JPWO2011070792A1 - 分散型電源システム - Google Patents
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Abstract
本発明の分散型電源システムは、商用電力系統(1)と連系して需要家内負荷(2)に電力を供給する分散型電源装置(4)と、商用電力系統より電力が供給される内部負荷(7)と、内部負荷および需要家内負荷よりも商用電力系統側の電流の大きさと電流の向きを検出する電流センサ(5a),(5b)と、制御器(8)と、を有し、制御器(8)は、分散型電源装置(4)が電力を出力していない場合に内部負荷(7)を動作させ、電流センサ(5a),(5b)の検出値に基づいて電流センサ(5a),(5b)の設置状態を判定する判定制御を複数回行い、かつ、複数の判定制御を行う間隔の少なくとも1つを他の間隔の整数倍以外の間隔にして判定制御を行うものである。
Description
本発明は、商用電力系統と連系して、商用電力系統、および需要家内負荷へ電力を供給する分散型電源システムに関するものである。
従来、この種の分散型電源システムとしては、特許文献1に開示された自家発電システムがあった。
以下、図面を参照しながら、特許文献1に示されている分散型電源装置について、説明する。
図10は、特許文献1に図1として記載された従来の分散型電源装置のブロック図である。なお、参照符号は出願人が変更して記載している。図10に示すように、従来の分散型電源システムは、電流センサ105a、105bと、電圧センサ106と、ヒータ107と、制御手段108とを備えている。さらに、燃料電池装置104が発電していないときにヒータ107を動作させて電流が流れたときに、電流センサ105a、105bが検出する電流値と電圧センサ106が検出する電圧値とから算出された電力値が所定値以下の場合、制御手段108が、それ以降算出する電力値の正負符号を反転させていた。
これにより、家庭内負荷の状況に関わらず、電流センサの設置方向を判定し、電力値の補正が可能となる。
ここで、電流センサ105a、105bの設置方向の判定は、より確実に設置方向を判定するために複数回行ってもかまわない。
しかしながら、従来の構成では、電流センサの設置方向の判定を複数回行っても、正確に設置方向の判定ができない場合があった。本発明者等がこの原因を鋭意検討した結果、電流センサの設置方向を判定する際のヒータへの電力供給と、需要家内負荷、例えば、家庭内に置かれる洗濯機やエアコンなどのモータへの電力供給と、が同期してしまっていることが原因だと考えられることが分かった。
つまり、電流センサの設置方向を判定するために燃料電池装置が非発電状態のときにヒータに周期的に電力を供給しているので、電流センサおよび電圧センサが繋がっている電線に流れる電力は周期的に変動している。従来の構成におけるある形態(実施の形態2)では、制御手段は、このヒータによる周期的な電力変動の幅を検知して電流センサの設置方向を判定している。しかし、ヒータによる周期的な電力変動と需要家内負荷へ供給する電力の変動とが同期した結果、需要家内負荷への電力供給が停止すると同時にヒータに電力が流れ始めた場合、電流センサおよび電圧センサの検出値から算出される電力値はヒータに電力を供給し始めても、ヒータの消費電力量に比べると小さな変化しかしなかったり、減少するように変動したりすることがあった。制御手段は、この小さな電力値の変動幅や電力値の減少幅を検出して電流センサの設置方向の判定を行うので、実際には電流センサの設置方向が正常でも、電流センサが故障、断線、もしくは電線から外れているという異常状態にあると間違って判定したり、電流センサの設置方向が逆であると間違って判定してしまったりして、電流センサの設置方向を正常に判定できない場合があった。また、従来の構成における他の形態(実施の形態1)においては、燃料電池装置が非発電状態の場合に商用電力系統からヒータに電力を供給して電流センサが検知する電流が正であるか否かを検知することにより、電流センサの設置方向を判定している。しかしながら、電流センサはゼロ点が補正されずにずれている場合がある。そのため、電力値の変化ではなく、電力値が正であるか否かを検知して電流センサの設置方向を判定する場合で、例えば、電流センサのゼロ点がマイナス側に大きくずれている場合は、ヒータに電力を供給しても依然として電流センサが検知する電流値がマイナスになっていることがある。この場合、電流センサが正しい設置方向に取り付けられていても、電流センサがマイナスの電流値を検知して、電流センサの設置方向が逆であると間違って判定しまう場合があった。
このように従来の構成では、電流センサの設置状態の判定を正確に行うことができない場合がある、という課題を有していた。
本発明は、従来の課題を解決するもので、電流センサの設置状態の判定をより確実に行い、システムの信頼性を向上させることができる分散型電源システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の分散型電源システムは、商用電力系統と連系して需要家内負荷に電力を供給する分散型電源装置と、前記商用電力系統より電力が供給される内部負荷と、前記内部負荷および前記需要家内負荷よりも前記商用電力系統側の電流の大きさと前記電流の向きを検出する電流センサと、制御器と、を有し、前記制御器は、前記分散型電源装置が電力を出力していない場合に前記内部負荷を動作させ、前記電流センサの検出値に基づいて前記電流センサの設置状態を判定する判定制御を複数回行い、かつ、前記複数の判定制御を行う間隔の少なくとも1つを他の間隔の整数倍以外の間隔にして前記判定制御を行うものである。
本発明の上記目的、他の目的、特徴、および利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
本発明の分散型電源システムは、電流センサの設置状態をより確実に判定しシステムの信頼性を向上させることができることができる。
第1の発明は、商用電力系統と連系して需要家内負荷に電力を供給する分散型電源装置と、前記商用電力系統より電力が供給される内部負荷と、前記内部負荷および前記需要家内負荷よりも前記商用電力系統側の電流の大きさと前記電流の向きを検出する電流センサと、制御器と、を有し、前記制御器は、前記分散型電源装置が電力を出力していない場合に前記内部負荷を動作させ、前記電流センサの検出値に基づいて前記電流センサの設置状態を判定する判定制御を複数回行い、かつ、前記複数の判定制御を行う間隔の少なくとも1つを他の間隔の整数倍以外の間隔にして前記判定制御を行う、分散型電源システムである。ここで、設置状態とは、電流センサの設置の方向(正か負か)と、取り付けの状態(断線、電流センサの故障、電線から外れている(脱落)など)と、の少なくとも一方を含む概念をいう。
本発明により、需要家内負荷の状態に関わらず、電流センサの設置方向や電流センサが故障、断線、もしくは電線から外れていたりすることにより正常に電流センサが検知できない状態にあるか否かをより確実に判定し、電力値の補正が可能となり、システムの信頼性を向上させることができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記制御器は、前記判定制御を行う間隔を整数倍以外の間隔で複数回変更しながら前記判定制御を行う、分散型電源システムである。
本発明により、判定制御を行う間隔が整数倍である場合に生じる誤判定を回避することができる。
第3の発明は、第1の発明において、前記制御器は、前記判定制御を第1の間隔で複数回行う第1のステップと、前記判定制御を第2の間隔で複数回行う第2のステップと、を実行し、各ステップ毎に各ステップにおける前記複数回の判定制御に基づいて各ステップとしての前記電流センサの設置状態の判定結果を決定し、かつ、前記第2の間隔の少なくとも1つを、前記第1の間隔の整数倍以外の間隔とするように前記第2のステップを実行する、分散型電源システムである。
本発明により、判定制御を行う間隔が整数倍である場合に生じる誤判定を回避することができる。さらに、電流センサの設置状態を判定するステップを2回実行することにより、当該判定をより確実に行なうことができる。
第4の発明は、第3の発明において、前記制御器は、前記第2の間隔を全て等しくするように前記第2のステップを実行する、分散型電源システムである。
本発明により、判定制御を簡素化することができる。
第5の発明は、第3の発明または第4の発明において、前記制御器は、最後の複数回のステップで決定される各ステップとしての判定結果が同じになるまで、前記第1および第2のステップを実行する、分散型電源システムである。
本発明により、電流センサの設置状態をより確実に判定することができる。
第6の発明は、第3の発明または第4の発明において、前記制御器は、各ステップで決定される各ステップとしての判定結果が一定回数以上同じになるまで、前記第1および第2のステップを実行する、分散型電源システムである。
本発明により、電流センサの設置状態をより確実に判定することができる。
第7の発明は、前記制御器は、各ステップで決定される各ステップとしての判定結果が一定割合以上同じになるまで、前記第1および第2のステップを実行する、分散型電源システムである。
本発明により、電流センサの設置状態をより確実に判定することができる。
第8の発明は、第5〜7の発明のいずれか1つの発明において、前記制御器は、前記第1および第2のステップを交互に実行する、分散型電源システムである。
第9の発明は、第3〜8の発明のいずれか1つの発明において、前記第1または第2のステップにおいて、前記判定制御の判定結果が一定回数以上同じになった場合に、同じになった判定結果を当該ステップとしての判定結果として決定する、分散型電源システムである。
本発明により、電流センサの設置状態をより確実に判定することができる。
第10の発明は、第3〜8の発明のいずれか1つの発明において、前記第1または第2のステップにおいて、前記判定制御の判定結果が一定割合以上同じになった場合に、同じになった判定結果を当該ステップとしての判定結果として決定する、分散型電源システムである。
本発明により、電流センサの設置状態をより確実に判定することができる。
第11の発明は、第1の発明において、前記制御器は、前記判定制御を行う間隔を整数倍以外の間隔に連続して変更しながら、前記判定制御を複数回行う、分散型電源システムである。
第12の発明は、第1〜11の発明のいずれか1つの発明において、前記内部負荷および前記需要家内負荷の少なくとも一方に前記前記商用電力系統より供給される電力の電圧を検出する電圧検出器をさらに備え、前記制御器は、前記判定制御において、前記内部負荷の動作の直前の前記電流センサの検出値と前記電圧検出器の検出値とから算出する電力値と前記内部負荷の動作の直後の前記電流センサの検出値と前記電圧検出器の検出値とから算出する電力値との偏差が正の電力値である第1所定値以下でかつ負の電力値である第2所定値以上である場合に前記電流センサが異常状態にあると判定し、前記電力値が前記第2所定値未満である場合に前記電流センサの設置方向が逆になっていると判定し、前記電力値が前記第1所定値を越える場合に前記電流センサの設置方向が正しいと判定する、分散型電源システムである。ここで、電流センサが異常状態とは、電流センサが故障している、電線から外れている、断線しているなど、正常に電流を検知できない状態をいう。
本発明により、内部負荷が動作したことに対する反応の有無(故障の有無等)と電流センサの設置方向の正逆とを同時に判定することができる。また、発電状態であっても非逆潮流の場合には、電流センサの設置方向の判定を行なうことができる。
第13の発明は、第1〜11の発明のいずれか1つの発明において、前記内部負荷および前記需要家内負荷の少なくとも一方に前記商用電力系統より供給される電力の電圧を検出する電圧検出器をさらに備え、前記制御器は、前記判定制御において、前記電流センサの検出値と前記電圧検出器の検出値とから算出する電力値が正の電力値である第3所定値以下でかつ負の電力値である第4所定値以上である場合に前記電流センサの設置方向が異常状態にあると判定し、前記電力値が前記第4所定値未満である場合に前記電流センサの設置方向が逆になっていると判定し、前記電力値が前記第3所定値を超える場合に前記電流センサの設置方向が正しいと判定する、分散型電源システムである。
本発明により、内部負荷が動作したことに対する反応の有無(故障の有無等)と電流センサの設置方向の正逆とを同時に判定することができる。
第14の発明は、第12または13の発明において、前記制御器は、前記複数回の判定制御に基づいて前記電流センサの設置方向が逆になっていると決定した場合に、前記電流センサの検出値と前記電圧センサの検出値とから算出する電力値の符号を反転させて出力する、分散型電源システムである。
本発明により、電流センサを正常な方向に設置し直さなくても、正常に発電運転を行なうことができる。
第15の発明は、第1〜14の発明のいずれか1つの発明において、異常を報知する報知手段をさらに有し、前記制御器は、前記複数回の判定制御に基づいて前記電流センサの設置状態の最終的な判定を決定し、当該最終的な判定を所定時間内に決定することができなかった場合、前記報知手段を制御して異常報知する、分散型電源システムである。
本発明により、設置工事・メンテ作業時は電流センサの取付け方向ミス・断線・脱落(電流センサが電線から外れていること)等設置不具合を知らせ、システム設置後は電流センサの断線・脱落等故障を知らせることが可能となり、設置工事・メンテ作業、およびシステムの信頼性を向上させることができる。
第16の発明は、第12または13の発明において、前記制御器は、前記判定制御を第1の間隔で複数回行う第1のステップを実行し、当該第1のステップにおける前記複数回の判定制御に基づいて前記電流センサの設置方向が正しいか否かを決定し、前記電流センサの設置方向が決定した場合には前記判定制御を終了し、前記電流センサの設置方向が異常状態にあると決定した場合には、少なくとも1つが前記第1の間隔の整数倍以外の間隔である第2の間隔で前記判定制御を複数回行う第2のステップを実行し、当該第2のステップにおける前記複数回の判定制御に基づいて前記電流センサの設置方向が正しいかあるいは逆になっているかを決定する、分散型電源システムである。
本発明により、電流センサの設置状態をより確実に判定することができる。
第17の発明は、第15の発明において、前記制御器は、前記電流センサの設置状態が決定した根拠となる判定制御の間隔を、次回の前記複数の判定制御を行う際のデフォルト間隔とする、分散型電源システムである。
本発明により、電流センサの設置状態をより確実にかつ早く判定することができる。
以下、本発明の分散型電源システムの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における分散型電源システムのブロック図を示す。
図1は、本発明の実施の形態1における分散型電源システムのブロック図を示す。
図1に示すように、U相、O相、W相から成る単相三線式の交流電源である商用電力系統1には、商用電力系統1から供給される交流電力を消費する需要家内負荷2が連系接続されている。
商用電力系統1と連系する分散型電源システム3は、発電電力を交流電力として出力する分散型電源装置4と、需要家内負荷2、前記需要家内負荷2よりも上流にある分散型電源装置4と商用電力系統1の受電点に設置される分電盤内のU相およびW相に設置された電流の大きさおよび正負の方向を検出する電流センサ5a,5b(本実施の形態では、U相に電流センサ5a、W相に電流センサ5bを設置)と、商用電力系統1の電圧を検出する電圧検出手段である電圧センサ6と、内部負荷ヒータ7と、前記内部負荷ヒータ7を入り切りするスイッチ7aと、分散型電源システム3を制御する制御手段(制御器)8と、電力値を積算する電力積算メータ9と、電力表示およびシステムの異常状態を表示する表示手段および報知手段であるLCD10を備える。
ここで、制御手段8は、電流センサ5a,5bで検出された電流値と電圧センサ6で検出された電圧値とに基づいてよりU相、W相ごとに電力値を演算する電力演算部11(本実施の形態では、分散型電源システム3から商用電力系統1へ逆潮流するときをマイナスとする)と、電力演算部11で演算された電力値を記憶する揮発性メモリ16と、電流センサ5a,5bの設置状態を判定する電流センサ設置状態判定部12と、電流センサ設置状態判定部12の判定結果を記憶する不揮発性メモリ13と、不揮発性メモリ13に記憶された電流センサ5a,5bの設置方向の情報に基づき電力演算部11で演算された電力値の正負符号を補正する符号反転部14と、スイッチ7aを介して内部負荷ヒータ7への通電を制御する内部負荷ヒータ制御部15で構成される。
図2は本発明の実施の形態1の分散型電源システムにおける電流センサ設置方向判定の流れを示すフローチャートであり、図3は本発明の実施の形態1の分散型電源システムにおける電力演算および補正の流れを示すフローチャートである。
以上のように構成された分散型電源システムについて、以下その動作、作用について図1、図2、図3を用いて説明する。
制御手段8は、電源投入時に電流センサ5a,5bの設置状態の判定を行う。電流センサ5a,5bの設置状態の判定終了後は、常時、電力演算・補正を行うと共に、人為的な電流センサ5a,5bの設置方向の変更及び電流センサ5a,5bが故障、断線、もしくは電線から外れた場合に対応するために定期的に電流センサ5a,5bの設置状態判定を行う。ここで、電流センサ5a,5bの設置状態とは、電流センサ5a,5bの設置方向、及び、電流センサ5a,5bが故障、断線、若しくは外れていた場合などの状態の少なくとも一方を意味する。
以下、電流センサ5a,5bの設置状態の判定方法(判定制御)について説明する。
制御手段8は、内部負荷ヒータ制御部15にてスイッチ7aを介して所定間隔で所定複数回(たとえば、所定間隔は1〜3秒で好ましくは1秒、所定複数回は3〜5回で好ましくは4回)内部負荷ヒータ7を入り切りする。但し、所定複数回は3回以上である。2回では内部負荷ヒータ7への電力供給が需要家内負荷への電力供給の周期と同期することによる誤判定を排除できないからである。したがって、この所定間隔は複数の間隔を有する。そして、この所定間隔における複数の間隔のうち、1つの間隔は他の間隔の整数倍以外の間隔である。これにより、所定間隔における複数の間隔のうち、少なくとも1つの間隔を需要家内負荷への電力供給の周期と同期しないようにすることができる。また、内部負荷ヒータ7の入り切り(動作)の「周期」と「間隔」とは、本来、内部負荷ヒータ7の動作期間(幅)だけ異なるが、内部負荷ヒータ7の動作期間(幅)は、その動作間隔に比べて極短い(例えば、5分の1〜20分の1)ので、両者を同じ意味に用いる。
そのとき、制御手段8は、内部負荷ヒータ7をONする直前の現在の電力値を取得し(電力演算は、図3に示す)、揮発性メモリ16に記憶する。
内部負荷ヒータ7をONした後は、電流センサ設置状態判定部12にて、再び、現在の電力値(電力演算は、図3に示す)を取得し、取得した電力値と揮発性メモリ16に記憶する電力値をもとに電流センサ5a,5bの設置状態の判定、および不揮発性メモリ13への判定結果の記憶を行う。この電流センサ5a,5bの設置状態の判定の態様は種々想定されるので、後で詳しく説明する。
ここで、分散型電源装置4が非発電状態、もしくは発電状態であっても非逆潮流の場合、電流センサ5a,5bが正方向に設置されていれば、内部負荷ヒータ7をONすることで電力は商用電力系統1から分散型電源装置4方向へ供給されるため、内部負荷ヒータ7のON(動作)直前、直後の2つの電力値の差(本実施の形態では、(電力値の差)=(内部負荷ヒータ7のON直後の電力値)−(内部負荷ヒータ7のON直前の電力値とする))は正で、理想的には内部負荷ヒータ7の消費電力値に相当する電力値となる。また、分散型電源装置4が発電状態であっても需要家内負荷2に電力を供給している場合や逆潮流の場合、電流センサ5a,5bが正常方向に設置されていれば、内部負荷ヒータ7をONすることで需要家内負荷2に供給する電力や逆潮流が減少するため、同様に内部負荷ヒータ7のON直前、直後の2つの電力値の差は正で、理想的には内部負荷ヒータ7の消費電力値に相当する電力値となる。
したがって、電流センサ設置状態判定部12による設置状態の判定は、2つの電力の差に基づいて以下のように行う。すなわち、この判定基準として、正の電力値である第1所定値と負の電力値である第2所定値とを閾値として設定する。そして、2つの電力の差が、第1所定値を超える時が、所定複数回のうち複数回連続した時に、設置方向は正常な方向と判定し、第2所定値未満の時が、所定複数回のうち複数回連続した時に、設置方向は逆方向と判定し、これらの条件を満たさない場合には、判定制御を続行する。この際、さらに、第1所定値以下でかつ第2所定値以上である場合に電流センサが異常状態にあると判定する。これは、電流センサの故障等であると誤って判定するのを防止するために、内部負荷ヒータ7の動作に応じた応答があるか否かを確認するためである。従って、第1所定値及び第2所定値の絶対値は、内部負荷ヒータ7の消費電力に対し、誤差に相当するマージンを考慮して適宜設定される(例えば内部負荷ヒータ7の消費電力の40〜60パーセント程度の電力値に設定される)。なお、第1所定値及び第2所定値の絶対値は互いに同じでも異なっていてもよい。また、2つの電力の差の絶対値を上記判定基準の閾値として設定することは、互いに絶対値が同じである上記第1及び第2所定値を設定することと同義であることはいうまでもない。
