JP3117998B2 - 嫌気性微生物の増殖装置および方法 - Google Patents

嫌気性微生物の増殖装置および方法

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    • Y10S435/801Anerobic cultivation

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は、嫌気性微生物を増殖させるための装置およ
び方法に関する。この装置は、特別に設計された培養皿
から構成され、この皿は、例えば皿を倒置することによ
って、形を変えて嫌気性環境を生ずることができる。あ
る状況下では、生体触媒性酸素還元剤のような酸素還元
剤もまた、基質と共にこの装置中に存在する培地中に取
り入れることができる。培地中に存在する生体触媒性酸
素還元剤および基質は、培養皿中に入っている酸素と反
応して、嫌気性微生物を増殖させそして維持するに適し
た環境を創出する。
微生物は、我々の健常な生存に重要である。このこと
は、ヘルスケア、農業および工業において明白である。
微生物を簡便かつ迅速に単離しそして増殖させることが
できることは、経済的に重要である。例えば、感染の原
因となる微生物を迅速かつ特異的に単離しそして同定す
ることができるということは、ヒトのヘルスケア分野に
おいて重要である。この基本的技術は、農業産業におい
てもまた重要である。食品の大規模処理は、微生物を常
にモニターすることを必要とする。このことを行い得る
速度および効率によって、できあがった食品製品を、販
売のために配送し得る前に貯蔵しなければならない時間
の長さが決定される。
微生物の増殖を制御するためには、環境を制御するこ
とが必要である。特に、直接的環境における酸素含有量
の制御は、微生物の増殖にとって重大である。微生物
は、その酸素の必要性および酸素に対する許容性に基づ
いて、グループに分けられ得る。増殖のために酸素を必
要とする微生物がいる。これらは「好気性生物」であ
る。いくつかの微生物は、酸素があってもなくても増殖
することができる。これらは「通性嫌気性生物」であ
る。他のグループの微生物は、非常に低レベルの酸素の
存在下でのみ増殖し得る。これらは「微好気性生物」で
ある。最後に、いくつかの微生物は、酸素を許容し得な
い。これらは、酸素で阻害されるか、あるいは酸素によ
って死滅し得る。これらは「嫌気性生物」である。
微生物のこの基本的な特性(すなわち、酸素中で増殖
するその能力、あるいは酸素を許容するその能力)は、
微生物を単離、増殖、および操作するために日常的に使
用されている。微生物学における1つの基礎的技術は、
プレーティング法である。これは、一般に、Petriによ
って1880年代に開発された皿(すなわち「ペトリ
皿」)、および固化した(寒天またはゼラチンベース
の)培地の使用を伴う。
ペトリ皿は、通常、垂直な側面を有する円形の浅い平
底のガラスまたはプラスチックの皿(しばしば、例えば
直径10cm)であり、これは、ゆるくはめ込まれる蓋を形
成する、同様のわずかに大きな構造と組み合わされる。
ペトリ皿は、微生物学で、例えばプレートの調製のため
に使用される。
ペトリ皿の目的は、微生物の選択的な増殖のための制
御された環境を提供することである。皿は、滅菌され、
そして内部の滅菌環境を維持し、他方、自由にガス(通
常、空気)を外部環境と交換するように設計されてい
る。
ペトリ皿と組み合わせて使用される培地は、特定の微
生物のために必要な選択された環境を提供するために処
方され得る。ペトリ皿中の固体培地は滅菌した溶融また
は液体(寒天またはゼラチンベースの)培地をペトリ皿
に深さ3〜5mmまで注ぎ入れ、そして固化させることに
よって、無菌手法を用いて調製され得る。一般に、微生
物の分離および/または生産のために使用される、新た
に注がれたプレートは、蓋を一部はずして表面の水分が
蒸発するようにして、45℃の温風インキュベーター中で
30分間放置される。接種の前のこのような「乾燥」によ
って、表面の水分の膜中での接種物(inoculum)の望ま
しくない広がりを防止する。
皿の内部の固体培地表面は、微生物の増殖のための場
所を提供する。寒天の表面に制御された方法(すなわち
「画線」)で接種(または「プレーティング」)するこ
とで、微生物の単独コロニーが得られ得る。この手法に
よって、微生物学者は、微生物のひとつを他のものから
分離することができる。単離および精製は、さらなる特
徴付けおよび研究のためには必須である。この皿の設計
を用いて、微生物学者は現在公知の微生物の大部分を単
離しそして増殖させ得る。
微好気性または嫌気性である微生物を取り扱うには問
題がある。これらの微生物のための培養皿は、空気中に
見いだされる酸素(または少なくとも大部分の酸素)を
欠く制御されたガス環境中でインキュベートしなければ
ならない。このことは、外部雰囲気からシールされた容
器内に、培地を含む培養皿またはペトリ皿を置くことに
よって行われる。1個または数個の皿のために、シール
できる袋またはジャー(すなわち「Brewerジャー」)が
使用される(Becton Dickinson Microbiology Systems,
1994年度カタログ、89頁〜94頁)。この場合、化学物質
および触媒(1982年9月1日にBrewerに発行された「嫌
気的環境生成のための装置」と題された米国特許第4,28
7,306号参照)を容器の内部に置き、これは化学的に活
性化されると容器内の酸素と反応し、それゆえ酸素を除
去する。この触媒は、低温で短時間に反応を成し遂げる
必要がある。
さらに、多くの培養皿のためには、シールされたテー
ブルトップ型のチャンバーが使用され得る(Anaerobe S
ystems,San Jose,CA)。このチャンバーは、排気され、
そして窒素および/または二酸化炭素のような不活性ガ
スでフラッシュされる。ときには、チャンバー内部の酸
素を消費するために化学物質および触媒が使用され、そ
して必要に応じて新鮮な不活性ガスが供給される。微生
物学者は、手袋を取り付けたポートを通じて、このチャ
ンバーの内部の培養皿を取り扱う。内部の嫌気性環境を
破ることなく、チャンバー中に物を入れ、そしてチャン
バーから物を取り出すための手段が備えられている。
このような条件下で微好気性生物および嫌気性生物を
取り扱うことは、労力を要し、困難であり、コストがか
かり、そして時間を消費する。一旦、袋またはジャーを
開けると、微生物は酸素に曝されるので、袋またはジャ
ーからすべての培養皿を回収するためには最も増殖の遅
い微生物を待たなければならないことに、微生物学者は
しばしば失望する。システムの不良は、内部の微生物単
離体のすべてに対して破滅的であり得る。
これらの問題の多くを克服するために(1944年5月9
日にBrewerに発行された「嫌気性および微好気性生物の
培養のための装置」と題された米国特許第2,348,448号
参照)、Brewerは、培養皿の蓋(すなわち「Brewer
蓋」)を開発した。これは。蓋の内部のリングと寒天ま
たはゼラチンベースの表面との間でシール部を形成す
る。皿の内部には、非常に小さい、範囲が限定されたヘ
ッドスペースが蓋と寒天表面によって形成される。培地
中に入れられたチオグリコラートのような化学的還元剤
と酸素とを反応させることによって、このトラップされ
たヘッドスペースの内側に嫌気性環境が創出される。Br
ewer蓋の機能には、この限られた容積のヘッドスペース
が重要である。
しかし、Brewer蓋の使用にはいくつかの欠点が存在す
る。酸素除去の能力および速度は、培地中の化学的還元
剤に対する微生物の感受性によって制限される(Kariら
の、「Escherichia Coliに対するシステインの増殖阻害
的影響の機構」、J.Gen.Microbiol.,68,1971,p349およ
び「Methods for General and Molecular Bacteriolog
