JPWO2011077567A1 - ファスナー構成部品及びスライドファスナー、並びにファスナー構成部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明に係るファスナー構成部品(1)は、金属製の部品本体部(2)の表面に金属メッキ膜(3)が配されている。また、このファスナー構成部品(1)は、前記部品本体部(2)の少なくとも一部に曲げ加工が行われる前に熱処理が行われて、前記金属メッキ膜(3)は少なくとも一部が再結晶化した再結晶構造を有している。これにより、金属メッキ膜(3)の延性を向上させることができるため、ファスナー構成部品(1)に曲げ加工が行われても、その部品本体部(2) の変形に追従するように金属メッキ膜(3)を変形させて、金属メッキ膜(3)にひび割れやクラックが発生することを防止できる。

Description

本発明は、少なくとも一部に加締め加工等の曲げ加工が行われるスライドファスナー用のファスナー構成部品、及びその製造方法に関し、より具体的には、金属製の部品本体部と、その部品本体部の表面に配された金属メッキ膜とを有するファスナー構成部品、及びその製造方法に関する。
一般に、スライドファスナーは、ファスナーエレメント、上止具、下止具、蝶棒や箱棒などの開離嵌挿具、スライダーのように様々なファスナー構成部品が用いられており、これらのファスナー構成部品には金属製の部品も多く含まれている。
このような金属製のファスナー構成部品の一つにファスナーエレメントがある。一般に、金属製のファスナーエレメントは、例えば所定の厚さを有する銅や銅合金などの金属製の平板材にプレス成形を行って噛合頭部等を形成するとともに、同平板材を打ち抜くこと等によって、略Y字形状を有するように形成される。更に、得られた金属製のファスナーエレメントは、左右の脚部の間にファスナーテープを挟んだ状態で両脚部を内側に向けて加締めることによって、ファスナーテープに取着される。
また、その他のファスナー構成部品である金属製の下止具については、例えば米国特許第2,884,691号明細書(特許文献1)に記載されている。この特許文献1に記載されている下止具は、円形断面を有する金属線に圧延加工を行って、同金属線の断面を略X字形状(又は略H字形状)に変形させ、その後、同金属線を所定の長さで切断することによって形成される。また、得られた略X字形状(又は略H字形状)の断面を有する下止具は、左右に1組ずつ延出した腕部をそれぞれファスナーテープに向けて加締めることにより、同ファスナーテープに取着される。
また、金属製の上止具、蝶棒、箱棒などのファスナー構成部品についても、銅、銅合金、アルミニウム合金、亜鉛合金などの金属材料を所定の形状に成形又は切断し、その後、得られたファスナー構成部品に加締め加工を行うことによってファスナーテープに取着される。
一方、金属製のスライダーの場合、例えば、亜鉛合金やアルミニウム合金などの金属を用いてダイキャスト成形を行うことにより、所定の形状を有するスライダー胴体と引手とが形成され、更に、得られたスライダー胴体の一部に加締め加工や折り曲げ加工を行うことによって、引手をスライダー胴体に取り付ける場合がある。
米国特許第2,884,691号明細書
従来から、金属製の物品に対して、新たな意匠性を付与することや、耐食性を向上させることなどを目的として、その物品にメッキ処理を行うことにより物品表面にメッキ膜を形成することが行われている。このようなメッキ膜の形成は、スライドファスナーを構成する様々な金属製のファスナー構成部品に対しても、従来から多く行われている。
例えば、銅や銅合金などの金属からなるファスナーエレメントや上下止具などのファスナー構成部品は、下地素材となる部品本体部を保護するためや、所望の色合いを与えるために、銅−亜鉛系合金(黄銅)により構成される金属メッキ膜、又は、銅−錫系合金や錫−ニッケル系合金により構成される白色系の金属メッキ膜がその表面に形成される。
また、例えばアルミニウム合金などの金属を母材とするファスナーエレメントや上下止具、又は、亜鉛合金などの金属を母材とする上下止具やスライダーなどのファスナー構成部品は、所望の色合いを与えることや、耐食性を向上させることを目的として、銅(純銅)や銅−亜鉛系合金により構成される金属メッキ膜が部品本体部の表面に形成されることがある。
しかし、上述のような金属により構成されるメッキ膜は一般に硬度が高い。このため、例えばファスナーエレメントや上下止具などのファスナー構成部品に金属メッキ膜を形成した後に、その金属メッキ膜を有するファスナー構成部品に対して、ファスナーテープに取着するためや、引手をスライダー胴体に取り付けるために前述のような加締め加工等の曲げ加工を行った場合、金属メッキ膜にひび割れやクラックが形成され易いという欠点があった。
このように金属メッキ膜にひび割れやクラックが形成されてしまうと、所望の色合いを与えるために金属メッキ膜を形成したにも関わらず、そのひび割れやクラックが発生した部分から下地の素材が露呈するため、ファスナー構成部品の見栄えが悪く、スライドファスナーの意匠性や外観品質が損なわれるという問題があった。
更に、耐食性を向上させることも目的として、ファスナー構成部品の表面に金属メッキ膜を形成した場合、ひび割れやクラックが発生した部分からファスナー構成部品の下地素材(母材)に腐食が発生し易くなるという問題もあった。
特に近年では、スライドファスナーが使用されるファスナー被着製品に高級感を持たせるために、フラットに見える大きなサイズのファスナーエレメントや上下止具などがスライドファスナーに使用されてきている。しかし、このような大きなサイズのファスナーエレメントや上下止具をファスナーテープに加締め付ける場合、その加締め加工により塑性変形する変形量が大きいため、金属メッキ膜にひび割れやクラックが顕著に発生し、また、ひび割れやクラックのサイズが大きくなったりするため、上述のようなファスナー構成部品の見栄えの問題や腐食の問題が更に深刻化する。
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、その具体的な目的は、曲げ加工を行っても、部品本体部の表面に形成した金属メッキ膜にひび割れやクラックが発生し難いファスナー構成部品、及び同ファスナー構成部品が曲げ加工されて用いられたスライドファスナー、並びに、同ファスナー構成部品の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明により提供されるファスナー構成部品は、基本的な構成として、金属製の部品本体部の表面に金属メッキ膜が形成され、前記金属メッキ膜の形成後に前記部品本体部の少なくとも一部に曲げ加工が行われるスライドファスナー用のファスナー構成部品であって、前記曲げ加工の前に熱処理が行われることにより、前記金属メッキ膜は、結晶構造の少なくとも一部が再結晶化した再結晶構造を有してなることを最も主要な特徴とするものである。
特に本発明に係るファスナー構成部品では、前記再結晶構造が、前記金属メッキ膜を前記部品本体部の表面に柱状結晶構造に形成した後、同金属メッキ膜に前記熱処理を行って前記柱状結晶構造の少なくとも一部を再結晶化することにより形成されていることが好ましい。
本発明に係るファスナー構成部品において、前記部品本体部は、銅又は銅−亜鉛系合金からなることが好ましい。この場合、前記部品本体部は、少なくとも75wt%以上100wt%以下の銅と、0wt%以上25wt%以下の亜鉛とを含有していることが特に好ましい。
