定厚みで形成されている。また、圧電体層15は、下部電極14の屈曲部14Vに倣う屈曲部15Vを有する。この際、圧電体層15は、ベース基板11から離間した下部電極14の一部14EDも覆うように形成されている。この構造により、後述の上部電極16が形成される際に、確実に下部電極14と上部電極16とを離間することができる。
上部電極16は、支持部61と可動部62とが一体形成された構造からなる。なお、支持部61の端部も圧電体層15の歪みにより湾曲するが、説明の便宜上、上部電極16を支持部61と可動部62とに分けて説明する。支持部61は、圧電体層15を覆うように所定領域に所定厚みで形成されている。また、上部電極16は、下部電極14の屈曲部14V、圧電体層15の屈曲部15Vに倣う屈曲部16Vを有する。支持部61における下部電極14と対向していない端部61EDには、可動部62が連接して形成されている。可動部62は、図1(A)に示すように、圧電アクチュエータ1を平面視して、少なくとも固定電極12と対向するような面積に所定厚みで形成されている。可動部62には、所定の配列パターンで複数の貫通孔60が形成されている。貫通孔60を設けることで可動部62の長さ方向に直交する断面積が、貫通孔60のある箇所と貫通孔60のない箇所で変化する。したがって、可動部62が湾曲しやすくなり、後述の可変容量素子において可動部62の連続的または多段的な変化に有効となる。なお、これら複数の貫通孔60は必ずしも等間隔の配列パターンで形成されなくてもよく、例えば可動部62の先端側と支持部61に近い側とで配列パターンを変えるなど、可動部62の湾曲具合に応じて任意の配列にしてもよい。貫通孔60は主として断面積の変化を作ることが目的であるので、形状は平面視円形状でなくてもよく、楕円状や多角形状でもよい。貫通孔でなくても半貫通でもよい。所望の圧電駆動が可能であれば貫通孔60は形成しなくてもよい。
このような構成とすることで、上部電極16の平板状の可動部62は、一方端が上部電極16の支持部61、圧電体層15および下部電極14の積層構造からなる支持柱により、ベース基板11の表面から所定間隔で離間して支持される。
このような構造において、上部電極16と下部電極14との間に駆動電圧を印加すると、圧電体層15が歪み、上部電極16の支持部61、圧電体層15、および下部電極14からなる支持柱の端付近から可動部62にかけて湾曲する。この湾曲により、図2に示すように、上部電極16の可動部62は、ベース基板11の誘電体層13の表面に当接する。これにより、上部電極16の可動部62と固定電極12とが、誘電体層13を介して対向する。この結果、上部電極16の可動部62と固定電極12との対向面積と、誘電体層13の厚みおよび誘電率とによって規定されるコンデンサが形成される。なお、コンデンサの容量としては、0.01pF〜10pFである。
一方、上部電極16と下部電極14への駆動電圧の印加を停止すると、圧電体層15の駆動電圧印加による歪みは解消され、湾曲状態が元の湾曲していない状態に戻る。これにより、可動部62と固定電極12は、誘電体層13および所定の空間ギャップを介して離間した状態となる。
ここで、図示は省略するが、上部電極16と固定電極12に対して、所望とする高周波信号を伝送する伝送線路を接続する。このような構造とすることで、駆動電圧が無印加状態であれば上部電極16の可動部62と固定電極12が離間されており、高周波信号は導通しない。一方、駆動電圧印加状態であれば、所定容量のコンデンサが形成され、高周波的に導通状態となる。したがって、このような構造とすることで、圧電アクチュエータ1は、高周波スイッチとして機能させることができる。また、高周波信号を伝送する伝送線路間への接続の他に、伝送線路とグランド線間に接続してもスイッチとして機能させることができる。
この際、上述のように、駆動電圧印加用の上部電極16が、高周波信号用の可動電極として兼用されているので、従来のアームと可動電極とを個別に形成する構造よりも、構造を簡素化できる。また、下部電極14、圧電体層15、上部電極16の支持部61がアームの支持柱として機能するので、従来のようにアームを個別設けた後に下部電極14、圧電体層15、および上部電極16を設ける構造よりも、構造を簡素化できる。さらに、固定電極12をベース基板11に設けることで、固定電極12を別途カバー等に設けるよりも、構造を簡素化できる。以上のように、本実施形態の構造とすることで、従来よりも簡素な構造で圧電アクチュエータを形成することができる。
なお、上述の説明では、駆動電圧印加時と駆動電圧無印加時とで、高周波的なスイッチのオンオフを制御する例を説明したが、駆動電圧レベルを連続的または多段的に調整することで、可変容量素子としても利用することができる。
