JPWO2011065363A1 - 雰囲気調整剤組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明による雰囲気調整剤組成物は、以下の成分:(a)アスコルビン酸類と、(b)水と、(c)多孔性担体と、(d)アルデヒド除去剤と、(e)遷移金属触媒、及び/又はアルカリ土類金属水酸化物とを含んでなる、細胞培養用の雰囲気調整剤組成物であって、該アルデヒド除去剤が、エチレン尿素、尿素、アルギニン、リジン塩酸塩、及びポリアリルアミンからなる群より選択される1種又は2種以上のものである。本発明によれば、酸素吸収能や二酸化炭素発生能に悪影響を与えることなく、アルデヒドの発生を抑制できる雰囲気調整剤組成物を提供することができる。

Description

関連出願の参照
本願は、先行する日本国特許出願である特願2009−266276号(出願日:2009年11月24日)及び特願2009−266277号(出願日:2009年11月24日)に基づくものであって、その優先権の利益を主張するものであり、その開示内容全体は参照することによりここに組み込まれる。
本発明は、アルデヒド除去能を有する雰囲気調整剤組成物及びそれを通気性包装材料で包装してなる雰囲気調整剤包装体に関する。また、該包装体を使用した細胞培養方法に関する。
生物、生殖、バイオテクノロジーの研究分野または産業分野において実施される組織・細胞のような生物試料の培養では大気雰囲気と異なるガス雰囲気が必要とされる。一般に細胞を培養する際には、培養液中の細胞を好適な培養温度で一定に維持するとともに培養液のpHも一定に維持する必要がある。一般的に用いられている二酸化炭素―炭酸水素ナトリウムのpH緩衝系を利用した培養液の場合、通常、pH7.4に保持するために二酸化炭素濃度を5容量%程度にすることが必要とされている。
また、近年では、多くの研究分野で細胞の低酸素培養が注目されている。具体的には生体内と同様の低酸素雰囲気下で細胞培養を行うことで、生体内と同様の生化学反応や血管新生に関連した低酸素誘導因子(HIF)などの遺伝子を誘導したり、細胞の増殖・分化を促進したりする効果が確認されている。また、血流の停止による臓器不全を再現する虚血再灌流実験モデルでも細胞や組織を一定時間無酸素下に置くことで細胞内での機序が詳細に研究されている。さらに、ヒト細胞を用いた薬剤感受性試験では無酸素下で還元雰囲気を作り出して薬剤代謝試験が実施されている。
このような生物試料の培養では、所定のガス雰囲気を炭酸ガスインキュベーターやマルチガスインキュベーター(以下「炭酸ガスインキュベーター等」と表記することがある)を用いて作成し、その中に入れた通気性のある培養容器で細胞培養を行う。この際、培養容器としては、一般にマルチウェルプレートやフラスコ、シャーレ、チャンバースライド、培養バッグ等が使用される。
複数の試料を並行して取り扱う場合に異種試料の混入(クロスコンタミネーション:交差汚染)の危険性が常に存在する。炭酸ガスインキュベーター等の内部に多数の試料を共存させることでクロスコンタミネーションの危険性が高まることが懸念されている。そのため複数の試料室を有する炭酸ガスインキュベーター等が開発されているが、高価につくことから導入できる施設が制限される。また高圧ガスの管理上の問題から炭酸ガスインキュベーター等の導入が制限されることもある。
上記の理由から、所定のガス雰囲気を形成するために炭酸ガスインキュベーター等に代わって、密閉容器とそれに投入する雰囲気調整剤とを利用する方法も用いられる。従来、雰囲気調整剤を用いて嫌気培養や微好気培養をする際には、水と水素化ホウ素ナトリウムを主剤とした雰囲気調整剤が多用されてきた。近年、安全性と作動の確実性から雰囲気調整剤の主流はアスコルビン酸を主剤とした製品に移行してきている。
アスコルビン酸類を主剤とした酸素吸収剤は、例えば特開平10−314581号公報(文献1)に開示されているように、アスコルビン酸類、金属塩、活性炭及び水を混合して得ることができる。また、特開平10−327845号公報(文献2)に開示されているように、アルカリ土類金属水酸化物の配合によって、発生する二酸化炭素の量、ひいては一定容積の容器内の二酸化炭素濃度をコントロールすることが可能である。さらに、特開平09−252766号公報(文献3)に開示されているように、対象とする生物材料に応じて適当な酸素、二酸化炭素濃度を形成しうる雰囲気調整剤が開発され使用されてきた。
雰囲気調整剤を用いた食品の保存分野において、アセトアルデヒドは、食品劣化に伴って、または鉄系の脱酸素剤とエタノールを併用した際にエタノールの酸化によって、発生することが知られ、これを除去するアセトアルデヒド除去能を付与した脱酸素剤が開発されている(特開昭62−40273号公報(文献4)。しかしながら、保存対象物からのアルデヒド発生が無く、かつ雰囲気調整剤とエタノールを併用しない場合、雰囲気調整剤の使用によってアルデヒドが発生する事は知られていなかった。また、雰囲気調整剤を用いた細胞培養の分野においては、本発明者らの知る限り、アルデヒドが細胞培養に及ぼす影響について検討はなされていない。
本出願人は、これまで細胞培養の分野では、例えば、特開平9−252766号公報のように、低酸素濃度環境の調整方法などを提案している。
本発明者らは今般、以下のことを見出した。
上記したような雰囲気調整剤を用いてガスバリア性容器内を細胞の培養にとって好適とされるガス雰囲気に保持し、該容器内で細胞培養を行っても、炭酸ガスインキュベーター等を用いて同ガス雰囲気を実現して同細胞の培養を行ったときと比較して、培養成績が悪化する事例があることを発見した。例えば、上記文献1〜3に記載の雰囲気調整剤では、酸素吸収に伴い微量の副生成分を発生させることがあり、そのような一般の保存対象物に対しては影響を及ぼさないと考えられる微量の副生成分が、対象とする生物種の成育に影響を与える場合があり得る。そこで、本発明者らは、前記の培養成績の悪化の原因を鋭意、調査し検討したところ、その原因が雰囲気調整剤由来の副生成分の影響によるものであることを見出した。さらに本発明者らは、調査および検討を進め、その副生成分がアルデヒドであることを今回、予想外にも見出した。
本発明者らは、鋭意検討研究を行った結果、雰囲気調整剤に特定のアルデヒド除去剤を配合することで、雰囲気調整剤が本来有する酸素吸収能や二酸化炭素発生能に悪影響を与えることなく、アルデヒドの発生を抑制することに成功した。
本発明はこれらの知見に基づくものである。
従って本発明は、副生成分の発生を抑制した雰囲気調整剤組成物、雰囲気調整剤包装体及び該包装体を用いた細胞培養方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、下記成分:
(a)アスコルビン酸類と、
(b)水と、
(c)多孔性担体と、
(d)アルデヒド除去剤と、
(e)遷移金属触媒、及び/又はアルカリ土類金属水酸化物と
を含んでなる、細胞培養用の雰囲気調整剤組成物であって、
該アルデヒド除去剤が、エチレン尿素、尿素、アルギニン、リジン塩酸塩、又はポリアリルアミンである、雰囲気調整剤組成物に関する。
本発明の好ましい第一の態様によれば、本発明の雰囲気調整剤組成物において、成分(e)として、遷移金属触媒と、2種以上のアルカリ土類金属水酸化物とを含んでなる。
前記第一の態様において、より好ましくは、使用するアルカリ土類金属水酸化物は、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムである。
前記第一の態様において、さらに好ましくは、本発明の雰囲気調整剤組成物は、
成分(a)としてのアスコルビン酸類を、100質量部と、
成分(b)としての水を、100〜200質量部と、
成分(c)としての多孔性担体を、50〜400質量部と、
成分(d)としてのアルデヒド除去剤を、0.5〜25質量部と、
成分(e)としての遷移金属触媒を、5〜25質量部と、水酸化マグネシウムを、1〜10質量部と、水酸化カルシウムを20〜40質量部と
