JPS6125558A - 血液及び血液製剤の保存容器及び保存方法 - Google Patents

血液及び血液製剤の保存容器及び保存方法

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JPS6125558A
JPS6125558A JP14594984A JP14594984A JPS6125558A JP S6125558 A JPS6125558 A JP S6125558A JP 14594984 A JP14594984 A JP 14594984A JP 14594984 A JP14594984 A JP 14594984A JP S6125558 A JPS6125558 A JP S6125558A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、血液及び血液製剤(以下血液と云う)の保存
容器及び保存方法に関するものである。
〔従来技術〕
血液の保存は従来、ガラス製容器または塩化ビ&、SH
バッグに採血し、冷蔵庫中で4〜6℃の低温で保存され
て来た。特に塩化ビニル製バッグは、柔軟で透明性がよ
く、高圧蒸気滅菌に耐える耐熱性と、血液保存中の低温
に耐える耐寒性、血液成分分離のだめの程々操作に耐え
る機械的強度を有しており、更には加工性、衛生性に優
れている為、広く世界で使用されて来た。血液の保存性
も、ガラス製容器に比べて優れていることが知られてい
る。しかしながら、この様な塩化ビニル製バッグで保存
しても、赤血球機能、特に赤血球の酸素運搬能が保存日
数と共に著るしく低下する為、国の生物製剤の規格で、
その有効期間は4±2℃の保存温度で21日間とするこ
とが定められているが、それでも2週間を過ぎたもので
は機能低下が著るしく、特に血漿成分の少ない赤血球濃
厚液において、その劣化は臨床上問題になっている。
血液の酸素運搬能の劣化を防止することは、限られた資
源の有効利用に役立つばかりでなく、輸血効果そのもの
を左右する根本的な重要問題であシ、従来より熱心に研
究がなされて来ている。その多くは保存液に関するもの
であり、イノンン、アデニン、アデノシンなどを保存液
に添加する方法が提案されている。また、 pHが高く
保たれる方が有利であると云うことから、抗凝固剤とし
てpHの緩衝効果の高いCPD液(C1trate −
Phosphate−Dextrose)が、ACD液
(Acid −C1trate −Dex −tros
e )よりも優れていると云うことが判かり、CPD液
を使った保存方法が実用化されて来た。更に、PEP 
(Phospho Enol −Pyruvate )
を、ACD血、CPD血(夫/r、ACD液、CPD液
を添加した血液)に添加することにより、赤血球機能が
高く保たれると云う報告がなされている。一方、血液の
保存容器と保存方法に係る研究は、血小板について、M
urphy and Gardnerが、’B1ood
’+  Vol、46+  p。
209〜218 (1975)で、血小板濃縮物を保存
する際に、塩化ビニル樹脂製の容器を用いるとpH低下
を来たし、血小板の生存能力を失なわせるが、ポリエチ
レン製の容器を用いた場合にはpH低下が少ないことを
開示している。さらに血小板の生存能力を維持するため
に必贋な条件を研究した結果、+11血小板の解糖作用
によって発生した乳酸がpHを低下させ、pHの低下速
度が血小板の数にほぼ逆比例すること、(2)血小板の
解糖作用によって発生した二酸化炭素を貯蔵容器の外に
逃がし、容器内の酸素分圧を高くすると解糖作用が抑制
されること、(3)貯蔵容器の材料として気体透過性の
よいポリエチレンを使用すると有利であるが、塩化ビニ
ル樹脂についてもそれを薄くして気体が透過し易すくす
れば同様な効果があること、を明らかにしている。
このような事実に基づいて、特開昭58−29465号
公報では、エチレンとα−オレフィンのコポリマー、イ
オノマーならびにイオノマー/ポリエステル・エラスト
マーと線状低密度ポリエチレン・エラストマーのラミネ
ートもしくは共押出物(以下オレフィン系樹脂という)
から作られた血小板貯蔵容器を開示している。しかしな
がらこの容器では、赤血球の保存には溶血を起こし易く
