JPWO2011086685A1 - 電圧検知装置 - Google Patents
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Abstract
電圧検知装置100は、IGBT11のコレクタに接続された放熱板13と、放熱板13との間でコンデンサ22を形成する検知用リードフレーム21と、コンデンサ22に蓄積された電荷の変化量に基づいてIGBT11のコレクタ電圧を検知するコレクタ電圧検知回路30と、を備えている。この電圧検知装置100によれば、高電圧の状況下においても装置を大型化することなく、IGBT11のコレクタ電圧を検知することができる。
Description
本発明は、パワー半導体素子の端子電圧を検知するための電圧検知装置に関する。
従来、パワー半導体素子を用いた装置として、例えば、特許文献1に記載された半導体電力変換装置が知られている。この半導体電力変換装置は、パワー半導体素子としての絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(以下、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)と称する)と、IGBTのコレクタ電圧を分圧するための分圧抵抗体と、この分圧抵抗体に並列に接続されたコンデンサと、を有している。
上述したような従来の半導体電力変換装置においては、分圧抵抗体及びこの分圧抵抗体に並列に接続されたコンデンサを用いて、IGBTのコレクタ電圧を検知することができる。近年では、このような半導体電力変換装置を、直流600V〜900V程度の高電圧の状況下で用いることが要請されている。
ところが、上述した従来の半導体電力変換装置を上記のような高電圧の状況下で用いるためには、コレクタ電圧を分圧するための分圧抵抗体を、ワット数の高い大型のものとするか、或いは、多数の抵抗体を直列に接続したものとする必要があり、何れにしても当該装置の大型化が避けられない。
そこで、本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、高電圧の状況下においても装置を大型化することなく、パワー半導体素子の端子電圧を検知可能な電圧検知装置を提供することを目的とする。
本発明に係る電圧検知装置は、パワー半導体素子の第1の端子と第2の端子との間の電圧を検知するための電圧検知装置であって、パワー半導体素子の第1の端子に接続された電極板と、電極板との間で第1のコンデンサを形成するように電極板に近接して配置された検知用電極と、第1のコンデンサに蓄積された電荷の変化に基づいてパワー半導体素子の第1の端子と第2の端子との間の電圧を検知する電圧検知回路と、を備えることを特徴とする。
この電圧検知装置は、パワー半導体素子の第1の端子に接続された電極板に近接して検知用電極を配置し、電極板と検知用電極との間に第1のコンデンサを形成する。そして、この第1のコンデンサに蓄積された電荷の変化に基づいてパワー半導体素子の第1の端子と第2の端子との間の電圧(以下、端子電圧と称する)を検知する。このため、端子電圧を分圧するための抵抗体を設けることなく、端子電圧を検知することができる。よって、高電圧の状況下においても装置の大型化を避けることができる。
また、電圧検知回路は、反転入力端子が第1のコンデンサに接続されると共に非反転入力端子が所定の電圧源に接続されたオペアンプと、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間に接続された第2のコンデンサと、を有する態様であってもよい。この場合、第1のコンデンサに蓄積された電荷の変化量が、オペアンプの反転入力端子と出力端子との間に接続された第2のコンデンサに移動する。その結果、第1のコンデンサに蓄積された電荷の変化がオペアンプの出力電圧に反映されるので、オペアンプの出力電圧により、パワー半導体素子の端子電圧を検知することができる。
また、電圧検知回路は、第1のコンデンサに接続された第3のコンデンサと、第1のコンデンサと第3のコンデンサとの間から分岐して第3のコンデンサに並列に接続されたダイオードと、ダイオードの下流側においてダイオードのカソードに直列に接続された第4のコンデンサと、を有する態様であってもよい。この場合、端子電圧の上昇時には、第3のコンデンサと第4のコンデンサが並列となり、端子電圧が第1のコンデンサと第3のコンデンサと第4のコンデンサとで分圧されることとなる。一方、端子電圧の下降時には、第4のコンデンサの上流に設けられたダイオードにより、第4のコンデンサの電荷が保持される。したがって、端子電圧の下降時には、端子電圧が第1のコンデンサと第3のコンデンサとによって分圧されることとなるので、端子電圧の上昇時に比べて、第1のコンデンサとの分圧比が小さくなる。その結果、端子電圧の変化を正確に検知することができる。