を含んでなるものであって、
該組成物をガスバリア性密閉容器内に収納することにより、該密閉容器内の酸素濃度を0.1容量%以下とし、かつ二酸化炭素濃度を2〜10容量%に調節可能であるものである。
本発明の好ましい第二の態様によれば、本発明の雰囲気調整剤組成物において、成分(e)として、アルカリ土類金属水酸化物のみを含んでなる。
前記第二の態様において、より好ましくは、本発明の雰囲気調整剤組成物は、
成分(a)としてのアスコルビン酸類を、100質量部と、
成分(b)としての水を、100〜200質量部と、
成分(c)としての多孔性担体を、50〜400質量部と、
成分(d)としてのアルデヒド除去剤を、0.5〜25質量部と、
成分(e)としてのアルカリ土類金属水酸化物を、20〜55質量部と
を含んでなるものであって、
該組成物をガスバリア性密閉容器内に収納することにより、該密閉容器内の酸素濃度を1〜7容量%とし、かつ二酸化炭素濃度を2〜10容量%に調節可能であるものである。
本発明の好ましい第三の態様によれば、本発明の雰囲気調整剤組成物において、成分(e)として、遷移金属触媒を含み、かつ、成分(f)としての炭酸塩をさらに含んでなる。
前記第三の態様において、より好ましくは、本発明の雰囲気調整剤組成物は、
成分(a)としてのアスコルビン酸類を、100質量部と、
成分(b)としての水を、100〜200質量部と、
成分(c)としての多孔性担体を、50〜400質量部と、
成分(d)としてのアルデヒド除去剤を、0.5〜25質量部と、
成分(e)としての遷移金属触媒を、5〜25質量部と、
成分(f)としての炭酸塩を、10〜70質量部と
を含んでなるものであって、
該組成物をガスバリア性密閉容器内に収納することにより、該密閉容器内の酸素濃度を12〜18容量%とし、かつ二酸化炭素濃度を2〜10容量%に調節可能であるものである。
遷移金属触媒または炭酸塩を配合した場合、酸化反応の進行を促進することが出来るという利点がある。アルカリ土類金属水酸化物を配合した場合は、雰囲気調整剤の二酸化炭素濃度の調節が、これを配合しない場合に比べてより容易となる利点がある。
本発明の一つのより好ましい態様によれば、本発明による雰囲気調整剤組成物は、熱可塑性樹脂をさらに含んでなる。
また、本発明の雰囲気調整剤組成物においては、上記成分(c)の多孔性担体が活性炭であることが好ましい。
この場合、活性炭の有する蓄熱性や比表面積の大きさから、雰囲気調整剤組成物の酸素吸収性能をより高められるという利点を有する。
また本発明は、前記雰囲気調整剤組成物を、通気性包装材を全部または一部に用いた包装材で包装してなる雰囲気調整剤包装体に関する。
本発明の雰囲気調整剤組成物及び雰囲気調整剤包装体によれば、雰囲気調整剤が本来有する酸素吸収能や二酸化炭素発生能に悪影響を与えることなく、アルデヒドの発生を抑制することが可能となり、アルデヒドの存在によって成育が阻害される生物試料、例えば細胞等を効率的かつ簡便に培養することが可能となる。
さらに本発明は、前記雰囲気調整剤包装体と、細胞及び培地を収容した培養容器とを、ガスバリア性密閉容器内に設置し、これにより該密閉容器内の二酸化炭素濃度を2〜10容量%として細胞を培養することを含んでなる細胞培養方法に関する。ここで、好ましくは、培地中に溶け込むアルデヒドの濃度を2mg/L以下にする。
なお本発明の別の態様として下記ものも挙げられる:
(1)アスコルビン酸類、遷移金属触媒、水、多孔性担体及びエチレン尿素を含有する雰囲気調整剤組成物;
(2)さらに炭酸塩又はアルカリ金属土類水酸化物を含有する、前記(1)の雰囲気調整剤組成物;
(3)アスコルビン酸類、遷移金属触媒、水、多孔性担体及びアルデヒド除去剤を含有する雰囲気調整剤組成物であって、該アルデヒド除去剤が尿素、アルギニン、リジン塩酸塩、又はポリアリルアミンである雰囲気調整剤組成物;及び
(4)さらに炭酸塩又はアルカリ金属土類水酸化物を含有する、前記(3)の雰囲気調整剤組成物。
この細胞培養方法によれば、密閉容器内のガス雰囲気が二酸化炭素濃度が2〜10容量%というガス雰囲気を、購入・導入が容易ではない炭酸ガスインキュベーター等の機器を用いることなく、雰囲気調整剤包装体を用いて実現することが可能となる。したがって、本発明によれば、安価かつ簡便に細胞を培養するガス雰囲気を提供可能となり、しかも該包装体はアルデヒドの副生が抑制されているため、培養成績の悪化も見られず、炭酸ガスインキュベーター等を使用した場合と同等の培養結果を得ることが出来る。よって、本発明の雰囲気調整剤は、炭酸ガスインキュベーターを使用した場合と同等の細胞培養結果を得ることができる、簡便且つ経済的な細胞培養を可能にする。
本発明によれば、雰囲気調整剤が本来有する酸素吸収能や二酸化炭素発生能に悪影響を与えることなく、アルデヒドの発生を抑制できる雰囲気調整剤組成物、雰囲気調整剤包装体及び該包装体を用いた細胞培養方法を提供することが出来る。細胞培養を行う雰囲気において、アルデヒドの発生を抑制できることは、細胞培養を行う上で、アルデヒドによる細胞培養阻害を抑制でき、培養を有利に行うことができる。
発明の具体的説明
[雰囲気調整剤組成物]
以下、本発明による雰囲気調整剤組成物について詳細に説明する。
すなわち、本発明による雰囲気調整剤組成物は、前記したように、下記成分:
(a)アスコルビン酸類と、
(b)水と、
(c)多孔性担体と、
(d)アルデヒド除去剤と、
(e)遷移金属触媒、及び/又はアルカリ土類金属水酸化物と
を含んでなるものであって、細胞培養に用いるものである。
(a) アスコルビン酸類
本発明の雰囲気調整剤組成物には、酸素吸収成分としてアスコルビン酸類が配合される。アスコルビン酸類とは、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸カルシウム、D−iso−アスコルビン酸ナトリウムなど、L−アスコルビン酸とその立体異性体並びにその塩及び水和物を意味する。アスコルビン酸類としては、当該化合物を単体若しくは混合物で使用することが出来る。また、アスコルビン酸類を水に溶解させて水溶液とし、活性炭等の多孔性担体に含浸させて雰囲気調整剤組成物に配合させることが酸素吸収性能の観点から好ましい。その際、アスコルビン酸類の水溶液の濃度が高い方が、多孔性担体の使用量を少なくすることができるため、アスコルビン酸類の濃度は、できるだけ飽和溶解度に近い濃度にすることが好ましい。このためアスコルビン酸類としては水に対する溶解度が高い化合物を選択することが好ましく、具体的にはL−アスコルビン酸ナトリウムが好ましい。L−アスコルビン酸ナトリウムを使用した場合、該水溶液の濃度を40〜55質量%とすることが好適である。
雰囲気調整剤においては、アスコルビン酸類の酸化反応を利用して雰囲気中の酸素を吸収してその濃度を調整すると共に、発生する二酸化炭素を利用して雰囲気中の二酸化炭素濃度を調整する。なお、当該酸化反応においては、理論上、消費された酸素分子と等モルの二酸化炭素が生成する。上記の原理のため、酸素濃度を低減させるとそれに伴って二酸化炭素濃度も増加することとなるが、雰囲気調整剤組成物中に二酸化炭素吸収能を有する化合物、例えばアルカリ土類金属水酸化物を配合すると、二酸化炭素の増加を抑制することも可能である。また逆に、二酸化炭素発生能を有する化合物を雰囲気調整剤組成物中に配合すれば、酸素の減少分以上の二酸化炭素を発生させることも可能である。このように本発明の雰囲気調整剤においては、雰囲気調整剤組成物の配合成分・配合量を適宜選択し、酸化反応の進行度合いや生じる二酸化炭素量を調節することによって、特定雰囲気下を所望の酸素・二酸化炭素濃度に調整することができる。
(b) 水