すなわち、駆動電圧レベルを連続的または多段的に調整すると、圧電体層15の歪みも連続的または多段的に調整できる。圧電体層15の歪み度合いが変化すると、湾曲状態も変化し、上部電極16の可動部62が誘電体層13に当接する面積も変化する。当接面積が変化すれば、上面電極16の可動部62、固定電極12、および誘電体層13からなるコンデンサの容量値も変化する。このような複数の当接状態を制御することで、連続的または多段的に変化する容量値を、一つの圧電アクチュエータ1で実現でき、当該圧電アクチュエータ1を可変容量素子として利用することができる。
また、上述の説明では、可動部62の形状を概略的に示したが、次に示すような構造にするとよりよい。具体的には、可動部62は、側面視した長さが固定電極12の側面視した長さよりも長く、且つ、該可動部62の先端側が、平面視して固定電極12と重ならないようにする。これにより、可動部62の先端側が、駆動電圧を印加していない状態で自重により垂れ下がったり、駆動電圧を印加したときに可動部62の先端側が不所望にもスティッキングを起こして急峻に誘電体層13と当接しても、可動部62の先端側が、誘電体層13を介して固定電極12に対向することがない。これにより、上述のスイッチとしての機能や、可変容量素子としての機能を、より確実に実現することができる。
(圧電アクチュエータ1の製造方法)
次に、本実施形態の圧電アクチュエータ1の製造方法について、具体的に図を参照して説明する。図3は第1の実施形態に係る圧電アクチュエータ1の製造フローを示すフローチャートである。図4は、図3に示す各フローでの構造を示す側面断面図である。
まず、図4(A)に示すように、厚みが100〜500μm(代表例300μm)のガラスからなるベース基板11に、ドライエッチング法で例えば500nm〜5μm(代表例3μm)の凹部を形成して、スパッタ法によりCuからなる固定電極12を形成する(S101)。なお、凹部の形成方法は、ウェットエッチング法やサンドブラスト法等でもよい。また、固定電極12の形成方法は、蒸着法またはめっき法、もしくはこれらを組み合わせてもよい。ここで、ベース基板11の材質としてはガラス以外に、LTCC、SOI、アルミナセラミックス、LiNbO、LiTaO、水晶、Si、サファイア、GaAs、GaN、Ge、SiC等の絶縁材料、圧電材料、半導体材料を用いてもよい。また、固定電極12の材質としてはCu以外に、Au、Ag、Pt、Ru、Ir等の融点、導電率が高い金属や、複数の金属を積層した積層電極や、Cu合金、Ag−PdなどのAg合金を用いてもよい。
次に、ベース基板11の固定電極12側の表面を、CMP等の研磨処理により平坦化する。その後、本図には記載していないが、Cu等の酸化、拡散を防止するためにTiN、TaN、TiSiN等のバリア膜をスパッタ法で100nm程度の厚みでCuの電極の上に形成してもよい。
次に、図4(B)に示すように、スパッタ法を用いて、その成膜温度100℃〜700℃において、Ta(誘電率25)からなる誘電体層13を、ベース基板11の固定電極12側の表面に100nm〜1μm(代表例200nm)の厚みとなるように、ドライエッチング法により所定形状にパターニングして形成する(S102)。なお、誘電体層13の形成方法は、蒸着法やめっき法でもよく、パターニングはウェット法でもよい。ここで、誘電体層13の材質としてはTa以外に、SiN、SiO、Al、(Ba、Sr)TiO系(窒素ドーピングなど)を用いてもよい。誘電率が5〜1000、好ましくは誘電率が20〜150のものを用いることが好ましい。複数の誘電体材料を用いて誘電体層13を多層構造にしてもよい。
次に、図4(C)に示すように、スパッタ法を用いて、その成膜温度100℃〜700℃において、ZnOからなる犠牲層50を、誘電体層13の表面に1〜10μm(代表例3μm)の厚みとなるように、ウェットエッチング法により所定形状にパターニングして形成する(S103)。なお、犠牲層50の形成方法は、蒸着法やめっき法でもよく、パターニングはドライエッチング法でもよい。ここで、犠牲層50の材質としてはZnO以外に、ポリシリコン等を用いてもよい。犠牲層50にZnOを用いると、当該ZnOの配向により、後段の工程で形成される下部電極14や圧電体層15の結晶性が向上する。これにより、圧電アクチュエータ1の特性および信頼性を向上することができる。