また、本発明に係るファスナー構成部品では、前記部品本体部が、亜鉛又は亜鉛系合金からなる金属体と、前記金属体の表面に配され、銅からなる下地メッキ膜とを有していても良い。或いは、前記部品本体部が、アルミニウム系合金からなる金属体と、前記金属体の表面に配され、亜鉛からなる第1下地メッキ膜と、前記第1下地メッキ膜の表面に配され、銅からなる第2下地メッキ膜とを有していても良い。
更に、本発明に係るファスナー構成部品では、前記金属メッキ膜は、銅−亜鉛系合金、銅−錫系合金、及び、錫−ニッケル系合金の群から選択される少なくとも1つにより構成されていることが好ましい。
本発明のファスナー構成部品において、前記再結晶構造を有する前記金属メッキ膜は、1μm以上10μm以下の膜厚を有していることが好ましい。
また、前記再結晶構造を有する前記金属メッキ膜は、Hv50以上Hv100以下のビッカース硬さを有していることが好ましい。
更に、前記部品本体部の前記金属メッキ膜側の表層部に、前記金属メッキ膜に含まれる金属が拡散して形成された拡散層を有していることが好ましい。
更にまた、前記ファスナー構成部品は、ファスナーエレメント、止具、開離嵌挿具、及び、スライダーの群から選択される少なくとも1つの部品であることが好ましい。
更に、本発明によれば、上述の構成を有するファスナー構成部品が曲げ加工されて用いられてなるスライドファスナーを提供することができる。
また、本発明により提供されるファスナー構成部品の製造方法は、基本的な構成として、金属製の部品本体部の表面に金属メッキ膜が配され、前記金属メッキ膜の形成後に前記部品本体部の少なくとも一部に曲げ加工が行われるスライドファスナー用のファスナー構成部品の製造方法であって、前記部品本体部の表面に前記金属メッキ膜を形成すること、及び、前記曲げ加工の前に、前記金属メッキ膜を再結晶化温度以上に加熱する熱処理を行うことにより、前記金属メッキ膜の結晶構造の少なくとも一部が再結晶化した再結晶構造を形成すること、を含んでなることを最も主要な特徴とするものである。
特に本発明に係るファスナー構成部品の製造方法は、前記部品本体部の表面に配される前記金属メッキ膜を、柱状結晶構造に形成すること、及び、前記柱状結晶構造を有する前記金属メッキ膜に前記熱処理を行うことにより前記再結晶構造を形成すること、を含んでいることが好ましい。
本発明に係るファスナー構成部品の製造方法は、前記金属メッキ膜を、銅−亜鉛系合金により構成すること、及び、前記熱処理で前記金属メッキ膜を300℃以上400℃以下に加熱することを含んでいることが好ましい。
また、本発明に係るファスナー構成部品の製造方法は、前記金属メッキ膜を、銅−錫系合金により構成すること、及び、前記熱処理で前記金属メッキ膜を400℃以上500℃以下に加熱することを含んでいても良い。或いは、本発明の製造方法は、前記金属メッキ膜を、錫−ニッケル系合金により構成すること、及び、前記熱処理で前記金属メッキ膜を500℃以上600℃以下に加熱することを含んでいても良い。
更に、本発明の製造方法は、前記熱処理によって、前記金属メッキ膜が有するHv120以上のビッカース硬さを、Hv50以上Hv100以下にすることを含んでいることが好ましい。
本発明に係るファスナー構成部品は、金属製の部品本体部の表面に金属メッキ膜が形成された後、その金属メッキ膜に熱処理が行われる。これにより、ファスナー構成部品に形成された金属メッキ膜は、結晶構造の少なくとも一部が再結晶化した再結晶構造を有している。
このように金属メッキ膜の少なくとも一部に再結晶構造を有していることにより、同金属メッキ膜は、部品本体部の表面に形成した熱処理前の金属メッキ膜に比べて延性に優れているため、金属メッキ膜を比較的容易に伸長させることが可能となり、同金属メッキ膜にひび割れやクラックを発生させ難くすることができる。
従って、本発明のファスナー構成部品であれば、上述のような金属メッキ膜が表面に配された部品本体部に曲げ加工を行ったとき、その部品本体部の変形に追従するように金属メッキ膜を容易に変形させることができるため、金属メッキ膜にひび割れやクラックを発生させ難く、又は発生させなくすることができる。
このため、同ファスナー構成部品は、従来のファスナー構成部品において金属メッキ膜のひび割れやクラックに起因して生じる問題、即ち、ファスナー構成部品の見栄えが悪くなるという問題を解消でき、金属メッキ膜に与えられた色彩を均一に有することができる。更に、同ファスナー構成部品は、ファスナー構成部品の下地素材に腐食が発生し易くなるという従来の問題も容易に解消することができる。
特に本発明に係るファスナー構成部品では、再結晶構造が、金属メッキ膜を部品本体部の表面に柱状結晶構造に形成した後、同金属メッキ膜に熱処理を行って柱状結晶構造の少なくとも一部を再結晶化することにより形成されている。本発明は、金属メッキ膜を柱状結晶構造に成長させた場合に特に好適に適用することができる。
即ち、柱状結晶構造を有する金属メッキ膜の少なくとも一部を再結晶化させた本発明のファスナー構成部品は、柱状結晶構造のみを有する従来の金属メッキ膜に比べて、金属メッキ膜の延性に優れている。このため、ファスナー構成部品に形成した金属メッキ膜に、ひび割れやクラックを発生させ難くすることができる。
このような本発明のファスナー構成部品は、部品本体部が銅又は銅−亜鉛系合金からなる場合に好適に適用することができる。銅や銅−亜鉛系合金は延性に優れているため、加締め加工等の曲げ加工を比較的容易に行うことができ、例えばファスナーエレメントや上下止具などのようなファスナー構成部品の材質として従来から多く用いられている。このような銅や銅−亜鉛系合金からなるファスナー構成部品の表面に、再結晶構造を有する金属メッキ膜が配されていれば、部品本体部に曲げ加工を行った際に、金属メッキ膜にひび割れやクラックが発生することを効果的に防ぐことができる。
特にこの場合、部品本体部が、少なくとも75wt%以上100wt%以下の銅と、0wt%以上25wt%以下の亜鉛とを含有していることにより、曲げ加工が行われた部品本体部に応力腐食割れが生じることをより確実に防ぐことができる。
また、本発明のファスナー構成部品は、前記部品本体部が、亜鉛又は亜鉛系合金からなる金属体と、その金属体の表面に配され、銅からなる下地メッキ膜とを有している場合にも好適に適用することができる。亜鉛は、一般に原価が安く、また、ダイキャスト成形を利用することにより、所望の形状に容易に形成することができるため、例えば開離嵌挿具やスライダーなどのようなファスナー構成部品の材質として便宜的に用いられている。なお、亜鉛は耐食性が低いため、亜鉛又は亜鉛系合金を金属母材として使用する場合には、その金属体の表面には、耐食性に優れた銅からなる下地メッキ膜が形成される。
このような亜鉛又は亜鉛系合金からなる金属体と下地メッキ膜とを有するファスナー構成部品の表面に、再結晶構造を有する金属メッキ膜が配されている場合でも、部品本体部に曲げ加工を行った際に、金属メッキ膜にひび割れやクラックが発生することを効果的に防ぐことができる。
更に、本発明のファスナー構成部品は、前記部品本体部が、アルミニウム系合金からなる金属体と、その金属体の表面に配され、亜鉛からなる第1下地メッキ膜と、その第1下地メッキ膜の表面に配され、銅からなる第2下地メッキ膜とを有している場合にも好適に適用することができる。