そして、この判定情報を不揮発性メモリ13に設置方向情報として記憶する。
なお、電流センサ設置状態判定部12は、これらの条件を満たさない限り上記判定を繰り返し、所定時間内に、これらの条件が満たされない場合には、電流センサ設置状態判定部12は、LCD10に異常を報知する表示を行なう。この判定制御(方法)の具体例は、実施の形態8で詳しく説明する。
以降、不揮発性メモリ13に新たに記憶された電流センサ5a,5bの設置方向情報をもとに電力演算および補正を行い、補正結果をもとに、電力積算メータ9は電力の積算し、LCD10は電力の表示を行う。
[電流センサ5a,5bの設置状態の判定の態様]
以下、図11乃至図15、および図26乃至図33を用いて電流センサ5a,5bの設置状態の判定の態様を具体的に例示する。図11乃至図15、および図26乃至図32は、4つの段(上から下へ向かう順に第1乃至第4段と呼ぶ)に、電力値の経時変化を示している。各段において、縦軸は電力値を示し、横軸は時間(時刻)を示す。第1段は、需要家内負荷2へ供給される電力値を示し、第2段は、内部負荷ヒータ7へ供給される電力値を示し、第3段は、電流センサ5a,5bの設置方向が正常な方向である場合において電力演算部11で演算される電力値を示し、第4段は、電流センサ5a,5bの設置方向が逆方向である場合において電力演算部11で演算される電力値を示す。
以下、図11乃至図15、および図26乃至図33を用いて電流センサ5a,5bの設置状態の判定の態様を具体的に例示する。図11乃至図15、および図26乃至図32は、4つの段(上から下へ向かう順に第1乃至第4段と呼ぶ)に、電力値の経時変化を示している。各段において、縦軸は電力値を示し、横軸は時間(時刻)を示す。第1段は、需要家内負荷2へ供給される電力値を示し、第2段は、内部負荷ヒータ7へ供給される電力値を示し、第3段は、電流センサ5a,5bの設置方向が正常な方向である場合において電力演算部11で演算される電力値を示し、第4段は、電流センサ5a,5bの設置方向が逆方向である場合において電力演算部11で演算される電力値を示す。
第2段における内部負荷ヒータ7の1つの電力値は、1回の動作における電力値を示す。そして、一群の電力値が、電流センサ5a,5bの設置状態を判定する1つのステップを示し、一群の電力値のそれぞれが、1つのステップにおける電流センサ5a,5bの設置状態の1回の判定制御を示す。「〜回」は、それぞれのステップにおけるそれぞれの判定制御の回数を示す。「T〜」は、判定制御の間隔(周期)(内部負荷ヒータ7の動作間隔)を示す。
第3段および第4段における「実線矢印」は、電力演算部11で演算される電力値の偏差が正であることを示し、同じく「破線矢印」は、電力演算部11で演算される電力値の偏差が負であることを示す。また、電流センサ5a,5bの設置方向の正逆と電力演算部11で演算される電力値の偏差の正負とが一致する判定が客観的に正しい判定であり、電流センサ5a,5bの設置方向の正逆と電力演算部11で演算される電力値の偏差の正負とが逆である判定が客観的に誤った判定である。以下では、これらを、「電流センサ5a,5bの設置方向の正逆と電力値の偏差の正負とが一致する判定」(「一致判定」と略記する場合がある)または「電流センサ5a,5bの設置方向の正逆と電力値の偏差の正負とが逆の判定」(「逆判定」と略記する場合がある)と呼ぶ。「一致判定」である場合、具体的には、電流センサ5a,5bの設置方向が正常である場合には、制御手段8が電流センサ5a,5bの設置方向が正常であると判定し、電流センサ5a,5bの設置方向が逆である場合には、制御手段8が電流センサ5a,5bの設置方向が逆であると判定することになる。「逆判定」である場合、具体的には、電流センサ5a,5bの設置方向が正常である場合には、制御手段8が電流センサ5a,5bの設置方向が逆であると判定し、電流センサ5a,5bの設置方向が逆である場合には、制御手段8が電流センサ5a,5bの設置方向が正常であると判定することになる。
以上の図の説明は後述する図16乃至25においても同様である。
<対比例>
まず、対比例(従来例において想定される態様例)について説明する。図26乃至図32は、対比例における判定制御(判定方法)を示す模式図である。
まず、対比例(従来例において想定される態様例)について説明する。図26乃至図32は、対比例における判定制御(判定方法)を示す模式図である。
図26に示すように、需要家内負荷2が例えば洗濯機である場合には、需要家内負荷2へ供給される電力の値は周期的に変動する。これにより、内部負荷ヒータ7のスイッチ7aの入り切りによる動作の周期(内部負荷ヒータ7への供給電力値の周期)が需要家内負荷2への供給電力値の周期に近いと、既述のように、本発明の課題が生じる。
具体的には、図26に示すように、内部負荷ヒータ7への電力供給と需要家内負荷2への電力供給とのタイミングが互いに重なっていなければ問題はない。また、図27に示すように、両者のタイミングが重なったとしても、内部負荷ヒータ7への電力供給が需要家内負荷2への電力供給より先であるかあるいは両者が完全に重なれば問題はない。電流センサ5a,5bの設置状態の判定対象となる電力値の偏差の正負(符号)が、両者が重ならない場合と同じになるからである。
一方、図28に示すように、内部負荷ヒータ7への電力供給が需要家内負荷2への電力供給より後であるように両者が部分的に重なると、誤判定が生じる。電流センサ5a,5bの設置状態の判定対象となる電力値の偏差が、内部負荷ヒータ7の消費電力量に比べて小さくなり電流センサ5a,5bが異常状態にあると誤って判定されたり、電流センサ5a,5bの設置方向の判定対象となる電力値の偏差の正負が、両者が重ならない場合と逆になったりするからである。ここで、電流センサ5a,5bが異常状態にあるとは、電流センサが故障、断線、若しくは電線から外れている場合などである。つまり、この例では、内部負荷ヒータ7が動作しているので、電力演算部11で演算される電力値の偏差は、本来、正になる筈である。しかるに、電力演算部11では、需要家内負荷2への供給電力値が内部負荷ヒータ7のON直前の電力値として演算されるとともに内部負荷ヒータ7への供給電力値が内部負荷ヒータ7のON直後の電力値として演算されるため、当該電力値の偏差は負になってしまうからである。
この場合、図29および図30に示すように、内部負荷ヒータ7の動作間隔(T1)を変えない限り、誤判定が生じ続ける。また、図31および図32に示すように、内部負荷ヒータ7の動作間隔(T1)を整数倍(ここでは2倍)に変えても、誤判定が生じ続ける。
<本実施の形態>
図33は、電流センサ5a,5bが異常状態にあるか否かの判定方法を示す模式図である。図33に示すように、本実施の形態では、各判定制御において、電流センサ5a,5bの設置方向の正逆の判定をする際に、内部負荷ヒータ7の動作に応じた応答があるか否かを判定する。そして、内部負荷ヒータ7の動作に応じた応答がない場合には、電流センサ5a,5bが異常状態にあると判定し、内部負荷ヒータ7の動作に応じた応答がある場合には、電流センサ5a,5bの設置方向の正逆を判定する。
図33は、電流センサ5a,5bが異常状態にあるか否かの判定方法を示す模式図である。図33に示すように、本実施の形態では、各判定制御において、電流センサ5a,5bの設置方向の正逆の判定をする際に、内部負荷ヒータ7の動作に応じた応答があるか否かを判定する。そして、内部負荷ヒータ7の動作に応じた応答がない場合には、電流センサ5a,5bが異常状態にあると判定し、内部負荷ヒータ7の動作に応じた応答がある場合には、電流センサ5a,5bの設置方向の正逆を判定する。
具体的には、制御手段8は、図33(a)に示すように、電流センサ5a,5bの設置状態の判定対象となる電力値の偏差Pが第1所定値Pt1以下である場合には、電流センサ5a,5bが異常状態にあると判定する。また、図33(c)に示すように、当該電力値の偏差Pが第2所定値Pt2以上である場合には、電流センサ5a,5bが異常状態にあると判定する。これにより、内部負荷ヒータ7の動作に応じた応答がない場合には、電流センサ5a,5bが異常状態にあると判定することになる。一方、図33(b)に示すように、当該電力値の偏差が第1所定値Pt1を越える場合に電流センサ5a,5bの設置方向が正しいと判定し、図33(d)に示すように、当該電力値の偏差が第2所定値Pt2未満である場合に電流センサ5a,5bの設置方向が逆になっていると判定する。これにより、内部負荷ヒータ7の動作に応じた応答があることと、電流センサ5a,5bの設置方向の正逆とを同時に判定することになる。それ故、以下(実施の形態2乃至4も同様)では、説明の簡略化のため、当該電力値の偏差と第1及び第2所定値Pt1,Pt2とを対比することに特に言及しないが、電流センサ5a,5bの設置方向の正逆の判定が行われている場合には、これらと同時に電流センサ5a,5bが異常状態にあるか否かの判定が必ず行われている。すなわち、各判定制御は、電流センサ5a,5bの設置方向の正逆の判定と、電流センサ5a,5bが異常状態にあるか否かの判定とを含む。
図11乃至図16は、本実施の形態における判定制御の一例を示す模式図である。
本実施の形態では、内部負荷ヒータ7の動作(判定制御)は、上述のように、所定間隔で行なわれ、かつこの所定間隔における複数の間隔のうち、1つの間隔は他の間隔の整数倍以外の間隔である。換言すると、複数の判定制御を行う間隔の少なくとも1つを他の間隔の整数倍以外の間隔にして判定制御が行われる。以下、これを具体的に例示する。
図11に示すように、本実施の形態では、複数の判定制御を行う間隔T11,T12,T11のうち、少なくとも1つの間隔T12は他の間隔T11,T11の整数倍以外の間隔である。間隔の数は2以上であればよい。他の間隔の整数倍以外となる間隔の数も任意であり、それらが連続していても断続していてもよい。
例えば、判定制御を行う間隔を整数倍以外の間隔で複数回変更しながら判定制御を行ってもよい。間隔の変更は、連続でも断続でもよい。例えば、図12に示すように、複数の間隔T21,T22,T23を連続して変更してもよい。例えば、図13に示すように、複数の間隔T21,T22,T23を連続して変更し、その後の間隔T23を変更しないようにしてもよい。例えば、図14に示すように、複数の間隔T21,T21を変更しないで判定制御し、その後、複数の間隔T22,T23を連続して変更してもよい。
例えば、図15に示すように、間隔T21を間隔T22に変更し、その後、間隔T22を変更しないで維持し、その後、これを間隔T23に変更してもよい。
例えば、図15に示すように、間隔T21を間隔T22に変更し、その後、間隔T22を変更しないで維持し、その後、これを間隔T23に変更してもよい。
以上に説明した本実施の形態における判定制御によれば、複数の判定制御を行う間隔は、必ず、互いに整数倍以外の間隔で異なる2つの間隔を含むので、たとえ、一方の間隔が需要家内負荷2への電力供給と同期しても他方の間隔は同期しない。したがって、このように互いに整数倍以外の間隔で異なる2つの間隔を含むようにして判定制御を複数回行えば、正しい判定を含むように判定を行なうことができる。なお、電流センサ5a,5bでは、内部負荷ヒータ7へ供給される電流と需要家内負荷2へ供給される電流とを分離して検出することはできないので、得られた個々の判定が本当に正しいかどうかを知ることはできない。しかしながら、判定制御の間隔が需要家内負荷2への電力供給と同期する確率は非常に低いので、互いに整数倍以外の間隔で異なる2つの間隔を含むようにして判定制御を多数回行えば、誤判定が連続する確率は非常に低いと考えられる。そこで、本実施の形態では、同じ判定が複数回連続して得られた場合には、当該複数回連続して得られた判定が正しいと想定するのである。
図11乃至図15に示す判定制御例では、いずれの判定制御例においても、電流センサ5a,5bの設置方向が正常である場合には、全回(ここでは4回)の判定制御において、電力演算部11で演算される電力値の偏差が正になり、電流センサ5a,5bの設置方向が逆である場合には、電力演算部11で演算される電力値の偏差が負になる。従って、いずれの判定制御例においても、「電流センサ5a,5bの設置方向の正逆と電力値の偏差の正負とが一致する判定」(「一致判定」)が4回連続して得られるので、電流センサ5a,5bの設置方向を的確に判定することができる。
なお、制御手段8が、判定制御を行う間隔を整数倍以外の間隔に連続して変更しながら、判定制御を複数回行ってもよい。具体的には、例えば、図25に示すように、1つのステップにおいて、判定制御を行う間隔T111,T112,T113が、整数倍以外の間隔に連続して変更される。間隔の数は2以上の任意の数であり、ステップの数は2以上の任意の数である。
以上のように、本実施の形態において、制御手段8は、内部負荷ヒータ7が動作する直前と直後の電流センサ5a,5bが検出する電流値と電圧センサ6が検出する電圧値の積から算出する電力値の偏差が所定値以上の場合、それ以降、算出する電力値の正負符号を反転させることで、分散型電源装置4の非発電・発電状態に関わらず、電流センサ5a,5bの設置方向を判定し、電力値の補正が可能となり、システムの信頼性を向上させることができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2における分散型電源システムのブロック図は、図1に示した実施の形態1の分散型電源システムのブロック図と同様である。
本発明の実施の形態2における分散型電源システムのブロック図は、図1に示した実施の形態1の分散型電源システムのブロック図と同様である。
図1に示すように、U相、O相、W相から成る単相三線式の交流電源である商用電力系統1には、商用電力系統1から供給される交流電力を消費する需要家内負荷2が連系接続されている。
商用電力系統1と連系する分散型電源システム3は、発電電力を交流電力として出力する分散型電源装置4と、需要家内負荷2、前記需要家内負荷2よりも上流にある分散型電源装置4と商用電力系統1の受電点に設置される分電盤内のU相およびW相に設置された電流の大きさおよび正負の方向を検出する電流センサ5a,5b(本実施の形態では、U相に電流センサ5a、W相に電流センサ5bを設置)と、商用電力系統1の電圧を検出する電圧検出手段である電圧センサ6と、内部負荷ヒータ7と、前記内部負荷ヒータ7を入り切りするスイッチ7aと、分散型電源システム3を制御する制御手段8と、電力値を積算する電力積算メータ9と、電力表示およびシステムの異常状態を表示する表示手段および報知手段であるLCD10を備える。
ここで、制御手段8は、電流センサ5a,5bで検出された電流値と電圧センサ6で検出された電圧値に基づいてよりU相、W相ごとに電力を演算する電力演算部11(本実施の形態では、分散型電源システム3から商用電力系統1へ逆潮流するときをマイナスとする)と、電力演算部11で演算された電力値を記憶する揮発性メモリ16と、電流センサ5a,5bの設置状態を判定する電流センサ設置状態判定部12と、電流センサ設置状態判定部12の判定結果を記憶する不揮発性メモリ13と、不揮発性メモリ13に記憶された電流センサ5a,5bの設置方向の情報に基づき電力演算部11で演算された電力値の正負符号を補正する符号反転部14と、スイッチ7aを介して内部負荷ヒータ7への通電を制御する内部負荷ヒータ制御部15で構成される。
図4は本発明の実施の形態2の分散型電源システムにおける電流センサ設置状態判定の流れを示すフローチャートであり、図3は本発明の実施の形態2の分散型電源システムにおける電力演算および補正の流れを示すフローチャートである。
以上のように構成された分散型電源システムについて、以下その動作、作用について図1、図4、図3を用いて説明する。
制御手段8は、電源投入時に電流センサ5a,5bの設置状態の判定を行う。電流センサ5a,5bの設置状態の判定終了後は、常時、電力演算・補正を行うと共に、人為的な電流センサ5a,5bの設置方向の変更及び電流センサ5a,5bが故障、断線、もしくは電線から外れた場合に対応するために定期的に電流センサ5a,5bの設置方向判定を行う。
以下、電流センサ5a,5bの設置状態の判定方法について説明する。
制御手段8は、内部負荷ヒータ制御部15にてスイッチ7aを介して第1のステップで前記内部負荷を第1所定間隔で第1所定複数回動作させ、次に、第2のステップで前記内部負荷を第2所定間隔で第2所定複数回内部負荷ヒータ7を入り切りする。
そのとき、制御手段8は、内部負荷ヒータ7をONする直前の現在の電力値を取得し(電力演算は、図3に示す)、揮発性メモリ16に記憶する。
内部負荷ヒータ7をONした後は、電流センサ設置状態判定部12にて、再び、現在の電力値(電力演算は、図3に示す)を取得し、取得した電力値と揮発性メモリ16に記憶する電力値をもとに電流センサ5a,5bの設置状態の判定、および不揮発性メモリ13への判定結果の記憶を行う。
ここで、分散型電源装置4が非発電状態、もしくは発電状態であっても非逆潮流の場合、電流センサ5a,5bが正方向に設置されていれば、内部負荷ヒータ7をONすることで電力は商用電力系統1から分散型電源装置4方向へ供給されるため、内部負荷ヒータ7のON直前、直後の2つの電力値の差(本実施の形態では、(電力値の差)=(内部負荷ヒータ7のON直後の電力値)−(内部負荷ヒータ7のON直前の電力値とする))は正で、理想的には内部負荷ヒータ7の消費電力値に相当する電力値となる。また、分散型電源装置4が発電状態であっても需要家内負荷2に電力を供給している場合や逆潮流の場合、電流センサ5a,5bが正常方向に設置されていれば、内部負荷ヒータ7をONすることで需要家内負荷2に供給する電力や逆潮流する電力が減少するため、同様に内部負荷ヒータ7のON直前、直後の2つの電力値の差は正で、理想的には内部負荷ヒータ7の消費電力値に相当する電力値となる。
したがって、電流センサ設置状態判定部12による設置状態の判定は、2つの電力の差と実施の形態1で説明した第1及び第2所定値とに基づいて以下のように行う。2つの電力の差が、第1所定値を越える時が、第1のステップで第1所定複数回のうち複数回連続するか判定し、かつ第2のステップで第2所定複数回のうち複数回連続するか判定し、第1のステップと第2のステップともに複数回連続すると判定した時に、設置方向は正方向と判定する。また、第2所定値未満の時が、第1のステップで第1所定複数回のうち複数回連続するか判定し、かつ第2のステップで第2所定複数回のうち複数回連続するか判定し、第1のステップと第2のステップともに複数回連続すると判定した時に、設置方向は負方向と判定する。さらに、第1所定値以下でかつ第2所定値以上である時が、第1のステップで第1所定複数回のうち複数回連続するか判定し、かつ第2のステップで第2所定複数回のうち複数回連続するか判定し、第1のステップと第2のステップともに複数回連続すると判定した時に、電流センサが異常状態にあると判定し、その情報を不揮発性メモリ13に設置方向情報として記憶する。
なお、電流センサ設置状態判定部12は、これらの条件を満たさない限り、第1のステップと第2のステップとを繰り返す。また、所定時間内に、これらの条件が満たされない場合には、電流センサ設置状態判定部12は、LCD10に異常を報知する表示を行なう。この判定制御(判定方法)の具体例は、実施の形態8で詳しく説明する。
以降、不揮発性メモリ13に新たに記憶された電流センサ5a,5bの設置方向情報をもとに電力演算および補正を行い、補正結果をもとに、電力積算メータ9は電力の積算をし、LCD10は電力の表示を行う。
[電流センサ5a,5bの設置状態の判定の態様]
図16乃至図25は、本実施の形態における判定制御の一例を示す模式図である。これらの図に関する説明は、実施の形態1において図11乃至図15、および図26乃至図32についてした説明と同じであるので、省略する。なお、上述の「第1所定間隔」を以下では「第1の間隔」と呼び、上述の「第2所定間隔」を以下では「第2の間隔」と呼ぶ。
図16乃至図25は、本実施の形態における判定制御の一例を示す模式図である。これらの図に関する説明は、実施の形態1において図11乃至図15、および図26乃至図32についてした説明と同じであるので、省略する。なお、上述の「第1所定間隔」を以下では「第1の間隔」と呼び、上述の「第2所定間隔」を以下では「第2の間隔」と呼ぶ。
本実施の形態における電流センサ5a,5bの設置状態の判定は、以下に示す各態様のいずれか、あるいはそれらの適宜な組合せ(互いに相手を排除しない組合せ)において実行される。なお、以下では、説明の簡略化のため、当該電力値の偏差と第1及び第2所定値Pt1,Pt2とを対比することに特に言及しないが、電流センサ5a,5bの設置方向の正逆の判定が行われている場合には、これらと同時に電流センサ5a,5bが異常状態にあるか否かの判定が必ず行われている。すなわち、各判定制御は、電流センサ5a,5bの設置方向の正逆の判定と、電流センサ5a,5bが異常状態にあるか否かの判定とを含む。
<態様1>