y」、Gerherdt編、American Society for Microbiology
1994、p146参照)。さらに、蓋は重いガラスで作製さ
れ、そして高価である。これは現在入手可能(Kimble G
lass Company,Vineland,NJ)であるが、広くいられてい
ない。コスト、取り扱いの困難さ、および嫌気性微生物
の応答の乏しさを包含する重大な制限があるからであ
る。
他の制限は、構築材料に起因する。ガラスのBrewer蓋
は、Brewer蓋の内側のリングと寒天表面との間での良好
なシールを確実にするために、非常に重く造られてい
る。重いBrewer蓋を載せた培養皿の下部は、取り扱いま
たは動かすことが容易ではない。これらは、インキュベ
ーターの内部で重ねることができない。そのため、大事
なインキュベーターの空間が無駄になる。皿を重ねる
と、重なりの一番下の皿の寒天培地が、その上の皿の重
みのために壊れる。このことにより、寒天の上のヘッド
スペースが潰れ、その結果、Brewer蓋の内側の寒天表面
との間が、接触することになる。これが起こると、表面
上の微生物増殖が広がり、そして個別のコロニーの分離
が失われる。運動性の微生物は移動し、そしてさらに分
離を損なう。
その重量および構築材料のため、Brewer蓋は、既製品
の寒天またはゼラチンベースプレートの商業的製造には
向かない。商業的プロセスは、皿を充填し、充填した皿
を積み重ねて包装し、そしてこれらの皿を取り扱いそし
て貯蔵する組立ラインを必要とする。既製品の寒天プレ
ートは、臨床的な微生物学的実験室で広く使用されてい
る。Brewer蓋のこの制約は、経済的に重大である。
Brewer蓋の内部で蓋と寒天表面によって形成されるヘ
ッドスペースは非常に小さい。この限られたヘッドスペ
ースは、化学的還元剤(H2S、システイン、チオグリコ
ラートなど)がヘッドスペース内で酸素を還元する能力
によって規定される。使用される化学的還元剤の量は、
それに対する嫌気性微生物の感受性によって拘束され
る。これらの制限の総和が非常に小さなヘッドスペース
であり、これは、Brewer蓋のその意図する目的(すなわ
ち嫌気性および微好気性微生物の増殖)のための機能に
重大な問題を与える。
Brewer蓋の別の制限は、非常に限られたヘッドスペー
スが多くの水分を保持し得ないことである。新鮮な寒天
培地は通常98%を越える水分を有する。インキュベート
の際に、培地中の水分が蒸発し、そして蓋の内側の上側
の表面上に凝縮する。この凝縮物は、寒天表面に落下す
るほどになり得、そして寒天表面を水浸しにする。この
ような条件下では、プレートは損なわれ、そして微生物
の単離および精製のために使用され得ない。
非常に限られたヘッドスペースは、さらなる制限をBr
ewer蓋に課する。寒天表面上のヘッドスペース中へのCO
2の導入のための供給がなされない。CO2は、いくつかの
微生物の迅速な増殖のために重要であり、そして他のも
のによって必要とされ得る。とはいえ、この特徴は微生
物学者には随意とされる。培養皿のいくつかの用途で
は、微生物学者はヘッドスペース中にCO2を入れること
を所望し得ないからである。報告によれば、CO2は接触
する培地のpHを変化させ得ることが示されている。これ
はまた、いくつかの抗生物質に対する感受性を決定する
ことを妨げ得る(「エリスロマイシン、アジスロマイシ
ン、クラリスロマイシン、およびロキシスロマイシンに
対する嫌気性生物の感受性に対するCO2の影響」、Spang
lerら、Antimicrob.Agents Chemotherapy、38、p20、19
94)。嫌気性ジャーおよび袋中で市販の触媒製品によっ
てCO2が生ずるので、この問題には常に直面する。CO
2は、嫌気性チャンバーおよびインキュベーターをフラ
ッシュするために使用されるガスの成分である。
自給式(self contained)培養皿に所望される他の特
徴は、ヘッドスペースが嫌気性になったことを示すイン
ジケーターである。これらの特徴をBrewer蓋に導入する
ことは、蓋の上部の内側と寒天表面との間のスペースが
非常に小さいので困難ないし不可能である。
嫌気性微生物を増殖させるための自給式環境を提供す
る培養皿を設計するいくつもの試みがなされてきた(19
55年2月1日にScherrに発行された「微生物培養のため
の装置」と題された米国特許第2,701,229号;1965年1月
12日にScheidtに発行された「嫌気性培養デバイス」と
題された米国特許第3,165,450号;1981年10月13日にPepi
celliらに発行された「嫌気性微生物の増殖のための方
法および容器」と題された米国特許第4,294,924号;1981
年11月10日にYoussefに発行された「長期インキュベー
ション微生物学的装置およびそのフィルターガスケッ
ト」と題する米国特許第4,299,921号;および1989年8
月8日にEisenbergに発行された「細菌培養のためのデ
バイス」と題する米国特許第4,859,586号参照)。Brewe
r蓋およびこれらの発明のいずれも、現在一般または商
業的に入手可能ではないことあるいは微生物学者に広く
使用されていないという事実が、それらの制約および短
所を証明している。嫌気性微生物および微好気性微生物
の単離および増殖を単純化しそしてコストを低減する必
要性が現在もなお存在する。
従って、本発明の目的は、上記従来技術の欠点を軽減
する、嫌気性微生物の培養および/または計数(enumer
ating)のための改良された装置および方法を提供する
ことである。
本発明の他の目的は、非常に単純で、安価であり、そ
して使用が容易であり、そして適切な嫌気性環境が非常
に効率の良い方式で生成されそして維持される、改良さ
れた嫌気性培養装置を提供することである。
本発明のこれらの目的および他のさらなる目的ならび
に利点は、以下の本発明の説明から明らかとなる。
発明の要旨 本発明者らは、先行技術で見られる多くの困難を排除
するために、新規な培養装置または皿を設計した。新規
の培養皿(すなわち、「OxyDish」)を酸素還元剤(好
ましくは生体触媒性酸素還元剤)に、そして特定の場合
において基質とともに使用することにより、通性好気性
生物、微好気性生物、および嫌気性生物を単離し、計数
し、同定し、そして増殖するための制御された自給式の
環境が産生されることを見出した。酸素還元剤とともに
特別に設計した培養皿の使用は、Brewer蓋のいくつかの
特徴を利用するが、この限界を克服しかつ新規および改
良された特性を可能にする培養皿の設計および機能を可
能にする。
この点について、本発明は、特別に設計した培養皿に
関し、この培養皿は、内部にシーリングリングを含む皿
頂部または蓋を有し、これにより、皿を倒置して培地−
リングシールが形成されるとき、皿底部の固体培地表面
が動かない。このように形成されたシールは、培地表面
と皿頂部または蓋の内部との間のヘッドスペース中にガ
スを止める。さらに、酸素還元剤(例えば、生体触媒性
酸素還元剤)は、培養皿内に存在する培地に、そして特
定の場合では培地およびヘッドスペース中の酸素と反応
する基質とともに取り込まれ、嫌気性微生物を増殖させ
るに適切な環境を作り得る。
本発明に利用される好適な生体触媒性酸素還元剤は、
水素ドナーの存在下で酸素を水に還元する電子伝達系を
含む酸素捕捉膜フラグメントから構成される(Adlerら
の「嫌気性微生物の増殖への新しいアプローチ」、Biot
echnol.Bioegn.Symp.11,J.Wiley & Sons,New York,198
1,533頁、および1984年10月9日にAdlerに発行された、
「嫌気性細菌の増殖を促進するための物質および方法」
を題とする米国特許第4,476,224号を参照のこと)。こ
れらの酸素捕捉膜フラグメントは、細菌の細胞膜(米国
特許第4,476,224号)から、および/または多くの高等