アルミニウム系合金は軽量である。このため、ファスナー構成部品の金属母材としてアルミニウム系合金を用いることにより、金属製のファスナー構成部品を極めて軽く構成することができる。従って、このようなアルミニウム系合金は、ファスナーエレメント、上下止具、スライダーなどのようなファスナー構成部品の材質として便宜的に用いられている。
なお、アルミニウム系合金も耐食性が低いため、アルミニウム系合金を金属母材として使用する場合には、その金属体の表面に、亜鉛からなる第1下地メッキ膜が無電解メッキなどによって形成され、更に、その第1下地メッキ膜の表面に、耐食性に優れた銅からなる第2下地メッキ膜が形成される。
このようなアルミニウム系合金からなる金属体と第1及び第2下地メッキ膜とを有するファスナー構成部品の表面に、再結晶構造を有する金属メッキ膜が配されている場合でも、部品本体部に曲げ加工を行った際に、金属メッキ膜にひび割れやクラックが発生することを効果的に防ぐことができる。
また、本発明のファスナー構成部品において、金属メッキ膜の材質は、例えば銅(純銅)、銅−亜鉛系合金、及び、白色系の金属(例えば、銅−錫系合金、錫−ニッケル系合金、ニッケル、クロム、パラジウム、ロジウム、白金など)を用いることが可能であるが、特に本発明における金属メッキ膜は、比較的低い再結晶化温度領域を有する銅−亜鉛系合金、銅−錫系合金、及び、錫−ニッケル系合金の群から選択される少なくとも1つにより構成されていることが好ましい。このような材質からなる金属メッキ膜が再結晶構造を有していることにより、ファスナー構成部品に曲げ加工を行っても、金属メッキ膜にひび割れやクラックが発生することを防止できるため、ファスナー構成部品は良好な外観品質を得ることができる。
更に、本発明のファスナー構成部品では、再結晶構造を有する金属メッキ膜が、1μm以上10μm以下の膜厚、好ましくは2μm以上6μm以下の膜厚を有している。当該金属メッキ膜の膜厚を1μm以上(好ましくは2μm以上)に設定することにより、金属メッキ膜を安定して確実に形成することができる。
また、当該金属メッキ膜の膜厚を厚く形成するほど、金属メッキ膜の形成を安定させることができるが、金属メッキ膜の膜厚を10μmよりも大きく設定しても、金属メッキ膜の安定性や金属メッキ膜によって得られる外観品質の向上という効果はさほど変わらないため、当該金属メッキ膜の膜厚は10μm以下(好ましくは6μm以下)に設定される。
更にまた、本発明のファスナー構成部品では、前記再結晶構造を有する金属メッキ膜は、Hv50以上Hv100以下のビッカース硬さを有している。当該金属メッキ膜のビッカース硬さがHv50以上であれば、ファスナー構成部品の表面に傷が付くこと等を防止して、良好な外観品質を維持することができる。
一方、当該金属メッキ膜のビッカース硬さがHv100以下であれば、金属メッキ膜を比較的軟らかく形成して、金属メッキ膜の延性を向上させることができる。このため、ファスナー構成部品に曲げ加工を行った際に、その曲げ加工によるファスナー構成部品の部品本体部における塑性変形量が大きい場合であっても、当該金属メッキ膜にひび割れやクラックが発生することをより確実に防止できる。
また、本発明のファスナー構成部品では、前記部品本体部の金属メッキ膜側の表層部に、金属メッキ膜に含まれる金属が拡散して形成された拡散層を有している。このような拡散層を部品本体部の表層部に有していることにより、金属メッキ膜を部品本体部に良く馴染ませて、部品本体部に対する金属メッキ膜の密着性を向上させることができる。
このような本発明のファスナー構成部品は、例えばファスナーエレメント、上止具、下止具、蝶棒や箱棒などの開離嵌挿具、及び、スライダーのような部品に特に好適に適用される。
そして、本発明により提供されるスライドファスナーは、上述の構成を有するファスナー構成部品が曲げ加工されて用いられることにより構成されている。従って、本発明のスライドファスナーは、ファスナー構成部品の金属メッキ膜にひび割れやクラックの発生がない(又は極めて少ない)ため、ファスナー構成部品が均一な色彩を有して見栄えが良く、意匠性や外観品質に優れたスライドファスナーとなる。
次に、本発明により提供されるファスナー構成部品の製造方法は、ファスナー構成部品の部品本体部の表面に金属メッキ膜を形成し、更に、曲げ加工が行われる前に、金属メッキ膜を再結晶化温度以上に加熱する熱処理を行うことによって、ファスナー構成部品を製造する。
このような本発明の製造方法によれば、部品本体部の表面に配された金属メッキ膜に熱処理を行うことによって、同金属メッキ膜の結晶構造が再結晶化するため、結晶配向が乱れた再結晶構造を少なくとも一部に有する金属メッキ膜を容易に形成することができる。このように再結晶構造を有する金属メッキ膜は延性が向上しているため、同製造方法により製造されたファスナー構成部品に対して曲げ加工を行った際に、金属メッキ膜にひび割れやクラックが発生することを効果的に防止できる。
特に本発明に係るファスナー構成部品の製造方法では、部品本体部の表面に配される金属メッキ膜を柱状結晶構造に形成し、更に、その柱状結晶構造を有する金属メッキ膜に熱処理を行うことにより再結晶構造を形成している。このように、本発明は、金属メッキ膜を柱状結晶構造に成長させた場合に特に好適に適用することができる。即ち、柱状結晶構造に形成した金属メッキ膜に熱処理を行うことにより、金属メッキ膜の延性を向上させることができるため、熱処理後の金属メッキ膜にひび割れやクラックを発生させ難くすることができる。
また、本発明に係るファスナー構成部品の製造方法では、前記金属メッキ膜を、銅−亜鉛系合金により構成して、その金属メッキ膜を熱処理によって300℃以上400℃以下に加熱する。これにより、金属メッキ膜が銅−亜鉛系合金からなる場合に、当該金属メッキ膜の少なくとも一部に再結晶構造を容易に且つ安定して形成することができる。
更に、本発明に係るファスナー構成部品の製造方法では、前記金属メッキ膜を、銅−錫系合金により構成して、その金属メッキ膜を熱処理によって400℃以上500℃以下に加熱する。これにより、金属メッキ膜が銅−錫系合金からなる場合に、当該金属メッキ膜の少なくとも一部に再結晶構造を容易に且つ安定して形成することができる。
更にまた、本発明に係るファスナー構成部品の製造方法では、前記金属メッキ膜を、錫−ニッケル系合金により構成して、その金属メッキ膜を熱処理によって500℃以上600℃以下に加熱する。これにより、金属メッキ膜が錫−ニッケル系合金からなる場合に、当該金属メッキ膜の少なくとも一部に再結晶構造を容易に且つ安定して形成することができる。
また、本発明の製造方法では、前記熱処理によって、前記金属メッキ膜が有するHv120以上のビッカース硬さを、Hv50以上Hv100以下にする。金属メッキ膜のビッカース硬さをHv50以上にすることによって、ファスナー構成部品の表面に傷が付くこと等を防止して、良好な外観品質を維持することができる。一方、金属メッキ膜のビッカース硬さをHv100以下にすることによって、ファスナー構成部品に曲げ加工を行った際に、金属メッキ膜にひび割れやクラックが発生することをより確実に防止できる。