本発明によれば、高電圧の状況下においても装置を大型化することなく、パワー半導体素子の端子電圧を検知可能な電圧検知装置が提供できる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る電圧検知装置を用いたパワーモジュールの構成を示す図である。図1(a)は、このパワーモジュールの概略的な平面図である。図1(b)は、図1(a)のI−I線に沿っての概略断面図である。図1(c)は、図1(a)のII−II線に沿っての概略断面図である。なお、図1(a)においては、図1(b),(c)に示されるモールド樹脂Mが省略されている。
図1は、本実施形態に係る電圧検知装置を用いたパワーモジュールの構成を示す図である。図1(a)は、このパワーモジュールの概略的な平面図である。図1(b)は、図1(a)のI−I線に沿っての概略断面図である。図1(c)は、図1(a)のII−II線に沿っての概略断面図である。なお、図1(a)においては、図1(b),(c)に示されるモールド樹脂Mが省略されている。
パワーモジュール10は、パワー半導体素子としてIGBT11を備えている。IGBT11は、裏面11aの少なくとも一部がコレクタ(第1の端子)となっている。IGBT11の裏面11aには、半田12により放熱板(電極板)13が取り付けられている。放熱板13は、導電性を有する材料より構成されており、半田12を介してIGBT11のコレクタと電気的に接続されている。
放熱板13には、半田14によりパワーラインリードフレーム15が取り付けられている。したがって、パワーラインリードフレーム15は、半田14、放熱板13及び半田12を介してIGBT11のコレクタに電気的に接続されている。パワーラインリードフレーム15は、直流高電圧に対する耐圧設計のために幅広の平板状に形成されている。
IGBT11は、上面11bの少なくとも一部がエミッタ(第2の端子)となっている。このIGBT11の上面11bには、半田16によりパワーラインリードフレーム17が取り付けられている。パワーラインリードフレーム17は、半田16を介してIGBT11のエミッタと電気的に接続されている。パワーラインリードフレーム17は、直流高電圧に対する耐圧設計のために幅広の平板状に形成されている。
IGBT11の上面11bには、IGBT11のゲートに制御信号を入力するためのゲート接続領域18が複数(ここでは4つ)形成されている。ゲート接続領域18の各々には、ワイヤ19を介して制御信号ラインリードフレーム20が接続されている。したがって、制御信号ラインリードフレーム20の各々は、ワイヤ19及びゲート接続領域18を介してIGBT11のゲートに電気的に接続されている。
このように、パワーモジュール10は、パワーラインリードフレーム15,17を用いてIGBT11のコレクタ−エミッタ間に電圧を印加可能であると共に、制御信号ラインリードフレーム20を用いてIGBT11のゲート電位を制御してIGBT11をON・OFFできる。このパワーモジュール10は、例えば、複数組み合わせてインバータ回路を構成し、半導体電力変換装置として用いることができる。なお、パワーモジュール10は、IGBT11や放熱板13等を覆うように形成されたモールド樹脂Mを備えている。
ここで、パワーモジュール10は、検知用リードフレーム21をさらに備えている。検知用リードフレーム21は、電極部分(検知用電極)21aと接続部分21bとから構成されている。電極部分21aは、略矩形平板形状を成しており、放熱板13に近接して配置されている。したがって、電極部分21aと放熱板13とは、IGBT11のコレクタに接続された平行平板コンデンサ(第1のコンデンサ)22を形成している。このコンデンサ22は、IGBT11のコレクタ−エミッタ間に印加される電圧(以下、コレクタ電圧と称する)に応じた電荷量を蓄積する。なお、放熱板13と検知用リードフレーム21の電極部分21aとの間には、モールド樹脂Mが配置されている。
検知用リードフレーム21の接続部分21bは、電極部分21aの一端部から延びており、電極部分21aと一体に形成されている。接続部分21bは、コンデンサ22を後述するコレクタ電圧検知回路に接続するために用いられる。放熱板13、検知用リードフレーム21及びコレクタ電圧検知回路は、IGBT11のコレクタ電圧を検知するための電圧検知装置を構成している。
図2は、本実施形態に係る電圧検知装置の回路構成を概略的に示す図である。図2(a)に示されるように、電圧検知装置100は、コンデンサ22(放熱板13及び検知用リードフレーム21の電極部分21a)とコレクタ電圧検知回路30とを備えている。コレクタ電圧検知回路30は、コンデンサ22に接続されている。コレクタ電圧検知回路30は、コンデンサ22に蓄積された電荷の変化に基づいて、IGBT11のコレクタ電圧を検知するための回路である。コレクタ電圧検知回路30は、IGBT11のコレクタ電圧の検知結果を示す検知電圧信号S1を、後述するゲート駆動・制御回路40へ出力する。