な非細菌性生物のミトコンドリア細胞内器官の膜から得
られ得る。他の公知の生体触媒性酸素還元剤(例えば、
グルコースオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼな
ど)もまた利用され得る。
本発明中の使用に適切な生体触媒性酸素還元剤は、微
生物には非毒性である。触媒であるため、これらは、特
別に設計した培養皿中の止められたヘッドスペース内の
酸素を還元する際に活性的かつ非常に効率的である。生
体触媒性酸素還元剤は、微生物培地で一般に見出され、
そしてこの反応を実施する微生物に対して自然的である
基質を使用する。この反応から生成した産物もまた、微
生物に自然的かつ非毒性である。生体触媒性酸素還元剤
の使用は、この皿を数回の開放および閉鎖を可能にし、
そしてこの還元剤は、各使用後にヘッドスペースに止め
られた酸素を連続的に還元する。
酸素還元剤を含有する培養皿(「OxyDish」)は、複
雑かつ経費のかかる嫌気性バッグ、ジャー、インキュベ
ーター、またはチャンバーを含まない、微生物を用いる
仕事をするための手段を提供する。各皿は、重さが軽
く、そして積み重ねの下方の皿中の固体(寒天またはゼ
ラチンベース)培地を押しつぶすことなく、積み重ねら
れるように設計されている。皿は、低コスト材料(好ま
しくはプラスチック)から作られ得、容易に成型される
ように設計され、滅菌可能であり、そして好ましくは使
用後に処理され得る。酸素を除去する生体触媒性手段を
取り入れたため、拡大したヘッドスペースが可能であ
る。この拡大したヘッドスペースは、Brewer蓋に存在す
る湿気凝結問題を軽減する。
さらに、本発明の特定の実施態様では、培養皿の皿頂
部は、嫌気性ガス(例えば、CO2)を含有するように設
計された小さな円頂または空洞を有し、閉鎖された培養
皿のヘッドスペース内の嫌気状態を示すためのパッドま
たは指示ストリップを生成する。この皿の設計の改変
は、必要のとき、皿基部の底面に気孔を設置することに
より、皿からの湿気のさらなる除去を提供する。この特
徴は、寒天培地表面の水浸しをもたらす皿内部の過剰の
凝結物の増加を防ぐ。気孔は、溶融寒天培地を皿から流
出させるのに小さすぎるが、これらは、湿気の出口を提
供する。これら気孔を通して皿に侵入するいかなる酸素
は、酸素還元剤を含有する培地を通過しなければならな
い。この侵入する酸素は、それが培地の上層に拡散し得
る前に除去されるか、またはそれが嫌気性微生物の増殖
を干渉するヘッドスペース内に拡散し得る前に除去され
る。
本発明の培養皿、すなわち、「OxyDish」は、商業生
産に必要な寒天またはゼラチンベースの培地プレートの
自動調製のために設計される。直立した位置のとき、皿
を、シーリングリングが培地の表面に接触することな
く、溶融した培地(例えば、溶融した寒天またはゼラチ
ンベースの培地)で容易に充填し得る。貯蔵または使用
される場合、皿を倒置の位置に配置する。この位置で
は、シール(すなわち、培地−リングシール)が、培地
表面がシーリングリング上に置かれるとき、皿頂部のシ
ーリングリングを皿底部に含まれた培地表面と接触させ
ることにより形成される。これは、培地表面、シーリン
グリングの内壁、およびディシュ蓋の内部頂部により規
定されるヘッドスペースを作成する。
さらに、培養皿が生体触媒性酸素還元剤のような酸素
還元剤とともに利用される場合、培地中のこの酸素還元
剤はヘッドスペース中に止められた酸素と反応する。こ
の反応は、ヘッドスペースの酸素を充分に低くし、それ
により、酸素の存在により影響される微生物は、皿を好
気的インキュベーター内で35℃〜37℃でインキュベート
する場合に、代表的に24〜48時間内で培地表面上で増殖
し得る。培地リング−シールを取り囲むかまたはプラス
チックを通して皿に侵入するいかなる酸素は、還元剤の
作用により除去される。触媒性還元剤は、この皿の設計
および機能を容易にする。
本発明での使用に適切な培地は、培地リング−シール
を形成するために倒置し得る任意の固体タイプの培地を
含む。固体培地は、一般に寒天またはゼラチンのような
薬剤で凝固された(「ゲル化」)液体培地からなる。他
の公知の適切なゲル化剤の例には、アルギネート(algi
nate)、ゲランガム(「GelriteTM」)およびシリカゲ
ル(「Pluronic Polyol F127TM」)が挙げられる。固体
タイプの培地は、嫌気性菌、微嫌気性菌および通性好気
生物の増殖を支えるような組成物である。
さらに、本発明の培養皿、すなわち、「OxyDish」
は、安定な配置で積み重ねられるように特定の実施態様
で設計される。皿頂部には、その下方の隣接する皿頂部
とかみ合う積み重ねリングを有する。皿の底部は、組み
立てた皿が倒置されかつシールされた位置に配置される
とき、2つの隣接する皿頂部の間にとどまる(すなわ
ち、収める)。嫌気性環境を樹立しそして保持する皿の
機能性は、積み重ねにおいて保持され、そして保護され
る。培養皿の積み重ね易さは、インキュベータースペー
スの効率的な使用を大きくする。積み重ね易さはまた、
これらの皿の機械的装填および微生物学者または末端使
用者への皿または予め調製した完成品プレートの出荷に
重要である。
本発明の培養皿は、微生物学者または実験室の技術者
による嫌気性生物の取り扱いを簡単化する。培養皿、す
なわち「OxyDishTM」は、閉鎖の位置で嫌気性環境を連
続的に形成しながら、数回開放および閉鎖され得る。特
別に設計した培養皿は、嫌気性生物を用いて仕事するに
必要される操作の回数を減らし、かつ簡単化することに
より、微生物学者の効率を顕著に高める。さらに、現在
は、微生物学者は、各培養皿およびその微生物的中身を
それぞれに処理し得る。これは、微生物学者がシール可
能なジャー、バッグなどに存在する培養皿群中で増殖の
最も遅い分離株を待たなければならないよりも、各分離
株または処理の観察に基づいて決定を下すことを可能に
する。また、自給式の、環境的に制御される培養皿は、
内部の微生物に安全な環境を提供する。
以上は、本発明の最も適切な目的のいくつかを概説し
た。これらの目的は、本発明のより重要な特徴および適
用のいくつかの単なる例示であると理解されるべきであ
る。多くの他の有利な結果は、開示された本発明を異な
る様式で適用することにより、またはこの開示の範囲内
で本発明を改変することにより達し得る。従って、本発
明の他の目的およびより詳細な理解は、以下の図面、本
発明の詳細な説明および請求の範囲を参照することによ
り、なし得る。
図面の簡単な説明 以下は図面の簡単な説明である。これらは、本発明を
限定する目的でなく、本発明を例示する目的で呈示され
るものである。
図1は、嫌気性微生物を増殖させるための、分離また
は分解した関係で示される2部分の培養皿の断面図であ
る。
図2は、一般に第1のまたは直立した位置と称する様
式で示される、組み立てた図1の培養皿の断面図であ
る。
図3、一般に第2のまたは倒置した位置と称する様式
で示される、組み立てた培養皿の断面図である。
図4Aは、培養皿の第1要素または底部皿の上面図であ
る。
図4Bは、底部皿の側面図である。
図4Cは、底部皿の下面図である。
図4Dは、底部皿の側壁の拡大図である。
図5Aは、培養皿の第2の要素または皿頂部または蓋の
上面図である。
図5Bは、皿頂部の側面図である。
図5Cは、皿頂部の下面図である。
図5Dは、ほぼ図5Cの5D−5D線に沿った皿頂部の断面図
である。
図6は、直立した位置で垂直に積み重ねた2つの組み
立てた培養皿の側面図である。
図7は、倒置した位置で垂直に積み重ねた3つの組み
立てた培養皿の側面図である。
図8Aおよび8Bは、本発明の培養皿中の嫌気性微生物の
増殖を示す写真である。
発明の詳細な説明 本発明の培養皿は、嫌気生活の厳密な要件を満たし、
一方で微生物学者による取り扱いを簡単にするように設
計される。図面に示されるように、培養皿10は、2つの
別々に形作られた部分を備える。第1の構成部材または