図1は、熱処理を行う前のファスナー構成部品の断面を模式的に示す断面図である。 図2は、熱処理を行った後のファスナー構成部品の断面を模式的に示す断面図である。 図3は、スライドファスナーを構成するファスナー構成部品を示す正面図である。 図4は、下止具を示す断面図である。 図5は、ファスナーテープに対する下止具の曲げ加工を模式的に説明する説明図である。 図6は、本発明の実施形態においてファスナー構成部品を製造する方法を説明するためのフロー図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下で説明する実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明と実質的に同一な構成を有し、かつ、同様な作用効果を奏しさえすれば、多様な変更が可能である。
ここで、図1は、部品本体部の表面に金属メッキ膜が形成されたファスナー構成部品に熱処理を行う前の状態を模式的に示す断面図であり、図2は、同ファスナー構成部品に熱処理を行った後の状態を模式的に示す断面図である。
本実施形態に係るファスナー構成部品1は、スライドファスナーを構成する部品の中で、部品本体部2の母材が金属で構成されており、且つ、部品本体部2の少なくとも一部に加締め加工等の曲げ加工が行われる部品である。このようなファスナー構成部品1には、例えば図3に一般的なスライドファスナー10を示したように、金属ファスナーエレメント11、下止具12、上止具13、スライダー14(特にスライダー胴体)、図示しない蝶棒、及び図示しない箱棒などが含まれる。
金属ファスナーエレメント11は、一般に、断面がY字状の長尺の金属線をその長さ方向に所望の厚さで順次切断して正面視にてY字形状を有するエレメント素材を形成し、そのエレメント素材にプレス成形を行って噛合頭部等を形成すること、或いは、所定の厚さを有する銅や銅合金などの金属製の平板材にプレス成形を行って噛合頭部等を形成するとともに同平板材を打ち抜くことによって製造される。
このように製造された金属ファスナーエレメント11は、噛合頭部から二股状に延設された両脚部の間に、芯紐部15aを有するファスナーテープ15を挟んだ状態で、両脚部を互いに接近する方向へ塑性変形させる曲げ加工を行うことによってファスナーテープ15に取着される。
下止具12は、一般に、断面がX字状又はH字状の長尺の金属線をその長さ方向に所望の厚さで順次切断することによって製造される。このようなX字状又はH字状の断面を有する下止具12は、先ず図4に示したように、胴部12aから左右に1組ずつ延出した腕部12bの間に、芯紐部15aを有する左右のファスナーテープ15をそれぞれ挿入する。そして、各組の腕部12b間にファスナーテープ15を挟んだ状態で、各組の腕部12b同士を接近する方向へ塑性変形させる曲げ加工を行うことにより、下止具12が左右のファスナーテープ15に跨って取着される。
上止具13は、一般に、断面がU字状の長尺の金属線をその長さ方向に所望の厚さで順次切断すること、又は、平板状の金属線をその長さ方向に所望の厚さで順次切断し、得られた切断片をU字状に曲げ加工することによって製造される。このようなU字状の断面を有する上止具13は、同上止具13の両端部間にファスナーテープ15を挟んだ状態で、上止具13の両端部を接近する方向へ塑性変形させる曲げ加工を行うことにより、上止具13がファスナーテープ15に取着される。
スライダー14、蝶棒、及び箱棒は、一般に、所定のキャビティ形状を有する金型を用いてダイキャスト成形を行うことにより製造される。例えばスライダー14は、ダイキャスト成形を行うことによりスライダー胴体と引手とが成形される。更に、スライダー胴体の一部に引手を保持した状態で、そのスライダー胴体の一部に曲げ加工を行うことにより、引手がスライダー胴体に取り付けられる。一方、蝶棒及び箱棒は、ダイキャスト成形により製造された後、曲げ加工が行われることによってファスナーテープに取着される。
上述のような金属ファスナーエレメント11や下止具12などを含む本実施形態のファスナー構成部品1は、金属製の部品本体部2と、部品本体部2の表面に配される金属メッキ膜3とを有し、更に、後述するようにファスナー構成部品1に対して金属メッキ膜3の結晶構造を再結晶化する熱処理が行われた後には、部品本体部2の表層部に拡散層4が形成される。
部品本体部2を構成する金属の材質は、特に限定されるものではないが、本実施形態のファスナー構成部品1は、上述のようにスライドファスナーを構成する部品であり、且つ、少なくとも一部に曲げ加工が行われるものであるため、部品本体部2の金属母材は、銅、銅−亜鉛系合金、亜鉛、亜鉛系合金、及びアルミニウム系合金の群から選択される少なくとも1つの金属であることが好ましい。
特に、部品本体部2の金属母材が銅又は銅−亜鉛系合金からなる場合、部品本体部2は優れた延性を備えるため、加締め加工等の曲げ加工を比較的容易に行うことができる。またこの場合、部品本体部2(金属体)に含まれる銅成分の割合が多くなるほど、延性や耐食性が向上するため、部品本体部2における銅の含有量は75wt%以上にすることが好ましい。また、銅は電線などに広く一般的に用いられているため、様々な線径の銅線が入手し易い。このため、例えばサイズの大きなスライドファスナーを製造する場合などでは、部品本体部2を純銅(銅の含有量が100wt%)で構成しても良い。
一方、部品本体部2(金属体)に含まれる亜鉛成分の割合が多くなると、製造コストを低減することができるものの、部品本体部2の耐食性を低下させて応力腐食割れの発生を招く虞がある。このため、部品本体部2における亜鉛の含有量は25wt%以下にすることが好ましい。
また、部品本体部2の金属体(金属母材)が亜鉛又は亜鉛系合金からなる場合、原価が安く、ダイキャスト成形を利用することにより、スライダー、蝶棒、及び箱棒などのような複雑な形状を容易に且つ大量に形成することができる。一方、亜鉛や亜鉛系合金は耐食性に劣る面がある。このため、当該部品本体部2では、亜鉛又は亜鉛系合金からなる金属体の表面に、耐食性に優れた銅からなる下地メッキ膜が電解メッキなどを利用して形成される。
更に、部品本体部2の金属体(金属母材)がアルミニウム系合金(具体的には、アルミニウム−マグネシウム系合金又はアルミニウム−銅−シリコン系合金)からなる場合、ファスナー構成部品1を容易に軽量化することができる。一方、アルミニウム−マグネシウム系合金やアルミニウム−銅−シリコン系合金は、耐食性に劣る面があるため、防食処理が必要となる。このため、当該部品本体部2では、先ず、アルミニウム系合金からなる金属体の表面に、無電解メッキなどを利用して、亜鉛からなる第1下地メッキ膜が形成され、その後、その第1下地メッキ膜の表面に、電解メッキなどを利用して、耐食性に優れた銅からなる下地メッキ膜が形成される。
また、本実施形態における部品本体部2は、金属メッキ膜3に後述する熱処理が施されたときに、その金属メッキ膜3に含まれる金属が部品本体部2の表層部に拡散することによって形成された拡散層4を有している。
この拡散層4は、部品本体部2の金属母材が例えば銅又は銅−亜鉛系合金からなる場合には、銅又は銅−亜鉛系合金の部品本体部2(金属体)の表層部に形成される。また、部品本体部2の金属体が例えば亜鉛又は亜鉛系合金からなる場合には、拡散層4は、金属体の表面に配された銅からなる下地メッキ膜の表層部に形成される。更に、部品本体部2の金属体が例えばアルミニウム系合金からなる場合には、拡散層4は、部品本体部2の最も表面側に配された銅からなる第2下地メッキ膜の表層部に形成される。