本発明の雰囲気調整剤組成物には、アスコルビン酸類の酸化反応の進行に必須となる水が配合される。雰囲気調整剤組成物に配合する水の配合量は、アスコルビン酸類100質量部に対して、100〜200質量部が好ましく、110〜180質量部がより好ましく、120〜180質量部がさらに好ましい。この場合、配合量が上記範囲を外れる場合に比べて、雰囲気調整剤組成物が酸素を吸収する速度をより速めることができる。水を配合する際は、後記する多孔性担体に含浸させる態様を取ることが、組成物を流動性のある固形物として調製できるという観点から好ましい。また、水にアスコルビン酸類をはじめとする可溶性成分を溶解させて配合させてもよく、不溶性成分を分散させて配合させてもよい。
(c) 多孔性担体
本発明の雰囲気調整剤組成物には、多孔性担体が配合される。多孔性担体は、前記のように水を含浸させる担体としての機能を有する。多孔性担体としては、活性炭、珪藻土、シリカゲル、ゼオライト、パーライト、珪酸カルシウム、軽石、セルロース、活性白土、アルミナ、ヒドロキシアパタイト、多孔質樹脂、多孔質ガラス等が例示できるが、中でも活性炭が好ましい。
雰囲気調整剤組成物に配合する多孔性担体の配合量は、アスコルビン酸類100質量部に対して50〜400質量部が好ましく、75〜300質量部がより好ましい。この場合、配合量が上記範囲を外れる場合に比べて、流動性が向上するため、雰囲気調整剤組成物の充填性をより高めることが出来る。
多孔性担体として活性炭を用いると、その蓄熱性のため酸化反応の進行を促進させることが可能となる。また、アスコルビン酸類を水に溶解させ、該水溶液を活性炭に含浸させて雰囲気調整剤組成物とすると、その比表面積の大きさから、空気との接触面積を大きくすることができ、さらに酸化反応の進行を促進させることが可能となる。活性炭としては、例えば、おが粉、石炭、椰子殻等を原料として水蒸気賦活、塩化亜鉛等を用いた薬剤賦活等の各種製法で製造されたものを用いることができる。なかでも流動性が良好であるという理由から粒子径が0.1mm〜2mm、好ましくは0.5〜1mmの粒状活性炭が好ましい。
(d) アルデヒド除去剤
本発明の雰囲気調整剤組成物には、主にアスコルビン酸類の酸化反応の進行に伴って副生するアルデヒドを除去するために、アルデヒド除去剤が配合される。アルデヒド除去能を有する化合物としてはアミン類等、種々のものが公知であるが、アルデヒド除去能が充分であり、刺激臭の発生も見られず、少量で高い効果を発揮するエチレン尿素、尿素、アルギニン、リジン塩酸塩またはポリアリルアミンを配合することが好ましく、より少量で効果の高いエチレン尿素がより好ましい。
本明細書で言うアルデヒドとは、その分子内に1つ以上のホルミル基を有する化合物、すなわち、アルデヒド類を意味する。本発明においては、典型的には、酸素吸収又は細胞培養の過程で副生成分として発生するアルデヒドを意味し、該アルデヒドとしては、細胞培養に悪影響を及ぼす限り化学分野においてアルデヒド類に分類されるものであればいずれのものを包含される。具体的には、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、などが包含される。
ガスバリア性密閉容器内にアルデヒド除去剤を投入する方法としては、アルデヒド除去剤を充填した包装体を雰囲気調整剤とは別個の包装体として投入する方法の他、雰囲気調整剤に固体のまま直接配合する方法、アスコルビン酸類と共に水に溶解させて水溶液とし、多孔性担体に含浸させて雰囲気調整剤と混合する方法のいずれを選択してもよいが、経済性、分散性の点から多孔性担体に含浸させて雰囲気調整剤と混合する方法が好ましい。この場合、アルデヒド除去剤やアスコルビン酸類の水に対する溶解性、水溶液の粘度、水及び多孔性担体の配合量、水溶液を含浸した多孔性担体の流動性、経済性等を考慮すると、アルデヒド除去剤の配合量は所望の性能を発揮する範囲内でより少ない方が好ましい。
アルデヒド除去剤の配合量は、アスコルビン酸類100質量部に対して0.5〜25質量部が好ましく、1.0〜10質量部がより好ましく、1.0〜5.0質量部がさらに好ましい。この場合、配合量が上記範囲を外れる場合に比べて、雰囲気調整剤組成物がアルデヒドを除去する能力をより高めることができると共に、経済性を高めることが出来る。
本発明の細胞培養方法においては、ガスバリア性密閉容器内に、蒸留水10mLを収容した開放型の容器を設置した場合に、培養期間中、該蒸留水中へ移行するアルデヒド濃度が2.0mg/L以下が好ましく、1.5mg/L以下がより好ましく、1mg/L以下がさらに好ましい。
(e) 遷移金属触媒及び/又はアルカリ土類金属水酸化物
本発明の雰囲気調整剤組成物は、さらに、成分(e)として、遷移金属触媒及び/又はアルカリ土類金属水酸化物を含んでなる。ここで、遷移金属触媒及び/又はアルカリ土類金属水酸化物とは、遷移金属触媒及びアルカリ土類金属水酸化物の両方を含む場合、遷移金属触媒のみを含む場合、アルカリ土類金属水酸化物のみを含む場合のいずれもが包含される。
遷移金属触媒
本発明の雰囲気調整剤組成物には、必要により、アスコルビン酸類の酸化反応の進行を促進する遷移金属触媒が配合される。遷移金属触媒は、遷移金属の塩や酸化物等の金属化合物を有する触媒である。遷移金属としては、鉄、マンガン、亜鉛、銅、コバルトが好適である。遷移金属の塩としては、遷移金属のハロゲン化物及び鉱酸塩が含まれ、例えば、遷移金属の塩化物や硫酸塩である。代表例として塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化マンガン、硫酸亜鉛、硫酸銅、塩化銅、硫酸コバルトの無水塩または含水塩等が挙げられ、中でも水への溶解性がよく、配合性が良好な硫酸第一鉄の含水塩が好ましい。一方で、遷移金属触媒によるアスコルビン酸類の酸化反応の進行を促進する効果は、反応開始直後にはあまりみられず、反応開始数時間後からその効果が強まる傾向にある。したがって、低酸素雰囲気を維持したい場合には、遷移金属触媒の配合量を抑えた方が目的の酸素濃度をより安定的に維持できる。
雰囲気調整剤組成物に配合する遷移金属触媒の配合量は、アスコルビン酸類100質量部に対して、5〜25質量部が好ましく、10〜20質量部がより好ましい。この場合、配合量が上記範囲を外れる場合に比べて、雰囲気調整剤組成物が酸素を吸収する速度をより速めることができる。
アルカリ土類金属水酸化物
本発明の雰囲気調整剤組成物には、二酸化炭素濃度を調整するため、二酸化炭素吸収能を有するアルカリ土類金属水酸化物を、必要により、使用することができる。特に水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムまたはこれらの混合物が好適に用いられる。アルカリ土類金属水酸化物は、平均粒径1〜100μmの粉体が好ましく用いられ、平均粒径が2〜50μmの粉体がより好ましく用いられる。アルカリ土類金属水酸化物の配合量は、アスコルビン酸類100質量部に対して20〜120質量部配合することが好ましい。この場合、配合量が上記範囲を外れる場合に比べて、流動性が良好で包装に適する組成物に仕上げることが出来る。また、多量の二酸化炭素を短時間で吸収したい場合には、水酸化カルシウムなどの水への溶解性が高く、二酸化炭素吸収速度が速いアルカリ土類金属水酸化物が好適に用いられる。さらに、二酸化炭素の発生量は常に一定ではなく、時々刻々と変化する。例えば、酸素濃度0%、二酸化炭素濃度5%のガス雰囲気をより迅速に形成する際、雰囲気中の酸素すべてを一度に吸収させるため、反応開始直後には多量の二酸化炭素が一度に発生し、その後急速に二酸化炭素の発生量が減少する。このような場合には、二酸化炭素吸収速度が速い水酸化カルシウムと二酸化炭素吸収速度が遅い水酸化マグネシウムとを混合することが好ましい。その際の配合量は、水酸化マグネシウムをアスコルビン酸類100質量部に対して1〜10質量部、より好ましくは2〜6質量部、水酸化カルシウムをアスコルビン酸類100質量部に対して20〜40質量部、より好ましくは25〜35質量部とすることが好ましい。この場合、二酸化炭素濃度を5±1%の範囲に維持することができる。なお、アルカリ土類金属水酸化物と炭酸塩を併用すると二酸化炭素濃度の調整が困難となるため、両者を併用することは好ましくない。
(f) 炭酸塩