皿底部12は培養培地14を収容し、そして皿カバーまたは
頂部16は、培養皿の第2の構成部材を規定する。皿底部
および皿頂部は、微生物を増殖させるための培養皿を規
定するために選択的に協動する。合わさって、皿底部12
および皿カバー16は、第1の位置または向きで、図2に
示されるような蓋付きのペトリ培養皿を規定する。この
第1の位置は、直立位置と呼ばれる。倒置の場合(図
3)、皿底部および皿カバーは、それらの協動的形状を
変化させて、閉じ込められた(enclosed)チャンバーま
たはヘッドスペース80を形成する第2の位置または向き
を規定する。ここで、嫌気性微生物20が培養され得る。
皿底部12の構造的および機能的な詳細を、図1から3
に関して、そしてより詳細には図4Aから4Dに関して記載
する。皿底部は、ほぼ平面の基部(base)22、およびこ
の基部からほぼ直交して伸びる円周状に連続する側壁24
を備える。議論の目的のみのために、側壁は、図1、2
および4に示されるように、基部から上方に伸びるもの
として記載される。しかし、いかなる説明的な記載も、
単に、本発明の理解を簡単にする目的のためであること
が認識される。
さらに、皿底部12は第1の面または内部表面26を有
し、これは、基部および側壁を覆って、基部および側壁
のカップ状の配置によって規定される空洞に向かって、
内向きに面する。同様に、第2の面または外部表面28
は、向きが空洞からそれており、そして基部および側壁
の外表面を含む。側壁の内部表面は、好ましくは、リッ
プ30により第1の部分32および第2の部分34に分割され
る。リップ30は、必要に応じて、皿底部の側壁の内部表
面26上に提供され得、そして培養培地14の充填高(fill
height)を示すためのガイドとして働く。側壁の第1
の部分は上縁36を規定し、そして第2の部分34は上縁を
基部22に結合する。示されるように、基部および側壁
は、モールドされた配置のようなワンピース構造として
示される。しかし、他の同等な形状を、本発明の範囲お
よび意図を逸脱することなく使用し得る。
皿底部12は、いかなる便利な大きさでもあり得、そし
て通常、この大きさが直径として言及される円形であ
る。代表的には、皿底部の直径は、約8.0〜約15.0cmで
ある。側壁(これは、基部から上方に伸びる)の高さに
よって規定される皿底部12の深さは変化し得、そして一
般的には、約0.8〜1.8cmである。特定の実施形態(図4
C)において、皿底部12の基部22は、区画仕切、グリッ
ドマークまたは他の印40によって2、3、4またはそれ
以上の区画38に分割され、微生物の個別の診断を高め得
る(図4C)。
皿カバーまたは皿頂部16(図1および5A〜5D)は、皿
底部12にフィットするかまたはこれを覆って適合するサ
イズである。皿カバーは、頂部壁50、第1および第2の
側壁52、54、およびシールリング56を備える。頂部壁
は、外部側壁52のほぼ中程の高さに位置する。その理由
は、以下でより詳細に記述する。皿底部と同様な様式
で、側壁52、54は、頂部壁にほぼ直交して位置し、そし
てこれら自体は、ギャップまたは凹部58によって間隔を
おいて半径方向に(radially)位置している。側壁は連
結壁60によって一方の端部に沿って結合して、培養皿構
成部材が第1の位置または直立位置に置かれる場合に、
逆向きのほぼJ形の形状を規定する(図1および2)。
皿カバーは、第1の面または内部表面70を有する。こ
れは、培養皿の個々の構成部材が組み立てられる場合
に、皿底部にほぼ対面する。第2の面または外部表面72
は、皿カバーの外側を覆って伸びる。
シールリング56は、頂部壁50の内部表面70から外側ま
たは下方に伸びる。このリングは円周的に連続し、そし
て頂部壁の周縁に沿って位置する。これは、その外部半
径方向のエッジに沿って、内部側壁または第2の側壁54
と連結する。シールリングは、平面シール面78を有す
る。この平面シール面は、倒置位置に置かれる場合(図
3)、下記でより詳細に記述するように、皿底部中の培
養培地14と協動して、微生物を増殖させるための嫌気性
環境を規定する。
皿カバーの凹部58は、第1の側壁と第2の側壁との間
で規定される。皿カバー16が皿底部12と共に組み立てら
れ、そして直立位置に置かれる場合(図2)、皿底部の
側壁24は、皿カバーの凹部58内に受容される。この凹部
は、皿カバーおよび皿底部の全体のサイズおよび形状に
依存して幅が変化し得る。
さらに、カバー16が皿底部12と結合され、そして直立
位置で置かれる場合、皿カバーの側壁52の高さは、シー
ルリング56の平面シール面78が培地表面14に接触しない
ような十分な高さがある。このことは、溶けた寒天を新
たに注がれたプレートが冷却しそして固化することを可
能にし、その後、組み立てられた培養皿10が倒置される
場合(図3)、皿底部12の培地表面が皿カバー16中のシ
ールリング上に置かれ得る。この特徴はまた、無菌状態
を維持しながら大量商業生産のために、コンベアーベル
ト上の機械化された手段によって連続的な様式で完成プ
レートを生産するための手段を提供する。
皿底部12が固化培地14で満たされ、そして組み立てら
れた培養皿10が倒置される場合、固化培地の表面は、皿
カバー16のシールリング56と接触して、平面シール面78
に沿って培地−リングシールを形成する(図3および7
参照)。培養皿のこの倒置形状において、培地14中に存
在する酸素還元剤は、固化培地の表面と皿カバーの内部
表面70との間で形成された閉じ込められたチャンバー80
のヘッドスペースにトラップされたすべての酸素を取り
除く。組み立てられた培養皿は、倒置位置で、嫌気性微
生物20の増殖のための内部嫌気性環境を作り出しつつ、
好気的にインキュベートされ得る。
さらに、本発明の特定の実施態様において、一段高い
領域であるドームまたは空洞82が皿カバー16に存在する
(図1)。具体的には、嫌気性ガス(CO2など)生成パ
ッドまたはインジケータストリップ(示さず)を含むよ
うに設計されたドーム82が、皿カバーの頂部壁50から外
側に伸びる。ドーム82は、本質的には、ドーム側壁84お
よびドーム頂部壁86を備えるが、円形ドームがより好ま
しい実施形態である。別の形状およびサイズのドームま
たは空洞を同等な好結果で利用し得ることは、当業者に
理解される。
示される実施態様によると、強化リブ90が側壁52に沿
って周縁に間隔をおいて位置する。リブは、好ましく
は、皿カバーの円周の周りに等しい間隔で位置し、そし
て側壁の外部表面から半径方向に外側に突出する。リブ
は、皿カバーにさらなる剛直性および強度を提供する。
この剛直性および強度は、特に、培養皿が、図6および
7に示されるように、直立または倒置のいずれの位置で
積み重ねられる場合に役立つ。
皿カバー16は、それが皿底部12の大きさに一致する限
り、いかなる好都合な直径をも有し得る。代表的には、
皿カバー16は、直径が約9.0cm〜16.0cmである。シール
リング56は任意の所望の直径であり得、そして一般的に
は、直径が約7.0cm〜14.0cmであり、そして皿カバーの
側壁52に対して中心に位置する。シールリング56の全体
的な半径方向の大きさは変化し得、好ましい半径方向の
大きさは約0.2cm〜0.5cmである。
さらに、いくつかの実施態様において、皿底部12の基
部22は、インジケータリング100を備える(図4A)。基
部のインジケータリング100と側壁24との間の領域また
は環形102は、組み立てられた培養皿10が倒置される場
合に、シールリング56が占める培地表面14の領域を明ら
かにする。この領域は、微生物を培養するためには使用
されない。この領域に存在する微生物(microbes)は、
皿頂部が培養培地と接触して置かれる場合、シールリン
グ56の周りに群がる。
皿カバーの側壁52の高さと皿底部の側壁24の高さとの
差もまた変化し得、約0.5cmの高さの差が好ましい。図