このような拡散層4が部品本体部2の表層部に形成されることにより、金属メッキ膜3を部品本体部2に良く馴染ませることができるため、金属メッキ膜3の部品本体部2に対する密着性を高めることができる。なお、例えば部品本体部2が銅−亜鉛系合金からなり、且つ、金属メッキ膜3が銅−亜鉛系合金から構成されている場合において、金属メッキ膜3よりも部品本体部2に含まれる亜鉛の含有量が多いときには、拡散層4は形成されない。
本実施形態に係るファスナー構成部品1では、同ファスナー構成部品1に所望の色調を付与するために、上述のような部品本体部2の表面に金属メッキ膜3が形成されている。この金属メッキ膜3は、後述するように、先ず湿式又は乾式のメッキ処理を行うことによって、部品本体部2の表面に形成される。このとき、金属メッキ膜3は、(111)面に配向した柱状結晶構造を有している。
更に、上記の柱状結晶構造を有する金属メッキ膜3が形成された後、ファスナー構成部品1に曲げ加工が行われるよりも前に、当該金属メッキ膜3に対して、再結晶化温度以上に加熱する熱処理が施される。この熱処理によって、柱状結晶構造の少なくとも一部が再結晶化して、結晶配向が見られない(結晶配向が乱れた)再結晶構造が形成された金属メッキ膜3が構成される。
このように金属メッキ膜3の少なくとも一部が、上述のような再結晶構造を有することにより、当該金属メッキ膜3は、柱状結晶構造のみを有する金属メッキ膜3に比べて、軟らかく、また、金属メッキ膜3を容易に伸展させることが可能となる。
本実施形態において、金属メッキ膜3の材質は、例えば銅(純銅)、銅−亜鉛系合金、及び、白色系の金属(例えば、銅−錫系合金、錫−ニッケル系合金、ニッケル、クロム、パラジウム、ロジウム、白金など)を用いることが可能である。
この場合、金属メッキ膜3に再結晶構造を形成可能な熱処理温度によって、部品本体部2の金属母材からなる金属体が軟化してしまうと、ファスナー構成部品1を変形させる虞がある。従って、金属メッキ膜3は、部品本体部2の金属母材を軟化させる温度よりも低い温度で再結晶構造を形成できるような材質で構成されている。例えば、ファスナー構成部品1に好まれる色調や金属メッキ膜3の再結晶化温度範囲などを考慮すると、金属メッキ膜3は、銅−亜鉛系合金、銅−錫系合金、及び、錫−ニッケル系合金の群から選択される少なくとも1つにより構成されていることが好ましい。
特に、部品本体部2の金属母材が銅又は銅−亜鉛系合金からなる場合、当該部品本体部2の表面に形成される金属メッキ膜3は、例えばアンティーク調の色合いを付与することが可能な銅−亜鉛系合金(特に、亜鉛の含有量が20wt%以上となる黄銅)、又は、白色系の色合いを有する銅−錫系合金若しくは錫−ニッケル系合金により構成されていることが好ましい。
また、部品本体部2の金属母材が亜鉛、亜鉛系合金又はアルミニウム系合金からなる場合、当該部品本体部2の表面に形成される金属メッキ膜3は、例えばアンティーク調の色合いを付与することが可能な銅−亜鉛系合金(特に、亜鉛の含有量が20wt%以上となる黄銅)により構成されていることが好ましい。
また、本実施形態の再結晶構造を有する金属メッキ膜3は、1μm以上10μm以下の膜厚、好ましくは2μm以上6μm以下の膜厚を有している。この金属メッキ膜3の膜厚を1μm以上(好ましくは2μm以上)に設定することにより、金属メッキ膜3を安定して確実に形成することができる。
一方、金属メッキ膜3の膜厚を厚く形成するほど、金属メッキ膜3の形成を安定させることができるが、金属メッキ膜3の膜厚を10μmよりも大きく設定しても、金属メッキ膜3の安定性や、金属メッキ膜3によって得られる外観品質の向上という効果はさほど変わらないため、当該金属メッキ膜3の膜厚は10μm以下(好ましくは6μm以下、更に好ましくは3μm以下)に設定される。
更に、本実施形態の再結晶構造を有する金属メッキ膜3は、Hv50以上Hv100以下のビッカース硬さを有している。この金属メッキ膜3のビッカース硬さがHv50以上であれば、ファスナー構成部品1の表面に傷が付くこと等を防止して、良好な外観品質を維持することができる。一方、当該金属メッキ膜3のビッカース硬さがHv100以下であれば、金属メッキ膜3の延性を効果的に向上させることができる。
次に、上述のような構成を有する本実施形態のファスナー構成部品1を製造する方法について、図6を参照しながら説明する。
先ず、所定の形状を有する部品本体部2を作製する。例えば、ファスナー構成部品1が前述のような金属ファスナーエレメント11である場合は、断面がY字状の長尺の金属線をその長さ方向に所望の厚さで順次切断して正面視にてY字形状を有するエレメント素材を形成し、そのエレメント素材にプレス成形を行って噛合頭部等を形成すること、或いは、所定の厚さを有する銅や銅合金などの金属製の平板材にプレス成形を行って噛合頭部等を形成するとともに同平板材を打ち抜くことによって、金属ファスナーエレメント11の部品本体部2(下地メッキ膜が形成される前の部品本体部2を含む)が作製される。
また、ファスナー構成部品1が下止具12である場合は、断面がX字状又はH字状の長尺の金属線をその長さ方向に所望の厚さで順次切断することによって、下止具12の部品本体部2が作製される。ファスナー構成部品1が上止具13である場合は、断面がU字状の長尺の金属線をその長さ方向に所望の厚さで順次切断すること、又は、平板状の金属線をその長さ方向に所望の厚さで順次切断し、得られた切断片をU字状に曲げ加工することによって、上止具13の部品本体部2が作製される。
更に、ファスナー構成部品1が蝶棒、箱棒、又はスライダー14である場合は、例えば所定のキャビティ形状を有する金型を用いてダイキャスト成形を行うことにより、部品本体部2が作製される。
なお、本発明において、部品本体部2を作製する方法や手段は特に限定されるものではなく、ファスナー構成部品1の材質や形状等に応じて任意に変更することが可能である。
このとき、例えば部品本体部2の金属体を亜鉛又は亜鉛系合金により構成した場合、部品本体部2の耐食性を向上させるために、同金属体の表面に電解メッキにより銅製の下地メッキ膜を形成する。また、例えば部品本体部2の金属体をアルミニウム系合金(例えば、アルミニウム−マグネシウム系合金又はアルミニウム−銅−シリコン系合金)により構成した場合、部品本体部2の耐食性を向上させるために、金属体の表面に無電解メッキにより亜鉛製の第1下地メッキ膜を形成し、更にその第1下地メッキ膜の表面に電解メッキにより銅製の第2下地メッキ膜を形成する。
続いて、上述のようにしてファスナー構成部品1の部品本体部2を作製した後、得られた部品本体部2にメッキ処理を行って、同部品本体部2の表面に柱状結晶構造を有する金属メッキ膜3を形成する。このとき、部品本体部2の表面に形成される金属メッキ膜3は柱状に結晶成長する。なお、部品本体部2の表面に形成される金属メッキ膜3の材質は特に限定されないが、上述のように、銅−亜鉛系合金、銅−錫系合金、又は、錫−ニッケル系合金から構成されることが好ましい。
なお、本実施形態において、当該金属メッキ膜3を形成する方法は特に限定されず、湿式又は乾式の何れのメッキ処理を採用しても良い。例えば、湿式のメッキ処理としては、電解メッキや溶融メッキなどを利用することができ、一方、乾式のメッキ処理としては、PVD法やCVD法などを利用することができる。
また、柱状結晶構造を有する金属メッキ膜3を形成する場合、当該金属メッキ膜3の膜厚を1μm以上10μm以下、好ましくは2μm以上6μm以下に設定して金属メッキ膜3の形成を行う。なお、このようにして形成される金属メッキ膜3の表面におけるビッカース硬さは、金属メッキ膜3の材質によっても変化するものの、基本的にHv120以上の大きさを示す。