本発明の雰囲気調整剤組成物には、反応を迅速に進行させることを目的として、反応場をアルカリ領域に制御する炭酸塩を配合することができる。炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムの水和物等、水溶性の炭酸塩が好ましい。炭酸塩の配合量は、アスコルビン酸類100質量部に対して10〜120質量部が好ましく、10〜70質量部がより好ましく、50〜60質量部が特に好ましい。
(g) 熱可塑性樹脂
本発明の雰囲気調整剤組成物には、酸素吸収反応の進行に伴う雰囲気調整剤組成物の過度の発熱を抑制するために、雰囲気調整剤に対して熱可塑性樹脂を配合することができる。使用される熱可塑性樹脂は粒子径が1〜500μmの粒状体が好ましく、10〜300μmの粒状体が、他の配合物との混合性の観点からより好ましい。また、熱可塑性樹脂の軟化点は90〜125℃が好ましい。この場合、軟化点が上記の範囲を外れる場合に比べて、より効果的に発熱を抑制できる。熱可塑性樹脂の種類に特に制限はないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エラストマー、またはこれらの混合物が使用でき、特に分子量10000以下の低分子量ポリエチレン、ポリプロピレンまたはこれらの混合物が軟化点の調整が容易であり、臭気の影響が少ないという観点から好適に用いられる。
熱可塑性樹脂の配合量は、アスコルビン酸類100質量部に対して35〜300質量部が好ましい。
第一の態様
本発明の雰囲気調整剤組成物の第一の態様は、前記したように、本発明の雰囲気調整剤組成物において、成分(e)として、遷移金属触媒と、2種以上のアルカリ土類金属水酸化物とを含んでなるものである。より好ましくは、使用するアルカリ土類金属水酸化物は、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムであるものである。
さらに好ましくは、前記第一の態様において、本発明の雰囲気調整剤組成物は、
成分(a)としてのアスコルビン酸類を、100質量部と、
成分(b)としての水を、100〜200質量部、好ましくは110〜180質量部と、
成分(c)としての多孔性担体を、50〜400質量部、好ましくは75〜300質量部、より好ましくは100〜130質量部と、
成分(d)としてのアルデヒド除去剤を、0.5〜25質量部、好ましくは1.0〜10質量部、より好ましくは1.0〜5.0質量部と、
成分(e)としての遷移金属触媒を、5〜25質量部、好ましくは10〜20質量部と、水酸化マグネシウムを、1〜10質量部、好ましくは2〜6質量部と、水酸化カルシウムを20〜40質量部、好ましくは25〜35質量部と
を含んでなるものであって、
該組成物をガスバリア性密閉容器内に収納することにより、該密閉容器内の酸素濃度を0.1容量%以下とし、かつ二酸化炭素濃度を2〜10容量%に調節可能であるものである。ここで調整される密閉容器内の二酸化炭素濃度は、好ましくは3〜8容量%であり、より好ましくは5±1容量%である。
ここで、第一の態様の雰囲気調整剤組成物が、熱可塑性樹脂をさらに含んでなる場合には、その配合量は、アスコルビン酸類100質量部に対して35〜300質量部が好ましく、70〜150質量部がより好ましい。
第二の態様
本発明の雰囲気調整剤組成物の第二の態様は、前記したように、本発明の雰囲気調整剤組成物において、成分(e)として、アルカリ土類金属水酸化物のみを含んでなるものである。
より好ましくは、前記第二の態様において、本発明の雰囲気調整剤組成物は、
成分(a)としてのアスコルビン酸類を、100質量部と、
成分(b)としての水を、100〜200質量部、好ましくは110〜180質量部と、
成分(c)としての多孔性担体を、50〜400質量部、好ましくは75〜300質量部、より好ましくは85〜120質量部と、
成分(d)としてのアルデヒド除去剤を、0.5〜25質量部、好ましくは1.0〜10質量部、より好ましくは1.0〜5.0質量部と、
成分(e)としてのアルカリ土類金属水酸化物を、20〜55質量部、好ましくは35〜45質量部と
を含んでなるものであって、
該組成物をガスバリア性密閉容器内に収納することにより、該密閉容器内の酸素濃度を1〜7容量%とし、かつ二酸化炭素濃度を2〜10容量%に調節可能であるものである。ここで調整される密閉容器内の酸素濃度は、好ましくは1〜5容量%であり、調整される密閉容器内の二酸化炭素濃度は、好ましくは3〜8容量%であり、より好ましくは5±1容量%である。
ここで、第二の態様の雰囲気調整剤組成物が、熱可塑性樹脂をさらに含んでなる場合には、その配合量は、アスコルビン酸類100質量部に対して35〜300質量部が好ましく、40〜100質量部がより好ましい。
第三の態様
本発明の雰囲気調整剤組成物の第三の態様は、前記したように、本発明の雰囲気調整剤組成物において、成分(e)として、遷移金属触媒を含み、かつ、成分(f)としての炭酸塩をさらに含んでなるものである。
より好ましくは、前記第三の態様において、本発明の雰囲気調整剤組成物は、
成分(a)としてのアスコルビン酸類を、100質量部と、
成分(b)としての水を、100〜200質量部、好ましくは110〜180質量部と、
成分(c)としての多孔性担体を、50〜400質量部、好ましくは75〜300質量部、より好ましくは100〜130質量部と、
成分(d)としてのアルデヒド除去剤を、0.5〜25質量部、好ましくは1.0〜10質量部、より好ましくは1.0〜5.0質量部と、
成分(e)としての遷移金属触媒を、5〜25質量部、好ましくは10〜20質量部と、
成分(f)としての炭酸塩を、10〜70質量部、好ましくは50〜60質量部と
を含んでなるものであって、
該組成物をガスバリア性密閉容器内に収納することにより、該密閉容器内の酸素濃度を12〜18容量%とし、かつ二酸化炭素濃度を2〜10容量%に調節可能であるものである。ここで調整される密閉容器内の酸素濃度は、好ましくは13〜18容量%であり、より好ましくは14〜16容量%であり、調整される密閉容器内の二酸化炭素濃度は、好ましくは3〜8容量%であり、より好ましくは5±1容量%である。
ここで、第三の態様の雰囲気調整剤組成物が、熱可塑性樹脂をさらに含んでなる場合には、その配合量は、アスコルビン酸類100質量部に対して35〜300質量部が好ましく、100〜200質量部がより好ましい。
[雰囲気調整剤包装体]
雰囲気調整剤組成物は、通気性包装材を全部または一部に用いた包装材で包装することによって、雰囲気調整剤包装体とすることも出来る。
(包装材)
包装材としては、2枚の通気性包装材を貼り合わせて袋状としたものや、1枚の通気性包装材と1枚の非通気性包装材とを貼り合わせて袋状としたもの、1枚の通気性包装材を折り曲げ、折り曲げ部を除く縁部同士をシールして袋状としたものが挙げられる。
ここで、通気性包装材及び非通気性包装材が四角形状である場合には、包装材は、2枚の通気性包装材を重ね合わせ、4辺をヒートシールして袋状としたものや、1枚の通気性包装材と1枚の非通気性包装材とを重ね合わせ、4辺をヒートシールして袋状としたもの、1枚の通気性包装材を折り曲げ、折り曲げ部を除く3辺をヒートシールして袋状としたものが挙げられる。また包装材は、通気性包装材を筒状にしてその筒状体の両端部および胴部をヒートシールして袋状としたものであってもよい。
(通気性包装材)
通気性包装材としては、酸素と二酸化炭素を透過する包装材が選択される。なかでも、ガーレ式試験機法による透気抵抗度が600秒以下、より好ましくは90秒以下のものが好適に用いられる。ここで、透気抵抗度とは、JIS P8117−1998の方法により測定された値を言うものとする。より具体的には、株式会社東洋精機製作所製のガーレ式デンソメーターを使用して100mLの空気が通気性包装材を透過するのに要した時間を言う。