1および図4Dの充填高110は、皿底部12の基部22から培
養培地14の表面レベルまでの距離であり、そして変化し
得る。代表的には、この高さは0.2cm〜0.4cmであり得
る。培養培地14表面の頂部(これは、一般的には、内部
リップ30により示される)から皿底部の上部エッジまで
の大きさは(D)であり、そして関係D=A−Cにより
決定される。(図4Dを参照。ここで、(A)は皿底部12
の側壁24の全高であり、そして(C)は培養培地の充填
高である。) 皿カバーの内部にあるシールリング56は、皿カバー16
から下方に図5Bの(E)に等しい距離だけ伸びる。E
は、関係E=B−(Cmax+0.1cm)によって決定され
る。ここで、(B)は皿カバーの側壁52の全高であり、
そして(Cmax)は培養培地30の最大の充填高である。こ
のことにより、皿底部12がその最大レベルまで満たさ
れ、そして組み立てられた培養皿10が直立位置である場
合(図2)、シールリング56は約0.1cmだけ培養培地表
面から確実に離される。
皿底部の側壁24の上部エッジと皿カバー16の内部表面
70の上端との間の距離は、培養皿が直立位置に向けられ
た場合には、図6の(F)である。好ましい実施態様に
おいて、FはF=B−Aによって決定される。ここで、
(B)は皿カバー16の側壁52の全高であり、そして
(A)は皿底部12の側壁24の全高である。
組み立てられた培養皿が倒置されて培地−リングシー
ルを形成する場合に形成される、培地表面38の下部のヘ
ッドスペースまたは閉じ込められたチャンバー80の深さ
は、図7の大きさ(G)によって決定される。この大き
さは、皿頂部16のサイズに依存して変化し得るが、代表
的には、0.2cm〜0.5cmの間の範囲である。図7の大きさ
(H)は、皿カバーの上部エッジからの頂部壁の高さで
ある。これは、以下の関係H=E−Gに従って決定され
る。ここで、(E)は皿カバーの内部側壁54の高さであ
り、そして(G)はヘッドスペース80の高さである。
皿カバーは、好ましくは、側壁52の部分において1ま
たはそれ以上の切欠(cut−out)領域112を備える(図5
B)。これらの切欠領域112は、組み立てられた培養皿10
における握りおよび皿カバーからの皿底部12の分離を容
易にする。切欠領域は、皿カバーの側壁52において、互
いに不定または一定の間隔で位置し得る。示されるよう
に、1つの好ましい配置は、側壁52に、互いに等距離の
2つの切欠領域112を有する。同様に、切欠領域の特定
の形状は、本発明の範囲および意図を逸脱することなく
変化し得る。
さらに、本発明の好ましい実施態様において、組み立
てられた培養皿10は、頂部に次々と積み重ねられるよう
に設計される。1つの組み立てられた培養皿の皿底部12
は、直立位置で積み重ねられた皿カバー16(図6参照)
の間におさまる。この点に関して、各皿カバーは、皿カ
バーの上部エッジの周りにスタッキングリングまたは突
出リブ120を有する(図1)。スタッキングリング120の
直径は変化し得るが、これは、一般的には、皿カバー16
の全体の周縁の直径より約0.5mm〜1.0mm小さい。これ
が、外部の半径方向の棚122を提供する。直立位置(図
6)または倒置位置(図7)で置かれる場合、この上に
隣接する皿カバーの側壁の52の下部エッジが載る。スタ
ッキングリング120の突出は、好ましくは、高さが約0.5
mm〜1.5mmである。スタッキングリング120は、隣接する
皿カバーが側方にずれることおよび積み重ねられた配置
が転倒することを防ぐ(例えば、図6および7を参
照)。
同様に、皿カバー16上のスタッキングリング120は、
直立位置で積み重ねることが所望される場合、半径方向
に、隣接する皿底部12を含むかまたはこれに入れ子状に
重なる(図6)。スタッキングリング120は、半径方向
の内部棚124を規定して、結合している皿底部12が滑り
はずれるのを防ぐ。スタッキングリングは、好ましく
は、幅が0.5mm〜1.5mmである。
最小の充填高(Cmin:この高さまで、皿底部12に培養
培地14を充填し得、そして皿が倒置位置の場合には、シ
ールリング56上に置かれた培地表面を有する)はCmin=
A−Eによって決定される。ここで、(A)は皿底部12
の側壁24の全高であり、そして(E)は皿カバーの内部
側壁54の高さである。培養培地14の充填高がこのレベル
を下回る場合には、組み立てられた培養皿が倒置された
とき、培地表面14が皿カバーのシールリング56の上に置
かれるというよりはむしろ、皿底部12の上部縁が皿カバ
ー16の内部表面70と接触する。この状況において、シー
ルリング56と培地表面14との間にシールは形成されな
い。シールされたヘッドスペース80は形成されない。こ
の状態では、組み立てられた培養皿10は、微好気性生物
および嫌気性生物の単離および増殖のための自給式環境
を提供するという、この培養皿の1つの設計目的に関し
て役に立たなくなる。
培養皿の変形例は、ヘッドスペース80の内部の水分を
制御するために、皿底部12に1またはそれ以上の穿孔ま
たは孔132を備える。孔132のサイズは変化し得るが、通
常、直径が約0.1cm〜0.3cmである。孔132の数は、1個
から80個またはそれ以上まで変化し得、そしてそれらの
位置はグループとして位置し得、または均一に間を空け
て位置し得る。孔はMylarTM(図示せず)のような接着
性フィルムで覆われ得る。この接着性フィルムは酸素の
通過を阻止し、そして皿が滅菌される場合には、同じ場
所で滅菌され得る。このフィルムは、培養皿10が充填さ
れた後でかつインキュベートされる前に取り除かれ得
る。孔は、制御された様式でのインキュベーションの間
に培地の水分含量を減少させる手段を提供する。このこ
とにより、組み立てられた培養皿10の内部に形成される
凝縮物が減少する。これらの孔132を通じて組み立てら
れた培養皿10中に侵入する酸素は、微生物20が植え付け
られる培地表面に到達するためには、培地14を通過しな
ければならない。培地14は、生体触媒性酸素還元剤、お
よび必要に応じて、酸素がこの経路によって表面に達し
得る前に酸素を除去する1またはそれ以上の基質を含有
する。
培養皿10は、公知の射出成形技術によって容易に製造
されるように設計される。皿頂部16および皿底部12は、
これらが鋳型から取り出されるのを妨げるような特徴を
有さない。構築材料は変化し得るが、好ましくは、ポリ
スチレン、ポリカーボネート、またはポリスチレン−ア
クリロニトリルである。これらは、安価で、成形が容易
であり、エチレンオキシドまたは照射により滅菌可能
で、取扱いに対して弾力性があり、そして微生物学的培
地に使用される化学物質に対して耐性がある、澄明な熱
可塑性プラスチックである。スチレン−アクリロニトリ
ルは、上記の3種類の熱可塑性プラスチックのうちで最
も低い酸素透過性を有する。すべての部材は、嫌気性培
養の過程の観察を可能とするために、好ましくは、透明
である。しかし、異なる明度または色調を作り出すため
にポリマー材料に顔料または染料を添加し得る。さら
に、紫外線吸収剤および他の添加剤を加えて、最終消費
者が所望する特性を有する培養皿を生産し得ることが当
業者によって理解される。
組み立てられた培養皿10は、3つの方法のうちの1つ
で開けられ得る: A)組み立てられそしてシールされた培養皿10を、ベン
チトップ上に直立に置く。皿頂部16上のドーム82を押し
下げる。皿頂部16が曲がることによって培地−リングシ
ールが分離し、皿底部12が解放され、そしてベンチトッ
プ上に残される。
B)組み立てられそしてシールされた培養皿10を、ベン
チ表面に軽く打ちつける。このアクションにより培地−
が破壊され、次いで皿底部12が解放され、そして皿底部
12がベンチトップ上に残される。
C)組み立てられそしてシールされた培養皿10を、ベン
チトップ上に直立に置く。皿頂部16の側壁52を、切欠領
域の間で、軽く曲げる。このアクションで培養−リング