次に、上述のようなメッキ処理を行った後、金属メッキ膜3が形成されたファスナー構成部品1に対して、金属メッキ膜3を再結晶化温度以上に加熱する熱処理(再結晶化処理)を行う。このとき、例えばファスナー構成部品1の金属メッキ膜3が銅−亜鉛系合金により構成されている場合には、熱処理が非酸化性雰囲気中にて300℃以上400℃以下の温度範囲で所定時間行われる。
このように熱処理を非酸化性雰囲気中で行うことにより、金属メッキ膜3が熱処理中に酸化することを防止できる。この場合、非酸化性雰囲気としては、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気、一酸化炭素ガス雰囲気、又は真空雰囲気などを用いることができる。また、熱処理を300℃以上400℃以下の温度範囲で行うことにより、銅−亜鉛系合金製の金属メッキ膜3の少なくとも一部に、柱状結晶構造が再結晶化した再結晶構造を容易に且つ安定して形成できるとともに、部品本体部2が軟化することを防止できる。
また、例えば金属メッキ膜3が銅−錫系合金により構成されている場合には、熱処理が、加圧した非酸化性雰囲気中にて400℃以上500℃以下の温度範囲で所定時間行われる。一方、金属メッキ膜3が錫−ニッケル系合金により構成されている場合には、熱処理は、加圧した非酸化性雰囲気中にて500℃以上600℃以下の温度範囲で所定時間行われる。
このように、例えば0.1MPa以上(好ましくは0.5MPa以上)に加圧した非酸化性雰囲気中で熱処理を行うことにより、金属メッキ膜3に含まれる錫が熱処理中に蒸発することを防止するとともに、金属メッキ膜3が酸化することを防止できる。この場合、非酸化性雰囲気としては、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気、又は一酸化炭素ガス雰囲気などを用いることができる。また、熱処理を所定の温度範囲で行うことにより、金属メッキ膜3の少なくとも一部に再結晶構造を容易に且つ安定して形成することができる。
上述のような熱処理(再結晶化処理)を行って、金属メッキ膜3の少なくとも一部に、柱状結晶構造が再結晶化した再結晶構造を形成することにより、金属メッキ膜3の表面におけるビッカース硬さをHv50以上Hv100以下に低下させるとともに、金属メッキ膜3の延性を向上させることができる。また、この熱処理を行うことにより、金属メッキ膜3に含まれる金属が部品本体部2の表層部に拡散して拡散層4が形成される。これにより、前述した本実施形態におけるファスナー構成部品1を得ることができる。
なお、金属メッキ膜3は、上述のように、部品本体部2の金属母材を軟化させる温度よりも低い温度で再結晶構造を形成できるような材質で構成されている。従って、ファスナー構成部品1に金属メッキ膜3の柱状結晶構造を再結晶化させる熱処理を行っても、部品本体部2の軟化は生じ難く、部品本体部2の強度を低下させることもない。
上記熱処理(再結晶化処理)が終了した後、例えば金属メッキ膜3が銅−亜鉛系合金により構成されている場合には、当該金属メッキ膜3に含まれる銅を酸化させて、金属メッキ膜3に黒色を付与する黒色化処理(黒染め)を更に行うことができる。具体的には、金属メッキ膜3を有するファスナー構成部品1を、水酸化ナトリウム及び亜塩素酸ナトリウムを含む強アルカリ液中に浸漬することにより、金属メッキ膜3の表面に酸化第二銅皮膜を形成する。
なお、本発明において、金属メッキ膜3の黒色化処理における処理条件は、金属メッキ膜3を構成する合金の組成などに応じて任意に選択することができる。また、金属メッキ膜3を黒色化する手段も特に限定されるものではない。更に、本発明では、銅−亜鉛系合金からなる金属メッキ膜3を黒色化することに限定されず、例えば硫酸銅法やチオ硫酸塩法を用いて金属メッキ膜3の色調に変化を与えることによって、金属メッキ膜3に緑色や青色の色彩を与えることも可能である。
その後、金属メッキ膜3の表面が黒色化したファスナー構成部品1に対して、研磨処理を行うことができる。例えば、黒色化処理を行ったファスナー構成部品1をバレル研磨機に研磨材(研磨石など)とともに投入して研磨処理を行う。これにより、黒色化した酸化皮膜を一部剥離して、ファスナー構成部品1の表面をアンティーク調の古真鍮色に仕上げることができる。なお、この研磨処理では、ファスナー構成部品1の形状などによっては、バレル研磨の代わりにショットブラスト等の研磨方法を用いることも可能である。
一方、上述の熱処理を行った後、例えば金属メッキ膜3が、銅−錫系合金又は錫−ニッケル系合金により構成されている場合には、当該金属メッキ膜3は白色系の色合いを有している。このため、当該金属メッキ膜3に対して、上述のような黒色化処理を行わずに、バレル研磨又はショットブラストなどによる研磨処理を行うことができる。
更に、上記研磨処理が終了した後、得られたファスナー構成部品1を水洗して乾燥させる。その後、ファスナー構成部品1の表面保護、変色防止、及び腐食防止を目的として、ファスナー構成部品1の表面に透明なクリア塗装を施す塗装処理を行うことができる。
以上のような処理工程を経て製造されたファスナー構成部品1は、その後に加締め加工等の曲げ加工が行われてスライドファスナーに用いられる。このとき、同ファスナー構成部品1に配された金属メッキ膜3は、上述のように、再結晶構造を有していることにより延性に優れている。このため、ファスナー構成部品1に曲げ加工が行われても、その曲げ加工によるファスナー構成部品1の変形に従うように、金属メッキ膜3を容易に伸ばすことが可能となる。
これにより、ファスナー構成部品1に曲げ加工を行っても、金属メッキ膜3にひび割れやクラックを発生させ難く、更には発生させなくすることができる。特に、例えばファスナー構成部品1のサイズが大きく、曲げ加工を行った際にファスナー構成部品1の変形量が大きい場合であっても、金属メッキ膜3にひび割れやクラックを発生させずに曲げ加工を円滑に行うことが可能となる。
このため、金属メッキ膜のひび割れやクラックに起因して生じていた従来の問題、例えば金属メッキ膜のひび割れやクラックから下地素材が露呈してファスナー構成部品の見栄えが悪くなるという問題や、ファスナー構成部品の下地素材に腐食が発生し易くなるという問題を容易に解消することができる。
以下、具体的な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。
実施例1として、ファスナー構成部品として、図3〜図5に示したような下止具12を製造する場合について説明する。本実施例1の下止具12は、純銅からなる部品本体部と、部品本体部の表面に配された金属メッキ膜とを有している。この場合、金属メッキ膜は、銅の含有量が65wt%で亜鉛の含有量が35wt%となる銅と亜鉛の合金で構成されている。
本実施例1の下止具12を製造するために、先ず、円形断面を有する長尺の純銅線に冷間圧延加工を行って、純銅線の断面を略H字形状に変形させる。続いて、断面がH字状の純銅線を、その長さ方向に所望の厚さで切断することによって、下止具12の部品本体部を作製する。その後、得られた部品本体部にバレル研磨処理を行って、部品本体部に形成されたバリを除去した。
