JP4474932B2 - 培養用培地セット及び培地の保存方法 - Google Patents

培養用培地セット及び培地の保存方法 Download PDF

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Description

本発明は、炭酸塩を含有する培地の長期保存に優れた培養用培地セットに関する。好ましくは培養中における培地への通気が十分である培養用培地セットに関する。
近年、機能障害や機能不全に陥った生体組織および臓器に対して、細胞を積極的に利用して、その機能の再生をはかることを目的とした再生医療の分野が発展してきた。哺乳動物から健常な細胞を取り出し、該細胞を生体外で培養した後、再び生体に戻す技術もこの一環である。このような細胞の培養に用いる培地は、エネルギー源、栄養素、補酵素、無機イオン、pH緩衝液を培養すべき細胞に応じてそれぞれの配合量で調製する。必要に応じて、血清や細胞成長因子も添加する。エネルギー源としては、グルコースなどが用いられ、細胞の生理活動に必要な燃料となる。栄養素は核酸、アミノ酸などの細胞の構成原料が選択される。補酵素は、ビタミン類や微量金属などの細胞内酵素活性の増強と安定化する役割のものが選択される。無機イオンはナトリウムイオン、カリウムイオンなどの生体内に存在するイオンであり、培地の浸透圧の調整を行う役割を果たす。そして、pH緩衝剤液は以上の成分を配合した培地のpHを調整する役割を果たし、リン酸緩衝液、重曹、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N'−2−エタンスルホン酸(HEPES)などから適切なものが使用される。
従来、哺乳動物の付着細胞や懸濁細胞を生体外で行う培養は、ポリスチレン製のシャーレの中で行われてきた。しかし、このような容器はガス透過性が低いため、細胞増殖に必要な酸素や二酸化炭素の交換を十分行うために、培養液の液厚を3mm程度とし、容器中に空気層を設けなくては、十分な細胞増殖が得られなかった。従って、細胞を大量に培養するときには、無駄な空間があるため、多くのスペースを必要としていた。
かかる問題を解決すべく、酸素透過性を有するアイオノマー樹脂からなる容器を細胞培養容器が開示されている(特許文献1)。また、気体透過性材料で作製された第1の容器の内部に、液体透過性材料で作製された第2の容器で形成された細胞培養容器が開示されており、外部と第1の容器との間で、十分な酸素付加を可能にし、内部の第2の容器にて高密度で細胞を培養することを可能にした細胞培養用培養容器が開示されている(特許文献2、3)。さらに、容器の一面が気体透過性であるシリコン誘導スチレンポリマーで形成され、強度に優れた培養容器が開示されている(特許文献4)。加えて、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂とポリ−4−メチルペンテン−1樹脂以外のポリオレフィン樹脂からなる組成物で形成され、酸素透過性および光透過性に優れ、植物細胞の培養に適した細胞培養容器が開示されている(特許文献5)。
しかし、これらの細胞培養容器は、培養時における培地への通気性は十分であるが、緩衝液として炭酸塩を含有する培地を用いた場合、二酸化炭素の拡散による培地のpHが変化し、細胞培養用培地の長期保存が困難であった。
特開昭60−160881号公報 特開平3−10675号公報 特開平3−10676号公報 特開平11−28083号公報 特開2001−190267号公報
したがって、炭酸塩を含有する培地の長期保存を可能にし、好ましくは培養中における培地への通気が十分である培養用培地セットを提供することが求められている。
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、炭酸塩を含有する培地の長期保存を可能にし、好ましくは培養中における培地への通気が十分である培養用培地セットに関する。
即ち本発明は、
(1) 少なくとも炭酸塩を含有する培地成分を収容し、非通気性材料で密封された第1の容器と、該炭酸塩以外の培地成分を含有し、密封された第2の容器からなる培養用培地セット、