ゲート駆動・制御回路40は、IGBT11のゲートGに接続されている。ゲート駆動・制御回路40は、検知電圧信号S1をコレクタ電圧検知回路30から入力すると共に、IGBT11のゲート電位を制御するための制御信号S2を外部から入力する。そして、ゲート駆動・制御回路40は、検知電圧信号S1と制御信号S2とに基づいて、IGBT11のゲート電位を制御してIGBT11をON・OFFする。
続いて、コレクタ電圧検知回路30の詳細について説明する。図2(b)は、コレクタ電圧検知回路30の構成を示す回路図である。コレクタ電圧検知回路30は、図2(b)に示されるように、オペアンプ31、電圧源32、コンデンサ(第2のコンデンサ)33及びスイッチ34を有している。オペアンプ31の反転入力端子はコンデンサ22に接続されており、非反転入力端子は電圧源32に接続されている。コンデンサ33は、オペアンプ31の反転入力端子と出力端子との間に接続されている。スイッチ34は、コンデンサ33に対して並列に接続されている。なお、IGBT11のエミッタEは、電圧源32と共に接地されている。
次に、電圧検知装置100の作用・効果について説明する。IGBT11をON・OFFする前に、スイッチ34が一旦ONにされる。これにより、コンデンサ33に蓄積された電荷が一旦リセットされる。そして、スイッチ34がOFFにされる。この時、コンデンサ22のコレクタCに接続されていない側の電圧は、オペアンプ31の作用により、電圧源32の電圧Vrefに固定(仮想接地)されている。このため、この後にIGBT11がONまたはOFFされてIGBT11のコレクタ電圧が変化すると、コンデンサ22に蓄積された電荷に変化が生じる。この電荷の変化量は、コンデンサ33に移動してオペアンプ31の出力電圧に反映される。したがって、電圧検知装置100によれば、オペアンプ31の出力電圧に基づいてIGBT11のコレクタ電圧を検知することができる。
(第2実施形態)
続いて、図3を参照して、電圧検知装置の第2実施形態について説明する。この電圧検知装置も、第1実施形態に係る電圧検知装置100と同様に、パワーモジュール10に適用される。電圧検知装置200は、図3に示されように、コンデンサ22(放熱板13及び検知用リードフレーム21の電極部分21a)とコレクタ電圧検知回路50とを備えている。コレクタ電圧検知回路50は、コレクタ電圧検知回路30と同様に、コンデンサ22に蓄積された電荷の変化に基づいて、IGBT11のコレクタ電圧を検知するための回路である。
続いて、図3を参照して、電圧検知装置の第2実施形態について説明する。この電圧検知装置も、第1実施形態に係る電圧検知装置100と同様に、パワーモジュール10に適用される。電圧検知装置200は、図3に示されように、コンデンサ22(放熱板13及び検知用リードフレーム21の電極部分21a)とコレクタ電圧検知回路50とを備えている。コレクタ電圧検知回路50は、コレクタ電圧検知回路30と同様に、コンデンサ22に蓄積された電荷の変化に基づいて、IGBT11のコレクタ電圧を検知するための回路である。
コレクタ電圧検知回路50は、コンデンサ(第3のコンデンサ)51、スイッチ52、ダイオード53、コンデンサ(第4のコンデンサ)54及びスイッチ55を有している。
コンデンサ51は、コンデンサ22とグランドとの間に接続されている。ダイオード53は、コンデンサ22とコンデンサ51との間から分岐してコンデンサ51に並列に接続されている。コンデンサ54は、ダイオード53の下流側においてダイオード53のカソードに直列に接続されている。スイッチ52は、コンデンサ22とコンデンサ51との間から分岐してコンデンサ51に並列に接続されている。スイッチ55は、ダイオード53とコンデンサ54との間から分岐してコンデンサ54に並列に接続されている。
次に、電圧検知装置200の作用・効果について説明する。なお、以下の説明においては、図3に加えて図4を参照する。図4は、IGBT11のスイッチングに伴う電圧の変化を示すタイミングチャートである。図4(a)は、コレクタ電圧を示している。図4(b)の破線は分圧点電圧V1を示しており、実線は分圧点電圧V2を示している。また、図4(c)は、IGBT11のスイッチングのタイミングを示している。さらに、図4(d)は、比較例の電圧検知装置における分圧点電圧を示している。この比較例の電圧検知装置は、スイッチ52,55及びダイオード53を備えていない点で、電圧検知装置200と異なる。