次に、作製した下止具12の部品本体部に、電解メッキによるメッキ処理を所定の条件で行って、部品本体部の表面に、銅−亜鉛系合金の金属メッキ膜を形成した。そして、金属メッキ膜の形成後、その金属メッキ膜の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)によって観察した。その結果、形成した金属メッキ膜が柱状に結晶成長していること、及び、金属メッキ膜の膜厚が5.2μmであることが確認された。
また、形成した金属メッキ膜をX線回折(XRD)により解析した結果、金属メッキ膜は(111)面に強く配向していることが確認された。更に、金属メッキ膜をEPMAで分析した結果、同金属メッキ膜には、銅と亜鉛の濃度比率の異なる領域が層状に形成されていることも確認された。また、金属メッキ膜のビッカース硬さを測定したところ、金属メッキ膜はHv160のビッカース硬さを有していた。
次に、銅からなる部品本体部の表面に銅−亜鉛系合金の金属メッキ膜が形成された下止具12に対して、熱処理(再結晶化処理)を行った。この熱処理では、真空中において380℃で1時間の加熱を下止具12に行った。熱処理が終了した後、下止具12が有する金属メッキ膜の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)によって観察した。その結果、熱処理に観察された柱状結晶構造は消失しており、柱状結晶構造が再結晶化された再結晶構造を有していることが確認された。
また、TEM観察では、金属メッキ膜の膜厚が、5.2μmから8.0μm程度に厚くなっているように確認された。そこで、当該金属メッキ膜をEPMAで分析したところ、金属メッキ膜の膜厚が厚くなった部分には、金属メッキ膜に含まれている亜鉛が部品本体部の銅に拡散した拡散層が形成されていることが確認された。この結果から、部品本体部の表層部に拡散層が形成されたことにより、TEM観察において金属メッキ膜の膜厚が厚くなっているように見えたものと判断される。
更に、熱処理した金属メッキ膜をX線回折(XRD)により解析した結果、(111)面への配向は消失し、結晶配向は見られなかった。この結果からも、金属メッキ膜は、柱状結晶構造が再結晶化された再結晶構造を有していることが確かめられた。また、熱処理後の金属メッキ膜のビッカース硬さを測定したところ、金属メッキ膜はHv80のビッカース硬さを有しており、熱処理によって金属メッキ膜のビッカース硬さが低下していることが確認された。
次に、熱処理した下止具12を、水酸化ナトリウム及び亜塩素酸ナトリウムを含む強アルカリ液中に浸漬することによって、金属メッキ膜に黒色を付与する黒色化処理を行った。その後、黒色化処理を施した下止具12に対してバレル研磨機による研磨処理を行うことによって、下止具12の色調をアンティーク調の古真鍮色に仕上げてから、同下止具12に対してクリア塗装処理を行った。
クリア塗装処理の終了後、得られた下止具12に曲げ加工を行って、同下止具12をファスナーテープ15に取り付けた(図4及び図5を参照)。そして、ファスナーテープ15に取着された下止具12の表面を肉眼で観察したところ、下止具12の金属メッキ膜にひび割れやクラックは見られず、同下止具12は、アンティーク調の色合いを均一に呈する良好な外観品質を有していた。
一方、本実施例1における下止具の効果を確認するために、金属メッキ膜を形成した後に熱処理を行わないこと以外は、実施例1と同様の条件で下止具を製造し(比較例)、同下止具を加締め加工することによってファスナーテープに取り付けた。そして、ファスナーテープに取着されたこの比較例に係る下止具の表面を肉眼で観察したところ、下止具の金属メッキ膜にひび割れやクラックが顕著に発生していた。更に、この下止具は、金属メッキ膜に形成されたひび割れやクラックを介して下地の金属母材が露呈し、見栄え(外観品質)が劣るものであった。
実施例2として、ファスナー構成部品として金属ファスナーエレメント11を製造する場合について説明する。
本実施例2の金属ファスナーエレメント11は、銅と亜鉛の合金(黄銅)からなる部品本体部と、部品本体部の表面に配された金属メッキ膜とを有している。この場合、部品本体部を構成する合金は、銅を85wt%、亜鉛を15wt%で含有している。また、金属メッキ膜は、銅の含有量が70wt%で錫の含有量が30wt%となる銅と錫の合金で構成されている。
本実施例2の金属ファスナーエレメント11を製造するために、所定の厚さを有する黄銅製の平板材にプレス成形を行って噛合頭部等を形成するとともに同平板材を打ち抜くことによって、金属ファスナーエレメント11の部品本体部を作製する。その後、得られた部品本体部にバレル研磨処理を行って、部品本体部に形成されたバリを除去した。
次に、作製した金属ファスナーエレメント11の部品本体部に、電解メッキによるメッキ処理を所定の条件で行って、部品本体部の表面に、銅−錫合金の金属メッキ膜を形成した。その後、金属メッキ膜が形成された金属ファスナーエレメント11に対して、熱処理(再結晶化処理)を行った。この熱処理では、0.6MPaに加圧したアルゴンガス雰囲気中において430℃で1時間の加熱を金属ファスナーエレメント11に行った。
続いて、熱処理した金属ファスナーエレメント11に対してクリア塗装処理を行った。その後、クリア塗装が施された金属ファスナーエレメント11に加締め加工を行って、同金属ファスナーエレメント11をファスナーテープ15に取り付けた。そして、ファスナーテープ15に取着された金属ファスナーエレメント11の表面を肉眼で観察したところ、金属メッキ膜にひび割れやクラックが発生していないことが確認された。
実施例3として、ファスナー構成部品として箱棒を製造する場合について説明する。
本実施例3の箱棒は、亜鉛系合金を金属母材とする部品本体部と、部品本体部の表面に配された金属メッキ膜とを有している。この場合、部品本体部は、亜鉛系合金からなる金属体と、同金属体の表面に形成された銅の下地メッキ膜とを有している。また、金属メッキ膜は、銅の含有量が65wt%で亜鉛の含有量が35wt%となる銅と亜鉛の合金で構成されている。
本実施例3の箱棒を製造するために、先ず、亜鉛をダイキャスト成形することにより所定の形状を有する箱棒用の金属体を形成した。続いて、得られた金属体に、電解メッキを所定の条件で行って、金属体の表面に銅の下地メッキ膜を形成することにより、箱棒の部品本体部を作製した。
次に、作製した箱棒の部品本体部に、電解メッキによるメッキ処理を所定の条件で行って、部品本体部の表面に、銅−亜鉛系合金の金属メッキ膜を形成した。その後、金属メッキ膜が形成された箱棒に対して、熱処理(再結晶化処理)を行った。この熱処理では、0.6MPaの加圧雰囲気中において320℃で1時間の加熱を箱棒に行った。
続いて、熱処理した箱棒を、水酸化ナトリウム及び亜塩素酸ナトリウムを含む強アルカリ液中に浸漬することによって、金属メッキ膜に黒色を付与する黒色化処理を行った。更に、黒色化処理を施した箱棒に対してバレル研磨機による研磨処理を行うことによって、下止具の色調を古真鍮色に仕上げてから、同箱棒に対してクリア塗装処理を行った。
その後、クリア塗装が施された箱棒に加締め加工を行って、同箱棒をファスナーテープに取り付けた。そして、ファスナーテープに取着された箱棒の表面を肉眼で観察したところ、箱棒は全体的に均一な色調を呈しており、また、金属メッキ膜にひび割れやクラックが発生していないことが確認された。