、不向きである。
この他冷凍保存について数多くの研究及び実績があシ、
長期間保存には非常に有効な手段であることが認められ
ている。特に液体窒素下に於ける保存は、半永久的とま
で云われている。しかしながらこの方法は、凍害防止剤
として添加されるグリセリン等の薬剤の除去に多くの労
力を要すること、容器等の必要コストが高いこと等の問
題があり、現在は希少な血液の保存が中心で、全体的に
は普及していない。
本発明者らは、血液、特に全血及び赤血球濃厚液の保存
について検討した結果、薄膜のポリ塩化ビニル製または
ポリエチレン製樹脂容器に充填された血液及び赤血球濃
厚液を4〜6℃で保存すると、その細胞成分がその機能
を十分保持しつつ相当長期間保存できること、その時血
液中の炭酸ガス分圧が低く保たれていること、pHC低
下が少ない事を見い出し、鋭意研究を進めた結果本発明
を完成するに至ったものである。
〔発明の目的〕
本発明は、上記のような従来の血液保存容器の欠点を改
良するため、血液、特に全血または赤血球濃厚液を4℃
〜6℃で保存する場合に、血液の保存可能日数の延長を
図ることができる、気体、特に炭酸ガスの透過性の優れ
たプラスチック製の血液保存容器、及びそれを使用した
血液保存方法を提供することを目的としたものである。
〔発明の構成〕
即ち本発明は、血液または血液製剤(以下、血液と云う
)の保存容器であって、血液中の炭酸ガスを容易に排除
できるように、25℃における炭酸ガス透過量が500
0Cd/rr?・24hr−atm以上である合成樹脂
フィルムより作られていることを特徴とする血液の保存
容器、及び、高ガス透過性の合成樹脂フィルムより作ら
れた保存容器内に、血液を入れ、該保存血の1週間を越
えて保存したときの炭酸ガス分圧を85 mttrHy
以下に保ち、2,3− DPGの濃度が2週間保存後も
2.0μmol/ rrdl赤血球以上で、且つpHが
6.7以上になる様に、2℃以上8℃以下で保存するこ
とを特徴とする血液の保存方法を提供するものである。
先に述べた本発明者らの研究に゛より、血液の保存に於
いて、その保存血中の炭酸ガスの分圧が85冒H?以下
、好ましくは50 ttmHy以下であれば、その保存
性が向上する事が判明した。この様な条件を与えるには
、素材(保存容器の材料)及び保存方法が密に関連する
保存血中の炭酸ガス分圧を85 wHp以下、好ましく
は50 ttmmHg以下に保つ様にするには、その容
器の材料は少くとも5000d/W?・24hr−at
m以上、好ましくは7000〜20000d/rr?・
24hr・atmの炭酸ガス透過性を有するフィルムで
あることが望ましい。そのようなフィルム(カッコ内の
数値は厚さ)としては、例えば炭酸ガス透過量が500
0cfI/−・24hr@atmのとき、軟質塩化ビニ
ル樹脂(80μ)、ポリエチレン(200μ)、ポリブ
タジェン(500μ)等を挙げることができる。
また、フィルムは単層でも良いが、血液の保存容器に要
求される特性である、柔軟性、ガス透過性、生物学的特
性、強度等の点から考えて、互に補強しあう2種以上の
熱可塑性合成樹脂の層を組み合せて複合化することによ
り、より優れた特性を有する保存容器を得ることができ
る。保存容器の外層材として柔軟性と機械的な強度の優
れたフィルム、中間層(2層の場合は内層材になる)に
は、特にガス透過性の大きい樹脂層、内層材には高ガス
透過性で、血液適合性を有し、生物学的、化学的に安全
な樹脂層を使用するのが良い。外層材に適した樹脂とし
ては、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン、EVA (エ
チレン−酢酸ビニル共重合体)、ポリウレタン、5EB
S (スチレン−エチレン−ブタジェン−スチレン共重
合体)等が挙げられるが、特に高圧蒸気滅菌に耐える耐
熱性が要求される場合には、塩化ビニル樹脂、ポリプロ
ピレン、5RBS等が望ましい。
中間層としてはガス透過性が優れた、少なくとも塩化ビ
ニル樹脂の2倍以上のガス透過性を持つようなポリブタ
ジェン、EVA、ポリウレタン、 5EBS、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体等が適している。
しかし、外層または中間層として、ガス透過性を著しく