次に、図4(D)に示すように、スパッタ法を用いて、その成膜温度100℃〜700℃において、Ptからなる下部電極14を、犠牲層50およびベース基板11の表面に100〜500nm(代表例200nm)の厚みになるように、ドライエッチング法を用いて所定形状にパターニングして形成する(S104)。なお、下部電極14の形成方法は、蒸着法やめっき法でもよく、パターニングはウェットエッチング法でもよい。この際、犠牲層50の厚みにより下部電極14に屈曲部14Vが形成され、ベース基板11から離間した下部電極14の一部14EDが形成される。ここで、下部電極14の材質としては融点が高く、高温でも安定な材質がよく、Pt以外に、Ir、Ru、またはその酸化物、またはLaNiOやSrRuO,SrIrO,SrCoO,LaTiO,(Sr,La)TiOなどの導電性酸化窒化物、あるいはその積層構造でもよい。なお、酸化チタン系材質を下地層とするのが好ましい。また、下部電極14の表層にLaNiOやSrRuO、LaTiO,(Sr,La)TiOを用いればそれらの酸化物が配向するために、圧電体層15の結晶性が向上する。これにより、圧電アクチュエータ1の特性および信頼性を向上することができる。
次に、図4(E)に示すように、スパッタ法を用いて、その成膜温度400〜850℃(代表例700℃)において、KNN(ニオブ酸カリウムナトリウム)系からなる圧電体層15(圧電定数d31=100pm/V)を、下部電極14や犠牲層50の表面に、500nm〜4μm(代表例2μm)の厚みになるように、ドライエッチング法により所定形状にパターニングして形成する(S105)。なお、圧電体層15の形成方法は、CVD法やPLD法でもよく、パターニングはウェットエッチング法でもよい。この際、圧電体層15がベース基板11から離間した下部電極14の一部14EDを覆うようにパターニングが行われる。これにより、後段の工程である上部電極16の形成時に、上部電極16が下部電極14に接触することを防止できる。なお、圧電体層15の材質としては、上述の非鉛圧電材料であるKNN(ニオブ酸カリウムナトリウム)系以外に、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)系、AlN(窒化アルミニウム)系、ZnO(酸化亜鉛)系の材質を用いてもよい。これらは、既に圧電薄膜として、特性および製造方法が良く知られたものであるので、安定した品質の圧電体層15を形成しやすい。特に、KNN系を用いると、さらに環境性も向上することができる。また、圧電体層15を形成した後(上部電極16を形成する前)に、RTA等の500℃〜900のアニール処理を施すことで、圧電体の結晶性や信頼性、圧電特性を向上させることができる。
次に、図4(F)に示すように、蒸着リフトオフ法を用いて、Tiを密着層として、Cuからなる上部電極16を、圧電体層15、および犠牲層50の表面に、500nm〜5μm(代表例2μm)の厚みになるように、ドライエッチング法により所定形状にパターニングして形成する(S106)。なお、上部電極16の形成方法は、スパッタ法やめっき法でもよく、パターニングはウェットエッチング法でもよい。上部電極16の材質としては、Cu以外に、Au、Ag、Ni等を用いてもよい。これら金属の合金系でもよい。また、酸化チタン系材質を下地層としたAu積層電極等でもよい。上部電極16のCu等の酸化、拡散を防止するためにTiN、TaN、TiSiN等のバリア膜をスパッタ法で100nm程度の厚みでCu等の電極の上に形成してもよい。上部電極16は、高温のプロセスとなる圧電体層15の形成工程よりも後工程となるので、上部電極16には、当該圧電体層の成膜プロセス温度に影響されることない導電性材質を用いることができる。これにより、下部電極14や圧電体層15よりも形成面積の大幅に広い上部電極16に用いる材質の選択自由度が向上する。したがって、圧電アクチュエータ1を、求められる仕様に応じて、より安価に製造することが可能になる。また、上部電極16は前段の工程で形成した、犠牲層50や下部電極14、圧電膜15で生じた応力を上部電極16の膜厚によって調整することが可能となる。
次に、図4(G)に示すように、犠牲層50をウェットエッチング法により除去する(S107)。ここで、図4(G)に示すように、上部電極16に貫通孔60を設けることで、ウェットエッチングの速度を向上でき、犠牲層除去工程のタクトアップが可能になる。
以上のような工程を得ることで、圧電アクチュエータ1が完成する。
なお、上述の製造フローでは、犠牲層50にZnOを用いた場合を示したが、ポリシリコンを用いた場合には、減圧化学気相成長装置(LPCVD)を用いて、650℃程度の温度で成膜する。その後、下部電極14、圧電体層15、および上部電極16を形成した後に、ポリシリコンからなる犠牲層50を、例えばTMAHによるウェットエッチングや、SFもしくはXeFによるドライエッチングにより除去する。