実施例4として、ファスナー構成部品としてスライダー14用のスライダー胴体を製造する場合について説明する。本実施例4のスライダー胴体は、アルミニウム−銅−シリコン系合金を金属母材とする部品本体部と、部品本体部の表面に配された金属メッキ膜とを有している。
この場合、部品本体部は、アルミニウム−銅−シリコン系合金からなる金属体と、金属体の表面に形成された亜鉛の第1下地メッキ膜と、第1下地メッキ膜の表面に形成された銅の第2下地メッキ膜とを有している。また、金属メッキ膜は、銅の含有量が65wt%で亜鉛の含有量が35wt%となる銅と亜鉛の合金で構成されている。
本実施例4のスライダー胴体を製造するために、先ず、アルミニウム−銅−シリコン系合金をダイキャスト成形することにより所定の形状を有する金属体を形成した。続いて、得られた金属体に対して、無電解メッキを所定の条件で行って、金属体の表面に亜鉛の第1下地メッキ膜を形成し、更に、電解メッキを所定の条件で行って、第1下地メッキ膜の表面に銅の第2下地メッキ膜を形成することにより、スライダー胴体の部品本体部を作製した。
次に、作製したスライダー胴体の部品本体部に、電解メッキによるメッキ処理を所定の条件で行って、部品本体部の表面に、銅−亜鉛系合金の金属メッキ膜を形成した。その後、金属メッキ膜が形成されたスライダー胴体に対して熱処理(再結晶化処理)を行った。この熱処理では、真空中において330℃で1時間の加熱をスライダー胴体に行った。
続いて、熱処理したスライダー胴体を、水酸化ナトリウム及び亜塩素酸ナトリウムを含む強アルカリ液中に浸漬することによって、金属メッキ膜に黒色を付与する黒色化処理を行った。更に、黒色化処理を施したスライダー胴体に対してバレル研磨機による研磨処理を行うことによって、下止具の色調を古真鍮色に仕上げてから、同スライダー胴体に対してクリア塗装処理を行った。
その後、クリア塗装が施されたスライダー胴体の引手取付部に引手を引っ掛け、更にその引手取付部に曲げ加工を行うことにより、引手をスライダー胴体に装着した。そして、曲げ加工により引手が取り付けられたスライダー胴体の表面を肉眼で観察したところ、スライダー胴体は全体的に均一な色調を呈しており、また、金属メッキ膜にひび割れやクラックが発生していないことが確認された。
1 ファスナー構成部品
2 部品本体部
3 金属メッキ膜
4 拡散層
10 スライドファスナー
11 金属ファスナーエレメント
12 下止具
12a 胴部
12b 腕部
13 上止具
14 スライダー
15 ファスナーテープ
15a 芯紐部

Claims (18)

  1. 金属製の部品本体部(2) の表面に金属メッキ膜(3) が形成され、前記金属メッキ膜(3) の形成後に前記部品本体部(2) の少なくとも一部に曲げ加工が行われるスライドファスナー用のファスナー構成部品(1) であって、
    前記曲げ加工の前に熱処理が行われることにより、前記金属メッキ膜(3) は、結晶構造の少なくとも一部が再結晶化した再結晶構造を有してなる、
    ことを特徴とするファスナー構成部品。
  2. 前記再結晶構造は、前記金属メッキ膜(3) を前記部品本体部(2) の表面に柱状結晶構造に形成した後、同金属メッキ膜(3) に前記熱処理を行って前記柱状結晶構造の少なくとも一部を再結晶化することにより形成されてなる請求項1記載のファスナー構成部品。
  3. 前記部品本体部(2) は、銅又は銅−亜鉛系合金からなる請求項1記載のファスナー構成部品。
  4. 前記部品本体部(2) は、少なくとも75wt%以上100wt%以下の銅と、0wt%以上25wt%以下の亜鉛とを含有してなる請求項3記載のファスナー構成部品。
  5. 前記部品本体部(2) は、亜鉛又は亜鉛系合金からなる金属体と、前記金属体の表面に配され、銅からなる下地メッキ膜とを有してなる請求項1記載のファスナー構成部品。
  6. 前記部品本体部(2) は、アルミニウム系合金からなる金属体と、前記金属体の表面に配され、亜鉛からなる第1下地メッキ膜と、前記第1下地メッキ膜の表面に配され、銅からなる第2下地メッキ膜とを有してなる請求項1記載のファスナー構成部品。
  7. 前記金属メッキ膜(3) は、銅−亜鉛系合金、銅−錫系合金、及び、錫−ニッケル系合金の群から選択される少なくとも1つにより構成されてなる請求項1記載のファスナー構成部品。
  8. 前記再結晶構造を有する前記金属メッキ膜(3) は、1μm以上10μm以下の膜厚を有してなる請求項1記載のファスナー構成部品。
  9. 前記再結晶構造を有する前記金属メッキ膜(3) は、Hv50以上Hv100以下のビッカース硬さを有してなる請求項1記載のファスナー構成部品。
  10. 前記部品本体部(2) の前記金属メッキ膜(3) 側の表層部に、前記金属メッキ膜(3) に含まれる金属が拡散して形成された拡散層(4) を有してなる請求項1記載のファスナー構成部品。
  11. 前記ファスナー構成部品(1) は、ファスナーエレメント(11)、止具(12,13) 、開離嵌挿具、及び、スライダー(14)の群から選択される少なくとも1つの部品である請求項1記載のファスナー構成部品。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のファスナー構成部品(1) が曲げ加工されて用いられてなることを特徴とするスライドファスナー。
  13. 金属製の部品本体部(2) の表面に金属メッキ膜(3) が配され、前記金属メッキ膜(3) の形成後に前記部品本体部(2) の少なくとも一部に曲げ加工が行われるスライドファスナー用のファスナー構成部品の製造方法であって、
    前記部品本体部(2) の表面に前記金属メッキ膜(3) を形成すること、及び、
    前記曲げ加工の前に、前記金属メッキ膜(3) を再結晶化温度以上に加熱する熱処理を行うことにより、前記金属メッキ膜(3) の少なくとも一部が再結晶化した再結晶構造を形成すること、
    を含んでなることを特徴とするファスナー構成部品の製造方法。
  14. 前記部品本体部(2) の表面に配される前記金属メッキ膜(3) を、柱状結晶構造に形成すること、及び、
    前記柱状結晶構造を有する前記金属メッキ膜(3) に前記熱処理を行うことにより前記再結晶構造を形成すること、
    を含んでなる請求項13記載のファスナー構成部品の製造方法。
  15. 前記金属メッキ膜(3) を、銅−亜鉛系合金により構成すること、及び、
    前記熱処理で前記金属メッキ膜(3) を300℃以上400℃以下に加熱すること、
    を含んでなる請求項13記載のファスナー構成部品の製造方法。
  16. 前記金属メッキ膜(3) を、銅−錫系合金により構成すること、及び、
    前記熱処理で前記金属メッキ膜(3) を400℃以上500℃以下に加熱すること、
    を含んでなる請求項13記載のファスナー構成部品の製造方法。
  17. 前記金属メッキ膜(3) を、錫−ニッケル系合金により構成すること、及び、
    前記熱処理で前記金属メッキ膜(3) を500℃以上600℃以下に加熱すること、
    を含んでなる請求項13記載のファスナー構成部品の製造方法。
  18. 前記熱処理によって、前記金属メッキ膜(3) が有するHv120以上のビッカース硬さを、Hv50以上Hv100以下にすることを含んでなる請求項13記載のファスナー構成部品の製造方法。
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