上記通気性包装材としては、紙や不織布の他、以下のプラスチックフィルムに通気性を付与したものが用いられる。即ちプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリカーボネート等のフィルムと、シール層としてポリエチレン、アイオノマー、ポリブタジエン、エチレンアクリル酸コポリマー、エチレンメタクリル酸コポリマーまたはエチレン酢酸ビニルコポリマー等のフィルムとを積層接着した積層フィルムなどが使用できる。また、これらの積層物も通気性包装材として使用することが出来る。
通気性を付与する方法としては、冷針、熱針による穿孔加工の他、種々の方法が採用可能である。穿孔加工により通気性を付与する場合、通気性は、穿孔する孔の径、数、材質等により自由に調節することができる。
また、積層フィルムの厚さは、50〜300μmであることが好ましく、60〜250μmであることが特に好ましい。この場合、厚さが上記範囲を外れる場合に比べて、強度を保持しヒートシール性や包装適性に優れた包装材とすることができる。
上記の雰囲気調整剤包装体はその機能を長期間維持するため、使用前はガスバリア性の容器や袋に収納し、使用するにあたりガスバリア性の容器や袋から取り出して用いることが好ましい。また、細胞培養の用途に雰囲気調整剤包装体を使用する際は、該包装体に対して予めγ線等を用いた殺菌を施すことが好ましい。
[細胞培養方法]
本発明の細胞培養方法は、雰囲気調整剤包装体並びに細胞及び培地を収容した培養容器を、ガスバリア性密閉容器内に設置し、該密閉容器内の二酸化炭素濃度を2〜10容量%、好ましくは3〜8容量%として細胞を培養するものである。また、培養温度は20〜45℃であることが好ましく、25〜40℃であることが特に好ましい。
本発明の細胞培養方法においては、培養実施前のガスバリア性容器内の雰囲気は特に制御する必要はなく、例えば空気でも良い。ガスバリア性容器内に空気を充填し、吸収した酸素と等容量の二酸化炭素を発生する雰囲気調整剤組成物(好ましくは、第三の態様の組成物)を用いて本発明の細胞培養方法を実施した際は、二酸化炭素濃度を2〜10容量%とすれば、酸素濃度は11〜19容量%程度となり、二酸化炭素濃度を3〜8容量%とすれば、酸素濃度は13〜18容量%程度となる。
ただし、本発明のガス雰囲気調整剤を用いた細胞培養方法において、酸素濃度を特に限定するものではない。一般的な細胞培養では、炭酸ガスインキュベーター等を用いて、インキュベーター内の二酸化炭素濃度を5容量%程度に設定して実施されている。その際、酸素濃度の直接的制御を行わなければ、空気中の二酸化炭素濃度の増加に伴い、酸素濃度が19〜20容量%の雰囲気が形成される。しかし、好適な細胞培養の条件は細胞の種類によって異なり、細胞によっては二酸化炭素濃度の他、酸素濃度も培養成績に影響を与える因子となり得る。また、学術研究においては生体内のガス雰囲気等に合わせた特殊な雰囲気下での細胞の応答を調査することも求められる。このため、本発明の細胞培養方法においても、雰囲気調整剤組成物中の各成分の配合量を適宜調整し、目的に適合した酸素濃度条件下で培養を行うことが好ましい。例えば二酸化炭素濃度に影響を与えることなく、より低い酸素濃度で培養を実施したい場合には、アルカリ土類金属水酸化物等を配合し、二酸化炭素の発生を抑制した雰囲気調整剤組成物を使用して培養を行えばよい。これにより、空気を充填したガスバリア性容器内の二酸化炭素濃度を好適な範囲に維持したまま、例えば酸素濃度をより低減させて、第二の態様の組成物を用いて酸素濃度を1〜7容量%程度とすることや、第一の態様の組成物を用いて酸素濃度を0.1容量%以下とすることも可能である。
低酸素条件下での細胞培養が推奨されている具体例としては、特開2007−267701号公報において未成熟卵子が15容量%、体外受精胚が5容量%の酸素雰囲気下で培養されている。また、特開2007−312656号公報においても遺伝子増幅効率を向上させるためCHO細胞(チャイニーズハムスター卵巣細胞)が5〜10容量%の酸素雰囲気下で培養されている。また、手術、心臓停止、臓器移植等の臓器や器官に血液の循環が足りなくなる虚血状態における個々の臓器や器官の損傷を細胞レベルで調査するための虚血実験や虚血再灌流実験は0.1容量%以下の酸素雰囲気下で行われている。また、癌細胞内部は正常細胞に比べて低酸素雰囲気下にあるため、このガス雰囲気下での癌の研究のためには1〜2容量%の酸素雰囲気下で癌細胞の培養が行われていることが多い。さらに最近では、5容量%の酸素雰囲気下において、iPS細胞の樹立効率が改善されることが報告されている(Yoshida Y, et al. Hypoxia enhances the generation of induced pluripotent stem cells. Cell Stem Cell. 2009; 5: 237−41)。
細胞及び培地を培養容器に収容する方法としては、予め細胞を播種した培地を培養容器に収容する方法や、培養容器に培地のみを収容した後、培地に対して細胞を播種する方法など、使用する細胞や培地の種類に応じて任意の方法を採用することができる。また、培地には特に制限はなく、一般的に使用されているものがそのまま適用できるため、培養する細胞に適した培地を自由に選択できる。
(ガスバリア性密閉容器)
細胞培養方法で用いられるガスバリア性密閉容器は、その内外の気体の流通を妨げ、投入した雰囲気調整剤により形成された酸素、二酸化炭素濃度を長期間維持するものである。ガラス、金属、ポリカーボネート等のプラスチック、等で構成された容器が良く用いられるが、ガスバリア性フィルム及びその積層物を使用することも可能である。
(細胞)
細胞培養方法で用いられる細胞には特に制限はないが、アルデヒドに対して耐性が乏しい種類の細胞の培養において、本発明は特に好適に利用できる。細胞としては、微生物細胞、動物細胞、植物細胞、昆虫細胞が包含され、好ましくは、微生物細胞、動物細胞が挙げられ、さらに好ましくは動物細胞である。また、細胞の種類によって好適な培養ガス雰囲気は異なるが、雰囲気調整剤組成物中の各配合物の配合量を適宜調整することによって、ガスバリア性密封容器内を好適なガス雰囲気に維持することができる。
(培養容器)
細胞培養方法で用いられる培養容器は、容器外との通気性が確保されていれば特に制限はなく、容積、形状、材質等いずれも培養に適した任意のものを採用することができる。また、蓋部を有する培養容器が好ましく用いられるが、この際も、容器外との通気性を確保する必要がある。
細胞培養方法は、細胞及び培地を収容した培養容器と共に雰囲気調整剤包装体を、ガスバリア性密閉容器内に設置後、密封し、該密閉容器を細胞培養に好適な温度下に静置することで実施できる。この際、ガスバリア性密閉容器内で発生したアルデヒドの発生量を測定することや該容器内の湿度の調節などを目的として、該密閉容器内に蒸留水を収容した開放型の容器を設置してもよい。開放型の容器としては培養容器の他、ビーカー、フラスコなどが例示でき、細胞及び培地を収容した培養容器と同種の容器であることが好ましい。
本発明の細胞培養方法においては、細胞及び培地を収容した培養容器と共に雰囲気調整剤包装体を、ガスバリア性密閉容器内に設置後、密封し、容器の密閉状態を維持することによって、ガスボンベとそのガスコントローラーを使用することなく、好適なガス雰囲気下での細胞や組織等の顕微鏡観察や輸送を可能にする。
また本発明においては培地中に溶け込むアルデヒド濃度を、好ましくは2mg/L以下、より好ましくは1.5mg/L以下、さらに好ましくは1.0mg/L以下とするのが、細胞培養条件として好適である。
以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
以下の実施例・比較例・参考例では下記に示す「細胞」、「培地」、「培養容器」をそれぞれ使用した。またアルデヒドの濃度は以下の測定方法により測定した。
(1.細胞)
すべての細胞は、財団法人ヒューマンサイエンス研究資源バンクより分譲された細胞である。使用した細胞は表1の通りである。
Figure 2011065363
(2.培地)
MEM培地(製品名;インビトロジェン社製 GIBCO 11095-080 Minimum Essential Medium, liquid Earle塩含有)