態様1では、制御手段8は、電流センサ5a,5bの設置状態の判定制御を第1の間隔で複数回行う第1のステップと、この判定制御を第2の間隔で複数回行う第2のステップと、を実行し、各ステップ毎に各ステップにおける複数回の判定制御に基づいて各ステップとしての電流センサ5a,5bの設置状態の判定結果を決定し、かつ、第2の間隔の少なくとも1つを、第1の間隔の整数倍以外の間隔とするように第2のステップを実行する。つまり、第1および第2のステップにおける複数の間隔はそれぞれ予め定められているが、その間隔が互いに整数倍以外で異なる。第1のステップと第2のステップとは、どちらが先に行われてもよい。第1のステップと第2のステップと判定制御の数が異なっていてもよく、第1のステップと第2のステップとの実行回数および順序は任意である。
態様1では、制御手段8は、電流センサ5a,5bの設置状態の判定制御を第1の間隔で複数回行う第1のステップと、この判定制御を第2の間隔で複数回行う第2のステップと、を実行し、各ステップ毎に各ステップにおける複数回の判定制御に基づいて各ステップとしての電流センサ5a,5bの設置状態の判定結果を決定し、かつ、第2の間隔の少なくとも1つを、第1の間隔の整数倍以外の間隔とするように第2のステップを実行する。つまり、第1および第2のステップにおける複数の間隔はそれぞれ予め定められているが、その間隔が互いに整数倍以外で異なる。第1のステップと第2のステップとは、どちらが先に行われてもよい。第1のステップと第2のステップと判定制御の数が異なっていてもよく、第1のステップと第2のステップとの実行回数および順序は任意である。
具体的には、例えば、図16に示すように、第1のステップにおける第1の間隔が一定のT31であり、第2のステップにおける第2の間隔のうちの1つの間隔が整数倍以外で第1の間隔T31と異なるT32であり、かつ第2の間隔のうちの他の間隔が第1の間隔と同じT31であってもよい。例えば、図17に示すように、第1のステップにおける第1の間隔が一定のT31であり、第2のステップにおける第2の間隔のうちの2つの間隔が整数倍以外で第1の間隔T31と異なるT32およびT33であり、かつ第2の間隔のうちの他の間隔が第1の間隔と同じT31であってもよい。
本態様により、判定制御を行う間隔が整数倍である場合に生じる誤判定を回避することができる。さらに、電流センサ5a,5bの設置状態を判定するステップを2回実行することにより、当該判定をより確実に行なうことができる。
<態様2>
態様2では、態様1において、制御手段8は、第2の間隔を全て等しくするように第2のステップを実行する。具体的には、例えば、図18に示すように、第1のステップにおける第1の間隔が全て一定のT41であり、第2のステップにおける第2の間隔が全て一定のT42であってもよい。
態様2では、態様1において、制御手段8は、第2の間隔を全て等しくするように第2のステップを実行する。具体的には、例えば、図18に示すように、第1のステップにおける第1の間隔が全て一定のT41であり、第2のステップにおける第2の間隔が全て一定のT42であってもよい。
本態様により、判定制御を簡素化することができる。
<態様3>
態様3では、態様1または2において、制御手段8は、最後の複数回のステップで決定される各ステップとしての判定結果が同じになるまで、第1および第2のステップを実行する。
態様3では、態様1または2において、制御手段8は、最後の複数回のステップで決定される各ステップとしての判定結果が同じになるまで、第1および第2のステップを実行する。
具体例を、態様1に対応する図19、図20A、および図20Bの判定制御例と、態様2に対応する図21および図22の判定制御例とにより説明する。
まず、図19に示す判定制御例のように、第1および第2のステップの双方において、内部負荷ヒータ7への電力供給と需要家内負荷2への電力供給とが同期しない場合を想定する。この場合、1回目の第1のステップでは4回連続して「電流センサ5a,5bの設置方向の正逆と電力値の偏差の正負とが一致する判定」(「一致判定」)になるので、第1のステップとしての判定結果は、「一致判定」になる。また、第2のステップおよび2回目の第1のステップでも4回連続して「一致判定」になるので、第2のステップおよび2回目の第1のステップとしての判定結果は、それぞれ、「一致判定」になる。ここで、例えば、上記「最後の複数回」を「最後の2回」と規定した場合には、制御手段8は、この時点で判定制御を終了する。但し、さらに、3番目のステップを実行するよう構成しても構わない。但し、3番目のステップを実行する場合は、最後の2回である第2のステップおよび2回目の第1のステップにおけるそれぞれのステップとしての判定結果(ここでは「一致判定」)が同じであることが必要である。また、例えば、上記「最後の複数回」を「最後の3回」と規定した場合には、制御手段8は、2回目の第1のステップが終了した時点で判定制御を終了する。同様に「最後の複数回」の回数を4以上にすることもできる。「最後の複数回」の回数を増やす程、判定の精度が向上するが、最終的な判定結果を得るまでの時間が増大する。
次に、図20Aおよび図20Bに示す判定制御例のように、第1のステップにおいて、内部負荷ヒータ7への電力供給と需要家内負荷2への電力供給とが同期する場合を想定する。なお、「最後の複数回」は「最後の2回」に規定されていると仮定する。図20Aの判定制御例では、1回目の第1のステップでは4回連続して「電流センサ5a,5bの設置方向の正逆と電力値の偏差の正負とが逆の判定」(「逆判定」)になるので、第1のステップとしての判定結果は、「逆判定」になる。一方、第2のステップでは一部の判定制御の間隔T52,T53が第1のステップにおける判定制御の間隔T51とは異なるので、4回連続して「一致判定」になる。したがって、第2のステップとしての判定結果は、「一致判定」になる。そうすると、「最後の2回」のステップで決定される各ステップとしての判定結果が互いに異なるので、制御手段8は、2回目の第1のステップを実行する。この場合、内部負荷ヒータ7への電力供給と需要家内負荷2への電力供給との同期が一度外れるとその状態が継続する可能性が高いので、2回目の第1のステップでは4回連続して「一致判定」になる。その結果、「最後の2回」のステップで決定される各ステップとしての判定結果が互いに同じになるので、制御手段8は判定制御を終了する。この場合、最終的な判定は「一致判定」である。
また、図20Bは、第1のステップにおいて、電流センサ5a,5bが異常状態にあると判定する場合を例示している。図20Bの判定制御例では、1回目の第1のステップでは4回連続して、電力値の偏差が、第1所定値以下でかつ第2所定値以上であって「電流センサ5a,5bが異常状態にある判定」になる。従って、第1のステップとしての判定結果は、「電流センサ5a,5bが異常状態にある判定」になる。一方、第2のステップでは一部の判定制御の間隔T52,T53が第1のステップにおける判定制御の間隔T51とは異なるので、4回連続して「一致判定」になる。したがって、第2のステップとしての判定結果は、「一致判定」になる。そうすると、「最後の2回」のステップで決定される各ステップとしての判定結果が互いに異なるので、制御手段8は、2回目の第1のステップを実行する。この場合、内部負荷ヒータ7への電力供給と需要家内負荷2への電力供給との同期が一度外れるとその状態が継続する可能性が高いので、2回目の第1のステップでは4回連続して「一致判定」になる。その結果、「最後の2回」のステップで決定される各ステップとしての判定結果が互いに同じになるので、制御手段8は判定制御を終了する。この場合、最終的な判定は「一致判定」である。
図21および図22に示す判定制御例では、第1および第2のステップが態様2に対応している以外は、図19、図20A、および図20Bに示す判定制御例と同じであるので、その説明を省略する。
本態様により、電流センサの設置状態をより確実に判定することができる。
<態様4>
態様4では、態様1または2において、制御手段8は、各ステップで決定される各ステップとしての判定結果が一定回数以上同じになるまで、第1および第2のステップを実行する。
態様4では、態様1または2において、制御手段8は、各ステップで決定される各ステップとしての判定結果が一定回数以上同じになるまで、第1および第2のステップを実行する。
この具体例を図23に示す判定制御例により説明する。図23に示す判定制御例では、第1および第2のステップが態様1に対応している。なお、第1および第2のステップが態様2に対応している場合もこれと同様であるので、その説明を省略する。また、この判定制御例では、上記「一定回数以上」は「2回以上」に規定されていると仮定する。
図23において、第1のステップでは4回連続して「一致判定」になるので、第1のステップとしての判定結果は「一致判定」に決定される。次に、第2のステップでは、1回目(N61−3回)の判定制御が「逆判定」になるが、残りの3回の判定制御が連続して「一致判定」になるので、第2のステップとしての判定結果は「一致判定」に決定される。しかし、各ステップとしての判定結果は2回以上同じではないので、制御手段8は、2回目の第1のステップを実行する。2回目の第1のステップでは4回連続して「一致判定」になるので、2回目の第1のステップとしての判定結果は「一致判定」に決定される。そうすると、各ステップとしての判定結果が2回以上同じになるので、制御手段8は判定制御を終了する。この場合、最終的な判定は「一致判定」である。
なお、第1のステップと第2のステップとで、判定制御の回数が異なっていてもよい。また、「一定回数以上同じになる」態様は、「一定回数以上連続して同じになる」態様であっても、「一定回数以上断続して同じになる」態様であってもよい。
本態様により、電流センサの設置状態をより確実に判定することができる。
<態様5>
態様5では、態様1または2において、制御手段8は、各ステップで決定される各ステップとしての判定結果が一定割合以上同じになるまで、第1および第2のステップを実行する。
態様5では、態様1または2において、制御手段8は、各ステップで決定される各ステップとしての判定結果が一定割合以上同じになるまで、第1および第2のステップを実行する。
この具体例を図24に示す判定制御例により説明する。図24に示す判定制御例では、第1および第2のステップが態様2に対応している。なお、第1および第2のステップが態様1に対応している場合もこれと同様であるので、その説明を省略する。また、この判定制御例では、上記「一定割合以上」は「1」に規定されていると仮定する。
図24において、第1のステップでは4回連続して「一致判定」になるので、第1のステップとしての判定結果は「一致判定」に決定される。次に、第2のステップでは、1回目(N71−3回)の判定制御が「逆判定」になるが、残りの3回の判定制御が連続して「一致判定」になるので、第2のステップとしての判定結果は「一致判定」に決定される。しかし、各ステップとしての判定結果は、「1/2=0.5」の割合で同じであり、「1」の割合で同じではないので、制御手段8は、2回目の第1のステップを実行する。2回目の第1のステップでは4回連続して「一致判定」になるので、2回目の第1のステップとしての判定結果は「一致判定」に決定される。そうすると、各ステップとしての判定結果が「2/2=1」の割合で同じになるので、制御手段8は判定制御を終了する。この場合、最終的な判定は「一致判定」である。
なお、第1のステップと第2のステップとで、判定制御の回数が異なっていてもよい。
本態様により、電流センサの設置状態をより確実に判定することができる。
<態様6>
態様6では、態様1乃至5のいずれかにおいて、制御手段8は、第1のステップと第2のステップとを交互に実行する。
態様6では、態様1乃至5のいずれかにおいて、制御手段8は、第1のステップと第2のステップとを交互に実行する。
本態様により、電流センサの設置状態をより確実に判定することができる。
<態様7>
態様7では、態様1乃至6のいずれかにおいて、制御手段8は、判定制御を行う間隔を整数倍以外の間隔に連続して変更しながら、判定制御を複数回行う。
態様7では、態様1乃至6のいずれかにおいて、制御手段8は、判定制御を行う間隔を整数倍以外の間隔に連続して変更しながら、判定制御を複数回行う。
具体的には、例えば、図25に示すように、各ステップにおいて、判定制御を行う間隔T111,T112,T113が、整数倍以外の間隔に連続して変更される。間隔の数は2以上の任意の数であり、ステップの数は2以上の任意の数である。
本態様により、電流センサの設置状態をより確実に判定することができる。
<態様8>
態様8では、態様1乃至7のいずれかにおいて、制御手段8は、判定制御を第1の間隔で複数回行う第1のステップを実行し、当該第1のステップにおける複数回の判定制御に基づいて電流センサ5a,5bの設置方向が正しいか否かを決定し、電流センサ5a,5bの設置方向が決定した場合には判定制御を終了し、電流センサ5a,5bが異常状態にあると決定した場合には、少なくとも1つが第1の間隔の整数倍以外の間隔である第2の間隔で判定制御を複数回行う第2のステップを実行し、当該第2のステップにおける複数回の判定制御に基づいて電流センサ5a,5bの設置方向が正しいかあるいは逆になっているかを決定する。
態様8では、態様1乃至7のいずれかにおいて、制御手段8は、判定制御を第1の間隔で複数回行う第1のステップを実行し、当該第1のステップにおける複数回の判定制御に基づいて電流センサ5a,5bの設置方向が正しいか否かを決定し、電流センサ5a,5bの設置方向が決定した場合には判定制御を終了し、電流センサ5a,5bが異常状態にあると決定した場合には、少なくとも1つが第1の間隔の整数倍以外の間隔である第2の間隔で判定制御を複数回行う第2のステップを実行し、当該第2のステップにおける複数回の判定制御に基づいて電流センサ5a,5bの設置方向が正しいかあるいは逆になっているかを決定する。
本態様により、電流センサの設置状態をより確実に判定することができる。
以上のように、本実施の形態において、制御手段8は、内部負荷ヒータ7が動作する直前と直後の電流センサ5a,5bが検出する電流値と電圧センサ6が検出する電圧値に基づいて算出する電力値の偏差が第2所定値未満である場合、それ以降、算出する電力値の正負符号を反転させることで、分散型電源装置4の非発電・発電状態に関わらず、電流センサ5a,5bの設置状態を判定し、電力値の補正が可能となり、システムの信頼性を向上させることができる。
(実施の形態3)
図5は、実施の形態3における分散型電源システムのブロック図を示す。
図5は、実施の形態3における分散型電源システムのブロック図を示す。
図5に示すように、U相、O相、W相から成る単相三線式の交流電源である商用電力系統1には、商用電力系統1から供給される交流電力を消費する需要家内負荷2が連系接続されている。
商用電力系統1と連系する分散型電源システム3は、発電電力を交流電力として出力する分散型電源装置4を有している。さらに、需要家内負荷2が、分散型電源装置4と商用電力系統1とをつなぐ電力線に連結している。需要家内負荷2よりも上流にある分散型電源装置4と商用電力系統1との受電点に分電盤が設置される。電流の大きさおよび正負の方向を検出する電流センサ5a,5b(本実施の形態では、U相に電流センサ5a、W相に電流センサ5bを設置)が、分電盤内のU相およびW相に設置されている。また、分散型電源システム3は、商用電力系統1の電圧を検出する電圧検出手段である電圧センサ6と、分散型電源装置4が発電した余剰電力を消費して水を加熱する内部負荷ヒータ7と、内部負荷ヒータ7を入り切りするスイッチ7aと、分散型電源システム3全体を制御する制御手段8と、電力値を積算する電力積算メータ9と、電力表示およびシステムの異常状態を表示する表示手段および報知手段であるLCD10を備える。
ここで、制御手段8は、電流センサ5a,5bで検出された電流値と電圧センサ6で検出された電圧値を積分することなどによりU相、W相ごとに電力値を演算する電力演算部11(本実施の形態では、分散型電源システム3から商用電力系統1へ逆潮流するときをマイナスとする)と、電流センサ5a,5bの設置方向を判定する電流センサ設置状態判定部12と、電流センサ設置状態判定部12の判定結果を記憶する不揮発性メモリ13と、不揮発性メモリ13に記憶された電流センサ5a,5bの設置方向の情報に基づき電力演算部11で演算された電力値の正負符号を補正する符号反転部14と、スイッチ7aを介して内部負荷ヒータ7への通電を制御する内部負荷ヒータ制御部15で構成される。
図6は本発明の実施の形態3の分散型電源システムにおける電流センサ設置状態判定の流れを示すフローチャートであり、図3は本発明の実施の形態1の分散型電源システムにおける電力演算および補正の流れを示すフローチャートである。
以上のように構成された分散型電源システムについて、以下その動作、作用について図5、図3、図6を用いて説明する。
まず、制御手段8は、実施の形態1または実施の形態2と同様に、分散型電源装置4が発電開始の直前に電流センサ5a,5bの設置状態の判定を行う。
制御手段8は、分散型電源装置4が非発電状態において、電力が商用電力系統1から分散型電源装置4方向へ供給されるようにするために、内部負荷ヒータ制御部15にてスイッチ7aを介して所定間隔で所定複数回(たとえば、所定間隔は1〜3秒で好ましくは1秒、所定複数回は3〜5回で好ましくは4回)内部負荷ヒータ7を入り切りする。但し、所定複数回は3回以上である。2回では内部負荷ヒータ7への電力供給が需要家内負荷への電力供給の周期と同期することによる誤判定を排除できないからである。したがって、この所定間隔は複数の間隔を有する。そして、この所定間隔における複数の間隔のうち、1つの間隔は他の間隔の整数倍以外の間隔である。これにより、所定間隔における複数の間隔のうち、少なくとも1つの間隔を需要家内負荷への電力供給の周期と同期しないようにすることができる。
内部負荷ヒータ7のON時に、電流センサ5a,5bにて電流値を取得し、電圧センサ6にて電圧値を取得して、電力演算部11にてU相、W相ごとに取得した電流値と電圧値に基づいて積分することなどにより電力演算を行う。
電力値取得後は、電流センサ設置状態判定部12にて、電流センサ5a,5bの設置状態の判定を行い、不揮発性メモリ13へのU相、W相ごとに判定結果の記憶を行う。
通常、非発電中であるならば、内部負荷ヒータ7をONすることで電力は商用電力系統1から分散型電源装置4方向へ供給されるため、電流センサ5a,5bが正常の方向に設置されていれば、電力演算部11で演算される電力値は正で、理想的には内部負荷ヒータ7の消費電力値に相当する電力値となるはずである。
したがって、電流センサ設置状態判定部12による設置方向の判定は、電力演算部11で演算された電力値に基づいて以下のように行う。すなわち、この判定基準として、正の電力値である第3所定値と負の電力値である第4所定値とを閾値として設定する。そして、当該電力値が、第3所定値を超える時が、所定複数回のうち複数回連続した時に、設置方向は正常な方向と判定し、第4所定値未満の時が、所定複数回のうち複数回連続した時に、設置方向は逆方向と判定し、これらの条件を満たさない場合には、判定制御を続行する。この際、さらに、第3所定値以下でかつ第4所定値以上である場合に電流センサが異常状態にあると判定する。これは、電流センサの故障等であると誤って判定するのを防止するために、内部負荷ヒータ7の動作に応じた応答があるか否かを確認するためである。従って、第3所定値及び第4所定値の絶対値は、内部負荷ヒータ7の消費電力に対し、誤差に相当するマージンを考慮して適宜設定される(例えば内部負荷ヒータ7の消費電力の40〜60パーセント程度の電力値に設定される)。なお、第3所定値及び第4所定値の絶対値は互いに同じでも異なっていてもよい。また、当該電力値の絶対値を上記判定基準の閾値として設定することは、互いに絶対値が同じである上記第3及び第4所定値を設定することと同義であることはいうまでもない。
そして、この判定情報を不揮発性メモリ13に設置方向情報として記憶する。
なお、電流センサ設置状態判定部12は、これらの条件を満たさない限り上記判定を繰り返し、所定時間内に、これらの条件が満たされない場合には、電流センサ設置状態判定部12は、LCD10に異常を報知する表示を行なう。この判定制御(方法)の具体例は、実施の形態8で詳しく説明する。
この電流センサ5a,5bの設置状態の判定の態様は、電流センサ設置状態の判定基準として電力演算部11で演算された電力値の偏差に替えて電力演算部11で演算された電力値を用いる点を除いて、実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
以降、不揮発性メモリ13に記憶された電流センサ5a,5bの設置方向情報をもとに電力演算および補正を常時行い、電力演算および補正結果をもとに、電力積算メータ9は電力の積算、LCD10は電力の表示を行う。
ここで、電力演算の方法は、電流センサ5a,5bにて電流値を取得し、電圧センサ6にて電圧値を取得して、電力演算部11にてU相、W相ごとに取得した電流値と電圧値に基づいて積分することなどから算出することで電力演算を行うものである。
また、電力補正の方法は、U相、W相ごとに符号反転部14にて不揮発性メモリ13に記憶されている電流センサ設置情報が逆方向の時、電力演算部11で演算された電力値に(−1)を掛けることで電力値の正負符号を反転させる。