(2) 非通気性材料の二酸化炭素透過係数が約1000cm/m・24hr・atm未満である(1)に記載の培養用培地セット、
(3) 非通気性材料の水蒸気透過係数が約1000g/m・24hr・atm未満である(1)に記載の培養用培地セット、
(4) 第2の容器が通気性材料からなる(1)に記載の培養用培地セット、
(5) 通気性材料の酸素透過係数が約100〜5000cm/m・24hr・atmである(4)に記載の培養用培地セット、
(6) 通気性材料の二酸化炭素透過係数が約1000〜20000cm/m・24hr・atmである(4)に記載の培養用培地セット、
(7) 第1の容器および第2の容器に連通可能な閉鎖手段を設けた(1)に記載の培養用培地セット、
(8) 炭酸塩が炭酸水素ナトリウムである(1)に記載の培養用培地セット、および、
(9) (1)〜(8)に記載の培養用培地セットを用いて、培地成分として少なくとも炭酸塩を含有する培地を非通気性雰囲気下で保存することを特徴とする培地保存方法に関する。
本発明の培養用培地セットは、炭酸塩を含有する培地の長期保存、および十分に通気される雰囲気下での培養を可能にする。
本発明における培養用培地セットは、培地成分として、少なくとも炭酸塩を含有する培地成分(以下、培地成分Aともいう)を収容した第1の容器と、炭酸塩以外の培地成分(以下、培地成分Bともいう)を収容した第2の容器からなり、第1の容器が非通気性材料で形成されていることを特徴としている。第1の容器及び第2の容器の形状は特に限定することはなく、バッグ、ボトルなどが挙げられるが、量産が容易であり、軽量である可撓性のシートで形成された袋状であることが好ましい。
本発明の培養用培地セットの第1の容器は非通気性材料であることを特徴としている。非通気性材料は、二酸化炭素が透過しにくい材料を意味し、具体的には、温度25℃、湿度50%、大気圧下における二酸化炭素透過係数が約1000cm/m・24hr・atm未満、好ましくは約100cm/m・24hr・atm未満であり、さらに好ましくは約1cm/m・24hr・atm未満であり、水蒸気透過係数が約1000g/m・24hr・atm未満、好ましくは約100g/m・24hr・atm未満であり、さらに好ましくは約10g/m・24hr・atm未満である。さらに工業的に成形加工性に優れたものであり、ガンマ線滅菌に耐えうるものであることがより好ましい。選択すべき適切な材料としては、延伸ナイロン、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデンコート延伸ナイロン、ポリ塩化ビニリデンコートポリエステル、ポリ塩化ビニルコートポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリ(エチレン−ビニルアルコール)コポリマー、アルミ蒸着ポリエステル、シリカコートポリエステルなどが挙げられる。
本発明における培地は基本的に、エネルギー源、栄養素、補酵素、無機イオン、血清およびpH緩衝液から構成される汎用のものを意味する。これらの培地成分は、培養する細胞に応じてそれぞれの配合量で調製する。エネルギー源は細胞の生理活動に必要な燃料となり、グルコースなどが挙げられる。栄養素として核酸、アミノ酸などが添加され、細胞構成原料となる。アミノ酸はバリン、ロイシン、リシンなどの必須アミノ酸だけでなく、非必須アミノ酸なども添加される。補酵素は、ビタミン類や微量金属などの細胞内酵素活性の増強と安定化させる役割がある。無機イオンは生体内に存在するイオンであり、培地の浸透圧の調整を行う役割を果たす。例としては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオンおよびカルシウムイオンなどが挙げられる。また必要に応じて、血清や細胞成長因子も添加する。そして、pH緩衝液は以上の成分を配合した培地のpHを調整する役割を果たし、リン酸緩衝液、炭酸塩(重曹)、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N'−2−エタンスルホン酸(HEPES)などが挙げられる。