D−MEM培地(製品名;インビトロジェン社製 GIBCO 11965-092 Dulbecco‘s Modified Eagle Medium liquid、high glucose (4,500mg/L))
MEM非必須アミノ酸溶液(製品名;インビトロジェン社製 GIBCO 11140−050)
牛胎児血清FBS(製品名;インビトロジェン社製 GIBCO 12483−020 Qualified Fetal Bovine Serum, Canada)
(3.培養容器)
60mm径ディッシュ(製品名;AGCテクノグラス社製 IWAKI 3010−060 60mm/Tissue Culture Dish)
(アルデヒドの濃度の測定方法(MBTH法))
本法は、3−メチル−2−ベンゾチアゾリノンヒドラゾンの呈色反応を利用した比色法であり、株式会社共立理化学研究所製「水質測定試薬セットNo.51 LR−FOR」を使用して下記の手順で蒸留水中のアルデヒドの濃度を測定した。
1.実施例又は比較例で得られたアルデヒドを含有する蒸留水を、測定可能範囲の濃度となるよう蒸留水で適宜希釈して25mLとし、R−1試薬1袋を加え攪拌しながら10分放置した。
2.R−2試薬を2滴加え攪拌しながら5分放置した。
3.625nmの吸光度を分光光度計(株式会社島津製作所製「UV−1200」)にて測定し、アルデヒドの濃度を決定した。
[アルデヒド除去剤の効果]
(参考例1)
2.0×10個/mLの細胞密度でTig−3−20を播種した10%FBS添加MEM培地5mL入り60mm径ディッシュ3枚を、二酸化炭素5容量%に設定した炭酸ガスインキュベーターに装填した。37℃で3日間培養した後、細胞数を測定した。その結果と、細胞培養後の密閉容器内の酸素濃度及び二酸化炭素濃度と共に表2に記載する。3日後の細胞数は約6倍まで増加していた。
(実施例1)
L−アスコルビン酸ナトリウム水溶液(濃度45重量%)90gに硫酸第一鉄・7水塩6g及びエチレン尿素0.5gを溶解させ、水溶液を顆粒状活性炭50gに含浸させた後、低分子量ポリエチレン70g及び炭酸ナトリウム20gを添加混合してエチレン尿素(L−アスコルビン酸ナトリウム100質量部に対して1.2質量部)が配合された雰囲気調整剤組成物A1を得た。
有孔ポリエチレンフィルムでラミネートした和紙1枚を、ポリエチレン側を内側として折り曲げ、折り曲げ部を除く2辺をヒートシールして袋状とした縦90mm×横55mmの通気性包装材(ガーレ式試験機法による透気抵抗度8秒)に、雰囲気調整剤組成物A1を5gを充填し、折り曲げ部を除く残りの1辺をヒートシールしてエチレン尿素が配合された雰囲気調整剤包装体A2を得た。
γ線殺菌を施した雰囲気調整剤包装体A2と蒸留水5mL入り60mm径ディッシュ2枚を容積2500mLのポリカーボネート製ガスバリア性密閉容器に装填した。37℃で3日間放置した後、蒸留水中に移行したアルデヒドの濃度をMBTH法にて測定した。また、雰囲気調整剤包装体A2と2.0×10個/mLの細胞密度でヒト胎児肺由来細胞(以下、Tig−3−20と表記する)を播種した10%FBS添加MEM培地5mL入り60mm径ディッシュ3枚を、容積2500mLのポリカーボネート製ガスバリア性密閉容器に装填した。37℃で3日間培養した後、細胞数を測定した。
結果を、細胞培養後の密閉容器内の酸素濃度及び二酸化炭素濃度と共に表2に記載した。3日後の細胞数は、炭酸ガスインキュベーターで培養した場合とほぼ同レベルであった。
(実施例2)
エチレン尿素の配合量を1.0gとした以外は実施例1と同様にしてエチレン尿素(L−アスコルビン酸ナトリウム100質量部に対して2.5質量部)が配合された雰囲気調整剤組成物B1を得た後、実施例1と同様にしてエチレン尿素が配合された雰囲気調整剤包装体B2を得た。次いで実施例1と同様にして蒸留水中のアルデヒドの濃度測定試験及び細胞培養試験を行った。
結果を表2に示した。3日後の細胞数は、炭酸ガスインキュベーターで培養した場合とほぼ同レベルであった。
(実施例3)
エチレン尿素の配合量を2.0gとした以外は実施例1と同様にしてエチレン尿素(L−アスコルビン酸ナトリウム100質量部に対して4.9質量部)が配合された雰囲気調整剤組成物C1を得た後、実施例1と同様にしてエチレン尿素が配合された雰囲気調整剤包装体C2を得た。次いで実施例1と同様にして蒸留水中のアルデヒドの濃度測定試験及び細胞培養試験を行った。
結果を表2に示した。3日後の細胞数は、炭酸ガスインキュベーターで培養した場合とほぼ同レベルであった。
(実施例4)
エチレン尿素の配合量を10gとした以外は実施例1と同様にしてエチレン尿素(L−アスコルビン酸ナトリウム100質量部に対して25質量部)が配合された雰囲気調整剤組成物D1を得た後、実施例1と同様にしてエチレン尿素が配合された雰囲気調整剤包装体D2を得た。次いで実施例1と同様にして蒸留水中のアルデヒドの濃度測定試験及び細胞培養試験を行った。
結果を表2に示した。3日後の細胞数は、炭酸ガスインキュベーターで培養した場合とほぼ同レベルであった。
(実施例5)
エチレン尿素の代わりに尿素を2.0g配合した以外は実施例1と同様にして尿素(L−アスコルビン酸ナトリウム100質量部に対して4.9質量部)が配合された雰囲気調整剤組成物E1を得た後、実施例1と同様にしてアルギニンが配合された雰囲気調整剤包装体E2を得た。次いで実施例1と同様にして蒸留水中のアルデヒドの濃度測定試験及び細胞培養試験を行った。
結果を表2に示した。3日後の細胞数は、炭酸ガスインキュベーターで培養した場合とほぼ同レベルであった。
(実施例6)
エチレン尿素の代わりにアルギニンを2.0g配合した以外は実施例1と同様にしてアルギニン(L−アスコルビン酸ナトリウム100質量部に対して4.9質量部)が配合された雰囲気調整剤組成物F1を得た後、実施例1と同様にしてアルギニンが配合された雰囲気調整剤包装体F2を得た。次いで実施例1と同様にして蒸留水中のアルデヒドの濃度測定試験及び細胞培養試験を行った。
結果を表2に示した。3日後の細胞数は、炭酸ガスインキュベーターで培養した場合とほぼ同レベルであった。
(実施例7)
エチレン尿素の代わりにリジン塩酸塩を2.0g配合した以外は実施例1と同様にしてリジン塩酸塩(L−アスコルビン酸ナトリウム100質量部に対して4.9質量部)が配合された雰囲気調整剤組成物G1を得た後、実施例1と同様にしてリジン塩酸塩が配合された雰囲気調整剤包装体G2を得た。次いで実施例1と同様にして蒸留水中のアルデヒドの濃度測定試験及び細胞培養試験を行った。
結果を表2に示した。3日後の細胞数は、炭酸ガスインキュベーターで培養した場合と同レベルであった。
(実施例8)
L−アスコルビン酸36.0g、水酸化ナトリウム8g、ポリアリルアミン(製品名;日東紡株式会社 PAA−03 平均分子量3000 20%水溶液)10.0g、硫酸第一鉄・7水塩6g及び水38.0gを混合し、ポリアリルアミンを含む45%L−アスコルビン酸ナトリウム水溶液を作製した。これを顆粒状活性炭50gに含浸させた後、低分子量ポリエチレン70g及び炭酸ナトリウム20gを添加混合してポリアリルアミン(L−アスコルビン酸ナトリウム100質量部に対して4.9質量部)が配合された雰囲気調整剤組成物H1を得た。以下、実施例3と同様にして雰囲気調整剤包装体H2を得た後、これを用いて蒸留水中のアルデヒドの濃度測定試験及び細胞培養試験を行った。
結果を表2に示した。3日後の細胞数は、炭酸ガスインキュベーターで培養した場合とほぼ同レベルであった。
(比較例1)
エチレン尿素の代わりにアミノグアニジン硫酸塩を2.0g配合した以外は実施例1と同様にしてアミノグアニジン硫酸塩(L−アスコルビン酸ナトリウム100質量部に対して4.9質量部)が配合された雰囲気調整剤組成物I1を得た後、実施例1と同様にしてアミノグアニジン硫酸塩が配合された雰囲気調整剤包装体I2を得た。次いで実施例1と同様にして蒸留水中のアルデヒドの濃度測定試験及び細胞培養試験を行った。