以上のように、本実施の形態において、制御手段8は、分散型電源装置4が非発電状態において内部負荷ヒータ7が動作することで電流が流れたときに、電流センサ5a,5bが検出する電流値と電圧センサ6が検出する電圧値とに基づいて算出された電力値が第4所定値未満の場合、それ以降、算出する電力値の正負符号を反転させるため、需要家内負荷2の状況に関わらず、電流センサ5a,5bの設置状態を判定し、電力値の補正が可能となり、システムの信頼性を向上させることができる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4における分散型電源システムのブロック図は、図5に示した実施の形態3の分散型電源システムのブロック図と同様である。
本発明の実施の形態4における分散型電源システムのブロック図は、図5に示した実施の形態3の分散型電源システムのブロック図と同様である。
図5に示すように、U相、O相、W相から成る単相三線式の交流電源である商用電力系統1には、商用電力系統1から供給される交流電力を消費する需要家内負荷2が連系接続されている。
商用電力系統1と連系する分散型電源システム3は、発電電力を交流電力として出力する分散型電源装置4と、需要家内負荷2、前記需要家内負荷2よりも上流にある分散型電源装置4と商用電力系統1の受電点に設置される分電盤内のU相およびW相に設置された電流の大きさおよび正負の方向を検出する電流センサ5a,5b(本実施の形態では、U相に電流センサ5a、W相に電流センサ5bを設置)と、商用電力系統1の電圧を検出する電圧検出手段である電圧センサ6と、内部負荷ヒータ7と、前記内部負荷ヒータ7を入り切りするスイッチ7aと、分散型電源システム3を制御する制御手段8と、電力値を積算する電力積算メータ9と、電力表示およびシステムの異常状態を表示する表示手段および報知手段であるLCD10を備える。
ここで、制御手段8は、電流センサ5a,5bで検出された電流値と電圧センサ6で検出された電圧値の積よりU相、W相ごとに電力を演算する電力演算部11(本実施の形態では、分散型電源システム3から商用電力系統1へ逆潮流するときをマイナスとする)と、電流センサ5a,5bの設置状態を判定する電流センサ設置状態判定部12と、電流センサ設置状態判定部12の判定結果を記憶する不揮発性メモリ13と、不揮発性メモリ13に記憶された電流センサ5a,5bの設置方向の情報に基づき電力演算部11で演算された電力値の正負符号を補正する符号反転部14と、スイッチ7aを介して内部負荷ヒータ7への通電を制御する内部負荷ヒータ制御部15で構成される。
図7は本発明の実施の形態4の分散型電源システムにおける電流センサ設置状態判定の流れを示すフローチャートであり、図3は本発明の実施の形態4の分散型電源システムにおける電力演算および補正の流れを示すフローチャートである。
以上のように構成された分散型電源システムについて、以下その動作、作用について図5、図3、図7を用いて説明する。
まず、制御手段8は、分散型電源装置4が発電開始の直前に電流センサ5a,5bの設置状態の判定を行う。
制御手段8は、分散型電源装置4が非発電状態において、電力が商用電力系統1から分散型電源装置4方向へ供給されるようにするために、内部負荷ヒータ制御部15にてスイッチ7aを介して第1のステップで前記内部負荷を第1所定定間隔で第1所定複数回動作させ、次に、第2のステップで前記内部負荷を第2所定間隔で第2所定複数回内部負荷ヒータ7を入り切りする。
内部負荷ヒータ7のON時に、電流センサ5a,5bにて電流値を取得し、電圧センサ6にて電圧値を取得して、電力演算部11にてU相、W相ごとに取得した電流値と電圧値に基づいて積分することなどにより電力演算を行う。
電力値取得後は、電流センサ設置状態判定部12にて、電流センサ5a,5bの設置状態の判定を行い、不揮発性メモリ13へのU相、W相ごとに判定結果の記憶を行う。
通常、非発電中であるならば、内部負荷ヒータ7をONすることで電力は商用電力系統1から分散型電源装置4方向へ供給されるため、電流センサ5a,5bが正常の方向に設置されていれば、電力演算部11で演算される電力値は正で、理想的には内部負荷ヒータ7の消費電力値に相当する電力値となるはずである。
したがって、電流センサ設置状態判定部12による設置方向の判定は、電力演算部11で演算された電力値と実施の形態3で説明した第3及び第4所定値とに基づいて以下のように行う。当該電力値が、第3所定値を越える時が、第1のステップで第1所定複数回のうち複数回連続するか判定し、かつ第2のステップで第2所定複数回のうち複数回連続するか判定し、第1のステップと第2のステップともに複数回連続すると判定した時に、設置方向は正方向と判定する。また、第4所定値未満の時が、第1のステップで第1所定複数回のうち複数回連続するか判定し、かつ第2のステップで第2所定複数回のうち複数回連続するか判定し、第1のステップと第2のステップともに複数回連続すると判定した時に、設置方向は負方向と判定する。さらに、第3所定値以下でかつ第4所定値以上である時が、第1のステップで第1所定複数回のうち複数回連続するか判定し、かつ第2のステップで第2所定複数回のうち複数回連続するか判定し、第1のステップと第2のステップともに複数回連続すると判定した時に、電流センサが異常状態にあると判定し、その情報を不揮発性メモリ13へ設置方向情報として記憶する。
なお、電流センサ設置状態判定部12は、これらの条件を満たさない限り、第1のステップと第2のステップとを繰り返す。また、所定時間内に、これらの条件が満たされない場合には、電流センサ設置状態判定部12は、LCD10に異常を報知する表示を行なう。この判定制御(判定方法)の具体例は、実施の形態8で詳しく説明する。この電流センサ5a,5bの設置状態の判定の態様は、電流センサ設置方向の判定基準として電力演算部11で演算された電力値の偏差に替えて電力演算部11で演算された電力値を用いて点を除いて、実施の形態2と同様であるので、その説明を省略する。
以降、不揮発性メモリ13に記憶された電流センサ5a,5bの設置方向情報をもとに電力演算および補正を常時行い、電力演算および補正結果をもとに、電力積算メータ9は電力の積算、LCD10は電力の表示を行う。
ここで、電力演算の方法は、電流センサ5a,5bにて電流値を取得し、電圧センサ6にて電圧値を取得して、電力演算部11にてU相、W相ごとに取得した電流値と電圧値に基づいて積分することなどにより電力演算を行うものである。
また、電力補正の方法は、U相、W相ごとに符号反転部14にて不揮発性メモリ13に記憶されている電流センサ設置情報が逆方向の時、電力演算部11で演算された電力値に(−1)を掛けることで電力値の正負符号を反転させる。
以上のように、本実施の形態において、制御手段8は、分散型電源装置4が非発電状態において内部負荷ヒータ7が動作することで電流が流れたときに、電流センサ5a,5bが検出する電流値と電圧センサ6が検出する電圧値から算出された電力値が第4所定値未満の場合、それ以降、算出する電力値の正負符号を反転させるため、需要家内負荷2の状況に関わらず、電流センサ5a,5bの設置状態を判定し、電力値の補正が可能となり、システムの信頼性を向上させることができる。
(実施の形態5)
図8は、本発明の実施の形態5における分散型電源システムのブロック図を示す。尚、分散型電源システム3は、図5の構成に加えて、設定手段であるスイッチ18を備え、制御手段8は、図5の構成に加えて、電流センサ5a,5bの設置不具合や断線、故障を判定する電流センサ異常判定部17と、時間を計測する時間計測部19を備える。
図8は、本発明の実施の形態5における分散型電源システムのブロック図を示す。尚、分散型電源システム3は、図5の構成に加えて、設定手段であるスイッチ18を備え、制御手段8は、図5の構成に加えて、電流センサ5a,5bの設置不具合や断線、故障を判定する電流センサ異常判定部17と、時間を計測する時間計測部19を備える。
また、図9は実施の形態5の分散型電源システムにおける電流センサ故障異常判定の流れを示すフローチャートである。
以上のように構成された分散型電源システム3について、以下その動作、作用について図8、図9、図3を用いて説明する。
制御手段8は、分散型電源装置4が発電開始の直前、もしくは、人為的な電流センサ5a,5bの設置方向の変更に対応するためにスイッチ18の操作や、電源投入後の電流センサ5a,5bの故障に対応するために時間計測部19により計測される時間をもとに定期的に(たとえば24時間毎に)電流センサ5a,5bの異常判定を行う。
以下、電流センサ5a,5bの異常判定方法について説明する。
制御手段8は、時間計測部19により時間計測を行なうと共に、スイッチ18の操作信号を取得する。この情報をもとに、時間計測部19による計測時間が定期的に(たとえば24時間毎に)、もしくは、スイッチ18より電流センサ5a,5bの異常判定実施指令に相当する信号を受信したら(本実施の形態では、スイッチ18は通常LOW信号を出力し、異常判定を行なうために押されたらHI信号を出力する)、時間計測部19の時間計測をクリアする共に、現在の電力値を取得し(電力演算は、図3に示す)、揮発性メモリ16にその電力値を記憶する。そして、内部負荷ヒータ制御部15にてスイッチ7aを介して内部負荷ヒータ7をONする。
内部負荷ヒータ7をONした後は、電流センサ異常判定部17にて、再び、現在の電力値(電力演算は、図3に示す)を取得し、取得した電力値と揮発性メモリ16に記憶する電力値をもとに電流センサ5a,5bの異常判定を行う。
ここで、分散型電源装置4が非発電・発電状態、もしくは発電状態であっても非逆潮流・逆潮流に関わらず、電流センサ5a,5bの設置不具合、断線、故障があれば、内部負荷ヒータ7のON直前と直後の2つの電力値の差(本実施の形態では、電力値の差=内部負荷ヒータ7のON直後の電力値−内部負荷ヒータ7のON直前の電力値とする)は理想的には0となる。
したがって、電流センサ異常判定部17による異常判定は、電流センサ5a,5bと電圧センサ6の測定誤差を考慮し、2つの電力の差が所定値(本実施の形態では−100W〜100W)以内の時は電流センサ5a,5bの異常と判定する。
電流センサ5a,5bの異常判定終了後は、内部負荷ヒータ制御部15にてスイッチ7aを介して内部負荷ヒータ7をOFFするとともに、電流センサ5a,5bに異常がある場合は、LCD10へ異常情報を通知すると共に、LCD10にて電流センサの異常表示を行う。
以上のように、本実施の形態において、制御手段8は、内部負荷ヒータ7が動作する直前と直後の電流センサ5a,5bが検出する電流値と電圧検出手段が検出する電圧値に基づいて算出する電力値の偏差が所定値以内の場合、前記電流センサが異常状態にあると判定し、LCD10は、制御手段8が、電流センサ5a,5bが異常状態にあると判定した場合、異常報知することで、設置工事・メンテ作業時は電流センサ5a,5bの設置不具合を、システム設置後は電流センサ5a,5bの断線・故障などを知ることが可能となり、設置工事・メンテ作業、およびシステムの信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態5において、制御手段8は、スイッチ18からの操作指令をもとに内部負荷ヒータ7を動作させるため、設置工事・メンテ作業時において、いつでも電流センサ5a,5bの設置状態の判定および電力値の補正、電流センサ5a,5bの断線・脱落等設置不具合による異常を検出することが可能となり、設置工事・メンテ作業をスムーズに行うことができる。
また、本実施の形態5おいて、制御手段8は、時間計測を計測し、定期的に内部負荷ヒヒータ7を動作させるため、定期的に電流センサ5a,5bの設置方向の判定および電力値の補正、電流センサ5a,5bの故障、断線・脱落等などの異常を検出することが可能となり、システムの信頼性を向上させることができる。
(実施の形態6)
上記実施の形態1乃至4では、制御手段8は、1つのステップにおいて、判定制御の判定結果が「複数連続して」同じになった場合に、同じになった判定結果を当該ステップとしての判定結果として決定する。これに対し、本発明の実施の形態6では、1つのステップにおいて、判定制御の判定結果が「一定回数以上」同じになった場合に、同じになった判定結果を当該ステップとしての判定結果として決定する。ここで、「一定回数以上」同じである判定が連続している場合は、実施の形態1乃至4と同じであるが、「一定回数以上」同じである判定が断続している場合も含む点で、本実施の形態は実施の形態1乃至4と異なる。
上記実施の形態1乃至4では、制御手段8は、1つのステップにおいて、判定制御の判定結果が「複数連続して」同じになった場合に、同じになった判定結果を当該ステップとしての判定結果として決定する。これに対し、本発明の実施の形態6では、1つのステップにおいて、判定制御の判定結果が「一定回数以上」同じになった場合に、同じになった判定結果を当該ステップとしての判定結果として決定する。ここで、「一定回数以上」同じである判定が連続している場合は、実施の形態1乃至4と同じであるが、「一定回数以上」同じである判定が断続している場合も含む点で、本実施の形態は実施の形態1乃至4と異なる。
本実施の形態によっても、電流センサの設置状態を確実に判定することができる。
(実施の形態7)
上記実施の形態2乃至4では、制御手段8は、1つのステップにおいて、判定制御の判定結果が「複数連続して」同じになった場合に、同じになった判定結果を当該ステップとしての判定結果として決定する。これに対し、本発明の実施の形態7では、1つのステップにおいて、判定制御の判定結果が「一定割合以上」同じになった場合に、同じになった判定結果を当該ステップとしての判定結果として決定する。ここで、「一定割合以上」同じである判定が連続している場合は、実施の形態1乃至4と同じであるが、「一定回数以上」同じである判定が断続している場合も含む点で、本実施の形態は実施の形態1乃至4と異なる。
上記実施の形態2乃至4では、制御手段8は、1つのステップにおいて、判定制御の判定結果が「複数連続して」同じになった場合に、同じになった判定結果を当該ステップとしての判定結果として決定する。これに対し、本発明の実施の形態7では、1つのステップにおいて、判定制御の判定結果が「一定割合以上」同じになった場合に、同じになった判定結果を当該ステップとしての判定結果として決定する。ここで、「一定割合以上」同じである判定が連続している場合は、実施の形態1乃至4と同じであるが、「一定回数以上」同じである判定が断続している場合も含む点で、本実施の形態は実施の形態1乃至4と異なる。
本実施の形態によっても、電流センサの設置状態を確実に判定することができる。
(実施の形態8)
本発明の実施の形態8では、実施の形態1乃至4、6、7のいずれかにおいて、異常を報知する報知手段をさらに有し、制御手段8は、複数回の判定制御に基づいて電流センサ5a,5bの設置状態の最終的な判定を決定し、当該最終的な判定を所定時間内に決定することができなかった場合、報知手段を制御して異常報知する。所定時間は、例えば分散電源装置4の立ち上げ時間等を考慮して、適宜、設定される。異常報知手段は、例えば、LCD10であっても、スピーカ、警報ランプ、その他の異常報知機器(図示せず)であってもよい。
本発明の実施の形態8では、実施の形態1乃至4、6、7のいずれかにおいて、異常を報知する報知手段をさらに有し、制御手段8は、複数回の判定制御に基づいて電流センサ5a,5bの設置状態の最終的な判定を決定し、当該最終的な判定を所定時間内に決定することができなかった場合、報知手段を制御して異常報知する。所定時間は、例えば分散電源装置4の立ち上げ時間等を考慮して、適宜、設定される。異常報知手段は、例えば、LCD10であっても、スピーカ、警報ランプ、その他の異常報知機器(図示せず)であってもよい。
本実施の形態により、設置工事・メンテ作業時は電流センサの取付け方向ミス・断線・脱落等設置不具合を知らせ、システム設置後は電流センサの断線・脱落等故障を知らせることが可能となり、設置工事・メンテ作業、およびシステムの信頼性を向上させることができる。
(実施の形態9)
本発明の実施の形態9は、実施の形態1乃至4、6乃至8のいずれかにおいて、制御手段8は、電流センサ5a,5bの設置状態が正しいと決定した根拠となる判定制御の間隔を記憶手段(図示せず)に記憶し、次回に判定制御を行う際のデフォルト間隔とする。
本発明の実施の形態9は、実施の形態1乃至4、6乃至8のいずれかにおいて、制御手段8は、電流センサ5a,5bの設置状態が正しいと決定した根拠となる判定制御の間隔を記憶手段(図示せず)に記憶し、次回に判定制御を行う際のデフォルト間隔とする。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造および/または機能の詳細を実質的に変更できる。
以上のように、本発明にかかる分散型電源システムは、内部負荷で交流電力を消費させ、確実に商用電力系統から分散型電源装置へ電力を供給することで、需要家内負荷の状況に関わらず、電流センサの設置状態を判定し、電力値の補正が可能となり、システムの信頼性を向上させることができるため、燃料電池装置、太陽光発電装置、風力発電装置、太陽熱発電装置のような分散型電源装置等の用途にも適用することができる。
1 商用電力系統
2 需要家内負荷
3 分散型電源システム
4 分散型電源装置
5a,5b 電流センサ
6 電圧センサ
7 内部負荷ヒータ
7a スイッチ
8 制御手段
9 電力積算メータ
10 LCD(報知手段)
11 電力演算部
12 電流センサ設置状態判定部
13 不揮発性メモリ
14 符号反転部
15 ヒータ制御部
16 揮発性メモリ
17 電流センサ異常判定部
18 スイッチ(設定手段)
2 需要家内負荷
3 分散型電源システム
4 分散型電源装置
5a,5b 電流センサ
6 電圧センサ
7 内部負荷ヒータ
7a スイッチ
8 制御手段
9 電力積算メータ
10 LCD(報知手段)
11 電力演算部
12 電流センサ設置状態判定部
13 不揮発性メモリ
14 符号反転部
15 ヒータ制御部
16 揮発性メモリ
17 電流センサ異常判定部
18 スイッチ(設定手段)
本発明は、商用電力系統と連系して、商用電力系統、および需要家内負荷へ電力を供給する分散型電源システムに関するものである。
従来、この種の分散型電源システムとしては、特許文献1に開示された自家発電システムがあった。
以下、図面を参照しながら、特許文献1に示されている分散型電源装置について、説明する。
図10は、特許文献1に図1として記載された従来の分散型電源装置のブロック図である。なお、参照符号は出願人が変更して記載している。図10に示すように、従来の分散型電源システムは、電流センサ105a、105bと、電圧センサ106と、ヒータ107と、制御手段108とを備えている。さらに、燃料電池装置104が発電していないときにヒータ107を動作させて電流が流れたときに、電流センサ105a、105bが検出する電流値と電圧センサ106が検出する電圧値とから算出された電力値が所定値以下の場合、制御手段108が、それ以降算出する電力値の正負符号を反転させていた。
これにより、家庭内負荷の状況に関わらず、電流センサの設置方向を判定し、電力値の補正が可能となる。
ここで、電流センサ105a、105bの設置方向の判定は、より確実に設置方向を判定するために複数回行ってもかまわない。
しかしながら、従来の構成では、電流センサの設置方向の判定を複数回行っても、正確に設置方向の判定ができない場合があった。本発明者等がこの原因を鋭意検討した結果、電流センサの設置方向を判定する際のヒータへの電力供給と、需要家内負荷、例えば、家庭内に置かれる洗濯機やエアコンなどのモータへの電力供給と、が同期してしまっていることが原因だと考えられることが分かった。
つまり、電流センサの設置方向を判定するために燃料電池装置が非発電状態のときにヒータに周期的に電力を供給しているので、電流センサおよび電圧センサが繋がっている電線に流れる電力は周期的に変動している。従来の構成におけるある形態(実施の形態2)では、制御手段は、このヒータによる周期的な電力変動の幅を検知して電流センサの設置方向を判定している。しかし、ヒータによる周期的な電力変動と需要家内負荷へ供給する電力の変動とが同期した結果、需要家内負荷への電力供給が停止すると同時にヒータに電力が流れ始めた場合、電流センサおよび電圧センサの検出値から算出される電力値はヒータに電力を供給し始めても、ヒータの消費電力量に比べると小さな変化しかしなかったり、減少するように変動したりすることがあった。制御手段は、この小さな電力値の変動幅や電力値の減少幅を検出して電流センサの設置方向の判定を行うので、実際には電流センサの設置方向が正常でも、電流センサが故障、断線、もしくは電線から外れているという異常状態にあると間違って判定したり、電流センサの設置方向が逆であると間違って判定してしまったりして、電流センサの設置方向を正常に判定できない場合があった。また、従来の構成における他の形態(実施の形態1)においては、燃料電池装置が非発電状態の場合に商用電力系統からヒータに電力を供給して電流センサが検知する電流が正であるか否かを検知することにより、電流センサの設置方向を判定している。しかしながら、電流センサはゼロ点が補正されずにずれている場合がある。そのため、電力値の変化ではなく、電力値が正であるか否かを検知して電流センサの設置方向を判定する場合で、例えば、電流センサのゼロ点がマイナス側に大きくずれている場合は、ヒータに電力を供給しても依然として電流センサが検知する電流値がマイナスになっていることがある。この場合、電流センサが正しい設置方向に取り付けられていても、電流センサがマイナスの電流値を検知して、電流センサの設置方向が逆であると間違って判定しまう場合があった。