また、これらの培地には上記成分以外の組成物または天然物を適時加えてもよい。これらの添加物としては、インスリン、ホルボールエステル、ヒドロコルチゾンおよび動物由来脳下垂体抽出物などが挙げられる。
本発明の炭酸塩を含有する培地とは、上記培地における培地成分の一つであるpH緩衝液として炭酸塩を選択した培地を意味する。これ以外の培地成分は、特に限定することはなく、培養すべき細胞に対して適時選択される。
本発明における炭酸塩とは、溶媒に溶解したときに二酸化炭素を発生するものであり、炭酸イオンとして遊離しうるもの全てを含む。炭酸塩の例としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウムなどが挙げられるが、炭酸水素ナトリウムが一般に使用される。
本発明における少なくとも炭酸塩を含有する培地成分(培地成分A)とは、炭酸塩を含有する培地を構成している培地成分のうち少なくとも炭酸塩を含有していればよく、炭酸塩のみ、炭酸塩と補酵素、炭酸塩と無機イオンなどその組み合わせにとらわれるものではなく、炭酸塩を含有する培地自体である場合も含まれる。
この際、第2の容器には培地成分A以外の培地成分(培地成分B)を収容する。培地成分Bは、炭酸塩を含まなければ特に限定することはないが、第1の容器に収容した培地成分Aと、第2の容器に収容した培地成分Bを混合した時に、目的の培地が調製されるようにすることが好ましい。例えば、第1の容器に培地成分Aとして炭酸塩を収容した場合、第2の容器には培地成分Bとしてエネルギー源、栄養素、補酵素、無機イオンが収容され、第1の容器に培地成分Aとして炭酸塩及びエネルギー源を収容した場合、第2の容器には培地成分Bとして栄養素、補酵素、無機イオンが収容される。
また、上記のような無機イオン、栄養素などのカテゴリーによって分ける必要はなく、例えば、培地成分Aとして炭酸塩、カルシウムイオン、グルコースおよびグルタミン酸などを第1の容器に収容し、培地成分Bとしてそれ以外の培地成分を第2の容器に収容してもよい。
さらに、培地成分Aが培養に使用する培地そのものであってもよい。つまり、非通気性材料で形成した第1の容器に培地そのものを収容し、培地成分Bに相当するものは何もなく、第2の容器は空の状態であってもよい。
本発明における第1の容器及び第2の容器はそれぞれ密封されていることを特徴としている。密封状態とは、第1の容器および第2の容器それぞれに収容した培地成分A、Bが容器から漏れず、かつ互いの培地成分が混合しない状態であることを意味する。
また、本発明の細胞培養容器の第2の容器の材料は、特に限定するものではないが、通気性材料であれば、第2の容器内で細胞を培養できて好ましい。通気性材料は、温度25℃における酸素の透過係数が約100〜5000cm/m・24hr・atm、好ましくは約1100〜3000cm/m・24hr・atm、さらに好ましくは約1250〜2750cm/m・24hr・atmであり、二酸化炭素透過係数が約1000〜20000cm/m・24hr・atm、好ましくは約3000〜11500cm/m・24hr・atmであり、さらに好ましくは約5000〜9000cm/m・24hr・atmである。さらに工業的に成形加工性に優れたものが好ましく、ガンマ線滅菌に耐えうるものであり、かつ内部の培地の様子を観察することができる透明性の高い材料であることが好ましい。選択すべき適切な材料としては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ(エチレン−ビニルアセテート)コポリマー、ポリ(エチレン−エチルアクリレート)コポリマー、ポリ(エチレン−メタアクリレート)コポリマーなどが挙げられる。
さらに、本発明における第1の容器及び第2の容器は開封可能な手段があることが好ましい。開封可能とは、第1の容器および第2の容器それぞれに収容し、密封された培地成分A、Bを容器から取り出すことが可能であり、これらの培地成分を混合することができることを意味する。つまり、密封後に人為的な外力によって開封可能な手段を設けてあればよい。例えば、人為的な外力で剪断可能な高分子材料で形成されたバッグを容器として選択し、はさみなどの器具を使って開封する方法、手で切れやすいようにあらかじめ切れ込みを入れる方法、または容器に蓋またはポートを設置する方法などが挙げられる。