向上させる目的で多孔性合成樹脂層を選び、特にその炭
酸ガス透過量を50000 cr/l/d・24hr−
atm以上にする場合には、上に記した樹脂に限定され
ゐものではなく、その選択に自由度が高くなる。但し、
血液保存容器は内容物を観察出来るものであることが望
ましく、少なくとも半透明以上の透明性を有している事
が必要である。多孔質材料は、気孔の孔径と分布密度に
よって透明〜10’個/cfAの範囲になるように調節
することが必要である。
また、内層材として使用できる、炭酸ガス透過性の良好
な樹脂としては、軟質塩化ビニル、ポリエチレン、EV
A、ポリウレタン、ポリブタジェン、スチレン−ブタジ
ェンブロック共重合体、及びこれらの樹脂を中心とする
共重合体、ブレンド品等が挙げられるが、内層材として
使用する樹脂は、血液及び血液成分と直接接触するもの
であるから、血液適合性を有し、化学的、生物学的安全
性の優れた樹脂であることが必要であシ、2層からなる
複合フィルムであっても、上記の中間層に使用する樹脂
の化学的、生物学的安全性が確認されていないときは内
層材としては使用が制限される。血液適合性を有し、化
学的、生物学的安全性に優れ、内層材として使用出来る
樹脂の例としては、軟質塩化ビニル樹脂等が挙げられる
この様な材料を用いて製作された血液保存容器は、採血
及び血液排出時に何らの加圧または減圧の手段なしに操
作できることが必要であり、構成材料としての抗張力は
5)cp/1o簡巾以下であることが必要で、これを満
足させる丸めには、例えばポリカーボネート、ナイロン
、ポリエステル等の様な高抗張力フィルムでは、その厚
みは0.1 ta以下、好ましくは0.025〜0.0
5wamとするのが望ましい。また、多層複合フィルム
の場合には、内層及び外層の厚さは夫々少なくとも10
μ以上とすることが、強度維持のために必要であるが、
あまシ厚くなっても柔軟性が損われるので、通常は夫々
総厚さの2層チ以内にするのが好ましく、複合フィルム
の使用可能な総厚さの範囲には自から限界があり、その
範囲は006〜10■であり、好ましくは0.20〜0
.40+nmとするのがよい。
また、血液バッグ等の保存容器を補強する目的で、その
外周を多孔性フィルムまたはメツシュ状のシート材料で
覆うこともでき、素材としては機械的な強度に優れた、
ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリウレタ
ン、塩化ビニル樹脂等が適している。
尚、熱可塑性合成樹脂層同志の複合化の方法としては、
ラミネート法、共押出法等が使用できるが、各層が一体
に密着形成されていれば良く、その製造方法は特に限定
されるものではない。また、血液バッグ等の袋としての
強度は、材料強度の他、製袋時のシール強度によっても
決定される。従って、本発明の目的に使用される合成樹
脂フィルムは、製袋特性に優れたものである事が必要で
、そのシール強度は1.5kf/cfn巾以上ある事が
望ましい。
この様な保存容器を用いてCPD保存液加で血液を保存
する場合、例えば、炭酸ガス透過量がt 5 a00〜
20000cIIl/rr?・24hr−atmの様な
ガス透過性の優れた保存容器については、そのまま2℃
以上8℃以下の保管において、炭酸ガスの分圧は2週間
後も85 m+HL?以下を保持されておシ、pHは6
゜75以上、2.3−DPGの濃度は2.Ottmot
/ml赤血球を保持でき、3週間後においても血液の酸
素運搬能は高く保持されている。
しかしながら、更に低い炭酸ガス透過量を有するもの、
例えば7000ci/m” ・24hr−atmでは、
通常の保管方法では炭酸ガス分圧は2週間後には100
簡Hy以上になり、2.3−DPGの濃度は15μmo
b / m(赤血球以下になることがある。しかしなが
ら、保存中に容器を攪拌することにより、炭酸ガス分圧
は低く抑えられ、2.3−DPGの濃度を高く保持する
ことができる。その攪拌は連続的または間欠的に行えば
よく、特に最初の数日間だけ、それも日に2〜3回数分
間づつ軽く振盪するだけでもその効果は得られる。その
振盪の効果は、炭酸ガス透過性の低い容器はど顕著であ
シ、透過量が50007/−・24h!・atm前後の
ものでは特に効果が高い。