まず、スイッチ52,54がOFF、ON、OFFの順に操作される。これにより、コンデンサ51,54に蓄積された電荷がリセットされる。その後、IGBT11がOFFされると、コレクタ電圧が上昇する。この時、システム電圧をVhとし、サージ電圧をVsとすると、コレクタ電圧はVh+Vsまで上昇する。
そして、コレクタ電圧がVh+Vsまで上昇したことに伴って、分圧点電圧V1は、C1・(Vh+Vs)/(C1+C2+C3)まで上昇する。ここで、C1、C2及びC3は、それぞれ、コンデンサ22、コンデンサ51及びコンデンサ54の容量値である。また、ダイオード53による電圧効果は考慮していない。
その後、コレクタ電圧は、システム電圧Vhまで低下して安定する。コレクタ電圧の低下に伴って、分圧点電圧V1も変化(低下)する。この時の分圧点電圧V1の変化量△V1は、ダイオード53の効果によりコンデンサ54の電荷が保存されるため、−C1・Vs/(C1+C2)となる。
一方で、図4(d)に示される比較例の電圧検知装置は、ダイオード53を備えていないので、この比較例における分圧点電圧の変化量は、−C1・Vs/(C1+C2+C3)となる。
このように、本実施形態に係る電圧検知装置200によれば、コレクタ電圧の上昇時には、コンデンサ51とコンデンサ54とが並列となり、コレクタ電圧がコンデンサ22とコンデンサ51とコンデンサ54とで分圧されることとなる。また、コレクタ電圧の下降時には、コンデンサ54の上流に設けられたダイオード53により、コンデンサ54の電荷が保持される。したがって、コレクタ電圧の下降時には、コレクタ電圧がコンデンサ22とコンデンサ51とによって分圧されることとなるので、コレクタ電圧の上昇時に比べて、コンデンサ22との分圧比が小さくなる。このため、ダイオード53を備えていない比較例の電圧検知装置に比べて、分圧点電圧V1の変化量△V1が大きくなる。その結果、C1、C2及びC3を適当な値に設定することにより、分圧点電圧V1の電圧変化範囲を所望の範囲内に収めつつ、サージ電圧Vsを分圧点電圧V1の電圧変化として大きく検出することができる。よって、コレクタ電圧の変化(サージ電圧Vs)を正確に検知することができる。
以上説明したように、第1実施形態に係る電圧検知装置100及び第2実施形態に係る電圧検知装置200によれば、コンデンサ22に蓄積された電荷の変化に基づいてIGBT11のコレクタ電圧を検知することができる。このため、コレクタ電圧を分圧するための抵抗体を設けることなく、コレクタ電圧を検知することができる。よって、高電圧の状況下においても装置の大型化を避けることができる。
また、第1実施形態に係る電圧検知装置100及び第2実施形態に係る電圧検知装置200は、パワーモジュール10の放熱板13を利用して形成されたコンデンサ22を用いるので、コレクタ電圧を検知するためのコンデンサを別途設ける必要がない。
なお、上記の実施形態においては、パワー半導体素子としてIGBTを例示したが、これに限らず、例えばパワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)としてもよい。
高電圧の状況下においても装置を大型化することなく、パワー半導体素子の端子電圧を検知可能な電圧検知装置が提供できる。
11…IGBT、13…放熱板、21…検知用リードフレーム、21a…電極部分、22,33,51,54…コンデンサ、30,50…コレクタ電圧検知回路、31…オペアンプ、32…電圧源、53…ダイオード、100,200…電圧検知装置。
Claims (3)
- パワー半導体素子の第1の端子と第2の端子との間の電圧を検知するための電圧検知装置であって、
前記パワー半導体素子の前記第1の端子に接続された電極板と、
前記電極板との間で第1のコンデンサを形成するように前記電極板に近接して配置された検知用電極と、
前記第1のコンデンサに蓄積された電荷の変化に基づいて前記パワー半導体素子の前記第1の端子と前記第2の端子との間の電圧を検知する電圧検知回路と、
を備えることを特徴とする電圧検知装置。 - 前記電圧検知回路は、反転入力端子が前記第1のコンデンサに接続されると共に非反転入力端子が所定の電圧源に接続されたオペアンプと、前記オペアンプの反転入力端子と出力端子との間に接続された第2のコンデンサと、を有する請求項1に記載の電圧検知装置。
- 前記電圧検知回路は、前記第1のコンデンサに接続された第3のコンデンサと、前記第1のコンデンサと前記第3のコンデンサとの間から分岐して前記第3のコンデンサに並列に接続されたダイオードと、前記ダイオードの下流側において前記ダイオードのカソードに直列に接続された第4のコンデンサと、を有する請求項1に記載の電圧検知装置。
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