このように従来の構成では、電流センサの設置状態の判定を正確に行うことができない場合がある、という課題を有していた。
本発明は、従来の課題を解決するもので、電流センサの設置状態の判定をより確実に行い、システムの信頼性を向上させることができる分散型電源システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の分散型電源システムは、商用電力系統と連系して需要家内負荷に電力を供給する分散型電源装置と、前記商用電力系統より電力が供給される内部負荷と、前記内部負荷および前記需要家内負荷よりも前記商用電力系統側の電流の大きさと前記電流の向きを検出する電流センサと、制御器と、を有し、前記制御器は、前記分散型電源装置が電力を出力していない場合に前記内部負荷を動作させ、前記電流センサの検出値に基づいて前記電流センサの設置状態を判定する判定制御を複数回行い、かつ、前記複数の判定制御を行う間隔の少なくとも1つを他の間隔の整数倍以外の間隔にして前記判定制御を行うものである。
本発明の上記目的、他の目的、特徴、および利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
本発明の分散型電源システムは、電流センサの設置状態をより確実に判定しシステムの信頼性を向上させることができることができる。
第1の発明は、商用電力系統と連系して需要家内負荷に電力を供給する分散型電源装置と、前記商用電力系統より電力が供給される内部負荷と、前記内部負荷および前記需要家内負荷よりも前記商用電力系統側の電流の大きさと前記電流の向きを検出する電流センサと、制御器と、を有し、前記制御器は、前記分散型電源装置が電力を出力していない場合に前記内部負荷を動作させ、前記電流センサの検出値に基づいて前記電流センサの設置状態を判定する判定制御を複数回行い、かつ、前記複数の判定制御を行う間隔の少なくとも1つを他の間隔の整数倍以外の間隔にして前記判定制御を行う、分散型電源システムである。ここで、設置状態とは、電流センサの設置の方向(正か負か)と、取り付けの状態(断線、電流センサの故障、電線から外れている(脱落)など)と、の少なくとも一方を含む概念をいう。
本発明により、需要家内負荷の状態に関わらず、電流センサの設置方向や電流センサが故障、断線、もしくは電線から外れていたりすることにより正常に電流センサが検知できない状態にあるか否かをより確実に判定し、電力値の補正が可能となり、システムの信頼性を向上させることができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記制御器は、前記判定制御を行う間隔を整数倍以外の間隔で複数回変更しながら前記判定制御を行う、分散型電源システムである。
本発明により、判定制御を行う間隔が整数倍である場合に生じる誤判定を回避することができる。
第3の発明は、第1の発明において、前記制御器は、前記判定制御を第1の間隔で複数回行う第1のステップと、前記判定制御を第2の間隔で複数回行う第2のステップと、を実行し、各ステップ毎に各ステップにおける前記複数回の判定制御に基づいて各ステップとしての前記電流センサの設置状態の判定結果を決定し、かつ、前記第2の間隔の少なくとも1つを、前記第1の間隔の整数倍以外の間隔とするように前記第2のステップを実行する、分散型電源システムである。
本発明により、判定制御を行う間隔が整数倍である場合に生じる誤判定を回避することができる。さらに、電流センサの設置状態を判定するステップを2回実行することにより、当該判定をより確実に行なうことができる。
第4の発明は、第3の発明において、前記制御器は、前記第2の間隔を全て等しくするように前記第2のステップを実行する、分散型電源システムである。
本発明により、判定制御を簡素化することができる。
第5の発明は、第3の発明または第4の発明において、前記制御器は、最後の複数回のステップで決定される各ステップとしての判定結果が同じになるまで、前記第1および第2のステップを実行する、分散型電源システムである。
本発明により、電流センサの設置状態をより確実に判定することができる。
第6の発明は、第3の発明または第4の発明において、前記制御器は、各ステップで決定される各ステップとしての判定結果が一定回数以上同じになるまで、前記第1および第2のステップを実行する、分散型電源システムである。
本発明により、電流センサの設置状態をより確実に判定することができる。
第7の発明は、前記制御器は、各ステップで決定される各ステップとしての判定結果が一定割合以上同じになるまで、前記第1および第2のステップを実行する、分散型電源システムである。
本発明により、電流センサの設置状態をより確実に判定することができる。
第8の発明は、第5〜7の発明のいずれか1つの発明において、前記制御器は、前記第1および第2のステップを交互に実行する、分散型電源システムである。
第9の発明は、第3〜8の発明のいずれか1つの発明において、前記第1または第2のステップにおいて、前記判定制御の判定結果が一定回数以上同じになった場合に、同じになった判定結果を当該ステップとしての判定結果として決定する、分散型電源システムである。
本発明により、電流センサの設置状態をより確実に判定することができる。
第10の発明は、第3〜8の発明のいずれか1つの発明において、前記第1または第2のステップにおいて、前記判定制御の判定結果が一定割合以上同じになった場合に、同じになった判定結果を当該ステップとしての判定結果として決定する、分散型電源システムである。
本発明により、電流センサの設置状態をより確実に判定することができる。
第11の発明は、第1の発明において、前記制御器は、前記判定制御を行う間隔を整数倍以外の間隔に連続して変更しながら、前記判定制御を複数回行う、分散型電源システムである。
第12の発明は、第1〜11の発明のいずれか1つの発明において、前記内部負荷および前記需要家内負荷の少なくとも一方に前記前記商用電力系統より供給される電力の電圧を検出する電圧検出器をさらに備え、前記制御器は、前記判定制御において、前記内部負荷の動作の直前の前記電流センサの検出値と前記電圧検出器の検出値とから算出する電力値と前記内部負荷の動作の直後の前記電流センサの検出値と前記電圧検出器の検出値とから算出する電力値との偏差が正の電力値である第1所定値以下でかつ負の電力値である第2所定値以上である場合に前記電流センサが異常状態にあると判定し、前記電力値が前記第2所定値未満である場合に前記電流センサの設置方向が逆になっていると判定し、前記電力値が前記第1所定値を越える場合に前記電流センサの設置方向が正しいと判定する、分散型電源システムである。ここで、電流センサが異常状態とは、電流センサが故障している、電線から外れている、断線しているなど、正常に電流を検知できない状態をいう。
本発明により、内部負荷が動作したことに対する反応の有無(故障の有無等)と電流センサの設置方向の正逆とを同時に判定することができる。また、発電状態であっても非逆潮流の場合には、電流センサの設置方向の判定を行なうことができる。
第13の発明は、第1〜11の発明のいずれか1つの発明において、前記内部負荷および前記需要家内負荷の少なくとも一方に前記商用電力系統より供給される電力の電圧を検出する電圧検出器をさらに備え、前記制御器は、前記判定制御において、前記電流センサの検出値と前記電圧検出器の検出値とから算出する電力値が正の電力値である第3所定値以下でかつ負の電力値である第4所定値以上である場合に前記電流センサの設置方向が異常状態にあると判定し、前記電力値が前記第4所定値未満である場合に前記電流センサの設置方向が逆になっていると判定し、前記電力値が前記第3所定値を超える場合に前記電流センサの設置方向が正しいと判定する、分散型電源システムである。
本発明により、内部負荷が動作したことに対する反応の有無(故障の有無等)と電流センサの設置方向の正逆とを同時に判定することができる。
第14の発明は、第12または13の発明において、前記制御器は、前記複数回の判定制御に基づいて前記電流センサの設置方向が逆になっていると決定した場合に、前記電流センサの検出値と前記電圧センサの検出値とから算出する電力値の符号を反転させて出力する、分散型電源システムである。
本発明により、電流センサを正常な方向に設置し直さなくても、正常に発電運転を行なうことができる。
第15の発明は、第1〜14の発明のいずれか1つの発明において、異常を報知する報知手段をさらに有し、前記制御器は、前記複数回の判定制御に基づいて前記電流センサの設置状態の最終的な判定を決定し、当該最終的な判定を所定時間内に決定することができなかった場合、前記報知手段を制御して異常報知する、分散型電源システムである。
本発明により、設置工事・メンテ作業時は電流センサの取付け方向ミス・断線・脱落(電流センサが電線から外れていること)等設置不具合を知らせ、システム設置後は電流センサの断線・脱落等故障を知らせることが可能となり、設置工事・メンテ作業、およびシステムの信頼性を向上させることができる。
第16の発明は、第12または13の発明において、前記制御器は、前記判定制御を第1の間隔で複数回行う第1のステップを実行し、当該第1のステップにおける前記複数回の判定制御に基づいて前記電流センサの設置方向が正しいか否かを決定し、前記電流センサの設置方向が決定した場合には前記判定制御を終了し、前記電流センサの設置方向が異常状態にあると決定した場合には、少なくとも1つが前記第1の間隔の整数倍以外の間隔である第2の間隔で前記判定制御を複数回行う第2のステップを実行し、当該第2のステップにおける前記複数回の判定制御に基づいて前記電流センサの設置方向が正しいかあるいは逆になっているかを決定する、分散型電源システムである。
本発明により、電流センサの設置状態をより確実に判定することができる。
第17の発明は、第15の発明において、前記制御器は、前記電流センサの設置状態が決定した根拠となる判定制御の間隔を、次回の前記複数の判定制御を行う際のデフォルト間隔とする、分散型電源システムである。
本発明により、電流センサの設置状態をより確実にかつ早く判定することができる。
以下、本発明の分散型電源システムの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における分散型電源システムのブロック図を示す。
図1は、本発明の実施の形態1における分散型電源システムのブロック図を示す。
図1に示すように、U相、O相、W相から成る単相三線式の交流電源である商用電力系統1には、商用電力系統1から供給される交流電力を消費する需要家内負荷2が連系接続されている。
商用電力系統1と連系する分散型電源システム3は、発電電力を交流電力として出力する分散型電源装置4と、需要家内負荷2、前記需要家内負荷2よりも上流にある分散型電源装置4と商用電力系統1の受電点に設置される分電盤内のU相およびW相に設置された電流の大きさおよび正負の方向を検出する電流センサ5a,5b(本実施の形態では、U相に電流センサ5a、W相に電流センサ5bを設置)と、商用電力系統1の電圧を検出する電圧検出手段である電圧センサ6と、内部負荷ヒータ7と、前記内部負荷ヒータ7を入り切りするスイッチ7aと、分散型電源システム3を制御する制御手段(制御器)8と、電力値を積算する電力積算メータ9と、電力表示およびシステムの異常状態を表示する表示手段および報知手段であるLCD10を備える。
ここで、制御手段8は、電流センサ5a,5bで検出された電流値と電圧センサ6で検出された電圧値とに基づいてよりU相、W相ごとに電力値を演算する電力演算部11(本実施の形態では、分散型電源システム3から商用電力系統1へ逆潮流するときをマイナスとする)と、電力演算部11で演算された電力値を記憶する揮発性メモリ16と、電流センサ5a,5bの設置状態を判定する電流センサ設置状態判定部12と、電流センサ設置状態判定部12の判定結果を記憶する不揮発性メモリ13と、不揮発性メモリ13に記憶された電流センサ5a,5bの設置方向の情報に基づき電力演算部11で演算された電力値の正負符号を補正する符号反転部14と、スイッチ7aを介して内部負荷ヒータ7への通電を制御する内部負荷ヒータ制御部15で構成される。
図2は本発明の実施の形態1の分散型電源システムにおける電流センサ設置方向判定の流れを示すフローチャートであり、図3は本発明の実施の形態1の分散型電源システムにおける電力演算および補正の流れを示すフローチャートである。
以上のように構成された分散型電源システムについて、以下その動作、作用について図1、図2、図3を用いて説明する。
制御手段8は、電源投入時に電流センサ5a,5bの設置状態の判定を行う。電流センサ5a,5bの設置状態の判定終了後は、常時、電力演算・補正を行うと共に、人為的な電流センサ5a,5bの設置方向の変更及び電流センサ5a,5bが故障、断線、もしくは電線から外れた場合に対応するために定期的に電流センサ5a,5bの設置状態判定を行う。ここで、電流センサ5a,5bの設置状態とは、電流センサ5a,5bの設置方向、及び、電流センサ5a,5bが故障、断線、若しくは外れていた場合などの状態の少なくとも一方を意味する。
以下、電流センサ5a,5bの設置状態の判定方法(判定制御)について説明する。
制御手段8は、内部負荷ヒータ制御部15にてスイッチ7aを介して所定間隔で所定複数回(たとえば、所定間隔は1〜3秒で好ましくは1秒、所定複数回は3〜5回で好ましくは4回)内部負荷ヒータ7を入り切りする。但し、所定複数回は3回以上である。2回では内部負荷ヒータ7への電力供給が需要家内負荷への電力供給の周期と同期することによる誤判定を排除できないからである。したがって、この所定間隔は複数の間隔を有する。そして、この所定間隔における複数の間隔のうち、1つの間隔は他の間隔の整数倍以外の間隔である。これにより、所定間隔における複数の間隔のうち、少なくとも1つの間隔を需要家内負荷への電力供給の周期と同期しないようにすることができる。また、内部負荷ヒータ7の入り切り(動作)の「周期」と「間隔」とは、本来、内部負荷ヒータ7の動作期間(幅)だけ異なるが、内部負荷ヒータ7の動作期間(幅)は、その動作間隔に比べて極短い(例えば、5分の1〜20分の1)ので、両者を同じ意味に用いる。
そのとき、制御手段8は、内部負荷ヒータ7をONする直前の現在の電力値を取得し(電力演算は、図3に示す)、揮発性メモリ16に記憶する。
内部負荷ヒータ7をONした後は、電流センサ設置状態判定部12にて、再び、現在の電力値(電力演算は、図3に示す)を取得し、取得した電力値と揮発性メモリ16に記憶する電力値をもとに電流センサ5a,5bの設置状態の判定、および不揮発性メモリ13への判定結果の記憶を行う。この電流センサ5a,5bの設置状態の判定の態様は種々想定されるので、後で詳しく説明する。
ここで、分散型電源装置4が非発電状態、もしくは発電状態であっても非逆潮流の場合、電流センサ5a,5bが正方向に設置されていれば、内部負荷ヒータ7をONすることで電力は商用電力系統1から分散型電源装置4方向へ供給されるため、内部負荷ヒータ7のON(動作)直前、直後の2つの電力値の差(本実施の形態では、(電力値の差)=(内部負荷ヒータ7のON直後の電力値)−(内部負荷ヒータ7のON直前の電力値とする))は正で、理想的には内部負荷ヒータ7の消費電力値に相当する電力値となる。また、分散型電源装置4が発電状態であっても需要家内負荷2に電力を供給している場合や逆潮流の場合、電流センサ5a,5bが正常方向に設置されていれば、内部負荷ヒータ7をONすることで需要家内負荷2に供給する電力や逆潮流が減少するため、同様に内部負荷ヒータ7のON直前、直後の2つの電力値の差は正で、理想的には内部負荷ヒータ7の消費電力値に相当する電力値となる。
したがって、電流センサ設置状態判定部12による設置状態の判定は、2つの電力の差に基づいて以下のように行う。すなわち、この判定基準として、正の電力値である第1所定値と負の電力値である第2所定値とを閾値として設定する。そして、2つの電力の差が、第1所定値を超える時が、所定複数回のうち複数回連続した時に、設置方向は正常な方向と判定し、第2所定値未満の時が、所定複数回のうち複数回連続した時に、設置方向は逆方向と判定し、これらの条件を満たさない場合には、判定制御を続行する。この際、さらに、第1所定値以下でかつ第2所定値以上である場合に電流センサが異常状態にあると判定する。これは、電流センサの故障等であると誤って判定するのを防止するために、内部負荷ヒータ7の動作に応じた応答があるか否かを確認するためである。従って、第1所定値及び第2所定値の絶対値は、内部負荷ヒータ7の消費電力に対し、誤差に相当するマージンを考慮して適宜設定される(例えば内部負荷ヒータ7の消費電力の40〜60パーセント程度の電力値に設定される)。なお、第1所定値及び第2所定値の絶対値は互いに同じでも異なっていてもよい。また、2つの電力の差の絶対値を上記判定基準の閾値として設定することは、互いに絶対値が同じである上記第1及び第2所定値を設定することと同義であることはいうまでもない。
そして、この判定情報を不揮発性メモリ13に設置方向情報として記憶する。
なお、電流センサ設置状態判定部12は、これらの条件を満たさない限り上記判定を繰り返し、所定時間内に、これらの条件が満たされない場合には、電流センサ設置状態判定部12は、LCD10に異常を報知する表示を行なう。この判定制御(方法)の具体例は、実施の形態8で詳しく説明する。
以降、不揮発性メモリ13に新たに記憶された電流センサ5a,5bの設置方向情報をもとに電力演算および補正を行い、補正結果をもとに、電力積算メータ9は電力の積算し、LCD10は電力の表示を行う。
[電流センサ5a,5bの設置状態の判定の態様]
以下、図11乃至図15、および図26乃至図33を用いて電流センサ5a,5bの設置状態の判定の態様を具体的に例示する。図11乃至図15、および図26乃至図32は、4つの段(上から下へ向かう順に第1乃至第4段と呼ぶ)に、電力値の経時変化を示している。各段において、縦軸は電力値を示し、横軸は時間(時刻)を示す。第1段は、需要家内負荷2へ供給される電力値を示し、第2段は、内部負荷ヒータ7へ供給される電力値を示し、第3段は、電流センサ5a,5bの設置方向が正常な方向である場合において電力演算部11で演算される電力値を示し、第4段は、電流センサ5a,5bの設置方向が逆方向である場合において電力演算部11で演算される電力値を示す。
以下、図11乃至図15、および図26乃至図33を用いて電流センサ5a,5bの設置状態の判定の態様を具体的に例示する。図11乃至図15、および図26乃至図32は、4つの段(上から下へ向かう順に第1乃至第4段と呼ぶ)に、電力値の経時変化を示している。各段において、縦軸は電力値を示し、横軸は時間(時刻)を示す。第1段は、需要家内負荷2へ供給される電力値を示し、第2段は、内部負荷ヒータ7へ供給される電力値を示し、第3段は、電流センサ5a,5bの設置方向が正常な方向である場合において電力演算部11で演算される電力値を示し、第4段は、電流センサ5a,5bの設置方向が逆方向である場合において電力演算部11で演算される電力値を示す。
第2段における内部負荷ヒータ7の1つの電力値は、1回の動作における電力値を示す。そして、一群の電力値が、電流センサ5a,5bの設置状態を判定する1つのステップを示し、一群の電力値のそれぞれが、1つのステップにおける電流センサ5a,5bの設置状態の1回の判定制御を示す。「〜回」は、それぞれのステップにおけるそれぞれの判定制御の回数を示す。「T〜」は、判定制御の間隔(周期)(内部負荷ヒータ7の動作間隔)を示す。
第3段および第4段における「実線矢印」は、電力演算部11で演算される電力値の偏差が正であることを示し、同じく「破線矢印」は、電力演算部11で演算される電力値の偏差が負であることを示す。また、電流センサ5a,5bの設置方向の正逆と電力演算部11で演算される電力値の偏差の正負とが一致する判定が客観的に正しい判定であり、電流センサ5a,5bの設置方向の正逆と電力演算部11で演算される電力値の偏差の正負とが逆である判定が客観的に誤った判定である。以下では、これらを、「電流センサ5a,5bの設置方向の正逆と電力値の偏差の正負とが一致する判定」(「一致判定」と略記する場合がある)または「電流センサ5a,5bの設置方向の正逆と電力値の偏差の正負とが逆の判定」(「逆判定」と略記する場合がある)と呼ぶ。「一致判定」である場合、具体的には、電流センサ5a,5bの設置方向が正常である場合には、制御手段8が電流センサ5a,5bの設置方向が正常であると判定し、電流センサ5a,5bの設置方向が逆である場合には、制御手段8が電流センサ5a,5bの設置方向が逆であると判定することになる。「逆判定」である場合、具体的には、電流センサ5a,5bの設置方向が正常である場合には、制御手段8が電流センサ5a,5bの設置方向が逆であると判定し、電流センサ5a,5bの設置方向が逆である場合には、制御手段8が電流センサ5a,5bの設置方向が正常であると判定することになる。
以上の図の説明は後述する図16乃至25においても同様である。
<対比例>
まず、対比例(従来例において想定される態様例)について説明する。図26乃至図32は、対比例における判定制御(判定方法)を示す模式図である。