シールが分離し、そして皿底部12が解放され、ベンチト
ップ上に残される。
培地−リングシールは、皿底12を覆うように皿蓋16を
置き、そして組み立てた培養皿10を再倒置することによ
り、簡単に再形成され得る。固化培地を含む皿底12が、
重力によりシールリングに接触するようになる。培地14
中に存在する基質および/または酸素還元剤により、ヘ
ッドスペース80中にトラップされた全ての酸素がもう一
度除去される。
本発明の培養皿は、特に円形態での使用に適合される
として本明細書中で示され、そして説明されているが、
このような特定の実施態様の理由により、改善の範囲お
よび利用能を制限することを所望または意図しない。な
ぜなら、本発明から逸脱することなく装置は、種々の形
態および規模を取り得るからである。さらに、本明細書
中で使用される特定の具体的な記載技術は、開示内容と
一致する可能な限り広い解釈が与えられることがまた考
慮される。
本発明における使用に適切な生体触媒性酸素還元剤に
は、グルコースオキシターゼおよびカタラーゼおよび、
本発明の共同研究者の1人であるHoward I.Adler、Oak
Ridge、Tenesseeによる「嫌気性細菌の増殖を促進する
ための材料および方法」と題される1984年10月9日に発
行された米国特許第4,476,224号に開示される酸素除去
細菌細胞膜フラグメントのような公知の生体触媒性酸素
還元剤が挙げられる。'224号特許は本明細書中で参考と
して援用される。
'224号特許は、細菌に由来する滅菌膜フラグメントの
使用による、嫌気性細菌のための栄養培地からの溶解酸
素を除去する方法に関する。由来する細菌は、栄養培地
中で水素ドナーの存在下、酸素を還元して水にする電子
送達系を備える膜を有する。培地に適切な水素ドナーが
存在する場合、非常に多くの細菌が、効果的に酸素を還
元して水にする電子送達系を備える細胞質膜を有するこ
とが知られている。'224号特許において同定されたいく
つかの細菌供給源には、Escherichia coli、Salmonella
typhimurium、Gluconobacter oxydans、およびPseudom
onas aeruginosaが挙げられる。これらの細菌膜は、培
地および他の水性環境および半固体環境から酸素を除去
するにおいて、非常に効果的である。
上記で示される細菌供給源からの細胞膜フラグメント
による酸素還元効果産物と同じものが、細菌以外の非常
に多くの高等生物のミトコンドリア小器官の膜に存在す
る。より詳細には、非常に多くのカビ、酵母、ならびに
植物および動物は、培地中に適切な水素ドナーが存在す
る場合に酸素を還元して水にするミトコンドリアを有す
る。これらのミトコンドリア由来の酸素還元膜の供給源
のいくつかは:ウシ心筋、ジャガイモ塊茎、ホウレンソ
ウ、Saccharomyces、Neurospora、Aspergillus、Euglen
aおよびChlamydomonasである。有用なミトコンドリア膜
フラグメントを産生するプロセスは以下の工程を包含す
る: 1.酸素を還元して水にする電子送達系を備えるミトコン
ドリア膜を有する酵母、カビ細胞、藻類および原生動物
を、活発な通気および通常約20℃〜45℃の細胞増殖を誘
導する温度の適切な条件下、ブロス培地で増殖させる。
あるいは、ミトコンドリアは、動物または植物起源の細
胞から得ることができる。
2.この細胞を遠心分離または濾過により回収し、そして
蒸留水で洗浄する。
3.粗ミトコンドリア膜フラグメントの調製のために、細
胞の濃縮懸濁液を処理して、細胞壁およびミトコンドリ
アを破壊する。これは、公知の手段により(例えば、超
音波処理により、または懸濁液を20,000psiで数回、フ
レンチプレスセル(French pressure cell)を通過させ
ることにより)達成される。
4.細胞破片を低速遠心分離または精密濾過(十字流濾
過)により取り除く。
5.上清または濾液を高速遠心分離(175,000×g、5
℃)または限外濾過に供する。
6.より高い純度の材料の調製のために、工程2の細胞を
1.0Mのスクロースを含有する緩衝液中に懸濁させ、細胞
壁または細胞膜は破壊するがミトコンドリアは完全に保
存する手段により処理する。これは、公知の手段により
(例えば、超音波処理、低圧でのフレンチプレスセルの
通過、酵素消化またはガラスビースとの高速混合によ
り)達成される。
7.工程6の細胞破片を分画遠心分離または濾過により取
り除く。
8.工程7の上清または保持物質(retentate)を20,000p
siでフレンチプレスを通過させ、ミトコンドリアを小さ
な破片に破壊する。
9.工程7のミトコンドリア破片を、約15分間の12,000×
gでの遠心分離または精密濾過により取り除く。
10.工程9の上清または濾液を高速遠心分離(175,000×
g、5℃)または超音波処理に供する。
11.工程5のペレットまたは保持物質(粗ミトコンドリ
アフラグメント)、または工程10のペレットまたは保持
物質(精製されたミトコンドリア膜フラグメント)をpH
約6.0〜約8.0の緩衝溶液中に再懸濁させる。好ましい緩
衝溶液は、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N′
−2−エタンスルホン酸(HEPES)の0.02M溶液である。
12.次いで、緩衝溶液中の膜フラグメントを、加圧下
で、約0.2ミクロンの開口部を有するフィルターを通過
させる。
13.次いで、懸濁液を後の使用のために、約−20℃で保
存するか、または凍結乾燥し得る。
さらに、多くの固化培地は、膜フラグメント中に存在
する酵素系が、産生物中の酸素を還元して水にするため
の水素ドナーの添加を必要としないが、合成培地または
水素供給基質を含有しない培地が利用される場合、膜フ
ラグメントがその酸素除去機能を発揮するための水素ド
ナー(すなわち、有機基質)の添加が、必要となり得
る。適切な水素ドナーは、乳酸、コハク酸、α−グリセ
ロールリン酸、ギ酸、リンゴ酸、および利用可能な場
合、それらの対応する塩である。
本発明は以下の実施例によりさらに例示される。本発
明は、実施例に制限されることなく、そして種々の変更
および改変が本発明の思想および範囲から逸脱すること
なく、本発明においてなされ得ることはいうまでもな
い。
実施例 実施例1. 本発明の培養皿(すなわち、「OxyDish」)および生体
触媒性酸素還元剤を用いる嫌気性微生物の増殖 栄養素寒天は、ギ酸ナトリウム(15mM)、コハク酸ナ
トリウム(30mM)、乳酸ナトリウム(45mM)およびシス
テイン(0.025g/100ml)を補充する。生体触媒性酸素還
元剤のEC−Oxyrase (Oxyrase,Inc.、Mansfield、OH)
を、冷えた(45℃から50℃)が、溶解した滅菌培地に添
加し、5ユニット/mlの最終濃度にした。20mlの上記混
合物を、素早く培養皿(すなち、「OxyDish」)の底部
分に導入する。培養皿の頂部は、混入物が皿に進入させ
ないために、満たされた底部分の上に置かれる。底部分
の寒天を室温にまで冷やし、そして固化させる。かぶせ
られた皿を放置し、過剰の湿気を逃す。この時点で、皿
を、皿の底部における寒天表面を皿頂部の内側のリング
に接するように倒置することによりシールし得る。
嫌気性微生物の懸濁液を、生体触媒性酸素還元剤およ
びその基質を含む寒天培地の表面に拡げる。皿は、倒置
することによりシールされる。次いで、皿を、35℃〜37
℃で、24時間〜48時間、好気的インキュベーター内に置
く。いくつかの皿を積み重ね、安定な皿のカラム(colu
mn)を形成する。
組み立てられた皿は、シールの破れおよびトラップさ
れたヘッドスペース内の嫌気的環境の消失を伴うことな
く、何時でも取扱い得るし、そして観察し得る。このよ
うにして、特定の培養皿、すなわち「OxyDish」は、微
生物の単離体を選択するために十分に増殖させる際、最
も早い時期に選択され得る。