さらに本発明の第1の容器と第2の容器には、連通可能な閉鎖手段を設けることを特徴としている。閉鎖手段とは、密封状態を達成する一形態であり、培地の通過を遮断することを意味し、上記密封状態に相当する。さらに、連通可能とは人的な操作で容易に連通することができるものを意味する。したがって、連通可能な閉鎖手段とは、例えば、第1の容器と第2の容器は個々に設置する場合は、雄コネクターおよび雌コネクターなどが挙げられ、該雄コネクターおよび雌コネクターの接続によって第1の容器と第2の容器が連通される。一方、第1の容器と第2の容器を連通させて設置する場合、連通している箇所にクリップなどの狭持体、連通ピース(折れ棒)または弱シールなどを設置することなどが挙げられる。この用にして連通することにより、第1の容器及び第2の容器にそれぞれ収容した培地成分を容易に混合させ、容器内で容易に培地を調製することができる。
本発明の培地の保存方法は、少なくとも炭酸塩を含有する培地成分を非通気性雰囲気下で保存することを特徴としている。この一実施形態として、本発明の培養用培地セットを用いて保存することが有効である。
また、細胞を培養する際は、本発明の培養用培地セットの第1の容器に収容された培地成分Aと第2の容器に収容された培地成分Bとを混合して調製された炭酸塩を含有する培地を用いて、酸素が十分に供給される雰囲気下で細胞を培養することができる。この時、第1の容器から第2の容器への培地の移動する量が少ない方が好ましい。つまり、培地成分として炭酸塩のみを第1の容器に収容し、炭酸塩以外の培地成分を第2の容器に収容する形態が好ましい。
上記酸素が十分に供給される雰囲気下で細胞を培養する一実施形態としては、はさみなどで第1の容器及び第2の容器を開封した後、それぞれの培地成分をシャーレに展開して炭酸塩を含有する培地を調製して、そのまま培養する方法が挙げられる。
また、第2の容器が通気性材料である場合は、第2の容器自体が培養可能となる。つまり、第1の容器に培地成分Aを収容し、第2の容器に培地成分Bが収容され、第1の容器と第2の容器にそれぞれ連通可能な閉鎖手段を設けている場合、閉鎖手段を連通させ、第1の容器に収容された培地成分Aを第2の容器に移し、第2の容器内で炭酸塩を含有する培地を調製後、そのまま第2の容器にて細胞を培養することができる。
図1は、本発明の培養用培地セットの一実施形態である。非通気性材料で形成した第1の容器1には、培地成分として炭酸塩11が収容されており、第2の容器2には、炭酸塩以外の培地成分21が収容されている。第1の容器と第2の容器を組み合わせ連通可能な閉鎖手段3として弱シール部を形成している。弱シール部は、第1の容器または第2の容器を押圧することにより連通が可能となる。
さらに図2は、本発明の培養用培地セットの他の一実施形態である。非通気性材料で形成した第1の容器1には、培地成分として炭酸塩11が収容されており、第2の容器2には、炭酸塩以外の培地成分が収容されている。第1の容器と第2の容器とを塩化ビニル製チューブで接続し、該チューブには連通可能な閉鎖手段3として連通ピース(折れ棒)を設けている。連通ピース(折れ棒)は、内部の部材を折ることにより再連通が可能となる。
さらに図3は、本発明の培養用培地セットの他の一実施形態である。非通気性材料で形成した第1の容器1には、培地成分として少なくとも炭酸塩11が収容されており、第2の容器2には、炭酸塩以外の培地成分22が収容されている。第1の容器1と第2の容器2とを連通可能な閉鎖手段3は、雄コネクター31および雌コネクター32を設けている。これらのコネクター32および雌コネクター32を接続することにより連通が可能となる。
以下に本発明を、実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にとらわれるものではない。
実施例1:図1の培養用培地セットの作製
第1の容器は、内層が低密度ポリエチレン、中間層がポリ(エチレン−ビニルアルコール)コポリマー、外層に低密度ポリエチレンの2枚のシートを用意し、2枚のシートの間にポリエチレン−ポリプロピレン高分子ブレンド(混合比3:7)製の弱シール形成用シートを所定長分埋没するように配置する。次いで、2枚のシートの側縁および弱シール用シートを含んだ3枚のシートが重なる部分を通る帯状部分を熱溶着して、口部を有する袋状の容器を作製する。この袋状の容器に、炭酸水素ナトリウム水溶液30mlを収容し、袋状の容器の口部を熱溶着して作製する。