また同様に、ガスの置換を容易ならしめる為に、隣如合
う保存容器の間に空間を持たせれば保存性向上の効果が
得られる。
実施例1 塩化ビニル樹脂の厚さが400μ、60μ、20μのフ
ィルムより成る袋に、CPD加血液を入れ、4℃で21
日間保存した。保存後の血液の炭酸ガス分圧(PCO2
) 、pH,2,3−DPG値及びP2Oを測定し、血
液の酸素運搬機能と保存期間の関係を求めた。結果は第
1表に示した通りで、20μの塩化ビニル樹脂単体フィ
ルムでは、3週後も血液の機能はほとんど低下していな
いことが判る。
硯 滅 実施例2 内面が80μの塩化ビニル樹脂層、外層が180μのポ
リブタジェン層より構成されたフィルムで作られた血液
保存用の貸を用いて、実施例1と同様の手法により血液
の各特性を求めた。結果は第2表に示した如くであった
実施例3 各種の複合フィルムについて、特性を夫々指標化し比較
した結果を第3表に示した。
〔発明の効果〕
以上の実施例からも明らかなように、血液保存容器を構
成する合成樹脂フィルムとして二酸化炭素透過度の大き
い素材を使用することによって血液及び血液成分の保存
可能期間の延長をはかることが出来るが、さらに2種以
上の熱可塑性合成樹脂の層を組合せ一体化した複合フィ
ルムを使用する本発明の方法によれば、各樹脂の単層フ
ィルムの欠点を互いに補強しあい、炭酸ガス透過度及び
血液保存性が優れているばかりでなく、耐熱性、機械強
度等信の緒物性のバランスの取れた実用可能な加液保存
容器を得ることが出来、また、優れた血液の保存方法を
提供することが出来る。
特許出願人 住友ベークライト株式会社佐藤 暢 手続補正書(自発) 昭和59年11月 HE

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)血液または血液製剤の保存容器であって、血液ま
    たは血液製剤中の炭酸ガスを容易に排除できるように、
    25℃における炭酸ガス透過量が5000cm^3/m
    ^2・24hr・atm以上である合成樹脂フィルムよ
    り作られていることを特徴とする血液及び血液製剤の保
    存容器。
  2. (2)互に補強しあう2種以上の熱可塑性合成樹脂の層
    で構成された複合フィルムより作られていることを特徴
    とする、特許請求の範囲第1項記載の血液及び血液製剤
    の保存容器。
  3. (3)内層が血液適合性を有する高ガス透過性の合成樹
    脂フィルムより成り、外層または中間層の炭酸ガス透過
    量が50000cm^3/m^2・24hr・atm以
    上である多孔性合成樹脂層より成ることを特徴とする、
    特許請求の範囲第1項、第2項のいずれかに記載の血液
    及び血液製剤の保存容器。
  4. (4)複合フィルムの総厚さが0.06〜1.0mmで
    ある、特許請求の範囲第1項、第2項及び第3項のいず
    れかに記載の血液及び血液製剤の保存容器。
  5. (5)保存容器の外周に多孔性またはメッシュ状の補強
    層を設けたことを特徴とする、特許請求の範囲第1項、
    第2項、第3項及び第4項記載の血液及び血液製剤の保
    存容器。
  6. (6)高ガス透過性の合成樹脂フィルムより作られた保
    存容器内に、血液または血液製剤を入れ、該保存血の1
    週間を越えて保存したときの炭酸ガス分圧を85mmH
    g以下に保ち、2、3−DPGの濃度が2週間保存後も
    2.0μmol/ml赤血球以上で、且つpHが6.7
    以上になる様に、2℃以上8℃以下で保存することを特
    徴とする血液及び血液製剤の保存方法。
  7. (7)血液または血液製剤の入った隣りあう保存容器が
    、ガスの置換が容易な様に空間を有していることを特徴
    とする特許請求の範囲第6項記載の血液及び血液製剤の
    保存方法。
  8. (8)保存血の炭酸ガス分圧が85mmHg以下の状態
    を維持できる様に、連続的または間欠的に振盪すること
    を特徴とする特許請求の範囲第6項、第7項のいずれか
    に記載の血液及び血液製剤の保存方法。
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