また、上述の製造フローにおいて、上部電極16をめっき法により形成してもよい。この場合、圧電体層15の形成後に、当該下地電極の全面にレジスト膜を形成し、フォトリソグラフィーを用いて、上部電極16に対応する領域をパターン化し、該当領域のレジスト膜を除去する。次に、全面に密着層とめっきシード層を形成する。
次に、さらにレジスト膜を形成し、上部電極16に対応する領域をパターン化し、該当領域のレジスト膜を除去する。次に、レジスト膜の開口部へ電解めっき法等により、CuめっきやAuめっき層を1μm〜10μm(代表例3μm)に形成する。この後、めっきシード層および当該めっきシード層を挟む二つのレジスト層を除去し、さらに犠牲層50を除去する。
なお、上述の製造フローにおいて、下部電極14と圧電体層15との間に、下地薄膜(バッファ層)を形成する製造フローを設けてもよい。バッファ層は主として圧電体層の結晶性(配向性)を向上させたり、下部電極14と圧電体層15の熱膨張係数の差による圧縮応力、引っ張り応力を緩和させるために形成されるものである。バッファ層の材質としては、高誘電率の酸化物として、BaTiO、SrTiO、BaZrO、(Ba、Sr)TiO、GdZrO、または導電性の窒化酸化物であるLaNiOやSrRuO、LaTiO,(Sr,La)TiOなどの1種、もしくはこれらの組み合わせを用いる。バッファ層の形成方法としては、スパッタ法、蒸着法、またはめっき法などを用いる。バッファ層の厚みは1〜100nm(代表例10nm)である。
また、上述の製造フローにおいて、圧電体層15を多層構造にする製造フローにしてもよい。多層構造の材質としては、上述のKNN(ニオブ酸カリウムナトリウム)系、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)系、AlN(窒化アルミニウム)系、またはZnO(酸化亜鉛)系の組み合わせ、もしくは同じ系の組み合わせなどを用いる。多層構造の形成方法としては、スパッタ法、蒸着法、またはめっき法、もしくはこれらの組み合わせを用いる。
また、上述の製造フローにおいて、ベース基板と下部電極、下部電極と圧電体層、圧電体層と上部電極との間に、絶縁体材料その他の材料からなる中間層を形成する製造フローを設けてもよい。
次に、第2の実施形態に係る圧電アクチュエータについて、図を参照して説明する。図5は本実施形態に係る圧電アクチュエータ1Aの側面断面図である。本実施形態の圧電アクチュエータ1Aは、第1の実施形態の圧電アクチュエータ1に対して、上部電極16Aの形状が異なり、他の構成は同じである。したがって、上部電極16Aの構造のみを説明する。図5に示すように、圧電アクチュエータ1Aの上部電極16Aは、支持部61Aと可動部62Aとが異なる材質により形成されている。そして、圧電アクチュエータ1Aでは、可動部62Aの一方端が、支持部61Aに覆い重なるように形成されている。このような構成であっても、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができるとともに、例えば支持部61Aには圧電体層15との密着性のよいもの(例えばPtでも可)を選択し、可動部62Aには導電性がよく安価なもの(Cuなど)を選択するといった設計の自由度が得られる。
次に、第3の実施形態に係る圧電アクチュエータについて、図を参照して説明する。図6は本実施形態に係る圧電アクチュエータ1Bの側面断面図である。本実施形態の圧電アクチュエータ1Bは、第1の実施形態の圧電アクチュエータ1に対して、下部電極14B、圧電体層15B、および上部電極16Bの形状が異なり、他の構成は同じである。したがって、下部電極14B、圧電体層15B、および上部電極16Bの構造のみを説明する。
下部電極14Bと圧電体層15Bは、圧電アクチュエータ1Bを平面視して、下部電極14Bの端部が圧電体層15Bの端部よりも突出するように、形成されている。上部電極16Bは圧電体層15の表面にのみ形成された支持部61Bのみが形成される。可動部63Bは、下部電極14Bに接続するように形成されている。なお、図6に示す構成では、可動部63Bは、上部電極16Bに接触しない厚みで形成されているが、上部電極16Bの端部より圧電体層15Bの端部を突出させるなどして、上部電極16Bと可動部63Bが接触しないようにしておけば、可動部63Bの厚みの自由度が得られる。可動部63Bは、下部電極14Bの形成後であれば、どのタイミングで形成することも可能であるが、圧電体層15の形成後にすることで、上述のような圧電体層15の形成プロセス温度の影響を考慮する必要が無く、材質の選択自由度を向上できる。