まず、対比例(従来例において想定される態様例)について説明する。図26乃至図32は、対比例における判定制御(判定方法)を示す模式図である。
図26に示すように、需要家内負荷2が例えば洗濯機である場合には、需要家内負荷2へ供給される電力の値は周期的に変動する。これにより、内部負荷ヒータ7のスイッチ7aの入り切りによる動作の周期(内部負荷ヒータ7への供給電力値の周期)が需要家内負荷2への供給電力値の周期に近いと、既述のように、本発明の課題が生じる。
具体的には、図26に示すように、内部負荷ヒータ7への電力供給と需要家内負荷2への電力供給とのタイミングが互いに重なっていなければ問題はない。また、図27に示すように、両者のタイミングが重なったとしても、内部負荷ヒータ7への電力供給が需要家内負荷2への電力供給より先であるかあるいは両者が完全に重なれば問題はない。電流センサ5a,5bの設置状態の判定対象となる電力値の偏差の正負(符号)が、両者が重ならない場合と同じになるからである。
一方、図28に示すように、内部負荷ヒータ7への電力供給が需要家内負荷2への電力供給より後であるように両者が部分的に重なると、誤判定が生じる。電流センサ5a,5bの設置状態の判定対象となる電力値の偏差が、内部負荷ヒータ7の消費電力量に比べて小さくなり電流センサ5a,5bが異常状態にあると誤って判定されたり、電流センサ5a,5bの設置方向の判定対象となる電力値の偏差の正負が、両者が重ならない場合と逆になったりするからである。ここで、電流センサ5a,5bが異常状態にあるとは、電流センサが故障、断線、若しくは電線から外れている場合などである。つまり、この例では、内部負荷ヒータ7が動作しているので、電力演算部11で演算される電力値の偏差は、本来、正になる筈である。しかるに、電力演算部11では、需要家内負荷2への供給電力値が内部負荷ヒータ7のON直前の電力値として演算されるとともに内部負荷ヒータ7への供給電力値が内部負荷ヒータ7のON直後の電力値として演算されるため、当該電力値の偏差は負になってしまうからである。
この場合、図29および図30に示すように、内部負荷ヒータ7の動作間隔(T1)を変えない限り、誤判定が生じ続ける。また、図31および図32に示すように、内部負荷ヒータ7の動作間隔(T1)を整数倍(ここでは2倍)に変えても、誤判定が生じ続ける。
<本実施の形態>
図33は、電流センサ5a,5bが異常状態にあるか否かの判定方法を示す模式図である。図33に示すように、本実施の形態では、各判定制御において、電流センサ5a,5bの設置方向の正逆の判定をする際に、内部負荷ヒータ7の動作に応じた応答があるか否かを判定する。そして、内部負荷ヒータ7の動作に応じた応答がない場合には、電流センサ5a,5bが異常状態にあると判定し、内部負荷ヒータ7の動作に応じた応答がある場合には、電流センサ5a,5bの設置方向の正逆を判定する。
図33は、電流センサ5a,5bが異常状態にあるか否かの判定方法を示す模式図である。図33に示すように、本実施の形態では、各判定制御において、電流センサ5a,5bの設置方向の正逆の判定をする際に、内部負荷ヒータ7の動作に応じた応答があるか否かを判定する。そして、内部負荷ヒータ7の動作に応じた応答がない場合には、電流センサ5a,5bが異常状態にあると判定し、内部負荷ヒータ7の動作に応じた応答がある場合には、電流センサ5a,5bの設置方向の正逆を判定する。
具体的には、制御手段8は、図33(a)に示すように、電流センサ5a,5bの設置状態の判定対象となる電力値の偏差Pが第1所定値Pt1以下である場合には、電流センサ5a,5bが異常状態にあると判定する。また、図33(c)に示すように、当該電力値の偏差Pが第2所定値Pt2以上である場合には、電流センサ5a,5bが異常状態にあると判定する。これにより、内部負荷ヒータ7の動作に応じた応答がない場合には、電流センサ5a,5bが異常状態にあると判定することになる。一方、図33(b)に示すように、当該電力値の偏差が第1所定値Pt1を越える場合に電流センサ5a,5bの設置方向が正しいと判定し、図33(d)に示すように、当該電力値の偏差が第2所定値Pt2未満である場合に電流センサ5a,5bの設置方向が逆になっていると判定する。これにより、内部負荷ヒータ7の動作に応じた応答があることと、電流センサ5a,5bの設置方向の正逆とを同時に判定することになる。それ故、以下(実施の形態2乃至4も同様)では、説明の簡略化のため、当該電力値の偏差と第1及び第2所定値Pt1,Pt2とを対比することに特に言及しないが、電流センサ5a,5bの設置方向の正逆の判定が行われている場合には、これらと同時に電流センサ5a,5bが異常状態にあるか否かの判定が必ず行われている。すなわち、各判定制御は、電流センサ5a,5bの設置方向の正逆の判定と、電流センサ5a,5bが異常状態にあるか否かの判定とを含む。
図11乃至図16は、本実施の形態における判定制御の一例を示す模式図である。
本実施の形態では、内部負荷ヒータ7の動作(判定制御)は、上述のように、所定間隔で行なわれ、かつこの所定間隔における複数の間隔のうち、1つの間隔は他の間隔の整数倍以外の間隔である。換言すると、複数の判定制御を行う間隔の少なくとも1つを他の間隔の整数倍以外の間隔にして判定制御が行われる。以下、これを具体的に例示する。
図11に示すように、本実施の形態では、複数の判定制御を行う間隔T11,T12,T11のうち、少なくとも1つの間隔T12は他の間隔T11,T11の整数倍以外の間隔である。間隔の数は2以上であればよい。他の間隔の整数倍以外となる間隔の数も任意であり、それらが連続していても断続していてもよい。
例えば、判定制御を行う間隔を整数倍以外の間隔で複数回変更しながら判定制御を行ってもよい。間隔の変更は、連続でも断続でもよい。例えば、図12に示すように、複数の間隔T21,T22,T23を連続して変更してもよい。例えば、図13に示すように、複数の間隔T21,T22,T23を連続して変更し、その後の間隔T23を変更しないようにしてもよい。例えば、図14に示すように、複数の間隔T21,T21を変更しないで判定制御し、その後、複数の間隔T22,T23を連続して変更してもよい。
例えば、図15に示すように、間隔T21を間隔T22に変更し、その後、間隔T22を変更しないで維持し、その後、これを間隔T23に変更してもよい。
例えば、図15に示すように、間隔T21を間隔T22に変更し、その後、間隔T22を変更しないで維持し、その後、これを間隔T23に変更してもよい。
以上に説明した本実施の形態における判定制御によれば、複数の判定制御を行う間隔は、必ず、互いに整数倍以外の間隔で異なる2つの間隔を含むので、たとえ、一方の間隔が需要家内負荷2への電力供給と同期しても他方の間隔は同期しない。したがって、このように互いに整数倍以外の間隔で異なる2つの間隔を含むようにして判定制御を複数回行えば、正しい判定を含むように判定を行なうことができる。なお、電流センサ5a,5bでは、内部負荷ヒータ7へ供給される電流と需要家内負荷2へ供給される電流とを分離して検出することはできないので、得られた個々の判定が本当に正しいかどうかを知ることはできない。しかしながら、判定制御の間隔が需要家内負荷2への電力供給と同期する確率は非常に低いので、互いに整数倍以外の間隔で異なる2つの間隔を含むようにして判定制御を多数回行えば、誤判定が連続する確率は非常に低いと考えられる。そこで、本実施の形態では、同じ判定が複数回連続して得られた場合には、当該複数回連続して得られた判定が正しいと想定するのである。
図11乃至図15に示す判定制御例では、いずれの判定制御例においても、電流センサ5a,5bの設置方向が正常である場合には、全回(ここでは4回)の判定制御において、電力演算部11で演算される電力値の偏差が正になり、電流センサ5a,5bの設置方向が逆である場合には、電力演算部11で演算される電力値の偏差が負になる。従って、いずれの判定制御例においても、「電流センサ5a,5bの設置方向の正逆と電力値の偏差の正負とが一致する判定」(「一致判定」)が4回連続して得られるので、電流センサ5a,5bの設置方向を的確に判定することができる。
なお、制御手段8が、判定制御を行う間隔を整数倍以外の間隔に連続して変更しながら、判定制御を複数回行ってもよい。具体的には、例えば、図25に示すように、1つのステップにおいて、判定制御を行う間隔T111,T112,T113が、整数倍以外の間隔に連続して変更される。間隔の数は2以上の任意の数であり、ステップの数は2以上の任意の数である。
以上のように、本実施の形態において、制御手段8は、内部負荷ヒータ7が動作する直前と直後の電流センサ5a,5bが検出する電流値と電圧センサ6が検出する電圧値の積から算出する電力値の偏差が所定値以上の場合、それ以降、算出する電力値の正負符号を反転させることで、分散型電源装置4の非発電・発電状態に関わらず、電流センサ5a,5bの設置方向を判定し、電力値の補正が可能となり、システムの信頼性を向上させることができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2における分散型電源システムのブロック図は、図1に示した実施の形態1の分散型電源システムのブロック図と同様である。
本発明の実施の形態2における分散型電源システムのブロック図は、図1に示した実施の形態1の分散型電源システムのブロック図と同様である。
図1に示すように、U相、O相、W相から成る単相三線式の交流電源である商用電力系統1には、商用電力系統1から供給される交流電力を消費する需要家内負荷2が連系接続されている。
商用電力系統1と連系する分散型電源システム3は、発電電力を交流電力として出力する分散型電源装置4と、需要家内負荷2、前記需要家内負荷2よりも上流にある分散型電源装置4と商用電力系統1の受電点に設置される分電盤内のU相およびW相に設置された電流の大きさおよび正負の方向を検出する電流センサ5a,5b(本実施の形態では、U相に電流センサ5a、W相に電流センサ5bを設置)と、商用電力系統1の電圧を検出する電圧検出手段である電圧センサ6と、内部負荷ヒータ7と、前記内部負荷ヒータ7を入り切りするスイッチ7aと、分散型電源システム3を制御する制御手段8と、電力値を積算する電力積算メータ9と、電力表示およびシステムの異常状態を表示する表示手段および報知手段であるLCD10を備える。
ここで、制御手段8は、電流センサ5a,5bで検出された電流値と電圧センサ6で検出された電圧値に基づいてよりU相、W相ごとに電力を演算する電力演算部11(本実施の形態では、分散型電源システム3から商用電力系統1へ逆潮流するときをマイナスとする)と、電力演算部11で演算された電力値を記憶する揮発性メモリ16と、電流センサ5a,5bの設置状態を判定する電流センサ設置状態判定部12と、電流センサ設置状態判定部12の判定結果を記憶する不揮発性メモリ13と、不揮発性メモリ13に記憶された電流センサ5a,5bの設置方向の情報に基づき電力演算部11で演算された電力値の正負符号を補正する符号反転部14と、スイッチ7aを介して内部負荷ヒータ7への通電を制御する内部負荷ヒータ制御部15で構成される。
図4は本発明の実施の形態2の分散型電源システムにおける電流センサ設置状態判定の流れを示すフローチャートであり、図3は本発明の実施の形態2の分散型電源システムにおける電力演算および補正の流れを示すフローチャートである。
以上のように構成された分散型電源システムについて、以下その動作、作用について図1、図4、図3を用いて説明する。
制御手段8は、電源投入時に電流センサ5a,5bの設置状態の判定を行う。電流センサ5a,5bの設置状態の判定終了後は、常時、電力演算・補正を行うと共に、人為的な電流センサ5a,5bの設置方向の変更及び電流センサ5a,5bが故障、断線、もしくは電線から外れた場合に対応するために定期的に電流センサ5a,5bの設置方向判定を行う。
以下、電流センサ5a,5bの設置状態の判定方法について説明する。
制御手段8は、内部負荷ヒータ制御部15にてスイッチ7aを介して第1のステップで前記内部負荷を第1所定間隔で第1所定複数回動作させ、次に、第2のステップで前記内部負荷を第2所定間隔で第2所定複数回内部負荷ヒータ7を入り切りする。
そのとき、制御手段8は、内部負荷ヒータ7をONする直前の現在の電力値を取得し(電力演算は、図3に示す)、揮発性メモリ16に記憶する。
内部負荷ヒータ7をONした後は、電流センサ設置状態判定部12にて、再び、現在の電力値(電力演算は、図3に示す)を取得し、取得した電力値と揮発性メモリ16に記憶する電力値をもとに電流センサ5a,5bの設置状態の判定、および不揮発性メモリ13への判定結果の記憶を行う。
ここで、分散型電源装置4が非発電状態、もしくは発電状態であっても非逆潮流の場合、電流センサ5a,5bが正方向に設置されていれば、内部負荷ヒータ7をONすることで電力は商用電力系統1から分散型電源装置4方向へ供給されるため、内部負荷ヒータ7のON直前、直後の2つの電力値の差(本実施の形態では、(電力値の差)=(内部負荷ヒータ7のON直後の電力値)−(内部負荷ヒータ7のON直前の電力値とする))は正で、理想的には内部負荷ヒータ7の消費電力値に相当する電力値となる。また、分散型電源装置4が発電状態であっても需要家内負荷2に電力を供給している場合や逆潮流の場合、電流センサ5a,5bが正常方向に設置されていれば、内部負荷ヒータ7をONすることで需要家内負荷2に供給する電力や逆潮流する電力が減少するため、同様に内部負荷ヒータ7のON直前、直後の2つの電力値の差は正で、理想的には内部負荷ヒータ7の消費電力値に相当する電力値となる。
したがって、電流センサ設置状態判定部12による設置状態の判定は、2つの電力の差と実施の形態1で説明した第1及び第2所定値とに基づいて以下のように行う。2つの電力の差が、第1所定値を越える時が、第1のステップで第1所定複数回のうち複数回連続するか判定し、かつ第2のステップで第2所定複数回のうち複数回連続するか判定し、第1のステップと第2のステップともに複数回連続すると判定した時に、設置方向は正方向と判定する。また、第2所定値未満の時が、第1のステップで第1所定複数回のうち複数回連続するか判定し、かつ第2のステップで第2所定複数回のうち複数回連続するか判定し、第1のステップと第2のステップともに複数回連続すると判定した時に、設置方向は負方向と判定する。さらに、第1所定値以下でかつ第2所定値以上である時が、第1のステップで第1所定複数回のうち複数回連続するか判定し、かつ第2のステップで第2所定複数回のうち複数回連続するか判定し、第1のステップと第2のステップともに複数回連続すると判定した時に、電流センサが異常状態にあると判定し、その情報を不揮発性メモリ13に設置方向情報として記憶する。
なお、電流センサ設置状態判定部12は、これらの条件を満たさない限り、第1のステップと第2のステップとを繰り返す。また、所定時間内に、これらの条件が満たされない場合には、電流センサ設置状態判定部12は、LCD10に異常を報知する表示を行なう。この判定制御(判定方法)の具体例は、実施の形態8で詳しく説明する。
以降、不揮発性メモリ13に新たに記憶された電流センサ5a,5bの設置方向情報をもとに電力演算および補正を行い、補正結果をもとに、電力積算メータ9は電力の積算をし、LCD10は電力の表示を行う。
[電流センサ5a,5bの設置状態の判定の態様]
図16乃至図25は、本実施の形態における判定制御の一例を示す模式図である。これらの図に関する説明は、実施の形態1において図11乃至図15、および図26乃至図32についてした説明と同じであるので、省略する。なお、上述の「第1所定間隔」を以下では「第1の間隔」と呼び、上述の「第2所定間隔」を以下では「第2の間隔」と呼ぶ。
図16乃至図25は、本実施の形態における判定制御の一例を示す模式図である。これらの図に関する説明は、実施の形態1において図11乃至図15、および図26乃至図32についてした説明と同じであるので、省略する。なお、上述の「第1所定間隔」を以下では「第1の間隔」と呼び、上述の「第2所定間隔」を以下では「第2の間隔」と呼ぶ。
本実施の形態における電流センサ5a,5bの設置状態の判定は、以下に示す各態様のいずれか、あるいはそれらの適宜な組合せ(互いに相手を排除しない組合せ)において実行される。なお、以下では、説明の簡略化のため、当該電力値の偏差と第1及び第2所定値Pt1,Pt2とを対比することに特に言及しないが、電流センサ5a,5bの設置方向の正逆の判定が行われている場合には、これらと同時に電流センサ5a,5bが異常状態にあるか否かの判定が必ず行われている。すなわち、各判定制御は、電流センサ5a,5bの設置方向の正逆の判定と、電流センサ5a,5bが異常状態にあるか否かの判定とを含む。
<態様1>
態様1では、制御手段8は、電流センサ5a,5bの設置状態の判定制御を第1の間隔で複数回行う第1のステップと、この判定制御を第2の間隔で複数回行う第2のステップと、を実行し、各ステップ毎に各ステップにおける複数回の判定制御に基づいて各ステップとしての電流センサ5a,5bの設置状態の判定結果を決定し、かつ、第2の間隔の少なくとも1つを、第1の間隔の整数倍以外の間隔とするように第2のステップを実行する。つまり、第1および第2のステップにおける複数の間隔はそれぞれ予め定められているが、その間隔が互いに整数倍以外で異なる。第1のステップと第2のステップとは、どちらが先に行われてもよい。第1のステップと第2のステップと判定制御の数が異なっていてもよく、第1のステップと第2のステップとの実行回数および順序は任意である。
具体的には、例えば、図16に示すように、第1のステップにおける第1の間隔が一定のT31であり、第2のステップにおける第2の間隔のうちの1つの間隔が整数倍以外で第1の間隔T31と異なるT32であり、かつ第2の間隔のうちの他の間隔が第1の間隔と同じT31であってもよい。例えば、図17に示すように、第1のステップにおける第1の間隔が一定のT31であり、第2のステップにおける第2の間隔のうちの2つの間隔が整数倍以外で第1の間隔T31と異なるT32およびT33であり、かつ第2の間隔のうちの他の間隔が第1の間隔と同じT31であってもよい。
本態様により、判定制御を行う間隔が整数倍である場合に生じる誤判定を回避することができる。さらに、電流センサ5a,5bの設置状態を判定するステップを2回実行することにより、当該判定をより確実に行なうことができる。
態様1では、制御手段8は、電流センサ5a,5bの設置状態の判定制御を第1の間隔で複数回行う第1のステップと、この判定制御を第2の間隔で複数回行う第2のステップと、を実行し、各ステップ毎に各ステップにおける複数回の判定制御に基づいて各ステップとしての電流センサ5a,5bの設置状態の判定結果を決定し、かつ、第2の間隔の少なくとも1つを、第1の間隔の整数倍以外の間隔とするように第2のステップを実行する。つまり、第1および第2のステップにおける複数の間隔はそれぞれ予め定められているが、その間隔が互いに整数倍以外で異なる。第1のステップと第2のステップとは、どちらが先に行われてもよい。第1のステップと第2のステップと判定制御の数が異なっていてもよく、第1のステップと第2のステップとの実行回数および順序は任意である。
具体的には、例えば、図16に示すように、第1のステップにおける第1の間隔が一定のT31であり、第2のステップにおける第2の間隔のうちの1つの間隔が整数倍以外で第1の間隔T31と異なるT32であり、かつ第2の間隔のうちの他の間隔が第1の間隔と同じT31であってもよい。例えば、図17に示すように、第1のステップにおける第1の間隔が一定のT31であり、第2のステップにおける第2の間隔のうちの2つの間隔が整数倍以外で第1の間隔T31と異なるT32およびT33であり、かつ第2の間隔のうちの他の間隔が第1の間隔と同じT31であってもよい。
本態様により、判定制御を行う間隔が整数倍である場合に生じる誤判定を回避することができる。さらに、電流センサ5a,5bの設置状態を判定するステップを2回実行することにより、当該判定をより確実に行なうことができる。
<態様2>
態様2では、態様1において、制御手段8は、第2の間隔を全て等しくするように第2のステップを実行する。具体的には、例えば、図18に示すように、第1のステップにおける第1の間隔が全て一定のT41であり、第2のステップにおける第2の間隔が全て一定のT42であってもよい。
態様2では、態様1において、制御手段8は、第2の間隔を全て等しくするように第2のステップを実行する。具体的には、例えば、図18に示すように、第1のステップにおける第1の間隔が全て一定のT41であり、第2のステップにおける第2の間隔が全て一定のT42であってもよい。
本態様により、判定制御を簡素化することができる。
<態様3>
態様3では、態様1または2において、制御手段8は、最後の複数回のステップで決定される各ステップとしての判定結果が同じになるまで、第1および第2のステップを実行する。
態様3では、態様1または2において、制御手段8は、最後の複数回のステップで決定される各ステップとしての判定結果が同じになるまで、第1および第2のステップを実行する。
具体例を、態様1に対応する図19、図20A、および図20Bの判定制御例と、態様2に対応する図21および図22の判定制御例とにより説明する。