結果を表2に示した。3日後の細胞数は、炭酸ガスインキュベーターで培養した場合に比べて少なかった。
(比較例2)
エチレン尿素の代わりにパラ−アミノベンゼンスルホン酸を1.0g配合した以外は実施例1と同様にしてパラ−アミノベンゼンスルホン酸(L−アスコルビン酸ナトリウム100質量部に対して2.5質量部)が配合された雰囲気調整剤組成物J1を得た後、実施例1と同様にしてパラ−アミノベンゼンスルホン酸が配合された雰囲気調整剤包装体J2を得た。次いで実施例1と同様にして蒸留水中のアルデヒドの濃度測定試験を行った。
結果を表2に示した。他のアルデヒド除去剤に比べて、アルデヒド除去効果が低い傾向が認められた。
(比較例3)
エチレン尿素の代わりに硫酸アンモニウムを10.0g配合した以外は実施例1と同様にして硫酸アンモニウム(L−アスコルビン酸ナトリウム100質量部に対して25質量部)が配合された雰囲気調整剤組成物K1を得た後、実施例1と同様にして硫酸アンモニウムが配合された雰囲気調整剤包装体K2を得た。次いで実施例1と同様にして蒸留水中のアルデヒドの濃度測定試験及び細胞培養試験を行った。
結果を表2に示した。アルデヒドの濃度は低かったが、剤から刺激臭が発生しており、3日後の細胞数は炭酸ガスインキュベーターで培養した場合に比べて少なかった。
(比較例4)
エチレン尿素を配合しなかった以外は実施例1と同様にして雰囲気調整剤組成物N1を得た後、実施例1と同様にして雰囲気調整剤包装体N2を得た。次いで実施例1と同様にして蒸留水中のアルデヒドの濃度測定試験及び細胞培養試験を行った。
結果を表2に示した。3日後の細胞数は、炭酸ガスインキュベーターを使用した場合に比べて少なかった。
Figure 2011065363
実施例1〜8から明らかなように、本発明の雰囲気調整剤組成物は、雰囲気調整剤が本来有する酸素吸収能や二酸化炭素発生能に悪影響を与えることなく、アルデヒドの発生を抑制でき、培養後の細胞密度も参考例の炭酸ガスインキュベーターで培養した場合とほぼ同じレベルであった。
一方、比較例1、2では、アルデヒドの濃度を低減できなかった。また、比較例3では、アルデヒドの濃度は低減できたものの培養後の細胞密度は実施例と比較し低い結果となった。
[異なる酸素濃度におけるアルデヒド除去剤の効果]
(実施例9)
実施例3と同様にして、雰囲気調整剤組成物C1と、雰囲気調整剤包装体C2を得た。実施例3と同様にして、蒸留水中のアルデヒドの濃度測定試験を行った。
(実施例10)
L−アスコルビン酸ナトリウム水溶液(濃度45重量%)123gにエチレン尿素2.7gを溶解させ、水溶液を顆粒状活性炭50gに含浸させた後、低分子量ポリエチレン29g及び水酸化マグネシウム23gを添加混合してエチレン尿素(L−アスコルビン酸ナトリウム100質量部に対して4.9質量部)が配合された雰囲気調整剤組成物L1を得た。
有孔ポリエチレンフィルムでラミネートした和紙1枚を、ポリエチレン側を内側として折り曲げ、折り曲げ部を除く2辺をヒートシールして袋状とした縦90mm×横55mmの通気性包装材(ガーレ式試験機法による透気抵抗度8秒)に、雰囲気調整剤組成物L1を12gを充填し、折り曲げ部を除く残りの1辺をヒートシールしてエチレン尿素が配合された雰囲気調整剤包装体L2を得た。
γ線殺菌を施した雰囲気調整剤包装体L2と蒸留水5mL入り60mm径ディッシュ2枚を容積2500mLのポリカーボネート製ガスバリア性密閉容器に装填した。37℃で3日間放置した後、蒸留水中に移行したアルデヒドの濃度をMBTH法にて測定した。
結果を、表4に記載した。酸素濃度と二酸化炭素濃度の制御能に影響を与えることなく、アルデヒドは濃度を0.36mg/Lまで抑制されていた。
(実施例11)
L−アスコルビン酸ナトリウム水溶液(濃度45重量%)90gに硫酸第一鉄・7水塩6g及びエチレン尿素2gを溶解させ、水溶液を顆粒状活性炭50gに含浸させた後、低分子量ポリエチレン42g、水酸化マグネシウム2g及び水酸化カルシウム12gを添加混合してエチレン尿素(L−アスコルビン酸ナトリウム100質量部に対して4.9質量部)が配合された雰囲気調整剤組成物M1を得た。
有孔ポリエチレンフィルムでラミネートした和紙1枚を、ポリエチレン側を内側として折り曲げ、折り曲げ部を除く2辺をヒートシールして袋状とした縦90mm×横55mmの通気性包装材(ガーレ式試験機法による透気抵抗度8秒)に、雰囲気調整剤組成物M1を30gを充填し、折り曲げ部を除く残りの1辺をヒートシールしてエチレン尿素が配合された雰囲気調整剤包装体M2を得た。
γ線殺菌を施した雰囲気調整剤包装体M2と蒸留水5mL入り60mm径ディッシュ2枚を容積2500mLのポリカーボネート製ガスバリア性密閉容器に装填した。37℃で3日間放置した後、蒸留水中に移行したアルデヒドの濃度をMBTH法にて測定した。
結果を、表4に記載した。酸素濃度と二酸化炭素濃度の制御能に影響を与えることなく、アルデヒドは濃度を0.58mg/Lまで抑制されていた。
(実施例11b〜11d)
雰囲気調整剤組成物を調整する際に、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムの各添加量を表3の通りに変更した以外は、実施例11と同様にしてそれぞれについて、雰囲気調整剤組成物及び雰囲気調整剤包装体を得、さらにアルデヒドの濃度の測定を行った。
結果を、表4に記載した。
Figure 2011065363
Figure 2011065363
実施例9〜11及び実施例11b〜11dから明らかなように、本発明の雰囲気調整剤組成物は様々な酸素濃度において、雰囲気調整剤が本来有する酸素吸収能や二酸化炭素発生能に悪影響を与えることなく、アルデヒドの発生を抑制できた。
[異なる細胞におけるアルデヒド除去効果の確認]
(参考例2)
Tig−3−20の代わりにヒト胎児腎臓由来細胞(以下、HEK293と表記する)を用いた以外は参考例1と同様にして、37℃で3日間培養した後、細胞数を測定した。
結果と、細胞培養後の密閉容器内の酸素濃度及び二酸化炭素濃度と共に表5に記載した。3日後の細胞数は約1.5倍に増加していた。
(実施例12)
Tig−3−20の代わりにHEK293を用いた以外は実施例3と同様にして、蒸留水中に移行したアルデヒドの濃度と、37℃で3日間培養した後の細胞数を測定した。
結果を、細胞培養後の密閉容器内の酸素濃度及び二酸化炭素濃度と共に表5に記載した。3日後の細胞数は、炭酸ガスインキュベーターで培養した場合とほぼ同じレベルであった。
(比較例5)
Tig−3−20の代わりにHEK293を用いた以外は比較例4と同様にして、蒸留水中に移行したアルデヒドの濃度と、37℃で3日間培養した後の細胞数を測定した。
結果を、細胞培養後の密閉容器内の酸素濃度及び二酸化炭素濃度と共に表5に記載した。細胞はほとんど死滅していた。
Figure 2011065363
(参考例3)
Tig−3−20の代わりにヒト肺腺癌由来細胞(以下、A549と表記する)を、10%FBS添加MEM培地の代わりに10%FBSと0.1mMの非必須アミノ酸を添加したMEM培地を用いた以外は参考例1と同様にして、37℃で3日間培養した後、細胞数を測定した。
結果を、細胞培養後の密閉容器内の酸素濃度及び二酸化炭素濃度と共に表6に記載した。3日後の細胞数は約6.5倍に増加していた。
(実施例13)
Tig−3−20の代わりにA549を用い、参考例3と同じ培地を用いた以外は実施例3と同様にして、蒸留水中に移行したアルデヒドの濃度と、37℃で3日間培養した後の細胞数を測定した。
結果を、細胞培養後の密閉容器内の酸素濃度及び二酸化炭素濃度と共に表6に記載した。3日後の細胞数は、炭酸ガスインキュベーターで培養した場合とほぼ同じレベルであった。
(比較例6)
Tig−3−20の代わりにA549を用い、参考例3と同じ培地を用いた以外は比較例4と同様にして、蒸留水中に移行したアルデヒドの濃度と、37℃で3日間培養した後の細胞数を測定した。