次に、第4の実施形態に係る圧電アクチュエータについて、図を参照して説明する。図7は本実施形態に係る圧電アクチュエータ1Cの側面断面図である。本実施形態の圧電アクチュエータ1Cは、第1の実施形態の圧電アクチュエータ1に対して、固定電極12Cの形成位置が異なり、他の構成は同じである。したがって、固定電極12Cの構造のみを説明する。
圧電アクチュエータ1Cでは、平板状のベース基板11の表面に、固定電極12Cを形成している。そして、当該固定電極12Cをも覆う形状で、誘電体層13Cをパターニングして形成する。このような構成であっても、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
次に、第5の実施形態に係る圧電アクチュエータについて、図を参照して説明する。図8は本実施形態に係る圧電アクチュエータ1Dの側面断面図である。本実施形態の圧電アクチュエータ1Dは、第1の実施形態の圧電アクチュエータ1とほぼ同じ構造である。なお、図8では、固定電極12Dが可動部62の先端部と所定間隔で対向する部分のみとなるように小面積で形成されているが、第1の実施形態の固定電極12と同じ構造であってもよい。
圧電アクチュエータ1Dは、駆動電圧を制御することで、上面電極16の可動部62が、常に、駆動電圧に応じた空間ギャップGonをもって、固定電極12Dおよび誘電体層13から離間する構造からなる。このような構造であっても、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
次に、第6の実施形態に係る圧電アクチュエータについて、図を参照して説明する。図9は本実施形態に係る圧電アクチュエータ1Eの側面断面図である。本実施形態の圧電アクチュエータ1Eは、第1の実施形態の圧電アクチュエータ1に対して、誘電体層13Eの構造が異なり、他の構成は同じである。したがって、固定電極12Cの構造のみを説明する。
圧電アクチュエータ1Eでは、誘電体層13Bが下部電極14のベース基板11と離間された一部、圧電体層15の端部および上部電極16の可動部62に当接するように、すなわち誘電体層13Bがベース基板側ではなく可動部側に形成されている。これにより、誘電体層13Bが可動部62を補強することができる。そして、このような構成であっても、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
次に、第7の実施形態に係る圧電アクチュエータについて、図を参照して説明する。図10は本実施形態に係る圧電アクチュエータ1Fの側面断面図である。本実施形態の圧電アクチュエータ1Fは、第1の実施形態の圧電アクチュエータ1に対して、圧電体層15Fの構造が異なる。
圧電アクチュエータ1Fの圧電体層15Fは、図10に示すように、側面視して固定電極12よりも長い形状で、形成されている。そして、この圧電体層15Fの表面における略全面に可動部62にもなる上部電極16が形成されている。このような構成とすることで、上述の誘電体層13を圧電体層15Fで兼用することができ、誘電体層を省略することができる。これにより、さらに簡素な構成の圧電アクチュエータを形成することができる。
次に、第8の実施形態に係る圧電アクチュエータについて、図を参照して説明する。図11は本実施形態に係る圧電アクチュエータ1Gの側面断面図である。本実施形態の圧電アクチュエータ1Gは、第2の実施形態の圧電アクチュエータ1Aに対して、上部電極16Gの構造が異なる。
圧電アクチュエータ1Gの上部電極16Gは、支持部61Gと可動部62Gとの間に絶縁体層64が形成されている。このような構成とすることで、支持部61Gと可動部62Gとを電気的に分離することができる。絶縁体層64の材質としては、ガラスやセラミック等の絶縁体材料だけでなく、上述の誘電体材料、圧電体材料、半導体材料等も用いることができる。例えば、支持部61Gを駆動電圧印加用に利用し、可動部62を高周波信号の伝送用に利用することができる。
なお、上述の実施形態では、駆動電圧印加用の上部電極を、高周波信号用の可動電極に兼用する例を示したが、駆動電圧印加用の下部電極を伸延し、高周波信号用の可動電極に兼用しても、構造の簡素化が可能である。
1,1A〜1G−圧電アクチュエータ、11−ベース基板、12,12C,12D−固定電極、13,13C−誘電体層、14,14B−下部電極、15,15B,15F−圧電体層、16,16A,16B,16G−上部電極、14V,15V,16V−屈曲部、60−貫通孔、61,61A,61G−支持部、62,62A,62G−可動部、63B−可動用電極、64−絶縁体層

Claims (13)

  1. 絶縁性のベース基板と、
    該ベース基板に形成された固定電極と、
    少なくとも一部が前記ベース基板から離間された形状からなる圧電駆動電圧印加用の下部電極と、