さらに別途で、線状低密度ポリエチレンをインフレーション法によりチューブ状のフィルムを作製した後、片方の口部に弱シール形成用シートが所定長突出するように配置し、弱シール用シートを含んだ3枚のシートが重なる部分を通る帯状部分を溶着して、口部を有する袋状の容器を作製する。この袋状の容器に、炭酸水素ナトリウム水溶液以外の培地成分すべてを収容し、袋状の容器の口部を熱溶着し、第2の容器(容量100ml)2を作製する。
次に第1の容器と第2の容器を接続する。このとき第2の容器において突出している弱シール形成用シール及び第2の容器の作製過程において形成した弱シール部を含む線状低密度ポリエチレン部の一部も第1の容器の熱溶着していない部分に挿入する。次に、第2の容器において突出していた弱シール形成用シートと第1の容器の熱溶着していない部分が重なっている箇所(3枚のシートが重なる部分)及び第2の容器の作製過程において形成した弱シール部を含む線状低密度ポリエチレンの一部と第1の容器の熱溶着していない部分が重なっている箇所(5枚のシートが重なる部分)を通る帯状部分を溶着して接続することで、図1に示す培養用培地セットを作製する。
実施例2:図2の培養用培地セットの作製
内層が低密度ポリエチレン、中間層がポリ(エチレン−ビニルアルコール)コポリマー、外層に低密度ポリエチレンの2枚のシートを用意し、2枚のシートを重ね合わせ、培地が収容でき、かつチューブが接続できるポートを設置したうえで、シートの側縁を熱溶着して、第1の容器1を作成した。さらに、上記ポートから炭酸水素ナトリウム水溶液30mlを収容した。
さらに別途で、線状低密度ポリエチレンをインフレーション法によりチューブ状のフィルムを作成した後、一方の口部に培地が収容でき、かつチューブが接続できるポートを配置し、両方の口部を熱溶着して第2の容器1を作製した。さらに、上記ポートから炭酸水素ナトリウム水溶液以外の培地成分を収容した。
次に第1の容器と第2の容器を接続する。第1の容器及び第2の容器に設けたそれぞれのポートに、連通ピース(折れ棒)を設けたポリ塩化ビニル製チューブを接続して、図2に示す培養用培地セットを作製した。
本発明の培養用培地セットによれば、炭酸塩を含有する培地における二酸化炭素の拡散を抑制し、培地のpH変化を抑制するため、長期保存が可能になる。さらに、通気された雰囲気下で細胞を培養することも可能である。
本発明の一実施形態である。 本発明の一実施形態である。 本発明の一実施形態である。
符号の説明
1 第1の容器
11 培地成分として少なくとも炭酸塩を含有する培地成分(培地成分A)
2 第2の容器
21 少なくとも炭酸塩を含有する培地成分以外の培地成分(培地成分B)
3 連通可能な閉鎖手段
31 雄コネクター
32 雌コネクター

Claims (7)

  1. 少なくとも炭酸塩を含有する培地成分を収容し、非通気性材料で作成された第1の容器と、該炭酸塩以外の培地成分を収容した第2の容器、及び第1の容器と第2の容器との間に設けた連通可能な閉鎖手段を備えた培養用培地セット。
  2. 非通気性材料の二酸化炭素透過係数が1000cm/m・24hr・atm未満である請求項1に記載の培養用培地セット。
  3. 非通気性材料の水蒸気透過係数が1000g/m・24hr・atm未満である請求項1に記載の培養用培地セット。
  4. 第2の容器が通気性材料で作成された請求項1に記載の培養用培地セット。
  5. 通気性材料の酸素透過係数が100〜5000cm/m・24hr・atmである請求項4に記載の培養用培地セット。
  6. 通気性材料の二酸化炭素透過係数が1000〜20000cm/m・24hr・atmである請求項4に記載の培養用培地セット。
  7. 炭酸塩が炭酸水素ナトリウムである請求項1に記載の培養用培地セット。
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