培養皿、すなわち「OxyDish」および生体触媒性酸素
還元剤を用いるこの技術を用いて、以下の微生物が増殖
した: Clostridium tertium、C.difficile、C.perfringens、
C.cadaveris、C.acetobutylicum、Bacteroides thetaio
taomicron、B.fragilis、B.distasonis、Escherichia c
oli、Fusobacterium varium、F.mortiferum、F.necroph
orum、Peptostreptococcus magnus、P.anaerobius、P.n
igra、P.itermedius、Lactoba cillus casei、L.acidop
hilus、Eubacterium lentum、Bifidobacterium breve、
およびStreptococcus fecalis。
実施例2. 生体触媒性酸素還元剤による、本発明の培養皿の効果の
ヘッドスペースにおける酸素低下の測定 穴を培養皿、すなわち「OxyDish」の基部にドリルで
あけ、そしてガスタイトセプタム(gas tight septum)
を挿入する。次いで、基部を、生体触媒性酸素還元剤を
含む20mlの寒天を満たす。底部を、組み立てた皿を倒置
することにより頂部とシールし、37℃でインキュベート
する。定期的に、皿のヘッドスペースにおけるガスの50
μlのサンプルを、基部の底のセプタムを通して100μ
lのガス気密Hamiltonシリンジの先端を挿入することに
よりサンプリングする。これらのサンプルをOxygen Sen
sor(IT Corporation)に導入し、そしてヘッドスペー
スにおける残存酸素濃度を測定する。この方法を使用し
て、全ての測定可能な酸素(10ppビリオン未満)は、使
用した生体触媒性薬剤の濃度および配置に依存して2時
間〜8時間内に、ヘッドスペースから除去される。皿に
開け、再度シールし、そして最適なインキュベーション
期間後、ヘッドスペースは再度、嫌気的になることもま
た、決定された。
実施例3. 本発明の培養皿の複数の開閉および嫌気的環境の再樹立 栄養素寒天および生体触媒性薬剤を含有する本発明の
培養皿、すなわち「OxyDish」に、嫌気性生物(Bactero
ides thetaiotaomicronまたはB.fragilis)を皿の4分
の2領域を覆うように画線する。37℃で24時間のインキ
ュベーション後、皿を開け、嫌気性生物の増殖を観察
し、そして少量の生物を皿の第3の4分の1領域に画線
する。皿を再度シールし、そして37℃で24時間のインキ
ュベーション後、皿を再度、開け、そして第3の4分の
1領域での増殖を観察する。第3の4分の1領域からの
少量の増殖物を、第4の4分の1領域に画線する。皿を
再度、シールし、そして37℃で24時間のインキュベーシ
ョン後、再度、開けて、皿の第4の4分の1領域での増
殖を観察する(図8A参照)。
実施例4. メチレンブルーにより示される、生体触媒性酸素還元剤
を含有する寒天層の急速嫌気性化 水、50mM乳酸ナトリウム、および2.5mg/mlのメチレン
ブルーを含有する寒天培地を作製した。酸化状態におい
て、メチレンブルーは青色である。還元状態において、
メチレンブルーは無色である。寒天を溶かし、そして45
℃に冷やした。色は、青である。EC−Oxyrase を5ユ
ニット/mlで添加し、そして20mlを培養皿、すなわち「O
xyDish」の底部に送達する。寒天が固まると直ちに(約
5分後)、培養皿、すなわち「OxyDish」を倒置するこ
とによりシールする。このとき寒天層は青色である。培
養皿、すなわち「OxyDish」を、37℃でインキュベート
ションし、そして定期的に観察する。培養皿、すなわち
「OxyDish」のシール直後、寒天層は色が明るくなり始
める。インキュベーターに入れてから30分〜45分以内
に、培地は、見た目では白色に近いが、わずかに青みが
かった色である。60分までのインキュベーションによ
り、寒天層は白くなる。このことは、EC−Oxyrase
培地への添加後、寒天層は、短時間で嫌気性になること
を示す。
実施例5. 培養皿における嫌気性化を示すメチレンブルーストリッ
プの使用 アルカリ性のpHでメチレンブルーを染み込ませた小さ
な長方形の濾紙の1つを、培養皿、すなわち「OxyDis
h」の頂部のドームの内側に固定する。皿の底は、栄養
寒天および生体触媒性酸素還元剤を含む。皿を倒置する
ことによりシールし、それにより寒天表面をリング上に
置く。37℃で8時間またはそれ以上のインキュベーショ
ンの後、青色は濾紙から消失する。このことは、培養
皿、すなわち「OxyDish」のヘッドスペースが嫌気性に
なったことを示す。
実施例6. 生体触媒性酸素還元剤としてのグルコースオキシダーゼ
およびカタラーゼの使用 1%グルコースを補充した滅菌した栄養素寒天(Difc
o)を45℃に冷やし、1ユニットの濾過滅菌したグルコ
ースオキシダーゼ/ml、および1ユニットの濾過滅菌し
たカタラーゼ(Sigma Biochemicals、1994カタログ、22
1頁および478頁)を加える。この培地の20mlを、培養
皿、すなわち「OxyDish」に送達する。寒天の固化後、
少量のBacteroides fragilisを寒天の表面に画線し、そ
して皿を倒置することによりシールする。37℃で48時間
のインキュベーション後、寒天培地表面上の嫌気性微生
物の増殖を観察する。
実施例7. ヘッドスペースにおいてCO2を発生させるための炭酸塩
を有する濾紙片の使用 1%重炭酸ナトリウムで飽和させ、次いで乾燥させた
濾紙片の1つを、培養皿、すなわち「OxyDish」の頂部
のドームの内側に固定する。次いで、この濾紙を0.2μ
のメンブランフィルターで覆う。皿の底を、20mlの栄養
素寒天(Difco)および生体触媒性酸素還元剤(5ユニ
ット/mlのEC−Oxyease および基質)で満たす。寒天表
面に、少量のClostridium acetobutylicum(迅速なコロ
ニー発達にCO2を要求する微生物)を画線することによ
り植菌する。皿のシール直前に、1滴の0.1N HClをメン
ブランフィルターの上に置く。皿を倒置することにより
シールし、そして37℃の好気的インキュベーター内に置
く。24時間のインキュベーション後、C.acetobutylicum
の増殖を観察し得る。このことは、培養皿、すなわち
「OxyDish」のヘッドスペースに、重炭酸ナトリウムを
染み込ませた濾紙からCO2が放出されたとを示す。
実施例8. 皿底における孔からの水分の除去 異なるサイズの76個の穴(大:0.101インチ、中:0.086
インチ、および小:0.059インチ)を、培養皿の底にドリ
ルであける。皿を40mlの1.5%寒天で満たす。標準的な
皿カバーまたはBrewer蓋を、各皿の底に取り付ける。皿
全体の重量を測る。覆われた皿を37℃でインキュベーシ
ョンし、そして定められた時間間隔で重量を測る。重量
減少を、水分減少によるとする。なぜなら固化した寒天
は、98.5%重量で水であるからである。相対的重量減少
(正味のコントロール重量減少)は、以下の通りであ
る: 孔サイズ 24時間 48時間 小 6% 11% 中 9% 14% 大 13% 24% このことは、インキュベーション期間の寒天層の乾燥
が、皿の底に付けた孔の数およびサイズにより制御され
得ることを示す。全てのサイズの穴について、溶けた寒
天はこれらの穴から漏れなかった。Brewer蓋で覆った皿
は、皿の底に穴を有するそのような皿について、トラッ
プされるヘッドスペース内での水分の増加を示さなかっ
た。
実施例9. 嫌気性生物の増殖についての本発明と標準的方法との比
較 Wilkens−Chalgren血液寒天プレートから特定の微生
物のコロニーを選択することにより、接種液を調製す
る。1ループ量(loopful)の増殖物を、1mL当たり約1.