まず、図19に示す判定制御例のように、第1および第2のステップの双方において、内部負荷ヒータ7への電力供給と需要家内負荷2への電力供給とが同期しない場合を想定する。この場合、1回目の第1のステップでは4回連続して「電流センサ5a,5bの設置方向の正逆と電力値の偏差の正負とが一致する判定」(「一致判定」)になるので、第1のステップとしての判定結果は、「一致判定」になる。また、第2のステップおよび2回目の第1のステップでも4回連続して「一致判定」になるので、第2のステップおよび2回目の第1のステップとしての判定結果は、それぞれ、「一致判定」になる。ここで、例えば、上記「最後の複数回」を「最後の2回」と規定した場合には、制御手段8は、この時点で判定制御を終了する。但し、さらに、3番目のステップを実行するよう構成しても構わない。但し、3番目のステップを実行する場合は、最後の2回である第2のステップおよび2回目の第1のステップにおけるそれぞれのステップとしての判定結果(ここでは「一致判定」)が同じであることが必要である。また、例えば、上記「最後の複数回」を「最後の3回」と規定した場合には、制御手段8は、2回目の第1のステップが終了した時点で判定制御を終了する。同様に「最後の複数回」の回数を4以上にすることもできる。「最後の複数回」の回数を増やす程、判定の精度が向上するが、最終的な判定結果を得るまでの時間が増大する。
次に、図20Aおよび図20Bに示す判定制御例のように、第1のステップにおいて、内部負荷ヒータ7への電力供給と需要家内負荷2への電力供給とが同期する場合を想定する。なお、「最後の複数回」は「最後の2回」に規定されていると仮定する。図20Aの判定制御例では、1回目の第1のステップでは4回連続して「電流センサ5a,5bの設置方向の正逆と電力値の偏差の正負とが逆の判定」(「逆判定」)になるので、第1のステップとしての判定結果は、「逆判定」になる。一方、第2のステップでは一部の判定制御の間隔T52,T53が第1のステップにおける判定制御の間隔T51とは異なるので、4回連続して「一致判定」になる。したがって、第2のステップとしての判定結果は、「一致判定」になる。そうすると、「最後の2回」のステップで決定される各ステップとしての判定結果が互いに異なるので、制御手段8は、2回目の第1のステップを実行する。この場合、内部負荷ヒータ7への電力供給と需要家内負荷2への電力供給との同期が一度外れるとその状態が継続する可能性が高いので、2回目の第1のステップでは4回連続して「一致判定」になる。その結果、「最後の2回」のステップで決定される各ステップとしての判定結果が互いに同じになるので、制御手段8は判定制御を終了する。この場合、最終的な判定は「一致判定」である。
また、図20Bは、第1のステップにおいて、電流センサ5a,5bが異常状態にあると判定する場合を例示している。図20Bの判定制御例では、1回目の第1のステップでは4回連続して、電力値の偏差が、第1所定値以下でかつ第2所定値以上であって「電流センサ5a,5bが異常状態にある判定」になる。従って、第1のステップとしての判定結果は、「電流センサ5a,5bが異常状態にある判定」になる。一方、第2のステップでは一部の判定制御の間隔T52,T53が第1のステップにおける判定制御の間隔T51とは異なるので、4回連続して「一致判定」になる。したがって、第2のステップとしての判定結果は、「一致判定」になる。そうすると、「最後の2回」のステップで決定される各ステップとしての判定結果が互いに異なるので、制御手段8は、2回目の第1のステップを実行する。この場合、内部負荷ヒータ7への電力供給と需要家内負荷2への電力供給との同期が一度外れるとその状態が継続する可能性が高いので、2回目の第1のステップでは4回連続して「一致判定」になる。その結果、「最後の2回」のステップで決定される各ステップとしての判定結果が互いに同じになるので、制御手段8は判定制御を終了する。この場合、最終的な判定は「一致判定」である。
図21および図22に示す判定制御例では、第1および第2のステップが態様2に対応している以外は、図19、図20A、および図20Bに示す判定制御例と同じであるので、その説明を省略する。
本態様により、電流センサの設置状態をより確実に判定することができる。
<態様4>
態様4では、態様1または2において、制御手段8は、各ステップで決定される各ステップとしての判定結果が一定回数以上同じになるまで、第1および第2のステップを実行する。
態様4では、態様1または2において、制御手段8は、各ステップで決定される各ステップとしての判定結果が一定回数以上同じになるまで、第1および第2のステップを実行する。
この具体例を図23に示す判定制御例により説明する。図23に示す判定制御例では、第1および第2のステップが態様1に対応している。なお、第1および第2のステップが態様2に対応している場合もこれと同様であるので、その説明を省略する。また、この判定制御例では、上記「一定回数以上」は「2回以上」に規定されていると仮定する。
図23において、第1のステップでは4回連続して「一致判定」になるので、第1のステップとしての判定結果は「一致判定」に決定される。次に、第2のステップでは、1回目(N61−3回)の判定制御が「逆判定」になるが、残りの3回の判定制御が連続して「一致判定」になるので、第2のステップとしての判定結果は「一致判定」に決定される。しかし、各ステップとしての判定結果は2回以上同じではないので、制御手段8は、2回目の第1のステップを実行する。2回目の第1のステップでは4回連続して「一致判定」になるので、2回目の第1のステップとしての判定結果は「一致判定」に決定される。そうすると、各ステップとしての判定結果が2回以上同じになるので、制御手段8は判定制御を終了する。この場合、最終的な判定は「一致判定」である。
なお、第1のステップと第2のステップとで、判定制御の回数が異なっていてもよい。また、「一定回数以上同じになる」態様は、「一定回数以上連続して同じになる」態様であっても、「一定回数以上断続して同じになる」態様であってもよい。
本態様により、電流センサの設置状態をより確実に判定することができる。
<態様5>
態様5では、態様1または2において、制御手段8は、各ステップで決定される各ステップとしての判定結果が一定割合以上同じになるまで、第1および第2のステップを実行する。
態様5では、態様1または2において、制御手段8は、各ステップで決定される各ステップとしての判定結果が一定割合以上同じになるまで、第1および第2のステップを実行する。
この具体例を図24に示す判定制御例により説明する。図24に示す判定制御例では、第1および第2のステップが態様2に対応している。なお、第1および第2のステップが態様1に対応している場合もこれと同様であるので、その説明を省略する。また、この判定制御例では、上記「一定割合以上」は「1」に規定されていると仮定する。
図24において、第1のステップでは4回連続して「一致判定」になるので、第1のステップとしての判定結果は「一致判定」に決定される。次に、第2のステップでは、1回目(N71−3回)の判定制御が「逆判定」になるが、残りの3回の判定制御が連続して「一致判定」になるので、第2のステップとしての判定結果は「一致判定」に決定される。しかし、各ステップとしての判定結果は、「1/2=0.5」の割合で同じであり、「1」の割合で同じではないので、制御手段8は、2回目の第1のステップを実行する。2回目の第1のステップでは4回連続して「一致判定」になるので、2回目の第1のステップとしての判定結果は「一致判定」に決定される。そうすると、各ステップとしての判定結果が「2/2=1」の割合で同じになるので、制御手段8は判定制御を終了する。この場合、最終的な判定は「一致判定」である。
なお、第1のステップと第2のステップとで、判定制御の回数が異なっていてもよい。
本態様により、電流センサの設置状態をより確実に判定することができる。
<態様6>
態様6では、態様1乃至5のいずれかにおいて、制御手段8は、第1のステップと第2のステップとを交互に実行する。
態様6では、態様1乃至5のいずれかにおいて、制御手段8は、第1のステップと第2のステップとを交互に実行する。
本態様により、電流センサの設置状態をより確実に判定することができる。
<態様7>
態様7では、態様1乃至6のいずれかにおいて、制御手段8は、判定制御を行う間隔を整数倍以外の間隔に連続して変更しながら、判定制御を複数回行う。
態様7では、態様1乃至6のいずれかにおいて、制御手段8は、判定制御を行う間隔を整数倍以外の間隔に連続して変更しながら、判定制御を複数回行う。
具体的には、例えば、図25に示すように、各ステップにおいて、判定制御を行う間隔T111,T112,T113が、整数倍以外の間隔に連続して変更される。間隔の数は2以上の任意の数であり、ステップの数は2以上の任意の数である。
本態様により、電流センサの設置状態をより確実に判定することができる。
<態様8>
態様8では、態様1乃至7のいずれかにおいて、制御手段8は、判定制御を第1の間隔で複数回行う第1のステップを実行し、当該第1のステップにおける複数回の判定制御に基づいて電流センサ5a,5bの設置方向が正しいか否かを決定し、電流センサ5a,5bの設置方向が決定した場合には判定制御を終了し、電流センサ5a,5bが異常状態にあると決定した場合には、少なくとも1つが第1の間隔の整数倍以外の間隔である第2の間隔で判定制御を複数回行う第2のステップを実行し、当該第2のステップにおける複数回の判定制御に基づいて電流センサ5a,5bの設置方向が正しいかあるいは逆になっているかを決定する。
態様8では、態様1乃至7のいずれかにおいて、制御手段8は、判定制御を第1の間隔で複数回行う第1のステップを実行し、当該第1のステップにおける複数回の判定制御に基づいて電流センサ5a,5bの設置方向が正しいか否かを決定し、電流センサ5a,5bの設置方向が決定した場合には判定制御を終了し、電流センサ5a,5bが異常状態にあると決定した場合には、少なくとも1つが第1の間隔の整数倍以外の間隔である第2の間隔で判定制御を複数回行う第2のステップを実行し、当該第2のステップにおける複数回の判定制御に基づいて電流センサ5a,5bの設置方向が正しいかあるいは逆になっているかを決定する。
本態様により、電流センサの設置状態をより確実に判定することができる。
以上のように、本実施の形態において、制御手段8は、内部負荷ヒータ7が動作する直前と直後の電流センサ5a,5bが検出する電流値と電圧センサ6が検出する電圧値に基づいて算出する電力値の偏差が第2所定値未満である場合、それ以降、算出する電力値の正負符号を反転させることで、分散型電源装置4の非発電・発電状態に関わらず、電流センサ5a,5bの設置状態を判定し、電力値の補正が可能となり、システムの信頼性を向上させることができる。
(実施の形態3)
図5は、実施の形態3における分散型電源システムのブロック図を示す。
図5は、実施の形態3における分散型電源システムのブロック図を示す。
図5に示すように、U相、O相、W相から成る単相三線式の交流電源である商用電力系統1には、商用電力系統1から供給される交流電力を消費する需要家内負荷2が連系接続されている。
商用電力系統1と連系する分散型電源システム3は、発電電力を交流電力として出力する分散型電源装置4を有している。さらに、需要家内負荷2が、分散型電源装置4と商用電力系統1とをつなぐ電力線に連結している。需要家内負荷2よりも上流にある分散型電源装置4と商用電力系統1との受電点に分電盤が設置される。電流の大きさおよび正負の方向を検出する電流センサ5a,5b(本実施の形態では、U相に電流センサ5a、W相に電流センサ5bを設置)が、分電盤内のU相およびW相に設置されている。また、分散型電源システム3は、商用電力系統1の電圧を検出する電圧検出手段である電圧センサ6と、分散型電源装置4が発電した余剰電力を消費して水を加熱する内部負荷ヒータ7と、内部負荷ヒータ7を入り切りするスイッチ7aと、分散型電源システム3全体を制御する制御手段8と、電力値を積算する電力積算メータ9と、電力表示およびシステムの異常状態を表示する表示手段および報知手段であるLCD10を備える。
ここで、制御手段8は、電流センサ5a,5bで検出された電流値と電圧センサ6で検出された電圧値を積分することなどによりU相、W相ごとに電力値を演算する電力演算部11(本実施の形態では、分散型電源システム3から商用電力系統1へ逆潮流するときをマイナスとする)と、電流センサ5a,5bの設置方向を判定する電流センサ設置状態判定部12と、電流センサ設置状態判定部12の判定結果を記憶する不揮発性メモリ13と、不揮発性メモリ13に記憶された電流センサ5a,5bの設置方向の情報に基づき電力演算部11で演算された電力値の正負符号を補正する符号反転部14と、スイッチ7aを介して内部負荷ヒータ7への通電を制御する内部負荷ヒータ制御部15で構成される。
図6は本発明の実施の形態3の分散型電源システムにおける電流センサ設置状態判定の流れを示すフローチャートであり、図3は本発明の実施の形態1の分散型電源システムにおける電力演算および補正の流れを示すフローチャートである。
以上のように構成された分散型電源システムについて、以下その動作、作用について図5、図3、図6を用いて説明する。
まず、制御手段8は、実施の形態1または実施の形態2と同様に、分散型電源装置4が発電開始の直前に電流センサ5a,5bの設置状態の判定を行う。
制御手段8は、分散型電源装置4が非発電状態において、電力が商用電力系統1から分散型電源装置4方向へ供給されるようにするために、内部負荷ヒータ制御部15にてスイッチ7aを介して所定間隔で所定複数回(たとえば、所定間隔は1〜3秒で好ましくは1秒、所定複数回は3〜5回で好ましくは4回)内部負荷ヒータ7を入り切りする。但し、所定複数回は3回以上である。2回では内部負荷ヒータ7への電力供給が需要家内負荷への電力供給の周期と同期することによる誤判定を排除できないからである。したがって、この所定間隔は複数の間隔を有する。そして、この所定間隔における複数の間隔のうち、1つの間隔は他の間隔の整数倍以外の間隔である。これにより、所定間隔における複数の間隔のうち、少なくとも1つの間隔を需要家内負荷への電力供給の周期と同期しないようにすることができる。
内部負荷ヒータ7のON時に、電流センサ5a,5bにて電流値を取得し、電圧センサ6にて電圧値を取得して、電力演算部11にてU相、W相ごとに取得した電流値と電圧値に基づいて積分することなどにより電力演算を行う。
電力値取得後は、電流センサ設置状態判定部12にて、電流センサ5a,5bの設置状態の判定を行い、不揮発性メモリ13へのU相、W相ごとに判定結果の記憶を行う。
通常、非発電中であるならば、内部負荷ヒータ7をONすることで電力は商用電力系統1から分散型電源装置4方向へ供給されるため、電流センサ5a,5bが正常の方向に設置されていれば、電力演算部11で演算される電力値は正で、理想的には内部負荷ヒータ7の消費電力値に相当する電力値となるはずである。
したがって、電流センサ設置状態判定部12による設置方向の判定は、電力演算部11で演算された電力値に基づいて以下のように行う。すなわち、この判定基準として、正の電力値である第3所定値と負の電力値である第4所定値とを閾値として設定する。そして、当該電力値が、第3所定値を超える時が、所定複数回のうち複数回連続した時に、設置方向は正常な方向と判定し、第4所定値未満の時が、所定複数回のうち複数回連続した時に、設置方向は逆方向と判定し、これらの条件を満たさない場合には、判定制御を続行する。この際、さらに、第3所定値以下でかつ第4所定値以上である場合に電流センサが異常状態にあると判定する。これは、電流センサの故障等であると誤って判定するのを防止するために、内部負荷ヒータ7の動作に応じた応答があるか否かを確認するためである。従って、第3所定値及び第4所定値の絶対値は、内部負荷ヒータ7の消費電力に対し、誤差に相当するマージンを考慮して適宜設定される(例えば内部負荷ヒータ7の消費電力の40〜60パーセント程度の電力値に設定される)。なお、第3所定値及び第4所定値の絶対値は互いに同じでも異なっていてもよい。また、当該電力値の絶対値を上記判定基準の閾値として設定することは、互いに絶対値が同じである上記第3及び第4所定値を設定することと同義であることはいうまでもない。
そして、この判定情報を不揮発性メモリ13に設置方向情報として記憶する。
なお、電流センサ設置状態判定部12は、これらの条件を満たさない限り上記判定を繰り返し、所定時間内に、これらの条件が満たされない場合には、電流センサ設置状態判定部12は、LCD10に異常を報知する表示を行なう。この判定制御(方法)の具体例は、実施の形態8で詳しく説明する。
この電流センサ5a,5bの設置状態の判定の態様は、電流センサ設置状態の判定基準として電力演算部11で演算された電力値の偏差に替えて電力演算部11で演算された電力値を用いる点を除いて、実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
以降、不揮発性メモリ13に記憶された電流センサ5a,5bの設置方向情報をもとに電力演算および補正を常時行い、電力演算および補正結果をもとに、電力積算メータ9は電力の積算、LCD10は電力の表示を行う。
ここで、電力演算の方法は、電流センサ5a,5bにて電流値を取得し、電圧センサ6にて電圧値を取得して、電力演算部11にてU相、W相ごとに取得した電流値と電圧値に基づいて積分することなどから算出することで電力演算を行うものである。
また、電力補正の方法は、U相、W相ごとに符号反転部14にて不揮発性メモリ13に記憶されている電流センサ設置情報が逆方向の時、電力演算部11で演算された電力値に(−1)を掛けることで電力値の正負符号を反転させる。
以上のように、本実施の形態において、制御手段8は、分散型電源装置4が非発電状態において内部負荷ヒータ7が動作することで電流が流れたときに、電流センサ5a,5bが検出する電流値と電圧センサ6が検出する電圧値とに基づいて算出された電力値が第4所定値未満の場合、それ以降、算出する電力値の正負符号を反転させるため、需要家内負荷2の状況に関わらず、電流センサ5a,5bの設置状態を判定し、電力値の補正が可能となり、システムの信頼性を向上させることができる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4における分散型電源システムのブロック図は、図5に示した実施の形態3の分散型電源システムのブロック図と同様である。
本発明の実施の形態4における分散型電源システムのブロック図は、図5に示した実施の形態3の分散型電源システムのブロック図と同様である。
図5に示すように、U相、O相、W相から成る単相三線式の交流電源である商用電力系統1には、商用電力系統1から供給される交流電力を消費する需要家内負荷2が連系接続されている。
商用電力系統1と連系する分散型電源システム3は、発電電力を交流電力として出力する分散型電源装置4と、需要家内負荷2、前記需要家内負荷2よりも上流にある分散型電源装置4と商用電力系統1の受電点に設置される分電盤内のU相およびW相に設置された電流の大きさおよび正負の方向を検出する電流センサ5a,5b(本実施の形態では、U相に電流センサ5a、W相に電流センサ5bを設置)と、商用電力系統1の電圧を検出する電圧検出手段である電圧センサ6と、内部負荷ヒータ7と、前記内部負荷ヒータ7を入り切りするスイッチ7aと、分散型電源システム3を制御する制御手段8と、電力値を積算する電力積算メータ9と、電力表示およびシステムの異常状態を表示する表示手段および報知手段であるLCD10を備える。
ここで、制御手段8は、電流センサ5a,5bで検出された電流値と電圧センサ6で検出された電圧値の積よりU相、W相ごとに電力を演算する電力演算部11(本実施の形態では、分散型電源システム3から商用電力系統1へ逆潮流するときをマイナスとする)と、電流センサ5a,5bの設置状態を判定する電流センサ設置状態判定部12と、電流センサ設置状態判定部12の判定結果を記憶する不揮発性メモリ13と、不揮発性メモリ13に記憶された電流センサ5a,5bの設置方向の情報に基づき電力演算部11で演算された電力値の正負符号を補正する符号反転部14と、スイッチ7aを介して内部負荷ヒータ7への通電を制御する内部負荷ヒータ制御部15で構成される。
図7は本発明の実施の形態4の分散型電源システムにおける電流センサ設置状態判定の流れを示すフローチャートであり、図3は本発明の実施の形態4の分散型電源システムにおける電力演算および補正の流れを示すフローチャートである。
以上のように構成された分散型電源システムについて、以下その動作、作用について図5、図3、図7を用いて説明する。
まず、制御手段8は、分散型電源装置4が発電開始の直前に電流センサ5a,5bの設置状態の判定を行う。
制御手段8は、分散型電源装置4が非発電状態において、電力が商用電力系統1から分散型電源装置4方向へ供給されるようにするために、内部負荷ヒータ制御部15にてスイッチ7aを介して第1のステップで前記内部負荷を第1所定定間隔で第1所定複数回動作させ、次に、第2のステップで前記内部負荷を第2所定間隔で第2所定複数回内部負荷ヒータ7を入り切りする。
内部負荷ヒータ7のON時に、電流センサ5a,5bにて電流値を取得し、電圧センサ6にて電圧値を取得して、電力演算部11にてU相、W相ごとに取得した電流値と電圧値に基づいて積分することなどにより電力演算を行う。