    該下部電極の前記ベース基板と反対の面側に形成された圧電体層と、
    該圧電体層の前記下部電極と反対の面側に形成された前記圧電駆動電圧印加用の上部電極と、
    前記圧電駆動電圧の印加による前記圧電体層の歪みにより、前記固定電極との距離が変化する可動電極と、を備え、
    該可動電極の少なくとも一部は、前記上部電極もしくは前記下部電極により形成されている、圧電アクチュエータ。
  2. 請求項1に記載の圧電アクチュエータであって、
    前記可動電極は、一方端が前記下部電極、前記圧電体層、および前記上部電極からなる積層構造部により支持されている、圧電アクチュエータ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の圧電アクチュエータであって、
    前記可動電極は、前記上部電極により形成されている、圧電アクチュエータ。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の圧電アクチュエータであって、
    前記固定電極と前記可動電極との間に誘電体層が形成されている、圧電アクチュエータ。
  5. 請求項4に記載の圧電アクチュエータであって、
    前記誘電体層は前記圧電体層により形成されている、圧電アクチュエータ。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の圧電アクチュエータであって、
    前記可動電極は、前記圧電体層の歪み量により、前記固定電極側に近接する面積が変化する形状からなる、圧電アクチュエータ。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の圧電アクチュエータであって、
    前記固定電極と前記可動電極とを、高周波信号を伝送する伝送線路に接続する、または伝送線路とグランド線間に接続する、圧電アクチュエータ。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の圧電アクチュエータであって、
    前記圧電体層は、チタン酸ジルコン酸鉛系、窒化アルミニウム系、もしくは酸化亜鉛系の材質により形成されている、圧電アクチュエータ。
  9. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の圧電アクチュエータであって、
    前記圧電体層は、以下の一般式(1)からなるニオブ酸カリウムナトリウム系の材質、または、一般式(1)にMn、Mg、Zn、Fe、Cu、Ybの少なくとも1種を金属あるいは酸化物として10mol%以下で添加したニオブ酸カリウムナトリウム系の材質により形成されている、圧電アクチュエータ。
    一般式(1)(K1−a−bNa)(Nb1−c )O
    (AはLi、Ag、Ca、Sr、Bi、Gdからなる少なくとも1種の化合物、BはTa、Zr、Ti、Al、Sc、Hfからなる少なくとも1種の化合物、a、b、cは0≦a≦0.9、0≦b≦0.3、0≦a+b≦0.9、0≦c≦0.3の範囲)
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の圧電アクチュエータであって、
    前記固定電極は、前記ベース基板に埋め込まれた形状からなる、圧電アクチュエータ。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の圧電アクチュエータであって、
    前記ベース基板の材質がLTCC、ガラス、SOI、アルミナセラミックス、LiNbO、LiTaO、水晶、Si、サファイア、GaAs、GaN、Ge、SiCのいずれかである、圧電アクチュエータ。
  12. 絶縁性のベース基板に固定電極を形成する工程と、
    前記ベース基板の前記固定電極が形成された面側に犠牲層を形成する工程と、
    少なくとも一部が前記犠牲層の前記ベース基板と反対の面側に配設されるように、下部電極を形成する工程と、
    前記下部電極の前記ベース基板と反対の面側に圧電体層を形成する工程と、
    前記圧電体層の前記下部電極と反対の面側に上部電極を形成する工程と、
    前記犠牲層を除去することで可動電極を形成する工程と、
    を有する圧電アクチュエータの製造方法。
  13. 請求項12に記載の圧電アクチュエータの製造方法であって、
    前記犠牲層を形成する工程では、前記犠牲層に酸化亜鉛を用いる、圧電アクチュエータの製造方法。
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