5×108個のコロニー形成単位の密度にBrucellaブロス中
に懸濁した。懸濁した微生物を、レプリケーター台(re
plicator block)のウェル内に入れる。滅菌したレプリ
カまたはピンを、この台のウェル内に浸す。レプリケー
ターピンを、寒天培地(Wilkens−Chalgren血液寒天)
の表面上にスタンプする。各ピンを、1スポット当たり
約1×105個のコロニー形成単位を送達するように校正
する。この手順を繰り返して、抗生物質を増加系列量で
含有する寒天プレート上に制御したスポットパターンを
接種する。適切なコントロールプレート(これは、抗生
物質を含有しない)を含める。しばらくして、スポット
を乾燥し、培養皿、すなわちOxyDishをシールし、そし
て好気的にインキュベーションする。標準プレート(酸
素還元剤、すなわちOxyrase および基質を含まない)
を、嫌気ジャーまたは嫌気チャンバー内でインキュベー
ションする。35℃で48時間のインキュベーション後、プ
レートを増殖について評価する。抗生物質を含有するプ
レート上の増殖の存在は、特定の微生物がそのプレート
における抗生物質のレベルに対して耐性であることを示
す。このように、多数の微生物試料の抗生物質感受性の
プロフィールを決定し得る。
標準方法と比較して、本発明の培養皿および生体触媒
性酸素還元剤を用いる、多数の異なる微生物増殖の速度
および強度に関して、標準的な嫌気方法と比較して、嫌
気性微生物は、本発明ではより早く、そしてより大きい
密度まで増殖することを見出した。下記のように、この
観察により、嫌気性生物を増殖させることの困難さが特
に目立った。
本発明を、好適な実施態様に関して記載してきた。明
らかに、改変および変更は、前記の詳細な説明を読み、
そして理解することにより、第三者が想到する。本発明
は、それらが請求の範囲およびその等価物の範囲内であ
る限り、このような変更および改変のすべてを含むもの
として解釈されることが意図される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 スパディー, ゲラルド イー. アメリカ合衆国 テネシー 37830, オーク リッジ, サウス ハリウッド サークル 111 (56)参考文献 実公 昭46−25110(JP,Y1) 米国特許2348448(US,A) 米国特許3198713(US,A) 米国特許5034331(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12M 1/16

Claims (30)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】嫌気性生物、微好気性生物、および通性嫌
    気性微生物の計数および培養のための装置であって、 基部およびそこから伸びる側壁を有し、その中に培養培
    地を収容するために適応された空洞を規定する第1の皿
    構成部材;ならびに、 壁およびそこから伸びる側壁を有し、該第1の皿構成部
    材を収容する第2の皿構成部材であって、該第2の皿構
    成部材は組み立てられるときに該第1の皿構成部材と向
    かい合うシール表面をさらに備え、該シール表面は第1
    の向きで該培養培地から間隔を置いて配置され、そして
    第2の向きで該培養培地と係合するように予め設定され
    た大きさで配置されて、(i)第1の向きにあるシール
    されていない該皿構成部材の組立て、および(ii)第2
    の向きにある該皿構成部材間の閉じ込められたヘッドス
    ペースを規定する、第2の皿構成部材、 を備える、装置。
  2. 【請求項2】前記第2の皿構成部材が、組み立てられる
    ときに前記第1の皿構成部材と向かい合うシール表面を
    さらに備え、該シール表面が、前記第1の向きで該第1
    の皿構成部材内に収容される培養培地から間隔を置いて
    配置され、そして前記第2の向きで該培養培地と係合す
    るように予め設定された大きさで配置される、請求項1
    に記載の装置。
  3. 【請求項3】前記第2の皿構成部材の前記側壁が、前記
    第1の皿構成部材の基部から伸びる側壁より大きい大き
    さで該第2の皿構成部材の壁から伸びる、請求項1に記
    載の装置。
  4. 【請求項4】前記第1の皿構成部材が前記第2の皿構成
    部材内に入れ子式に入る、請求項1に記載の装置。
  5. 【請求項5】前記第1の皿構成部材の前記側壁がその剛
    直性を増強するための強化リブを備える、請求項1に記
    載の装置。
  6. 【請求項6】前記第2の皿構成部材の側壁がその剛直性
    を増強するための強化リブを備える、請求項1に記載の
    装置。
  7. 【請求項7】前記第1および第2の皿構成部材の前記側
    壁が、該側壁の剛直性を増強するために円周上に間隔を
    置いて配置されたリブを備える。請求項1に記載の装
    置。
  8. 【請求項8】前記第1の皿構成部材の前記側壁が少なく
    とも1つの凹部を備え、該第1および第2の皿構成部材
    の分離を補助する、請求項1に記載の装置。
  9. 【請求項9】前記第2の皿構成部材が、前記側壁の向き
    とほぼ対向する向きで該壁から外側に突き出る環状のリ
    ブを備える、請求項1に記載の装置。
  10. 【請求項10】前記リブが前記第2の皿構成部材の周辺
    エッジから半径方向の側に間隔を置いて配置され、そし
    て積み重ねの関係で置かれるとき、隣接する第2の皿構
    成部材の側壁を収容するために適応されている、請求項
    9に記載の装置。
  11. 【請求項11】前記リブが、積み重ねの関係および前記
    皿構成部材の第1の向きに配置されるとき、隣接する第
    1の皿構成部材の基部の少なくとも一部分を収容するた
    めの大きさである、請求項9に記載の装置。
  12. 【請求項12】嫌気性生物、微好気性生物、および通性
    嫌気性微生物を培養し、そして計数する方法であって、
    以下の工程: 協働しね培地を収容するために適応された空洞を規定す
    る、第1および第2の皿構成部材を提供する工程; 組み立てられた第1の向きで該第1および第2の皿構成
    部材を配置する工程;ならびに、 該第1および第2の皿構成部材の配置を、微生物の培養
    のための組み立てられた第2の方向に変更して、微生物
    を培養するために該培地と該皿構成部材の1つの間のシ
    ールされたヘッドスペースを規定する工程; を包含する、方法。
  13. 【請求項13】嫌気性微生物を増殖させるための培養皿
    であって、固化可能な培養培地を収容するための皿底
    部;および該皿底部の上に配置されるように適応された
    皿カバーを供え、該皿カバーが、直立位置で配置される
    ときに該皿底部の培地表面から間隔を置いて配置される
    シールリングを有し、そしてここで、該シールリング
    が、該培養皿を倒置して該培地表面と皿カバーとの間の
    ヘッドスペース内のガスをトラップするシールを形成す
    るときに該皿底部で該培地表面に接触し、そしてここ
    で、酸素還元剤が該培地内に取り込まれ、該培地内およ
    び該ヘッドスペース内の酸素と反応し、それによって酸
    素を除去し、そして嫌気性微生物、微好気性微生物、お
    よび通性嫌気性微生物を増殖させるために適した環境を
    作製する、培養皿。
  14. 【請求項14】前記皿カバーが、前記培養培地の受容後
    に、前記皿底部の上に前記皿カバーが配置されるとき
    に、前記シールリングが該培地表面に接触することを妨
    げるに十分な高さを有する、請求項13に記載の培養皿。
  15. 【請求項15】前記皿カバーの前記シールリングが約2m
    m〜5mmの深さを有し、前記培養皿を倒置するとき前記微
    生物の増殖のために十分なヘッドスペースを提供する、
    請求項13に記載の培養皿。
  16. 【請求項16】前記皿カバーが、ガス放出剤を含有する
    ように適応されたドームを有する、請求項13に記載の培
    養皿。
  17. 【請求項17】前記皿カバーが、嫌気的環境指示剤を含
    有するように設計されたドームを有する、請求項13に記
    載の培養皿。
  18. 【請求項18】前記皿カバーが、前記培養皿から前記皿
    底部の取り扱いを増強するための少なくとも1つの切欠
    を有する、請求項13に記載の培養皿。
  19. 【請求項19】前記皿カバーが、安定な形態で組み立て
    られた培養皿の積み重ねを可能にするためのリブを有す
    る、請求項13に記載の培養皿。
  20. 【請求項20】前記皿底部が、基部および突出する側壁
    を備え、該側壁が、前記皿カバーの下に、前記培養皿を
    直立位置で配置するとき該皿底部の前記培養表面の該皿
    カバーの前記シールリングとの接触を妨げ、そして該培
    養皿が倒置された位置に配置されるとき該培地表面が該
    皿カバーの該シールリングと接触させるに十分な高さを
    有する、請求項13に記載の培養皿。
  21. 【請求項21】前記皿底部が、その側壁上に該皿底部内
    で最大の充填高を示す充填ラインを有する、請求項20に
    記載の培養皿。
  22. 【請求項22】前記皿底部が、約0.1mmから0.4mmの直径
    を有する孔を備え、前記ヘッドスペース内で湿気を妨げ
    るように該皿底部内の培地から湿気の蒸発を提供する、
    請求項13に記載の培養皿。
  23. 【請求項23】前記皿カバーが、ポリスチレン、ポリス
    チレン−アクリロニトリル、およびポリカーボネートの
    うち1つから形成される、請求項13に記載の培養皿。
  24. 【請求項24】前記皿底部が、ポリスチレン、ポリスチ
    レン−アクリロニトリル、およびポリカーボネートのう
    ち1つから形成される、請求項13に記載の培養皿。
  25. 【請求項25】前記皿底部および皿カバーが、透明なプ
    ラスチックから形成される、請求項23に記載の培養皿。
  26. 【請求項26】前記皿カバーが、隣接する皿カバー間に
    前記皿底部を入れ子式に入れて、皿カバーから皿カバー
    へ、組み立てられた培養皿の積み重ねを容易にする積み
    重ねリブを有する、請求項13に記載の培養皿。
  27. 【請求項27】前記酸素還元剤が生体触媒性酸素還元剤
    である、請求項13に記載の培養皿。
  28. 【請求項28】前記生体触媒性酸素還元剤が、細菌およ
    びミトコンドリア供給源から得られる膜画分である、請
    求項27に記載の培養皿。
  29. 【請求項29】前記生体触媒性酸素還元剤がグルコース
    オキシダーゼおよびカタラーゼを含む、請求項27に記載
    の培養皿。
  30. 【請求項30】前記培地が、嫌気性生物、微好気性生
    物、および通性嫌気性生物の増殖を支持する適切な寒天
    培地である、請求項13に記載の培養皿。
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