電力値取得後は、電流センサ設置状態判定部12にて、電流センサ5a,5bの設置状態の判定を行い、不揮発性メモリ13へのU相、W相ごとに判定結果の記憶を行う。
通常、非発電中であるならば、内部負荷ヒータ7をONすることで電力は商用電力系統1から分散型電源装置4方向へ供給されるため、電流センサ5a,5bが正常の方向に設置されていれば、電力演算部11で演算される電力値は正で、理想的には内部負荷ヒータ7の消費電力値に相当する電力値となるはずである。
したがって、電流センサ設置状態判定部12による設置方向の判定は、電力演算部11で演算された電力値と実施の形態3で説明した第3及び第4所定値とに基づいて以下のように行う。当該電力値が、第3所定値を越える時が、第1のステップで第1所定複数回のうち複数回連続するか判定し、かつ第2のステップで第2所定複数回のうち複数回連続するか判定し、第1のステップと第2のステップともに複数回連続すると判定した時に、設置方向は正方向と判定する。また、第4所定値未満の時が、第1のステップで第1所定複数回のうち複数回連続するか判定し、かつ第2のステップで第2所定複数回のうち複数回連続するか判定し、第1のステップと第2のステップともに複数回連続すると判定した時に、設置方向は負方向と判定する。さらに、第3所定値以下でかつ第4所定値以上である時が、第1のステップで第1所定複数回のうち複数回連続するか判定し、かつ第2のステップで第2所定複数回のうち複数回連続するか判定し、第1のステップと第2のステップともに複数回連続すると判定した時に、電流センサが異常状態にあると判定し、その情報を不揮発性メモリ13へ設置方向情報として記憶する。
なお、電流センサ設置状態判定部12は、これらの条件を満たさない限り、第1のステップと第2のステップとを繰り返す。また、所定時間内に、これらの条件が満たされない場合には、電流センサ設置状態判定部12は、LCD10に異常を報知する表示を行なう。この判定制御(判定方法)の具体例は、実施の形態8で詳しく説明する。この電流センサ5a,5bの設置状態の判定の態様は、電流センサ設置方向の判定基準として電力演算部11で演算された電力値の偏差に替えて電力演算部11で演算された電力値を用いて点を除いて、実施の形態2と同様であるので、その説明を省略する。
以降、不揮発性メモリ13に記憶された電流センサ5a,5bの設置方向情報をもとに電力演算および補正を常時行い、電力演算および補正結果をもとに、電力積算メータ9は電力の積算、LCD10は電力の表示を行う。
ここで、電力演算の方法は、電流センサ5a,5bにて電流値を取得し、電圧センサ6にて電圧値を取得して、電力演算部11にてU相、W相ごとに取得した電流値と電圧値に基づいて積分することなどにより電力演算を行うものである。
また、電力補正の方法は、U相、W相ごとに符号反転部14にて不揮発性メモリ13に記憶されている電流センサ設置情報が逆方向の時、電力演算部11で演算された電力値に(−1)を掛けることで電力値の正負符号を反転させる。
以上のように、本実施の形態において、制御手段8は、分散型電源装置4が非発電状態において内部負荷ヒータ7が動作することで電流が流れたときに、電流センサ5a,5bが検出する電流値と電圧センサ6が検出する電圧値から算出された電力値が第4所定値未満の場合、それ以降、算出する電力値の正負符号を反転させるため、需要家内負荷2の状況に関わらず、電流センサ5a,5bの設置状態を判定し、電力値の補正が可能となり、システムの信頼性を向上させることができる。
(実施の形態5)
図8は、本発明の実施の形態5における分散型電源システムのブロック図を示す。尚、分散型電源システム3は、図5の構成に加えて、設定手段であるスイッチ18を備え、制御手段8は、図5の構成に加えて、電流センサ5a,5bの設置不具合や断線、故障を判定する電流センサ異常判定部17と、時間を計測する時間計測部19を備える。
図8は、本発明の実施の形態5における分散型電源システムのブロック図を示す。尚、分散型電源システム3は、図5の構成に加えて、設定手段であるスイッチ18を備え、制御手段8は、図5の構成に加えて、電流センサ5a,5bの設置不具合や断線、故障を判定する電流センサ異常判定部17と、時間を計測する時間計測部19を備える。
また、図9は実施の形態5の分散型電源システムにおける電流センサ故障異常判定の流れを示すフローチャートである。
以上のように構成された分散型電源システム3について、以下その動作、作用について図8、図9、図3を用いて説明する。
制御手段8は、分散型電源装置4が発電開始の直前、もしくは、人為的な電流センサ5a,5bの設置方向の変更に対応するためにスイッチ18の操作や、電源投入後の電流センサ5a,5bの故障に対応するために時間計測部19により計測される時間をもとに定期的に(たとえば24時間毎に)電流センサ5a,5bの異常判定を行う。
以下、電流センサ5a,5bの異常判定方法について説明する。
制御手段8は、時間計測部19により時間計測を行なうと共に、スイッチ18の操作信号を取得する。この情報をもとに、時間計測部19による計測時間が定期的に(たとえば24時間毎に)、もしくは、スイッチ18より電流センサ5a,5bの異常判定実施指令に相当する信号を受信したら(本実施の形態では、スイッチ18は通常LOW信号を出力し、異常判定を行なうために押されたらHI信号を出力する)、時間計測部19の時間計測をクリアする共に、現在の電力値を取得し(電力演算は、図3に示す)、揮発性メモリ16にその電力値を記憶する。そして、内部負荷ヒータ制御部15にてスイッチ7aを介して内部負荷ヒータ7をONする。
内部負荷ヒータ7をONした後は、電流センサ異常判定部17にて、再び、現在の電力値(電力演算は、図3に示す)を取得し、取得した電力値と揮発性メモリ16に記憶する電力値をもとに電流センサ5a,5bの異常判定を行う。
ここで、分散型電源装置4が非発電・発電状態、もしくは発電状態であっても非逆潮流・逆潮流に関わらず、電流センサ5a,5bの設置不具合、断線、故障があれば、内部負荷ヒータ7のON直前と直後の2つの電力値の差(本実施の形態では、電力値の差=内部負荷ヒータ7のON直後の電力値−内部負荷ヒータ7のON直前の電力値とする)は理想的には0となる。
したがって、電流センサ異常判定部17による異常判定は、電流センサ5a,5bと電圧センサ6の測定誤差を考慮し、2つの電力の差が所定値(本実施の形態では−100W〜100W)以内の時は電流センサ5a,5bの異常と判定する。
電流センサ5a,5bの異常判定終了後は、内部負荷ヒータ制御部15にてスイッチ7aを介して内部負荷ヒータ7をOFFするとともに、電流センサ5a,5bに異常がある場合は、LCD10へ異常情報を通知すると共に、LCD10にて電流センサの異常表示を行う。
以上のように、本実施の形態において、制御手段8は、内部負荷ヒータ7が動作する直前と直後の電流センサ5a,5bが検出する電流値と電圧検出手段が検出する電圧値に基づいて算出する電力値の偏差が所定値以内の場合、前記電流センサが異常状態にあると判定し、LCD10は、制御手段8が、電流センサ5a,5bが異常状態にあると判定した場合、異常報知することで、設置工事・メンテ作業時は電流センサ5a,5bの設置不具合を、システム設置後は電流センサ5a,5bの断線・故障などを知ることが可能となり、設置工事・メンテ作業、およびシステムの信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態5において、制御手段8は、スイッチ18からの操作指令をもとに内部負荷ヒータ7を動作させるため、設置工事・メンテ作業時において、いつでも電流センサ5a,5bの設置状態の判定および電力値の補正、電流センサ5a,5bの断線・脱落等設置不具合による異常を検出することが可能となり、設置工事・メンテ作業をスムーズに行うことができる。
また、本実施の形態5おいて、制御手段8は、時間計測を計測し、定期的に内部負荷ヒヒータ7を動作させるため、定期的に電流センサ5a,5bの設置方向の判定および電力値の補正、電流センサ5a,5bの故障、断線・脱落等などの異常を検出することが可能となり、システムの信頼性を向上させることができる。
(実施の形態6)
上記実施の形態1乃至4では、制御手段8は、1つのステップにおいて、判定制御の判定結果が「複数連続して」同じになった場合に、同じになった判定結果を当該ステップとしての判定結果として決定する。これに対し、本発明の実施の形態6では、1つのステップにおいて、判定制御の判定結果が「一定回数以上」同じになった場合に、同じになった判定結果を当該ステップとしての判定結果として決定する。ここで、「一定回数以上」同じである判定が連続している場合は、実施の形態1乃至4と同じであるが、「一定回数以上」同じである判定が断続している場合も含む点で、本実施の形態は実施の形態1乃至4と異なる。
上記実施の形態1乃至4では、制御手段8は、1つのステップにおいて、判定制御の判定結果が「複数連続して」同じになった場合に、同じになった判定結果を当該ステップとしての判定結果として決定する。これに対し、本発明の実施の形態6では、1つのステップにおいて、判定制御の判定結果が「一定回数以上」同じになった場合に、同じになった判定結果を当該ステップとしての判定結果として決定する。ここで、「一定回数以上」同じである判定が連続している場合は、実施の形態1乃至4と同じであるが、「一定回数以上」同じである判定が断続している場合も含む点で、本実施の形態は実施の形態1乃至4と異なる。
本実施の形態によっても、電流センサの設置状態を確実に判定することができる。
(実施の形態7)
上記実施の形態2乃至4では、制御手段8は、1つのステップにおいて、判定制御の判定結果が「複数連続して」同じになった場合に、同じになった判定結果を当該ステップとしての判定結果として決定する。これに対し、本発明の実施の形態7では、1つのステップにおいて、判定制御の判定結果が「一定割合以上」同じになった場合に、同じになった判定結果を当該ステップとしての判定結果として決定する。ここで、「一定割合以上」同じである判定が連続している場合は、実施の形態1乃至4と同じであるが、「一定回数以上」同じである判定が断続している場合も含む点で、本実施の形態は実施の形態1乃至4と異なる。
上記実施の形態2乃至4では、制御手段8は、1つのステップにおいて、判定制御の判定結果が「複数連続して」同じになった場合に、同じになった判定結果を当該ステップとしての判定結果として決定する。これに対し、本発明の実施の形態7では、1つのステップにおいて、判定制御の判定結果が「一定割合以上」同じになった場合に、同じになった判定結果を当該ステップとしての判定結果として決定する。ここで、「一定割合以上」同じである判定が連続している場合は、実施の形態1乃至4と同じであるが、「一定回数以上」同じである判定が断続している場合も含む点で、本実施の形態は実施の形態1乃至4と異なる。
本実施の形態によっても、電流センサの設置状態を確実に判定することができる。
(実施の形態8)
本発明の実施の形態8では、実施の形態1乃至4、6、7のいずれかにおいて、異常を報知する報知手段をさらに有し、制御手段8は、複数回の判定制御に基づいて電流センサ5a,5bの設置状態の最終的な判定を決定し、当該最終的な判定を所定時間内に決定することができなかった場合、報知手段を制御して異常報知する。所定時間は、例えば分散電源装置4の立ち上げ時間等を考慮して、適宜、設定される。異常報知手段は、例えば、LCD10であっても、スピーカ、警報ランプ、その他の異常報知機器(図示せず)であってもよい。
本発明の実施の形態8では、実施の形態1乃至4、6、7のいずれかにおいて、異常を報知する報知手段をさらに有し、制御手段8は、複数回の判定制御に基づいて電流センサ5a,5bの設置状態の最終的な判定を決定し、当該最終的な判定を所定時間内に決定することができなかった場合、報知手段を制御して異常報知する。所定時間は、例えば分散電源装置4の立ち上げ時間等を考慮して、適宜、設定される。異常報知手段は、例えば、LCD10であっても、スピーカ、警報ランプ、その他の異常報知機器(図示せず)であってもよい。
本実施の形態により、設置工事・メンテ作業時は電流センサの取付け方向ミス・断線・脱落等設置不具合を知らせ、システム設置後は電流センサの断線・脱落等故障を知らせることが可能となり、設置工事・メンテ作業、およびシステムの信頼性を向上させることができる。
(実施の形態9)
本発明の実施の形態9は、実施の形態1乃至4、6乃至8のいずれかにおいて、制御手段8は、電流センサ5a,5bの設置状態が正しいと決定した根拠となる判定制御の間隔を記憶手段(図示せず)に記憶し、次回に判定制御を行う際のデフォルト間隔とする。
本発明の実施の形態9は、実施の形態1乃至4、6乃至8のいずれかにおいて、制御手段8は、電流センサ5a,5bの設置状態が正しいと決定した根拠となる判定制御の間隔を記憶手段(図示せず)に記憶し、次回に判定制御を行う際のデフォルト間隔とする。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造および/または機能の詳細を実質的に変更できる。
以上のように、本発明にかかる分散型電源システムは、内部負荷で交流電力を消費させ、確実に商用電力系統から分散型電源装置へ電力を供給することで、需要家内負荷の状況に関わらず、電流センサの設置状態を判定し、電力値の補正が可能となり、システムの信頼性を向上させることができるため、燃料電池装置、太陽光発電装置、風力発電装置、太陽熱発電装置のような分散型電源装置等の用途にも適用することができる。
1 商用電力系統
2 需要家内負荷
3 分散型電源システム
4 分散型電源装置
5a,5b 電流センサ
6 電圧センサ
7 内部負荷ヒータ
7a スイッチ
8 制御手段
9 電力積算メータ
10 LCD(報知手段)
11 電力演算部
12 電流センサ設置状態判定部
13 不揮発性メモリ
14 符号反転部
15 ヒータ制御部
16 揮発性メモリ
17 電流センサ異常判定部
18 スイッチ(設定手段)
2 需要家内負荷
3 分散型電源システム
4 分散型電源装置
5a,5b 電流センサ
6 電圧センサ
7 内部負荷ヒータ
7a スイッチ
8 制御手段
9 電力積算メータ
10 LCD(報知手段)
11 電力演算部
12 電流センサ設置状態判定部
13 不揮発性メモリ
14 符号反転部
15 ヒータ制御部
16 揮発性メモリ
17 電流センサ異常判定部
18 スイッチ(設定手段)
第12の発明は、第1〜11の発明のいずれか1つの発明において、前記内部負荷および前記需要家内負荷の少なくとも一方に前記商用電力系統より供給される電力の電圧を検出する電圧検出器をさらに備え、前記制御器は、前記判定制御において、前記内部負荷の動作の直前の前記電流センサの検出値と前記電圧検出器の検出値とから算出する電力値と前記内部負荷の動作の直後の前記電流センサの検出値と前記電圧検出器の検出値とから算出する電力値との偏差が正の電力値である第1所定値以下でかつ負の電力値である第2所定値以上である場合に前記電流センサが異常状態にあると判定し、前記電力値が前記第2所定値未満である場合に前記電流センサの設置方向が逆になっていると判定し、前記電力値が前記第1所定値を越える場合に前記電流センサの設置方向が正しいと判定する、分散型電源システムである。ここで、電流センサが異常状態とは、電流センサが故障している、電線から外れている、断線しているなど、正常に電流を検知できない状態をいう。
Claims (17)
- 商用電力系統と連系して需要家内負荷に電力を供給する分散型電源装置と、前記商用電力系統より電力が供給される内部負荷と、前記内部負荷および前記需要家内負荷よりも前記商用電力系統側の電流の大きさと前記電流の向きを検出する電流センサと、制御器と、を有し、
前記制御器は、前記分散型電源装置が電力を出力していない場合に前記内部負荷を動作させ、前記電流センサの検出値に基づいて前記電流センサの設置状態を判定する判定制御を複数回行い、かつ、前記複数の判定制御を行う間隔の少なくとも1つを他の間隔の整数倍以外の間隔にして前記判定制御を行う、
分散型電源システム。 - 前記制御器は、前記判定制御を行う間隔を整数倍以外の間隔で複数回変更しながら前記判定制御を行う、
請求項1に記載の分散型電源システム。 - 前記制御器は、前記判定制御を第1の間隔で複数回行う第1のステップと、前記判定制御を第2の間隔で複数回行う第2のステップと、を実行し、各ステップ毎に各ステップにおける前記複数回の判定制御に基づいて各ステップとしての前記電流センサの設置状態の判定結果を決定し、かつ、前記第2の間隔の少なくとも1つを、前記第1の間隔の整数倍以外の間隔とするように前記第2のステップを実行する、
請求項1に記載の分散型電源システム。 - 前記制御器は、前記第2の間隔を全て等しくするように前記第2のステップを実行する、
請求項3に記載の分散型電源システム。 - 前記制御器は、最後の複数回のステップで決定される各ステップとしての判定結果が同じになるまで、前記第1および第2のステップを実行する、
請求項3または4に記載の分散型電源システム。 - 前記制御器は、各ステップで決定される各ステップとしての判定結果が一定回数以上同じになるまで、前記第1および第2のステップを実行する、
請求項3または4に記載の分散型電源システム。 - 前記制御器は、各ステップで決定される各ステップとしての判定結果が一定割合以上同じになるまで、前記第1および第2のステップを実行する、
請求項3または4に記載の分散型電源システム。 - 前記制御器は、前記第1および第2のステップを交互に実行する、
請求項5〜7のいずれか1項に記載の分散型電源システム。 - 前記第1または第2のステップにおいて、前記判定制御の判定結果が一定回数以上同じになった場合に、同じになった判定結果を当該ステップとしての判定結果として決定する、
請求項3〜8のいずれか1項に記載の分散型電源システム。 - 前記第1または第2のステップにおいて、前記判定制御の判定結果が一定割合以上同じになった場合に、同じになった判定結果を当該ステップとしての判定結果として決定する、
請求項3〜8のいずれか1項に記載の分散型電源システム。 - 前記制御器は、前記判定制御を行う間隔を整数倍以外の間隔に連続して変更しながら、前記判定制御を複数回行う、
請求項1に記載の分散型電源システム。 - 前記内部負荷および前記需要家内負荷の少なくとも一方に前記前記商用電力系統より供給される電力の電圧を検出する電圧検出器をさらに備え、
前記制御器は、前記判定制御において、前記内部負荷の動作の直前の前記電流センサの検出値と前記電圧検出器の検出値とから算出する電力値と前記内部負荷の動作の直後の前記電流センサの検出値と前記電圧検出器の検出値とから算出する電力値との偏差が正の電力値である第1所定値以下でかつ負の電力値である第2所定値以上である場合に前記電流センサが異常状態にあると判定し、前記電力値が前記第2所定値未満である場合に前記電流センサの設置方向が逆になっていると判定し、前記電力値が前記第1所定値を越える場合に前記電流センサの設置方向が正しいと判定する、
請求項1〜11のいずれか1項に記載の分散型電源システム。 - 前記内部負荷および前記需要家内負荷の少なくとも一方に前記前記商用電力系統より供給される電力の電圧を検出する電圧検出器をさらに備え、
前記制御器は、前記判定制御において、前記電流センサの検出値と前記電圧検出器の検出値とから算出する電力値が正の電力値である第3所定値以下でかつ負の電力値である第4所定値以上である場合に前記電流センサが異常状態にあると判定し、前記電力値が前記第4所定値未満である場合に前記電流センサの設置方向が逆になっていると判定し、前記電力値が前記第3所定値を超える場合に前記電流センサの設置方向が正しいと判定する、
請求項1〜11のいずれか1項に記載の分散型電源システム。 - 前記制御器は、前記複数回の判定制御に基づいて前記電流センサの設置方向が逆になっていると決定した場合に、前記電流センサの検出値と前記電圧センサの検出値とから算出する電力値の符号を反転させて出力する、
請求項12または13に記載の分散型電源システム。 - 異常を報知する報知手段をさらに有し、
前記制御器は、前記複数回の判定制御に基づいて前記電流センサの設置状態の最終的な判定を決定し、当該最終的な判定を所定時間内に決定することができなかった場合、前記報知手段を制御して異常報知する、
請求項1〜14のいずれか1項に記載の分散型電源システム。 - 前記制御器は、前記判定制御を第1の間隔で複数回行う第1のステップを実行し、当該第1のステップにおける前記複数回の判定制御に基づいて前記電流センサの設置方向が正しいか否かを決定し、前記電流センサの設置方向が決定した場合には前記判定制御を終了し、前記電流センサが異常状態にあると決定した場合には、少なくとも1つが前記第1の間隔の整数倍以外の間隔である第2の間隔で前記判定制御を複数回行う第2のステップを実行し、当該第2のステップにおける前記複数回の判定制御に基づいて前記電流センサの設置方向が正しいかあるいは逆になっているかを決定する、
請求項12または13に記載の分散型電源システム。 - 前記制御器は、前記電流センサの設置方向が決定した根拠となる判定制御の間隔を、次回の前記複数の判定制御を行う際のデフォルト間隔とする、請求項15に記載の分散型電源システム。
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