結果を、細胞培養後の密閉容器内の酸素濃度及び二酸化炭素濃度と共に表6に記載した。3日後の細胞数は、炭酸ガスインキュベーターで培養した場合に比べて少なかった。
Figure 2011065363
(参考例4)
Tig−3−20の代わりにヒト子宮頸部癌由来細胞(以下、HeLaと表記する)を、10%FBS添加MEM培地の代わりに10%FBSと0.1mMの非必須アミノ酸を添加したMEM培地を用い、細胞播種密度を1.0×10個/mLとした以外は参考例1と同様にして、37℃で3日間培養した後、細胞数を測定した。
結果を、細胞培養後の密閉容器内の酸素濃度及び二酸化炭素濃度と共に表7に記載した。3日後の細胞数は約3倍に増加していた。
(実施例14)
Tig−3−20の代わりにHeLaを用い、参考例4と同じ培地を用い、細胞播種密度を1.0×10個/mLとした以外は実施例3と同様にして、蒸留水中に移行したアルデヒドの濃度と、37℃で3日間培養した後の細胞数を測定した。
結果を、細胞培養後の密閉容器内の酸素濃度及び二酸化炭素濃度と共に表7に記載した。3日後の細胞数は、炭酸ガスインキュベーターで培養した場合とほぼ同じレベルであった。
(比較例7)
Tig−3−20の代わりにHeLaを用い、参考例4と同じ培地を用い、細胞播種密度を1.0×10個/mLとした以外は比較例4と同様にして、蒸留水中に移行したアルデヒドの濃度と、37℃で3日間培養した後の細胞数を測定した。
結果を、細胞培養後の密閉容器内の酸素濃度及び二酸化炭素濃度と共に表7に記載した。3日後の細胞数は、炭酸ガスインキュベーターで培養した場合に比べて少なかった。
Figure 2011065363
(参考例5)
Tig−3−20の代わりにヒト上皮癌由来細胞(以下、A431と表記する)を、10%FBS添加MEM培地の代わりに10%FBS添加D―MEM培地を用い、細胞播種密度を1.0×10個/mLとした以外は参考例1と同様にして、37℃で3日間培養した後、細胞数を測定した。
結果を、細胞培養後の密閉容器内の酸素濃度及び二酸化炭素濃度と共に表8に記載した。3日後の細胞数は約2.5倍に増加していた。
(実施例15)
Tig−3−20の代わりにA431を用い、参考例5と同じ培地を用い、細胞播種密度を1.0×10個/mLとした以外は実施例3と同様にして、蒸留水中に移行したアルデヒドの濃度と、37℃で3日間培養した後の細胞数を測定した。
結果を、細胞培養後の密閉容器内の酸素濃度及び二酸化炭素濃度と共に表8に記載した。3日後の細胞数は、炭酸ガスインキュベーターで培養した場合とほぼ同じレベルであった。
(比較例8)
Tig−3−20の代わりにA431を用い、参考例5と同じ培地を用い、細胞播種密度を1.0×10個/mLとした以外は比較例4と同様にして、蒸留水中に移行したアルデヒドの濃度と、37℃で3日間培養した後の細胞数を測定した。
結果を、細胞培養後の密閉容器内の酸素濃度及び二酸化炭素濃度と共に表8に記載した。3日後の細胞数は、炭酸ガスインキュベーターで培養した場合に比べて少なかった。
Figure 2011065363
表5〜8から明らかなように、Tig−3−20以外の様々な細胞においても、実施例の本発明の培養方法は、参考例の炭酸ガスインキュベーターを使用した培養方法と同等以上の培養後の細胞密度を得ることができた。一方で、アルデヒド除去剤を配合しない比較例においては培養後の細胞密度は低い結果となった。
本発明による雰囲気調整剤は、炭酸ガスインキュベーターを使用した場合と同等の細胞培養結果を得ることができる、簡便且つ経済的な細胞培養を可能にする。

Claims (13)

  1. 下記成分:
    (a)アスコルビン酸類と、
    (b)水と、
    (c)多孔性担体と、
    (d)アルデヒド除去剤と、
    (e)遷移金属触媒、及び/又はアルカリ土類金属水酸化物と
    を含んでなる、細胞培養用の雰囲気調整剤組成物であって、
    該アルデヒド除去剤が、エチレン尿素、尿素、アルギニン、リジン塩酸塩、又はポリアリルアミンである、雰囲気調整剤組成物。
  2. 成分(e)として、遷移金属触媒と、2種以上のアルカリ土類金属水酸化物とを含んでなる、請求項1に記載の雰囲気調整剤組成物。
  3. 使用するアルカリ土類金属水酸化物が、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムである、請求項2に記載の雰囲気調整剤組成物。
  4. 成分(a)としてのアスコルビン酸類を、100質量部と、
    成分(b)としての水を、100〜200質量部と、
    成分(c)としての多孔性担体を、50〜400質量部と、
    成分(d)としてのアルデヒド除去剤を、0.5〜25質量部と、
    成分(e)としての遷移金属触媒を、5〜25質量部と、水酸化マグネシウムを、1〜10質量部と、水酸化カルシウムを20〜40質量部と
    を含んでなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の雰囲気調整剤組成物であって、
    該組成物をガスバリア性密閉容器内に収納することにより、該密閉容器内の酸素濃度を0.1容量%以下とし、かつ二酸化炭素濃度を2〜10容量%に調節可能である、雰囲気調整剤組成物。
  5. 成分(e)として、アルカリ土類金属水酸化物のみを含んでなる、請求項1に記載の雰囲気調整剤組成物。
  6. 成分(a)としてのアスコルビン酸類を、100質量部と、
    成分(b)としての水を、100〜200質量部と、
    成分(c)としての多孔性担体を、50〜400質量部と、
    成分(d)としてのアルデヒド除去剤を、0.5〜25質量部と、
    成分(e)としてのアルカリ土類金属水酸化物を、20〜55質量部と
    を含んでなる、請求項1又は5に記載の雰囲気調整剤組成物であって、
    該組成物をガスバリア性密閉容器内に収納することにより、該密閉容器内の酸素濃度を1〜7容量%とし、かつ二酸化炭素濃度を2〜10容量%に調節可能である、雰囲気調整剤組成物。
  7. 成分(e)として、遷移金属触媒を含み、かつ、
    成分(f)としての炭酸塩をさらに含んでなる、請求項1に記載の雰囲気調整剤組成物。
  8. 成分(a)としてのアスコルビン酸類を、100質量部と、
    成分(b)としての水を、100〜200質量部と、
    成分(c)としての多孔性担体を、50〜400質量部と、
    成分(d)としてのアルデヒド除去剤を、0.5〜25質量部と、
    成分(e)としての遷移金属触媒を、5〜25質量部と、
    成分(f)としての炭酸塩を、10〜70質量部と
    を含んでなる、請求項1又は7に記載の雰囲気調整剤組成物であって、
    該組成物をガスバリア性密閉容器内に収納することにより、該密閉容器内の酸素濃度を12〜18容量%とし、かつ二酸化炭素濃度を2〜10容量%に調節可能である、雰囲気調整剤組成物。
  9. 熱可塑性樹脂をさらに含んでなる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の雰囲気調整剤組成物。
  10. 成分(c)の多孔性担体が、活性炭である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の雰囲気調整剤組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の雰囲気調整剤組成物を、通気性包装材を全部または一部に用いた包装材で包装してなる、雰囲気調整剤包装体。
  12. 請求項11に記載の雰囲気調整剤包装体と、細胞及び培地を収容した培養容器とを、ガスバリア性密閉容器内に設置し、これにより該密閉容器内の二酸化炭素濃度を2〜10容量%として細胞を培養することを含んでなる、細胞培養方法。
  13. 培地中に溶け込むアルデヒドの濃度を2mg/L以下にする、請求項12に記載の細胞培養方法。
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